IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンウェイブ コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特表-高糖含量液体の真空マイクロ波乾燥 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】高糖含量液体の真空マイクロ波乾燥
(51)【国際特許分類】
   F26B 3/347 20060101AFI20220802BHJP
   F26B 5/04 20060101ALI20220802BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20220802BHJP
   A23L 3/54 20060101ALI20220802BHJP
   A23L 3/40 20060101ALI20220802BHJP
   A23L 29/30 20160101ALI20220802BHJP
   A23G 3/32 20060101ALI20220802BHJP
   A23C 9/18 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
F26B3/347
F26B5/04
F26B25/00 A
A23L3/54 A
A23L3/40 D
A23L29/30
A23G3/32
A23C9/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564803
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 CA2019050850
(87)【国際公開番号】W WO2020248040
(87)【国際公開日】2020-12-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510089351
【氏名又は名称】エンウェイブ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ENWAVE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,グォポン
(72)【発明者】
【氏名】ナイツ,ブラッデン
(72)【発明者】
【氏名】アハメド,シャフィック
【テーマコード(参考)】
3L113
4B001
4B014
4B022
4B041
【Fターム(参考)】
3L113AA01
3L113AB07
3L113AC13
3L113AC23
3L113AC78
3L113BA16
3L113CA04
3L113CA10
3L113CB08
3L113CB15
3L113CB35
3L113DA24
4B001AC02
4B001BC04
4B001BC08
4B001BC10
4B001DC01
4B001EC09
4B014GE01
4B014GG07
4B014GP14
4B014GP23
4B014GP27
4B022LA04
4B022LB09
4B022LR05
4B022LR07
4B041LC10
4B041LD07
4B041LD08
4B041LE10
4B041LK09
4B041LK21
4B041LK22
4B041LK37
4B041LK39
4B041LP02
4B041LP08
(57)【要約】
糖度の高いハチミツや糖蜜等の食品を真空マイクロ波チャンバで乾燥させる方法に関する。当該方法は、食品を真空チャンバに装填する工程及び食品にマイクロ波を照射しながら、真空チャンバ内で食品を45~250トール(60~333ミリバール)の真空圧力に曝す工程を含む。当該方法により、食品が乾燥し、多孔質構造が形成される。当該方法により、発泡を最小限に抑制し、かつ、燃焼を阻止する温度で当該食品を乾燥させつつ、水分含有量を極めて低レベルにまで低下させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖含量が少なくとも20質量%である食品を脱水する方法であって、以下の:
(a) 食品を真空チャンバへ装填する工程;
(b) 前記食品を前記真空チャンバ内で45~250トール(60~333ミリバール)の真空圧力に曝す工程;
(c) 工程(b)で、前記食品にマイクロ波を放射して、前記食品を脱水させる工程;かつ
(d) 脱水された前記食品を前記真空チャンバから搬出する工程;
を含む方法。
【請求項2】
前記食品の糖含量が、20~85質量%の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食品の糖含量が、少なくとも40質量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記食品の糖含量が、40~80質量%の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(b)の圧力は、50~250トールの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(b)における圧力は、50~200トールの範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記工程(b)における圧力は、50~100トールの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記脱水された食品の水分含有量は、0~10質量%の範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記脱水された食品の水分含有量は、1~4質量%の範囲である