(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/595 20210101AFI20220801BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20220801BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20220801BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20220801BHJP
【FI】
H01M50/595
H01M10/04 W
H01M50/586
H01M50/213
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547264
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2020110829
(87)【国際公開番号】W WO2021217966
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202020713877.6
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(74)【代理人】
【識別番号】100222106
【氏名又は名称】大竹 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】梁成都
(72)【発明者】
【氏名】白清林
(72)【発明者】
【氏名】蔡▲亞▼楠
(72)【発明者】
【氏名】丁▲紅▼波
【テーマコード(参考)】
5H028
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA07
5H028BB03
5H028BB07
5H028CC08
5H028CC12
5H028EE06
5H040AA18
5H040AS04
5H040AT01
5H043AA04
5H043BA11
5H043CA03
5H043CA12
5H043GA22
5H043GA27
5H043HA11E
5H043JA16E
5H043KA23E
5H043KA28E
(57)【要約】
本願の実施例は、電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置を提供し、電極アセンブリは、電極本体と電極本体を電気的に接続するための電極端子部とを備える電極ユニットと、電極ユニットを巻き付けるのに用いられる第1の絶縁膜と、を含み、第1の絶縁膜は、接続された接続部及び延伸部を有し、接続部には、電極端子部に接続するための接着領域が設けられており、延伸部は、第1の絶縁膜における電極端子部の端面を超える部分であり、且つ延伸部の少なくとも一部が非接着領域として設けられている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池用の電極アセンブリであって、
電極本体と前記電極本体を電気的に接続するための電極端子部とを備える電極ユニットと、
前記電極ユニットを巻き付けるのに用いられる第1の絶縁膜と、
を含み、
前記第1の絶縁膜は、接続された接続部及び延伸部を有し、前記接続部には、前記電極端子部に接続するための接着領域が設けられており、前記延伸部は、前記第1の絶縁膜における前記電極端子部の端面を超える部分であり、且つ前記延伸部の少なくとも一部が非接着領域として設けられている、
電極アセンブリ。
【請求項2】
前記非接着領域は、前記延伸部を覆っている、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記非接着領域は、前記延伸部から前記接続部まで延伸している、
請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記接続部は、接続された第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記電極端子部の外周面を覆うのに用いられ、前記第2の部分は、前記電極本体の外周面の少なくとも一部を覆うのに用いられ、前記第1の部分及び前記第2の部分にはいずれにも接着領域が設けられている、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記第2の部分は、前記電極本体の外周面を完全に覆っている、
請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記電極本体の外周面に巻き付けられた第2の絶縁膜をさらに含み、
前記第2の絶縁膜の表面には、接着剤が設けられており、前記第2の絶縁膜は、前記電極端子部の端面を超えることなく、前記電極端子部の外周まで延伸している、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記第2の絶縁膜と前記第1の絶縁膜とは、部分的に積層されている、
請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
二次電池であって、
