IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アー・ベー・ベー・パワー・グリッズ・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2022-535442産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置
<>
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図1
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図2
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図3
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図4
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図5
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図6
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図7
  • 特表-産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(54)【発明の名称】産業オートメーション制御システムまたは電力システムからのデータの保存を促進するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20220801BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20220801BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572093
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2020065649
(87)【国際公開番号】W WO2020245374
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19178528.6
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェランティ,エットーレ
(72)【発明者】
【氏名】フランケ,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ロッハー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ピニョレ,イボンヌ-アンネ
(72)【発明者】
【氏名】シェーンボルン,サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】シバンティ,ターニケサバン
(72)【発明者】
【氏名】ビドマー,テオ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA01
5L049CC03
(57)【要約】
産業オートメーション制御システム、配電システム、または発電システムの複数のデータソース(31~33)からのデータの保存を促進するために、意思決定装置(20)が、機械学習アルゴリズムを実行して、データの由来元のデータソース(31~33)に応じて圧縮技術を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであるシステムの複数のデータソース(31~34)からのデータの保存を促進する方法であって、
機械学習アルゴリズムを実行して前記データの由来元のデータソース(31~34)に応じて圧縮技術を決定する意思決定装置(20)の少なくとも1つの集積回路(21)を使用して、前記データに適用される圧縮技術を決定するステップと、
前記意思決定装置(20)によって、データソース(31~34)について決定された前記圧縮技術を、前記データソース(31~34)からのデータに適用させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報が、前記意思決定装置(20)によってプッシュ機構を介してそれぞれのデータソース(31~33)および/または記憶装置(41~44)へと提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、いくつかの候補圧縮技術(91~98)のうちのどれを適用するかを決定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、前記圧縮技術の少なくとも1つのパラメータを決定することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮技術を決定するステップおよび前記圧縮技術を適用させるステップを自動的に繰り返すこと
をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記圧縮技術を決定するステップおよび前記圧縮技術を適用させるステップは、定期的な様相で繰り返される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、データソース(31~34)に関するデータモデルまたはプロファイル(25、36、46)の更新を生成することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記意思決定装置(20)によって、前記データモデルまたはプロファイル(25、36、46)の前記更新に関する更新情報を送信すること、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記意思決定装置(20)は、前記更新情報を、前記決定されたデータモデルまたはプロファイル(25、36、46)の更新の対象のデータソース(31~34)へと送信する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データソース(31~34)によって、前記データソース(31~34)にローカルに保存された圧縮モデルまたはプロファイル(36)を、受信した更新情報に基づいて更新することにより、更新された圧縮モデルまたはプロファイルを生成することと、
前記データソース(31~34)によって、前記更新された圧縮モデルまたはプロファイルに基づいて圧縮を実行することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記更新情報の送信先の前記データソース(31~34)は、センサ装置またはマージングユニットを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記意思決定装置(20)によって、前記更新情報を、前記データソース(31~34)からのデータを保存する少なくとも1つの記憶装置(41~44)へと送信すること、をさらに含む請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習アルゴリズムは、データソースごとの制約の下で前記圧縮技術を決定する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記IACS、配電システム、または発電システムの動作の最中に前記機械学習アルゴリズムを訓練すること
をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記機械学習アルゴリズムを訓練することは、時間ドメインにおける圧縮または周波数ドメインにおける圧縮のどちらがより有益であるかを学習することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記決定された圧縮技術は、異なるデータソースの時系列データの相関を決定し、随意により、前記方法は、前記決定された相関に依存する情報の送信および/または保存をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記決定された圧縮技術は、分類またはクラスタリング技術を含み、随意により、前記方法は、分類またはクラスタを示す情報の送信および/または保存をさらに含み、さらに/あるいは随意により、前記分類またはクラスタリングは、時間依存性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムの複数のデータソース(31~34)からのデータの保存を促進するように構成された意思決定装置(20)であって、
前記複数のデータソース(31~34)に通信可能に結合するように構成された少なくとも1つのインターフェース(22)と、
前記データに適用される圧縮技術を決定するように動作することができる少なくとも1つの集積回路(21)と
を備えており、
機械学習アルゴリズムを実行して前記データの由来元のデータソース(31~34)に応じて前記圧縮技術を決定する、意思決定装置(20)。
【請求項19】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報をプッシュ機構を介してそれぞれのデータソース(31~33)および/または記憶装置(41~44)へと提供するように構成された、請求項18に記載の意思決定装置(20)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの集積回路(21)は、データソース(31~34)について決定された前記圧縮技術を、前記データソース(31~34)から由来するデータに、前記データの保存の前に適用させる制御情報を生成するように動作することができる、請求項18または19に記載の意思決定装置(20)。
【請求項21】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであるシステムであって、
複数のデータソース(31~34)と、
前記複数のデータソース(31~34)から由来する圧縮データを保存するための少なくとも1つの記憶装置(41~44)と、
請求項18~20のいずれか1項に記載の意思決定装置(20)と
を備えるシステム。
【請求項22】
請求項1~17のいずれか1項に記載の方法を実行するように動作することができる、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、複数のデータソースからのデータの保存を促進するための方法および装置に関する。本発明は、とくには、産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムのデータソースによってもたらされるデータの保存を改善することができる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
発電システム、送電網、または変電所などの現代の電力設備、ならびに現代の産業システムは、膨大な数の構成要素、センサ、およびインテリジェント電子デバイス(IED)を含む。そのような構成要素がもたらすデータの分析は、大変な仕事である。
