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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】流れ検出回路
(51)【国際特許分類】
   G01P 13/00 20060101AFI20220801BHJP
   G01P 5/08 20060101ALI20220801BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20220801BHJP
【FI】
G01P13/00 Z
G01P5/08 G
G01F1/00 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572031
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 NL2020050371
(87)【国際公開番号】W WO2020246892
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】PCT/NL2019/050345
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】591211799
【氏名又は名称】ハイネケン サプライ チェーン ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】Tweede Weteringplantsoen21 1017 ZD Amsterdam The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン・ヨハネス・コルネリス・フリフューン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・アドリアーン・ドロンカート
【テーマコード(参考)】
2F030
2F034
【Fターム(参考)】
2F030CA05
2F030CC01
2F034AA03
2F034CA11
(57)【要約】
飲料の分配システムは、タップシステム内に、管体を収容する穴を有する。穴に沿って、管体付近または管体上に、少なくとも2つの電極が設けられ、管体に沿った少なくともいくつかの箇所において、2つの電極が管体を挟んで互いに対向するように設けられてコンデンサを構成する。発振信号は一方の電極に提供され、他方の電極から信号が読み出される。管体を通して飲料が容器に引き出されると、コンデンサの容量が変化する。流れる飲料は異なる特性を有する可能性があるが、管体内の飲料が、グラウンド接点と接し得る容器と導電接触すると、容量もまた変化する。容量の変化は、第2の電極に接続された検出回路の振幅の変化につながる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を分配するタップの管体を通る流れを検出する回路であって、
交流信号を容量要素に提供するよう構成された信号端子を有する交流信号源を備え、前記容量要素は前記管体の長さの少なくとも一部に沿って前記管体に隣接して設けられた2つの電極を有し、前記信号源はさらにゼロ端子を有し、前記交流信号を第1の基準コンデンサの第1の基準電極に提供するよう構成され、
検出回路を備え、前記検出回路は、
- 前記容量要素に接続され、前記検出回路に含まれる感知端子における前記容量要素からフロー信号振幅値を検出し、
- 前記第1の基準コンデンサの第2の基準電極に接続され、前記検出回路に含まれる基準端子における前記第1の基準電極から基準信号振幅値を検出し、
- 前記フロー信号振幅値を前記基準信号振幅値と比較することに基づいて前記検出回路に含まれる検出端子における検出信号を提供するよう構成され、
処理回路を備え、前記処理回路は、
- 前記検出信号を受け取り、
- 前記検出信号が所定の基準を満たすかを判断し、
- 前記所定の基準を満たす場合はフロー信号を提供するよう構成された、回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路において、
前記交流信号源は、前記管体の長さの少なくとも一部に沿って設けられた第1のコンデンサ電極に接続されるよう構成された信号端子を有し、
前記検出回路は、電極信号を受け取るため、前記管体の長さの少なくとも一部に沿って設けられた第2のコンデンサ電極に接続されるよう構成されている、回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回路において、
前記検出信号と基準制御信号とを加算し、制御検出信号を提供する加算回路をさらに備え、
前記処理回路はさらに、前記制御検出信号に基づいて前記基準制御信号を提供するよう構成されている、回路。
【請求項4】
請求項3に記載の回路において、
前記処理回路は、さらに、前記基準制御信号を生成するPIDコントローラを有する、回路。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の回路において、
前記検出回路は、ピーク検出回路を有し、前記検出信号は前記ピーク検出回路の出力に基づく、回路。
【請求項6】
請求項5に記載の回路において、
電極信号を整流し、前記ピーク検出回路に整流された電極信号を提供する整流器、好ましくはハーフブリッジ整流器をさらに備える、回路。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の回路において、
