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特表2022-535228チアゾリルピラゾールカルボン酸の製造方法およびそれらのための中間体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】チアゾリルピラゾールカルボン酸の製造方法およびそれらのための中間体
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/04 20060101AFI20220729BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20220729BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
C07D417/04 CSP
A61K31/427
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570961
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2020035341
(87)【国際公開番号】W WO2020243582
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/855,652
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517421910
【氏名又は名称】バンタム、ファーマシューティカル、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BANTAM PHARMACEUTICAL, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】アラン、クーパー
(72)【発明者】
【氏名】ポール、オシー
(72)【発明者】
【氏名】アナンタ、ナラヤナン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB02
4C063CC62
4C063DD22
4C063EE01
4C063EE05
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC82
4C086GA01
4C086GA07
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本開示は、概して、ピラゾリルチアゾール含有化合物を調製する改善された方法、およびそれらの中間体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製するための方法であって
【化1】
式中、
Xが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモ、またはヨード)であり、
が、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
が、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、ここで、
各R2Bは、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cは、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
が、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
ここで、
各L3Cが、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
が、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
ここで、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、かつ、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、かつ、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールが、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環であり、
前記方法が、
式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを
【化2】
(式中、X、RおよびLが、式(Ia)について記載されたとおりである)、
式(II)のジオンと
【化3】
(式中、RおよびRが、式(Ia)について記載されたとおりである)、
ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で反応させることと、
前記ヒドラゾンを、式X-CH-Qの化合物(式中、Qが、式(Ia)について記載されたとおりであり、Xが、ハロゲンまたは脱離基である)と接触させて、前記式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを得ることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ヒドラゾンと前記アルキルハロゲン化物(alkylhalogenide)とが、無機ヨウ化物および塩基の存在下で反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無機ヨウ化物が、KIまたはNaIである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
無機ヨウ化物の量が、前記チアゾールの量に基づく化学両論量(例えば、前記チアゾールの量に基づいて、少なくとも1モル当量)である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基が、炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールであって、
【化4】
式中、
Xが、ハロゲンであり、
が、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
が、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、ここで、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cが、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
が、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
ここで、
各L3Cが、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
が、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
ここで、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、かつ、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、かつ、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環である、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾール。
【請求項7】
Xが、ClまたはBrである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールが、1-(4-ハロ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸C-Cアルキル(1-(4-ブロモ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸)エチルなど)である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
式(I)の化合物、
【化5】
を、任意に、薬学的に許容される塩もしくはN-オキシド、および/または溶媒和物もしくは水和物の形態において、調製するための方法であって、式中、
が、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
Qが、-C(O)OR2A、-C(O)NR2B2A、-C(O)NR2BS(O)2A、-C(O)NR2BS(O)NR2B2A、-S(O)2A、-N(R2B)S(O)2A、-S(O)NR2B2A、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、ここで、
各R2Aが、H、C-Cアルキル、および保護基から独立して選択され、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
が、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
ここで、
各L3Cが、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
が、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
が、各々が1~5個のR5Eで任意に置換されたフェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
各R5Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R5F、-SR5F、-S(O)1-25F、-OR5F、-NR5G5F、-C(O)R5F、-C(O)NR5G5F、-NR5GC(O)R5F、-C(S)NR5G5F、-NR1GC(S)R5F、-C(O)OR5F、-OC(O)R5F、-C(O)SR5F、-SC(O)R5F、-C(S)OR5F、-OC(S)R5F、-C(S)SR5F、-SC(S)R5F、-S(O)1-2OR5F、-OS(O)1-25F、-S(O)1-2NR5G5F、および-NR5GS(O)1-25Fから独立して選択され、
各R5Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R5Gが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
ここで、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、かつ、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、かつ、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールが、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環であり、
前記方法が、
式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを、
【化6】
(式中、Xが、ハロゲン(例えば、Cl、Br、またはI)であり、
が、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、ここで、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cが、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
およびL、R、R、およびRが、式(I)について記載されたとおりである)、
任意に溶媒中で、R部分を含む有機ホウ素とカップリングさせて、前記式(I)の化合物を得ることを含む、方法。
【請求項10】
前記有機ホウ素が、ホウ素原子上で置換されたRを有するボロン酸またはボロン酸エステルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記有機ホウ素が、下記式を有し、
【化7】
式中、
が、式(I)について記載されたとおりであり、
およびYが、独立してヒドロキシまたはC-Cアルコキシであるか、あるいはYおよびYがB原子と一緒になって、ホウ素に結合した環内に1つまたは2つの酸素を有する5員または6員環を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記式(Ia)のハルピラゾリルチアゾールと前記有機ホウ素とが、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングされる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記式(I)の化合物が、
【化8】
である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製するための方法であって、
【化9】
式中、
Xが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモ、またはヨード)であり、
が、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
ここで、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
前記方法が、
下式のジハロチアゾールを、
【化10】
(式中、X、R、およびLが、式(Ib)について記載されたとおりであり、Xが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモ、またはヨード、例えば、クロロである)、任意に溶媒中で、ヒドラジンの水溶液と反応させて、粗生成物を得ることと、
前記粗生成物を結晶化させて、前記式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを得ることと、を含む、方法。
【請求項15】
が、クロロまたはブロモである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結晶化が、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせ)から行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
式中、
が、非置換のC-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルであり、
が、-S-であり、
が、1~5個のR3Eで任意に置換されたアリール(例えば、フェニル)であり、式中各R3Eが、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択されるか、あるいはR3Eが、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択され、
が、水素、または非置換のC-Cアルキルであり、
が、各々が1~5個のR5Eで任意に置換された不飽和シクロアルキルまたはフェニルであり、
が、-C(O)OR2Cである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法または化合物。
【請求項18】
前記式(Ia)の化合物が、
【化11】
である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法または化合物。
【請求項19】
前記式(Ia)の化合物が、
【化12】
であり、式中、RがC-Cアルキルであり、R3Eが、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法または化合物。
【請求項20】
1-(4-ブロモ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2019年5月31日に出願された、米国特許仮出願番号第62/855652号の優先権の利益を主張し、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ピラゾリルチアゾール含有化合物を調製する改善された方法、およびそれに有用な中間体に関する。
【背景技術】
【0003】
無制御の細胞増殖であるがんは、腫瘍形成、増殖、および場合によっては転移によって特徴付けられる多因子疾患である。合衆国では、本年、150万人を超える人々ががんと診断され、500,000人を超える人々ががんで死亡するであろう。全体として、3人のうち少なくとも1人が、一生のうちに何らかの形態のがんを発症することになる。200を超える病理組織学的に異なる種類のがんがあり、乳がん、大腸直腸がん、および前立腺がんが米国のすべての新規症例の半分以上を占めている。現在のがん治療法は、がんの局在および病期に応じて異なっているが、一般に、手術、全身療法、放射線療法、および化学療法が含まれる。抗がん法の開発に注がれてきた努力にもかかわらず、これらの多くは依然として、特定のがんに対しては効果的でないままである。
【0004】
