(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】軟骨およびそのスフェロイドの培養方法
(51)【国際特許分類】
C12N 5/077 20100101AFI20220801BHJP
A61K 35/32 20150101ALI20220801BHJP
A61L 27/38 20060101ALI20220801BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
C12N5/077
A61K35/32
A61L27/38 112
A61P19/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021570739
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2020065137
(87)【国際公開番号】W WO2020240040
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502096255
【氏名又は名称】コー. ドン アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カプス,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ロエル,ジュリエッタ
(72)【発明者】
【氏名】エッシェン,クラウディア
【テーマコード(参考)】
4B065
4C081
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065BC41
4B065BD50
4B065CA44
4C081AB04
4C081BA12
4C081BC01
4C081CD34
4C081EA11
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB46
4C087BB64
4C087CA04
4C087MA67
4C087NA20
4C087ZA96
(57)【要約】
【課題】自家軟骨細胞移植(Autologous Chondrocyte Implantation; ACI)製品に有用なスフェロイドを提供する。
【解決手段】ヒトまたは動物由来の組織から軟骨細胞を分離し、その軟骨細胞を単層を広げて2D培養し、当該単層を採取し、懸濁液中で3D環境で前記細胞を培養し、得られたスフェロイドを選択する。2Dと3Dの総培養時間は、軟骨細胞の分離開始時間から計算して55日以下であり、そのうちの2D培養の時間幅は10日を超えることが好ましい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟骨細胞を増殖または増加させ、そのスフェロイドを提供する方法であって、
a)ヒトまたは動物由来の組織から軟骨細胞を分離する工程と、
b)工程a)からの細胞を、単層(2D)を広げて培養し、ここで単層は基質上に配置される工程と、
c)工程a)からの単層を採取し、懸濁液中、3D環境で前記細胞を培養する工程と、
d)ここで工程b)と工程c)の総培養時間は、工程a)の開始時間から計算して55日またはそれ以下であり、工程b)の時間幅は10日を超え、
e)得られたスフェロイドを選択する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
工程b)の時間幅が38日未満であり、および/または工程c)の時間幅が28日未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程b)の時間幅が16日を超え、かつ38日未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程b)の時間幅が16日またはそれ以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スフェロイドが、3,000個を超える細胞からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スフェロイドが、3,000~200,000個の範囲、特に3,500~75,000個の範囲の細胞からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記スフェロイドの直径が100~1,000μmの範囲、特に200~900μmまたは240~870μmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
無反応または治療失敗の患者の転帰を減少させることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
患者が、8未満の「膝外傷および変形性膝関節症転帰スコア」(KOOS)を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法によって得られるスフェロイド。
【請求項11】
軟骨欠損および/または骨欠損の治療に使用するための、特に外傷性軟骨欠損および/または骨欠損、病変、特に外傷性病変、軟骨変性、骨変性、変形性関節症の治療に使用するための、ならびにin vivoでの軟骨再生治療および/または骨再生治療のための、請求項10に記載のスフェロイドを含む医薬。
