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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】建具の召合せ框の気密維持装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/16 20060101AFI20220801BHJP
   E05F 7/04 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
E06B7/16 C
E05F7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569534
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 KR2020000352
(87)【国際公開番号】W WO2020235764
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0059423
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510244710
【氏名又は名称】エルエックス・ハウシス・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521071127
【氏名又は名称】ウィンスター・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヒムチャン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュンウ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・イル・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ボン・ファン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ハン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドク・スン・チェ
【テーマコード(参考)】
2E036
2E050
【Fターム(参考)】
2E036AA02
2E036BA01
2E036CA06
2E036DA02
2E036EB03
2E036HA01
2E036HB05
2E036HC02
2E036HC07
2E050NA01
2E050PA02
2E050PB04
2E050PC01
2E050PD03
(57)【要約】
本発明は、建具の召合せ框の気密維持装置に関するもので、これを実現するための本発明は、第1障子の一側に設置された第1風防枠の外側面に結合されるフック部材と、前記第1障子の一側と重なって召合せ框をなす第2障子の一側のガラス固定段に設置され、前記フック部材との結合を通じて前記召合せ框の気密性を強化させるストライカ部材とを含んで構成されたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1障子(100)の一側に設置された第1風防枠(110)の外側面に結合されるフック部材(120)と、
前記第1障子(100)の一側と重なって召合せ框(M)をなす第2障子(200)の一側のガラス固定段(210)に設置され、前記フック部材(120)との結合を通じて前記召合せ框(M)の気密性を強化させるストライカ部材(220)とを含む、建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項2】
前記フック部材(120)は、
前記第1風防枠(110)の外側面に結合されるボディー(121)と、
前記ボディー(121)の後方に突出形成される可動具(122)と、
前記可動具(122)の先端に設置されて前記ストライカ部材(220)と結合される固定ピン(123)とを含む、請求項1に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項3】
前記ストライカ部材(220)は、
前記ガラス固定段(210)の外側面に結合される本体(221)を含み、
前記本体(221)の中心部には、前記固定ピン(123)が嵌め込められるように嵌め込み溝部(222)が形成され、対向する両側にはねじ結合孔(223)が形成された、請求項2に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項4】
前記嵌め込み溝部(222)は、
一側内面に、入口から内部に向かって傾斜部(222a)をなし、前記傾斜部(222a)の端部から水平に装着部(222b)が連続して形成される傾斜した段部が備えられ、前記傾斜した段部の中央には、前記可動具(122)の上端が移動できるように切開部(222c)が形成された、請求項3に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項5】