がんの本質を表す無制御の細胞増殖は、細胞増殖の無秩序な制御のみならず、細胞成長および分裂を刺激するためのエネルギー代謝の対応する調整も伴う。細胞代謝のリプログラミングは、がん細胞の重要な分子ホールマークとして浮上している。好気的条件下では、正常な細胞は、サイトゾル内でグルコースを解糖を介して処理して、先ずピルビン酸にして、その後、ミトコンドリア内で二酸化炭素にし、建機的条件下では、解糖が好まれ、比較的少量のピルビン酸だけが酸素を消費するミトコンドリアに送り出される。増殖因子および栄養素が豊富にある場合、発がん性シグナル伝達過程は、増強された代謝を指向して、脂質、タンパク質および核酸などの高分子の合成の増加をもたらす。最終的な効果は、細胞成長および増殖の支援である。しかしながら、腫瘍形成中に、過酷な無酸素の栄養不足の環境が存在し、これが細胞およびその能力に代謝恒常性を維持するように対処させる。がん細胞は、それらのエネルギー代謝を解糖に主に解糖に制限することによって、それらのグルコース代謝をリプログラムし、したがってそれらのエネルギー産生をリプログラムすることができ、このことは初期の生化学者には、原始的かつ非効率的であるとみなされていた。これらの初期の説にもかかわらず、がん細胞の代謝シグネチャは、損傷したミトコンドリアに対する受動的な応答ではなく、同化成長を支援するために必要ながん遺伝子指向性代謝リプログラミングをもたらす。希少な栄養素増加およびより効率的な利用を可能にするがん遺伝子変異は、がんの治療における独自の標的を提示する。
【0005】
がんの治療のために特に有用な環置換ピラゾリルチアゾール化合物は、国際公開第2018/102452号および同第2018/102453号に開示されており、これらの各々が、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。そのような化合物の1つの例は、4-(3-フルオロフェニル)-1-(5-(イソプロピルチオ)-4-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキセン-1-エン-1-イル)チアゾール-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸である。これらの化合物は、細胞周期をG0/G1期において阻止し、それによりがん細胞のアポトーシスを誘発させることによってがん細胞に対して活性であると考えられており、またがん細胞においてグルタチオン合成を阻害すると考えられている。その結果として、環置換ピラゾリルチアゾール化合物は、がんの治療に有望であるとみなされており、これらの化合物を調製するための効率的な方法が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、式(I)の化合物などの環置換ピラゾリルチアゾール化合物を調製する改善された方法を提供し、
【化1】
これらは任意に、薬学的に許容される塩もしくはN-オキシド、および/または溶媒和物もしくは水和物の形態であり、式中、
は、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
は、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
Qは、-C(O)OR2A、-C(O)NR2B2A、-C(O)NR2BS(O)2A、-C(O)NR2BS(O)NR2B2A、-S(O)2A、-N(R2B)S(O)2A、-S(O)NR2B2A、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、
各R2Aは、H、C-Cアルキル、および保護基から独立して選択され、
各R2Bは、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
は、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
式中、
各L3Cは、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dは、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eは、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fは、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gは、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
は、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
は、各々が1~5個のR5Eで任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
式中、
各R5Eは、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R5F、-SR5F、-S(O)1-25F、-OR5F、-NR5G5F、-C(O)R5F、-C(O)NR5G5F、-NR5GC(O)R5F、-C(S)NR5G5F、-NR1GC(S)R5F、-C(O)OR5F、-OC(O)R5F、-C(O)SR5F、-SC(O)R5F、-C(S)OR5F、-OC(S)R5F、-C(S)SR5F、-SC(S)R5F、-S(O)1-2OR5F、-OS(O)1-25F、-S(O)1-2NR5G5F、および-NR5GS(O)1-25Fから独立して選択され、
各R5FはH、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R5Gは、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
式中、
各Rは、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各々の、任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルは非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルは3~10個の環炭素を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルは、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環である。
【0007】
そのような方法は、(例えば、式(Ia)の)ピラゾリルチアゾールを、任意に溶媒中で、所望の環置換基部分を含む(例えば、R部分を含む)有機ホウ素化合物とカップリングすることを含む。
【0008】
本開示はまた、式(I)の化合物の合成において中間体として有用なピラゾリルチアゾール化合物およびそれらを調製する方法を提供する。したがって、別の態様は、式(Ia)のピラゾリルチアゾールを提供し、
【化2】
式中、
Xはハロゲンであり、
は、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、各R2Bは、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、各R2Cは、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
、R、R、およびRは、式(I)について記載されたとおりである。
【0009】
本開示の別の態様は、(例えば、式(Ia)の)本開示のハロピラゾリルチアゾールを調製する方法を提供する。そのような方法は、(例えば、式(Ib)の)チアゾリルチアゾールを、ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で、ジオンと反応させることと、ヒドラゾンを、式X-CH-Q(式中、Qは上記のとおりであり、Xは、ハロゲンまたは脱離基である)の化合物と反応させて、ピラゾリルチアゾールを得ることと、を含む。
【0010】
別の態様は、(例えば、式(Ib)の)チアゾリルヒドラジンを調製する方法を提供する。そのような方法は、ジハロチアゾールを、任意に溶媒中で、ヒドラジンの水溶液と反応させて、粗生成物を得ることと、粗生成物を、例えば炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせ)から結晶化させて、チアゾリルヒドラジンを得ることと、を含む。
【0011】
別の態様は、1-(4-ハロ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸C-Cアルキルを提供する。この態様の一実施形態は、1-(4-ブロモ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸)エチルを提供する。
【0012】
本開示の他の態様および実施形態は、本明細書に提供される発明を実施するための形態を考慮して明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明者らは、式(I)の化合物を調製する改善された効率的な方法を見出した。例えば、WO2018/102453に開示されているものなどの現在知られている方法と比べると、本発明の方法は、化合物1の調製について、同じ化合物の調製のためのWO2018/102453に開示されている2.5%の全収率と比べて30%を超える全収率を可能にする。本開示の方法は、例えば、比較的純粋な(例えば、少なくとも98%純粋な)式(I)の化合物も提供する。さらに、ある特定の実施形態では、この純度は、クロマトグラフィーを実行する必要なく達成することができる。式(Ia)のピラゾリルチアゾールは、式(I)の化合物を調製する方法で使用することができ、ひいては、式(Ib)のチアゾリルヒドラジンは、ピラゾリルチアゾールを調製する方法で使用することができるため、本発明者らは、式(Ia)のピラゾリルチアゾールおよび/または式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製する効率的な方法を開発するためにも重要であることを見出した。
【0014】
したがって、一態様は、式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製する改善された方法を提供し、
【化3】
式中、
Xは、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)であり、
は結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
は、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
式中、
各Rは水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各々の、任意に置換されたアルキルは、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルは3~10個の環炭素を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各単環式ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員ヘテロアリール環である。
【0015】
そのような方法は、
式のジハロチアゾールを
【化4】
(式中、X、R、およびLは、式(Ib)について記載されたとおりであり、Xは、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)である)、任意に溶媒中で、ヒドラジンの水溶液と反応させて、粗生成物を得ることと、
粗生成物を、例えば、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせ)から結晶化させて、式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを得ることと、を含む。
【0016】
ある特定の実施形態では、Xはクロロである。ある特定のそのような実施形態では、Xは、ブロモまたはヨードである。
【0017】
式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製する方法において、本発明者らは、式(Ic)のジハロチアゾールの量に基づいて、少なくとも6モル当量であるヒドラジンの量使用が有利であることを見出した。例えば、ある特定の実施形態では、ヒドラジンの量は、すべてジハロチアゾールの量に基づいて、少なくとも6.25モル当量、例えば、少なくとも6.5モル当量、または少なくとも7モル当量である。ある特定の実施形態では、ヒドラジンの量は、ジハロチアゾールの量に基づいて6~20当量、例えば6~15当量、または7~20当量または7~15当量の範囲である。
【0018】
様々な極性非プロトン性溶媒が、式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製する方法で使用するために好適である。例としては、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(MeCN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。ある特定の実施形態では、溶媒はTHFである。
【0019】
ジハロチアゾールをヒドラジンの水溶液と反応させることは、ほぼ室温を含む様々な温度で行ってもよい。例えば、ある特定の実施形態では、この反応は、20℃~25℃、または20℃~23℃の範囲の温度で行われる。他の実施形態では、ジハロチアゾールを、ヒドラジンの水溶液と、5℃~20℃の範囲の温度で反応される。他の実施形態では、ジハロチアゾールはヒドラジンの水溶液と反応され、これは、25℃~40℃、例えば、30℃~40℃または35℃~40℃または30℃~35℃の温度範囲で行われる。
【0020】
ジハロチアゾールのヒドラジンの水溶液との反応は、粗生成物(すなわち、粗チアゾリルヒドラジンを含有する)を得るのに十分な時間行われる。ある特定の実施形態では、ジハロチアゾールは、ヒドラジンの水溶液と、少なくとも10時間、例えば、少なくとも20時間、または少なくとも24時間、または少なくとも48時間、または少なくとも72時間反応される。ある特定の実施形態では、ジハロチアゾールは、ヒドラジンの水溶液と、10時間~100時間の範囲の時間、例えば、24時間~100時間、または48時間~100時間、または72時間~100時間、または10時間~72時間、または24時間~72時間、または48時間~72時間、または10時間~48時間、または24時間~48時間の範囲の時間反応される。反応時間および反応温度は、多量の粗チアゾリルヒドラジンを有する粗生成物を提供するように選択され得る。
【0021】
粗生成物は結晶化されて、式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを得る。特に有用な結晶化溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせなどの炭化水素溶媒である。ある特定の実施形態では、結晶化溶媒はヘキサンである。ある特定の実施形態では、結晶化溶媒はヘプタンである。結晶化溶媒は、結晶形成をもたらすのに十分な任意の体積で使用されてもよい。ある特定の実施形態では、結晶化溶媒は、粗生成物の総体積に基づいて、100v/v%~300v/v%、例えば、100v/v%~200v/v%、または100v/v%~150v/v%、または200v/v%~300v/v%、または200v/v%~250v/v%、または250v/v%~300v/v%の量で使用される。ある特定の実施形態では、結晶化溶媒は、粗生成物の総体積に基づいて、約50v/v%~99v/v%の量で添加される。ある特定の実施形態では、結晶化溶媒は、粗生成物の総体積に基づいて、300v/v%超の量で添加される。
【0022】
本開示はまた、ハロピラゾリルチアゾールおよびそれらを調製する方法を提供する。したがって、本開示の別の態様は、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを提供し、
【化5】
式中、
Xは、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)であり、
は結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
は、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
は、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、
各R2Bは、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cは、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
は、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、式中、
各L3Cは、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dは、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eは、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3FはH、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gは、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
は水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
式中、
各Rは、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各々の、任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルは非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルは3~10個の環炭素を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルは、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環である。