【請求項12】
請求項10に記載のスフェロイドを含む医薬品。
【請求項13】
請求項10に記載のスフェロイドを含むインプラント、移植片および機能置換組織。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟骨細胞を増殖または増加させ、そのスフェロイド(spheroid)であって、自家軟骨細胞移植(Autologous Chondrocyte Implantation; ACI)製品に有用なスフェロイドを提供する方法に関する。したがって、本発明は、特に、関節軟骨からのスフェロイドの製造およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
関節軟骨は著しい復元力を示すが、この組織はそれ自体を修復することが不可能であるかまたはほとんど不可能であり、未治療の病変は変形性関節症(OA)を引き起こす可能性がある。この低い自然再生能力が、関節軟骨欠損の、痛みを伴わない機能修復を提供することを目的とする自家軟骨細胞移植(ACI)などの細胞療法の開発をもたらした。しかしながら、この種の方法では軟骨再生を確実にすることはできず、適切な長期研究はこれまでになされていない。したがって、たとえば外傷性病変を有し、またはさらに軟骨変性の病状も有する若くて活動的な患者における軟骨再生法が強く求められている。
【0003】
ウシ、ウサギまたはヒツジの軟骨から分離された軟骨細胞を用いて多くの研究が行われている。しかしながら、この種の取得データおよび動物ベースの概念は、ヒトの場合に当てはめることはできない。ヒト軟骨細胞を用いる詳細な生化学・分子学的研究は、生検材料において入手可能な細胞がごく少数であること、増殖能が限定的であること、および、培養した軟骨細胞の表現型の不安定性が高いことと関連する、ヒト組織の利用可能性の欠如などの一連の要因によって妨げられてきた。
【0004】
軟骨細胞は、軟骨芽細胞に由来し、軟骨組織において形成される細胞である。軟骨細胞は、細胞間質(細胞外基質(ECM))とともに、軟骨の主な構成要素を形成する。
【0005】
天然の関節軟骨組織は、関節組織の湿重量に対しておおよそ60~80%の水で構成される細胞外基質の組成を有する。高い水分含有量は軟骨組織の機械的耐荷重能力に重要であり、プロテオグリカンとともに「スポンジ効果」に重要である。天然の関節軟骨は、水のほかにもコラーゲン、プロテオグリカンおよび非コラーゲンタンパク質などの基質の構造高分子を含む。ここで、構造高分子は関節軟骨組織の湿重量のおおよそ20~40%を占める。
【0006】
たとえば胚発生の特定のプロセスの模倣によって、たとえば分化能に関して単層細胞よりも優れ、たとえば軟骨様特性を有する細胞集合体が製造されるようにアガロース基質上に三次元的にヒト軟骨細胞を培養することはすでに公知である。天然の関節軟骨組織をできるだけ正確に反映するこれらの特性は、コラーゲンII(硝子軟骨の細胞外基質における主要構造タンパク質)の発現、プロテオグリカン、たとえばアグリカンの発現、および、細胞内軟骨細胞特異的タンパク質S100の発現によって特徴付けられる。さらに、単層培養物の細胞増殖期において必然的にアップレギュレートされるI型コラーゲンの発現は、その細胞集合体において再度低下することが望ましい。なぜなら、このタンパク質は天然の関節軟骨にはほとんど存在しないからである。したがって、外傷によって引き起こされるより小さい軟骨欠損を主に治療するために、本出願人(co.don AG社)は、2002年以来、このようにして作成された細胞集合体(スフェロイド)を提案してきた。この目的のために、患者から天然の関節軟骨組織を摘出し、そこから分離された細胞を増殖および3D培養後にスフェロイドとして移植する。自家軟骨細胞移植(ACI)製品はSpherox(登録商標)として公知である。
【0007】
3次元細胞集合体、特にスフェロイドとして知られている形態でのヒト細胞の培養は、ヒトにおける臨床使用のために、たとえば自家軟骨移植片(特許文献1参照)としてすでに認可されている。特許文献1は、骨幹細胞、軟骨幹細胞または間葉系幹細胞からの3次元軟骨組織および骨組織のin vitro製造方法に関する。この場合、最初に細胞が単層培養で培養され、次いで、分化細胞が埋め込まれた少なくとも40体積%の細胞外基質を含む細胞集合体が製造されるまで懸濁液中で培養される。この方法において、アガロースでコーティングした細胞培養器において少なくとも1~2週間細胞を培養することによって細胞集合体が製造される。
【0008】
特許文献2は、3次元軟骨組織および骨組織のin vitro製造方法であって、1×105個の細胞を少なくとも2週間培養することによって骨幹細胞、軟骨幹細胞または間葉系幹細胞からスフェロイドを製造することを特徴とする方法を開示している。特許文献2に従って製造されるスフェロイドは、1週間後に500~700μmの直径を有する。この方法によれば、スフェロイドを製造するために、1×105個または2×105個の軟骨細胞が5日間、2週間、1、2および3ヶ月間培養される。
【0009】
本技術によれば、出発材料として患者由来の組織生検材料が用いられる。組織構築細胞は、従来の方法により、組織の酵素消化、遊走または標的細胞を認識する試薬を用いて生検材料から分離される。
