(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】カプシド集合修飾因子としての縮合複素環誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 471/22 20060101AFI20220729BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20220729BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220729BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220729BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220729BHJP
C07D 498/22 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20220729BHJP
C07D 498/14 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
C07D471/22
A61P31/20
A61P1/16
A61P43/00 121
A61K45/00
C07D498/22 CSP
A61K31/55
A61K31/551
C07D498/14
A61K31/4985
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570398
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 EP2020064751
(87)【国際公開番号】W WO2020239864
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510020022
【氏名又は名称】ヤンセン・サイエンシズ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(72)【発明者】
【氏名】クドゥク,スコット ディー.
【テーマコード(参考)】
4C065
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065BB03
4C065BB05
4C065BB09
4C065CC02
4C065CC06
4C065DD05
4C065EE04
4C065HH09
4C065JJ01
4C065KK01
4C065KK02
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP03
4C065QQ05
4C072AA01
4C072AA07
4C072BB03
4C072BB04
4C072BB06
4C072CC04
4C072CC11
4C072EE02
4C072FF04
4C072GG07
4C072GG09
4C072HH02
4C072JJ03
4C072UU01
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA58
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZA751
4C084ZA752
4C084ZB072
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZC202
4C084ZC412
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB13
4C086CB22
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
CAM1の調整により影響される疾患、症候群、状態及び障害を処置するための、化合物、組成物及び方法が開示される。このような化合物は次のような式(I)により表される:
【化1】
(式中、R
1、R
1A、R
2、R
3、R
4、HET、n、X、Y、Z
1、及びZ
2は、本明細書中で定義されるとおりである)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
(式中
R
1は、水素、C
1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC
1~4アルキル、及びフルオロからなる群から独立して選択され;
R
1Aは、独立して、水素又はR
1と一緒になってメチレニルを形成し;
nは、0、1、又は2である整数であり;
R
2は、水素及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され;
R
3は、Cl、CN、及びC
1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
R
4は、H、又はFであり;
HETは、任意選択的にC
1~4アルキル、ブロモ、クロロ、フルオロ、及びヒドロキシ(C
1~4)アルキルからなる群から選択される1~2個の置換基で独立して置換された5又は6員のヘテロアリールであり;
X及びYは、それぞれ、何れの場合でもX及びYの一方のみがNであるように、N又はCから独立して選択され;
Z
1は、N又はCであり;
Z
2は、N又はCFである)。
【請求項2】
R
1は、水素、C
1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC
1~4アルキル、及びフルオロからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1及びR
1Aは、R
1と一緒になってメチレニルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
nは1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
nは0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
nは2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
2は、H又はCH
3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
2はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
2はCH
3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
3は、Cl、CN、又はCF
3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R
4はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R
4はFである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
YはNであり、XはCである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
YはCであり、XはNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Z
1はNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Z
1はCである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Z
2はNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Z
2はCFである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
【化2】
は、3-シアノ-4-フルオロフェニル、4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル、又は3-クロロ-4-フルオロフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
【化3】
は、3-シアノ-4-フルオロフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
HETは、イソオキサゾリル、ピリジニル、トリアゾリル、3-メチル-トリアゾリル、ピリダジニル、ピラゾリル、又は1-メチルピラゾリルからなる群から独立して選択されるヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
HETは、イソオキサゾリル及びピラゾリルからなる群から独立して選択されるヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(5S
*)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(5S
*)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(5R
*)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(5R
*)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(10R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(10R)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(11R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
(11R)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
(10R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(10R)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
(11R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
(11R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(1H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ-[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ-[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ-[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド;
及び
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]-シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド;
又はその薬学的に許容可能な塩形態。
【請求項24】
以下からなる群から選択される、請求項23に記載の化合物
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(5S
*)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(5R
*)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
(10R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド;
N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド;
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
及び
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド;
又はその薬学的に許容可能な塩形態。
【請求項25】
(A)式(I)の化合物から選択される少なくとも1つの化合物:
【化4】
(式中
R
1は、水素、C
1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC
1~4アルキル、及びフルオロからなる群から独立して選択され;
R
1Aは、独立して、水素又はR
1と一緒になってメチレニルを形成し;
nは、0、1、又は2である整数であり;
R
2は、水素及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され;
R
3は、Cl、CN、及びC
1~4ハロアルキルからなる群から選択され;
R
4は、H、又はFであり;
HETは、任意選択的にC
1~4アルキル、ブロモ、クロロ、フルオロ、及びヒドロキシ(C
1~4)アルキルからなる群から選択される1~2個の置換基で独立して置換された5又は6員のヘテロアリールであり;
X及びYは、それぞれ、何れの場合でもX及びYの一方のみがNであるように、N又はCから独立して選択され;
Z
1は、N又はCであり;
Z
2は、N又はCFである;)
及び式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、同位体変異体、又はN-オキシド;並びに
(B)少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤
を含む医薬組成物。
【請求項26】
請求項23に記載の少なくとも1つの化合物と少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項27】
HBV感染の処置を必要とする個体においてHBV感染を処置する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の治療的有効量を前記個体に投与することを含む、方法。
【請求項28】
HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は減少させることを必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は減少させる方法であって、請求項1に記載の化合物の治療的有効量を前記個体に投与することを含む、方法。
【請求項29】
前記個体に少なくとも1つのさらなる治療剤を投与することをさらに含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記さらなる治療剤が、HBVポリメラーゼ阻害剤、免疫修飾因子、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、カプシド集合修飾因子、逆転写酵素阻害剤、シクロフィリン/TNF阻害剤、TLRアゴニスト及びHBVワクチンからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記逆転写酵素阻害剤が、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ddA、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、エンテカビル、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、テノフォビル、アデフォビル、PMPA、シドフォビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン及びエトラビリンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記TLRアゴニストが、SM360320(9-ベンジル-8-ヒドロキシ-2-(2-メトキシ-エトキシ)アデニン)及びAZD8848(メチル[3-({[3-(6-アミノ-2-ブトキシ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)プロピル][3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセタート)からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記HBVワクチンが、RECOMBIVAX HB、ENGERIX-B、ELOVAC B、GENEVAC-B及びSHANVAC Bからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アゼピン化合物、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物を調製するための化学的工程、並びに動物、特にヒトにおけるHBV感染に関連する疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、その全内容が本明細書に組み込まれる、2019年5月28日出願の米国仮特許出願第62/853,528号明細書に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染は、世界規模の重大な健康問題であり、世界人口の5%超(世界中で3億5千万人超の人々及び米国内で125万人)に影響を及ぼしている。
【0004】
予防用HBVワクチンが入手可能であるにもかかわらず、これは次善の治療選択肢であり、発展途上国の大半の地域で新規感染率が持続しているため、慢性HBV感染の負担は、未だに対処されていない世界規模の重大な医療問題であり続けている。現行の治療は、治癒をもたらさず、2つのクラスの薬剤(インターフェロンアルファ及びヌクレオシド類似体/ウイルスポリメラーゼの阻害剤)のみに限定され;薬剤耐性があること、有効性が低いこと及び忍容性に関する問題により、それらの効果は限定的となっている。HBVの治癒率の低さは、少なくとも一部、単一の抗ウイルス剤ではウイルス産生の完全な抑制を達成することが困難であるという事実に起因する。しかし、HBV DNAの持続的な抑制は、肝臓疾患の進行を遅らせ、肝細胞癌を予防するために役立つ。HBV感染患者に対する現在の治療目標は、血清HBV DNAを低レベル又は検出不能なレベルまで低下させ、最終的に肝硬変及び肝細胞癌の発症を減少させるか又は予防することにある。
【0005】
HBVカプシドタンパク質は、ウイルスの生活環中で必須の機能を果たす。HBVカプシド/コアタンパク質は、細胞内通過中にウイルスゲノムを保護する準安定状態のウイルス粒子又はタンパク質殻を形成し、且つゲノムカプシド形成、ゲノム複製及びビリオンの形態形成及び放出を含むウイルス複製過程においても中心的な役割を果たす。カプシド構造は、ウイルス侵入後に脱殻を可能にする環境要因にも応答する。一貫して、カプシドの集合及び分解の適切なタイミング、適切なカプシド安定性及びコアタンパク質の機能は、ウイルスの感染性に極めて重要であることが分かっている。
【0006】
HBVカプシドタンパク質の極めて重要な機能により、ウイルスカプシドタンパク質配列に対して厳密な進化抑制が課され、それにより配列変動性が低くなり、高度に保存されるようになることが認められる。一貫して、その集合を崩壊させるHBVカプシドにおける突然変異は致死的であり、カプシド安定性を混乱させる突然変異は、ウイルス複製を大きく減弱させる。多数の突然変異は機能にとって有害であるので、多機能性HBVコア/カプシドタンパク質に対する高度の機能的制約は、高度の配列保存と合致している。実際に、コア/カプシドタンパク質配列は、HBV遺伝子型にわたり>90%同一であり、多形性残基は少数である。従って、HBVコア/カプシドタンパク質結合化合物に対する耐性選択は、ウイルス複製適応度に大きな影響を及ぼさずに選択することが困難であり得る。
【0007】
ウイルスカプシドに結合してHIV、ライノウイルス及びHBVの複製を阻害する化合物について記載している報告書は、抗ウイルス薬標的としてのウイルスカプシドタンパク質に対する強力な薬物学的概念実証を提供する。
【0008】
当技術分野において、ウイルス産生の抑制を向上させ得、HBV感染を処置、改善及び/又は予防し得る治療剤が必要とされている。単剤療法として又は他のHBV処置若しくは補助的処置と組み合わせての何れかで、HBV感染患者にこのような治療剤を投与することにより、ウイルス負荷量が大幅に減少し、予後が改善され、疾患進行が軽減され、セロコンバージョン率が向上する。
【0009】
HBVの臨床的な重要性を考えると、ウイルス産生の抑制を向上させ得る、及びHBV感染を処置、寛解及び/又は予防し得る化合物の同定は、新しい治療剤を開発するための魅力的な手段となる。本明細書ではそのような化合物を提供する。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、参照により本明細書に組み込まれる、それぞれが本明細書に添付される独立及び従属請求項により定義される、一般的な及び好ましい実施形態に関する。詳細には、本開示は、式(I)の化合物:
【化1】
及び式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、立体異性体、同位体変異体、N-オキシド、又は溶媒和物に関する;
(式中
R
1は、水素、C
1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC
1~4アルキル、及びフルオロからなる群から独立して選択され、
R
1Aは、独立して、水素又はR
1と一緒になってメチレニルを形成し、
nは、0、1、又は2である整数であり、
R
2は、水素及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
R
3は、Cl、CN、及びC
1~4ハロアルキルからなる群から選択され、
R
4は、H、又はFであり、
HETは、任意選択的にC
1~4アルキル、ブロモ、クロロ、フルオロ、及びヒドロキシ(C
1~4)アルキルからなる群から選択される1~2個の置換基で独立して置換された5又は6員のヘテロアリールであり、
X及びYは、それぞれ、何れの場合でもX及びYの一方のみがNであるように、N又はCから独立して選択され、
Z
1は、N又はCであり、
Z
2は、N又はCFである。)
【0011】
さらなる実施形態は、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、式(I)の化合物の薬学的に許容可能なプロドラッグ、式(I)の化合物の薬学的に活性である代謝産物及び式(I)の化合物のエナンチオマー及びジアステレオマー並びにそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。
【0012】
実施形態では、式(I)の化合物は、下記の詳細な説明において記載又は例示されるそれらの種から選択される化合物である。
【0013】
本開示は、式(I)の1つ以上の化合物、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、式(I)の化合物の薬学的に許容可能なプロドラッグ及び式(I)の化合物の薬学的に活性である代謝産物を含む医薬組成物も対象とする。医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤又は1つ以上の他の薬剤若しくは治療薬をさらに含み得る。
【0014】
本開示は、式(I)の化合物の使用方法又は使用も対象とする。実施形態では、式(I)の化合物は、B型肝炎ウイルス(HBV)感染を処置若しくは改善するため、HBV産生の抑制を増加させるため、HBVカプシド集合又は他のHBVウイルス複製段階若しくはそれらの生成物を妨害するために使用される。本方法は、そのような方法を必要とする対象に有効量の式(I)の少なくとも1つの化合物、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、式(I)の化合物の薬学的に許容可能なプロドラッグ及び式(I)の化合物の薬学的に活性である代謝産物を投与することを含む。詳細な説明では、治療方法のさらなる実施形態を規定する。
【0015】
本開示の目的は、従来技術及び/又は先行技術の欠点の少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又はそれの有用な代替を提供することである。本開示のさらなる実施形態、特徴及び利点は、下記の詳細な説明から、及び本明細書に開示した主題の実践を通して明白になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の主題のさらなる実施形態、特徴及び利点は、そのような開示の下記の詳細な説明から、及びその実践を通して明白になるであろう。簡潔にするために、本明細書で言及した特許を含む刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
本明細書中で、式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能なプロドラッグ並びに開示される化合物の薬学的に活性である代謝産物が提供される。
【0018】
一態様において、式(I)の化合物、及びその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、同位体変異体、N-オキシド、又は溶媒和物
【化2】
及び式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、立体異性体、同位体変異体、N-オキシド、又は溶媒和物が本明細書に提供される;
(式中
R
1は、水素、C
1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC
1~4アルキル、及びフルオロからなる群から独立して選択され、
R
1Aは、独立して、水素又はR
1と一緒になってメチレニルを形成し、
nは、0、1、又は2である整数であり、
R
2は、水素及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
R
3は、Cl、CN、及びC
1~4ハロアルキルからなる群から選択され、
R
4は、H、又はFであり、
HETは、任意選択的にC
1~4アルキル、ブロモ、クロロ、フルオロ、及びヒドロキシ(C
1~4)アルキルから選択される1~2個の置換基で独立して置換された5又は6員のヘテロアリールであり、
X及びYは、それぞれ、何れの場合でもX及びYの一方のみがNであるように、N又はCから独立して選択され、
Z
1は、N又はCであり、
Z
2は、N又はCFである。)
【0019】
実施形態において、式(I)の化合物は、R1が水素、C1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC1~4アルキル、又はフルオロである化合物である。
【0020】
実施形態において、式(I)の化合物は、R1及びR1Aが、R1と一緒になってメチレニルを形成する化合物である。
【0021】
実施形態において、式(I)の化合物は、nが1である化合物である。
【0022】
実施形態において、式(I)の化合物は、nが0である化合物である。
【0023】
実施形態において、式(I)の化合物は、nが2である化合物である。
【0024】
実施形態において、式(I)の化合物は、R2がH又はCH3である化合物である。
【0025】
実施形態において、式(I)の化合物は、R2がHである化合物である。
【0026】
実施形態において、式(I)の化合物は、R2がCH3である化合物である。
【0027】
実施形態において、式(I)の化合物は、R3がCl、CN、又はCF3である化合物である。
【0028】
実施形態において、式(I)の化合物は、R4がHである化合物である。
【0029】
実施形態において、式(I)の化合物は、R4がFである化合物である。
【0030】
実施形態において、式(I)の化合物は、YがNであり、XがCである化合物である。
【0031】
実施形態において、式(I)の化合物は、YがCであり、XがNである化合物である。
【0032】
実施形態において、式(I)の化合物は、Z1がNである化合物である。
【0033】
実施形態において、式(I)の化合物は、Z1がCである化合物である。
【0034】
実施形態において、式(I)の化合物は、Z2がNである化合物である。
【0035】
実施形態において、式(I)の化合物は、Z2がCFである化合物である。
【0036】
実施形態において、式(I)の化合物は、
【化3】
が3-シアノ-4-フルオロフェニル、4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル、又は3-クロロ-4-フルオロフェニルである化合物である。
【0037】
実施形態において、式(I)の化合物は、
【化4】
が3-シアノ-4-フルオロフェニルである化合物である。
【0038】
実施形態において、式(I)の化合物は、HETが、イソオキサゾリル、ピリジニル、トリアゾニル、3-メチル-トリアゾニル、ピリダジニル、ピラゾリル、又は1-メチルピラゾリルからなる群から独立して選択されるヘテロアリールである化合物である。
【0039】
実施形態において、式(I)の化合物は、HETがイソオキサゾリル及びピラゾリルからなる群から独立して選択されるヘテロアリールである化合物である。
【0040】
本開示のさらなる実施形態は、以下からなる群から選択される化合物である:
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