【0023】
式(Ia)のピラゾリルチアゾールを調製するための方法は、
本明細書に記載される式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを、式(II)のジオンと
【化6】
(式中、RおよびRは、式(Ia)について記載されたとおりである)、
ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で反応させることと、
ヒドラゾンを、式X-CH-Qのアルキルハロゲン化物(式中、Qは、式(Ia)について記載されたとおりであり、Xは、ハロゲンまたは脱離基である)と接触させて、
式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを得ることと、を含む。
【0024】
ヒドラゾンは、以下の構造(III):
【化7】
を有し得る。
【0025】
ヒドラゾンを式X-CH-Qのアルキルハロゲン化物と接触させることは、式(IV):
【化8】
を有する中間体を形成することができる。
反応条件は、この中間体が水除去により環化して、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを形成するように選択され得る。
【0026】
ある特定の実施形態では、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製するための方法は、本明細書に記載される方法に従って、式(Ib)のチアゾールヒドラジンを調製することをさらに含む。例えば、ある特定の実施形態では、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製するための方法は、
本明細書に記載される式(1c)のジハロチアゾールを、任意に溶媒中で、ヒドラジンの水溶液と反応させて、粗生成物(すなわち、粗チアゾリルヒドラジンを含有する)を得ることと、
粗生成物を(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせなどの炭化水素溶媒から)結晶化させて、本明細書に記載される式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを得ることと、
本明細書に記載される式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを、本明細書に記載されるジオンと、ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で反応させることと、
ヒドラゾンを、本明細書に記載されるアルキルハロゲン化物(alkylhalogenide)と反応させて、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを得ることと、を含む。
【0027】
本発明者らは、XがCl、BrまたはIである式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールが、特に式(I)の化合物を調製するために使用される場合、有利であることを見出した。ある特定の実施形態では、本明細書に別途記載されるように、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールにおいて、XはBrである。ある特定の実施形態では、本明細書に別途記載されるように、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールにおいて、XはClである。ある特定の実施形態では、本明細書に別途記載されるように、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールにおいて、XはIである。
【0028】
本発明者らはまた、チアゾリルヒドラジンの量に基づいて、少なくとも1モル当量のジオンの量の使用が有利であることを見出した。例えば、ある特定の実施形態では、ジオンの量は、すべてチアゾリルヒドラジンの量に基づいて、少なくとも1.1モル当量、例えば、少なくとも1.25モル当量、または少なくとも1.5モル当量である。
【0029】
本明細書に別途記載されるチアゾリルヒドラジンとジオンとは、ある特定の実施形態では、溶媒中で反応され得る。例えば、好適な溶媒としては、ジオキサン、トルエン、THF、DMF、およびジクロロメタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
チアゾリルヒドラジンとジオンとを反応させることは、室温を含む様々な温度で行われてもよい。例えば、ある特定の実施形態では、反応は、20℃~25℃、または20℃~23℃の範囲の温度で行われる。チアゾリルヒドラジンとジオンとの反応は、ヒドラゾンを得るのに十分な時間行われてもよい。ある特定の実施形態では、チアゾリルヒドラジンは、ジオンと、少なくとも8時間、例えば、少なくとも10時間、または少なくとも12時間、または少なくとも14時間、または少なくとも16時間反応される。ある特定の実施形態では、チアゾリルヒドラジンは、ジオンと、ほぼ室温で、8時間~20時間の範囲の、例えば、8時間~16時間、または8時間~14時間、または8時間~12時間、または8時間~10時間、または10時間~20時間、または10時間~16時間、または10時間~14時間、または10時間~12時間、または14時間~20時間、または14時間~18時間、または14時間~16時間、または16時間~20時間、または16時間~18時間、または18時間~20時間の範囲の時間反応される。チアゾリルヒドラジンとジオンとを反応させることは、代替的に、室温を上回る温度で行われてもよい。例えば、チアゾリルヒドラジンとジオンとの反応は、少なくとも40℃、例えば、少なくとも45℃、または少なくとも50℃、または少なくとも60℃、または少なくとも65℃の温度であってもよい。ある特定の実施形態では、チアゾリルヒドラジンとジオンとの反応は、40℃~80℃の範囲、例えば、40℃~70℃、または40℃~60℃、または40℃~50℃、50℃~80℃、または50℃~70℃、または50℃~60℃、または60℃~80℃、または60℃~70℃の範囲の温度であってもよい。ある特定の実施形態では、チアゾリルヒドラジンとジオンとは、該室温を上回る温度で、少なくとも30分間(例えば、少なくとも45分間、または少なくとも1時間)反応される。
【0031】
本明細書に記載される方法において、ヒドラゾンを、本明細書に記載されるアルキルハロゲン化物と反応させて、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製する。ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、例えば、無機ヨウ化物および塩基の存在下で反応されてもよい。無機ヨウ化物は、ある特定の実施形態では、KIまたはNaIであり得る。ある特定の実施形態では、ヒドラゾンは、KIである無機ヨウ化物の存在下で、アルキルハロゲン化物と接触される。塩基は、ある特定の実施形態では、炭酸塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム(I)など)、水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、エトキシド(例えば、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、タリウム(I)エトキシドなど)、アミン(例えば、トリメチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、N,N-ジメチルエチルアミンなど)、水素化物(例えば、水素化ナトリウムおよび水素化カリウム)であってもよい。ある特定の実施形態では、ヒドラゾンは、炭酸塩(炭酸カリウムなど)である塩基の存在下で、アルキルハロゲン化物と接触される。
【0032】
ある特定の実施形態では、無機ヨウ化物は、触媒量で提供される。例えば、ある特定の実施形態では、無機ヨウ化物の量は、ヒドラゾンの量に基づいて、20mol%以下、例えば、15mol%以下、または10mol%以下である。ある特定の実施形態では、無機ヨウ化物の量は、チアゾリルヒドラジンの量に基づいて、5mol%~20mol%の範囲、例えば、5mol%~15mol%の範囲、または5mol%~10mol%の範囲、または8mol%~20mol%の範囲、または8mol%~15mol%の範囲、または8mol%~12mol%の範囲、または8mol%~10mol%の範囲、または10mol%~20mol%の範囲、または10mol%~15mol%の範囲である。
【0033】
ある特定の実施形態では、無機ヨウ化物は、化学量論量で提供される。例えば、ある特定の実施形態では、無機ヨウ化物の量は、ヒドラゾンの量に基づいて、少なくとも1モル当量、例えば、少なくとも1.1モル当量、または少なくとも1.25モル当量、または少なくとも1.5モル当量、または少なくとも2モル当量である。
【0034】
ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、ハロピラゾリルチアゾールを得るのに十分な温度および時間で接触され得る。
【0035】
例えば、ある特定の実施形態では、ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、少なくとも80℃、例えば、少なくとも85℃、または少なくとも90℃、または少なくとも95℃、または少なくとも100℃、または少なくとも110℃の温度で反応される。ある特定の実施形態では、ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、80℃~120℃の範囲の、例えば、80℃~110℃、または80℃~100℃、または80℃~90℃、または90℃~120℃、または90℃~110℃、または90℃~100℃、または100℃~120℃、または100℃~110℃の範囲の温度で反応される。
【0036】
ある特定の実施形態では、ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、少なくとも8時間反応される。例えば、ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、少なくとも10時間、例えば、少なくとも12時間、または少なくとも14時間、または少なくとも16時間反応されてもよい。別の実施形態では、ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、8時間~24時間の範囲の時間反応される。例えば、様々な実施形態では、ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とは、8時間~20時間、または8時間~16時間、または8時間~14時間、または8時間~12時間、または8時間~10時間、または10時間~24時間、または10時間~20時間、または10時間~16時間、または10時間~14時間、または10時間~12時間、または14時間~24時間、または14時間~20時間、または14時間~18時間、または14時間~16時間、または16時間~24時間、または16時間~20時間、または16時間~18時間、または18時間~24時間、または18時間~20時間の範囲の時間反応され得る。
【0037】
以下により詳細に記載されるように、ヒドラゾンの式X-CH-Qのアルキルハロゲン化物との反応は、ヒドラゾンのその置換可能な窒素での-CH-Qによる置換をもたらし、次いでこの中間体は、水除去を通して環化して、ハロピラゾリルチアゾールのピラゾール環を構築する。
【0038】
とりわけ、ヒドラゾン(例えば、式(III)の)を形成するためのチアゾリルヒドラジンのジオンとの反応、置換されたヒドラゾン中間体(例えば、式(IV)の)を形成するためのヒドラゾンの式X-CH-Qのアルキルハロゲン化物との後続反応、およびハロピラゾリルチアゾールを形成するためのそのヒドラゾン中間体の環化は、いかなる中間体も単離または精製することなく実行することができる。
【0039】
本明細書に記載される式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製する方法は、ある特定の実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールをさらに結晶化させることを含んでもよい。例えば、ピラゾリルチアゾールは、結晶化されてアルコール(エタノールなど)を形成し、少なくとも98%の純度を有する化合物を得ることができる。
【0040】
別の態様では、本開示は、式(I)の化合物を調製するための方法を提供する。そのような方法は、本明細書に記載される式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを、任意に溶媒中で、R部分を含む有機ホウ素とカップリングさせて、式(I)の化合物を得ることを含む。
【0041】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物を調製するための方法は、本明細書に記載される方法に従って、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製することをさらに含む。例えば、ある特定の実施形態では、式(I)の化合物を調製するための方法は、
本明細書に記載される式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを、本明細書に記載されるジオンと、ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で反応させることと、
ヒドラゾンを、本明細書に記載されるアルキルハロゲン化物と反応させて、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを得ることと、
本明細書に記載される式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを、任意に溶媒中で、R部分を含む有機ホウ素とカップリングさせて、式(I)の化合物を得ることと、を含む。
【0042】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物を調製するための方法は、本明細書に記載される方法に従って、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールおよび式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製することをさらに含む。例えば、ある特定の実施形態では、式(I)の化合物を調製するための方法は、
本明細書に記載されるジハロチアゾールを、任意に溶媒中で、ヒドラジンの水溶液と反応させて、粗生成物(すなわち、粗チアゾリルヒドラジンを含有する)を得ることと、
粗生成物を(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせなどの炭化水素溶媒から)結晶化させて、本明細書に記載される式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを得ることと、
本明細書に記載される式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを、本明細書に記載されるジオンと、ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で反応させることと、
ヒドラゾンを、本明細書に記載されるアルキルハロゲン化物と反応させて、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを得ることと、
本明細書に記載される式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを、任意に溶媒中で、R部分を含む有機ホウ素とカップリングさせて、式(I)の化合物を得ることと、を含む。
【0043】
本発明者らは、鈴木カップリングが式(I)の化合物を調製するために特に有利であることを見出した。鈴木カップリングは当業者に周知であり、好適な触媒およびカップリング条件の包括的なガイドは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、J.P.Wolfe and J.S.Nakhla,Name Reactions for Homologations.The Suzuki Reaction.John Wiley & Sons,Inc.(2009),Pt.1:163-184に見出すことができる。
【0044】
一般には、カップリング反応は、触媒の存在下で、任意に塩基の存在下で行われる。鈴木カップリングに好適な触媒には、パラジウム触媒が含まれる。パラジウム触媒の例としては、テトラキス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl(PPh)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)、(Pd(OAc)/トリフェニルホスフィン(PPh)、(Pd(OAc)/トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、(Pd(OAc)/トリ(o-トリル)ホスフィン(PTol)などが挙げられるが、これらに限定されない。鈴木カップリングに好適な触媒としては、ニッケル触媒、例えば、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod))、塩かニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体(NiCl-glyme)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(NiCl(PPh)なども挙げることができる。
