(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】オイルガス処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
C07C 7/04 20060101AFI20220729BHJP
C10G 53/02 20060101ALI20220729BHJP
C07C 9/06 20060101ALI20220729BHJP
C07C 9/08 20060101ALI20220729BHJP
C07C 9/10 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
C07C7/04
C10G53/02
C07C9/06
C07C9/08
C07C9/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518784
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2020094728
(87)【国際公開番号】W WO2020244639
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】201910492804.0
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910575665.8
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910740666.3
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521136518
【氏名又は名称】中国石▲化▼工程建▲設▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521136529
【氏名又は名称】中石▲化▼▲煉▼▲化▼工程(集▲団▼)股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】黄 孟旗
(72)【発明者】
【氏名】余 ▲龍▼▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 雷
(72)【発明者】
【氏名】江 盛▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲ユ▼文
(72)【発明者】
【氏名】高 娜
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 迪
(72)【発明者】
【氏名】段 丹
【テーマコード(参考)】
4H006
4H129
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AD11
4H006BC51
4H006BC52
4H006BD60
4H129AA02
4H129CA02
4H129CA04
4H129CA25
4H129LA02
4H129MA01
4H129MA08
4H129MA12
4H129MA13
4H129MB04A
4H129MB04B
4H129MB04C
4H129MB07A
4H129MB07B
4H129MB07C
4H129NA01
4H129NA22
(57)【要約】
本発明はオイルガス処理方法を提供するものであって、その方法によって、ガソリン成分、炭素二、炭素三及び炭素四成分の効率的な分離と回収を実現することができる。本発明は、軽質炭化水素成分とガソリン成分の分離を先に行い、続いて軽質炭化水素成分を豊富に含むストリームに対して後続処理すると、ガソリンを採用して液化ガス成分を循環吸収する必要がなくなり、ガソリンの循環量が大幅に減少し、分離フロー全体のエネルギー消費が低減される。本発明は、また、成分分離工程の前に、先に軽質炭化水素成分を豊富に含むストリーム中の不純物、例えば、H2S及びチオールを除去することで、不純物が下流の軽炭化水素回収部分に持ち込まれないことを保証することができ、硫化水素による軽質炭化水素回収部分に関わる腐食問題が回避されるとともに、下流の硫化水素の濃度を大幅に低下させ、安全性を向上させ、且つ下流製品の品質を確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルガス処理方法であって、
(1)炭化水素系材料に対して第1気液分離を行い、H
2とC1-C4を主とする第1気相材料、及びC5
+を主とする第1液相材料が得られる工程と、
(2)前記第1気相材料を分離し、H
2とC1を主とするドライガス製品、C2を主とするC2製品、C3を主とするC3製品及びC
4を主とするC4製品が得られる工程と、を含むオイルガス処理方法。
【請求項2】
前記第1気相材料を不純物除去した後に、工程(2)における分離を行い、好ましくは、前記不純物除去は酸性物質及びチオールを除去するためのものであり、前記酸性物質は具体的に硫化水素及び/又は二酸化炭素であることを特徴とする請求項1に記載のオイルガス処理方法。
【請求項3】
工程(2)において、前記第1気相材料を不純物除去し、不純物が除去された第1気相材料を生成し、前記不純物が除去された第1気相材料を分離することで、前記ドライガス製品、C2製品、C3製品及びC4製品が得られ、
好ましくは、前記不純物除去は、前記第1気相材料を順次に、アミン洗浄及び/又はアルカリ洗浄及び/又は水洗することを含み、より好ましくは、前記アミン洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が1.0MPaG~1.5MPaGであることを含み、
前記アルカリ洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が0.9MPaG~1.4MPaGであることを含み、
前記水洗の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が0.9MPaG~1.4MPaGであることを含むことを特徴とする請求項2に記載のオイルガス処理方法。
【請求項4】
工程(2)において、前記第1気相材料に対して第2気液分離を行い、H
2とC1-C4を主とする第2気相材料、及びH
2とC1-C4を主とする第2液相材料を生成し、前記第2気相材料に対して気相不純物除去を行い、不純物が除去された第2気相材料を生成し、前記第2液相材料に対して液相不純物除去を行い、不純物が除去された第2液相材料を生成し、前記不純物が除去された第2気相材料と前記不純物除去された第2液相材料を混合した後に分離することで、前記ドライガス製品、C2製品、C3製品及びC4製品が得られ、
好ましくは、前記気相不純物除去は、前記第2気相材料を順次に、気相アミン洗浄及び/又は気相アルカリ洗浄及び/又は気相水洗することを含み、前記液相不純物除去は、前記第2液相材料を順次に、液相アミン洗浄及び/又は液相アルカリ洗浄及び/又は液相水洗することを含み、
より好ましくは、前記気相アミン洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が2.2MPaG~3.0MPaGであることを含み、及び/又は
前記気相アルカリ洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が2.2MPaG~2.9MPaGであることを含み、及び/又は
前記気相水洗の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が2.2MPaG~2.9MPaGであることを含み、及び/又は
前記液相アミン洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が3.0MPaG~3.5MPaGであることを含み、及び/又は
前記液相アルカリ洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が3.0MPaG~3.5MPaGであることを含み、及び/又は
前記液相水洗の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が3.0MPaG~3.5MPaGであることを含むことを特徴とする請求項2に記載のオイルガス処理方法。
【請求項5】
工程(2)において、前記分離は、具体的には、
(a)不純物が除去された第1気相材料又は不純物が除去された第2気相材料と、前記不純物が除去された第2液相材料との混合材料を冷却した後に第1分離を行い、H
2とC1を主とする気相材料及びC1-C4を主とする液相材料が得られる工程と、
(b)前記C1-C4を主とする液相材料に対して第2分離を行い、C1を主とする気相材料及びC2-C4を主とする液相材料が得られる工程と、
(c)前記C2-C4を主とする液相材料に対して第3分離を行い、C2を主とするC2製品及びC3-C4を主とする液相材料が得られ、もしくはC3を主とするC3製品及びC2とC4を主とする液相材料が得られる工程と、
(d)前記C3-C4を主とする液相材料又は前記C2とC4を主とする液相材料に対して第4分離を行い、C4を主とするC4製品及びC3を主とするC3製品又はC2を主とするC
2製品が得られる工程と、を含み、
好ましくは、さらに、(e)前記C3製品を精留し、プロパンを主とするプロパン製品及びプロピレンを主とするプロピレン製品が得られる工程を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のオイルガス処理方法。
【請求項6】
工程(a)において、吸収剤で前記H
2とC1を主とする気相材料を処理し、H
2とC1を含むドライガス製品、及び吸収剤を主とする液相材料が得られ、好ましくは、前記吸収剤は混合C4/C5であり、より好ましくは、前記吸収剤を主とする液相材料を工程(d)までに循環させることを特徴とする請求項5に記載のオイルガス処理方法。
【請求項7】
前記C1を主とする気相材料を工程(a)までに循環させ、好ましくは、前記冷却の回数は1回または複数回であり、前記C1を主とする気相材料を1回目の冷却工程までに循環させることを特徴とする請求項5又は6に記載のオイルガス処理方法。
【請求項8】
前記炭化水素系材料は、FCC(Fluid Catalytic Cracking)プロセスの分留塔の塔頂部、DCC(Deep Catalytic Cracking)プロセスの分留塔の塔頂部、CPP(Catalytic Pyrolysis Process)プロセスの分留塔の塔頂部、ディレードコーキングプロセスの分留塔の塔頂部又はフレキシコーキングプロセスの分留塔の塔頂部に由来するものであり、好ましくは、前記炭化水素系材料は凝縮冷却処理された材料であり、より好ましくは、前記凝縮冷却処理された材料は温度が30~60℃であり、圧力が0.01MPaG~0.3MPaGであることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のオイルガス処理方法。
【請求項9】
工程(1)において、前記第1気液分離は方式1及び方式2から選択され、方式1とは、炭化水素系材料を、H
2とC1-C4を主とする第1気相材料及びC5
+を主とする第1液相材料に直接分離することであり、方式2とは、先に炭化水素系材料を、H
2、軽質炭化水素と軽質ガソリンを主とする気相材料及び重質ガソリンを主とする液相材料に分離してから、さらに前記H
2、軽質炭化水素と軽質ガソリンを主とする気相材料を、H
2とC1-C4を主とする第1気相材料及びC5
+を主とする第1液相材料に分離することであり、
好ましくは、前記方式1は、脱ブタン塔で行われ、前記方式2は、軽質重質ガソリン分離塔と軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔とで行われ、
より好ましくは、前記脱ブタン塔の塔頂部の操作温度は、40℃~70℃、好ましくは45℃~65℃、より好ましくは45℃~55℃であり、及び/又は前記脱ブタン塔の塔底部の操作温度は180℃~220℃、好ましくは180℃~200℃、より好ましくは150℃~200℃であり、及び/または前記脱ブタン塔の塔内の操作圧力は、1.0MPaG~1.6MPaG、好ましくは1.0MPaG~1.5MPaGであり、及び/又は、
前記軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部の操作温度は60℃~85℃であり、及び/又は前記軽質重質ガソリン分離塔の塔底部の操作温度は140℃~190℃であり、及び/又は前記軽質重質ガソリン分離塔の塔内の操作圧力は0.25MPaG~0.5MPaGであり、及び/又は、
前記軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の操作温度は55℃~90℃、好ましくは55℃~80℃、より好ましくは65℃~80℃、及び/又は前記軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の塔内の操作圧力は1.0MPaG~1.35MPaGであることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のオイルガス処理方法。
【請求項10】
工程(a)において、前記第1分離の条件は、温度が5℃~25℃、圧力が2.0MPaG~3.5MPaG、好ましくは2.2MPaG~2.9MPaG、より好ましくは2.2MPaG~2.8MPaG、さらに好ましくは2.4MPaG~2.8MPaGであることを含み、好ましくは前記第1分離は供給タンクで行われ、及び/又は、
工程(b)において、前記第2分離は、脱メタン塔で行われ、前記脱メタン塔の塔頂部温度は10℃~40℃、塔底部温度は70℃~95℃、塔内圧力は2.3MPaG~2.9MPaGであり、及び/又は、
工程(c)において、目的はC2を主とするC2製品及びC3-C4を主とする液相材料を得る場合、前記第3分離は、脱エタン塔で行われ、前記脱エタン塔の塔頂部温度は-20℃~30℃、好ましくは5℃~30℃であり、塔底部温度は50℃~110℃、好ましくは22℃~85℃であり、塔内圧力は2.2MPaG~3.8MPaG、好ましくは2.5MPaG~3.2MPaG、より好ましくは2.6MPaG~3.0MPaGであり、目的はC3を主とするC3製品及びC2とC4を主とする液相材料を得る場合、前記第3分離は、脱プロパン塔で行われ、前記脱プロパン塔の塔頂部温度は20℃~60℃、塔底部温度は70℃~120℃、塔内圧力は1.2MPaG~2.5MPaGであり、及び/又は、
工程(d)において、目的はC4を主とするC4製品及びC3を主とするC3製品を得る場合、前記第4分離は、脱プロパン塔で行われ、前記脱プロパン塔の塔頂部温度は20℃~60℃、塔底部温度は70℃~120℃、塔内圧力は1.2MPaG~2.5MPaGであり、目的はC4を主とするC4製品及びC2を主とするC2製品を得る場合、前記第4分離は、脱エタン塔で行われ、前記脱エタン塔の塔頂部温度は-20℃~30℃、好ましくは5℃~30℃であり、塔底部温度は50℃~110℃、好ましくは22℃~85℃であり、塔内圧力は2.2MPaG~3.8MPaG、好ましくは2.5MPaG~3.2MPaG、より好ましくは2.6MPaG~3.0MPaGであり、及び/又は、
工程(e)において、前記精留の条件は、温度が45℃~65℃であり、好ましくは45℃~60℃であり、圧力が1.8MPaG~2.0MPaGであることを含み、好ましくは、前記精留は精留塔で行われることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のオイルガス処理方法。
【請求項11】
前記した吸収剤で前記H
2とC1を主とする気相材料を処理する条件は、温度が5℃~25℃であり、圧力が2.0MPaG~3.5MPaG、好ましくは2.1MPaG~2.9MPaG、より好ましくは2.2MPaG~2.7MPaGであることを含むことを特徴とする請求項6~10のいずれか一項に記載のオイルガス処理方法。
【請求項12】
オイルガス処理方法であって、
(1)上流装置からのオイルガス、例えば、FCC分留塔の塔頂部の気相は、凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮された後に脱ブタン塔に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔に入り、塔頂部の気相は塔頂部から留出され、さらにアミン洗浄、アルカリ洗浄処理された後に冷却器に送られ、少なくとも一部の塔底部の液相は安定ガソリン製品として採取される、脱ブタンと、
(3)アミン洗浄、アルカリ洗浄された後の軽質炭化水素は冷却器内で初歩的に冷却され、冷却されて得られた液相は増圧された後に冷却器IIIに送られ、冷却されて得られた気相は圧縮、再度冷却された後に冷却器IIIに送られる、冷却と、
(4)工程(3)からの気相及び液相は、冷却器III内で初歩的な混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、後冷却と、
(5)冷却器IIIからの混合ストリームは供給タンク内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔に送られる、供給と、
(6)吸収塔内で、混合C4/C5を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は下流に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器IIIに戻される、吸収と、
(7)供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
(8)脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内でC2成分が分離され、分離された混合C2成分は脱エタン塔の塔頂部から混合C2成分として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
(9)脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の塔頂部から採取されプロピレン精留塔に送られさらに精留され、塔底部成分のうちの少なくとも一部は混合C4/C5吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4/C5製品として採取される、脱プロパンと、
(10)脱プロパン塔の塔頂部からの気相はプロピレン精留塔でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相はプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留と、を含み、
好ましくは、前記オイルガス処理方法は、
(11)吸収剤回収塔内で、少なくとも一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔に送られる、吸収剤回収をさらに含む、オイルガス処理方法。
【請求項13】
オイルガス処理方法であって、
(1)上流装置からのオイルガスは、凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔に入り、脱ブタン塔の塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入りリッチガス及び液相が分離され、リッチガスはさらに不純物除去され、液相は脱ブタン塔に戻され、少なくとも一部の脱ブタン塔の塔底部の液相は安定ガソリン製品として採取される、脱ブタンと、
(3)脱ブタン塔の塔頂部からのリッチガスは、順次に、リッチガス脱硫塔内でリーンアミン液を吸収剤としてH
2SとCO
2を除去し、リッチガス脱チオール塔内でアルカリ液を吸収剤としてチオールを除去し、リッチガス水洗タンク内で水洗水によりリッチガスの酸塩基性を平衡させ、不純物除去されたリッチガスはリッチガス水洗タンクのタンク頂部から採取される、不純物除去と、を含み、
好ましくは、前記オイルガスの処理方法は、
(4)不純物除去されたリッチガスは冷却され、気液分離され、昇圧されて再度冷却された後、吸収塔、脱メタン塔、脱プロパン塔、脱エタン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔によってさらにドライガス、C2成分、C3成分及びC4成分が分離され、そのうち、C2成分、C3成分はそれぞれC2製品、C3製品として採取され、C4成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、分離をさらに含み、
より好ましくは、前記工程(4)は、
不純物除去されたリッチガスは、冷却器I内で初歩的に冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、気液分離タンクIIのタンク頂部の気相は圧縮されて再度冷却された後に冷却器IIIに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に冷却器IIIに送られる、冷却と、
初歩的に増圧冷却された気相及び増圧された液相は、冷却器III内で更なる混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、後冷却と、
冷却器IIIからの混合ストリームが供給タンク内で混合、予備吸収及び気液平衡された後に、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔に送られる、供給と、
吸収塔内で、混合C4を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は吸収剤回収塔に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器IIIに戻される、吸収と、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンを除去するとともに、少量のC2及びC2以上の成分を除去し、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔の上部から採取され、任意選択的に乾燥されてから脱エタン塔に送られ、塔底部の成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、
脱プロパン塔の上部からの気相は、脱エタン塔内でさらに分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取される、脱エタンと、を含み、
さらに好ましくは、前記分離は、
脱エタン塔の塔底部から採取された混合C3成分はプロピレン精留塔に送られさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留をさらに含み、
さらに好ましくは、前記工程(4)は、
吸収剤回収塔内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔に戻される、吸収剤回収をさらに含む、オイルガス処理方法。
【請求項14】
オイルガス処理方法であって、
(1)上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔に送られる、第1気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔に入り、塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に気液分離タンクIIに送られ、脱ブタン塔の少なくとも一部の塔底部液相は安定ガソリン製品として採取される、脱ブタンと、
(3)材料は気液分離タンクII内で混合され、気液平衡された後に、再び気相と液相とが分離され、そしてそれぞれ不純物除去される、第2気相分離と、
(4)気液分離タンクIIで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔内でリーンアミン液を吸収剤としてH
2SとCO
2が除去され、リッチガス脱チオール塔内でアルカリ液を吸収剤としてチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、気相不純物除去と、
(5)気液分離タンクIIで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔内でH
2SとCO
2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器内でチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、液相不純物除去と、
(6)不純物除去された気体軽質炭化水素及び液体軽質炭化水素は、冷却器III内で混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、冷却と、
(7)冷却器IIIからの混合ストリームは供給タンク内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は分離手段に送られる、供給と、
(8)吸収塔内で、混合C4を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は下流装置に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器IIIに戻される、吸収と、
(9)供給タンクのタンク底部からの液相は、分離手段内で脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔によってC2、C3及びC4成分がさらに分離され、そのうち、C2、C3成分はそれぞれC2、C3製品として採取され、C4成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、分離と、を含み、
好ましくは、前記工程(9)における前記分離は、以下の2つの方式のうちの1つを含み、
方式1、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内でC2成分が分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の上部から採取され、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、を含み、
好ましくは、前記分離は、
脱プロパン塔の上部からのC3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留、をさらに含み、
方式2、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔の上部から採取され任意選択的に乾燥されてから脱エタン塔に送られ、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、
