(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】インプラント除去ツール
(51)【国際特許分類】
A61F 2/46 20060101AFI20220729BHJP
A61B 17/16 20060101ALN20220729BHJP
【FI】
A61F2/46
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572565
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2020027692
(87)【国際公開番号】W WO2020247064
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521533050
【氏名又は名称】リベラ, ホセ エス. ジュニア
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(71)【出願人】
【識別番号】522070031
【氏名又は名称】リベラ サージカル エルエルシー
(72)【発明者】
【氏名】リベラ, ホセ エス. ジュニア
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB04
4C097CC05
4C097MM09
4C160LL03
4C160LL27
(57)【要約】
略U字状本体(2)を提供することによって、大腿部インプラント(17)を大腿骨(18)から除去するために使用されるインプラント除去ツール(1)。略U字状本体は、その上に位置する略長方形形状の開口部(9)を有し、略長方形形状の開口部は、略U字状本体が大腿部インプラントの頸部(21)にわたって設置されることを可能にし、したがって、略U字状本体の鋭的正面縁(5)が、大腿部インプラントのステムの内面と直接接触する。U字状本体は、正面縁(5)を越えて延在し、正面側縁がインプラントの前表面および後表面を切断することを可能にする正面側縁(26、27)を有してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント除去ツールであって、
湾曲内面、湾曲外面、正面縁、右側縁、左側縁、および背面表面を有する略U字状本体と、
前記右側縁と左側縁との間の前記略U字状本体上に位置する略長方形形状の開口部と、
正面縁、背面縁、右側縁、および左側縁を有する前記略長方形形状の開口部と
を備える、インプラント除去ツール。
【請求項2】
前記略U字状本体の正面縁は、鋭的である、請求項1に記載のインプラント除去ツール。
【請求項3】
前記略長方形形状の開口部の正面縁は、湾曲される、請求項1に記載のインプラント除去ツール。
【請求項4】
前記略U字状本体の背面表面上に位置する取付手段をさらに備える、請求項1に記載のインプラント除去ツール。
【請求項5】
前記正面右側縁は、三角形形状の点を形成し、
前記正面左側縁は、三角形形状の点を形成する、請求項1に記載のインプラント除去ツール。
【請求項6】
前記略U字状本体の正面縁は、鋭的である、請求項5に記載のインプラント除去ツール。
【請求項7】
前記正面右側縁は、鋭的であり、
前記正面左側縁は、鋭的である、請求項5に記載のインプラント除去ツール。
【請求項8】
インプラント除去ツールであって、
湾曲内面、湾曲外面、正面縁、右側縁、左側縁、および背面表面を有する略U字状本体と、
前記右側縁と左側縁との間の前記略U字状本体上に位置する略長方形形状の開口部と
を備え、
前記略長方形形状の開口部は、正面縁、背面縁、右側縁、および左側縁を有し、
前記略U字状本体の正面縁は、鋭的である、インプラント除去ツール。
【請求項9】
前記略長方形形状の開口部の正面縁は、湾曲される、請求項7に記載のインプラント除去ツール。
【請求項10】
前記略U字状本体の背面表面上に位置する取付手段をさらに備える、請求項7に記載のインプラント除去ツール。
【請求項11】
前記取付手段は、ねじ山付き部材である、請求項9に記載のインプラント除去ツール。
【請求項12】
前記略U字状本体の背面表面から延在するハンドルをさらに備える、請求項7に記載のインプラント除去ツール。
【請求項13】
前記略U字状本体の背面表面から延在するハンドルをさらに備える、請求項7に記載のインプラント除去ツール。
【請求項14】
インプラント除去ツールであって、
湾曲内面、湾曲外面、正面縁、右側縁、左側縁、および背面表面を有する略U字状本体と、
前記右側縁と左側縁との間の前記略U字状本体上に位置する略長方形形状の開口部と
を備え、
前記略長方形形状の開口部は、正面縁、背面縁、右側縁、および左側縁を有し、
