(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】端末装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220729BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/00 366A
G09F9/00 348Z
G09F9/00 350Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020555185
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2020-10-07
(86)【国際出願番号】 CN2020087628
(87)【国際公開番号】W WO2021217465
(87)【国際公開日】2021-11-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519405824
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司南京分公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING XIAOMI MOBILE SOFTWARE CO., LTD. NANJING BRANCH
【住所又は居所原語表記】Room 1001, 10th Floor, Building 3, No. 8 Bailongjiang East Street, Jianye District, Nanjing, Jiangsu 210019, China
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鄭 智仁
(72)【発明者】
【氏名】郭 延順
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA21
5C094BA27
5C094BA43
5C094EA10
5C094ED01
5G435AA16
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE47
5G435EE49
(57)【要約】
【要約】
本開示は、端末装置を提供する。端末装置は、タッチ表示層、指紋検出層及びシールド層を含む。タッチ表示層はタッチ表示面を含む。指紋検出層は、タッチ表示層のタッチ表示面に背向する側に設けられる。シールド層は、タッチ表示層のタッチ表示面に背向する側に設けられ、指紋検出層に対向する一部のシールド層は、指紋検出層のタッチ表示層に背向する側に位置し、シールド層は、端末装置の接地端に接続される電磁シールド層を含み、電磁シールド層の少なくとも一部は、指紋検出層のタッチ表示層に背向する側に位置する。該端末装置内の電磁シールド層は、指紋検出層に対向する一部のタッチ表示層を効果的に保護することができ、指紋検出層を設けることにより指紋検出層に対向する一部のタッチ表示層が電磁放射を受けることを回避し、指紋検出層の寸法を大きくすることによって電磁シールド層がタッチ表示層を効果的に保護できなくなるという課題を解決する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
タッチ表示面を含むタッチ表示層と、
前記タッチ表示層の前記タッチ表示面に背向する側に設けられる指紋検出層と、
前記タッチ表示層の前記タッチ表示面に背向する側に設けられるシールド層であって、前記指紋検出層に対向する一部の前記シールド層は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する側に位置し、前記シールド層は、前記端末装置の接地端に接続される電磁シールド層を含み、前記電磁シールド層の少なくとも一部は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する側に位置する、シールド層と、を含む、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記電磁シールド層の少なくとも一部は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する面に張り合わせられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記指紋検出層の前記電磁シールド層への正射影は、すべて前記電磁シールド層に位置する、
ことを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記電磁シールド層は、導電部材を介して前記接地端に接続され、前記導電部材は、前記電磁シールド層の縁部に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記導電部材は、第1のフレキシブル回路基板、導電性布および導電性接着剤のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記端末装置は、さらにケースを含み、前記タッチ表示層は前記ケースに組み立てられ、前記指紋検出層は前記タッチ表示層と前記ケースとの間に組み立てられ、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する面は、少なくとも一部の前記シールド層を介して前記ケースに張り合わせられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