脱プロパン塔の上部からの気相は脱エタン塔内でさらに分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取される、脱エタンと、を含み、
好ましくは、前記分離は、
脱エタン塔の塔底部からの混合C3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留、をさらに含み、
より好ましくは、前記方法は、
(10)吸収剤回収塔内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔に戻される、吸収剤回収をさらに含む、オイルガス処理方法。
【請求項15】
オイルガス処理方法であって、
(1)上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され軽質重質ガソリン分離塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に軽質重質ガソリン分離塔に送られる、第1気液分離と、
(2)気液分離タンクIからの材料は軽質重質ガソリン分離塔に入り、塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮された後に軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に送られ、タンク底部の液相は増圧された後に軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に送られ、軽質重質ガソリン分離塔の少なくとも一部の塔底部液相は重質ガソリン製品として採取される、軽質重質ガソリン分離と、
(3)軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部還流タンクからのストリームは軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に入り、塔頂部から留出された気相は塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に気液分離タンクIIに送られ、塔底部の液相は軽質ガソリンとして採取される、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離と、
(4)材料は気液分離タンクII内で混合され、気液平衡された後に、再び気相と液相とが分離され、そしてそれぞれ不純物除去される、第2気相分離と、
(5)気液分離タンクIIで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔内でリーンアミン液を吸収剤としてH
2SとCO
2が除去され、リッチガス脱チオール塔内でアルカリ液を吸収剤としてチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、気相不純物除去と、
(6)気液分離タンクIIで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔内でH
2SとCO
2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器内でチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、液相不純物除去と、
(7)不純物除去された気体軽質炭化水素及び液体軽質炭化水素は、冷却器III内で混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、冷却と、
(8)冷却器IIIからの混合ストリームは供給タンク内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は分離手段に送られる、供給と、
(9)吸収塔内で、混合C4を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は下流装置に送られ、塔底部の液相は冷却器に戻される、吸収と、
(10)供給タンクのタンク底部からの液相は、分離手段内で脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔によってC2、C3及びC4成分がさらに分離され、そのうち、脱エタン塔内でプロパン及び/又は混合C4を吸収剤としてC2成分が分離され、C2、C3成分はそれぞれC2、C3製品として採取され、C4成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔及び任意選択的に脱エタン塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、分離と、を含み、
好ましくは、前記工程(10)における前記分離は、以下の3つの方式のうちの1つを含み、
方式1、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内でプロパンを吸収剤としてC2成分が分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に、混合C2製品として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の上部から採取され、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、を含み、
好ましくは、前記分離は、
脱プロパン塔の上部からのC3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相は少なくとも一部がプロパン製品として採取され、残りの部分が加熱された後にプロパン吸収剤として脱エタン塔に送られる、プロピレン精留、をさらに含み、
方式2、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内で混合C4を吸収剤としてC2成分が分離され、分離された塔頂部の混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に、混合C2製品として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の上部から採取され、塔底部成分は少なくとも一部が混合C4吸収剤としてそれぞれ吸収塔及び脱エタン塔に送られ、残りの部分が混合C4製品として採取される、脱プロパンと、を含み、
好ましくは、前記分離は、
脱プロパン塔の上部からのC3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留、をさらに含み、
方式3、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔の上部から採取され任意選択的に乾燥されてから脱エタン塔に送られ、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、
脱プロパン塔の上部からの気相はプロパンを吸収剤として脱エタン塔内でさらに分離され、分離された塔頂部の混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に、混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取される、脱エタンと、を含み、
好ましくは、前記分離は、
脱エタン塔の塔底部からの混合C3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相は少なくとも一部がプロパン製品として採取され、残りの部分がプロパン吸収剤として脱エタン塔に送られる、プロピレン精留、をさらに含み、
より好ましくは、前記方法は、
(11)吸収剤回収塔内で、一部の工程(2)で採取された重質ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は軽質重質ガソリン分離塔に戻される、吸収剤回収をさらに含む、オイルガス処理方法。
【請求項16】
オイルガス処理用システムであって、
順次に接続された、H
2とC1-C4を主とする第1気相材料を抽出するための軽質炭化水素抽出手段と、前記第1気相材料を分離してH
2とC1を主とするドライガス製品、C2を主とするC2製品、C3を主とするC3製品及びC4を主とするC4製品が得られるための分離手段とを含み、
好ましくは、前記軽質炭化水素抽出手段と前記分離手段との間にはさらに不純物除去手段が設けられ、前記不純物除去手段は酸性物質及びチオールを除去するために用いられ、前記酸性物質は具体的に硫化水素及び/又は二酸化炭素である、オイルガス処理用システム。
【請求項17】
前記不純物除去手段は気相不純物除去手段及び任意選択的に液相不純物除去手段を含み、前記気相不純物除去手段は、リッチガス脱硫塔及びリッチガス脱チオール塔を含み、好ましくは、気相水洗塔を含み、前記液相不純物除去手段は、液体炭化水素脱硫塔及び液体炭化水素脱チオール反応器を含み、好ましくは液相水洗塔を含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記分離手段は順次に接続された第1分離装置、第2分離装置、第3分離装置、第4分離装置を含み、
前記第1分離装置は、前記H
2とC1-C4を主とする第1気相材料を、H
2とC1を主とする気相材料及びC1-C4を主とする液相材料に分離するために用いられ、
前記第2分離装置は、前記C1-C4を主とする液相材料を、C1を主とする気相材料及びC2-C4を主とする液相材料に分離するために用いられ、
前記第3分離装置は、前記C2-C4を主とする液相材料を、C2を主とするC2製品及びC3-C4を主とする液相材料に、もしくはC3を主とするC3製品及びC2とC4を主とする液相材料に分離するために用いられ、
前記第4分離装置は、前記C3-C4を主とする液相材料又は前記C2とC4を主とする液相材料を、C4を主とするC4製品及びC3を主とするC3製品又はC2を主とするC2製品に分離するために用いられることを特徴とする請求項16又は17に記載のシステム。
【請求項19】
前記分離手段は、前記第1分離装置に接続された第5分離装置をさらに含み、前記第5分離装置は前記H
2とC1を主とする気相材料を処理し、H
2とC1を含むドライガス製品、及び吸収剤を主とする液相材料が得られるために用いられ、
好ましくは、前記分離手段は、第6分離装置をさらに含み、前記第6分離装置は前記C3製品を精留し、プロパンを主とするプロパン製品及びプロピレンを主とするプロピレン製品が得られるために用いられることを特徴とする請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
オイルガス処理装置であって、
軽質炭化水素の供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器I、圧縮機III、冷却器II、冷却器III、供給タンク、吸収塔、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔、プロピレン精留塔を含み、
軽質炭化水素の供給パイプラインは、気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、
脱ブタン塔の塔頂部は、順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器I、圧縮機III、冷却器II、冷却器III及び供給タンクに接続され、塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
冷却器Iは、パイプラインを介して冷却器IIIに直接接続され、
供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は脱メタン塔に接続され、
吸収塔の塔頂部は下流装置に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続され、
脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
脱プロパン塔の塔頂部はプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4/C5製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4/C5製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4/C5吸収剤の供給パイプラインとされ、
プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、
好ましくは、前記下流装置は吸収剤回収塔を含み、
前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱ブタン塔の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされる、オイルガス処理装置。
【請求項21】
オイルガス処理装置であって、
オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、リッチガス水洗タンクを含み、
前記オイルガスの供給パイプラインは、気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、
前記脱ブタン塔の塔頂部には還流タンクが設けられ、還流タンクのタンク頂部はリッチガス脱硫塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、脱ブタン塔の塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
前記リッチガス脱硫塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リーンアミン液の供給パイプライン上には任意選択的にリーンアミン液冷却器が設けられ、リッチガス脱硫塔の塔頂部はリッチガス脱チオール塔に接続され、塔底部にはリッチアミン液の採取パイプラインが設けられ、
前記リッチガス脱チオール塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、塔頂部はリッチガス水洗タンクに接続され、塔底部にはリッチアミン液の採取パイプラインが設けられ、
前記リッチガス水洗タンクのタンク頂部には軽質炭化水素の採取パイプラインが設けられ、タンク底部はリッチガス水洗循環ポンプに接続されてから、それぞれ水洗水ヒータ及び水洗排水パイプラインに接続され、前記水洗水ヒータはリッチガス水洗タンクの上部に接続され、
好ましくは、前記オイルガス処理装置は溶媒再生塔をさらに含み、前記リッチアミン液の採取パイプラインは溶媒再生塔に接続され、前記溶媒再生塔の塔底部はリーンアミン液の供給パイプラインに接続され、塔頂部には酸性ガスの採取パイプラインが設けられ、
より好ましくは、前記装置はさらに分離手段を含み、前記軽質炭化水素の採取パイプラインは分離手段に接続され、
前記分離手段は、冷却器I、気液分離タンクII、圧縮機III、冷却器II、冷却器III、供給タンク、吸収塔、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔を含み、
脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプライン上には任意選択的に不純物処理手段が設けられ、脱プロパン塔の塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
好ましくは、前記軽質炭化水素の採取パイプラインは順次に冷却器I、気液分離タンクIIに接続され、前記気液分離タンクIIのタンク頂部は順次に圧縮機III、冷却器II、冷却器III、供給タンクに接続され、タンク底部は順次に冷却器III、供給タンクに接続され、
前記供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は脱メタン塔に接続され、
吸収塔の塔頂部は任意選択的に吸収剤回収塔に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
前記脱プロパン塔の上部は任意選択的に乾燥手段に接続されてから、脱エタン塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、
さらに好ましくは、前記分離手段はプロピレン精留塔及び/又は吸収剤回収塔をさらに含み、
前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱ブタン塔の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は前記安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされ、
前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパンン製品の採取パイプラインが設けられている、オイルガス処理装置。
【請求項22】
オイルガス処理装置であって、
オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔、圧縮機III、冷却器II、気液分離タンクII、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器III、供給タンク、吸収塔、分離手段を含み、
オイルガスの供給パイプラインは気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、
脱ブタン塔の塔頂部には還流タンクが設けられ、還流タンクのタンク頂部は順次に圧縮機II、冷却器II及び気液分離タンクIIに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから気液分離タンクIIに接続され、脱ブタン塔の塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
気液分離タンクIIのタンク頂部は順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器IIIに接続され、タンク底部は順次に液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器IIIに接続され、
リッチガス脱硫塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リッチガス脱チオール塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、
冷却器IIIは供給タンクに接続され、
供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は分離手段に接続され、
吸収塔の塔頂部は下流装置に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記分離手段は、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔を含み、脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、脱プロパン塔の塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続され、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
前記脱プロパン塔の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
あるいは、
前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
前記脱プロパン塔の上部は脱エタン塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、
好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、
より好ましくは、前記下流装置は、吸収剤回収塔をさらに含み、
前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱ブタン塔の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は前記安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされる、オイルガス処理装置。
【請求項23】
オイルガス処理装置であって、
オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、軽質重質ガソリン分離塔、圧縮機II、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔、圧縮機III、冷却器II、気液分離タンクII、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器III、供給タンク、吸収塔、分離手段を含み、
オイルガスの供給パイプラインは気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、軽質重質ガソリン分離塔に接続され、タンク底部は軽質重質ガソリン分離塔に接続され、
軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部には還流タンクIが設けられ、還流タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機II、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に接続され、軽質重質ガソリン分離塔の塔底部には重質ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の塔頂部には還流タンクIIが設けられ、還流タンクIIのタンク頂部は順次に圧縮機III、冷却器II、気液分離タンクIIに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから気液分離タンクIIに接続され、
気液分離タンクIIのタンク頂部は順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器IIIに接続され、タンク底部は順次に液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器IIIに接続され、
リッチガス脱硫塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リッチガス脱チオール塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、
冷却器IIIは供給タンクに接続され、
供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は分離手段に接続され、
吸収塔の塔頂部は下流装置に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記分離手段は、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔を含み、脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、脱エタン塔の上部にはプロパン又は混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、脱プロパン塔の塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続され、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、前記脱エタン塔の上部にはプロパン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記脱プロパン塔の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、前記プロパン製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本はプロパン吸収剤の供給パイプラインとされ、
あるいは、
前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続され、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、前記脱エタン塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記脱プロパン塔の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、それぞれ吸収塔及び脱エタン塔に接続され、
好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、
あるいは、
前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
前記脱プロパン塔の上部は任意選択的に乾燥手段に接続されてから脱エタン塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、前記脱エタン塔の上部にはプロパン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部はプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、前記プロパン製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本はプロパン吸収剤の供給パイプラインとされ、
より好ましくは、前記下流装置は、吸収剤回収塔をさらに含み、
前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は軽質重質ガソリン分離塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には重質ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記軽質重質ガソリン分離塔の重質ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は前記重質ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされる、オイルガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年6月6日に提出された出願番号が201910492804.0であり、発明名称が「オイルガス高圧脱硫・分離の装置及び方法」である中国特許出願、2019年6月28日に提出された出願番号が201910575665.8であり、発明名称が「オイルガス処理装置及び方法」である中国特許出願、2019年8月12日に提出された出願番号が201910740666.3であり、発明名称が「オイルガス回収方法及び装置」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、製油及び化学工業の分野に関し、具体的には、オイルガス処理方法及び装置に関する。