【0010】
次いで、これらの細胞を静置培養する。ここでは、特に疎水性表面を有する細胞培養器中で通常の培地を用いて、最初に基質支持単層培養(2次元)で細胞を培養し、次いで基質を用いない簡単な方法により懸濁液中で、少なくとも40体積%から最大95体積%までの細胞外基質(ECM)を含み、その中に埋め込まれた分化細胞を有する3次元細胞集合体が形成されるまで、細胞を培養する。このように形成された凝集体を、スフェロイドと呼ぶ。
【0011】
細胞培養器として、懸濁液中の培養工程は、疎水性、すなわち付着を防止する、ポリスチレンまたはテフロン(登録商標)などの表面を有する細胞培養器の使用を必要とする。非疎水性表面を有する細胞培養器は、好ましくは、寒天またはアガロースを用いたコーティングによって疎水化することができる。さらなる添加剤は必要としない。好ましくは、細胞培養器として96ウェルプレートが用いられる。
【0012】
本技術に従って製造されたスフェロイドに組み込まれた細胞が生存しており、内部の細胞が長期間の培養後でさえ壊死しないことは驚くべきことである。培養時間の増加に伴って、この凝集体内の細胞は、分化してECM分化細胞および周辺増殖域からなるスフェロイドを形成する。埋め込まれた細胞による組織特異的基質の形成プロセスは、体内での組織の形成または、新生および再構築のプロセスと極めて類似性が高い。細胞培養物の分化の間に、組織特異的基質の形成によって凝集細胞の間隔が増加する。天然の組織と極めて類似性の高い組織構造がスフェロイド内に発達する。天然の軟骨と同様に、スフェロイド内の細胞は拡散によってのみ栄養素の供給を受ける。スフェロイド製造のさらなる過程で、スフェロイドの境界に増殖および遊走が可能な細胞域が形成される。この領域は、欠損へのスフェロイドの組み込み後に、この周辺域に位置する細胞が遊走して周辺組織と能動的に接触することができる点で、および/またはin vitroで製造された組織をその環境内に組み込むことを可能にする点で非常に有利である。したがって、この製造された組織特異的細胞集合体は、組織欠損の治療ならびに組織のin vitroおよびin vivo新生に使用するのに極めて適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第10013223 A1号
【特許文献2】米国特許第7887843 B2号
【特許文献3】独国特許出願公開第102009025347 A1号
【特許文献4】欧州特許第2345450 B1号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Roos EM, Lohmander LS., The Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score (KOOS): from joint injury to osteoarthritis. Health Qual Life Outcomes 2003; 1: 64.
【非特許文献2】Schubert T, Anders S, Neumann E, Scholmerich J, Hofstadter F, Grifka J, Muller - Ladner U, Libera J, Schedel J., Int J Mol Med. 2009 Apr; 23(4): 455 - 460.
【非特許文献3】Niemeyer P, Laute V, John T, Becher C, Diehl P, Kolombe T, et al . The Effect of Cell Dose on the Early Magnetic Resonance Morphological Outcomes of Autologous Cell Implantation for Articular Cartilage Defects in the Knee: A Randomized Clinical Trial. Am J Sports Med 2016.
【非特許文献4】Becher C, Laute V, Fickert S, Zinser W, Niemeyer P, John T, et al . Safety of three different product doses in autologous chondrocyte implantation: results of a prospective, randomised, controlled trial. J Orthop Surg Res 2017; 12: 71.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、公知の方法およびこれまでに入手可能なスフェロイドを改善すること、特に、無反応または治療失敗の患者または患者集団の転帰を減少させること、および患者のより高い臨床安全性のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような無反応患者は、術前状態と比較した、いわゆるKOOS値(膝外傷および変形性膝関節症転帰スコア;Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score)の8~10ポイントの変化によって識別することができる(非特許文献1参照)。