前記略U字状本体の正面縁は、鋭的であり、
前記略長方形形状の開口部の正面縁は、湾曲される、インプラント除去ツール。
【請求項15】
前記略U字状本体の背面表面上に位置する取付手段をさらに備える、請求項12に記載のインプラント除去ツール。
【請求項16】
前記取付手段は、ねじ山付き部材である、請求項13に記載のインプラント除去ツール。
【請求項17】
前記略U字状本体の背面表面から延在するハンドルをさらに備える、請求項12に記載のインプラント除去ツール。
【請求項18】
インプラント除去ツールであって、
湾曲内面、湾曲外面、正面縁、右側縁、左側縁、正面右側縁、正面左側縁、および背面表面を有する略U字状本体を備え、
前記U字状本体の正面右側縁および前記U字状本体の正面左側縁は、前記正面縁を越えて延在する、インプラント除去ツール。
【請求項19】
前記正面右側縁は、三角形形状の点を形成し、
前記正面左側縁は、三角形形状の点を形成する、請求項17に記載のインプラント除去ツール。
【請求項20】
前記略U字状本体の正面縁は、鋭的である、請求項17に記載のインプラント除去ツール。
【請求項21】
前記正面右側縁は、鋭的であり、
前記正面左側縁は、鋭的である、請求項19に記載のインプラント除去ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、股関節インプラント再置換術に関し、より具体的には、大腿部インプラントの角度付けられた頸部の周囲に嵌合し、最小限の骨損失を伴って、大腿部インプラントのステムの周囲を切断するように設計されるインプラント除去ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
全関節形成術(特に、全人工股関節置換術)は、米国および他の先進国において実施率が増加されている。残念ながら、これらの関節置換術の多くは、経時的に故障し、再置換術を要求し、元々のインプラントは、骨から除去され、新しいインプラントと置換される。さらに、高齢者人口の急増に起因して、故障した関節形成の再置換を要求する患者の数は、増加している。
【0003】
そのような再置換術の目標は、骨組織への最小損傷を伴って、インプラントを除去することである。大部分の股関節置換術では、インプラントは、接着剤の助けを借りて、かつインプラントの周囲および金属インプラントの多孔性表面の中への骨組織の最終的再成長を通して、骨に固定される。再置換術では、既存のインプラントの除去は、多くの場合、インプラントを囲繞する骨への損傷を伴わずに遂行することが困難なタスクである。
【0004】
これは、特に、大腿部インプラントのステムが大腿部の上方端部の中に挿入される大腿部インプラントに当てはまる。角度付けられた頸部が、ステムから上向きに延在し、大腿骨の天然頸部を模倣し、頭部が取り付けられるための取付点を提供する。
【0005】
理想的には、切断ツールが、頸部の表面に対してしっかりと押圧され、可能な限りわずかな骨が除去されることを確実にする。しかしながら、角度付けられた頸部は、切断ツールを角度付けて過剰量の骨を除去することなくステムの内面の周囲を切断することをほぼ不可能にする。新しいインプラントが、このように成功するために最小量の骨支持を必要とするため、過剰骨の除去は、患者にとって非常に有害であり得る。加えて、この過剰骨の除去は、増加される外科手術時間、増加される回復時間、故障した置換インプラント、いくつかの事例では、患者がその寿命の残りにわたって車椅子に制約されることにつながる。
【0006】
したがって、大腿部インプラントの角度付けられた頸部の周囲に嵌合し、最小限骨損失を伴って、大腿部インプラントのステムの周囲を切断するように設計されるインプラント除去ツールの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一次目的は、大腿部インプラントの角度付けられた頸部の周囲に嵌合し、最小限骨損失を伴って、大腿部インプラントのステムの周囲を切断するインプラント除去ツールを提供することである。
【0008】
本発明は、その上に位置する略長方形形状の開口部を有する略U字状本体であって、略長方形形状の開口部は、略U字状本体が、大腿部インプラントの頸部が略長方形形状の開口部を通して延在した状態で、大腿部インプラントの頸部にわたって設置されることを可能にし、したがって、略U字状本体の鋭的正面縁が、大腿部インプラントのステムの内面と直接接触する、略U字状本体を提供することによって、大腿部インプラントを大腿骨から除去するために使用されるインプラント除去ツールを提供することによって、上記および他の目的を満たす。位置付けられると、U字状本体は、骨の中に押動され、ステムを骨から離れるように切断し得る一方で、鋭的正面縁は、インプラントのステムとの実質的接触を維持し、それによって、骨の不必要な損失を防止する。