開口を有するケースと、
前記開口を覆い、前記ケースと囲んで収容空間を形成するエンドキャップと、
前記収容空間に位置する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電極アセンブリと、
を含む、二次電池。
【請求項9】
前記エンドキャップにおける前記電極アセンブリに対向する一側には、セパレータが設けられており、前記セパレータは、側壁と前記側壁に囲まれて形成された収容空間とを有し、前記延伸部は、前記収容空間に位置する、
請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
筐体と、
前記筐体内に収容されている複数の請求項9に記載の二次電池と、
を含む、電池パック。
【請求項11】
電気エネルギーを供給するのに用いられる請求項9に記載の二次電池を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月30日に出願された「電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置」という発明の名称の中国特許出願第202020713877.6号の優先権を主張しており、当該出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、エネルギー蓄積装置の技術分野に関し、特に、電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の技術の日増しな改善に伴い、電気自動車は人々の生活にますます近づき、同時に、電気自動車は、エネルギーを供給する電池の性能に対する要求がますます高まっている。
【0004】
従来の円筒形の二次電池では、タブ部をならす処理後、タブ部は二次電池のケースと当接して二次電池の安全性能に影響を与えることがある。
【0005】
したがって、新たな電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、電極アセンブリの安全性能の向上を目的として、電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置を提供する。
【0007】
本願の第1の態様の実施例は、二次電池用の電極アセンブリを提供し、それは、電極本体と電極本体を電気的に接続するための電極端子部とを備える電極ユニットと、電極ユニットを巻き付けるのに用いられる第1の絶縁膜と、を含み、第1の絶縁膜は、接続された接続部及び延伸部を有し、接続部には、電極端子部に接続するための接着領域が設けられており、延伸部は、第1の絶縁膜における電極端子部の端面を超える部分であり、且つ延伸部の少なくとも一部が非接着領域として設けられている。
【0008】
本願の第1の態様の実施例によれば、非接着領域は延伸部を覆っている。
【0009】
選択可能に、非接着領域は、延伸部から接続部まで延伸している。
【0010】
選択可能に、接続部は、接続された第1の部分及び第2の部分を含み、第1の部分は、電極端子部の外周面を覆うのに用いられ、第2の部分は、電極本体の外周面の少なくとも一部を覆うのに用いられ、第1の部分及び第2の部分にはいずれにも接着領域が設けられている。
【0011】
選択可能に、第2の部分は、電極本体の外周面を完全に覆っている。
【0012】
本願の第1の態様の実施例によれば、電極本体の外周面に巻き付けられた第2の絶縁膜をさらに含み、第2の絶縁膜の表面には、接着剤が設けられており、第2の絶縁膜は、電極端子部の端面を超えることなく、前記電極端子部の外周まで延伸している。
【0013】
選択可能に、第2の絶縁膜と第1の絶縁膜とは、部分的に積層されている。
【0014】
本願の第2の態様の実施例は、二次電池を提供し、開口を有するケースと、開口を覆い、ケースと囲んで収容空間を形成するエンドキャップと、収容空間に位置する上記の電極アセンブリと、を含む。
【0015】
本願の第2の態様の実施例によれば、エンドキャップにおける電極アセンブリに対向する一側には、セパレータが設けられており、セパレータは、側壁と側壁に囲まれて形成された収容空間とを有し、延伸部は、収容空間に位置する。
【0016】
本願の第3の態様の実施例は、さらに、筐体と、筐体内に収容されている複数の上記の二次電池と、を含む電池パックを提供する。
【0017】
さらに一方では、本願の第4の態様の実施例は、さらに、電気エネルギーを供給するのに用いられる上記の二次電池を含む、装置を提供する。
【0018】
本願の実施例の電極アセンブリにおいて、電極アセンブリは、電極ユニットと、電極ユニットを巻回する第1の絶縁膜と、を含む。第1の絶縁膜は、電極ユニットの外部に巻回されることにより、電極アセンブリと二次電池のケースとの間の絶縁性を確保する。第1の絶縁膜は、接続部及び延伸部を有し、接続部に接着領域を設けることにより、接続部と電極端子部との間の相対的位置の安定性を確保し、電極アセンブリと二次電池のケースとの相互絶縁を確保することができる。延伸部の少なくとも一部は非接着領域であり、即ち、延伸部の少なくとも一部は粘着性を有しない。延伸部と電極端子部とが互いに接触した後、延伸部が立ち上がる際に延伸部が一部の電極端子部を持ち上げることを避けることができ、ひいては電極端子部と二次電池トップカバーとが互いに接触することを避けて、電極アセンブリの安全性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の他の特徴、目的及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な実施例に対して行われた詳細な説明により、より明らかになり、ここで、同一又は類似の符号は、同一又は類似の特徴を示す。