並びにその薬学的に許容され得る薬学的に許容可能な塩、N-オキシド、又は溶媒和物。
【0049】
医薬組成物
以下を含む医薬組成物も本明細書に開示される
(A)少なくとも1つの式(I)の化合物:
【化5】
(式中
R
1は、水素、C
1~4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(2,2-ジフルオロエトキシ)メチル、OC
1~4アルキル、及びフルオロからなる群から独立して選択され、
R
1Aは、独立して、水素又はR
1と一緒になってメチレニルを形成し、
nは、0、1、又は2である整数であり、
R
2は、水素及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
R
3は、Cl、CN、及びC
1~4ハロアルキルからなる群から選択され、
R
4は、H、又はFであり、
HETは、任意選択的にC
1~4アルキル、ブロモ、クロロ、フルオロ、及びヒドロキシ(C
1~4)アルキルから選択される1~2個の置換基で独立して置換された5又は6員のヘテロアリールであり、
X及びYは、それぞれ、何れの場合でもX及びYの一方のみがNであるように、N又はCから独立して選択され、
Z
1は、N又はCであり、
Z
2は、N又はCFである)
及び式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、立体異性体、同位体変異体、N-オキシド又は溶媒和物、並びに
(B)少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤。
【0050】
本開示の実施形態は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤及び以下からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物である:
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
並びにこのような化合物の任意の薬学的に許容可能な塩、N-オキシド若しくは溶媒和物、又はこのような化合物の任意の薬学的に許容可能なプロドラッグ、又はこのような化合物の任意の薬学的に活性な代謝産物。
【0055】
実施形態では、本医薬組成物は、少なくとも1つのさらなる活性薬剤又は治療剤を含む。さらなる活性治療剤は、例えば、抗HBV剤、例えばHBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、カプシド集合修飾因子、逆転写酵素阻害剤、免疫修飾因子、例えばTLRアゴニスト、又はHBV生活環及び/又はHBV感染の結果に影響を及ぼす何らかの他の薬剤を含み得る。本開示の活性薬剤は、本開示の医薬組成物を調製するために、単独で、又は1つ以上のさらなる活性薬剤と組み合わせて使用される。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「組成物」又は「医薬組成物」という用語は、本開示の範囲内で有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容可能な担体との混合物を指す。本医薬組成物は、患者又は対象への本化合物の投与を容易にする。当技術分野では、化合物を投与する多くの技術が存在し、静脈内、経口、エアロゾル、非経口、眼、肺及び局所投与が挙げられるが限定されない。
【0057】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、本開示の範囲内で有用な化合物を、その目的とする機能を果たすことができるように、患者の体内で又は患者に運搬若しくは輸送することに関与する、液体若しくは固形充填剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒又はカプセル化材料などの薬学的に許容可能な材料、組成物又は担体を意味する。典型的には、このようなコンストラクトは、1つの臓器又は身体の部分から別の臓器又は身体の部分に運搬又は輸送される。各担体は、本開示の範囲内で有用な化合物を含む処方物の他の成分との適合性を有し、患者に有害ではないという意味において「許容可能」なものでなければならない。薬学的に許容可能な担体となり得る材料の一部の例としては、糖類、例えばラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオ脂及び坐剤ワックス;油、例えば落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油;グリコール類、例えばプロピレングリコール;ポリオール類、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;エステル類、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;界面活性剤;アルギン酸;パイロジェン不含水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬処方物中で使用される他の無毒性の適合性物質が挙げられる。
【0058】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」は、本開示の範囲内で有用な化合物の活性と適合性があり、且つ患者に対して生理学的に許容可能なありとあらゆるコーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤並びに吸収遅延剤なども含む。補助的な活性化合物も本組成物中に組み込まれ得る。「薬学的に許容可能な担体」は、本開示の範囲内で有用な化合物の薬学的に許容可能な塩をさらに含み得る。本開示の実施において用いられる医薬組成物に含まれ得る他のさらなる成分は、当技術分野で公知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985 ,Easton,PA)に記載されている。
【0059】
「薬学的に許容可能な賦形剤」は、無毒性で、生物学的に忍容性である、及びそうでなければ対象に投与するために生物学的に適切である物質、例えば薬理学的組成物に添加される、又は、そうでなければ薬剤の投与を促進する、ビヒクル、担体若しくは希釈剤として使用される、及びそれらと適合性である不活性物質を意味する。賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及びある種のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0060】
活性薬剤の1つ以上の用量単位を含有する医薬組成物の送達形態は、適切な薬賦形剤を使用し、当業者にとって公知の、又は当業者にとって利用可能になる配合技術を使用して調製され得る。組成物は、本発明の方法において、適切な送達経路、例えば、経口、非経口、経直腸、局所若しくは眼経路又は吸入によって投与され得る。
【0061】
製剤は、錠剤、カプセル剤、サシェ剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤、薬用キャンディー、再構成用の粉末、液体製剤又は坐剤の形態であり得る。好ましくは、組成物は、静脈内注入、局所投与又は経口投与のために調製される。
【0062】
経口投与の場合、本開示の化合物は、錠剤若しくはカプセル剤の形態で、又は溶液、エマルジョン若しくは懸濁液として提供され得る。経口組成物を調製するためには、化合物は、例えば、1日約0.05~約100mg/kg、又は1日約0.05~約35mg/kg、又は1日約0.1~約10mg/kgの用量の投与量を得るために処方され得る。例えば、1日約5mg~5gの総1日量は、1日1回、2回、3回又は4回投与することによって達成され得る。
【0063】
経口錠剤は、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤などの薬学的に許容可能な賦形剤と混合された、本開示による化合物を含み得る。適切な不活性充填剤としては、炭酸ナトリウム及びカルシウム、リン酸ナトリウム及びカルシウム、ラクトース、デンプン、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。典型的な液体経口賦形剤としては、エタノール、グリセロール、水などが挙げられる。デンプン、ポリビニル-ピロリドン(PVP)、グリコール酸デンプンナトリウム、微結晶セルロース及びアルギン酸は、適切な錠剤崩壊剤である。結合剤は、デンプン及びゼラチンを含み得る。滑沢剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであり得る。必要に応じて、錠剤は、消化管中での吸収を遅延させるためにモノステアリン酸グリセリル若しくはジステアリン酸グリセリルなどの物質でコーティングされ得るか、又は腸溶コーティングでコーティングされ得る。
【0064】
経口投与のためのカプセル剤としては、硬及び軟ゼラチンカプセルが挙げられる。硬ゼラチンカプセルを調製するために、本開示の化合物は、固形、半固形又は液体希釈剤と混合され得る。軟ゼラチンカプセルは、本開示の化合物を水、落花生油若しくはオリーブ油などの油、流動パラフィン、短鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400又はプロピレングリコールと混合することによって調製され得る。
【0065】
経口投与のための液体は、懸濁液、溶液、エマルジョン若しくはシロップ剤の形態であり得るか、又は使用前に水若しくは他の適切なビヒクルを用いて再構成するために凍結乾燥され得るか、又は乾燥製剤として提示され得る。このような液体組成物は任意選択的に、薬学的に許容可能な賦形剤、例えば懸濁剤(例えばソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウムゲルなど);非液体ビヒクル、例えば油(例えばアーモンド油又は分別ヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコール又は水;保存剤(例えばメチル又はプロピルp-ヒドロキシベンゾアート又はソルビン酸);湿潤剤、例えばレシチンなど;及び必要に応じて香味剤又は着色剤などを含有し得る。
【0066】
本開示の活性薬剤は、さらに非経口経路によっても投与され得る。例えば、組成物は、坐剤として直腸投与するために調製され得る。静脈内、筋肉内、腹腔内又は皮下経路を含む非経口使用の場合、本開示の化合物は、適切なpH及び等張性に緩衝された無菌水溶液若しくは懸濁液中で、又は非経口で許容可能な油中で提供され得る。適切な水性ビヒクルとしては、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウムが挙げられる。このような形態は、例えばアンプル剤若しくは使い捨て注入器具などの単一用量型、それから適切な用量を抜去できるバイアルなどの複数回用量型、又は注射用製剤を調製するために使用され得る固体型若しくは予濃縮物で提示され得る。例示的な注入用量は、化合物の約1~1000μg/kg/分の範囲に及び、数分~数日間の範囲に及ぶ期間にわたり医薬担体と混合され得る。
【0067】
局所投与の場合、本化合物は、ビヒクルに約0.1%~約10%の薬物の濃度で医薬的担体と混合され得る。本開示の化合物の別の投与様式は、経皮的送達に影響を及ぼすためにパッチ製剤を利用し得る。
【0068】
本開示の化合物は、吸入によって、経鼻若しくは経口経路を介して、例えば、さらに適切な担体も含有するスプレー製剤で、本開示の方法において投与され得る。
【0069】
使用方法
本開示の化合物は、ヒト対象などの対象におけるHBV感染の処置及び予防において有用である。
【0070】
非限定的な態様では、これらの化合物は、(i)HBV複製若しくは感染性粒子の生成にとって必要なHBV集合及びその他のHBVコアタンパク質機能を調整若しくは崩壊させ得る、(ii)感染性ウイルス粒子の生成若しくは感染を阻害し得る、又は(iii)カプシド集合修飾因子として作用し、HBVカプシドと相互作用して感染性若しくは複製能力が低下した欠陥ウイルス粒子をもたらし得る。特に、及び何らかの特定の作用機序に拘束されるものではないが、本開示の化合物は、HBV処置において、未成熟若しくは成熟粒子の正常なウイルスカプシド集合/分解を崩壊させ、加速し、低減し、遅延させ、及び/又は阻害し、それにより、ビリオン集合及び/又は分解、ビリオン成熟、標的細胞のウイルス放出及び/又は感染の崩壊などの抗ウイルス効果につながる異常なカプシド形態を誘導することによって、有用であると考えられる。本開示の化合物は、成熟若しくは未成熟ウイルスカプシドと相互作用するカプシド集合体の撹乱物質として作用し、ウイルスカプシドの安定性を撹乱し、従ってその集合及び/又は分解に影響を及ぼし得る。本開示の化合物は、安定性のために必要とされるタンパク質の折り畳み及び/又は塩橋及び/又はウイルスカプシドの機能及び/又は正常な形態を撹乱し、それによってカプシド集合及び/又は分解を崩壊させ得る、及び/又は促進し得る。本開示の化合物は、カプシドに結合し、細胞ポリタンパク質及び前駆体の代謝を変化させ得、これは、細胞傷害性及び感染細胞死を誘導するタンパク質モノマー及び/又はオリゴマー及び/又は異常な粒子の異常な蓄積につながる。本開示の化合物は、最適安定性のカプシドの形成の失敗を誘導し、ウイルスの効率的な脱殻及び/又は分解(例えば感染性中)に影響を及ぼし得る。本開示の化合物は、カプシドタンパク質が未成熟である場合、カプシド集合及び/又は分解を崩壊させ得る、及び/又は促進し得る。本開示の化合物は、カプシドタンパク質が成熟している場合、カプシド集合及び/又は分解を崩壊させ得る、及び/又は促進し得る。本開示の化合物は、さらに又HBVウイルス感染性を減衰及び/又はウイルス量を減少させ得るウイルス感染性中のカプシド集合及び/又は分解を崩壊させ得る、及び/又は促進し得る。本開示の化合物によるカプシド集合及び/又は分解の、崩壊、加速、阻害、遅延及び/又は低減によって、宿主生物からウイルスが根絶され得る。本開示の化合物による対象からのHBVの根絶によって、有利に、長期にわたる長期療法が不要になる、及び/又は長期療法の期間が短縮される。
【0071】
本開示のさらなる実施形態は、HBV感染症に罹患している対象を処置する方法であって、そのような治療を必要とする対象に有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【0072】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染に関連するウイルス量の減少を必要とする個体においてHBV感染に関連するウイルス量を減少させる方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0073】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染再発の低減を必要とする個体においてHBV感染の再発を低減させる方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0074】
別の態様では、本明細書中で、HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在の阻害又は減少を必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は減少させる方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容可能なその塩を個体に投与することを含む方法が提供される。
【0075】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染の有害な生理学的影響の軽減を必要とする個体においてHBV感染の有害な生理学的影響を軽減する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0076】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染からの肝障害の軽快の誘導を必要とする個体においてHBV感染からの肝障害の軽快を誘導する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0077】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染のための長期抗ウイルス療法の生理学的影響の軽減を必要とする個体においてHBV感染のための長期抗ウイルス療法の生理学的影響を軽減する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0078】
別の態様では、本明細書中で、不顕性HBV感染に罹患している、HBV感染の予防的治療を必要とする個体においてHBV感染を予防的に治療する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0079】
実施形態では、本開示の化合物は、単剤療法に適切である。実施形態では、本開示の化合物は、天然又はネイティブHBV株に対して有効である。実施形態では、本開示の化合物は、現在知られている薬物に対して抵抗性であるHBV株に対して有効である。
【0080】
別の実施形態では、本明細書中で提供される化合物は、HBV cccDNAの活性、安定性、機能及びウイルス複製特性を調整する(例えば阻害又は崩壊させる)方法において使用され得る。
【0081】
また別の実施形態では、本開示の化合物は、HBV cccDNAの形成を減少させるか若しくは予防する方法において使用され得る。
【0082】
別の実施形態では、本明細書中で提供される化合物は、HBV cccDNAの活性を調整する(例えば阻害又は崩壊させる)方法において使用され得る。
【0083】
また別の実施形態では、本開示の化合物は、HBV cccDNAの形成を減少させる方法において使用され得る。
【0084】
別の実施形態では、本開示の化合物は、感染細胞内からのHBV RNA粒子の生成若しくは放出を調整する、阻害する、又は崩壊させる方法において使用され得る。
【0085】
さらなる実施形態では、HBV RNA粒子の総負荷量(又は濃度)が調節される。好ましい実施形態では、HBV RNAの総負荷量を減少させる。
【0086】
別の実施形態では、本明細書中で提供される方法は、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、別個のカプシド集合修飾因子、機序が異なる若しくは不明の抗ウイルス化合物及びそれらの何らかの組み合わせからなる群から選択される化合物の投与と比較して、大いに又はより迅速な速度で個体におけるウイルス量を減少させる。
【0087】
別の実施形態では、本明細書中で提供される方法は、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、別個のカプシド集合修飾因子、機序が異なるか若しくは不明の抗ウイルス化合物及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物の投与と比較して、ウイルス成熟及び/又はウイルス耐性の発生率低下を引き起こす。
【0088】
別の実施形態では、本明細書中で提供される方法は、少なくとも1つのHBVワクチン、ヌクレオシドHBV阻害剤、インターフェロン又はそれらの何らかの組み合わせを個体に投与することをさらに含む。
【0089】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染の処置を必要とする個体においてHBV感染を処置する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容可能なその塩を個体に単独で又は逆転写酵素阻害剤と組み合わせて投与し;治療的有効量のHBVワクチンを個体にさらに投与することによって、HBVウイルス量を減少させることを含む方法が提供される。
【0090】
本開示のさらなる実施形態は、HBV感染症に罹患している対象を処置する方法であって、そのような処置を必要とする対象に有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【0091】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染に関連するウイルス量の減少を必要とする個体においてHBV感染に関連するウイルス量を減少させる方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0092】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染の再発の低減を必要とする個体においてHBV感染の再発を低減させる方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0093】
別の態様では、本明細書中で、HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在の阻害又は減少を必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は減少させる方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容可能なその塩を個体に投与することを含む方法が提供される。
【0094】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染の有害な生理学的影響の軽減を必要とする個体においてHBV感染の有害な生理学的影響を軽減する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0095】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染からの肝障害の軽快の誘導を必要とする個体においてHBV感染からの肝障害の軽快を誘導する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0096】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染のための長期抗ウイルス療法の生理学的影響の軽減を必要とする個体においてHBV感染のための長期抗ウイルス療法の生理学的影響を軽減する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0097】
別の態様では、本明細書中で、不顕性HBV感染に罹患している、HBV感染の予防的治療を必要とする個体においてHBV感染を予防的に治療する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
【0098】
一実施形態では、本明細書で提供される方法はさらに、対象のHBVウイルス量をモニタリングすることを含み、この方法は、HBVウイルスが検出不可能となるような期間にわたり実施される。
【0099】
組み合わせ
本明細書中で、1つ以上の本開示の化合物と少なくとも1つの治療剤との組み合わせが提供される。実施形態では、本明細書中で提供される方法は、個体に少なくとも1つのさらなる治療剤を投与することをさらに含み得る。実施形態では、本開示の化合物は、組み合わせ療法に使用するために適切である。本開示の化合物は、HBV感染を処置するのに有用な1つ以上のさらなる化合物との組み合わせにおいて有用であり得る。これらのさらなる化合物は、本開示の化合物又はHBV感染の症状又は影響を処置する、予防する、又は軽減することが知られる化合物を含み得る。
【0100】
典型的な実施形態では、さらなる有効成分は、例えば別のHBVカプシド集合修飾因子又はHBV感染に関与する特定の状態若しくは障害、又はHBV感染自体と関連する別の標的に対して活性である化合物などのHBV感染に関与する状態若しくは障害の処置において有効であることが公知であるか、又は見出されているものである。組み合わせは、有効性を(例えば、本開示による活性物質の効力若しくは有効性を増強する化合物の組み合わせに含まれることによって)向上させる、1つ以上の副作用を軽減するか又は本開示による活性物質の必要量を減少させるために役立ち得る。さらなる実施形態では、本明細書中で提供される方法は、HBV感染の予防的治療を必要とする個体においてHBV感染を予防的に治療する際と同様の結果を達成するために必要とされる少なくとも1つのさらなる治療剤を単独で投与することと比較して、より少ない用量若しくは頻度で少なくとも1つのさらなる治療剤を投与することを可能にする。
【0101】
このような化合物としては、HBV組み合わせ薬、HBVワクチン、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤、免疫修飾因子、トール様受容体(TLR)修飾因子、インターフェロンアルファ受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原(HBsAg)阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(ipi4)阻害剤、シクロフィリン阻害剤、HBVウイルス侵入阻害剤、ウイルスmRNAを標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)及びddRNAiエンドヌクレアーゼ修飾因子、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、HBV E抗原阻害剤、共有結合性閉環状DNA(cccDNA)阻害剤、ファメソイド(famesoid)X受容体アゴニスト、HBV抗体、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質修飾因子、レチノイン酸誘導性遺伝子1刺激剤、NOD2刺激剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)経路阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、組み換えチモシンアルファ-1、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、KDM阻害剤、HBV複製阻害剤、アルギナーゼ阻害剤及びHBV生活環に影響する及び/又はHBV感染の結果に影響する何らかの他の薬剤又はそれらの組み合わせが挙げられるが限定されない。
【0102】
実施形態では、本開示の化合物は、HBVポリメラーゼ阻害剤、免疫修飾因子、インターフェロン、例えばペグ付加インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、カプシド集合修飾因子、逆転写酵素阻害剤、シクロフィリン/TNF阻害剤、免疫修飾因子、例えばTLRアゴニスト、HBVワクチン及びHBV生活環に影響する及び/又はHBV感染の結果に影響する何らかの他の薬剤又はそれらの組み合わせと組み合わせて使用され得る。
【0103】
特に、本開示の化合物は、以下のものからなる群から選択される1つ以上の薬物(又はその塩)と組み合わせて使用され得る:
次のものを含むが限定されない、HBV逆転写酵素阻害剤並びにDNA及びRNAポリメラーゼ阻害剤:ラミブジン(3TC、Zeffix、Heptovir、Epivir及びEpivir-HBV)、エンテカビル(Baraclude、Entavir)、アデホビルジピボキシル(Hepsara、Preveon、ビス-POM PMEA)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread、TDF又はPMPA);
インターフェロンアルファ(IFN-α)、インターフェロンベータ(IFN-β)、インターフェロンラムダ(IFN-λ)及びインターフェロンガンマ(IFN-γ)を含むが限定されないインターフェロン;
ウイルス侵入阻害剤;
ウイルス成熟阻害剤;
BAY 41-4109などであるが限定されない文献に記載されるカプシド集合修飾因子;
逆転写酵素阻害剤;
TLRアゴニストなどの免疫修飾因子;及び
AT-61((E)-N-(1-クロロ-3-オキソ-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド)、AT-130((E)-N-(1-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)-3-オキソ-3-(ピペリジン-1-イル)プロプ-1-エン-2-イル)-4-ニトロベンズアミド)及び同様の類似体などであるが限定されない、異なる又は未知の機序の薬剤。
【0104】
実施形態では、さらなる治療剤はインターフェロンである。「インターフェロン」又は「IFN」という用語は、ウイルス複製及び細胞増殖を阻害し、且つ免疫応答を調整する、高度に相同な種特異的タンパク質のファミリーの何れかのメンバーを指す。ヒトインターフェロンは、3つのクラス:インターフェロンアルファ(IFN-α)、インターフェロンベータ(IFN-β)及びインターフェロンオメガ(IFN-ω)を含むI型、インターフェロンガンマ(IFN-γ)を含むII型、並びにインターフェロンラムダ(IFN-λ)を含むIII型に分類される。開発され、市販されている組み換え型のインターフェロンは、本明細書中で使用される場合、「インターフェロン」という用語により包含される。化学的に修飾されたインターフェロン又は変異インターフェロンなどのインターフェロンのサブタイプも、本明細書中で使用される場合、「インターフェロン」という用語に包含される。化学的に修飾されたインターフェロンとしては、ペグ付加インターフェロン及びグリコシル化インターフェロンが挙げられる。インターフェロンの例としては、インターフェロン-アルファ-2a、インターフェロン-アルファ-2b、インターフェロン-アルファ-n1、インターフェロン-ベータ-1a、インターフェロン-ベータ-1b、インターフェロン-ラムダ-1、インターフェロン-ラムダ-2及びインターフェロン-ラムダ-3も挙げられるが限定されない。ペグ付加インターフェロンの例としては、ペグ付加インターフェロン-アルファ-2a及びペグ付加インターフェロンアルファ-2bが挙げられる。
