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特表2022-535538抗CD137L抗体及びそれらの使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】抗CD137L抗体及びそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20220802BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20220802BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20220802BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220802BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220802BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220802BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220802BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220802BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220802BHJP
   G01N 33/574 20060101ALI20220802BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20220802BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61P35/00
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K45/00
G01N33/574 A
G01N33/53 Y
G01N33/48 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571753
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2020094371
(87)【国際公開番号】W WO2020244574
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/090091
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】521525239
【氏名又は名称】アダジーン プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルオ, ピーター ペイチー
(72)【発明者】
【氏名】トゥー, ファンヨン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, ギジョン
【テーマコード(参考)】
2G045
4B064
4B065
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA26
2G045CB02
4B064AG26
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B064DA13
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA83X
4B065AA87X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA46
4C084AA22
4C084MA02
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZC751
4C085AA13
4C085BB31
4C085CC22
4C085DD61
4C085GG01
4C085GG08
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書において、ヒトCD137Lの細胞内部分/膜貫通部分に結合する抗体、ならびに試料中のCD137Lの発現の検出、及びがん治療のバイオマーカーとしてのCD137Lの発現の検出のための、これらの抗体の使用に関連する方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトCD137リガンド(CD137L)の細胞内領域または膜貫通領域に結合する単離された抗体またはそれらの抗原結合フラグメントであって、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLPのアミノ酸配列(配列番号1)を含むペプチドに結合する、及び/またはMEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合する、前記抗体または前記抗原結合フラグメント。
【請求項2】
前記MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチド及び/または前記MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドが、50アミノ酸長未満である、請求項1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項3】
前記MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチド及び/または前記MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドが、CD137Lの細胞外ドメインを構成しない、請求項1または請求項2に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項4】
ヒトCD137Lを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に結合する、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項5】
固定したヒト組織試料中のヒトCD137Lに結合する、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項6】
前記固定したヒト組織試料が、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料である、請求項5に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項7】
前記試料がヒト扁桃組織からの試料である、請求項5または請求項6に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項8】
前記試料がヒト腫瘍組織からの試料である、請求項5または請求項6に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項9】
前記抗体が重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、
(c)前記重鎖可変領域が、配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、
(d)前記重鎖可変領域が、配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、
(e)前記重鎖可変領域が、配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号32のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号33のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、
(f)前記重鎖可変領域が、配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号35のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号36のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号39のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、
(g)前記重鎖可変領域が、配列番号40のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号41のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号42のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号43のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号44のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号45のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、または
(h)前記重鎖可変領域が、配列番号46のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号47のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号48のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が、配列番号49のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号50のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号51のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項10】
(a)前記重鎖可変領域が配列番号52のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号53のアミノ酸配列を含む、
(b)前記重鎖可変領域が配列番号54のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号55のアミノ酸配列を含む、
(c)前記重鎖可変領域が配列番号56のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号57のアミノ酸配列を含む、
(d)前記重鎖可変領域が配列番号58のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号59のアミノ酸配列を含む、
(e)前記重鎖可変領域が配列番号60のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号61のアミノ酸配列を含む、
(f)前記重鎖可変領域が配列番号62のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号63のアミノ酸配列を含む、
(g)前記重鎖可変領域が配列番号64のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号65のアミノ酸配列を含む、または
(h)前記重鎖可変領域が配列番号66のアミノ酸配列を含み、及び/または前記軽鎖可変領域が配列番号67のアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項11】
前記抗体がマウスIgG2a Fc領域を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項13】
請求項12に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項14】
前記ベクターが発現ベクターである、請求項13に記載のベクター。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項16】
抗体または抗原結合フラグメントを作製する方法であって、前記抗体または前記抗原結合フラグメントを製造するのに好適な条件下で、請求項15に記載の宿主細胞を培養することを含む、前記方法。
【請求項17】
前記細胞によって産生された前記抗体または前記抗原結合フラグメントを回収することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
試料中のヒトCD137Lの発現レベルを検出する方法であって、
(a)ヒト組織試料を、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメントと接触させることと、
(b)前記抗体または前記抗原結合フラグメントの前記試料への結合を検出することであって、前記抗体または前記抗原結合フラグメントの前記試料への結合が、前記試料中の前記ヒトCD137Lの発現レベルを示す、前記検出することと、を含む、前記方法。
【請求項19】
(c)前記抗体または前記抗原結合フラグメントの前記試料への結合が、免疫組織化学検査(IHC)によって検出される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(a)の前に、ヒト組織試料を得ることをさらに含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
がんの治療またはその進行の遅延を必要とする対象において、がんの治療またはその進行を遅延させるための方法であって、
(a)前記個体から試料を得ることと、
(b)請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体を使用して、前記試料中のCD137Lの発現レベルを測定することと、
(c)前記試料中の前記CD137Lの発現レベルが参照レベルより低い場合、前記個体に、有効量の抗CD137抗体を投与することと、を含む、前記方法。
【請求項22】
(b)において、前記試料中の前記CD137Lの発現レベルがIHCを使用して測定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記試料中の前記CD137Lの発現レベルが検出限界未満である、請求項18~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記試料が固定した試料である、請求項18~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記試料が、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料である、請求項18~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記試料が腫瘍生検試料である、請求項18~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記試料が1つ以上のがん細胞を含む、請求項18~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記試料が、前記個体のがんからの腫瘍試料である、請求項19~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記CD137Lの発現レベルが、がん細胞によるCD137Lの発現レベルである、請求項18~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象に、治療上有効量の少なくとも1種の追加の治療薬を投与することをさらに含む、請求項19~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1種の追加の治療薬が、ウイルス遺伝子療法、免疫チェックポイント阻害剤、標的療法、放射線療法及び化学療法からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1種の追加の治療薬が、ポマリスト、レブリミド、レナリドミド、ポマリドマイド、サリドマイド、DNAアルキル化白金含有誘導体、シスプラチン、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、抗CTLA4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗DR5抗体、抗CD1d抗体、抗TIM3抗体、抗SLAMF7抗体、抗KIR受容体抗体、抗OX40抗体、抗HER2抗体、抗ErbB-2抗体、抗EGFR抗体、セツキシマブ、リツキシマブ、トラツズマブ、ペムブロリズマブ、放射線療法、単回放射線照射、分割放射線照射、限局放射線照射、全臓器放射線照射、IL-12、IFNα、GM-CSF、キメラ抗原受容体、養子移入されたT細胞、抗がんワクチン、及び腫瘍溶解性ウイルスからなる群から選択される、請求項30または請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年6月5日に出願された国際特許出願第PCT/CN2019/090091号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出内容の全体が、参照により本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形態(CRF)の配列表(ファイル名:695402000841SEQLIST.TXT、記録日:2020年6月2日、サイズ:176KB)。
【0003】
本開示は、CD137リガンド(CD137L)に結合する抗体と、例えばCD137Lの発現を検出するための、バイオマーカーとしてのこのような抗体の使用とに関する。
【背景技術】
【0004】
T細胞の活性化は、抗腫瘍免疫において中心的な役割を担っている。2つのキーとなる信号が、ナイーブT細胞の活性化に必要とされる。シグナル1はT細胞受容体(TCR)を介しもたらされ、一方でシグナル2は共刺激によるものである。CD28:B7分子は、最もよく研究された共刺激経路の一部であり、プライマリーT細胞刺激が生じる主な機構であると考えられている。しかし、最初のT細胞活性化の後のT細胞応答を増幅及び多様化する働きをする複数の他の分子が同定されている。これらの分子にはCD137:CD137リガンド(CD137L)分子が含まれ、これは4-1BB:4-1BBリガンド(4-1BBL)としても知られている。CD137:CD137Lは、それぞれT細胞及び抗原提示細胞(APC)上に発現する腫瘍壊死因子(TNF)受容体(TNFR):TNFリガンドファミリーのメンバーである。CD137:CD137Lシグナリング経路を標的化する療法は、複数のモデルシステムにおいて抗腫瘍効果を有することが示されており、アゴニスト性抗CD137抗体も臨床開発に入っている(Yonezawa et al. Clin.Cancer Res.2015 Jul 15;21(14):3113-20;Tolcher et al. Clin Cancer Res.2017 Sep 15;23(18):5349-5357)。また、CD137リガンドは、活性化T細胞上に発現するその受容体CD137と架橋し、T細胞活性を共刺激する。CD137リガンドは、細胞表面上の膜貫通タンパク質としても発現し、発現した細胞内にシグナルを伝送することができる(リバースシグナリング)(Herbert Schwarz et al.J.Leukoc. Biol.89:21-29;2011)。
【0005】
過去の研究からは、複数のマウス腫瘍モデルへのCD137L遺伝子送達により、宿主マウスの野生型腫瘍に対する長期免疫発生(Melero et al. Eur. J.Immunol.1998 Mar;28(3):1116-21)、トランスフェクタントからの腫瘍形成の防止もしくは腫瘍退縮の誘導(Guinn et al. J Immunol.1999 Apr 15;162(8):5003-10;Xiang Cancer Biother. Radiopharm.1999 Oct;14(5):353-61)、または宿主生存期間の改善(Martinet et al. J Natl Cancer Inst.2000 Jun 7;92(11):931-6)を可能にし得ることが示された。これらの結果は、腫瘍細胞の腫瘍抗原に対するAPCとして作用する能力を改善して共刺激CD137L分子が豊富なシグナル2をもたらすことにより、CD137L発現が全細胞ワクチン接種において腫瘍細胞を修飾し得ることを示唆している。
【0006】
CD137Lの発現は、例えばがん治療(抗CD137抗体を用いた治療など)の患者の選択において有用であり得ると考えられている。ただし、この有用性は、試料(例えば患者からのIHC試料など)中のCD137Lを、高い信頼性、頑健性及び精度で検出できることに依存する。このように、試料中のCD137Lの発現を高い感度及び頑健性を持って検出できる抗CD137L抗体が必要とされている。
【0007】
特許出願、特許公報、及びUniProtKB/Swiss-Prot受託番号を含む、本明細書において引用される全ての参考文献は、各個々の参考文献が、参照によって込みこまれることを具体的かつ個々に示されているかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0008】
上記の及びその他の必要性を満たすために、本明細書にて、ヒトCD137Lの細胞内ドメイン及び/または膜貫通ドメインに特異的に結合する抗CD137L抗体が開示される。CD137Lの細胞外ドメインは、組織中で開裂/シェディングされやすいことが知られているので、細胞内ドメインまたは膜貫通ドメインを介したCD137L検出により、例えば腫瘍からの組織における、CD137Lの発現のより正確な評価が提供され得ると考えられている。このように、本開示は、高い感度及び頑健性を持ってヒトCD137Lの細胞内ドメイン及び/または膜貫通ドメインに結合し、それによって固定した試料(例えばIHCの使用)でのCD137L検出に使用できる抗CD137L抗体を提供する。加えて、このようなヒトCD137Lの検出は、治療上の決定を知らせるために、例えば、患者の腫瘍が抗CD137抗体を用いた治療に応答し得るかどうかを決定するために使用されてもよい。
【0009】
したがって、一態様では、本明細書において、ヒトCD137リガンド(CD137L)の細胞内領域または膜貫通領域に結合する抗体(例えば単離された抗体)またはそれらの抗原結合フラグメントが提供される。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合し、かつMEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトCD137Lの細胞外ドメインに結合する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトCD137Lの細胞内ドメインまたは非膜貫通領域に結合する。
【0010】