【0020】
【
図1】本願の実施例に係る車両の構成概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る電池パックの構成概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る電池モジュールの構成概略図である。
【
図4】本願の実施例に係る二次電池の構成概略図である。
【
図6】本願の実施例に係る二次電池における電極ユニットの構成概略図である。
【
図7】本願の実施例に係る電極アセンブリの部分構成概略図である。
【
図8】本願の実施例に係る二次電池の部分断面図である。
【
図9】本願の実施例に係る電極アセンブリの第1の絶縁膜の構成概略図である。
【
図11】本願の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図12】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図13】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図14】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図15】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図16】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図17】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【
図18】本願の別の実施例に係る電極アセンブリの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願の各実施形態の特徴や例示的な実施例を詳細に説明する。以下の詳細な説明では、本願の全面的な理解を提供するために、多くの特定の詳細が提示されている。しかしながら、当業者にとって自明であるように、本願は、これらの特定の詳細のうちのいくつかを必要とせずに実施することができる。以下の実施例の説明は、単に本願の実施例を示すことにより本願をよりよく理解するためのものである。図面及び以下の説明において、本願の不必要な曖昧性を避けるために、周知の構造及び技術の少なくとも一部が示されておらず、明確にするために、構造の一部の寸法が誇張されていることがある。また、以下に記載される特徴、構造又は特性は、任意の適切な方式で一つ以上の実施例に組み合わせることができる。
【0022】
本願の記載において、特に説明しない限り、「複数」とは、2つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語が示す方向や位置関係は、単に本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、参照される装置又は素子が特定の向きを有し、特定の向きで構成及び操作されなければならないことを示す又は暗示するものではないため、本明細書を限定するものと解釈されてはいけない。以下の説明に現れた方向用語は、いずれも図に示された方向であり、本願の実施例の具体的な構造を限定するものではない。なお、本願の説明において、さらに説明すべきことは、特に明示的に規定、限定しない限り、用語「取り付け」、「装着」、「接続」、「連結」は広義的に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよいし、直接的に接続されてもよく、間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0023】
従来の円筒形の二次電池において、二次電池は、電極ユニットを含み、電極ユニットは、電極本体と電極本体を電気的に接続するための電極端子とを含み、電極端子は、電極本体の一側に位置し、且つ、電極端子は、ならす処理により電極端子部を形成する必要がある。電極端子部と二次電池ケースとの相互当接を避けるために、電極端子部の外周面に第1の絶縁膜を被覆する必要がある。電極端子部とケースとの間の相互絶縁の安定性を向上させるために、第1の絶縁膜の縁部は電極端子部の端面から一定の高さを超える必要がある。
【0024】
二次電池の製造時又は二次電池の使用時には、第1の絶縁膜における電極端子部の端面を超える部分が下方に折り返され、電極端子部の端面に接着される。電極端子部を超えた第1の絶縁膜の一部が改めて立ち上がって電極端子部の端面から離脱する時、縁部の一部の電極端子部が持ち上がり、ケース又はトップカバーに電極端子部が当接されるおそれがある。