【0105】
従って、一実施形態では、式Iの化合物は、インターフェロン-アルファ(IFN-α)、インターフェロン-ベータ(IFN-β)、インターフェロン-ラムダ(IFN-λ)及びインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)からなる群から選択されるインターフェロンと組み合わせて投与され得る。特定の一実施形態では、インターフェロンは、インターフェロン-アルファ-2a、インターフェロン-アルファ-2b又はインターフェロン-アルファ-n1である。別の特定の実施形態では、インターフェロン-アルファ-2a又はインターフェロン-アルファ-2bは、ペグ付加されている。好ましい実施形態では、インターフェロン-アルファ-2aはペグ付加インターフェロン-アルファ-2a(PEGASYS)である。
【0106】
別の実施形態では、さらなる治療剤は、インターフェロンクラスに属する生物学的薬剤を含む免疫修飾因子又は免疫刺激治療剤から選択される。
【0107】
さらに、さらなる治療剤は、他の必須のウイルスタンパク質又はHBV複製若しくは持続に必要とされる宿主タンパク質の機能を崩壊させる薬剤であり得る。
【0108】
別の実施形態では、さらなる治療剤は、ウイルス侵入若しくは成熟を妨げるか又は、ヌクレオシド若しくはヌクレオチド若しくは非ヌクレオシ(チ)ドポリメラーゼ阻害剤などのHBVポリメラーゼを標的とする、抗ウイルス剤である。組み合わせ療法のさらなる実施形態では、逆転写酵素阻害剤及び/又はDNA及び/又はRNAポリメラーゼ阻害剤は、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ddA、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、エンテカビル、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、テノフォビル、アデフォビル、PMPA、シドフォビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン又はエトラビリンである。
【0109】
一実施形態では、さらなる治療剤は、無関係のウイルスに対する免疫応答の誘導を導く、生来の限定された免疫応答を誘導する免疫修飾因子である。言い換えると、免疫修飾因子は、抗原提示細胞の成熟、T細胞の増殖及びサイトカイン放出(例えばとりわけ、IL-12、IL-18、IFN-アルファ、-ベータ及び-ガンマ、TNF-アルファ)を影響し得る。
【0110】
さらなる実施形態では、さらなる治療剤は、TLR修飾因子又はTLR-7アゴニスト若しくはTLR-9アゴニストなどのTLRアゴニストである。組み合わせ療法のさらなる実施形態では、TLR-7アゴニストは、SM360320(9-ベンジル-8-ヒドロキシ-2-(2-メトキシ-エトキシ)アデニン)及びAZD8848(メチル[3-({[3-(6-アミノ-2-ブトキシ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)プロピル][3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}-メチル)フェニル]アセタート)からなる群から選択される。
【0111】
本明細書で提供される方法の何れかにおいて、本方法はさらに、少なくとも1つのHBVワクチン、ヌクレオシドHBV阻害剤、インターフェロン又はそれらの何らかの組み合わせを個体に投与することを含み得る。一実施形態では、HBVワクチンは、RECOMBIVAX HB、ENGERIX-B、ELOVAC B、GENEVAC-B又はSHANVAC Bのうちの少なくとも1つである。
【0112】
別の態様では、本明細書中で、HBV感染の処置を必要とする個体におけるHBV感染を処置する方法であって、治療的有効量の本開示の化合物を個体に単独で又は逆転写酵素と組み合わせて投与すること;及びさらに治療的有効量のHBVワクチンを個体に投与することによってHBVウイルス量を減少させることを含む方法が提供される。逆転写酵素阻害剤は、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ddA、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、エンテカビル、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、テノフォビル、アデフォビル、PMPA、シドフォビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン又はエトラビリンのうちの1つであり得る。
【0113】
本明細書中に記載の何れかの組み合わせ療法に関して、相乗効果は、例えばSigmoid-Emax式(Holford & Scheiner,19981,Clin.Pharmacokinet.6:429-453)、Loewe相加性の式(the equation of Loewe additivity)(Loewe & Muischnek,1926,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313-326)及び半数影響式(median-effect equation)(Chou & Talalay,1984,Adv.Enzyme Regul.22:27-55)などの適切な方法を使用して計算され得る。上記で引用される各式を実験データに適用して、対応するグラフを作成し、薬物の組み合わせの効果の評価を支援し得る。上記で引用される式に付随する対応するグラフは、それぞれ濃度-効果曲線、アイソボログラム曲線及び組み合わせインデックス曲線である。
【0114】
定義
本開示を説明するために使用される様々な用語の定義を以下に列挙する。これらの定義は、特定の例で、個別に又はより大きい群の一部として、別途限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通してそれらの用語が使用される際に、それらの用語に適用される。
【0115】
別途定義されない限り、本明細書中で使用される技術用語及び科学用語は全て、適用可能な分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。一般に、本明細書中で使用される命名法並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及びペプチド化学における実験手順は、当技術分野で周知であり、一般的に用いられるものである。
【0116】
本明細書中で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(即ち少なくとも1つ)を表す。一例として、「an element(要素)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。さらに、「含んでいる(including)」という用語並びに「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などの他の形の使用は、限定されるものではない。
【0117】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「~を含む(comprising)」という用語は、「~からなる(consisting of)」及び「から基本的になる(consisting essentially of)」実施形態を含み得る。「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有すること(having)」、「有する(has)」、「し得る(can)」、「含有する(contain(s))」という用語及びこれらの変形物は、本明細書中で使用される場合、指定の成分/段階の存在を必要とし、他の成分/段階の存在を許容するオープンエンドの移行句、用語又は単語であるものとする。しかし、このような記載は、列挙される化合物「からなる(consisting of)」及び「から基本的になる(consisting essentially of)」のような組成又は工程も記載するものとしても解釈されるべきであり、これは、何らかの薬学的に許容可能な担体とともに呼ばれる化合物のみの存在を許可し、他の化合物を除外する。
【0118】
本明細書中で開示される全ての範囲は、引用される端点を含み、独立に組み合わせ可能である(例えば、「50mg~300mg」の範囲は、端点、50mg及び300mg並びに中間の値全てを含む)。本明細書中で開示される範囲の端点及び何れかの値は、正確な範囲又は値に限定されず、これらの範囲及び/又は値に近似する値を含むのに十分な程度に不明確である。
【0119】
本明細書中で使用される場合、近似を表す用語は、それが関連する基本機能には変化をもたらさずに変わり得るあらゆる定量的表現を修飾するために適用され得る。従って、「実質的に」などの用語により修飾される値は、一部の場合では、特定される正確な値に限定され得ない。少なくとも一部の例では、近似を表す用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。
【0120】
「アルキル」という用語は、鎖内に1~12個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を表す。アルキル基の例としては、メチル(記号「/」によって構造的に描出され得るMe)、エチル(Et)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル(tBu)、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル並びに当業者の知識及び本明細書中で提供される教示の観点に照らして上記の例の何れか1つと同等であると見なされるであろう基が挙げられる。本明細書中で使用される用語「C1~4アルキル」は、鎖内に1~4個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を表す。本明細書中で使用される用語「C1~6アルキル」は、鎖内に1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を表す。
【0121】
「ヘテロアリール」という用語は、5~10個の環員を有し、炭素原子及び独立にN、O及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する芳香族単環式又は二環式の芳香環系を指す。ヘテロアリールという用語内には、炭素原子からなり、少なくとも1個のヘテロ原子員を有する5又は6員の芳香環が含まれる。適切なヘテロ原子としては、窒素、酸素及び硫黄が挙げられる。5員環である場合、ヘテロアリール環は好ましくは、窒素、酸素又は硫黄のうち1員及びさらに最大3個のさらなる窒素を含有する。6員環である場合、ヘテロアリール環は好ましくは1~3個の窒素原子を含有する。6員環が3個の窒素を有する場合について、多くても2個の窒素原子が隣接する。ヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びキナゾリニルが挙げられる。特に明記しない限り、ヘテロアリールは、安定した構造を与える何らかのヘテロ原子又は炭素原子でそのペンダント基に連結される。
【0122】
当業者であれば、上記に列挙又は例示したヘテロアリール基の種が排他的ではないこと、及びこれらの定義した用語の範囲内のさらなる種もまた選択され得ることを認識するであろう。
【0123】
「シアノ」という用語は基-CNを表す。
【0124】
用語「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0125】
「パーハロアルキル」又は「ハロアルキル」という用語は、任意選択的に水素がハロゲンで置換されている鎖内に1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を表す。本明細書中で使用される場合、「C1~4ハロアルキル」という用語は、任意選択的に水素がハロゲンで置換されている、鎖内に1~4個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を表す。本明細書中で使用される場合、「C1~6ハロアルキル」という用語は、任意選択的に水素がハロゲンで置換されている、鎖内に1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を表す。「パーハロアルキル」、「ハロアルキル」基の例としては、トリフルオロメチル(CF3)、ジフルオロメチル(CF2H)、モノフルオロメチル(CH2F)、ペンタフルオロエチル(CF2CF3)、テトラフルオロエチル(CHFCF3)、モノフルオロエチル(CH2CH2F)、トリフルオロエチル(CH2CF3)、テトラフルオロトリフルオロメチルエチル(-CF(CF3)2)及び当業者の知識及び本明細書中で提供される教示の観点に照らして上記の例の何れか1つと同等であると見なされるであろう基が挙げられる。
【0126】
「置換される」という用語は、特定の基若しくは成分が1つ以上の置換基を有することを意味する。「未置換」という用語は、特定の基が置換基を全く有していないことを意味する。「任意選択的に置換される」という用語は、特定の基が1つ以上の置換基によって置換されていない、又は置換されていることを意味する。「置換される」という用語が構造系を説明するために使用される場合、置換は、系上の何らかの原子価が許容する位置で発生することを意味する。特定の成分若しくは基が任意選択的に置換されている、又は何らかの特定の置換基を用いて置換されていると明示的に述べられていない場合、そのような成分若しくは基は、未置換であることが意図されることを理解されたい。
【0127】
「パラ」、「メタ」及び「オルト」という用語は、当技術分野において理解されている意味を有する。従って、例えば、完全に置換されたフェニル基は、フェニル環の結合点に隣接する両方の「オルト」(o)位、両方の「メタ」(m)位及び結合点の向かいの一方の「パラ」(p)位に置換基を有する。フェニル環上の置換基の位置をさらに明確にするために、下記で例示されるように、2つの異なるオルト位は、オルト及びオルト’と呼び、2つの異なるメタ位は、メタ及びメタ’と呼ぶ。
【化6】
【0128】
ピリジル基上の置換基について言及する場合、「パラ」、「メタ」及び「オルト」という用語は、ピリジル環の結合点に対する置換基の配置を表す。例えば、下記の構造は、オルト位にX
1置換基、メタ位にX
2置換基及びパラ位にX
3置換基がある3-ピリジルとして記載される。
【化7】
【0129】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書中で提供される一部の定量的表現は、「約」という用語により限定されない。「約」という用語が明示的に使用されてもされなくても、本明細書中で提供されるあらゆる量は、実際的な所定値を表すことが意図されており、さらに、そのような所定値についての実験的及び/又は測定条件に起因する当量及び近似値を含む、当業者の知識に基づいて合理的に推論されるであろうそのような所定値への近似値を表すことも意図されることを理解されたい。収率がパーセンテージとして与えられる場合、そのような収率は、それに対する収率が特定化学量論的条件下で得られ得る同一実体の最高量に比して与えられる実体の質量を表す。特に異なることが指示されない限り、パーセンテージとして与えられる濃度は、質量比を意味する。
【0130】
「緩衝(される)」液若しくは「緩衝」液という用語は、本明細書中ではそれらの標準的意味に従って交換可能に使用される。緩衝液は、媒体のpHを制御するために使用され、それらの選択、使用及び機能は当業者にとって公知である。例えば、特に緩衝溶液及び緩衝液成分の濃度が緩衝液のpHとどのように関連するかについて記載する、G.D.Considine,ed.,Van Nostrand’s Encyclopedia of Chemistry,p.261,5th ed.(2005)を参照。例えば、緩衝液は、溶液のpHを約7.5に維持するためにMgSO4及びNaHCO3を10:1(w/w)の比で溶液に添加することによって得られる。
【0131】
本明細書中で提供される式は何れも、構造式並びに所定の変形若しくは形態によって描出された構造を有する化合物を表すことが意図されている。特に、本明細書中で提供される何れの式の化合物も、不斉中心を有し得、従って異なるエナンチオマー形態で存在し得る。一般式の化合物の全ての光学異性体及びそれらの混合物は、式の範囲内に含まれると考えられる。従って、本明細書中で提供される式は何れも、ラセミ体、1つ以上のエナンチオマー形態、1つ以上のジアステレオマー形態、1つ以上のアトロプ異性体形態及びそれらの混合物を表すと意図されている。さらに、所定の構造は、幾何異性体(即ちシス及びトランス異性体)として、互変異性体として、又はアトロプ異性体として存在し得る。
【0132】
さらに、同一分子式を有するが、それらの原子の結合の性質若しくは配列又は空間内のそれらの原子の配列において相違する化合物は、「異性体」と呼ばれることも理解すべきである。
【0133】
相互の鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせ不可能な鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、それは4つの異なる基に結合し、1対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配位によって特徴付けられ得、Cahn及びPrelogのR及びS順位則によって、又は分子が右旋性若しくは左旋性(即ちそれぞれ(+)-若しくは(-)-異性体として)と呼ばれる偏光面を回転させる方法によって説明される。キラル化合物は、個別のエナンチオマーとして、又はそれらの混合物としての何れかで存在し得る。同等の比率のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0134】
「互変異性体」は、特定化合物の構造の互換可能な形態である、及び水素原子及び電子の転位において異なる化合物を意味する。従って、2つの構造は、π電子及び1つの原子(通常はH)の運動を通して平衡状態にあり得る。例えば、エノール及びケトンは、それらが酸若しくは塩基の何れかを用いた処理によって迅速に相互転換されるので、互変異性体である。互変異性の別の例は、酸若しくは塩基を用いた処理によって同様に形成されるフェニルニトロメタンのアシ形態及びニトロ形態である。
【0135】
互変異性体形態は、関心のある化合物が最適な化学反応性及び生物活性を達成するために重要であり得る。
【0136】
本開示の化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得る:従ってそのような化合物は、個々の(R)-若しくは(S)-立体異性体として、又はそれらの混合物として生成され得る。
【0137】
他に特に指示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲内の特定の化合物についての説明若しくは命名は、両方の個別エナンチオマー及びそれらの混合物、さもなければそれらのラセミ体を含むことが意図される。立体異性体の立体化学及び分離を決定するための方法は、当技術分野で周知である。
【0138】
所定の例は、絶対エナンチオマーとして描出されるが、立体配置が未知であるエナンチオマー的に純粋な物質を示すことが意図される化学構造を含有する。これらの場合には、(R*)若しくは(S*)は、対応する立体中心の絶対立体化学が未知であることを示すために名称に付して使用される。従って、(R*)として示される化合物は、(R)若しくは(S)の絶対配位を備えるエナンチオマー的に純粋な化合物を指す。絶対立体化学が確証されている場合、これらの構造は(R)及び(S)を使用して命名される。
【0139】
記号
【化8】
は、本明細書中で示される化学構造において同じ空間配置を意味するものとして使用される。同様に、記号
【化9】
は、本明細書中で示される化学構造において同じ空間配置を意味するものとして使用される。
【0140】
さらに、本明細書中で提供される式は何れも、たとえそのような形態が明示的に列挙されていなくても、そのような化合物の水和物、溶媒和物及び多形体並びにそれらの混合物を指すものとする。式(I)の所定の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩は、溶媒和物として入手され得る。溶媒和物としては、本開示の化合物と、溶液中の又は固体若しくは結晶形の何れかである1つ以上の溶媒との相互作用又は錯化から形成されるものが挙げられる。一部の実施形態では、溶媒は水であり、溶媒和物は水和物である。さらに、式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩の所定の結晶形態は、共結晶として入手され得る。本開示の所定の実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形態で入手された。他の実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態は、実際は立方晶であった。他の実施形態では、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩は、結晶形態で入手された。さらに他の実施形態では、式(I)の化合物は、いくつかの多形体形態の1つで、結晶形態の混合物として、多形体形態として、又は非晶質形態として入手された。他の実施形態では、式(I)の化合物は、溶液中で1つ以上の結晶形態及び/又は多形体形態の間で変換する。
【0141】
本明細書中での化合物に対する言及は、次のうち何れか1つに対する言及であることを表す:(a)このような化合物の実際に列挙される形態、及び(b)命名時に化合物が考慮されている媒体中のそのような化合物の形態の何れか。例えば、本明細書中でのR-COOHなどの化合物についての言及は、例えば、R-COOH(s)、R-COOH(sol)及びCOO-
(sol)の何れか1つについての言及を包含する。この例では、R-COOH(s)は、例えば、錠剤若しくは一部の他の固体医薬組成物若しくは製剤中にあり得る場合、固体化合物を表し;R-COOH(sol)は、溶媒中の化合物の非解離形態を表し;R-COO-
(sol)は、例えば水性環境中の化合物の解離形態など、そのような解離形がR-COOH由来であるか、その塩に由来するか、又は考慮されている培地中での解離後にR-COO-を産生する何らかの他の実体に由来するかとは無関係に、溶媒中の化合物の解離形態を表す。別の例では、「式R-COOHの化合物に実体を曝露させる」などの表現は、そのような曝露が起こる媒体中に存在する、化合物R-COOHの1つ以上の形態へのそのような実体の曝露を指す。さらに別の例では、「1つの実体を式R-COOHの化合物と反応させる」という表現は、(a)そのような反応が発生する媒体中に存在するそのような実体の1つ以上の化学的に重要な形態にあるそのような実体を(b)そのような反応が発生する媒体中に存在する化合物R-COOHの1つ以上の化学的に重要な形態と反応させることを指す。この関連で、そのような実体が、例えば水性環境内にある場合、化合物R-COOHはそのような同一媒体中に存在するので、従って、その実体は、R-COOH(aq)及び/又はR-COO-
(aq)などの種に曝露させられるが、ここで添字「(aq)」は、化学及び生化学における従来の意味に従って「水性」を表すと理解される。カルボン酸官能基は、これらの命名例において選択されており;この選択は限定的なものではなく、単なる例示である。類似の例は、ヒドロキシル、例えばアミン中にあるものなどの塩基性窒素員、及び本化合物を含有する媒体中の公知の方法に従って相互作用又は変換する何らかの他の基を含むが限定されない他の官能基に関して提供され得ると理解される。そのような相互作用及び形質転換としては、解離、会合、互変異性、加水分解を含む加溶媒分解、水和を含む溶媒和、プロトン化及び脱プロトン化が挙げられるが限定されない。所定の媒体中のこれらの相互作用及び形質転換は当業者にとって公知であるので、本明細書中ではこれに関連する別の例は提供しない。
【0142】
別の例では、両性イオン性化合物は、それがその両性イオン性の形態で明示的に示されない場合でも、両性イオンを形成することが公知である化合物を表すことによって本明細書中に包含される。両性イオン及びそれらの同義語である両性イオン性化合物などの用語は、周知であり、標準セットの定義された学名の一部である標準IUPAC (国際純正応用化学連合)に承認された名称である。この点において、「双性イオン」の名称には、分子実体の辞書であるChemical Entities of Biological Interest(ChEBI)によって、識別名称CHEBI:27369が割り当てられている。一般に周知であるように、両性イオン若しくは両性イオン性化合物は、異符号の正式単位電荷を有する天然化合物である。これらの化合物は「分子内塩」という用語によって表されることがある。他の情報源では、これらの化合物を「双極子イオン」と呼ぶが、後者の用語は、さらに他の情報源によっては誤称であると見なされている。特定の例として、アミノエタン酸(アミノ酸のグリシン)は、式H2NCH2COOHを有し、これは一部の媒体中(この場合には中性媒体中)では両性イオン+H3NCH2COO-の形態で存在する。これらの用語の公知の明確に確立された意味における両性イオン、両性イオン性化合物、分子内塩及び双極子イオンは、何れの場合においても当業者によってそのように理解されるであろうから、本開示の範囲内に含まれる。当業者によって認識されるであろうありとあらゆる実施形態を命名する必要はないので、本開示の化合物と関連する両性イオン性化合物の構造は、本明細書中では明示的に提供しない。しかしそれらは、本開示の実施形態の一部である。所定の化合物の様々な形態をもたらす所定の媒体中のこれらの相互作用及び形質転換は当業者にとって公知であるので、本明細書中ではこれに関連する別の例は提供しない。
【0143】
本明細書中で提供される式は何れも、さらに化合物の未標識形並びに同位体標識形を表すことも意図されている。同位体標識された化合物は、1個以上の原子が選択された原子量若しくは質量数を有する原子によって置換されることを除いて、本明細書中で提供される式によって描出される構造を有する。本開示の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、125Iなどが挙げられる。このような同位体標識化合物は、薬物若しくは基質組織分布アッセイを含む代謝研究(好ましくは14Cを用いる)、化学反応速度研究(例えば重水素(即ちD若しくは2H);又は三重水素(即ちT若しくは3H))を用いる)、検出又は画像化技術、例えば陽電子放出断層撮影法(PET)又は単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は患者の放射線治療において有用である。特に、18F又は11C標識化合物は、特にPET若しくはSPECT研究において好ましい。さらに、重水素(即ち2H)のより重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性の結果としてもたらされる特定の治療上の利点(例えばインビボでの半減期延長又は投薬必要量の減少)をもたらし得る。本開示の同位体標識化合物及びそれらのプロドラッグは、一般に、同位体標識のない試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬と交換することにより、スキーム又は下記の実施例及び調製方法で開示した手法を実施することによって調製され得る。
【0144】
本明細書中で提供される何れかの式について言及する場合、特定の変数についての考え得る種のリストからの特定成分の選択は、他の場所で出現する変数についての種の同一選択を規定するものではないものとする。これを言い換えると、変数が2回以上出現する場合、特定のリストからの種の選択は、他に特に指示されない限り、式内の他の場所の同一変数についての種の選択とは無関係である。
【0145】
指定及び命名法に関する上記の解釈上の考察によれば、本明細書の1セットについての明示的な言及は、化学的に重要であり、他に特に指示されない限り、そのようなセットの実施形態への独立した言及及び明示的に言及されたそのセットのサブセットのありとあらゆる考え得る実施形態についての言及を意味している。
【0146】
置換基の用語に関する第1の例として、置換基のS1
exampleがS1及びS2のうちの1つであり、置換基S2
exampleがS3及びS4のうちの1つである場合、これらの指定は、S1
exampleがS1であり、S2
exampleがS3である;S1
exampleがS1であり、S2
exampleがS4である;S1
exampleがS2であり、S2
exampleがS3;S1
exampleがS2であり、S2
