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特表2022-535381帯材を接続する方法、帯材接続装置、処理システム及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】帯材を接続する方法、帯材接続装置、処理システム及び使用
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/18 20060101AFI20220801BHJP
【FI】
B65H19/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571429
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(85)【翻訳文提出日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2020065221
(87)【国際公開番号】W WO2020245119
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19178765.4
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504433537
【氏名又は名称】ゲオルク・ザーム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】エプハルト・ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】デリング・エルンスト
(72)【発明者】
【氏名】メプス・ザシャ
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064BB02
3F064BB17
3F064BB24
3F064DA01
(57)【要約】
本発明は、帯材接続装置(1)と、帯材ストリップを提供するために第1の帯材と第2の帯材とを接続する方法とに関する。本発明に係る帯材接続装置(1)では、第1の帯材が中断なく送られるとき、接続部分に配置された液体、特に水を介する接着接続を介して、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分との接続が行われる。さらに本発明は、2つの帯材を接続する方法、処理システム、及び方法の使用に関する。本発明に係る帯材接続装置(1)及び方法は、特に銀行券などの有価証券用の安全帯を中断なく提供するために使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理プロセスに供給される、少なくとも第1の帯材(4)と第2の帯材(6)とを有する帯材ストリップ(79)を製造するために、第1の帯材(4)の終端部分(78)と第2の帯材(6)の始端部分(64)とを接続する方法において、
以下の、
a)第1の帯材(4)の終端部分(78)と第2の帯材の始端部分(64)との間に配置された液体(73)の付着を介して、第1の帯材(4)の終端部分(78)と第2の帯材(6)の始端部分(64)とを接続し、これにより、第1の帯材(4)と第2の帯材(6)とを有する帯材ストリップ(79)が形成され、その際、液体は、
非硬化性の液体である、及び/又は
後続の処理プロセスで用いられる液体に相応する、及び/又は
水である、方法ステップと、
b)処理プロセスに帯材ストリップ(79)を中断なく供給する、方法ステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
以下の、
a)第2の帯材(6)の始端部分(64)から距離を置いて第1の帯材(4)を送る、方法ステップと、
b)液体(73)からなる湿し剤(20)を、第1の帯材(4)の終端部分(78)及び/又は第2の帯材(6)の始端部分(64)に塗布する、方法ステップと、
c)結合装置(14)を介して、第2の帯材(6)の始端部分(64)及び/又は第1の帯材(4)の終端部分(78)を移動させ、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)との間の距離が減少し、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)とが、接続部分(83)において、相互に当接するようにし、これにより、接続部分(83)において、湿し剤(20)に基づいて、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)との間の接着接続が確立される、方法ステップと、
d)接続部分(83)における付着接続の確立とともに及び/又は接続部分(83)における付着接続の確立の後で、処理プロセスへ、第1の帯材(4)と第2の帯材(6)とを一緒に移動させる、方法ステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の帯材(4)と第2の帯材(6)との一緒の移動をもたらすために第2の帯材(6)を加速する力が、部分的に、駆動装置によってもたらされることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
a)第2の帯材(6)の始端部分(64)が、結合ローラ(40)に当接し、
b)第1の帯材(4)からの第2の帯材(6)の始端部分(64)の距離が減少するように、第2の帯材(6)の始端部分(64)及び/又は第1の帯材(4)の終端部分(78)が移動するとともに、第1の帯材(4)の方へ結合ローラ(40)の移動がもたらされ、
c)第1の帯材(4)の方へ結合ローラ(40)が移動するとともに、結合ローラ(40)は、第1の帯材(4)の移動に応じて回動する送りローラ又は偏向ローラ(35)と相互作用し、これにより、付着接続の確立とともに又は付着接続の確立の後で、第1の帯材(4)の終端部分(78)と第2の帯材(6)の始端部分(64)とを一緒に移動させるために、第2の帯材(6)の始端部分(64)を加速する力が生成される
ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの位置固定のガイド装置によって、特に、
a)2本の摺動ロッド又はガイドローラ(16、17)の間で、及び/又は
b)第1の帯材(4)の長手軸線を中心に第1の帯材(4)の横断面の向きを変更する少なくとも1つの調整ローラによって、及び/又は
c)巻掛接触角に依存して第1の帯材(4)の送り方向を変更する少なくとも1本の偏向ローラ(35)によって、及び/又は
d)出口ガイド及び/又は共通ガイド式のガイド(ガイド装置12)によって、
第1の帯材(4)のガイドを行うことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
制御ユニット(59)を用いて、
a)第2の帯材(6)の端部に対する保持装置(15)の、及び/又は
b)第2の帯材(6)に対するクランプ装置(13)の、及び/又は
c)第1の帯材(4)及び/又は第2の帯材(6)に液体(73)を塗着するための塗着装置(8)の、及び/又は
d)結合装置(14)の、及び/又は
e)切断装置(9)の
作動の制御を行うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
制御ユニットが、弁(86、87、88、89)を介して、空圧アクチュエータ(27、41、57)を駆動制御し、空圧アクチュエータ(27、41、57)は、
a)保持装置(15)、又は
b)クランプ装置(13)、又は
c)塗着装置(8)、又は
d)結合装置(14)、又は
e)切断装置(9)
を作動させることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
保持装置(15)及び/又はクランプ装置(13)は、制御ユニット(59)と手動との両方を介して作動できることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
以下の、
a)保持装置(15)を用いて第2の帯材(6)を保持し、第2の帯材(6)を、クランプ装置(13)と、結合装置(14)の、保持装置(15)とクランプ装置(13)との間に配置された作業領域(70)とに導入する、方法ステップと、
b)塗着装置(8)を作動させ、これにより、第1の帯材(4)の終端部分(78)及び/又は第2の帯材(6)の始端部分(64)への液体(73)からなる湿し剤(20)の塗布を行う、方法ステップと、
c)結合装置(14)を作動させ、これにより、第2の帯材(6)の始端部分(64)の移動を行い、送られている第1の帯材(4)からの第2の帯材(6)の始端部分(64)の距離が減少し、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)とが、接続部分(83)において、相互に当接し、接続部分(83)において、湿し剤(20)に基づいて、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)との間の付着接続が確立される、方法ステップと、
を有し、
方法ステップa)、b)及びc)を、この順序で実行し、方法ステップa)、b)及びc)の間に、第1の帯材(4)の中断のない送りを行い、方法ステップc)とともに又は方法ステップc)の後に、処理プロセスへの帯材ストリップ(79)の状態で第1の帯材(4)と第2の帯材(6)との一緒の移動を行う
ことを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
a)第1の帯材と第2の帯材との複数の対(4a、6a、4b、6b、…)を並行して相互に接続して、帯材ストリップ(79a、79b、…)をそれぞれ形成し、これらの帯材ストリップ(79a、79b、…)を、並行して同一の処理装置に又は異なる処理装置に供給し、
b)少なくとも1つの又は前記の制御ユニット(59)を介して、接続のその都度の確立に必要な装置(8、9、13、14、15)の作動を制御する
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
