(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】補聴器インプラント再充電システム
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
H04R25/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572419
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 US2020036286
(87)【国際公開番号】W WO2020247726
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521140102
【氏名又は名称】ナノイヤー コーポレーション, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト, ウィリアム クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ムーア, マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス, ロン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミルシャンダニ, スムルティ
(57)【要約】
本開示は、コンパクトな補聴器のための充電及び再充電システムと、そのコンポーネントと、そのためのサポートデバイスと、に関する。充電及び再充電システムは、一般的に、発光ダイオードを有する聴覚インサートなどの発光デバイスと、インプラントされた補聴器上に配置された光起電セルと、を含む。作動中、発光デバイスは、外耳道の入口又はその付近に位置し、光エネルギーを、外耳道を通過して、インプラントされた補聴器に向けて伝える。光起電セルは、その光エネルギーを受け、その光エネルギーを、蓄えられた電気に変換し、補聴器に電力を供給する。
【選択図】
図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補聴器インプラントのための充電システムであって、
前記補聴器インプラントの近位端上に配置された1つ又はそれ以上の光起電(photovoltaic又はPV)セルであって、前記補聴器インプラントは、耳の鼓膜を通して配置されている、1つ又はそれ以上の光起電(PV)セルと、
前記耳の外耳道の入口又はその付近に挿入されるよう構成されている1つ又はそれ以上の光源であって、前記1つ又はそれ以上のPVセルが受けることができる光エネルギーを放ち、前記補聴器インプラントを充電する、1つ又はそれ以上の光源と、
を含む、補聴器インプラントのための充電システム。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上の光源は、約400nmから約870nmの範囲にある波長を有する光エネルギーを放ち、
前記波長は、前記外耳道の1つ又はそれ以上の表面による高反射率の波長帯にさらに対応する、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記1つ又はそれ以上の光源は、約800nmの波長を有する光エネルギーを放つ狭波長光源を含む、請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記1つ又はそれ以上の光源は、前記1つ又はそれ以上のPVセルのピーク吸収率未満の、約50nmのピーク波長を有する、請求項2に記載の充電システム。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の光源は、発光ダイオード(light emitting diode又はLED)を含む、請求項1に記載の充電システム。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上の光源は、高スペクトル純度の、高効率共鳴空洞LEDを含む、請求項5に記載の充電システム。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上の光源は、光源アセンブリ内に配置され、
前記光源アセンブリは、前記1つ又はそれ以上の光源から放たれた光エネルギーを集める二次オプティックを含む、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項8】
前記二次オプティックは、前記光源アセンブリから約1mmと約30mmとの間の焦点面上に光を集めるよう構成されている、請求項7に記載の充電システム。
【請求項9】
前記1つ又はそれ以上の光源は、前記外耳道の外に少なくとも部分的に置かれるよう構成されているサポートデバイスの遠位端上に配置されている、請求項1に記載の充電システム。
【請求項10】
前記サポートデバイスは、作動中、前記外耳道の長さの約1/5と約2/3との間を横断するよう構成されている聴覚インサートであり、
前記聴覚インサートは、その遠位端から近位端に形成されたチャネルを含み、ユーザの聴覚を妨げることのないようにする、
請求項9に記載の充電システム。
【請求項11】
前記サポートデバイスは、耳あてを含み、
前記耳あては、
ヘッドバンドと、
前記ヘッドバンドの向かい合う端部に取り付けられた1つ又はそれ以上の耳カップと、
をさらに含み、
前記1つ又はそれ以上の光源は、前記1つ又はそれ以上の耳カップの少なくとも1つ内に配置されており、作動中、前記外耳道の前記入口又はその付近に位置するよう構成されている、
請求項9に記載の充電システム。
【請求項12】
前記サポートデバイスは、耳甲介デバイスを含み、
前記耳甲介デバイスは、
前記1つ又はそれ以上の光源を収めるためのベースであって、作動中、前記外耳道の外に置かれるよう構成されているベースと、
前記外耳道にフィットし、前記サポートデバイスを前記耳に固定するよう構成されている、展性のあるフィッティングと、
をさらに含む、請求項9に記載の充電システム。
【請求項13】
前記耳甲介デバイスは、ヘッドバンド又はネックバンドに取り外し可能に接続されている、請求項12に記載の充電システム。
【請求項14】