前記ケースには、前記タッチ表示層に向けて開口する凹溝が設けられ、前記指紋検出層および少なくとも一部の前記シールド層は前記凹溝に位置する、
ことを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記シールド層は、前記電磁シールド層と前記ケースとの間に張り合わせられるバッファ層をさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項9】
前記指紋検出層は、前記タッチ表示層の前記タッチ表示面に背向する面に張り合わせられ、前記電磁シールド層の少なくとも一部は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する面に張り合わせられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項10】
前記端末装置は、信号読み取りモジュールをさらに含み、前記信号読み取りモジュールは、一体に集積された第1の読み取りチップと第2の読み取りチップとを含み、前記第1の読み取りチップは、前記指紋検出層によって出力された電気信号を読み取るように前記指紋検出層に接続され、前記第2の読み取りチップは、前記タッチ表示層によって出力された電気信号を読み取るように前記タッチ表示層に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項11】
前記信号読み取りモジュールは、第2のフレキシブル回路基板を介して前記タッチ表示層および前記指紋検出層に接続される、
ことを特徴とする請求項10に記載の端末装置。
【請求項12】
前記指紋検出層の前記タッチ表示層への正射影の面積は、前記タッチ表示層の面積と同じである、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項13】
前記指紋検出層は、指紋センシング層と、前記指紋センシング層と前記タッチ表示層との間に設けられる光調整層とを含み、前記光調整層はマイクロレンズアレイと、前記マイクロレンズアレイと前記指紋センシング層との間に設けられる第2のコリメート層とを含み、前記第2のコリメート層には、前記マイクロレンズアレイと前記指紋センシング層を連通させる第2のコリメートホールが設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は端末装置の技術分野に関し、特に端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フルスクリーン技術の発展に伴って、アンダースクリーン指紋技術は指紋検出の発展の主な傾向となっている。アンダースクリーン指紋技術とは、端末装置の指紋検出層がタッチ表示層の下に設けられ、指紋検出層の面積が大きいほど、端末装置の指紋検出領域が大きくなって、指紋検出の精度とセキュリティを向上させ、ユーザー体験を向上させることを指す。しかしながら、タッチ表示層の電磁シールド層は光透過性が悪いため、指紋検出層の面積を広げるには、電磁シールド層の面積を小さくして指紋検出層に場所を譲る必要があるので、電磁シールド層でタッチ表示層を保護することに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、改善された端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の1つの側面は、端末装置を提供し、前記端末装置は、タッチ表示面を有するタッチ表示層と、前記タッチ表示層の前記タッチ表示面に背向する側に設けられる指紋検出層と、前記タッチ表示層の前記タッチ表示面に背向する側に設けられるシールド層であって、前記指紋検出層に対向する一部の前記シールド層は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する側に位置し、前記シールド層は、前記端末装置の接地端に接続される電磁シールド層を含み、前記電磁シールド層の少なくとも一部は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する側に位置するシールド層と、を含む。
【0005】
選択的に、前記電磁シールド層の少なくとも一部は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する面に張り合わせられる。
【0006】
選択的に、前記指紋検出層の前記電磁シールド層への正射影は、すべて前記電磁シールド層に位置する。
【0007】
選択的に、前記電磁シールド層は、導電部材を介して前記接地端に接続され、前記導電部材は前記電磁シールド層の縁部に設けられる。
【0008】
選択的に、前記導電部材は、第1のフレキシブル回路基板、導電性布および導電性接着剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