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(c)における前記食品の温度は、75~125℃の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記工程(c)における前記食品の温度は、90~110℃の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記真空チャンバ内における前記食品の滞留時間は、30~90分の範囲である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記真空チャンバ内における前記食品の滞留時間は、40~70分の範囲である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記マイクロ波の放射における電力密度は、前記食品の100~3000kW/kgの範囲である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記工程(a)の前に、さらに、前記食品にマルトデキストリンを添加する工程を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記マルトデキストリンは、前記食品の5~30質量%の範囲である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、連続スループットベースで行われる、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
さらに、前記脱水された食品を粉砕して粉末を形成する工程を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記食品は粘稠液を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記脱水された食品は多孔質である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記食品は、蜂蜜、糖蜜、メープルシロップ、アガベシロップ、カラメル、コーンシロップ、デートシロップ、及び加糖コンデンスミルクからなる群より選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハチミツ及び糖蜜等の糖度の高い食品を乾燥させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料の脱水は、貯蔵用の製品を保存するか、又は脱水形態で用いられる製品、例えば乾燥ハーブ及び種々の種類のチップ、の作製のため、食品加工産業では一般的に行われる。真空マイクロ波脱水による食品の脱水が知られている。特許文献におけるこの例としては、特許文献1~5があげられる。真空マイクロ波乾燥は、空気乾燥製品及び凍結乾燥製品と比較して、生成した製品の品質を改善することができる迅速な方法である。当該乾燥は減圧下で行われるため、水の沸点及び大気中の酸素含有量が低下して、酸化及び熱分解に敏感な栄養成分を高度に保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/049409号
【特許文献2】国際公開第2009/033285号
【特許文献3】国際公開第2011/085467号
【特許文献4】国際公開第2013/010257号
【特許文献5】国際公開第2014/085897号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広範囲の食品を真空マイクロ波処理によって乾燥することができるが、先行技術では、高糖含有液体食品の乾燥には成功していない。糖含量が20質量パーセントを超える食品は、通常、粘稠液の形態である。当該食品を真空マイクロ波乾燥する場合、従来から用いられている真空圧力で印加すると、発泡や飛沫をおこしてしまう。また、真空チャンバ内で当該食品の構造が崩壊し、食品を燃焼させなければ除去できない水分が溜まる。このように、食品加工分野では、高糖含有食品を効果的に乾燥させる方法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、45~250トール(60~333ミリバール)の範囲の真空圧力を含む加工条件を用いて、真空マイクロ波乾燥を用いて高糖含有食品を乾燥させて、商業的に許容される食品を製造することができることを見出した。驚くべきことに、これは、水分含有量を非常に低いレベルにまで低減しつつ、当該食品の泡立ちを最小化するか又は防止し、当該食品の燃焼を阻止する温度で乾燥させることが見出された。
【0006】
本発明の一実施形態では、糖含量が少なくとも20質量%である食品を脱水する方法が提供され、その方法は、以下の:(a)食品を真空チャンバへ装填する工程;(b)前記食品を前記真空チャンバ内で45~250トール(60~333ミリバール)の真空圧力に曝す工程;(c)工程(b)で、前記食品にマイクロ波を照射して、前記食品を脱水させる工程;かつ(d)脱水された前記食品を前記真空チャンバから搬出する工程;を含む。
【0007】
本発明の当該及び他の態様及び特徴は、特定の実施形態の以下の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の方法を実施するのに適する真空マイクロ波脱水装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の方法は、真空マイクロ波装置を用いて高糖含有食品を脱水する。一般的には、これは、食品を選択した真空圧力に曝し、選択した滞留時間の間真空チャンバ内でマイクロ波の放射に曝し、それによって当該食品を加熱し、水分を所望のレベルに低下させることにより、行われる。一実施形態では、当該プロセスは、連続スループットベースで行われ、この場合、当該食品は、真空チャンバに供給され、選択した滞留時間において、入力端から出力端まで真空チャンバを通って搬送され、その間、マイクロ波発生器は、当該食品にマイクロ波を照射する。他の実施形態では、当該プロセスは、当該真空チャンバを装填し、当該食品を処理した後、当該真空チャンバを開いて乾燥食品を搬出することにより、バッチベースで行われる。所望であれば、当該乾燥食品を粉砕して粉末を形成することもできる。