a)第1の帯材(4)に対する第1の送り経路(3)と、
b)第2の帯材(6)に対する第2の経路(5)と、
c)塗着装置(8)であって、塗着装置(8)によって、第1の帯材(4)及び/又は第2の帯材(6)に、接続部分(83)において、液体(73)を塗着し、その際、液体は、
非硬化性の液体である、及び/又は
後続の処理プロセスで用いられる液体に相応する、及び/又は
水である、塗着装置(8)と、
d)第1の送り経路(3)及び/又は第2の経路(5)に影響を及ぼす結合装置(14)であって、
da)非作動運転位置を有し、非作動運転位置では、結合装置(14)の作業領域(70)において、第1の帯材(4)に対する第1の送り経路(3)と第2の帯材(6)に対する第2の経路(5)とが、相互に距離を置いて配置されている、
db)作動運転位置を有し、作動運転位置では、結合装置(14)の作業領域(70)において、第1の帯材(4)に対する第1の送り経路(3)と第2の帯材(6)に対する第2の経路(5)とが、相互に結合され、これにより、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)とが、接続部分(83)において、相互に当接し、これにより、第2の帯材(6)の始端部分(64)と第1の帯材(4)の終端部分(78)との間の付着接続が、接続部分(83)において、液体(73)の塗着に基づいて確立される、
結合装置(14)と、
を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施する帯材接続装置(1)。
【請求項12】
a)保持装置(15)、及び/又は
b)クランプ装置(13)、及び/又は
c)切断装置(9)
が設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の帯材接続装置(1)。
【請求項13】
少なくとも1つの電子制御ユニット(59)が設けられていて、電子制御ユニット(59)は、
a)第2の帯材(6)の一端部に対する1つの又は前記の保持装置(15)の、及び/又は
b)第2の帯材(6)に対する1つの又は前記のクランプ装置(13)の、及び/又は
c)第1の帯材(4)の塗着装置(8)の、及び/又は
d)結合装置(14)の、及び/又は
e)第1の帯材(4)の1つの又は前記の切断装置(9)の
作動を制御するための制御ロジックを有することを特徴とする、請求項11又は12に記載の帯材接続装置(1)。
【請求項14】
空圧アクチュエータ(27、41、57)が設けられていて、空圧アクチュエータ(27、41、57)は、
a)保持装置(15)、又は
b)クランプ装置(13)、又は
c)塗着装置(8)、又は
d)結合装置(14)、又は
e)切断装置(9)
を作動させることを特徴とする、請求項13に記載の帯材接続装置(1)。
【請求項15】
a)保持装置(15)、及び/又は
b)クランプ装置(13)が、
制御ユニット(59)と手動との両方を介して作動可能であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の帯材接続装置(1)。
【請求項16】
第1の帯材と第2の帯材との対(4a、6a、4b、6b、…)をそれぞれ有する複数の帯材ストリップ(79a、79b、…)に対する処理システムにおいて、
第1の帯材(4a、4b、…)と第2の帯材(6a、6b、…)とは、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法によって、それぞれ接続部分(83a、83b、…)において、第1の帯材(4a、4b、…)の終端部分(78a、78b、…)及び第2の帯材(6a、6b、…)の始端部分(64a、64b、…)における液体(73)を介して、相互に付着接続されていて、
少なくとも1つの電子制御ユニットを備え、電子制御ユニットは、制御ロジックを有し、制御ロジックによって、接続部分(83a、83b、…)における接続をその都度確立するのに必要な装置(8a、9a、13a、14a、15a、8b、9b、13b、14b、15b、…)の作動が制御される、
処理システム。
【請求項17】
a)有価証券用の安全帯として、及び/又は
b)PES帯材又はアルミニウム処理されたPE帯材として
構成された第1の帯材(4)及び第2の帯材(6)に対する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法の、又は請求項11から15のいずれか一項に記載の帯材接続装置(1)の、又は請求項16に記載の処理システムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えば、用いられる製造プロセスに基づいて、又は巻体を介して提供されることに基づいて、帯材は、限られた長さでしか提供できず、そして帯材に関する処理プロセスにおいて、この処理プロセスが、帯材の提供可能な長さよりも長い帯材ストリップを用いて実行されることが所望されるとき、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分とを接続する必要があり、これにより、両帯材から形成されるより長い帯材ストリップが作製される。確かに、このようにして複数の帯材を相互に接続可能であり、これにより、帯材ストリップの長さをさらに増加できる。帯材の送りプロセス及び/又は処理プロセスで断裂又は切離しが生じ、その結果、この帯材が、切離し又は断裂の周辺箇所で、第1の(部分)帯材の終端部分と第2の(部分)帯材の始端部分とを形成するとき、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分とを接続する方法を用いる必要もあり得る。
【0002】
本発明は、その範囲内で使用可能な、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分とを接続する方法に関する。さらに本発明は、帯材接続装置、処理システム及び新しい使用に関する。
【0003】
方法及び帯材接続装置の、本発明を制限しない考えられる利用分野として、銀行券又は入場券等の有価証券に用いられる帯状の安全帯の形態の帯材が挙げられる。この種の安全帯は、有価証券の偽造を困難にする又は不可能にするはずである。というのも、安全帯のコピーは、その模倣が困難でしかなく、これにより、許可されていないコピーを容易にそれと認識できるからである。有価証券では、安全帯を、支持材料、特に紙に埋め込むことができる。その際、安全帯は、ホログラム等の安全印が装着されたプラスチック帯材であってよい。安全帯は、巻体で提供され、巻体から繰り出され、ここでは有価証券の製造時に生じる処理プロセスに供給される。処理プロセスでは、安全帯は、支持材料に埋め込まれる。多数の有価証券の連続的な製造は、中断なく行えるので、これにより、中断のない安全帯の供給が必要である。第1の巻体を介して安全帯が提供され、この第1の巻体において安全帯が終端に至ると、第2の巻体の新たな安全帯を処理プロセスに導入しなければならない。このことは、有利には、既に、安全帯が第1の巻体から完全に繰り出される前に、第1の巻体の安全帯の終端部分と第2の巻体の安全帯の始端部分との接続によって行われる。しかし、そのために、安全帯の供給、ひいては処理プロセスの中断が必要である。接続が確立され、(古い安全帯と新しい安全帯との接続部分の、そしてこれに続いて新しい安全帯のみの)供給と処理プロセスとが再開されると、その際、両安全帯の接続部分は、後続の処理プロセスで(場合によっては、この接続部分が配置された有価証券と一緒に)選別しなければならない。
【背景技術】
【0004】
独国特許出願公開第3540324号明細書は、圧縮空気を用いて2本の繊維糸を接続する方法を開示する。ここでは、撚られた多数の個々の繊維からなる2本の繊維糸が、先ずは端部で解撚される。次いで、2つの端部が、撚られることによって相互に継ぎ合わされる。継ぎ合わされた後で、両繊維糸は、個々の繊維間の摩擦力に基づいて、そして引張荷重が掛けられると生じるセルフロックによって結束される。
【0005】
欧州特許出願公開第1209115号明細書は、綾巻きの作製に関連して、巻線材料の継ぎ合わせ接続について、スプライシングヘッドの領域で巻線材料を加温することを提案し、その際、加温は、様々な糸種の継ぎ合わせ接続にとって有利なはずである。
【0006】
独国特許出願公開第3336202号明細書には、自動ノッタ、エアスプライサ又は機械式スプライサを有する機械を介して、フィラメントヤーンによって形成された2つの帯材を接続することが知られていると記載されている。そこでは、既知の接続方法では、接続の確立中に帯材を静止させる必要があり、これが、フィラメントヤーンが供給される処理プロセスの停止及び再開を前提とすることが欠点として記載されている。この背景に対して、独国特許出願公開第3336202号明細書は、第1のヤーン糸を、第1の巻体から、糸アイレットと、糸ガイドスロットと、糸ガイドアイレットが後置された第1のスプライシングチャンバとを介して、テスト機器に供給することを提案する。第1のヤーン糸の下方の一鉛直面内に、第2の巻体から取り出された静止している第2の糸が延びる。この場合、第2の糸のルーズな端部部分は、第1のヤーン糸の下方で第1のスプライシングチャンバの手前でクランプ箇所によって保持されている。第1のヤーンの終端部分に至ると、キャリッジが、鉛直に上方へ動かされる。キャリッジは、電動式の切断装置と、引き戻し装置と、2つの糸ガイドスロット間に配置された第2のスプライシンチャンバとを支持する。キャリッジが上方へ移動すると、第2のヤーン糸は、上方から、キャリッジに支持された糸ガイドスリットと、上方へ開く第2のスプライシングチャンバとに進入する。キャリッジの上端位置に至ると、第2のスプライシングチャンバが、キャリッジと一緒には動かないフレーム固定のカウンタプレートに押し付けられ、これにより、スプライシングチャンバは、上方で閉じられる。キャリッジの上端位置では、第2のスプライシングチャンバ内で、持続的に送られる第1のヤーン糸と、依然として静止している第2のヤーン糸とが、相互に平行に小さな距離を置いて延びる。次いで、第2のヤーン糸は、クランプ箇所を緩めることによって解放され、第2のスプライシングチャンバに空圧が加えられ、これにより、両ヤーン糸の相互の交絡及び継ぎ合わせが行われる。継ぎ合わせが確立された後で、第1のヤーン糸は、第2のヤーン糸を連行できる。第2のヤーン糸の移動が始まると、第2のヤーン糸の、未だ継ぎ合わされていない自由な端部領域も、第1のヤーン糸とともに、スプライシングチャンバに進入し、これにより、第1のヤーン糸との第2のヤーン糸のこの端部領域の交絡を行ってもよい。