選択的に、前記端末装置は、さらにケースを含み、前記タッチ表示層は前記ケースに組み立てられ、前記指紋検出層は前記タッチ表示層と前記ケースとの間に組み立てられ、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する面は、少なくとも一部の前記シールド層を介して前記ケースに張り合わせられる。
【0010】
選択的に、前記ケースには、前記タッチ表示層に向けて開口する凹溝が設けられ、前記指紋検出層および少なくとも一部の前記シールド層は前記凹溝に位置する。
【0011】
選択的に、前記シールド層は、前記電磁シールド層と前記ケースとの間に張り合わせられるバッファ層をさらに含む。
【0012】
選択的に、前記指紋検出層は、前記タッチ表示層の前記タッチ表示面に背向する面に張り合わせられ、前記電磁シールド層の少なくとも一部は、前記指紋検出層の前記タッチ表示層に背向する面に張り合わせられる。
【0013】
選択的に、前記端末装置は、信号読み取りモジュールをさらに含み、前記信号読み取りモジュールは、一体に集積された第1の読み取りチップと第2の読み取りチップとを含み、前記第1の読み取りチップは、前記指紋検出層によって出力された電気信号を読み取るように前記指紋検出層に接続され、前記第2の読み取りチップは、前記タッチ表示層によって出力された電気信号を読み取るように前記タッチ表示層に接続される。
【0014】
選択的に、前記信号読み取りモジュールは、第2のフレキシブル回路基板を介して前記タッチ表示層および前記指紋検出層に接続される。
【0015】
選択的に、前記指紋検出層の前記タッチ表示層への正射影の面積は、前記タッチ表示層の面積と同じである。
【0016】
選択的に、前記指紋検出層は、指紋センシング層と、前記指紋センシング層と前記タッチ表示層との間に設けられる光調整層とを含み、前記光調整層は、マイクロレンズアレイと、前記マイクロレンズアレイと前記指紋センシング層との間に設けられる第2のコリメート層とを含み、前記第2のコリメート層には、前記マイクロレンズアレイと前記指紋センシング層を連通させる第2のコリメートホールが設けられる。
【0017】
電磁シールド層の少なくとも一部を、指紋検出層のタッチ表示層に背向する側に位置させることにより、指紋検出層に対向する一部のタッチ表示層を保護し、指紋検出層を設けることにより指紋検出層に対向する一部のタッチ表示層が電磁放射を受けることを回避し、指紋検出層の寸法を大きくすることによって電磁シールド層がタッチ表示層を効果的に保護できなくなるという課題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明する。以下に説明される図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者が創造的な労力なしに、これらの図面に基づいて他の図面を取得できることは自明である。
【0019】
【
図1】例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。
【0020】
【
図2】本開示の例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。
【0021】
【
図3】本開示の例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。
【0022】
【
図4】本開示の例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。
【0023】
【
図5】本開示の例示的な一実施例により示される端末装置のタッチ表示面の概略図である。
【0024】
【
図6】本開示の例示的な一実施例により示されるタッチ表示層と指紋検出層の一部の構造断面図である。
【0025】
【
図7】本開示の例示的な一実施例により示されるタッチ表示層と指紋検出層の一部の構造断面図である。
【0026】
【
図8】本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層の上面図である。
【0027】
【
図9】本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層の上面図である。
【0028】
【
図10】本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層とタッチ表示層との間の接続を示す概略図である。
【0029】
【
図11】本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層とタッチ表示層との間の接続を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施例の図面に基づき、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。説明される実施例が本開示の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに取得する他のすべての実施例は、いずれも本開示が保護する範囲に属する。
【0031】