検出された温度に基づく温度信号を提供する温度センサをさらに備え、前記温度センサは前記処理回路に接続されおり、
前記所定の基準は、前記温度信号に基づく、回路。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の回路において、
前記検出回路は、前記第2の電極における電荷の変動を検出し、前記検出された変動に基づいて電圧信号を提供するように構成されている、回路。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の回路において、
前記交流信号源は、第1の周波数で電気信号を提供し、
前記検出回路は、前記第1の周波数と実質的に等しい中心周波数を有するバンドパスフ
ィルタを有する、回路。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の回路において、
前記処理回路に接続されたアクチュエータをさらに備え、
前記処理回路は前記フロー信号に基づいて前記アクチュエータを作動させるように構成されている、回路。
【請求項11】
飲料分配タップ用の管体の少なくとも一部を収容するケーシングであって、
前記管体を収容して案内する、近位開口と遠位開口を有する細長い穴と、
前記穴の長さの少なくとも一部にわたって設けられた第1の信号電極と、
前記穴の長さの少なくとも一部にわたって設けられた第2の信号電極と、を備え、
前記第1の信号電極は、請求項1から10までのいずれか一項に記載の回路の前記信号端子に接続されるよう構成されており、
前記第2の信号電極は、請求項1から10までのいずれか一項に記載の回路の前記感知端子に接続されるよう構成されている、ケーシング。
【請求項12】
請求項11に記載のケーシングにおいて、
- 前記第1の信号電極は、少なくとも部分的に前記穴を取り囲み、
- 前記第2の信号電極は、少なくとも部分的に前記穴を取り囲み、
- 前記第1の信号電極と前記第2の信号電極は、前記穴の長さに沿って離間している、ケーシング。
【請求項13】
請求項12に記載のケーシングにおいて、
前記第1の信号電極と前記第2の信号電極の間の第3の信号電極をさらに備え、前記第3の信号電極は、さらなる検出回路に接続するように構成されている、ケーシング。
【請求項14】
請求項12または13に記載のケーシングにおいて、
少なくとも2つの隣接する信号電極の間に設けられた少なくとも1つの遮蔽電極をさらに備え、前記遮蔽電極は、請求項1から10までのいずれか一項に記載の回路の前記信号源のゼロ端子の少なくとも1つ、またはグラウンド端子に接続するように構成されている、ケーシング。
【請求項15】
請求項14に記載のケーシングにおいて、
前記信号電極は、前記遮蔽電極よりも少なくとも3倍長い、ケーシング。
【請求項16】
請求項12から15までのいずれか一項に記載のケーシングにおいて、
前記信号電極は、前記穴の全体を取り囲む、ケーシング。
【請求項17】
請求項11に記載のケーシングにおいて、
前記第1の電極と前記第2の電極は、前記穴と実質的に平行に、空洞の長さに関して互いに対向するように、設けられている、ケーシング。
【請求項18】
請求項11から16までのいずれか一項に記載のケーシングにおいて、
前記ケーシングは第1の殻体と第2の殻体を備え、前記第1の殻体は第1の細長い凹部を有し、前記第2の殻体は第2の細長い凹部を有し、前記第1の殻体と前記第2の殻体が連結されて前記ケースを形成すると、前記第1の凹部と前記第2の凹部は前記穴の少なくとも一部を形成する、ケーシング。
【請求項19】
請求項11から18までのいずれか一項に記載のケーシングにおいて、
前記管体を通る飲料の流れを制御するように構成されたタップをさらに備える、ケーシ
ング。
【請求項20】
飲料を分配する分配装置であって、
- 請求項11から19までのいずれか一項に記載のケーシングと、
- 請求項1から10までのいずれか一項に記載の回路と、
- 前記第1の基準コンデンサと、を備え、
- 前記第1の信号電極は、前記信号端子および前記第1の基準コンデンサの前記第1の基準電極に接続され、
- 前記第1の基準コンデンサの前記第2の基準電極は、前記基準端子に接続され、
- 前記第2の信号電極は前記感知端子に接続されている、分配装置。
【請求項21】
請求項20に記載の分配装置であって、
前記信号源の前記ゼロ端子と前記第1の基準コンデンサの前記第2の基準電極との間に接続された第2の基準コンデンサをさらに備える、分配装置。
【請求項22】
請求項20または21に記載の分配装置であって、請求項13に従属する範囲において、前記さらなる検出回路を備え、前記さらなる検出回路は、
- 前記第3の信号電極に接続され、前記第3の信号電極からさらなる基準信号振幅値を検出し、
- 前記さらなる検出回路に含まれるさらなる感知端子におけるさらなる検出信号を提供するよう構成されており、前記さらなる検出信号は、前記第3の信号電極から受け取られた信号の信号振幅値を前記基準信号振幅値と比較することに基づき、
前記処理回路は、前記さらなる検出信号を受け取り、前記検出信号および前記さらなる検出信号に基づいて前記フロー信号を提供するようさらに構成されている、分配装置。
【請求項23】
請求項20から22のいずれか一項に記載の分配装置において、前記処理回路は、
- 前記検出信号を受け取り、
- 前記検出信号がさらなる所定の基準を満たすかを判断し、