【0007】
独国特許出願公開第2119410号明細書は、弾性糸を用いて重なり合う複数の端部を縫い合わせることによる、ガラス繊維マルチフィラメントの端部の接続を開示する。弾性糸は、両端部を相互に押し合わせ、これにより、両端部は、摩擦接続に基づいて相互に接続されている。
【0008】
特開昭60―61452号公報は、帯材の2つの端部の形状接続に基づく接続を開示する。そこでは、第1の帯材の第1の端部に、矩形の貫通部が加工されている。第2の帯材の第2の端部に、溝状の凹部が設けられていて、第2の端部の、凹部の領域に残る横断面が、第1の端部の矩形の貫通部の横断面に対応する。形状接続に基づく接続のために、第2の端部は、第1の端部の貫通部を通ってガイドされ、第2の端部が、その凹部の領域で、形状接続に基づいて、第1の端部の貫通部に保持されている。この文献は、接続を確立するために使用可能な加工工具を開示する。
【0009】
付加的な接着テープを用いて帯材の端部を相互に接続することも知られていて、欧州特許出願公開第0001465号明細書によれば、接着帯材が、帯材の、相互に突き合わされる端部領域に、その接続のために重畳する。
【0010】
米国特許第5064488号明細書は、ロールの第1のフィルム材料の終端部分と別のロールの相応のフィルム材料の始端部分とを接続する方法及び装置を開示し、そこでは、フィルム材料は、接続後に、ラベル機械等の加工ステーションに供給される。終端部分と始端部分との接続は、継ぎ合わせによって行われる。その際、接着性物質で被覆されている継ぎ合わせストリップが、手動で始端部分に取り付けられる。これに続いて、実際の継ぎ合わせ工程が実施される。接着剤をフィルム材料の表面に塗布又は噴霧してもよい。
【0011】
米国特許第3089661号明細書は、タバコ紙のウェブの接続を開示し、そこでは、繰り出されるウェブの終端部分と新しいウェブの始端部分とが、ウェブの押合わせと加圧の継ぎ合わせの確立とによって接続され、その際、接着剤が使用されずに、ウェブ同士の間の小さな多数の接触面における圧力に基づいてウェブの溶着が行われる。
【0012】
さらなる先行技術が、米国特許出願公開第2010/0186879号明細書及び米国特許出願公開第3607507号明細書において知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第3540324号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1209115号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3336202号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第2119410号明細書
【特許文献5】特開昭60―61452号公報
【特許文献6】欧州特許出願公開第0001465号明細書
【特許文献7】米国特許第5064488号明細書
【特許文献8】米国特許第3089661号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2010/0186879号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第3607507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の基礎をなす課題は、帯材ストリップを製造するために、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分とを接続する方法を提供することであり、方法は、特に、
自動化、及び/又は
帯材ストリップに対する処理プロセスとの相互作用、及び/又は
処理プロセスへの所望されない付加的な物質の導入の減少、及び/又は
ヤーン糸ストランド又はマルチフィラメントとして構成されていない帯材に対しても用途の拡張、及び/又は
帯材の優しい取扱い、及び/又は
第2の巻体の第2の帯材の提供への第1の巻体の第1の帯材の提供の交換の容易化、及び/又は
プロセス確実性の向上
に関して改善されている。さらに本発明の基礎をなす課題は、これに対応して改善された帯材接続装置と、この種の帯材接続装置を備える処理装置とを提供することである。最後に、本発明の基礎をなす課題は、新たな使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題は、本発明によれば、独立請求項の特徴によって解決される。本発明による他の好適な形態は、従属請求項から分かる。
【0016】
発明の説明
本発明は、第1の(特に細長い)帯材の終端部分と第2の(特に細長い)帯材の始端部分とを接続できる方法に関する。そのようにすると、少なくとも第1の帯材と第2の帯材とを有する帯材ストリップが作製される。帯材ストリップの長さは、(第1の帯材と第2の帯材との接続部分の長さを引いた、又は第2の帯材の始端部分の長さと第1の帯材の終端部分の長さとの合計を引いた)第1の帯材の長さと第2の帯材の長さとの合計である。ここで、「細長い帯材」とは、特に、その長さが、帯材の最大の横方向延在長さの少なくとも1000倍、10000倍、100000倍又は1000000倍であり、及び/又は少なくとも100m、1km又は10kmの長さを有する帯材である。
【0017】
本発明に係る方法によって加工される帯材は、特に、
銀行券等の有価証券に用いられる、例えばホログラムを有する安全帯、及び/又は
被覆されていない又はアルミニウム処理されたPES又はPEからなる帯材、及び/又は
幅が厚さよりも16倍から120倍(又は30倍から100倍)大きい範囲にある帯材(例えば1mmから12mmの範囲の幅と10μmから60μmの厚さとを有する帯材)、及び/又は
ヤーン糸束又はマルチフィラメントではなく、一体的な帯材、及び/又は
プラスチックからなる帯材又は被覆されたプラスチックからなる帯材、及び/又は
面取部を有してよい及び/又は矩形であってよい(場合によっては丸み付けされた角も有する)閉じた横断面を有する帯材
である。
【0018】
本発明に係る方法では、帯材ストリップは、処理プロセスに供給され、処理プロセスでは、帯材ストリップを用いて、少なくとも1つの別の構成部材を有する最終製品が製作される、及び/又は帯材ストリップが加工される。銀行券等の有価証券に用いられる安全帯として帯材を構成する例では、帯材ストリップは、処理プロセスに供給され、処理プロセスでは、安全帯が、銀行券の基礎材料、特に銀行券の紙又は綿紙の水性の懸濁液又はスラリに埋め込まれる。
【0019】
本発明に係る方法では、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分との接続は、その間に配置された液体を介して行われる。液体は、接続部分において、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分とを、付着を介して接続し、これにより、第1の帯材と第2の帯材とを有する帯材ストリップが形成される。
【0020】
したがって、本発明によれば、従来技術に従って行われるような、フィラメントヤーン帯材の継ぎ合わせ及び接着ストリップ又は一般的な接着剤を介する接続が行われない。むしろ、以下の条件の1つ、以下の条件の任意の2つ又は以下の条件の3つ全てを満たす液体が使用される。
液体は、非硬化性液体である、及び/又は
液体は、以下の処理プロセスで使用される液体に相当する、及び/又は
液体は、水であり、その際、蒸留水又は一般的な公営の配管網から採取した水を使用できる。
【0021】
その上、液体は、以下の条件の1つ、複数、又は全てを満たすことができる。
液体は、残留物の残らない揮発性の液体である、及び/又は
液体は、帯材の表面及び材料と化学結合しない、及び/又は
液体は、不乾性液体である、及び/又は
液体は、単一の化学成分を有する純粋な液体である、及び/又は
液体は、接着作用に影響を及ぼす又は接着作用を調整する添加物又は成分を有しない、及び/又は
液体は、典型的な意味での「接着剤」ではない、及び/又は
液体は、10mPa・sより小さく、5mPa・sより小さく又は2mPa・sより小さく、0.1mPa・sより大きい又は0.5mPa・sより大きい粘度をする、及び/又は
液体は、双極子効果を介して、帯材に付着する、及び/又は
液体は、表面張力を介して、帯材に付着する、及び/又は
液体は、帯材に対して僅かな界面力を有し、この場合、固体の表面上で表面に対して液滴が形成する角度を表す接触角θ又は縁角度若しくは濡れ角は、15°より小さい、10°より小さい又は5°より小さい。
【0022】
この場合、好適には、接続は、液体を介する接続に対して付加的に、継ぎ合わせ方法又は何らかの他の方法を用いることなく行われる。
【0023】
銀行券の製造に用いられる安全帯であるとき、液体として水を使用でき、その際、水は、紙又は綿紙のスラリ中の液体としても使用できる。
【0024】
したがって、本発明によって、第1の帯材と第2の帯材との接続を確立するために、
独国特許出願公開第2119410号明細書による、重なり合う端部を縫い合わせるための弾性糸等の付加的な接続要素、又は
特開昭60-61452号公報による、形状接続に基づく帯材の接続、又は
欧州特許出願公開第0001465号明細書による、付加的な接着帯材、又は
独国特許出願公開第3540324号明細書、欧州特許出願公開第1209115号明細書及び独国特許出願公開第3336202号明細書による、ヤーンの複数のフィラメントの継ぎ合わせ