ここでは、例示的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明が図面と関連がある場合、別段の説明がない限り、異なる図面における同じ数字は、同じ又は類似する要素を表す。以下の例示的な実施例において説明される実施形態は、本開示と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは添付の特許請求の範囲に詳述される、本開示の一部の側面と一致する装置又は方法の例に過ぎない。
【0032】
本開示で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものだけであり、本開示を制限することを意図していない。文脈上から別の意味が明確に示されていない限り、本開示および添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「一種」、「前記」および「該」も、複数形を意図している。さらに、本明細書で使用されている「及び/又は」は、関連する1つ又は複数の列挙項目の如何なる又はすべての可能な組み合せを指し、且つそれらを含む。別途の説明がない限り、「前部」、「後部」、「下部」及び/又は「上部」のような類似する用語は、説明を容易にするためのものだけであり、1つの位置又は1つの空間の向きに限定されるものではないことを理解されたい。「接続する」又は「つながる」のような類似する用語は物理的接続又は機械的接続に限定されず、直接的又は間接的な電気的接続を含むことができる。「複数」又は「若干」のような類似する用語は、2つ又はそれ以上を意味する。
【0033】
アンダースクリーン指紋技術の迅速な発展に伴って、端末装置の指紋検出領域の面積はますます大きくなって、ユーザーの指紋検出体験を向上させた。一部の実施例において、
図1に示す端末装置の一部の構造断面図を参照すると、端末装置はタッチ表示層110、指紋検出層120及びシールド層130を含む。タッチ表示層110はタッチ表示面111を含み、シールド層130は、タッチ表示層110のタッチ表示面111に背向する側に設けられ、指紋検出層120は、シールド層130のタッチ表示層110に背向する側に設けられ、且つ光をタッチ表示層110から指紋検出層120に照射できるように、シールド層130の指紋検出層120に対向する部分が除去されて、指紋検出層120による指紋の検出に役立つ。なお、タッチ表示層110の指紋検出層120に対向する領域は指紋検出領域である。シールド層130は銅箔131を含み、銅箔131は接地端に接続されて電磁放射を防ぐ役割を果たして、タッチ表示層110を保護する。しかしながら、指紋検出領域を大きくするには、指紋検出層120の面積を広げる必要があるので、指紋検出層120に場所を譲るために、より多くのシールド層130を除去しなければならず、それに応じて銅箔131の面積も小さくなり、銅箔131でタッチ表示層110を効果的に保護するには不利である。
【0034】
上記欠点に基づいて、本開示の実施例は端末装置を提供し、該端末装置は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス、又は医療機器等を含むが、これらに限定されない。以下に、携帯電話を例として図面を参照して説明する。
【0035】
図2は、本開示の例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。
図2を参照すると、端末装置はタッチ表示層210、指紋検出層220およびシールド層230を含む。
【0036】
本開示の実施例において、タッチ表示層210は、数字又は画像を表示するための表示層と、指に押されたタッチポイントの位置を捉えるためのタッチ層とを含む。例示的に、表示層とタッチ層は積層して設けられる。例示的に、表示層とタッチ層は1つの層に集積され、本開示は、これに対して具体的に限定しない。タッチ表示層210は、表示およびタッチのためのタッチ表示面211を含む。例示的に、タッチ表示層210は、フレキシブルタッチ表示層210である。例示的に、タッチ表示層210は、リジッドタッチ表示層210である。例示的に、表示層は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)層、またはOLED(OrganicLight-Emitting Diode、有機発光ダイオード)層であってもよい。
【0037】
指紋検出層220は、タッチ表示層210のタッチ表示面211に背向する側に設けられている。なお、指紋検出層220は、タッチ表示層210を透過する光を受け、光信号を電気信号に変換することにより、指紋検出用の指紋画像を形成するための光学指紋検出層220である。
【0038】
シールド層230は、タッチ表示層210のタッチ表示面211に背向する側に設けられ、指紋検出層220に対向する一部のシールド層230は、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する側に位置する。シールド層230は、端末装置の接地端に接続される電磁シールド層231を含み、電磁シールド層231の少なくとも一部は、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する側に位置する。なお、シールド層230は、光透過性が悪く、光の透過に影響する。光がタッチ表示層210を透過して指紋検出層220に照射されることを保証し、更に指紋検出層220による指紋検出を容易にするために、タッチ表示層210と指紋検出層220との間にシールド層230が設けられていない。例示的に、端末装置のPCB(Printed Circuit Board、プリント回路基板)に接地端が設けられ、電磁シールド層231を接地端に接続することにより、電磁シールド層231が電磁放射を防ぐ役割を果たす。例示的に、電磁シールド層231は、金属層を含み、金属層は、銅箔、アルミニウム箔、または鉄箔等を含んでもよい。