【0003】
軽質炭化水素とは、石油化学工業プロセスで得られたメタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、炭素四等の成分を意味し、軽質炭化水素分離プロセスは、石油化学工業プロセスで常に注目されている要点である。そのうち、炭素二、炭素三及び炭素四の間の分離プロセスは比較的に成熟したものであり、通常、精留の方法が採用されている。メタンはその沸点が低いため、精留の方法を採用してメタンと炭素二を分離すると、-100℃及びそれより低い温度まで冷却すること、すなわち、深冷分離が必要であり、エチレン装置では通常採用されているが、その投資や消費が大きい。したがって、メタンの分離は、軽質炭化水素分離プロセスで常に注目されている要点であるといえ、軽質炭化水素分離プロセス技術の開発及びプロセスフローの設計は、いずれもメタンの分離を巡って行われるものである。
【0004】
従来のFCC(Fluid Catalytic Cracking)プロセスは、通常、吸収安定によって液化ガス(C3/C4)成分を回収することで、液化ガス成分とドライガス(H2/C1/C2)成分との分離を図るものである。FCCプロセスでは、ドライガスの収率が高く、且つドライガス中のC2成分の含有量が25~40wt%に達することができ、且つ主にエチレン及びエタンとなり、エチレンはポリエチレン、スチレン等の製造に用いられ、エタンは分解してエチレンを製造することができ、その循環分解によるエチレンの収率が80%と高く、且つ水素ガスが大量に生成される。そのため、ドライガス中のC2資源の回収は特に注目されている。通常、回収された炭素二資源はエチレン装置の分離手段に送られエチレンとエタンを得てもよいし、下流装置に送られエチルベンゼン/スチレンを製造してもよい。従来のプロセスでは、吸収法によるドライガス中の炭素二の回収に重点を置いていたが、そのプロセス方法には以下のような欠点がある。
(1)吸収安定部分でドライガスと液化ガス成分を分離して、炭素二回収部分でまた炭素四を採用して炭素二を吸収して、炭素四とドライガスを再度混合して、その後、また分離するというようなドライガスと炭素四成分との二次分離がある。
(2)吸収安定システムは、吸収剤として安定ガソリンを採用して液化ガス成分を回収するとされ、FCCプロセスでは液化ガス成分の収率が高いため、ガソリンはガソリン吸収塔、エタン脱吸収塔及び安定化塔の間で循環され、かつ循環量が大きく、エタン脱吸収塔と安定化塔の底部の温度が高く、塔の底部のリボイラーにかかる熱負荷が大きく、エネルギー消費が高い。
(3)プロセスフロー全体が長くなる分、投資やエネルギー消費が増加する。FCCプロセスにおけるC2/C3/C4等の軽質炭化水素成分を回収するとともに、分離フローを簡略化し、投資やエネルギー消費を低減するために、本発明を提案する。
(4)回収された炭素二製品がエチレン装置の分離手段に送られると、炭素二製品に含まれる一部のプロピレン等の成分は、エチレン分離手段によって回収することができる。しかし、回収された炭素二製品が下流のエチルベンゼンの製造に送られると、それに含まれるプロピレン成分がエチルベンゼンの製造に多くの悪影響を及ぼし、ベンゼンの消費量を大幅に増加させるだけでなく、エチルベンゼン及びスチレン製品の品質にも直接に影響を与える。炭素二成分は沸点が低いため、炭素二と炭素三成分を分離するには、通常、-5~-20℃の温度にする必要があり、そのため、脱水及び脱CO2処理が必要であり、且つより低温レベルの冷媒が必要となり、投資やエネルギー消費が大きい。
(5)従来のプロセスでは、吸収安定後のドライガスと液化ガスに対して脱硫及び脱チオールを行い、H2Sとチオールが吸収安定システム全体で循環するため、それに関連する腐食問題をもたらす可能性があり、且つ吸収安定システム全体においてH2Sの漏れによる安全性問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術に存在する問題点に鑑みて、本発明の一つ目の目的は、プロセスフローが簡単で、操作条件が緩和されたオイルガス処理方法を提供することである。この方法によって、ガソリン成分、炭素二、炭素三及び炭素四成分の効率的な分離と回収を実現することができる。
【0006】
本発明の二つ目の目的は、一つ目の目的に対応するオイルガス処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の一つ目の目的を達成するために、本発明において採用された技術的手段は以下のとおりである。
オイルガス処理方法であって、
(1)炭化水素系材料に対して第1気液分離を行い、H2とC1-C4を主とする第1気相材料、及びC5+を主とする第1液相材料が得られる工程と、
(2)前記第1気相材料を分離し、H2とC1を主とするドライガス製品、C2を主とするC2製品、C3を主とするC3製品及びC4を主とするC4製品が得られる工程と、を含むオイルガス処理方法。
【0008】
上記の二つ目の目的を達成するために、本発明において採用された技術的手段は以下のとおりである。
オイルガス処理用システムであって、順次に接続された、H2とC1-C4を主とする第1気相材料を抽出するための軽質炭化水素抽出手段と、前記第1気相材料を分離してH2とC1を主とするドライガス製品、C2を主とするC2製品、C3を主とするC3製品及びC4を主とするC4製品が得られるための分離手段とを含むオイルガス処理用システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以下のような有益な効果を有する。
(1)本発明は、C4及びC4以下の成分とガソリン成分とを分離し、ガソリン循環を採用して液化ガス成分を吸収する必要がなくなり、ガソリン循環量が大幅に低減され、分離フロー全体のエネルギー消費が低減される。
(2)本発明は、フローが簡単で、操作条件が緩和され、エネルギー消費が少なく、少ない設備でオイルガス中のガソリンや軽質炭化水素の分離及び回収、特にC2、C3及びC4成分の効率的な分離回収が可能である。また、炭素二と各成分との間には二次分離の過程がないとともに、炭素二成分の総回収率が98wt%以上、プロピレン成分の総回収率が99w%以上、かつ回収された炭素二中のメタンの含有量が1vol%を超えず、回収された炭素三成分中のエタンの含有量が200ppmvを超えないことが保証される。
(3)本発明における脱エタン塔は、プロパン又は混合C4吸収剤を採用してC2成分の分離を行い、分離されたC2成分にはプロピレンがほとんど含まれず、そのままエチルベンゼン/スチレンの製造に下流装置に送られてもよく、かつプロパン又は混合C4吸収剤はシステム内自体に含まれ、システムの外部から導入する必要がなく、エネルギー消費が節約される。
(4)本発明は、浅冷条件下で炭素二及びプロピレン等の成分の効率的な回収が可能となり、かつ、回収された炭素二製品にはプロピレンがほとんど含まれず、回収された炭素二製品をそのままエチルベンゼン/スチレンの製造に下流に送られてもよく、下流におけるエチルベンゼン/スチレンの製造によるエネルギー消費を低減でき、またベンゼンの消費量を低減できるとともに、エチルベンゼン及びスチレン製品の品質を確保できる。同時に、浅冷条件下では脱水やCO2等の不純物の脱離が必要とせず、より低温レベルの冷媒も必要とせず、投資や消費をより低減することができる。
(5)本発明は、回収された炭素三成分がさらにプロピレンとプロパンとに分離され、プロピレンとプロパンの回収率についても共に99wt%以上に達することができ、プロピレン製品の純度が99.6v%を下回らず、再処理することなくポリマーグレードのプロピレンを得ることができる。
(6)本発明においては、吸収剤回収塔の塔頂部から排出されたドライガスは、メタンと水素ガスを主とし不純物が少なく、C2及びC2以上の成分の含有量が2vol%を超えず、ドライガスの圧力は2.1~2.7MPaGであり、純度は40~70mol%に達することができ、圧力スイング吸着の方法で水素ガス資源を直接回収することができる。
(7)本発明は、気相と液相をそれぞれ脱硫、脱チオールすることができ、気相が比較的高い圧力で脱硫するため、設備体積が小さく、投資が低く、かつ脱硫効果が良好である。同時に、気相中の重質炭化水素の含有量が減少し、重質炭化水素がアミン液中に凝縮することを防ぎ、アミン液の発泡による脱硫装置の泡の巻き込みを有効に回避し、装置の安定運転を確保することができる。
(8)本発明においては、硫化水素及びチオールは、吸収塔に投入される前に除去され、下流の軽質炭化水素回収部分に持ち込まれることなく、硫化水素による軽質炭化水素回収部分に関わる腐食問題が回避されるとともに、下流の硫化水素の濃度が大幅に低下し、安全性が向上する。硫化水素と二酸化炭素は、早期に分離され、下流の軽質炭化水素回収系の負荷及びエネルギー消費を低減するとともに、CO2が除去されることにより、下流製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明することによって、本発明の上述した、並びにその他の目的、特徴及び利点は、より明確になるであろう。なお、本発明の例示的な実施形態において、同一の符号は、通常、同一の部材を示すものである。
【0011】
【
図1】本発明の実施例1のプロセスフロー図である。
【
図2】本発明の実施例2のオイルガス処理における脱硫のプロセスフロー図である。
【
図3】本発明の実施例3のオイルガス処理における脱硫及び軽質炭化水素の分離回収のプロセスフロー図である。
【
図4】本発明の実施例4のオイルガス処理における脱硫及び軽質炭化水素の分離回収のプロセスフロー図である。
【
図5】本発明の実施例5のオイルガス高圧脱硫・分離のプロセスフロー図である。
【
図6】本発明の実施例6のオイルガス高圧脱硫・分離のプロセスフロー図である。
【
図7】本発明の実施例7のオイルガス高圧脱硫・分離のプロセスフロー図である。
【
図8】本発明の実施例8のオイルガスの回収のプロセスフロー図である。
【
図9】本発明の実施例9のオイルガスの回収のプロセスフロー図である。
【
図10】本発明の実施例10のオイルガスの回収のプロセスフロー図である。
【
図11】本発明の比較例1のオイルガスの回収のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態を詳細に説明するが、当業者であれば、以下の実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0013】
上記の一つ目の目的を達成するために、本発明において採用された技術的手段は以下のとおりである。
オイルガス処理方法であって、
(1)炭化水素系材料に対して第1気液分離を行い、H2とC1-C4を主とする第1気相材料、及びC5+を主とする第1液相材料が得られる工程と、
(2)前記第1気相材料を分離し、H2とC1を主とするドライガス製品、C2を主とするC2製品、C3を主とするC3製品及びC4を主とするC4製品が得られる工程と、を含むオイルガス処理方法。
【0014】
本願の発明者等は、研究の結果、軽質炭化水素成分とガソリン成分の分離を先に行い、続いて軽質炭化水素成分を豊富に含むストリームに対して後続処理すると、ガソリンを採用して液化ガス成分を循環吸収する必要がなくなり、ガソリンの循環量が大幅に減少し、分離フロー全体のエネルギー消費が低減されることを見出した。
【0015】
本発明によれば、前記C5
+を豊富に含む第1液相材料の少なくとも一部は、安定ガソリン製品として採取される。
【0016】
本発明によれば、本発明の文脈において、気相材料は圧縮された後に下流工程に進む。及び/又は液相材料は加圧された後に下流工程に進む。ここで、気相材料の昇圧処理は一段又は多段圧縮を採用することができる。
【0017】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(2)において、前記第1気相材料を不純物除去した後に、工程(2)における分離を行い、好ましくは、前記不純物除去は酸性物質及びチオールを除去するためのものであり、前記酸性物質は具体的に硫化水素及び/又は二酸化炭素である。
【0018】
本願の発明者等は、研究の結果、成分分離工程の前に、先に軽質炭化水素成分を豊富に含むストリーム中の不純物、例えば、H2S、CO2及びチオールを除去することで、不純物が下流の軽炭化水素回収部分に持ち込まれないことを保証することができ、プロセスフロー全体における不純物の除去施設の設置を簡略化することができ、硫化水素による軽質炭化水素回収部分に関わる腐食問題が回避されるとともに、下流の硫化水素の濃度を大幅に低下させ、安全性を向上させ、且つ下流製品の品質を確保できることをさらに見出した。
【0019】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(2)において、前記第1気相材料を不純物除去し、不純物が除去された第1気相材料を生成し、前記不純物が除去された第1気相材料を分離することで、前記ドライガス製品、C2製品、C3製品及びC4製品が得られる。
【0020】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記不純物除去は、前記第1気相材料を順次に、アミン洗浄及び/又はアルカリ洗浄及び/又は水洗することを含み、より好ましくは、前記アミン洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が1.0MPaG~1.5MPaGであることを含む。
【0021】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記アルカリ洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が0.9MPaG~1.4MPaGであることを含む。
【0022】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記水洗の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が0.9MPaG~1.4MPaGであることを含む。
【0023】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(2)において、前記第1気相材料に対して第2気液分離を行い、H2とC1-C4を主とする第2気相材料と、H2とC1-C4を主とする第2液相材料を生成し、前記第2気相材料に対して気相不純物除去を行い、不純物が除去された第2気相材料を生成し、前記第2液相材料に対して液相不純物除去を行い、不純物が除去された第2液相材料を生成し、前記不純物が除去された第2気相材料と前記不純物除去された第2液相材料を混合した後に分離することで、前記ドライガス製品、C2製品、C3製品及びC4製品が得られる。
【0024】
好ましくは、前記気相不純物除去は、前記第2気相材料を順次に、気相アミン洗浄及び/又は気相アルカリ洗浄及び/又は気相水洗することを含み、前記液相不純物除去は、前記第2液相材料を順次に、液相アミン洗浄及び/又は液相アルカリ洗浄及び/又は液相水洗することを含む。
【0025】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記気相アミン洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が2.2MPaG~3.0MPaGであることを含む。
【0026】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記気相アルカリ洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が2.2MPaG~2.9MPaGであることを含む。
【0027】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記気相水洗の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が2.2MPaG~2.9MPaGであることを含む。
【0028】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記液相アミン洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が3.0MPaG~3.5MPaGであることを含む。
【0029】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記液相アルカリ洗浄の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が3.0MPaG~3.5MPaGであることを含む。
【0030】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記液相水洗の条件は、操作温度が35℃~50℃、操作圧力が3.0MPaG~3.5MPaGであることを含む。
【0031】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(2)において、前記分離は、具体的には、
(a)不純物が除去された第1気相材料又は不純物が除去された第2気相材料と、前記不純物が除去された第2液相材料との混合材料を冷却した後に第1分離を行い、H2とC1を主とする気相材料及びC1-C4を主とする液相材料が得られる工程と、
(b)前記C1-C4を主とする液相材料に対して第2分離を行い、C1を主とする気相材料及びC2-C4を主とする液相材料が得られる工程と、
(c)前記C2-C4を主とする液相材料に対して第3分離を行い、C2を主とするC2製品及びC3-C4を主とする液相材料が得られ、もしくはC3を主とするC3製品及びC2とC4を主とする液相材料が得られ工程と、
(d)前記C3-C4を主とする液相材料又は前記C2とC4を主とする液相材料に対して第4分離を行い、C4を主とするC4製品及びC3を主とするC3製品又はC2を主とするC2製品が得られ工程と、を含む。
【0032】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、さらに、(e)前記C3製品を精留し、プロパンを主とするプロパン製品及びプロピレンを主とするプロピレン製品が得られる工程を含む。
【0033】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(a)において、吸収剤で前記H2とC1を主とする気相材料を処理し、H2とC1を含むドライガス製品、及び吸収剤を主とする液相材料が得られ、好ましくは、前記吸収剤は混合C4/C5であり、より好ましくは、前記吸収剤を主とする液相材料を工程(d)までに循環させる。
【0034】
本発明によれば、工程(1)で得られたC5+を主とする第1液相材料にも混合C4/C5が含まれるため、本発明ではC5+を主とする第1液相材料の一部又は全部を吸収剤として用いることができる。
【0035】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記C1を主とする気相材料を工程(a)までに循環させ、好ましくは、前記冷却の回数は1回または複数回であり、前記C1を主とする気相材料を1回目の冷却工程までに循環させる。
【0036】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記炭化水素系材料は、FCC(Fluid Catalytic Cracking)プロセスの分留塔の塔頂部、DCC(Deep Catalytic Cracking)プロセスの分留塔の塔頂部、CPP(Catalytic Pyrolysis Process)プロセスの分留塔の塔頂部又はコーキングプロセスの分留塔の塔頂部に由来するものである。
【0037】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記炭化水素系材料は凝縮冷却処理された材料である。
【0038】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記凝縮冷却処理された材料は温度が30~60℃であり、圧力が0.01MPaG~0.3MPaGである。
【0039】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(1)において、前記第1気液分離は方式1及び方式2から選択され、方式1とは、炭化水素系材料を、H2とC1-C4を主とする第1気相材料及びC5+を主とする第1液相材料に直接分離することであり、方式2とは、先に炭化水素系材料を、H2、軽質炭化水素と軽質ガソリンを主とする気相材料及び重質ガソリンを主とする液相材料に分離してから、さらに前記H2、軽質炭化水素と軽質ガソリンを主とする気相材料を、H2とC1-C4を主とする第1気相材料及びC5+を主とする第1液相材料に分離することである。
【0040】
本発明によれば、炭化水素系材料に重質ガソリン成分が含まれない場合、第1気液分離は、方式1を採用してもよく、炭化水素系材料に重質ガソリン成分が含まれている場合、第1気液分離は方式1及び方式2から選択される。
【0041】
本発明によれば、方式1に係る「直接」とは、方式2に対して、重質ガソリンを除去する工程を経ることなく、H2とC1-C4を主とする第1気相材料及びC5+を主とする第1液相材料に直接分離する方式であることを意味する。
【0042】
本発明によれば、軽質炭化水素とは、C1-C4の全ての炭化水素類をいい、全てのアルカン、オレフィン、ナフテン、アルキン及びジオレフィンが含まれる。
【0043】
本発明によれば、軽質ガソリンとは、C5から蒸留温度範囲75℃(ASTM D86)までの留分を意味する。
【0044】
本発明によれば、重質ガソリンとは、蒸留温度範囲(ASTM D86)が初留点75℃から終留点200℃までの留分である。
【0045】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記方式1は、脱ブタン塔で行われ、前記方式2は、軽質重質ガソリン分離塔と軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔とで行われる。
【0046】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記脱ブタン塔の塔頂部の操作温度は、40℃~70℃、好ましくは45℃~65℃、より好ましくは45℃~55℃であり、及び/又は前記脱ブタン塔の塔底部の操作温度は180℃~220℃、好ましくは180℃~200℃、より好ましくは150℃~200℃であり、及び/または前記脱ブタン塔の塔内の操作圧力は、1.0MPaG~1.6MPaG、好ましくは1.0MPaG~1.5MPaGであり、及び/又は、
【0047】
前記軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部の操作温度は60℃~85℃であり、及び/又は前記軽質重質ガソリン分離塔の塔底部の操作温度は140℃~190℃であり、及び/又は前記軽質重質ガソリン分離塔の塔内の操作圧力は0.25MPaG~0.5MPaGであり、及び/又は、
【0048】
前記軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の操作温度は55℃~90℃、好ましくは55℃~80℃、より好ましくは65℃~80℃、及び/又は前記軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の塔内の操作圧力は1.0MPaG~1.35MPaGである。
【0049】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(a)において、前記第1分離の条件は、温度が5℃~25℃、圧力が2.0MPaG~3.5MPaG、好ましくは2.2MPaG~2.9MPaG、より好ましくは2.2MPaG~2.8MPaG、さらに好ましくは2.4MPaG~2.8MPaGであることを含み、好ましくは前記第1分離は供給タンクで行われる。
【0050】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(b)において、前記第2分離は、脱メタン塔で行われ、前記脱メタン塔の塔頂部温度は10℃~40℃、塔底部温度は70℃~95℃、塔内圧力は2.3MPaG~2.9MPaGである。
【0051】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(c)において、目的はC2を主とするC2製品及びC3-C4を主とする液相材料を得る場合、前記第3分離は、脱エタン塔で行われ、前記脱エタン塔の塔頂部温度は-20℃~30℃、好ましくは5℃~30℃であり、塔底部温度は50℃~110℃、好ましくは22℃~85℃であり、塔内圧力は2.2MPaG~3.8MPaG、好ましくは2.5MPaG~3.2MPaG、より好ましくは2.6MPaG~3.0MPaGであり、目的はC3を主とするC3製品及びC2とC4を主とする液相材料を得る場合、前記第3分離は、脱プロパン塔で行われ、前記脱プロパン塔の塔頂部温度は20℃~60℃、塔底部温度は70℃~120℃、塔内圧力は1.2MPaG~2.5MPaGである。
【0052】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(d)において、目的はC4を主とするC4製品及びC3を主とするC3製品を得る場合、前記第4分離は、脱プロパン塔で行われ、前記脱プロパン塔の塔頂部温度は20℃~60℃、塔底部温度は70℃~120℃、塔内圧力は1.2MPaG~2.5MPaGであり、目的はC4を主とするC4製品及びC2を主とするC2製品を得る場合、前記第4分離は、脱エタン塔で行われ、前記脱エタン塔の塔頂部温度は-20℃~30℃、好ましくは5℃~30℃であり、塔底部温度は50℃~110℃、好ましくは22℃~85℃であり、塔内圧力は2.2MPaG~3.8MPaG、好ましくは2.5MPaG~3.2MPaG、より好ましくは2.6MPaG~3.0MPaGである。
【0053】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程(e)において、前記精留の条件は、温度が45℃~65℃であり、好ましくは45℃~60℃であり、圧力が1.8MPaG~2.0MPaGであることを含み、好ましくは、前記精留は精留塔で行われる。