が必要であるという専門家の先入観が克服される。それどころか予想を超えて、本発明では、2つの帯材の接続が液体を介して付着によって行えることが分かった。これにより、接続の確立が容易になる。というのも、接着帯材などの追加要素の使用及び縫い付けが不要であるからである。典型的な接着剤と処理プロセスとの所望されない相互作用、ひいてはこれに伴う、処理プロセスへの所望されない成分の導入も、本発明によれば、回避できる。
【0025】
接続の確立及びその結果として生じる帯材ストリップの形成の後で、本発明に係る方法の範囲内で、帯材ストリップは、中断なく処理プロセスに供給される。その際、本発明の範囲内で、「中断のない」供給とは、特に、
停止しない、つまりゼロより大きい一定の又は可変の速度での供給とも、
規則的な供給であって、所定のサイクルタイムの後に停止した後でその都度送りが行われる、又は間欠的に規則的なパターンで供給が行われる、供給とも
解される。したがって、本発明の範囲内では、(2つの帯材の接続部分で重なり合う2つの帯材が処理プロセスに供給されるという事実を除いて)第1の帯材から第2の帯材への切替中に供給を変えるべきではない。
【0026】
本発明の一提案について、方法において、第1の帯材が、第2の帯材の始端部分から距離を置いて送られ、その際、好適には、第2の帯材は、移動しない又は長手方向に送られない。第1の帯材の終端部分への所定の液体からなる湿し剤の塗布が行われる。代替的に又は付加的に、液体からなる湿し剤は、第2の帯材の始端部分に塗布できる。結合装置を介して、第2の帯材の始端部分及び/又は第1の帯材の終端部分が移動させられ、その距離が減少する。その際、本発明は、結合装置が帯材を能動的に移動させる形態と、結合装置が帯材を解放するだけであって、これにより帯材が移動でき、例えば帯材の自重によって、自重に基づいて他の帯材の方へ「落下」できる形態との両方を含む。第2の帯材の始端部分と第1の帯材の終端部分とは、接続部分において相互に当接し、このことは、押圧力を発生させながら行ってもよい。第1の帯材と第2の帯材との間の接続部分において液体を塗着し、その結果として液体を配置することに基づいて、帯材同士の間に付着接続が確立される。その際、付着接続の確立とともに又は確立された後で、処理プロセスへ、第1の帯材と第2の帯材とが一緒に移動させられる。
【0027】
前述したように、接続の確立中に、第1の帯材が、送り速度で移動させられ、これに対して第2の帯材は、先ずは(第1の帯材へ接近する移動を除いて)送り移動させられないので、処理プロセスへの第1の帯材と第2の帯材との一緒の移動のために、第2の帯材は、第1の帯材の送り速度へと加速可能である。その際、付着を介して提供される接続は、第2の帯材を加速する力を保証するのに既に十分であるので、第2の帯材は、第1の帯材によって連行できる(場合によっては、付着接続された接続部分において、スリップを漸減して行ってもよい)。しかも、付着接続は、液体を介して、第2の帯材の加速に必要な力の所定の割合だけを提供してもよく、その際、この割合は、第2の帯材の加速に働く全ての力の例えば50%未満、40%未満、30%未満、20%未満又はそれどころか10%未満であってよい。
【0028】
本発明の格別な一提案において、第2の帯材を加速して第1の帯材と第2の帯材との一緒の移動を生じさせる力は、部分的に駆動装置に起因する、つまり付着接続の領域に生じる力だけに起因しない。例えば、別個の駆動装置を介して送りローラが駆動されてよく、この場合、別個の駆動装置は、結合装置によって第2の帯材が第1の帯材に押し付けられる前に又は押し付けられるとともに動かされる。この種の駆動装置は、結合装置の作業領域に又はその前後に配置されてよく、例えば、被駆動の送りローラによって、摩擦を介して、送りローラに少なくとも部分的に巻き掛けられた帯材を駆動する。
【0029】
この思想の格別な一発展形態において、第2の帯材の始端部分が、第1の送りローラに当接する。次いで、結合装置によって、第2の帯材の始端部分は、2つの帯材が相互に当接するまで、2つの帯材同士の距離が減少するように移動させられると、(好適には中断なく送られる)第1の帯材の方へ、結合装置の構成部材であってよい第1の送りローラが移動させられる。その際、この移動の終わりに、第1の送りローラは、第2の送りローラと相互作用し、その際、好適には、第1の送りローラの周面が、第2の送りローラの周面との摩擦接触を形成する。その際、第2送りローラは、中断なく送られる第1の帯材の移動に応じて回転する。この場合、第2の送りローラは、モータによって駆動される送りローラとして構成されてよく、この送りローラを介して、第1の帯材の中断のない送りがもたらされる又は支持される。しかも、第2の送りローラに第1の帯材が巻き掛けられ、第1の帯材の送り移動に基づいて、帯材が、第2の送りローラを回転させてもよい。2本の送りローラ間の相互作用に基づいて、加速のための力が、第1の送りローラに及ぼされ、その力によって、第2の帯材が第1の送りローラに巻き掛けられたことに基づいて駆動力が生じる。この駆動力によって、付着接続が確立された後に、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分との一緒の移動のために、第2の帯材の始端部分が加速される。したがって、この場合、一方では、2つの帯材は、付着接続を介して接続されていて、これにより、加速力の一部を保証でき、また2つの帯材の共通保持だけを保証することもできる。したがって、第2の帯材の加速のための力の少なくとも一部は、第1の帯材又は対応付けられた送りローラの送り移動から取り出される。
【0030】
本発明に係る方法の別の観点は、帯材の長手軸線を中心とする帯材の位置、送り方向及び向きに関する第1の帯材のガイドを、少なくとも1つの位置固定のガイド装置によって行わなければならないという要求に取り組む。考えられる位置固定のガイド装置として、2本の摺動ロッド又はガイドローラを使用できる。2つの摺動ロッド又はガイドローラは、相互に平行に延在してよい。この場合、摺動ロッド又はガイドローラ同士の間に間隙が形成されていてよく、この間隙を、第1の帯材が通過でき、これにより、摺動ロッド又はガイドローラが鉛直に配向されるとき、水平のガイドを保証できる。しかも、摺動ロッド又はガイドローラの周面において、第1の帯材が、逆方向へ偏向されてもよい。代替的に又は付加的に、調整ローラをガイドローラとして使用してよく、調整ローラを介して、第1の帯材の長手軸線を中心とする第1の帯材の横断面の向きの変更を行える。代替的に又は付加的に、位置固定のガイド装置として少なくとも1本の偏向ローラを使用してよく、偏向ローラを介して、偏向ローラの接触角に応じて第1の帯材の送り方向の変化が可能である。最後に、ガイド装置は、出口ガイドであってよく、出口ガイドを介して、使用される帯材接続装置から帯材ストリップが退出する位置及び向きを設定できる。さらに、共通ガイド式のガイドを用いてよく、共通ガイド式のガイドでは、同時に第1の帯材と第2の帯材とが、場合によってはこれらの接続前にガイドされていて、共通ガイド式のガイドを介して、非作動運転から作動運転位置への結合装置の切替の結果として、2つの帯材の、相互に近づく移動がガイドされる。例えば、共通ガイド式のガイドは、スロットを有するプレートとして構成されてよく、プレートにおいて、2つの帯材が上下に配置されかつガイドされ、プレートにおいて、2つの帯材が、側方で、結合装置が非作動運転位置へ移行されるとき、帯材が上下に重ね置かれるようにガイドされる。前述のガイド装置は、位置及び配向を調整できる調整装置を有してよい。
【0031】
方法を実施するのに必要な構成要素の作動は、専ら手動で行ってよい。しかも、方法の部分的な又は完全な自動化も可能である。そのために、本発明は、方法において電子制御ユニットを使用することを提案する。電子制御ユニット(及び対応付けられた制御ロジック)によって、関与する構成要素の制御を行え、ここで、本発明の範囲内で、「制御」とは、閉ループ制御及び開ループ制御を含むものである。この場合、制御ユニットによる制御を介して、保持装置の作動を行ってよく、保持装置によって、第2の帯材の一端を保持及び固定できる。代替的に又は付加的に、制御ユニットの制御部が、塗着装置の作動を行ってよく、塗着装置を介して、第1の帯材及び/又は第2の帯材への液体の塗着が行われる。代替的に又は付加的に、制御ユニットの制御部が、結合装置を駆動制御してよい。最後に、制御ユニットが、切断装置を駆動制御してもよい。その際、任意の制御哲学を利用できる。
【0032】
本発明の一提案において、制御ユニットによってエネルギ供給されない運転位置で、保持装置及び/又はクランプ装置は、(特にばねの作用に基づいて)第2の帯材を保持する又はクランプする位置にあり、他方、保持装置又はクランプ装置の解放は、(特に前述のばねの作用とは逆向きに)制御ユニットによる保持装置又はクランプ装置へのエネルギ供給によって行われる。
【0033】
制御ユニットによって駆動制御されるアクチュエータとして、任意の、直接に又は間接に電子制御されるアクチュエータを使用できる。ゆえに、例えば電気サーボモータ又はステッピングモータを使用できる。本発明の格別な一提案において、制御ユニットが、弁を介して、空圧アクチュエータ、特に空気調整シリンダを駆動制御し、この場合、空圧アクチュエータは、保持装置、クランプ装置、塗着装置、結合装置又は切断装置を作動させる。前述の装置において、複数の空圧アクチュエータを使用してよい。しかも、空圧アクチュエータがクランプ装置と切断装置との両方を作動させることによって、多機能に使用されてもよい。この場合、例えば、空圧アクチュエータの第1の部分ストロークにおいて、クランプ装置は、クランプ位置から、第2の帯材を解放する解放位置へ移行でき、解放位置では、第2の帯材が、その長手方向に移動できるが、長手方向に対して横方向では、クランプ装置によって、第1の帯材から距離を置いてガイドされている。空圧アクチュエータの第2の部分ストロークでは、切断装置は、第1の帯材を切り離すように作動させられ、その際、第2の部分ストロークで、切離しの直前に、又は切離しと同時に、又は切離しの直後に、クランプ装置がさらに開放され、第2の帯材は、第1の帯材の方へ移動できる。代替的に又は追加的に、弁を介して同時に例えば一方では作動運転位置への結合装置の移行が、そして他方では非クランプ運転位置へのクランプ装置の移行が制御されることによって、弁が、多機能に使用されてよい。