【0003】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムの動作に関するデータの分析および使用は、そのようなシステムの進行中の制御および後の故障分析を改善するために重要である。一般に、送電系統運用者(TSO)および配電系統運用者(DSO)は、例えば直近の1年などの或る程度の期間について、測定値の細かい粒度のデータセットを保持している。大抵の場合、古いデータは、15分の粒度で集約されて保存されるが、集約されたデータについて後に意味のある分析および照会を実行して過去のデータから意味のあるパターンおよび関係を抽出するには粗すぎる。したがって、現在の長期データ保存のやり方では、貴重な情報が失われる。
【0004】
IACS、配電システム、または発電システムの動作に関するデータを、より徹底的な分析を後の時点においても実行できるようなやり方で保存することが、有益であると考えられる。
【0005】
例示として、運用者が、将来の使用のために自身のシステムを学習して、さらに最適化するために、回顧的なやり方で、増大する顧客の需要を満たすように既存の送電網を使用できたかどうか、およびどのように使用できたかを分析できるようにデータを保存することが、望まれる可能性がある。
【0006】
不安定な再生可能エネルギーが組み込まれることで、送電網の安定性を確保するために、より多くの分析が必要となる。これは、安定な最適化および制御システムを保証するために、詳細な再生可能エネルギーのデータおよびシステム負荷を、より長い期間(数年など)にわたって保存することを必要とする。
【0007】
さらなる例示として、必要に応じて配電網の拡張戦略を決定するために、以前に収集されたデータのより徹底的な分析が望まれる可能性がある。
【0008】
これらの場合および他の場合に、例えば、毎週、毎月、季節ごと、および毎年のパターンなどの長期的な変動をカバーするために、より長い期間について入手可能でなければならない詳細なデータが必要とされる。現在の情報集約のやり方では、そのような分析は不可能であり、あるいは法外なストレージ要件が必要になる。
【0009】
米国特許第8 156 232号明細書が、XMLデータを圧縮する圧縮コンポーネントを含む産業オートメーション装置を開示している。
【0010】
J.Park et al.,“Data Compression and Prediction Using Machine Learning for Industrial IoT”,2018 International Conference on Information Networking(ICOIN)が、産業データをニューラルネットワーク回帰を使用して代表ベクトルへと非可逆圧縮にて圧縮するための技術を記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
概要
本発明の目的は、産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、発電システム、または他のシステムのセンサ、マージングユニット、インテリジェント電子デバイス(IED)、または他の構成要素から由来するデータの保存を促進する改善された方法および装置を提供することである。とくには、IACS、配電システム、発電システム、または他のシステムのデータソースからのデータの保存を促進して、ストレージ空間の要件を軽減することにより、週ごと、月ごと、季節ごと、および/または年ごとのパターンに対応することができるデータの後の分析を促進する方法および装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態によれば、必要となる物理的なストレージを削減しつつ、詳細な長期分析をサポートすることができるやり方でデータを圧縮するために、機械学習手法が使用される。これにより、運用者は、(例えば、センサからストレージシステムへとデータを送信するために必要な通信帯域幅を削減することによって)より多くのデータを収集し、より長い時間区間についてより効率的にデータを保存することができる。したがって、機械学習技術を使用して圧縮されたデータは、新たなサービスおよび製品の提供を可能にする。
【0013】
機械学習手法は、さまざまな候補圧縮方法からの選択および/またはいくつかのデータセット/ストリームの各々のための圧縮パラメータの決定を自動的に行うことによって、圧縮を最適化することが可能である。このようにして、システムは、エンジニアリングの労力も低減する自己最適化が可能である。
【0014】
一実施形態による方法は、システムの複数のデータソースからのデータの保存を促進する。システムは、IACS、配電システム、または発電システムである。本方法は、意思決定装置の少なくとも1つの集積回路を使用して、データに適用される圧縮技術を決定することを含む。意思決定装置は、機械学習アルゴリズムを実行して、データの由来元のデータソースに応じて圧縮技術を決定する。本方法は、意思決定装置によって、データソースについて決定された圧縮技術を、このデータソースからのデータに適用させることを含む。
【0015】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報を、意思決定装置によってプッシュ機構を介してそれぞれのデータソースおよび/または記憶装置へと提供することができる。
【0016】
圧縮技術を決定することは、機械学習アルゴリズムを実行して、いくつかの候補圧縮技術のうちのどれを適用するかを決定することを含むことができる。
【0017】
いくつかの候補圧縮技術は、予め定められた圧縮技術であってよい。
候補圧縮技術の少なくともいくつかは、いくつかのデータソースの時系列データを相関させることを含むことができる。
【0018】
決定された相関(例えば、決定された相関のしきい値比較に基づく)に応じて、相関の存在を示す情報を、データソースによって送信し、かつ/または記憶装置に保存することができる。
【0019】
決定された相関に応じて、時系列データまたは周波数ドメインデータを、時系列データが相関すると決定された少なくとも2つのデータソースからなるセットのうちの1つのデータソースについてのみ、送信および/または保存することができる。
【0020】
候補圧縮技術の少なくともいくつかは、分類および/またはクラスタリングを実行することを含むことができる。
【0021】
分類および/またはクラスタリングの結果に応じて、少なくとも2つのデータソースからなるセットのデータが同じ分類および/またはクラスタに属すると決定されたことを示す情報を、送信および/または保存することができる。
【0022】
分類および/またはクラスタリングの結果に応じて、時系列データまたは周波数ドメインデータを、時系列データが同じ分類および/またはクラスタに属すると決定された少なくとも2つのデータソースからなるセットのうちの1つのデータソースについてのみ、送信および/または保存することができる。
【0023】
圧縮技術を決定することは、機械学習アルゴリズムを実行して、圧縮を時間ドメインまたは周波数ドメインのどちらで適用するかを決定することを含むことができる。
【0024】
圧縮技術を決定することは、機械学習アルゴリズムを実行して、圧縮技術の少なくとも1つのパラメータを決定することを含むことができる。
【0025】
本方法は、圧縮技術を決定するステップおよび圧縮技術を適用させるステップを自動的に繰り返すことをさらに含むことができる。
【0026】
圧縮技術を決定するステップおよび圧縮技術を適用させるステップを、定期的な様相で繰り返すことができる。
【0027】
圧縮技術を決定するステップおよび圧縮技術を適用させるステップを、周期的に繰り返すことができ、あるいはイベント駆動型のやり方で繰り返すことができる。
【0028】
圧縮技術を決定することは、機械学習アルゴリズムを実行して、データソースに関するデータモデルまたはプロファイルの更新を生成することを含むことができる。
【0029】
本方法は、意思決定装置によって、更新に関する更新情報を送信することをさらに含むことができる。
【0030】
意思決定装置は、更新情報を、決定されたデータモデルまたはプロファイルの更新の対象のデータソースへと送信することができる。
【0031】
更新情報は、圧縮技術の1つ以上のパラメータの変更に関する情報を含むことができる。
【0032】
本方法は、データソースによって、受信した更新情報に基づいてデータソースにローカルに保存された圧縮モデルまたはプロファイルを更新することにより、更新された圧縮モデルまたはプロファイルを生成することをさらに含むことができる。
【0033】
本方法は、データソースによって、更新された圧縮モデルまたはプロファイルに基づいて圧縮を実行することを含むことができる。
【0034】
更新情報の送信先のデータソースは、センサ装置またはマージングユニットを含むことができる。
【0035】
本方法は、意思決定装置によって、更新情報を、データソースからのデータを保存する少なくとも1つの記憶装置へと送信することをさらに含むことができる。
【0036】
少なくとも1つの記憶装置は、複数のデータソースとは別に設けられてよい。
機械学習アルゴリズムは、データソースごとの制約の下で圧縮技術を決定することができる。
【0037】
データソースごとの制約は、可逆な保存を強制することを含むことができる。
データソースごとの制約は、不可逆な保存を強制することを含むことができる。
【0038】
データソースごとの制約は、時間ドメインのデータ保存を強制することを含むことができる。
【0039】
データソースごとの制約は、周波数ドメインのデータ保存を強制することを含むことができる。
【0040】
本方法は、IACS、配電システム、または発電システムの動作の最中に機械学習アルゴリズムを訓練することをさらに含むことができる。
【0041】
機械学習アルゴリズムを訓練することは、時間ドメインにおいて適用される圧縮または周波数ドメインにおいて適用される圧縮のどちらがより有益であるかを学習することを含むことができる。
【0042】
本方法は、履歴データを使用して機械学習アルゴリズムを事前に訓練することをさらに含むことができる。
【0043】
複数のデータソースによって出力されるデータは、データストリームを含むことができる。データストリームは、非パケット化データを含むことができる。
【0044】
意思決定装置は、第1のデータソースから由来するデータについて第1の圧縮技術を使用し、第2のデータソースから由来するデータについて第2の圧縮技術を使用すると決定することができ、第2の圧縮技術は第1の圧縮技術とは異なり、第2のデータソースは第1のデータソースとは異なる。
【0045】
複数のデータソースは、少なくとも1つのインテリジェント電子デバイス(IED)を含むことができる。
【0046】
複数のデータソースは、デジタルデータ、とくにはデータストリームを出力するように動作することができるセンサ装置を含むことができる。
【0047】
複数のデータソースは、デジタルデータを出力するように動作することができるマージングユニットを含むことができる。
【0048】
複数のデータソースは、IACS、発電システム、または配電システムの物理的資産に関するデータを出力するように動作することが可能であってよい。
【0049】
物理的資産に関するデータは、電流、電圧、スイッチパラメータ(スイッチ状態またはスイッチモータの動作状態など)、変圧器状態パラメータ(変圧器のブッシングまたは絶縁に関するパラメータなど)、あるいは他のデータを含むことができる。
