(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】ドア、リーフなどの回転可能な運動のためのヒンジ、及び固定支持構造体にリーフを固定するためのシステム
(51)【国際特許分類】
E05F 3/00 20060101AFI20220729BHJP
E05F 3/16 20060101ALI20220729BHJP
E05F 1/12 20060101ALI20220729BHJP
E05F 3/20 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
E05F3/00 B
E05F3/16
E05F1/12
E05F3/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570337
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 IB2020055217
(87)【国際公開番号】W WO2020245731
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】102019000007902
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102019000007905
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102019000007908
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519224155
【氏名又は名称】コルコム グループ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベネデッティ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】メサロス,ミハイ
【テーマコード(参考)】
2E050
【Fターム(参考)】
2E050AA03
2E050BA04
2E050CA04
2E050EA02
2E050EB02
(57)【要約】
本発明は、固定支持構造体に固定することができる固定要素(2)と、閉鎖要素(A)に固定することができる可動要素(3)とを備える、閉鎖要素(A)の軸(X)を中心とした回転運動のためのヒンジ装置に関する。可動要素(3)はヒンジ本体(30)を含み、固定要素(2)は、支持構造体に固定することができ、閉鎖要素(A)に垂直な平面(π´´)を画定するプレート(10)を含む。装置は、ピン(20)に一体的に接合された一対の対向する長手方向突起(21´、21´´)を備えるプレート(10)に対してヒンジ本体(30)の空間位置(28)を調整するための手段を備え、ピン(20)は、長手方向突起(21´、21´´)が、前述の平面(π´´)に沿って移動可能であるプレート(10)に作られたスロット(16)に挿入することができる。スロット(16)に配置された一対の調整グラブねじ(14)は、回転軸(X)を中心とした長手方向突起(21´、21´´)及びピン(20)の一体的に接合された回転を促進する。さらに、ヒンジ本体(30)は、ピン(20)とヒンジ本体(30)の回転軸(X)を中心とした相互の運動のための座部(50)を含む。座部(50)は、ピン(20)との摩擦によって直接相互作用してピン(20)及びヒンジ本体(30)の回転を差別化された方法で減衰させる減衰手段(54)を含む。本発明はまた、閉鎖要素(A)を水平固定支持構造体に固定するためのシステムに関する。システムは、前述のヒンジ装置(1)と、閉鎖要素(A)を固定するための一対のクランプ要素(40)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定支持構造体(S)、好ましくは床、天井、又はドアフレームの上部横材に固定された、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素(A)の回転運動のためのヒンジ装置であって、
前記固定支持構造体(S)に固定することができる固定要素(2)と、
前記閉鎖要素(A)に固定することができる可動要素(3)と、を備え、
前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの一方は、第1の軸(Y´)を画定するヒンジ本体(30)を含み、前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの他方は、前記第1の軸(Y´)に実質的に垂直な第2の軸(X)を画定するピン(20)を備え、前記ヒンジ本体(30)及び前記ピン(20)は、開位置と閉位置との間で前記第2の軸(X)を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、前記第1及び第2の軸(Y´、X)は第1の平面(π´)上にあり、
前記固定要素(2)は、第3の軸(Y)を画定する固定プレート(10)を備え、前記固定プレート(10)は、
前記固定支持構造体(S)に固定することができる第1の面(11)であって、前記第1の面(11)は第2の平面(π´´)を画定する接触面(11´)を備える、第1の面(11)と、
前記ピン(20)を収容することができる座部(16)を備える第2の対向する面(12)と、を備え、
前記ピン(20)が結合端(24)を備え、前記固定プレート(10)の前記座部(16)が、前記結合端(24)と相互作用又は接触することができる底壁(16´´´´)を備え、
オペレータが前記固定プレート(10)に対する前記ヒンジ本体(30)の空間位置を調整することを可能にするように、前記底壁(16´´´´)及び前記結合端(24)のうちの少なくとも一方は、前記ピン(20)及び前記固定プレート(10)が少なくとも前記第3の軸(Y)に実質的に垂直かつ前記第2の平面(π´´)に実質的に平行な第4の軸(Z)を中心に互いに回転するように、及び/又は前記ピン(20)及び前記固定プレート(10)が少なくとも前記第2の軸(X)に実質的に垂直かつ前記第1の平面(π´)に実質的に平行な第5の軸(Y´´)を中心に互いに回転するように、湾曲形状である、ヒンジ装置。
【請求項2】
前記湾曲した結合端(24)及び前記座部(16)は、前記ピン(20)及び前記固定プレート(10)が前記第4の軸(Z)及び前記第5の軸(Y´´)の両方を中心に相互に回転するように、相互に構成及び/又は寸法決めされる、請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記湾曲した結合端(24)及び前記座部(16)は、前記ピン(20)及び前記固定プレート(10)が前記第2の軸(X)を中心に回転するように相互に構成及び/又は寸法決めされる、請求項1又は2に記載のヒンジ装置。
【請求項4】
前記底壁(16´´´´)及び前記結合端(24)の少なくとも一方が、実質的に球形のキャップ形状を有する、請求項1、2又は3のいずれかに記載のヒンジ装置。
【請求項5】
前記座部(16)は、前記底壁(16´´´´)を備えるか、又はそれからなる内面(16´´´´)を備え、前記結合端(24)は実質的に相補的な形状を有する、請求項1、2、3、又は4のいずれかに記載のヒンジ装置。
【請求項6】
前記結合端(24)は、第1の所定の直径(φ24)を有する実質的に球形のキャップ形状を有し、前記座部(16)は、前記第1の直径(φ24)に実質的に等しいか又はそれより大きいサイズの第2の直径(φ16´´)を有する実質的に球形のキャップ形状も有する内面(16´´´´)を有する、請求項1から5のいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項7】
前記ピン(20)が、前記結合端(24)と、前記第5の軸(Y´´)に沿って延在するそれぞれ一対の対向する長手方向突起(21´、21´´)の少なくとも1つの長手方向突起(21´、21´´)と、を含む結合ゾーン(23)を有する、請求項1から6のいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項8】
前記座部(16)は、前記結合端(24)を収容することができる前記底壁(16´´´´)を含む第1の部分(16´´)と、それぞれ前記対抗する長手方向突起(21´、21´´)の、前記少なくとも1つの長手方向突起(21´、21´´)を収容するため前記第3の軸(Y)に沿って延在する、それぞれ一対の対向する長手方向部分(16´)の、少なくとも第2の長手方向部分(16´)と、を有する、請求項1から7のいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項9】
