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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20220801BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20220801BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20220801BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20220801BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571307
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2020065638
(87)【国際公開番号】W WO2020245364
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19178955.1
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】プレブニク,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】井上 紀彦
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC32
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル生成装置(100)を説明するものであり、装置は、消耗品(200)を第1の方向(301)に沿って受け入れ、消耗品を加熱して吸入可能な蒸気を生成させるように構成された加熱チャンバ(110)と、装置を保持するためのグリップとを含み、第1の方向及び装置の縦軸は相互に角度的にオフセットされている。このように構成されたエアロゾル生成装置を提供することにより、ユーザの喫煙経験が高められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置(100)であって、本体(101)、加熱チャンバ(110)、バッテリ(130)、及びPCB(140)を備え、
前記本体(101)が、前記装置(100)の縦軸に平行に設けられたグリップ(120)を含み、
前記加熱チャンバ(110)、前記バッテリ(130)及び前記PCB(140)が前記本体(101)の中に設けられ、
前記加熱チャンバ(110)が第1の方向(301)に延びる内面(110)を含み、前記加熱チャンバ(110)が前記第1の方向(301)に沿って消耗品を受け入れるように構成され、
前記第1の方向(301)と前記装置の前記縦軸(302)との間の角度が5°~45°である、エアロゾル生成装置(100)。
【請求項2】
前記グリップ(120)の外周が30mm~160mmである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記エアロゾル生成装置(100)が、前記装置(100)の外部から前記加熱チャンバ(110)内まで通る通気口(115)をさらに含み、前記通気口(115)が前記グリップ(120)から離れて位置している、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項4】
前記加熱チャンバ(110)が斜角のついた開口部(114)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項5】
加熱エレメント(112)をさらに備え、前記加熱エレメント(112)が前記加熱チャンバ(110)を取り囲む加熱器である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項6】
加熱エレメント(112)をさらに備え、前記加熱エレメント(112)が前記加熱チャンバ(110)を取り囲むか又はこれに隣接して位置する電磁インダクタである、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項7】
前記バッテリ(130)が前記装置の前記縦軸(302)に平行に設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項8】
前記PCB(140)が前記装置の前記縦軸(302)に平行に設けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項9】
前記加熱チャンバ(110)の周囲、及び/又は前記加熱エレメント(112)と前記バッテリ(130)及び/又は前記PCB(140)との間に配置された断熱材(113)をさらに備える、請求項7又は8に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項10】
前記エアロゾル生成装置(100)が前記装置の前記縦軸(302)に垂直な面において細長い断面を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項11】
