IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 4アクティブシステムズ ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特表-照明手段を備えるダミー要素 図1
  • 特表-照明手段を備えるダミー要素 図2
  • 特表-照明手段を備えるダミー要素 図3
  • 特表-照明手段を備えるダミー要素 図4
  • 特表-照明手段を備えるダミー要素 図5-6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】照明手段を備えるダミー要素
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20220729BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20220729BHJP
   F21V 29/54 20150101ALI20220729BHJP
   F21S 41/155 20180101ALI20220729BHJP
   F21S 9/00 20060101ALI20220729BHJP
   F21V 29/71 20150101ALI20220729BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20220729BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20220729BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20220729BHJP
   F21S 45/40 20180101ALI20220729BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20220729BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20220729BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220729BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20220729BHJP
   G01M 17/007 20060101ALN20220729BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V29/54
F21S41/155
F21S9/00
F21V29/71
F21V29/503 100
F21S41/143
F21S43/14
F21S45/40
F21S41/19
F21S43/19
F21S2/00 600
F21V19/00 450
B60Q1/26 A
G01M17/007 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562937
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2020065665
(87)【国際公開番号】W WO2020245387
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】102019115539.8
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515345366
【氏名又は名称】4アクティブシステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハフェルナー、ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、マーティン
【テーマコード(参考)】
3K013
3K339
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K339AA02
3K339AA25
3K339AA29
3K339BA18
3K339CA01
3K339CA12
3K339CA13
3K339DA01
3K339FA02
3K339FA03
3K339FA05
3K339FA20
3K339GA02
3K339GB01
3K339GB21
3K339HA01
3K339JA21
3K339JA26
3K339MA10
3K339MC52
3K339MC53
(57)【要約】
本発明は、シミュレートされるべき要素、特に車両のシミュレートされるべき照明装置をシミュレートする照明領域を有するダミー本体と、照明手段とを備え、照明領域は、照明領域の表面上にグラフィカルな輪郭を有し、このグラフィカルな輪郭が、シミュレートされるべき照明装置のフレームを写し取り、ダミー本体は、照明領域内に開口部を有し、開口部内に、照明手段が配置されている、ダミー要素、特にダミー車両に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレートされるべき要素、特に車両のシミュレートされるべき照明装置をシミュレートする照明領域を有するダミー本体と、
ハウジングなしで形成されている照明手段と
を備え、
前記ダミー本体は、前記照明領域内に開口部を有し、前記開口部内に前記照明手段が配置されている、
ダミー要素。
【請求項2】