exampleがS4である;及びそのような選択の各1つの同等物、という選択に従って提供される本開示の実施形態に関する。従って、本明細書中で、より短い語「S1
exampleはS1及びS2のうちの1つであり、S2
exampleはS3及びS4のうちの1つである」は、簡潔にするために使用するものであり、決して限定するためではない。一般用語で記載される置換基用語に関する上記の第1の例は、本明細書中に記載の様々な置換基の指定を例示するものとする。置換基について本明細書中で与えられる前出の慣例は、適用可能な場合、HET、R1、R1A、R2、R3、R4、Ra Rb、PG、PG1、n、X、Y、Z1及びZ2などのメンバー及び本明細書中で使用される何らかの他の一般的な置換基記号にも拡大される。
【0147】
さらに、何らかのメンバー若しくは置換基に対して2つ以上の指定が与えられる場合、本開示の実施形態は、独立して採用される列挙した指定及びそれらの同等物から作成され得る様々なグループ分けを含む。置換基用語に関する第2の例として、本明細書で置換基SexampleがS1、S2及びS3のうちの1つであると記載される場合、この列挙は、SexampleがS1である;SexampleがS2である;SexampleがS3である;SexampleがS1及びS2のうちの1つである;SexampleがS1及びS3のうちの1つである;SexampleがS2及びS3のうちの1つである;SexampleがS1、S2及びS3のうちの1つである;及びSexampleがこれらの選択肢の各1つの何らかの同等物である、本開示の実施形態を指す。従って、より短い語「Sexampleは、S1、S2及びS3のうちの1つである」は、本明細書では簡潔にするために使用するものであり、決して限定するためではない。一般用語で記載される置換基用語に関する上記の第2の例は、本明細書に記載した様々な置換基の指定を例示するものとする。置換基について本明細書中で与えられる上記の慣例は、適用可能な場合、HET、R1、R1A、R2、R3、R4、Ra Rb、PG、PG1、n、X、Y、Z1及びZ2などのメンバー及び本明細書中で使用される何らかの他の一般的な置換基記号にも拡張される。
【0148】
「Ci-j」(式中j>i)という術語は、本明細書中で1クラスの置換基に適用される場合、i及びjを含むi~jのありとあらゆる炭素員の数が独立して実現される本開示の実施形態を意味するものとする。例として、C1~4という用語は、1個の炭素員(C1)を有する実施形態、2個の炭素員(C2)を有する実施形態、3個の炭素員(C3)を有する実施形態及び4個の炭素員(C4)を有する実施形態を独立して表す。
【0149】
Cn-mアルキルという用語は、直鎖状であろうと分岐状であろうと、鎖中にn≦N≦m(式中m>n)を満たす総数N個の炭素員を有する脂肪族鎖を指す。本明細書中で言及される何らかの二置換基は、このような可能性の複数が許可される場合、様々な連結の可能性を包含するものとする。例えば、二置換基-A-B-(式中、A≠B)についての言及は、本明細書中では第1の置換基員に結合したA及び第2の置換基員に結合したBを備えるそのような二置換基を指しており、さらに、Aが第2の置換基員に結合し、Bが第1の置換基員に結合した、そのような二置換基も指す。
【0150】
本開示は、式(I)の化合物の、好ましくは上記のもの及び本明細書中で例示される具体的な化合物の、薬学的に許容可能な塩及びこのような塩を使用した処置方法も含む。
【0151】
「薬学的に許容可能な」という用語は、動物、及びとりわけヒトにおいて使用するために、連邦政府若しくは州政府によって、又は米国以外の国々における対応する機関によって、又は米国薬局方若しくは他の一般に認められた薬局方において承認された、若しくは承認見込みであることを意味する。
【0152】
「薬学的に許容可能な塩」は、無毒性で、生物学的に忍容性である、又はそうでなければ対象に投与するために生物学的に好適である、式(I)によって表される化合物の遊離酸若しくは遊離塩基の塩を意味するものとする。「薬理学的に許容可能な塩」は、親化合物の所望の薬理学的活性を有するべきである。全般的にはG.S.Paulekuhn,et al.,“Trends in Active Pharmaceutical Ingredient Salt Selection based on Analysis of the Orange Book Database”,J.Med.Chem.,2007,50:6665-72,S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts”,J Pharm Sci.,1977,66:1-19及びHandbook of Pharmaceutical Salts,Properties,Selection,and Use,Stahl and Wermuth,Eds.,Wiley-VCH and VHCA,Zurich,2002を参照。薬学的に許容可能な塩の例は、過度の毒性、刺激性又はアレルギー反応がなく、薬理学的に有効であり、且つ患者の組織と接触させるために適切な塩である。式(I)の化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、又は両方のタイプの官能基を有し得るので、従って多数の無機塩基若しくは有機塩基、並びに無機酸及び有機酸と反応して薬学的に許容可能な塩を形成する。
【0153】
本開示は、さらに式(I)の化合物の薬学的に許容可能なプロドラッグ、及びそのような薬学的に許容可能なプロドラッグを使用する処理方法にも関する。「プロドラッグ」という用語は、対象への投与後に、例えば加溶媒分解若しくは酵素的開裂などの化学的若しくは生理学的過程を介して、又は生理学的条件下でインビボでその化合物を生じさせる指定化合物の前駆体を意味する(例えば、プロドラッグは、生理学的pHに持ち込まれると、式(I)の化合物に変換される。「薬学的に許容可能なプロドラッグ」は、無毒性であり、生物学的に忍容性であり、他の点では対象に投与するために生物学的に好適であるプロドラッグである。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製についての具体的手法は、例えば“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0154】
本開示はさらに、本開示の方法においても使用され得る、式(I)の化合物の薬学的に活性である代謝産物に関する。「薬学的に活性である代謝産物」は、式(I)の化合物又はその塩の身体内での代謝の薬理学的に活性である生成物を意味する。化合物のプロドラッグ及び活性代謝産物は、当技術分野で公知の又は利用可能な通常技術を使用して決定され得る。例えばBertolini,et al.,J Med Chem.1997,40,2011-2016;Shan,et al.,J Pharm Sci.1997,86(7),765-767;Bagshawe,Drug Dev Res.1995,34,220-230;Bodor,Adv Drug Res.1984,13,224-331;Bundgaard,Design of Prodrugs(Elsevier Press,1985);及びLarsen,Design and Application of Prodrugs,Drug Design and Development(Krogsgaard-Larsen,et al.,eds.,Harwood Academic Publishers,1991)を参照。
【0155】
本明細書中で使用される場合、「組成物」又は「医薬組成物」という用語は、本明細書中で提供される少なくとも1つの化合物と薬学的に許容可能な担体との混合物を指す。本医薬組成物は、患者又は対象へのこの化合物の投与を容易にする。当技術分野では、化合物を投与する多くの技術が存在し、静脈内、経口、エアロゾル、非経口、眼、肺内及び局所投与が挙げられるが限定されない。
【0156】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、本明細書中で提供される化合物を、その目的とする機能を果たし得るように患者の体内又は患者に運搬又は輸送することに関与する、液体若しくは固形の充填剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒又はカプセル化材料などの薬学的に許容可能な材料、組成物又は担体を意味する。典型的には、このようなコンストラクトは、1つの臓器又は身体の部分から別の臓器又は身体の部分に運搬又は輸送される。各担体は、本明細書中で提供される化合物を含む、処方物の他の成分と適合性があり、患者に有害ではないという意味において「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として機能し得る材料の幾つかの例としては、糖類、例えばラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオ脂及び坐剤ワックスなど;油、例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;グリコール類、例えば、プロピレングリコール;ポリオール類、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;エステル類、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;界面活性剤;アルギン酸;パイロジェン不含水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬処方物中で使用される他の無毒性の適合性物質が挙げられる。本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」はまた、本明細書中で提供される化合物の活性と適合性があり、患者にとって生理学的に許容可能なありとあらゆるコーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤並びに吸収遅延剤なども含む。補助的活性化合物もまた、本組成物に組み入れられ得る。「薬学的に許容可能な担体」は、本明細書中で提供される化合物の薬学的に許容可能な塩をさらに含み得る。本明細書中で提供される医薬組成物中に含まれ得る他のさらなる成分は、当技術分野で公知であり、且つ例えば参照により本明細書中に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,PA)で説明されている。
【0157】
「安定化剤」という用語は、本明細書中で使用される場合、式Iの化合物の分解を化学的に阻害又は予防可能なポリマーを指す。安定化剤は、化合物の化学的及び物理的な安定性を改善するために、この化合物の処方物に添加される。
【0158】
「錠剤」という用語は、本明細書中で使用される場合、製剤原料又は薬学的に許容可能なその塩を適切な賦形剤(例えば充填剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤及び/又は界面活性剤)とともに従来からの打錠工程により圧縮することによって作製され得る、経口投与可能な単一用量の固形剤形を示す。錠剤は、従来からの造粒法、例えば湿式又は乾式造粒、を使用して、任選択的に顆粒剤の粉砕を行い、続いて圧縮及び任意選択的なコーティングを行って、作製され得る。錠剤は、噴霧乾燥によっても作製され得る。
【0159】
本明細書中で使用される場合、「カプセル」という用語は、硬い又は軟らかい可溶性容器又は「シェル」の何れか内に薬物が封入される固形剤形を指す。この容器又はシェルは、ゼラチン、デンプン及び/又は他の適切な物質から形成され得る。
【0160】
本明細書中で使用される場合、「有効量」、「薬学的有効量」及び「治療的有効量」という用語は、無毒性であるが、所望の生物学的結果をもたらすのに十分な薬剤の量を指す。その結果は、疾患の徴候、症状若しくは原因の軽減若しくは緩和、又は生体システムの何らかの他の所望の変化であり得る。何れかの個々の場合における適切な治療量は、通常の実験を用いて当業者により決定され得る。
【0161】
本明細書中で使用される場合、「組み合わせ」、「治療の組み合わせ」、「薬学的組み合わせ」又は「組み合わせ製品」という用語は、本明細書中で使用される場合、組み合わせられる投与の固定されていない組み合わせ又は部品一式を指し、この場合、2つ以上の治療剤を、同時に又は時間間隔の中で別々に独立に投与し得、特にこの場合、これらの時間間隔により、組み合わせの相手が協同的な、例えば相乗的な効果を示すことが可能になる。
【0162】
本明細書中で使用される場合、「修飾因子」という用語は、阻害剤及び活性化因子の両方を含むが、ここで「阻害剤」は、HBV複製又は感染性粒子の生成のために必要なHBV集合及び他のHBVコアタンパク質機能を、低下させる、防止する、不活性化する、脱感作する、又は下方制御する化合物を指す。
【0163】
本明細書中で使用される場合、「カプシド集合修飾因子」という用語は、通常のカプシド集合(例えば成熟中)又は通常のカプシド分解(例えば感染中)を崩壊させるか又は加速するか又は阻害するか又は妨害するか又は遅らせるか又は減少させるか又は調整するか又は、カプシド安定性を撹乱し、それにより異常なカプシド形態及び機能を誘導する化合物を指す。一実施形態では、カプシド集合修飾因子は、カプシド集合又は分解を加速し、それにより異常なカプシド形態を誘導する。別の実施形態では、カプシド集合修飾因子は、主要なカプシド集合タンパク質(CA)と相互作用し(例えば、活性部位に結合するか、アロステリック部位に結合するか、折り畳みを改変及び/又は妨害するなど)、それによりカプシド集合又は分解を崩壊させる。また別の実施形態では、カプシド集合修飾因子は、CAの構造又は機能(例えば、集合する、分解する、基質に結合する、好適な立体構造に折り畳むなどの能力)における不安定化をもたらし、それによりウイルス感染性を低下させるか、又はウイルスにとって致死性となる。
【0164】
本明細書中で使用される場、「処置(treatment)」又は「処置する(treating)」という用語は、HBV感染、HBV感染の症状、又はHBV感染を発症する可能性を、治癒させる、治す、緩和する、軽減する、変化させる、矯正する、寛解させる、改善する、又は影響を及ぼすという目的で、HBV感染、HBV感染の症状、又はHBV感染を発症する可能性を有する患者に対し、治療剤、即ち、本開示の化合物を(単独で又は別の医薬品と組み合わせて)適用又は投与すること、或いは、患者から単離された組織又は細胞株への治療剤の(例えば、診断又は生体外適用のための)適用又は投与であると定義される。このような処置は、薬理ゲノミクスの分野から得られる知識に基づいて、具体的に調整又は改変され得る。
【0165】
本明細書中で使用される場合、「予防する(prevent)」又は「予防(prevention)」という用語は、何も発生していなかった場合は障害若しくは疾患が発症しないことを意味するか、又は既に障害若しくは疾患が発症していた場合には、さらなる障害若しくは疾患が発症しないことを意味する。また、障害又は疾患に関連する症状の一部又は全てを予防する個体の能力も考慮される。
【0166】
本明細書中で使用される場合、「患者」、「個体」又は「対象」という用語は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を指す。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ及びネズミ科の動物などの家畜及びペットが挙げられる。好ましくは、患者、対象又は個体はヒトである。
【0167】
本開示による処置方法では、本開示による有効量の医薬品は、そのような疾患、障害又は状態に罹患している、又はそのような疾患、障害又は状態を有すると診断された対象に投与される。「有効量」は、指定の疾患、障害又は状態のためにそのような処置を必要とする患者において所望の治療的又は予防的利点を一般にもたらすために十分な、量又は用量を意味する。本開示の化合物の有効量又は用量は、例えば、モデリング、用量漸増試験若しくは臨床試験などの通常使われる方法によって、及び通常の因子、例えば投与若しくは薬物送達の方式若しくは経路、化合物の薬物動態、疾患、障害若しくは状態の重症度及び経過、対象の治療歴又は進行中の治療、対象の健康状態及び薬物への反応並びに治療医の判断を考慮に入れることによって確定され得る。用量の例は、単回用量単位又は分割用量単位(例えばBID、TID、QID)で、対象の体重1kg当たり1日当たり化合物約0.001~約200mg、好ましくは約0.05~100mg/kg/日、又は約1~35mg/kg/日の範囲内である。体重70kgのヒトの場合、適切な投与量の具体的範囲は、約0.05~約7g/日又は約0.2~約2.5g/日である。
【0168】
化合物の用量の例は約1mg~約2,500mgである。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物中で使用される本開示化合物の用量は、約10,000mg未満又は約8,000mg未満又は約6,000mg未満、又は約5,000mg未満又は約3,000未満、又は約2,000mg未満、又は約1,000mg未満、又は約500mg未満、又は約200mg未満、又は約50mg未満である。同様に、いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のような第2の化合物(即ちHBV処置のための別の薬物)の用量は、約1,000mg未満、又は約800mg未満、又は約600mg未満、又は約500未満、又は約400mg未満、又は約300mg未満、又は約200mg未満、又は約100mg未満、又は約50mg未満、又は約40mg未満、又は約30mg未満、又は約25mg未満、又は約20mg未満、又は約15mg未満、又は約10mg未満、又は約5mg未満、又は約2mg未満、又は約1mg未満、又は約0.5mg未満及びそのあらゆる全体的又は部分的な増分である。
【0169】
患者の疾患、障害又は状態の改善が起こったら、用量は、予防又は維持処置のために調整され得る。例えば、投与量若しくは投与頻度又はその両方は、症状の関数として、所望の治療的若しくは予防的効果が維持されるレベルまで減少させ得る。当然ながら、症状が適切なレベルに軽減されていれば、処置を中止し得る。しかし、患者は、症状が再発した場合、長期間にわたり間欠的な処置を必要とすることもある。
【0170】
本開示の方法に従って処置され得るHBV感染症としては、HBVの遺伝子型A、B、C及び/又はDの感染症が挙げられる。しかし、一実施形態では、開示される方法は、何れのHBVの遺伝子型も処置し得る(「汎遺伝子型の処置」)。HBVの遺伝子型判定は、当技術分野で公知の方法、例えば、INNO-LIPA(登録商標)HBV Genotyping,Innogenetics N.V.,Ghent,Belgium)を使用して実施され得る。
【実施例】
【0171】
次に、本開示の方法において有用な典型的な化合物について、それらの一般的調製についての以下の具体的な合成スキーム及び下記の特定の実施例を参照することによって説明する。本明細書中の様々な化合物を得るために、適宜保護を行うか又は行わずに、最終的に所望の置換基が反応スキームを通して保持されて、所望の生成物を生成することになるように、出発物質が適切に選択され得ることを当業者は理解するであろう。或いは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキームを通して保有され得、適宜、所望の置換基で置換され得る、適切な基を用いることが必要であり得るか又は所望され得る。特に明記されない限り、可変要素は、式(I)に関して上で定義されるとおりである。反応は、溶媒の融点と還流温度との間、好ましくは0℃と溶媒の還流温度との間で実施され得る。反応は、従来型の加熱又はマイクロ波加熱を用いて加熱され得る。反応は、溶媒の通常の還流温度より高い温度の密閉圧力容器内でも実施され得る。
【0172】
本明細書中で使用される略語及びアクロニムには、表2に規定したものが含まれる:
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
合成
次に、本発明の方法において有用な典型的な化合物について以下のそれらの一般的調製に関する具体的な合成スキーム及びそれに続く具体例を参照することによって説明する。
【0177】
【化10】
スキーム1によれば、式(V)の化合物(R
2は、H又はC
1~6アルキルであり、PGは、BOCである)は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシリルアミド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、カリウムブトキシドなどの適切な塩基、好ましくはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)の存在下、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン、トルエン、キシレン、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドンなどの適切な溶媒、好ましくはTHF中、-70~100℃、好ましくは-65~40℃の範囲の温度で2時間~24時間の間、クライゼン型反応又は酢酸エチルによるアシル化を受ける。式(VI)の化合物は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis,”3 ed.,John Wiley & Sons,1999に記載されているものなどの確立された方法論を用いて保護されて、式(VIIa)及び式(VIIb)の化合物(R
2は、H又はC
1~6アルキルであり、PGは、BOCである)の混合物を提供する。
【0178】
【化11】
スキーム2によれば、アセトンなどの適切な溶媒中、((2-(ブロモメチル)アリル)オキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシランなどのハロゲン化アルキル、K
2CO
3、NaIなどの塩基を用いた式(VIIa)及び(VIIb)のβ-ケトエステル化合物(R
2は、H又はC
1~6アルキルであり、PGは、BOCである)のアルキル化は、式(VIIIa)及び(VIIIb)の化合物の混合物を提供する。式(VIIIa)及び(VIIIb)の化合物の混合物の加水分解/脱炭酸は、MeOH、H
2O、又はそれらの混合物などの適切な溶媒中、水酸化カリウムなどを用いるなど塩基を用いて達成されて、式(IX)の化合物を提供する。
【0179】
【化12】
スキーム3によれば、式(IX)の化合物(R
2は、H又はC
1~6アルキルであり、PGは、BOCであり、PG
1は、TBDSPである)は、THFなどの適切な溶媒中、テトラ-n-ブチルアンモニウムフロリド(TBAF)で脱シリル化される。DCMなどの適切な溶媒中、続く塩化メタンスルホニル(塩化メシル)、トリエチルアミン(TEA)などの適切な塩基を用いたヒドロキシのメシル化により、式(XII)の化合物が提供される。THFなどの適切な溶媒中、DBUなどの塩基を用いた分子内環化により、式(XIII)の化合物(nは、1である)が提供される。式(XIII)の化合物(nは、0又は2である)は、式(XIII)の化合物(nは、1である)と類似の方法で調製することができる。
【0180】
【化13】
スキーム4によれば、式(XIII)の化合物は、DMAで処理されて式(XIV)のジメチレンアミン化合物を得、これは、ピリジンなどの第3級塩基の存在下、約70~115℃の温度で、ヒドロキシルアミン塩酸塩で処理されて、式(XV)の化合物を得る。同様の方法で、式(XIV)の化合物は、メタノールの存在下、ヒドロキシルアミン塩酸塩で処理されて、式(XVI)の化合物を得る。
【0181】
【化14】
スキーム5によれば、式(XV)の化合物のアルケニル部分は、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)の作用と、続く過酸化水素、及び水酸化物による処理によって、位置選択的に、その対応する式(XVII)の末端アルコール化合物に変換されて、式(XVII)の化合物を得る。前記末端アルコールは、当業者に周知の方法を用いて、さらに誘導体化される。例えば、アルコールは、酸化マンガンなどの適切な酸化剤の作用によって、対応するアルデヒドに酸化される。或いは、アルコール官能基はまた、THFなどの適切な溶媒中、2、2-ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネートなどの適切な求電子試薬、NaHなどの適切な塩基を用いてアルキル化されて、式(XVIII)の化合物を提供し得る。
【0182】
或いは、式(XV)の化合物(R4は、H又はC1~4アルキルである)は、当業者に既知の条件を用いて、オスミウム-触媒ジヒドロキシル化を受けて式(XIX)の化合物を提供する。例えば、式(XV)の化合物(R4は、H又はC1~4アルキルである)は、THF、アセトン、H2O、又はそれらの混合物などの適切な溶媒中、OsO4(又はOsO4はまたNMOによるK2OsO2(OH)4の酸化によってその場で調製され得る)のようなオスミウム含有化合物、NMOなどのアミンオキシド共酸化剤などの酸化剤と反応して、式(XIX)の化合物を提供する。式(XIX)の化合物は、過ヨウ素酸ナトリウムなどの酸化剤による処理後に、式(XX)の化合物を提供する。式(XX)のケトンの式(XXI)のアルコールへの還元は、アルコール系溶媒などの適切な溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化源の反応によって達成される。
【0183】
【化15】
スキーム6によれば、市販の又は合成により入手可能なハロゲン化アルキル、例えば3-ブロモプロパ-1-エンは、DMF、THF、ピリジンなどの適切な溶媒中、式(V)の化合物(R
2は、H又はC
1~6アルキルである)、Cs
2CO
3、炭酸カリウムなどの無機塩基と反応して、式(XXII)の化合物を提供する。式(XXII)の化合物のエステル官能基は、THFなどの適切な溶媒中、-40℃~40℃の範囲の温度で、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化源によって還元されて式(XXIII)のアルコールを得る。式(XXIV)の化合物は、2工程で調製される。第1の工程では、対応するアルデヒドの酸化は、当業者に既知の条件、例えば、スワーン酸化条件((COCl)
2/DMSO)、又はTPAP-NMO条件を用いて達成される。第2の工程では、THFなどの非プロトン性溶媒中、-40℃~40℃の範囲の温度での臭化アリルマグネシウムなどのグリニャール試薬とのアルデヒド中間体の反応により、式(XXIV)の化合物(PGは、Bocであり、Xは、Nであり、R
2は、H又はC
1~6アルキルである)が提供される。
【0184】
【化16】
スキーム7によれば、市販の又は合成により入手可能なジエチル1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートは、DMFなどの適切な溶媒中、tert-ブチルN-(2-ブロモエチル)カルバメート、Cs
2CO
3などの塩基によりアルキル化されて、ジエチル1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートを提供する。ジエチル1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートは、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis,”3 ed.,John Wiley & Sons,1999に記載されているものなどの確立された方法論を用いて脱保護され、次いで、その後塩基性条件下で処理されて、エチル4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-カルボキシレート及びメチル4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-カルボキシレートの混合物を形成する。エチル4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-カルボキシレート及びメチル4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-カルボキシレートの混合物は、LAHなどの水素化源を伴い、その後Boc-無水物を用いた処理などの従来の方法を用いたアミノ官能基の脱保護により、tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートを得る。
【0185】
【化17】
スキーム8によれば、tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートのヨウ素化は、ACNなどの適切な溶媒中、約15℃の温度で、N-ヨードスクシンイミドなどのハロゲン化剤を用いて達成されて、tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-3-ヨード-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートを提供する。続くtert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-3-ヨード-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートの酸化は、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中、約0℃~約25℃の範囲の温度で約0.5~4時間の間、デス・マーチンペルヨージナン(DMP)などの適切な酸化剤を用いて達成されて、tert-ブチル2-ホルミル-3-ヨード-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートを提供する。