【0050】
本方法は、決定された圧縮技術を使用して、データを出力する前に、複数のデータソースによってデータを圧縮することと、圧縮データを少なくとも1つの記憶装置によって保存することとをさらに含むことができる。
【0051】
本方法は、少なくとも1つの記憶装置に保存された圧縮データを分析することをさらに含むことができる。
【0052】
保存された圧縮データを分析することは、増加する顧客の需要への対応に関する配電システムまたは発電システムの適合性を分析することを含むことができる。
【0053】
保存された圧縮データを分析することは、配電システムまたは発電システムの安定性分析を実行することを含むことができる。
【0054】
保存された圧縮データを分析することは、配電網拡張戦略を決定することを含むことができる。
【0055】
分析される圧縮データは、24時間を超える期間を表すことができる。
分析される圧縮データは、7日を超える期間を表すことができる。
【0056】
分析される圧縮データは、28日を超える期間を表すことができる。
分析される圧縮データは、3ヵ月を超える期間を表すことができる。
【0057】
分析される圧縮データは、1年を超える期間を表すことができる。
分析される圧縮データは、少なくとも2年の期間を表すことができる。
【0058】
分析される圧縮データは、少なくとも3年の期間を表すことができる。
一実施形態による意思決定装置は、IACS、配電システム、または発電システムの複数のデータソースからのデータの保存を促進するように構成される。意思決定装置は、複数のデータソースに通信可能に結合するように構成された少なくとも1つのインターフェースと、データに適用される圧縮技術を決定するように動作することができる少なくとも1つの集積回路とを備える。意思決定装置は、機械学習アルゴリズムを実行してデータの由来元のデータソースに応じて圧縮技術を決定するように構成される。
【0059】
意思決定装置は、使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報をプッシュ機構を介してそれぞれのデータソースおよび/または記憶装置へと提供するように動作可能であってよい。
【0060】
少なくとも1つの集積回路は、データソースについて決定された圧縮技術を、このデータソースから由来するデータに、データの保存の前に適用させる制御情報を生成するように動作可能であってよい。
【0061】
少なくとも1つの集積回路は、機械学習アルゴリズムを実行して、いくつかの候補圧縮技術のうちのどれが適用されるかを決定するように動作可能であってよい。
【0062】
少なくとも1つの集積回路は、機械学習アルゴリズムを実行して、圧縮技術の少なくとも1つのパラメータを決定するように動作可能であってよい。
【0063】
少なくとも1つの集積回路は、圧縮技術の決定を自動的に繰り返すように動作可能であってよい。
【0064】
少なくとも1つの集積回路は、圧縮技術の決定を定期的なやり方で繰り返すように動作可能であってよい。
【0065】
少なくとも1つの集積回路は、圧縮技術の決定を定期的またはイベント駆動方式にて繰り返すように動作可能であってよい。
【0066】
少なくとも1つの集積回路は、機械学習アルゴリズムを実行して、データソースに関するデータモデルまたはプロファイルの更新を生成するように動作可能であってよい。
【0067】
意思決定装置は、更新に関する更新情報を送信するように動作可能であってよい。
更新情報は、圧縮技術の1つ以上のパラメータの変更に関する情報を含むことができる。
【0068】
意思決定装置は、更新情報を、決定されたデータモデルまたはプロファイルの更新の対象のデータソースへと送信することができる。
【0069】
更新情報の送信先のデータソースは、センサ装置またはマージングユニットを含むことができる。
【0070】
意思決定装置は、更新情報を、データソースからのデータを保存する少なくとも1つの記憶装置へと送信するように動作可能であってよい。
【0071】
少なくとも1つの記憶装置は、複数のデータソースとは別に設けられてよい。
少なくとも1つの集積回路は、機械学習アルゴリズムを実行して、データソースごとの制約の下で圧縮技術を決定するように動作可能であってよい。
【0072】
データソースごとの制約は、可逆な保存を強制することを含むことができる。
データソースごとの制約は、不可逆な保存を強制することを含むことができる。
【0073】
データソースごとの制約は、時間ドメインのデータ保存を強制することを含むことができる。
【0074】
データソースごとの制約は、周波数ドメインのデータ保存を強制することを含むことができる。
【0075】
少なくとも1つの集積回路は、IACS、配電システム、または発電システムの動作の最中に機械学習アルゴリズムを訓練するように動作可能であってよい。
【0076】
少なくとも1つの集積回路は、機械学習アルゴリズムを訓練することが、時間ドメインにおいて適用される圧縮または周波数ドメインにおいて適用される圧縮のどちらがより有益であるかを学習することを含むように、動作可能であってよい。
【0077】
機械学習アルゴリズムを、履歴データを使用して事前に訓練することができる。
意思決定装置は、第1のデータソースから由来するデータについて第1の圧縮技術を使用し、第2のデータソースから由来するデータについて第2の圧縮技術を使用すると決定するように動作可能であってよく、第2の圧縮技術は第1の圧縮技術とは異なり、第2のデータソースは第1のデータソースとは異なる。
【0078】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムである一実施形態によるシステムは、複数のデータソースと、複数のデータソースから由来する圧縮データを保存するための少なくとも1つの記憶装置と、一実施形態の意思決定装置とを備える。
【0079】
システムは、一実施形態の方法を実行するように動作可能であってよい。
意思決定装置は、データソースに関するデータモデルまたはプロファイルの更新に関する更新情報を送信するように動作可能であってよい。意思決定装置は、更新情報を、決定されたデータモデルまたはプロファイルの更新の対象のデータソースへと送信するように動作可能であってよい。データソースは、受信した更新情報に基づいてデータソースにローカルに保存された圧縮モデルまたはプロファイルを更新することにより、更新された圧縮モデルまたはプロファイルを生成することができる。
【0080】
更新情報は、圧縮技術の1つ以上のパラメータの変更に関する情報を含むことができる。
【0081】
データソースは、更新された圧縮モデルまたはプロファイルに基づいて圧縮を実行することができる。
【0082】
複数のデータソースは、データストリームを出力するように動作可能であってよい。データストリームは、非パケット化データを含むことができる。
【0083】
複数のデータソースは、少なくとも1つのインテリジェント電子デバイス(IED)を含むことができる。
【0084】
複数のデータソースは、デジタルデータ、とくにはデータストリームを出力するように動作することができるセンサ装置を含むことができる。
【0085】
複数のデータソースは、デジタルデータを出力するように動作することができるマージングユニットを含むことができる。
【0086】
複数のデータソースは、IACS、発電システム、または配電システムの物理的資産に関するデータを出力するように動作することが可能であってよい。
【0087】
物理的資産に関するデータは、電流、電圧、スイッチパラメータ(スイッチ状態またはスイッチモータの動作状態など)、変圧器状態パラメータ(変圧器のブッシングまたは絶縁に関するパラメータなど)、あるいは他のデータを含むことができる。
【0088】
複数のデータソースは、決定された圧縮技術を使用してデータを出力する前にデータを圧縮するように動作可能であってよい。少なくとも1つの記憶装置は、圧縮データを保存することができる。
【0089】
システムは、保存された圧縮データを分析するように動作することができる分析装置をさらに備えることができる。
【0090】
分析装置は、増加する顧客の需要への対応に関する配電システムまたは発電システムの適合性を分析するように動作可能であってよい。
【0091】
分析装置は、配電システムまたは発電システムの安定性分析を実行するように動作可能であってよい。
【0092】
分析装置は、配電網拡張戦略を決定するように動作可能であってよい。
分析装置は、24時間を超える期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0093】
分析装置は、7日を超える期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0094】
分析装置は、28日を超える期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0095】
分析装置は、3ヵ月を超える期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0096】
分析装置は、1年を超える期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0097】
分析装置は、少なくとも2年の期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0098】
分析装置は、少なくとも3年の期間を表す圧縮データを分析するように動作可能であってよい。
【0099】
一実施形態による方法は、システムの複数のデータソースからのデータの処理を促進する。システムは、産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであってよい。本方法は、意思決定装置の少なくとも1つの集積回路を使用して、データに適用される処理技術を決定することを含む。意思決定装置は、機械学習アルゴリズムを実行して、データの由来元のデータソースに応じて処理技術を決定する。本方法は、意思決定装置によって、データソースについて決定された処理技術を、このデータソースからのデータに適用させることを含む。
【0100】
別の実施形態による意思決定装置は、複数のデータソースからのデータの処理を促進するように適合される。意思決定装置は、複数のデータソースに通信可能に結合するように構成された少なくとも1つのインターフェースと、データに適用される処理技術を決定するように動作することができる少なくとも1つの集積回路とを備える。意思決定装置は、機械学習アルゴリズムを実行して、データの由来元のデータソースに応じて処理技術を決定することができる。
【0101】
圧縮技術は、Lempel-Ziv型圧縮アルゴリズム、ランレングス符号化、および同様の手法から選択されてよい。
【0102】
いくつかの実施形態による方法および装置は、不可逆および可逆圧縮プロファイルの自動的な生成および/または更新を可能にする。圧縮プロファイルは、データ所有者に依存し得る。圧縮プロファイルは、保存されるデータを表すことができる。統計的方法、ニューラルネットワーク、強化学習、または他の技術を使用して、圧縮プロファイルを生成または更新することができる。
【0103】