【0054】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記した吸収剤で前記H2とC1を主とする気相材料を処理する条件は、温度が5℃~25℃であり、圧力が2.0MPaG~3.5MPaG、好ましくは2.1MPaG~2.9MPaG、より好ましくは2.2MPaG~2.7MPaGであることを含む。
【0055】
本発明によれば、アミン洗浄は脱硫塔で行うことができ、採用される溶媒は、処理されるべきストリーム中のCO2含有量に応じて選択することができ、好ましくは、アミン洗浄処理されるべきストリーム中のCO2含有量が1000ppmv以下の場合、リーンアミン液はMDEA溶媒となり、常法のMDEA溶媒を採用すると下流の液化ガス脱チオール塔のアルカリ液の消費量が過大とならないため、単独のアミン液再生システムの設置を必要とせず、脱硫塔の塔底部のリッチアミン液を採取すればよい。処理されるべきストリーム中のCO2含有量が1000ppmvを超える場合、リーンアミン液は複合溶媒(すなわちMDEAをベースとする改質溶媒)となり、単独のアミン液再生システムを配置する必要があり、具体的には脱硫塔内でH2SとCO2を吸収したリーンアミン液を溶媒再生塔に送り、再生後に吸収剤として脱硫塔に返送される。
【0056】
本発明においては、脱硫塔内で、アミン洗浄処理されるべきストリームをリーンアミン液溶媒に気液接触させると同時にH2SとCO2を除去することで、アミン洗浄処理されるべきストリーム中の硫化水素の含有量を20ppmv未満にするだけでなく、CO2の除去効率を90~95wt%に達することができ、アルカリ洗浄脱チオール反応器ストリームに入るCO2の含有量を効果的に低減でき、アルカリ液の消費を低減できる。同時に、好ましくは、前記リーンアミン液吸収剤がアミン洗浄処理されるべきストリームの温度よりも3~8℃高くなるように制御することで、アミン洗浄処理されるべきストリーム中のC3/C4成分がアミン液中に凝縮することによるアミン液の発泡を効果的に防止することができる。
【0057】
本発明によれば、アルカリ洗浄処理は脱チオール塔で行うことができ、脱チオール塔内ではアルカリ液でチオールを除去し、アルカリ液とアルカリ洗浄処理されるべきストリームとを接触させることで、従来技術における液液接触よりも効果が優れ、アルカリ洗浄処理されるべきストリーム中のチオールの含有量を20ppmw未満に低減することができる。アルカリ洗浄処理されるべきストリームにアルカリが含まれることによって下流装置を腐食することを防止するために、チオールが除去された処理されるべきストリームは、水洗タンクに送られ、アルカリ洗浄処理されるべきストリームを酸塩基平衡になるまで水洗するようにしてもよい。
【0058】
本発明においては、水洗処理は水洗タンク内で行うことができ、前記水洗タンク内の水洗水の温度は水洗処理されるべきストリームの温度よりも3~8℃高く、水洗処理されるべきストリーム中のC3/C4成分が水洗水に凝縮されることを防止し、水洗水に炭化水素が含まれることを回避する。
【0059】
本発明によれば、吸収塔は、臭化リチウムで冷やされた冷水を冷却剤として冷却する。
【0060】
本発明によれば、吸収塔で採用される吸収剤は、システム内で自ら平衡化されたC4/C5成分に由来することができ、システムの外部から導入する必要がない。
【0061】
本発明によれば、脱プロパン処理を先に行うと、後で脱エタン処理を行う際に分離された混合C2に約20v%の混合C3成分が含まれることになり、不純物除去処理後の混合C2成分は依然として下流のエチレン装置に送られて炭素二及び炭素三を回収し続ける必要がある。
【0062】
本発明によれば、脱プロパン処理を先に行うと、脱エタン処理を行う際に、脱エタン塔で精細な分離をすれば、分離された炭素二には炭素三がほとんど含まれないことを保証でき、不純物が除去された後の脱エタン塔の塔頂部のストリームはそのまま下流のエチレン装置に送られ炭素二の回収又は直接利用することができる。しかし、この時、脱エタン塔の塔頂部の温度は最低で-20℃に達する必要があり、常法の臭化リチウムによる冷やしはもはやニュースを満たすことができず、プロピレン冷凍圧縮機を設置する必要があり、かつ脱プロパン塔の塔頂部留出物は乾燥してから脱エタン塔内に送る必要がある。
【0063】
本発明によれば、脱エタン塔で精細な分離を行わないとすれば、その塔頂部の最低温度は15℃程度で十分であり、常法の臭化リチウムによる冷やしで要件を満たすことができる。
【0064】
上記の二つ目の目的を達成するために、本発明において採用された技術的手段は以下のとおりである。
オイルガス処理用システムであって、順次に接続された、H2とC1-C4を主とする第1気相材料を抽出するための軽質炭化水素抽出手段と、前記第1気相材料を分離してH2とC1を主とするドライガス製品、C2を主とするC2製品、C3を主とするC3製品及びC4を主とするC4製品が得られるための分離手段とを含むオイルガス処理用システム。
【0065】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記軽質炭化水素抽出手段と前記分離手段との間にはさらに不純物除去手段が設けられ、前記不純物除去手段は酸性物質及びチオールを除去するために用いられ、前記酸性物質は具体的に硫化水素及び/又は二酸化炭素である。
【0066】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記不純物除去手段は気相不純物除去手段及び任意選択的に液相不純物除去手段を含み、前記気相不純物除去手段は、リッチガス脱硫塔及びリッチガス脱チオール塔を含み、好ましくは、気相水洗塔を含み、前記液相不純物除去手段は、液体炭化水素脱硫塔及び液体炭化水素脱チオール反応器を含み、好ましくは液体炭化水素水洗塔を含む。
【0067】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記分離手段は順次に接続された第1分離装置、第2分離装置、第3分離装置、第4分離装置を含み、
前記第1分離装置は、前記H2とC1-C4を主とする第1気相材料を、H2とC1を主とする気相材料及びC1-C4を主とする液相材料に分離するために用いられ、
前記第2分離装置は、前記C1-C4を主とする液相材料を、C1を主とする気相材料及びC2-C4を主とする液相材料に分離するために用いられ、
前記第3分離装置は、前記C2-C4を主とする液相材料を、C2を主とするC2製品及びC3-C4を主とする液相材料に、もしくはC3を主とするC3製品及びC2とC4を主とする液相材料に分離するために用いられ、
前記第4分離装置は、前記C3-C4を主とする液相材料又は前記C2とC4を主とする液相材料を、C4を主とするC4製品及びC3を主とするC3製品又はC2を主とするC2製品に分離するために用いられる。
【0068】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記分離手段は、前記第1分離装置に接続された第5分離装置をさらに含み、前記第5分離装置は前記H2とC1を主とする気相材料を処理し、H2とC1を含むドライガス製品、及び吸収剤を主とする液相材料が得られるために用いられる。
【0069】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、前記分離手段は、第6分離装置をさらに含み、前記第6分離装置は前記C3製品を精留し、プロパンを主とするプロパン製品及びプロピレンを主とするプロピレン製品が得られるために用いられる。
【0070】
上記の目的を達成するために、本発明は、軽質炭化水素の分離方法であって、
(1)上流装置からのオイルガス、例えば、FCC分留塔の塔頂部の気相は、凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮された後に脱ブタン塔に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔に入り、塔頂部の気相は塔頂部から留出され、さらにアミン洗浄、アルカリ洗浄処理された後に冷却器に送られ、少なくとも一部の塔底部の液相は安定ガソリン製品として採取される、脱ブタンと、
(3)アミン洗浄、アルカリ洗浄された後の軽質炭化水素は冷却器内で初歩的に冷却され、冷却されて得られた液相は増圧された後に冷却器IIIに送られ、冷却されて得られた気相は圧縮、再度冷却された後に冷却器IIIに送られる、冷却と、
(4)工程(3)からの気相及び液相は、冷却器III内で初歩的な混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、後冷却と、
(5)冷却器IIIからの混合ストリームは供給タンク内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔に送られる、供給と、
(6)吸収塔内で、混合C4/C5を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は下流に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器IIIに戻される、吸収と、
(7)供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
(8)脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内でC2成分が分離され、分離された混合C2成分は脱エタン塔の塔頂部から混合C2成分として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
(9)脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の塔頂部から採取されプロピレン精留塔に送られさらに精留され、塔底部成分のうちの少なくとも一部は混合C4/C5吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4/C5製品として採取される、脱プロパンと、
(10)脱プロパン塔の塔頂部からの気相はプロピレン精留塔でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相はプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留と、を含む軽質炭化水素の分離方法を提供する。
【0071】
本発明によれば、好ましくは、前記軽質炭化水素の分離方法は、
(11)吸収剤回収塔内で、少なくとも一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔に送られる、吸収剤回収をさらに含む。
【0072】
本発明によれば、好ましくは、前記脱ブタン塔の操作温度は40~70℃であり、操作圧力は1.0~1.6MPaGであり、脱ブタン塔の塔頂部は全還流を採用し、塔頂部の気相は脱ブタン塔の塔頂部還流タンクから採取され、塔頂部還流タンクの温度は15~40℃であり、前記脱ブタン塔の塔頂部の気相中のC5及びC5以上の成分の含有量は5wt%未満であり、塔底部での前記安定ガソリンのドライポイントは204℃未満である。
【0073】
本発明において、脱ブタン塔の塔頂部は全気相で採取され、関連製品の回収の要求を満たすために、次の分離を行う前に、不純物を除去する必要があり、主にアミン洗浄による脱H2Sとアルカリ洗浄による脱チオールを含む。同時に、本発明では、安定ガソリンを脱ブタン塔内で早期に分離し、安定ガソリンが下流の軽質炭化水素の分離プロセスに関与せず、プロセスのエネルギー消費を大幅に低減することができる。
【0074】
本発明において、不純物除去された気相成分は、供給タンクに送られる前に冷却、圧縮される必要があり、気相の昇圧は一段又は多段圧縮を採用することができ、冷却された液相と冷却、圧縮された気相は、ともに供給タンクに送られ、好ましくは、前記供給タンクの操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.0~3.5MPaGである。
【0075】
本発明によれば、好ましくは、前記吸収塔の操作圧力は2.0~3.5MPaGであり、吸収塔の塔全体の操作温度は5~25℃であり、臭化リチウムで冷やされた冷水を冷却剤として冷却する。本発明においては、吸収塔で採用される混合C4/C5吸収剤は、脱プロパン塔の塔底部に由来するものであって、システム内で自ら平衡化されたC4/C5成分であり、システムの外部から導入する必要がない。
【0076】
本発明によれば、好ましくは、前記脱エタン塔の塔頂部の操作温度は5~20℃であり、操作圧力は2.5~3.8MPaGであり、前記脱エタン塔の塔頂部の混合C2製品は10~25vol%のプロピレンを含有する。本発明では、脱エタン塔の塔頂部の混合C2製品は、不純物除去された後、エチレン装置に送られ炭素二及びプロピレン成分を回収することができる。ここで、不純物の除去は、当業者であれば、その具体的な状況に応じて本分野における常法の不純物除去方法を採用すればよく、水素化によるO2、アルキン及びNOxの除去、モレキュラーシーブによるH2Oの乾燥除去、COSの吸着除去、水銀の吸着除去などであってもよい。
【0077】
本発明によれば、好ましくは、前記吸収剤回収塔の操作温度は5~50℃であり、操作圧力は1.9~3.4MPaGであり、前記安定ガソリン吸収剤のドライポイントは204℃未満である。
【0078】
本発明の別の側面は、軽質炭化水素の供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器I、圧縮機III、冷却器II、冷却器III、供給タンク、吸収塔、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔、プロピレン精留塔を含む軽質炭化水素の分離装置であって、
軽質炭化水素の供給パイプラインは、気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、
脱ブタン塔の塔頂部は、順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器I、圧縮機III、冷却器II、冷却器III及び供給タンクに接続され、塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
冷却器Iは、パイプラインを介して冷却器IIIに直接接続され、
供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は脱メタン塔に接続され、
吸収塔の塔頂部は下流装置に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続され、
脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
脱プロパン塔の塔頂部はプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4/C5製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4/C5製品の採取パイプラインは混合C4/C5吸収剤の供給パイプラインに接続され、
プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられている、軽質炭化水素の分離装置を提供する。
【0079】
本発明によれば、好ましくは、前記下流装置は吸収剤回収塔を含み、前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱ブタン塔の安定ガソリンの採取パイプラインに接続されている。
【0080】
本発明においては、前記圧縮機Iを多段に分けることができ、段間液相の採取パイプラインは前記脱ブタン塔に接続されている。
【0081】
本発明においては、塔全体の安定した操作温度を維持するために、好ましくは、前記吸収塔には2~5個の中段還流が設けられており、かつ吸収塔の塔頂部には凝縮器を設ける必要がなく、塔底部にはリボイラーを設ける必要がなく、供給タンクからの気相は吸収塔の塔底部から供給され、吸収剤は塔の頂部から供給される。
【0082】
本発明によれば、好ましくは、脱メタン塔の塔頂部には凝縮器が設けられておらず、塔底部にはリボイラーが設けられ、供給タンクからの液相は脱メタン塔の塔頂部から供給され、前記軽質炭化水素の分離装置は脱水装置を含まない。
【0083】
上記の目的を達成するために、本発明は、オイルガスの低圧脱硫方法であって、
(1)上流装置からのオイルガスは、凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔に入り、脱ブタン塔の塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入りリッチガス及び液相が分離され、リッチガスはさらに不純物除去され、液相は脱ブタン塔に戻され、少なくとも一部の脱ブタン塔の塔底部の液相は安定ガソリン製品として採取される、脱ブタンと、
(3)脱ブタン塔の塔頂部からのリッチガスは、順次に、リッチガス脱硫塔内でリーンアミン液を吸収剤としてH2SとCO2を除去し、リッチガス脱チオール塔内でアルカリ液を吸収剤としてチオールを除去し、リッチガス水洗タンク内で水洗水によりリッチガスの酸塩基性を平衡させ、不純物除去されたリッチガスはリッチガス水洗タンクのタンク頂部から採取される、不純物除去とを含む、オイルガスの低圧脱硫方法を提供する。
【0084】
本発明は、前置脱ブタン塔を採用することで、オイルガスをガソリンとリッチガスとに早期に分割するようにされている。ここで、全ての硫化水素及び比較的軽質のチオールがリッチガス中に分けられ、そしてリッチガスを順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔及びリッチガス水洗タンクに通過させてその不純物を除去するようにされている。
【0085】
本発明においては、脱硫塔内で使用される溶媒は、リッチガス中のCO2の含有量に応じて選定することができるが、好ましくは、リッチガス中のCO2の含有量が1000ppmv以下の場合、前記リーンアミン液はMDEA溶媒となり、常法のMDEA溶媒を採用すると下流の液化ガス脱チオール塔のアルカリ液の消費量が過大とならないため、単独のアミン液再生システムの設置を必要とせず、脱硫塔の塔底部のリッチアミン液を採取すればよい。リッチガス中のCO2の含有量が1000ppmvを超える場合、前記リーンアミン液は複合溶媒(すなわちMDEAをベースとする改質溶媒)となり、単独のアミン液再生システムを配置する必要があり、具体的にはリッチガス脱硫塔内でH2SとCO2を吸収したリーンアミン液を溶媒再生塔に送り、再生後に吸収剤としてリッチガス脱硫塔に返送される。
【0086】
本発明においては、脱硫塔内で、リッチガスをリーンアミン液溶媒に気液接触させると同時にH2SとCO2を除去することで、リッチガス中の硫化水素の含有量を20ppmv未満にするだけでなく、CO2の除去効率を90~95wt%に達することができ、アルカリ洗浄脱チオール反応器ストリームに入るCO2の含有量を効果的に低減でき、アルカリ液の消費を低減できる。同時に、好ましくは、前記リーンアミン液吸収剤がリッチガスの温度よりも3~8℃高くなるように制御することで、リッチガス中のC3/C4成分がアミン液中に凝縮することによるアミン液の発泡を効果的に防止することができる。
【0087】
本発明においては、H2SとCO2が除去されたリッチガスはリッチガス脱チオール塔に送られ、さらに不純物除去される。脱チオール塔内ではアルカリ液でチオールを除去し、アルカリ液とリッチガスとを気液接触させることで、従来技術における液液接触よりも効果が優れ、リッチガス中のチオールの含有量を20ppmw未満に低減することができる。リッチガスにアルカリが含まれることによって下流装置を腐食することを防止するために、チオールが除去されたリッチガスは、リッチガス水洗タンクに送られ、リッチガスを酸塩基平衡になるまで水洗するようにされている。本発明においては、好ましくは、前記水洗タンク内の水洗水の温度はリッチガスの温度よりも3~8℃高く、リッチガス中のC3/C4成分が水洗水に凝縮されることを防止し、水洗水に炭化水素が含まれることを回避する。
【0088】
本発明によれば、好ましくは、前記圧縮機の段間液相は脱ブタン塔に送られ、
前記脱ブタン塔の塔頂部の操作温度は45~65℃であり、操作圧力は1.0~1.5MPaGであり、塔底部の操作温度は150~200℃であり、前記還流タンクの温度は35~50℃であり、
前記リッチガス脱硫塔の操作温度は35~50℃であり、操作圧力は1.0~1.5MPaGであり、
前記リッチガス脱チオール塔の操作温度は35~50℃であり、操作圧力は0.9~1.4MPaGであり、
前記リッチガス水洗タンクの操作温度は35~50℃であり、操作圧力は0.9~1.4MPaGである。
【0089】
本発明においては、不純物除去されたリッチガスはさらに分離され、好ましくは、前記オイルガスの処理方法は、
(4)不純物除去されたリッチガスは冷却され、気液分離され、昇圧されて再度冷却された後、吸収塔、脱メタン塔、脱プロパン塔、脱エタン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔によってさらにドライガス、C2成分、C3成分及びC4成分が分離され、そのうち、C2成分、C3成分はそれぞれC2製品、C3製品として採取され、C4成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、分離をさらに含む。
【0090】
上記の分離工程は、具体的には、
不純物除去されたリッチガスは、冷却器I内で初歩的に冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、気液分離タンクIIのタンク頂部の気相は圧縮されて再度冷却された後に冷却器IIIに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に冷却器IIIに送られる、冷却、
初歩的に増圧冷却された気相及び増圧された液相は、冷却器III内で更なる混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、後冷却、
冷却器IIIからの混合ストリームが供給タンク内で混合、予備吸収及び気液平衡された後に、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔に送られる、供給、
吸収塔内で、混合C4を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は吸収剤回収塔に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器IIIに戻される、吸収、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンを除去するとともに、少量のC2及びC2以上の成分を除去し、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器IIIに送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔に送られる、脱メタン、
脱メタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔の上部から採取され、任意選択的に乾燥されてから脱エタン塔に送られ、塔底部の成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパン、
脱プロパン塔の上部からの気相は、脱エタン塔内でさらに分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取される、脱エタン、とされてもよい。
【0091】
本発明によれば、好ましくは、前記供給タンクの操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGである。
前記吸収塔の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGであり、前記吸収塔内の吸収剤は、システム内で自ら平衡化された混合C4成分に由来するものであり、システムの外部から導入する必要がない。
前記脱メタン塔の塔頂部の操作温度は10~40℃であり、塔底部の操作温度は70~95℃であり、操作圧力は2.3~2.9MPaGである。
前記脱エタン塔の塔頂部の操作温度は-20℃から20℃であり、塔底部の操作温度は55~85℃で、操作圧力は2.2~3.2MPaGである。
【0092】
本発明においては、脱プロパン及び脱エタンの順序について特に限定されず、いずれもプロセスの要求を満たすことができるが、脱プロパン及び脱エタンの順序が異なると、脱エタン塔の操作条件及び回収された混合炭素二の組成が異なることになり、当業者であれば、本分野の一般的な技術手段に基づいて調整すればよい。
【0093】
本発明においては、分離された混合C3成分をさらに精留してプロピレン製品とプロパン製品を得るようにされてもよく、好ましくは、前記分離方法は、
脱エタン塔の塔底部から採取された混合C3成分はプロピレン精留塔に送られさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留をさらに含む。
【0094】
本発明によれば、好ましくは、プロピレン精留塔の操作温度は45~60℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである。
【0095】
吸収塔の塔頂部のストリームに巻き込まれた混合C4吸収剤をさらに回収するために、好ましくは、前記分離は、
吸収剤回収塔内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔に戻される、吸収剤回収をさらに含む。
【0096】
本発明の上記の軽質炭化水素の分離方法において、ストリームは、まずC4及びC4以上の成分を除去してからC2を分離し、それにより分離された混合C2に約20v%の混合C3成分が含まれることになり、不純物除去処理後の混合C2成分は依然として下流のエチレン装置に送られて炭素二及び炭素三を回収し続ける必要がある。しかし、脱エタン塔は精細な分離を行わないので、その塔頂部の最低温度は15℃程度で十分であり、常法の臭化リチウムによる冷やしで要件を満たすことができる。脱エタン塔が精細な分離を採用すると、分離された炭素二には炭素三がほとんど含まれないことを保証でき、不純物が除去された後の脱エタン塔の塔頂部のストリームはそのまま下流のエチレン装置に送られ炭素二の回収又は直接利用することができる。それに応じて、脱エタン塔は精細な分離を採用するので、塔頂部の温度は最低で-20℃に達する必要があり、常法の臭化リチウムによる冷やしはもはやニュースを満たすことができず、プロピレン冷凍圧縮機を設置する必要があり、かつ脱プロパン塔の塔頂部留出物は乾燥してから脱エタン塔内に送る必要がある。