いくつかの実施形態では、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドは、50アミノ酸長未満の長さである。いくつかの実施形態では、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドは、50アミノ酸長未満の長さである。いくつかの実施形態では、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドは50アミノ酸長未満の長さであり、かつMEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドは50アミノ酸長未満の長さである。いくつかの実施形態では、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドは、CD137Lの細胞外ドメイン、またはその一部を構成しない。いくつかの実施形態では、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドは、CD137Lの細胞外ドメイン、またはその一部を構成しない。いくつかの実施形態では、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチド、及びMEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドは、CD137Lの細胞外ドメイン、またはその一部を構成しない。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトCD137Lを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に結合する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、固定したヒト組織試料中、例えばホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料中のヒトCD137Lに結合する。いくつかの実施形態では、試料はヒト扁桃組織からの試料、またはヒト腫瘍組織からの試料である。
【0011】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む。重鎖可変領域は、式(I):LXTXGVGVXWIのアミノ酸配列を含むHVR-H1であって、式中、Xは、S、NまたはTであり、XはS、A、GまたはTであり、XはS、T、AまたはGであるHVR-H1(配列番号346)と、式(II):XIDXYYXPSX10KSX11Lのアミノ酸配列を含むHVR-H2であって、式中、XはLまたはIであり、XはAまたはGであり、XはL、VまたはIであり、XはW、HまたはYであり、XはAまたはSであり、XはGまたはDであり、XはD、Y、AまたはSであり、XはKまたはTであり、XはSまたはNであり、X10はLまたはPであり、X11はRまたはHであるHVR-H2(配列番号347)と、式(III):ARYGXYAXDYのアミノ酸配列を含むHVR-H3であって、式中、XはY、V、W、LまたはGであり、XはS、G、R、DまたはNであり、XはS、GまたはNであり、XはI、LまたはMであるHVR-H3(配列番号348)とを含み、及び/または軽鎖可変領域は、式(IV):RXSQXLAのアミノ酸配列を含むHVR-L1であって、式中、XはAまたはTであり、XはS、TまたはGであり、XはVまたはIであり、XはR、SまたはHであり、XはGまたはNであり、XはS、N、またはTであり、XはYまたはFであるHVR-L1(配列番号349)と、式(V):XAXLXSGVのアミノ酸配列を含むHVR-L2であって、式中、XはAまたはDであり、XはSまたはFであり、XはTまたはSであり、XはQまたはEであるHVR-L2(配列番号350)と、式(VI):YCQQYXSXWTのアミノ酸配列を含むHVR-L3であって、式中、XはS、GまたはNであり、XはL、Y、S、WまたはFであるHVR-L3(配列番号NO:351)とを含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号32のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号33のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号35のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号36のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号39のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号41のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号42のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号44のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号45のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号47のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号48のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域は、配列番号49のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号50のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号51のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号68のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号116のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号164のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号69のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号117のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号165のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号233のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号70のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号118のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号166のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号233のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号71のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号119のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号167のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号234のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号72のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号120のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号168のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号73のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号121のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号169のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号74のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号122のアミノ酸配列を含むHVR-H2、
配列番号170のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号214のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号236のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号123のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号171のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号215のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号124のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号172のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号125のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号173のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号126のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号174のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号216のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号127のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号175のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号128のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号176のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号238のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号81のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号129のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号177のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号82のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号130のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号178のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号83のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号131のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号179のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号84のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号180のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号218のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号239のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号85のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号133のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号181のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号86のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号134のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号182のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号87のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号135のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号183のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号88のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号136のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号184のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号89のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号137のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号185のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号219のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号90のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号138のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号186のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号91のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号139のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号187のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号220のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号233のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号92のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号140のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号188のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号93のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号141のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号189のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号94のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号142のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号190のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号95のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号143のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号191のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号96のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号144のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号192のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号97のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号145のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号193のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号221のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号230のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号98のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号146のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号194のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号222のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号99のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号147のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号195のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号100のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号148のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号196のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号101のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号149のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号197のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号224のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号102のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号150のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号198のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号103のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号151のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号199のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号104のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号152のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号200のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号105のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号153のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号201のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号106のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号154のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号202のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号225のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号238のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号155のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号203のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号226のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号234のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号108のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号156のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号204のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号221のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号109のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号157のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号205のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号219のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号158のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号206のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号227のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号111のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号159のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