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特表2022-535221橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/02 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
E01D19/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570730
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2019091907
(87)【国際公開番号】W WO2020237752
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201910463926.7
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521517175
【氏名又は名称】山東大学
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 12550, Erhuan East Road, Shizhong District Jinan, Shandong 250002, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】楊 則英
(72)【発明者】
【氏名】曲 建波
(72)【発明者】
【氏名】李 朮才
(72)【発明者】
【氏名】張 慶松
(72)【発明者】
【氏名】葛 智
(72)【発明者】
【氏名】丁 暁岩
(72)【発明者】
【氏名】劉 洪武
(72)【発明者】
【氏名】趙 鳳金
(72)【発明者】
【氏名】善 玉輝
(72)【発明者】
【氏名】範 効斌
(72)【発明者】
【氏名】張 鵬
(72)【発明者】
【氏名】席 興華
(72)【発明者】
【氏名】王 有志
(72)【発明者】
【氏名】侯 和涛
(72)【発明者】
【氏名】田 利
(72)【発明者】
【氏名】武 科
(72)【発明者】
【氏名】曲 永業
(72)【発明者】
【氏名】張 亜磊
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA03
2D059GG34
(57)【要約】
【要約】
本開示は橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム及び方法を提供し、橋脚と箱桁との接続部に設けられたレーダ感知装置、橋脚の周りに設けられた画像収集装置、制御システム、油圧システム及び実行装置を備え、前記レーダ感知装置及び画像収集装置は、収集された信号を制御システムに伝送し、前記制御システムは、油圧システムにより実行装置が動作するように制御し、前記実行装置は、橋脚の中部に設けられたもので、首尾接続された複数セクションの鋼骨ゴムコンクリートビームを含み、ビームとビームとの間の接続に滑車による接続を採用し、油圧システムは滑車が回転するように駆動することができ、それによって複数セクションのビームが同一水平線上にあり、最後のビームセクションの末端にエネルギー消費装置が設けられ、物体がエネルギー消費装置に衝突する時に、衝突により生成されたエネルギーに対するエネルギー消費を実現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋脚と箱桁との接続部に設けられたレーダ感知装置、橋脚の周りに設けられた画像収集装置、制御システム、油圧システム及び実行装置を備え、
前記レーダ感知装置及び画像収集装置は、収集された信号を制御システムに伝送し、前記制御システムは、油圧システムにより実行装置が動作するように制御し、
前記実行装置は、橋脚の中部に設けられたもので、首尾接続された複数セクションの鋼骨ゴムコンクリートビームを含み、ビームとビームとの間の接続に滑車接続を採用し、油圧システムは滑車が回転するように駆動することができ、それによって複数セクションのビームが同一水平線上にあり、最後ビームセクションの末端にエネルギー消費装置が設けられ、物体がエネルギー消費装置に衝突する時に、衝突により生成されたエネルギーに対するエネルギー消費を実現する