【0010】
本発明による加工に適した食品の糖含量は、20~85質量%の範囲、又は40~80質量%の範囲の高糖含量である。例えば、蜂蜜及び糖蜜は、約80質量%、コーンシロップは約75質量%、及び加糖コンデンスミルクは、約50質量%の糖含量である。これは、真空マイクロ波乾燥を用いて加工される他のほとんどの食品は、通常10質量%未満の糖類であるが、それよりも糖含量がはるかに高い。本発明による加工用高糖含有食品は、通常粘稠液の形態である。当該プロセスでは、真空チャンバ内で約45~250トール(60~333ミリバール)、あるいは50~250トール(66.7~333ミリバール)、あるいは50~200トール(66.7~267ミリバール)、あるいは50~100トール(66.7~133ミリバール)の真空圧力を用いる。本発明者らは、約45トール未満、又は50トール未満で高糖含有食品を加工すると、当該食品を乾燥させるのに適したいかなるマイクロ波電力密度における真空マイクロ波乾燥中で、制御不能な発泡が生じること;かつ、250トールを超える真空圧力で加工する場合、粘稠液を好ましい多孔質構造になるように乾燥させることができないと判断した。45~250トールの範囲の圧力により、高糖含有食品の泡立ち及び飛散が制御され、当該食品構造の崩壊が防止され、乾燥すると当該食品の水分含有量が低くなり、最終製品を均一に形成するのに適することが見いだされた。当該食品は、当該真空チャンバ内で、当該食品を燃焼させるのに十分ではないが、適当な乾燥を確実にするのに十分な温度で乾燥する。例えば、乾燥中の当該食品の適当な温度は、75~125℃、あるいは90~110℃の範囲である。
【0011】
適当なマイクロ波電力密度は、食品1kg当たり100~3000kWの範囲である。電力密度がより低い場合、最終的には当該食品は乾燥するものの、商業的に実用的になるまでに必要な乾燥時間は極めて長い。電力密度がより高い場合、乾燥中に高糖含有液体の過剰な泡立ち又は飛沫を引き起こすことが測定されている。
【0012】
ある実施形態では、マルトデキストリンは、乾燥前に食品に添加される。例えば、5~30質量%が添加されてよい。これは、乾燥プロセスを補助し、かつ、細孔分布がより均一で、より多孔質の均一に乾燥された生成物を生成するために判断されている。
【0013】
高糖含有材料を乾燥に最も適する真空チャンバ内における滞留時間は、30~90分の範囲、あるいは40~70分であることが見いだされた。脱水工程後、乾燥した生成物は真空チャンバから排出される。乾燥材料の最終水分レベルは、0~10質量%の範囲でありえ、あるいは1~4質量%の範囲でありえる。
【0014】
一の実施形態では、脱水プロセスは、圧力が大気圧未満である連続スループット真空マイクロ波乾燥装置を用いて行われ、マイクロ波発生器は、一定又は可変エネルギー出力で当該食品に照射するように配置される。乾燥される食品は、その入力端で真空チャンバ内に装填され、真空チャンバを通ってその出力端まで移動する。その後、脱水された当該食品は、真空チャンバの出力端から排出される。
【0015】
図1は、連続スループットベースでプロセスを実行する装置を概略的に示す。真空マイクロ波脱水機10は、材料を導入する入力端14と、乾燥生成物を搬出する出力端16と備える真空チャンバ12を備える。第1のエアロック18が入力端に配置され、第2のエアロック20が出力端に配置されて、当該食品を搬入及び搬出する。コンベア22が、通常一定の速度で、トレイ上の材料を、真空チャンバの入力端から出力端まで搬送するように設けられる。マイクロ波源24は、マイクロ波エネルギーを真空チャンバ内に照射するように構成される。真空源26は、真空チャンバ内の圧力を大気圧以下に低下させるために真空チャンバに動作可能に接続されている。
【0016】
乾燥装置10は、コンデンサ、冷却ユニット、真空ポンプ、水負荷システム、及びコンベア駆動モータ、マイクロ波発生器、真空ポンプ、冷媒ポンプ、及びエアロックの制御を含む、システムの動作を制御するプログラマブルロジックコントローラを含む、真空マイクロ波脱水機に通常必要な構成要素を含む。
【0017】
本発明の方法の実施に適する真空マイクロ波脱水器の例は、商標quantAREVの下でカナダブリティッシュコロンビア州デルタのエンウェーブ社から市販されている、特許文献3に開示される進行波型装置である。当該装置を用いて、高糖含有食品をトレイ上の真空チャンバに供給し、真空圧力及びマイクロ波の放射に曝し、コンベヤベルト上のマイクロ波透過性ウインドウを横切って搬送する。
【0018】
本発明の方法による脱水に適した食品としては、蜂蜜、糖蜜、メープルシロップ、アガベシロップ、カラメル、コーンシロップ、デートシロップ及び加糖コンデンスミルク、ならびに他の糖質粘稠液が含まれる。
【実施例1】
【0019】
対照として、初期水分含有量が約25質量%である133グラムのデートシロップの試料を、真空圧力25トール及びマイクロ波電力レベル1200Wの真空マイクロ波装置中で処理した。30秒以内に発泡が始まり、皿があふれた。完成品になるまで乾燥できなかった。
【実施例2】
【0020】