号207のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号112のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号160のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号208のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号231のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号113のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号161のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号209のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号114のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号162のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号210のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号115のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号163のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号211のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号52のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号53のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号54のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号55のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号56のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号57のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号58のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号59のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号60のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号61のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号62のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号63のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号64のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号65のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号66のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号67のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号241のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号242のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号241のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号242のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号244のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号244のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号245のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号246のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号245のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号246のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号247のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号248のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号247のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号248のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号249のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号250のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号249のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号250のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号251のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号252のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号251のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号252のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号254のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号253のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号254のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号255のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号256のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号255のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号256のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号257のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号258のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号257のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号258のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号259のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号260のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号259のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号260のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号261のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号262のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号261のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号262のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号263のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号264のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号263のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号264のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号265のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号266のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号265のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号266のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号267のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号268のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号267のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号268のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号269のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/
または配列番号270のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号269のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号270のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号271のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号272のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号271のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号272のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号273のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号274のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号273のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号274のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号275のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号276のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号275のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号276のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号277のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号278のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号277のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号278のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号279のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号280のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号279のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号280のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号281のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号282のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号281のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号282のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号283のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号284のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号283のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号284のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号285のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号286のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号285のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号286のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号287のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号288のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号287のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号288のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号289のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号290のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号289のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号290のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号291のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号292のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号291のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号292のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号293のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号294のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号293のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号294のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号295のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号296のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号295のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号296のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号297のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号298のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号297のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号298のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号299のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号300のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号299のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号300のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号301のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号302のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号301のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号302のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号303のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号304のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号303のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号304のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号305のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号306のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号305のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号306のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号307のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号308のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号307のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号308のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号309のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号310のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号309のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号310のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号311のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号312のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号311のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号312のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号313のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号314のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号313のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号314のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号315のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号316のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号315のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号316のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号317のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号318のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号317のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号318のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号319のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号320のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配