前記ボディー(121)の外側面には長孔状の締結孔(121a)が備えられ、前記第1風防枠(110)の外側面にねじ(121b)で締結される、請求項2に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項6】
前記ボディー(121)の外側面にはカバー(121c)が結合される、請求項5に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項7】
前記ボディー(121)の内側面の後端には、前記第1風防枠(110)に係止されて固定される係止具(124)がさらに備えられた、請求項2に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項8】
前記ボディー(121)の後面には、内部に凹んだ設置溝(121d)が備えられ、前記設置溝(121d)は、弾性部材(125)と共に前記可動具(122)の下端が嵌装されて、前記可動具(122)が、弾性力を有しながら前記設置溝(121d)から昇降する、請求項2に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項9】
前記可動具(122)の上端の外側面は傾斜面(122a)で構成される、請求項2に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項10】
前記傾斜面(122a)は、直線状又は曲線状に構成される、請求項9に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項11】
前記ボディー(121)の前面には高さ調節具(126)が貫通設置されて前記可動具(122)の下端と結合され、前記高さ調節具(126)の作動に応じて前記可動具(122)が昇降調節される、請求項8に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【請求項12】
前記高さ調節具(126)の一側のノブ(126a)は、前記ボディー(121)の底面の外部に位置し、前記高さ調節具(126)の他側の締結部(126b)は、前記可動具(122)の下端のねじ孔(122b)に締結されて、前記ノブ(126a)の回転による前記締結部(126b)と前記ねじ孔(122b)の結合状態に応じて、前記可動具(122)の上端が前記ボディー(121)から突出する高さが調節される、請求項11に記載の建具の召合せ框の気密維持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具の気密維持装置に関し、より詳細には、障子が互いに合わさる召合せ框に設置されて召合せ框の気密性を効果的に維持させることができる建具の召合せ框の気密維持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、引き違い窓(Double sliding windows)は、建物の内部を外部と遮断するために窓や出入口などの開口部に設置されて外部との遮断及び開放の機能を行う。
【0003】
このような引き違い窓の先行技術としては、従来の特許文献が先に出願されている。
【0004】
引き違い窓において、一対の障子が互いに重なる部位を召合せ框と称し、このような召合せ框は、大きく、障子(Sliding Frame)と、そのような障子の端部を仕上げる風防枠(Middle Closing)とで構成され得、召合せ框の気密のために、風防枠にはモヘアを備えることができる。
【0005】
図示した図1は、従来の引き違い窓の召合せ框の構造を示す平断面図であり、このような図1を参照して、召合せ框の構造を具体的に説明すると、次の通りである。
【0006】
すなわち、引き違い窓は、窓枠内に少なくとも一対の障子10が左右にスライド開閉される構造で重なるように設置される。
【0007】
この場合、障子10の中間召合せ框Mの部位を除いた残りの3辺にはガスケット又はモヘアが適用されることで、障子10の閉設定時に窓枠との隙間に気密ラインを構成する。
【0008】
これに反して、一対の障子10が重なる召合せ框Mは、障子10が開閉される構造の特性上、基本的な気密性能に弱い構造を有することによって、召合せ框Mの風防枠20の内部にはモヘア30が設置される。
【0009】
一方、PVC材質である障子10と召合せ框Mをなす風防枠20とは、材質の物性によって反り現象(bending)が発生することがあり、このような反り現象は、特に、召合せ框Mの中央部位で発生するようになる。
【0010】
ここで、風防枠20に備えられるモヘア30は、通常、3mmの隙間を塞いで気密性を維持させることができるが、障子10との1.5~2mmの干渉量を考慮すると、障子10と召合せ框Mの1.5mmの変化の程度は効果的に対処することができる。
【0011】
