(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】情報プッシュ方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/909 20190101AFI20220802BHJP
G06F 16/906 20190101ALI20220802BHJP
【FI】
G06F16/909
G06F16/906
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571659
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2020076995
(87)【国際公開番号】W WO2020258905
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910559744.X
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521517957
【氏名又は名称】ジンドン テクノロジー ホールディング カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イン
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA03
5B175FA03
5B175GA04
(57)【要約】
情報プッシュ方法及び装置であって、前記方法は、ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻をサーバが取得して記録する ステップ(101)と、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定する ステップ(102)と、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップ(103) と、グリッド検索に基づくDBSCANアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、座標点とマッピング関係を持つグリッドを単位として、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を探すステップ(104)と、前記マッピング関係に従って、クラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするステップ(105)と、いずれか1つのクラスターについて、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うステップ(106)と、を含む 。当該方法は、情報プッシュ効率を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報プッシュ方法であって、前記方法は、
ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するステップと、
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップと、
プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップと、
グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するステップと、
前記マッピング関係に従って、クラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするステップと、
いずれか1つのクラスターについて、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うステップと、を含むことを特徴とする情報プッシュ方法。
【請求項2】
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップは、
各ユーザが第1のプリセット時間内に各座標点に滞在する時間の長さを統計することと、
各ユーザに対し、滞在時間が最も長い座標点を2つ選択することと、
2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率の値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、滞在時間が最も長い2つの座標点がいずれもプリセット条件を満たす座標点であると決定するが、そうでないと、滞在時間が最も長い2つの座標点のうち、滞在時間がより長い座標点がプリセット条件を満たす座標点であると決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップの後に、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割するステップの前に、前記方法は、さらに、
プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズのN倍のサイズを単位とするグリッドに分割するステップであって、ここで、Nが2より大きい整数であるステップと、
いずれか1つのグリッドにおける座標点の個数がプリセット個数しきい値より小さいと決定する場合、プリセット条件を満たすすべての座標点から当該グリッドにおける座標点を削除するステップと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップは、
iつ目の座標点の座標(lon
i、lat
i)とグリッド識別子(lon_id
i _ lat_id
i)とのマッピング関係を、
lon
iとminlonとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlon_id
iとし
lat
iとminlatとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlat_id
iとするように確立することを含み、
ここで、minlonとminlatが前記最小長方形領域の最小緯度座標と最小経度座標であり、wがプリセットステップサイズであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するステップは、
いずれか1つのグリッドPについて、グリッドPを中心グリッドとして、グリッドPの8方向の隣接グリッドを検索することと、
検索されたすべての近隣グリッドを中心グリッドとして、各近隣グリッドの8方向の隣接グリッドを再検索することと、
検索されたすべての近隣グリッドの合計距離がプリセットクラスタリング直径より大きいか、又は、新たな近隣グリッドがなくなるまで、近隣グリッドの検索を終了させることと、
検索されたすべての近隣グリッド、及び、グリッドPをグリッドPの近隣グリッドセットとすることと、を含み、
ここで、前記すべての近隣グリッドの合計距離がすべての近隣グリッドに対応する最小長方形領域の対角線の長さであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスは、
クラスタリングされていない現在のグリッドセットのうち、1つのグリッドを選択するステップAと、
当該グリッドの近隣グリッドセットを取得するステップBと、
前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、ステップDを実行するが、そうでないと、ステップEを実行するステップCと、
前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドをノイズとしてマークし、ステップJを実行するステップDと、
前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、ステップFを実行するが、そうでないと、ステップGを実行するステップEであって、ここで、プリセットノイズしきい値がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいステップEと、
すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さい中心のあるクラスターが存在するかどうかを決定し、存在する場合に、ステップHを実行するが、そうでないと、ステップGを実行するステップFと、
前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを新たなクラスターに属するものとしてマークし、ステップJを実行するステップGと、
前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを、距離がプリセット距離しきい値より小さいクラスターに追加するステップHと、