重さ69gで、初期水分含有量が20質量%の蜂蜜の試料をバッチ式マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は60±2トールであった。マイクロ波出力電力は1200Wで一定であった。滞留時間は52分であった。生成物の泡立ちや燃焼(焦げ付き)は観察されなかった。当該食品の最終温度は100℃であった。最終生成物質量は56.5gであり、最終水分含有量は2.3質量%であった。当該食品を均一な多孔質構造に乾燥すると、粉末状に容易に粉砕することができた。
【実施例3】
【0021】
質量7,855gで、初期水分含有量が約15~20質量%の蜂蜜(マヌカ)の試料を、パーチメントで裏打ちしたトレイに注ぎ、連続スループット真空マイクロ波乾燥器(エンウェーブ社製クオンタREV機)で処理した。真空圧力は90±5トールであった。マイクロ波出力電力は4kWで一定であった。滞留時間は40分であった。生成物の泡立ちや燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は104℃であった。最終生成物質量は6,582gであり、最終水分含有量は2.5質量%であった。生成物を乾燥して均一な多孔質構造にした。
【実施例4】
【0022】
質量136.5gで、初期水分含有量が約22~25質量%である白色コーンシロップの試料を、パーチメントで裏打ちしたトレイに注ぎ、バッチ式真空マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は80±2トールであった。マイクロ波出力電力は1200Wで一定であった。滞留時間は60分であった。生成物の泡立ちや燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は77℃であった。最終生成物質量は106.9gであり、最終水分含有量は2.6質量%であった。生成物を乾燥して均一な多孔質構造にした。
【実施例5】
【0023】
白色コーンシロップ試料を20質量%のマルトデキストリンと混合した。混合試料の質量は95.2gであり、初期水分含有量は約20質量%であった。それをパーチメントで裏打ちしたトレイに注ぎ、バッチ式真空マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は80±2トールであった。マイクロ波出力電力は、1600Wで一定であった。滞留時間は50分であった。生成物の泡立ちや燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は77℃であった。最終生成物質量は76.4gであり、最終水分含有量は1.5質量%であった。当該食品を発泡スチロールの構造に類似するケーキに乾燥させた。マルトデキストリンは、より均一な細孔分布をもたらす当該構造形成を促進するように観察された。
【実施例6】
【0024】
133gの質量で、初期水分含有量が約25質量%であるデートシロップの試料を、バッチ式真空マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は50±2トールであった。マイクロ波出力は、20分間は800W、その後の25分間は1600W、その後の10分間は2400Wであった。生成物の燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は105℃であった。最終生成物質量は101.1gであり、最終水分含有量は1.6質量%であった。生成物を乾燥して均一な多孔質構造にした。
【実施例7】
【0025】
質量が127.9gで、初期水分含有量が約20質量%の糖蜜の試料を、パーチメントで覆ったトレイに注ぎ、バッチ式マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は80±2トールであった。マイクロ波出力電力は60分間1200Wであり、続いて700秒間2000Wであった。発泡及び当該食品の燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は110℃であった。最終生成物質量は103.9gであり、最終水分含有量は1.5質量%であった。生成物を乾燥して均一な多孔質構造にした。
【実施例8】
【0026】
糖蜜の試料を20質量%のマルトデキストリンと混合した。混合試料の質量は92.5gで、初期水分含有量は約18質量%であった。それをパーチメントで裏打ちしたトレイに注ぎ、バッチ式真空マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は80±2トールであった。マイクロ波出力電力は、1600Wで一定であった。滞留時間は50分であった。生成物の泡立ちや燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は100℃であった。最終生成物質量は76.5gであり、最終水分含有量は0.8質量%であった。マルトデキストリンは最終生成物構造の形成を促進するように観察された。
【実施例9】
【0027】
質量56.9g、初期水分含有量約25質量%のイーグル・ブランド(商標)加糖コンデンスミルクの試料を、バッチ式真空マイクロ波乾燥器で処理した。真空圧力は60±2トールであった。マイクロ波出力電力は、10分間は1200Wであり、その後の30分間は2000Wであった。発泡及び当該食品の燃焼は観察されなかった。当該食品の最終温度は90℃であった。最終生成物質量は43.2gであり、最終水分含有量は1.2質量%であった。生成物を乾燥して均一な多孔質構造にした。
上記開示に照らして当業者に明らかなように、本発明の範囲から逸脱しないように、本発明の実施において多くの変更及び修正が可能である。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に従って解釈される。
図1
【国際調査報告】