前記照明領域は、前記照明領域の表面上にグラフィカルな輪郭を有し、前記グラフィカルな輪郭は、特に前記シミュレートされるべき照明装置のフレームを写し取る、
請求項1に記載のダミー要素。
【請求項3】
前記照明手段は、プレス嵌めにより前記開口部内に固定されている、
請求項1または2に記載のダミー要素。
【請求項4】
前記開口部と前記照明手段は、隙間嵌めにより形成されているので、前記照明手段は、引出し状に前記開口部内に挿入可能である、
請求項3に記載のダミー要素。
【請求項5】
前記照明手段は、接着結合により前記開口部内に固定されている、
請求項1から4までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項6】
前記照明手段は、嵌め合いにより前記開口部内に固定されている、
請求項1から5までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項7】
前記照明手段は、発光体とプリント基板とを有し、前記発光体は、前記プリント基板から突出している、
請求項1から6までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項8】
前記プリント基板は、柔軟に、特に弾性変形可能に形成されている、
請求項7に記載のダミー要素。
【請求項9】
前記プリント基板は、前記ダミー本体の前記開口部内に固定されていて、前記発光体は、前記開口部から突出している、
請求項7または8に記載のダミー要素。
【請求項10】
前記ダミー本体内の前記開口部は、出口領域を有し、前記出口領域を通過して前記発光体が外側に突き出ていて、前記ダミー本体内に固定領域を有し、前記固定領域に前記プリント基板が存在する、
請求項7から9までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項11】
前記ダミー本体内の前記開口部は、出口領域を有し、前記出口領域内に、前記プリント基板に固定された前記発光体、特にLEDが突出していて、かつ前記出口領域内に完全に存在し、前記ダミー本体内に固定領域を有し、前記固定領域内に前記プリント基板が存在する、
請求項7から9までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項12】
前記出口領域の開口部直径は、前記固定領域の開口部直径よりも小さいので、前記固定領域は、アンダーカットを形成し、
前記ダミー本体は、前記プリント基板が前記出口領域を通過するように押込可能であり、前記固定領域内に存在する際には照明手段の固定のために嵌め合いを形成するように、弾性変形可能に形成されている、
請求項10または11に記載のダミー要素。
【請求項13】
前記照明手段は、いくつかの発光体、特にLEDを有し、前記発光体は、前記プリント基板に連結されていて、
前記ダミー本体内の前記開口部は、いくつかの出口領域を有し、各出口領域内に前記発光体の一つが配置されている、
請求項7から12までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項14】
冷却装置をさらに備え、
前記発光体とは反対の、前記プリント基板の側で、前記冷却装置は熱的に連結されていて、
前記冷却装置は、特に、
水冷、
空冷、
熱電冷却、特にペルチェ素子
の群からの少なくとも一つを有する、
請求項7から13までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項15】
前記開口部は、貫通開口部であり、前記ダミー本体の内部領域は、前記照明領域の表面と接続し、
前記照明手段は、内側から前記開口部を通過するように差込可能である、
請求項1から14までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項16】
前記照明手段は、一つのLED、特にLEDマトリックスを有する、
請求項1から15までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項17】
前記ダミー本体は、発泡したプラスチックである、
請求項1から16までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項18】
前記グラフィカルな輪郭は、前記照明領域の表面上に着色剤によって適用されている、
請求項2に記載のダミー要素。
【請求項19】
前記グラフィカルな輪郭は、前記照明領域の表面上にステッカーにより適用されている、
請求項2または18に記載のダミー要素。
【請求項20】
前記照明手段は、電流供給ケーブルを有し、前記電流供給ケーブルにエネルギー源が接続可能である、請求項1から19までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項21】
前記照明手段は、エネルギー源としてバッテリを有する、
請求項1から19までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項22】
前記照明手段は、誘導コイルを有し、前記誘導コイルにより、前記照明手段用のエネルギーが供給可能である、
請求項1から21までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項23】
前記照明手段は、信号送信器を有し、前記信号送信器は、前記照明手段の制御のための制御信号を受信するように設定されている、