クラスタリングされていないグリッドセットから前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを削除するステップJと、
クラスタリングされていないグリッドセットが空かどうかを決定し、空の場合に、フローを終了させるが、そうでないと、ステップAを実行するステップKと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
情報プッシュ装置であって、前記装置は、取得ユニット、決定ユニット、確立ユニット、クラスタリングユニット、マッピングユニット及びプッシュユニットを含み、
前記取得ユニットは、ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するために用いられ、
前記決定ユニットは、前記取得ユニットにより記録される、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するために用いられ、
前記確立ユニットは、前記決定ユニットにより決定される、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するために用いられ、
前記クラスタリングユニットは、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、前記確立ユニットにより分割される、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するために用いられ、
前記マッピングユニットは、前記確立ユニットにより確立されるマッピング関係に従って、前記クラスタリングユニットによりクラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするために用いられ、
前記プッシュユニットは、いずれか1つのクラスターについて、前記マッピングユニットによりマッピングされる、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うために用いられることを特徴とする情報プッシュ装置。
【請求項8】
前記決定ユニットは、具体的に、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定する場合に、各ユーザが第1のプリセット時間内に各座標点に滞在する時間の長さを統計し、各ユーザに対し、滞在時間が最も長い座標点を2つ選択し、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率の値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、滞在時間が最も長い2つの座標点がいずれもプリセット条件を満たす座標点であると決定するが、そうでないと、滞在時間が最も長い2つの座標点のうち、滞在時間がより長い座標点がプリセット条件を満たす座標点であると決定するために用いられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記確立ユニットは、さらに、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割する前に、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズのN倍のサイズを単位とするグリッドに分割するために用いられ、ここで、Nが2より大きい整数であり、いずれか1つのグリッドにおける座標点の個数がプリセット個数しきい値より小さいと決定する場合、プリセット条件を満たすすべての座標点から当該グリッドにおける座標点を削除するために用いられることを特徴とする請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記確立ユニットは、具体的に、iつ目の座標点の座標(lon
i、lat
i)とグリッド識別子(lon_id
i_ lat_id
i)とのマッピング関係を、lon
iとminlonとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlon_id
iとし、lat
iとminlatとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlat_id
iとするように確立するために用いられ、ここで、minlonとminlatが前記最小長方形領域の最小緯度座標と最小経度座標であり、wがプリセットステップサイズであることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記クラスタリングユニットは、具体的に、いずれか1つのグリッドPについて、グリッドPを中心グリッドとして、グリッドPの8方向の隣接グリッドを検索し、検索されたすべての近隣グリッドを中心グリッドとして、各近隣グリッドの8方向の隣接グリッドを再検索し、検索されたすべての近隣グリッドの合計距離がプリセットクラスタリング直径より大きいか、又は、新たな近隣グリッドがなくなるまで、近隣グリッドの検索を終了させ、検索されたすべての近隣グリッド、及び、グリッドPをグリッドPの近隣グリッドセットとするために用いられ、ここで、前記すべての近隣グリッドの合計距離がすべての近隣グリッドに対応する最小長方形領域の対角線の長さであることを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記クラスタリングユニットは、具体的に、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、クラスタリングされていない現在のグリッドセットのうち、1つのグリッドを選択し、当該グリッドの近隣グリッドセットを取得し、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さいと決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドをノイズとしてマークし、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい、且つ、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さい中心のあるクラスターが存在すると決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを、距離がプリセット距離しきい値より小さいクラスターに追加し、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい、且つ、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さくない中心のあるクラスターが存在するか、又は、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さくないと決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを新たなクラスターに属するものとしてマークし、クラスタリングされていないグリッドセットから前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを削除し、クラスタリングされていないグリッドセットが空かどうかを決定し、空の場合に、当該プロセスを終了させるが、そうでないと、現在クラスタリングされていないグリッドセットの検索を実行するために用いられ、ここで、プリセットノイズしきい値がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
メモリ、プロセッサ及びメモリに記憶された、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子機器であって、前記プロセッサは前記プログラムを実行すると、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実施することを特徴とする電子機器。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムは、プロセッサにより実行されると、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実施することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