前記細長い断面が、15mm~25mmの範囲の最小幅を有し、25mm~50mmの範囲の最大幅を有する、請求項10に記載のエアロゾル生成装置(100)。
【請求項12】
エアロゾル生成システムであって、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置(100)及び消耗品(200)を含み、
前記消耗品(200)がマウスピース(220)及び蒸気生成物質(210)を含む、エアロゾル生成システム。
【請求項13】
前記消耗品(200)が直線のスティック又はロッドである、請求項12に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項14】
前記蒸気生成物質(210)が固形又は半固形である、請求項12又は13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項15】
喫煙装置(100)であって、加熱チャンバ(110)及びPCB(140)又はバッテリ(130)を備え、
前記加熱チャンバ(110)が第1の方向(301)に延びる内面(111)を含み、蒸気生成物質(210)を受け入れるように構成され、
前記PCB(140)又はバッテリ(130)が第2の方向(302)に沿って延びるように構成され、
前記第1の方向と前記第2の方向(302)との間の角度が5°~45°である、喫煙装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成装置、及びエアロゾル生成装置及び消耗品を含むエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子たばこなどのエアロゾル生成装置は比較的よく知られており、近年、消費者に一層人気となっている。このような電子たばこについての共通の動作原理は、消耗品を燃焼させることなく加熱し、吸入のためのエアロゾル(蒸気とも呼ばれる)をユーザに提供することである。このような消耗品の例には、たばこ材料の装入物又は風味成分及びニコチンなどの有効成分を含む液体のカプセルが含まれる。
【0003】
エアロゾル生成装置は、加熱器と、加熱器に電気を供給するための電源と、消耗品が吸入用の蒸気を発するように加熱され得るように、消耗品を加熱器の付近で受け入れるための加熱チャンバなどの容器とを含むことが多い。
【0004】
近年、複数回使用のエアロゾル生成装置の需要は、使用後に処分される使い捨て装置の需要を上回っている。複数回使用の装置では、これらのコンポーネントが消耗される前に、限られた加熱時間の間に必要とされる有効成分又は風味成分を提供できるのみであるため、消耗品を交換する必要がある。これは、通常、消耗した消耗品を加熱チャンバから除去し、新たな消耗品と交換することによって実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムには、複数の欠点が存在する。具体的には、消耗品の交換は、コンポーネントのサイズ、及び使用済みの消耗品を除去し、新たな消耗品と交換する間、エアロゾル生成装置を操作して適当な向きにする必要性を考慮すると、ユーザにとって不便なプロセスであることが多い。このプロセスは定期的に実行しなければならず、それが問題を悪化させる。さらに、従来のエアロゾル生成システムにおける消耗品及び加熱チャンバの構成は、多くのユーザに、システムが使用中に操作し難いこと、保持し難いことを気づかせる。さらに具体的には、多くの従来のエアロゾル生成システムは、システムが動作されユーザが蒸気を吸入する間、ユーザに、彼らの腕、手首、及び手を不便又は不快な方法で位置付けさせる。
【0006】
したがって、これらの問題点の1つ以上に対処するエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様により、加熱チャンバ及びグリップを含むエアロゾル生成装置を提供し、ここで加熱チャンバは第1の方向に延びる内面を有し、グリップは装置の縦軸に平行に設けられ、第1の方向と装置の縦軸との間の角度は5°~45°である。
【0008】
エアロゾル生成装置にこのように構成された加熱チャンバ及びグリップを提供することにより、装置は、特に操作中及び吸入中、装置の保持と消耗品のマウスピースのユーザの口内での保持との間の角度的関係について、ユーザにとってより快適且つ自然な位置で保持可能となる。これにより、喫煙経験が高まり、消耗品の交換プロセスをより容易にできる。
【0009】
エアロゾル生成装置のグリップは、30mm~160mmの外周を有し得る。これは、装置が使用中であるかどうかに関わらず、ユーザにエアロゾル生成装置を快適且つ安全に保持させる手段を提供する。
【0010】
好ましくは、エアロゾル生成装置は、装置の外部から加熱チャンバ内に通る吸気口をさらに有し、吸気口はグリップから離れて位置しているのが好ましい。このようにして、吸気口がグリップの保持又は装置の使用の際にユーザによって覆われないことを確実にしながら、加熱チャンバに空気を取り込むことができる。
【0011】
エアロゾル生成装置の加熱チャンバは、斜角のついた開口部をさらに有し得る。これは、加熱チャンバの中に消耗品を挿入するシンプル且つ容易な手段を提供する。さらに、斜角のついた開口部は、挿入時に消耗品にダメージを与える可能性を低減する。