しかし、サイズが大きい建具の場合、中央部でおよそ3.0~3.5mm程度の大きな反り現象が発生することがあり、これは、モヘア30が対処できる1.5mmの範囲を超えるようになることによって、気密の維持が難しくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10-1308360号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたもので、召合せ框をなす障子の内面に気密維持装置を設置することによって、材質の物性に応じて障子に変形が発生しても召合せ框の気密性を強固に維持させることができるようにした建具の召合せ框の気密維持装置を提供することにその目的がある。
【0014】
本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述したような目的を実現するための本発明に係る建具の召合せ框の気密維持装置は、第1障子の一側に設置された第1風防枠の外側面に結合されるフック部材と、前記第1障子の一側と重なって召合せ框をなす第2障子の一側のガラス固定段に設置され、前記フック部材との結合を通じて前記召合せ框の気密性を強化させるストライカ部材とを含んで構成される。
【0016】
より好ましくは、前記フック部材は、前記第1風防枠の外側面に結合されるボディーと、前記ボディーの後方に突出形成される可動具と、前記可動具の先端に設置されて前記ストライカ部材と結合される固定ピンとを含んで構成されてもよい。
【0017】
より好ましくは、前記ストライカ部材は、前記ガラス固定段の外側面に結合される本体を含み、前記本体の中心部には、前記固定ピンが嵌め込められるように嵌め込み溝部が形成され、対向する両側にはねじ結合孔が形成されてもよい。
【0018】
より好ましくは、前記嵌め込み溝部は、一側内面に、入口から内部に向かって傾斜部をなし、前記傾斜部の端部から水平に装着部が形成される傾斜した段部が備えられ、前記傾斜した段部の中央には、前記可動具の上端が移動できるように切開部が形成されてもよい。
【0019】
より好ましくは、前記ボディーの外側面には長孔状の締結孔が備えられ、前記第1風防枠の外側面にねじで締結されてもよい。
【0020】
より好ましくは、前記ボディーの外側面には、前記締結孔及びねじの外部への露出を防止できるようにカバーが結合されてもよい。
【0021】
より好ましくは、前記ボディーの内側面の後端には、前記第1風防枠に係止されて固定される係止具がさらに備えられてもよい。
【0022】
より好ましくは、前記ボディーの後面には、内部に凹んだ設置溝が備えられ、前記設置溝には、弾性部材と共に前記可動具の下端が嵌装されて、前記可動具が、弾性力を有しながら昇降するように構成されてもよい。
【0023】
より好ましくは、前記可動具の上端の外側面は傾斜面で構成されてもよい。
【0024】
より好ましくは、前記傾斜面は、直線状又は曲線状に構成されてもよい。
【0025】
より好ましくは、前記ボディーの前面には高さ調節具が前記設置溝を貫通して前記可動具の下端と結合され、前記高さ調節具の作動に応じて前記可動具が昇降調節されるように構成されてもよい。
【0026】
より好ましくは、前記高さ調節具の一側のノブは、前記ボディーの底面の外部に位置し、前記高さ調節具の他側の締結部は、前記可動具の下端の締結孔に締結されて、前記ノブの回転による前記締結部と前記締結孔の結合状態に応じて、前記可動具の上端がボディーから突出する高さが調節されてもよい。
【発明の効果】
【0027】
以上のような本発明に係る建具の召合せ框の気密維持装置は、次のような効果を有する。
【0028】
すなわち、一対の障子が閉まる過程を通じて、それぞれの障子に設置されるフック部材とストライカ部材とが互いに連結されるように気密維持装置を構成することによって、障子の材質による物性の変化により反り現象が発生しても、気密維持装置によって召合せ框の気密が強固に維持され得る効果を有する。
【0029】
なお、このように記載された本発明の効果は、発明者が認知するか否かに関係なく、記載された内容の構成によって当然発揮されるものであって、上述した効果は、記載された内容による一部の効果に過ぎず、発明者が把握した又は実在するすべての効果を記載したものと認められてはならない。
【0030】
また、本発明の効果は、明細書の全体的な記載によって追加で把握されなければならず、たとえ明示的な文章で記載されていなくても、記載された内容が属する技術分野における通常の知識を有する者が、本明細書を通じてそのような効果があると認めることができる効果であれば、本明細書に記載された効果と見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来の構成によって召合せ框の構成を示した要部平断面図である。
図2】本発明の一実施例によって気密維持装置が備えられた建具の召合せ框を示した正面図である。
図3】本発明の一実施例によって気密維持装置が設置された召合せ框の状態を示した要部切欠斜視図である。
図4】本発明の一実施例によって気密維持装置が設置された召合せ框の他の状態を示した要部切欠斜視図である。
図5】本発明の一実施例によって気密維持装置を示した分離斜視図である。