命令を実行するチップであって、前記チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリには、コードとデータが記憶されており、前記メモリは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、前記チップが上記請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行するために用いられるように、前記メモリにおけるコードを実行することを特徴とするチップ。
【請求項16】
命令を含むプログラム製品であって、前記プログラム製品はコンピュータで実行されると、前記コンピュータは上記請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行することを特徴とするプログラム製品。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、上記請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行するために用いられることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年06月26日に中国特許局に提出した、出願番号が201910559744.Xで、出願の名称が「情報プッシュ方法及び装置」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
本発明は、コンピュータ処理技術分野に関し、特に、情報プッシュ方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
位置情報サービス(地理的マーケティング)は、地理情報システム(GIS)の急速な発展と幅広い適用の中で誕生する1つの新規学科であり、業界で意思決定と地理的市場分析を支援する強力なツールとなっている。位置情報サービスは、市場マーケティングと密接に関連しているが、位置情報サービスは、市場と経済活動に対する空間と距離の影響の分析に重点を置いている。
【0003】
位置情報サービスは、分野が広く多様であり、伝統的な商売との協力がその将来の発展のために無制限のスペースを提供している。
【0004】
位置情報サービスの前提は、地理的に異なる位置にいるユーザを集約し、さらに位置の近いユーザの具体的な好みやポートレート(ユーザの属性情報)に従って情報を正確にプッシュすることである。
【0005】
モバイル端末app閲覧ログ埋没点から報告された座標データに基づき、ユーザがよく滞在する位置点を取得することができる。しかし、空間データは、その自体の特殊性のため、クラスタリングアルゴリズムに対して、任意の形状のクラスターを見つけることができる必要、及び、クラスターの数を事前に決定することができないため、パーティションに基づくクラスタリング(K_meansなど)が基本的に実行不可、及び、ノイズデータに鈍感であることのような特定の要件がある。
【0006】
ノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズム(Density-Based Spatial Clustering of Applications with Noise,DBSCAN)と同様に、このような密度ベースのクラスタリングアルゴリズムは、比較的古典的な空間クラスタリングアルゴリズムであり、ノイズのある空間データに任意の形状のクラスターに集約されることができるが、モバイル端末埋没点座標データに適用される従来のDBSCANアルゴリズムには、
空間面積が大きい、又は、データ量が多い場合に、DBSCANアルゴリズムの効率が非常に低いという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上を鑑みて、本願は、情報プッシュ方法及び装置を提供し、情報プッシュ効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的問題を解決するために、本願に係る技術案は、以下の通りに実施される。
1つの実施例において、情報プッシュ方法を提供し、前記方法は、
ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するステップと、
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップと、
プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップと、
グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するステップと、
前記マッピング関係に従って、クラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするステップと、
いずれか1つのクラスターについて、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うステップと、を含む。
【0009】
他の実施例において、情報プッシュ装置を提供し、前記装置は、取得ユニット、決定ユニット、確立ユニット、クラスタリングユニット、マッピングユニット及びプッシュユニットを含み、
前記取得ユニットは、ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するために用いられ、
前記決定ユニットは、前記取得ユニットにより記録される、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するために用いられ、
前記確立ユニットは、前記決定ユニットにより決定される、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するために用いられ、
前記クラスタリングユニットは、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、前記確立ユニットにより分割される、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するために用いられ、
前記マッピングユニットは、前記確立ユニットにより確立されるマッピング関係に従って、前記クラスタリングユニットによりクラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするために用いられ、
前記プッシュユニットは、いずれか1つのクラスターについて、前記マッピングユニットによりマッピングされる、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うために用いられる。
【0010】
他の実施例において、電子機器を提供し、メモリ、プロセッサ及びメモリに記憶された、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは前記プログラムを実行すると、前記情報プッシュ方法のステップを実施する。
【0011】
他の実施例において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、その中にコンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムは、プロセッサにより実行されると、前記情報プッシュ方法のステップを実施する。
【0012】
他の実施例において、命令を実行するチップを提供し、前記チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリには、コードとデータが記憶されており、前記メモリは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、前記チップが上記した情報プッシュ方法のステップを実行するために用いられるように、前記メモリにおけるコードを実行する。
【0013】
他の実施例において、命令を含むプログラム製品を提供し、前記プログラム製品はコンピュータで実行されると、前記コンピュータは上記した情報プッシュ方法のステップを実行する。
【0014】
他の実施例において、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、上記した情報プッシュ方法のステップを実行するために用いられる。
【発明の効果】
【0015】
以上の技術案より、上記実施例において、DBSCANアルゴリズムクラスタリングで検索近隣ターゲットを座標点からグリッドに変換することにより、クラスタリング速度が大幅に加速され、これにより情報プッシュの効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下の図面は、本発明を例示的に説明し、解釈するものにすぎず、本発明の範囲を限定するものでない。
【
図1】本願の実施例において、情報プッシュのフローチャートである。