【0025】
上記の問題を解決し、二次電池の安全性能を向上させるために、本願を提供する。
【0026】
以下、本願をよりよく理解するために、
図1乃至
図18を参照して、本願の実施例の電極アセンブリ、二次電池、電池パック及び装置を詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、本願の実施例は、まず、車両を提供し、車両は、電池パック1及び車両本体2を備え、電池パック1は、車両本体2に設置されている。
【0028】
車両は、新エネルギー自動車であり、純電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンド電気自動車であってもよい。車両本体2には、駆動モータが設置され、駆動モータは、電池パック1に電気的に接続され、電池パック1により電気エネルギーを供給し、駆動モータは、伝動機構を介して車両本体2上の車輪に接続されて、自動車が走行するように駆動する。電池パック1は、車両本体2の底部に水平に配置されてもよい。
【0029】
図2を併せて参照すると、電池パック1の設置方式は様々であり、いくつかの選択可能な実施例において、電池パック1は、筐体12と筐体12内に設置された電池モジュール11とを含む。
【0030】
電池モジュール11の個数は一つ又は複数であり、複数の電池モジュール11は、箱体12内に配列して配置されている。箱体12のタイプは限定されず、箱体12は、枠状箱体、円盤状箱体又は箱状箱体などであってもよい。箱体12は、電池モジュールを収容するための下部箱体と、下部箱体をカバーする上部箱体と、を含むことができる。
【0031】
図3を併せて参照すると、電池モジュール11の設置方式は様々であり、いくつかの選択可能な実施例において、電池モジュール11は、収容部20と、収容部20に位置する複数の二次電池10と、を含み、二次電池10は、収容部20内に並列に設置されている。
【0032】
収容部20の設置方式は様々であり、例えば、収容部20は、ハウジングとハウジングをカバーするカバープレートとを含むか、又は、収容部20は、相次いで囲んで接続された側板と端板とを含むか、又は、収容部は、対向して設置された端板と、端板及び二次電池の外側を取り囲むバンドと、を含む。
【0033】
二次電池10は、車両に適用することができるだけでなく、他の装置に用いることもできる。本願の実施例は、二次電池10を電源として使用する装置をさらに提供し、装置は、車両、船舶又は航空機などであってもよいが、これらに限定されない。
【0034】
二次電池10の設置方式は様々であり、二次電池10は、例えば、円筒形の二次電池10であるか、又は、二次電池10は、角柱形の二次電池10である。本願の実施例は、円筒形の二次電池10を例として説明する。
【0035】
図4及び
図5を併せて参照すると、
図4は、本願の実施例に係る二次電池10の不等角投影図である。
図5は
図4の分解構成概略図である。
【0036】
いくつかの選択可能な実施例において、二次電池10は、開口を有するケース200と、ケース200の開口を覆い、且つ、囲んで収容空間を形成できるエンドキャップ300と、収容空間に位置する電極アセンブリ100と、を含む。
【0037】
電極アセンブリ100の設置方式は様々であり、
図6を併せて参照すると、
図6は、本願の実施例に係る二次電池10における電極ユニット110の構成概略図である。いくつかの選択可能な実施例において、電極アセンブリ100は、電極ユニット110を含み、電極ユニット110は、電極本体111と、前記電極本体111を電気的に接続するための電極端子部112と、を含む。
【0038】
いくつかの選択可能な実施例において、
図7を併せて参照すると、
図7は、本願の実施例に係る二次電池10における電極アセンブリ100の部分構成概略図である。電極アセンブリ100は、第1の絶縁膜120をさらに含み、第1の絶縁膜120は、互いに接続された接続部121及び延伸部122を含み、接続部121には、電極端子部112と接続するための接着領域が設けられ、延伸部122は、第1の絶縁膜120が電極端子部112の端面112aからはみ出した部分であり、且つ延伸部122の少なくとも一部は非接着領域として設けられている。
【0039】
接着領域とは、粘着性を有する領域を指し、第1の絶縁膜120は、接着領域により電極端子部112に接着することができる。非接着領域とは、粘着性を有しない領域を指し、非接着領域は電極ユニット110と接着しない。
【0040】
本願の実施例の電極アセンブリ100において、電極アセンブリ100は、電極ユニット110と、電極ユニット110を巻き回す第1の絶縁膜120と、を含む。第1の絶縁膜120は、電極ユニット110の外部に巻回されて、電極アセンブリ100と二次電池10のケース200との間の絶縁を確保することができる。第1の絶縁膜120は、接続部121と延伸部122とを含み、接続部121には、接着領域が設けられて、接続部121と電極端子部112との間の相対的位置の安定性を確保し、電極アセンブリ100と二次電池10のケース200との間の絶縁を確保することができる。延伸部122の少なくとも一部は非接着領域であり、即ち、延伸部122の少なくとも一部は粘着性を有さない。延伸部122と電極端子部112とが互いに接触した後、延伸部122が立ち上がる際に延伸部122が一部の電極端子部112を持ち上げることを避けることができ、ひいては電極端子部112と二次電池10のトップカバーとが互いに接触することを避けて、電極アセンブリ100の安全性能を向上させる。