【0017】
驚くべきことに、本発明者らは、120名の患者を含む研究(NCT01225575およびNCT0122259)から、方法に関連する操作幅またはプロセスパラメータがスフェロイドの有効性に大きく影響すると結論した。
【0018】
したがって、基礎となる技術的課題は、培養時間が重要な特徴である少なくとも1つの要求によって解決される。
【0019】
特に、本発明は、軟骨細胞を増殖または増加させ、そのスフェロイドを提供する方法であって、
a)ヒトまたは動物由来の組織から軟骨細胞を分離する工程と、
b)工程a)からの細胞を、単層を広げて(2D)培養し、ここで単層は基質上に配置する工程と、
c)工程a)からの単層を採取し、懸濁液中、3D環境で前記細胞を培養する工程と、
d)ここで工程b)と工程c)の総培養時間は、工程a)の開始時間から計算して55日以下であり、工程b)の時間幅は10日を超え、
e)得られたスフェロイドを選択する工程と、
を含む、方法に関係する。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態において、工程b)の時間幅は38日未満であり、および/または工程c)の時間幅は28日未満である。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態において、工程b)の時間幅は10日を超え、または16日を超え、または20日を超え、かつ38日未満である。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態において、工程b)の時間幅は、10日を超え、かつ16日以下である。
【0023】
驚くべきことに、得られたスフェロイドは、それぞれ最適化された量およびサイズ(直径)であり、したがって、無反応または治療失敗の患者または患者集団、特に以下に概略を述べるような8未満のKOOS値を有する患者の持続可能な減少をもたらす最良の有効性のスフェロイドが提供される。
【0024】
したがって、得られ選択されたスフェロイドは、3,000~200,000個の細胞の最適化された範囲、好ましくは3,500~75,000個の細胞の範囲の細胞からなる。
【0025】
さらに、スフェロイドの直径(サイズ)は、100~1,000μmの最適化された範囲、好ましくは200~900μm、または好ましくは240~870μmである。
【0026】
得られたまたは選択されたこのようなスフェロイドは、10cm2の欠損の治療に最も有効であり、かつこれを治癒可能であり、この場合、10~70スフェロイド/cm2の量が用いられる。
【0027】
このようにして得られたスフェロイドは、医薬品を調製するためにさらに加工される。
【0028】
本発明の意味において、「基質」とは、単層を担持するのに適切な任意の材料を意味する。
【0029】
培養は、当業者に公知の細胞培養条件および培地を用いて行われる(非特許文献2参照)。
【0030】
本発明の方法は、軟骨細胞およびそのスフェロイドの有益な増加および増殖を可能にする。
【0031】
本発明によれば、KOOS値と、第1継代の前の単層培養時間(略してP0)(スピアマン、P=0.025)(
図1A)、スフェロイドの培養時間(略して3D)(P=0.026)(
図1B)、ならびに単層(略してML)およびスフェロイドにおける軟骨細胞の総培養時間(P=0.007)(
図1C)などのプロセスパラメータとの間に負の相関関係が認められた。
【0032】
図1において、患者のすべてのスフェロイドバッチについてのP0、3DおよびML+3Dの細胞培養時間に対してKOOS全体Δスコアがプロットされており、これらは、負の相関関係を示している(
図1A~
図1C)。これらの最初の所見は、移植後のより優れた臨床転帰で表される製品の品質には、より短い培養時間が有益であることを示唆している。
【0033】
これは、無反応群(KOOS<8)が、反応群と比較して、P0において有意に長い培養時間で製造されたスフェロイドバッチを投与されたという観察によって支持される(
図5A)。同様に、MLおよび3Dの総細胞培養時間は、無反応群において平均してより長いことが明らかとなった(
図5B)。これは、スフェロイドの有効性に対する悪影響および患者の転帰に対する不利益を防止するために、研究データに基づいて、細胞培養時間の操作幅またはプロセスパラメータを新たに設定および制限する必要性を強調している。
【0034】
軟骨細胞培養のための暫定最大時間を決定するために、負の相関関係が認められなくなるまで、データセットから最も長い培養時間を有するバッチを削除した(スピアマンの相関係数)。第1継代前のML培養時間(P0)について、臨床転帰に対する悪影響のない最大培養時間を19日と設定した。しかしながら、P0の培養19日目において、バッチは無反応者に属していたため、暫定最大培養時間を18日間に設定した(
図1D)。スフェロイド培養についての暫定最大許容時間を31日間に設定した(
図1E)。データセットから、P0において16日を超えて培養したバッチ、および、3Dにおいて28日を超えて培養したバッチを削除したとき、MLおよび3Dにおける総培養時間について、55日間までの培養時間を有するバッチのみが残った。この患者/バッチ群において、驚くべきことに、総培養時間と有効性との間に相関関係が認められなかった(