列番号319のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号320のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号321のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号322のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号321のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号322のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号323のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号324のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号323のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号324のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号325のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号326のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号325のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号326のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号327のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号328のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号327のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号328のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号329のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号330のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号329のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号330のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号331のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号332のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号331のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号332のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号333のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号334のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号333のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号334のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号335のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号336のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号335のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号336のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本抗体はヒト以外のFc領域を含む。いくつかの実施形態では、本抗体はマウスFc領域を含む。いくつかの実施形態では、本抗体はマウスIgG2aFc領域を含む。
【0014】
別の態様では、本明細書において、上記の実施形態のいずれか1つによる抗体または抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチド(例えば単離されたポリヌクレオチド)が提供される。本明細書においては、上記の実施形態のいずれか1つによる任意のポリヌクレオチドを含むベクター(例えば発現ベクター)もまた提供される。本明細書においては、上記の実施形態のいずれか1つによるポリヌクレオチドまたはベクターを含む宿主細胞(例えば単離された宿主細胞)もまた提供される。本明細書においては、抗体またはそれらの抗原結合フラグメントの作製方法または製造方法であって、抗体または抗原結合フラグメントを製造するのに好適な条件下で、上記の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞を培養することを含む方法もまた提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、宿主細胞によって産生された抗体または抗原結合フラグメントを回収することをさらに含む。
【0015】
別の態様では、本明細書において、試料中のヒトCD137Lの発現レベルを検出する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、ヒト組織試料を、上記の実施形態のいずれか1つによる抗体または抗原結合フラグメントに接触させることと、抗体または抗原結合フラグメントの試料への結合を検出することとを含み、抗体または抗原結合フラグメントの試料への結合(例えば、抗体または抗原結合フラグメントの試料への結合レベル)が試料中のヒトCD137Lの発現レベルを示す。いくつかの実施形態では、試料への抗体または抗原結合フラグメントの結合は、免疫組織化学検査(IHC)によって検出される。別の態様では、本明細書において、がんの治療またはがんの進行の遅延を必要とする対象のがんを治療するまたはがんの進行を遅延させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、個体からヒト組織試料を得ることと、上記の実施形態のいずれか1つによる抗体または抗原結合フラグメントを用いて試料中のCD137Lの発現レベルを測定することと、試料中のCD137Lの発現レベルが参照レベルより低い場合、個体に有効量の抗CD137抗体を投与することとを含む。本明細書に記載される実施形態のいずれかによるいくつかの実施形態では、本方法はヒト組織試料を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、個体に有効量の抗CD137抗体を投与することを含み、CD137Lの発現レベルは、個体から得られた試料中で、上記の実施形態のいずれか1つによる抗体または抗原結合フラグメントを用いて検出される。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルはIHCを使用して測定される。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、検出限界未満である。いくつかの実施形態では、試料は固定した試料である。いくつかの実施形態では、試料はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料である。いくつかの実施形態では、試料は腫瘍生検試料である。いくつかの実施形態では、試料は液体の腫瘍試料である。いくつかの実施形態では、試料は1つ以上のがん細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は個体のがんからの腫瘍試料である。いくつかの実施形態では、CD137Lの発現レベルは、がん細胞によるCD137Lの発現レベルである。いくつかの実施形態では、本方法は、治療上有効量の少なくとも1種の追加の治療薬を対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の追加の治療薬は、ウイルス遺伝子療法、免疫チェックポイント阻害剤、標的療法、放射線療法、及び化学療法からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の追加の治療薬は、ポマリスト、レブラミド、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、DNAアルキル化白金含有誘導体、シスプラチン、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、抗CTLA4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗DR5抗体、抗CD1d抗体、抗TIM3抗体、抗SLAMF7抗体、抗KIR受容体抗体、抗OX40抗体、抗HER2抗体、抗ErbB-2抗体、抗EGFR抗体、セツキシマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ペムブロリズマブ、放射線療法、単回放射線、分割放射線、焦点放射線、全臓器放射線、IL-12、IFNα、GM-CSF、キメラ抗原受容体、養子移入T細胞、抗がんワクチン、及び腫瘍溶解性ウイルスからなる群から選択される。
【0016】
上記及び本明細書において説明される様々な実施形態の特性のうちの1つ、いくつか、または全ては、組み合わされて本開示の他の実施形態を形成し得ることが理解されるべきである。本開示のこれらの及び他の態様は、当業者に明らかになるであろう。本開示のこれらの及び他の実施形態は、後続の発明を実施するための形態によってさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】CD137Lペプチド01及び02、ならびに陰性対照としてその他4つのペプチドを使用して、ELISA法で測定した、精製された抗CD137L抗体によるCD137Lへの結合の高い特異性(図示の通り)を示す。
図2A】TY23561と市販の参照-1抗体との結合特異性の比較を示す。ヒトCD137Lを安定して過剰発現するCHO-S細胞株(CHO-S-CD137L)への結合、または親のCHO-S細胞への結合を、フローサイトメトリーによって分析した。陽性対照の細胞CHO-S-CD137L及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査と同様に固定及び透過処理し、その後Beckman CytoFlexにて分析した。抗CD137L抗体TY23561(0.4nMまたは2nM)を使用して染色したCHO-S-CD137LまたはCHO-S細胞株を示す。
図2B】TY23561と市販の参照-1抗体との結合特異性の比較を示す。ヒトCD137Lを安定して過剰発現するCHO-S細胞株(CHO-S-CD137L)への結合、または親のCHO-S細胞への結合を、フローサイトメトリーによって分析した。陽性対照の細胞CHO-S-CD137L及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査と同様に固定及び透過処理し、その後Beckman CytoFlexにて分析した。市販の抗CD137L抗体参照-1(0.4nMまたは2nM)を使用して染色したCHO-S-CD137LまたはCHO-S細胞株を示す。
図2C】TY23561と市販の参照-1抗体との結合特異性の比較を示す。ヒトCD137Lを安定して過剰発現するCHO-S細胞株(CHO-S-CD137L)への結合、または親のCHO-S細胞への結合を、フローサイトメトリーによって分析した。陽性対照の細胞CHO-S-CD137L及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査と同様に固定及び透過処理し、その後Beckman CytoFlexにて分析した。陰性のアイソタイプ対照抗体(0.4nMまたは2nM)を使用して染色したCHO-S-CD137LまたはCHO-S細胞株を示す。
図2D】TY23561と市販の参照-1抗体との結合特異性の比較を示す。ヒトCD137Lを安定して過剰発現するCHO-S細胞株(CHO-S-CD137L)への結合、または親のCHO-S細胞への結合を、フローサイトメトリーによって分析した。陽性対照の細胞CHO-S-CD137L及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査と同様に固定及び透過処理し、その後Beckman CytoFlexにて分析した。TY23557、TY23561、参照-1及びアイソタイプ対照抗体について計算した特異性指数(MFI(CHO-S-CD137L)/MFI(CHO-S)として定義される)を示す。TY23561は、市販の参照-1よりはるかに高い特異性指数を示している。
図3A】TY23557、TY23561、参照-1及びアイソタイプ対照抗体の、記載した濃度での免疫蛍光による染色を示す。陽性対照のCHO-S-CD137L細胞株及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査(IHC)と同様に固定及び透過処理し、その後蛍光顕微鏡検査法を介して分析した。TY23557またはTY23561(0.4nMまたは40nM)を使用して染色したCHO-S-CD137L細胞を示す。
図3B】TY23557、TY23561、参照-1及びアイソタイプ対照抗体の、記載した濃度での免疫蛍光による染色を示す。陽性対照のCHO-S-CD137L細胞株及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査(IHC)と同様に固定及び透過処理し、その後蛍光顕微鏡検査法を介して分析した。参照-1(6.66nM)または陰性のアイソタイプ対照(40nM)を使用して染色したCHO-S-CD137L細胞を示す。
図3C】TY23557、TY23561、参照-1及びアイソタイプ対照抗体の、記載した濃度での免疫蛍光による染色を示す。陽性対照のCHO-S-CD137L細胞株及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査(IHC)と同様に固定及び透過処理し、その後蛍光顕微鏡検査法を介して分析した。TY23557(40nM)、TY23561(40nM)、陰性のアイソタイプ対照(40nM)または参照-1(6.66nM)を使用して染色したCHO-S細胞を示す。
図4】培養細胞における、抗CD137リガンド抗体の免疫組織化学(IHC)染色の特異性を示す。陽性対照のCHO-S-CD137L細胞及び陰性対照のCHO-S細胞を、FFPE処理し薄片にした。続いて、最適化したIHC条件に従って、異なる抗CD137抗体を用いた抗体染色を実施し、CD137LシグナルをHRP標識抗マウスIgGを用いて検出し、その後DAB色素産生反応を行った。CD137Lタンパク質は茶色で染色され、細胞核はヘマトキシリンによって青く染色された。
図5】ヒト扁桃組織薄片における、抗CD137L抗体の免疫組織化学(IHC)染色の特異性を示す。ヒト扁桃FFPE薄片を抗CD137L抗体を用いて染色し、その後HRP標識二次抗体の抗マウスIgGによる検出及びDAB色素産生反応を行った。CD137Lタンパク質は茶色で染色され、細胞核はヘマトキシリンによって青く染色された。
図6A】患者試料における、抗CD137L抗体TY23561によるCD137リガンドの免疫組織化学(IHC)染色を示す。肺癌患者試料における、TY23561を使用したCD137リガンドの免疫組織化学(IHC)染色を示す。
図6B】患者試料における、抗CD137L抗体TY23561によるCD137リガンドの免疫組織化学(IHC)染色を示す。リンパ腫患者試料における、TY23561を使用したCD137リガンドの免疫組織化学(IHC)染色を示す。肺癌またはリンパ腫を有する異なる患者からのFFPE腫瘍薄片を、TY23561及びHRP標識二次抗体の抗マウスIgGを用いて染色し、その後DAB色素産生反応を行った。Leica Bond-RX自動免疫染色装置をER1抗原賦活化設定で使用し、適切なFFPE対照を使用して染色を最適化した。染色された薄片を、3D HISTECH Pannoramic MIDIを用いてスキャンした。CD137Lタンパク質は茶色で染色され、細胞核はヘマトキシリンによって青く染色された。
【発明を実施するための形態】
【0018】
I.一般的技法
本明細書において記載または参照される技術及び手順は、一般的に周知であり、通常、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology (F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003));the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,and Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987));Oligonucleotide Synthesis (M.J.Gait,ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press;Animal Cell Culture (R.I.Freshney),ed.,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons;Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999);Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999);The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995);及びCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)に記載される幅広く利用される方法などの従来の方法を使用して当業者により用いられる。
【0019】
II. 定義
本開示を詳細に説明する前に、本開示は、特定の組成物または生体系に限定されず、言うまでもなく多様であり得ることを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、こうした用語が限定的であるようには意図されていないことも理解されたい。
【0020】
本明細書及び付属の請求項で使用する単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容による明確な別段の定めがない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば「分子(a molecule)」と言及した場合、任意選択で2つ以上のこのような分子の組み合わせが含まれる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当業者であれば容易に理解するそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。
【0022】
本明細書に記載される本開示の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことを理解されたい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、「A及び/またはB」などの語句がA及びBの両方、AまたはB、A(単独)、及びB(単独)を含むことを意図している。同様に、「及び/または」という用語は、本明細書で「A、B、及び/またはC」などの表現が使用される場合、以下の実施形態の各々を包含するように意図されている:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
【0024】
「抗体」という用語は、本明細書において最も広い意味で使用され、所望の生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメント(例えば、単鎖可変フラグメントまたはscFv)を具体的に包含する。
【0025】
「抗体」という用語は、当該技術分野で認識されている用語であり、2つの同一の重(H)鎖及び2つの同一の軽(L)鎖からなる基本的な4ポリペプチド鎖構造を有する抗原結合タンパク質(すなわち免疫グロブリン)を指し得る。各々のL鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に連結され、一方で2つのH鎖は、H鎖のアイソタイプに応じて1つ以上のジスルフィド結合によって互いに連結される。各重鎖は、N末端に可変領域(本明細書ではVHと略される)、続いて定常領域を有する。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3からなる。各軽鎖は、N末端に可変領域(本明細書ではVと略す)とそれに続く他端の定常領域を有する。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、Cからなる。VはVと整列し、Cは重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)と整列する。V及びVの対合は、一緒になって単一抗原結合部位を形成する。IgM抗体は、J鎖と呼ばれるさらなるポリペプチドを伴って5つの基本的なヘテロ四量体単位からなり、したがって、10の抗原結合部位を含むが、一方で分泌されたIgA抗体は、重合してJ鎖と共に2~5個の基本的な4本鎖単位からなる多価集合体を形成することができる。
【0026】
及びV領域は、構造解析及び配列解析に基づいて、超可変領域(HVR)と呼ばれる超可変の領域にさらに細分化できる。HVRには、フレームワーク領域(FW)と呼ばれる、より保存された領域が散在している。比較のために、Yvonne ChenらによるKabat CDR定義(Selection and Analysis of an Optimized Anti-VEGF Antibody: Crystal Structure of an Affinity-matured Fab in Complex with Antigen, J. Mol. Biol. (1999) 293, 865-881)を以下に記載する。各々のV及びVは、アミノ末端からカルボキシ末端に向けて以下の順番:FW1、HVR1、FW2、HVR2、FW3、HVR3、FW4で配置された、3つのHVR及び4つのFWからなる。本開示を通じて、重鎖の3つのHVRは、HVR_H1、HVR_H2、及びHVR_H3と呼ばれる。同様に、軽鎖の3つのHVRは、HVR_L1、HVR_L2、及びHVR_L3と呼ばれる。
【0027】
重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(C1q)を含む宿主の組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介することができる。軽鎖及び重鎖内では、可変領域と定常領域は約12個以上のアミノ酸の「J」領域で結合され、重鎖は約10個以上のアミノ酸の「D」領域も含む。概して、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))を参照されたい。
【0028】