【
図2】本願の実施例において、グリッド検索に基づくDBSCANアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスのフローチャートである。
【
図5】本願の実施例において、上記技術に基づく装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照し、実施例を挙げながら、本発明の技術案について詳細に説明する。
【0018】
本願の実施例において、ユーザ端末、サーバ及びプッシュ端末を含むシステムに適用される情報プッシュ方法を提供する。
【0019】
ユーザ端末は、端末の所在位置の座標点を報告し、いくつかのネットワークアクセス情報、ショッピング情報などを提供し、ユーザポートレートを決定するために用いられる。
ユーザポートレートは、ユーザ社会属性、生活習慣及び消費行動などの情報に基づいて抽象化された1つのラベル付きユーザモデルである。
【0020】
サーバは、ユーザ端末により報告される位置情報(座標点)に基づいてクラスタリングを行い、どの座標点に対応するユーザが1つのクラスターに属しているかを決定し、そして、1つのクラスターの中の座標点に対応するユーザのユーザポートレートに従って情報プッシュを行うために用いられ、プッシュされる情報は、電子広告などであってもよく、エレベータ、公衆トイレ、コミュニティゲートなどは、関連情報をプッシュすることができる。
プッシュ端末は、サーバによりプッシュされる情報を表示するために用いられる。
【0021】
上記の3つの機器のうち、本願は、主にユーザ端末での情報の取得、及び、サーバでのクラスタリングプロセスを改善し、ユーザのポートレートなどに従ってどのような情報プッシュを行うかは、本願で限定されない。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例において、サーバが情報プッシュを行うプロセスについて詳細に説明する。
【0023】
図1を参照すれば、
図1は、本願の実施例において、情報プッシュのフローチャートである。具体的なステップは、以下の通りである。
【0024】
ステップ101、ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、座標点を報告する時刻をサーバが取得して記録する。
【0025】
ユーザは、appを閲覧するとき、ページを更新するたびに、当時所在位置の座標点が報告される。
【0026】
サーバは、ユーザ端末がページを更新するたびに、報告される位置の座標点を受信し、報告される座標点、及び、当該座標点を取得する時刻を記録して取得する。
【0027】
表1を参照すれば、表1は、ユーザ1の各座標点と時刻との対応関係である。
【0028】
【表1】
表1の座標点が緯度と経度の情報によって識別される。
【0029】
ステップ102、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定する。
【0030】
本願の実施例において、この後の処理データの有効性のために、先に、各ユーザが第1のプリセット時間内に記録したデータの有効性を決定する必要があり、その具体的な処理は、第1のプリセット時間内に、座標点の記録回数がプリセット回数しきい値より大きいかどうかを決定し、大きい場合に、当該ユーザがアクティブユーザと見なされ、当該ユーザに対し、ステップ102の操作を実行するが、そうでないと、当該ユーザが非アクティブユーザと見なされ、当該ユーザに対応する座標点と時刻を削除するようになっている。
【0031】
本ステップでは、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップは、以下を含む。
【0032】
第1のステップ、各ユーザが第1のプリセット時間内に各座標点に滞在する時間の長さを統計する。
表1に示す内容を前提に、具体的に、例を挙げて、各座標点に滞在する時間の長さを決定する決定プロセスの実現は、表1の座標点(lon1、lat1)について記録される連続時点が00:00、00:10、00:30であり、ユーザ1が座標点(lon1、lat1)に滞在する時間を30分間に決定するようになっている。
【0033】
ユーザ1が各座標点に滞在する時間を決定する上記方法に基づき、ユーザ1が各座標点に滞在する時間の長さを決定する。具体的に、表2を参照すれば、表2は、表1に基づいて取得される、ユーザ1が各座標点に滞在する時間の長さに対応する内容である。
【0034】
【0035】
第2のステップ、各ユーザに対し、滞在時間が最も長い座標点を2つ選択する。
【0036】
表2に示す内容の場合に、選択される座標点は座標点(lon1、lat1)及び座標点(lon2、lat2)となる。
【0037】
第3のステップ、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率の値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、滞在時間が最も長い2つの座標点がいずれもプリセット条件を満たす座標点であると決定するが、そうでないと、滞在時間が最も長い2つの座標点のうち、滞在時間がより長い座標点がプリセット条件を満たす座標点であると決定する。
【0038】
本願の実施例において、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率は、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の絶対値と最長滞在時間の長さとの比の値である。
【0039】
表2に示すように、座標点(lon1、lat1)に滞在する時間の長さが30分間で、座標点(lon2、lat2)に滞在する時間の長さが5分間である場合に、滞在時間の長さの差の比率は、|30-5|/30≒83%である。
プリセット比率の値が30%であると仮定する場合に、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率しきい値より大きいであることは、この2つの座標点に滞在する時間の長さがかなり大きな差であることを意味するため、滞在時間が最も長い座標点(lon1、lat1)のみを保留する。
【0040】
2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率しきい値より大きくない場合に、この2つの座標点に滞在する時間の長さがそれほど大きな差でなく、2つの座標点がいずれも重要であることを意味するため、この2つの座標点を保留する。
【0041】
ステップ103、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立する。
【0042】
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップ102の後に、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割するステップ103の前に、前記方法は、さらに、低密度領域の座標点をフィルタリングするステップを含み、具体的な実現は、以下の通りである。
【0043】
第1のステップ、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズのN倍のサイズを単位とするグリッドに分割するステップでありる。ここで、Nが2より大きい整数であり、処理対象となるすべての座標の最小長方形領域は、座標点の最小緯度と経度、及び、最大緯度と経度に対応する範囲によって決定されることができる。
【0044】
第2のステップ、いずれか1つのグリッドにおける座標点の個数がプリセット個数しきい値より小さいと決定する場合、プリセット条件を満たすすべての座標点から当該グリッドにおける座標点を削除する。
【0045】
ここで、プリセットステップサイズが実際にグリッド分割を行うときのステップサイズであり、ここでグリッドをステップサイズの2倍以上で分割し、こうした各グリッドに対応する面積が比較的大きくなるため、このような大きな面積内に、座標点の個数がまだ少ないままであると、当該グリッドが低密度領域であると見なされ、当該グリッド内の座標点がフィルタリングされる。
【0046】
保留された座標点について、引き続きステップ103の処理を実行する。
【0047】
本実施例において、グリッドの識別子の定義は、2~8のような緯度と経度をそれぞれ参照可能な数として定義されると、経度上から、2行目のグリッドで、緯度上から、8行目のグリッドとなることを意味する。
【0048】
本願の実施例において、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップは、iつ目の座標点を例とすると、iつ目の座標点の座標(lon