ことを特徴とする橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム。
【請求項2】
前記実行装置は、3セクションの小型鋼骨ゴムコンクリートビームを採用し、前記鋼骨ゴムコンクリートビームはH形鋼の周囲に鉄筋を配置しゴムコンクリートを打設することにより、H形鋼の部分と鉄筋コンクリートの部分が一体になる構造である
ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム。
【請求項3】
前記橋脚の中下部には受動的衝突防止装置がさらに設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム。
【請求項4】
油圧システムは二つの油圧シリンダを含み、一方の油圧シリンダは一端が橋脚の予め設けられた鉄筋に溶接され、他端が滑車にヒンジ接続され、他方の油圧シリンダは、一端が他方の滑車軸に溶接され、他端が滑車にヒンジ接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム。
【請求項5】
最後のビームセクションの末端には、一定の厚さの鋼板が設けられ、ビームセクションの末端にはボルトが予め埋設され、鋼板には円孔が予め設けられ、鋼板の外側にはゴムダンパーブロックが設けられ、円孔が予め設けられ、ゴムダンパーブロックの外側には鋼板が提供され、円孔が予め設けられ、予め埋設されたボルトは鋼板、ゴムダンパーブロック、鋼板の予め設けられた円孔から順に貫通し、最外側の鋼板にナットで固定される
ことを特徴とする請求項2に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム。
【請求項6】
受動的衝突防止装置は、ゴム防舷材及び鋼構造防舷材から構成され、前記鋼構造防舷材及びゴム防舷材は内から外へ橋脚の外周表面に順に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム。
【請求項7】
橋脚に近い物体から当該橋脚までの距離信号及び画像信号を収集し、コントローラシステムに伝送することと、
制御システムは、油圧システムが滑車の回動を駆動し、さらに複数セクションのビームが同一水平線上にあるように制御することと、
物体がビームセクションの末端に設けられたエネルギー消費装置に衝突する時に、物体がエネルギー消費装置に衝突する時に衝突によって生成されたエネルギーに対するエネルギー消費を実現することと、を含む
ことを特徴とする橋脚のインテリジェント総合衝突防止方法。
【請求項8】
複数セクションのビームを橋脚に設ける場合に、橋脚に鉄筋を予め埋設し、第1セクションのビームと接合されたノードで、ボルト溶接複合ノードの工法を採用し、
ビームとビームとの間の接続には大型滑車が採用され、前のセクションのビームの末端は滑車軸に溶接され、かつアンカーロッドを採用して補強し、次のセクションのビームの前端は鉄筋を滑車と溶接して補強し、
油圧シリンダの一端を滑車軸に溶接し、他端を次のセクションの滑車にヒンジ接続し、一番目の滑車に接続された油圧シリンダの他端を橋脚の予め設けられた鉄筋に溶接する
ことを特徴とする請求項7に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止方法。
【請求項9】
橋脚には鋼構造防舷材が設けられ、鋼構造防舷材は水平板、外板、補強リブから構成され、
補強リブと橋脚の予め設けられた鉄筋を溶接し、その後に水平板、外板を溶接することにより、鋼構造防舷材を橋脚の周辺に固定し、
鋼構造防舷材の取付が完了した後、アンカーロッドを加えて鋼構造防舷補強リブに溶接し、ゴム防舷材を吊着し、ゴム防舷断面の中心にチェーンで接続するとともに、チェーンを溶接して固定し、その後にナットを取り付け、ナットとアンカーロッドを溶接して固定し、露出した鉄筋に対して防錆処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の橋脚のインテリジェント総合衝突防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、橋脚衝突防止の技術分野に関し、特に橋脚のインテリジェント総合衝突防止システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中国の経済の急速な発展に伴い、海間、河川間の大橋が絶えず建設され、将来、より多くの橋が出現する。運輸業の発展に伴い、水上輸送がますますビジーになり、船舶がますます多くなり、貨物運輸量が多くなり、船舶全体のトン数がますます高くなる。大橋の増加に伴い、多くの航行不可能なエリアも航行エリアになり、船舶の航行難度を増加させるため、橋脚衝突防止は人々に注目されている。