- 前記さらなる所定の基準が満たされると、前記穴に管体が設けられていないことを示す信号を提供するよう構成されている、分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の態様とその実施の形態は、飲料を分配する(dispensing)システムの一部として、静電容量センサを用いて、管体内の流れを検出する回路および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
US6545488B2には、大型輸送システムの管体を通る静電容量形フロー計測システムが開示されている。2つの電極がらせん状に管体に巻き付けられ、これらの電極には信号が供給される。管体内の流れが変化すると、検出回路の信号の周波数が変化する。検出結果は電圧信号に変換され、さらなる処理に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US6545488B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振動周波数を変化させるために静電容量の変化を用いる場合、インダクタンスを利用することが非常に好ましい。インダクタンスは大きく比較的高価な回路部品である。さらに、周波数変化をさらに電圧信号へ変換するために、非常に多くの回路構成要素が必要となる。飲料分配システムの管体を通る流れを検出するためのより効率的な構成を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様は、飲料を分配するタップの管体を通る流れを検出する回路を提供する。回路は、管体の長さの少なくとも一部に沿って管体の対向する両側に設けられた2つの電極を有する容量要素に交流信号を提供するよう構成された信号端子を有する交流信号源と、検出回路とを備える。検出回路は、容量要素に接続されるよう構成され、検出回路に含まれる感知端子における容量要素から信号振幅値を検出するよう構成され、検出回路は、検出回路に含まれる検出端子における信号振幅値に基づいて検出回路に含まれる検出端子における検出信号を提供するよう構成されている。流れ検出回路は、また、検出信号を受け取り、検出信号が所定の基準を満たすかを判断し、所定の基準が満たされるとフロー信号を提供するように構成された処理回路を備える。
【0006】
このシステムは、回路全体をとおして1つの周波数で動作するため、複雑化が抑制される。さらに、本態様の範囲内から逸脱することなく、アナログ領域、デジタル領域、または部分的にアナログ領域、さらに部分的にデジタル領域で実施してもよい。
【0007】
一形態において、交流信号源は、管体の長さの少なくとも一部に沿って設けられた第1のコンデンサ電極に接続するよう構成された信号端子を有し、検出回路は、電極信号を受け取るために、管体の長さの少なくとも一部に沿って設けられた第2のコンデンサ要素に接続するように構成されている。
【0008】
さらなる形態は、検出信号と基準制御信号を加算し、制御検出信号を提供する加算回路をさらに備え、処理回路はさらに、制御検出信号に基づく基準制御信号を提供するように構成されている。
【0009】
当業者には、加算器の定義内に減算器も含まれることが理解される。この形態において、第2の電極における信号の振幅の大きな変化は、流れおよび流れの特性の検出がより容易になるように、境界内に収まるように制御されてもよい。
【0010】
別の形態において、検出回路はピーク検出回路を有し、検出信号はピーク検出回路の出力に基づく。振幅値を検出するために乗算器のような別のタイプの回路を用いてもよいが、振幅を検出するためにはピーク検出器が好ましい。
【0011】
さらに別の実施形態において、検出回路は第2の電極における電荷の変動を検出し、検出された変動に基づく電圧信号を提供するように構成されている。電流に基づく回路として実現してもよいが、電圧に基づく回路が好ましい。
【0012】
第2の態様は、飲料提供タップの管体を収容するケーシングを提供する。ケーシングは、管体を収容して案内するための、近位開口および遠位開口を有する細長い穴と、穴の長さの少なくとも一部にわたって設けられた第1の電極と、穴の長さの少なくとも一部にわたって設けられた第2の電極とを備える。このケーシングにおいて、第1の電極は、先行する請求項のいずれかによる回路の信号端子に接続するよう構成され、第2の電極は第1の態様による回路の感知端子に接続するよう構成されている。このようなケーシングは、第1の態様による回路の作動に好ましい電極を備え、ビールまたは別の飲料を分配するための管体を収容し、ビールの流れ検出のための有利な構成を提供する。
【0013】
一実施の形態において、ケーシングは第1の殻体および第2の殻体を備え、第1の殻体は第1の細長い凹部を有し、第2の殻体は第2の細長い凹部を有し、第1の殻体と第2の殻体がケースを形成するために連結されると、第1の凹部と第2の凹部は管体の少なくとも一部を形成する。このケーシングは、使い捨ての管体の利用に有利であり、容易に穴に挿入し、穴から除去可能である。さらに、ケーシングが2つの半体により構成される場合、電極および回路はすべて同一の殻体に設けてもよい。
【0014】
第3の態様は、飲料を分配する分配装置を提供する。装置は、第2の態様によるケーシングと、第1の態様による回路とを備える。この装置において、第1の電極は信号端子に接続され、第2の電極は感知端子に接続される。
【0015】
種々の態様とその形態を、以下に図面とともに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、飲料分配システムを示す。
図2図2は、流れ検出回路を示す。
図3図3は、別の流れ検出回路を示す。