i、lat
i)とグリッド識別子(lon_id
i_ lat_id
i)とのマッピング関係を、lon
iとminlonとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlon_id
iとし、即ち、下記、数1である。
【数1】
lat
iとminlatとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlat_id
iとし、即ち、下記、数2のように確立することを含む。
【数2】
ここで、minlonとminlatが前記最小長方形領域の最小緯度座標と最小経度座標であり、wがプリセットステップサイズである。
【0049】
上記アルゴリズムによって各座標点とグリッド識別子とのマッピング関係を決定することができる。表3に示すように、表3は、座標点とグリッド識別子とのマッピング関係である。
【0050】
【0051】
表3のuser_idがユーザ識別子で、grid_idがグリッド識別子である。1つのグリッドには1つ又は複数の座標点があってもよい。
【0052】
ステップ104、グリッド検索に基づくDBSCANアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、座標点とマッピング関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を探す。
【0053】
ステップ103を通して、クラスタリングターゲットは座標点からグリッドに変換され、次に、DBSCANアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、座標点とマッピング関係を持つグリッド、つまり座標点のあるグリッドをターゲットとして近隣検索を行い、対応する座標点のないグリッドを処理せずに、座標点をターゲットとして近隣検索を行わない。
【0054】
図2を参照すれば、
図2は、本願の実施例において、グリッド検索に基づくDBSCANアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスのフローチャートである。具体的なステップは、以下の通りである。
【0055】
ステップ201、クラスタリングされていない現在のグリッドセットのうち、1つのグリッドを選択する。
【0056】
グリッドクラスタリングの前に、すべてのグリッドはいずれもクラスタリングされていないグリッドであり、1つのクラスタリングされていないグリッドセットを構成する。
ここで、クラスタリングされていないグリッドセットを構成するグリッドが座標点とマッピング関係を持つグリッドである。
【0057】
1つのグリッドを選択し、ここで、ランダムに選択してもよいし、実際の応用に応じてグリッド選択ルールを指定し、検索回数を減らしてもよく、本願の実施例において、これは限定されない。
【0058】
ステップ202、当該グリッドの近隣グリッドセットを取得する。
前記セットには、当該グリッドが含まれる。
【0059】
選択されるグリッドについて、その近隣セットを取得するとき、グリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を探す。具体的な取得プロセスは、以下の通りである。
【0060】
第1のステップ、いずれか1つのグリッドPについて、グリッドPを中心グリッドとして、グリッドPの8方向の隣接グリッドを検索する。
グリッドの8方向の隣接グリッドを検索するとき、検索されるグリッドがクラスタリングされていない現在のグリッドセットにおけるグリッドであり、1つのグリッドの8方向の隣接グリッドであるが、クラスタリングされていない現在のグリッドセットにおけるグリッドでないグリッドは、当該グリッドの8方向の隣接グリッドとされない。
【0061】
図3を参照すれば、
図3は、検索点Pの一次近隣の概略図である。
図3では、検索点Pがグリッド33であることを例として、
図3では、グリッド識別子が与えられたグリッドが座標点のあるグリッドであり、グリッド33の8方向の隣接グリッドは、
図3のグリッド22、グリッド23、グリッド34、グリッド42であり、他の4つのグリッドはグリッド33の隣接グリッドでない。
【0062】
第2のステップ、見つけられたすべての近隣グリッドを中心グリッドとして、各近隣グリッドの8方向の隣接グリッドを再検索する。
第1のステップで見つけられた一次近隣グリッドについて、検索される一次近隣グリッドを中心グリッドとして、8方向の隣接グリッド検索を再実行する。
【0063】
図4を参照すれば、
図4は、検索点Pの二次近隣の概略図である。
【0064】
一次近隣グリッドはグリッド22、グリッド23、グリッド34、グリッド42であると、グリッド22の8方向の近隣グリッドはグリッド11、グリッド13、グリッド23及びグリッド33となり、グリッド23とグリッド33が前に検索されたため、グリッド22について、グリッド11とグリッド13を点Pの二次近隣グリッドとし、同様に、グリッド23について、グリッド14を点Pの二次近隣グリッドとし、グリッド34とグリッド42について、点Pの新たな二次近隣グリッドとされるグリッドがない。
上記検索に基づいて取得される点Pの現在のすべての近隣グリッドは、グリッド33、グリッド22、グリッド23、グリッド34、グリッド42、グリッド11、グリッド13、グリッド14である。
【0065】
第3のステップ、検索されたすべての近隣グリッドの合計距離がプリセットクラスタリング直径より大きいか、又は、新たな近隣グリッドがなくなるまで、近隣グリッドの検索を終了させる。
ここで、すべての近隣グリッドの合計距離がすべての近隣グリッドに対応する最小長方形領域の対角線の長さである。
【0066】
現在のすべての近隣グリッド(二次検索の後に)に対応する最小長方形領域の対角線の長さがクラスタリング直径より大きいと決定するか、二次近隣グリッドをそれぞれ中心として、新たな隣接グリッドが検索されないと仮定すると、点Pに対する検索を終了させるが、そうでないと、類似する方法に従って引き続き検索を行う。
【0067】
検索されたすべての近隣グリッド、及び、グリッドPをグリッドPの近隣グリッドセットとする。
【0068】
ステップ203、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、ステップ204を実行するが、そうでないと、ステップ205を実行する。
【0069】
ステップ204、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドをノイズとしてマークし、ステップ209を実行する。
【0070】
ステップ205、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、ステップ206を実行するが、そうでないと、ステップ207を実行する。
ここで、プリセットの小さなクラスターのしきい値がプリセットノイズしきい値より大きい。
【0071】
ステップ206、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さい中心のあるクラスターが存在するかどうかを決定し、存在する場合に、ステップ208を実行するが、そうでないと、ステップ207を実行する。
【0072】
1つのクラスターの中心点の座標は、当該クラスターの中のすべてのグリッド内の座標点の平均値であり、ここで、座標点の平均値が緯度と経度によってそれぞれ計算され、1つのクラスターには、N個の座標点がある場合に、当該クラスターの中心座標が(Core_lon
N、Core_lat
N)となり、具体的な決定方法は、下記、数3のようになっている。
【数3】
ここで、lon
i、lat
iがN個の座標点のうちのiつ目の座標点の緯度座標と経度座標である。
【0073】
近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心は、すべてのグリッドに対応する座標点の平均値であり、クラスター中心の計算方法に類似するため、ここで詳細な説明を省略する。
【0074】
ステップ207、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを1つの新たなクラスターに属するものとしてマークし、ステップ209を実行する。
【0075】
ステップ208、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを、距離がプリセット距離しきい値より小さいクラスターに追加する。
【0076】
ステップ209、クラスタリングされていないグリッドセットから前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを削除する。
【0077】