【0003】
近年、世界中に橋脚が衝突されることによる橋崩壊事故が非常に多く、統計によると、1960~2007年、世界中に34台の重要な橋が船によって衝突され崩壊し、346人の死亡を引き起こした。
【0004】
橋の航行不可能なエリアである橋脚は、航行エリアである橋脚に比べて、橋脚の強度が相対的に弱く、衝突防止能力がやや不足であり、かつ大型橋において、航行不可能なエリアのスパンが大きく、衝突をより発生しやすいため、橋脚衝突防止研究に大きな必要性がある。
【0005】
発明者は研究において、橋脚衝突防止は主に能動的衝突防止と受動的衝突防止に分けられることを発見した。受動的衝突防止は、橋脚の周囲に遮断及び橋脚保護装置を設けることを指し、能動的衝突防止は、航行航路距離を増加させ、又は橋脚に衝突する前に、船舶が警告を発することを指すが、これは補助作用のみを果たすことができ、橋脚が衝突を受けることを根本的に解決することができない。一般的な衝突防止措置の大部分は受動的な防御で、橋脚の最後の防線であるが、能動的な衝突防止施設に対する研究は現在非常に少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書の実施形態は、船舶の接近を自動的に識別し、橋脚を能動的に保護し、衝突運動エネルギーを除去し、橋脚をよりよく保護し、かつ能動的な衝突防止措置で受動的な衝突防止措置を配置し、衝突運動エネルギーを除去し、橋脚を全面的に保護することができる同時に、航行船舶を橋脚からタイムリーに押し離し、船舶を保護し、人員死傷を減少させ、又は回避することができる橋脚のインテリジェント総合衝突防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の実施形態は、橋脚のインテリジェント総合衝突防止システムを提供し、以下の技術的解決手段により実現される。
これは、
橋脚と箱桁との接続部に設けられたレーダ感知装置、橋脚の周りに設けられた画像収集装置、制御システム、油圧システム及び実行装置を備え、
前記レーダ感知装置及び画像収集装置は、収集された信号を制御システムに伝送し、前記制御システムは、油圧システムにより実行装置が動作するように制御し、
前記実行装置は、橋脚の中部に設けられたもので、首尾接続された複数セクションの鋼骨ゴムコンクリートビームを含み、ビームとビームとの間の接続に滑車による接続を採用し、油圧システムは滑車が回転するように駆動することができ、それによって複数セクションのビームが同一水平線上にあり、最後ビームセクションの末端にエネルギー消費装置が設けられ、物体がエネルギー消費装置に衝突する時に、衝突により生成されたエネルギーに対するエネルギー消費を実現する。
【0008】
さらなる技術的解決手段において、前記橋脚の中下部には受動的衝突防止装置がさらに設けられる。
【0009】
本明細書の実施形態は、橋脚のインテリジェント総合衝突防止方法を提供し、以下の技術的解決手段により実現される。
これは、
橋脚に近い物体から当該橋脚までの距離信号及び画像信号を収集し、コントローラシステムに伝送することと、
制御システムは、油圧システムが滑車の回動を駆動し、さらに複数セクションのビームが同一水平線上にあるように制御することと、
物体がビームセクションの末端に設けられたエネルギー消費装置に衝突する時に、物体がエネルギー消費装置に衝突する時に衝突によって生成されたエネルギーに対するエネルギー消費を実現することと、を含む。
【0010】
従来技術に比べて、本開示の有益な効果は以下のとおりである。
本開示は、レーダ感知装置により船舶の接近を自動的に識別し、橋脚を能動的に保護し、衝突運動エネルギーを除去し、橋脚をよりよく保護し、かつ能動的な衝突防止措置で受動的な衝突防止措置を配置し、衝突運動エネルギーを除去し、橋脚を全面的に保護する。同時に、航行船舶を橋脚からタイムリーに押し離し、船舶を保護し、人員死傷を減少させ、又は回避することができる。