【0186】
tert-ブチル2-ホルミル-3-ヨード-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートは、THF、トルエンなどの有機溶媒中、メチルトリフェニルホスホニウムブロミドなどのウィティッヒ型試薬、NaHMDSなどの塩基と反応してtert-ブチル3-ヨード-2-ビニル-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートを提供する。tert-ブチル3-ヨード-2-ビニル-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレートは、THFなどの適切な溶媒中、i-PrMgClなどの有機マグネシウムハロゲン化物の存在下、従来のグリニャール反応条件下でペンタ-4-エナールと反応して、式(XXV)の化合物(PGは、BOCであり、Yは、Nであり、R2は、Hである)を提供する。
【0187】
【化18】
スキーム9によれば、式(XXVI)の化合物(式(XXIV)及び(XXV)の化合物を含む)は、DCMなどの溶媒中、16~24時間の間、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジンイリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(Hoveyda-Grubbs II触媒)を用いた閉環メタセシス反応を受けて、式(XXVII)の化合物を提供する。
【0188】
式(XXVII)の化合物(PGは、Bocであり、Yは、Cであり、Xは、Nであり、R2は、H又はC1~6アルキルである)は、DMF、メタノール、ジオキサン/水などの適切な溶媒又は溶媒系中、炭素上Pd、Pd(dppf)Cl2又はPd(PPh3)4を含むがこれらに限定されないパラジウム触媒の存在下、水素化条件を用いて還元されて、式(XXVIII)の化合物(PGは、Bocであり、Yは、Cであり、Xは、Nであり、nは、1であり、R2は、H又はC1~6アルキルである)を提供する。
【0189】
式(XXVIII)の化合物の式(XXIX)の化合物への酸化は、当業者に既知の条件を用いて達成される。例えば、ACN、DCM、DMFなどの適切な溶媒中、式(XXVIII)のアルコール化合物の酸化触媒過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)、及び共酸化剤としてのメチルモルホリンN-オキシド(NMO)との反応は、式(XXIX)の化合物(Xは、Nであり、Yは、Cである)を提供する。
【0190】
同様の方法で、式(XXVII)の化合物(Xは、Cであり、Yは、Nである)は、最初に、前述したTPAP条件下で酸化され、続いて前述した水素化条件を用いて二重結合を還元して、式(XXIX)の化合物(PGは、Bocであり、Yは、Nであり、Xは、Cであり、nは、1であり、R2は、H又はC1~6アルキルである)を提供する。
【0191】
式(XXIX)の化合物(nは、0又は2である)は、式(XXIX)の化合物(nは、1である)と類似の方法で調製することができる。
【0192】
【化19】
スキーム10によれば、式(XXX)のケトン化合物(Xは、Nであり、Yは、Cであり、R
1及びR
1Aは、Hであり、又はR
1及びR
1Aは一緒になってメチレンを形成し、R
2は、H又はC
1~6アルキルであり、PGは、Bocである)は、ジメチルホルムアミド-ジメチルアセタール(DMF-DMA)と縮合されて式(XXXI)の化合物(R
aは、OH又はN(CH
3)
2であり、nは、1である)を得る。
【0193】
式(XXX)の化合物(Xは、Nであり、Yは、Cであり、R1及びR1Aは、Hであり、R2は、H又はC1~6アルキルであり、nは、1であり、PGは、BOCである)は、THFなどの非プロトン性有機溶媒中、LDAなどの強い有機金属塩基の存在下、HMPAの存在下、臭化アリルでアルキル化されて、式(XXXII)の化合物を得る。式(XXXII)の化合物の式(XXXIII)のアルデヒド化合物への酸化は、例えば、四酸化オスミウム、過ヨウ素酸ナトリウム、スワーン酸化条件などの当業者に既知の条件下で達成される。
【0194】
式(XXX)の化合物(Xは、Nであり、Yは、Cであり、R1及びR1Aは、Hであり、R2は、H又はC1~6アルキルであり、nは、1であり、PGは、BOCである)は、EtOHなどの適切な溶媒中、アミノ化/環化条件下でプロパルギルアミン、NaAuCl4・2H2Oなどの金触媒と反応して、式(XXXIV)の化合物を提供する。
【0195】
式(XXX)のケトン化合物(Xは、Cであり、Yは、Nであり、R1及びR1Aは、Hであり、R2は、H又はC1~6アルキルであり、PGは、Bocである)は、ジメチルホルムアミド-ジメチルアセタール(DMF-DMA)と縮合されて、式(XXXV)のエナミノン化合物を得る。代替的方法では、トリス(ジメチルアミノ)メタン(TDAM)は、トルエンなどの溶媒中、約115℃の温度で、式(XXX)の化合物と12~20時間の間反応して、式(XXXV)の化合物(Raは、N(CH3)2であり、nは、1である)を提供する。
【0196】
式(XXXI)、(XXXIII)、(XXXIV)、及び(XXXV)の化合物(nは、0又は2である)は、式(XXXI)、(XXXIII)、(XXXIV)、及び(XXXV)の化合物(nは、1である)と類似の方法で調製することができる。
【0197】
【化20】
スキーム11によれば、式(XXXVIIa、XXXVIIb、XXXVIIc)の化合物は、式(XXXVI)の化合物(Xは、Nであり、Yは、Cであり、nは、1であり、Raは、OHである)を、MeOHなどの適切な溶媒中、メチルヒドラジン又はヒドラジン水和物などのヒドラジンと反応させることによって調製される。
【0198】
式(XXXVI)の化合物(Raは、OH又はN(CH3)2である)は、ピリジンなどの第3級塩基の存在下、70℃~115℃の範囲の温度で、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応して式(XXXVIII)のイソオキサゾール化合物を得る。同様の方法で、式(XXXVI)の化合物は、MeOHなどの適切な溶媒中、約70℃の温度でヒドロキシルアミン塩酸塩で処理されて、式(XXXIX)のイソオキサゾール化合物(nは、1である)を提供する。
【0199】
式(XXXVIIa)、(XXXVIIb)、(XXXVIIc)、(XXXVIII)、及び(XXXIX)の化合物(nは、0又は2である)は、式(XXXVIIa)、(XXXVIIb)、(XXXVIIc)、(XXXVIII)、及び(XXXIX)の化合物(nは、1である)と類似の方法で調製することができる。
【0200】
【化21】
スキーム12によれば、tert-ブチル11-オキソ-10-(2-オキソエチル)-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレートは、ヒドラジン水和物で処理されてtert-ブチル4a,5,6,7,10,11-ヘキサヒドロ-4H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレートを得る。tert-ブチル4a,5,6,7,10,11-ヘキサヒドロ-4H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレートは、THFなどの適切な溶媒中、約0℃の温度で、DDQなどの試薬で酸化されて式(XL)の芳香族化化合物(nは、1であり、R
2は、Hであり、PGは、Bocである)を得る。
【0201】
式(XL)の化合物(nは、0又は2であり、R2は、H又はC1~6アルキルである)は、式(XL)の化合物(nは、1である)と類似の方法で調製することができる。
【0202】
【化22】
スキーム13によれば、式(XLI)の化合物は、ローソンの試薬を用いて式(XLII)のチオアミド化合物に変換される。例えば、tert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(PCT国際出願国際公開第2018005883号パンフレット、2018年1月4日に記載されている)は、トルエンなどの適切な溶媒中、約110℃の温度で、ローソンの試薬で処理されて、tert-ブチル11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレートを提供する。式(XLII)の化合物を環化して、式(XLIII)の化合物を形成する。例えば、tert-ブチル11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレートは、ACNなどの適切な溶媒中、R
b-置換ヒドラジド(式中、R
bは、水素又はCH
3である)、Hg(OAc)
2で環化されて式(XLIII)の化合物(R
2は、H又はC
1~6アルキルであり、PGは、Bocであり、nは、1であり、Rbは、H又はCH
3である)を得る。
【0203】
式(XLIII)の化合物(nは、0又は2であり、R2は、H又はC1~6アルキルである)は、式(XLIII)の化合物(nは、1である)と類似の方法で調製することができる。
【0204】
【化23】
スキーム14によれば、式(XLIV)の化合物(式(XV)、(XVI)、(XVIII)、(XXI)、(XXXIV)、(XXXVIIa)、(XXXVIIb)、XXXVIIc)、(XXXVIII)、(XXXIX)、(XL)、及び(XLIII)の化合物を包含する)は、当業者に既知の条件を用いて脱保護される。続くDCMなどの適切な溶媒中、市販の又は合成により入手可能な式(XLV)の化合物(Z
2、R
3及びR
4は請求項1に定義した通りである)、TEAなどの適切な塩基との反応により、式(I)の化合物が提供される。
【0205】
式(I)の化合物は、当業者にとって公知である方法を使用してそれらの対応する塩に変換され得る。例えば、Et2O、CH2Cl2、THF、MeOH、クロロホルム又はイソプロパノールなどの溶媒中でトリフルオロ酢酸、HCl又はクエン酸で式(I)のアミンを処理して、対応する塩形態を得る。或いは、トリフルオロ酢酸又はギ酸塩は、逆相HPLC精製条件の結果として得られる。式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、極性溶媒(極性溶媒の混合物及び極性溶媒の水性混合物を含む)又は非極性溶媒(非極性溶媒の混合物を含む)からの再結晶化により結晶形態で入手し得る。
【0206】
本開示による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、従ってそれらはエナンチオマーとして存在し得る。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらはさらなるジアステレオマーとして存在し得る。全てのそのような異性体及びそれらの混合物は、本開示の範囲内に包含されると理解されたい。
【0207】
「立体異性体混合物」として上のスキームで表される式の化合物(2つ以上の立体異性体の混合物を意味し、エナンチオマー、ジアステレオマー及びそれらの組み合わせを含む)をSFC分割により分離する。
【0208】
上述のスキームによって調製される化合物は、形態特異的合成又は分解によって、単一エナンチオマーなどの単一形態として入手され得る。上述のスキームによって調製される化合物は、或いは、ラセミ形(1:1)又は非ラセミ形(非1:1)などの様々な形態の混合物として入手され得る。エナンチオマーのラセミ形態及び非ラセミ形態の混合物が得られる場合、単一エナンチオマーは、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、ジアステレオマー塩形成法、ジアステレオマー付加化合物への誘導体化、生体内変換又は酵素的変換などの当業者にとって公知の従来型分離法を使用して単離され得る。位置異性体又はジアステレオマー混合物が得られるとき、該当する場合は、単一異性体は、クロマトグラフィー又は結晶化などの従来法を使用して分離され得る。
【0209】
一般的手順
下記の具体的な実施例は、本開示及び様々な好ましい実施形態を詳細に例示するために提供される。
【0210】
下記の実施例に記載の化合物及び対応する分析データを入手する際には、他に特に指示されない限り、下記の実験プロトコール及び分析プロトコールに従った。
【0211】
他に指示されない限り、反応混合物は、窒素雰囲気下の室温(rt)で磁石を使用して撹拌した。溶液が「乾燥させられた」場合には、それらは一般にNa2SO4又はMgSO4などの乾燥剤の上で乾燥させた。混合物、溶液及び抽出物を「濃縮した」場合は、それらは、典型的には、減圧下、ロータリーエバポレーター上で濃縮した。
【0212】
順相シリカゲルクロマトグラフィー(FCC)は、予めパックされたカートリッジを使用してシリカゲル(SiO2)上で実施した。
【0213】
分取逆相高速液体クロマトグラフィー(RP HPLC)を下記の何れかの方法で実施した:
方法A.Phenomenex Synergi C18(10μm、150 × 25mm)若しくはBoston Green ODS C18(5μm、150 × 30mm)を備え、流速25mL/min、10分間で水(0.225%FAを含む)中5~99%ACN、及び次に100%ACNで2分間保持する移動相での、Gilson GX-281 semi-prep-HPLC。
又は
方法B.Phenomenex Synergi C18(10μm、150 × 25mm)若しくはBoston Green ODS C18(5μm、150 × 30mm)を備え、流速25mL/min、10分間で水(0.1%TFA)中5~99%ACN、及び次に100%ACNで2分間保持する移動相での、Gilson GX-281 semi-prep-HPLC。
又は
方法C.Phenomenex Synergi C18(10μm、150 × 25mm)若しくはBoston Green ODS C18(5μm、150 × 30mm)を備え、流速25mL/分、10分間で水(0.05%HCl)中5~99%ACN、及び次に100%ACNで2分間保持する移動相での、Gilson GX-281 semi-prep-HPLC。
又は
方法D.Phenomenex Gemini C18(10μm、150 × 25mm)、AD(10μm、250mm × 30mm)若しくはWaters XBridge C18カラム(5μm、150 × 30mm)を備え、流速25mL/分、10分間で水(0.05%水酸化アンモニアv/v入り)中0~99%ACN、及び次に100%ACNで2分間保持する移動相での、Gilson GX-281 semi-prep-HPLC。
又は
方法E.Phenomenex Gemini C18(10μm、150 × 25mm)若しくはWaters XBridge C18カラム(5μm、150 × 30mm)を備え、流速25mL/分、10分間で水(10mM NH4HCO3)中5~99%ACN及び次に100%のACNで2分間保持する移動相での、Gilson GX-281 semi-prep-HPLC。
【0214】
分取超臨界高速流体クロマトグラフィー(SFC)は、Thar 80 Prep-SFCシステム又はWaters 80Q Prep-SFCシステムの何れかで実施した。ABPRは、CO2をSF条件で維持するために100barに設定し、50g/分~70g/分の範囲の流速で、化合物の特徴に従って検証し得る。カラム温度は周囲温度であった。
【0215】
質量分析(MS)は、他に指定されない限り、SHIMADZU LCMS-2020 MSD又はAgilent 1200\G6110A MSD上でエレクトロスプレーイオン化(ESI)を使用して、ポジティブモードで得た。計算(calcd.)質量は、正確な質量に対応する。
【0216】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker model AVIII 400型分光計上で得た。多重度に対する定義は次のとおりである:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、br=ブロード。交換可能な陽子を含む化合物については、前記陽子は、NMRスペクトルを実行するために使用した溶媒の選択及び溶液中の化合物の濃度に依存して、NMRスペクトル上で見える場合、又は見えない場合があることが理解されよう。
【0217】
化学名は、ChemDraw Ultra 12.0,ChemDraw Ultra 14.0(CambridgeSoft Corp.,Cambridge,MA)又はACD/Name Version 10.01(Advanced Chemistry)を使用して作成した。
【0218】
R*又はS*として指定される化合物は、絶対配置が決定されなかったエナンチオマー的に純粋な化合物である。
【0219】
中間体1:tert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化24】
工程A. tert-ブチル3-(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。酢酸エチル(20.88g、237.02mmol、23.20mL)のTHF(120mL)溶液に、NaHMDS(1M、474.04mL)をN
2下で-65℃で加えた。5-tert-ブチル3-エチル6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート(国際公開第2018005881号パンフレット、公開日2018年1月4日に記載されている製剤)(28g、94.81mmol)のTHF(200mL)溶液を、混合物に-65℃で1時間かけて滴加した。この混合物を45℃で10時間撹拌した。この混合物をHCl(1M aq、1500mL)でクエンチし、酢酸エチル(1500mL)で希釈した。有機相を分離し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、真空濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)により精製して表題化合物(28.4g、84.18mmol、収率88.79%、純度100%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C
16H
23N
3O
5の質量計算値、337.16;m/z実測値、360.1[M+Na]
+。
【0220】
工程B. ジ-tert-ブチル3-(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2,5(4H)-ジカルボキシレート及びジ-tert-ブチル3-(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1,5(4H)-ジカルボキシレートの混合物。
tert-ブチル3-(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(18g、53.35mmol)、TEA(16.20g、160.06mmol、22.28mL)及びDMAP(651.82mg、5.34mmol)のDCM(200mL)溶液にBoc2O(11.64g、53.35mmol、12.26mL)を加え、混合物を15℃で2時間撹拌した。この混合物を1M HCl aq(250mL)に注ぎ、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~20%酢酸エチル/石油エーテルの溶離液)により精製して表題化合物(20g、22.86mmol、収率42.84%、純度100%)を無色油として得た。MS(ESI):C21H31N3O7の質量計算値、437.22;m/z実測値、460.1[M+Na]+/897.2[2M+23]+。
【0221】
工程C. ジ-tert-ブチル3-(4-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(エトキシ-カルボニル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2,5(4H)-ジカルボキシレート及びジ-tert-ブチル3-(4-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(エトキシカルボニル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1,5(4H)-ジカルボキシレートの混合物。ジ-tert-ブチル3-(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2,5(4H)-ジカルボキシレート及びジ-tert-ブチル3-(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1,5(4H)-ジカルボキシレート(14.00g、32.04mmol)のアセトン(150mL)中の混合物に、K2CO3(6.64g、48.05mmol)、NaI(960.39mg、6.41mmol)及び2-(ブロモメチル)アリルオキシ-tert-ブチル-ジフェニル-シラン(14.97g、38.44mmol)を加えた。この混合物を55℃で4時間撹拌した。この混合物をHCl(400mL、1M aq)に0℃で注ぎ、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(500mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=30/1~20/1)により精製して表題化合物(13.5g、16.83mmol、収率52.53%、純度93%)(TLC、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)を黄色油として得た。MS(ESI):C41H55N3O3Siの質量計算値、745.38;m/z実測値、768.5[M+Na]+。
【0222】
工程D. tert-ブチル3-(4-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。ジ-tert-ブチル3-(4-(((tert-ブチル-ジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(エトキシカルボニル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2,5(4H)-ジカルボキシレート及びジ-tert-ブチル3-(4-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-メチル)-2-(エトキシカルボニル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1,5(4H)-ジカルボキシレート(13.5g、16.83mmol)のMeOH(50mL)中の混合物に、KOH(1.89g、33.66mmol)の水(10mL)溶液を加えた。この混合物を65℃で3時間撹拌した。この混合物をHCl(1M、aq、300mL)に注ぎ、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2:石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して表題化合物(8.9g、15.51mmol、収率92.15%)を黄色油として得た。MS(ESI):C33H43N3O4Siの質量計算値、573.3;m/z実測値、574.4[M+H]+。
【0223】
工程E. tert-ブチル3-(4-(ヒドロキシメチル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル3-(4-(((tert-ブチルジフェニルシリル)-オキシ)メチル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(14g、21.96mmol)のTHF(50mL)溶液にTBAF(1M、32.94mL)を加えた。この混合物を30℃で12時間撹拌した。この混合物を水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1~1/1)により精製して表題化合物(6.3g、18.41mmol、収率83.83%、純度98%)を白色固体として得た。MS(ESI)/C17H25N3O4の質量計算値、335.2;m/z実測値、358.1[M+Na]+;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=5.05(s,1H),4.91(s,1H),4.67(s,2H),4.16(s,2H),3.72(t,J=5.4Hz,2H),3.15(s,2H),2.79(t,J=5.6Hz,2H),2.53(t,J=7.2Hz,2H),1.49(s,9H).
【0224】
工程F. tert-ブチル3-(4-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル3-(4-(ヒドロキシメチル)-ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(6.3g、18.41mmol)及びTEA(5.59g、55.23mmol、7.69mL)のDCM(30mL)溶液にMsCl(4.73g、41.29mmol、3.20mL)をN2下で0℃で加えた。この混合物を0℃で1時間撹拌した。この混合物を水(60mL)に注ぎ、酢酸エチル(60mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(60mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(8.2g、粗)を黄色油として得た。MS(ESI):C18H27N3O6Sの質量計算値、413.2;m/z実測値、414.1[M+H]+。
【0225】
工程G. tert-ブチル8-メチレン-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル3-(4-(((メチルスルホニル)-オキシ)メチル)ペンタ-4-エノイル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(8.2g、粗)のTHF(60mL)溶液にDBU(7.06g、46.37mmol、6.99mL)をN2下で30℃で加えた。この混合物を30℃で1時間撹拌した。この混合物を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~8/1)により精製して表題化合物(4.2g、11.25mmol、純度85%)を無色油として得た。MS(ESI):C17H23N3O3の質量計算値、317.2;m/z実測値、318.2[M+H]+;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=5.22(s,1H),5.09(s,1H),5.03(s,2H),4.62(s,2H),3.68(s,2H),2.93-2.87(m,2H),2.74(s,4H),1.47(s,9H).
【0226】
工程H. tert-ブチル10-((ジメチルアミノ)メチレン)-8-メチレン-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル8-メチレン-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(4.2g、11.25mmol)のDMF-DMA(15mL)溶液を80℃で12時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(4.5g、粗)を黄色固体として得た。MS(ESI):C20H28N4O3の質量計算値、372.2;m/z実測値、395.1[M+Na]+。
【0227】
工程I. tert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。tert-ブチル-10-((ジメチル-アミノ)-メチレン)-8-メチレン-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(4.5g、粗)のPy(50mL)溶液にNH2OH・HCl(5.04g、72.53mmol)を加えた。この混合物を115℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をHCl(1N、aq、40mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1)により精製して表題化合物(2.1g、5.95mmol、純度97%)を白色固体として得た。MS(ESI):C18H22N4O3の質量計算値、342.2;m/z実測値、343.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.32(s,1H),5.34(s,1H),5.26(s,1H),4.93(s,2H),4.68(s,2H),3.75(s,2H),3.64(s,2H),2.79(s,2H),1.50-1.47(m,9H).