いずれかの脊椎動物種由来のL鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの一方に割り当てることができる。抗体は、それらの重鎖(CH)の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てることができる。5つのクラスの抗体:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、それぞれ、α(アルファ)、δ(デルタ)、ε(エプシロン)、γ(ガンマ)、及びμ(ミュー)と命名された重鎖を有する。抗体のIgGクラスは、ガンマ重鎖Y1~Y4によって、それぞれ4つのサブクラス、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4にさらに分類することができる。
【0029】
抗体の「抗体誘導体」または「誘導体」という用語は、抗体が結合するのと同一の抗原(例えば、CD137L)に結合することができ、追加の分子実体に連結された抗体のアミノ酸配列を含む分子を指す。抗体誘導体に含有される抗体のアミノ酸配列は、抗体、抗体の任意の他のフラグメント(複数可)、または完全抗体の、完全長重鎖、完全長軽鎖、完全長重鎖の任意の部分(複数可)、完全長軽鎖の任意の部分(複数可)であり得る。追加の分子実体は、化学的または生物学的分子であり得る。追加の分子実体の例としては、化学基、アミノ酸、ペプチド、タンパク質(酵素、抗体など)、及び化学化合物が挙げられる。追加の分子実体は、検出剤、標識、マーカー、医薬品または治療薬としての使用などに任意の有用性を有し得る。抗体のアミノ酸配列は、化学的カップリング、遺伝的融合、非共有会合などによって、追加の分子実体に付着または連結され得る。「抗体誘導体」という用語はまた、キメラ抗体、ヒト化抗体、ならびに保存アミノ酸の置換、付加、及び挿入など、抗体(例えば、抗CD137L抗体)のアミノ酸配列の修飾から誘導される分子を含む。
【0030】
抗体の「抗原結合フラグメント」または「抗原結合部分」という用語は、抗体が結合する抗原(例えば、CD137L)に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の部分を指す。抗体の「抗原結合フラグメント」の例には、(i)V、V、C、及びCH1ドメインからなる一価フラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)フラグメント;(iii)V及びCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのV及びVドメインからなるFvフラグメント、(v)VドメインからなるdAbフラグメント(Ward et al.,Nature 341:544-546(1989));及び(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。
【0031】
「結合分子」という用語は、(1)抗体、(2)抗体の抗原結合フラグメント、及び(3)抗体の誘導体を包含し、それぞれ本明細書で定義されている。
【0032】
「CD137Lに結合すること(binding CD137L)」、「CD137Lに結合する(binds CD137L)」、「CD137Lへ結合すること(binding to CD137L)」、または「CD137Lへ結合する(binds to CD137L)」という用語は、本明細書で定義される結合分子の、Biacoreアッセイなどのin vitroアッセイにおける、100nM以下の親和性(K)でのヒトCD137Lへの結合を指す。
【0033】
「CD137L」及び「CD137リガンド」という用語は、本願において交換可能に使用され、ヒトCD137リガンド、ならびにそのバリアント、アイソフォーム、及び種相同体を含む。したがって、本明細書で定義及び開示される結合分子は、ヒト以外の種由来のCD137Lにも結合し得る。他の場合、結合分子はヒトCD137Lに完全に特異的であってよく、種または他のタイプの交差反応性を示さないものであり得る。
【0034】
「抗CD137L抗体」という用語は、本明細書で定義されるように、ヒトCD137リガンド(CD137L)に結合することができる抗体を指す。
【0035】
「キメラ抗体」という用語は、ヒト抗体から誘導される可変領域及びマウス免疫グロブリン定常領域を有するものなど、異なる動物種に由来するアミノ酸配列を含む抗体を指す。
【0036】
「結合について競合する」という用語は、それらの結合標的への結合における2つの抗体の相互作用を指す。第2の抗体の非存在下での第1の抗体の結合と比較して、第2の抗体の存在下で第1の抗体のその同族エピトープとの結合が検出可能に減少する場合、第1の抗体は結合に関して第2の抗体と競合する。第2の抗体のそのエピトープへの結合も第1の抗体の存在下で検出可能に減少する代替案は、事実であり得るが、そうである必要はない。すなわち、第1の抗体は、第2の抗体が第1の抗体のそのそれぞれのエピトープへの結合を阻害することなく、第2の抗体のそのエピトープへの結合を阻害することができる。しかしながら、各抗体が、他の抗体とその同族のエピトープとの結合を検出可能に阻害する場合、同程度、それ以上、またはそれ以下の範囲で、抗体はそれぞれのエピトープ(複数可)の結合について互いに「交差競合」すると言われる。
【0037】
「エピトープ」という用語は、抗体(またはその抗原結合フラグメント)が結合する抗原の一部を指す。エピトープは、隣接アミノ酸、またはタンパク質の三次元折りたたみによって並列した非隣接アミノ酸の両方から形成することができる。隣接アミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒への曝露の際に保持されるが、三次折りたたみによって形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒での治療の際に失われる。エピトープは、特有の空間的コンフォメーションで様々な数のアミノ酸を含むことができる。エピトープの空間的コンフォメーションを決定する方法には、例えば、X線結晶学、2次元核磁気共鳴、質量分析と組み合わせた重水素水素交換、または部位特異的変異導入、または抗原とその結合抗体及びそのバリアントとの複合体構造の計算モデリングと組み合わせて使用される全ての方法が含まれる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,G.E.Morris,Ed.(1996)を参照されたい。抗原の所望のエピトープが決定されると、例えば、本明細書に記載の技術を使用して、そのエピトープに対する抗体を生成することができる。また、抗体の生成及び特性評価は、望ましいエピトープについての情報を解明し得る。この情報から、同じエピトープへの結合について抗体を競合的にスクリーニングすることが可能である。これを達成するためのアプローチは、交差競合研究を実施して、互いに競合的に結合する抗体、すなわち、抗原への結合について競合する抗体を見つけることである。それらの交差競合に基づいて抗体を「ビニングする」ためのハイスループットプロセスは、PCT公開第WO03/48731号に記載されている。
【0038】
「生殖細胞系列」という用語は、生殖細胞を介して親から子孫に渡されるときの抗体遺伝子及び遺伝子セグメントのヌクレオチド配列を指す。生殖細胞系列配列は、B細胞成熟過程での組み換え及び高頻度変異事象により変化した成熟B細胞の抗体をコードするヌクレオチド配列とは区別される。
【0039】
「グリコシル化部位」という用語は、真核細胞により糖残基の付加位置として認識されるアミノ酸残基を指す。オリゴ糖などの炭水化物が付着するアミノ酸は、典型的には、アスパラギン(N結合)、セリン(O結合)、及びスレオニン(O結合)残基である。特定の付着部位は、典型的には、本明細書で「グリコシル化部位配列」と呼ばれるアミノ酸の配列によってシグナル伝達される。N結合型グリコシル化のグリコシル化部位配列は、-Asn-X-Ser-または-Asn-X-Thr-であり、Xはプロリン以外の従来のアミノ酸のいずれかであり得る。「N結合型」及び「O結合型」という用語は、糖分子とアミノ酸残基との間の付着部位として機能する化学基を指す。N結合型糖はアミノ基を介して付着される。O結合型糖はヒドロキシル基を介して付着される。「グリカン占有」という用語は、グリコシル化部位に連結された(すなわち、グリカン部位が占有されている)炭水化物部分の存在を指す。ポリペプチド上に少なくとも2つの潜在的なグリコシル化部位が存在する場合、ゼロ(0-グリカン部位の占有)、1つ(1-グリカン部位の占有)、または両方(2-グリカン部位の占有)の部位のいずれかが炭水化物部分によって占有され得る。
【0040】
「宿主細胞」という用語は、目的のタンパク質、タンパク質フラグメント、またはペプチドを生成するように遺伝子操作できる細胞系を指す。宿主細胞には、非限定的に、例えばCHO、BHK、NSO、SP2/0、YB2/0などのげっ歯類(ラット、マウス、モルモット、もしくはハムスター)、またはヒト組織もしくはハイブリドーマ細胞に由来する哺乳動物培養細胞、酵母細胞、昆虫細胞、及びトランスジェニック動物または培養組織内に含まれる細胞などの培養細胞が含まれる。この用語は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の子孫も包含する。変異や環境の影響により、ある特定の修飾が後続の世代で発生する可能性があるため、このような子孫は親細胞と同一ではない可能性があるが、なおも「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0041】
「ヒト抗体」という用語は、軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列全体がヒト免疫グロブリン遺伝子に由来する抗体を指す。マウス、マウス細胞、またはマウス細胞から誘導されるハイブリドーマで産生される場合、ヒト抗体はマウス糖鎖を含み得る。ヒト抗体は、当該技術分野で公知の様々な方法で調製され得る。
【0042】
「ヒト化抗体」という用語は、ヒト抗体配列に由来するアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ヒト化抗体は、非ヒト動物または合成抗体由来のCDRまたはHVRの一部または全てを含むことができ、一方で抗体のフレームワーク及び定常領域は、ヒト抗体配列に由来するアミノ酸残基を含む。
【0043】
「例示的抗体」という用語は、本開示に記載の抗体のいずれか1つを指す。これらの抗体は、どのクラスのものでもよい(例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)。したがって、上記で特定された各抗体は、V及びV領域について同じアミノ酸配列を有する5つのクラス全ての抗体を包含する。さらに、IgGクラスの抗体は、任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)のものであり得る。したがって、IgGサブクラスの上記で特定された各抗体は、V及びV領域について同じアミノ酸配列を有する4つのサブクラス全ての抗体を包含する。5つのクラス及び4つのIgGサブクラスのヒト抗体の重鎖定常領域のアミノ酸配列は、当該技術分野で公知である。
【0044】
「単離された抗体」または「単離された結合分子」という用語は、本明細書で定義されるような抗体または結合分子を指し、(1)天然状態においてそれと付随する天然で関連付けられた成分と関連付けられていない;(2)同一種に由来する他のタンパク質を含まない;(3)異なる種の細胞によって発現される;または(4)天然に存在しない。単離された抗体の例には、CD137を使用してアフィニティ精製されたCD137抗体、in vitroでハイブリドーマまたは他の細胞株によって生成されたCD137抗体、及びトランスジェニック動物に由来するCD137抗体が含まれる。
【0045】
「k」という用語は、特定の抗体-抗原相互作用の会合速度定数を指し、「k」という用語は、特定の抗体-抗原相互作用の解離速度定数を指す。
【0046】
「K」という用語は、特定の抗体-抗原相互作用の平衡解離定数を指す。これは、kのkに対する比(すなわちk/k)から得られ、モル濃度(M)で表される。Kは、抗体の結合パートナーへの結合の親和性の尺度として使用される。Kが小さいほど、抗体はより強く結合するか、または抗体と抗原との間の親和性がより高くなる。例えば、ナノモル(nM)の解離定数を有する抗体は、マイクロモル(μM)の解離定数を有する抗体よりも強く特定の抗原に結合する。抗体のKは、当該技術分野で十分に確立された方法を使用して決定することができる。抗体のKを決定する1つの方法は、典型的には、Biacore(登録商標)システムなどのバイオセンサーシステムを使用して、表面プラズモン共鳴を使用することによる。
【0047】
哺乳動物のある特定の疾患状態に対する「予防する」または「予防すること」という用語は、疾患の発症を予防または遅延させること、またはその臨床的または無症状症状の発現を予防することを指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、2つのポリペプチド配列間の「配列同一性」は、配列間で同一であるアミノ酸のパーセンテージを示す。ポリペプチドのアミノ酸配列同一性は、Bestfit、FASTA、またはBLASTなどの既知のコンピュータプログラムを使用して慣習的に決定することができる(例えば、Pearson,Methods Enzymol.183:63-98(1990)、Pearson,Methods Mol.Biol.132:185-219(2000)、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)、Altschul et al.,Nucelic Acids Res.25:3389-3402(1997)を参照)。Bestfitまたは任意の他の配列アラインメントプログラムを使用して、特定の配列が、例えば、参照アミノ酸配列と95%同一であるかどうかを決定する場合、パラメータは、同一性の割合が参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、参照配列内のアミノ酸残基の総数の最大5%の相同性における差が許容されるように設定される。ポリペプチド間の同一性のパーセンテージを決定するこの前述の方法は、本明細書に開示される全てのタンパク質、フラグメント、またはバリアントに適用可能である。
【0049】
本明細書で定義されるとき、結合分子(例えば、抗体)とその結合パートナー(例えば、抗原)との相互作用に関して、「特異的に結合する」または「~へと特異的に結合する」という用語は、所定の条件下で、動物種からの目的の抗原と、異なる動物種からの抗原オーソログとを識別する結合分子の能力を指す。CD137L結合分子は、in vitroアッセイで決定されるとき、ラットまたはマウスのCD137Lに結合するEC50の50%未満のEC50でヒトCD137Lに結合する場合、ヒトCD137Lに特異的に結合すると言われる。抗体の結合特異性は、当該技術分野で公知の方法を使用して決定できる。このような方法の例には、PHA刺激一次細胞を使用するFACS、ウエスタンブロット、ELISA、RIA、ECL、IRMA試験、及びペプチドスキャンが含まれる。
【0050】
「治療する」、「治療すること」、または「治療」という用語は、哺乳動物における特定の疾患状態に関して、疾患状態を有する哺乳動物において望ましいまたは有益な効果を引き起こすことを指す。望ましいまたは有益な効果には、疾患の1つ以上の症状の頻度または重症度の低下(すなわち、腫瘍成長及び/または転移、または免疫細胞の数及び/または活性などによって媒介される他の効果)、あるいは疾患、状態、または障害のさらなる進行の停止または阻害が含まれ得る。哺乳動物においてがんを治療する文脈において、望ましいまたは有益な効果には、がん細胞のさらなる成長もしくは転移の阻害、がん細胞の死滅、がんの再発の阻害、がんに関連する疼痛の低減、または哺乳動物の生存能の改善が含まれ得る。効果は主観的または客観的のいずれかであり得る。例えば、動物がヒトである場合、ヒトは、改善または治療応答の自覚症状として、活力もしくは生存能の向上、または疼痛の低減を認め得る。あるいは、臨床医は、理学的検査、臨床検査値、腫瘍マーカー、またはX線所見に基づく、腫瘍サイズまたは負荷の減少を認め得る。治療応答に関して臨床医が観察し得るいくつかの臨床徴候には、白血球数、赤血球数、血小板数、赤血球沈降速度、及び種々の酵素レベル等の検査値の正常化が含まれる。さらに、臨床医は、検出可能な腫瘍マーカーの減少を観察し得る。あるいは、他の検査、例えば、超音波画像法、核磁気共鳴検査、及び陽電子放出検査を使用して客観的改善を評価することができる。
【0051】
「ベクター」という用語は、外来核酸分子を輸送することができる核酸分子を指す。外来核酸分子は、ライゲーションまたは組換えなどの組換え技術によってベクター核酸分子に連結される。これにより、外来核酸分子を増殖させ、選択し、さらに操作するか、または宿主細胞もしくは生物中で発現させることができる。ベクターは、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、またはビリオンであり得る。ベクターの1つの種類は、宿主細胞への導入の際、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それによって、宿主ゲノムと共に複製される(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)。ベクターの別の種類は、それが導入された宿主細胞において自律的複製が可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。それらが作動可能に連結されている発現可能な外来核酸の発現を指示することができる別の特定の種類のベクターは、通常「発現ベクター」と称される。発現ベクターは、一般的に、発現可能な外来核酸の発現を駆動する制御配列を有する。「転写ベクター」として既知のより単純なベクターは、転写のみ可能であるが翻訳は不可能であり、これらは、標的細胞内で複製できるが発現はできない。用語「ベクター」は、全ての種類のベクターをそれらの機能に関係なく包含する。それらが作動可能に連結されている発現可能な核酸の発現を誘導することができるベクターは、一般に「発現ベクター」と呼ばれる。
【0052】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸、及び後で修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、ガンマ-カルボキシグルタミン酸、及びO-ホスホセリンである。「アミノ酸類似体」という用語は、天然アミノ酸と同じ基本的な化学構造を有する化合物を指すが、C末端のカルボキシ基、N末端のアミノ基、または側鎖の官能基は、別の官能基に化学的に修飾されている。「アミノ酸模倣体」という用語は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する化学化合物を指す。
【0053】
本明細書で使用されるとき、20個の従来のアミノ酸及びそれらの略語は従来の用法に従う。Immunology-A Synthesis(2nd Edition,E.S.Golub and D.R.Gren,Eds.,Sinauer Associates,Sunderland,Mass.(1991))を参照されたい。
【0054】
「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」という用語は、本明細書では互換的に使用され、2つ以上のアミノ酸のポリマーを指し得る。
【0055】
本明細書で互換的に使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、もしくは塩基、及び/またはそれらの類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによって、もしくは合成反応によってポリマーに組み込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾はポリマーの構築の前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、合成後になされる修飾(複数可)、例えば、標識へのコンジュゲーションを含み得る。他の種類の修飾としては、例えば、「キャップ」、1つ以上の天然に存在するヌクレオチドの類似体との置換、ヌクレオチド間の修飾、例えば、非荷電結合によるもの(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)及び荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)によるもの、懸垂部分を含むもの、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リジンなど)、挿入剤(例えば、アクリジン、ソラレンなど)によるもの、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ボロン、酸化金属など)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された結合によるもの(例えば、αアノマー核酸など)、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の未修飾形態が挙げられる。さらに、糖に通常存在するヒドロキシル基のいずれかが、例えば、ホスホネート基、ホスフェート基で置き換えられ得るか、標準的な保護基で保護され得るか、もしくは追加のヌクレオチドへの追加の結合を準備するために活性化され得るか、または固体もしくは半固体の支持体にコンジュゲートされ得る。5’及び3’末端のOHは、リン酸化され得るか、またはアミンで、もしくは1~20個の炭素原子の有機キャッピング基部分で置換され得る。他のヒドロキシルも標準的な保護基に誘導体化され得る。ポリヌクレオチドは、例えば、2’-O-メチルリボース、2’-O-アリルリボース、2’-フルオロリボースまたは2’-アジドリボース、炭素環式糖類似体、α-アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロースまたはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、及び塩基性ヌクレオシド類似体、例えば、メチルリボシドが含まれる、当該技術分野において一般的に公知であるリボースまたはデオキシリボース糖の類似形態も含み得る。1つ以上のホスホジエステル結合が代替的な連結基で置き換えられ得る。これらの代替的な連結基としては、限定されるものではないが、ホスフェートがP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO、またはCH2(「ホルムアセタール」)で置き換えられており、式中、各RまたはR’が独立して、H、または任意にエーテル(-O-)結合を含む置換もしくは非置換アルキル(1~20C)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはアラルキルである実施形態が挙げられる。ポリヌクレオチドにおける全ての結合が同一である必要はない。先行する説明は、RNA及びDNAを含む、本明細書において言及される全てのポリヌクレオチドに適用する。
【0056】
「単離された核酸」という用語は、核酸の天然源に存在する他の核酸分子から分離された、ゲノム、cDNA、もしくは合成起源の核酸分子、またはそれらの組み合わせを指す。例えば、ゲノムDNAに関して、「単離された」という用語は、ゲノムDNAが天然に結合している染色体から分離されている核酸分子を含む。例えば、ゲノムDNAに関して、「単離された」という用語には、ゲノムDNAが天然で関連している染色体から分離された核酸分子が含まれる。好ましくは、「単離された」核酸は、天然で核酸に隣接する配列(すなわち、目的の核酸の5’及び3’末端に位置する配列)を含まない。