図1F)。
【0035】
臨床転帰と、P0、3Dおよび総培養時間との間の相関係数が大変低かった(-0.2)ため、長い培養時間で製造されたバッチについて、無反応者(KOOSスコア<8)の発生率をさらに分析した。これによって、19日と28日の間のML P0で培養したスフェロイドバッチで治療した患者群における80%と、16日と28日の間で培養したバッチについての61.5%という驚くべき高い無反応率が明らかとなった(表3参照)。16日まで培養したバッチは、28%という無反応率を示したが、全臨床治験群における31.7%という無反応者と比較して有意に低い。無反応率と、製造時の培養時間の実行可能性を合わせて考慮して、暫定最大培養時間を16日と設定したが、16日以外にさらに制限することはなかった。
【0036】
スフェロイドの培養時間の暫定的な制限を設定するために、同様な分析を行った。32日より長く培養したスフェロイドバッチをデータセットから削除した後、負の相関関係がなくなった(
図1E)。しかしながら、32日間培養したスフェロイドバッチが、すべて無反応者(n=4)に属していたため、暫定的な制限を31日間に設定した。さらに、32日から42日の間3Dで培養したスフェロイドで治療した患者は、59%(n=17)という比較的高い無反応率(表4参照)を示したため、3D培養時間もまた制限する必要があることが強調された。無反応率をさらに減少させるため、28日までの制限の可能性を考慮した。実際、培養29日と42日との間の50%という無反応率は、3Dの培養時間のさらなる制限が、反応率をさらに改善する可能性があることを示している。これに沿って、培養を42日から最大28日まで制限した群において無反応率はより低かった(それぞれ、無反応率31.7%対26.6%(表4参照))。再度、無反応率だけでなくスフェロイドの培養時間の実行可能性に基づいて、スフェロイドの培養時間を最大28日間に制限した。
【0037】
MLおよび3D培養時間の個別の評価から予想されるように、総培養時間にも臨床転帰との間に負の相関関係が認められた(
図1C)。製造プロセスにおけるMLと3Dの相加効果を明らかにするために、最初に、P0において16日を超えて培養し、3Dにおいて28日を超えて培養したバッチを、52%の無反応者を含むデータセットから除去することによって個々の影響を排除した(表5参照)。この分析に残ったスフェロイドバッチ群は、55日以下培養したものであった。この群において、培養時間と臨床転帰との間に相関が認められず、したがって、新たに設定された培養時間内でバッチが培養されたとき、P0と3Dの相加効果は認められないことが明らかとなった(
図1F)。したがって、無反応率に基づくさらなる制限には、臨床上の有効性または安全性に対する総培養時間(ML+3D)の影響のみが考慮される。55日まで培養したバッチ群は26.1%の無反応率を示したが、これはバッチ群全体の31.7%と比較して有意な改善である。
【0038】
したがって、本発明の最良の形態によれば、総培養時間は55日以下に制限される必要がある。
【0039】
要するに、これらの分析は、長い培養時間でのバッチの高い無反応率を明らかにしており、軟骨細胞の培養時間の操作幅を調整する必要性を強調している。
【0040】
長い培養時間でのバッチで治療した患者における無反応者の高い発生率を考慮して、新たに設定された制限外の長期の培養時間について、無反応群と反応群とを比較した。この時点から、この研究に含まれる患者のみをさらに分析した。なぜなら、この研究群は、マイクロフラクチャー(MFX)治療群との比較が可能であるからである。本研究において、全患者群の25%(n=12)は、移植1年後にACI治療に反応しなかった。この群に着目すれば、無反応者12例のうち2例(16.7%)がP0において16日より長く培養されたことが明らかとなり、反応者のうち8.5%のみがこの場合に相当した(36例中n=3)。長期の3D培養時間について、無反応者と反応者との間により顕著な不一致が見られた。無反応者群に属する12バッチのうち7バッチ(58.3%)が、28日より長く3Dで培養されており、反応者バッチのうち16.6%(n=8)のみがこの場合に相当した。反応群(22.2%)と比較して無反応群(66.7%)における新たに制限された培養時間外で製造されたバッチの過剰出現は、再度、培養時間を調整する必要性を明らかにしている。全研究群において、バッチの67%は、より厳しい操作幅(OR)に従って製造され(サブグループ1)、バッチの33%は、新たに設定された培養制限外で製造された(サブグループ2)。
【0041】
操作幅またはプロセスパラメータが臨床上の有効性に関連しない場合、ACI後に臨床的改善をもたらさないバッチの分布は、短い培養時間と長い培養時間のバッチ群の間で同様に分布しているはずである。このように、これらの分析は、KOOSと培養時間との間の最初の相関分析を示しており、またその製造プロセスが、ACIに用いられる軟骨細胞スフェロイドの有効性の少なくとも部分的な低下を引き起こし得ることを示している。
【0042】