前記サポートデバイスは、
前記1つ又はそれ以上の光源を収めるための耳カップであって、前記1つ又はそれ以上の光源が、前記耳カップ内に配置され、作動中、前記外耳道の前記入口又はその付近に位置するよう構成されている、耳カップと、
前記耳カップに接続された耳フックであって、前記耳の耳介の上部をスライドし、前記外耳道の前記入口を覆う前記耳カップをサポートする間、前記耳の裏側に置かれるように構成されている、耳フックと、
を含む、請求項9に記載の充電システム。
【請求項15】
前記サポートデバイスは、前記補聴器インプラントと無線で通信し、1つ又はそれ以上の無線コマンド信号を前記補聴器インプラントに伝えるようさらに構成されている、請求項9に記載の充電システム。
【請求項16】
補聴器インプラントのための充電システムであって、
前記補聴器インプラントの近位端上に配置された1つ又はそれ以上の光起電(photovoltaic又はPV)セルであって、前記補聴器インプラントは、耳の鼓膜を通して配置されている、1つ又はそれ以上の光起電(PV)セルと、
前記耳の外耳道の入口又はその付近に挿入されるよう構成されている充電デバイスであって、前記補聴器インプラントの前記1つ又はそれ以上のPVセルが受けることが可能であり、前記外耳道の1つ又はそれ以上の表面による高反射率の波長帯に対応する波長を有する光エネルギーを放つ1つ又はそれ以上の光源を含み、前記1つ又はそれ以上のPVセルは、前記光エネルギーを、蓄えられた電気に変換し、前記補聴器インプラントに電力を供給する充電デバイスと、
を含む、補聴器インプラントのための充電システム。
【請求項17】
前記充電デバイスは、前記補聴器と無線で通信し、1つ又はそれ以上の無線コマンド信号を前記補聴器に伝えるようさらに構成されている、請求項16に記載の充電システム。
【請求項18】
前記1つ又はそれ以上の光源は、約400nmから約870nmの範囲にある波長を有する光エネルギーを放つ高スペクトル純度の、高効率共鳴空洞発光ダイオード(light emitting diode又はLED)を含む、請求項16に記載の充電システム。
【請求項19】
前記1つ又はそれ以上の光源は、前記1つ又はそれ以上のPVセルのピーク吸収率未満の、約50nmのピーク波長を有する、請求項18に記載の充電システム。
【請求項20】
補聴器インプラントのための充電システムであって、
前記補聴器インプラントの近位端上に配置された1つ又はそれ以上の光起電(photovoltaic又はPV)セルであって、前記補聴器インプラントは、耳の鼓膜を通して配置されている、1つ又はそれ以上の光起電(PV)セルと、
前記耳の外耳道の入口又はその付近に挿入されるよう構成されている充電デバイスと、
を含む、補聴器インプラントのための充電システムであって、
前記充電デバイスは、
前記外耳道の1つ又はそれ以上の表面による高反射率の波長帯に対応する波長を有する光エネルギーを放つための1つ又はそれ以上の高スペクトル純度の、高効率共鳴空洞発光ダイオード(light emitting diode又はLED)であって、前記1つ又はそれ以上のPVセルは、前記1つ又はそれ以上のLEDから直接放たれた前記光エネルギーと、前記外耳道の前記1つ又はそれ以上の表面が反射した光エネルギーと、を吸収し、前記光エネルギーを、蓄えられた電気に変換し、前記インプラントされた補聴器に電力を供給するよう構成されている、1つ又はそれ以上の高スペクトル純度の、高効率共鳴空洞発光ダイオード(LED)と、
前記1つ又はそれ以上のLEDに接続され、前記外耳道の外に少なくとも部分的に置かれ、前記充電デバイスを前記耳に固定するよう構成されているサポートデバイスと、
を含む、補聴器インプラントのための充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、聴力支援デバイスと、それらを再充電するための方法と、に関する。とりわけ、本開示の実施形態は、発光ダイオードによる光起電システムを介しての、補聴器インプラントの再充電に関する。
【背景技術】
【0002】
補聴器はよく知られており、典型的には、マイクロフォンと、アンプと、スピーカと、を含む。典型的には、マイクロフォンは、音波を受け、その音波を電気信号に変換する。アンプは、その電気信号を増幅する。スピーカは、増幅されたその信号を、増幅された音波に変換する。その増幅された音波は、耳の中の鼓膜(tympanic membrane又はear drum)に振動を与える。伝統的に、補聴器は、外耳道の外側、特に、外耳の周りに取り付けられる。外側に取り付けられた補聴器は、音量を調整したりバッテリを交換したりするためのアクセスがしやすいという利点を有する。しかし、多くのユーザは、そのような外側に取り付けられた補聴器を、比較的かさばるものであり、美的外見や快適さを理由として好ましくないものとみなす。
【0003】
外側に取り付けられた補聴器の代替としては、ユーザの外耳道に配置された、内部に据え付けられた補聴器がある。従来の内部に据え付けられた補聴器は、よりよい美的外観を提示するが、不都合な点も同時に持つ。そのような補聴器は、通常、長期間にわたって用いられ、大電力を消費する超小型電子チップセットを利用する。したがって、数日おきのバッテリの繰り返しの交換、又は、かさばる誘導充電デバイスを用いての頻繁な再充電を必要とする。頻繁なバッテリの交換及び/又は再充電の要件は、内部に据え付けられた補聴器を、活発に活動する人や子供にとってあまり望ましくないものとし、結果として、人々の中で、聴覚に障害を持つ人の生活の質に大きな影響を与える。
【0004】
したがって、本技術分野において必要とされるものは、内部に据え付けられた補聴器を再充電するための改善された方法及び装置である。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般的に、内部に据え付けられた補聴器を再充電するための方法及び装置、とりわけ、発光ダイオードによる光起電システムを介しての、内部に据え付けられた補聴器インプラントの再充電に関する。
【0006】