【0045】
触媒は、カップリング反応を触媒するのに十分な量で提供される。例えば、ある特定の実施形態では、触媒の量は、ハロピラゾリルチアゾールの量に基づいて、20mol%以下、例えば、15mol%以下、または10mol%以下、または5mol%以下、または3mol%以下である。ある特定の実施形態では、触媒の量は、ハロピラゾリルチアゾールの量に基づいて、0.1mol%~20mol%の範囲、例えば、0.1mol%~15mol%、または0.1mol%~10mol%の範囲、または0.1mol%~5mol%、0.1mol%~1mol%、または1mol%~20mol%、または1mol%~15mol%または1mol%~10mol%、または1mol%~5mol%、または5mol%~20mol%、または5mol%~15mol%、または5mol%~10mol%の範囲である。ある特定の実施形態では、触媒の量は、ハロピラゾリルチアゾールの量に基づいて、8mol%~20mol%の範囲、例えば、8mol%~15mol%、または8mol%~12mol%、または8mol%~10mol%、または10mol%~20mol%、または10mol%~15mol%、または15mol%~20mol%の範囲である。
【0046】
鈴木カップリングで使用される好適な塩基としては、例えば、炭酸塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム(I)など)、酢酸塩(例えば、酢酸カリウム、酢酸セシウムなど)、リン酸塩(例えば、リン酸三カリウム)、水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、エトキシド(例えば、ナトリウムエトキシド、タリウム(I)エトキシドなど)、アミン(例えば、トリエチルアミン)、塩基性フッ化物塩(フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、およびフッ化セシウム)が挙げられる。
【0047】
ある特定の実施形態では、好適な塩基は、化学量論量で提供され得る。例えば、ある特定の実施形態では、塩基の量は、ハロピラゾリルチアゾールの量に基づいて、少なくとも1モル当量、例えば、少なくとも1.5モル当量、または少なくとも2モル当量、または少なくとも2.5モル当量、または少なくとも3モル当量である。
【0048】
ある特定の実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とのカップリングは、Pd(dppf)Clおよび炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)の存在下で行われ得る。
【0049】
本明細書に別途記載されるハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とのカップリングとは、ある特定の実施形態では、溶媒中で反応され得る。好適な溶媒としては、ジオキサン、トルエン、THF、DMF、ジクロロメタン、水、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、溶媒は、水およびジオキサン、トルエン、またはDMFのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、溶媒中の水とジオキサン、トルエン、またはDMFのうちの1つ以上との比は、2:1~1:5であり、例えば、比は、1:1~1:5、または1:1~1:4、または1:2~1:5、または1:2~1:4、または1:3~1:5、または2:1~1:2、または2:1~1:2である。
【0050】
式(I)の化合物を調製する方法において、鈴木反応に最適なR部分を担持する任意の有機ホウ素が使用されてもよい。例えば、本開示の方法に好適な特定の有機ホウ素には、下記式のものを含む、ホウ素上に置換されたRを有するボロン酸およびボロン酸エステルが含まれ、
【化9】
式中、
は、式(I)について記載されたとおりであり、
およびYは、独立してヒドロキシまたはC-Cアルコキシであるか、あるいはYおよびYがB原子と一緒になって、ホウ素に結合した環内に1つまたは2つの酸素を有する5員または6員環を形成する。
【0051】
ある特定の実施形態では、有機ホウ素は、2-R-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-R-ボロン酸、2-R-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン、または2-R-1,3,2-ジオキサボリナンである。ある特定の実施形態では、有機ホウ素は、2-R-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。
【0052】
ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、式(I)の化合物を得るのに十分な温度および時間でカップリングされ得る。
【0053】
例えば、ある特定の実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、少なくとも80℃、例えば、少なくとも85℃、または少なくとも90℃、または少なくとも95℃、または少なくとも100℃、または少なくとも110℃の温度でカップリングされる。ある特定の実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、80℃~120℃の範囲の、例えば、80℃~110℃、または80℃~100℃、または80℃~90℃、または90℃~120℃、または90℃~110℃、または90℃~100℃、または100℃~120℃、または100℃~110℃の範囲の温度でカップリングされる。
【0054】
ある特定の実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、少なくとも8時間カップリングされる。例えば、様々な実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、少なくとも10時間、例えば、少なくとも12時間、または少なくとも14時間、または少なくとも16時間カップリングされてもよい。別の実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、8時間~24時間の範囲の時間カップリングされる。例えば、様々な実施形態では、ハロピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とは、8時間~20時間、または8時間~16時間、または8時間~14時間、または8時間~12時間、または8時間~10時間、または10時間~24時間、または10時間~20時間、または10時間~16時間、または10時間~14時間、または10時間~12時間、または14時間~24時間、または14時間~20時間、または14時間~18時間、または14時間~16時間、または16時間~24時間、または16時間~20時間、または16時間~18時間、または18時間~24時間、または18時間~20時間の範囲の時間カップリングされ得る。
【0055】
本明細書に記載される方法のある特定の実施形態では、式(I)の所望の化合物は、Qが-C(O)OHである化合物、例えば、式
【化10】
の化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。そのような方法は、例えば、加水分解(例えば、Qが、-C(O)OR2Cであり、R2Cが、C-Cアルキルまたは保護基である式(I)の化合物を加水分解する)によって、カップリング反応生成物を対応するカルボン酸に変換することをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、Qが-C(O)O(C-Cアルキルである式(I)の化合物を加水分解して、対応するカルボン酸またはカルボキシレートを提供することをさらに含む。
【0056】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、Qが-C(O)O(C-Cアルキルである式(I)の化合物を加水分解して、式(I)の化合物のカルボン酸塩を得ることと、式(I)の化合物の塩を結晶化させることと、をさらに含む。
【0057】
方法は、塩を対応するカルボン酸に変換することをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、塩は酸で処理されて、式(I)のカルボン酸化合物を得る。この方法のある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも98%の純度で得られる。
【0058】
本明細書に別途記載される方法のある特定の実施形態は、化合物が上記構造式(I)~(Ib)のいずれか、例えば、構造式(I)、(Ia)、または(Ib)を有する場合であり、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Rは、任意に置換されたC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは任意に置換されたC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは任意に置換されたC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ヒドロキシエチル、またはメトキシエチルである。ある特定の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはtert-ブチルである。ある特定の実施形態では、Rは、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはtert-ブチルである。ある特定の実施形態では、Rは、イソプロピルである。
【0059】
本明細書に別途記載される方法の他の実施形態は、化合物が上記構造式(I)~(Ib)のいずれかを有する場合であり、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Lは、結合、-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-である。ある特定の実施形態では、Lは、-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-である。ある特定の実施形態では、Lは、-S-、-S(O)-、または-S(O)-である。ある特定の実施形態では、Lは、-S-である。ある特定の実施形態では、Lは、結合である。ある特定の実施形態では、Lは、-O-であるか、あるいはLは、-NR-である。
【0060】
本明細書に別途記載される方法の他の実施形態は、化合物が上記構造式(I)~(Ib)のいずれかを有する場合であり、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Rは、(各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、アリールまたはヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、Rは、(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、ヘテロアリール(例えば、イソチアゾール、ピリドン、チアジアゾール、ピラジン、イミダゾール、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、ピラゾール、イソオキサゾール、チオフェン、フラン、またはピリミジン)である。ある特定の実施形態では、Rは、(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換された単環式ヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、ヘテロアリール(例えば、イソチアゾール、ピリドン、チアジアゾール、ピラジン、イミダゾール、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、ピラゾール、イソオキサゾール、チオフェン、フラン、またはピリミジン)である。ある特定の実施形態では、Rは、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリドニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾロピリジニル、チエニル、フラニル、およびピリミジニルからなる群から選択される。
【0061】
本明細書に別途記載される方法のある特定の他の実施形態では、化合物は上記構造式(I)~(Ia)のいずれかを有し、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Rは、1~5個のR3Eで任意に置換されたフェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、1~2個のR3Eで任意に置換されたフェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、R3Eで任意に置換されたフェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、1~2個のR3Eで置換されたフェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、R3Eで置換されたフェニルである。Rは、任意に1~5個のR3Eで置換された、ヘテロアリール(例えば、イソチアゾール、ピリドン、チアジアゾール、ピラジン、イミダゾール、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、ピラゾール、イソオキサゾール、チオフェン、フラン、またはピリミジン)である。ある特定の実施形態では、Rは、1~5個のR3Eで任意に置換されたフェニルおよびヘテロアリール(例えば、ピリジル、ピラゾリル)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Rは、ハロゲンで置換されたフェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、3-フルオロフェニルである。
【0062】
本明細書に別途記載される方法のある特定の他の実施形態は、化合物が上記構造式(I)~(Ia)のいずれかを有する場合であり、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、各R3Eは、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される。ある特定の実施形態では、各R3Eは、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される。ある特定の実施形態では、各R3Eは、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、およびハロゲンから独立して選択される。ある特定の実施形態では、各R3Eは、C-Cアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される。ある特定の実施形態では、各R3Eは、C-Cフルオロアルキル、およびハロゲンから独立して選択される。ある特定の実施形態では、各R3Eは、独立してハロゲンである。
【0063】
本明細書に別途記載される方法のある特定の他の実施形態は、化合物が上記構造式(I)~(Ia)のいずれかを有する場合であり、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、各Rは、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、または任意に置換されたC-Cアルキニルである。ある特定の実施形態では、Rは、任意に置換されたC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、水素、または非置換のC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは非置換のC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、非置換のメチルである。
【0064】
本明細書に別途記載される方法のある特定の他の実施形態は、化合物が上記構造式(I)のいずれかを有し、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Rは、各々が1~5個のR5Eで任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリール(例えば、イソキサゾリル、ピリジル、ピラゾリル)である。ある特定の実施形態では、Rは、1~5個のR5Eで任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、1~5個のR5Eで任意に置換されたシクロアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、1~5個のR5Eで置換されたシクロアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、1~5個のR5Eで任意に置換された不飽和シクロアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、1~5個のR5Eで置換された不飽和シクロアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、R5Eで置換されたシクロヘキセニルである。ある特定の実施形態では、Rは、4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-1-エン-1-イルである。