図4図4は、別の流れ検出回路に相当する電気回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、飲料を分配するための分配装置の実施形態として、ビール分配システム100を示している。ビール分配システム100は、樽または大型のタンクといった貯蔵容器(不図示)から分配バルブ122までビールが流れる流路を提供または形成する管体120を備えている。バルブ122は管体と一体化した部分であってよく、または管体120はバルブ122と連結されてもよい。管体120は、好ましくは可撓性で、より好ましくは弾力性のあるチューブであって、または少なくともそのようなチューブを備え、当該チューブは、PVC、シリコン、ポリエチレン他、またはこれらの組み合わせ、といった有機ポリマを含む。
【0018】
管体120は、ケーシング112の穴114の中を通って延在するように設けられ、ケーシングは分配タップ116のスタンドを構成する。分配タップ116は、分配バルブ122を操作するためのタップハンドル118を備える。ケーシング112内には、第1電極132と第2電極134が設けられている。第1電極132および第2電極134は、少なくとも管体120の長さの一部において、管体120の対向する両側に位置するように設けられている。
【0019】
このような配置は、ケーシング内において、第1電極132と第2電極134を穴114の内壁の両側に、穴114および管体112の長さに実質的に平行となるように設けることにより、実現できる。この配置では、電極は電極の長さ全体にわたって互いに対向するように設けられる。あるいはまた、電極は、少なくとも穴114の長さの一つ以上の部分において対向する両側に設けられる他のいかなる方法でも、設けられる。
【0020】
ビール分配システムは、さらに、ビール分配システム100を用いて貯蔵容器からビールが引き出されているかを検出する流れ検出回路200を備える。流れ検出回路200は、第1の電極132と第2の電極134に接続される。
【0021】
ケーシングは、2つの殻体によって設けられてもよく、これにより管体120の取り外しと挿入を容易にする。これは、管体120が使い捨ての管体であればとくに有利である。そのような実施の形態において、第1電極132と第2電極134は同じ殻体に、流れ検出回路200と共に設けられることが好ましい。管体120は穴114の一部として凹部を有する第1の殻体に埋め込まれてもよい。
【0022】
次に、第2の殻体が第1の殻体に連結されてケーシング112が形成される。あるいはまた、管体120は、閉じた穴、すなわち2つの半体が接合されて形成された穴114を通して、あるいはケーシング112が主に、穴が設けられた1つの要素を備える場合にはその穴を通して、案内される。管体120は、図1に示す配置において上からまたは下から穴114に挿入されてもよい。穴114は、中実のケーシング112の内部に設けられるか、あるいは中空のケーシング112内の剛性のある、あるいは柔軟性のあるチューブまたはパイプとして設けられてもよい。穴114の断面積の形と寸法は、穴114の長さにわたって変化しても、実質的に同じでもよい。
【0023】
管体120は、第1電極132および第2電極134に接触しないように、穴114の内部に設けられることが好ましい。管体120は、主に電気的に絶縁された有機ポリマを含む柔軟性のある分配ラインとして設けられることが好ましいが、とくに液体および水分凝縮により導電路が設けられ得る。したがって、管体120は、第1電極132および第2電極134から離間して設けられる。あるいは、またはそれに加えて、第1電極132および第2電極134は、少なくとも穴114の内部空間に対向する側に絶縁フィルムを設けてもよい。
【0024】
穴114は、管体120のための剛性のあるガイドとして、または、柔軟性のあるガイドとして設けられてもよい。後者の場合では、穴114は柔軟性のある管材料を有し、管材料内部に管体120が設けられるようにしてもよい。
【0025】
図2は、流れ検出回路200をより詳細に示す。図2は、流れ検出回路200を実現するために好ましい機能部品を示している。流れ検出回路200は、電圧源または電流源として交流信号を提供するための信号発生器202を備える。好ましくは、信号発生器202は、好ましくは1.5kHzと3kHzの間、より好ましくは2kHzと2.5kHzの間、最も望ましくは2.3kHzの周波数で正弦波を発生させる。なお、種々の部品の値によって、周波数として、1kHzと4kHzの間、5kHzと101kHzの間、101kHzと5・101kHzの間もしくはそれ以上、さらには最大102kHzおよびそれ以上の別の値を選択してもよい。
【0026】
別の形態では、信号発生器は、三角波信号、ブロック波、のこぎり波信号他、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、他の波形を生成する。信号の周波数は設定されていることが好ましいが、可変であってもよい。
【0027】
発生した信号は、第1電極132に付与される。信号は、任意で、バッファ、デカップリングコンデンサ、抵抗、他のタイプのインピーダンスまたはそれらの組み合わせを介して供給されてもよい。第1電極132は、第2電極134とともにコンデンサ204を構成する。コンデンサ204のような静電容量式の基本原理のとおり、付与された交流信号による第1電極132の電荷の変化は、第2電極134の電荷の変化をもたらす。
【0028】