【0012】
本発明の一部の例では、エアロゾル生成装置は加熱エレメントをさらに備え、加熱エレメントは加熱チャンバを取り囲む加熱器である。本発明のさらに一部の例では、加熱器は薄膜抵抗加熱器である。
【0013】
本発明の他の例では、エアロゾル生成装置は加熱エレメントをさらに備え、加熱エレメントは、加熱チャンバを取り囲むか又はこれに隣接して位置する電磁インダクタである。
【0014】
加熱エレメントは、消耗品が加熱されて蒸気が吸入のために生成されるように、消耗品に熱を伝達する手段を装置に提供する。加熱チャンバに隣接して配置されるか又はこれを取り囲む加熱エレメントは、加熱チャンバにおいて、消耗品の大部分を加熱し、均一な一定の加熱を容易にし、ひいては制御した温度を維持する助力となる。加熱エレメントが電磁インダクタである本発明の一例では、加熱チャンバを取り囲むか又はこれに隣接して配置することにより、加熱チャンバを通した効率的な電磁場の生成を提供する。
【0015】
好ましくは、エアロゾル生成装置は、装置の縦軸に平行に配置されたバッテリをさらに含む。バッテリは装置のコンポーネントに電源を供給するものであり、これをこのように構成することにより、バッテリが加熱エレメント及び装置の他のコンポーネントからの熱によりダメージを受けるリスクが低減する。
【0016】
好ましくは、エアロゾル生成装置は、装置の縦軸に平行に設けられたプリント基板(PCB)をさらに備える。PCBをこのように構成することにより、PCB又は接続されたコンポーネントの何れもが、加熱エレメント及び装置の他のコンポーネントからの熱によってダメージを受けるリスクが低減する。
【0017】
第1の方向が装置の縦軸から角度的にオフセットされているため、装置の内部空間は、例えばコンポーネントのレイアウト及び配置について、より柔軟に利用し得る。
【0018】
エアロゾル生成装置は、加熱チャンバの周囲、及び/又は加熱エレメントとバッテリ及び/又はPCBとの間に配置された断熱材をさらに含み得る。上述のように配置された断熱材を組み込むことにより、装置のコンポーネントを熱から遮断する。断熱材はまた、加熱チャンバから離れて伝達される熱がより少ないために、装置の加熱効率を改善し得る。
【0019】
エアロゾル生成装置は、装置の縦軸に垂直な面において細長い断面を有し得る。これにより、装置は、ユーザによって快適且つ安全に保持可能となる。好ましくは、この細長い断面は、15mm~25mmの範囲の最小幅及び25mm~50mmの範囲の最大幅を有する。
【0020】
本発明の別の態様により、本発明の第1の態様によるエアロゾル生成装置及び消耗品を含むエアロゾル生成システムを提供し、消耗品はマウスピース及び蒸気生成物質を含み、加熱チャンバは使用時に消耗品を第1の方向に受け入れるように構成されている。エアロゾル生成装置は、請求項1に記載した本質的な特徴と、任意選択で、上述した特徴の任意の組み合わせとを有する。消耗品に含まれるマウスピースは、繰り返し使用した後に蓄積された不要な微粒子及びバクテリアによって装置が汚染されるのを防ぐ。これは、異なる種類の蒸気生成物質からの風味の望ましくない混合をも防ぐ。消耗品のマウスピースはさらに、ユーザに、蒸気生成物質に接触させることなく消耗品を挿入するか又はシステムから取り除く手段を提供する。
【0021】
消耗品は、装置の斜角のついた開口部及び/又は加熱チャンバへの楽な挿入を容易にし、且つ装置からの除去を容易にする直線のスティック又はロッドであり得る。
【0022】
好ましくは、消耗品の蒸気生成物質は、固形又は半固形である。これは、蒸気生成物質が漏れるリスクを低減し、ユーザが蒸気生成物質に不適切に接触するのを低減する。例示のタイプの固体蒸気生成物質としては、粉末、顆粒、ペレット、破片、より糸、多孔性材料、発泡体、又はシートが挙げられる。
【0023】
加熱エレメントが電磁インダクタである本発明の態様では、消耗品はサセプタをさらに備え得る。サセプタは、電磁インダクタから電磁エネルギーを吸収し、吸収したエネルギーを熱に変換する。
【0024】
蒸気生成物質は、蒸気を生成できる任意の適切な物質であり得る。蒸気生成物質は、植物由来の材料を含み得るものであり、具体的には、物質はたばこを含み得る。
【0025】
好ましくは、蒸気生成物質は、エアロゾルフォーマを含み得る。エアロゾルフォーマの例には、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が含まれる。通常、蒸気生成物質は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。好ましくは、蒸気生成物質は、乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。
【0026】
電磁インダクタを備えるエアロゾル生成装置の場合、消耗品はサセプタ材料をさらに備え、電磁インダクタが使用中にサセプタ材料を加熱するようにし得る。サセプタ材料は、限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロムのうちの1種又は複数種を含み得る。