そのような手順は、修正または更新が可能な多数のパラメータを提供する。プロファイルの生成および/または更新を、データ分析タスクの最中の保存されたデータを使用するための照会の頻度および種類に対して最適化することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、データ所有者が事前に好みを指定してもよい。これは、データの喪失を最大限に回避しなければならない状況において重要となり得る。
【0104】
異なるデータ所有者および/または異なるデータソースに関する異なる圧縮プロファイル情報を組み合わせて、いくつかのプロファイルの欠落情報を補償することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、システムが実際にはデータのプロファイルの事前知識を詳細にすることなくデータの圧縮プロファイルを使用できることを保証するために、圧縮プロファイルのクラスタリングを実行することができる。抽出されたプロファイルについての推論を可能にし、必要に応じて補正をもたらすために、システム知識(例えば、送電網の挙動および特性)を機械学習エンジンによって利用することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、システム構成要素における相関および/または物理的相互依存性などの統計的特徴ならびに測定値を使用して、モデルおよびプロファイルを改善することができる。
【0105】
いくつかの実施形態による方法、装置、およびシステムによって、さまざまな効果および利点が達成される。
【0106】
ストレージ空間の要件、ならびに例えば圧縮データを記憶装置へと送信するための必要な通信帯域幅が、低減される。圧縮アルゴリズムの自動選択は、エンジニアリングの労力を削減する。
【0107】
既存のデータ分析方法を、評価時により多くのデータが利用可能であるため、拡張および改善することが可能である。強化された分析の選択肢により、送電系統運用者(TSO)および配電系統運用者(DSO)が、自身のシステムをエネルギーの安全な供給を保証することによってシステムの容量限界のより近くで動作させることができる。
【0108】
圧縮データに基づいて、より高い予測精度を達成することができ、したがって電力網またはIACSのより安全な動作が可能になり、エネルギー取引および資源調査(例えば、石炭、ガス)に関する利点ももたらされる。
【0109】
強化されたデータ分析の選択肢により、保守および拡張の選択肢をより高い信頼度で推奨することが可能になる。これに代え、あるいはこれに加えて、強化されたデータ分析の選択肢は、さまざまな電圧レベルのエネルギーを動的に取り引きして供給することを可能にする。
【0110】
図面の簡単な説明
本発明の主題は、添付の図面に示されている好ましい例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1】一実施形態による意思決定装置を備えるシステムの概略図である。
図2】一実施形態による意思決定装置を備えるシステムの概略図である。
図3】一実施形態による方法のフローチャートである。
図4】一実施形態による意思決定装置を備えるシステムの概略図である。
図5】一実施形態による方法のフローチャートである。
図6】機械学習を使用した圧縮技術の決定を説明する概略図である。
図7】一実施形態による方法のフローチャートである。
図8】一実施形態の動作を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
実施形態の詳細な説明
本発明の例示的な実施形態を、図面を参照して説明するが、図面において、同一または類似の参照符号は、同一または類似の要素を指している。いくつかの実施形態が、発電システムまたは配電システムの文脈において説明されるが、以下で詳しく説明される方法および装置は、幅広くさまざまなシステムにおいて使用可能である。
【0113】
実施形態の特徴は、とくに明記されない限りは、互いに組み合わせることが可能である。
【0114】
本発明の実施形態によれば、産業オートメーション制御システム(IACS)、発電システム、または配電システムの複数のデータソースによってもたらされるデータを、必要となる物理的なストレージを削減しつつ、詳細な長期分析をサポートするやり方で圧縮するために、機械学習手法が使用される。これにより、データソースから記憶装置へとデータを伝送するために必要な通信帯域幅を削減することができる。データをより効率的に保存することができる。自動的に決定された圧縮によって達成される最適化された保存は、所与の利用可能なストレージ容量に対して、分析のためにはるかに長い時間区間にわたってデータを保存することを可能にする。
【0115】
図1が、一実施形態によるシステムの概略図である。
システムは、データソース30と総称される複数のデータソース31、32、33を備える。データソース31、32、33はそれぞれ、センサ、マージングユニット、インテリジェント電子デバイス(IED)、あるいはIACS、発電システム、または配電システムの動作に関するデータをもたらす他のデバイスであってよい。データソース31、32、33は、データをデジタル形式で出力することができる。データソース31、32、33は、時間ドメインおよび/または周波数ドメインのデータを出力することができる。データソース31、32、33の少なくともいくつかは、非パケット化データを含むデータストリームを出力することができる。
【0116】
以下でさらに詳しく説明されるように、データソース31、32、33はそれぞれ、機械学習手法を使用して決定される圧縮技術を使用して、伝送前にデータを圧縮するように動作することが可能であってよい。
【0117】
システムは、1つ以上の記憶装置41、42、43を備える。これらの記憶装置を総称して、少なくとも1つの記憶装置40と呼ぶ。記憶装置41、42、43は、後の分析のためにデータソース31、32、33からの圧縮データを保存するように動作することが可能であってよい。記憶装置41、42、43は、圧縮データを保存するときに、データソース31、32、33に関連するデータモデルまたはプロファイルに関する情報を保存することができる。
【0118】
記憶装置41、42、43は、24時間を超える期間、7日間を超える期間、28日間を超える期間、3ヵ月を超える期間、1年を超える期間、少なくとも2年の期間、または少なくとも3年の期間を表す圧縮データを保存するための容量を有する不揮発性記憶媒体を含むことができる。
【0119】
記憶装置41、42、43は、種々のソースからのデータに適用される圧縮技術の変更および/または圧縮アルゴリズムのパラメータの変更に関する情報も保存することができる。記憶装置41、42、43は、圧縮プロファイルの変更に関連するそのような情報を、変更が有効になった時点を示す関連の時間情報と共に保存することができる。
【0120】
システムは、分析装置50を備えることができる。分析装置50は、さらなる分析のために記憶装置41、42、43から保存されたデータを取り出すように動作することが可能であってよい。
【0121】
分析装置50は、配電システムまたは発電システムの増加する顧客の需要への対応に関する配電システムまたは発電システムの適切性を、データソース31、32、33によってもたらされた圧縮データに基づいて分析するように動作することが可能であってよい。
【0122】
これに代え、あるいはこれに加えて、分析装置50は、データソース31、32、33によってもたらされた圧縮データに基づいて、配電システムまたは発電システムについて、配電システムまたは発電システムの安定性の分析を実行するように動作することが可能であってよい。
【0123】
これに代え、あるいはこれに加えて、分析装置50は、データソース31、32、33によってもたらされた圧縮データに基づいて、配電システムまたは発電システムの配電網拡張戦略を決定するように動作することが可能であってよい。
【0124】
分析装置50は、圧縮データの長期解析を実行するように動作することが可能であってよい。長期分析は、例えば、24時間を超える期間、7日間を超える期間、28日間を超える期間、3ヵ月を超える期間、1年を超える期間、少なくとも2年の期間、または少なくとも3年の期間を表す圧縮データに基づいて、より長い時間的尺度においてのみ見て取ることができる傾向を抽出することを含むことができる。
【0125】
重要なことには、以下で詳しく説明されるように、データの出力前のデータソース31、32、33におけるデータの処理のやり方が、意思決定装置20によって決定される。意思決定装置20は、機械学習アルゴリズムを使用して、どの圧縮技術を出力前にデータソース31、32、33においてデータに適用すべきかを決定し、かつ/または出力前にデータソース31、32、33においてデータに適用される圧縮技術のパラメータを設定する。
【0126】
このようにして、意思決定装置20は、データ圧縮のためのプロファイルまたはモデルを生成することができる。これを、例えばデータの種類、データの量、またはデータの所有権に応じて、各々のデータソース31、32、33、またはデータソースのグループについて、別々に行うことができる。
【0127】
意思決定装置20は、一般に、データソース31、32、33へと情報を出力するように動作することができるインターフェース22を含む。意思決定装置20は、データソース31、32、33によって使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報を、それぞれのデータソース31、32、33へとプッシュ機構によってもたらすことができる。意思決定装置20は、データソース31、32、33によって使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報を、例えばプッシュ機構によって記憶装置41、42、43へともたらすことができる。圧縮技術の変更に関する情報を、圧縮プロファイルまたはデータモデルの変更を示す増分更新として送信することができる。
【0128】
インターフェース22は、随意により、分析装置50および/またはデータソース31、32、33および/または記憶装置40から情報を受信するように動作することが可能であってよい。受信した情報により、意思決定装置20は、データソースによって適用されている圧縮に応じて、適切な品質メトリック(圧縮および/または圧縮時に生じたロスおよび/または分析装置50によって生成された結果の品質など)を使用して、圧縮技術を選択するための機械学習アルゴリズムを変更するかどうか、およびどのように変更するかを、決定することが可能であってよい。受信した情報を、意思決定装置20によって、データソース31、32、33が設置されたIACS、発電システム、または配電システムの継続的な動作中に機械学習アルゴリズム24を訓練するために使用することができる。
【0129】
これに代え、あるいはこれに加えて、ユーザインターフェース26が、例えば、IACS、発電システム、または配電システムの継続的な動作中に、意思決定装置20によって実行される機械学習アルゴリズム24を訓練するために使用することができる入力を送電系統運用者(TSO)または配電系統運用者(DSO)がもたらすことを可能にすることができる。ユーザインターフェース26において受信される入力は、TSOまたはDSOによって知覚されるデータソース31、32、33によって実行された圧縮の品質を示すことができる。