【0041】
図8を併せて参照すると、
図8は、本願の実施例に係る二次電池10の部分断面図である。いくつかの選択可能な実施例において、二次電池10は、セパレータ400をさらに含み、セパレータ400は、エンドキャップ300における電極アセンブリ100に対向する一側に設置され、セパレータ400を設置することにより、電極端子部112とエンドキャップ300との間の相互絶縁を確保することができる。
【0042】
セパレータ400の設置方式は様々であり、いくつかの選択可能な実施例において、セパレータ400は、側部410と、側部410で囲まれて形成された収容空間420と、を含み、延伸部122は、収容空間420に位置する。
【0043】
これらの選択可能な実施例において、セパレータ400は、エンドキャップ300と電極端子部112との間に位置し、第1の絶縁膜120の延伸部122は、電極端子部112の端面112aから延伸される。延伸部122は、収容空間420内に位置し、第1の絶縁膜120とセパレータ400との間に隙間が生じることを防ぐことができ、電極端子部112が該隙間を介してケース200又はエンドキャップ300と接触することを避けて、電極アセンブリ100の安全性能をさらに向上させることができる。
【0044】
図9及び
図10を併せて参照すると、
図9は、本願の実施例に係る第1の絶縁膜120の構成概略図であり、
図9において、第1の絶縁膜120は、平坦に展開された状態にある。
図10は、
図9のA-Aでの断面図である。
【0045】
非接着領域の設置方式は様々であり、例えば、延伸部122に接着層123が設けられ、接着層123の外に絶縁層を貼り付けることにより、当該部分の接着層123が粘着性を有さないようにし、さらに非接着領域を形成する。
【0046】
他の選択可能な実施例において、
図10に示すように、第1の絶縁膜120は、基材124を含み、基材124の一部に接着層123が設けられて接着領域を形成し、延伸部122に対応する基材124の少なくとも一部には接着層123を設置せずに、非接着領域を形成する。
図10において、接着層123が設けられた領域は接着領域であり、接着層123が設けられていない領域は非接着領域である。
【0047】
基材124の材料の設置方式は様々であり、例えば、基材124は、ポリ塩化ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの材質であってもよい。接着層123の材料の設置方式は様々であり、例えば、接着層123は、アクリル、ゴムなどの材質であってもよい。
【0048】
非接着領域の設置方式は様々であり、いくつかの選択可能な実施例において、
図11及び
図12を併せて参照すると、
図11は、本願の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図であり、
図12は、本願の他の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図である。
図11において、破線で電極本体111と電極端子部112との境界線を示しており、破線は、本願の構造を限定するものではない。なお、
図11において、電極ユニット110の一部の構造のみが示されている。
【0049】
非接着領域は、延在部122を覆っている。いくつかの選択可能な実施例において、非接着領域は、延伸部122のみを覆うことができる。又は、
図12に示すように、非接着領域は、延伸部122から接続部121まで延伸している。
【0050】
これらの選択可能な実施例において、非接着領域は、延伸部122を覆い、即ち、第1の絶縁膜120における電極端子部112の端面112aから延伸される部分はいずれも非接着領域として設けられ、粘着性を有せず、延伸部122と電極端子部112の端面112aとの相互接着を避けることができ、電極アセンブリ100の安全性能をさらに向上することができる。
【0051】
接続部121の設置方式は様々であり、接続部121は、電極端子部112の外周面の一部又は全部を覆っていてもよい。
図13及び
図14を併せて参照すると、
図13は、本願の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図である。
図14は、本願の別の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図である。
【0052】
いくつかの選択可能な実施例において、接続部121は、接続された第1の部分121a及び第2の部分121bを含み、第1の部分121aは、電極端子部112の外周面を覆うのに用いられ、第2の部分121bは、電極本体111の外周面の少なくとも一部を覆うのに用いられ、第1の部分121a及び第2の部分121bはいずれも接着領域として設けられている。