【0027】
本発明のさらに別の態様では、加熱チャンバとPCB又はバッテリとを備える喫煙装置を提供し、加熱チャンバは第1の方向に延びる内面を有し、蒸気生成物質を受け入れるように構成され、PCB又はバッテリは第2の方向に沿って延びるように構成され、第1の方向と第2の方向との間の角度は5°~45°である。
【0028】
エアロゾル生成装置は、グリップから離れて配置されたユーザインターフェースを含み得る。ユーザインターフェースはユーザに装置を制御する手段を提供し得るものであり、さらに、加熱チャンバの温度又は残存する消耗品の使用又はバッテリの電力などのエアロゾル生成装置又はエアロゾル生成システムについての情報を表示し得る。
【0029】
エアロゾル生成装置は、装置の縦軸に垂直な面において略円形の断面を有し得る。好ましくは、略円形の断面は、10mm~35mmの範囲の直径を有する。略円形の断面は、1つ以上の弓形が除去された円形の形状を有するような斜角のついた縁部を有し得る。
【0030】
エアロゾル生成装置は、装置の縦軸に垂直な面において略卵形の断面を有し得る。好ましくは、略卵形の断面は、15mm~25mmの範囲の最小直径及び25mm~50mmの範囲の最大直径を有する。略卵形の断面は、1つ以上の楕円部分が除去された楕円形の形状を有するような斜角のついた縁部を有し得る。
【0031】
エアロゾル生成システムの消耗品は、装置の縦軸とマウスピースの縦軸との間の角度が第1の方向と装置の縦軸との間の角度よりも大きくなるような湾曲形状であり得る。湾曲形状を有する消耗品は、操作中のシステムの方向付けのさらなる可能性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】消耗品とエアロゾル生成システムとが結合されていない、本発明によるエアロゾル生成システムの概略図である。
図2】エアロゾル生成装置の加熱チャンバ及び周辺領域のクローズアップ図の概略図である。
図3A】エアロゾル生成装置が装置の縦軸に垂直な面において細長い断面を有する場合のエアロゾル生成システムの一例を示す。
図3B図3Aの装置の細長い断面を示す。
図4A】エアロゾル生成装置が装置の縦軸に垂直な面において略円形の断面を有する場合のエアロゾル生成システムの一例を示す。
図4B図4Aの装置の略円形の断面を示す。
図5A】エアロゾル生成装置が装置の縦軸に垂直な面において略卵形の断面を有する場合のエアロゾル生成システムの一例を示す。
図5B図5Aの装置の略卵形の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、本開示の例を、あくまで例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、エアロゾル生成装置100と、装置100にまだ導入されていない消耗品200とを含むエアロゾル生成システムの一例を示す。装置100は細長い本体101を有し、本体101の一部の領域は装置100を保持するためのグリップ120としての機能を果たしている。本体101の第1の端部に配置され、消耗品200を受け入れ、消耗品200を加熱して吸入可能な蒸気を生成するように構成された加熱チャンバ110がある。装置100は、加熱チャンバ110を取り囲む加熱エレメント112と、加熱エレメント112を取り囲む断熱材113とを含む。装置はさらに、プリント基板(PCB)140と、装置100及びその構成コンポーネントに電力を供給するために使用されるバッテリ130とを含む。
【0035】
図1に示した消耗品200は、マウスピース220と蒸気生成物質210とを含む。蒸気生成物質210は、固形、半固形、又は液体であってもよく、加熱されて蒸気を生成する。この例では、蒸気生成物質210はたばこである。蒸気は、生成された後、消耗品200を通って引き出され、マウスピース220においてユーザにより吸入される。図1の消耗品200は、直線のスティック又はロッドの形状をした略円筒形であるが、これは必須ではなく、装置100の加熱チャンバ110の中に適合する限り別の形状をした消耗品200が可能である。別の形状をした消耗品の一例は湾曲したロッドであり、マウスピース220が蒸気生成物質210から角度的にオフセットされている。
【0036】
装置100の本体101は、装置100がユーザにより片手で保持され、操作され得るように形成されている。図1に示す例では、装置100は、装置の縦軸302に垂直な面において細長い断面を有するように形成されているため、ユーザにより快適且つ安全に保持され得る。本体101はグリップ120そのものとして機能するように形作られてもよく、又は、グリップ120は本体の外面に接続された追加のコンポーネントであってもよい。このグリップ120は、装置100が保持され操作された際にその快適さ及び安全性を高めるものである。グリップ120の外周は、装置100がユーザによって確実に快適に保持され得るように30mm~160mmであるのが好ましい。
【0037】
本発明の加熱チャンバ110は、第1の方向301に延びる開口部114及び内面111を含む。好適な例では、加熱チャンバ110の開口部114は、消耗品200を容易に導入できるように斜角がつけられている。消耗品200は、加熱チャンバ110に導入される際、第1の方向301に沿って受け入れられ、入り込んで内面111と直接接触する。