1つの実施形態では、耳の鼓膜を通して配置された補聴器インプラントのための充電システムは、補聴器インプラントの近位端上に置かれた1つ又はそれ以上の光起電(photovoltaic又はPV)セルと、耳の外耳道の入口又はその付近に挿入されるよう構成されている1つ又はそれ以上の光源と、を含む。作動中、1つ又はそれ以上の光源は、1つ又はそれ以上のPVセルが受けることができる光エネルギーを放ち、補聴器インプラントを充電する。
【0007】
1つの実施形態では、耳の鼓膜を通して配置された補聴器インプラントのための充電システムは、補聴器インプラントの近位端上に置かれた1つ又はそれ以上の光起電(PV)セルと、耳の外耳道の入口又はその付近に挿入されるよう構成されている充電デバイスと、を含む。充電デバイスは、補聴器インプラントの1つ又はそれ以上のPVセルが受けることが可能であり、外耳道の1つ又はそれ以上の表面による高反射率の波長帯に対応する波長を有する光エネルギーを放つ1つ又はそれ以上の光源をさらに含む。作動中、1つ又はそれ以上のPVセルは、光エネルギーを、蓄えられた電気に変換し、補聴器インプラントに電力を供給する。
【0008】
1つの実施形態では、耳の鼓膜を通して配置された補聴器インプラントのための充電システムは、補聴器インプラントの近位端上に置かれた1つ又はそれ以上の光起電(PV)セルと、耳の外耳道の入口又はその付近に挿入されるよう構成されている充電デバイスと、を含む。充電デバイスは、外耳道の1つ又はそれ以上の表面による高反射率の波長帯に対応する波長を有する光エネルギーを放つための1つ又はそれ以上の高スペクトル純度の、高効率共鳴空洞発光ダイオード(light emitting diode又はLED)をさらに含む。サポートデバイスは、1つ又はそれ以上のLEDに接続され、外耳道の外に少なくとも部分的に置かれ、充電デバイスを耳に固定するよう構成されている。作動中、1つ又はそれ以上のPVセルは、1つ又はそれ以上のLEDから直接放たれた光エネルギーと、同じく、外耳道の1つ又はそれ以上の表面が反射した光エネルギーと、を吸収し、それらの光エネルギーを、蓄えられた電気に変換し、インプラントされた補聴器に電力を供給するよう構成されている。
【0009】
先に列挙する本開示の特徴を詳細に理解できるよう、先に簡単に要約した本開示のより詳細な説明は、実施形態を参照する場合がある。それらのいくつかを、添付の図面に示す。しかし、添付の図面は、例示的実施形態のみを示す。したがって、その範囲を限定するものとみなされず、他の等しく有効な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、鼓膜を通してインプラントされた補聴器と、外耳道の入口付近に挿入された無線充電デバイスと、を有する耳の模式的断面図を示す。
【
図6】
図6は、
図1の無線充電デバイスのための外部サポートデバイスを示す。
【
図9】
図9は、
図1の無線充電デバイスのための外部サポートデバイスを示す。
【0011】
理解を促し、図面に共通する同じ構成要素を示すために、同じ参照番号を可能なかぎり使用している。1つの実施形態の構成要素及び特徴は、それらをさらに述べることなく、他の実施形態に有益に包含される場合があるものと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、コンパクトな補聴器のための充電及び再充電システムと、そのコンポーネントと、そのためのサポートデバイスと、に関する。充電及び再充電システムは、一般的に、発光ダイオードを有する聴覚インサートなどの発光デバイスと、インプラントされた補聴器上に配置された光起電セルと、を含む。作動中、発光デバイスは、外耳道の入口又はその付近に位置し、光エネルギーを、外耳道を通過して、インプラントされた補聴器に向けて伝える。光起電セルは、その光エネルギーを受け、その光エネルギーを、蓄えられた電気に変換し、インプラントされた補聴器に電力を供給する。特定の実施形態では、発光デバイスは、1つ又はそれ以上の無線コマンド信号を、インプラントされた補聴器にさらに送信する。インプラントされた補聴器は、発光デバイスから受信した無線コマンド信号に基づいて、コマンド(例えば、機能)を実行してよい。
【0013】
ここに説明する実施形態は、本開示が検討する、インプラントされた補聴器の例示的構成を提供する。しかし、直接又は間接の調節により、鼓膜の速度又は位置を調節する、補聴器に好適ないずれの他の構成もまた考えられる。以下に続く実施形態は、一例として、開示するコンパクトな補聴器を、鼓膜を通して挿入することを説明する。しかし、コンパクトな補聴器は、また、耳の中の他の位置にも配置可能である。
【0014】
耳の生体構造
図1は、鼓膜を通してインプラントされた補聴器と、その外耳道に挿入された無線充電デバイスと、を有する耳100の模式的断面図である。耳100は、外耳110と、外耳110につながる外耳道112と、外耳110から、外耳道112の近位端付近に位置する鼓膜114と、を含む。外耳110の構造は、音波の振幅を外耳道112に向けてこれを増幅する「じょうご」を提供する。中耳に位置し、外耳110から鼓膜114の内側に配置された耳小骨連鎖115は、鼓膜114からの振動を、蝸牛120として知られるらせん構造を有する内耳につなげ、これを増幅する。蝸牛120は、振動を、脳へのインパルスに変換する。
【0015】
本開示の補聴器122などの補聴器は、外耳110を通して、外耳道112に、鼓膜114を少なくとも部分的に通して挿入できる。補聴器122は、一般的に、マイクロフォンなどのセンサと、以下により詳細に説明する、少なくとも1つの鼓膜を刺激する部材と、を含む。補聴器122は、一般的に、外耳110から外耳道112を通して伝わった音波を受け、これらの音波を電気信号又は電磁信号に変換し、これらの電気信号を機械的運動に変換する。これは、典型的には、フィードフォワードシステムと呼ばれる。この機械的運動は、鼓膜114及び/又は中耳並びに内耳の各部に衝撃を与え、耳小骨連鎖115、具体的には、槌骨118と、砧骨117と、アブミ骨116と、を振動させるために使用される。耳小骨連鎖115におけるこれらの3つの骨は、鼓膜114が受けた振動の振幅を増幅させる一セットのレバーとして作用する。アブミ骨116は、内耳リンパ液を含む、蝸牛120として知られるらせん構造の入口につながる。アブミ骨116の機械的振動は、このリンパ液に、フルードインパルスを生じさせる。これらのフルードインパルスは、蝸牛120内の小さい毛のような細胞(図示せず)を振動させる。これらの振動は、電気インパルスに変換される。これらの電気インパルスは、脳の聴覚中枢における神経経路に伝えられ、結果として、音が知覚される。