前記ピン(20)が、それぞれ前記対向する長手方向突起(21´、21´´)の前記少なくとも1つの長手方向突起(21´、21´´)を画定するため前記結合ゾーン(23)に配置された前記第5の軸(Y´´)を画定する貫通ピン(21)を備える、請求項7又は8に記載のヒンジ装置。
【請求項10】
それぞれ前記対向する長手方向部分(16´)の前記少なくとも1つの第2の長手方向部分(16´)、及びそれぞれ前記対向する長手方向突起(21´、21´´)の前記少なくとも1つの長手方向突起(21´、21´´)は、前記第5の軸(Y´´)が前記第3の軸(Y)に対して所定の角度を有する2つの対向する位置の間で前記第2の軸(X)を中心に前記ピン(20)の制御された回転を可能にするように相互に構成及び/又は寸法決めされる、請求項8又は9に記載のヒンジ装置。
【請求項11】
各第2の長手方向部分(16´)は、それぞれの長手方向突起(21´、21´´)と相互に接触して、前記所定の角度位置の間で前記第2の軸(X)を中心に前記ピン(20)の制御された回転を促進し、及び/又は前記固定プレート(10)に対して前記ヒンジ本体(30)の空間位置をロックすることができる少なくとも1つのグラブねじ(14)を含む、請求項8、9又は10のいずれかに記載のヒンジ装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の長手方向部分(16´)は、前記第4の軸(Z)を中心に前記ピン(20)及び前記固定プレート(10)の回転を促進するため、前記第2の平面(π´´)に対して少なくとも部分的に傾斜した底壁(17)を有する、請求項8から11のうちのいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項13】
前記座部(16)は、前記対向する長手方向突起(21´、21´´)を収容することができる前記一対の対向する長手方向部分(16´)を有し、前記対向する長手方向部分(16´)は、前記第4の軸(Z)を中心に前記ピン(20)及び前記固定プレート(10)の回転を促進するため前記接触面(11´)に向かって広がるそれぞれの底壁(17)を有する、請求項8から12のうちのいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項14】
前記ヒンジ本体(30)は、前記ピン(20)のための座部(50)を含み、前記座部(50)及び前記ピン(20)のうちの一方は、前記ピン(20)及び前記座部(50)のうちの他方と協働して、前記ヒンジ本体(30)及び前記ピン(20)の相互の回転を差別化された方法で減衰させる減衰手段(54)を含む、請求項1から13のいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項15】
前記減衰手段(54)並びに前記ピン(20)及び前記座部(50)のうちの他方は、摩擦によって相互作用するそれぞれの接触面(54´、25)を有する、請求項14に記載のヒンジ装置。
【請求項16】
前記減衰手段(54)が、ポリマー要素を含むか、又はポリマー要素からなる、請求項14又は15に記載のヒンジ装置。
【請求項17】
前記座部(50)が前記減衰手段(54)を含む、請求項14、15又は16のいずれかに記載のヒンジ装置。
【請求項18】
前記座部(50)は、前記第1の平面(π´)に対して実質的に垂直な少なくとも1つの壁(53)を備え、前記ピン(20)は、周辺当接面(25)を備え、前記ポリマー要素(54)は、前記当接面(25)と相互作用するため前記少なくとも1つの壁(53)に接着している、請求項17に記載のヒンジ装置。
【請求項19】
前記ポリマーが、60Sh A~100Sh A、好ましくは80Sh A~95Sh Aの範囲に含まれる硬度を有するポリウレタンエラストマーである、請求項14から18のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
【請求項20】
前記ポリマーがブルコラン(登録商標)である、請求項14から19のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
【請求項21】
前記ヒンジ本体(30)は、前記第1の軸(Y´)を画定する作動チャンバ(55)を備え、前記作動チャンバ(55)は、前記閉鎖要素(A)の前記閉位置及び前記開位置のうちの一方に対応する第1のエンドストローク位置と、前記閉鎖要素(A)の前記閉位置及び前記開位置のうちの他方に対応する第2のエンドストローク位置との間で前記第1の軸(Y´)に沿って摺動するスライダ要素(51)を備える、請求項14から20のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
【請求項22】
前記ピン(20)はカム手段(22)を含み、前記少なくとも1つの作動チャンバ(55)は、前記スライダ要素(51)と動作可能に接続されたカムフォロワ手段(52)をさらに備え、前記カム手段(22)及び前記カムフォロワ手段(52)は、前記スライダ要素(51)の摺動が前記可動要素(3)の回転に対応するように動作可能に接続されている、請求項21に記載のヒンジ装置。
【請求項23】
前記カムフォロワ手段(52)は、実質的に湾曲した、好ましくは球形の形状を有し、前記スライダ要素(51)は、前記カムフォロワ手段(52)を収容することができる、前記座部(50)に面する第1の収容ゾーン(51´)を備える、請求項22に記載のヒンジ装置。
【請求項24】
前記作動チャンバ(55)が、前記第1及び第2のエンドストローク位置の一方から他方への通過を促進するため、前記スライダ要素(51)と動作可能に接続された弾性反作用手段(56)をさらに備える、請求項21、22又は23に記載のヒンジ装置。
【請求項25】
前記弾性反作用手段(56)は、第1及び第2の端(56´、56´´)を備え、前記スライダ要素(51)は、前記弾性反作用手段(56)の前記第1及び第2の端(56´、56´´)の一方を収容するための前記第1の収容ゾーン(51´)の反対側の第2の収容ゾーン(51´´)を備える、請求項24に記載のヒンジ装置。
【請求項26】
前記固定プレート(10)は、前記固定支持構造体(S)の固定手段(100、100´)によって係合することができる少なくとも1つの細長い貫通スロット(101)を含み、前記少なくとも1つの細長い貫通スロット(101)は、オペレータが前記第3の軸(Y)に沿って前記固定支持構造体(S)に対して前記固定プレート(10)の位置を調整することを可能にする所定の長さを有する、請求項1から25のいずれか一項又は複数の項に記載のヒンジ装置。
【請求項27】
固定支持構造体(S)、好ましくは床、天井、又はドアフレームの上部横材に好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素(A)を固定するためのシステムであって、
前記閉鎖要素(A)をロックするために前記閉鎖要素(A)に対して両側に位置決めされた少なくとも一対のクランプ要素(40)と、
請求項1から26のいずれか一項又は複数の項に記載の少なくとも1つのヒンジ装置(1)であって、前記少なくとも1つのヒンジ装置(1)は、前記クランプ要素(40)の間に介在する、少なくとも1つのヒンジ装置(1)と、
前記クランプ要素(40)の相互結合のための手段(48)と、を備え、
前記ヒンジ本体(30)が、上面(31)を有する箱型であり、前記クランプ要素(40)の各々が、前記ヒンジ本体(30)の前記上面(31)に面し、好ましくはその上に載置された下面(41)を備える、システム。
【請求項28】
前記ヒンジ本体(30)が、前記上面(31)に対して対向し、かつ実質的に垂直な一対の側面(33)をさらに備え、前記クランプ要素(40)の各々が、前記クランプ要素(40)を相互に接合するときに前記ドア(A)及び前記ヒンジ本体(30)の前記側面(33)にそれぞれ面したままであることができる第1及び第2の内側面(46、46´)を備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記ヒンジ本体(30)の前記第2の内側面(46、46´)及び前記対向する側面(33)のうちの少なくとも一方は、相互結合中に前記クランプ要素(40)を案内してセンタリングするために、前記ヒンジ本体(30)の前記第2の内側面(46、46´)及び前記対向する側面(33)のうちの他方で少なくとも得られる少なくとも1つの対応する雌又は雄要素(320)と相互に係合可能な少なくとも1つの雄又は雌要素(32´、32´´)を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの雄要素(32´、32´´)は、前記側面から突出するように前記ヒンジ本体(30)を貫通する少なくとも1つのピン(32)によって得られ、前記少なくとも1つの雌要素(320)は、前記クランプ要素(40)のうちの少なくとも1つで得られる少なくとも1つの孔である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記要素、前記ヒンジ本体(30)の前記第2の内側面(46、46´)及び前記対向する側面(33)は、互いに離間しており、前記システムは、前記ヒンジ本体(30)及び前記クランプ要素(40)の相互ロックのための手段(47)をさらに備える、請求項28、29又は30のいずれかに記載のシステム。