【0130】
意思決定装置20は、少なくとも1つの集積回路21を含む。少なくとも1つの集積回路は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはこれらの任意の組み合わせを備えることができる。少なくとも1つの集積回路は、機械学習モジュール24を実行するように動作可能であってよい。機械学習モジュール24は、統計的方法、強化学習、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、敵対的ニューラルネットワーク、分類器技術、または他の適切な機械学習実施態様を含むことができる。
【0131】
機械学習モジュール24を、履歴データを使用して機械学習モジュールを訓練することによって初期化することができる。これに代え、あるはこれに加えて、IACS、発電システム、または配電システムに関するシステム固有の専門知識を使用してもよい。例示のために、機械学習モジュール24は、抽出された圧縮プロファイルについての推論を可能にし、必要に応じて補正をもたらすために、システム知識(例えば、送電網の挙動および特性)を利用するように動作可能であってよい。これに代え、あるいはこれに加えて、機械学習モジュール24は、IACSおよび電力システムなどのシステムにおける相関および(物理的)相互依存性などの統計的特徴を使用して、モデルおよびプロファイルを改善することができる。
【0132】
意思決定装置20は、少なくとも1つのデータ記憶装置またはメモリ24を含む。データ記憶装置またはメモリ24は、不揮発性のやり方で圧縮に使用されるデータモデルまたはプロファイルに関する情報25を記憶するように動作することができる。情報25は、データソース31、32、33について、データソース31、32、33によって使用される圧縮技術に関する情報およびそれぞれの圧縮技術のパラメータに関する情報を含むことができる。例示のために、ランレングス符号化(RLE)の場合、パラメータは、RLEが実行される繰り返しシーケンスの最小長および最大長を示すことができる。さらなる例示のために、非可逆圧縮の場合、パラメータは、圧縮によって発生し得る情報ロスの程度を定めることができる。
【0133】
圧縮に使用されるデータモデルまたはプロファイルは、データソース31、32、33の各々に対して別々に提供されてよいが、そのようである必要はない。例示のために、一部のデータソース31、32、33のプロファイルについて情報が欠落している場合、利用可能なプロファイル情報を、一部のプロファイルの欠落情報を補償するために組み合わせて使用することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、データの事前プロファイルを実際に詳細にすることなくデータのプロファイルを使用できることを保証するために、プロファイルのクラスタリングを実行することができる。この目的のために、既知のクラスタリング技術を使用することができる。欠落情報を推論するために、(例えば、送電網またはIACSの挙動および特性についての)システム知識を、機械学習モジュール24によって利用することができる。相関および物理的相互依存性のような統計的特徴を、モデルおよびプロファイル25を改善するために、少なくとも1つの集積回路21によって使用することができる。
【0134】
意思決定装置20、データソース31、32、33、記憶装置41、42、43、および随意により分析装置50は、適切な通信バスまたはネットワーク19を介して通信することができる。
【0135】
動作時に、意思決定装置20は、データソース31、32、33において収集された種々の元データを表すために保存されたクラスおよびモデルに信号を割り当てることができる。データは、電流、電圧、スイッチパラメータ(スイッチ状態またはスイッチモータの動作状態など)、変圧器状態パラメータ(変圧器のブッシングまたは絶縁に関するパラメータなど)、あるいは発電システム、配電システム、または産業システムの動作に関する他のデータを表すことができる。
【0136】
意思決定装置20は、さまざまな圧縮技術からの自動的選択、およびデータソース31、32、33の各々の圧縮パラメータの決定によって、圧縮を最適化することができる。システムは、エンジニアリングの労力も低減する自己最適化が可能である。圧縮は、Lempel-Ziv型圧縮アルゴリズムおよび同様の手法に限定されず、同じデータセット内のデータ間のパターン/類似性を利用することができ、あるいは異なるソースからの異なるデータセット間のパターン/類似性でさえも利用することができる。圧縮は、どの種類の圧縮をいつ使用するかを決定することができる機械学習ベースの意思決定装置20によって実施される。
【0137】
意思決定装置20は、クラスおよびモデル25に信号を割り当てることができる。モデル25は、データソース31、32、33の種々の元データに依存し得る。機械学習法が、新たなデータでモデル25を更新するために使用される。これは、例えば、統計的方法、ニューラルネットワーク、または強化学習を使用して保存されるべきデータを表す不可逆および可逆プロファイルを構築または更新するための基礎を形成することができる。例えば、特定のデータソースに関して可逆圧縮を実行するために、ユーザの好みを考慮に入れることができる。
【0138】
データ分析の際に保存されたデータを使用するために分析装置50によって出力される照会の頻度および種類に関する情報を、最適な圧縮技術または圧縮パラメータを決定するときに考慮することができる。
【0139】
例示のために、分析装置50によってより頻繁に照会されるデータに関しては、圧縮後のデータのためのストレージ空間をあまり顕著には削減できないかもしれないが、データのより迅速な解凍を可能にする圧縮技術が好ましいかもしれない。圧縮時にデータサイズのより顕著な削減をもたらす圧縮技術は、分析装置50による照会の頻度が少ないデータについて好ましいかもしれない。
【0140】
これに代え、あるいはこれに加えて、データ所有者が事前に好みを指定することができる。これは、データの損失を最大限に回避しなければならない状況において有用となり得る。例示のために、TSOまたはDSOは、壊滅的な障害をもたらす可能性がある送電網または発電システムのシステム量を表すデータについて、可逆的なやり方でしか圧縮されないように保証することを望むかもしれない。
【0141】
複数のデータソース30と意思決定装置20との間および/または記憶装置40と意思決定装置20との間で交換される必要がある圧縮技術に関する制御データの量を最小限に抑えるために、モデル/プロファイルを、感知に関与するデータソース31、32、33または第1のデジタル処理ステップにプッシュすることができる。このような場合には、モデル/プロファイルの更新に関する更新情報だけを処理および記憶装置41、42、43、50に送信すればよい。同様に、記憶装置41、42、43は、プロファイルおよび/またはモデルの変更を記憶するだけでよい。更新情報を、例えばデータソース31、32、33のモデル/プロファイルにおけるパラメータ変更に関する情報を含む増分更新として送信することができる。
【0142】
圧縮および随意による暗号化を、プライバシー保護および機密性を保証するために使用することができる。例示として、M.Harvan,S.Kimoto,T.Locher,Y.-A.Pignolet and J.Schneider,“Processing Encrypted and Compressed Time Series Data,”37th IEEE International Conference on Distributed Computing Systems(ICDCS),2017に記載の技術を、プライバシー保護を保証するために使用することができる。圧縮方法および適用される場合の暗号化方法を、意思決定装置20によって、データソース31、32、33から由来するデータおよび分析時の分析装置50の照会に適応するものにすることができる。
【0143】
データソース31、32、33によって使用される圧縮技術を選択するための候補圧縮技術は、とくには限定されない。使用可能な効率的な圧縮技術の例として、例えば、区分回帰による非可逆圧縮(例えば、F.Eichinger,P.Efros,S.Karnouskos,and K.Boehm,“A Time-Series Compression Technique and its Application to the Smart Grid”.The VLDB Journal,24(2),193-218,2015に記載の技術を使用する)またはランレングス符号化を使用する可逆圧縮(例えば、F.Fusco,M.Vlachos,and X.Dimitropoulos,“RasterZip:Compressing Network Monitoring Data with Support for Partial Decompression.”Proc.ACM Internet Measurement Conference(IMC),2012に記載の技術を使用する)が挙げられる。
【0144】
図2が、配電または発電システムの構成要素と共に使用される意思決定装置20、記憶装置41、42、43、および分析装置50を示す概略図である。例示のために、変電所のベイが、スイッチQB1、QB2、QC2、AQ1、QB9、およびQC9、電流感知用の変成器BC1およびBC2、ならびに電圧感知用の変圧器BA1を含むことができる。センサ装置31、32、33が、デジタルデータ出力を提供し、意思決定装置20の機械学習手法に基づいて決定された圧縮技術を適用する第1の構成要素である。
【0145】
意思決定装置20は、データソース31、32、33によって適用される圧縮を自動的に選択および改善するように構成される。意思決定装置20は、機械学習手法を使用して圧縮を選択および改善することができる。
【0146】
図3が、一実施形態による方法60のフローチャートである。方法60を、意思決定装置20によって実行することができる。
【0147】
ステップ61において、データソース31、32、33に関する情報が受信される。情報を、ユーザ入力によって取得することができ、あるいは構成ファイルを分析することによって取得することができる。構成ファイルは、IACS、配電システム、または発電システムの標準化された構成記述または独自の構成記述であってよい。
【0148】
ステップ62において、データソース31、32、33について適切な圧縮技術および/または圧縮パラメータを決定するために、機械学習アルゴリズムが実行される。意思決定装置20によって実行される機械学習アルゴリズムは、IACS、配電システム、または発電システムの動作の最中、ならびに/あるいは分析装置50によって実行されるデータ分析の最中に、学習を続けることができる。
【0149】
ステップ63において、更新情報が生成され、送信される。更新情報は、データソース31、32、33による圧縮に使用されるプロファイルまたはデータモデルの変更を示すことができる。更新情報を、プッシュ機構を介してデータソース31、32、33および記憶装置41、42、43に送信することができる。更新情報は、圧縮技術の更新が有効となる時刻の情報を含むことができる。
【0150】
更新情報を、ローカルに記憶されたプロファイルまたはモデルを更新するために、データソース31、32、33および記憶装置41、42、43によって使用することができる。