ステップ210、クラスタリングされていないグリッドセットが空かどうかを決定し、空の場合に、当該フローを終了させるが、そうでないと、ステップ201を実行する。
【0078】
これまでに、すべてのグリッドのクラスタリングは完了される。
【0079】
グリッドをターゲットとして、DBSCANアルゴリズムを使用したクラスタリングにより、演算効率を大幅に向上させ、それによって機器の情報プッシュ効率を大幅に向上させることができる。
【0080】
ステップ105、前記マッピング関係に従って、クラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングする。
【0081】
表3には、座標点とグリッド識別子とのマッピング関係を示しており、クラスタリングされたグリッドを対応する座標点としてマッピングすれば、座標点のクラスタリングを実現することができる。
【0082】
ステップ106、いずれか1つのクラスターについて、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行う。
【0083】
本願の実施例において、具体的に実現されるとき、座標点とユーザとの間にも対応関係が存在しており、ユーザのポートレートに従って、対応するクラスターに対応する位置に情報プッシュを行うことができ、本願の実施例において、ステップ106の具体的な実現は限定されない。
【0084】
同様な発明構想に基づき、本願は、さらに、情報プッシュ装置を提供する。
図5を参照すれば、
図5は、本願の実施例において、上記技術に基づく装置の構造概略図である。当該装置は、取得ユニット501、決定ユニット502、確立ユニット503、クラスタリングユニット504、マッピングユニット505及びプッシュユニット506を含み、
取得ユニット501は、ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するために用いられ、
決定ユニット502は、取得ユニット501により記録される、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するために用いられ、
確立ユニット503は、決定ユニット502により決定される、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するために用いられ、
クラスタリングユニット504は、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、確立ユニット503により分割される、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するために用いられ、
マッピングユニット505は、確立ユニット503により確立されるマッピング関係に従って、クラスタリングユニット504によりクラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするために用いられ、
プッシュユニット506は、いずれか1つのクラスターについて、マッピングユニット505によりマッピングされるクラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うために用いられる。
【0085】
好ましくは、
決定ユニット502は、具体的に、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定する場合に、各ユーザが第1のプリセット時間内に各座標点に滞在する時間の長さを統計し、各ユーザに対し、滞在時間が最も長い座標点を2つ選択し、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率の値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、滞在時間が最も長い2つの座標点がいずれもプリセット条件を満たす座標点であると決定するが、そうでないと、滞在時間が最も長い2つの座標点のうち、滞在時間がより長い座標点がプリセット条件を満たす座標点であると決定するために用いられる。
【0086】
好ましくは、
確立ユニット503は、さらに、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割する前に、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズのN倍のサイズを単位とするグリッドに分割し、ここで、Nが2より大きい整数であり、いずれか1つのグリッドにおける座標点の個数がプリセット個数しきい値より小さいと決定する場合、プリセット条件を満たすすべての座標点から当該グリッドにおける座標点を削除するために用いられる。
【0087】
好ましくは、
確立ユニット503は、具体的に、iつ目の座標点の座標(loni、lati)とグリッド識別子(lon_idi_ lat_idi)とのマッピング関係を、loniとminlonとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlon_idiとし、latiとminlatとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlat_idiとするように確立するために用いられ、ここで、minlonとminlatが前記最小長方形領域の最小緯度座標と最小経度座標であり、wがプリセットステップサイズである。
【0088】
好ましくは、
クラスタリングユニット504は、具体的に、いずれか1つのグリッドPについて、グリッドPを中心グリッドとして、グリッドPの8方向の隣接グリッドを検索し、検索されたすべての近隣グリッドを中心グリッドとして、各近隣グリッドの8方向の隣接グリッドを再検索し、検索されたすべての近隣グリッドの合計距離がプリセットクラスタリング直径より大きいか、又は、新たな近隣グリッドがなくなるまで、近隣グリッド検索を終了させ、検索されたすべての近隣グリッド、及び、グリッドPをグリッドPの近隣グリッドセットとするために用いられ、ここで、前記すべての近隣グリッドの合計距離がすべての近隣グリッドに対応する最小長方形領域の対角線の長さである。
【0089】
好ましくは、
クラスタリングユニット504は、具体的に、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、クラスタリングされていない現在のグリッドセットのうち、1つのグリッドを選択し、当該グリッドの近隣グリッドセットを取得し、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さいと決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドをノイズとしてマークし、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい、且つ、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さい中心のあるクラスターが存在すると決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを、距離がプリセット距離しきい値より小さいクラスターに追加し、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい、且つ、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さくない中心のあるクラスターが存在するか、又は、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さくないと決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを新たなクラスターに属するものとしてマークし、クラスタリングされていないグリッドセットから前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを削除し、クラスタリングされていないグリッドセットが空かどうかを決定し、空の場合に、当該プロセスを終了させるが、そうでないと、現在クラスタリングされていないグリッドセットの検索を実行するために用いられ、ここで、プリセットノイズしきい値がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい。
【0090】
上記実施例に係るユニットは、一体式に集積されてもよいし、個別に配置されてもよく、1つのユニットに組み合わされてもよいし、複数のサブユニットにさらに分割されてもよい。
【0091】