【0065】
本明細書に別途記載される方法のある特定の他の実施形態は、化合物が上記構造式(I)のいずれかを有し、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Qは、-C(O)OR2Aまたは-C(O)NR2B2Aである。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)OR2Aである。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)OH、または-C(O)O(C-Cアルキル)である。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)OHである。
【0066】
本開示の方法のある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、任意の薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物もしくは水和物の形態の、4-(3-フルオロフェニル)-1-(5-(イソプロピルチオ)-4-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-1-エン-1-イル)チアゾール-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸である。
【0067】
本開示の方法のある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、任意に溶媒和物もしくは水和物の形態の、4-(3-フルオロフェニル)-1-(5-(イソプロピルチオ)-4-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-1-エン-1-イル)チアゾール-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸C-Cアルキルである。本開示の方法のある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、任意に溶媒和物もしくは水和物の形態の、4-(3-フルオロフェニル)-1-(5-(イソプロピルチオ)-4-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-1-エン-1-イル)チアゾール-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルである。
【0068】
本明細書に別途記載される方法のある特定の他の実施形態は、化合物が上記構造式(Ia)のいずれかを有し、式中、変数は本明細書のいずれかの実施形態に別途記載されるとおりであり、Qは、-C(O)OR2Cまたは-C(O)NR2B2Cである。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)OR2Cである。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)O(C-Cアルキル)である。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)O(エチル)である。ある特定の実施形態では、Qは、-C(O)OR2Cであり、R2Cは保護基である。
【0069】
本開示の方法のある特定の実施形態では、式(Ia)の化合物は、
【化11】
である。
【0070】
本開示の方法のある特定の実施形態では、式(Ia)の化合物は、
【化12】
であり、
式中、Rは、C-Cアルキルであり、R3Eは、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される。
【0071】
本開示の方法のある特定の実施形態では、式(Ia)のピラゾリルチアゾールは、1-(4-ハロ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸C-Cアルキルである。本開示の方法のある特定の実施形態では、式(Ia)のピラゾリルチアゾールは、1-(4-ブロモ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルである。
定義
【0072】
本明細書で使用する用語は、一本線「-」、または二本線「=」が先行する、またはこれらが後に続くことで、名前の付いた置換基とその親部分との間の結合の、結合順序を示すことができる。一本線は単結合を示し、二本線は二重結合、または、スピロ置換基の場合は単結合の対を示す。一本線または二本線が存在しない場合、単結合は、置換基とその親部分との間で形成されており、さらに、置換基は、線が別様を示すことが言及されない限り、化学構造に対して「左から右」に読むことが意図されると理解されている。例えば、アリールアルキル、アリールアルキル-、および-アルキルアリールは、同じ官能基を示す。
【0073】
単純にするために、化学部分は、一貫して主に、一価の化学部分(例えばアルキル、アリールなど)として定義され、呼ばれる。それにもかかわらず、このような用語はまた、当業者に明確な、適切な構造状況の下において、対応する多価部分を伝達するためにも使用される。例えば、「アルキル」部分は、一価の基(例えば、CH-CH-)を意味することができるものの、いくつかの状況において、二価の連結部分は「アルキル」であることができ、この場合において、当業者は、アルキルが、用語「アルキレン」に等しい二価の基(例えば、-CH-CH-)であることを理解するであろう。(同様に、二価の部分が必要であり、「アリール」として述べられる状況において、当業者は、用語「アリール」が、対応する二価の部分であるアリーレンを意味することを理解するであろう。)すべての原子は、結合を形成するために、それらの通常の価数(即ち、炭素は4、Nは3、Oは2、そして、Sは、Sの酸化状態に応じて2、4、または6)を有すると理解される。本明細書にて開示する化合物における窒素は超原子価を有する、例えば、N-オキシドまたは四置換アンモニウム塩であることができる。場合によっては、部分は、例えば-B-(A)、(式中、aは0または1である)として定義することができる。そのような例において、aが0である場合、部分は-Bであり、aが1である場合、部分は-B-Aである。
【0074】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、指定された数の炭素、例えば1~10個の炭素(即ち、1および10を含む)、1~8個の炭素、1~6個の炭素、1~3個の炭素、または1、2、3、4、5、もしくは6を有する、飽和炭化水素を含む。「アルキル基」は直鎖または分枝鎖であることができ、文脈に応じて、一価の基、または二価の基(即ちアルキレン基)であることができる。例えば、部分「-(C-Cアルキル)-O-」は、1~6個の炭素を有するアルキレンブリッジを介しての酸素の接続を意味し、C-Cアルキルはメチル、エチル、およびプロピル部分を表す。「アルキル」の例としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ-、sec-、およびtert-ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。
【0075】
用語「アルコキシ」は、酸素ブリッジを介して親分子部分に結合した、示した数の炭素原子を有するアルキル基を表す。「アルコキシ」の例としては例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシが挙げられる。
【0076】
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、別に明記されない限り、2~10個の炭素(即ち、2および10を含む)、2~8個の炭素、2~6個の炭素、または2、3、4、5、もしくは6を含有し、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有する、不飽和炭化水素である。アルケニル基は直鎖または分枝鎖であることができ、文脈に応じて、一価の基、または二価の基(即ちアルケニレン基)であることができる。例えば、部分「-(C-Cアルケニル)-O-」は、2~6個の炭素を有するアルケニレンブリッジを介しての酸素の接続を意味する。アルケニルの代表的な例としては、エテニル、2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、3-ブテニル、4-ペンテニル、5-ヘキセニル、2-ヘプテニル、2-メチル-1-ヘプテニル、3-デセニル、および3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
本明細書で使用する場合、用語「アルキニル」は、別に明記されない限り、2~10個の炭素(即ち、2および10を含む)、2~8個の炭素、2~6個の炭素、または2、3、4、5、もしくは6を含有し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有する、不飽和炭化水素である。アルキニル基は直鎖または分枝鎖であることができ、文脈に応じて、一価の基、または二価の基(即ちアルキニレン基)であることができる。例えば、部分「-(C-Cアルキニル)-O-」は、2~6個の炭素を有するアルキニレンブリッジを介しての酸素の接続を意味する。アルキニルの代表的な例としては、アセチレニル、1-プロピニル、2-プロピニル、3-ブチニル、2-ペンチニル、および1-ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を示す。本明細書に別途記載されるあらゆる実施形態の、ある特定の実施形態では、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、または臭素を意味する。用語「フルオロアルキル」は、少なくとも1つのフッ素で置換されているアルキル基(すなわち、本明細書に別途記載される)を示す。「フルオロアルキル」には、ペルフルオロアルキル基などの複数のフッ素で置換されたアルキル基が含まれる。フルオロアルキル基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ-2-イル、および2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ-1-イルが挙げられる。
【0079】
用語「ヘテロアリール」とは、芳香環内に、窒素、酸素、および硫黄から選択される少なくとも1つの芳香族へテロ原子を含有する芳香環系を意味する。最も一般的に、ヘテロアリール基は1、2、または3個のヘテロ原子を有する。本化合物の一実施形態において、ヘテロアリール基は、ヘテロアリール基芳香環中の原子を介して、構造の残りに結合している。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、非芳香環原子を介して、構造の残りに結合している。
【0080】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、好ましくは窒素、酸素、および硫黄から選択される、少なくとも1つの非-芳香環中に存在するへテロ原子を含有する非-芳香環を意味する。ヘテロシクロアルキルは1、2、または3個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロシクロアルキルは飽和(即ちヘテロシクロアルキル)、または部分的不飽和(即ちヘテロシクロアルケニル)であることができる。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は1つの環内に3~7員を有する。その他の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、1つの環内に5または6員を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は1つの環内に3、4、5、6、または7員を有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、例えば、モルホリニル、チオモルホリニル、2-オキサゾリドニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジノニル、ピロリジニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ホモピペリジニル、ホモモルホリニル、ホモチオモルホリニル、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、イミダゾリドニル、およびテトラヒドロチエニルが挙げられる。特に望ましいヘテロシクロアルキル基としては、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、アゼチジニル、チオモルホリニル、2-オキサゾリドニル、イミダゾリドニル、およびピペラジノニルが挙げられる。
【0081】
用語「シクロアルキル」とは、飽和(すなわち、シクロアルキル)、または部分的不飽和(すなわち、シクロアルケニル)であることができる、非-芳香族炭素環式環または環系を意味する。開示した化合物中に存在するシクロアルキル基の特定の例は、1つの環内に3~7員を有する、例えば、1つの環内に5または6員を有する。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は1つの環内に3、4、5、6、または7員を有する。シクロアルキル基の例としては、例えば、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロブチル、およびシクロプロピルが挙げられる。本明細書のシクロアルキル基は非置換である、または、「任意に置換された」と明記される場合、1つ以上の置換可能な位置において、示した様々な基で置換されることができる。
【0082】
用語「オキソ」とは、二重結合した酸素を意味し、場合によっては=Oとして示される、または例えば、カルボニルの記載において、「C(O)」を使用して、オキソ置換炭素を示すことができる。
【0083】
用語「置換された」とは、特定の基またはラジカルを修飾するために使用される場合、明記した基またはラジカルの1つ以上の水素原子が各々、互いに独立して、別様に明記されない限り、以下で定義される同一の、または異なる置換基で置き換えられていることを意味する。
【0084】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容される酸および塩基添加塩の、ならびに溶媒和物の両方を意味する。このような薬学的に許容される塩としては、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、スルフィン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸;酢酸、HOOC-(CH-COOH[式中、nは0-4である]などのアルカン酸などの、酸の塩が挙げられる。無-毒性の薬学的塩基添加塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムなどの塩基の塩が挙げられる。当業者は、様々な無-毒性の、薬学的に許容される付加塩を認識するであろう。
【0085】
本明細書で使用される「脱離基」(例えば、Xとして好適)は、化学反応における第1の反応物質から置き換えられている反応物質の部分(例えば、本開示のアルキルハロゲン化物)の反応を意味する。好適な脱離基の包括的なリストは、J.March,Advanced Organic Chemistry,John Wiley and Sons,N.Y.(2013)で見出すことができる。好適な脱離基の例としては、ハロゲン(ClまたはBrなど)、アセトキシ、およびスルホニルオキシ基(メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ(「トリフレート」)、p-トルエンスルホニルオキシ(「トシレート」など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
本明細書で使用される「保護基」(例えば、R2AまたはR2Cとして好適)は、分子の残りの部分を破壊することなく適切な点で除去されて、保護されていないQまたはQを得ることができる、分子の他の位置における後続反応の条件に安定である基を意味する。好適な保護基は、本開示の方法において保護される基(例えば、QまたはQ)の性質および使用される条件に応じて選択されてもよい。好適な保護基の包括的なリストは、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.(1999)で見出すことができ、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、カルボン酸部分は、アルキルもしくは置換アルキル基を有するエステル(例えば、メチル、エチル、tertブチルアリル、トリフェニルメチル(トリチル)など)またはアリールアルキルもしくは置換アリールアルキル基を有するエステル(例えば、ベンジル、例えば、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジルなど)の形態で、チオエステル(例えば、tertブチルチオエステル)の形態で、シリルエステル(例えば、トリメチルシリル、tertブチルジメチルシリル)の形態などで、保護されてもよい。アミド部分は、アルキルもしくは置換アルキル基を有するカルバメートの形態(例えば、tertブチルカルバメート)で保護されてもよい。