細胞培養時間の制限が有効であれば、ACI治療の臨床上の有効性の改善を想定し得るため、コンパレータであるMFXと比較することによって、研究バッチの改善の可能性を定量化した。ML、3Dおよび総培養時間における細胞培養時間についての新たな制限の設定後、臨床データの後ろ向き評価を行った。ここでは、患者を2群に分割した。この分割は、前述のように設定された研究データセットからのバッチの排除に基づいている。これらのサブグループは、プロセスパラメータのP0、3DおよびML+3Dについての新たに設定された操作幅内で製造されたスフェロイドバッチ(サブグループ1)、または、培養段階の少なくとも1つがこれらの範囲外であるスフェロイドバッチ(サブグループ2)からなる。2つのサブグループ間の培養時間の違いは
図2に示されている。
【0043】
ここでは、単層(ML)および3Dにおける培養時間ならびに総培養時間(ML+3D)が、サブグループ2のバッチにおいて有意に長かったことが示されている(
図2B~
図2D)。しかしながら、P0については、2つのサブグループ間に統計的に有意な差は認められなかった(
図2A)。これは、長期の3D培養時間を有し、したがってサブグループ2に帰属されるバッチの一部は、なお、新たに設定された範囲内のP0培養時間を有していたという事実による。
【0044】
臨床転帰における差を見出すために、制限された培養時間で製造された軟骨細胞スフェロイドで治療された32名の患者からなるサブグループ1を、研究患者の全群と比較した。このサブグループは、全研究群における75%と比較して、87.5%という高い量の反応者を含む(
図3)。対照的に、新たに設定された操作幅外で培養したスフェロイドバッチで治療した16名の患者のサブグループは、移植1年後でわずかに50%の前向き臨床転帰を示したに過ぎない(
図3)。
【0045】
調整された製造プロセスによって製造されたスフェロイドで治療した患者の臨床的改善を比較するために、これらのバッチとマイクロフラクチャー治療(MFX)との間で優越性分析を行った。以下の表1を参照されたい。
【0046】
【0047】
ACI製品の移植1年後の研究臨床転帰は、マイクロフラクチャー(MFX)手術と比較して非劣性であることが示された(
図4)。MFXと比較した軟骨細胞スフェロイドベースACIのKOOS(全体Δ)平均との間の差は、移植1年後に5.75ポイントACI治療が有利であった。95%の信頼区間(CI95%)で、MFXと比較して、-1.03という下限は、ACI治療の非劣性を示した(
図4)。新たに設定された操作幅内で製造されたサブグループのKOOSベース臨床転帰の改善可能性に取り組むために、ACIサブグループ1とMFX KOOSスコアとの間の平均差を算出した。スフェロイドバッチのこのサブグループは、Spherox(登録商標)の現在の製造プロセスを表しており、MFX(CI95%)と比較して10.21の平均差および2.53の下限は、MFXよりも優れていることを示した(
図4)。したがって、長い培養時間を有するバッチの特定の群のデータセットからの後ろ向き排除は、この群においてより高い平均KOOSスコアをもたらす。
【0048】
本発明は、さらに、本発明の方法によって得られるインプラント、移植片および機能置換組織に関する。in vitroまたはin vivoで製造されるインプラント、移植片または機能置換組織は、好ましくは注入によってレシピエントの周囲の天然組織に導入することができる。本発明の方法によって製造されるスフェロイドにおいて、すなわちインプラント、移植片または機能置換組織においても、細胞分裂は行われない。機能性組織が天然組織に導入される場合、次いでそのスフェロイドは天然組織に付着(接着)し、間隙に移動(遊走)するが、分裂はしない。これにより最適の供給/回復が確実にされるが、機能置換組織の制御されない増殖のリスクはない。この目的のために、in vitroで製造された本発明の得られたスフェロイドが病気のまたは劣化した組織に注入される。そのために、注入針または他の適切な投与システムは、少なくともスフェロイドの直径を有さなければならない。適切な移送および注入システムは、出願人の特許文献3および特許文献4で開示されている。
【0049】
本発明は、また、本発明の方法によって得られるスフェロイドおよび、任意選択でさらなる賦形剤および添加剤からなるか、またはそれらを含む、調製物、特に医薬品または組織調製物、薬物、移植片またはインプラントに関する。
【0050】
本発明は、また、本発明によるスフェロイドおよび、任意選択でさらなる賦形剤および添加剤を含む、医薬品、組織調製物および薬物、特に懸濁液および溶液、特に注射液に関する。
【0051】
本発明は、また、軟骨欠損および/または骨欠損、特に外傷性軟骨欠損および/または骨欠損、病変、特に外傷性病変、軟骨変性、骨変性、変形性関節症の治療のための、ならびにin vivoでの軟骨再生治療および/または骨再生のための、本発明による医薬品、組織調製物、本発明による薬物、本発明による移植片または本発明によるインプラントの特定の治療/医薬用途に関する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】臨床転帰は細胞培養時間と相関することを示すグラフである。
【
図2】本研究のサブグループ1およびサブグループ2における軟骨細胞培養時間を示すグラフである。
【
図3】短い培養時間を有するスフェロイドバッチは、改善された反応率を示す円グラフである。