【0151】
図4が、一実施形態によるシステムの概略のブロック図である。データソース34は、IACS、発電システム、または配電システムの少なくとも1つのパラメータを示すデータを提供することができる。データソース34は、少なくとも1つの集積回路35を含むことができる。少なくとも1つの集積回路は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはこれらの任意の組み合わせを備えることができる。
【0152】
データソース34は、データ圧縮に使用されるデータモデルまたはプロファイル36に関する情報をローカルに記憶する不揮発性ストレージまたはメモリデバイスを含むことができる。データモデルまたはプロファイルは、データを出力する前にデータソース34によってどの圧縮がデータに適用されるかを決定することができる。データモデルまたはプロファイルは、意思決定装置20によって決定されたそれぞれの圧縮アルゴリズムのパラメータを決定することができる。
【0153】
動作中に、意思決定装置20からの更新情報に応答して、少なくとも1つの集積回路35は、ローカルに記憶されたモデルまたはプロファイルを更新することができる。例示として、パラメータ、あるいは圧縮技術の種類さえも、受信した更新情報に応じて変更することができる。更新されたモデルまたはプロファイルを、意思決定装置20によって指定された時刻から有効にすることができ、適用することができる。
【0154】
記憶装置44は、IACS、発電システム、または配電システムの少なくとも1つのパラメータを示すデータを提供することができる。記憶装置44は、少なくとも1つの集積回路45を含むことができる。少なくとも1つの集積回路は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはこれらの任意の組み合わせを備えることができる。
【0155】
記憶装置44は、データ圧縮のためにデータソース34によって使用されるデータモデルまたはプロファイル46に関する情報をローカルに記憶する不揮発性ストレージまたはメモリデバイスを含むことができる。データモデルまたはプロファイルは、データを出力する前にデータソース34によってどの圧縮がデータに適用されるかを決定することができる。データモデルまたはプロファイルは、意思決定装置20によって決定されたそれぞれの圧縮アルゴリズムのパラメータを決定することができる。データモデルまたはプロファイルは、例えばデータの分析時に保存された圧縮データに対して適用されなければならない解凍アルゴリズムを決定することができる。
【0156】
動作中に、意思決定装置20からの更新情報に応答して、少なくとも1つの集積回路45は、ローカルに記憶されたモデルまたはプロファイルを更新することができる。例示として、パラメータ、あるいは圧縮技術の種類さえも、受信した更新情報に応じて変更することができる。更新されたモデルまたはプロファイルを、意思決定装置20によって指定された時刻と関連付けて記録することができる。
【0157】
例えばプッシュ機構を用いて意思決定装置20によって送信される更新情報は、増分更新情報であってよい。例示として、プロファイルまたはモデルの変更のみを、意思決定装置20によってデータソース34および記憶装置44に伝達することができる。
【0158】
複数のデータソース31、32、33の各々、および存在する場合、いくつかの記憶装置41、42、43の各々が、図4を参照して説明したように動作可能であってよいことを、理解できるであろう。
【0159】
図5が、一実施形態による方法70のフローチャートである。方法70を、意思決定装置20によって実行することができる。
【0160】
ステップ71において、以前の圧縮の決定に関するフィードバックデータを受信することができる。フィードバックデータは、分析装置50、記憶装置40、および/またはデータソース31、32、33によって自動的にもたらされてよい。フィードバックデータは、意思決定装置20が後の分析のために圧縮データの品質を示す数値を決定することを可能にする品質メトリックまたは情報を含むことができる。これに代え、あるいはこれに加えて、フィードバックデータは、ユーザインターフェース26を介して入力されてもよい。
【0161】
ステップ72において、フィードバックデータを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することができる。訓練は、ニューラルネットワーク訓練、強化学習、または他の機械学習手法を含むことができる。
【0162】
ステップ73において、更新された圧縮の決定をデータソース31、32、33、記憶装置40、および/または分析装置50へと通信するためのトリガ条件が満たされているかどうかが判断される。トリガ条件が満たされない場合、方法はステップ71に戻ることができる。トリガ条件が満たされた場合、ステップ74において、圧縮技術の変更に関する更新情報を生成して、データソース31、32、33、記憶装置40、および/または分析装置50にプッシュすることができる。
【0163】
データソース31、32、33によって使用される圧縮技術およびパラメータを決定するときに、制約を使用することができる。制約を、例えば、種々のデータソースについての専門知識、ならびに/あるいはIACS、発電システム、または配電システムの構成ファイルに含まれる情報を使用して、意思決定装置20によって自動的に課すことができる。制約は、運用者によって入力されてもよい。
【0164】
図6が、課された制約に基づく候補圧縮技術91~98の中からの選択を示している。例示として、いくつかの圧縮技術91、92が、時間ドメインデータの可逆圧縮に適用可能であってよい。他の圧縮技術93、94が、周波数ドメインデータの可逆圧縮に適用可能であってよい。他の圧縮技術95、96が、時間ドメインデータの不可逆圧縮に適用可能であってよい。他の圧縮技術97、98が、周波数ドメインデータの不可逆圧縮に適用可能であってよい。可能な圧縮技術を、可逆圧縮または不可逆圧縮のどちらが実行されるべきかに応じ、かつ/またはデータが時間ドメインデータまたは周波数ドメインデータのどちらであるかに応じて、すべての候補圧縮技術91~98のサブセットから選択することができる。圧縮アルゴリズムのグループ81、82、83、84を定義することができる。
【0165】
いくつかの実施形態による装置および方法は、必要となる物理的なストレージを最小限に抑えつつ、詳細な長期分析をサポートすることができるやり方で、送信、保存、および/または分析のためにデータを圧縮するために、機械学習手法を使用することができる。これにより、運用者は、(センサからストレージシステムへとデータを送信するために必要な通信帯域幅を削減することによって)より多くのデータを収集し、はるかに長い時間区間についてより効率的にデータを記憶することができる。したがって、機械学習技術を使用して圧縮されたデータは、新たなサービスおよび製品を可能にする。
【0166】
機械学習手法は、さまざまな圧縮方法からの自動的選択、および/または各々のデータセット/データストリームのための圧縮パラメータの決定によって、圧縮を最適化することが可能であってよい。このようにして、システムは、エンジニアリングの労力も低減する自己最適化が可能である。圧縮は、Lempel-Ziv型圧縮アルゴリズムおよび同様の手法に限定されない。圧縮は、同じデータセット内のデータ間のパターン/類似性を利用することができ、あるいは異なるデータセット間のパターン/類似性さえも利用することができる。いくつかの実施形態による方法および装置は、この技術的解決策を独自のものにするどの種類の圧縮をいつ使用するかを決定する機械学習ベースの意思決定装置による圧縮アルゴリズムの実装を可能にする。
【0167】
長期ストレージおよびプロファイル管理の生成は、時間および/または周波数ドメインにおけるさまざまな特徴の分析を含むことができる。データは、圧縮、信号分析および処理、および代表的な統計を導出するための信号相関、種々の元データを表すために保存された分類およびモデルに信号を割り当てるための分類アルゴリズムを含むさまざまな種類の方法を使用して、効率的なやり方で記憶することができる。
【0168】
機械学習方法を使用して、利用可能な過去のデータで訓練されたモデルを新しいデータで更新することができる。これは、(例えば、統計的方法、あるいはニューラルネットワークおよび強化学習を使用して)保存されるべきデータを表す(データ所有者の好みに応じた)不可逆および可逆プロファイルを構築するための基礎を形成することができる。そのような手順は、さまざまな調整可能なパラメータを提供するがゆえ、このステップを、データ分析タスクの際の保存されたデータを使用するために照会の頻度および種類に対して最適化することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、データ所有者が事前に好みを指定することができる。これは、データの喪失を最大限に回避しなければならない状況において重要となり得る。
【0169】
いくつかの実施形態による方法およびシステムは、圧縮の最適化を可能にする。データをよりコンパクトなやり方で保存することに注力するさまざまな圧縮アルゴリズムが存在する。例えば、デジタルデータを一般的な方法で可逆的に圧縮する古典的なLempel-Ziv型の圧縮技術を使用することができる。しかしながら、実際には情報を失うが、多くの場合に許容できる圧縮技術も存在する。本発明の実施形態は、圧縮のためのいくつかの(予め定められた)方法の間での自動的な選択を行うことができ、それに応じてこれらのアルゴリズムをパラメータ化する方法またはモジュールを提供する。次いで、圧縮の実行を、例えば安全な通信帯域幅のためにデータの出所に近いシステム内の他の装置、および/または記憶装置において行うことができる。
【0170】
方法およびシステムは、データソースが時間につれて変化し得ると仮定してシステムをさらに最適化するために、どの圧縮アルゴリズムが使用されるかの決定および/またはアルゴリズムのパラメータ化を定期的なやり方で見直すことができる。
【0171】
図7が、自動的に実行され得る方法65のフローチャートである。ステップ61~63を、いくつかの圧縮アルゴリズムのうちのどれを使用すべきかの決定および/または圧縮アルゴリズムのパラメータ化を自動的に行うために、図3を参照して説明したように実施することができる。
【0172】
ステップ64において、更新された圧縮の決定のためのトリガが満たされているかどうかが判断される。ステップ64におけるトリガは、使用すべき圧縮アルゴリズムの決定およびそのパラメータ化を定期的な様相で、例えば周期的に繰り返すことができるように、タイマの満了であってよい。ステップ64におけるトリガは、使用すべき圧縮アルゴリズムの決定およびそのパラメータ化をイベント駆動型にて繰り返すことができるように、トリガイベントであってよい。
【0173】
このように、データソースが時間につれて変化し得ると仮定してシステムをさらに最適化するために、定期的なやり方でのどの圧縮アルゴリズムが使用されるかの決定および/またはアルゴリズムのパラメータ化。
【0174】
データソースからのデータは、時系列データであってよい。時間の関数としての電力消費が、これに限られるわけではないが、そのような時系列データの一例である。時系列データは、例えば、家庭の電力消費量であってよい。