【0034】
本発明に係る方法では、保持装置及び/又はクランプ装置を、制御ユニットを介して電子的に作動させることも手動で作動させることもできると、操作オプションを拡張できる。この場合、例えば、保持装置によって巻体から第2の帯材の一端を把持又は保持し、次いで、保持装置を帯材接続装置に取り付けるために、手動による作動を用いてよい。その際、保持装置は、手動で作動させられる。好適には、保持装置は、第2の帯材の端部をばねにより固定するので、保持装置への第2の帯材の端部の導入は、ばねに対抗する手動の作動を要するが、保持装置において、第2の帯材の端部は、手動で力を加えることなく保持され、そして固定される。これに対応して、第2の帯材は、クランプ装置を手動で作動させて、非クランプ運転位置に導入でき、他方、この場合、ばねがクランプ装置を閉鎖でき、これにより、手動で力を加えることなく、第2の帯材は、クランプ装置にクランプされる。
【0035】
本発明に係る方法では、以下の方法ステップが実施される。
a)保持装置を用いて第2の帯材の一端の保持が行われる。第2の帯材は、クランプ装置に導入され、クランプ装置による第2の帯材のクランプが行われる。第2の帯材は、結合装置の作業領域にも導入される。作業領域は、保持装置とクランプ装置との間に位置する。前述の方法ステップにおいて、順序は任意である。特に、第2の帯材が繰出し装置(例えば限定的に巻き上げるいわゆるBitensoren)によって張力を掛けて保持される場合、好ましい順序は、保持装置への導入、結合装置への導入、及びクランプ装置への導入である。
b)これに続いて、塗着装置の作動が行われる。この作動に基づいて、第1の帯材の終端部分及び/又は第2の帯材の始端部分への液体からなる湿し剤の塗布が行われる。
c)これに続いて、結合装置の作動が行われる。この作動によって、第2の帯材の始端部分が移動させられ、送られている第1の帯材からの第2の帯材の始端部分の距離が減少し、これらが相互に当接し、第2の帯材の始端部分と第1の帯材の終端部分との間の付着接続が、接続部分における湿し剤に基づいて確立される。
【0036】
その際、記載のステップの前に、間に及び/又は後に、別のステップを実施できる。ゆえに、好適には、保持装置15による第2の帯材6の解放と、クランプ装置13による第2の帯材6の解放と、第2の経路5と送り経路3との結合が行われる。
【0037】
方法ステップa)、b)及びc)の間に、第1の帯材の中断のない送りが行われ、他方、(両帯材同士の間の距離を減少させる移動を除いて)第2の帯材は停止している。この場合、方法ステップc)とともに又は方法ステップc)の後に、処理プロセスへの第1の帯材と第2の帯材との一緒の移動が行われる。
【0038】
本発明の範囲内で、方法は、専ら1つの帯材ストリップに対して使用できる。しかも、確かに、少なくとも1つの処理装置で並行して複数の帯材ストリップを加工してもよく、これにより、これらの帯材ストリップは、並行する複数の処理経路で、少なくとも1つの処理装置を通過する。ここでは調整されずに場合によっては手動で個々の帯材ストリップの帯材同士の間の接続が確立されると、各々の帯材ストリップにおける2つの帯材の接続部分は、時間的にずれて、少なくとも1つの処理装置を通過する。処理装置内で製造される製品が、帯材の接続部分を含んではならない(含むと品質要件を満たさないので)とき、これらの製品の不良品としての選別が必要がある。調整されていない場合によっては手動の接続について、帯材ストリップにおいて接続部分が処理された製品を選別しなければならず、これにより、他の帯材ストリップの接続部分が存在しない他の帯材ストリップの製品も選別しなければならない、又は選別における労力を高めなければならない。本発明に係る方法は、この問題について考慮していて、この方法では、並行して第1の帯材と第2の帯材との複数の対が相互に接続されて、それぞれ帯材ストリップが形成され、帯材ストリップは、並行して、同一の処理装置に又は異なる処理装置に供給される。本発明によれば、制御ユニットが使用され、制御ユニットを介して、その都度の接続の確立に必要な装置の作動が制御され、特に同期される。例えば、同期化が行われ、個々の帯材ストリップに生じる複数の接続部分が、同時に、少なくとも1つの処理装置に供給され、次いで、これにより、接続部分を含む、同一の時点で製造された製品を、全ての処理ストリップについて、選別でき、これにより、選別のための労力を軽減でき、場合によっては不良品の低減もできる。
【0039】
本発明の基礎をなす課題の別の解決手段は、帯材接続装置であり、帯材接続装置によって、前述したように方法が実施される。帯材接続装置には、特に前述のガイド装置を介して、第1の帯材に対する第1の送り経路が設けられていて、第1の送り経路に沿って、第1の帯材が送られる。さらに、同様に前述の構成要素を介して、第2の帯材に対する第2の経路が設けられていて、第2の経路に沿って、第2の帯材が(先ずは静止して)延びる。帯材接続装置は、塗着装置をさらに有する。塗着装置によって、第1の帯材及び/又は第2の帯材に、接続部分において、液体を付着できる。帯材接続装置は、結合装置も有する。結合装置を介して、第1の送り経路及び/又は第2の経路に影響を及ぼすことができる。この場合、結合装置は、非作動運転位置と作動運転位置とを有する。
非作動運転位置では、第1の帯材に対する第1の送り経路と第2の帯材に対する第2の経路とが、結合装置の作業領域内で相互に距離を置いて配置されている。
これに対して、作動運転位置では、第1の帯材に対する第1の送り経路と第2の帯材に対する第2の経路とが、結合装置の作業領域内で、相互に結合され、第2の帯材の始端部分と第1の帯材の終端部分とが、接続部分において、相互に接触する。このようにして、第2の帯材の始端部分と第1の帯材の終端部分との間の付着接続が、接続部分における液体の塗着に基づいて、確立される。
【0040】
本発明の範囲内で、帯材接続装置は、保持装置、クランプ装置及び/又は切断装置を有してよい。
【0041】
好適には、制御ロジックを有する制御ユニットが設けられていて、制御ロジックを介して、保持装置、クランプ装置、塗着装置、結合装置及び/又は切断装置の作動を行える。
【0042】
帯材接続装置が、保持装置、クランプ装置、塗着装置、結合装置又は切断装置に対する空圧アクチュエータを有してもよい。
【0043】
帯材接続装置では、保持装置及び/又はクランプ装置が、制御ユニットを介して電子的に作動可能であっても手動で作動可能であってもよい。
【0044】
本発明の範囲内で、制御ユニットについて述べる場合には、これは、単一の局所的な制御ユニットであってよい。しかも、相互に通信する又は相互にネットワーク形成された複数のサブ制御ユニットであってもよい。
【0045】
本発明の基礎をなす課題の別の解決手段は、処理システムであり、処理システムでは、複数の帯材ストリップの処理が行われる。帯材ストリップは、それぞれ、第1の帯材と第2の帯材との対を有する。前述したように、第1の帯材と第2の帯材との対は、それぞれ、接続部分において、第1の帯材の終端部分と第2の帯材の始端部分とにおいて、液体を介して、相互に付着接続されている。本発明に係る処理システムには、少なくとも1つの電子制御ユニットが存在する。この場合、電子制御ユニットは、制御ロジックを有し、制御ロジックによって、接続部分におけるその都度の接続の確立に必要な装置の作動を制御でき、その際、この制御は、好適には同期化されて行われる。同期化によって、例えば、前述したように、複数の接続部分が処理システム内の処理プロセスに同時に供給されることを保証できる。
【0046】
本発明の基礎をなす課題の別の解決手段は、有価証券用の安全帯として構成された第1の帯材及び第2の帯材に対する、
前述したような方法の、
前述したような帯材接続装置の、又は
前述したような処理システムの
使用である。
【0047】
本発明の有利な発展形態は、特許請求の範囲、明細書及び図面から分かる。明細書に述べられた特徴及び複数の特徴の組合せの利点は、例示的なものにすぎず、代替的に又は追加的に有効であり、その際、利点は、本発明による実施の形態によって必ずしも得られなくてよい。これにより、添付の特許請求の範囲の対象を変更することなく、原出願書類及び特許の開示内容に関して、以下のことが適用される。さらなる特徴は、図面の記載から、特に複数の構成部材の図示のジオメトリ及び相対寸法、並びに構成部材の相対配置及び作用接続から看取される。本発明の異なる実施の形態の特徴又は異なる請求項の特徴の組合せも同じく請求項の選択された引用関係以外に可能であり、ここに惹起される。このことは、別個の図面に示された又は図面の説明で述べられた特徴にも当てはまる。これらの特徴は、異なる請求項の特徴と組み合わせてもよい。また、本発明のさらなる実施の形態について請求項に記載された特徴を省略してもよい。
【0048】
特許請求の範囲及び明細書に記載された特徴は、その数について、厳密にその数又は記載の数よりも大きな数で存在すると解されるべきであり、その際、副詞「少なくとも」の明示的な使用は必要ない。つまり、例えば要素と記載されていると、厳密に1つの要素、2つの要素又は3つ以上の要素が存在すると解されるべきである。これらの特徴は、他の特徴によって補足されてもよい、又は各々の製品を構成する唯一の特徴であってもよい。
【0049】
特許請求の範囲に含まれる参照符号は、特許請求の範囲によって保護される対象の範囲を限定するものではない。参照符号は、特許請求の範囲の理解を容易にする目的で用いられているにすぎない。
【0050】
以下、図面に示された好ましい実施例に基づいて、本発明について詳説するかつ記載する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】帯材接続装置を立体的に見て示す。
図2図1による帯材接続装置のクランプ兼切断装置を立体的に見て示す。
図3図1による帯材接続装置の結合装置の送りローラを立体的に見て示す。
図4図1による帯材接続装置の保持装置を立体的に見て示す。
図5】制御ユニットと帯材接続装置のアクチュエータとの相互作用を概略的に示す。