【
図4】サブグループ1および2の優越性/非劣性分析を示すグラフである。
【
図5】無反応患者の群におけるより長い軟骨細胞培養時間を示すグラフである。
【実施例】
【0053】
以下の図面および実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの図面および実施例に限定されるものではない。
【0054】
臨床転帰と操作幅またはプロセスパラメータとの間の統計的相関分析のために、全部で120名の患者の研究(前出)を用いた。本研究に用いた臨床上の有効性を評価するための主要評価項目は、「膝外傷および変形性膝関節症転帰スコア」(KOOS)のベースラインからの変化であった。72名の患者からのデータ、ACIを受けた48名の患者およびMFX治療を受けた49名の患者を本研究で評価した。それを表2に示す。
【0055】
【0056】
関節鏡検査前(ベースライン)および移植1年後の総合KOOSスコア(すべてのサブスケールを含む)を用いた[19]。臨床転帰は、ベースラインからの総合変化である2つのスコア間の少なくとも8ポイントの差を陽性と定義したが、これはKOOS質問票(www.koos.nu)の使用者の手引きに記載されているように、8~10の最小限の重要な変化(MIC)に基づく。
【0057】
製造プロセスに用いた様々な細胞培養継代間の単層培養時間、スフェロイドの培養時間および総培養時間の操作幅を、本研究のために製造されたすべてのバッチの臨床転帰に対して統計的に評価した。
【0058】
次いで、細胞培養時間のために新たに設定された範囲および制限が、製品の有効性に対して効果を有する可能性があるかどうかについて洞察を得るために、研究患者48名を、新たに設定された細胞培養時間によって製造されたバッチで治療された1つの群(サブグループ1)と、これらの制限外で製造されたバッチの2番目の群(サブグループ2)とに分割した。全群、サブグループ1、およびサブグループ2それぞれのKOOS全体Δスコアの平均値をMFX群と比較した(優越性分析)。2つのサブグループの患者特性を表2に示す。
【0059】
統計分析
マン・ホイットニーの対応のないt検定(両側t検定、P値<0.05を有意とする)を用いて平均間の差を検定した。P値<0.05を有意とするスピアマンの相関係数を用いて相関分析を行った。95%の信頼区間でウェルチの補正を用いる対応のないt検定によって、MFX治療と比較したACI治療の優越性/非劣性分析を行った。すべての統計分析はGraphPad Prism v6 (GraphPad Software社、米国)を用いて行った。
【0060】
図1.臨床転帰は細胞培養時間と相関する
本研究に用いた120のスフェロイドバッチから、移植1年後の臨床転帰に対して操作幅を評価した。第1継代前の単層(P0)(
図1A)、3D(スフェロイド)(
図1B)、ならびにMLおよび3Dの合計(
図1C)における長い培養時間は、低いKOOS全体Δスコアとの間に相関関係が認められた。長い培養時間で製造されたデータセットからのスフェロイドバッチを除去することによって、P0(
図1D)、3D(
図1E)および総培養時間(
図1F)における相関が低下した。これによって、医薬品の有効性に対して培養時間が悪影響を及ぼさないような最大培養時間に対する暫定的な制限(矢印)が可能となった。P0に対して最大培養時間を18日間(
図1D)に設定し、3Dに対して31日間(
図1E)に設定し、MLおよび3Dにおける総培養時間に対して55日間(
図1F)に設定した。rはスピアマン相関関係である。P値<0.05を有意とした。KOOSは膝外傷および変形性膝関節症転帰スコアである。
【0061】
図2.本研究のサブグループ1およびサブグループ2における軟骨細胞培養時間
新たに設定された最大培養時間内で培養したサブグループ1と、これらの制限外で培養したサブグループ2との2つのサブグループに研究バッチを分割した。ML総培養時間がP=0.003(
図2B)であり、3DがP<0.001(
図2C)であり、MLおよび3Dにおける総培養時間がP<0.001(
図2D)であることを考慮に入れれば、スフェロイドバッチは、サブグループ2において有意に長く培養された。P0(
図2A)において、2つのサブグループ間に培養時間の有意差は認められなかった(P=0.075)。なぜなら、このサブグループは、P0においてOR内(<16日)で培養された長い3D培養時間(>28日)を有するバッチを含むからである。これらの群間の平均を、P値<0.05を有意として、マン・ホイットニーのt検定(両側検定)を用いて分析した。
【0062】
図3.短い培養時間を有するスフェロイドバッチは、改善された反応率を示す
ACIを受けた患者を、2つのサブグループ(サブグループ1は制限された培養時間で製造されたスフェロイドバッチで治療された患者からなり、サブグループ2は、長い培養時間でのスフェロイドバッチで治療された患者からなる)に分割した。
図3A:患者の全研究群から、スフェロイドバッチの75%は反応患者に属する(KOOS>8)。サブグループ1(
図3B)において、患者の87.5%が適切な臨床的改善(KOOS>8)を示したが、サブグループ2(
図3C)においては患者の50%のみだった。
図3D:研究対照群(MFX)において、患者の69%が1年後に臨床的改善(KOOS>8)を示した。
