(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】診断、手術、又は治療のための照明器具
(51)【国際特許分類】
A61C 1/08 20060101AFI20220801BHJP
A61C 1/07 20060101ALI20220801BHJP
A61C 3/03 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A61C1/08 L
A61C1/08 F
A61C1/07 A
A61C3/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539623
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2020064495
(87)【国際公開番号】W WO2020239719
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シフト、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】エーメ、ベルント
(72)【発明者】
【氏名】エツェル、アルプデニツ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA15
4C052BB06
4C052BB11
4C052CC19
4C052EE02
4C052EE03
4C052EE08
(57)【要約】
本発明は、身体部分の診断、治療、又は手術のための照明器具(1)に関し、電磁放射源(3)から直接電磁放射線を身体部分に伝送するための少なくとも1つの光ファイバ(4)と、光ファイバ(4)を支持するハウジング(5)と、光ファイバ(4)の光出力端の光軸は、環状形状であり、かつ身体部分に面するように配置されたハウジング(5)内の照明部分(52a)内に周方向に延在し、照明部分(52a)内の光ファイバ(4)は、電磁放射線を、その周面(4b)を介して光ファイバ(4)の外側に拡散させるための1つ又は複数の拡散領域(4a)を有し、電磁放射線を発生させるための電磁放射源(3)を支持する連結装置(2)と、を備える照明器具(1)において、電磁放射源(3)に直接接触することなくハウジング(5)によって支持され、拡散領域(4a)と身体部分との間に配置されており、電磁放射線を、身体部分を照らすための可視光に変換するための変換手段(6)を更に備え、光ファイバ(4)の光入射端が、電磁放射源(3)に直接光接続されており、変換手段(6)が、光ファイバ(4)の光入射端と電磁放射源(3)の光インターフェースの外側にあることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体部分の診断、治療、又は手術のための照明器具(1)であって、
電磁放射源(3)から直接に電磁放射線を前記身体部分に伝送するための少なくとも1つの光ファイバ(4)と、
前記光ファイバ(4)を支持するハウジング(5)と、
ここで、前記光ファイバ(4)の光出力端の光軸は、前記ハウジング(5)内の照明部分(52a)内に周方向に延在し、前記照明部分(52a)は環状形状であり、かつ前記身体部分に面するように配置され、
前記照明部分(52a)内の前記光ファイバ(4)は、前記電磁放射線を、その周面(4b)を介して前記光ファイバ(4)の外側に拡散させるための1つ又は複数の拡散領域(4a)を有しており、
前記電磁放射線を発生させるための前記電磁放射源(3)を支持する連結装置(2)と、
を備える照明器具(1)において、
前記電磁放射源(3)に直接接触することなく前記ハウジング(5)によって支持され、前記拡散領域(4a)と前記身体部分との間に配置されており、前記電磁放射線を、前記身体部分を照らすための可視光に変換するための変換手段(6)を更に備え、
前記光ファイバ(4)の光入射端が、前記電磁放射源(3)に直接光接続されており、前記変換手段(6)が、前記光ファイバ(4)の前記光入射端と前記電磁放射源(3)との間の光インターフェースの外側にある
ことを特徴とする、照明器具(1)。
【請求項2】
前記連結装置(2)が、前記ハウジング(5)に着脱可能に取り付け可能であることを特徴とする、請求項1に記載の照明器具(1)。
【請求項3】
前記ハウジング(5)が、グリップ部分(51)及びヘッド部分(52)を有し、前記照明部分(52a)が、前記ヘッド部分(52)内にあり、前記連結装置(2)が、前記グリップ部分(51)に着脱可能に取り付け可能であることを特徴とする、請求項2に記載の照明器具(1)。
【請求項4】
前記光出力端と前記光入射端との間に延びる前記光ファイバ(4)が、単一部品の光ファイバ(4)であり、前記変換手段(6)及び前記光出力端が、前記ヘッド部分(52)内にあり、前記光入射端が、前記グリップ部分(51)内にあることを特徴とする、請求項3に記載の照明器具(1)。
【請求項5】
前記拡散領域(4a)も環状形状であり、環状形状照明が生じるように前記照明部分(52a)全体にわたって延在することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項6】