【0016】
補聴器122は、鼓膜114を通して固定的に挿入され得るため、その1つ又はそれ以上のエネルギー源(例えば、バッテリ)は、無線充電デバイス142を用いて再充電され得る。充電デバイス142は、補聴器122のように、また、そこにインプラントされた補聴器122にエネルギーを無線転送し、その補聴器122に電力を供給するために、外耳110を通して、外耳道112に挿入されてもよい。追加的に、充電デバイス142は、補聴器122と無線通信し、1つ又はそれ以上の無線コマンド信号をそこに伝えてよい。特定の実施形態では、補聴器122は、ユーザに聞こえるよう、そのパワーレベル(例えば、充電状態)、及び/又は、無線充電デバイス142が通信する1つ又はそれ以上のコマンドの実行を伝える。例えば、補聴器122は、ユーザに、低充電レベル、完全充電レベル、音量レベル、及び/又は、補聴器122の調整、及び、起動及び/又は停止(例えば、パワーオン又はパワーオフ)を伝えるための可聴音を生成してよい。
【0017】
以下により詳細に説明するように、充電デバイス142は、一般的に、補聴器122と光学的に接続し、光の形態にてそこにエネルギーを転送するための1つ又はそれ以上の発光コンポーネント(例えば、光源)を含む。結果として、補聴器122は、一般的に、充電デバイス142から放たれた光を受け、光起電力効果を示す半導体物質を使用して、その光を電気に変換するための、1つ又はそれ以上の光起電(PV)アセンブリ(例えば、受光面又はセル)を含む。
【0018】
発光システム及びデバイス
図2Aから
図2Bは、それぞれ、無線充電デバイス142の光源アセンブリ200と光源210との模式的断面図を示す。光源アセンブリ200は、一般的に、充電デバイス142の遠位端上に配置される。これは、外耳道に容易に挿入され、ここから取り外されるよう構成されているイヤーピース又は聴覚インサートを含んでよい。充電デバイス142を外耳道に挿入してここから取り外すことができることは、充電デバイス142自体の充電/再充電、及び/又は、そのクリーニングを可能にする。作動中、光源アセンブリ200は、補聴器122の光起電セルなどの受光器から約30cm以下の距離に配置されてよい。例えば、充電デバイス142を、外耳道又はその付近に挿入すると、光源アセンブリ200は、補聴器122から約2mmと約30mmとの間の距離、例えば、補聴器122から約10mmと約20mmとの間の距離に配置されてよい。特定の実施形態では、光源アセンブリ200は、補聴器122から、ユーザの外耳道の長さに実質的に等しい距離に配置される。ここで使用するように、用語「遠位(distal)」は、外耳道に挿入された際に蝸牛に最も近い、発光アセンブリ、補聴器、又はサポートデバイスの部位、又は、蝸牛へ向かう方向を指す。用語「近位(近位)」は、外耳道に挿入された際に蝸牛から最も遠い、発光アセンブリ又は補聴器の部位、又は、蝸牛から離れる方向を指す。
【0019】
図2Aに描くように、光源アセンブリ200は、光反射基盤ホルダ220上に配置されており、封止材230内に封止された、少なくとも1つの光源210を含む。特定の実施形態では、複数の光源210が、光反射基盤ホルダ220上の1つ又はそれ以上のアレイに配置されており、封止材230内に封止されている。作動中、基盤ホルダ220は、封止材230を通して遠位方向に、光源210から放射状に、及び/又は、近位に放たれたいずれの光を反射し、したがって、外耳道内の補聴器122へ最も多くの光を届けることを可能にする。結果として、基盤ホルダ220は、各光源210の周りにカップ状の形態を有する、アルミニウム、銀、クロム、及び他の好適な金属の薄い反射フィルムから形成されてよい。特定の実施形態では、基盤ホルダ220は、二酸化チタン及び二酸化ケイ素などの、光学的特性が異なる材料の複数の層から形成され、ブラッグ(Bragg)ミラー構造を形成する。封止材230は、光源210を保護する一方で、そこからの光の透過をも可能にするために、エポキシ及びポリウレタン樹脂を含むがこれらに限定しない、いずれの好適な、光学的にクリアな材料から形成される。光源アセンブリ200は、封止材230を通して配置され、少なくとも1つの光源210と電気的に接続された2つの端子240及び250をさらに含む。端子240及び250は、それぞれ、陽及び陰電流駆動端子であり、これらは、光源210へ電流を印可して、光源210を起動させることを可能にする。
【0020】
特定の実施形態では、光源アセンブリ200は、また、光源210の光放射分布を操作するための、レンズ260などの1つ又はそれ以上の二次オプティックを含む。一般的に、レンズ260は、1つ又はそれ以上の光源210からの光を遠位方向に集め、又は、これらを平行にし、補聴器122へ光を届けることを改善する。特定の実施形態では、レンズ260は、約1cm以上の直径を有する光照射野を作り、外耳道全体を照らす。したがって、補聴器122が、光源アセンブリ200の伝播経路内にあることを確かにする。特定の実施形態では、レンズ260は、光源アセンブリ200からの、約1mmと約30mmとの間、例えば、約5mmと約25mmとの間、例えば、約10mmと約20mmとの間、例えば、約15mmの距離に配置された焦点面上に、放たれた光を集めるよう構成されている。外耳道の長さの患者間の違いを調整するために、レンズ260の光伝播特性は、調整可能であってよい。
【0021】
各光源210は、一般的に、外耳道内の鼓膜及び他の表面による高い光反射率の波長帯に対応する波長を有するインコヒーレントな光を放ち、したがって、補聴器122により間接的に散乱した光の複数回の反射及び最適な捕獲を可能にする。例えば、光源210は、約400nmから約1100nmの範囲にある波長、例えば、約400nmから約870nmの範囲にある波長、例えば、約800nmの波長を有する光を放つよう構成されている発光ダイオード(light emitting diode又はLED)を含んでよい。特定の実施形態では、光源210は、GaxAl(1-x)AsタイプのLEDなどの狭波長光源を含む。ここで、xは、約0.5と約1との間にある。特定の他の実施形態では、光源210は、白色光LEDなどの、複数の波長の光源を含む。光源210のピーク波長は、一般的に、補聴器122の受光PVセルのピーク吸収率未満の、約25nmと75nmとの間にあることがさらに考えられる。例えば、光源210のピーク波長は、補聴器122のPVセルのピーク吸収率未満の、約50nmであってよい。