請求項1から22までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項24】
前記照明手段は、加速度センサを有するので、加速および減速が測定可能である、
請求項1から23までのいずれか一項に記載のダミー要素。
【請求項25】
ダミー要素を動かすためのシステムにおいて、前記システムは、
請求項1から24までのいずれか一項に記載のダミー要素と、
走行可能なプラットフォームとを備え、
前記ダミー要素は、前記走行可能なプラットフォーム上に固定されている、ダミー要素を動かすためのシステム。
【請求項26】
前記ダミー要素は、第一のインターフェースを有し、前記走行可能なプラットフォームは、第二のインターフェースを有し、
前記第一のインターフェースと前記第二のインターフェースは、相互に通信して、特に前記プラットフォームと前記ダミー要素との間でデータ信号またはエネルギーが交換可能であるように形成されている、
請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダミー要素、特に照明手段を備えるダミー車両に関する。
【背景技術】
【0002】
運転支援システムを、特に自動運転の観点の下で試験するために、複雑な交通状況を写し取り、かつシミュレートする必要がある。この場合、多数の多様なダミー要素が互いに動き、特にGPSデータに基づいて制御される。複雑な交通状況をシミュレートするために多くのダミー要素が必要とされ、頻繁に試験車両とダミー要素との間で事故を引き起こすため、ダミー要素は頑丈に形成され、衝突後でも改めて再使用できなければならない。
【0003】
ダミー要素、特に車両ダミーを現実に近づけてシミュレートするために、例えば照明装置のような能動的な構成要素、つまり車両のヘッドライトまたはウインカーが、ダミー本体に組み込まれる。この場合、照明装置は、車両のヘッドライト装置を現実に近づけてシミュレートするために、相応して堅固なハウジングおよびフレームを有し、このハウジングおよびフレーム内に照明手段が組み込まれる。相応するハウジングおよびフレームは、ダミー要素内の相応して大きな開口部内に組み込まれる。ハウジングおよびフレームは、原則として、ダミー本体の材料よりも硬質であるため、事故を起こしたダミー本体自体ならびに試験車両の損傷を頻繁に引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ダミー要素内に頑丈で、かつ現実に近いように照明装置を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項の特徴により解決される。
【0006】
第一の態様によると、ダミー要素、特にダミー車両が説明される。ダミー要素は、照明領域を有するダミー本体を備え、照明領域は、シミュレートされるべき要素、特に車両のシミュレートされるべき照明装置をシミュレートする。さらに、ダミー要素は、ハウジングなしで形成されている照明手段を備え、この場合、ダミー本体は、照明領域内に開口部を有し、この開口部内に照明手段が取り付けられている。
【0007】
例示的な実施形態によると、ダミー要素は、二輪車、オートバイまたは自転車、自動車、特に乗用車(Pkw)またはトラック(Lkw)、人型ダミーまたは動物型ダミーである。
【0008】
照明領域と照明手段は、特に車両のヘッドライト、ウインカーまたはブレーキランプをシミュレートする。例えば、照明領域と照明手段は、同様に人型ダミーの前照灯をシミュレートする。
【0009】
照明手段は、ハウジングなしでまたはフレームなしで形成されている。ハウジングなしまたはフレームなしとは、特に、照明手段自体の周囲に、開口部内に存在するハウジングおよびフレームが形成されていないことと解釈される。開口部内では、もっぱら例えばLEDまたは電球のような照明手段だけが存在する。したがって、衝突の際の基体の変形に基づき、照明手段の堅固な部材、例えば照明手段のハウジングまたはフレームの損傷は回避される。
【0010】
したがって、ダミー本体は、通常ではヘッドライトハウジングまたはヘッドライトフレームが存在する湾曲部を有しておらず、小さな開口部が存在するだけであり、その開口部内にもっぱら照明手段だけが存在する。
【0011】
さらに、照明領域内に、特に照明領域の表面に、リフレクタまたはミラー要素が、例えば接着によって配置されてよい。
【0012】
例示的な実施形態によると、照明領域は、その照明領域の表面上にグラフィカルな輪郭を有し、このグラフィカルな輪郭は、例えばシミュレートされるべき照明装置のフレームを写し取る。照明手段のできる限り現実的なシミュレーションのために、グラフィカルな輪郭は、シミュレートされるべき照明装置のフレームまたはハウジングを模倣してよい。
【0013】
例示的な実施形態によると、照明手段は、プレス嵌めにより開口部内に固定されている。
【0014】
例示的な実施形態によると、開口部と照明手段は、隙間嵌めにより形成されているので、照明手段は、引出し状に開口部内に挿入可能である。
【0015】
例示的な実施形態によると、照明手段は、接着結合により開口部内に固定されている。
【0016】
例示的な実施形態によると、照明手段は、嵌め合いにより開口部内に固定されている。
【0017】
例示的な実施形態によると、照明手段は、発光体とプリント基板とを有し、発光体はプリント基板から突出している。
【0018】