【0097】
本発明の別の側面は、オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、リッチガス水洗タンクを含むオイルガス処理装置であって、
前記オイルガスの供給パイプラインは、気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、
前記脱ブタン塔の塔頂部には還流タンクが設けられ、還流タンクのタンク頂部はリッチガス脱硫塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、脱ブタン塔の塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
前記リッチガス脱硫塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リーンアミン液の供給パイプライン上には任意選択的にリーンアミン液冷却器が設けられ、リッチガス脱硫塔の塔頂部はリッチガス脱チオール塔に接続され、塔底部にはリッチアミン液の採取パイプラインが設けられ、
前記リッチガス脱チオール塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、塔頂部はリッチガス水洗タンクに接続され、塔底部にはリッチアミン液の採取パイプラインが設けられ、
前記リッチガス水洗タンクのタンク頂部には軽質炭化水素の採取パイプラインが設けられ、タンク底部はリッチガス水洗循環ポンプに接続されてから、それぞれ水洗水ヒータ及び水洗排水パイプラインに接続され、前記水洗水ヒータはリッチガス水洗タンクの上部に接続されている、オイルガス処理装置を提供する。
【0098】
本発明によれば、好ましくは、前記オイルガス処理装置は溶媒再生塔をさらに含み、前記リッチアミン液の採取パイプラインは溶媒再生塔に接続され、前記溶媒再生塔の塔底部はリーンアミン液の供給パイプラインに接続され、塔頂部には酸性ガスの採取パイプラインが設けられている。
【0099】
本発明によれば、好ましくは、前記装置はさらに分離手段を含み、前記軽質炭化水素の採取パイプラインは分離手段に接続され、
前記分離手段は、冷却器I、気液分離タンクII、圧縮機III、冷却器II、冷却器III、供給タンク、吸収塔、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔を含み、
脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプライン上には任意選択的に不純物処理手段が設けられ、脱プロパン塔の塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
好ましくは、前記軽質炭化水素の採取パイプラインは順次に冷却器I、気液分離タンクIIに接続され、前記気液分離タンクIIのタンク頂部は順次に圧縮機III、冷却器II、冷却器III、供給タンクに接続され、タンク底部は順次に冷却器III、供給タンクに接続され、
前記供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は脱メタン塔に接続され、
吸収塔の塔頂部は任意選択的に吸収剤回収塔に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱プロパン塔に接続され、
前記脱プロパン塔の上部は任意選択的に乾燥手段に接続されてから、脱エタン塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、
さらに好ましくは、前記分離手段はプロピレン精留塔及び/又は吸収剤回収塔をさらに含み、
前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱ブタン塔の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は前記安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされ、
前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパンン製品の採取パイプラインが設けられている。
【0100】
本発明においては、圧縮機Iを多段に分けることができ、段間液相の採取パイプラインは脱ブタン塔に接続されている。
【0101】
本発明においては、塔全体の操作温度を均一に維持し、吸収効果を確保するために、吸収塔には2~5個の中段還流が設けられてもよく、かつ吸収塔の塔頂部には凝縮器を設ける必要がなく、塔底部にはリボイラーを設ける必要がなく、供給タンクからの気相は吸収塔の塔底部から供給され、吸収剤は塔の上部から供給される。
【0102】
本発明においては、分離手段に脱水装置を設ける必要がなく、脱メタン塔の塔頂部には凝縮器が設けられなくてもよく、塔底部にはリボイラーが設けられ、供給タンクからの液相は脱メタン塔の塔頂部から供給される。
【0103】
上記の目的を達成するために、本発明は、オイルガス高圧脱硫・分離の方法であって、
(1)上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔に送られる、第1気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔に入り、塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に気液分離タンクIIに送られ、脱ブタン塔の少なくとも一部の塔底部液相は安定ガソリン製品として採取される、脱ブタンと、
(3)材料は気液分離タンクII内で混合され、気液平衡された後に、再び気相と液相とが分離され、そしてそれぞれ不純物除去される、第2気相分離と、
(4)気液分離タンクIIで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔内でリーンアミン液を吸収剤としてH2SとCO2が除去され、リッチガス脱チオール塔内でアルカリ液を吸収剤としてチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、気相不純物除去と、
(5)気液分離タンクIIで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔内でH2SとCO2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器内でチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、液相不純物除去と、
(6)不純物除去された気体軽質炭化水素及び液体軽質炭化水素は、冷却器III内で混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、冷却と、
(7)冷却器IIIからの混合ストリームは供給タンク内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は分離手段に送られる、供給と、
(8)吸収塔内で、混合C4を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は下流装置に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器IIIに戻される、吸収と、
(9)供給タンクのタンク底部からの液相は、分離手段内で脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔によってC2、C3及びC4成分がさらに分離され、そのうち、C2、C3成分はそれぞれC2、C3製品として採取され、C4成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、分離と、を含むオイルガス高圧脱硫・分離の方法を提供する。
【0104】
本発明は使用範囲が広く、化学工業生産における一般的なFCC、DCC、ディレードコーキング等のガス収率が高いプロセスにおけるオイルガス(H2、C1-C4、ガソリン成分及び少量の非炭化水素成分を含む)はいずれも本発明の装置を使用して軽質炭化水素を分離して液化ガスを回収することができる。
【0105】
本発明においては、上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相はポンプで増圧され脱ブタン塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔に送られ、好ましくは、圧縮機は多段に分けられ、圧縮段間で発生した液相は脱ブタン塔に送られる。
【0106】
本発明においては、安定ガソリンを脱ブタン塔内で早期に分離し、安定ガソリンが下流の軽質炭化水素の分離プロセスに関与せず、プロセスのエネルギー消費を大幅に低減することができ、好ましくは、前記脱ブタン塔の塔頂部の操作温度は45~50℃であり、操作圧力は1.0~1.5MPaGであり、塔底部の操作温度は180~220℃であり、前記還流タンクの温度は40~45℃である。
【0107】
本発明においては、関連製品の回収の要求を満たすために、次の分離を行う前に、不純物を除去する必要があり、主にアミン洗浄による脱H2Sとアルカリ洗浄による脱チオールを含む。高圧下で気相脱硫、脱チオールの効果がより優れ、かつ高圧下で脱硫設備の体積が小さいため、本発明では軽質炭化水素を気相と液相に分けてからそれぞれ不純物を除去するようにされ、好ましくは、前記還流タンクのタンク頂部の気相は2.5~3.0MPaGに圧縮され、35~45℃に冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、タンク底部の液相は2.8~3.3MPaGに増圧された後に気液分離タンクIIに送られる。気液分離タンクII内で圧縮された気相及び増圧された液相とが混合され、気液平衡された後、再び気相と液相とが分離され、そして、それぞれ不純物が除去される。分離された気相中の重質炭化水素の含有量が少なく、脱硫を行う時に、アミン液中に凝縮される重質炭化水素の量も少なく、アミン液の発泡によって脱硫装置に泡が巻き込まれ、装置の安定的な運転に影響を与えることが効果的に回避される。
【0108】
本発明においては、関連製品の回収の要求を満たすために、アミン洗浄による脱H2Sは、複合アミン液溶媒(すなわちMDEAをベースとする改質溶媒)を採用して、H2SとCO2の除去を同時に行うことが好ましく、中でも、H2Sは10ppmv未満まで除去することができ、CO2の除去効率は90~95wt%に達することができ、アルカリ洗浄脱チオール反応器ストリームに入るCO2の含有量を効果的に低減し、アルカリ液の消費を低減する。
【0109】
本発明によれば、好ましくは、前記リッチガス脱硫塔の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.5~3.0MPaGであり、前記リッチガス脱チオール塔の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGであり、前記液体炭化水素脱硫塔の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は3.0~3.5MPaGである。
【0110】
本発明においては、不純物が除去された気相成分は、供給タンクに送られる前に冷却、圧縮される必要があり、気相の昇圧は、一段又は多段圧縮を採用してもよく、冷却された液相と冷却、圧縮された気相はいずれも供給タンクに送られ、好ましくは、前記供給タンクの操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGである。
【0111】
本発明によれば、好ましくは、前記吸収塔の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGである。本発明においては、吸収塔で採用される混合C4吸収剤は、脱プロパン塔の塔底部に由来するものであって、システム内で自ら平衡化されたC4成分であり、システムの外部から導入する必要がない。
【0112】
本発明によれば、好ましくは、前記工程(9)における前記分離は、以下の2つの方式のうちの1つを含む。
方式1、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器に送られ、塔底部の液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内でC2成分が分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の上部から採取され、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、を含み、
さらに好ましくは、前記分離は、
脱プロパン塔の上部からのC3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留、をさらに含む。
方式2、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器に送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔の上部から採取され任意選択的に乾燥されてから脱エタン塔に送られ、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、
脱プロパン塔の上部からの気相は脱エタン塔内でさらに分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取される、脱エタンと、を含み、
さらに好ましくは、前記分離は、
脱エタン塔の塔底部からの混合C3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留、をさらに含む。
【0113】
本発明の上記の分離方法において、方式2で軽質炭化水素の分離を行う際に、ストリームは、まずC4及びC4以上の成分を除去してからC2を分離し、それにより分離された混合C2に約20v%の混合C3成分が含まれることになり、不純物除去処理後の混合C2成分は依然として下流のエチレン装置に送られて炭素二及び炭素三を回収し続ける必要がある。しかし、脱エタン塔は精細な分離を行わないので、その塔頂部の最低温度は15℃程度で十分であり、常法の臭化リチウムによる冷やしで要件を満たすことができる。脱エタン塔が精細な分離を採用すると、分離された炭素二には炭素三がほとんど含まれないことを保証でき、不純物が除去された後の脱エタン塔の塔頂部のストリームはそのまま下流のエチレン装置に送られ炭素二の回収又は直接利用することができる。それに応じて、脱エタン塔は精細な分離を採用するので、塔頂部の温度は最低で-20℃に達する必要があり、常法の臭化リチウムによる冷やしはもはやニュースを満たすことができず、プロピレン冷凍圧縮機を設置する必要があり、かつ脱プロパン塔の塔頂部留出物は乾燥してから脱エタン塔内に送る必要がある。
【0114】
本発明によれば、好ましくは、前記脱エタン塔の操作温度は5~15℃であり、操作圧力は2.2~3.0MPaGであり、塔底部の操作温度は50~110℃である。本発明で回収された炭素二製品には15~20v%のプロピレンを含有するため、不純物処理手段でそのうちのNOx、O2及び重金属などの関連不純物が除去された後にエチレン装置に送られエチレン、エタン及びプロピレンなどの資源を回収する。ここで、不純物の除去は、当業者であれば、その具体的な状況に応じて本分野における常法の不純物除去方法を採用すればよく、水素化によるO2、アルキン及びNOxの除去、モレキュラーシーブによるH2Oの乾燥除去、COSの吸着除去、水銀の吸着除去などであってもよい。
【0115】
本発明においては、分離された混合C3成分をさらに精留して、プロピレン製品及びプロパン製品を得ることができ、好ましくは、前記プロピレン精留塔の操作温度は45~65℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである。
【0116】
吸収塔の塔頂部のストリームに巻き込まれる混合C4吸収剤をさらに回収するために、好ましくは、前記方法は、
(10)吸収剤回収塔内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔に戻され、さらに好ましくは、前記吸収剤回収塔の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.3~2.8MPaGである、吸収剤回収をさらに含む。
【0117】
本発明の別の側面は、オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔、圧縮機III、冷却器II、気液分離タンクII、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器III、供給タンク、吸収塔、分離手段を含むオイルガス高圧脱硫・分離の装置であって、
オイルガスの供給パイプラインは気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、圧縮機II、脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔に接続され、
脱ブタン塔の塔頂部には還流タンクが設けられ、還流タンクのタンク頂部は順次に圧縮機II、冷却器II及び気液分離タンクIIに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから気液分離タンクIIに接続され、脱ブタン塔の塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
気液分離タンクIIのタンク頂部は順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器IIIに接続され、タンク底部は順次に液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器IIIに接続され、
リッチガス脱硫塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リッチガス脱チオール塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、
冷却器IIIは供給タンクに接続され、
供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は分離手段に接続され、
吸収塔の塔頂部は下流装置に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記分離手段は、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔を含み、脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、脱プロパン塔の塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされる、オイルガス高圧脱硫・分離の装置を提供する。
【0118】
本発明においては、C4及びC4以下の成分のさらなる分離は、分離手段で行われ、その分離手段は、好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続されてもよく、前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、前記脱プロパン塔の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされる。また好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱プロパン塔に接続され、前記脱プロパン塔の上部は脱エタン塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続されてもよい。さらに好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられる。
【0119】
本発明によれば、好ましくは、前記下流装置は、吸収剤回収塔をさらに含み、前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱ブタン塔の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は前記安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされる。
【0120】
本発明においては、前記圧縮機Iを多段に分けることができ、段間液相の採取パイプラインは前記脱ブタン塔に接続されている。
【0121】
本発明においては、塔全体の操作温度を均一に維持し、吸収効果を確保するために、好ましくは、前記吸収塔には2~5個の中段還流が設けられ、かつ吸収塔の塔頂部には凝縮器を設ける必要がなく、塔底部にはリボイラーを設ける必要がなく、供給タンクからの気相は吸収塔の塔底部から供給され、吸収剤は塔の頂部から供給される。
【0122】
本発明によれば、好ましくは、脱メタン塔の塔頂部には凝縮器が設けられておらず、塔底部にはリボイラーが設けられ、供給タンクからの液相は脱メタン塔の塔頂部から供給され、前記軽質炭化水素の分離装置は脱水装置を含まない。
【0123】
上記の目的を達成するために、本発明は、オイルガスの回収方法であって、
(1)上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され軽質重質ガソリン分離塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に軽質重質ガソリン分離塔に送られる、第1気液分離と、
(2)気液分離タンクIからの材料は軽質重質ガソリン分離塔に入り、塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮された後に軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に送られ、タンク底部の液相は増圧された後に軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に送られ、軽質重質ガソリン分離塔の少なくとも一部の塔底部液相は重質ガソリン製品として採取される、軽質重質ガソリン分離と、
(3)軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部還流タンクからのストリームは軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に入り、塔頂部から留出された気相は塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮冷却された後に気液分離タンクIIに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に気液分離タンクIIに送られ、塔底部の液相は軽質ガソリンとして採取される、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離と、
(4)材料は気液分離タンクII内で混合され、気液平衡された後に、再び気相と液相とが分離され、そしてそれぞれ不純物除去される、第2気相分離と、
(5)気液分離タンクIIで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔内でリーンアミン液を吸収剤としてH2SとCO2が除去され、リッチガス脱チオール塔内でアルカリ液を吸収剤としてチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、気相不純物除去と、
(6)気液分離タンクIIで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔内でH2SとCO2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器内でチオールが除去された後に冷却器IIIに送られる、液相不純物除去と、
(7)不純物除去された気体軽質炭化水素及び液体軽質炭化水素は、冷却器III内で混合及び冷却された後に供給タンクに送られる、冷却と、
(8)冷却器IIIからの混合ストリームは供給タンク内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔に送られ、タンク底部の液相は分離手段に送られる、供給と、
(9)吸収塔内で、混合C4を吸収剤として供給タンクのタンク頂部からの気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は下流装置に送られ、塔底部の液相は冷却器に戻される、吸収と、
(10)供給タンクのタンク底部からの液相は、分離手段内で脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔によってC2、C3及びC4成分がさらに分離され、そのうち、脱エタン塔内でプロパン及び/又は混合C4を吸収剤としてC2成分が分離され、C2、C3成分はそれぞれC2、C3製品として採取され、C4成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔及び任意選択的に脱エタン塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、分離と、を含むオイルガスの回収方法を提供する。
【0124】
本発明は使用範囲が広く、化学工業生産における一般的なFCC、DCC、ディレードコーキング等のガス収率が高いプロセスにおけるオイルガス(H2、C1-C4、ガソリン成分及び少量の非炭化水素成分を含む)はいずれも本発明の装置を使用して回収することができる。
【0125】
本発明においては、上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクIに送られ気液分離され、タンク底部の液相はポンプで増圧され軽質重質ガソリン分離塔に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に軽質重質ガソリン分離塔に送られ、そのうち、圧縮機は多段に分けられ、圧縮段間で発生した液相は軽質重質ガソリン分離塔に送られる。オイルガスは軽質重質ガソリン分離塔で重質ガソリンが分離され、そして軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔で軽質ガソリンが分離され、軽質重質ガソリンが早期に分離され、下流の軽質炭化水素の分離プロセスに関与せず、プロセスのエネルギー消費を大幅に低減することができ、好ましくは、前記軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部の操作温度は60~85℃であり、塔底部の操作温度は140~190℃であり、操作圧力は0.25~0.5MPaGであり、前記軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の塔頂部の操作温度は55~80℃であり、操作圧力は1.0~1.35MPaGであり、前記重質ガソリンの初留点は60~85℃であり、前記軽質ガソリンのドライポイントは65~90℃である。