【0038】
図1に示すように、加熱チャンバ110は、第1の方向の軸301と装置の縦軸302とが相互に平行にならないように構成される。好ましくは、これら2本の軸は、これらの間に5°~45°の範囲の角度を形成している。この構成により、装置100は人間工学構造を有し、これが喫煙経験を高めている。
【0039】
加熱チャンバ110の寸法は消耗品200と略同一であり、消耗品200と加熱チャンバ110の内面111との間に摩擦力をもたらし、加熱チャンバ110内に消耗品200を確実に保持する。消耗品200及び/又は加熱チャンバ110にはまた、加熱チャンバ110内に消耗品200をより安定して保持し、消耗品200のその後の除去を可能にもするために、非永久固定手段又はロック機構を設けてもよい。
【0040】
装置100にはさらに、装置100の外部を加熱チャンバ110に繋げるための吸気口115及び吸気路116が設けられている。これにより、ユーザは、マウスピース220によって吸入するために、空気及び生成された蒸気を消耗品200を通して引き出すことができる。操作中に吸気口115がユーザによって覆われないように、吸気口115は、装置100のグリップ120から離れて、例えば、加熱チャンバ110の開口部114に隣接する本体101の第1の端部に位置しているのが好ましい。吸気口及び吸気路を含む装置のクローズアップ図が図2に示されている。
【0041】
加熱エレメント112は、装置100の加熱チャンバ110に隣接して配置され、蒸気生成物質210に熱を伝達する手段を提供している。図1及び図2に示すように、加熱エレメント112は、物質210を均一に加熱してより効率的に蒸気を生成するように、加熱チャンバ110を取り囲んでいる。加熱エレメント112を加熱チャンバ110のより近くに配置すると、加熱エレメント112と加熱チャンバ110との間で失われる熱がより少なくなるため、装置100の電力効率がさらに増大する。可能な加熱エレメント112の例は、薄膜抵抗加熱器などの加熱器、及び電磁インダクタである。装置100には、装置100の熱に敏感なコンポーネントを加熱エレメント112が発した熱から保護するために、断熱材113が設けられてもよい。断熱材113は、加熱チャンバ110及び消耗品200以外のコンポーネントに伝達される熱がより少なくなるため、装置100の電力効率をさらに増大させ得る。この例では、断熱材113は、加熱エレメント112及び加熱チャンバ110の両方を取り囲んでいるが、他の位置及び構成はさらなる利益を提供し得る。例えば、PCB140又はバッテリ130が特に熱に敏感である場合、断熱材113が加熱エレメント112とPCB140又はバッテリ130との間にあるように、断熱材113又は追加の断熱材がこれらのコンポーネントに隣接して配置されてもよい。
【0042】
図1に示した装置100は、装置の縦軸302に略平行に配置されたPCB140及びバッテリ130を備える。PCB140及びバッテリ130は、装置100の内部空間の利用を最大限にし、これらのコンポーネントが加熱エレメント112によってダメージを受けるリスクを軽減するために、このように構成されている。バッテリ130は装置100のコンポーネントに電力を供給するものであり、例えば、PCB140及び加熱エレメント112に接続されている。ユーザが加熱エレメント112に選択的に電力を供給できるスイッチ又はボタンなどの起動手段116が設けられてもよい。図1はまた、装置の可能な内部空間をも示しており、必要に応じて他のコンポーネント150が配置されてもよい。
【0043】
一部の例では、装置100は、情報を表示する手段として、ユーザインターフェース160をさらに備え得る。表示された情報は、バッテリ電力レベル、又は加熱チャンバ110の温度が消耗品200を加熱して蒸気を生成するのに十分であるかどうかについてのインジケータを含み得る。
【0044】
図3A~Bは、エアロゾル生成装置100の一例を示し、装置100は装置の縦軸302に垂直な面において細長い断面を有している。細長い断面は、15mm~25mmの範囲の最小幅303及び25mm~50mmの範囲の最大幅304を有するのが好ましい。
【0045】
図4A~Bは、装置の縦軸302に垂直な面において略円形の断面を有するエアロゾル生成装置100の代替例を示す。略円形の断面は、10mm~35mmの範囲の直径305を有するのが好ましい。
【0046】
図5A~Bは、装置の縦軸302に垂直な面において略卵形の断面を有するエアロゾル生成装置100の別の代替例を示す。略卵形の断面は、15mm~25mmの範囲の最小直径306及び25mm~50mmの範囲の最大直径307を有するのが好ましい。
【0047】
上述から理解されるように、本発明は、加熱チャンバ110及びグリップ120が相互に角度的にオフセットされたエアロゾル生成装置100及びエアロゾル生成システムを提供する。これにより、ユーザは、装置100をより快適且つ自然な位置で保持でき、これは特に蒸気吸入時の喫煙経験及び消耗品200の交換プロセスを改善する。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
【国際調査報告】