前記照明部分(52a)が、前記ハウジング(5)の表面に溝(52b)を備え、前記溝(52b)が、前記光ファイバ(4)の形状に一致していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項7】
前記照明部分(52a)が反射面(7)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項8】
それぞれ前記拡散領域(4a)と前記身体部分との間に配置された1つ又は複数のレンズ(11)を更に備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項9】
1つ又は複数のノズルを有する歯科用スプレー装置を更に備え、前記ハウジング(5)が、グリップ部分(51)と、前記歯科用スプレー装置を支持するためのヘッド部分(52)とを有し、前記照明部分(52a)が、前記歯科用スプレー装置のノズルの周囲の前記ヘッド部分(52)内にあることを特徴とする、請求項3に従属する請求項1~8のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項10】
ハブ(8a)と、前記ハブ(8a)によって支持されたドリル(8b)とを有する歯科用ドリル装置(8)を更に備え、前記ハウジング(5)が、グリップ部分(51)と、前記ハブ(8a)を支持するためのヘッド部分(52)とを有し、前記照明部分(52a)が、前記ハブ(8a)の周囲の前記ヘッド部分(52)内にあることを特徴とする、請求項3に従属する請求項1~8のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項11】
先端を有する歯科用スケーラ装置を更に備え、前記ハウジング(5)が、グリップ部分(51)と、前記先端を支持するためのヘッド部分(52)とを有し、前記照明部分(52a)が、前記先端の周囲の前記ヘッド部分(52)内にあることを特徴とする、請求項3に従属する請求項1~8のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項12】
前記光ファイバ(4)が、前記ハウジング(5)の内部で、グリップ部分(51)からヘッド部分(52)の前記照明部分(52a)まで延びていることを特徴とする、請求項3に従属する請求項1~11のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項13】
前記光ファイバ(4)の1つ又は複数の拡散領域(4a)の各々が、前記電磁放射線を外側に散乱させるように適応された少なくとも1つの構造を有し、前記構造が、空隙及び/又は粒子を備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項14】
前記電磁放射源(3)が青色光を発光するように適応されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項15】
前記電磁放射源(3)が紫色光を発光するように適応されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項16】
前記電磁放射源(3)が赤外光を発光するように適応されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項17】
前記変換手段(6)が、それぞれの前記拡散領域(4a)上にコーティングされているか、又はそれぞれの前記拡散領域(4a)のごく近接に別個に配置された、変換材料(6a)を備えることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項18】
前記変換材料(6a)が、蛍光体及び/又はランタニドドープナノ粒子を備えることを特徴とする、請求項17に記載の照明器具(1)。
【請求項19】
前記連結装置(2)に少なくとも電力を供給するためのホース(10)を更に備えることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【請求項20】
前記照明部分(52a)による照明領域をとらえるように配置されたカメラを更に備えることを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の照明器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断、手術、又は治療のための照明器具に関する。本発明は、より具体的には、穿孔、スケーリング、噴霧などのための歯科用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
穿孔、スケーリング、又は噴霧のための歯科用器具には、一般に、治療されているエリアを歯科医が十分はっきりと見ることを可能にするために照明が必要である。照明に鋭いエッジ及びカラーフリンジがあると、歯科医の目の急速な疲労につながる場合がある。更に、器具、すなわちドリル、スケーラ、及び空気/水ジェットの影により、歯科医が作業するのが困難になる可能性がある。そのため、比較的広い面積を強く均一に照らせることが一般に望まれている。白色LED技術が、その発光効率により、一般に、歯科用器具における照明のために使用されている。ほとんどの白色LEDは、黄色蛍光体で覆われた青色発光ダイオードを有する蛍光体変換型LEDとして製造されている。黄色蛍光体は、青色光で励起されると白色光を発光する。LED技術は、白熱電球と比較してより効率がよいが、ごく限られた冷却しか可能でない環境で使用すると、過熱により光出力の減少及びLEDの劣化を招く。