【請求項32】
前記相互ロック手段(47)は、前記クランプ要素(40)のそれぞれの少なくとも一方を貫通して前記ヒンジ本体(30)のそれぞれの前記側面(33)に当接する少なくとも1つのグラブねじ(43)を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記相互ロック手段(47)は、前記第2の内側面(46、46´)の少なくとも一方と前記ヒンジ本体(30)の少なくとも一方のそれぞれの側面(33)との間に介在する少なくとも1つのスペーサ(300)を含み、前記少なくとも1つのスペーサ(300)は、前記第2の内側面(46、46´)と前記ヒンジ本体(30)の前記対向する側面(33)との間の距離に少なくとも等しい長さを有する、請求項31又は32に記載のシステム。
【請求項34】
前記結合手段(48)は、前記ヒンジ本体(30)と前記クランプ要素(40)とを一体的に接合して動かして前記ドア(A)を取り付けることができるように、前記ヒンジ本体(30)を貫通する、請求項27から33のいずれか一項又は複数の項に記載のシステム。
【請求項35】
前記結合手段(48)が、前記クランプ要素(40)の一方を貫通して、前記クランプ要素(40)の他方で得られた対応するナットねじ(44´´)に係合する少なくとも1つのねじ(45)を備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記クランプ要素(40)の一方が、前記少なくとも1つの内部が滑らかなねじ(45)の通過のための少なくとも1つの孔(44´)を備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記ヒンジ本体(30)が、前記少なくとも1つの内部が滑らかなねじ(45)の通過のための少なくとも1つの孔(45´)を備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記結合手段(48)が、取り外し可能なタイプのものである、請求項27から37のいずれか一項又は複数の項に記載のシステム。
【請求項39】
前記ヒンジ装置(1)は、前記床に固定することができる第1のヒンジ装置であり、前記システムは、前記回転軸(X)を中心に回転するように互いに結合された第2のヒンジ本体と第2の固定プレート(10)とを有する第2のヒンジ装置をさらに備え、オペレータが左右のスイングドア並びにフリードアを固定することができるように、前記第2の固定プレート(10)は、前記第3の軸(Y)を画定し、少なくとも1つの後部固定孔(200)と、前記後部固定孔(200)及び少なくとも3つの前部固定孔(201)の間に係合された前記孔によって画定された前記第6の軸(Y´´´)が前記第3の軸(Y)と一致するか、又は一致しないように相互に位置決めされ選択的に係合可能な前記少なくとも3つの前部固定孔(201)とを備える、請求項27から38のいずれか一項又は複数の項に記載のシステム。
【請求項40】
固定支持構造体、好ましくは床、天井、又はドアフレームの上部横材に固定された、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素(A)の回転運動のためのヒンジ装置であって、
前記固定支持構造体に固定することができる固定要素(2)と、
前記閉鎖要素(A)に固定することができる可動要素と、を備え、
前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの一方は、第1の軸(Y´)を画定するヒンジ本体(30)を含み、前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの他方は、第2の軸(X)を画定するピンを備え、前記ヒンジ本体(30)及び前記ピン(20)は、開位置と閉位置との間で前記第2の軸(X)を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、
前記ヒンジ本体(30)は、前記ピン(20)のための座部(50)を含み、前記座部(50)及び前記ピン(20)のうちの一方は、前記ヒンジ本体(30)及び前記ピン(20)の相互の回転を差別化された方法で減衰させるために前記ピン(20)及び前記座部(50)のうちの他方と協働する減衰手段(54)を含む、ヒンジ装置。
【請求項41】
前記減衰手段(54)並びに前記ピン(20)及び前記座部(50)のうちの他方は、摩擦によって相互作用するそれぞれの接触面(54´、25)を有する、請求項40に記載のヒンジ装置。
【請求項42】
前記減衰手段(54)が、ポリマー要素を含むか、又はポリマー要素からなる、請求項40又は41に記載のヒンジ装置。
【請求項43】
前記座部(50)が前記減衰手段(54)を含む、請求項40、41又は42のいずれかに記載のヒンジ装置。
【請求項44】
前記座部(50)は、前記第1の平面(π´)に対して実質的に垂直な少なくとも1つの壁(53)を備え、前記ピン(20)は、周辺当接面(25)を備え、前記ポリマー要素(54)は、前記当接面(25)と相互作用するように前記少なくとも1つの壁(53)に接着している、請求項43に記載のヒンジ装置。
【請求項45】
前記ポリマーが、60Sh A~100Sh A、好ましくは80Sh A~95Sh Aの範囲に含まれる硬度を有するポリウレタンエラストマーである、請求項40から44のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
【請求項46】
前記ポリマーがブルコラン(登録商標)である、請求項40から45のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
【請求項47】
前記ヒンジ本体(30)は、前記第1の軸(Y´)を画定する作動チャンバ(55)を備え、前記作動チャンバ(55)は、前記閉鎖要素(A)の前記閉位置及び前記開位置のうちの一方に対応する第1のエンドストローク位置と、前記閉鎖要素(A)の前記閉位置及び前記開位置のうちの他方に対応する第2のエンドストローク位置との間で前記第1の軸(Y´)に沿って摺動するスライダ要素(51)を備える、請求項40から46のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
【請求項48】
前記ピン(20)はカム手段(22)を含み、前記少なくとも1つの作動チャンバ(55)は、前記スライダ要素(51)と動作可能に接続されたカムフォロワ手段(52)をさらに備え、前記カム手段(22)及び前記カムフォロワ手段(52)は、前記スライダ要素(51)の摺動が前記可動要素(3)の回転に対応するように動作可能に接続されている、請求項47に記載のヒンジ装置。
【請求項49】
前記カムフォロワ手段(52)は、実質的に湾曲した、好ましくは球形の形状を有し、前記スライダ要素(51)は、前記カムフォロワ手段(52)を収容することができる、前記座部(50)に面する第1の収容ゾーン(51´)を備える、請求項48に記載のヒンジ装置。
【請求項50】
前記作動チャンバ(55)が、前記第1及び第2のエンドストローク位置の一方から他方への通過を促進するように前記スライダ要素(51)と動作可能に接続された弾性反作用手段(56)をさらに備える、請求項47、48又は49のいずれかに記載のヒンジ装置。
【請求項51】
前記弾性反作用手段(56)は、第1及び第2の端(56´、56´´)を備え、前記スライダ要素(51)は、前記弾性反作用手段(56)の前記第1及び第2の端(56´、56´´)のうちの一方を収容するための前記第1の収容ゾーン(51´)の反対側の第2の収容領域(51´´)を備える、請求項50に記載のヒンジ装置。
【請求項52】
固定支持構造体(S)、好ましくは床、天井、又はドアフレームの上部横材に好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素(A)を固定するためのシステムであって、
閉鎖要素(A)をロックするために前記閉鎖要素(A)に対して両側に位置決めされた少なくとも一対のクランプ要素(40)と、
前記クランプ要素(40)の間に介在する少なくとも1つのヒンジ装置(1)であって、
前記固定支持構造体(S)に固定することができる固定要素(2)と、
前記閉鎖要素(A)に固定することができる可動要素(3)と、を備える少なくとも1つのヒンジ装置(1)と、を備え、