【0011】
本開示は、能動的な衝突防止措置がメインなもの、受動的な衝突防止措置が補助なものであり、能動的衝突防止と受動的衝突防止を組み合わせて、橋脚を全面的に保護する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の一部を構成する明細書の図面は、本開示に対するさらなる理解を提供するためのものであり、本開示の例示的な実施例及びその説明は、本開示を説明するためのもので、本開示を不当に限定するものではない。
【0013】
図1】本開示の実施例の能動的衝突防止システムの平面図である。
図2】本開示の実施例の鋼骨ゴムコンクリートビームの断面図である。
図3】本開示の実施例の鋼板及びゴムダンパーブロックの平面図である。
図4】本開示の実施例のゴム鋼構造防舷材図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
指摘すべきものとして、以下の詳細な説明は例示的なものであり、本開示にさらなる説明を提供することを目的とする。特に明示しない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本開示の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0015】
注意すべきものとして、ここで使用される用語は具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示に係る例示的な実施形態を限定する意図ではない。ここで使用されるように、コンテキストが明確に指摘されない限り、単数の形式も複数の形式を含むことを意図し、また、理解すべきものとして、本明細書において用語「含む」及び/又は「含む」を使用する場合、それが特徴、ステップ、操作、デバイス、コンポーネント及び/又はそれらの組み合わせが存在することを示す。
実施例1
【0016】
この実施例は、橋脚のインテリジェント総合衝突防止システムを開示し、図1に示すように、感知装置は橋脚と箱桁との接続部に設けられ、高解像度カメラは橋脚の周りに360°で一定の数量設けられ、高解像度カメラは、レーダの設置範囲に応じて傾斜角を調整し、傾斜角を調整することによりカメラは安全距離のエッジを撮影することができ、高解像度カメラは連続的に撮影し、同時にレーダ感知装置は信号を受信する。
【0017】
一実施例において、感知装置は別の場所に設けられてもよく、船舶の安全距離を感知すればよい。
【0018】
レーダ感知装置の感知範囲を経験式に基づいて橋脚の安全距離として設定し、レーダ感知装置の感知範囲は、下記の経験式に基づいて得られる。
D=(0.56B+0.26)U0.35
B--橋脚のフィーチャー幅、
U--航路入流の平均流速。
【0019】
高解像度カメラ及びレーダ感知装置が収集した信号は、制御システム3に伝送され、制御システムは信号を受信した後に油圧システム4に指示を発する。
【0020】
制御システムは、信号を受けて指示を発する。箱桁の下縁の橋脚に近い箇所に放置され、周辺に鋼板が溶接される。
【0021】
具体的な実施例において、神経システム及び油圧システムは溶接鋼箱内に設けられ、アンカーボルトを用いて鋼箱を箱桁の下縁にアンカー固定する。油圧システムの鋼箱について、通路を予め設けるべきで、主桁の上縁から下縁まではしごが溶接されるとともに、通路に溶接され、ディーゼルエンジンの給油を容易にする。
【0022】
上記解決的手段において、油圧システムにおける動力素子にディーゼルエンジンが採用され、指示を受けて動作を開始する。ディーゼルエンジンはディーゼルの化学エネルギーを機械的エネルギーに変換してから、油圧ポンプにより機械的エネルギーを油圧エネルギーに変換する。
【0023】
上記解決的手段において、油圧システムにおける実行部品は、油圧シリンダであり、実行装置に接続され、実行装置の動作を指導し、動力部品、実行部品及び油圧ポンプ、分配弁等は、油圧システム全体を構成し、実行部品以外の動作部品全体を箱桁の下縁の神経システムの横に配置し、周辺に鋼箱を溶接し、通路を予め設け、主桁の上縁から下縁まで階段を溶接するとともに、通路に溶接する。
【0024】