【0009】
U字状本体は、正面側縁を有し得、正面側縁は、正面縁を越えて延在し、正面側縁が、インプラントの前表面および後表面を切断することを可能にする。
【0010】
本発明の上記および他の目的、特徴、ならびに利点は、発明の例証的実施形態が図示および説明される図面と併せて以下の詳細な説明の熟読に応じて、さらにより容易に当業者に明白となるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の詳細な説明では、添付の図面が参照される。
【0012】
【
図1】
図1は、本発明のインプラント除去ツールの上部斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明のインプラント除去ツールの底部斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明のインプラント除去ツールの右側面図である。
【
図4】
図4は、本発明のインプラント除去ツールの左側面図である。
【
図5】
図5は、本発明のインプラント除去ツールの底面図である。
【
図6】
図6は、本発明のインプラント除去ツールの上面図である。
【
図7】
図7は、大腿骨内に埋め込まれる従来の大腿部インプラントの部分的切断図である。
【
図8】
図8は、大腿骨内に埋め込まれる従来の大腿部インプラントと、大腿部インプラントおよび大腿骨に係合する本発明のインプラント除去ツールとの部分的切断図である。
【
図9】
図9は、本発明のインプラント除去ツールの上部斜視図であり、正面側縁は、正面縁を越えて延在し、ツールがインプラントの前表面および後表面を骨から切断することを可能にする。
【
図10】
図10は、本発明のインプラント除去ツールの上面図であり、正面側縁は、正面縁を越えて延在し、ツールがインプラントの前表面および後表面を骨から切断することを可能にする。
【
図11】
図11は、大腿骨内に埋め込まれる従来の大腿部インプラントと、本発明のインプラント除去ツールとの部分的切断図であり、正面側縁は、正面縁を越えて延在し、ツールがインプラントの前表面および後表面を、大腿部インプラントおよび大腿骨に係合する骨から切断することを可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(好ましい実施形態の説明)
好ましい実施形態を説明する目的のために、図面中の付番された付属品を参照して使用される専門用語は、以下の通りである。
1.概して、インプラント除去ツール
2.U字状本体
3.U字状本体の湾曲内面
4.U字状本体の湾曲外面
5.U字状本体の正面縁
6.U字状本体の右側縁
7.U字状本体の左側縁
8.U字状本体の背面表面
9.長方形形状の開口部
10.長方形形状の開口部の正面縁
11.長方形形状の開口部の背面縁
12.長方形形状の開口部の右側縁
13.長方形形状の開口部の左側縁
14.取付手段
15.ねじ山付き部材
16.ハンドル
17.大腿部インプラント
18.大腿骨
19.ステム
20.大腿骨の上方端部
21.頸部
22.ステムの上側部分
23.導入器
24.導入器の湾曲本体
25.導入器の鋭的正面縁
26.U字状本体の正面右側縁
27.U字状本体の正面左側縁
28.三角形形状の点
【0014】
図1~6を参照すると、本発明のインプラント除去ツール1が、図示される。インプラント除去ツール1は、湾曲内面3と、湾曲外面4と、正面縁5と、右側縁6と、左側縁7と、背面表面8とを有する略U字状本体2を備える。略U字状本体2の正面縁5は、好ましくは、鋭的である。U字状本体2の正面右側縁26およびU字状本体2の正面左側縁17もまた、好ましくは、鋭的である。
【0015】
略長方形形状の開口部9が、その右側縁6と左側縁7との間の略U字状本体2上に位置する。略長方形形状の開口部9は、正面縁10と、背面縁11と、右側縁12と、左側縁13とを備える。略長方形形状の開口部9の正面縁10は、好ましくは、湾曲され、正面縁10が大腿部インプラントの湾曲形状に共形化することを可能にする。
【0016】
ねじ山付き部材15等の取付手段14が、略U字状本体2の背面表面8から延在し、
図8に図示されるようにハンドル16が略U字状本体2に取り付けられることを可能にする。代替として、ハンドルは、略U字状本体2に一体化されてもよい。
【0017】