【0022】
上記ではLEDとして述べるが、光源アセンブリ200の光源210は、患者の外耳道を不快に温めることを回避するために、補聴器122のPVアセンブリを照らす一方で、低電力密度をも有するいずれの好適なタイプの光源を含んでよい。例えば、光源は、約120mW以下の最大電力損失を有してよい。他の好適なタイプの光源は、白熱電灯や、レーザに基づく光源などのコヒーレント光源を含む。
【0023】
LEDタイプ光源210の例示的構造を、
図2Bに描く。
図2Bに描く光源210は、高スペクトル純度の、高効率共鳴空洞LED(resonant cavity LED又はRCLED)であり、これは、複数のnタイプ半導体層270と、複数のpタイプ半導体層280と、の間に配置された活性領域276を含み、したがって、二重ヘテロ構造を形成する。LEDタイプ光源210のヘテロ構造は、n+(非常に高濃度にドープされたnタイプ)基盤290と、端子240、250と接続するための金属接点294に隣接するp+GaAs層292と、の間に積層される。特定の実施形態では、活性領域276は、そこに注入された電荷担体を捕捉し、光子放出のために、電子と正孔との再結合を改善するために、GaInP、AlGaAs、及び/又はAl
(1-x)Ga
xInPから形成された、1つ又はそれ以上の多重量子井戸層を含む。電荷担体の活性領域276内への封じ込めを改善するため、複数の層270、280は、活性領域276に隣接して、GaAsから形成された、1つ又はそれ以上のクラッド層272、282を含んでよい。特定の実施形態では、複数の層270、280は、光源210の光出力パワーを上げるために、1つ又はそれ以上のブラッグ(Bragg)レフレクタ層274、284をさらに含んでよい。ここに描いてはいないが、光源210は、また、プリント基板(printed circuit board又はPCB)上に据え付けられたフラットトップレンズ内に配置された蛍光体層を持つLEDチップを有する表面実装デバイスLED(surface mounted device LED又はSMD LED)であってよいことがさらに考えられる。さらに、光源210の例示的実施形態を、
図2Bを参照して説明するが、当業者であれば、光源210は、その各種のコンポーネント及び/又は層の組成及び構造を調整することにより最適化され得ることを理解するであろう。
【0024】
光起電システム及びデバイス
図3Aから
図3Bは、それぞれ、補聴器122の光起電(photovoltaic又はPV)アセンブリ300と、PVセル310と、の模式的断面図を示す。PVアセンブリ300は、一般的に、充電デバイス142と光学的に接続する一方で、補聴器122の音の検出及び増幅機能との干渉を回避するために、外耳道内に、補聴器122の近位部に配置される。
図3Aに描くように、PVアセンブリは、一般的に、陽及び陰リード340及び350のそれぞれを介して、補聴器122の電力入力と電気的に接続する少なくとも1つのPVセル310を含む。特定の実施形態では、PVアセンブリ300は、1つ又はそれ以上のアレイに配置された複数のPVセル310を含む。例えば、複数のPVセル310は、分割され、分離され、より高い電圧出力のために、それらをシリアル構成に接続でき、したがって、DC-DCコンバータの必要性を排除し、関連するDC-DCアップコンバージョンロスを削減するようになっていてよい。
【0025】
一般的に、各PVセル310は、充電デバイス142が生成した光のエネルギーを吸収し、それを電気に直接変換し、補聴器122に電力を供給するよう構成されている、単一又は複数のジャンクション(例えば、ダブルジャンクション、トリプルジャンクション)半導体デバイスである。複数のジャンクションの利用は、PVセル310のエネルギー吸収及び/又は変換特性を上げ得る。特定の実施形態では、単一のジャンクションGaAsPVの出力電圧は、電流密度により、約0.2Vと約0.9Vとの間にあり、出力電力は、約10mWと約80mWとの間にある。PVセル310は、広波長光又は狭波長光、例えば、無彩光又は単色光のどちらかの吸収のために最適化されてよい。特定の実施形態では、PVセル310は、充電デバイス142が放ち、外耳道内の皮膚に反射した光エネルギーを吸収する。例えば、光源210とPVセル310とは、それぞれ、約800nmなどの、最適な皮膚反射率に対応する波長を有する光を放ち、これを吸収してよい。800nmでは、外耳道内の表面、例えば、鼓膜のそれらは、高反射率(0.8)と、低吸収率(0.1)と、低透過率(0.1)と、を有する。したがって、外耳道内での光エネルギーの最適な伝達が可能となる。
【0026】
この開示の実施形態に係る、PVセル310の例示的構造を、
図3Bに描く。ここに示すように、PVセル310は、薄くされたN+GaAs基盤390上に形成された、GaAsに基づくPVセルである。したがって、低質量及び小プロファイルを有する。nタイプブラッグ(Bragg)レフレクタ層370と、nタイプベース層372と、薄いpタイプエミッタ層382と、pタイプウィンドウ層384と、が、基盤390上に積み重ねられている。基盤390のように、ベース層372とエミッタ層782とは、GaAsから形成されてよい一方で、ウィンドウ層784は、Al
1-xGaAsから形成される。特定の実施形態では、PVセル310は、ウィンドウ層784上に形成されたp+GaAsキャッピング層386をさらに含む。一般的に、PVセル310の活性層のバンドギャップは、それらの間の最適なエネルギー転送のために、光源210の活性層のバンドギャップに厳密に一致している。PVセル310の例示的実施形態を、
図3Bを参照して説明するが、当業者であれば、PVセル310は、その各種のコンポーネント又は層の組成及び構造を調整することにより最適化され得ることを理解するであろう。