【0039】
上記のように、電磁シールド層231の少なくとも一部を、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する側に位置させることにより、指紋検出層220に対向する一部のタッチ表示層210を保護し、指紋検出層220を設けることで、指紋検出層220に対向する一部のタッチ表示層210が電磁放射を受けることを回避する。即ち、指紋検出層220を設けることによって欠けた一部の電磁シールド層231を、指紋検出層220に対向する一部の電磁シールド層231で補う。このように、指紋検出層220に対向する一部の電磁シールド層231、及び/または、指紋検出層220に対向しない一部の電磁シールド層231を合わせてタッチ表示層210を保護して、指紋検出層220の寸法を大きくすることによって電磁シールド層231がタッチ表示層210を効果的に保護できないという課題を解決する。
【0040】
本開示の実施例によって提供される端末装置をより明確に理解するために、以下に図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0041】
一部の実施例において、引き続き
図2を参照し、電磁シールド層231の少なくとも一部は、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する面に張り合わせられる。このように、電磁シールド層231とタッチ表示層210との距離を短くすることは、電磁シールド層231がタッチ表示層210の周りの電磁放射を効果的に遮蔽して、タッチ表示層210をより効果的に保護するのに役立つ。
【0042】
さらに、一部の実施例において、指紋検出層220の電磁シールド層231への正射影は、すべて電磁シールド層231に位置する。例示的に、指紋検出層220と電磁シールド層231の両者が張り合わせられる2つの張り合わせ面の面積は等しい。例示的に、電磁シールド層231の指紋検出層220に面する張り合わせ面の面積は、指紋検出層220の電磁シールド層231に面する張り合わせ面の面積より大きい。このように、電磁シールド層231の寸法を大きくすることは、電磁シールド層231がより効果的にタッチ表示層210の周りの電磁放射を補償して遮蔽することに役立つ。
【0043】
一部の実施例において、引き続き
図2を参照し、電磁シールド層231は、導電部材240を介して接地端に接続され、導電部材240は電磁シールド層231の縁部に設けられる。このように、導電部材240の長さを短くすることによって端末装置の内部の縁部空間を合理的かつ十分に利用することに役立ち、端末装置の集積度の向上にも役立つ。
【0044】
さらに、一部の実施例において、導電部材240は、第1のフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit Board、FPC)241、導電部および導電性接着剤242のうちの少なくとも1つを含む。例示的に、引き続き
図2を参照し、導電部材240は、第1のフレキシブル回路基板241と導電性接着剤242とを含み、第1のフレキシブル回路基板241は、指紋検出層220の縁部に設けられ、第1のフレキシブル回路基板241は、端末装置の接地端に接続され、導電性接着剤242は、電磁シールド層231の縁部および第1のフレキシブル回路基板241に接続される。一部の実施例において、第1のフレキシブル回路基板241と導電性接着剤242とは異なる構造の空間に適用することができ、端末装置の内部空間を合理的に計画し、さらに電磁シールド層231を接地端に接続するのに役立つ。例示的に、端末装置は、フレキシブル回路基板によって指紋検出層220との間の信号伝送を実現し、電磁シールド層231に接続するように該フレキシブル回路基板を第1のフレキシブル回路基板241とし、第1のフレキシブル回路基板241を個別に追加して設けることを回避し、端末装置の集積度の向上にさらに役立つ。
図3は、本開示の例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。
図4は、本開示の例示的な一実施例により示される端末装置の一部の構造断面図である。一部の実施例において、
図3と
図4とを併せて参照し、端末装置は、さらにケース250を含み、タッチ表示層210は、ケース250に組立られ、指紋検出層220は、タッチ表示層210とケース250との間に組み立てられる。例示的に、ケース250は、フロントケース、ミドルフレーム及びバックカバーを含み、タッチ表示層210及び指紋検出層220は、ミドルフレームに組み立てられることができ、ミドルフレーム、フロントケース、バックカバー及び各モジュールを組み立てた後、端末装置の組み立てを完了する。例示的に、タッチ表示層210のタッチ表示面211は、タッチ表示層210を保護する役割を果たすために、さらにガラスカバー260で覆われている。
【0045】
一部の実施例において、引き続き