【0126】
本発明においては、関連製品の回収の要求を満たすために、次の分離を行う前に、不純物を除去する必要があり、主にアミン洗浄による脱H2Sとアルカリ洗浄による脱チオールを含む。高圧下で気相脱硫、脱チオールの効果がより優れ、かつ高圧下で脱硫設備の体積が小さいため、本発明では気液分離タンクII内で圧縮された気相及び増圧された液相とが混合され、気液平衡された後、再び気相と液相とが分離され、そして、それぞれ不純物が除去される。好ましくは、前記気液分離タンクIIの操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.3~2.9MPaGである。分離された気相中の重質炭化水素の含有量が少なく、脱硫を行う時に、アミン液中に凝縮される重質炭化水素の量も少なく、アミン液の発泡によって脱硫装置に泡が巻き込まれ、装置の安定的な運転に影響を与えることが効果的に回避される。
【0127】
本発明においては、関連製品の回収の要求を満たすために、アミン洗浄による脱H2Sは、複合アミン液溶媒(すなわちMDEAをベースとする改質溶媒)を採用して、H2SとCO2の除去を同時に行うことが好ましく、中でも、H2Sは10ppmv未満まで除去することができ、CO2の除去効率は90~95wt%に達することができ、アルカリ洗浄脱チオール反応器ストリームに入るCO2の含有量を効果的に低減し、アルカリ液の消費を低減する。
【0128】
本発明によれば、好ましくは、前記リッチガス脱硫塔の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGであり、前記リッチガス脱チオール塔の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGであり、前記液体炭化水素脱硫塔の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は3.0~3.5MPaGである。
【0129】
本発明においては、不純物が除去された気相成分及び液相成分は、供給タンクに送られる前に冷却される必要があり、冷却された液相と冷却、圧縮された気相はいずれも供給タンクに送られ、好ましくは、前記供給タンクの操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGである。
【0130】
本発明によれば、好ましくは、前記吸収塔の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGである。本発明においては、吸収塔で採用される混合C4吸収剤は、脱プロパン塔の塔底部に由来するものであって、システム内で自ら平衡化されたC4成分であり、システムの外部から導入する必要がない。
【0131】
本発明によれば、好ましくは、前記工程(10)における前記分離は、以下の3つの方式のうちの1つを含む。
方式1、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器に送られ、塔底部の液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内でプロパンを吸収剤としてC2成分が分離され、分離された混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に、混合C2製品として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の上部から採取され、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、を含み、
さらに好ましくは、前記分離は、
脱プロパン塔の上部からのC3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相は少なくとも一部がプロパン製品として採取され、残りの部分が加熱された後にプロパン吸収剤として脱エタン塔に送られる、プロピレン精留、をさらに含む。
方式2、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器に送られ、塔底部の液相は脱エタン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相は脱エタン塔内で混合C4を吸収剤としてC2成分が分離され、分離された塔頂部の混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に、混合C2製品として採取され、塔底部のC3及びC3以上の液相成分は脱プロパン塔に送られる、脱エタンと、
脱エタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内でさらに分離され、分離されたC3成分は脱プロパン塔の上部から採取され、塔底部成分は、少なくとも一部が混合C4吸収剤としてそれぞれ吸収塔及び脱エタン塔に送られ、残りの部分が混合C4製品として採取される、脱プロパンと、を含み、
さらに好ましくは、前記分離は、
脱プロパン塔の上部からのC3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取される、プロピレン精留、をさらに含む。
方式3、前記分離の工程は、順次に、
供給タンクのタンク底部からの液相は脱メタン塔内でメタンが除去されるとともに、少量のC2及びC2以上の成分が除去され、脱メタン塔の塔頂部の気相は冷却器に送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔に送られる、脱メタンと、
脱メタン塔の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔の上部から採取され任意選択的に乾燥されてから脱エタン塔に送られ、塔底部成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C4製品として採取される、脱プロパンと、
脱プロパン塔の上部からの気相はプロパンを吸収剤として脱エタン塔内でさらに分離され、分離された塔頂部の混合C2成分は任意選択的に不純物処理された後に、混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取される、脱エタンと、を含み、
さらに好ましくは、前記分離は、
脱エタン塔の塔底部からの混合C3成分はプロピレン精留塔内でさらに精留され、プロピレン精留塔の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相は少なくとも一部がプロパン製品として採取され、残りの部分がプロパン吸収剤として脱エタン塔に送られる、プロピレン精留、をさらに含む。
【0132】
脱エタン塔がプロパン吸収剤又は混合C4吸収剤を採用してC2成分を分離すると、分離されたC2成分にはプロピレンがほとんど巻き込まれず、15~18mol%のプロパン又は10~13mol%のC4しか含有せず、この際、脱エタン塔の塔頂部の最低温度はわずか15℃となり、乾燥設備を設ける必要がなくなり、常法の臭化リチウムによる冷やしで要件を満たすことができる。C2成分中のプロピレンの含有量が大幅に低減されたため、他の不純物除去設備を設ける必要がなく、そのままエチルベンゼンの製造に送られてもよい。好ましくは、前記脱エタン塔の塔頂部の操作温度は15~30℃であり、操作圧力は2.6~3.2MPaGであり、前記プロパン吸収剤及び/又は混合C4吸収剤はシステム内で自ら平衡化されたプロパン及び/又は混合C4成分に由来するものであり、システムの外部から導入する必要がない。
【0133】
本発明においては、分離された混合C3成分をさらに精留して、プロピレン製品及びプロパン製品を得ることができ、好ましくは、前記プロピレン精留塔の操作温度は45~60℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである。
【0134】
吸収塔の塔頂部のストリームに巻き込まれた混合C4吸収剤をさらに回収するために、好ましくは、前記方法は、
(11)吸収剤回収塔内で、一部の工程(2)で採取された重質ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔の塔頂部の気相はドライガスとして採取され、塔底部の液相は軽質重質ガソリン分離塔に戻され、さらに好ましくは、前記吸収剤回収塔の操作温度は15~40℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGである、吸収剤回収をさらに含む。
【0135】
本発明の別の側面は、オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI、圧縮機I、軽質重質ガソリン分離塔、圧縮機II、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔、圧縮機III、冷却器II、気液分離タンクII、リッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器III、供給タンク、吸収塔、分離手段を含むオイルガス回収装置であって、
オイルガスの供給パイプラインは気液分離タンクIの入口に接続され、気液分離タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機I、軽質重質ガソリン分離塔に接続され、タンク底部は軽質重質ガソリン分離塔に接続され、
軽質重質ガソリン分離塔の塔頂部には還流タンクIが設けられ、還流タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機II、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔に接続され、軽質重質ガソリン分離塔の塔底部には重質ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔の塔頂部には還流タンクIIが設けられ、還流タンクIIのタンク頂部は順次に圧縮機III、冷却器II、気液分離タンクIIに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから気液分離タンクIIに接続され、
気液分離タンクIIのタンク頂部は順次にリッチガス脱硫塔、リッチガス脱チオール塔、冷却器IIIに接続され、タンク底部は順次に液体炭化水素脱硫塔、液体炭化水素脱チオール反応器、冷却器IIIに接続され、
リッチガス脱硫塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リッチガス脱チオール塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、
冷却器IIIは供給タンクに接続され、
供給タンクのタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は分離手段に接続され、
吸収塔の塔頂部は下流装置に接続され、塔底部は冷却器IIIに接続され、吸収塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
前記分離手段は、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔及び任意選択的にプロピレン精留塔を含み、脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、脱エタン塔の上部にはプロパン又は混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、脱プロパン塔の塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされる、オイルガス回収装置を提供する。
【0136】
本発明においては、C4及びC4以下の成分のさらなる分離は、分離手段で行われ、その分離手段は、好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続されてもよく、前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、前記脱エタン塔の上部にはプロパン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱プロパン塔の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、前記プロパン製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本はプロパン吸収剤の供給パイプラインとされ、また好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱エタン塔に接続されてもよく、前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔に接続され、前記脱エタン塔の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記脱プロパン塔の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、それぞれ吸収塔及び脱エタン塔に接続され、さらに好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、また好ましくは、前記脱メタン塔の塔頂部は冷却器IIIに接続され、塔底部は脱プロパン塔に接続されてもよく、前記脱プロパン塔の上部は任意選択的に乾燥手段に接続されてから脱エタン塔に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、前記混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、前記脱エタン塔の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには任意選択的に不純物処理手段が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、前記混合C3の採取パイプラインは任意選択的にプロピレン精留塔に接続され、前記脱エタン塔の上部にはプロパン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、さらに好ましくは、前記プロピレン精留塔の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部はプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、前記プロパン製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本はプロパン吸収剤の供給パイプラインとされる。
【0137】
本発明によれば、好ましくは、前記下流装置は、吸収剤回収塔をさらに含み、前記吸収剤回収塔の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は軽質重質ガソリン分離塔に接続され、前記吸収剤回収塔の上部には重質ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、前記軽質重質ガソリン分離塔の重質ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は前記重質ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされる。
【0138】
本発明においては、塔全体の操作温度を均一に維持し、吸収効果を確保するために、好ましくは、前記吸収塔には2~5個の中段還流が設けられ、かつ吸収塔の塔頂部には凝縮器を設ける必要がなく、塔底部にはリボイラーを設ける必要がなく、供給タンクからの気相は吸収塔の塔底部から供給され、吸収剤は塔の頂部から供給される。
【0139】
本発明によれば、好ましくは、脱メタン塔の塔頂部には凝縮器が設けられておらず、塔底部にはリボイラーが設けられ、供給タンクからの液相は脱メタン塔の塔頂部から供給され、前記装置は脱水装置を含まない。
【0140】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の保護範囲は下記の説明に限定されるものではない。
【0141】
本発明の文脈において、i-C4H10はイソブタンを意味し、n-C4H10はノルマルブタンを意味し、i-C4H8はイソブテンを意味し、n-C4H8はノルマルブテンを意味し、t-C4H8はトランスブテンを意味し、c-C4H8はシスブテンを意味し、PC28Cは全ての炭素五及び炭素五以上の炭化水素類成分を意味し、RSHはチオールを意味し、ただし、Rは-CH3、-C2H5、-C3H7等の炭化水素基を意味する。
【0142】
下記の実施の形態において、原料であるオイルガスの性質を表1に、オイルガス中のC5
+成分の性質を表2に示す。
【0143】
【0144】
【0145】
実施例1
図1を参照すると、本実施例におけるオイルガス処理装置は、
軽質炭化水素の供給パイプライン、気液分離タンクI1、圧縮機I2、圧縮機II3、脱ブタン塔4、リッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、冷却器I7、圧縮機III8、冷却器II9、冷却器III10、供給タンク11、吸収塔12、脱メタン塔13、脱エタン塔14、脱プロパン塔15、プロピレン精留塔16、吸収剤回収塔17を含み、
軽質炭化水素の供給パイプラインは、気液分離タンクI1の入口に接続され、気液分離タンクI1のタンク頂部は順次に圧縮機I2、圧縮機II3、脱ブタン塔4に接続され、タンク底部は脱ブタン塔4に接続され、
脱ブタン塔4の塔頂部は、順次にリッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、冷却器I7、圧縮機III8、冷却器II9、冷却器III10及び供給タンク11に接続され、塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
冷却器I7は、パイプラインを介して冷却器III10に直接接続され、
供給タンク11のタンク頂部は吸収塔12に接続され、タンク底部は脱メタン塔13に接続され、
吸収塔12の塔頂部は吸収剤回収塔17に接続され、塔底部は冷却器III10に接続され、吸収塔12の上部には混合C
4/C
5吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
吸収剤回収塔17の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔4に接続され、吸収剤回収塔17の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、脱ブタン塔4の安定ガソリンの採取パイプラインに接続され、
脱メタン塔13の塔頂部は冷却器III10に接続され、塔底部は脱エタン塔14に接続され、
脱エタン塔14の塔頂部には混合C
2の採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱プロパン塔15に接続され、
脱プロパン塔15の塔頂部はプロピレン精留塔16に接続され、塔底部には混合C
4/C
5製品の採取パイプラインが設けられ、混合C
4/C
5製品の採取パイプラインは混合C
4/C
5吸収剤の供給パイプラインに接続され、
プロピレン精留塔16の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられている。
【0146】
上記の装置を採用してオイルガスを処理する場合、その処理フローは
図1に示すように、
(1)FCC分留塔の塔頂部からの気相S-1原料は、凝縮冷却された後に気液分離タンクI1に送られ気液分離され(分留塔の塔頂部が冷却された後の原料組成及び性質は表1、分留塔の塔頂部が冷却された後の原料中の炭素五及びそれ以上の成分の性質は表2を参照)、タンク底部の液相は脱ブタン塔4に送られ、気相は圧縮された後に脱ブタン塔4に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔4に入り、塔頂部の気相は塔頂部から留出され、さらにアミン洗浄、アルカリ洗浄処理された後に冷却器に送られ、一部の塔底部の液相は安定ガソリン製品として採取され、ここで、脱ブタン塔4の操作温度は40~70℃であり、操作圧力は1.0~1.6MPaGであり、脱ブタン塔4の塔頂部の気相中のC
5及びC
5以上の成分の含有量は5wt%未満であり、塔底部での安定ガソリンS-10のドライポイントは204℃未満である、脱ブタンと、
(3)アミン洗浄、アルカリ洗浄された後の軽質炭化水素は冷却器内で初歩的に冷却され、冷却されて得られた液相は増圧された後に冷却器III10に送られ、冷却されて得られた気相は圧縮、再度冷却された後に冷却器III10に送られる、冷却と、
(4)工程(3)からの気相及び液相は、冷却器III10内で初歩的な混合及び冷却された後に供給タンク11に送られる、後冷却と、
(5)冷却器III10からの混合ストリームは供給タンク11内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔12に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔13に送られ、ここで、供給タンク11の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.0~3.5MPaGである、供給と、
(6)吸収塔内で、混合C
4/C
5を吸収剤として供給タンク11のタンク頂部からの気相中のC
2及びC
2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は吸収剤回収塔に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器III10に送られ、ここで、吸収塔12の操作圧力は2.0~3.5MPaGであり、塔全体の操作温度は5~30℃であり、吸収塔12内の吸収剤はシステム内で自ら平衡化されたC
4/C
5成分に由来するものであり、システムの外部から導入する必要がない、吸収と、
(7)供給タンク11のタンク底部からの液相は脱メタン塔13内でメタンが除去されるとともに、少量のC
2及びC
2以上の成分が除去され、脱メタン塔13の塔頂部の気相は冷却器III10に送られ、液相は脱エタン塔14に送られる、脱メタンと、
(8)脱メタン塔13の塔底部からの液相は脱エタン塔14内でC
2成分が分離され、分離された混合C
2成分は脱エタン塔14の塔頂部から混合C
2製品S-12として採取され、塔底部のC
3及びC
3以上の液相成分は脱プロパン塔15に送られ、ここで、脱エタン塔14の塔頂部の操作温度は5~20℃であり、操作圧力は2.5~3.8MPaGであり、脱エタン塔14の塔頂部の混合C
2製品S-12は10~25vol%のプロピレンを含有する、脱エタンと、
(9)脱エタン塔14の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔15内でさらに分離され、分離されたC
3成分は脱プロパン塔15の塔頂部から採取されプロピレン精留塔16に送られさらに精留され、塔底部成分のうちの少なくとも一部は混合C
4/C
5吸収剤として吸収塔12に送られ、残りの部分は混合C
4/C
5製品として採取される、脱プロパンと、
(10)脱プロパン塔15の塔頂部からの気相はプロピレン精留塔16でさらに精留され、プロピレン精留塔16の塔頂部の気相はプロピレン製品S-13として採取され、塔底部の液相はプロパン製品S-14として採取される、プロピレン精留と、
(11)吸収剤回収塔17内で、少なくとも一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品S-10を吸収剤として吸収塔の塔頂部からの気相中のC
4及びC
4以上の成分を吸収するとともに、少量のC
2/C
3成分を吸収し、吸収剤回収塔17の塔頂部の気相はドライガスS-11として採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔4に送られ、ここで、吸収剤回収塔17の操作温度は5~50℃であり、操作圧力は1.9~3.4MPaGである、吸収剤回収と、を含む。
【0147】
実施例1では、アミン洗浄の条件は、アミン液が30wt%のMDEAの水溶液であり、操作温度が43℃であり、操作圧力が1.2MPaGであることを含み、アルカリ洗浄の条件は、アルカリ液が10wt%のNaOHの水溶液であり、操作温度が43℃、操作圧力が1.15MPaGであることを含み、脱メタン塔内の条件は、塔頂部の操作温度が5~25℃であり、操作圧力が2.1~2.9MPaGであり、塔底部の操作温度は70~95℃であることを含み、脱プロパン塔内の条件は、塔頂部の操作温度が42~55℃であり、操作圧力が1.6~1.9MPaGであり、塔底部の操作温度は95~120℃であることを含み、プロピレン精留塔内の条件は、塔頂部の操作温度が42~55℃であり、操作圧力が1.6~2.0MPaGであり、塔底部の操作温度は55~63℃であることを含む。
【0148】
上記の方法により、FCC反応における軽質炭化水素が分離され、分離された各製品の組成及び性状を表3、安定ガソリンの性質を表4に示す。
【0149】
【0150】
【0151】
上記の表のデータから明らかなように、本発明はフローが簡単であり、操作条件が緩和され、エネルギー消費が少なく、少ない設備でFCCプロセスにおける軽質炭化水素の分離及び回収を実現することができ、中でも、炭素二成分の総回収率が98wt%以上に達し、炭素三成分の回収率が99wt%以上に達し、かつ回収された炭素二中のメタンの含有量が1vol%以下、回収された炭素三成分中のエタンの含有量が2000ppmv以下であるとともに、回収された炭素三成分がさらにプロピレンとプロパンに分離され、プロピレンとプロパンの回収率についても共に99wt%以上に達することができ、回収されたドライガス中の不純物が少なく、C2及びC2以上の成分の含有量が2vol%以下であり、水素ガスの純度が40mol%以上となっていることがわかる。採取された安定ガソリンのドライポイントは197.7℃であり、炭素四の含有量はわずか1.63vol%であり、簡単な脱硫処理をすればガソリン製品の品質要求を満たすことができる。
【0152】
実施例2
[オイルガス脱硫装置]
オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI1、圧縮機I2、圧縮機II3、脱ブタン塔4、リッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、リッチガス水洗タンク6e、溶媒再生塔5cを含み、
オイルガスの供給パイプラインは、気液分離タンクI1の入口に接続され、気液分離タンクI1のタンク頂部は順次に圧縮機I2、圧縮機II3、脱ブタン塔4に接続され、タンク底部は脱ブタン塔4に接続され、圧縮機Iの段間液相の採取パイプラインは脱ブタン塔4に接続され、
脱ブタン塔4の塔頂部には還流タンクが設けられ、還流タンクのタンク頂部はリッチガス脱硫塔5に接続され、タンク底部は脱ブタン塔4に接続され、脱ブタン塔4の塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
リッチガス脱硫塔5の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リーンアミン液の供給パイプライン上にはリーンアミン液冷却器5dが設けられ、リッチガス脱硫塔5の塔頂部はリッチガス脱チオール塔6に接続され、塔底部にはリッチアミン液の採取パイプラインが設けられ、リッチアミン液の採取パイプラインは溶媒再生塔5cに接続され、溶媒再生塔5cの塔底部はリーンアミン液の供給パイプラインに接続され、塔頂部には酸性ガスの採取パイプラインが設けられ、
リッチガス脱チオール塔6の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、塔頂部はリッチガス水洗タンク6eに接続され、塔底部は下流の再生装置に接続され、
リッチガス水洗タンク6eのタンク頂部には軽質炭化水素の採取パイプラインが設けられ、タンク底部はリッチガス水洗循環ポンプ6bに接続されてから、それぞれ水洗水ヒータ6c及び水洗排水パイプラインに接続され、水洗水ヒータ6cはリッチガス水洗タンク6eの上部に接続されている。
【0153】
[オイルガス脱硫プロセス]
上記の装置を採用してオイルガスの脱硫を行う場合、そのプロセスフローは
図2に示すように、
(1)上流装置からのオイルガスS-1は、凝縮冷却された後に気液分離タンクI1に送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され脱ブタン塔4に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔4に送られ、圧縮機Iの段間液相は脱ブタン塔4に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔4に入り、脱ブタン塔4の塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入りリッチガス及び液相が分離され、リッチガスはさらに不純物除去され、液相は脱ブタン塔4に戻され、少なくとも一部の脱ブタン塔4の塔底部の液相は安定ガソリン製品S-10として採取され、ここで、脱ブタン塔の塔頂部の操作温度は45~65℃であり、操作圧力は1.0~1.5MPaGであり、塔底部の操作温度は150~200℃であり、還流タンクの温度は35~50℃である、脱ブタンと、
(3)脱ブタン塔4の塔頂部からのリッチガスは、順次に、リッチガス脱硫塔5内でリーンアミン液S-4(30wt%MDEA水溶液)を吸収剤としてH
2SとCO
2を除去し、リッチガス脱チオール塔6内でアルカリ液S-6(10wt%NaOH水溶液)を吸収剤としてチオールを除去し、リッチガス水洗タンク6e内で水洗水によりリッチガスの酸塩基性を平衡させ、不純物除去されたリッチガスはリッチガス水洗タンク6eのタンク頂部から採取され、ここで、リッチガス脱硫塔5の操作温度は35~50℃であり、操作圧力は1.0~1.5MPaGであり、リッチガス脱チオール塔6の操作温度は35~50℃であり、操作圧力は0.9~1.4MPaGであり、リッチガス水洗タンク6eの操作温度は35~50℃であり、操作圧力は0.9~1.4MPaGであり、リーンアミン液吸収剤はリッチガスの温度よりも3~8℃高く、水洗タンク内の水洗水の温度はリッチガスの温度よりも3~8℃高くなる、不純物除去とを含む。
【0154】
上記の方法により、リッチガスの不純物を除去し、不純物除去後の性質を表5に示す。
【0155】
【0156】
以上のことから、本発明では、脱硫、脱チオール及び水洗を行った後に、リッチガス中のH2Sの含有量が15ppmwとなり、チオールの含有量が20ppmw以下となり、CO2の除去率が96wt%に達することができ、硫黄及びチオールの除去率が向上すると共に、一つの塔内で硫化水素及び二酸化炭素の除去が完了し、プロセスフローが簡略化され、設備投資が節減される。
【0157】
実施例3
実施例2で不純物を除去して得られたリッチガスについて軽質炭化水素の分離を行い、分離手段の装置は、冷却器I7、気液分離タンクII7a、圧縮機III8、冷却器II9、冷却器III10、供給タンク11、吸収塔12、脱メタン塔13、脱プロパン塔15、脱エタン塔14、プロピレン精留塔16及び吸収剤回収塔17を含み、
軽質炭化水素の採取パイプラインは順次に冷却器I7、気液分離タンクII7aに接続され、気液分離タンクII7aのタンク頂部は順次に圧縮機III8、冷却器II9、冷却器III10、供給タンク11に接続され、タンク底部は順次に冷却器III10、供給タンク11に接続され、
供給タンク11のタンク頂部は吸収塔12に接続され、タンク底部は脱メタン塔13に接続され、
吸収塔12の塔頂部は吸収剤回収塔17に接続され、塔底部は冷却器III10に接続され、吸収塔12の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
吸収剤回収塔17の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔4に接続され、吸収剤回収塔17の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、脱ブタン塔4の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされ、
脱メタン塔13の塔頂部は冷却器III10に接続され、塔底部は脱プロパン塔15に接続され、
脱プロパン塔15の上部は脱エタン塔14に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
脱エタン塔14の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには不純物処理手段18が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、混合C3の採取パイプラインはプロピレン精留塔16に接続され、
プロピレン精留塔16の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパンン製品の採取パイプラインが設けられている。
【0158】
分離フローは、
図3に示すように、
不純物除去されたリッチガスS-9は、冷却器I7内で初歩的に冷却された後に気液分離タンクII7aに送られ、気液分離タンクII7aのタンク頂部の気相は圧縮されてから冷却された後に冷却器III10に送られ、タンク底部の液相は増圧された後に冷却器III10に送られる、冷却、
初歩的に増圧冷却された気相及び増圧された液相は、冷却器III10内で更なる混合及び冷却された後に供給タンク11に送られる、後冷却、
冷却器III10からの混合ストリームが供給タンク11内で混合、予備吸収及び気液平衡された後に、タンク頂部の気相は吸収塔12に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔13に送られ、ここで、供給タンク11の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGである、供給、
吸収塔12内で、混合C4を吸収剤として供給タンク11のタンク頂部から気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔12の塔頂部の気相は吸収剤回収塔17に送られ、塔底部の液相は冷却器III10に戻され、ここで、吸収塔12の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGであり、吸収塔12内の吸収剤は、システム内で自ら平衡化された混合C4成分に由来するものであり、システムの外部から導入する必要がない、吸収、
供給タンク11のタンク底部からの液相は脱メタン塔13内でメタンを除去するとともに、少量のC2及びC2以上の成分を除去し、脱メタン塔13の塔頂部の気相は冷却器III10に送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔15に送られ、ここで、脱メタン塔13の塔頂部の操作温度は10~40℃であり、塔底部の操作温度は70~95℃であり、操作圧力は2.3~2.9MPaGである、脱メタン、
脱メタン塔13の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔15内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔15の上部から採取された後に脱エタン塔14に送られ、塔底部の成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は炭素四製品S-16として採取され、ここで、脱プロパン塔の塔頂部の操作温度は15~50℃であり、塔底部の操作温度は80~120℃であり、操作圧力は1.6~2.4MPaGである、脱プロパン、
脱プロパン塔15の上部からの気相は、脱エタン塔14内でさらに分離され、分離された混合C2成分は不純物処理された後に脱エタン塔14の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取され、ここで、脱エタン塔14の塔頂部の操作温度は5~20℃であり、操作圧力は2.6~3.2MPaGであり、塔底部の操作温度は55~85℃である、脱エタン、
脱エタン塔14の塔底部から採取された混合C3成分はプロピレン精留塔16に送られさらに精留され、プロピレン精留塔16の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取され、ここで、プロピレン精留塔16の操作温度は45~60℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである、プロピレン精留、
吸収剤回収塔17内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔12の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔17の塔頂部の気相はドライガスS-11として採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔4に戻され、ここで、吸収剤回収塔17の操作温度は15~40℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGである、吸収剤回収を含む。
【0159】
上記の方法により、リッチガス中の軽質炭化水素を分離し、分離された各製品の組成及び性質を表6に、安定ガソリンの性質を表7に示す。
【0160】
【0161】
【0162】
実施例4
実施例2で不純物を除去して得られたリッチガスについて軽質炭化水素の分離を行い、分離手段の装置は、冷却器I7、気液分離タンクII7a、圧縮機III8、冷却器II9、冷却器III10、供給タンク11、吸収塔12、脱メタン塔13、脱プロパン塔15、脱エタン塔14、プロピレン精留塔16及び吸収剤回収塔17を含み、
軽質炭化水素の採取パイプラインは順次に冷却器I7、気液分離タンクII7aに接続され、気液分離タンクII7aのタンク頂部は順次に圧縮機III8、冷却器II9、冷却器III10、供給タンク11に接続され、タンク底部は順次に冷却器III10、供給タンク11に接続され、
供給タンク11のタンク頂部は吸収塔12に接続され、タンク底部は脱メタン塔13に接続され、
吸収塔12の塔頂部は吸収剤回収塔17に接続され、塔底部は冷却器III10に接続され、吸収塔12の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
吸収剤回収塔17の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔4に接続され、吸収剤回収塔17の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、脱ブタン塔4の安定ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされ、
脱メタン塔13の塔頂部は冷却器III10に接続され、塔底部は脱プロパン塔15に接続され、
脱プロパン塔15の上部は順次に乾燥手段19、脱エタン塔14に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
脱エタン塔14の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには不純物処理手段18が設けられ、塔底部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、混合C3の採取パイプラインはプロピレン精留塔16に接続され、
プロピレン精留塔16の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパンン製品の採取パイプラインが設けられている。
【0163】
分離フローは、
図4に示すように、
不純物除去されたリッチガスS-9は、冷却器I7内で初歩的に冷却された後に気液分離タンクII7aに送られ、気液分離タンクII7aのタンク頂部の気相は圧縮されてから冷却された後に冷却器III10に送られ、タンク底部の液相は増圧された後に冷却器III10に送られる、冷却、
初歩的に増圧冷却された気相及び増圧された液相は、冷却器III10内で更なる混合及び冷却された後に供給タンク11に送られる、後冷却、
冷却器III10からの混合ストリームが供給タンク11内で混合、予備吸収及び気液平衡された後に、タンク頂部の気相は吸収塔12に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔13に送られ、ここで、供給タンク11の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGである、供給、
吸収塔12内で、混合C4を吸収剤として供給タンク11のタンク頂部から気相中のC2及びC2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔12の塔頂部の気相は吸収剤回収塔17に送られ、塔底部の液相は冷却器III10に戻され、ここで、吸収塔12の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGであり、吸収塔12内の吸収剤は、システム内で自ら平衡化された混合C4成分に由来するものであり、システムの外部から導入する必要がない、吸収、
供給タンク11のタンク底部からの液相は脱メタン塔13内でメタンを除去するとともに、少量のC2及びC2以上の成分を除去し、脱メタン塔13の塔頂部の気相は冷却器III10に送られ、塔底部の液相は脱プロパン塔15に送られ、ここで、脱メタン塔13の塔頂部の操作温度は10~40℃であり、塔底部の操作温度は70~95℃であり、操作圧力は2.3~2.9MPaGである、脱メタン、
脱メタン塔13の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔15内で分離され、分離されたC3及びC3以下の成分は脱プロパン塔15の上部から採取され乾燥されたた後に脱エタン塔14に送られ、塔底部の成分中の少なくとも一部は混合C4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は炭素四製品S-16として採取され、ここで、脱プロパン塔の塔頂部の操作温度は15~50℃であり、塔底部の操作温度は80~120℃であり、操作圧力は1.6~2.4MPaGである、脱プロパン、
脱プロパン塔15の上部からの気相は乾燥手段19で脱水され、乾燥手段で脱水された後、その水露点が-40℃未満となり、乾燥手段は脱水吸着剤として3A/5Aモレキュラーシーブを採用する、乾燥脱水、
乾燥手段19を通過した後の気相は、脱エタン塔14内でさらに分離され、分離された混合C2成分は不純物処理された後に脱エタン塔の塔頂部から混合C2製品として採取され、塔底部の液相は混合C3成分として採取され、ここで、脱エタン塔14は精細な分離を採用し、脱エタン塔の塔頂部の操作温度は-20~-5℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGであり、塔底部の操作温度は55~85℃であり、脱エタン塔の塔頂部の温度が低いため、-25℃乃至-15℃のプロピレン冷媒又はその他の冷媒を採用する必要があり、脱エタン塔の塔頂部の要求を満たすために、単独のプロピレン冷凍システムを設計したり、要求を満たすことができる他の冷熱を採用したりすることができる、脱エタン、
脱エタン塔14の塔底部から採取された混合C3成分はプロピレン精留塔16に送られさらに精留され、プロピレン精留塔16の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品として採取され、塔底部の液相はプロパン製品として採取され、ここで、プロピレン精留塔16の操作温度は45~60℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである、プロピレン精留、
吸収剤回収塔17内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔12の塔頂部からの気相中のC4及びC4以上の成分を吸収するとともに、少量のC2/C3成分を吸収し、吸収剤回収塔17の塔頂部の気相はドライガスS-11として採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔4に戻され、ここで、吸収剤回収塔の操作温度は15~40℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGである、吸収剤回収を含む。
【0164】
上記の方法により、オイルガス中の軽質炭化水素を分離し、分離された各製品の組成及び性質を表8に、安定ガソリンの性質を表9に示す。
【0165】
【0166】
【0167】
実施例3及び実施例4から明らかなように、本発明の処理方法により、C2、C3及びC4成分の効率的な回収を実現することができ、中でも、C2成分の総回収率が98wt%以上に達し、C3成分の回収率が99wt%以上に達し、かつ回収されたC2中のメタンの含有量が1vol%以下、回収された炭素三成分中のエタンの含有量が2000ppmv以下であるとともに、回収された炭素三成分がさらにプロピレンとプロパンとに分離され、プロピレンとプロパンの回収率についても共に99wt%以上に達することができ、プロピレン製品の純度が99.6v%を下回らず、再処理することなくポリマーグレードのプロピレンを得ることができる。回収されたドライガス中の不純物が少なく、C2及びC2以上の成分の含有量が2vol%以下であり、吸収後のドライガスの圧力が2.1~2.7MPaであり、そのうちの水素ガスの純度が40~70mol%に達することができ、圧力スイング吸着の方法により水素ガス資源を直接回収することができる。採取された安定ガソリンのドライポイントは197℃であり、炭素四の含有量がわずか1.63vol%であり、脱硫処理すればガソリン製品の品質の要求を満たすことができる。
【0168】
同時に、脱プロパン塔の上方に乾燥手段を設置すると共に脱エタン塔では精細な処理をするという方式を採用すると、脱プロパン処理を先に行うことによって、分離された混合C2に約20v%の混合C3成分が含まれるという欠陥を克服でき、分離された炭素二には炭素三がほとんど含まれず、不純物が除去された後の脱エタン塔の塔頂部のストリームはそのまま下流のエチレン装置に送られ炭素二の回収又は直接利用することができる。
【0169】
実施例5
[オイルガス高圧脱硫・分離の装置]
オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI1、圧縮機I2、圧縮機II3、脱ブタン塔4、圧縮機III8、冷却器II9、気液分離タンクII7a、リッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、液体炭化水素脱硫塔5a、液体炭化水素脱チオール反応器6a、冷却器III10、供給タンク11、吸収塔12、脱メタン塔13、脱エタン塔14、不純物処理手段18、脱プロパン塔15、プロピレン精留塔16及び吸収剤回収塔17を含み、同時に脱水装置を含まず、
オイルガスの供給パイプラインは気液分離タンクI1の入口に接続され、気液分離タンクI1のタンク頂部は順次に圧縮機I2、圧縮機II3、脱ブタン塔4に接続され、段間液相の採取パイプラインは脱ブタン塔に接続され、タンク底部は脱ブタン塔4に接続され、
脱ブタン塔4の塔頂部には還流タンクが設けられ、還流タンクのタンク頂部は順次に圧縮機III8、冷却器II9及び気液分離タンクII7aに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから気液分離タンクII7aに接続され、脱ブタン塔4の塔底部には安定ガソリンの採取パイプラインが2本設けられ、
気液分離タンクII7aのタンク頂部は順次にリッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、冷却器III10に接続され、タンク底部は順次に液体炭化水素脱硫塔5a、液体炭化水素脱チオール反応器6a、冷却器III10に接続され、
リッチガス脱硫塔5の塔頂部はリッチガス脱チオール塔6に接続され、塔頂部にはリッチアミン液の採取パイプラインが設けられ、塔の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リッチガス脱チオール塔6の塔頂部は冷却器III10に接続され、塔底部には再生されるべきアルカリ液の採取パイプラインが設けられ、塔の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、
冷却器III10は供給タンク11に接続され、
供給タンク11のタンク頂部は吸収塔12に接続され、タンク底部は脱メタン塔13に接続され、
吸収塔12には2~5個の中段還流が設けられ、その塔頂部は吸収剤回収塔17に接続され、塔底部は冷却器III10に接続され、吸収塔12の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
吸収剤回収塔17の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は脱ブタン塔4に接続され、吸収剤回収塔17の上部には安定ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、脱ブタン塔4の安定ガソリンの採取パイプラインに接続され、
脱メタン塔13の塔頂部には凝縮器が設けられておらず、塔底部にはリボイラーが設けられ、その塔頂部は冷却器III10に接続され、塔底部は脱エタン塔14に接続され、
脱エタン塔14の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには不純物処理手段18が設けられ、塔底部は脱プロパン塔15に接続され、
脱プロパン塔15の塔頂部はプロピレン精留塔16に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、混合C4製品の採取パイプラインは混合C4吸収剤の供給パイプラインに接続され、
プロピレン精留塔16の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられている。
【0170】
上記の装置を採用して軽質炭化水素を分離する場合、その分離フローは、
図5に示すように、
(1)上流装置からのオイルガスS-1は凝縮冷却された後に気液分離タンクI1に送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され脱ブタン塔4に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に脱ブタン塔4に送られ、圧縮機の段間液相は脱ブタン塔に送られる、第1気液分離と、
(2)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔4に入り、塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮冷却された後に気液分離タンクII7aに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に気液分離タンクII7aに送られ、脱ブタン塔4の少なくとも一部の塔底部液相は安定ガソリンS-10として採取され、ここで、脱ブタン塔4の操作温度は45~60℃であり、操作圧力は1.0~1.5MPaGであり、還流タンクの温度は40~45℃である、脱ブタンと、
(3)材料は気液分離タンクII7a内で混合され、気液平衡された後に、再び気相と液相とが分離され、そしてそれぞれ不純物除去され、ここで、還流タンクのタンク頂部の気相は2.5~3.0MPaGに圧縮され、35~45℃に冷却された後に気液分離タンクII7aに送られ、還流タンクのタンク底部の液相は2.8~3.3MPaGに増圧された後に気液分離タンクII7aに送られる、第2気相分離と、
(4)気液分離タンクII7aで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔5内でリーンアミン液S-4を吸収剤としてH
2SとCO
2が除去され、リッチガス脱チオール塔6内でアルカリ液S-6を吸収剤としてチオールが除去された後に冷却器III10に送られ、ここで、リッチガス脱硫塔5の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.5~3.0MPaGであり、リッチガス脱チオール塔6の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGである(リッチガス脱チオール塔の塔頂部のリッチガスの性質は表10を参照)、気相不純物除去と、
(5)気液分離タンクII7aで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔5a内でH