図6】本発明の一実施例によって気密維持装置が設置された召合せ框を示した要部平断面図である。
図7A】本発明の一実施例によって気密維持装置のフック部材とストライカ部材が結合される過程を段階的に示した要部拡大平断面図である。
図7B】本発明の一実施例によって気密維持装置のフック部材とストライカ部材が結合される過程を段階的に示した要部拡大平断面図である。
図7C】本発明の一実施例によって気密維持装置のフック部材とストライカ部材が結合される過程を段階的に示した要部拡大平断面図である。
図8】本発明の一実施例によって気密維持装置のフック部材に備えられた可動具の高さが調節される状態を示した要部平断面図である。
図9A】本発明の一実施例によって気密維持装置を構成するフック部材の可動具の昇降作用を段階的に示した要部平断面図である。
図9B】本発明の一実施例によって気密維持装置を構成するフック部材の可動具の昇降作用を段階的に示した要部平断面図である。
図9C】本発明の一実施例によって気密維持装置を構成するフック部材の可動具の昇降作用を段階的に示した要部平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例に係る構成及び作用を詳細に説明する。
【0033】
これは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の内容を容易に実施できる程度に詳細に説明するためのものであり、これにより本発明の技術的な思想及び範疇が限定されることを意味するものではない。
【0034】
また、各図面の構成要素に対して参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の符号で表記されたことに留意しなければならず、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、使用者、運用者の意図又は慣例によって変わり得、このような用語に対する定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて判断されなければならない。
【0035】
まず、本発明に係る建具の召合せ框の気密維持装置の構成は、建具をなす一方の障子に設置されるフック部材と、他方の障子に設置されるストライカ部材とに大別することができ、以下に例示された図面を通じてより具体的に説明すると、次の通りである。
【0036】
まず、気密維持装置を構成する一つの構成要素であるフック部材120は、図2及び図3に例示されたように、建具において一方の障子、好ましくは室内側障子となり得る第1障子100に設置され、第1障子100の一側を仕上げ処理する第1風防枠110の外側面に設置され得る。
【0037】
フック部材120は、具体的な実施例として、図5に例示したように、四角筐体状のボディー121と、そのようなボディー121の一側から突出するように設置される可動具122と、可動具122の先端に設置される固定ピン123とを含んで構成され得る。
【0038】
ボディー121は、窓枠に向かう外側面に多数の締結孔121aが貫通形成され、ボディー121の内側面を第1風防枠110の外側面に密着させた状態で、ねじ121bを締結孔121aに貫通させて第1風防枠110の外側面に締結されるようにすることによって、ボディー121を第1風防枠110に固定させることができる。
【0039】
ボディー121の外側面に形成される締結孔121aは、好ましくは、長孔の形状に構成することによって、長孔の範囲内で、第1風防枠110に固定されるボディー121の設置位置を、必要に応じて調節することもできる。
【0040】
ボディー121の外側面には、締結孔121aと共にねじ121bが外部に露出することによって、外観の美麗さが低下することがあり、ねじ121bの不必要な緩みが発生することがあるため、これを防止するためのカバー121cが設置され得る。
【0041】
カバー121cは、ボディー121の外側面のみを覆うように構成されるか、またはボディー121の内側面を除いた外側面、前面、後面、上面及び下面が全体的に覆われるように構成されてもよい。
【0042】
カバー121cは、他の実施例として、ボディー121の外側面に接する内側面に所定の大きさの緩衝部材を設置するか、またはカバー121c全体を緩衝材質で構成することによって、第1障子100が開く過程でボディー121が窓枠に接触しても、ボディー121が損傷したり、騒音が発生したりする現象を防止することができる。
【0043】
ボディー121は、第1風防枠110に設置する際に正確な位置に設置できるように、ボディー121の内側面の後端の両側に係止具124をそれぞれ構成することによって、このような係止具124を第1風防枠110の外側面の後端に係止されるようにする場合、ボディー121が第1風防枠110の正確な位置に設置され得るので、作業の利便性を向上させることができる。
【0044】