図7を参照すると、大腿骨18内に埋め込まれる従来の大腿部インプラント17の部分的切断図が、図示される。大腿部インプラント17は、大腿骨18の上方端部20の中に挿入されるステム19を備える。角度付けられた頸部21は、大腿骨18の天然頸部を模倣するようにステム19からある角度でかつ/またはオフセットで上向きに延在し、これは、大腿骨18から除去されている。ステム19の上側部分22は、テクスチャ加工され、かつ/または、多孔性であり、大腿骨18および/または接着剤がステム19を把持してそれを大腿骨18内に固着させることを可能にする。
【0018】
図8を参照すると、大腿骨18内に埋め込まれる従来の大腿部インプラント17、および、大腿部インプラント17および大腿骨18に係合する本発明のインプラント除去ツール1の部分的切断図が、図示される。
【0019】
略長方形形状の開口部9は、略U字状本体2が、大腿部インプラント17の頸部21が略長方形形状の開口部9を通して延在した状態で、大腿部インプラント17の頸部21にわたって設置されることを可能にし、したがって、略U字状本体2の鋭的正面縁5は、大腿部インプラント17のステム19の内側縁23と直接接触する。位置付けられると、U字状本体2は、大腿骨18の中に押動され、大腿骨18から離れるようにステム19を切断し得る一方で、鋭的正面縁5は、大腿部インプラント17のステム19との実質的接触を維持し、それによって、大腿骨18の不必要な損失を防止する。
【0020】
本明細書に図示されるように、ステム19の上側部分22およびその上にのみ位置するテクスチャ加工は、ステム19がその上に延在する前に、所定の距離にわたって、ステム19を辿って延在する。大部分の場合、ステム19の上側部分22は、大腿骨18から離れるように切断するように要求される大腿部インプラント17の唯一の部分である。したがって、略長方形形状の開口部9の右側縁12および左側縁13の長さは、好ましくは、ステム19の上側部分22の高さに等しい。これは、略長方形形状の開口部9の背面縁11を角度付けられた頸部21と接触させ、鋭的正面縁5がステム19の上側部分22を越えて延在しないことを防止する。
【0021】
図9および10を参照すると、それぞれ、本発明のインプラント除去ツール1の上部斜視図および上面図が、図示され、正面側縁が、正面縁を越えて延在し、ツールがインプラントの前表面および後表面を骨から切断することを可能にする。インプラント除去ツール1は、湾曲内面3と、湾曲外面4と、正面縁5と、右側縁6と、左側縁7と、背面表面8とを有する略U字状本体2を備える。
【0022】
略U字状本体2の正面縁5は、好ましくは、鋭的である。U字状本体2の正面右側縁26およびU字状本体2の正面左側縁17もまた、好ましくは、鋭的である。U字状本体2の正面右側縁26およびU字状本体2の正面左側縁17は、正面縁5を越えて延在し、各々が、三角形形状の点28を形成する。
【0023】
ねじ山付き部材15等の取付手段14が、略U字状本体2の背面表面8から延在し、
図11に図示されるようにハンドル16が略U字状本体2に取り付けられることを可能にする。代替として、ハンドルは、略U字状本体2に一体化されてもよい。
【0024】
図11を参照すると、大腿骨18内に埋め込まれる従来の大腿部インプラント17と、本発明のインプラント除去ツール1との部分的切断図が、図示され、正面側縁26、27が、正面縁5を越えて延在し、ツールがインプラント17の前表面および後表面を大腿部インプラント17に係合する大腿骨18から切断することを可能にする。
【0025】
略U字状本体2の正面縁5は、好ましくは、鋭的である。U字状本体2の正面右側縁26およびU字状本体2の正面左側縁17もまた、好ましくは、鋭的である。U字状本体2の正面右側縁26およびU字状本体2の正面左側縁17は、正面縁5を越えて延在し、各々が、三角形形状の点28を形成する。
【0026】
図12を参照すると、本発明の導入器23の斜視図が、図示される。導入器23は、大腿骨と大腿部インプラントとの間に初期開口部を作製するために使用されてもよい。初期開口部が作製された後、次いで、インプラント除去ツール1の鋭的正面縁5は、初期開口部の中に挿入されてもよい。導入器23は、好ましくは、細長湾曲本体24と、鋭的正面縁25とを有し、伸長湾曲本体24は、導入器23が、角度付けられた頸部21の周囲に到達し、必要に応じて、初期開口部を作製することを可能にする。
【0027】
本発明の好ましい実施形態が、図示されるが、本明細書に説明および図示される部品の具体的形態または配列に限定されないことを理解されたい。種々の変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよく、本発明が、明細書および図面に図示および説明されるものに限定されると見なされるべきではないことが、当業者に明白となる。
【国際調査報告】