前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの一方は、第1の軸(Y´)を画定するヒンジ本体(30)を含み、前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの他方は、前記第1の軸(Y´)に実質的に垂直な第2の軸(X)を画定するピン(20)を備え、前記ヒンジ本体(30)及び前記ピン(20)は、開位置と閉位置との間で前記第2の軸(X)を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、
前記固定要素(2)は、第3の軸(Y)を画定する固定プレート(10)を備え、前記固定プレート(10)は、前記固定支持構造体(S)に固定することができる第1の面(11)と、前記ピン(20)を収容することができる座部(16)を備える第2の対向面(12)とを備え、
前記システムは、前記クランプ要素(40)の相互結合のための手段(48)をさらに備え、
前記ヒンジ本体(30)が、上面(31)を有する箱型であり、前記クランプ要素(40)の各々が、前記ヒンジ本体(30)の前記上面(31)に面し、好ましくはその上に載置された下面(41)を備える、システム。
【請求項53】
前記ヒンジ本体(30)が、前記上面(31)に対して対向し、かつ実質的に垂直な一対の側面(33)をさらに備え、前記クランプ要素(40)の各々が、前記クランプ要素(40)を相互に接合するときに前記ドア(A)及び前記ヒンジ本体(30)の前記側面(33)にそれぞれ面したままであることができる第1及び第2の内側面(46、46´)を備える、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記ヒンジ本体(30)の前記第2の内側面(46、46´)及び前記対向する側面(33)のうちの少なくとも一方は、相互結合中に前記クランプ要素(40)を案内してセンタリングするために、前記ヒンジ本体(30)の前記第2の内側面(46、46´)及び前記対向する側面(33)のうちの他方で少なくとも得られる少なくとも1つの対応する雌又は雄要素(320)と相互に係合可能な少なくとも1つの雄又は雌要素(32´、32´´)を含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記少なくとも1つの雄要素(32´、32´´)は、前記側面から突出するように前記ヒンジ本体(30)を貫通する少なくとも1つのピン(32)によって得られ、前記少なくとも1つの雌要素(320)は、前記クランプ要素(40)のうちの少なくとも1つで得られる少なくとも1つの孔である、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記要素、前記ヒンジ本体(30)の前記第2の内側面(46、46´)及び前記対向する側面(33)は、互いに離間しており、前記システムは、前記ヒンジ本体(30)及び前記クランプ要素(40)の相互ロックのための手段(47)をさらに備える、請求項53、54又は55のいずれかに記載のシステム。
【請求項57】
前記相互ロック手段(47)は、前記クランプ要素(40)のそれぞれの少なくとも一方を貫通して前記ヒンジ本体(30)のそれぞれの側面(33)に当接する少なくとも1つのグラブねじ(43)を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記相互ロック手段(47)は、前記第2の内側面(46、46´)の少なくとも一方と前記ヒンジ本体(30)の少なくとも一方のそれぞれの側面(33)との間に介在する少なくとも1つのスペーサ(300)を含み、前記少なくとも1つのスペーサ(300)は、前記第2の内側面(46、46´)と前記ヒンジ本体(30)の前記対向する側面(33)との間の距離に少なくとも等しい長さを有する、請求項56又は57に記載のシステム。
【請求項59】
前記結合手段(48)は、前記ヒンジ本体(30)と前記クランプ要素(40)とを一体的に接合して動かして前記ドア(A)を取り付けることができるように、前記ヒンジ本体(30)を貫通する、請求項52から58のいずれか一項又は複数の項に記載のシステム。
【請求項60】
前記結合手段(48)が、前記クランプ要素(40)の一方を貫通して、前記クランプ要素(40)の他方で得られた対応するナットねじ(44´´)に係合する少なくとも1つのねじ(45)を備える、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記クランプ要素(40)のうちの一方が、前記少なくとも1つの内部が滑らかなねじ(45)の通過のための少なくとも1つの孔(44´)を備える、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記ヒンジ本体(30)が、前記少なくとも1つの内部が滑らかなねじ(45)の通過のための少なくとも1つの孔(45´)を備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記結合手段(48)が、取り外し可能なタイプのものである、請求項52から62のいずれか一項又は複数の項に記載のシステム。
【請求項64】
前記ヒンジ装置(1)は、前記床に固定することができる第1のヒンジ装置であり、前記システムは、第2のヒンジ本体と、前記回転軸(X)を中心に回転するように互いに結合された第2の固定プレート(10)とを有する第2のヒンジ装置をさらに備え、オペレータが左右のスイングドア並びにフリードアを固定することができるように、前記第2の固定プレート(10)は、前記第3の軸(Y)を画定し、少なくとも1つの後部固定孔(200)と、前記後部固定孔(200)及び少なくとも3つの前部固定孔(201)の間に係合された前記孔によって画定された前記第6の軸(Y´´´)が前記第3の軸(Y)と一致するか、又は一致しないように相互に位置決めされ選択的に係合可能な前記少なくとも3つの前部固定孔(201)とを備える、請求項52から63のいずれか一項又は複数の項に記載のシステム。
【請求項65】
固定支持構造体(S)、好ましくは天井又はドアフレームの上部横材に固定された、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素(A)の回転運動のためのヒンジ装置であって、
前記固定支持構造体(S)に固定することができる固定要素(2)と、
前記閉鎖要素(A)に固定することができる可動要素(3)と、を備え、
前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの一方は、第1の軸(Y´)を画定するヒンジ本体(30)を含み、前記可動要素(3)又は前記固定要素(2)のうちの他方は、前記第1の軸(Y´)に実質的に垂直な第2の軸(X)を画定するピン(20)を備え、前記ヒンジ本体(30)及び前記ピン(20)は、開位置と閉位置との間で前記第2の軸(X)を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、
前記固定要素(2)は、第3の軸(Y)を画定する固定プレート(10)を備え、前記固定プレート(10)は、前記固定支持構造体(S)に固定することができる第1の面(11)と、前記ピン(20)を収容することができる座部(16)を備える第2の対向面(12)とを備え、
オペレータが左右のスイングドア並びにフリードアを固定することができるように、前記固定プレート(10)が、少なくとも1つの後部固定孔(200)と、前記後部固定孔(200)及び少なくとも3つの前部固定孔(201)の間に係合された前記孔によって画定された軸(Y´´´)が前記第3の軸(Y)と一致するか、又は一致しないように相互に位置決めされ選択的に係合可能な前記少なくとも3つの前部固定孔(201)とを備える、ヒンジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にヒンジの技術分野に関し、詳細には、床、フレーム、又は天井などの支持構造体に対してドア、リーフなどの閉鎖要素の回転運動のためのヒンジ、並びにドア、リーフ(leaf、可動部)などを支持構造体に固定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
支持構造体に対して、特にガラス製のドア又はリーフなどの閉鎖要素の回転運動のためのヒンジが知られている。
【0003】
そのようなヒンジは、典型的には、支持構造体に固定された固定要素と、ドアに固定され、互いに対して相互に回転することができる可動要素とを備える。
そのようなヒンジの例は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3より既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許第1072999801号明細書