例示的な実施形態によると、プリント基板は、弾性変形可能に形成されている。
【0019】
例えば、プリント基板は、柔軟な(特に印刷された)リボンまたは柔軟な(特に印刷された)シートであってよく、このプリント基板は、例えば電子的な導体路および電子的な構成要素(例えばLED素子)を有する。したがって、プリント基板は、弾性にもしくは柔軟にまたは可塑性に変形可能に形成されてよい。例えば、二つのダミー本体の衝突が起こる場合、変形可能なプリント回路は、損傷を受けることなく弾性にまたは可塑性に変形することができる。その後、変形可能なプリント回路は、初期状態(初期形状)に戻ることができる。この文書の範囲内で、「変形可能」の概念とはつまり、特に、本体が変形を引き起こす力の作用の後に再び初期形状に戻ることができるかまたは自動的に戻る特性であると解釈することができる。これは、例えば、ダミー本体の衝突試験の範囲内で損傷した要素を再使用することができ、したがって、この種の試験を効率的に、かつ有利に実施することができるという利点を有する。
【0020】
例示的な実施形態によると、プリント基板は、ダミー本体の開口部内に固定されていて、発光体は、開口部から突き出しているかまたは突出している。換言すると、開口部は、ダミー本体内の穿孔として設けられていてよく、この場合、プリント基板は、穿孔内に存在し、発光体は開口部の領域内に存在する。この場合、発光体は、開口部内に存在するかまたは開口部から突き出していてよい。
【0021】
発光体が開口部から突出している場合、現実に近い光円錐が生成されるという利点を有する。したがって、ダミー本体が使用される状況を改善することができる。
【0022】
例示的な実施形態によると、ダミー本体内の開口部は、出口領域と、ダミー本体内のプリント基板が存在する固定領域とを有し、出口領域を通過するように、発光体が(固定領域から見て)外側に突出する。
【0023】
出口領域は、ダミー本体内に形成され、ダミー本体内の、発光体、例えば一つのLEDまたは複数のLEDが存在する領域を説明する。
【0024】
例示的な実施形態によると、ダミー本体内の開口部は、出口領域と、ダミー本体内のプリント基板が存在する固定領域とを有し、この出口領域内に、プリント基板に固定された発光体、特にLEDが突き出ている。発光体は、この場合、完全に出口領域内にあり、開口部から周囲環境方向に突き出してはいない。
【0025】
開口部は、別の例示的な実施形態では、光透過性の開口部であると解釈されてよい。これは、出口領域が、例えば付加的な光透過性材料により充填されているか、またはダミー本体の光透過性の領域により覆われていることを意味する。したがって、発光体、特にLEDの光は、ダミー本体の閉じた開口部を通過して周囲環境内へ放射される。
【0026】
例示的な実施形態によると、出口領域の開口部直径は、固定領域の開口部直径よりも小さいので、固定領域は、アンダーカットを形成し、ダミー本体は、プリント基板が出口領域を通過するように押込可能であり、固定領域内に存在する際には照明手段の固定のために嵌め合いを形成するように、弾性変形可能に形成されている。
【0027】
例示的な実施形態によると、照明手段は、いくつかの発光体、特にLEDを有し、これらの発光体は、プリント基板に連結されていて(特に、プリント基板の表面に固定されていて、プリント基板から突出していて)、ダミー本体内の開口部は、いくつかの出口領域を有し、各出口領域内にこれらの発光体の一つが配置されている。
【0028】
発光体は、この場合、完全に相応する出口領域内に置かれ、開口部または出口領域から、ダミー本体の周囲環境の方向へ突き出ていない。あるいは、発光体は、発光体が出口領域を通過するように延び、開口部から周囲環境内へ突き出るように配置されていてよい。
【0029】
例示的な実施形態によると、開口部は、貫通開口部であり、ダミー本体の内部領域は、照明領域の表面と接続し、照明手段は、内側から開口部を通過するように差込可能である。
【0030】
例示的な実施形態によると、照明手段は、LED、特にLEDマトリックスを有する。
【0031】
例示的な実施形態によると、ダミー本体は、発泡したプラスチックである。
【0032】
例示的な実施形態によると、グラフィカルな輪郭は、照明領域の表面上に着色剤によって適用されている。
【0033】
例示的な実施形態によると、グラフィカルな輪郭は、照明領域の表面上でステッカーにより適用されている。
【0034】
例示的な実施形態によると、照明手段は、電流供給ケーブルを有し、この電流供給ケーブルにエネルギー源が接続可能である。
【0035】
例示的な実施形態によると、照明手段は、エネルギー源としてバッテリを有する。
【0036】
例示的な実施形態によると、照明手段は、誘導コイルを有し、この誘導コイルにより、照明手段用のエネルギーが供給可能である。
【0037】
例示的な実施形態によると、照明手段は、信号送信器を有し、信号送信器は、照明手段の制御のための制御信号を受信するように設定されている。
【0038】
例示的な実施形態によると、照明手段は、加速度センサを有するので、加速および減速が測定可能である。
【0039】
別の実施例によると、ダミー要素は、冷却装置を備える。冷却装置は、発光体とは反対の、プリント基板の側に、一つの冷却装置が熱的に連結されていてよい。冷却装置は、例えば、水冷、空冷または熱電冷却(特にペルチェ素子)を有してよい。冷却装置は、有利に多様な冷却の組合せを有していてもよい。よって、発光体によって生成された排熱は、効果的に搬出されてよい。これは、発光体ならびにプリント基板の寿命を延長し、発光体および/またはプリント基板を有する照明手段のより安全で確実な利用が保証されるという利点を有する。