上記解決的手段において、図2に示すように、実行装置に3セクションの小型鋼骨ゴムコンクリートビームが採用される。橋脚に近いものは第1セクションのビームであり、第1セクションのビーム、第2セクションのビーム及び第3セクションのビームは順に配列される。H形鋼の周囲に鉄筋を配置しゴムコンクリートを打設することにより、H形鋼の部分と鉄筋コンクリートの部分は一体になる。鋼骨コンクリートは、鉄筋コンクリートに比べて耐震性能がより高く、施工速度がより速い。ゴムコンクリートは一般的なコンクリートに比べて耐圧性能、耐浸透性能がより高い。
【0025】
橋脚に鉄筋を予め埋設し、第1セクションのビームと接合されたノードで、ボルト溶接複合ノードの工法を採用する。ビームとビームとの間の接続に大型滑車が採用され、前のセクションのビームの末端は滑車軸に溶接され、かつアンカーロッドを採用して補強し、次のセクションのビームの前端は鉄筋を滑車と溶接して補強する。油圧シリンダは、一端を滑車軸に溶接し、他端を次のセクションの滑車にヒンジ接続する。一番目の滑車に接続された油圧シリンダは、他端が橋脚の予め設けられた鉄筋に溶接される。
【0026】
鋼骨ゴムコンクリートビームの5セクションをプレキャストする時、両端に一部の鋼骨格を予め設けることにより、後続の接続を容易にする。
【0027】
具体的に実施する場合に、第1ビームのセクションと橋脚に予め埋設された鉄筋とを溶接して補強し、ビームの他端を滑車軸に溶接するとともに、アンカーロッドで補強する。第2セクションのビームは、一端が滑車(6)に溶接されて補強され、他端が同様に滑車軸に溶接されて補強される。第3セクションのビームは一端が滑車(6)に溶接されて補強される。露出した鉄筋に対して、防錆作業を行う必要がある。
【0028】
油圧システムにより油圧を油圧シリンダ(7)に割り当て、油圧エネルギーを機械的エネルギーに変換する。油圧シリンダ(7)は一端が橋脚の予め設けられた鉄筋に溶接され、他端が滑車(6)にヒンジ接続される。他方の油圧シリンダ(7)は、一端が滑車軸に溶接され、他端が他方の滑車(6)にヒンジ接続される。これにより分かるように、二つの滑車(6)の両側にはいずれも対応する油圧シリンダが配置される。
【0029】
油圧シリンダ(7)は、動作を開始し、滑車(6)が回動するように駆動し、その後に第2ビームセクションと第3ビームセクションが次々と持ち上げられ、3セクションのビームを同一水平線上に位置させ、同一水平線は衝突防止アームの長さを最大にすることができる。
【0030】
最後のビームセクションの末端には、一定の厚さの鋼板が提供され、ビームセクションの末端にボルトを予め埋設し、鋼板(9)に円孔を予め設ける。鋼板の外側にゴムダンパーブロック(10)を提供し、円孔を予め設け、ゴムダンパーブロック(10)の外側に鋼板(9)を提供し、円孔を予め設ける。予め埋設されたボルトは、鋼板(9)、ゴムダンパーブロック(10)、鋼板(9)の予め設けられた円孔から順に貫通し、最外側の鋼板にナットで固定される。船舶が能動的な衝突防止施設に衝突すると、ゴムダンパーブロック(10)と鋼板(9)は協働し、エネルギー消費の役割を果たす。衝突防止アーム全体は常水位以上の近傍に設けられる。
【0031】
図3に示すように、第3セクションのビームの末端には鋼板、ゴムダンパーブロック、鋼板が順に取り付けられる。三つの部分は組み合わせて作用し、衝突運動エネルギーを消耗する作用をよりよく果たすことができる。能動的な衝突防止施設全体は橋脚の周りに対称に4つ分布し、橋脚を包括的に保護する。能動的な衝突防止施設全体は、コンクリートアーム及びダンパーブロック、鋼板を含む。
【0032】
上記解決的手段において、最後の衝突防止措置はゴム鋼構造防舷材を採用し、橋脚の周辺にまず鋼構造防舷材を取り付け、橋脚の予め設けられた鉄筋と溶接してから、ゴム防舷材を取り付け、鋼構造とアンカー固定する。
【0033】
具体的な実施例において、図4に示すように、ゴム鋼構造防舷材はゴム防舷材(12)及び鋼構造防舷材(11)から構成される。鋼構造防舷材(11)は水平板、外板、補強リブから構成される。補強リブと橋脚の予め設けられた鉄筋を溶接し、その後に水平板、外板を溶接することにより、鋼構造防舷材(11)を橋脚の周辺に固定する。鋼構造防舷材の取付が完了した後、アンカーロッドを加えて鋼構造防舷補強リブに溶接し、ゴム防舷材(12)を吊着し、ゴム防舷断面の中心にチェーンで接続するとともに、チェーンを溶接して固定し、その後にナットを取り付け、ナットとアンカーロッドを溶接して固定し、露出した鉄筋に対して防錆処理を行う。衝突運動エネルギーは、ゴムの押し、曲げ、せん断等の弾性変形、及び鋼部材の座屈、屈曲、破断によって消費される。