【実施例
【0087】
本開示の方法は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これらは、本開示を、範囲および趣旨において、それらに記載される特定の手順および試薬に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0088】
実施例1:4-ブロモ-2-ヒドラジニル-5-(イソプロピルチオ)チアゾール(化合物4)の調製
【化13】
乾燥丸底フラスコに、2-クロロチアゾール(51g、0.43mol)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(45.5mL、0.378mol)、および無水テトラヒドロフラン(1.0L)を、窒素化で添加した。透明な無色溶液を乾燥氷-アセトン浴内でー74℃に冷却し、次いでn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(262mL、0.43mol)を、温度を<-72℃に保ちながら、120分以上かけて滴加した。褐色溶液を30分間攪拌し、次いで、無水テトラヒドロフラン(200mL)中の字-イソプロピルジスルフィド(61.6g、0.410mol)の溶液を120分間かけて添加し、混合物を、<-72℃でさらに30分間攪拌させた。次いで、反応混合物を、カニューレを介して70分かけて、1℃に冷却した3NのHCl(1L)を入れた5Lのフラスコに移した。得られた二相の混合物を、さらに30分間攪拌し、次いでヘプタン(1×1L、1×500mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄した。
【0089】
減圧下で溶媒を除去し、得られた油状物をジクロロメタン(850mL)中に溶解した。得られた溶液を氷浴で2℃に冷却し、ヘプタン(100mL)中の臭素(86.8g、0.543mmol)の溶液を60分かけて滴加し、溶液を1時間撹拌し、次いで室温(20~22粗)に18時間かけて温めた。次いで、水(500mL)中のチオ硫酸ナトリウム(30g)を添加し、1時間攪拌させた。水相をジクロロメタン(200mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。
【0090】
次いで、この油状物を、テトラヒドロフラン(1.0L)中に溶解して、水中50%ヒドラジン(150mL、2.5mol)を添加した。二相の混合物を室温(20~23℃)で30時間攪拌した。次いで、有機層を175mLまで濃縮させ、ヘプタン(250mL)を20分かけて滴加した。表題化合物の種結晶(10mg)を添加し、混合物を1時間攪拌した。次いで、ヘプタン(250mL)を添加したところ、急速な結晶化をもたらした。混合物を5℃に冷却し、濾過し、ヘプタン(2×250mL)で洗浄した。濾駅を減圧下で700mLまで濃縮させて、2℃に一晩冷却し、濾過し、ヘプタン(2×100mL)で洗浄した。炉か工程からの合わせた固形物を空気乾燥させて、表題化合物(79.5g、72%)を淡いベージュ色の固形物として得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ8.66(br、1H)、4.16(br、2H)、3.17(m、1H)、1.28(s、6H)。13C NMR(500MHz、CDCl)δ176.48、130.48、111.51、41.44、23.06。MS(m/z):268[M+1]
【0091】
実施例2:化合物4の再結晶化
12Lのフラスコに、化合物4(186.6g、0.6957mol)およびイソプロピルアルコール(2L)を入れた。スラリーを65℃に温め、水(2L)を添加して、均質な溶液を形成した。内容物を35℃に冷却し、追加の水(500mL)を30分かけて滴加すると、結晶化が続いて起こった。混合物を1時間攪拌し、次いで水(1.5L)を1.5時間かけて添加した。得られたスラリーを一晩攪拌し、次いで10℃に冷却した。混合物を濾過し、冷(5℃)イソプロパノール:水(1:2)(3×500mL)で洗浄し、一晩乾燥させて、表題化合物を淡いベージュ色の固形物(166.2g、90.2%)として得た。
【0092】
実施例3:2-(4-ブロモ-5-イソプロピルスルファニル-チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸エチル(化合物8)の調製No.1
【化14】
エタノール(140mL)中の化合物4(6.21g、23.2mmol)および1-(3-フルオロフェニル)プロパン-1,2-ジオン(5g、30.1mmol)の溶液を、16時間攪拌した。次いで、反応物に、2-クロロ酢酸エチル(11.35g、92.6mmol)、炭酸カリウム(19.2g、139mmol)、およびヨウ化カリウム(3.84g、23.2mmol)を入れた。反応物は赤褐色に変わり、還流下で90℃に7時間加熱した。次いで、反応物を20~25℃にお冷却し、ヘプタン(40mL)を添加し、反応物を60mLまで濃縮させた。次いで、混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液(300mL)を入れて、ヘプタン(3×150mL)で抽出した。黄色の有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮させて、粘性橙色溶液にして、アルコール(10mL)を添加すると固化した。混合物を0~5℃に冷却して、1時間攪拌させて、次いで濾過した。濾過した固形物をアルコール(3×5mL)で洗浄し、真空下30℃で乾燥させて、表題化合物(5.9g、53%)を生成した。
【0093】
実施例4:化合物8の調製No.2
【化15】
ジオキサン(53mL)中の化合物4(2.36g、8.8mmol)の溶液に、1-(3-フルオロフェニル)プロパン-1,2-ジオン(2.19g、13.2mmol)を入れ、室温で16時間攪拌し、次いで60℃に1時間加熱した。反応物を次いで冷却し、2-クロロ酢酸エチル(2.16g、17.6mmol)、炭酸カリウム(7.30g、52.8mmol)、およびヨウ化カリウム(146.1mg、0.8800mmol)を入れて、110℃に18時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、ヘプタン(100mL)を添加し、次いで減圧下で150mLまで濃縮させた。水(100mL)を次いで添加し、混合物をヘプタン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を20mLまで濃縮させて、シリカゲルパッドを通して、ヘプタン中10%の酢酸エチルを溶出液として用いて濾過した。得られた黄色溶液から溶媒を除去し、エタノール(10mL)で結晶化させた。混合物を0℃に冷却し、濾過し、冷エタノール(2×3mL)で洗浄し、減圧下で35℃にて乾燥させて、表題化合物(2.67g、63%)を提供した。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.4(m、1H)、7.2(d、1H)、7.1(m、1H)、4.35(q、2H)、3.3(クインテット、1H)、2.35(s、3H)、1.35(s、6H)、1.30(t、3H)。13C{H}NMR(500MHz、CDCl)δ163.65、161.69、160.73、160.27、150.80、132.16、131.22、130.19、125.06、124.04、123.13、116.35、115.00、62.79、41.85、23.03、13.83、12.63。19F NMR(500MHz、CDCl)δ-112.55--112.47(クインテット)。MS(m/z):485.65[M+1]
【0094】
実施例5:4-(3-フルオロフェニル)-2-[5-イソプロピルスルファニル-4-[4-(トリフルオロメチル)シクロヘキセン-1-イル]チアゾール-2-イル]-5-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸エチルの調製(化合物10)
【化16】
1Lのフラスコに、4,4,5,5-テトラメチル-2-[4-(トリフルオロメチル)シクロヘキセン-1-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン(21.39g、77.49mmol)、化合物8(31.28g、64.57mmol)、Pd(dppf)Cl・CHCl(1.58g、1.94mmol)および炭酸カリウム(26.77g、193.7mmol)を入れた。脱気トルエン(360mL)および脱イオン水(90mL)をフラスコに添加し、混合物を90℃に1時間にわたって加熱した。18時間後、反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通して濾過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、シリカゲル(150g)を入れた。得られたスラリーを蒸発乾固し、シリカパドに注ぎ、ヘプタン(1L)中の5%の酢酸エチルで溶出した。有機溶媒を蒸発させて、一晩放置した結果、表題化合物(36.62g、93.4%の収率)を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.35(m、1H)、7.15(d、1H)、7.05(m、1H)、6.30(s、1H)、4.25(q、2H)、3.15(クインテット、1H)、2.70(d、1H)、2.40(m、2H)、2.25(s、3H)、2.05(d、1H)、1.50-1.60(m、3H)、1.20-1.25(m、6H)、1.10-1.15(t、3H)。13C{H}NMR(500MHz、CDCl)δ161.23、159.77、159.16、156.09、153.41、148.05、137.15、130.63、130.50、129.52、127.20、126.10、123.12、118.87、114.47、113.11、60.39、40.62、36.46、25.13、21.61、20.80、19.77、11.85、10.66。19F NMR(500MHz、CDCl)δ-73.68、-112.72。MS(m/z):553.90[M+1]
【0095】
実施例6:4-(3-フルオロフェニル)-2-[5-イソプロピルスルファニル-4-[4-(トリフルオロメチル)シクロヘキセン-1-イル]チアゾール-2-イル]-5-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸ナトリウム(化合物11)
【化17】
メタノール(150mL)、テトラヒドロフラン(75mL)の溶液に、化合物10(17.83g、28、79mmol)を添加した。水酸化ナトリウム水溶液(1.0N、64mL)を添加し、得られたスラリーを50℃に2.5時間加熱した。減圧下で蒸発させて、ベージュ色の固形物を得て、これを脱イオン水(3×500mL)と攪拌して、濾過した。一定の重量になるまで、固形物を減圧下で乾燥させて、次いでアセトニトリル(100mL)中に懸濁させた。15分後、混合物を濾過して、表題化合物(14.00g、89%)を得た。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ7.40-7.50(m、1H)、7.35(t、2H)、7.10(t、2H)、6.40(s、1H)、3.25(クインテット、1H)、2.25(d、1H)、2.55(br、1H)、2.45(s、3H)、2.25(s、3H)、2.10(d、1H)、1.55(m、1H)、1.23(s、6H)。13C{H}NMR(500MHz、DMSO-d)δ163.49、162.98、161.56、158.98、155.35、149.20、143.75、135.74、131.92、130.32、127.41、125.02、118.26、115.68、113.44、42.29、37.34、26.85、24.60、23.18、21.75、13.42。19F NMR(500MHz、DMSO-d)δ-72.06(s)、-113.60(クインテット)。MS(m/z):525.85[M-Na+2]
【0096】
実施例7:化合物11の再結晶化
次いで、化合物11を結晶化した。56g(0.10mol)の化合物11を、テトラヒドロフラン(500mL)中に溶解させ、濾過した。この溶液に、アセトニトリル(250mL)を添加し、溶液を、減圧下50℃で350mLまで濃縮させた。アセトニトリル(250mL)を再び添加し、得られた溶液を、減圧下50℃で300mLまで濃縮させ、結晶化を生じさせた。この混合物に、アセトニトリル(250mL)を添加し、減圧下50℃で500mLまで再度濃縮させた。次いで、混合物を50℃で1時間胞子させて、次いで20℃に1時間、その後0℃に30分間冷却した。得られた混合物を濾過し、固形物を冷アセトニトリル(2×100mL、0℃)で洗浄し、減圧下35℃で乾燥させて、化合物11(54.7g、98%)を提供した。MS(m/z):525.85[M-Na+2]H NMR(500MHz、DMSO-d)δ14.16(br s、1H)、7.50-7.55(m、1H)、7.23-7.31(m、3H)、6.44(m、1H)、3.32(m、1H)、2.68-2.74(m、1H)、2.55-2.64(m、1H)、2.43-2.55(m、1H)、2.30(s、3H)、2.20-2.30(m、1H)、2.02-2.09(m、1H)、1.50-1.60(m、1H)、1.26(d、6H、J=7.5Hz)。13C NMR(126MHz、DMSO-d)δ163.51、162.37、161.58、157.70、154.94、150.62、133.49、132.86、132.79、131.44、131.23、131.16、129.80、127.98、127.59、125.55、125.52、125.38、122.20、120.09、116.14、115.96、115.35、115.19、42.50、26.71、24.56、23.15、23.07、21.64、12.76。
【0097】
実施例8:4-(3-フルオロフェニル)-2-[5-イソプロピルスルファニル-4-[4-(トリフルオロメチル)-シクロヘキセン-1-イル]チアゾール-2-イル]-5-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸(化合物1)
【化18】
5Lのフラスコに、化合物11(52.0g、94.9mmol)および脱イオン水(1.0L)中10%アセトニトリルを入れた。混合物を30分間攪拌し、次いで50℃まで温めた。表題化合物の種(1.2g)を添加し、次いで0.1NのHCl(1.0L)を3.75時間かけて滴加した。添加が進むにつれて、スラリーのより厚くなる変化が認められた。酸の各滴下が、黄色を生じさせたが、攪拌によって色が消えることも観察された。900mLの酸の添加後の上清のpHを監視した。添加が1.0当量に近づくにつれて、pHは約3に降下し、完全なプロトン化を確実にするために、目標pHは<4であった。
【0098】
分析アッセイ(XRPD、HPLC)用に試料を採取し、試料の濾液のpHを、pHメーターにより4.3と測定し、追加の20mLの0.1NのHClを反応混合物に添加した。加熱調節器をオフにして、混合物を19℃まで冷却させ、18時間攪拌した。焼結ガラス漏斗を用いて反応物を濾過し、母液、続いて脱イオン水(3×330mL)で洗浄した。ケーキを、わずかな窒素ブリードを伴う、45℃および>30in.真空に設定した真空乾燥オーブン内で乾燥させて、表題化合物(51.76g、99%収率)を得た。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ14.16(s、1H)、7.50-7.55(m、1H)、7.25-7.30(m、3H)、6.44(s、1H)、3.28-3.34(クインテット、1H)、2.69-2.73(d、1H)、2.44-2.48(m、2H)、2.29(s、3H)2.24-2.27(m、2H)、2.04-2.08(m、1H)、1.51-1.59(m、1H)、1.26(d、6H)。13C NMR(500MHz、CDCl)δ163.46、162.46、161.51、156.70、152.70、152.35、133.41、132.85、131.94、131.03、129.76、125.39、121.61、116.79、115.22、42.69、37.92、26.89、24.68、23.02、21.48、12.30。19F NMR(500MHz、CDCl)δ-73.62(s)、-113.17(クインテット)。MS(m/z):526.3[M+1]
【0099】
本開示の様々な例示的実施形態には、限定されるものではないが、以下にリストされた列挙する実施形態が挙げられ、これらは、技術的または論理的に矛盾していない任意の数および任意の併用で組み合わせることができる。
実施形態1。式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを調製するための方法であって
【化19】
式中、
Xが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)であり、
が、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
が、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cが、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