他の実施例において、電子機器を提供し、メモリ、プロセッサ及びメモリに記憶された、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは前記プログラムを実行すると、前記情報プッシュ方法のステップを実施する。
【0092】
他の実施例において、本願の実施例は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、その中にコンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムは、プロセッサにより実行されると、前記情報プッシュ方法のステップを実施する。
【0093】
他の実施例において、本願の実施例は、さらに、命令を実行するチップを提供し、前記チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリには、コードとデータが記憶されており、前記メモリは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、前記チップが上記情報プッシュ方法のステップを実行するために用いられるように、前記メモリにおけるコードを実行する。
【0094】
他の実施例において、本願の実施例は、さらに、命令を含むプログラム製品を提供し、前記プログラム製品はコンピュータで実行されると、前記コンピュータは上記情報プッシュ方法のステップを実行する。
【0095】
他の実施例において、本願の実施例は、さらに、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、上記した情報プッシュ方法のステップを実行するために用いられる。
【0096】
要するに、本願は、DBSCANアルゴリズムクラスタリングで検索近隣ターゲットを座標点からグリッドに変換することにより、クラスタリング速度が大幅に加速され、情報プッシュの効率を向上させる。
【0097】
本発明の好ましい実施例のみが前述されており、本発明を限定するために用いられるものではない。本発明の精神及び原則から逸脱させずに行われるすべての修正、等価置換、改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報プッシュ方法であって、前記方法は、
ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するステップと、
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップと、
プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップと、
グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するステップと、
前記マッピング関係に従って、クラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするステップと、
いずれか1つのクラスターについて、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うステップと、を含むことを特徴とする情報プッシュ方法。
【請求項2】
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップは、
各ユーザが第1のプリセット時間内に各座標点に滞在する時間の長さを統計することと、
各ユーザに対し、滞在時間が最も長い座標点を2つ選択することと、
2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率の値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、滞在時間が最も長い2つの座標点がいずれもプリセット条件を満たす座標点であると決定するが、そうでないと、滞在時間が最も長い2つの座標点のうち、滞在時間がより長い座標点がプリセット条件を満たす座標点であると決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するステップの後に、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割するステップの前に、前記方法は、さらに、
プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズのN倍のサイズを単位とするグリッドに分割するステップであって、ここで、Nが2より大きい整数であるステップと、
いずれか1つのグリッドにおける座標点の個数がプリセット個数しきい値より小さいと決定する場合、プリセット条件を満たすすべての座標点から当該グリッドにおける座標点を削除するステップと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するステップは、
iつ目の座標点の座標(lon
i、lat
i)とグリッド識別子(lon_id
i _ lat_id
i)とのマッピング関係を、
lon
iとminlonとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlon_id
iとし
lat
iとminlatとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlat_id
iとするように確立することを含み、
ここで、minlonとminlatが前記最小長方形領域の最小緯度座標と最小経度座標であり、wがプリセットステップサイズであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するステップは、
いずれか1つのグリッドPについて、グリッドPを中心グリッドとして、グリッドPの8方向の隣接グリッドを検索することと、
検索されたすべての近隣グリッドを中心グリッドとして、各近隣グリッドの8方向の隣接グリッドを再検索することと、
検索されたすべての近隣グリッドの合計距離がプリセットクラスタリング直径より大きいか、又は、新たな近隣グリッドがなくなるまで、近隣グリッドの検索を終了させることと、
検索されたすべての近隣グリッド、及び、グリッドPをグリッドPの近隣グリッドセットとすることと、を含み、
ここで、前記すべての近隣グリッドの合計距離がすべての近隣グリッドに対応する最小長方形領域の対角線の長さであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスは、
クラスタリングされていない現在のグリッドセットのうち、1つのグリッドを選択するステップAと、
当該グリッドの近隣グリッドセットを取得するステップBと、
前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、ステップDを実行するが、そうでないと、ステップEを実行するステップCと、
前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドをノイズとしてマークし、ステップJを実行するステップDと、
前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、ステップFを実行するが、そうでないと、ステップGを実行するステップEであって、ここで、プリセットノイズしきい値がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいステップEと、
すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さい中心のあるクラスターが存在するかどうかを決定し、存在する場合に、ステップHを実行するが、そうでないと、ステップGを実行するステップFと、
前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを新たなクラスターに属するものとしてマークし、ステップJを実行するステップGと、
前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを、距離がプリセット距離しきい値より小さいクラスターに追加するステップHと、
クラスタリングされていないグリッドセットから前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを削除するステップJと、
クラスタリングされていないグリッドセットが空かどうかを決定し、空の場合に、フローを終了させるが、そうでないと、ステップAを実行するステップKと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
情報プッシュ装置であって、前記装置は、取得ユニット、決定ユニット、確立ユニット、クラスタリングユニット、マッピングユニット及びプッシュユニットを含み、