図6】2つの帯材を接続する方法の実行中の様々な時点で、図1による帯材接続装置を正面図で示す。
図7】2つの帯材を接続する方法の実行中の様々な時点で、図1による帯材接続装置を正面図で示す。
図8】2つの帯材を接続する方法の実行中の様々な時点で、図1による帯材接続装置を正面図で示す。
図9】2つの帯材を接続する方法の実行中の様々な時点で、図1による帯材接続装置を正面図で示す。
図10】2つの帯材を接続する方法の進行を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、帯材接続装置1を立体的に見て示す。帯材接続装置1は、ここではプレート状の支持構造体2を有する。支持構造体2は、帯材用の供給ステーションと、帯材ストリップが処理されて製品となる処理装置との間に配置されている(ここでは図示されていない)。支持構造体2は、位置固定に又は可動に配置されている。例えば、支持構造体2は、例えば図1では見えるグリップにおける図示されていない機構を介して、下方へ/前方へ旋回でき、これにより、帯材の導入が容易になる。下方へ旋回されていない通常運転では、例えば、支持構造体2は、ヘッド高さを越えて位置してよい。供給装置は、第1の帯材を供給するための第1の巻体及び第2の帯材を供給するための第2の巻体(場合によっては別の帯材を有する複数の別の巻体を含む)であってよい。しかも、供給ステーションは、一方では第1の帯材を、そして他方では第2の帯材を製造する製造装置であってもよい。さらに、帯材接続装置1を用いて、例えばそれぞれ異なるホログラムを有する異なる2つの帯材タイプの間の切替が実現されてよい。処理装置は、例えば銀行券等の有価証券用の製造装置であり、そこでは、複数の帯材によって形成される帯材ストリップは、銀行券の基礎材料に埋め込まれる安全帯である。
【0053】
帯材接続装置1には、第1の帯材4に対する送り経路3が形成されている。送り経路3に沿って、第1の帯材4が、中断なく送られ、このことは、一定の速度で、0より大きい可変の速度で、又は規則的なパターンで間欠的に行える。さらに、帯材接続装置1には、第2の帯材6に対する経路5が形成されている。経路5では、帯材4、6の接続前に、最初に第2の帯材6の送り移動が行われることはない。ただし、送り経路3へ向かう経路5の接近運動又は結合運動が行われる。
【0054】
帯材接続装置1は、ガイド装置7と、塗着装置8と、切断装置9と、ガイド装置10と、ガイド装置11と、ガイド装置12とを有し、これらの装置は、この向きで、送り経路3における第1の帯材4の送り方向で、第1の帯材4と相互作用する。
【0055】
帯材接続装置1は、ガイド装置7と、クランプ装置13と、結合装置14と、ガイド装置12と、保持装置15とを有し、これらの装置は、この順序で、第2の帯材6の経路5に沿って配置されている。
【0056】
帯材接続装置1の入口に配置されたガイド装置7は、円筒形の2本のガイドローラ16、17からなり、ガイドローラ16、17は、自由端部領域で、段状の拡張部を有し、その回転軸線は、ここでは鉛直に配向されている。より小さい直径を有するガイドローラ16、17の周面は、帯材4、6と相互作用するので、ガイドローラ16、17のこの部分領域の長手延在長さは、この領域が送り経路3及び経路5において延在するように寸法付けられている。ガイドローラ16、17は、支持体18に回動可能に保持されている。支持体18は、他方、ここではL字形のアングルプレートとして構成された支持要素19を介して、支持構造体2に保持されている。この場合、ガイドローラ16、17の回転軸線に対して平行に配向された調整軸線を中心とする、支持要素19に対する支持体18の回動を介して、ガイド装置7の微調整を行える。第1の帯材4の送り方向に見ると、ガイドローラ16、17は、鉛直の間隙を形成し、その間隙幅は、説明した調整によって調整できる。ガイド装置7は、一水平面内での、そして帯材4の送り方向に対して横方向の帯材4のガイドに用いられる。
【0057】
塗着装置8は、接続部を有し、接続部を介して、塗着装置8に、湿し剤20として第1の帯材4に塗布されるべき液体が供給される。さらに、塗着装置8は、出口側のノズル21を有し、ノズル21を介して、塗着装置8から到来する液体の塗布具合が設定される。塗着装置8は、さらに、電子制御式の弁86と、電子制御ユニット59を介して弁86を駆動制御するための電子制御接続部とを有する。弁86を介して、帯材4、6の接続が行われるべきときに塗着装置8を起動でき、帯材4、6の接続が行われないときには塗着装置8を停止できる。
【0058】
帯材接続装置1の図示の実施例において、切断装置9とクランプ装置13とが、図2に示された組み合わされたクランプ兼切断装置22を形成する。クランプ兼切断装置22は、ここではU字形の支持要素23を介して、支持構造体2に保持されている。クランプ装置13は、支持要素23に固定されたクランププレート24と、旋回可能に支持要素23に枢支されたクランプジョー25とを有する。ばね26、ここではねじりコイルばねを介して、クランプジョー25は、クランププレート24の方へ、クランプ位置へ付勢されていて、クランプ位置では、クランププレート24とクランプジョー25との間に導入された第2の帯材6が、経路5内でクランプされていて、ひいては保持されそして固定される。空圧アクチュエータ27と、空圧アクチュエータ27を旋回可能なクランプジョー25に接続する押圧部材又は任意の伝動接続部とを介して、クランプジョー25に作用する開放力を生成でき、開放力によって、ばね26の力に対抗して、クランプジョー25を、図2で有効な開放位置へ移行でき、開放位置では、クランプ位置でクランプされた第2の帯材6が解放される。空圧アクチュエータ27に空気の力が加えられないとき、クランプ装置13は、クランプ位置を占め、これに対して、図2によるクランプ装置13の開放位置における通過には、空圧アクチュエータ27に空気の力を加える必要がある。空圧アクチュエータ27も、電子制御弁87を介して、電子制御ユニット59によって駆動制御される。
【0059】
クランプ兼切断装置22の空圧アクチュエータ27は、押圧部材又は伝動接続部を介して、切断装置9を作動させるために切断装置9に連結されていて、その際、ここでも、空圧アクチュエータ27をクランプ装置13に連結するのと同一の伝動接続部又は連結棒を使用できる。切断装置9は、切断ナイフ28を有し、切断ナイフ28は、支持要素23に対して旋回軸線29を中心に回動可能に枢支されている。切断ナイフ28は、ツーピースのレバーを形成し、ここでは、1つのレバー部分が、切断エッジを形成し、これに対して他方のレバー部分に、伝動接続部又は連結棒30が枢着されていて、伝動接続部又は連結棒30を介して、切断ナイフ28が、空圧アクチュエータ27に連結されている。
【0060】
空圧アクチュエータ27の構成及び駆動制御は、空圧アクチュエータ27が第1の部分ストロークと第2の部分ストロークとを有するように行われる。第1の部分ストロークでは、クランプ位置から図2による開放位置へのクランプジョー25の開放を行える。この開放位置では、第2の帯材6は、その長手方向に移動できる。他方、第2の帯材6は、開放位置で、鉛直方向にクランプジョー25とクランププレート24との間でガイドされていて、これにより、開放位置で、クランプ装置13の領域で、第1の帯材4と第2の帯材6との間の距離が維持される。第1の部分ストロークでは、切断ナイフ28も旋回させられ、ただしその際、切断ナイフ28は、切断位置に至らない。したがって、第1の部分ストロークは、専らクランプ装置でクランプされた第2の帯材6の解放に利用され、その間、引き続き鉛直方向でガイドが行われる。これに対して、第2の部分ストロークでは、クランプジョー25がさらに開放され、これにより、第2の帯材6の下側のガイドが解消され、第2の帯材6は、送り経路5に沿って延びるまで下方へ動かされ得る。同時に、切断装置9によって、第1の帯材4の切離しが行われるので、その際、第2の帯材6を用いたプロセスを継続できる。
【0061】
第2の部分ストロークでは、旋回ナイフ28は、旋回ナイフ28が第1の帯材4と相互作用できる閉鎖位置又は切断位置へ移行され、その際、切断位置では、支持要素23に保持された対向面に切断ナイフ28の切刃が押し付けられてよい。
【0062】
したがって、空圧アクチュエータ27は、切断装置9とクランプ装置13との両方を作動させることによって多機能に用いられる。
【0063】
電子制御ユニット59による電子駆動制御に基づいて、空圧アクチュエータ27を介してクランプ兼切断装置22を作動させる他に、クランプ兼切断装置22の手動の作動も行える。支持要素23に、旋回可能に操作レバー31が枢支されている。操作レバー31は、連結棒又は伝動接続部32を介して、クランプジョー25(及び切断ナイフ28)に連結されている。(特に第2の帯材6の導入を実現するために)操作レバー31が手動で押し下げられると、操作レバー31に生成され、そして連結棒又は伝動接続部32を介して伝達される手動の作動力が、クランプジョー25を、図2による開放位置へ移行でき、そのためには、手動の作動力が、ばね26の閉鎖力を克服しなければならない。
【0064】
ガイド装置10は、ガイドローラ34であり、ガイドローラ34は、第1の帯材4の下面に沿って転動し、第1の帯材4の横断面の正しい整向を保証する。特に、ガイドローラ34は、帯材4が面取部でもって上向きに配向されているので、面取部に、塗着装置8から湿し剤20を塗着でき、そして以下にさらに説明するように、第2の帯材6が、面取部の領域で所望の付着接続を確立するために、上方から第1の帯材4の面取部上へ載置できることを保証する。帯材4、6が、矩形の横断面を有する帯材であるとき、ガイドローラ34は、例えば、第1の帯材4の矩形の横断面の長辺が水平に配向されることを保証し、その際、第2の帯材6の横断面の相応の配向も保証される。
【0065】
ガイド装置11は、偏向ローラ35として構成されている。第1の帯材4は、所定の円周角で(図示の実施例においては例えば20°から60°の範囲)偏向ローラ35に当接する。円周角に応じて、第1の帯材4の送り方向及び延在の変更が行われ、その変更によって、第1の帯材4は、帯材接続装置から退出し、第1の帯材4は、処理装置に供給される。