【0175】
候補圧縮アルゴリズムのうちの1つ以上が、異なるデータソース(例えば、異なる家庭)の時系列データを相関させることができる。時系列データのセットを、相関に基づいて異なるデータソースからの時系列データをグループ化することによって形成することができる。時系列データを、セット内のすべての時系列データが相関基準を満たすように充分に類似するように、セットへとグループ化することができる。例示のために、セットにグループ化された時系列データの任意のペア間の相互相関が、しきい値基準を満たすことができる(例えば、しきい値を超えることができる)。
【0176】
候補圧縮アルゴリズムのうちの1つ以上を、上述のようにグループ化された時系列データの任意のセットについて、データソースのうちの1つに由来する時系列データのみが送信および/または保存されるようなやり方で実装することができる。同じセットに属するようにグループ化された他のデータソースについて、圧縮アルゴリズムは、これらのデータソースから由来する時系列データを、時系列データが保存されたセット内の1つのデータソースの時系列データと相関させるように識別するインジケータを提供することができる。
【0177】
すなわち圧縮機構は、異なるデータソースの時系列を互いに相関させ、それらのうちの少数のみを(さらなる圧縮された形式で)伝達し、他の消費パターンが(或る程度の情報喪失を伴って)きわめて類似することを指定することができる。これにより、時系列データのすべての個々の曲線を伝達することが回避される。
【0178】
圧縮機構は、クラスタリング技術をさらに使用して、異なる時系列データ(例えば、消費パターン)をいくつかの分類に分類することができる。分類は、時間の関数として変化し得、例えば曜日または月などの関数として変化し得る。例示のために、例えば月曜日についてX個の分類が存在でき、火曜日についてY個の分類が存在できる。次に、圧縮アルゴリズムは、特定の日の時系列データ(例えば、消費パターン)を識別し、送信および/または保存のために時系列データの代わりに分類の番号を伝達することができる。これにより、コンパクトなストレージがもたらされる。
【0179】
機械学習アルゴリズムは、時系列データのセットへのグループ化および/または信号の分類のための基準を学習することができる。例示のために、機械学習アルゴリズムは、システムの進行中の動作の最中および/またはデータ分析の最中に品質フィードバックを受信することができる。品質フィードバックは、インターフェースを介して受信される専門家フィードバックおよび/またはシステムによって自動的に生成される定量的フィードバックを含むことができる。機械学習アルゴリズムは、進行中の動作の最中にデータの相関に使用される相関基準ならびに/あるいは分類の数および種類を調整して、圧縮アルゴリズムおよびそのパラメータ化を選択する最適なやり方を学習することができる。
【0180】
情報喪失を伴う圧縮技術を、情報喪失が許容される場合にのみ選択的に使用することができる。
【0181】
機械学習アルゴリズムは、非可逆圧縮または可逆圧縮のいずれを使用すべきかを自動的に決定することができる。例示のために、機械学習アルゴリズムは、データ自体および/またはメタデータから推測することができる必要な情報の粒度および/またはフォーマットを決定することができる。例示のために、データが画像データまたは重要であるとマークされていない多くの冗長情報を有する他のデータである場合、非可逆圧縮が選択され得る。データが、失われてはいけない重要なフィールドを含むと認識される場合、可逆圧縮が選択される。
【0182】
図8が、種々のデータソースからの例示的なデータ91~94を示している。データ91~94は、時系列データをそれぞれ表すことができる。1つの候補圧縮アルゴリズムは、時系列データ91~94の互いの相互相関を計算し、結果をしきい値と比較することができる。
【0183】
圧縮アルゴリズムは、相関基準に適合すると考えられる時系列データのうちの1つ(例えば、第1のソースからの時系列データ91)のみを、随意によりさらなる処理の後に、送信および/または保存させることができる。
【0184】
圧縮アルゴリズムは、他のソースからのデータ92、93を送信および/または保存する代わりに、インジケータを送信および/または保存させることができる。インジケータは、データ92、93が時系列データ91に相関することを示すことができる。
【0185】
機械学習アルゴリズムは、例えば図5を参照して説明したように、受信したフィードバックに基づいて圧縮アルゴリズムのパラメータ化を調整することができる。
【0186】
例示のために、ソースからのデータ94が、データ94を別のソースからの時系列データ91とグループ化することを可能にする相関基準(時系列データ91、94のうちの一方の送信および/または保存を、類似性を示すインジケータの送信および/または保存によって置き換えることができるように)を満たすかどうかを判定するしきい値を、進行中の動作の最中に学習することができる。これを、受信したフィードバックに基づいて、相関しきい値比較に使用されるしきい値を大きくし、かつ/または小さくすることによって行うことができる。
【0187】
信号処理に関して、或る期間にわたって時間または周波数ドメインのいずれかを圧縮することが有益であり得る。方法およびシステムにおいて、機械学習アルゴリズムは、時間ドメインまたは周波数ドメインのどちらにおける圧縮がより有益であるかどうかを学習することができる。これを、例えば図5を参照して説明したように、受信したフィードバックに基づいて行うことができる。
【0188】
圧縮アルゴリズムのいくつかを、信号をシステム内の他の信号(図8を参照して説明したとおり)または過去の他の信号のいずれかと比較するように構成することができる。相関値を使用して、相関しきい値基準を満たすように充分に類似している信号を識別することができる。類似していると考えられる信号のグループのすべての信号を送信および/または保存する必要はない。機械学習アルゴリズムは、経時的に学習し、どの方法を使用するかを経時的に調整する。これを、例えば図5を参照して説明したように、受信したフィードバックに基づいて行うことができる。
【0189】
信号だけでなく、異なるプロファイル情報を組み合わせて、いくつかのプロファイルにおける欠落情報を補償することができる。プロファイルのクラスタリングを使用して、システムがデータの詳細なプロファイルを実際に有することなくデータのプロファイルを使用できることを保証することができる。この目的のために、抽出されたプロファイルについての推論を可能にし、必要に応じて補正をもたらすために、システム知識(例えば、送電網の挙動および特性)を機械学習アルゴリズムによって利用することができる。相関および/または(物理的)相互依存性のような統計的特徴を、モデルおよびプロファイルを改善するために使用することができる。
【0190】
交換されるデータの量を最小限に抑えるために、モデル/プロファイルを、感知に関与するデバイスまたは第1のデジタル処理ステップへとプッシュすることができる。そのような場合、モデル/プロファイルを更新するデータのみを、さらなる処理および保存設備へと送信すればよい。記憶装置は、プロファイルおよび/またはモデルの変更を保存するだけでよい。いくつかの実施形態による方法、装置、およびシステムによって、さまざまな効果および利点が達成される。例示として、ストレージ空間の要件および必要な通信帯域幅が低減される。圧縮アルゴリズムの自動選択は、エンジニアリングの労力を削減する。
【0191】
本発明を図面および以上の説明において詳細に説明してきたが、そのような説明は例示または典型であり、限定ではないと考えられるべきである。図面、開示、および添付の特許請求の範囲を検討することで、当業者であれば、特許請求される発明を実施することによって、開示された実施形態に対する変形を理解および達成することができる。特許請求の範囲において、「・・・を含む(comprising)」という語は、他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を排除しない。単に特定の要素またはステップが別々の請求項に記載されているという事実は、これらの要素またはステップの組み合わせを好都合に使用することができないという意味ではなく、具体的には、実際の請求項の従属関係に加えて、任意のさらなる意味のある請求項の組み合わせが開示されていると見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであるシステムの複数のデータソース(31~34)からのデータの保存を促進する方法であって、
機械学習アルゴリズムを実行して前記データの由来元のデータソース(31~34)に応じて圧縮技術を決定する意思決定装置(20)の少なくとも1つの集積回路(21)を使用して、前記データに適用される圧縮技術を決定するステップと、
前記意思決定装置(20)によって、データソース(31~34)について決定された前記圧縮技術を、前記データソース(31~34)からのデータに適用させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報が、前記意思決定装置(20)によってプッシュ機構を介してそれぞれのデータソース(31~33)および/または記憶装置(41~44)へと提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮技術の変更に関する情報を、圧縮プロファイルまたはデータモデルの変更を示す増分更新として送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、いくつかの候補圧縮技術(91~98)のうちのどれを適用するかを決定することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、前記圧縮技術の少なくとも1つのパラメータを決定することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記圧縮技術を決定するステップおよび前記圧縮技術を適用させるステップを自動的に繰り返すこと
をさらに含み、
任意に、前記圧縮技術を決定するステップおよび前記圧縮技術を適用させるステップは、定期的な様相で繰り返される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、データソース(31~34)に関するデータモデルまたはプロファイル(25、36、46)の更新を生成することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記意思決定装置(20)によって、前記データモデルまたはプロファイル(25、36、46)の前記更新に関する更新情報を送信すること、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記意思決定装置(20)は、前記更新情報を、前記決定されたデータモデルまたはプロファイル(25、36、46)の更新の対象のデータソース(31~34)へと送信する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データソース(31~34)によって、前記データソース(31~34)にローカルに保存された圧縮モデルまたはプロファイル(36)を、受信した更新情報に基づいて更新することにより、更新された圧縮モデルまたはプロファイルを生成することと、