【0003】
DE10209194A1は、対象を照らすための光源を有する着脱可能な連結装置と共に使用するための手持ち式歯科用器具を開示している。この手持ち式歯科用器具は、光源からの光を身体部分に伝達するように配置された光ガイドを備える。光源は蛍光体が一体化されたLEDである。手持ち式歯科用器具は、光ガイドを支持するハウジングを有する。ハウジングは、連結装置に着脱可能に取り付け可能である。
【0004】
US2014/0134568A1は、ヘッド部分に蛍光体が一体化されたLEDを有するライティング装置を有する医療用/歯科用器具を開示している。
【0005】
US2007/0121786A1は、歯科用器具ツールと、蛍光体が一体化されたLEDを有する光放射ユニットとを有するハンドピースなどの、診断/治療器具を開示している。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、改善された照明を有する診断、手術、又は治療のための照明器具を提供することである。
【0007】
本目的は、請求項1に記載の、診断、手術、又は治療のための照明器具により達成される。従属請求項の主題は、更なる展開形態に関する。
【0008】
本発明は、身体部分の診断、治療、又は手術のための照明器具を提供する。照明器具は、電磁放射源からの電磁放射線を身体部分に伝送するための少なくとも1つの光ファイバと、光ファイバを支持するハウジングとを備える。光ファイバの光軸は、ハウジング内の照明部分内に周方向に配置されている。照明部分は、環状形状であり、身体部分に面するように配置されている。照明部分内の光ファイバは、電磁放射線を、周面を介して光ファイバの外側に拡散させるための1つ又は複数の拡散領域を有する。照明器具は更に、変換手段、好ましくは蛍光体を備え、この変換手段は、電磁放射源に直接接触することなくハウジングによって支持され、拡散領域と身体部分との間に配置されており、電磁放射線を、身体部分を照らすための可視光に変換するためのものである。変換手段は、光ファイバと電磁放射源の光インターフェースの外側にある。
【0009】
本発明の主な有利な効果は、照明器具の環状形状の照明部分内に周方向に配置された光ファイバの周面を介した拡散領域によって、比較的広い面積を影もなく強く均一に照らすことができるということである。本発明の別の主な有利な効果は、変換手段が電磁放射源から離れて、すなわち拡散領域によって露出される光射出側に配置されているので、電磁放射源の過熱が防止されるということである。これにより、照明における温度依存性の色ずれを防止することができる。これにより、電磁放射源の放射出力も全体的に増加させることができ、照明効率を改善することができる。電磁放射源の寿命を延ばすことができ、メンテナンスの必要性をなくすか又は減らすことができる。過熱が抑制されるので、電磁放射源は、より高い放射出力レベルでも安全に動作して、より強い照明を達成することができる。更に、過熱の抑制により、利用中、使用者が照明器具をより安全かつ快適につかむことができる。例えば、使用者の手の発汗を防止することができる。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、照明器具は、好ましくは、電磁放射源、例えば蛍光体などの変換手段を有さないLED又はレーザダイオードを有する連結装置と共に使用するように適応されている。連結装置は、好ましくは、ハウジングに着脱可能に取り付け可能である。代替的に、連結装置は、照明器具の一体部分であってもよい。連結装置は、好ましくは、電磁放射源に電力供給するために電力源に接続するための少なくとも1つの電気配線を含むホースを有する。この実施形態では、連結装置及び照明器具が照明システムを構成する。代替的に、連結装置はバッテリ駆動であってもよい。バッテリは、交換可能及び/又は充電アダプタを介して再充電可能であり得る。代替的に、連結装置のホースは、電磁放射線を照明器具に伝送するための別の光ファイバを有してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、拡散領域は、好ましくは、照明されるエリアの幾何学的形状に一致するサイズ及び形状を有する。拡散領域は、好ましくは、照明部分全体にわたって延在する。代替的に、複数の同一の拡散領域が、環状形状の照明部分に沿って規則的な間隔で配置される。代替的に、拡散領域は、環状形状の照明部分に沿って規則的な間隔で配置されてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、光ファイバは、好ましくは、ハウジングの表面に形成された溝の中に配置される。溝は、好ましくは、光ファイバに一致するサイズ及び形状で設けられている。溝の断面は、好ましくは、身体部分に向かって均一な照明を達成するために放物線状である。