図3を参照し、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する面は、少なくとも一部のシールド層230を介してケース250に張り合わせられ、即ち、指紋検出層220は、指紋検出層220を安定的に固定するために、ケース250に固定される。
【0046】
さらに、一部の実施例において、引き続き
図3を参照し、ケース250には、タッチ表示層210に向けて開口する凹溝251が設けられ、指紋検出層220及び少なくとも一部のシールド層230は、凹溝251に位置する。このように、凹溝251は、指紋検出層220を保護する役割を果たし、凹溝251によって端末装置の内部空間が広げられ、端末装置の集積度の向上に役立つ。例示的に、ミドルフレームの厚さは、0.3mmより大きく、ミドルフレームに凹溝251が設けられ、指紋検出層220の厚さは、0.3mmより小さく、指紋検出層220は、凹溝251に設けられる。
【0047】
さらに、一部の実施例において、引き続き
図3を参照し、シールド層230は、さらにバッファ層232を含み、バッファ層232は、電磁シールド層231とケース250との間に張り合わせられる。一部の実施例において、ケース250は内壁の構造が不規則である可能性があり、バッファ層232を用いることによって、緩衝と封止の役割を果たし、各フィルム層の平坦度を保証する。例示的に、バッファ層232は、軽量で変形効果に優れたフォームを含む。
【0048】
他の実施例において、引き続き
図4を参照し、指紋検出層220は、タッチ表示層210のタッチ表示面211に背向する面に張り合わせられ、電磁シールド層231の少なくとも一部は、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する面に張り合わせられる。例示的に、バッファ層232は、電磁シールド層231の指紋検出層220に背向する側に張り合わせられる。
【0049】
一部の実施例において、指紋検出層220の面積は、タッチ表示層210の面積より小さく、即ち、タッチ表示層210は、指紋検出層220に対向する第1部分201、及び指紋検出層220に対向しない第2部分202を含む。従って、
図3を参照し、タッチ表示層210の第2部分202に対向するシールド層230は、タッチ表示層210のタッチ表示面211に背向する面に直接張り合わせることができ、タッチ表示層210の第1部分201に対向するシールド層230は、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する側に張り合わせることができる。それぞれタッチ表示層210の第1部分201及び第2部分202に対向するシールド層230内の電磁シールド層231と協動することにより、電磁放射を防ぐ役割を効果的に果たすことができ、タッチ表示層210を効果的に保護できる。例示的に、タッチ表示層210の第2部分202に対向するバッファ層232は、シールド効果を効果的に果たすように、電磁シールド層231とタッチ表示層210との間に位置する。例示的に、タッチ表示層210の第2部分202に対向するバッファ層232は、電磁シールド層231のタッチ表示層210に背向する側に設けてもよく、本開示はこれに対して具体的に限定しない。
【0050】
他の実施例において、指紋検出層220のタッチ表示層210への正射影の面積は、タッチ表示層210の面積と等しく、即ち、指紋検出層220は、端末装置がフルスクリーンで指紋を検出できるように、タッチ表示層210と完全に対向する。
図5の本開示の例示的な一実施例により示される端末装置のタッチ表示面211の概略図を参照し、端末装置のタッチ表示面211はすべて指紋検出領域として使用することができ、複数の指がタッチ表示面211を同時に押すことができ、端末装置は複数の指紋310を検出することによって、正確かつ安全な指紋検出を実現する。例えば、指紋検出領域を拡大することによって、端末装置が指紋のより多くの特徴点を識別でき、指紋検出の精度を向上できる。指紋検出領域を拡大することによって、ユーザーは任意の領域において指紋検出を快適に行うことができる。指紋検出領域を拡大することによって、マルチ指紋の検出機能を実現するのに役立ち、決済やロック解除等の指紋認識の精度とセキュリティを向上させる。
【0051】
図6は、本開示の例示的な一実施例により示されるタッチ表示層210と指紋検出層220の一部の構造断面図であり、
図7は、本開示の例示的な一実施例により示されるタッチ表示層210と指紋検出層220の一部の構造断面図である。一部の実施例において、
図6と
図7を併せて参照し、指紋検出層220は、指紋センシング層221と、指紋センシング層221とタッチ表示層210との間に設けられる光調整層222とを含み、即ち、光調整層222は、指紋センシング層221の光を受ける側に設けられる。例示的に、
図6を参照し、光調整層222は、第1のコリメート層223を含み、第1のコリメート層223には、タッチ表示層210と指紋センシング層221とを連通させる複数の第1のコリメートホール224が設けられて、コリメートされた光が指紋センシング層221に入射し、指紋の隆起部と谷部に反射された光の間の相互の干渉が回避される。しかしながら、第1のコリメートホール224は、入射する光の量を保証するために、大きいアスペクト比(第1のコリメートホール224の深さと孔径との比)が必要とされ、第1のコリメート層223を厚くすることによって第1のコリメートホール224のアスペクト比を高めても良いが、それは指紋検出層220の厚さを増加させることになり、端末装置の集積度の向上に不利である。