【0027】
上述するように、PVアセンブリ300は、一般的に、補聴器122の音の検出及び増幅機能との干渉を回避する配列にて、外耳道内に、補聴器122の近位部に配置される。
図4A及び
図4Bは、本開示の実施形態にしたがう、補聴器122上のPVアセンブリ300の例示的配列を示す。
図4Aに描く実施形態では、補聴器122は、補聴器122の主な軸Aに対する角度に配置され、したがって、ウェッジのような形状を形成する少なくとも2つの傾いて収束する表面420a及び420bからなる近位端410を含む。特定の実施形態では、傾いた表面420a及び420bは、主な軸Aに対する実質的に等しい角度に配置されてよい。特定の他の実施形態では、傾いた表面420a及び420bは、主な軸Aに対する実質的に異なる角度に配置されてよい。一般的に、マイクロフォン430又は他の音検出デバイスは、第1の傾いた表面420a上に配置されている一方で、1つ又はそれ以上のPVアセンブリ300は、第2の傾いた表面420b上に配置されている。傾いた表面420a及び420bの傾斜した特性により、マイクロフォン430とPVアセンブリ300との双方は、外耳道からの直接及び間接の(例えば、反射した)音響エネルギー及び光エネルギーを受けるよう整列され得る。
【0028】
図4Bに描く代替的な実施形態では、補聴器122の近位端410は、実質的に円筒状の形状を有し、補聴器122の主な軸Aに実質的に鉛直する近位面440を有する。マイクロフォン430、若しくは、1つ又はそれ以上のPVアセンブリ300のどちらかは、近位面440上に配置されてよい(マイクロフォン430を
図4bに示す)一方で、他のものは、補聴器122を中心とする円周表面450に沿って配置される。したがって、マイクロフォン430又はPVアセンブリ300のどちらかは、音響エネルギー又は光エネルギーを直接的に受け得る一方で、他のものは、外耳道の表面が反射した音響エネルギー又は光エネルギーを間接的に受ける。先述するように、PVアセンブリ300の1つ又はそれ以上のPVセル310は、約800nmの波長を有する光などの、充電デバイス142が放ち、外耳道内の皮膚が反射した光エネルギーを吸収してよい。
【0029】
光エネルギーを伝えることに加えて、充電デバイス142は、充電デバイス142と補聴器122との間の無線通信のために、1つ又はそれ以上のタイプの通信信号を補聴器122に無線で送るようさらに構成されていてよい。特定の実施形態では、補聴器122は、そこへの所望するコマンドを中継するために、変調された信号を補聴器122に送るよう構成されていてよい。充電デバイス142と補聴器122との間を通信するコマンドの例としては、補聴器122をパワーオン及びパワーオフするコマンド、又は、その音量を上げ下げするコマンドを含んでよい。
【0030】
聴覚インサート及び外部サポートデバイス
本開示は、外耳道又はその付近に光源アセンブリ200を固定するための聴覚インサート又は外部サポートデバイスを含む充電デバイス142をさらに検討する。一般的に、補聴器122の再充電中、光源アセンブリ200(及び、したがって、1つ又はそれ以上の光源210)は、補聴器122の1つ又はそれ以上のPVアセンブリ300のごく近位に、これに向けて固定されることが望まれる。
【0031】
図5Aから
図5Bは、光源アセンブリ200から補聴器122への直接の、明確な高低線を提供するために、光源アセンブリ200を鼓膜114付近に置くための例示的聴覚インサート500を示す。特定の実施形態では、光源アセンブリ200は、ユーザの外耳道112に挿入された聴覚インサート500の遠位端510に接続される一方で、近位端520は、耳甲介のくぼみ、珠間切痕、耳珠の後ろ、又は外耳道112の入口の周りに置かれるよう構成されている。特定の実施形態では、近位端520は、充電デバイス142を充電するための電源に接続するためのポートをさらに提供する。遠位端510は、ユーザの外耳道112の少なくとも一部内に、そしてこれを、例えば、外耳道112の長さの約1/2と約2/3との間を横切ってフィットし、外耳道112の解剖学的特徴又はねじれが、光源アセンブリ200からの光を妨げないことを確かにするよう形成されている。さらに、聴覚インサート500は、聴覚インサート500を着用しているユーザの聴覚を妨げないよう、(例えば、聴覚インサート500の近位から遠位端までの)その長さを通して形成されたチャネルを有してよい。
【0032】
特定の実施形態では、聴覚インサート500は、特定のユーザの外耳道112の形状にマッチし、したがって、顧客にあわせてしっかりフィットできるよう、耳の型取り又は3Dイメージングを介して、カスタムプロファイルが与えられる。そのような実施形態では、聴覚インサート500は、アクリレート及び/又はメタクリレートなどの比較的硬い材料から形成されてよい。特定の他の実施形態では、聴覚インサート500は、ユニバーサルフィットを有し、カスタムプロファイリングを必要とせず、したがって、好適な展性のある材料、又は、フレキシブルな材料から形成され、外耳道112のねじれと長さとに調和するようになっている。好適な展性のある材料の例としては、ポリマー類、例えば、ゴム及びシリコーン、ポリウレタン、発泡体、高度なプラスチック、及び同様のものが含まれる。特定の例では、聴覚インサート500は、外耳道112内への挿入の前に、ユーザが押しつぶしてよい。その後、聴覚インサート500は膨張し、外耳道112を塞ぎ得る。特定の実施形態では、聴覚インサート500は、光学的に透明又は半透明な材料から形成され、それを光が透過することを可能にする。
【0033】
聴覚インサート500に加えて、本開示は、また、光源アセンブリ200を外耳道又はその付近に固定又は載置するための他のタイプの外部サポートデバイスを含む充電デバイス142を検討する。外部サポートデバイスは、一般的に、外耳道付近、耳を覆って、耳の周り、又はユーザの頭付近に配置される。例示的外部サポートデバイスは、イヤーバド、耳あて、耳を覆うクリップ、眼鏡のつる用クリップ、ヘッドバンド、及び各種デバイスを、ユーザの頭付近又はその周りに含む。それらは、外耳道付近、耳を覆って、耳の周り、ユーザの頭又はその付近に置くことができ、補聴器122の光源アセンブリ200とPVアセンブリ300との間の相互作用を可能にする。