ボディー121において室外側に向かう後面には可動具122が設置されるが、可動具122の下端はボディー121の内部に収容され、可動具122の上端の一部のみがボディー121の外部に突出するように設置され、このような可動具122の上端には、上下面を貫通しながら両端が可動具122の上下面から所定の長さで突出する固定ピン123が設置され、このような固定ピン123は、後で詳細に説明されるストライカ部材220と結合される。
【0045】
固定ピン123は、ストライカ部材220との摩擦の減少及び円滑な接触のために棒状に構成することができ、可動具122に回転可能に設置されるローラの形状に構成することもできる。
【0046】
ボディー121に設置される可動具122は、好ましくは、昇降作動するように構成されることが好ましく、これは、図9A乃至図9Cに例示したように、第1障子100又は第2障子200が開く際に、ボディー121から突出している可動具122の上端が第2障子200の反対側のガラス固定段230に当接すると、可動具122が下降するようにすることによって、第1障子100又は第2障子200の移動過程において、可動具122の上端が第2障子200の反対側のガラス固定段230にぶつかって破損したり、第2障子200が変形したり、第2障子200のガラスが破損したりするなどの現象を防止することができる。
【0047】
ボディー121から可動具122が昇降できるようにするための実施例としては、図5及び図8のように、第2障子200に向かうボディー121の後面に、内部へ所定の深さ凹んだ設置溝121dを形成し、このような設置溝121dに、弾性部材125と共に可動具122の下端を嵌装することによって、可動具122の上端に外力が加わると、可動具122が下降しながら弾性部材を圧縮させ、可動具122の上端に加わる外力が除去されると、弾性部材125の復元力によって、下降していた可動具122は元の状態となる。
【0048】
可動具122は、第2障子200の反対側のガラス固定段230と先に接触する上端の一側面を傾斜面122aとして構成することによって、反対側のガラス固定段230による可動具122の自然な下降を誘導することができ、このとき、可動具122の傾斜面122aは、直線状は勿論、曲線状に構成されてもよい。
【0049】
可動具122の上端は、ボディー121から突出するにおいて、突出する高さが調節されるように構成されることもできる。
【0050】
すなわち、可動具122に設置された固定ピン123が、後で説明するストライカ部材220に係止されて固定されながら、召合せ框Mをなす第1障子100および第2障子200の内面の間の間隔を密着させるにおいて、可動具122の突出高さを調節することで、構成部品間の公差又は建具の公差や変形などを勘案して召合せ框Mの密着の程度を調節できるものである。
【0051】
可動具122の上端が高さ調節されるようにするための実施例としては、図8のように、ボディー121の前面に孔を形成し、そのような孔に高さ調節具126を設置するが、高さ調節具126の一側に位置したノブ126aは、ボディー121の前面の外部に位置するようにし、高さ調節具126の他側に位置した締結部126bは、設置溝121dに嵌められている可動具122の下端のねじ孔122bに締結することによって、ノブ126aの回転を通じて高さ調節具126を正回転又は逆回転させると、高さ調節具126の締結部126bに締結された可動具122が上昇又は下降するようになるので、可動具122の突出高さを簡単に調節できるものである。
【0052】
気密維持装置を構成する他の構成要素であるストライカ部材220は、図2及び図4のように、建具の他方の障子、好ましくは室外側障子となり得る第2障子200に設置され、第1障子100の第1風防枠110と対向する第2障子200のガラス固定段210に設置され得る。
【0053】
ストライカ部材220は、具体的な実施例として、図5のように、ガラス固定段210の突出した外側面に設置される本体221を含み、本体221の対向する両側にはねじ結合孔223がそれぞれ備えられ、このようなねじ結合孔223にねじを貫通させることで、本体221をガラス固定段210に固定させることができる。
【0054】
本体221は、前面の中心部に上述したフック部材120の固定ピン123が嵌め込められるように嵌め込み溝部222が形成され、フック部材120に向かう側である嵌め込み溝部222の一側内面には、嵌め込み溝部222の入口から内部に向かって傾斜部222aが始まり、そのような傾斜部222aの端部から水平に装着部222bが連続して形成される傾斜した段部が構成され、このような傾斜した段部の中央には、フック部材120の可動具122の上端が嵌め込められるように嵌め込み溝部222の入口から内部に向かって切開部222cが形成されることによって、このような切開部222cを中心に対向する両側に傾斜部222aと装着部222bからなる傾斜した段部が対をなして形成される。
【0055】