【特許文献2】米国特許第2013000079号明細書
【特許文献3】オーストラリア特許第2012101498号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、非常に機能的で費用効果の高い閉鎖要素の回転運動のためのヒンジを提供することによって、上記で概説した欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【0006】
本発明の別の目的は、簡単な方法で閉鎖要素の開閉の減衰を可能にするヒンジを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、それが接続される支持構造体に対する閉鎖要素の閉位置の簡単な調整を可能にするヒンジ装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、異なる厚さの閉鎖要素へのヒンジの固定を可能にするシステムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、構成部品の数が低減されたヒンジを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、組み立てが容易なヒンジを提供することである。
【0011】
以下でより明らかになるこれら及び他の目的は、本明細書に記載及び/又は特許請求及び/又は図示されているものによるヒンジ及び/又は固定システムによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様では、固定支持構造体、好ましくは床、天井、又はドアフレームの上部横材に固定された、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素の回転運動のためのヒンジ装置を設けることができ、装置は、
固定支持構造体に固定可能な固定要素と、
閉鎖要素に固定することができる可動要素と、を備え、
前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの一方は、第1の軸を画定するヒンジ本体を含み、前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの他方は、前述の第1の軸に実質的に垂直な第2の軸を画定するピンを備え、前述のヒンジ本体及び前述のピンは、開位置と閉位置との間で前述の第2の軸を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、前述の第1及び第2の軸は第1の平面上にあり、
前述の固定要素は、第3の軸を画定する固定プレートを備え、前述の固定プレートは、
固定支持構造体に固定することができる第1の下面であって、第2の平面を画定する静止面を備える第1の下面と、
前述のピンを収容することができる座部を備える上面と、を備え、
前述のピンが結合端を備え、前述の固定プレートの前述の座部が、前述の結合端と相互作用又は接触することができる底壁とを備え、
オペレータが前述の固定プレートに対する前述のヒンジ本体の空間位置を調整することを可能にするように、前述の底壁及び前述の結合端のうちの少なくとも一方は、前述のピン及び前述の固定プレートが少なくとも前述の第3の軸に実質的に垂直かつ前述の第2の平面に実質的に平行な第4の軸を中心に互いに回転するように、及び/又は前述のピン及び前述の固定プレートが少なくとも前述の第2の軸に実質的に垂直かつ前述の第1の平面に実質的に平行な第5の軸を中心に互いに回転するように、湾曲形状である。
【0013】
従属請求項2から39に記載される前述の解決策の有利な実施形態。
【0014】
上記とは無関係に、さらなる態様では、固定支持構造体、好ましくは床、天井、又はドアフレームの上部横材に固定された、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素の回転運動のためのヒンジ装置が設けられてもよく、装置は、
固定支持構造体に固定可能な固定要素と、
閉鎖要素に固定することができる可動要素と、を備え、
前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの一方は、第1の軸を画定するヒンジ本体を含み、前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの他方は、第2の軸を画定するピンを含み、前述のヒンジ本体及び前述のピンは、開位置と閉位置との間で前述の第2の軸を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、
前述のヒンジ本体は、前述のピンのための座部を含み、前述の座部及び前述のピンのうちの一方は、前述のヒンジ本体及び前述のピンの相互の回転を差別化された方法で減衰させるために前述のピン及び前述の座部のうちの他方と協働する減衰手段を含む。
【0015】
従属請求項41から51に記載される前述の解決策の有利な実施形態。
【0016】
上記とは無関係に、さらなる態様では、固定支持構造体、好ましくは床、天井又はドアフレームの上部横材に、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素の固定のためのシステムが設けられてもよく、装置は、
閉鎖要素をロックするために閉鎖要素に対して両側に位置決めされた少なくとも一対のクランプ要素と、
前述のクランプ要素の間に介在する少なくとも1つのヒンジ装置であって、
固定支持構造体に固定可能な固定要素と、
閉鎖要素に固定することができる可動要素とを備え、
前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの一方は、第1の軸を画定するヒンジ本体を含み、前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの他方は、前述の第1の軸に実質的に垂直な第2の軸を画定するピンを備え、前述のヒンジ本体及び前述のピンは、開位置と閉位置との間で前述の第2の軸を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、
前述の固定要素は、第3の軸を画定する固定プレートを備え、前述の固定プレートは、前述の固定支持構造体に固定することができる下面と、前述のピンを収容することができる座部を備える上面とを備える、少なくとも1つのヒンジ装置と、を備え、
システムは、前述のクランプ要素の相互結合のための手段をさらに備え、
前述のヒンジ本体は、上面を有する箱型であり、前述のクランプ要素の各々は、前述のヒンジ本体の前述の上面に面する下面を含み、好ましくはその上に載置される。
【0017】
従属請求項53から64に記載される前述の解決策の有利な実施形態。
【0018】
上記とは無関係に、さらなる態様では、固定支持構造体、好ましくは天井又はドアフレームの上部横材に固定された、好ましくはガラス製のドアなどの閉鎖要素の回転運動のためのヒンジ装置が設けられてもよく、装置は、
固定支持構造体に固定可能な固定要素と、
閉鎖要素に固定することができる可動要素(3)と、を備え、
前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの一方は、第1の軸を画定するヒンジ本体を含み、前述の可動要素又は前述の固定要素のうちの他方は、前述の第1の軸に実質的に垂直な第2の軸を画定するピンを備え、前述のヒンジ本体及び前述のピンは、開位置と閉位置との間で前述の第2の軸を中心に相互に回転するように互いに回転可能に結合され、
前述の固定要素は、第3の軸を画定する固定プレートを備え、前述の固定プレートは、固定支持構造体に固定することができる第1の面と、前述のピンを収容することができる座部を備える第2の対向面とを備え、
オペレータが左右のスイングドア並びにフリードアを固定することができるように、前述の固定プレートは、少なくとも1つの後部固定孔と、後部固定孔及び少なくとも3つの前部固定孔の間に係合された孔によって画定された軸が前述の第3の軸と一致するか、又は一致しないように相互に位置決めされ選択的に係合可能な前述の少なくとも3つの前部固定孔とを備える。
【0019】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として示される、本発明のいくつかの好ましいが非排他的な実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ヒンジ装置1及び相対的固定システム4の第1の実施形態の正面図である。
【
図1C】代替的な実施形態における、
図1のいくつかの詳細の拡大図である。
【
図1D】代替的な実施形態における、
図1のいくつかの詳細の拡大図である。
【
図2】ピン20及び固定プレート10の不等角投影図である。
【
図3A】ドアAが閉位置にある、