【0052】
他の実施例において、引き続き
図7を参照し、光調整層222はマイクロレンズアレイ225と、マイクロレンズアレイ225と指紋センシング層221との間に設けられる第2のコリメート層226とを含み、第2のコリメート層226には、マイクロレンズアレイ225と指紋センシング層221とを連通させる第2のコリメートホール227が設けられる。一部の実施例において、マイクロレンズアレイ225を介して光を収束させて第2のコリメートホール227に入射させることにより、第2のコリメートホール227による光のコリメートを容易にし、指紋の隆起部と谷部に反射された光の間の相互の干渉が回避される。マイクロレンズアレイ225が光を収束させることにより、第2のコリメートホール227のアスペクト比が小さい場合においても、第2のコリメートホール227に入射する光の量を保証できるので、第2のコリメート層226の厚さを薄くして、指紋検出層220の厚さを小さくするのに役立ち、端末装置の集積度を向上させることができる。
【0053】
例示的に、第1のコリメート層223の厚さは0.2mmであり、マイクロレンズアレイ225を用いて光を収束させることにより、第2のコリメート層226の厚さを0.05mmとすることができる。例示的に、マイクロレンズアレイ225を含む光調整層222を用いることにより、指紋検出層220の厚さを0.3mm以下まで減少させることができ、端末装置の集積度の向上に役立つ。
【0054】
一部の実施例において、引き続き
図7を参照し、光調整層222はマイクロレンズアレイ225を含み、マイクロレンズアレイ225とタッチ表示層210との間に空気層270が形成される。例示的に、空気層270の厚さは0.2mmである。空気層270とマイクロレンズアレイ225との光線に対する屈折率の違いに基づき、マイクロレンズアレイ225による光の収束を容易にする。
【0055】
一部の実施例において、引き続き
図6を参照し、光調整層222は、第1のコリメート層223を含み、第1のコリメート層223は、OCA(Optically Clear Adhesive、光学透明接着剤)層280を介してタッチ表示層210のタッチ表示面211に背向する側に張り合わせられる。他の実施例において、光調整層222は、マイクロレンズアレイ225と第2のコリメート層226とを含み、マイクロレンズアレイ225は、OCA層280を介してタッチ表示層210のタッチ表示面211に背向する側に張り合わせられる。このとき、
図7のマイクロレンズアレイ225とタッチ表示層210との間の空気層270は、OCA層280に置き換えられる。マイクロレンズアレイ225が光を収束させるには、OCA層280とマイクロレンズアレイ225との光に対する屈折率が異なる必要がある。例示的に、OCA層280の屈折率は約1.2とし、マイクロレンズアレイ225の屈折率は約1.6とする。
【0056】
図8は、本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層220の上面図である。
図9は、本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層220の上面図である。一部の実施例において、
図8を参照し、指紋検出層220は、ガラス基板228を含み、指紋センシング層221はガラス基板228に形成され、第1の読み取りチップ291は、指紋センシング層221によって出力された電気信号を読み取るために、ガラス基板228に接着される。このように、第1の読み取りチップ291が端末装置内部の他の空間を占有することが回避される。他の実施例において、
図9を参照し、指紋検出層220は、ガラス基板228を含み、指紋センシング層221はガラス基板228に形成され、第1の読み取りチップ291は第1のフレキシブル回路基板241に設けられ、第1のフレキシブル回路基板241は指紋センシング層221に接続され、第1の読み取りチップ291は、指紋センシング層221によって出力された電気信号を読み取ることに用いられる。第1のフレキシブル回路基板241を用いることにより、端末装置内部の縁部を占有することになり、端末装置の集積度の向上に役立つ。また、ガラス基板228はシリコン基材よりも安価であるため、ガラス基板228を含む指紋検出層220を用いることによってコストを削減することができる。
【0057】
図10は、本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層220とタッチ表示層210との間の接続を示す概略図である。一部の実施例において、
図10を参照し、端末装置は、信号読み取りモジュール290をさらに含み、信号読み取りモジュール290は、一体に集積された第1の読み取りチップ291と第2の読み取りチップ292とを含み、第1の読み取りチップ291は、指紋検出層220によって出力された電気信号を読み取るために、指紋検出層220に接続され、第2の読み取りチップ292は、タッチ表示層210によって出力された電気信号を読み取るために、タッチ表示層210に接続される。このように、第1の読み取りチップ291と第2の読み取りチップ292とを信号読み取りモジュール290として集積することにより、第1の読み取りチップ291と第2の読み取りチップ292とが占有する空間の減少および端末装置の集積度の向上に有利であり、第1の読み取りチップ291と第2の読み取りチップ292の2つの読み取りチップを購入することと比べて、コストの削減にも役立つ。