【0063】
図4.サブグループ1および2の優越性/非劣性分析
本研究に含まれる患者の移植1年後の臨床転帰は、マイクロフラクチャー(MFX)と比較して非劣性を示す。スフェロイドバッチを含む本研究由来の2つのサブグループは、新たに設定されたOR内で培養されたか(サブグループ1)、または新たに設定されたOR外で培養されたか(サブグループ2)のいずれかである。治療1年後の、患者全群、サブグループ1、およびサブグループ2のKOOS全体Δスコアの平均を、MFXで治療された患者の平均KOOS全体Δスコアと比較した。より制限された培養時間内で製造されたスフェロイドバッチの後ろ向き選択は、MFX治療より優れた優越性を示す臨床転帰を有する患者の選択をもたらした。
【0064】
図5.無反応患者の群におけるより長い軟骨細胞培養時間
本研究に含まれる120名の患者から、無反応患者(KOOS全体Δスコア<8)は、P0(
図5A)および総培養時間(
図5B)において有意に長い培養時間で製造されたスフェロイドバッチを投与された。p<0.05を有意としたマン・ホイットニーのt検定。P0は第1継代前の分離された軟骨細胞の単層培養時間である。
【0065】
表3:細胞培養時間に関連した無反応率を用いた、本発明のプロセスの操作幅(OR)の設定。患者IDをグレーで示し、「N」でマークしたものは、無反応患者(KOOS<8)に対応する。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
表4:スフェロイドの培養時間に関連した無反応率を用いた、本発明のプロセスの操作幅(OR)の設定。患者IDをグレーで示し、「N」でマークしたものは、無反応患者(KOOS<8)に対応する。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
表5:総培養時間(単層および3D)に関連した無反応率を用いた、本発明のプロセスの操作幅(OR)の設定。患者IDをグレーで示し、「N」でマークしたものは、無反応患者(KOOS<8)に対応する。
【0075】
【0076】
【0077】
【手続補正書】
【提出日】2021-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟骨細胞を増殖または増加させ、そのスフェロイドを提供する方法であって、
a)
出発材料としてヒトまたは動物由来の組織から
の軟骨細胞を
使用する工程と、
b)工程a)からの細胞を、単層(2D)を広げて培養し、ここで単層は基質上に配置される工程と、
c)工程
b)からの単層を採取し、懸濁液中、3D環境で前記細胞を培養する工程と、
d)ここで工程b)と工程c)の総培養時間は、工程a)の開始時間から計算して55日またはそれ以下であり、工程b)の時間幅は10日を超え、
e)得られたスフェロイドを選択する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
工程c)の時間幅が28日未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程b)の時間幅が16日またはそれ以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スフェロイドが、3,000個を超える細胞からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スフェロイドが、3,000~200,000個の範囲、特に3,500~75,000個の範囲の細胞からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スフェロイドの直径が100~1,000μmの範囲、特に200~900μmまたは240~870μmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無反応または治療失敗の患者の転帰を減少させることを特徴と
し、ここにおいて、得られた前記スフェロイドは、軟骨欠損および/または骨欠損を有する患者の治療のために使用され、特に外傷性軟骨欠損および/または骨欠損、病変、特に外傷性病変、軟骨変性、骨変性、変形性関節症の治療のために使用され、ならびにin vivoでの軟骨再生治療および/または骨再生治療のために使用される、請求項1から
請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
患者が、8未満の「膝外傷および変形性膝関節症転帰スコア」(KOOS)を有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から
請求項8のいずれか1項に記載の方法によって得られるスフェロイド。
【請求項10】
軟骨欠損および/または骨欠損の治療に使用するための、特に外傷性軟骨欠損および/または骨欠損、病変、特に外傷性病変、軟骨変性、骨変性、変形性関節症の治療に使用するための、ならびにin vivoでの軟骨再生治療および/または骨再生治療のための、
請求項9に記載のスフェロイドを含む医薬。
【請求項11】
請求項9に記載のスフェロイドを含む医薬品。
【請求項12】
請求項9に記載のスフェロイドを含むインプラント、移植片および機能置換組織。
【国際調査報告】