【0040】
冷却装置は、例えばヒートシンクを有し、このヒートシンクは、取り外し可能に、例えばねじ接続により、または接着結合により、プリント基板の片側に固定され、それにより熱的に連結されている。ヒートシンクとプリント基板との間に、例えば熱伝導性の層が設けられてよく、この熱伝導性の層は、例えば電熱ペーストによって形成されている。ヒートシンクは、さらに流体ラインを有してよく、この流体ラインを通して、例えば冷却液または冷却ガスのような冷却媒体が搬送されてよい。
【0041】
本発明の別の態様によると、ダミー要素を動かすためのシステムが説明される。システムは、先に記載されたダミー要素と走行可能なプラットフォームとを備え、ダミー要素は、走行可能なプラットフォーム上に固定されている。
【0042】
システムの別の例示的な実施形態によると、ダミー要素は、第一のインターフェースを有し、走行可能なプラットフォームは、第二のインターフェースを有し、第一のインターフェースと第二のインターフェースは、相互に通信して、特にプラットフォームとダミー要素との間でデータ信号またはエネルギーが交換可能であるように形成されている。
【0043】
インターフェースは、例えば、ダミー要素とプラットフォームとの間のエネルギーの伝達のために形成されていてよい。よって、インターフェースは、例えば対応するコイルを形成してよく、誘導によりエネルギーを伝達することができる。さらに、インターフェースは、電気伝導性のスライド接触を形成してよい。さらに、インターフェースは、相応するプラグ/ボックス接続を形成してよい。さらに、インターフェースは、データ信号の交換のために用いられてよいため、例えば照明手段用の制御信号を伝達することができるか、または照明手段の状態データをプラットフォームに伝達することができる。
【0044】
本明細書に記載された実施形態は、単に本発明の可能な実施バリエーション関して制限された選択を表すにすぎないことが指摘されるべきである。よって、個々の実施形態の特徴は、適切な様式で互いに組み合わせることが可能であるため、当業者にとって、本明細書で説明された実施バリエーションによって多数の多様な実施形態が明らかに開示されていると見なすことができる。特に、本発明のいくつかの実施形態は、装置の請求項によって説明されていて、本発明の別の実施形態は、方法の請求項によって説明されている。しかしながら、当業者には、本出願を読む場合、特に他に明記されない限り、本発明の主題の一つのタイプに所属する特徴の組合せに加えてさらに、本発明の主題の異なるタイプに所属する特徴の任意の組合せも可能であることが即座に明らかになる。
【0045】
以下に、本発明の更なる説明およびより良好な理解のために、添付の図面を参照しながら実施例をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の例示的な実施態様による、開口部が貫通開口部として形成されているダミー要素の概略断面図を示す。
図2】本発明の例示的な実施形態による、開口部がアンダーカットを有す盲穴として形成されているダミー要素の概略断面図を示す。
図3】本発明の例示的な実施形態による、自動車ダミーの正面領域の概略図を示す。
図4】本発明の例示的な実施態様による、オートバイダミーの正面領域の概略図を示す。
図5】本発明の例示的な実施態様による、発光体用のいくつかの開口部を有するダミー要素の概略断面図を示す。
図6】本発明の例示的な実施態様による、発光体用のいくつかの開口部を有するダミー要素の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
異なる図面中の同じまたは類似の構成要素は、同じ符号が付与されている。これらの図面中の表示は、概略的である。
【0048】
図1は、開口部104が貫通開口部として形成されているダミー要素100の概略断面図を示す。ダミー要素100は、例えば自動車であり、図1では、正面領域の断面図が示されている。ダミー要素100は、シミュレートされるべき要素、特に車両のシミュレートされるべき照明装置をシミュレートする、照明領域102を有するダミー本体101を備える。照明領域102は、その表面上に、シミュレートされるべき照明装置のフレームを写し取るグラフィカルな輪郭103と、照明手段110とを有する。照明手段110は、ハウジングなしで形成されている。ダミー本体101は、照明領域102内に開口部104を有し、その開口部内に照明手段110が配置されている。
【0049】
照明領域102と照明手段110は、特に、車両のヘッドライト、ウインカーまたはブレーキランプをシミュレートする。
【0050】
開口部104は、例えば貫通開口部であり、ダミー本体101の内部領域106を照明領域102の表面105と接続し、この表面は、ダミー要素100の周囲環境107に向いている。照明手段110は、内側から開口部104を通過するように差込可能である。
【0051】
照明手段110は、電源供給ケーブル108を有し、この電源供給ケーブル108に電源109が接続可能である。
【0052】
照明手段110は、さらに信号送信器111を有し、信号送信器111は、照明手段110の制御のための制御信号を受信するように設定されている。
【0053】