前記取得ユニットは、ユーザ端末が所在位置を報告する座標点、及び、位置情報を報告する時刻を取得して記録するために用いられ、
前記決定ユニットは、前記取得ユニットにより記録される、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定するために用いられ、
前記確立ユニットは、前記決定ユニットにより決定される、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割し、各グリッドに位置する座標点と対応するグリッドとのマッピング関係を確立するために用いられ、
前記クラスタリングユニットは、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、前記確立ユニットにより分割される、座標点と対応する関係を持つグリッドをターゲットとして、8方向の近隣方法を使用して対応する近隣を検索するために用いられ、
前記マッピングユニットは、前記確立ユニットにより確立されるマッピング関係に従って、前記クラスタリングユニットによりクラスタリングされた各クラスターの中のグリッドを対応するグリッド内の座標点としてマッピングするために用いられ、
前記プッシュユニットは、いずれか1つのクラスターについて、前記マッピングユニットによりマッピングされる、クラスター内の座標点に対応するユーザのポートレートに従って、対応する位置に情報プッシュを行うために用いられることを特徴とする情報プッシュ装置。
【請求項8】
前記決定ユニットは、具体的に、各ユーザが第1のプリセット時間内にプリセット条件を満たす座標点を決定する場合に、各ユーザが第1のプリセット時間内に各座標点に滞在する時間の長さを統計し、各ユーザに対し、滞在時間が最も長い座標点を2つ選択し、2つの座標点に滞在する時間の長さの差の比率がプリセット比率の値より小さいかどうかを決定し、小さい場合に、滞在時間が最も長い2つの座標点がいずれもプリセット条件を満たす座標点であると決定するが、そうでないと、滞在時間が最も長い2つの座標点のうち、滞在時間がより長い座標点がプリセット条件を満たす座標点であると決定するために用いられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記確立ユニットは、さらに、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズを単位とするグリッドに分割する前に、プリセット条件を満たすすべての座標点を含む最小長方形領域を、プリセットステップサイズのN倍のサイズを単位とするグリッドに分割するために用いられ、ここで、Nが2より大きい整数であり、いずれか1つのグリッドにおける座標点の個数がプリセット個数しきい値より小さいと決定する場合、プリセット条件を満たすすべての座標点から当該グリッドにおける座標点を削除するために用いられることを特徴とする請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記確立ユニットは、具体的に、iつ目の座標点の座標(lon
i、lat
i)とグリッド識別子(lon_id
i_ lat_id
i)とのマッピング関係を、lon
iとminlonとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlon_id
iとし、lat
iとminlatとの差を計算し、前記差とwとの商を切り上げて得られる値をlat_id
iとするように確立するために用いられ、ここで、minlonとminlatが前記最小長方形領域の最小緯度座標と最小経度座標であり、wがプリセットステップサイズであることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記クラスタリングユニットは、具体的に、いずれか1つのグリッドPについて、グリッドPを中心グリッドとして、グリッドPの8方向の隣接グリッドを検索し、検索されたすべての近隣グリッドを中心グリッドとして、各近隣グリッドの8方向の隣接グリッドを再検索し、検索されたすべての近隣グリッドの合計距離がプリセットクラスタリング直径より大きいか、又は、新たな近隣グリッドがなくなるまで、近隣グリッドの検索を終了させ、検索されたすべての近隣グリッド、及び、グリッドPをグリッドPの近隣グリッドセットとするために用いられ、ここで、前記すべての近隣グリッドの合計距離がすべての近隣グリッドに対応する最小長方形領域の対角線の長さであることを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記クラスタリングユニットは、具体的に、グリッド検索に基づくノイズのある密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを使用したクラスタリングのプロセスでは、クラスタリングされていない現在のグリッドセットのうち、1つのグリッドを選択し、当該グリッドの近隣グリッドセットを取得し、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さいと決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドをノイズとしてマークし、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい、且つ、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さい中心のあるクラスターが存在すると決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを、距離がプリセット距離しきい値より小さいクラスターに追加し、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さい、且つ、すでにクラスタリングされたクラスターの中に、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドの中心からの距離がプリセット距離しきい値よりも小さくない中心のあるクラスターが存在するか、又は、前記近隣グリッドセットにおけるすべてのグリッドにおける座標点の個数がプリセットノイズしきい値より小さくないと決定する場合に、前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを新たなクラスターに属するものとしてマークし、クラスタリングされていないグリッドセットから前記近隣グリッドセットの中のすべてのグリッドを削除し、クラスタリングされていないグリッドセットが空かどうかを決定し、空の場合に、当該プロセスを終了させるが、そうでないと、現在クラスタリングされていないグリッドセットの検索を実行するために用いられ、ここで、プリセットノイズしきい値がプリセットの小さなクラスターのしきい値より小さいことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
メモリ、プロセッサ及びメモリに記憶された、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子機器であって、前記プロセッサは前記プログラムを実行すると、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実施することを特徴とする電子機器。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムは、プロセッサにより実行されると、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実施することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
命令を実行するチップであって、前記チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリには、コードとデータが記憶されており、前記メモリは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、前記チップが上記請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行するために用いられるように、前記メモリにおけるコードを実行することを特徴とするチップ。
【請求項16】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、上記請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行するために用いられることを特徴とするコンピュータプログラム。
【国際調査報告】