図1の平面I-Iに沿った断面図である。
【
図3B】ドアAが開位置にある、
図1の平面I-Iに沿った断面図である。
【
図3C】代替実施形態における、
図3Aのいくつかの詳細の拡大図である。
【
図4】
図1の図示のヒンジ装置1及び相対的固定システム4の実施形態の分解不等角投影図である。
【
図5】プレート10に対するヒンジ本体30の空間位置を調整するときの
図4のヒンジ1の上面図である。
【
図6A】
図1の平面II-IIに沿った断面図である。
【
図6B】
図1の平面III-III面に沿った断面図である。
【
図7】ドアAに対するヒンジ1のさらなる実施形態の固定の部分分解概略図である。
【
図8】相対的な固定スリーブ100を有する固定プレート10のさらなる実施形態の不等角投影図である。
【
図9】支持構造体Sに固定された
図8のヒンジ1の実施形態の概略不等角投影図である。
【
図10A】固定システムの調整の様々な可能性を示す概略不等角投影図である。
【
図10B】固定システムの調整の様々な可能性を示す概略不等角投影図である。
【
図10C】固定システムの調整の様々な可能性を示す概略不等角投影図である。
【
図10D】固定システムの調整の様々な可能性を示す概略不等角投影図である。
【
図10E】固定システムの調整の様々な可能性を示す概略不等角投影図である。
【
図11】ヒンジ本体30への被覆要素350の結合を示す不等角投影図である。
【
図12】床及び天井への2つのヒンジ1の取り付けの概略不等角投影図である。
【
図13】上部ヒンジ1を天井又はドアAのフレームの上部直立部に取り付ける概略不等角投影図である。
【
図14】上部ヒンジ1を天井又はドアAのフレームの上部直立部に取り付ける概略不等角投影図である。
【
図15A】右に開口するスイングドアの場合の上部ヒンジ1の固定プレート10の天井又はドアAのフレームの上部直立部への位置決めの概略不等角投影図である。
【
図15B】左に開口するスイングドアの場合の上部ヒンジ1の固定プレート10の天井又はドアAのフレームの上部直立部への位置決めの概略不等角投影図である。
【
図15C】リーフのないフリードアの場合の上部ヒンジ1の固定プレート10の天井又はドアAのフレームの上部直立部への位置決めの概略不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述の図を参照して、本明細書では、壁、床、フレームなどの固定支持構造体Sに対して、好ましくはガラス製のリーフ、ドアなどの閉鎖要素Aの回転運動のためのヒンジ1について説明する。
【0022】
好ましくは、閉鎖要素Aは、平面πを画定するガラスドアであってもよいが、固定支持構造体Sは、床、天井、又はドアサブフレームの上部であってもよい。
【0023】
以下ではドアA及び床Sを参照するが、閉鎖要素及び固定支持構造体は、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく変化し得ることが理解される。
【0024】
本発明は、様々な部品及び/又は類似又は同一の要素を含むことができる。特に明記しない限り、類似又は同一の部品及び/又は要素は、単一の参照番号を使用して示され、記載された技術的特徴がすべての類似又は同一の部品及び/又は要素に共通であることは明らかである。
【0025】
本明細書では、
図1から
図6Bは、ヒンジ1及びドアAに対するその相対的固定システム4の第1の実施形態を示し、
図7から
図11は、そのさらなる実施形態を示す。特に明記されない場合、以下の説明で言及する特徴は、両方の実施形態に共通であることを意図している。
【0026】
ドアAは、少なくとも1つの閉位置と少なくとも1つの開位置との間で回転することができる。
【0027】
図3A~
図3Bに特に示すように、ヒンジ1は、機械式の、すなわち油圧減衰手段のないヒンジとすることができる。
【0028】
好ましいが非排他的な実施形態によれば、ヒンジ1は、スイングドアA用のヒンジであってもよい。
【0029】
そのようなヒンジ1は、床又は天井に固定することができる固定要素2と、ドアAに固定することができる可動要素3とを備えることができる。
【0030】
好ましくは、可動要素3は、軸Y´を画定するヒンジ本体30を含むことができる。
【0031】
特に
図2に示すように、固定要素2は、床に固定することができるプレート10と、互いに結合されたピン20とを備えることができる。
【0032】
適切には、ヒンジ本体30及びピン20は、ドアAの開閉位置を画定するために長手方向軸Xを中心に相互に回転するように結合することができる。
【0033】
添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、固定要素2がヒンジ本体30を含むことができる一方で、可動要素3がピン20を含むことができることは明らかである。
【0034】
好ましくは、ピン20は回転軸Xを画定することができ、カム要素22を有する本体27を備えることができる。
【0035】
本体27は、ピン20とプレート10とを結合するのに適した結合ゾーン23をさらに備えることができる。
【0036】
好ましくは、ピン20は、結合ゾーン23に位置決めされ、好ましくは軸Y´´に沿って軸Xに対して垂直に延在する一対の対向する長手方向突起21´、21´´を含むことができる。
【0037】
好ましいが非排他的な実施形態によれば、前述の対向する長手方向突起21´、21´´は、ピン20に一体的に接合され、そこから突出する実質的に円筒形のピン21の端部に対応することができる。
【0038】
好ましくは、前述のピン21は、ピン20の結合ゾーン23の貫通孔211に挿入することができる。この実施形態は、実施が特に簡単である。
【0039】
以下では貫通ピンを参照するが、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、対向する長手方向突起21´、21´´をピンと単一部品として作製できることは明らかである。
【0040】
さらに、ピン20の結合ゾーン23は、湾曲した結合端24を含むことができる。
【0041】
特に、湾曲した結合端24は、直径φ24を有する実質的に球形のキャップであってもよい。
【0042】
適切には、プレート10は、軸Yに沿って実質的に長手方向の延長部を有することができ、床面又は天井面と実質的に一致する平面π´´を画定する固定支持構造体Sと接触するための表面11´を含むことができる。
【0043】
プレート10を天井面に固定するために、細長いスロット101を通過する適切な固定スリーブ100を設けることができる。
【0044】
プレート10は、対向する2つの面11及び12を備えてもよく、そのうちの面11は床又は天井に固定されてもよい。
【0045】
これはまた、一対の対向する側面15を備えてもよい。
【0046】
特に
図1~
図2に示すように、面12は、ピン20の結合ゾーンを受け入れるのに適した座部16を備えることができる。
【0047】
この目的のために、座部16は、湾曲した結合端24を受け入れるのに適した中央部分16´´と、対向する長手方向突起21´、21´´を受け入れるのに適した一対の長手方向部分16´とを有することができる。
【0048】
座部16は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、長手方向部分16´なしで中央部分16´´のみを有してもよいことは明らかである。
【0049】
また、座部16は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、中央部分16´´及び長手方向部分16´のうちの一方のみを有してもよいことも明らかである。
【0050】
座部16の中央部分16´´は、湾曲した結合端24を受け入れるようなこうした幾何学形状を有してもよいことは明らかである。そのような幾何学的形状は変化してもよく、例えば、円筒形、平行六面体などであってもよいが、湾曲した結合端24を受け入れるような機能を実行するのに適しているものとする。
【0051】
座部16の中央部分16´´の上部開口16´´´は、湾曲した結合端24の通過を可能にするような寸法及び/又は構成を有することができる。例えば、長方形、正方形、円形、又は楕円形であってもよい。
【0052】
一方、座部16の中央部分16´´の底壁16´´´´は、湾曲した結合端24が回転できるような寸法及び/又は構成を有することができる。例えば、平坦、収束、又は湾曲であってもよい。場合によっては、座部16の中央部分16´´には底壁16´´´´がなくてもよい。
【0053】
好ましくは、部分16´´は、湾曲した結合端24の形状と実質的に相補的な形状を有することができる。したがって、それは実質的に球形キャップ形状であり、直径φ24に実質的に等しいか又はそれよりわずかに大きい直径φ16´´を有することができる。
【0054】