【0034】
図6は、1つのそのような外部サポートデバイスを、光源アセンブリ200を、ユーザの外耳道又はその付近に固定して安定させるための耳あて600の形態にて示す。ここに示すように、耳あて600は、その向かい合う端部にある2つの耳カップ620に接続するヘッドバンド610を含む。少なくとも1つの耳カップ620は、そこに配置された光源アセンブリ200を有する。着用時には、耳カップ620は、ユーザの外耳を覆って(例えば、耳甲介のくぼみを覆って)置かれる。したがって、光源アセンブリ200を、補聴器122の再充電のために、ユーザの外耳道の入口付近に置く。特定の実施形態では、光源アセンブリ200は、耳あて600への容易な挿入及び取り外しのためにリムーバブルポッド640内に配置されてよい。耳あて600は、また、耳あて600のユニバーサルシリアルバス(universal serial bus又はUSB)充電のためのUSBポート630を含む。
【0035】
図7Aから
図7Dは、別の例示的外部サポートデバイスを、ヘッドバンド700の形態にて示す。ヘッドバンド700は、ユーザの外耳を覆って着用した際に、光源アセンブリ200をユーザの外耳道付近に固定するための、その内側又は外側に配置された少なくとも1つのポーチ710を含む。耳あて600を用いてのように、ポーチ710は、そこへの容易な挿入及びそこからの取り外しのために、光源アセンブリ200をポッド640内に受容するよう構成されていてよい。ヘッドバンド700は、一般的に、ユーザの快適さのために、ファブリック材料、又は、シリコーンなどのポリマー材料を含むいずれの好適な材料から形成される。特定の実施形態では、ヘッドバンド700は、スタンドアローンデバイスである。特定の他の実施形態では、ヘッドバンド700は、充電デバイス142の使用中に、ユーザが着用できるよう、帽子又はスカルキャップ720などの、ヘッドウェアの別のピースにさらに統合される。
【0036】
図8Aから
図8Cは、光源アセンブリ200を、ユーザの外耳道又はその付近に固定するための、例示的な眼鏡のつる用クリップ800を示す。ここに描くように、眼鏡のつる用クリップ800は、その使用中に、一組の眼鏡810のつる820上をスライドする、又は、これらに取り付けられる(例えば、これらにクリップ止めされる)。利用しない場合は、眼鏡のつる用クリップ800は、眼鏡810から取り外し、その充電/再充電のためのUSBポート840を有する充電ドック830に接続してよい。眼鏡のつる用クリップ800は、一般的に、シリコーンなどのポリマー材料を含むいずれの好適な材料から形成される。
【0037】
眼鏡のつる用クリップ800の代替として、
図9は、そこに統合された光源アセンブリ200を有する例示的眼鏡フレーム900を示す。ここに示すように、眼鏡フレーム900の片方又は両方のつる920は、そこから伸長し、光源アセンブリ200を受容するよう構成されている突起930を有する。着用時には、突起930は、耳を覆って伸長し、光源アセンブリ200を、ユーザの外耳道又はその付近に置く。耳あて600のように、眼鏡フレーム900は、使用しない場合の、眼鏡フレーム900のUSB充電/再充電のためのUSBポートを有してよい。
【0038】
図10Aから
図10Bは、光源アセンブリ200を外耳道又はその付近に置く一方で、ユーザの耳の耳甲介のくぼみ(例えば、耳甲介腔)内に実質的に置くための、例示的な耳甲介デバイス1000及び1001を示す。一般的に、耳甲介デバイス1000及び1001は、フィッティング1020に接続されたベース1010を含む。耳甲介デバイス1001は、ユーザがそれを容易に取り扱えるようにするためのステム1030をさらに含む。ベース1010は、光源アセンブリ200と、いずれの対応する回路と、を収め、使用時に外耳道の外に置かれる一方で、フィッティング1020は、外耳道にフィットし、このデバイスをユーザの耳に固定する(例えば、アンカー止めする)よう構成されている。聴覚インサート500と同様に、フィッティング1020は、ゴム及びシリコーン、ポリウレタン、発泡体、及び/又は高度なプラスチックなどのポリマー類を含む、いずれの好適な展性のある材料、又はフレキシブルな材料から形成され、外耳道のねじれと調和する。結果として、フィッティング1020は、外耳道内への挿入の前に、ユーザが押しつぶしてよい。その後、フィッティング1020は膨張し、外耳道を塞ぎ得る。特定の実施形態では、フィッティング1020の材料は、光学的に透明又は半透明であり、それを光が透過することを可能にする。特定の実施形態では、フィッティング1020は、そこに形成されたキャビティ又はチャネルを有し、光源アセンブリ200から補聴器122への光の透過を可能にする。
【0039】
図11、
図12Aから
図12B、及び
図13Aから
図13Bは、上記の耳甲介デバイス1000及び1001と組み合わせて利用してよい追加的コンポーネントを示す。
図11では、耳甲介デバイス1000は、ヘッドバンド1100のつる1110に取り外し可能に接続する。これは、ヘッドバンド1100及び/又は耳甲介デバイス1000のUSB充電/再充電のためのUSBポート1120をさらに含んでよい。ヘッドバンド1100は、その使用中に、耳甲介デバイス1000を耳甲介のくぼみに固定するための追加的サポートを提供する。
図12Aから
図12Bに描くように、耳甲介デバイス1000又は1001のどちらかは、ケーブル1210により、ネックバンド1200にさらに固定されてよい。ネックバンド1200は、ユーザの首に、その張力によってサポートされるよう形成されている。これは、ユーザがデバイスを落としたり失くしたりすることを防ぐよう、耳甲介デバイス1000及び1001に対するアンカリングポイントを提供する。
図13Aから