【0034】
本開示は、船舶の接近を自動的に識別し、橋脚を能動的に保護し、衝突運動エネルギーを除去し、橋脚をよりよく保護し、かつ能動的な衝突防止措置で受動的な衝突防止措置を配置し、衝突運動エネルギーを除去し、橋脚を全面的に保護する。同時に、航行船舶を橋脚からタイムリーに押し離し、船舶を保護し、人員死傷を減少させ、又は回避することができる。
実施例2
【0035】
この実施例は、橋脚のインテリジェント総合衝突防止方法を開示し、当該方法は上記実施例に基づいて実現されることができるが、上記具体的な実施例のシステムに限定されていない。
【0036】
具体的には、
橋脚に近い物体から該橋脚までの距離信号及び画像信号を収集し、コントローラシステムに伝送することと、
制御システムは、油圧システムが滑車の回動を駆動し、さらに複数セクションのビームが同一水平線上にあるように制御することと、
物体がビームセクションの末端に設けられたエネルギー消費装置に衝突する時に、物体がエネルギー消費装置に衝突する時に衝突によって生成されたエネルギーに対するエネルギー消費を実現することと、を含む。
【0037】
具体的な実施例において、複数セクションのビームを橋脚に設ける場合に、橋脚に鉄筋を予め埋設し、第1セクションのビームと接合されたノードで、ボルト溶接複合ノードの工法を採用し、
ビームとビームとの間の接続に大型滑車が採用され、前のセクションのビームの末端は滑車軸に溶接され、かつアンカーロッドを採用して補強し、次のセクションのビームの前端は鉄筋を滑車と溶接して補強し、
油圧シリンダの一端を滑車軸に溶接し、他端を次のセクションの滑車にヒンジ接続し、第1滑車に接続された油圧シリンダの他端を橋脚の予め設けられた鉄筋に溶接する。
【0038】
具体的な実施例において、橋脚には鋼構造防舷材が設けられ、鋼構造防舷材は水平板、外板、補強リブから構成され、
補強リブと橋脚の予め設けられた鉄筋を溶接し、その後に水平板、外板を溶接することにより、鋼構造防舷材を橋脚の周辺に固定し、
鋼構造防舷材の取付が完了した後、アンカーロッドを加えて鋼構造防舷補強リブに溶接し、ゴム防舷材を吊着し、ゴム防舷断面の中心にチェーンで接続するとともに、チェーンを溶接して固定し、その後にナットを取り付け、ナットとアンカーロッドを溶接して固定し、露出した鉄筋に対して防錆処理を行う。
【0039】
理解できるように、本明細書の説明において、用語「一実施例」、「他方の実施例」、「他の実施例」、又は「第1実施例~第N実施例」等の説明を参照して、当該実施例又は示例で説明した具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本発明の少なくとも一つの実施例又は示例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は示例を指すものではない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料の特徴は任意の一つ又は複数の実施例又は示例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0040】
以上の記載は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、当業者にとって、本開示は様々な変更及び改変を有することができる。本開示の思想及び原則内で、行われるいかなる修正、同等置換、改良などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0041】
図面において、符号1がレーダ感知装置、符号2が高解像度カメラ、符号3が制御システム、符号4が油圧システム、符号5が鋼骨ゴムコンクリート、符号6が滑車、符号7が油圧シリンダ、符号9が鋼板、符号10がゴムダンパーブロック、符号11が鋼構造防舷材、符号12がゴム防舷材である。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】