【0066】
任意選択的に、ガイド装置11の下流側に、別のガイド装置12が配置されてよく、ガイド装置12は、図示の実施例において、鉛直のスロット37を有するプレート36として構成できる。第1の帯材4は、スロット37を通って延在し、これにより、第1の帯材4の水平のガイドが行われる。さらに、ガイド装置12は、スロット37に対して横向きに配向された、相互に距離を置いた2本のガイドローラを有し、スロット37において、第1の帯材4(及び第2の帯材6、下記参照)の最上位置と最下位置とを設定可能である。
【0067】
結合装置14は、結合ローラ40とガイドローラ33とを有する。ガイドローラ33、34は、帯材4、6が水平に配向されていて、そして相互に僅かな鉛直方向の距離を置いて上下にガイドされるように働く。ガイドローラ33及び結合ローラ40は、制御ユニット59によって弁88を介して電子制御されるここでは空圧のアクチュエータ41を介して可動であり、第2の帯材6の経路5と第1の帯材4の送り経路3とを1つに結合でき、第1の帯材4と第2の帯材6との間に押圧力を及ぼすことができる。図示の実施例において、ガイドローラ33及び結合ローラ40は、旋回レバー42に枢支されている。旋回レバー42は、他方、旋回可能に支持構造体2に枢支されている。旋回レバー42に、旋回レバー42の旋回軸線から離れて、空圧アクチュエータ41が、連結棒又は伝動接続部を介して作用するので、空圧アクチュエータ41の作動によって、旋回レバー42の旋回運動がもたらされ得る。好適には、旋回レバー42は、空圧アクチュエータ41に空気の力が加えられないとき、初期位置にあり、初期位置は、以下、非作動運転位置とも称され、初期位置では、第2の帯材6の経路5は、第1の帯材4の送り経路3から距離を置いて配置されている。空圧アクチュエータ41の空圧による作動によって、旋回レバー42及び結合ローラ40が、結合位置を占め、結合位置は、作動運転位置とも称され、結合位置では、帯材4、6が相互に当接し、場合によっては相互に押し付けられる。
【0068】
図3は、結合ローラ40の考えられる一態様を立体的に見て示す。結合ローラ40は、基本的に円筒形の帯材ガイド面43を有し、帯材ガイド面43は、軸方向端部で、摩擦リング44、45を形成する横断面拡張部を有する段部によって画定されている。帯材ガイド面43に被覆、粗面化等を施してよく、これにより、結合ローラ40と帯材4、6との間の接触条件に影響が及ぼされる。結合ローラ40又は結合ローラ40の一部が弾性を有してよい、又は摩擦リング44、45だけが弾性を有してよい。
【0069】
図4は、保持装置15の考えられる一態様を立体的に見て示す。保持装置15は、クランプ装置46を有し、クランプ装置46によって、第2の帯材6の前側の自由端部をクランプできる。図示の実施例において、クランプ装置46は、2つのクランプジョー47、48を有し、クランプジョー47、48は、クランプばね49を介して、クランプ位置又は閉鎖位置に付勢され、閉鎖位置では、クランプジョー47、48の端部領域に配置されたクランプ面50、51が、第2の帯材6の前方の自由端部をクランプする。
【0070】
クランプ装置46は、解除可能な接続部52を介してキャリッジ53に掛止又は取付けできる。解除可能な接続部52は、例えば任意の差込接続部、係止接続部又は掛止接続部として構成されてよい。図示の実施例において、解除可能な接続部は、ピン54、55を有し、ピン54、55は、水平方向にキャリッジ53に差し込める。キャリッジ53は、リニアガイド56を介して、並進1自由度で摺動ガイドされる。好適には、並進自由度は、正確に又は大体において、送り経路3若しくは経路5の方向に、又は送り経路3若しくは経路5に対して平行に配向されている。
【0071】
キャリッジ53は、そこに図示された空圧アクチュエータ57によって、キャリッジ53に保持されたクランプ装置46と一緒に移動できる。キャリッジ53のこの移動によって、移動制御されて、クランプ面51を有するレバー部分ではない、クランプジョー47のレバー部分が、移動制御されて、作動面58に当接する。さらに移動すると、クランプジョー47の端部領域は、作動面58に沿って滑動する。作動面58が、並進移動方向に対して傾斜しているので、これがクランプジョー47の旋回をもたらし、これにより、クランプ面50、51は、相互に離反し、クランプばね49の作用に対抗して、クランプジョー47、48の開放が行われ、これにより、第2の帯材の端部を解放できる。図示の実施例において、キャリッジ53は、クランプ装置46と一緒に、リニアガイド56に沿って移動し、これには、静止している作動面58を介する移動制御を伴う。しかも、開放運動をもたらすためにクランプ装置46が動かされず、クランプ装置46は、リニアガイド56に位置固定に保持されている又はリニアガイドが全く設けられておらず、これに対して、この場合、空圧アクチュエータ57が作動面58を動かすことも十分に可能である。ここでも、空圧アクチュエータ57は、適切な電子制御弁89を介して、電子制御ユニット59によって駆動制御される。図示の直線移動において、有利には、クランプジョー51が、水平に第2の帯材6から離反される。したがって、第2の帯材6は、クランプジョー51の上に留まれず、確実に落下する。
【0072】
図5は、制御ユニット59による、塗着装置8と、クランプ兼切断装置22と、結合装置14と、保持装置15との調整された駆動制御を示す。ここでは、制御ユニット59は、好適には、空圧アクチュエータ27、41、57又は塗着装置8に対応付けられた電子弁86、87、88、89を駆動制御する。しかも、例えば直接に電気制御信号を力及び移動へと変換する別のアクチュエータ(例えば電気ステップモータ又は電気駆動装置)を使用してもよい。
【0073】
図6から図9には、帯材接続装置1によって実行可能な、帯材4、6を接続する方法が、それぞれ異なる方法段階で示されていて、この方法は、図10による方法進行に基づいても説明される。
【0074】
方法ステップ60について、帯材接続装置1が図6に示されていて、この方法ステップ60では、第1の帯材4が、送り経路3に沿って、送り移動61でもって、帯材接続装置1を通って運ばれ、下流側に配置された処理装置に供給される。
【0075】
方法ステップ62では、第2の帯材6が、帯材接続装置1に導入される。方法ステップ62は、既に第1の帯材4に対する送り動作の開始前に実行できるので、一方では、第1の帯材4が帯材接続装置1に導入され、他方では、第2の帯材6が帯材接続装置1に導入され、既に第1の帯材4に対する送り動作の開始前に、第1の帯材4の送りから第2の帯材6へと後で切り替えられるように配慮されている。しかも、第1の帯材4が所定の時間送られたら、又は第1の帯材4の場合によっては測定される所定の長さが送られたら、又は第1の帯材4の終端部分78が接近する若しくは到達すると、第2の帯材6の導入を行ってもよい。
【0076】
方法ステップ62において、方法ステップ63で先ずはクランプ装置46が保持装置15から取り出され、第2の帯材6の始端部分64の自由端部が、クランプ面50とクランプ面51との間にクランプされる。このことは、例えば、第2の帯材6が巻き取られている1つの巻体の範囲内で行える。その際、手動でクランプ装置46が開かれ、端部が、クランプ面50とクランプ面51との間に導入され、クランプ装置46は、クランプばね49の作用に基づいて手動の作動力が解消されるとともに、クランプ位置に至る。これに続いて、第2の帯材6の始端部分64が、帯材接続装置1に導入される。そのために、始端部分64は、方法ステップ65で、ガイド装置7に導入される。方法ステップ66では、操作レバー31の手動の作動を介して、クランプ装置13が開かれ、始端部分64が、クランププレート24とクランプジョー25との間に置かれる。操作レバー31による手動の作動力が解消されると、ばね26が、クランプジョー25を閉じ、これにより、始端部分64が、クランプ装置13によってクランプされる。その際、切断装置9の作動は、第1の帯材4の切離しをもたらす程度には行われない。方法ステップ67では、始端部分64が、ガイドローラ33に当接され、その際、ガイドローラ33の巻掛け接触角は、ほんの数度(特に1°から10°又は2°から6°)であってよく、そして結合ローラ40に沿ってガイドされる。方法ステップ68では、始端部分64が、ガイド装置12を通ってガイドされる。最後に、方法ステップ69で、クランプ装置46が、保持装置15のキャリッジ53に取り付けられる又は掛止される。このように導入された状態では、送り経路3は、経路5から離間しているので、2つの帯材4、6の間にはどこでも中間スペースが存在する。結合装置14は、非作動運転位置にあり、これにより、結合装置14の作業領域70において、帯材4と帯材6との間に依然としてわずかな間隙が存在する。前述の全ての方法ステップの間、送り移動61を伴う帯材4の中断のない送りが継続して行われ、これに対して、第2の帯材6の送りは行われない。その際、ガイドローラ34及び/又は偏向ローラ35の回転が、第1の帯材4とガイドローラ34及び/又は偏向ローラ35との摩擦によって惹起される。しかも、例えば偏向ローラ35を、ここでは図示されていない駆動装置を介して駆動してもよい。
【0077】
次に、方法ステップ71において、2つの帯材4、6の実際の付着接続の確立が行われる(図8参照)。
【0078】
そのために、方法ステップ71で、(特に制御ユニット59によって弁86を介して)塗着装置8が駆動制御され、塗着装置8が液体73を塗布し、これにより、第1の帯材4に、第2の帯材6に向いた側で、湿し剤20が生成される。
【0079】