前記データソース(31~34)によって、前記更新された圧縮モデルまたはプロファイルに基づいて圧縮を実行することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記更新情報の送信先の前記データソース(31~34)は、センサ装置またはマージングユニットを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記意思決定装置(20)によって、前記更新情報を、前記データソース(31~34)からのデータを保存する少なくとも1つの記憶装置(41~44)へと送信すること、をさらに含む請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習アルゴリズムは、データソースごとの制約の下で前記圧縮技術を決定する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記IACS、配電システム、または発電システムの動作の最中に前記機械学習アルゴリズムを訓練すること
をさらに含み、
任意に、前記機械学習アルゴリズムを訓練することは、時間ドメインにおける圧縮または周波数ドメインにおける圧縮のどちらがより有益であるかを学習することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記決定された圧縮技術は、異なるデータソースの時系列データの相関を決定し、随意により、前記方法は、前記決定された相関に依存する情報の送信および/または保存をさらに含む、および/または、
前記決定された圧縮技術は、分類またはクラスタリング技術を含み、随意により、前記方法は、分類またはクラスタを示す情報の送信および/または保存をさらに含み、さらに/あるいは随意により、前記分類またはクラスタリングは、時間依存性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムの複数のデータソース(31~34)からのデータの保存を促進するように構成された意思決定装置(20)であって、
前記複数のデータソース(31~34)に通信可能に結合するように構成された少なくとも1つのインターフェース(22)と、
前記データに適用される圧縮技術を決定するように動作することができる少なくとも1つの集積回路(21)と
を備えており、
機械学習アルゴリズムを実行して前記データの由来元のデータソース(31~34)に応じて前記圧縮技術を決定する、意思決定装置(20)。
【請求項17】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報をプッシュ機構を介してそれぞれのデータソース(31~33)および/または記憶装置(41~44)へと提供するように構成された、請求項16に記載の意思決定装置(20)。
【請求項18】
前記圧縮技術の変更に関する情報を、圧縮プロファイルまたはデータモデルの変更を示す増分更新として送信するように構成された、請求項17に記載の意思決定装置(20)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの集積回路(21)は、データソース(31~34)について決定された前記圧縮技術を、前記データソース(31~34)から由来するデータに、前記データの保存の前に適用させる制御情報を生成するように動作することができる、請求項16~18のいずれか1項に記載の意思決定装置(20)。
【請求項20】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであるシステムであって、
複数のデータソース(31~34)と、
前記複数のデータソース(31~34)から由来する圧縮データを保存するための少なくとも1つの記憶装置(41~44)と、
請求項16~19のいずれか1項に記載の意思決定装置(20)と
を備え
任意に、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法を実行するように動作することができる、システム。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであるシステムの複数のデータソース(31~34)からのデータの保存を促進する方法であって、
機械学習アルゴリズムを実行して前記データの由来元のデータソース(31~34)に応じて圧縮技術を決定する意思決定装置(20)の少なくとも1つの集積回路(21)を使用して、前記データに適用される圧縮技術を決定するステップと、
前記意思決定装置(20)によって、データソース(31~34)について決定された前記圧縮技術を、前記データソース(31~34)からのデータに適用させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報が、前記意思決定装置(20)によってプッシュ機構を介してそれぞれのデータソース(31~33)および/または記憶装置(41~44)へと提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮技術の変更に関する情報を、圧縮プロファイルまたはデータモデルの変更を示す増分更新として送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、いくつかの候補圧縮技術(91~98)のうちのどれを適用するかを決定することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、前記圧縮技術の少なくとも1つのパラメータを決定することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記圧縮技術を決定するステップおよび前記圧縮技術を適用させるステップを自動的に繰り返すこと
をさらに含み、
任意に、前記圧縮技術を決定するステップおよび前記圧縮技術を適用させるステップは、定期的な様相で繰り返される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記圧縮技術を決定するステップは、前記機械学習アルゴリズムを実行して、データソース(31~34)に関するデータモデルまたはプロファイル(25、36、46)の更新を生成することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記意思決定装置(20)によって、前記データモデルまたはプロファイル(25、36、46)の前記更新に関する更新情報を送信すること、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記意思決定装置(20)は、前記更新情報を、前記決定されたデータモデルまたはプロファイル(25、36、46)の更新の対象のデータソース(31~34)へと送信する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データソース(31~34)によって、前記データソース(31~34)にローカルに保存された圧縮モデルまたはプロファイル(36)を、受信した更新情報に基づいて更新することにより、更新された圧縮モデルまたはプロファイルを生成することと、
前記データソース(31~34)によって、前記更新された圧縮モデルまたはプロファイルに基づいて圧縮を実行することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記更新情報の送信先の前記データソース(31~34)は、センサ装置またはマージングユニットを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記意思決定装置(20)によって、前記更新情報を、前記データソース(31~34)からのデータを保存する少なくとも1つの記憶装置(41~44)へと送信すること、をさらに含む請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習アルゴリズムは、データソースごとの制約の下で前記圧縮技術を決定する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記IACS、配電システム、または発電システムの動作の最中に前記機械学習アルゴリズムを訓練すること
をさらに含み、
任意に、前記機械学習アルゴリズムを訓練することは、時間ドメインにおける圧縮または周波数ドメインにおける圧縮のどちらがより有益であるかを学習することを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記決定された圧縮技術は、異なるデータソースの時系列データの相関を決定し、随意により、前記方法は、前記決定された相関に依存する情報の送信および/または保存をさらに含む、および/または、
前記決定された圧縮技術は、分類またはクラスタリング技術を含み、随意により、前記方法は、分類またはクラスタを示す情報の送信および/または保存をさらに含み、さらに/あるいは随意により、前記分類またはクラスタリングは、時間依存性である請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムの複数のデータソース(31~34)からのデータの保存を促進するように構成された意思決定装置(20)であって、
前記複数のデータソース(31~34)に通信可能に結合するように構成された少なくとも1つのインターフェース(22)と、
前記データに適用される圧縮技術を決定するように動作することができる少なくとも1つの集積回路(21)と
を備えており、
機械学習アルゴリズムを実行して前記データの由来元のデータソース(31~34)に応じて前記圧縮技術を決定する、意思決定装置(20)。
【請求項17】
使用されるべき圧縮技術の変更に関する情報をプッシュ機構を介してそれぞれのデータソース(31~33)および/または記憶装置(41~44)へと提供するように構成された、請求項16に記載の意思決定装置(20)。
【請求項18】
前記圧縮技術の変更に関する情報を、圧縮プロファイルまたはデータモデルの変更を示す増分更新として送信するように構成された、請求項17に記載の意思決定装置(20)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの集積回路(21)は、データソース(31~34)について決定された前記圧縮技術を、前記データソース(31~34)から由来するデータに、前記データの保存の前に適用させる制御情報を生成するように動作することができる、請求項16~18のいずれか1項に記載の意思決定装置(20)。
【請求項20】
産業オートメーション制御システム(IACS)、配電システム、または発電システムであるシステムであって、
複数のデータソース(31~34)と、
前記複数のデータソース(31~34)から由来する圧縮データを保存するための少なくとも1つの記憶装置(41~44)と、
請求項16~19のいずれか1項に記載の意思決定装置(20)と
を備え、
任意に、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法を実行するように動作することができる、システム。
【国際調査報告】