2SとCO
2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器6a内でチオールが除去された後に冷却器III10に送られ、ここで、液体炭化水素脱硫塔5aの操作温度は35~45℃であり、操作圧力は3.0~3.5MPaGである(液体炭化水素脱チオール反応器の出口の液体炭化水素の性質は表10を参照)、液相不純物除去と、
(6)不純物除去された気体軽質炭化水素及び液体軽質炭化水素は、冷却器III10内で初歩的な混合及び冷却された後に供給タンク11に送られる、冷却と、
(7)冷却器III10からの混合ストリームは供給タンク11内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔12に送られ、タンク底部の液相は分離手段に送られ、ここで、供給タンク11の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGである、供給と、
(8)吸収塔12内で、脱ブタン塔4の塔底部からの混合C
4を吸収剤として供給タンク11のタンク頂部からの気相中のC
2及びC
2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔の塔頂部の気相は吸収剤回収塔17に送られさらに吸収剤が回収され、塔底部の液相は冷却器III10に戻され、ここで、吸収塔の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGである、吸収と、
(9)供給タンク11のタンク底部からの液相は脱メタン塔13内でメタンが除去されるとともに、少量のC
2及びC
2以上の成分が除去され、脱メタン塔13の塔頂部の気相は冷却器III10に送られ、液相は脱エタン塔14に送られ、ここで、脱メタン塔13の塔頂部の操作温度は10~40℃であり、塔底部の操作温度は70~95℃であり、操作圧力は2.4~2.9MPaGである、脱メタン、
脱メタン塔13の塔底部からの液相は脱エタン塔14内でC
2成分が分離され、分離された混合C
2成分は不純物処理された後に脱エタン塔14の塔頂部から混合炭素二製品S-12として採取され、塔底部のC
3及びC
3以上の液相成分は脱プロパン塔15に送られ、ここで、脱エタン塔14の塔頂部の操作温度は5~15℃であり、操作圧力は2.2~3.0MPaGであり、塔底部の操作温度は50~110℃である、脱エタン、
脱エタン塔14の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔15内でさらに分離され、分離されたC
3成分は脱プロパン塔15の塔頂部から採取されプロピレン精留塔16に送られさらに精留され、塔底部成分の少なくとも一部は炭素四吸収剤S-15aとして吸収塔12に送られ、残りの部分は炭素四製品S-16として採取され、ここで、脱プロパン塔15の塔頂部の操作温度は43~50℃であり、塔底部の操作温度は100~120℃であり、操作圧力は1.6~2.0MPaGである、脱プロパン、
脱プロパン塔15の塔頂部からの気相はプロピレン精留塔16内でさらに精留され、プロピレン精留塔16の塔頂部の気相はプロピレン製品S-13として採取され、塔底部の液相はプロパン製品S-14として採取され、ここで、プロピレン精留塔16の操作温度は45~65℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである、プロピレン精留、を含む、分離と、
(10)吸収剤回収塔17内で、一部の工程(2)で採取された安定ガソリン製品を吸収剤として、吸収塔12の塔頂部からの気相中のC
4及びC
4以上の成分を吸収するとともに、少量のC
2/C
3成分を吸収し、吸収剤回収塔17の塔頂部の気相はドライガスS-8として採取され、塔底部の液相は脱ブタン塔4に戻され、ここで、吸収剤回収塔17の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.3~2.8MPaGである、吸収剤回収と、を含む。
【0171】
上記の方法により、オイルガス中の軽質炭化水素を分離し、分離された各製品の組成及び性質を表11に、採取された安定ガソリン製品の性質を表12に示す。
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
実施例6
図6に示すプロセスフロー図を利用して、オイルガス高圧脱硫・分離を行う。
【0176】
ここで、本実施例と実施例5との相違点は、本実施例の工程(9)において方式2で分離することにあり、すなわち、順次に脱メタン、脱プロパン、脱エタン及びプロピレン精留を行い、分離された各製品の組成及び性質を表13に、採取された安定ガソリン製品の性質を表14に示す。
【0177】
【0178】
【0179】
実施例7
図7に示すプロセスフロー図を利用して、オイルガス高圧脱硫・分離を行う。
【0180】
ここで、本実施例と実施例6との相違点は、脱プロパンにおいて、分離されたC2及びC3成分は、脱プロパン塔の上部からストリームが採取され乾燥脱水された後に(露点が-40℃未満)脱エタン塔に送られ、脱エタン塔の供給ストリームが乾燥脱水されたため、脱エタン塔では精密な分離を採用することになり、塔頂部から分かれた混合炭素二製品は、そのプロピレン及びそれより重質な成分の含有量が1vol%以下であり、塔頂部の温度操作温度が-20℃乃至-5℃であり、操作圧力が2.2~2.8MPaGであり、塔底部の操作温度が55~80℃であることにある。脱エタン塔の塔頂部の温度が低いため、-25℃乃至-15℃のプロピレン冷媒又はその他の冷媒を採用する必要があり、脱エタン塔の塔頂部の要求を満たすために、単独のプロピレン冷凍システムを設計したり、要求を満たすことができる他の冷熱を採用したりすることができる。
【0181】
分離された各製品の組成及び性質を表15に、採取された安定ガソリン製品の性質を表16に示す。
【0182】
【0183】
【0184】
上記の表のデータから明らかなように、本発明はフローが簡単であり、操作条件が緩和され、エネルギー消費が少なく、少ない設備でオイルガス中の軽質炭化水素の分離及び回収を実現することができ、中でも、炭素二成分の総回収率が98wt%以上に達し、炭素三成分の回収率が99wt%以上に達し、かつ回収された炭素二中のメタンの含有量が1vol%以下、回収された炭素三成分中のエタンの含有量が2000ppmv以下であるとともに、回収された炭素三成分がさらにプロピレンとプロパンに分離され、プロピレンとプロパンの回収率についても共に99wt%以上に達することができ、回収されたドライガス中の不純物が少なく、C2及びC2以上の成分の含有量が2vol%以下であり、水素ガスの純度が40mol%以上となっていることがわかる。採取された安定ガソリンのドライポイントは197.7℃であり、炭素四の含有量はわずか1.63vol%であり、簡単な脱硫処理をすればガソリン製品の品質要求を満たすことができる。
【0185】
上記の実施例5~7の気相、液相は脱硫、脱チオールのプロセス条件がそれぞれ同様であるため、その不純物除去能力も同様となり、具体的には表17を参照する。
【0186】
【0187】
上記の表17から明らかなように、本発明の脱硫、脱チオールプロセスによれば、気相は、高圧脱硫された後、軽質炭化水素中のH2S含有量が10ppmwであり、チオールの含有量が20ppmw以下であり、CO2除去率が99.2wt%に達することができ、液相軽質炭化水素中のH2Sの含有量が10ppmwであり、チオールの含有量が20ppmw以下であり、CO2除去率が95.2wt%に達することができる。
【0188】
実施例8
オイルガス回収装置は、
オイルガスの供給パイプライン、気液分離タンクI1 、圧縮機I2、軽質重質ガソリン分離塔4a、圧縮機II3、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4b、圧縮機III8、冷却器II9、気液分離タンクII7a、リッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、液体炭化水素脱硫塔5a、液体炭化水素脱チオール反応器6a、冷却器III10、供給タンク11、吸収塔12、脱メタン塔13、脱エタン塔14、脱プロパン塔15、プロピレン精留塔16及び吸収剤回収塔17を含み、
オイルガスの供給パイプラインは気液分離タンクI1の入口に接続され、気液分離タンクI1のタンク頂部は順次に圧縮機I2、軽質重質ガソリン分離塔4aに接続され、タンク底部は軽質重質ガソリン分離塔4bに接続され、
軽質重質ガソリン分離塔4aの塔頂部には還流タンクIが設けられ、還流タンクIのタンク頂部は順次に圧縮機II3、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bに接続され、軽質重質ガソリン分離塔4aの塔底部には重質ガソリンの採取パイプラインが設けられ、
軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bの塔頂部には還流タンクIIが設けられ、還流タンクIIのタンク頂部は順次に圧縮機III8、冷却器II9、気液分離タンクII7aに接続され、タンク底部は増圧ポンプに接続されてから気液分離タンクII7aに接続され、
気液分離タンクII7aのタンク頂部は順次にリッチガス脱硫塔5、リッチガス脱チオール塔6、冷却器III10に接続され、タンク底部は順次に液体炭化水素脱硫塔5a、液体炭化水素脱チオール反応器6a、冷却器III10に接続され、
リッチガス脱硫塔5の上部にはリーンアミン液の供給パイプラインが設けられ、リッチガス脱チオール塔6の上部にはアルカリ液の供給パイプラインが設けられ、
冷却器III10は供給タンク11に接続され、
供給タンク11のタンク頂部は吸収塔に接続され、タンク底部は脱メタン塔15に接続され、
吸収塔12の塔頂部は吸収剤回収塔17に接続され、塔底部は冷却器III10に接続され、吸収塔12の上部には混合C4吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
脱メタン塔15の塔頂部は冷却器III10に接続され、塔底部は脱エタン塔14に接続され、
脱エタン塔14の塔頂部には混合C2の採取パイプラインが設けられ、混合C2の採取パイプラインには不純物処理手段が設けられ、塔底部は脱プロパン塔15に接続され、脱エタン塔14の上部にはプロパン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、
脱プロパン塔15の上部には混合C3の採取パイプラインが設けられ、混合C3の採取パイプラインはプロピレン精留塔16に接続され、塔底部には混合C4製品の採取パイプラインが設けられ、混合C4製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は混合C4吸収剤の供給パイプラインとされ、
プロピレン精留塔16の塔頂部にはプロピレン製品の採取パイプラインが設けられ、塔底部にはプロパン製品の採取パイプラインが設けられ、プロパン製品の採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本はプロパン吸収剤の供給パイプラインとされ、
吸収剤回収塔17の塔頂部にはドライガスの採取パイプラインが設けられ、塔底部は軽質重質ガソリン分離塔4aに接続され、吸収剤回収塔17の上部には重質ガソリン吸収剤の供給パイプラインが設けられ、軽質重質ガソリン分離塔4aの重質ガソリンの採取パイプラインは2本に分けられ、そのうちの1本は重質ガソリン吸収剤の供給パイプラインとされる。
【0189】
上記の装置を採用してオイルガスを回収する場合、その回収フローは、
図8に示すように、
(1)上流装置からのオイルガスは凝縮冷却された後に気液分離タンクI1に送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され軽質重質ガソリン分離塔4aに送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に軽質重質ガソリン分離塔4aに送られる、第1気液分離と、
(2)気液分離タンクI1から材料は軽質重質ガソリン分離塔4aに入り、塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮された後に軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bに送られ、軽質重質ガソリン分離塔4aの少なくとも一部の塔底部液相は重質ガソリン製品S-10bとして採取され、ここで、軽質重質ガソリン分離塔4aの塔頂部の操作温度は60~85℃であり、塔底部の操作温度は140~190℃であり、操作圧力は0.25~0.5MPaGであり、重質ガソリンの初留点は60~85℃である、軽質重質ガソリン分離と、
(3)軽質重質ガソリン分離塔4aの塔頂部還流タンクからのストリームは軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bに入り、塔頂部から留出された気相は塔頂部還流タンクに入り、塔頂部還流タンクのタンク頂部の気相は圧縮冷却された後に気液分離タンクII7aに送られ、タンク底部の液相は増圧された後に気液分離タンクII7aに送られ、塔底部の液相は軽質ガソリン製品S-10aとして採取され、ここで、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔4bの操作温度は55~80℃であり、操作圧力は1.0~1.35MPaGであり、軽質ガソリンのドライポイントは65~90℃である、軽質炭化水素-軽質ガソリン分離と、
(4)材料は気液分離タンクII7a内で混合され、気液平衡された後に、再び気相と液相とが分離され、そしてそれぞれ不純物除去され、ここで、気液分離タンクII7aの操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.3~2.9MPaGである、第2気相分離と、
(5)気液分離タンクII7aで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔5内でリーンアミン液S-4を吸収剤としてH
2SとCO
2が除去され、リッチガス脱チオール塔6内でアルカリ液S-6を吸収剤としてチオールが除去された後に冷却器に送られ、ここで、リッチガス脱硫塔5の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGであり、リッチガス脱チオール塔6の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGである、気相不純物除去と、
(6)気液分離タンクII7aで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔5a内でH
2SとCO
2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器6a内でチオールが除去された後に冷却器III10に送られ、ここで、液体炭化水素脱硫塔5aの操作温度は35~45℃であり、操作圧力は3.0~3.5MPaGである、液相不純物除去と、
(7)不純物除去された気体軽質炭化水素及び液体軽質炭化水素は、冷却器III10内で混合及び冷却された後に供給タンク11に送られる、冷却と、
(8)冷却器からの混合ストリームは供給タンク11内で混合され、予備吸収及び気液平衡された後、タンク頂部の気相は吸収塔12に送られ、タンク底部の液相は脱メタン塔13に送られ、ここで、供給タンク11の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.2~2.8MPaGである、供給と、
(9)吸収塔12内で、混合C4を吸収剤として供給タンク11のタンク頂部から気相中のC
2及びC
2以上の成分を吸収するとともに、一部のメタンを共に吸収し、吸収塔12の塔頂部の気相は吸収剤回収塔17に送られ、塔底部の液相は冷却器に戻され、ここで、吸収塔12の操作温度は5~25℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGである、吸収と、
(10)供給タンク11のタンク底部からの液相は脱メタン塔13内でメタンが除去されるとともに、少量のC
2及びC
2以上の成分が除去され、脱メタン塔13の塔頂部の気相は冷却器に送られ、塔底部の液相は脱エタン塔14に送られ、ここで、脱メタン塔13の塔頂部の操作温度は10~40℃であり、塔底部の操作温度は70~90℃であり、操作圧力は2.3~2.9MPaGである、脱メタン、
脱メタン塔13の塔底部からの液相は脱エタン塔14内でプロパン製品S-14を吸収剤としてC
2成分が分離され、分離された塔頂部の混合C
2成分は不純物処理された後に混合C
2製品S-12として採取され、塔底部のC
3及びC
3以上の液相成分は脱プロパン塔15に送られ、ここで、脱エタン塔の塔頂部の操作温度は15~30℃であり、操作圧力は2.6~3.2MPaGである、脱エタン、
脱エタン塔14の塔底部からの液相成分は脱プロパン塔15内でさらに分離され、分離されたC
3成分はプロピレン精留塔16に送られ、塔底部成分の少なくとも一部は混合C
4吸収剤として吸収塔に送られ、残りの部分は混合C
4製品S-16として採取され、ここで、脱プロパン塔15の塔頂部の操作温度は42~50℃であり、塔底部の操作温度は95~120℃であり、操作圧力は1.6~2.0MPaGである、脱プロパン、
脱プロパン塔15の上部からのC
3成分はプロピレン精留塔16内でさらに精留され、プロピレン精留塔16の塔頂部の気相は冷却された後にプロピレン製品S-13として採取され、塔底部の液相の少なくとも一部はプロパン製品S-14として採取され、残りの部分は加熱された後にプロパン吸収剤S-14aとして脱エタン塔14に送られ、ここで、プロピレン精留塔16の操作温度は45~60℃であり、操作圧力は1.8~2.0MPaGである、プロピレン精留、を含む、分離と、
(11)吸収剤回収塔17内で、一部の工程(2)で採取された重質ガソリン製品S-10bを吸収剤として、吸収塔12の塔頂部からの気相中のC
4及びC
4以上の成分を吸収するとともに、少量のC
2/C
3成分を吸収し、吸収剤回収塔17の塔頂部の気相はドライガスS-11として採取され、塔底部の液相は軽質重質ガソリン分離塔4aに戻され、ここで、吸収剤回収塔の操作温度は15~40℃であり、操作圧力は2.1~2.7MPaGである、吸収剤回収と、を含む。
【0190】
プロピレン精留塔の塔底部から採取され脱エタン塔14に戻されたプロパン吸収剤S-14aは6500kg/hであり、回収された各製品の組成及び流量は表18、表19に示す。
【0191】
【0192】
【0193】
実施例9
図9に示すようなプロセスフローを採用してオイルガスを回収する場合、実施例8との相違点は、本実施例では、脱エタン塔14内でプロピレン精留塔16の塔底部から採取された一部の循環プロパンS-14aを採用して吸収剤として脱エタン塔14に戻してC
2成分を分離することによって、脱エタン塔の塔頂部の混合炭素二製品中のプロピレン含有量を大幅に低減することにある。
【0194】
ここで、プロピレン精留塔16の塔底部から採取され脱エタン塔14に戻される循環プロパンS-14aは5000kg/hであり、回収された各製品の組成、流量及び性質は表20、表21に示す。
【0195】
【0196】
【0197】
実施例10
図10に示すようなプロセスフローを採用してオイルガスを回収する場合、実施例9との相違点は、本実施例では、順次に、脱メタン、脱プロパン、脱エタンの順に軽質炭化水素の分離を行い、ここで、脱エタン塔14の頂部は、プロピレン精留塔16の塔底部から採取された一部のプロパンを採用して吸収剤S-15bとしてC2成分を分離することによって、脱エタン塔の塔頂部の混合炭素二製品中のプロピレン含有量を大幅に低減することにある。
【0198】
ここで、プロピレン精留塔16の塔底部から採取され脱エタン塔14に戻されるプロパン吸収剤S-15bは6500kg/hであり、回収された各製品の組成、流量及び性質は表22、表23に示す。
【0199】
【0200】
【0201】
上記の表のデータから明らかなように、本発明はフローが簡単であり、操作条件が緩和され、エネルギー消費が少なく、少ない設備でオイルガス中の軽質重質ガソリン、軽質炭化水素の分離及び回収を実現することができ、特に、浅冷条件下で炭素二及びプロピレン等の成分の効率的な回収を実現することができ、且つ回収された炭素二製品にはプロピレンがほとんど含まれず、且つ炭素二と各成分の間では二次分離が存在せず、同時に、炭素二の総回収率が98wt%以上に達し、プロピレン成分の回収率が99wt%以上に達し、かつ回収された炭素二中のメタンの含有量が1vol%以下、回収された炭素三成分中のエタンの含有量が200ppmv以下であることを保証することができ、回収されたドライガス中の不純物が少なく、C2及びC2以上の成分の含有量が2vol%以下であり、水素ガスの純度が40mol%以上となっていることがわかる。
【0202】
比較例1
本発明が不純物除去処理の前にガソリン成分を分離することによる不純物除去への影響を説明するために、特にこの比較例を実施例5と比較した。比較例1と実施例5の主な相違点は、比較例1が先に気相と液相を単独で不純物を除去してからガソリンを分離することにある。
【0203】
比較例1のプロセスフローは
図11に示すように、
(1)上流装置からのオイルガスS-1は、凝縮冷却された後に気液分離タンクI1に送られ気液分離され、タンク底部の液相は増圧され冷却器に送られ、タンク頂部の気相は圧縮機で昇圧された後に冷却器に送られ、圧縮機Iの段間液相は冷却器に送られる、気液分離と、
(2)工程(1)からの1本の気相及び2本の液相は気液分離タンクII7aに入り、タンク頂部から分かれた気相は下流の気相不純物除去設備に入り、タンク底部から分かれた液相は増圧された後に下流の液相不純物除去設備に入る、冷却及び気液分離と、
(3)気液分離タンクII7aで分離されたタンク頂部の気相は、順次に、リッチガス脱硫塔5内でリーンアミン液S-4を吸収剤としてH
2SとCO
2が除去され、リッチガス脱チオール塔6内でアルカリ液S-6を吸収剤としてチオールが除去された後にリッチガス水洗タンク6eに入り、水洗された後に脱ブタン塔4に送られ、ここで、リッチガス脱硫塔5の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は1.0~1.3MPaGであり、リッチガス脱チオール塔6の操作温度は35~45℃であり、操作圧力は0.9~1.2MPaGである、気相不純物除去と、
(4)気液分離タンクII7aで分離されたタンク底部の液相は、順次に、液体炭化水素脱硫塔5a内でH
2SとCO
2が除去され、液体炭化水素脱チオール反応器6a内でチオールが除去された後に脱ブタン塔4に送られ、ここで、液体炭化水素脱硫塔5aの操作温度は35~45℃であり、操作圧力は1.5~2.0MPaGである、液相不純物除去と、
(5)工程(1)からの気相及び液相は脱ブタン塔4に入り、脱ブタン塔4の塔頂部から留出された気相は凝縮され塔頂部還流タンクに入りリッチガス及び液相炭化水素が分離され、少なくとも一部の脱ブタン塔4の塔底部の液相は安定ガソリン製品S-10として採取され、ここで、脱ブタン塔の塔頂部の操作温度は45~65℃であり、操作圧力は0.9~1.2MPaGであり、塔底部の操作温度は150~200℃であり、還流タンクの温度は35~50℃である、脱ブタンと、を含む。
【0204】
上記の方法により、リッチガスの不純物を除去し、不純物が除去された後の性質を表24に示す。
【0205】
【0206】
上記の表から明らかなように、比較例1のリッチガス及び液体炭化水素の脱硫効果は、いずれも実施例2より劣り、且つリッチガス及び液状炭化水素にはガソリン成分が多量に含まれていることにより、1.ガソリン成分がリッチガス及び液状炭化水素に分布し、リッチガス及び液状炭化水素中のチオール含有量が高くなる点、2.ガソリン中のチオール分子が大きいことにより、大分子のチオールが除去しにくく、リッチガス及び液状炭化水素の脱チオール効果に影響を及ぼす点、3.液体炭化水素にガソリンがあることにより、液体炭化水素の脱硫時にアミン液と液体炭化水素とが成層化し、脱硫効果に影響を及ぼす可能性がある点で悪影響があることがわかった。
【0207】
なお、上述した実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。典型的な実施例を参照して本発明を説明したが、これらに使用される用語は限定的なものではなく、説明的及び解釈的であることが理解されるべきである。本発明は、ルールに従って特許請求の範囲に記載された範囲内で本発明を変更することが可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で本発明を改訂することが可能である。なお、本発明は特定の方法、材料及び実施例に関するものであるが、本発明はその開示の特定の例に限定されるものではなく、逆に、他の全ての同一の機能を有する方法及び応用に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0208】
1・・・気液分離タンクI
2・・・圧縮機I
3・・・圧縮機II
4・・・脱ブタン塔
4a・・・軽質重質ガソリン分離塔
4b・・・軽質炭化水素-軽質ガソリン分離塔
5・・・リッチガス脱硫塔
5a・・・液体炭化水素脱硫塔
5b・・・リーンアミン液循環ポンプ
5c・・・溶媒再生塔
5d・・・リーンアミン液冷却器
6・・・リッチガス脱チオール塔
6a・・・液体炭化水素脱チオール反応器
6b・・・リッチガス水洗循環ポンプ
6c・・・水洗水ヒータ
6d・・・アルカリ液冷却器
6e・・・リッチガス水洗タンク
7・・・冷却器I
7a・・・気液分離タンクII
8・・・圧縮機III
9・・・冷却器II
10・・・冷却器III
11・・・供給タンク
12・・・吸収塔
13・・・脱メタン塔
14・・・脱エタン塔
15・・・脱プロパン塔
16・・・プロピレン精留塔
17・・・吸収剤回収塔
18・・・不純物処理手段
19・・・乾燥手段
20・・・冷却器IV
S-1・・・上流装置からのオイルガス
S-2・・・粗ガソリン
S-3・・・リッチアミン液
S-4・・・リーンアミン液
S-5・・・再生すべきアルカリ液
S-6・・・アルカリ液
S-7・・・水洗水排水
S-8・・・アルカリ性ガス
S-9・・・不純物除去されたリッチガス
S-9a・・・不純物除去された液状炭化水素
S-10・・・安定ガソリン製品
S-10a・・・軽質ガソリン製品
S-10b・・・重質ガソリン製品
S-11・・・ドライガス
S-12・・・混合C2製品
S-13・・・プロピレン製品
S-14・・・プロパン製品
S-14a・・・循環プロパン
S-15・・・安定ガソリン吸収剤
S-15a・・・炭素四吸収剤
S-15b・・・循環炭素四
S-16・・・混合炭素四製品
S-17・・・リッチ吸収ガソリン
【国際調査報告】