【0228】
中間体2:tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化25】
tert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1、工程Iの生成物、480mg、1.40mmol)のTHF(5mL)溶液に1,9-BBN(0.5M、56.08mL)を-10℃で加えた。この混合物を-10℃で2時間撹拌し、次いでNaOH(560.72mg、14.02mmol)の水(5mL)溶液を-30℃で加え、次いでH
2O
2(3.18g、28.04mmol、2.69mL、純度30%)を加えた。この混合物を15℃で16時間撹拌した。この混合物をsat.aq NaHSO
3(50mL)でクエンチし、EtOAc(80mL×3)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50%~100%)により精製して表題化合物(460mg、1.24mmol、収率88.31%、純度97%)を白色固体として得た。MS(ESI):C
18H
24N
4O
4の質量計算値、360.18;m/z実測値、361.0[M+H]
+。
【0229】
中間体3:(5S
*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化26】
工程A. (5S
*)-tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート及び(5R
*)-tert-ブチル-5-(ヒドロキシ-メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体2)をSFC(条件:カラム:IC(250mm×30mm、10um);移動相:[0.1% NH
3 H
2O IPA];B%:45%-45%,6.1分;100分)により単離して(5S
*)-tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(SFC上のピーク1(IC-3S_4_40_3MLカラム:Chiralpak IC-3 100×4.6mm I.D.、3um移動相:CO
2中の40%イソ-プロパノール(0.05% DEA)流速:3mL/分 波長:220nm)、保持時間=1.369分、136mg、純度97%)を白色固体として、及び(5R
*)-tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(SFC上のピーク2(IC-3S_4_40_3MLカラム:Chiralpak IC-3 100×4.6mm I.D.、3um移動相:CO
2中の40%イソ-プロパノール(0.05% DEA)流速:3mL/分 波長:220nm)、保持時間=1.627分、82mg、純度97%)を白色固体として得た。
【0230】
工程B. (5S*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ-[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。(5S*)-tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(135.00mg、363.34umol)のTHF(2mL)溶液にNaH(30mg、750.07umol、純度60%)を加えた。この混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで2、2-ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(234mg、1.09mmol)を混合物に加えた。この混合物を0℃で4時間撹拌し、次いで氷水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(140mg、粗)を無色油として得た。MS(ESI):C20H26F2N4O4の質量計算値、424.2;m/z実測値、425.1[M+H]+。
【0231】
中間体4. (5R
*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化27】
表題化合物を、中間体3と類似の方法であるが、工程Bの(5S
*)-tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレートを(5R
*)-tert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレートに代えて調製した。MS(ESI):C
20H
26F
2N
4O
4の質量計算値、424.2;m/z実測値、425.1[M+H]
+。
【0232】
中間体5:tert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化28】
tert-ブチル10-((ジメチルアミノ)メチレン)-8-メチレン-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(中間体1、工程Hの生成物、0.32g、859.15umol)のMeOH(10mL)溶液にNH
2OH・HCl(358.21mg、5.15mmol)を加えた。この混合物を30℃で12時間撹拌した。この混合物を水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~2/1)により精製して表題化合物(200mg、519.87umol、純度89%)を無色油として得た。MS(ESI):C
18H
22N
4O
3の質量計算値、342.2;m/z実測値、343.1[M+H]
+;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.17(s,1H),5.39(s,1H),5.33(s,1H),4.87(s,2H),4.75(s,2H),3.74(s,2H),3.57(s,2H),2.78(t,J=5.4Hz,2H),1.49(s,9H).
【0233】
中間体6:tert-ブチル5-ヒドロキシ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化29】
工程A. tert-ブチル5-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート tert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1、工程Iの生成物、300mg、876.19umol)のTHF(20mL)及びH
2O(10mL)の溶液にNMO(153.97mg、1.31mmol、138.71uL)及びK2OsO
4.2H
2O(32.28mg、87.62umol)を0℃で加えた。この混合物を25℃で16時間撹拌した。追加のNMO(153.97mg)及びK
2OsO
4.2H
2O(50mg)を加え、混合物を25℃で16時間撹拌した。この混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合わせた有機層をsat.aq.NaHSO
3(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(334mg、粗)を白色固体として得た。MS(ESI):C
18H
24N
4O
5の質量計算値、376.2;m/z実測値、377.1[M+H]
+。
【0234】
工程B. tert-ブチル5-オキソ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。tert-ブチル5-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシ-メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(330mg)のTHF(3.3mL)及び水(3.3mL)の溶液にNaIO4(562.56mg、2.63mmol、145.74uL)を加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。この混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(40mL×2)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(320mg、粗)を茶色固体として得た。LCMSは、60%の水和物の質量及び24%の所望の質量を示した。MS(ESI):C17H20N4O4の質量計算値、344.4;m/z実測値、345.2[M+H]+
【0235】
工程C. tert-ブチル5-ヒドロキシ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。tert-ブチル5-オキソ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(300mg)のEtOH(3mL)溶液にNaBH4(65.92mg、1.74mmol)を0℃で加えた。この混合物を25℃で5時間撹拌した。反応をsat.aq NH4Cl(20mL)でクエンチし、EtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(230mg、粗)を黄色固体として得た。MS(ESI):C17H22N4O4の質量計算値、346.4;m/z実測値、347.3[M+H]+。
【0236】
中間体7:(10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化30】
工程A. (R)-5-tert-ブチル3-エチル2-アリル-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート。(R)-5-tert-ブチル3-エチル6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート(PCT国際出願国際公開第2018005883号パンフレットに記載されている製剤)(15g、48.49mmol)、3-ブロモプロパ-1-エン(8.80g、72.73mmol)、Cs
2CO
3(39.50g、121.22mmol)の無水DMF(200mL)中の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いで混合物をN
2雰囲気下で15℃で16時間撹拌した。この混合物を水(30mL)に注ぎ、5分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~1/1)により精製して表題化合物(9.7g、26.26mmol、収率54.16%、純度94.6%)を無色油として得た。MS(ESI):C
18H
27N
3O
4の質量計算値、349.2;m/z実測値、350.1[M+H]
+。
【0237】
工程B. (R)-tert-ブチル2-アリル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。(R)-5-tert-ブチル3-エチル2-アリル-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート(8g、22.89mmol)のTHF(80mL)溶液をLiAlH4(1.30g、34.34mmol)にN2下で-40℃で加え、次いでこの混合物をN2雰囲気下で-40℃で2時間撹拌した。氷NaOH(3mL、15% aq)を混合物に-40℃で滴加し、5分間撹拌した。次いで混合物を15℃まで温め、濾過した。濾液を水(40mL)に注ぎ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~0:1)により精製して表題化合物(6.3g、20.29mmol、収率88.62%、純度99%)を無色油として得た。MS(ESI):C16H25N3O3の質量計算値、307.2;m/z実測値、308.1[M+H]+。
【0238】
工程C. (R)-tert-ブチル2-アリル-3-ホルミル-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。(COCl)2(4.74g、37.33mmol、3.27mL)のDCM(150mL)溶液にDMSO(3.89g、49.77mmol、3.89mL)をN2下で-78℃で一度に加えた。この混合物を-78℃で15分間撹拌した。次いで(R)-tert-ブチル2-アリル-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(7.3g、24.88mmol)を加え、次いでTEA(8.81g、87.09mmol、12.12mL)を加えた。この混合物をN2雰囲気下で-78℃で2時間撹拌し、次いで混合物を-40℃で水(200mL)に注ぎ、1分間撹拌し、次いで15℃まで温めた。水性相をDCM(100mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~50/1)により精製して表題化合物(6.4g、21.31mmol、収率85.63%、純度97%)を無色油として得た。MS(ESI):C16H23N3O3の質量計算値、305.2;m/z実測値、306.1[M+H]+。
【0239】
工程D. (6R)-tert-ブチル2-アリル-3-(1-ヒドロキシブタ-3-エン-1-イル)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。(R)-tert-ブチル2-アリル-3-ホルミル-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(5.8g、18.99mmol)のTHF(60mL)溶液に、アリル(ブロモ)マグネシウム(1M、56.98mL)をN2下で-40℃で滴加した。この混合物を-40℃で30分間撹拌し、次いで0℃に加熱し、2時間撹拌した。この混合物を氷HCl(aq.1N、50mL)でクエンチし、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(60mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~1:1)により精製して表題化合物(5.7g、15.70mmol、収率82.66%、純度95.7%)を無色油として得た。MS(ESI):C19H29N3O3の質量計算値、347.2;m/z実測値、348.1[M+H]+。
【0240】
工程E. (3R)-tert-ブチル11-ヒドロキシ-3-メチル-3,4,10,11-テトラヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。(6R)-tert-ブチル2-アリル-3-(1-ヒドロキシブタ-3-エン-1-イル)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(2.2g、6.33mmol)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン]-ジクロロ-[(2-イソプロポキシフェニル)メチレン]ルテニウム(396.77mg、633.18umol)のDCM(1.6L)中の混合物を脱気し、N2(3×)でパージし、次いでこの混合物をN2雰囲気下で40℃で16時間撹拌した。[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン]-ジクロロ-[(2-イソプロポキシフェニル)メチレン]ルテニウム(198.38mg、316.59umol)を窒素雰囲気下で15℃で混合物に加えた。この混合物をN2下で34℃でさらに32時間撹拌し、次いで混合物を40℃でさらに32時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~3/1)により精製して表題化合物(1.8g、5.58mmol、収率88.11%、純度99%)を黒茶色固体として得た。MS(ESI):C17H25N3O3の質量計算値、319.2;m/z実測値、320.1[M+H]+。
【0241】
工程F. (3R)-tert-ブチル11-ヒドロキシ-3-メチル-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。(3R)-tert-ブチル11-ヒドロキシ-3-メチル-3,4,10,11-テトラヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(750mg、2.35mmol)のMeOH(30mL)溶液に、Pd/C(75mg、10%)をN2下で加えた。この懸濁液を減圧下で脱気し、H2で数回パージした。この混合物をH2(15psi)下で15℃で16時間撹拌した。この混合物を濾過し、減圧下で濃縮して表題化合物(680mg、2.12mmol、収率90.10%)を黒茶色油として得た。MS(ESI):C17H27N3O3の質量計算値、321.2;m/z実測値、322.1[M+H]+。
【0242】
工程G. (R)-tert-ブチル3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。
(3R)-tert-ブチル11-ヒドロキシ-3-メチル-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(680mg、2.12mmol)、TPAP(148.70mg、423.13umol)及びNMO(991.36mg、8.46mmol、893.11uL)のアセトニトリル(ACN)(10mL)中の混合物を脱気し、N2(3×)でパージし、次いで混合物をN2雰囲気下で15℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)により精製して表題化合物(600mg、1.84mmol、収率87.02%、純度98%)を黄色油として得た。MS(ESI):C17H25N3O3の質量計算値、319.2;m/z実測値、320.1[M+H]+。
【0243】
工程H. (R)-tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。
(R)-tert-ブチル3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(400mg、1.25mmol)のDMF-DMA(13.46g、112.91mmol、15mL)溶液を75℃で16時間撹拌した。この混合物を75℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水(20mL)に注ぎ、2分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(440mg、粗)を黄色固体として得た。MS(ESI):C18H25N3O4の質量計算値、347.2;m/z実測値、348.1[M+H]+。
【0244】
工程I. (10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
(R)-tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(200mg、575.69umol)のMeOH(30mL)溶液にNH2OH・HCl(240.03mg、3.45mmol)をN2下で30℃で一度に加えた。この混合物を30℃で16時間撹拌した。この混合物を水(100mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)により精製して表題化合物(120mg、348.42umol、収率60.52%)を薄黄色油として得た。MS(ESI):C18H24N4O3の質量計算値、344.2;m/z実測値、345.1[M+H]+。
【0245】
中間体8:(11R)-tert-ブチル11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート。
【化31】
(R)-tert-ブチル3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(160mg、500.94umol、中間体7における工程Gの生成物)及びプロパ-2-イン-1-アミン(137.96mg、2.50mmol、160.41uL)のEtOH(2mL)溶液に、NaAuCl
4・2H
2O(49.82mg、125.24umol)を加えた。この混合物を80℃で72時間撹拌した。残留物を水(10mL)で希釈し、混合物をEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1)により精製して表題化合物(90mg、190.44umol、収率38.02%、純度75%)を黄色油として得た。MS(ESI):C
20H
26N
4O
2の質量計算値、354.2;m/z実測値、355.1[M+H]
+。
【0246】
中間体9:(10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化32】
(R)-tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(200mg、575.69umol)のPy(30mL)溶液にNH
2OH・HCl(240.03mg、3.45mmol)をN
2下で一度に加えた。この混合物を115℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をHCl(1N aq、100mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)により精製して表題化合物(90mg、261.32umol、収率45.39%)を薄黄色油として得た。MS(ESI):C
18H
24N
4O
3の質量計算値、344.2;m/z実測値、345.1[M+H]
+。
【0247】
中間体10:tert-ブチル6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート。
【化33】
工程A. tert-ブチル11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-3,4,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(PCT国際出願国際公開第2018005883号パンフレット、2018年1月4日に記載されている製剤)(250.00mg、816.03umol)のトルエン(5mL)溶液にローソンの試薬(165.03mg、408.02umol)を加えた。この混合物を110℃まで3時間加熱し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(EtOAc)により精製して表題化合物(258.00mg、800.20umol、収率98.06%)を黄色固体として得た。
【0248】
工程B. tert-ブチル6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ-[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(80.00mg、248.12umol)及びホルモヒドラジド(74.51mg、1.24mmol)のMeCN(3.00mL)溶液にHg(OAc)2(118.61mg、372.18umol)を加え、次いで混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(100.00mg、粗)を無色油として得た。
【0249】
中間体11:tert-ブチル3-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート。
【化34】
工程A. tert-ブチル11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート。表題化合物は、中間体12と類似の方法で、工程Aの(R)-tert-ブチル3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(PCT国際出願国際公開第2018005883号パンフレットに記載されている製剤)を使用して調製した。表題化合物は、さらに精製することなく次の工程で直接使用した。
【0250】
工程B:tert-ブチル3-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(80.00mg、248.12umol)及びアセトヒドラジド(91.90mg、1.24mmol)のMeCN(3.00mL)溶液にHg(OAc)2(118.61mg、372.18umol)を加え、次いで混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物をEtOAc(20mL×3)及び水(30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(100.00mg、粗)を無色油として得た。
【0251】
中間体12:(11R)-tert-ブチル11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート
【化35】
工程A. (R)-tert-ブチル3-メチル-11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート。(R)-tert-ブチル3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(PCT国際出願国際公開第2018005883号パンフレットに記載されている製剤)(300.00mg、936.36umol)のトルエン(3.00mL)溶液にローソン試薬(189.36mg、468.18umol)を加えた。この混合物を110℃まで3時間加熱し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30%~50%)により精製して表題化合物(270.00mg、650.02umol、収率69.42%、純度81%)を黄色固体として得た。
【0252】
工程B. (11R)-tert-ブチル11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート。(R)-tert-ブチル3-メチル-11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]-ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(100.00mg、297.22umol)及びホルモヒドラジド(89.26mg、1.49mmol)のMeCN(2.00mL)中の懸濁液に、Hg(OAc)2(142.08mg、445.83umol)を加えた。この混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで水(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(90.00mg、粗)を白色固体として得た。MS(ESI):C17H24N6O2の質量計算値、344.2;m/z実測値、345.0[M+H]+。
【0253】
中間体13:(11R)-tert-ブチル3,11-ジメチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート。
【化36】
(R)-tert-ブチル3-メチル-11-チオキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(中間体12、工程Aの生成物、80.00mg、237.78umol)及びアセトヒドラジド(88.07mg、1.19mmol)のMeCN(3.00mL)中の懸濁液に、Hg(OAc)
2(113.66mg、356.67umol)を加えた。この混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで水(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(90.00mg、粗)を白色固体として得た。
【0254】
中間体14:tert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート
【化37】
工程A. 5-tert-ブチル3-エチル2-アリル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート。5-tert-ブチル3-エチル6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート(国際公開第2018005881号パンフレット、公開日2018年1月4日に記載されている製剤)(5.00g、16.93mmol)及び3-ブロモプロパ-1-エン(3.07g、25.40mmol)のDMF(50.00mL)中の混合物に、Cs
2CO
3(13.79g、42.33mmol)をN
2下で一度に加えた。この混合物を50℃で12時間撹拌した。この混合物を水(50mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=15/1~5/1)により精製して表題化合物(2.70g、7.89mmol、収率46.60%、純度98%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C
17H
25N
3O
4の質量計算値、335.1;m/z実測値、336.0[M+H]
+。
【0255】
工程B. tert-ブチル2-アリル-3-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。5-tert-ブチル3-エチル2-アリル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート(1.00g、2.98mmol)のTHF(30.00mL)中の混合物に、LiAlH4(169.72mg、4.47mmol)をN2下で-40℃で一度に加えた。この混合物を20℃で1時間撹拌した。この混合物をHCl(1N aq 10mL)でクエンチした。水性相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1~20/1)により精製して表題化合物(780.00mg、2.66mmol、収率89.22%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C15H23N3O3の質量計算値、293.1;m/z実測値、294[M+H]+。
【0256】
工程C. tert-ブチル2-アリル-3-ホルミル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル2-アリル-3-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(780.00mg、2.66mmol)のDCM(30.00mL)中の混合物にMnO2(2.31g、26.60mmol)をN2下で一度に加えた。この混合物を45℃で12時間撹拌した。追加のMnO2(2.31g、26.60mmol)を加え、混合物を45℃でさらに24時間撹拌した。この時点で混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1~3/1)により精製して表題化合物(450.00mg、1.54mmol、収率58.07%、純度100%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C15H21N3O3の質量計算値、291.1;m/z実測値、292[M+H]+。
【0257】
工程D. tert-ブチル2-アリル-3-(1-ヒドロキシブタ-3-エン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル2-アリル-3-ホルミル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(800.00mg、2.75mmol)のTHF(5.00mL)中の混合物に、アリル(ブロモ)マグネシウム(1M、8.24mL)をN2下で-40℃で一度に加えた。この混合物を-40℃で2時間撹拌した。この混合物を水(20mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1)により精製して表題化合物(750.00mg、2.16mmol、収率78.53%、純度96%)を黄色油として得た。MS(ESI):C18H27N3O3の質量計算値、333.2;m/z実測値、334[M+H]+。
【0258】
工程E. tert-ブチル11-ヒドロキシ-3,4,10,11-テトラヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル2-アリル-3-(1-ヒドロキシブタ-3-エン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシレート(750.00mg、2.25mmol)のDCM(1.20L)中の混合物に、ベンジリデン-[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン]-ジクロロ-ルテニウム;トリシクロヘキシルホスファン(381.94mg、449.88umol)をN2下で一度に加えた。この混合物を30℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4/1~1/1)により精製して、表題化合物(650.00mg、2.02mmol、収率89.87%、純度95%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C16H23N3O3の質量計算値、305.1;m/z実測値、306[M+H]+。
【0259】
工程F. tert-ブチル11-ヒドロキシ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-ヒドロキシ-3,4,10,11-テトラヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(150.00mg、491.21umol)のMeOH(5.00mL)溶液にPd/C(20.00mg、10%)をN2下で加えた。この懸濁液を減圧下で脱気し、H2で数回パージした。この混合物をH2(15psi)下で30℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(140.00mg、455.45umol、収率92.72%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C16H25N3O3の質量計算値、307.1;m/z実測値、308[M+H]+。
【0260】
工程G. tert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-ヒドロキシ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(2.00g、6.51mmol)のMeCN(80.00mL)中の混合物に、NMO(3.05g、26.04mmol、2.75mL)及びTPAP(457.31mg、1.30mmol)をN2下で一度に加えた。この混合物を30℃で12時間撹拌した。この混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4/1~1/1)により精製して表題化合物(1.60g、5.24mmol、収率80.48%)を黄色油として得た。MS(ESI):C16H23N3O3の質量計算値、305.1;m/z実測値、306[M+H]+。
【0261】
中間体15:tert-ブチル6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート。
【化38】
工程A. tert-ブチル10-アリル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(中間体14、300.00mg、982.41umol)及びHMPA(440.12mg、2.46mmol、431.49uL)のTHF(8.00mL)溶液に、-78℃でLDA(6mL、1.25M、THF(3.00mL)中のN-イソプロピルプロパン-2-アミン(1.22g、12.05mmol、1.69mL)から、n-BuLi(2.5M、5.00mL)を-65℃で加えることにより新たに調製した)を加え、次いで-30℃まで0.5時間温めた。3-ブロモプロパ-1-エン(594.26mg、4.91mmol)を-78℃で加えた。この混合物を30℃に温め、さらに1時間撹拌した。反応をHCl(1N aq、10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により精製し、さらにRP HPLC(条件A)により精製してtert-ブチル10-アリル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(31.00mg、89.74umol、収率9.14%)を無色油として得た。MS(ESI):C
19H
27N
3O
3の質量計算値、345.2;m/z実測値、346.1[M+H]
+。
【0262】
工程B. tert-ブチル11-オキソ-10-(2-オキソエチル)-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル10-アリル-11-オキソ-3,4,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b]アゼピン-2-カルボキシレート(60.00mg、173.70umol)のTHF(4.00mL)及びH2O(4.00mL)中の混合物に、OsO4(13.25mg、52.11umol、2.70uL)及びNaIO4(148.61mg、694.80umol、38.50uL)をN2下で0℃で一度に加えた。この混合物を20℃で10時間撹拌した。この混合物を水(10mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(5mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(60.35mg、粗)を黄色油として得た。MS(ESI):C18H25N3O4の質量計算値、347.1;m/z実測値、348.1[M+H]+。
【0263】
工程C. tert-ブチル4a,5,6,7,10,11-ヘキサヒドロ-4H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’、3’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-10-(2-オキソエチル)-3,4,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b]アゼピン-2-カルボキシレート(60.35mg、173.71umol)のEtOH(10.00mL)中の混合物に、N2H4・H2O(15.35mg、260.57umol、14.90uL、純度85%)をN2下で0℃で一度に加えた。この混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を次の工程で直接使用した。MS(ESI):C18H25N5O2の質量計算値、343.2;m/z実測値、344.1[M+H]+。
【0264】
工程D. tert-ブチル6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート。工程Cの反応混合物にDDQ(47.32mg、208.46umol)をN2下で加えた。この混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製して表題化合物(17.00mg、48.95umol、収率28.18%、純度98.3%)を黄色油として得た。MS(ESI):C18H23N5O2の質量計算値、341.1;m/z実測値、342[M+H]+。
【0265】
中間体16:tert-ブチル4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート。
【化39】
工程A. tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-3,4,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-a]アゼピン-2-カルボキシレート(200.00mg、654.94umol、中間体14)のDMF-DMA(18.00g、151.07mmol、20.00mL)中の混合物を75℃で12時間撹拌した。この混合物を75℃でさらに24時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を水(20mL)に注ぎ、2分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(210.00mg、629.91umol、収率96.18%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C
17H
23N
3O
4の質量計算値、333.1;m/z実測値、334.1[M+H]
+。
【0266】
工程B. tert-ブチル4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート。tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(80.00mg、239.97umol)のMeOH(5.00mL)中の混合物に、N2H4・H2O(28.27mg、479.93umol、27.44uL、純度85%)をN2下で30℃で一度に加えた。この混合物を30℃で10時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)により精製して表題化合物(54.00mg、163.93umol、収率68.31%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C17H23N5O2の質量計算値、329.1;m/z実測値、330.1[M+H]+。
【0267】
中間体17:tert-ブチル6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート。
【化40】
表題化合物を、(R)-tert-ブチル3-メチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレートをtert-ブチル-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレートに代えて、中間体8と類似の方法で調製した。MS(ESI):C
19H
24N
4O
2の質量計算値、340.2;m/z実測値、341.0[M+H]
+。
【0268】
中間体18:tert-ブチル2-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート。
【化41】
tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(130.00mg、389.95umol、中間体15工程Aの生成物)のMeOH(5.00mL)中の混合物に、メチルヒドラジン(89.82mg、779.90umol、102.07uL)をN
2下で30℃で一度に加えた。この混合物を30℃で10時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、次いで分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)により精製して100mgの粗生成物を得、これをさらにRP HPLC(条件A)により精製して表題化合物tert-ブチル2-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート(70.00mg、203.83umol、収率52.27%)を黄色固体として、及び別の位置異性体tert-ブチル1-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(1H)-カルボキシレート(20.00mg、58.24umol、収率14.93%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C
18H
25N
5O
2の質量計算値、343.2;m/z実測値、344.2[M+H]
+;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.19(s,1H),4.63-4.77(m,2H),4.38-4.53(m,2H),4.06-4.20(m,1H),3.84-3.94(m,3H),3.84-3.94(m,3H),3.64-3.67(m,1H),3.72(br s,1H),2.83-2.96(m,2H),2.76(br t,J=5.58Hz,2H),2.13-2.30(m,2H),1.50(s,9H).