第2電極134の電荷の変動は、第2電極134における交流電流となる。変動の量は第1電極132と第2電極134の間の媒体特性に依存する。そのような特性は、限定されるものではないが、電極同士の間隔、電極間の1つまたは複数の媒体の誘電率、および1つまたは複数の媒体の他の特性を含む。
【0029】
交流電流は増幅器に、そして好ましくはトランスインピーダンスアンプ206に供給され、交流電流が交流電圧に変換される。交流電圧は、信号発生器202で生成される信号と同じ周波数を有する。増幅された電圧信号は、中心周波数が実質的に本線供給電圧の周波数と等しいバンドストップフィルタまたはノッチフィルタ208に供給される。これは、世界の大部分において50Hzであり、アメリカ大陸を含むいくつかの地域においては60Hzである。いくつかの地域では、別の周波数が適用されることもある。この代わりに、またはこれに加えて、本線電力網の影響を抑えるために、ケーシング112に、流れ検出回路への電磁干渉を低減する遮蔽材を設けてもよい。
【0030】
次に、交流信号がバンドパスフィルタ210に供給される。バンドパスフィルタ210の中心周波数は、信号発生器202によって提供された信号の周波数と実質的に等しい。バンドパスフィルタ210は、コンデンサ(capacitances)とインダクタンスを有し、傾斜と中心周波数を独立して定義するよう設けられてもよい。しかしながら、インダクタンスは大型で比較的高価な可能性があるので、複数のフィードバックバンドパスフィルタ(MFBフィルタ)の使用が好ましい。
【0031】
このようにしてフィルタにかけられた信号は、整流器212に提供される。本実施形態では、整流器212はハーフブリッジ整流器である。あるいはまた、整流器212はフルブリッジ整流器とし実現してもよい。しかしながら、入力信号は、整流された信号のうち最高出力レベルのみが重要なデータ信号であり、このため、電力信号とは異なり、全信号を整流する必要はない。
【0032】
整流された信号は、レベル検出回路214に供給され、整流された信号のピークレベルが検出される。フィルタにかけられ、整流された信号のピークレベルは、レベル検出回路で検出され、ピーク検出器214の出力は増幅器216に提供される。
【0033】
増幅器の出力における増幅された信号は、フィードバック制御ループに提供される。フィードバック制御ループは、加算器218(軽微な設計変更により減算器としても実現できる)、および制御回路220を有する。制御回路220はPID制御回路220(proportional-integral-derivativeコントローラ) として実現されることが好ましい。
【0034】
PID制御回路220は、好ましくはマイクロコントローラ240の一部として設けられる。したがって、加算器218の出力は、PID制御回路220に供給される前に、抽出されて、デジタル化される。PID制御回路220の出力は、初めはデジタルであり、加算器218に提供される前に、アナログドメインに変換される。
【0035】
フィードバック制御ループを設ける理由は、グラスやジョッキのようなビールを注ぎ入れる容器によって、信号の違いの大きさが大きく変化する可能性があるからである。フィードバック制御ループにより、マイクロコントローラへ提供される回路のアナログ出力が適切な範囲、例えば0から5ボルトの間、0から3.3ボルトの間、0から2.5ボルトの間、または他の範囲、で提供されることを確実にする。
【0036】
PID制御回路220に提供されたデジタル化された信号は、中央制御回路242にも提供される。中央制御回路242はマイクロプロセッサ240の一部であり、マイクロプロセッサの機能は製造時にプログラムされているか、または既に利用可能としてもよい。中央制御回路は1つ以上の所定の値に対して加算器218のデジタル化された出力信号(制御信号)を評価する。これらの値は、マイクロコントローラ240とは別に、またはマイクロコントローラ240の一部として設けられた記憶モジュール244に格納されてもよい。
【0037】
これらの値は、周囲温度に基づいて調整されてもよい。このため、マイクロコントローラ240は温度センサ250に接続されている。
【0038】
制御信号が、ある所定の値より上または下であった場合、ビール分配システム100からビールが注がれていると判断可能である。ビールがビール分配システム100から分配されていると、第2電極の端子における交流電流のレベルが変化することが判明した。この、受信されたコンデンサ電流の振幅の変化は、使用される容器のタイプ(グラス、ジョッキ、ピッチャー、またはバケツ)、および容器がどのように保持されているか(手全体でか、数本の指先だけか)に依存する。
【0039】
したがって、制御信号が特定の値であると、第1に、ビールが分注されているところであり、ビールが容器、とくに例えばピッチャー、ジョッキ、またはグラス内にあることが検出され得る。第2に、ビールがどのようなタイプの容器(ピッチャー、グラス、ジョッキ)に分注されているかが判断され得る。第3に、容器がどのように保持されているかが判断され得る。第4に、第1電極132と第2電極134の間の穴114内に存在する管体120に基づく検出であることから、管体120がそもそも存在しているかが検出され得る。
【0040】
検出結果に基づいて、さらなるデータ処理が実行され得る。適切なビールは、タップ116のバルブ122を完全に開けることによって分注されており、これは一般的に、タップハンドル118を例えば、約90度旋回させることによって実行される。これは、分配バルブが開いているか、または閉じているか;流れが最大であるか、またはゼロであるか、を意味する。分注に係る時間を、制御信号(またはチェーン内の別の信号)の処理に基づいて決定することができれば、最大流量で乗算し、分注されたビールの量が算出され得る。これにより、樽または他の貯蔵容器がほとんど空であった場合に予め警告を発するようにしてもよい。