が、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
式中、
各L3Cが、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
が、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
式中、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各々の、任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルは、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環であり、
本方法が、
式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを、
【化20】
(式中、X、RおよびLが、式(Ia)について記載されたとおりである)、
式(II)のジオンと
【化21】
(式中、RおよびRが、式(Ia)について記載されたとおりである)、
ヒドラゾンを形成するのに十分な条件下で、任意に溶媒中で反応させることと、
ヒドラゾンを、式X-CH-Qの化合物(式中、Qが、式(Ia)について記載されたとおりであり、Xが、ハロゲンまたは脱離基である)と接触させて、式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを得ることと、を含む、方法。
実施形態2。式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを、実施形態37~46のいずれかに記載の方法に従って調製することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3。ジオンの量が、チアゾリルヒドラジンの量に基づいて、少なくとも1モル当量(例えば、チアゾールの量に基づいて、少なくとも1.1モル当量、少なくとも1.25モル当量、または少なくとも1.5モル当量)である、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
実施形態4。チアゾリルヒドラジンとジオンとが、室温で反応される、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
実施形態5。チアゾリルヒドラジンとジオンとが、少なくとも8時間(例えば、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、または少なくとも16時間)反応されるか、あるいはチアゾリルヒドラジンとジオンとが、8時間~20時間の範囲の(例えば、8時間~16時間、8時間~14時間、8時間~12時間、8時間~10時間、10時間~20時間、10時間~16時間、10時間~14時間、10時間~12時間、14時間~20時間、14時間~18時間、14時間~16時間、16時間~20時間、16時間~18時間、または18時間~20時間の範囲の)時間反応される、実施形態5に記載の方法。
実施形態6。チアゾリルヒドラジンとジオンとが、少なくとも40℃(例えば、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、または少なくとも65℃)の温度で反応され、あるいは、チアゾリルヒドラジンとジオンとが、40℃~80℃の範囲の(例えば、40℃~70℃、40℃~60℃、40℃~50℃、50℃~80℃、50℃~70℃、50℃~60℃、60℃~80℃、または60℃~70℃の範囲の)温度で反応される、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
実施形態7。チアゾリルヒドラジンとジオンとが、該温度で少なくとも30分間(例えば、少なくとも45分間、または少なくとも1時間)維持される、実施形態6に記載の方法。
実施形態8。チアゾリルヒドラジンとジオンとが、無機ヨウ化物および塩基の存在下で反応される、実施形態1~7のいずれかに記載の方法。
実施形態9。無機ヨウ化物が、KIまたはNaIである、実施形態8に記載の方法。
実施形態10。無機ヨウ化物の量が、チアゾリルヒドラジンの量に基づく触媒量(例えば、チアゾリルヒドラジンの量に基づいて、20mol%以下、または15mol%以下、または10mol%以下、もしくは5mol%~20mol%の範囲、または5mol%~15mol%の範囲、または5mol%~10mol%の範囲、または8mol%~20mol%の範囲、または8mol%~15mol%の範囲、または8mol%~12mol%の範囲、または8mol%~10mol%の範囲、または10mol%~20mol%の範囲、または10mol%~15mol%の範囲).である、実施形態8または9に記載の方法。
実施形態11。無機ヨウ化物の量が、チアゾールの量に基づく化学両論量(例えば、チアゾールの量に基づいて、少なくとも1モル当量)である、実施形態8または実施形態9に記載の方法。
実施形態12。塩基が、炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)である、請求項8~11のいずれかに記載の方法。
実施形態13。ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物(alkylhalogenide)とが、少なくとも80℃(例えば、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、または少なくとも110℃)の温度で反応されるか、あるいはヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とが、80℃~120℃の範囲の(例えば、80℃~110℃、80℃~100℃、80℃~90℃、90℃~120℃、90℃~110℃、90℃~100℃、100℃~120℃、または100℃~110℃の範囲の)温度で反応される、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
実施形態14。ヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とが、少なくとも8時間(例えば、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、または少なくとも16時間)反応されるか、あるいはヒドラゾンとアルキルハロゲン化物とが、8時間~24時間の範囲の(例えば、8時間~20時間、8時間~16時間、8時間~14時間、8時間~12時間、8時間~10時間、10時間~24時間、10時間~20時間、10時間~16時間、10時間~14時間、10時間~12時間、14時間~24時間、14時間~20時間、14時間~18時間、14時間~16時間、16時間~24時間、16時間~20時間、16時間~18時間、18時間~24時間、または18時間~20時間の範囲の)時間接触される、実施形態1~13に記載の方法。
実施形態15。ヒドラゾンを形成するためのチアゾリルヒドラジンのジオンとの反応およびハロピラゾリルチアゾールを形成するためのヒドラゾンの式X-CH-Qアルキルハロゲン化物との反応が、いかなる中間体の単離または精製もなしに実行される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
実施形態16。式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールをアルコールから再結晶させて、少なくとも98%の純度を有する化合物を得ることをさらに含む、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
実施形態17。式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールであって、
【化22】
式中、
Xが、ハロゲンであり、
が結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
が、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cが、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
が、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
式中、
各L3Cが、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
が、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
式中、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各々の、任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環である、化合物。
実施形態18。XがClである、実施形態1~17のいずれかに記載の方法または化合物。
実施形態19。XがBrである、実施形態1~17のいずれかに記載の方法または化合物。
実施形態20。XがIである、実施形態1~17のいずれかに記載の方法または化合物。
実施形態21。式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールが、1-(4-ハロ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸C-Cアルキル(1-(4-ブロモ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸)エチルなど)である、実施形態1~17のいずれかに記載の方法または化合物。
実施形態22。式(I)の化合物、
【化23】
任意に、薬学的に許容される塩もしくはN-オキシド、および/または溶媒和物もしくは水和物の形態である化合物を調製するための方法であって、式中、
が、結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
Qが、-C(O)OR2A、-C(O)NR2B2A、-C(O)NR2BS(O)2A、-C(O)NR2BS(O)NR2B2A、-S(O)2A、-N(R2B)S(O)2A、-S(O)NR2B2A、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、
各R2Aが、H、C-Cアルキル、および保護基から独立して選択され、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
が、各々が(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたフェニル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で任意に置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールであり、
式中、
各L3Cが、結合、メチレン、エチレン、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、または-NR3G-であり、
各R3Dが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R3F、-SR3F、-S(O)1-23F、-OR3F、-NR3G3F、-C(O)R3F、-C(O)NR3G3F、-NR3GC(O)R3F、-C(S)NR3G3F、-NR3GC(S)R3F、-C(O)OR3F、-OC(O)R3F、-C(O)SR3F、-SC(O)R3F、-C(S)OR3F、-OC(S)R3F、-C(S)SR3F、-SC(S)R3F、-S(O)1-2OR3F、-OS(O)1-23F、-S(O)1-2NR3G3F、および-NR3GS(O)1-23Fから独立して選択され、
各R3Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R3Gが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
が、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、および任意に置換されたC-Cアルキニルからなる群から選択され、
が、各々が1~5個のR5Eで任意に置換されたフェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
式中、
各R5Eが、オキソ、任意に置換されたC-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-CN、-SF、-N、-C(O)R5F、-SR5F、-S(O)1-25F、-OR5F、-NR5G5F、-C(O)R5F、-C(O)NR5G5F、-NR5GC(O)R5F、-C(S)NR5G5F、-NR1GC(S)R5F、-C(O)OR5F、-OC(O)R5F、-C(O)SR5F、-SC(O)R5F、-C(S)OR5F、-OC(S)R5F、-C(S)SR5F、-SC(S)R5F、-S(O)1-2OR5F、-OS(O)1-25F、-S(O)1-2NR5G5F、および-NR5GS(O)1-25Fから独立して選択され、
各R5Fが、H、C-Cアルキル、およびC-Cフルオロアルキルから独立して選択され、
各R5Gが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
式中、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択され、
各々の、任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換であるか、フッ素化されているか、または1つもしくは2つのヒドロキシル基で置換されており、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員、ならびに窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有し、不飽和または部分的に不飽和であり、
各ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員単環式ヘテロアリール環であり、
本方法が、
式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを
【化24】
式中、Xが、ハロゲン(例えば、Cl、BrまたはI)であり、
が、-C(O)OR2C、-C(O)NR2B2C、-C(O)NR2BS(O)2C、-C(O)NR2BS(O)NR2B2C、-S(O)2C、-N(R2B)S(O)2C、-S(O)NR2B2C、および-C(O)NH-O(C-Cアルキル)からなる群から選択され、式中、
各R2Bが、HおよびC-Cアルキルから独立して選択され、
各R2Cが、C-Cアルキルおよび保護基から独立して選択され、
およびL、R、R、およびRが、式(I)について記載されたとおりであり、
任意に溶媒中で、R部分を含む有機ホウ素とカップリングさせて、式(I)の化合物を得ることを含む、方法。
実施形態23。式(Ia)のハロピラゾリルチアゾールを、実施形態1~21のいずれかに記載の方法に従って調製することをさらに含む、実施形態22に記載の方法。
実施形態24。有機ホウ素が、ホウ素原子上で置換されたRを有するボロン酸またはボロン酸エステルである、実施形態22または23に記載の方法。
実施形態25。有機ホウ素が、下記式:
【化25】
を有し、
式中、
が、式(I)について記載されたとおりであり、
およびYが、独立してヒドロキシまたはC-Cアルコキシであるか、あるいはYおよびYがB原子と一緒になって、ホウ素に結合した環内に1つまたは2つの酸素を有する5員または6員環を形成する、実施形態24に記載の方法。
実施形態26。カップリングが、鈴木条件下で行われる、実施形態22~25のいずれかに記載の方法。
実施形態27。式(Ia)のハルピラゾリルチアゾールと有機ホウ素とが、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングされる、実施形態22~25のいずれかに記載の方法。
実施形態28。パラジウム触媒が、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である、実施形態27に記載の方法。
実施形態29。塩基が、炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)である、実施形態27または28に記載の方法。
実施形態30。カップリングが、少なくとも80℃(例えば、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、または少なくとも110℃)の温度で行われるか、あるいはカップリングが、80℃~120℃の範囲の(例えば、80℃~110℃、80℃~100℃、80℃~90℃、90℃~120℃、90℃~110℃、90℃~100℃、100℃~120℃、または100℃~110℃の範囲の)温度で行われる、実施形態22~29のいずれかに記載の方法。
実施形態31。カップリングが、少なくとも8時間(例えば、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、または1少なくとも6時間)行われるか、あるいはカップリングが、8時間~24時間の範囲の(例えば、8時間~20時間、8時間~16時間、8時間~14時間、8時間~12時間、8時間~10時間、10時間~24時間、10時間~20時間、10時間~16時間、10時間~14時間、10時間~12時間、14時間~24時間、14時間~20時間、14時間~18時間、14時間~16時間、16時間~24時間、16時間~20時間、16時間~18時間、18時間~24時間、または18時間~20時間の範囲の)時間行われる、実施形態22~30のいずれかに記載の方法。