前述の実施形態は、本発明の非限定的な例としてのみ提供されることは明らかである。
【0055】
例えば、
図1Cに示すように、座部16の中央部分16´´の底壁16´´´´は、湾曲した形状、特に球形キャップを有することができ、一方、結合端24は、底壁16´´´´上で回転するのに適している限り、平坦又は任意の他の形状であってもよい。
【0056】
任意選択的に、座部16の中央部分16´´の底壁16´´´´及び結合端24の両方は、湾曲していてもよく、例えば球形キャップ形状であってもよい。
【0057】
さらに、例えば、
図1Dに示すように、座部16の中央部分16´´の底壁16´´´´と結合端24との間に、それらのいずれも湾曲していないか又は球形でなくても、1つ又は複数の湾曲しているか、又は球形のインターフェース要素を設けることができる。
【0058】
一般に、座部16の中央部分16´´の底壁16´´´´又は結合端部24の少なくとも一方は、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく、湾曲しているか又は球形であってよい。
【0059】
座部16は、底壁16´´´´を含むか、又はそれからなる内面を有してもよいことも明らかである。例えば、球形キャップ形状の座部16の場合、内面は底壁16´´´´から構成されてもよい。
【0060】
好ましくは、
図1Bに示すように、部分16´の対向する底面163、164間の距離L16´は、ピン21の長さL21に実質的に等しいか、又はそれよりわずかに大きくてもよい。
【0061】
好ましくは、各部分16´は、ピン21の直径φ21よりもわずかに大きい幅W16´を有することができ、それにより、ピン21は各部分16´の内側で移動可能である。
【0062】
特に、各部分16´は、幅W16´によって画定される距離を有する平面πに平行な一対の向かい合う側面165、166を含むことができる。
【0063】
各部分16´はまた、底面17を含むことができる。場合によっては、前述の底面17は、
図7~
図11に示す実施形態のように実質的に平坦であってもよく、又は
図1~
図6Bに示す実施形態のように軸Xに対して実質的に収束する軸を画定して傾斜(inclined defining)してもよい。
【0064】
上記に示された寸法は、例えば
図10B~
図10Eに示されるように、座部16の内側のピン20の適切な運動を可能にするようなものであってもよい。
【0065】
このような運動を実行すると、端21´、21´´と面163、164及び/又は端21´、21´´と面165、166とが互いに接触する可能性がある。
【0066】
上記のおかげで、ピン21と、ピン20及び細長いスロット16(elonged slot 16)の湾曲した結合端24との間のアセンブリは、固定プレート10に対するヒンジ本体30の空間位置を調整するための調整手段28として機能することができる。
【0067】
さらに、スロット101は、固定支持構造体Sに対する固定プレート10-ヒンジ本体30アセンブリの相対位置を調整するための手段として機能することができる。
【0068】
これにより、固定支持構造体に対するドアAの位置を正確に調整することができる。
【0069】
そのような調整は、特に
図10A~
図10Eに示すように、様々な方向に沿って実行される。
【0070】
特に
図10Aに示すように、特別なレンチWを使用してスリーブ100のピン100´を緩め、続いて締め付けることにより、実際には、固定プレート10を床又は天井に対して移動させるように、軸Yに沿った固定プレート10の並進を促進することができる。この並進の長さは、細長いスロット101の長さによって画定される。
【0071】
特に
図10B及び
図10Dに示すように、ピン20の湾曲した結合端24及び座部16の中央部分16´´の特定の形状を利用することにより、軸Yに垂直な軸Zを中心に及びピン21によって画定される軸Y´´を中心にピン20の回転をそれぞれ促進することも可能になる。
【0072】
特に
図10Cに示すように、ピン21と座部16の部分16´との間の寸法関係はまた、ピン20の軸Xを中心にピン20の回転を促進することを可能にする。
【0073】
ピン20の湾曲した結合端24及び座部16の中央部分16´´のこの特定の幾何学的形状はまた、前述の運動を生成することを可能にし、その結果、ピン20-ヒンジ本体30のアセンブリを様々な位置で調整することができる。
【0074】
調整手段28は、適切に二対の調整グラブねじ14、14´を備えることができる。
【0075】
調整グラブねじ14、14´は、座部16の両端161、162に配置されてもよい。より具体的には、調整グラブねじ14、14´は、座部16に配置されたピン21と相互作用するように、表面165、166を貫通して挿入されてもよい。
【0076】
これにより、ピン20の軸Xを中心にピン20の回転を促進することができる。
【0077】
調整グラブねじ14、14´の対は、それぞれの雌ねじ孔13、13´に適切に挿入することができる。雌ねじ孔は、プレート10の対向面15上に2個ずつ形成(formed two-by-two)されてもよい。
【0078】
これにより、高精度に座部16内でピン21の運動を案内することが可能になる。
【0079】
図10Eに特に示すように、グラブねじ14、14´及びねじ孔13、13´はまた、ヒンジ本体30の空間位置がプレート10に対して調整されると、ピン21の運動をロックするための停止手段としても機能することができる。
【0080】
調整手段28は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、好ましくはプレート10の側面15の軸Yに対して対向する位置に作られた単一の一対のねじ孔に結合することができる単一の一対の調整グラブねじを備えることができることは明らかである。
【0081】
特に
図12~
図15Cに示すように、上部ヒンジ1はまた、回転軸を中心に回転するように相互に結合されたヒンジ本体30及びピン20を含むことができる。ピンには、ダボ100によってドアフレームの上部又は天井に固定することができる固定プレート10が接続されてもよい。
【0082】
このような固定プレート10は、適切に後部孔200及び3つの隣接する前部孔201を含むことができる。
【0083】
固定プレート10のこの構成は、壁を穿孔する必要なく、ヒンジを変更することなく、むしろ、
図15A~
図15Cに示すように、前部スリーブ100のピン100´を隣接する孔201のうちの1つから外し、それを孔201のうちの別の中に再び挿入することによって、ドアAのタイプを変更することを可能にする。
【0084】
特に、
図15Aは、右に開口するスイングドアの場合の固定プレート10の位置決めを示し、
図15Bは、左に開口するスイングドアの場合の固定プレート10の位置決めを示し、
図15Cは、リーフのないフリードアの場合の固定プレート10の位置決めを示す。
【0085】
有利には、
図15A及び
図15Bによる固定プレート10の位置決めは、その機械的部分に作用することなくヒンジ1に予圧をかけることを可能にする。
【0086】
本発明のさらなる態様によれば、ヒンジ本体30は、実質的に箱形であってもよく、所定の幅L31を有する上面31を備えてもよい。
【0087】
さらに、ヒンジ本体30は、特に
図4に示すように、摺動面31に対向し、摺動面31に対して隣接する一対の側面33を含むことができる。
【0088】
好ましいが非排他的な実施形態では、ヒンジ本体30は、ピン20を介在させて軸Y´に沿って摺動することによって互いに結合することができる2つのハーフシェル30´、30´´(half-shells 30´、30´´)からなることができる。
【0089】
例えば、ヒンジ本体30は、当該出願人名義の国際出願公開第2017/195180号パンフレットの開示に従って作製することができ、これについては精査するために参照するものとする。
【0090】
ヒンジ本体30は、内部にピン20を挿入するための座部50(seat 50)を適切に備えることができる。
【0091】
追加で、ヒンジ本体30は、軸Y´を画定する作動チャンバ55を備えることができる。
【0092】
作動チャンバ55は、ドアAの開閉を画定する2つのエンドストローク位置の間で摺動可能なスライダ要素51を備えることができる。
【0093】
スライダ要素51は、カムフォロワ要素52及び対向するハウジングゾーン51´´が挿入され得るハウジングゾーン51´を含むことができる。
【0094】
カムフォロワ要素52は、実質的に球形又は円筒形であってもよく、カム要素22と相互に接触してもよい。
【0095】
作動チャンバ55はまた、ドアAの自動開閉を容易にし、プランジャ51のエンドストローク位置の一方から他方への通過を容易にするための、例えば、ばね56などの弾性反作用手段を備えてもよいことは明らかである。