【0057】
本明細書で使用されるとき、用語「バイオマーカー」または「マーカー」とは、一般的に、対象の組織もしくは細胞の中もしくは上での発現、または対象の組織もしくは細胞により分泌されるものが公知の方法(または本明細書に開示される方法)によって検出され得る分子(例えば、プレmRNA、mRNA、タンパク質等)を指し、治療レジメン(例えば、抗CD137抗体を含む治療、チェックポイント遮断免疫療法を含む治療等)に対する対象の感受性を予測するものであるか、または予測する(もしくは予測を援助する)ために使用され得、またいくつかの実施形態では当該治療レジメンに対する対象の応答性を予測する(または予測を援助する)ために使用され得る。
【0058】
本明細書で使用されるとき、「試料」という用語は、例えば、物理的、生化学的、化学的、及び/または生理学的特徴に基づいて特徴付けられる、及び/または同定される細胞及び/または他の分子実体を含む、目的対象から得られるまたは目的対象由来の組成物を指す。
【0059】
本明細書で使用されるとき、「組織または細胞試料」とは、対象または患者の組織から得られる同様の細胞の集合を指す。組織または細胞試料の供給源は、新鮮、凍結、及び/または保管された臓器もしくは組織試料または生検もしくは吸引液からの固形組織;血液または任意の血液組成成分;脳脊髄液、羊膜液、腹腔液、または間質液などの体液;対象の妊娠期間または発育における任意の時点からの細胞であり得る。また、組織試料は、初代細胞であっても培養細胞であってもよい。任意選択で、組織または細胞試料は疾患組織または臓器から得られる。組織試料は、自然界の組織とは天然には混ざり合わない化合物、例えば、防腐剤、抗凝固剤、緩衝液、固定剤、栄養素、抗生物質などを含んでもよい。
【0060】
本明細書で使用される場合、「対象」、「患者」、または「個体」は、ヒトまたは非ヒト動物を指し得る。「非ヒト動物」は、ヒトとして分類されないあらゆる動物、例えば、飼育動物、家畜、または動物園の動物、競技用動物、ペットの動物(例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシなど)、ならびに研究において使用される動物を指し得る。研究動物とは、線虫、節足動物、脊椎動物、哺乳動物、カエル、げっ歯類(例えば、マウスまたはラット)、魚類(例えば、ゼブラフィッシュまたはフグ)、鳥類(例えば、ニワトリ)、イヌ、ネコ、及び非ヒト霊長類(例えば、アカゲザル、カニクイザル、チンパンジーなど)を指し得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象、患者、または個体はヒトである。
【0061】
「哺乳動物」という用語は、哺乳綱の任意の動物種を指す。哺乳動物の例には以下が含まれる:ヒト;ラット、マウス、サル、及びモルモットなどの実験動物;ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、及びブタなどの家畜;ならびにライオン、トラ、ゾウなどの飼育下の野生動物。
【0062】
本明細書で使用されるとき、「参照値」または「参照レベル」とは、絶対値;相対値;上限及び/または下限を有する値;値の範囲;平均値(average value);中央値;平均値(mean value);あるいは特定のレベルまたはベースラインレベルと比較した値であり得る。
【0063】
「有効量」とは、1つ以上の所望または指示される効果(治療的結果または予防的結果を含む)を達成するために必要な、薬用量及び時間期間における少なくとも有効な量を指す。有効量は、1回以上の投与でもたらされ得る。本開示の目的に関しては、薬物、化合物、または医薬組成物の有効量は、予防的または治療的治療を直接または間接的に達成するのに十分な量である。臨床的文脈において理解されるように、有効量の薬物、化合物、または医薬組成物は、別の薬物、化合物、または医薬組成物と併せて達成される場合も達成されない場合もある。したがって、「有効量」は1つ以上の治療薬の投与に関連するとみなされてよく、単剤は1つ以上の他の薬剤と組み合わせて望ましい結果が達成される可能性がある、または達成される場合に、有効量で投与されているとみなされてよい。
【0064】
III.抗体と方法
概要
本開示の特定の態様は、ヒトCD137リガンド(CD137L)の細胞内領域及び/または膜貫通領域に結合する抗体またはそれらの抗原結合フラグメントに関する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の抗体及び抗原結合フラグメントは、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合し、及び/または、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合する。有利なことに、本開示は、高い特異性を持ってヒトCD137Lの細胞内領域及び/または膜貫通領域に結合する抗CD137L抗体を提供し、このような抗体が、例えばIHCを使用した、ヒト組織試料でのCD137Lの頑健性及び感度の高い検出を可能にすることを示す。
【0065】
本開示のその他の態様は、本明細書にて開示される抗体またはそれらの抗原結合フラグメントを用いて、試料中、例えばヒト組織試料中のCD137Lの発現レベルを検出する方法に関する。このような方法は、とりわけ、特定のがん治療、例えば抗CD137抗体を用いた治療などに応答し得る患者を特定するために、組織試料中のCD137Lの発現レベルを検出するという使用が見出され得る。
【0066】
抗CD137L抗体
いくつかの実施形態では、本開示は抗CD137L抗体に関する。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体はヒトCD137Lに結合する。ヒトCD137L(TNFSF9、TNLG5A及び4-1BB-Lとしても知られる)は、CD137/TNFRSF9/4-1BBのリガンドとして作用する腫瘍壊死因子(TNF)リガンドファミリーの膜貫通型サイトカインである。いくつかの実施形態では、ヒトCD137Lは、ヒトCD137L遺伝子、例えばNCBI遺伝子ID No.8744で表される遺伝子によって産生されるポリペプチドを意味する。例示的なCD137Lポリペプチド配列を以下に提供する(例えば、NCBI Ref. Seq. No. NP_003802.1を参照)。
MEYASDASLD PEAPWPPAPR ARACRVLPWA LVAGLLLLLL LAAACAVFLA
CPWAVSGARA SPGSAASPRL REGPELSPDD PAGLLDLRQG MFAQLVAQNV
LLIDGPLSWY SDPGLAGVSL TGGLSYKEDT KELVVAKAGV YYVFFQLELR
RVVAGEGSGS VSLALHLQPL RSAAGAAALA LTVDLPPASS EARNSAFGFQ
GRLLHLSAGQ RLGVHLHTEA RARHAWQLTQ GATVLGLFRV TPEIPAGLPS
PRSE(配列番号3)
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示は、例えば細胞内ドメイン及び/または膜貫通ドメイン(複数可)でヒトCD137Lに結合する、単離された抗体を提供する。いくつかの実施形態では、本抗体は、ヒトCD137Lの細胞外ドメインまたはその一部には結合しない。CD137L細胞外ドメインの配列及び構造は、当該技術分野において既知である(例えば、Won, E.H. et al. (2010) J. Biol. Chem. 285(12):9202-9210を参照)。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合フラグメントは、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含み、及び/またはMEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むエピトープでヒトCD137Lに結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合フラグメントは、MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチド及び/またはMEYASDASLDPEAPWPPAPRARA(配列番号2)のアミノ酸配列を含むペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、100未満、90未満、80未満、70未満、60未満、50未満、40未満または30未満のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、ペプチドはCD137Lの細胞外ドメインまたはその一部を構成しない。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトCD137Lの細胞外ドメインに結合する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトCD137Lの細胞内ドメインまたは非膜貫通領域に結合する。
【0069】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトCD137Lを発現する細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に結合する。いくつかの実施形態では、細胞は、例えば、細胞によって発現されるCD137Lの細胞内ドメイン及び/または膜貫通ドメイン(複数可)に抗体がアクセスできるように、固定及び/または透過処理されている。
【0070】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合フラグメントは、固定した試料中、例えば1つ以上の固定したヒト細胞中のヒトCD137Lに結合する。いくつかの実施形態では、試料は、例えばヒト扁桃組織からの、またはヒト腫瘍組織(例えば、固形または液体の腫瘍)からの、固定及び/または透過処理したヒト組織試料である。いくつかの実施形態では、試料はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料である。
【0071】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む。重鎖可変領域は、式(I):LXTXGVGVXWIのアミノ酸配列を含むHVR-H1であって、式中、Xは、S、NまたはTであり、XはS、A、GまたはTであり、XはS、T、AまたはGであるHVR-H1(配列番号346)と、式(II):XIDXYYXPSX10KSX11Lのアミノ酸配列を含むHVR-H2であって、式中、XはLまたはIであり、XはAまたはGであり、XはL、VまたはIであり、XはW、HまたはYであり、XはAまたはSであり、XはGまたはDであり、XはD、Y、AまたはSであり、XはKまたはTであり、XはSまたはNであり、X10はLまたはPであり、X11はRまたはHであるHVR-H2(配列番号347)と、式(III):ARYGXYAXDYのアミノ酸配列を含むHVR-H3であって、式中、XはY、V、W、LまたはGであり、XはS、G、R、DまたはNであり、XはS、GまたはNであり、XはI、LまたはMであるHVR-H3(配列番号348)とを含み、及び/または軽鎖可変領域は、式(IV):RXSQXLAのアミノ酸配列を含むHVR-L1であって、式中、XはAまたはTであり、XはS、TまたはGであり、XはVまたはIであり、XはR、SまたはHであり、XはGまたはNであり、XはS、N、またはTであり、XはYまたはFであるHVR-L1(配列番号349)と、式(V):XAXLXSGVのアミノ酸配列を含むHVR-L2であって、式中、XはAまたはDであり、XはSまたはFであり、XはTまたはSであり、XはQまたはEであるHVR-L2(配列番号350)と、式(VI):YCQQYXSXWTのアミノ酸配列を含むHVR-L3であって、式中、XはS、GまたはNであり、XはL、Y、S、WまたはFであるHVR-L3(配列番号NO:351)とを含む。
【0072】
一態様では、本開示は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む単離された抗体であって、(a)重鎖可変領域が、配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、(b)重鎖可変領域が、配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、(c)重鎖可変領域が、配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、(d)重鎖可変領域が、配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、(e)重鎖可変領域が、配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号32のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号33のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、(f)重鎖可変領域が、配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号35のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号36のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号39のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、(g)重鎖可変領域が、配列番号40のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号41のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号42のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号43のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号44のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号45のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、または(h)重鎖可変領域が、配列番号46のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号47のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び配列番号48のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、及び/または軽鎖可変領域が、配列番号49のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号50のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号51のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、抗体を提供する。
【0073】
本開示によって提供される特定の抗体(またはそれらの抗原結合フラグメント)の例としては、表1~4に列挙されているようなものが挙げられる。表1及び表3に列挙される抗体/抗原結合フラグメントは抗体として記載され、表2及び表4に列挙される抗体/抗原結合フラグメントはFabフラグメントとして記載されるが、これらの記述は、いかなる形であれ限定することを意図しない。したがって、本明細書においては、表1及び表3の抗原結合ドメインは抗原結合フラグメントにも使用でき、表2及び表4の抗原結合ドメインは抗体にも使用できると考慮される。
【表1】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【0074】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、表1または表2に列挙された単一抗体の1、2、3、4、5または6つのHVR配列を含み、表3または表4に列挙された単一抗体のVH及び/またはVLドメインの1、2、3、4、5または6つのHVR配列を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号32のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号33のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号35のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号36のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号39のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号40のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号41のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号42のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号43のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号44のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号45のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号46のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号47のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号48のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号49のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号50のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号51のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号68~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号116~163からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号164~211からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212~227からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228~231からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232~240からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号68のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号116のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号164のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号69のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号117のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号165のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号70のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号118のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号166のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号233のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号71のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号119のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号167のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号234のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号72のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号120のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号168のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号73のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号121のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号169のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号74のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号122のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号170のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号214のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号236のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号123のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号171のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号215のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号124のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号172のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号125のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号173のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号126のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号174のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号216のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号127のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号175のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号128のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号176のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号238のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号81のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号129のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号177のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号82のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号130のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号178のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号83のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号131のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号179のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、