【0058】
一部の実施例において、引き続き
図10を参照し、信号読み取りモジュール290は、第2のフレキシブル回路基板293を介してタッチ表示層210および指紋検出層220に接続される。このように、第2のフレキシブル回路基板293を使用すれば、端末装置内の不規則な空間に適合することができ、端末装置の集積度の向上に有利である。例示的に、第2のフレキシブル回路基板293と第1のフレキシブル回路基板241とは同一のフレキシブル回路基板である。例示的に、第2のフレキシブル回路基板293と第1のフレキシブル回路基板241とは異なるフレキシブル回路基板である。
【0059】
図11は、本開示の例示的な一実施例により示される指紋検出層220とタッチ表示層210との間の接続を示す概略図である。例示的に、
図11を参照し、第2のフレキシブル回路基板293は、第1のサブフレキシブル回路基板294と第2のサブフレキシブル回路基板295を含み、第1のサブフレキシブル回路基板294は指紋検出層220に接続され、第2のサブフレキシブル回路基板295はタッチ表示層210に接続され、信号読み取りモジュール290は第2のサブフレキシブル回路基板295に設けられ、第1のサブフレキシブル回路基板294と第2のサブフレキシブル回路基板295との間はコネクタ296を介して接続される。コネクタ296を利用して接続することで、指紋検出層220又はタッチ表示層210のいずれかに故障が発生した場合、コネクタ296によって指紋検出層220とタッチ表示層210とを容易に分離することができる。例示的に、信号読み取りモジュール290は、さらに第1のサブフレキシブル回路基板294に設けられてもよく、本開示はこれに対して具体的に限定しない。
【0060】
以上により、本開示の実施例により提供された端末装置は、電磁シールド層231の少なくとも一部を、指紋検出層220のタッチ表示層210に背向する側に設けることにより、指紋検出層220に対向する一部のタッチ表示層210を保護し、指紋検出層220を設けることによって該一部のタッチ表示層210が電磁放射を受けることを回避して、指紋検出層220の寸法を大きくすることによって電磁シールド層231がタッチ表示層210を効果的に保護できなくなるという課題を解決できる。指紋検出層220は、ケース250又はタッチ表示層210に張り合わせることができるので、指紋検出層220の固定に有利であるうえ、端末装置の集積度の向上にも役立つ。指紋検出層220がマイクロレンズアレイ225および第2のコリメート層226を含むことにより、指紋検出層220の厚さを薄くすることに役立ち、端末装置の集積度の向上に役立つ。第1の読み取りチップ291と第2の読み取りチップ292を信号読み取りモジュール290として集積することにより、占有する空間の減少に役立つうえ、コストの削減にも役立つ。該端末装置の構造は、フレキシブルスクリーン又はリジッドスクリーンに適用でき、集積度が高く、コストが低く、高い市場競争力を有する。
【0061】
本開示の上記各実施例は、衝突しない限り、互いに補完することができる。
【0062】
なお、本開示において、「第1」と「第2」のような関係用語は、あるエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作と区別するものだけであり、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序の存在を求める又は暗示するものではない。「含む」、「包含する」のような用語又はその如何なる変形は、非排他的な含むをカバーすることを意図しており、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明示的に列挙されていない他の要素を含むか、又はこういうプロセス、方法、物品又は装置固有の要素をさらに含む。更なる制限がない限り、「1つの……を含む」という文に限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に、他の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0063】
以上により、本発明の実施例によって提供された方法および装置について詳しく説明した。本文では具体的な例を挙げて本発明の原理および実施形態を説明し、以上の実施例の説明は、本発明の方法およびその趣旨への理解を促すものに過ぎない。同時に、当業者にとって、本発明の趣旨に基づいて、具体的な実施形態および適用範囲に変更があることは明らかである。以上により、本明細書の内容は本発明への制限として理解してはいけない。
【0064】
本出願書類に開示されている内容は、著作権で保護されている材料を含む。該著作権は著作権者が所有している。著作権者は、誰もが国家知識産権局と商標局の公式記録、又は記録に存在する該出願書類又はその開示内容をコピーすることに反対しない。
【国際調査報告】