しかしながら、溝は、様々な断面を有してもよい。例えば、断面は、代替的にU字形状である。溝の深さは、好ましくは、光ファイバの直径よりもわずかに大きく、好ましくは光拡散特性を有する半透明封止物質を充填するための空間を提供する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、照明部分は、好ましくは、光を身体部分に向けて反射する反射面を有する。反射面は、溝を研磨することによって得られる。代替的に、溝は反射物質でコーティングされていてもよい。代替的に、別個の環状形状の光反射面が、光ファイバの後ろの溝の中に配置される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、1つ又は複数のレンズが、好ましくは、それぞれ拡散領域と身体部分との間に配置される。レンズは、好ましくは環状形状である。これにより、照明のサイズ及び形状を用途に合わせて調整することができる。
【0015】
本発明の代替の実施形態によれば、照明器具には、好ましくは、歯科用スプレー装置、歯科用ドリル装置、若しくは歯科用スケーラ装置などの歯科用装置、又は医用撮像のためのカメラが設けられる。カメラは、可視光、UV光、又はIR光に感度を有し得る。これらの実施形態では、連結装置のホースには、好ましくは、電気配線に加えて、加圧空気及び/又は加圧液体用の供給ラインが設けられる。歯科用スプレー装置は、加圧空気及び加圧液体を噴出するためのノズルを有する。歯科用ドリル装置は、ハブと、ハブによって支持されたドリルとを有する。歯科用ドリル装置は、好ましくは、タービンによって駆動される。代替的に、電気モータが使用されてもよい。歯科用スケーラ装置は、スケーリングのための先端を有する。ハウジングは、好ましくは、グリップ部分と、それぞれの歯科用装置及び/又はカメラを支持するためのヘッド部分とを有する。環状形状の照明部分は、カメラ、ノズル、又はドリル若しくはスケーリング先端の周囲のヘッド部分内にあり、影のない均一な照明を達成する。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、光ファイバは、好ましくは、ハウジングの内部でグリップ部分からヘッド部分内の照明部分まで延びている。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、光ファイバの拡散領域は、好ましくは、電磁放射線を外側に散乱させるように適応された少なくとも1つの構造を有する。構造は、光ファイバに形成された空隙及び/又は粒子を含む。構造は、好ましくは、光ファイバのコア及び/又はクラッド内に形成される。照明部分内の光ファイバには、保護コーティングが施されておらず、電磁放射線の周面を介した拡散を可能にする。
【0018】
本発明の代替の実施形態によれば、電磁放射源は、好ましくは、使用者が選択的に青色光、紫色光、又は赤外光を発光させるように適応されている。変換手段は、変換材料、好ましくは、蛍光体及び/又はランタニドドープナノ粒子(lanthanide doped nanoparticles)を有する。ランタニドドープナノ粒子は、近赤外光を、生体撮像のために使用することができる近紫外光に変換する。変換材料は、好ましくは、それぞれの拡散領域において光ファイバ上にコーティングされている。代替的に、変換材料は、それぞれの拡散領域の近くに配置される。異なる拡散領域が、照明及び/又は医用撮像のための、変換材料の異なる組成を有し得る。
【0019】
下記の説明において、例示的な実施形態を使用し、図面を参照することによって、本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態による照明器具及び連結装置を有する照明システムの概略斜視図である。
【
図3】
図1の照明器具のヘッド部分の概略底面図である。
【
図4A】
図3の線A-Aに沿った、
図1の照明器具のヘッド部分の概略断面図である。
【
図4B】
図3の線A-Aに沿った、別の実施形態による照明器具のヘッド部分の概略断面図である。
【
図4C】
図3の線A-Aに沿った、別の実施形態による照明器具のヘッド部分の概略断面図である。
【
図4D】
図3の線A-Aに沿った、別の実施形態による照明器具のヘッド部分の概略断面図である。
【
図5】照明の光分布を示す照明器具の概略部分上面図である。
【0021】
図面に示される参照番号は、以下に列挙される要素を指し、例示的な実施形態の下記の説明において参照される。
1.照明器具
2.連結装置
3.E.M.放射源
4.光ファイバ
4a.拡散領域
4b.周面
5.ハウジング
51.グリップ部分
52.ヘッド部分
52a.照明部分
52b.溝
6.変換手段
6a.変換材料
7.反射面
8.歯科用ドリル装置
8a.ハブ
8b.ドリル
9.照明システム
10.ホース
11.レンズ
12.拡散器
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による照明システム(9)を示す。
図2A及び
図2Bに示すように、照明システム(9)は、照明器具(1)及び連結装置(2)を有する。照明器具(1)は、身体部分の診断、治療、又は手術に好適である。照明器具(1)は、連結装置(2)と共に使用するように適応されている。