配列番号84のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号180のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号218のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号239のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号85のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号133のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号181のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号86のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号134のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号182のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号87のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号135のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号183のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号88のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号136のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号184のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号89のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号137のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号185のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号219のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号90のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号138のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号186のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号91のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号139のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号187のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号220のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号228のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号233のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号92のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号140のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号188のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号93のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号141のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号189のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号94のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号142のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号190のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号95のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号143のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号191のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号96のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号144のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号192のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号97のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号145のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号193のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号221のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号230のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号98のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号146のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号194のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号222のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号99のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号147のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号195のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号100のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号148のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号196のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号101のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号149のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号197のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号224のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号102のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号150のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号198のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号103のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号151のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号199のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号104のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号152のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号200のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号223のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号105のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号153のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号201のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号106のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号154のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号202のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号225のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号238のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号107のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号155のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号203のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号226のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号234のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号108のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号156のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号204のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号221のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号109のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号157のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号205のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号219のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号110のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号158のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号206のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号227のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号111のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号159のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号207のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号112のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号160のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号208のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号231のアミノ酸配列を含むHVR-L2、
及び配列番号235のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号113のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号161のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号209のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号212のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号237のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号114のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号162のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号210のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号213のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号240のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号115のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号163のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号211のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号217のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号229のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号232のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
【表3-1】
【表3-2】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【表4-10】
【0078】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、表3または表4に列挙された単一抗体のVH及び/またはVL領域の配列を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号52のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号53のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号54のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号55のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号56のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号57のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号58のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号59のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号60のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号61のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号62のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号63のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号64のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号65のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本抗体は重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号66のアミノ酸配列を含み、及び/または軽鎖可変領域は配列番号67のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号52のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号53のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号55のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号57のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号58のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号59のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号60のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号61のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号62のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号63のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号65のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号66のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号67のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号241のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号242のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号241のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号242のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号244のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号243のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号244のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号245のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号246のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号245のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号246のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号247のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号248のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号247のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号248のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号249のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