【0269】
中間体19:tert-ブチル1-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(1H)-カルボキシレート。
【化42】
表題化合物をRP HPLC(条件A)により中間体16から単離した。MS(ESI):C
18H
25N
5O
2の質量計算値、343.2;m/z実測値、344.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.43(s,1H),4.43-4.65(m,2H),4.11-4.25(m,2H),3.91(s,3H),3.76(br s,2H),2.82(br t,J=5.58Hz,2H),2.71(t,J=7.47Hz,2H),2.22(br dd,J=4.96,6.71Hz,2H),1.48(s,8H).
【0270】
中間体20:tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化43】
tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(80.00mg、239.97umol、中間体15工程Aの生成物)のPy(5.00mL)中の混合物に、NH
2OH・HCl(100.05mg、1.44mmol)をN
2下で一度に加えた。この混合物を115℃で12時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をHCl(1N aq、10mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)により精製して表題化合物(48.00mg、116.23umol、収率48.44%、純度80%)を黄色固体として得た。MS(ESI):C
17H
22N
4O
3の質量計算値、330.1;m/z実測値、331.1[M+H]
+;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.17-8.37(m,1H),4.70(br s,2H),4.38-4.57(m,2H),3.74(br s,2H),3.50(s,3H),2.87-3.03(m,2H),2.65-2.82(m,2H),2.16-2.39(m,2H),1.50(s,9H).
【0271】
中間体21:tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート。
【化44】
tert-ブチル10-(ヒドロキシメチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(70.00mg、209.97umol、中間体15工程Aの生成物)のMeOH(5.00mL)中の混合物に、NH
2OH・HCl(87.55mg、1.26mmol)をN
2下で30℃で一度に加えた。この混合物を30℃で12時間撹拌した。この混合物を水(10mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)により精製して表題化合物(40.00mg、106.54umol、収率50.74%、純度88%)を黄色油として得た。MS(ESI):C
17H
22N
4O
3の質量計算値、330.1;m/z実測値、331.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.15(s,1H),4.78(br s,2H),4.40-4.57(m,2H),3.74(br s,2H),2.86(t,J=5.96Hz,2H),2.77(br s,2H),2.19-2.31(m,2H),1.50(s,9H).
【0272】
中間体22:tert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(7H)-カルボキシレート。
【化45】
工程A. ジエチル1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレート。
ジエチル1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレート(45g、212.06mmol)及びCs
2CO
3(82.91g、254.47mmol)のDMF(1000mL)溶液に、tert-ブチルN-(2-ブロモエチル)カルバメート(50.85g、226.91mmol)を加えた。この混合物をN
2雰囲気下で15℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(500mL)で希釈し、EtOAc(700mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1000mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(67g、粗)を白色固体として得、これを次の工程のために直接使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.35(s,1H),4.82-4.74(m,3H),4.42-4.33(m,4H),3.63-3.62(m,2H),1.46-1.38(m,15H).
【0273】
工程B. エチル4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-カルボキシレート。ジエチル1-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]ピラゾール-3,5-ジカルボキシレート(67g、188.53mmol)のMeOH(100mL)溶液にHCl/MeOH(4M、100mL)を加えた。この混合物を15℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物(54.9g粗、HCl塩)を白色固体として得た。得られた固体にジオキサン(560mL)、次いでNa2CO3(39.89g、376.36mmol)の水(560mL)溶液を加えた。この混合物を15℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(500mL×2)、次いでDCM/MeOH=20/1(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を石油エーテル/EtOAc(v/v=10/1、150mL)の混合物中で粉砕し、次いで濾過した。収集した固体を乾燥して表題化合物(34g、約60%molのメチルエステルを含む)を白色固体として得た。
【0274】
工程C. tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]-ピラジン-5(4H)-カルボキシレート(32.00g、約60%molのメチルエステルを含む)のTHF(640mL)溶液にLAH(6.6g、173.91mmol)をN2雰囲気下で-30℃で加え、次いで混合物を75℃まで16時間加熱した。LAH(6.6g、173.89mmol)を混合物に-30℃で加えた。反応混合物を75℃まで16時間加熱した。飽和酒石酸ナトリウムカリウム四水和物水溶液(30mL)を加えることにより反応混合物をクエンチし、1時間撹拌し、濾過した。濾液にBoc2O(50.12g、229.67mmol、52.76mL)を加え、15℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(600mL)で希釈し、EtOAc(300mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(400mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して表題生成物(33g、130.28mmol、収率85.09%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 6.04(s,1H),4.62-4.61(m,4H),4.13 -4.10(m,2H),3.86-3.84(m,2H),1.47(s,9H).
【0275】
工程D. tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-3-ヨード-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(23g、90.80mmol)のMeCN(300mL)溶液をNIS(30.64g、136.20mmol)にゆっくり加え、この混合物をN2雰囲気下で15℃で16時間撹拌した。この混合物を水(400mL)で希釈し、EtOAc(400mL)で抽出した。有機相を飽和Na2S2O3(400mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を石油エーテル/EtOAc=20/1(300mL)で濯ぎ、0.5時間撹拌した。この混合物を濾過した。収集した固体を減圧下で乾燥して表題化合物(29.5g、77.80mmol、収率85.68%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.61(s,2H),4.48(s,2H),4.14(m,2H),3.86(m,2H).
【0276】
工程E. tert-ブチル2-ホルミル-3-ヨード-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-3-ヨード-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(9g、23.73mmol)のDCM(180mL)溶液にデス・マーチン(15.10g、35.60mmol、11.02mL)を加え、混合物を15℃で2時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾液をDCM(300mL)で希釈し、ブライン(300mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(7.5g、19.88mmol、収率83.78%)を黄色固体として得た。
【0277】
工程F. tert-ブチル3-ヨード-2-ビニル-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート。
メチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(9.23g、25.85mmol)のTHF(50mL)溶液にNaHMDS(1M、25.85mL)をN2雰囲気下で-10℃で加え、次いで0.5時間後にtert-ブチル2-ホルミル-3-ヨード-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(7.5g、19.88mmol)のTHF(30mL)溶液を加え、この混合物を15℃で2時間撹拌した。混合物をブライン(120mL)でクエンチし、EtOAc(120mL)で抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表題化合物(2.8g、7.46mmol)を無色油として得た。
【0278】
工程G. tert-ブチル3-(1-ヒドロキシペンタ-4-エン-1-イル)-2-ビニル-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート。tert-ブチル3-ヨード-2-ビニル-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(1.8g、4.80mmol)のTHF(30mL)溶液に、i-PrMgCl(2M、3.60mL)をN2雰囲気下で-10℃で加えた。この混合物を10℃で1時間撹拌し、次いでペンタ-4-エナール(605.31mg、7.20mmol)のTHF(3mL)溶液を加えた。反応混合物を15℃で1.5時間撹拌した。この混合物を飽和NH4Cl(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mL)で抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.0g、3.00mmol、収率62.52%)を無色油として得た。
【0279】
工程H. tert-ブチル11-ヒドロキシ-3,4,10,11-テトラヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(9H)-カルボキシレート。tert-ブチル3-(1-ヒドロキシペンタ-4-エニル)-2-ビニル-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(1.3g、3.90mmol)のDCM(800mL)溶液に、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン]-ジクロロ-[(2-イソプロポキシフェニル)メチレン]ルテニウム(244.32mg、389.89umol)をN2雰囲気下で加え、この混合物を40℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.79g、2.59mmol、収率66.35%)を茶色固体として得た。MS(ESI):C16H23N3O3の質量計算値305.2;m/z実測値、306.1[M+H]+。
【0280】
工程I. tert-ブチル11-オキソ-3,4,10,11-テトラヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(9H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-ヒドロキシ-1,3,4,9,10,11-ヘキサヒドロシクロヘプタ-[2,3]ピラゾロ[2,4-a]ピラジン-2-カルボキシレート(570mg、1.87mmol)、NMO(874.65mg、7.47mmol、787.97uL)及びTPAP(131.19mg、373.32umol)のMeCN(10mL)中の混合物を脱気し、N2(3×)でパージし、次いでこの混合物をN2雰囲気下で15℃で1.5時間撹拌した。混合物を氷水(50mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水性相を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(60mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(405mg、1.34mmol、収率71.52%)を黒茶色固体として得た。MS(ESI):C16H21N3O3の質量計算値303.2;m/z実測値、304.1[M+H]+。
【0281】
工程J. tert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-3,4,9,10-テトラヒドロ-1H-シクロヘプタ[2,3]ピラゾロ[2,4-a]ピラジン-2-カルボキシレート(0.405g、1.34mmol)のEtOH(30mL)/MeOH(3mL)溶液にPd/C(0.08g、1.34mmol、純度10%)を加え、混合物をH2(15Psi)雰囲気下で15℃で1時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(0.39g、1.28mmol、収率95.66%)を茶色固体として得、これを次の工程のために直接使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.77(s,2H),4.05-4.03(m,2H),3.81-3.79(m,2H),2.89-2.86(m,2H),2.62-2.59(m,2H),1.89-1.82(m,4H),1.44(s,9H).
【0282】
中間体23:tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレート。
【化46】
工程A. tert-ブチル10-((ジメチルアミノ)メチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-3,4,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[2,3]ピラゾロ[2,4-a]ピラジン-2-カルボキシレート(0.08g、261.98umol)のDMF-DMA(3.59g、30.11mmol、4mL)溶液を115℃まで56時間加熱した。この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAc(30mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(0.09g、粗)を黄色固体として得、これを次の工程のために直接使用した。
【0283】
工程B. tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレート。
tert-ブチル10-((ジメチルアミノ)メチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(7H)-カルボキシレート(0.09g、249.69umol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(104.11mg、1.50mmol)のMeOH(3mL)中の混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、ブライン(40mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/EtOAc)により精製して表題化合物(0.051g、140.47umol、収率56.26%、純度91%)を無色油として得た。MS(ESI):C17H22N4O3の質量計算値330.2;m/z実測値、331.1[M+H]+。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.03(s,1H),4.97(s,2H),4.16-4.13(m,2H),3.93-3.90(m,2H),3.02-2.99(m,2H),2.79-2.76(m,2H),2.05-2.00(m,2H),1.51(s,9H).
【0284】
中間体24:tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレート。
【化47】
工程A. tert-ブチル10-((ジメチルアミノ)メチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(7H)-カルボキシレート。tert-ブチル11-オキソ-3,4,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[2,3]ピラゾロ[2,4-a]ピラジン-2-カルボキシレート(0.34g、1.11mmol)及びTDAM(1.29g、8.91mmol、1.54mL)のトルエン(15mL)溶液を115℃まで16時間加熱した。TDAM(646.87mg、4.45mmol)を加え、混合物を115℃までさらに16時間加熱した。追加のTDAM(323.43mg、2.23mmol)を加え、混合物を115℃までさらに16時間加熱した。その時点で、混合物をEtOAc(60mL)で希釈し、ブライン(50mL×3)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物(0.385g、粗)を黄色固体として得、これを次の工程のために直接使用した。
【0285】
工程B. tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ-[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレート。
tert-ブチル10-((ジメチルアミノ)メチレン)-11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-シクロヘプタ[3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2(7H)-カルボキシレート(0.235g、651.96umol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(271.83mg、3.91mmol)のピリジン(12mL)中の混合物を115℃で24時間撹拌した。この混合物を濃縮して黄色残留物を得、これをEtOAc(50mL)で希釈し、HCl(1M aq、50mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(条件A)により精製して位置異性体化合物tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレート(中間体2、0.07g、211.88umol、収率32.50%)を無色油として、及び表題化合物(0.037g、111.99umol、収率17.18%)を無色油として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.11(s,1H),4.90(s,2H),4.18-4.15(m,2H),3.93-3.90(m,2H),3.07-3.04(m,2H),2.85-2.83(m,2H),2.01-1.98(m,2H),1.51(s,9H).
【0286】
実施例1:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化48】
工程A. 5-メチレン-5,6,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン。
tert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1、0.06g、175.24umol)のDCM(5mL)溶液にTFA(770.00mg、6.75mmol、0.5mL)を加えた。この混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して表題化合物(63mg、粗、TFA塩)を黄色油として得た。MS(ESI):C
13H
14N
4Oの質量計算値、242.17;m/z実測値、243.1[M+H]
+。
【0287】
工程B. N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
5-メチレン-5,6,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン(63mg、182.43umol、TFA塩)及びフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメート(44mg、154.55umol)のDCM(5mL)溶液にTEA(184.60mg、1.82mmol、253.92uL)を加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をRP HPLC(条件A)により精製して表題化合物(40.58mg、99.34umol、収率54.46%、純度99%)を白色固体として得た。MS(ESI):C21H17FN6O2の質量計算値、404.1;m/z実測値、405.1[M+H]+;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.36(s,1H),7.77(dd,J=2.8,5.6Hz,1H),7.65-7.61(m,1H),7.13(t,J=8.8Hz,1H),6.82(s,1H),5.39(s,1H),5.31(s,1H),4.97(s,2H),4.73(s,2H),3.90(t,J=5.6Hz,2H),3.66(s,2H),2.89(t,J=5.6Hz,2H).
【0288】
実施例2:N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化49】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
21H
17F
4N
5O
2の質量計算値、447.13;m/z実測値、448.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.36(s,1H),7.68(dd,J=2.4,6.0Hz,1H),7.64-7.59(m,1H),7.13(t,J=9.2Hz,1H),6.72(s,1H),5.39(s,1H),5.31(s,1H),4.98(s,2H),4.73(s,2H),3.91(t,J=5.6Hz,2H),3.66(s,2H),2.89(t,J=5.6Hz,2H).
【0289】
実施例3:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化50】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体2)を使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19FN
6O
3の質量計算値、422.15;m/z実測値、423.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.35(s,1H),7.78(dd,J=2.8,5.6Hz,1H),7.67-7.63(m,1H),7.14(t,J=8.8Hz,1H),6.90(s,1H),4.75-4.68(m,3H),4.46-4.37(m,1H),3.93-3.87(m,2H),3.74-3.66(m,2H),3.14-3.08(m,1H),2.90-2.80(m,3H),2.45(d,J=6.4Hz,1H).
【0290】
実施例4:N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化51】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5-(ヒドロキシメチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体2)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19F
4N
5O
3の質量計算値、465.1;m/z実測値、466.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.34(s,1H),7.69(dd,J=2.4,6.0Hz,1H),7.65-7.60(m,1H),7.13(t,J=9.6Hz,1H),6.77(s,1H),4.76-4.67(m,3H),4.46-4.37(m,1H),3.93-3.87(m,2H),3.75-3.65(m,2H),3.15-3.07(m,1H),2.90-2.78(m,3H),2.50-2.40(m,1H).
【0291】
実施例5:(5S
*)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化52】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(5S
*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体3)を使用して調製した。MS(ESI):C
23H
21F
3N
6O
3の質量計算値、486.2;m/z実測値、487.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.35(s,1H),7.78(dd,J=2.8,5.6Hz,1H),7.66-7.62(m,1H),7.14(t,J=8.8Hz,1H),6.80(s,1H),6.03-5.70(m,1H),4.79-4.72(m,2H),4.70-4.66(m,1H),4.40-4.34(m,1H),3.93-3.88(m,2H),3.73-3.63(m,2H),3.60(d,J=6.4Hz,2H),3.10-3.05(m,1H),2.91-2.84(m,3H),2.59-2.48(m,1H).
【0292】
実施例6:(5S
*)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化53】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(5S
*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体3)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロ-メチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
23H
21F
6N
5O
3の質量計算値、529.2;m/z実測値、530.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.35(s,1H),7.69(dd,J=2.8,6.0Hz,1H),7.66-7.59(m,1H),7.14(t,J=9.2Hz,1H),6.73(s,1H),6.03-5.71(m,1H),4.80-4.73(m,2H),4.70-4.66(m,1H),4.40-4.34(m,1H),3.96-3.87(m,2H),3.71-3.63(m,2H),3.60(d,J=6.4Hz,2H),3.10-3.05(m,1H),2.91-2.84(m,3H),2.60-2.48(m,1H).
【0293】
実施例7:(5R
*)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化54】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(5R
*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体4)を使用して調製した。MS(ESI):C
23H
21F
3N
6O
3の質量計算値、486.2;m/z実測値、487.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.36(s,1H),7.79(dd,J=2.8,5.6Hz,1H),7.68-7.64(m,1H),7.14(t,J=8.8Hz,1H),6.95(s,1H),6.02-5.71(m,1H),4.76-4.66(m,3H),4.40-4.34(m,1H),3.91(q,J=5.6Hz,2H),3.71-3.63(m,2H),3.60(d,J=6.4Hz,2H),3.10-3.06(m,1H),2.92-2.84(m,3H),2.59-2.49(m,1H).
【0294】
実施例8:(5R
*)-5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化55】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(5R
*)-tert-ブチル5-((2,2-ジフルオロエトキシ)メチル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体4)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロ-メチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
23H
21F
6N
5O
3の質量計算値、529.2;m/z実測値、530.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.35(s,1H),7.70(dd,J=2.8,6.0Hz,1H),7.66-7.60(m,1H),7.13(t,J=9.2Hz,1H),6.85(s,1H),6.03-5.70(m,1H),4.77-4.64(m,3H),4.40-4.34(m,1H),3.94-3.88(m,2H),3.73-3.63(m,2H),3.60(d,J=6.4Hz,2H),3.13-3.05(m,1H),2.92-2.83(m,3H),2.54(s,1H).
【0295】
実施例9:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化56】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体5)を使用して調製した。MS(ESI):C
21H
17FN
6O
2の質量計算値、404.1;m/z実測値、405.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.22(s,1H),7.78(dd,J=2.8,5.4Hz,1H),7.64-7.60(m,1H),7.15(t,J=8.8Hz,1H),6.68(s,1H),5.42(s,1H),5.36(s,1H),4.90(s,2H),4.81(s,2H),3.88(t,J=5.6Hz,2H),3.60(s,2H),2.88(t,J=5.6Hz,2H).
【0296】
実施例10:N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化57】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体5)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
21H
17F
4N
5O
2の質量計算値、447.13;m/z実測値、448.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.22(s,1H),7.69(dd,J=2.8,6.0Hz,1H),7.64-7.59(m,1H),7.14(t,J=9.6Hz,1H),6.63(s,1H),5.42(s,1H),5.36(s,1H),4.90(s,2H),4.82(s,2H),3.89(t,J=5.6Hz,2H),3.60(s,2H),2.88(t,J=5.6Hz,2H).