【0041】
マイクロコントローラ240は、また、製造時にプログラムされているか、または既に利用可能であり得るアクチュエータ回路246を備える。アクチュエータ回路は、発光ダイオード260のような、マイクロコントローラ240外のアクチュエータを制御するように構成されている。発光ダイオード260は、ケーシング112またはその一部を照明する照明機能を備えてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、他の光源、テキスト、ビデオまたは静止画を表示する表示画面、音源または他の周辺機器も制御され得る。
【0042】
容器のタイプが検出された場合、容器のタイプを分配システム100付近の画面に表示してもよい。さらに、容器がどのように保持されているかが検出された場合、分配システム100を利用している人にフィードバックを提供してもよい。例えば、グラスを手全体よりも指先で保持することが好ましい場合、グラスが手全体で保持されていることが検出されると修正する行動を取るようにユーザに通知してもよい。
【0043】
離れた場所のアクチュエータによって、別の操作を行うようにしてもよい。このため、流れ検出器は、中央制御回路242、またはマイクロコントローラ240の別の部分に接続されたコミュニケーションモジュール248を備える。離れた場所にあるアクチュエータへの指示は、コミュニケーションモジュール248に提供され、コミュニケーションモジュールは、WiFi、Zigbee、Bluetooth、LoRa、LTEプロトコル他、またはそれらの組み合わせとして一般的に知られているIEEE802.11のようなプロトコルを使用して指示を転送してもよい。その代わりに、またはそれに加えて、コミュニケーションモジュール248を介して、例えばマイクロコントローラ240をプログラムするためのデータを受信してもよい。
【0044】
このようにして提供された分配システム100は、ビールを分配するために利用するのが好ましいが、シードル、アルコポップ(alcopops)、またはソフトドリンクのような他の飲料を分配するために利用してもよい。
【0045】
流れ検出器200で使用されるフィルタは、アクティブフィルタであることが好ましく、商業的に利用可能な演算増幅器を用いて実現され得る。
【0046】
上述した実施の形態において、第1電極132および第2電極134は、穴114の両側、または換言すれば管体112の両側、に設けられ、第1電極132は信号発生器202に接続され、第2電極134はコンデンサ204を構成する容量要素の右側の信号検出回路に接続される。別の実施の形態では、コンデンサ204は、実質的に固定された容量値を有するさらなる容量要素と直列に、または並列に、容量分圧器に設けられる。
【0047】
ビールが管体112を通して引き出されてコンデンサ204の容量値が変化し、信号発生器によって提供される信号の振幅が変化すると、構成に依存して、コンデンサ204および/またはさらなるコンデンサにおける電流または電圧の変化が変動し得る。この変化は検出され、管体を通して流れる液体が容器に分配されているかを判断するために利用される。コンデンサが並列に接続されている場合、電流の変化が検出され、コンデンサが直列に接続されている場合、電圧の変化が検出される。なお、これは実際の値よりも、信号の振幅に関連している。
【0048】
図3は、上述した態様による検出セットアップの別の形態として、例えばビール分配システム100に用いられる検出アレンジメント300を示す。図3は、ビール導管モジュール302と検出モジュール304とを備える検出アレンジメント300を示す。ビール導管モジュール302は、ビール導管312を有し、ビール導管の遠位端はビール、または別の分配可能な液体、を収容するように構成されたビール樽306に接続され、近位端は図1に示す分配タップ116のようなタップに接続される。
【0049】
ビール導管312の周りには、送信電極314、第1の受信電極316、および任意で第2の受信電極318が設けられている。送信電極314と第1の受信電極316の間には、任意で第1の遮蔽電極320が設けられており、第1の受信電極316と第2の受信電極318の間には、任意で第2の遮蔽電極322が設けられている。これらの電極は、ビール導管に直接、接触することなく設けられることが好ましいが、別の形態ではそれもあり得る。
【0050】
これらの電極は、ビール導管312を完全に取り囲むことが好ましい。ケーシング112(図1)が2つ以上の殻体を有して設けられる形態では、これらの電極は複数の電極部分を有するものとして構成され、各部分がケーシング112の各殻体部分に設けられてもよい。ケーシング112が組み立てられた状態で、各電極の電極部分同士は互いに導電接触しているが、他の電極の部分とは導電接触しない。別の形態では、全ての殻体部分が各電極の部分を有するのではなく、この場合、各電極はビール導管312を完全には取り囲まないでもよい。
【0051】
遮蔽電極が存在する場合、ビール導管312の長さに沿って測定されときに送信電極312、第1の受信電極316、および第2の受信電極318よりも短いことが好ましい。遮蔽電極は、接地面、または、信号源V1のゼロ基準に接続される。
【0052】