【0096】
前述のばね56は、2つの対向する端56´、56´´を備えてもよく、その一方は、ハウジングゾーン51´´に挿入されてもよい。
【0097】
好ましくは、座部50は、カム要素22の当接面25と相互作用する減衰手段54を備えることができる。
【0098】
減衰手段54は、カム要素22に固有の偏心と協働して、軸Xを中心に固定要素2及び可動要素3の回転を差別化された方法で適切に減衰させることができる。
【0099】
減衰手段54は、好ましくは、カム要素22の当接面25と接触する接触面54´を有することができる。
【0100】
減衰手段は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、例えば
図3Cに示すように、ピン20の一体部分であってもよく、又はピンと結合されてもよく、及びチャンバ50の内壁と相互作用してもよいことは明らかである。
【0101】
特に、減衰手段54は、例えば平坦な又は平行六面体形状のポリマー要素を含むか、又はそれからなってもよい。
【0102】
特に、高弾性、ポリマー要素54自体とカム22の面25との間の相互作用によって生じる摩擦力によって引き起こされる摩耗、引裂き及び永久変形に対する高い耐性を有するポリマーを使用することができる。
【0103】
有利には、ポリマー要素54の材料はエラストマーであってもよい。
【0104】
より具体的には、ポリマー要素54は、60Sh A~100Sh A(ショアA硬度60度から100度の間)、好ましくは80Sh A~95Sh A(ショアA硬度80度から95度の間)の硬度を有するポリウレタンエラストマーであってもよい。
【0105】
例えば、エラストマーは、ブルコラン(登録商標)であってもよい。
【0106】
好ましくは、座部50は、ポリマー要素54が結合される作動チャンバ55に面する壁53を備えてもよい。
【0107】
これにより、ポリマー要素54と面25との間の相互作用によって生じる差別化された減衰作用を最適化することが可能になる。
【0108】
ヒンジ1は、以下により詳細に説明するように、適切な固定システム4によって、固定支持構造体Sに、例えば床、天井又はフレームの上部に固定することができる。
【0109】
例えば、
図7に示すように、固定システム4は、ヒンジ1と、両側でドアAをロックするように設計された一対のクランプ要素40とを備えることができる。この目的のために、適切な実質的に長方形のポケットTが、それ自体既知の方法でドアAに設けられてもよい。
【0110】
クランプ要素40の各々は、ドアAに面したままであるのに適した第1の内側面46と、ヒンジ本体30に面したままであるのに適した第2の内側面46´と、ヒンジ本体30に面する外側面49及び下面41とを備えてもよい。
【0111】
ガラスドアの場合、ポリマー又はエラストマー材料で作られたインターフェース要素A1は、各クランプ要素40とガラス面との間にそれ自体既知の方法で配置されてもよい。
【0112】
クランプ要素40は、ドアAがそれらの間に介在して一体的に接合されたままであるように、結合手段48によって互いに適切に結合されてもよい。
【0113】
有利には、側面46の間の距離dは、ドアAの厚さsに応じて変化してもよい。
【0114】
これにより、摺動面31の幅L31に対して実質的により小さいサイズを有する、異なる厚さsのドアAを、より大きいサイズと同様に支持することができる。
【0115】
ドアAはまた、ヒンジ本体30の摺動面31上に適切に載置されてもよい。
【0116】
このようにして、ドアAの重量は、ドアAを床に固定するのに寄与し得る。
【0117】
結合手段48は、ねじ及びナットねじ手段45、44´´によって画定されてもよい。
【0118】
特に、ねじ45は、第1のクランプ要素40の完全に滑らかであってもよい貫通孔44´を貫通して設けられて、他のクランプ要素40の孔44´´の内側に設けられた対応するナットねじと係合してもよい。
【0119】
有利には、各ねじ45が対応するねじ孔44´´に係合するためには、それはヒンジ本体30を通過しなければならない。
【0120】
この目的のために、ねじ45の一方は、面31の上方を通過し、インターフェース要素A1上に作製された孔A1´を貫通することができる。この目的のために、ポケットTは、ねじ45のための適切な通路を提供することができる。
【0121】
他のねじ45はまた、ヒンジ本体30を貫通する適切な滑らかな孔45´を貫通することができる。
【0122】
しかしながら、結合手段48は、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく、単一のナットねじにねじ込むことができる単一のねじを備えることができることは明らかである。
【0123】
クランプ要素40の運動を案内するために、ねじ45がねじ込まれるとき、及びヒンジ本体30に対してクランプ要素40を中心に配置するときに、適切な案内及びセンタリング手段を設けることができる。
【0124】
好ましいが非排他的な実施形態では、前述の案内及びセンタリング手段は、対応する雌座部、例えばクランプ要素40に設けられた案内及びセンタリング孔320に係合するようにヒンジ本体30の側面33から突出する1つ又は複数の雄要素、例えば細長い要素32´、32´´を備えることができる。
【0125】
好ましいが非排他的な実施形態によれば、細長い要素32´、32´´は、軸Y´を貫通する平面対称π´に対して対称的に設けられ得る。
【0126】
しかしながら、ヒンジ本体30の側面33の一方のみが、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の雄要素を含むことができることは明らかである。
【0127】
さらに、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく、ヒンジ本体の第2の表面46´及び雌座部の一方又は両方に、1つ又は複数の雄要素を設けることができることは明らかである。
【0128】
さらに、ヒンジ本体及びクランプ要素が雄要素及び雌要素を含んでもよいことは明らかである。
【0129】
好ましくは、
図6A及び
図6Bに特に見られるように、細長い要素32´、32´´は、ヒンジ本体30を貫通するピン32によって提供されてもよい。これにより、細長い要素32´、32´´を簡単で費用効果の高い方法で提供することが可能になる。
【0130】
クランプ要素40が相互に結合され、それらの間でドアAがロックされると、ヒンジ本体30は、適切なロック手段47によってクランプ要素40に対してロックされなければならない。
【0131】
この目的のために、例えば
図7に示す好ましいが非排他的な実施形態では、ロック手段47は、ヒンジ本体30とクランプ要素40との間に介在したままであるように細長い要素32´、32´´に挿入することができる環状スペーサ300を含むか、又はそれからなることができる。
【0132】
第2の内側面46´とヒンジ本体30の対向する側面33との間の距離に少なくとも等しい長さを有することができる1つ又は複数のスペーサを、細長い要素32´、32´´に挿入することができる。
【0133】
例えば
図4に示すさらなる実施形態によれば、ロック手段47は、面46及び49に設けられたねじ孔42、42´、42´´に挿入することができる1つ又は複数の対の調整グラブねじ43、43´、43´´を備えることができる。
【0134】
ロック手段47のこのような実施形態は、ヒンジ本体30に対してクランプ要素40を適切に均等に間隔をあけることができる。一方、グラブねじに適切に作用することにより、ドアAをヒンジ本体30に対して移動させることができる。
【0135】
固定システム4は、任意の厚さのドアAをヒンジ1に簡単かつ迅速に結合することを可能にする。固定システム4は、実際には、面31の幅L31よりもさらに厚さのあるドアAを固定することを可能にする。
【0136】
特に
図11に示される固定システム4のさらなる利点は、クランプ要素40を覆うための要素350が、その厚さに関係なくドアAに常に接着されるという事実にある。
【0137】
上記に照らして、本発明が事前設定された目的を達成することは明らかである。
【0138】
本発明は、添付の特許請求の範囲に概説されている本発明の概念にすべて含まれる多数の修正及び変形を受け入れることができる。すべての詳細は、他の技術的に等価な要素で置き換えることができ、材料は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、技術的必要性に応じて異なり得る。
【0139】
本発明を特に添付の図面を参照して説明してきたが、明細書及び特許請求の範囲で利用される参照番号は、本発明の理解度を改善するためのものであり、したがって、特許請求される保護の範囲をいかなる方法でも限定するものではない。
【国際調査報告】