図13Bは、耳甲介デバイス1000のためのポータブルなモジュラー充電ユニット1300を描く。充電ユニット1300は、1つ又はそれ以上の耳甲介デバイス1000のUSB充電/再充電のためのUSBポート1320を有する充電ベース1310を含む。使用中、耳甲介デバイス1000は、機械的機構又は磁気的機構を含む、いずれの好適な手段により、充電ベース1310の向かい合う側部にアンカー止めされてよい。特定の実施形態では、充電ユニット1300は、また、それらを充電ベース1310又は耳甲介デバイス1000に取り付け、ベース1310にアンカー止めされた際に、耳甲介デバイス1000をカバーする、1つ又はそれ以上のキャップ1330を含む。特定の実施形態では、1つ又はそれ以上のキャップ1330は、他のデバイスへの取り付けのための、キーチェーン1340又は他のテザリングデバイスにさらに接続される。
【0040】
図14Aから
図14B、
図15Aから
図15B、及び
図16Aから
図16Bは、光源アセンブリ200を、ユーザの外耳道又はその付近に固定するための外部サポートデバイスのさらなる例を示す。
図14Aから
図14B、
図15Aから
図15B、及び
図16Aから
図16Bでは、光源アセンブリ200は、イヤーカフ1400、1500、及び1600の遠位端にそれぞれ接続される。これらは、サポートのために、外耳の各種の特徴を取り囲む、又は、これらを包み込む。例えば、イヤーカフ1400は、耳の上部耳輪1410を取り囲み、耳輪の脚1412を通り、外耳道112の入口まで下に伸長し、ここで、光源アセンブリ200を固定する。イヤーカフ1500は、一方で、下部耳輪1416の一部を包み込み、そこから、外耳道1214の入口まで伸長し、したがって、下部対耳輪1418及び耳甲介のくぼみ1426を通って伸長する。代替的に、イヤーカフ1600は、2つのアーム1610を含む。これらは、上部耳輪1410の一部と、下部耳輪1416の一部と、を包み込み、耳甲介のくぼみ1426を覆って、外耳道112に向かう方向に収束する。光源アセンブリ200は、ここで取り付けられてよい。
【0041】
図17Aから
図17Bは、さらに別の外部サポートデバイスを、三角形のイヤーピース1700の形態にて示す。三角形のイヤーピース1700は、3つの頂点1710、1720、及び1730を含む。これらは、ユーザの耳の、上部耳輪1410の折り目と、下部耳輪1416と、耳珠1420の後ろと、に挿入される。したがって、この三角形のイヤーピース1700は、その張力によって、それらの間に完全にサポートされる。ここに描くように、光源アセンブリ200は、耳珠1420の後ろにサポートされる頂点1730に配置され、これにより、光源アセンブリ200を、外耳道112の入口又はその付近に置く。
【0042】
図18Aから
図18Bでは、光源アセンブリ200は、イヤーブレスレット1800に接続される。これは、耳介1422の内側部又は外耳を取り囲んでよく、ここで、ユーザの頭に取り付けられる。使用中、光源アセンブリ200をサポートするイヤーブレスレット1800の一部は、耳珠1420の周りに引っ張られ、イヤーブレスレット1800が、その張力によってそこに固定されるようになっていてよい。
図19Aから
図19Bでは、光源アセンブリ200は、イヤリングスタッドなどの、耳珠1420を通るピアス1900の裏側に接続される。結果として、ピアス1900は、外耳道112付近に、光源アセンブリ200に対するしっかりとした取り付けポイントを提供する一方で、ユーザの耳に占めるスペースを最小限にする。
【0043】
図20Aから
図20Bは、別の例示的外部サポートデバイスを、スリーブと同様に機能し得る耳キャップ2000の形態にて示す。耳キャップ2000は、一般的に、耳介1422の上部をスライドし、そのポーチ内にサポートされていてよい光源アセンブリ200を外耳道112付近に置くよう構成されている。耳キャップ2000は、ファブリック又はシリコーンを含むいずれの好適な展性のある材料から形成される。
【0044】
図21Aから
図21Bでは、光源アセンブリは、S字状の耳ラップ2100に取り付けられる。s字状の耳ラップ2100の上部は、耳介1422の上部の周りにフック止めされ、それを横切り、耳珠1420を通って伸長する。光源アセンブリ200はここで取り付けられ、外耳道112に向けられる。その上部と同様に、s字状の耳ラップ2100の底部は、耳垂1424などの、耳介1422の底部の周りにフック止めされ、s字状の耳ラップ2100に、さらなるサポート及び安定性を提供する。
【0045】
図22Aから
図22Bは、別の例示的外部サポートデバイスを、耳フックアセンブリ2200の形態にて示す。耳フックアセンブリ2200は、一般的に、光源アセンブリ200を収める、又は、これに接続するベース2220から伸長する耳フック2210を含む。特定の実施形態では、ベース222は、上記の耳あて600と同様に、外耳道112の入口を含む、耳の一部を覆って置かれる耳カップ(例えば、耳あてカップ)である。特定の他の実施形態では、ベース2220は、耳甲介デバイス1000と同様に、耳甲介のくぼみ1426内に置かれる耳甲介デバイスである。作動中、耳フック2210は、耳介1422の上部をスライドし、耳の裏側に置かれる一方で、ベース2220は、外耳道112の入口を覆って置かれ、光源アセンブリ200を、外耳道112又はその付近に安定させる。
【0046】
結論
まとめると、本開示の実施形態は、鼓膜を通してインプラントされたそれらなどの、外耳道又はその付近にインプラントされた補聴器のための、改善された充電及び再充電システムを提供する。開示するシステムは、外耳道を通過して伝わる、人工的に生成された光から、インプラントに対する電力を効率的に生成する光起電デバイスを利用する。したがって、外部インプラント電源又は充電コンポーネントの必要性を排除する。さらに、開示するシステムは、再充電中に、外耳道又はその付近に着用されてよい、コンパクトな無線発光デバイスを提供する。したがって、ユーザが、それについての他の大きな障害なく、他の活動に従事することを可能にする。結果として、開示するシステムは、よりコンパクトで、より快適で、美的外見を大きく損なわない補聴器のインプランテーションを可能にする。
【0047】
上記は、本開示の実施形態に向けられている一方で、その基本範囲を逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態が考案されてよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲により特例される。
【国際調査報告】