したがって、図7Aのように建具の第1障子100と第2障子200が開いた状態から閉じると、第1障子100のストライカ部材220と第2障子200のフック部材120とが互いに結合され、図7Bのように、フック部材120の可動具122の上端が嵌め込み溝部222の切開部222cに沿って移動するようになり、可動具122に設置された固定ピン123の両側が嵌め込み溝部222の傾斜部222aに沿って移動し、その後、図7Cのように、装着部222bでは水平に移動するようになる。
【0056】
すなわち、図7Aのようにストライカ部材220がフック部材120と結合される前には、第1障子100と第2障子200の内面が所定の間隔t1を維持し、ストライカ部材220がフック部材120と結合されると、図7Bのように固定ピン123が傾斜部222aに沿って上昇し、その後、図7Cのように固定ピン123が装着部222bに装着される過程で、第1障子100と第2障子200の内面が所定の間隔t2で密着して気密が維持されるものである。
【0057】
このように構成される本発明に係る召合せ框の気密維持装置の作動過程を説明すると、次の通りである。
【0058】
すなわち、図4のように、第1障子100にフック部材120が設置され、第2障子200にストライカ部材220が設置された状態で、図3のように、第1障子100と第2障子200とが召合せ框Mをなしながら重なると、フック部材120とストライカ部材220とが互いに結合し、図7B及び図7Cのように、フック部材120のボディー121に形成された可動具122の上端がストライカ部材220の嵌め込み溝部222の中央側の切開部222cに移動すると同時に、可動具122に設置された固定ピン123の両端が嵌め込み溝部222の両側の傾斜部222aに沿って移動し、その後、装着部222bに移動しながら、召合せ框Mをなす対向する第1障子100の内面と第2障子200の内面がさらに密着して、強固な気密が維持され得る。
【0059】
一方、フック部材120やストライカ部材220の部品間の組立公差や、第1障子100又は第2障子200の反り現象などによって、可動具122の固定ピン123の位置が嵌め込み溝部222の傾斜部222aの開始点よりも下に位置し、傾斜部222aに沿って移動し難い状態となるか、または固定ピン123の位置が傾斜部222aの終点よりも上側に位置し、第1障子100と第2障子200の内面を密着させることができない状態となることもある。
【0060】
このような場合には、図8に示すように、高さ調節具126のノブ126aを正回転又は逆回転させることによって、高さ調節具126の回転によって、高さ調節具126の締結部126bに締結された可動具122が昇降するようになり、可動具122の固定ピン123の位置を調節できるので、固定ピン123の位置の調節によって、適切に固定ピン123が傾斜部222aに沿って移動して装着部222bに移動することで、第1障子100と第2障子200の内面が効果的に密着し得る。
【0061】
また、図7Cのように、窓枠において第1障子100と第2障子200とが閉まると、第1障子100と第2障子200との召合せ框Mにおいて、第1障子100の第1風防枠110に設置されたフック部材120の可動具122が第2障子200のガラス固定段210に設置されたストライカ部材220の嵌め込み溝部222に嵌め込まれることで、召合せ框Mをなす第1障子100および第2障子200の内面が互いに密着して気密が維持されるが、このとき、図9Aのように、第1障子100と第2障子200とが開いて建具が開放されると、第1障子100の第1風防枠110に設置されたフック部材120の可動具122の上端が、第2障子200のガラス固定段210の線上で移動して反対側のガラス固定段230と接触することができる。
【0062】
このような場合、図9B及び図9Cのように、反対側のガラス固定段230に可動具122の上端の傾斜面122aが当接することで、可動具122の上端が設置溝121dの内部に下降するようになり、可動具122の上端が第2障子200の表面に沿って移動することによって、可動具122の破損、第2障子200の変形及びガラスの破損などを防止することができる。
【0063】
以上のように、本発明の詳細な説明では、具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能であることは勿論である。したがって、記載された内容の範囲は、説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。
【符号の説明】
【0064】
100 第1障子
110 第1風防枠
120 フック部材
121 ボディー
121a 締結孔
121b ねじ
121c カバー
121d 設置溝
122 可動具
122a 傾斜面
122b ねじ孔
123 固定ピン
124 係止具
125 弾性部材
126 高さ調節具
126a ノブ
126b 締結部
200 第2障子
210,230 ガラス固定段
220 ストライカ部材
221 本体
222 嵌め込み溝部
222a 傾斜部
222b 装着部
222c 切開部
223 ねじ結合孔
M 召合せ框
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9a
図9b
図9c
【国際調査報告】