検出モジュール304は、信号源V1、第1の基準コンデンサC1、および第2の基準コンデンサC2を備える。基準コンデンサは、流れ検出回路200の大部分が埋め込まれてもよい筐体の外に、とくに流れ検出回路200のマイクロコントローラ240または他のいかなるデジタル回路の外に設けられてもよい。信号源V1は、とくに言及がなければ、図1の信号発生器202と実質的に同一、同様、または少なくとも同等である。
【0053】
信号源V1は、第1端子においてグラウンドまたはゼロ基準に接続され、第2端子において送信電極314と第2の基準コンデンサC2の第1端子に接続されている。第2の基準コンデンサC2の第2端子と第1の基準コンデンサC1の第1端子の間には、基準電圧の基準電圧端子が設けられている。第1の基準コンデンサC1の第2端子は、接地面、または信号源V1のゼロ基準端子に接続されている。さらなる部品は、信号源V1に接続されていない第1の基準コンデンサC1の端子における第1の基準電圧と、グラウンドに接続されていない第2の基準コンデンサC2の端子における第2の基準電圧とを提供するために、第1の基準コンデンサC1と第2の基準コンデンサC2との間に設けられてもよい。
【0054】
検出モジュール304は、第1信号比較器342と第2信号比較器344を備える。信号比較器は、アナログ受信信号を比較して、比較処理に応じて出力信号を提供するように構成されている。信号比較器は、アナログ演算増幅回路を使用することで実現してもよい。その代わりに、またはそれに加えて、信号の比較をデジタル領域で実行してもよい。そのため、信号比較器はアナログデジタル変換器を備えてもよい。
【0055】
信号比較器による比較は、即座に連続時間領域で行ってもよい。それに代えて、またはその代わりに、振幅領域で比較を行ってもよく、この場合、基準電圧の振幅と、第1の受信電極316および第2の受信電極318によって検出された電圧とを比較する。振幅領域での比較は、連続的に行っても、あるいは、例えば5秒毎、10秒毎、20秒毎から1、2秒毎といった一定の間隔で行ってもよい。
【0056】
第1の信号比較器342は、第1受信電極316と基準電圧端子に接続されている。第2の信号比較器344は、第2受信電極318と基準電圧端子に接続されている。この構成では、第1信号比較器342が第1信号電極316の電圧を基準電圧と比較し、第2信号比較器344が第2信号電極318の電圧を基準電圧と比較する。
【0057】
比較器は、入力電圧の差に基づく出力信号を提供する。さらなる信号処理を、比較前、比較後、またはその両方に、図2を用いて説明した方法、もしくはこれらの組み合わせにより、実施してもよい。次に、検出信号としての比較器の出力信号は、マイクロコントローラ240のような処理回路に供給されてもよい。処理回路において、検出信号の両方または一方は1つ以上の所定の基準に対して評価され、所定の基準の1つ、いくつかまたはすべてが満たされる場合にフロー信号が供給されてもよく、分配ラインまたは管体120を通る流れの検出を示す。
【0058】
図3は、ビール導管302からグラウンドへの寄生容量C6を示し、ビールを注ぐ人を介したビール導管302とグラウンドとの接続をモデル化している。さらに、樽の寄生容量C7が描かれており、ビール樽306およびビール導管302を介したビール導管302からグラウンドへの容量をモデル化している。
【0059】
図4は、図3に示した構成に相当する回路図400を示す。図4は、第1の基準コンデンサC1と第2の基準コンデンサC2を示している。また、図4は、第1の比較器342に入力を提供する第1の受信端子Rx1と、第2の比較器344に入力を提供する第2の受信端子Rx2を示す。送信電極314は送信コンデンサC3としてモデル化され、第1の受信電極316は第1の受信コンデンサC4としてモデル化され、第2の受信電極318は第2の受信コンデンサC5としてモデル化されている。
【0060】
ビール導管312は、送信電極314と第1の受信電極316の間の第1の導管抵抗R1、第1の受信電極316と第2の受信電極の間の第2の導管抵抗R2を含む、一連の抵抗としてモデル化される。分配タップ116までのビール導管312の近位端は、第3の導管抵抗R3としてモデル化され、分配タップ116自体はタップ抵抗R5としてモデル化される。送信電極314と樽306との間のビール導管312の遠位端は、第4の導管抵抗R4としてモデル化され、樽から樽寄生容量C7にわたる抵抗は樽抵抗R6としてモデル化される。
【0061】
ビール分配システム100の分注作業の間、分注しながら、モデル化された抵抗と送信電極314および受信電極の少なくとも1つが変化する。その結果、第1の受信端子Rx1および第2の受信端子Rx2の電圧が変化する。第1の基準コンデンサC1および第2の基準コンデンサC2の値が実質的に一定であるとき、基準電圧は実質的に一定である。
【0062】
容量ブリッジ回路の一方のコンデンサおよび/または抵抗の値の少なくとも1つが変化し、ブリッジの他方が実質的に変化しない場合、第1の比較器342および第2の比較器344は、基準電圧と、第1の受信端子Rx1および第2の受信端子Rx2の電圧との差を検出することにより、モデル化された抵抗と送信電極314および受信電極の少なくとも1つの値の変化を検出することができる。
【0063】
なお、第2の検出電極318および第2の比較器344の設置は任意であるが、ビール導管312を通る流れ、および任意で流量、の検出精度向上のためには設置が好ましい。
【0064】