【0297】
実施例11:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化58】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5-ヒドロキシ-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体6)を使用して調製した。MS(ESI):C
20H
17FN
6O
3の質量計算値、408.1;m/z実測値、409[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=8.63(s,1H),7.83(dd,J=2.8,5.6Hz,1H),7.72(ddd,J=2.8,4.8,9.2Hz,1H),7.28(t,J=9.2Hz,1H),4.81(s,2H),4.66-4.56(m,2H),4.40(q,J=5.2Hz,1H),3.88(t,J=5.6Hz,2H),3.14(d,J=5.2Hz,2H),2.86(t,J=5.7Hz,2H).
【0298】
実施例12:N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化59】
N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド(45mg、98.57umol)のMeOH(2mL)溶液に、Pd-C(10%、4mg)をN
2下で加えた。この懸濁液を減圧下で脱気し、H
2で数回パージした。この混合物をH
2(15psi)下で25℃で10分間撹拌した。反応混合物を濾過し、真空濃縮した。残留物をRP HPLC(条件A)により精製してN-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド(24.11mg、53.11umol、収率53.88%、純度99%)を白色固体として得た。MS(ESI):C
21H
19F
4N
5O
2の質量計算値、449.2;m/z実測値、450.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.31(s,1H),7.70(dd,J=2.8,6.0Hz,1H),7.65-7.60(m,1H),7.14(t,J=9.6Hz,1H),6.75(s,1H),4.75(d,J=3.2Hz,2H),4.55-4.52(m,1H),4.32-4.27(m,1H),3.94-3.88(m,2H),3.04-3.00(m,1H),2.88(t,J=5.6Hz,2H),2.76-2.69(m,1H),2.44(d,J=6.8Hz,1H),1.16(d,J=7.2Hz,3H).
【0299】
実施例13:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化60】
表題化合物を実施例12と類似の方法で、N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミドの代わりにN-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド(実施例1)を使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19FN
6O
2の質量計算値、406.2;m/z実測値、407.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.32(s,1H),7.79(dd,J=2.8,5.6Hz,1H),7.68-7.61(m,1H),7.14(t,J=8.8Hz,1H),6.78(s,1H),4.74(d,J=3.2Hz,2H),4.55-4.52(m,1H),4.33-4.27(m,1H),3.94-3.88(m,2H),3.04-3.00(m,1H),2.88(t,J=5.6Hz,2H),2.76-2.69(m,1H),2.44(d,J=5.6Hz,1H),1.16(d,J=7.2Hz,3H).
【0300】
実施例14:(10R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化61】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体7)を使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19FN
6O
2の質量計算値、406.2;m/z実測値、407.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)8.20-8.19(m,1H),7.84-7.79(m,1H),7.67-7.59(m,1H),7.17(d,J=8.7Hz,1H),6.62-6.58(m,1H),5.17-5.11(m,1H),4.94(s,1H),4.60(d,J=15.0Hz,1H),4.51(s,2H),3.09-3.00(m,1H),2.91-2.86(m,2H),2.72-2.65(m,1H),2.32-2.24(m,2H),1.22-1.19(m,3H).
【0301】
実施例15:(10R)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化62】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体7)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19F
4N
5O
2の質量計算値、449.2;m/z実測値、450.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)8.20(s,1H),7.75-7.70(m,1H),7.68-7.60(m,1H),7.20-7.12(m,1H),6.63-6.57(m,1H),5.22-5.11(m,1H),4.96(s,1H),4.62(d,J=15.2Hz,1H),4.52(t,J=5.0Hz,2H),3.11-3.01(m,1H),2.90(s,2H),2.74-2.65(m,1H),2.35-2.23(m,2H),1.21(d,J=6.9Hz,3H).
【0302】
実施例16:(11R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化63】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(11R)-tert-ブチル11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート(中間体8)を使用して調製した。MS(ESI):C
23H
21FN
6Oの質量計算値、416.2;m/z実測値、417.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.60(dd,J=1.6,4.8Hz,1H),7.73(dd,J=2.8,5.4Hz,1H),7.70-7.63(m,2H),7.25(dd,J=4.8,7.6Hz,1H),7.13(t,J=8.7Hz,1H),6.83(s,1H),5.19-5.05(m,1H),4.97(d,J=15.3Hz,1H),4.54(d,J=15.3Hz,1H),4.32-4.22(m,2H),3.10(dd,J=5.9,15.8Hz,1H),2.81(t,J=6.9Hz,2H),2.73(d,J=16.3Hz,1H),2.49-2.38(m,2H),1.27(d,J=6.8Hz,3H).
【0303】
実施例17:(11R)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化64】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(11R)-tert-ブチル11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキシレート(中間体8)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
23H
21F
4N
5Oの質量計算値、459.2;m/z実測値、460.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.60(dd,J=1.7,4.8Hz,1H),7.68-7.59(m,3H),7.24(dd,J=4.8,7.6Hz,1H),7.12(t,J=9.4Hz,1H),6.73(s,1H),5.15-5.04(m,1H),4.96(d,J=15.3Hz,1H),4.56(d,J=15.4Hz,1H),4.28(t,J=6.8Hz,2H),3.11(dd,J=6.1,15.5Hz,1H),2.81(t,J=6.9Hz,2H),2.73(d,J=15.7Hz,1H),2.47-2.40(m,2H),1.27(d,J=7.0Hz,3H).
【0304】
実施例18:(10R)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化65】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体9)を使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19FN
6O
2の質量計算値、406.2;m/z実測値、407.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) 8.32(s,1H),7.81-7.77(m,1H),7.68-7.61(m,1H),7.18-7.10(m,1H),6.76-6.65(m,1H),5.26-5.12(m,1H),4.92-4.78(m,1H),4.64-4.46(m,3H),3.13-2.92(m,3H),2.77-2.63(m,1H),2.32-2.18(m,2H),1.22-1.17(m,3H).
【0305】
実施例19:(10R)-N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化66】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(10R)-tert-ブチル10-メチル-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体9)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
21H
19F
4N
5O
2の質量計算値、449.2;m/z実測値、450.1[M+H]
+;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)8.33(s,1H),7.74-7.69(m,1H),7.66-7.60(m,1H),7.14(t,J=9.5Hz,1H),6.66(s,1H),5.20(t,J=7.0Hz,1H),4.87(d,J=15.3Hz,1H),4.61-4.50(m,3H),3.11-2.96(m,3H),2.70(d,J=15.6Hz,1H),2.32-2.22(m,2H),1.20(d,J=6.9Hz,3H).
【0306】
実施例20:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]-ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化67】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート(中間体10)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
18H
17ClFN
7Oの質量計算値、401.1;m/z実測値、402[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.19(s,1H),7.65(dd,J=2.6,6.7Hz,1H),7.29(dd,J=2.8,4.1Hz,1H),7.00-7.10(m,2H),4.86(s,2H),4.63-4.70(m,2H),4.39-4.45(m,2H),3.91(t,J=5.8Hz,2H),2.87(t,J=5.8Hz,2H),2.49-2.59(m,2H).
【0307】
実施例21:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド-[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化68】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル3-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート(中間体11)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
19H
19ClFN
7Oの質量計算値、415.1;m/z実測値、416[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.66(dd,J=2.7,6.6Hz,1H),7.27-7.31(m,1H),7.12(s,1H),7.05(t,J=8.8Hz,1H),4.83(s,2H),4.61-4.66(m,2H),4.18-4.23(m,2H),3.91(t,J=5.8Hz,2H),2.85(t,J=5.7Hz,2H),2.49-2.56(m,5H).
【0308】
実施例22:(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化69】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(11R)-tert-ブチル11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート(中間体12)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
19H
19ClFN
7Oの質量計算値、415.1;m/z実測値、416[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.20(s,1H),7.67(dd,J=2.6,6.5Hz,1H),7.28-7.31(m,1H),7.06(t,J=8.8Hz,1H),6.96(br s,1H),5.25(quin,J=6.5Hz,1H),5.00(d,J=15.8Hz,1H),4.58-4.74(m,3H),4.40-4.49(m,2H),3.06(dd,J=5.9,15.9Hz,1H),2.69(d,J=15.8Hz,1H),2.55(br d,J=3.3Hz,2H),1.18(d,J=7.0Hz,3H).
【0309】
実施例23:(11R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-11-メチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化70】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりに(11R)-tert-ブチル3,11-ジメチル-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,2,4]トリアゾロ[3,4-c][1,4]ジアゼピン-12(13H)-カルボキシレート(中間体13)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
20H
21ClFN
7Oの質量計算値、429.1;m/z実測値、430[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.68(dd,J=2.7,6.6Hz,1H),7.28-7.32(m,1H),7.06(t,J=8.8Hz,1H),6.98(s,1H),4.97(m,1H),4.57-4.68(m,3H),4.20-4.25(m,2H),3.05(m,1H),2.68(m,1H),2.54(s,5H),1.17(d,J=6.9Hz,3H).
【0310】
実施例24:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリダジノ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化71】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-ピラゾール-3-イル)-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2(7H)-カルボキシレート(中間体15)を使用して調製した。MS(ESI):C
21H
18FN
7Oの質量計算値、403.1;m/z実測値、404[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.04(d,J=5.1Hz,1H),7.75-7.82(m,1H),7.64(ddd,J=2.8,4.6,9.2Hz,1H),7.43(d,J=5.1Hz,1H),7.12(t,J=8.7Hz,1H),6.90(s,1H),4.89(s,2H),4.40(t,J=6.5Hz,2H),3.94(t,J=5.8Hz,2H),2.87-3.00(m,4H),2.44(t,J=6.5Hz,2H)
【0311】
実施例25:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド。
【化72】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート(中間体16)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
19H
18ClFN
6Oの質量計算値、400.1;m/z実測値、401[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.54(dd,J=2.6,6.4Hz,1H),7.45(s,1H),7.21-7.26(m,1H),7.00-7.08(m,1H),6.63-6.70(m,1H),4.76(s,2H),4.44-4.57(m,2H),3.87(t,J=5.8Hz,2H),2.92-3.03(m,2H),2.86(t,J=5.8Hz,2H),2.16-2.30(m,2H).
【0312】
実施例26:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド。
【化73】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート(中間体16)を使用して調製した。MS(ESI):C
20H
18FN
7Oの質量計算値、391.1;m/z実測値、392[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.79-7.85(m,1H),7.71(ddd,J=2.8,4.7,9.2Hz,1H),7.56(s,1H),7.27(t,J=9.0Hz,1H),4.80(s,2H),4.39-4.46(m,2H),3.80-3.89(m,2H),2.93-3.02(m,2H),2.80(t,J=5.7Hz,2H),2.12-2.23(m,2H).
【0313】
実施例27:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化74】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(中間体17)を使用して調製した。MS(ESI):C
22H
19FN
6Oの質量計算値、402.16;m/z実測値、403.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.59(dd,J=1.6,4.8Hz,1H),7.72(dd,J=2.8,5.4Hz,1H),7.69-7.63(m,2H),7.27-7.23(m,1H),7.13(t,J=8.8Hz,1H),6.87(s,1H),4.79(s,2H),4.26(t,J=6.8Hz,2H),3.91(t,J=5.8Hz,2H),2.92(t,J=5.8Hz,2H),2.81(t,J=6.8Hz,2H),2.46-2.39(m,2H).
【0314】
実施例28:N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-6,7,10,11-テトラヒドロ-5H-ピリド[2,3-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-12(13H)-カルボキサミド。
【化75】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル5-メチレン-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル11-オキソ-3,4,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-2(7H)-カルボキシレート(中間体17)を使用し、工程Bのフェニル(3-シアノ-4-フルオロフェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
22H
19F
4N
5Oの質量計算値、445.2;m/z実測値、446.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.59(dd,J=1.6,4.8Hz,1H),7.67-7.59(m,3H),7.24(dd,J=4.8,7.6Hz,1H),7.12(t,J=9.4Hz,1H),6.74(s,1H),4.79(s,2H),4.26(t,J=6.8Hz,2H),3.91(t,J=6.0Hz,2H),2.92(t,J=6.0Hz,2H),2.81(t,J=6.8Hz,2H),2.46-2.39(m,2H).
【0315】
実施例29:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキサミド。
【化76】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル2-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(2H)-カルボキシレート(中間体18)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
20H
20ClFN
6Oの質量計算値、414.1;m/z実測値、415.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.57(dd,J=2.6,6.5Hz,1H),7.21-7.26(m,2H),7.06(t,J=8.8Hz,1H),6.62(s,1H),4.74(s,2H),4.39-4.55(m,2H),3.93(s,3H),3.86(s,2H),2.85(s,4H),2.18(br s,2H).
【0316】
実施例30:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(1H)-カルボキサミド。
【化77】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル1-メチル-4,5,6,9,10,12-ヘキサヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(1H)-カルボキシレート(中間体19)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
20H
20ClFN
6Oの質量計算値、414.1;m/z実測値、415.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.49-7.56(m,1H),7.44(s,1H),7.14-7.22(m,1H),7.02-7.11(m,1H),6.41(s,1H),4.64(s,2H),4.16-4.25(m,2H),3.94(s,3H),3.84(s,2H),2.91-3.00(m,2H),2.73(s,2H),2.16-2.29(m,2H).
【0317】
実施例31:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化78】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体20)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
19H
17ClFN
5O
2の質量計算値、401.1;m/z実測値、402.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.32(s,1H),7.60(dd,J=2.2,6.5Hz,1H),7.24(br d,J=3.3Hz,1H),7.06(t,J=8.7Hz,1H),6.62(s,1H),4.73(s,2H),4.53-4.61(m,2H),3.90(t,J=5.7Hz,2H),2.93-3.03(m,2H),2.87(t,J=5.7Hz,2H),2.19-2.31(m,2H).
【0318】
実施例32:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキサミド。
【化79】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、工程Aのtert-ブチル10-メチル-11-オキソ-8-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1,3,4,7,8,9-ヘキサヒドロピリド[2,3]ピラゾロ[2,4-b][1,4]ジアゼピン-2-カルボキシレート(中間体1)の代わりにtert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5,4-c]ピリド[4’,3’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]アゼピン-11(12H)-カルボキシレート(中間体21)を使用し、工程BのフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
19H
17ClFN
5O
2の質量計算値、401.1;m/z実測値、402.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.19(s,1H),7.60(dd,J=2.7,6.5Hz,1H),7.21-7.26(m,1H),7.08(t,J=8.7Hz,1H),6.54(s,1H),4.83(s,2H),4.46-4.53(m,2H),3.88(t,J=5.8Hz,2H),2.87(td,J=6.0,8.2Hz,4H),2.27(br dd,J=3.8,6.1Hz,2H).
【0319】
実施例33:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]-シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド。
【化80】
工程A. 5,6,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン。tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレート(0.07g、211.88umol)のDCM(2mL)溶液にTFA(1.54g、13.51mmol、1mL)を加え、この混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して表題化合物(0.073g、粗、TFA塩)を黄色油として得、これを次の工程のために直接使用した。
【0320】
工程B. N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド。
5,6,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-4Hイソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン(0.073g、TFA塩)、フェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメート(54.33mg、212.03umol)及びEt3N(107.28mg、1.06mmol、147.56uL)のDCM(4mL)中の混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(条件A)により精製して、表題化合物(0.048g、120.86umol、収率57.00%、純度98.8%)を白色固体として得た。MS(ESI):C20H17FN6O2の質量計算値392.1;m/z実測値、393.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.32(s,1H),8.41(s,1H),7.95-7.93(m,1H),7.78-7.78(m,1H),7.48-7.44(m,1H),5.01(s,2H),4.17-4.14(m,2H),3.99-3.97(m,2H),2.93-2.90(m,2H),2.76-2.73(m,2H),1.91 -1.89(m,2H).
【0321】
実施例34:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]-シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド。
【化81】
表題化合物を実施例1、工程2と類似の方法で、フェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートの代わりにフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートを使用して調製した。MS(ESI):C
20H
17F
4N
5O
2の質量計算値435.1;m/z実測値、436.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 9.30(s,1H),8.41(s,1H),7.93-7.90(m,1H),7.80-7.77(m,1H),7.45-7.41(m,1H),5.01(s,2H),4.17-4.00(m,2H),3.99-3.98(m,2H),2.93-2.90(m,2H),2.75-2.73(m,2H),1.91-1.89(m,2H).
【0322】
実施例35:N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]-シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド。
【化82】
表題化合物を実施例1と類似の方法で、tert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキシレートを使用して調製した。MS(ESI):C
20H
17FN
6O
2の質量計算値392.1;m/z実測値、393.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 9.31(s,1H),8.65(s,1H),7.94-7.92(m,1H),7.78-7.77(m,1H),7.48-7.43(m,1H),4.90(s,2H),4.18-4.15(m,2H),3.99-3.95(m,2H),2.97-2.95(m,2H),2.82-2.79(m,2H),1.88-1.86(m,2H).
【0323】
実施例36:N-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-11(12H)-カルボキサミド。
【化83】
5,6,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-4H-イソオキサゾロ[5’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジンをフェニルN-(3-シアノ-4-フルオロ-フェニル)カルバメートと反応させる代わりに、5,6,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-4H-イソオキサゾロ[3’’,4’’:3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:3,4]ピラゾロ[1,5-a]ピラジンを使用してフェニル(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメートと反応させた以外は、実施例1、工程2と類似の方法で表題化合物を調製した。MS(ESI):C
20H
17F
4N
5O
2の質量計算値435.1;m/z実測値、436.1[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 9.29(s,1H),8.65(s,1H),7.92 -7.90(m,1H),7.79-7.77(m,1H),7.45-7.40(m,1H),4.90(s,2H),4.18-4.16(m,2H),4.00-3.99(m,2H),2.98-2.95(m,2H),2.81-2.80(m,2H),1.89-1.86(m,2H).
【0324】
生物学的データ
HBV複製阻害アッセイ
本開示化合物によるHBV複製阻害は、HepG2.2.15細胞など、HBVにより感染させたか若しくは遺伝子移入した細胞又はHBVが安定的に組み込まれた細胞中で決定した(Sells et al.1987)。この実施例において、HepG2.2.15細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)、ジェネティシン、L-グルタミン、ペニシリン及びストレプトマイシンを含有する細胞培養培地中で維持した。HepG2.2.15細胞は、96ウェルプレートにおいて細胞40,000個/ウェルの密度で播種し、チェックボックス方式(checker box format)で薬物を添加することにより、0.5%の最終DMSO濃度になるように連続希釈した化合物を単独で、又は組み合わせての何れかで処理した。細胞を化合物とともに3日間温置し、その後、培地を除去し、化合物を含有する新鮮培地を細胞に添加し、さらに3日間温置した。第6日に、上清を除去し、37℃で60分間、DNaseで処理し、その後に15分間、75℃で酵素を不活性化した。50℃で40分間、2.5μgプロテイナーゼKを含有する溶解緩衝液(Affymetrix QS0010)中で温置することにより、ビリオン及び共有結合したHBVポリメラーゼからカプシド封入HBV DNAを放出させた。0.2MのNaOHの添加によってHBV DNAを変性させ、分岐鎖DNA(BDNA)QuantiGeneアッセイキットを製造業者(Affymetrix)の推奨に従って使用して検出した。HBV DNAとハイブリッド形成し得るHBV特異的PCRプローブ及び定量のための蛍光標識プローブを使用して、QuickExtraction Solution(Epicentre Biotechnologies)を用いたカプシド化HBV DNA抽出の増幅及びHBV DNAの増幅に基づいて、qPCRを使用して、HBV DNAレベルもさらに定量した。さらに、製造業者のプロトコール(Promega)に従ってCellTitre-Glo試薬を使用することによって、単独で、又は組み合わせて試験化合物とともに温置したHepG2.2.15細胞の細胞生存性を決定した。培養培地のみ含有するウェルからの平均バックグラウンドシグナルを全ての他の試料から差し引き、式E1を使用して、0.5%DMSOで処理したHepG2.2.15細胞からのシグナルに対して正規化することによって各化合物濃度での阻害%を計算した。
E1:%阻害=(DMSOave-Xi)/DMSOave × 100%
式中、DMSOaveは、DMSO対照(0%阻害対照)で処理したウェルから計算した平均シグナルであり、Xiは、個別ウェルから測定したシグナルである。50%阻害効果を達成した有効濃度であるEC50値は、Graphpad Prismソフトウエア(San Diego,CA)を使用して非線形フィッティング及び式E2によって決定した。
E2:Y=Ymin+(Ymax-Ymin)/(1+10(LogEC50-X)x HillSlope)
式中、Yは、阻害率値(%)を表し、Xは、化合物濃度の対数を表す。
【0325】
選択した開示化合物を上述のようにHBV複製アッセイ(BDNAアッセイ)によってアッセイし、これらの活性化合物の代表的な群を表3で示した。表3は、選択化合物の群についてBDNAアッセイによって得られたEC50値を示す。
【0326】
【0327】
【0328】
【0329】
【0330】
開示される主題は、本明細書中に記載の具体的な実施形態及び実施例により範囲を限定されるものではない。実際に、前出の記載及び添付の図面から、記載されるものに加えて本開示の様々な改変が当業者にとって明らかとなろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0331】
本明細書中で列挙される全ての参考文献(例えば刊行物又は特許又は特許出願)は、個々のそれぞれの参考文献(例えば刊行物又は特許又は特許出願)が具体的且つ個々に全ての目的に対してその全体において参照により組み込まれることが示されたかのように同程度に、その全体において、及び全ての目的のために、参照により本明細書中に組み込まれる。他の実施形態は、次の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】