【0053】
これらの好ましい実施例において、接続部121は第1の部分121a及び第2の部分121bを含み、第2の部分121bは、電極本体111まで延伸し、第1の絶縁膜120が電極端子部112の外周面を完全に覆うことを確保することができるだけでなく、第1の絶縁膜120はさらに電極本体111を保護することができ、電極アセンブリ100の安全性能をさらに向上することができる。
【0054】
図15を併せて参照すると、いくつかの選択可能な実施例において、第2の部分121bは、電極本体111の外周面を完全に覆っている。これらの選択可能な実施例において、第1の絶縁膜120は、電極端子部112を完全に覆うことができるだけでなく、電極本体111を完全に覆うことができ、電極本体111の外に絶縁層を繰り返して設置する必要がない。電極アセンブリ100の安全性能に影響を与えることなく、電極アセンブリ100の構造を簡略化することができるとともに、電極アセンブリ100の成形ステップを簡略化することができる。
【0055】
図16乃至
図18を併せて参照すると、
図16は、本願の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図である。
図17は、本願の別の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図である。
図18は、本願の別の実施例に係る電極アセンブリ100の部分断面図である。
【0056】
いくつかの選択可能な実施例において、電極アセンブリ100は、電極本体111の外周面に巻き付けられる第2の絶縁膜130をさらに含み、第2の絶縁膜130の表面には、接着剤が設けられており、第2の絶縁膜130は、電極端子部112の外周に延伸し且つ電極端子部112の端面112aを超えない。
【0057】
これらの選択可能な実施例において、電極アセンブリ100は、第2の絶縁膜130をさらに含み、第2の絶縁膜130は、電極本体111とケース200との間の相互絶縁を実現するために、電極本体111の外周面に接着剤により巻き付けられている。第2の絶縁膜130は、電極端子部112の端面112aを超えず、即ち接着剤付きの部分の第2の絶縁膜130は電極端子部112を超えないため、第2の絶縁膜130と電極端子部112の端面112aとの接着を避けることができる。
【0058】
第2の絶縁膜130と第1の絶縁膜120との相対的位置は様々であり、例えば、
図16に示すように、第2の絶縁膜130と第1の絶縁膜120とは、電極端子部112と電極本体111との境界線で互いに当接している。又は、
図17に示すように、第2の絶縁膜130と第1の絶縁膜120とは、電極端子部112の外周面で当接している。
【0059】
又は、他の選択可能な実施例において、
図18に示すように、第2の絶縁膜130と第1の絶縁膜120とは、部分的に積層されている。これらの選択可能な実施例において、第2の絶縁膜130は、電極端子部112の外周に延伸し、且つ第1の絶縁膜120と部分的に積層されている。積層による設置は、第1の絶縁膜120及び第2の絶縁膜130が電極ユニット110全体を巻回することを確保することができ、電極ユニット110の外周面には露出部分がなく、また、第2の絶縁膜130と第1の絶縁膜120との接続部121により電極端子部112を二重保護することができ、電極アセンブリ100とケース200との接触による短絡の可能性をさらに防止することができる。
【0060】
当業者であれば、上記実施例はいずれも例示的で制限的なものではないことを理解すべきである。異なる実施例に現れた異なる技術的特徴を組み合わせることにより、有益な効果を達成することができる。当業者であれば、図面、明細書及び特許請求の範囲を検討した上で、開示された実施例の他の変形例を理解して実現することができる。特許請求の範囲において、「含む」、「備える」、「有する」という用語は、他の装置又はステップを排除するものではない。物品が数詞で修飾されていない場合には、1つ/1種類又は複数/複数種類の物品を含むことを意図し、且つ「1つ/1種類又は複数/複数種類の物品」と交換的に使用することができる。「第1」、「第2」という用語は、任意の特定の順序を示すことではなく名称を示すのに用いられる。請求項における任意の参照符号はいずれも保護範囲を限定するものと解釈されるてはいけない。請求項に記載された複数の部分の機能は、単一のハードウェア又はソフトウェアモジュールによって実現することができる。いくつかの技術的特徴が異なる従属請求項に現れることは、これらの技術的特徴を組み合わせて有益な効果を達成することができないことを意味しない。
【符号の説明】
【0061】
1 電池パック、11 電池モジュール、12 筐体、2 車両本体、
10 二次電池、20 収容部、
100 電極アセンブリ、
110 電極ユニット、111 電極本体、112 電極端子部、112a 端面、
120 第1の絶縁膜、121 接続部、121a 第1の部分、121b 第2の部分、122 延伸部、123 接着層、124 基材、
130 第2の絶縁膜、
200 ケース、
300 エンドカバー、
400 セパレータ、410 側部、420 収容空間。
【国際調査報告】