第1の帯材4の、湿し剤20が装着された部分が、結合装置14の作業領域70に至ると、方法ステップ74で、(特に制御ユニット59によって弁88を介して)結合装置14が作動させられ、その結果、旋回レバー42が、旋回方向75に旋回させられる。その結果、結合ローラ40は、摩擦リング44、45でもって、偏向ローラ35の周面に当接する。このように成される摩擦接触に基づいて、結合ローラ40が回転させられる。摩擦リング44、45の高さ及び弾性は、帯材ガイド面43の周面と偏向ローラ35の周面との間で、第2の帯材6が、湿し剤20が装着された第1の帯材4上に置かれ、第1の帯材4に押し付けられるように構成されている。長手方向に第2の帯材6を移動させる条件は、保持装置46及びクランプ装置13による解放である。湿し剤20によって保証される付着に基づいて、第1の帯材4による第2の帯材6の連行が行われ、その際、連行は、直接に行える、又はスリップを減少させながら第2の帯材が徐々に加速されて行われる。先ずは、張力だけが第1の帯材4によって及ぼされる。第2の帯材6が動かされると、押付け又は巻掛けに基づいて、ガイドローラ33も回動させられる。
【0080】
この結合の直前に、結合とともに又は結合の直後に、一方法ステップで、(特に制御ユニット59と弁89とを介して)アクチュエータ57の作動が行われ、クランプ装置46が、非クランプ位置へ移行され、これにより、第2の帯材6の自由端部が解放され、その自重に基づいて第1の帯材4上に落下し得る。第2の帯材6が水平に第1の帯材4の隣に位置するのを回避するために、第2の帯材6は、ガイド装置12によって水平方向でガイドされてよい。
【0081】
結合の前に、結合とともに又は結合の直後に、さらに(特に制御ユニット59による弁87の駆動制御を介して)クランプ装置13は、解放位置へ移行され、そのために、アクチュエータ27が、第1の部分ストロークを実行する。クランプ装置13の解放位置でも、クランプ装置13は、第2の帯材6を、引き続き距離を置いて第1の帯材4の上方で保持するので、帯材4、6の結合は、結合装置14の作業領域70内で初めて行われる。接続が確立された後に、可能な限り短い期間及び帯材ストリップの部分の可能な限り短い長さにわたって、帯材接続装置1の下流側に配置された処理装置に、帯材ストリップの接続部分が供給され、接続部分では、第2の帯材6の始端部分64が、第1の帯材4の終端部分78に載置し、これらの部分が、湿し剤20を介して、第1の帯材4の終端部分78の自由端部に至るまで、相互に付着接続されている。しかも、帯材4、6が重畳し合う接続部分が可能な限り短く保持されると有利である。
【0082】
任意選択的な方法ステップ80では、十分な付着作用が得られるように長さが寸法設定された接続部分の下流側で、切断装置9を介して、第1の帯材4の、もはや必要とされない残端部81を分離除去できる。その際、制御ユニット59を介して、クランプ兼切断装置22のアクチュエータ27が、第2の部分ストロークも実行するように駆動制御され、切断ナイフ28が、その端部でもって、第1の帯材4を切り離す。
【0083】
最後に、方法ステップ82で、クランプ装置13による第2の帯材6の解放が行われ、第2の帯材6は、図6による通常の送り動作で、第1の帯材4の位置を占めることができ、これにより、第2の帯材6は、送り経路3に沿って移動させられ、第2の帯材6は、場合によっては生じる後の他の帯材との接続プロセスを見越して、第1の帯材4の方へ移動させられる。これと同時に又はこれに近い時点で、制御ユニット59が、接続装置14を制御して、結合ローラ40と偏向ローラ35との摩擦接触が生じない非作動運転位置に戻す。
【0084】
第1の帯材4と第2の帯材6との接続は一度だけ行えばよい。しかも、このプロセスは、帯材の端部に至るごとに実行されるので、長さが帯材4、6の長さの数倍に相当する帯材ストリップ79が作製されてもよい。
【0085】
本発明に係る方法によって、特に、帯材4、6の接続を、プロセスに関与しない補助剤、つまり例えば接着テープ、接着剤又は縫糸を使用することなく行える。それどころか、液体73に関して、例えば、いずれにせよ処理プロセスで使用される又は残留物が残らない揮発性の水を使用してよい。さらに、本発明に係る方法によって、制御ユニット59又は相互にネットワーク接続される若しくは通信する複数の制御ユニットによって、調整しつつ、並行して同時に帯材の複数の対を相互に接続できるようになるはずである。
【0086】
塗着装置8は、ノズル21を有して又は他の形で構成され得る、液体73用の噴霧器を具備してよい。
【0087】
帯材4と帯材6との間に液体の他には何も配置されない、特に空気が配置されないように、第1の帯材4の湿し剤20を構成してよく、かつ接続装置14の領域で帯材4、6の押圧を行ってよい。
【0088】
結合ローラ40及び/又は偏向ローラ35は、弾性を有してよい。
【0089】
説明された、結合装置14の運転位置の他に、結合装置14は、(制御ユニット59を介して又は場合によっては手動で)拡張された開放位置へ移行可能であってよく、開放位置では、第2の帯材の導入が容易である。
【0090】
偏向ローラ35が高密度の材料から構成されている又は偏向ローラ35に回転する付加的な質量が備え付けられていてよく、したがって、偏向ローラ35は、結合ローラ40よりも大きな慣性質量(例えば少なくとも1.5倍大きい、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい又は少なくとも5倍大きい)を有してよいので、偏向ローラ35の大きな慣性質量によって、結合ローラ40の加速をもたらすことができる。ローラ33、34、35、40の任意の1つが、送り移動を補助するために、付加的な駆動装置を介して駆動されてもよい。
【0091】
任意選択的に、方法ステップ84で、例えば、接続部分83にインキを塗布することによる着色表示を行えるので、接続部分83を処理プロセスに供給した後に、処理プロセスによって作製されていて接続部分83が位置する製品を後で容易に選別できる。
【0092】
アクチュエータ22が空圧式に構成されている場合には、空圧アクチュエータ27の作動時にそれぞれ異なる圧力レベルによって2つの部分ストロークの区別を行えるので、対応する圧力調整装置を使用できる。
【0093】
第2の帯材6の加速によって、第2の帯材6は、スリップが減少するにつれて送り移動61の速度に近づく送り移動85を行う。
【0094】
摩擦リング44、45の狭い円筒形の周面は、偏向ローラ35の周面によって連行できる連行面を形成する。
【0095】
摩擦リング44、45の半径方向の寸法によって、偏向ローラ35の周面と帯材ガイド面43の周面との間に間隙が形成され、この間隙によって、結合ローラ40における第2の帯材6の保持力が低下する。偏向ローラ35と結合ローラ40との間で帯材4、6に作用する垂直力は、結合ローラ40、摩擦リング44、45及び/又は偏向ローラ35の弾性と、摩擦リング44、45の半径方向の寸法とによって構造的に設定できる。
【0096】
明細書及び特許請求の範囲において、共通の1つの処理プロセス又は複数の並行の処理プロセスに対して複数の帯材ストリップ79a、79b…を同時に提供するための複数の帯材接続装置1a、1b…の並行の運転も適用される。ここでは、異なる並行の装置の同一の構成要素に対して同一の符号が用いられ、この場合、対応する、並行して運転される装置は、補足的な文字a、b…によって相互に区別されている。
【0097】
帯材4、6の幅は、好適には0.5mmから20mmの範囲又は1mmから12mmの範囲にあり、この場合、記載の両方の範囲に対して、帯材4、6の厚さは、5μmから80μmの範囲又は10μmから60μmの範囲にあってよい。
【0098】
前述の実施の形態に対して代替的に、クランプ装置13に対する空圧アクチュエータ27の駆動制御と、結合装置14を駆動制御するための空圧アクチュエータ41の駆動制御とに対して、同一の(ゆえに多機能の)弁が使用されてよい。この場合、空圧の設定は、多機能の弁を介して制御される同一の空圧が、結合装置14を非作動運転位置から作動運転位置へと切り換え、同時にクランプ装置13を非クランプ運転位置へ移行させるのに十分であるように行われ、その際、さらに開放された運転位置へのクランプ装置13の開放が行われず、ひいては切断装置9の作動も行われない。この場合、第1の帯材4の余剰の端部領域の切断は、付着接続が確立された後に、操作レバー31の手動の作動によってもたらされ得る。
【0099】
第2の帯材6は、第1の帯材4がまだ終端していないときに、プロセスの進行中に手動で追加される。その際、紙の製造ステップは中断されない。帯材4、6が二重に位置する領域は、マーキングされ、後で選別される。
【符号の説明】
【0100】
1 帯材接続装置
2 支持構造体
3 送り経路
4 第1の帯材
5 経路
6 第2の帯材
7 ガイド装置
8 塗着装置
9 切断装置
10 ガイド装置
11 ガイド装置
12 ガイド装置
13 クランプ装置
14 結合装置
15 保持装置
16 ガイドローラ
17 ガイドローラ
18 支持体
19 支持要素
20 湿し剤
21 ノズル
22 クランプ兼切断装置
23 支持要素
24 クランププレート
25 クランプジョー
26 ばね
27 空圧アクチュエータ
28 切断ナイフ
29 旋回軸線
30 伝動接続部、連結棒
31 操作レバー
32 連結棒、伝動接続部
33 ガイドローラ
34 ガイドローラ
35 偏向ローラ
36 プレート
37 スロット
38 ガイドローラ
39 ガイドローラ
40 結合ローラ
41 空圧アクチュエータ
42 旋回レバー
43 帯材ガイド面
44 摩擦リング
45 摩擦リング
46 クランプ装置
47 クランプジョー
48 クランプジョー
49 クランプばね
50 クランプ面
51 クランプ面
52 解除可能な接続部
53 キャリッジ
54 ピン
55 ピン
56 リニアガイド
57 空圧アクチュエータ
58 作動面
59 制御ユニット
60 方法ステップ
61 送り移動
62 方法ステップ
63 方法ステップ
64 始端部分
65 方法ステップ
66 方法ステップ
67 方法ステップ
68 方法ステップ
69 方法ステップ
70 作業領域
71 方法ステップ
72 方法ステップ
73 液体
74 方法ステップ
75 旋回方向
76 方法ステップ
77 方法ステップ
78 終端部分
79 帯材ストリップ
80 方法ステップ
81 残端部
82 方法ステップ
83 接続部分
84 方法ステップ
85 送り移動
86 弁
87 弁
88 弁
89 弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】