図2は、開口部104がアンダーカットを有する盲穴として形成されているダミー要素100の概略断面図を示す。ダミー要素100は、例えば自動車であり、図2では、正面領域の断面図が示されている。照明手段110は、ここでは開口部104内で嵌め合いにより固定されている。
【0054】
照明手段110は、発光体201とプリント基板202とを有し、発光体201はプリント基板202から突出している。照明手段110の相応する実施態様は、図1からの貫通孔(開口部)104内でも使用することができる。プリント基板202は、特に弾性変形可能に形成されているため、このプリント基板は弾性変形する。
【0055】
プリント基板202は、ダミー本体101の開口部104内に固定されていて、発光体201は、開口部104から突き出しているかまたは突出している。換言すると、開口部104は、ダミー本体101内に穿孔として設けられていてよく、プリント基板202は穿孔内に存在し、発光体201は、開口部104の領域内に存在する。この場合、発光体201は、開口部104内に存在するかまたは開口部104から突き出していてよい。
【0056】
開口部104は、ダミー本体101内に出口領域203を有し、この出口領域を通過して発光体201は外側に向かって突出し、かつダミー本体101内に固定領域204を有し、この固定領域にプリント基板202が存在する。出口領域203の開口部直径は、固定領域204の開口部直径よりも小さいので、固定領域204はアンダーカットを形成する。ダミー本体101は、それ自体弾性変形可能であってよいプリント基板202が出口領域203を通過するように押込可能であり、固定領域204内に存在する際には照明手段110の固定のために嵌め合いを形成するように、弾性変形可能に形成されている。
【0057】
さらに、本発明の実施例によると、発光体201とは反対のプリント基板202の側に、冷却装置が、熱的に連結されていてよい。冷却装置は、例えば、水冷、空冷または熱電冷却(特にペルチェ素子)を有してよい。冷却装置は、有利に多様な冷却の組合せを有してもよい。
【0058】
図3は、ダミー要素100としての自動車ダミーの正面領域の概略図を示す。ダミー要素100は、走行可能なプラットフォーム300上に固定されている。
【0059】
ダミー要素100は、第一のインターフェース301を有し、走行可能なプラットフォーム300は、第二のインターフェース302を有し、第一のインターフェース301と第二のインターフェース302は、相互に通信して、特にプラットフォーム300とダミー要素100との間でデータ信号またはエネルギーが交換可能であるように形成されている。
【0060】
図4は、ダミー要素100としてのオートバイダミーの正面領域の概略図を示す。ダミー要素100は、走行可能なプラットフォーム300上に固定されている。
【0061】
ダミー要素100は、第一のインターフェース301を有し、走行可能なプラットフォーム300は、第二のインターフェース302を有し、第一のインターフェース301と第二のインターフェース302は、相互に通信して、特にプラットフォーム300とダミー要素100との間でデータ信号またはエネルギーが交換可能であるように形成されている。
【0062】
図5および図6は、ダミー要素100の断面図を示し、開口部104は、発光体201、特にLED用のいくつかの出口領域203を有する。したがって、LEDは、予定のLEDアレーを形成してよい。出口領域203は、この場合、円形、楕円形または直線的またはスリット状に形成されてよい。内部領域106の方向で、プリント基板202が、ダミー本体101に固定されている。プリント基板202から、発光体201は、周囲環境107の方向に突出する。発光体201は、この場合、出口領域203内に存在するか、または出口領域から周囲環境107の方向に突出してよい。固定領域204は、この場合、スリット状に形成されていて、プリント基板202を嵌め合いにより保持する。
【0063】
図5では、ダミー本体101は、変形していない状態で示されている。図6では、ダミー本体101は、変形した状態で示されている。ダミー本体101内の出口領域203の数により、ダミー本体は、例えばこの領域内で良好に変形可能である。さらに、プリント基板202は、弾性変形可能に形成されていて、ダミー本体101と一緒に変形することができる。したがって、この実施例により、照明領域102内でダミー本体101の良好な弾性変形性が達成される。
【0064】
補足的に、「含む(umfassend)」は、他の要素またはステップを除外するものではなく、かつ「一つ(eine)」または「一つ(ein)」は複数を除外するものではないことを指摘する。さらに、先の実施例の一つを参照して説明された特徴またはステップは、先に記載された別の実施例の別の特徴またはステップと組み合わせて使用されてもよいことを指摘する。特許請求の範囲の符号は、限定とは見なされない。
【符号の説明】
【0065】
100 ダミー要素
101 ダミー本体
102 照明領域
103 グラフィカルな輪郭
104 開口部
105 照明領域の表面(表面)
106 内部領域
107 周囲環境
108 電源供給ケーブル
109 エネルギー源(電源)
110 照明手段
111 信号送信器
201 発光体
202 プリント基板
203 出口領域
204 固定領域
300 走行可能なプラットフォーム(プラットフォーム)
301 第一のインターフェース
302 第二のインターフェース
図1
図2
図3
図4
図5-6】
【国際調査報告】