なお、図3図4の上記説明において、所与の要素はゼロ基準またはグラウンド端子に接続されてもよい。グラウンド端子は、グラウンドに対して固定の電圧レベル、通常ゼロ、を有する端子として定義される。ゼロ基準レベルは、電圧供給源の1つの端子、または回路の別の特定の端子の電圧レベルである。上述した形態において、この端子は、図3により示した電圧源V1の下側の端子である。ゼロ基準はグラウンド端子の電圧レベル(グラウンドレベル)と常に同じではなく、これはゼロ基準はグラウンドレベルに対して変動する可能性があるためである。ゼロ基準は、ゼロ基準端子がグラウンド、例えば壁ソケットの保護グラウンド、または同様、同等のもの、に接続されている場合のみ、グラウンドレベルと等しくなる。
【0065】
図3を参照すると、遮蔽電極はゼロ基準V1と同じレベルに接続され、基準端子とは反対側の第1の基準コンデンサC1の端子も同様である。これらのノードはグラウンドに接続されてもよいが、必ずしもそうである必要はない。寄生樽容量C7は、ビール導管312の遠位端の反対側の端子でグラウンドされている。後者は、ビール樽306が一般的にビール分配システム100から離れたビール貯蔵庫、および/または冷蔵庫に配置され、ビール樽306の周囲にゼロ基準を接続する適切なオプションを持たない場合である。
【0066】
別の形態では、第1の受信電極316および第2の受信電極318により提供される信号を、C1およびC2から構成される容量分圧器の電圧とは比較せず、図2に示す回路に供給し、受信電極による信号をトランスインピーダンスアンプ206へ提供する。それに代えて、同等の回路を設けてもよく、この回路はアナログまたはデジタル形式の適切なフィルタを備えていても備えていなくてもよい。このような実施形態では、第1の基準コンデンサC1と第2の基準コンデンサC2は省略してもよい。さらに、または、代替として、第1の比較器342および第2の比較器344を省略してもよい。
【0067】
同様に、図1に示す電極が、図3および図4に示す容量ブリッジ回路の一部を形成するようにしてもよい。
【0068】
まとめると、複数の態様は、タップシステム内に管体を収容する穴を有する飲料の分配システムに関する。穴に沿って、管体付近にまたは管体上に、少なくとも2つの電極が設けられ、管体に沿った少なくともいくつかの箇所において2つの電極は管体を間に挟んで互いに対向し、コンデンサを構成するように設けられている。発振信号は、好ましくは正弦波形であるが、一方の電極に提供され、他方の電極から信号が読み出される。飲料が管体を通して容器に注がれると、コンデンサの静電容量が変化する。流れる飲料は異なる特性を有する可能性があるが、管体内の飲料が、グラウンド接続し得る容器と導電接触すると、静電容量も変化する。静電容量の変化は、第2電極に接続された検出回路の振幅の変化につながる。
【0069】
上記説明において、層、領域、または基板といった要素が、別の要素の上に(onまたはonto)あるというとき、当該要素は直接、他の要素に接している、または介在する要素が存在していてもよい、と理解される。また、上記説明において与えられた値は、例として挙げられたものであり、別の値も可能および/または考えられ得る、と理解される。
【0070】
さらに、本発明は、ここで説明された実施形態が備えるよりも少ない部品で実現してもよく、その場合、1つの部品が複数の機能を実行する。また、本発明が、図面に示したよりも多くの部品を用いて実現することも可能であり、この場合、上記実施形態では1つの部品で実行された機能を、複数の部品に振り分ける。
【0071】
なお、図面は、本発明の実施形態の非限定的な例を表す概略図にすぎない。説明の明確化と簡略化のため、同一のまたは別々の実施形態の部分として各構成要素を説明したが、本発明の範囲は、上述した構成要素の全てまたは一部の組み合わせを有する実施形態も含むものと理解される。「備える(comprising)」という単語は、特許請求の範囲に記載された構成要素やステップ以外の構成要素やステップの存在を除外するものではない。さらに、不定冠詞「a、an」は「ただ一つ」に限定されると解釈されるべきではなく、「少なくとも1つ」を意味するために用いられ、また、複数を除外するものではない。
【0072】
当業者には、上記説明において開示した種々のパラメータおよび値が変更可能であり、開示された種々の実施形態および/または請求項は本発明の範囲から逸脱することなく組み合わせ可能であることが容易に理解される。
【0073】
請求項における参照符号、請求項の範囲を限定するものではなく、請求項の可読性を高めるために挿入されているだけであると規定される。
【符号の説明】
【0074】
100 ビール分配システム
112 ケーシング
114 穴
116 分配タップ
118 タップハンドル
120 管体
122 分配バルブ
132 第1電極
134 第2電極
200 流れ検出回路
202 信号発生器
204 コンデンサ
206 トランスインピーダンスアンプ
208 バンドストップフィルタまたはノッチフィルタ
210 バンドパスフィルタ
212 整流器
214 レベル検出回路
216 増幅器
218 加算器
220 制御回路
240 マイクロコントローラ
242 中央制御回路
244 記憶モジュール
246 アクチュエータ回路
248 コミュニケーションモジュール
250 温度センサ
260 発光ダイオード
300 検出アレンジメント
302 ビール導管モジュール
304 検出モジュール
306 ビール樽
312 ビール導管
314 送信電極
316 第1の受信電極
318 第2の受信電極
320 第1の遮蔽電極
322 第2の遮蔽電極
342 第1の比較器
344 第2の比較器
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】