実施形態32。式(I)の化合物が、
【化26】
である、実施形態22~31のいずれかに記載の方法。
実施形態33。式1の化合物(例えば、Qが、-C(O)O(C-Cアルキルである)を加水分解して、式(I)のカルボン酸化合物を得ることをさらに含む、実施形態32に記載の方法。
実施形態34。式1の化合物(例えば、Qが、-C(O)O(C-Cアルキルである)を加水分解して、式(I)のカルボン酸塩を得ることをさらに含む、実施形態32に記載の方法。
実施形態35。式(I)の化合物の塩を結晶化させることと、式(I)の化合物の塩を酸でプロトン化して、少なくとも98%の純度を有する式(I)の化合物を得ることと、を含む、実施形態34に記載の方法。
実施形態36。式(I)の化合物が、任意の薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物もしくは水和物の形態の、4-(3-フルオロフェニル)-1-(5-(イソプロピルチオ)-4-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-1-エン-1-イル)チアゾール-2-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸である、実施形態33~35のいずれかに記載の方法。
実施形態37。式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを調製するための方法であって
【化27】
式中、
Xが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)であり、
が結合、-C(O)-、-S-、-S(O)1-2-、-O-、-NR-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-C(S)NR-、-NRC(S)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-S(O)1-2O-、-OS(O)1-2-、-S(O)1-2NR-、および-NRS(O)1-2-からなる群から選択され、
が、各々が非置換であるか、またはフッ素化されている、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、およびC-Cアルキニルからなる群から選択され、
式中、
各Rが、水素、C-Cアルキル、および-C(O)(C-Cアルキル)からなる群から選択される]、
本方法が、
式のジハロチアゾールを
【化28】
(式中、X、R、およびLが、式(Ib)について記載されたとおりであり、Xが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード、例えば、クロロである)、任意に溶媒中で、ヒドラジンの水溶液と反応させて、粗生成物を得ることと、
粗生成物を結晶化させて、式(Ib)のチアゾリルヒドラジンを得ることと、を含む、方法。
実施形態38。Xが、クロロまたはブロモである、実施形態37に記載の方法。
実施形態39。Xが、ブロモである、実施形態37に記載の方法。
実施形態40。Xが、ヨードである、実施形態37に記載の方法。
実施形態41。ヒドラジンの量が、ジハロチアゾールの量に基づいて、少なくとも5モル当量(例えば、ジハロチアゾールの量に基づいて、少なくとも5.25モル当量、例えば、少なくとも5.5モル当量、少なくとも5.5モル当量、または少なくとも6モル当量)である、実施形態37~40のいずれかに記載の方法。
実施形態42。溶媒が、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはジメチルスルホキシド、例えば、テトラヒドロフランである、実施形態37~41のいずれかに記載の方法。
実施形態43。ジハロチアゾールのヒドラジンとの反応が、ほぼ室温で(例えば、20℃~25℃または20℃~23℃の範囲で)行われる、実施形態37~42のいずれかに記載の方法。
実施形態44。反応が、少なくとも10時間(例えば、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、または少なくとも72時間)、例えば、10時間~100時間の範囲の時間行われる、実施形態37~43のいずれかに記載の方法。
実施形態45。結晶化が、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせ)から行われる、実施形態37~44のいずれかに記載の方法。
実施形態46。結晶化が、粗生成物の総体積に基づいて、約100v/v%~300v/v%の量で、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはそれらの組み合わせ)から行われる、実施形態37~44のいずれかに記載の方法。
実施形態47。Rが、任意に置換されたC-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態48。Rが、非置換のC-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態49。Rが、非置換のC-Cアルキルであるか、またはRが、任意に置換されたC-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態50。Rが、非置換C-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態51。Rが、非置換のC-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態52。Rが、任意に置換されたC-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態53。Rが、非置換のC-Cアルキル、またはフッ素化C-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態54。Rが、非置換のC-Cアルキルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態55。Rが、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ヒドロキシエチル、またはメトキシエチルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態56。Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはtert-ブチルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態57。Rが、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはtert-ブチルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態58。Rが、イソプロピルである、実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
実施形態59。Lが、結合、-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)である、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態60。Lが、-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)である、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態61。Lが、-S-、-S(O)-、または-S(O)-である、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態62。Lが、-S-である、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態63。Lが、結合である、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態64。Lが、-Oである、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態65。Lが、-NR-である、実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
実施形態66。Rが、1~5個のR3Eで任意に置換されたアリール(例えばフェニル)である、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態67。Rが、1~2個のR3Eで任意に置換されたアリール(例えばフェニル)である、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態68。Rが、R3Eで任意に置換されたアリール(例えばフェニル)である、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態69。Rが、1~2個のR3Eで置換されたアリール(例えばフェニル)である、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態70。Rが、R3Eで置換されたアリール(例えばフェニル)である、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態71。Rが、1~5個のR3Eで任意に置換された、ヘテロアリール(例えば、イソチアゾール、ピリドン、チアジアゾール、ピラジン、イミダゾール、ピリジン、ピラゾール、イソオキサゾール、チオフェン、フラン、またはピリミジン)である、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態72。Rが、1~5個のR3Eで任意に置換されたフェニルおよび単環式ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ピラゾリル)からなる群から選択されるか、あるいは、Rが、ハロゲンで置換されたフェニルである、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態73。Rが、3-フルオロフェニルである、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態74。Rが、各々が(i)任意に-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルまたはヘテロアリールである、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態75。Rが、(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、フェニルである、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態76。Rが、(i)-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロアリール)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたシクロアルキル)、-L3C-(1~5個のR3Dで任意に置換されたヘテロシクロアルキル)から選択される1つの置換基で置換されており、かつ(ii)1~5個のR3Eで任意に置換された、ヘテロアリールである、実施形態1~35または47~65のいずれかに記載の方法。
実施形態77。各R3Eが、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択されるか、あるいはR3Eが、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される、実施形態1~35または47~76のいずれかに記載の方法。
実施形態78。各R3Eが、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、およびハロゲンから独立して選択される、実施形態1~35または47~76のいずれかに記載の方法。
実施形態79。各R3Eが、C-Cアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3F.から独立して選択される、実施形態1~35または47~76のいずれかに記載の方法。
実施形態80。各R3Eが、C-Cフルオロアルキル、およびハロゲンから独立して選択される、実施形態1~35または47~76のいずれかに記載の方法。
実施形態81。各R3Eが、独立してハロゲンである、実施形態1~35または47~76のいずれかに記載の方法。
実施形態82。Rが、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、または任意に置換されたC-Cアルキニルである、実施形態1~35または47~81のいずれかに記載の方法。
実施形態83。Rが、任意に置換されたC-Cアルキルである、実施形態1~35または47~81のいずれかに記載の方法。
実施形態84。Rが水素、または非置換のC-Cアルキルである、実施形態1~35または47~81のいずれかに記載の方法。
実施形態85。Rが、非置換のC-Cアルキルである、実施形態1~35または47~81のいずれかに記載の方法。
実施形態86。Rが、非置換のメチルである、実施形態1~35または47~81のいずれかに記載の方法。
実施形態87。Rが、1~5個のR5Eで任意に置換された不飽和シクロアルキルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態88。Rが、1~5個のR5Eで置換された不飽和シクロアルキルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態89。Rが、R5Eで置換されたシクロヘキセン-1-イルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態90。Rが、4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-1-エン-1-イルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態91。Rが、1~5個のR5Eで任意に置換されたフェニルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態92。Rが、各々1~5個のR5Eで任意に置換されたヘテロアリール(例えばイソキサゾリル、ピリジル、イミダゾピリジル、ピラゾリル)である、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態93。Rが、1~5個のR5Eで任意に置換されたヘテロシクロアルキルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態94。Rが、1~5個のR5Eで任意に置換されたシクロアルキルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態95。R5が、1~5個のR5Eで置換されたシクロアルキルである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態96。Qが、-C(O)OR2Cである、実施形態22~35または47~86のいずれかに記載の方法。
実施形態97。Qが、-C(O)NR2B2Cである、実施形態1~36または47~96のいずれかに記載の方法。
実施形態98。Qが、-C(O)O(C-Cアルキル)、例えば、-C(O)O(エチル)である、実施形態1~36または47~96のいずれかに記載の方法。
実施形態99。Qが、-C(O)OR2Cであり、かつR2Cが、保護基である、実施形態1~36または47~96のいずれかに記載の方法。
実施形態100。式(Ia)の化合物が、
【化29】
実施形態101。式(Ia)の化合物が、
【化30】
であり、式中、RがC-Cアルキルであり、R3Eが、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、ハロゲン、-OR3F、および-NR3G3Fから独立して選択される、上記の矛盾しない実施形態のいずれかに記載の方法または化合物。
実施形態102。Qが、-C(O)OR2Aまたは-C(O)NR2B2A;であるか、あるいはQが、-C(O)OR2Aであるか、あるいはQが、-C(O)OHまたは-C(O)O(C-Cアルキル)であるか、あるいはQが、-C(O)OHである、上記の矛盾しない実施形態のいずれかに記載の方法または化合物。
実施形態103。1-(4-ブロモ-5-(イソプロピルチオ)チアゾール-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルである、化合物。
【0100】
この明細書全体を通して、特許および印刷された刊行物に対して多くの言及がなされてきた。引用された参考文献および印刷された刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に個々に組み込まれる。
【0101】
最後に、本明細書に開示される本発明の実施形態は、本発明の原理を例示したものであることを理解するべきである。採用され得る他の変更は、本発明の範囲内である。したがって、例として、ただし、限定するものではなく、本発明の代替構成も、本明細書の教示に従って利用されてもよい。したがって、本発明は、示され説明されたとおりのものに正確には限定されない。
【国際調査報告】