図2A及び
図2Bに示すように、照明器具(1)及び連結装置(2)は着脱可能に取り付け可能である。照明器具(1)のハウジング(5)を、連結装置(2)に着脱可能に取り付けることができる。代替的に、連結装置(2)は、使用者が取り外すことができないようにハウジング(5)に固定されていてもよい。
図2Bに示すように、連結装置(2)は、電磁放射線を発生させるための電磁放射源(3)を有する。電磁放射源(3)は、好ましくは、半導体に直接接触する集積蛍光体素子を有さないLEDである。連結装置(2)は、電磁放射源(3)に電力を供給するためのホース(10)を有する。
図2A及び
図3に示すように、ハウジング(5)は、グリップ部分(51)とヘッド部分(52)とを有する。
図3に示すように、ヘッド部分(52)は、照明部分(52a)を有する。照明器具(1)は、電磁放射源(3)からの電磁放射線を、身体部分に面する照明部分(52a)に伝送するための光ファイバ(4)を有する。
図3に示すように、光ファイバ(4)は、単一部品であり、光出力端及び光入射端を有する。これにより、照明の損失をできる限り低減することができる。光出力端はヘッド部分(52)内にあり、光入射端はグリップ部分(51)内にある。代替的に、光ファイバ(4)は、正確に2つの部品を有してもよく、1つの部品が、ヘッド部分(52)内にある光出力端を有し得、第2の部品が、グリップ部分(51)内にある光入射端を有し得る。これにより、組み立てプロセスを簡易化することができる。これらの2つの部品を、グリップ部分(51)及びヘッド部分(52)の組み立て中に接続することができる。光ファイバ(4)は、照明器具(1)のハウジング(5)によって支持されている。光ファイバ(4)は、ハウジング(5)の内部で、グリップ部分(51)から、ヘッド部分(52)の照明部分(52a)まで延びている。
図3に示すように、光ファイバ(4)の光出力端の光軸は、ハウジング(5)の照明部分(52a)内に周方向に延在する。照明部分(52a)は、環状形状であり、身体部分に面するように配置されている。
図4Aは、
図3の線A-Aに沿った、
図1の照明器具(1)の照明部分(52a)の断面図を示す。照明部分(52a)は、ハウジング(5)の表面に溝(52b)を有する。光ファイバ(4)の光出力端の光軸は、溝(52b)に周方向に配置されている。溝(52b)は、光ファイバ(4)の光出力端の形状に一致している。
図4Aに示すように、照明部分(52a)内の光ファイバ(4)は、電磁放射線を、周面(4b)を介して光ファイバ(4)の外側に拡散させるための拡散領域(4a)を有する。光ファイバ(4)の光入射端は、電磁放射源(3)に直接接続/連結されている。拡散領域(4a)は環状形状であり、照明部分(52a)全体にわたって延在する。照明部分(52a)は反射面(7)を有する。光ファイバ(4)の拡散領域(4a)は、電磁放射線を外側に散乱させるように適応された構造を有する。構造は空隙及び粒子を備える。電磁放射源(3)は、青色光を発光するように適応されたLEDである。青色発光LEDは、グリップ部分(51)内部の過熱を防止するために蛍光体コーティングを有していない。代替的に、紫色光を発光するLEDを使用してもよい。
図4Aに示すように、変換手段(6)が、ハウジング(5)によって支持され、拡散領域(4a)と身体部分との間に配置されており、電磁放射線を、身体部分を照らすための可視光に変換する。
図4Aに示すように、変換手段(6)は、それぞれの拡散領域(4a)上に直接配置された変換材料(6a)を有する。変換材料(6a)は蛍光体を含む。
図4B~
図4Cは、実施形態の代替バージョンを示す。
図4B及び
図4Dに示すように、変換材料(6a)は、それぞれの拡散領域(4a)上に厚い層として配置される。
図4Cに示すように、変換材料(6a)は、拡散領域(4a)上にコーティングされる。
図4Cに示すように、追加の拡散器(12)が拡散領域(4a)と身体部分との間に配置される。
図4Dに示すように、レンズ(11)が、拡散領域(4a)と身体部分との間に配置される。溝(52b)の隙間には耐熱性の透明封止材が充填される。
図1に示すように、照明器具(1)は、歯科用ドリル装置(8)を有する。歯科用ドリル装置(8)は、ハブ(8a)と、ハブ(8a)によって支持されたドリル(8b)とを有する。ヘッド部分(52)は、ハブ(8a)を支持する。
図3に示すように、照明部分(52a)は、ハブ(8a)の周囲のヘッド部分(52)内にある。代替的に、照明器具(1)には、歯科用スプレー装置、歯科用スケーラ装置、及び/又はカメラが設けられてもよい。カメラは、ハウジング(5)上のリテーナを介してハウジング(5)の外側に着脱可能に取り付け可能であり得る。リテーナは一体化されていてもよいし、又は着脱可能であってもよい。カメラは、ヘッド部分(52)の下側の照明領域をとらえるように配置される。取得された画像から、照明器具(1)、具体的には歯科用ドリル、スケーラ、ノズルのアライメント/位置を決定することができ、したがって、使用者に、計画された取扱いに基づくガイダンスのためのフィードバックを提供することができる。カメラは、好ましくは、2D又は3Dカメラである。
【国際調査報告】