号250のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号249のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号250のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号251のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号252のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号251のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号252のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号254のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号253のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号254のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号255のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号256のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号255のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号256のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号257のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号258のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号257のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号258のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号259のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号260のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号259のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号260のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号261のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号262のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号261のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号262のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号263のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号264のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号263のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号264のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号265のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号266のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号265のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号266のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号267のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号268のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号267のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号268のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号269のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号270のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号269のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号270のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号271のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号272のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号271のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号272のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号273のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号274のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号273のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号274のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号275のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号276のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号275のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、
及び/または配列番号276のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号277のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号278のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号277のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号278のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号279のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号280のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号279のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号280のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号281のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号282のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号281のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号282のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号283のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号284のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号283のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号284のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号285のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号286のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号285のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号286のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号287のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号288のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号287のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号288のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号289のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号290のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号289のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号290のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号291のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号292のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号291のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号292のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号293のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号294のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号293のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号294のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号295のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号296のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号295のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号296のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号297のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号298のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号297のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号298のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号299のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号300のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号299のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号300のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号301のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号302のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号301のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号302のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号303のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号304のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号303のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号304のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号305のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号306のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号305のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号306のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号307のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号308のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号307のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号308のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号309のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号310のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号309のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号310のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号311のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号312のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号311のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号312のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号313のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号314のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号313のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号314のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号315のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号316のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号315のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、
及び/または配列番号316のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号317のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号318のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号317のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号318のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号319のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号320のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号319のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号320のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号321のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号322のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号321のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号322のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号323のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号324のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号323のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号324のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号325のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号326のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号325のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号326のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号327のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号328のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号327のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号328のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号329のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号330のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号329のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号330のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号331のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号332のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号331のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号332のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号333のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号334のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号333のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号334のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号335のアミノ酸配列を含むVH領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列、及び/または配列番号336のアミノ酸配列を含むVL領域からの1つ、2つまたは3つのHVR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体は、配列番号335のアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)領域、及び/または配列番号336のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)領域を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、抗CD137L抗体はFc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域はヒト以外のFc領域である。いくつかの実施形態では、Fc領域はマウスFc領域である。いくつかの実施形態では、Fc領域は、マウスのIgG1、IgG2a、IgG2bまたはIgG3Fc領域である。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ウサギのFc領域、例えばウサギのIgG Fc領域である。いくつかの実施形態では、Fc領域は、ラットのFc領域、例えばラットのIgG2b Fc領域である。いくつかの実施形態では、Fc領域はニワトリのFc領域である。例えばIHCに好適な各種Fc領域が当該技術分野において既知であり、本明細書での使用に検討される。
【0082】
CD137L抗体は、当該技術分野で公知の方法を使用して、1つのクラスまたはサブクラスから別のクラスまたはサブクラスに変換され得る。所望のクラスまたはサブクラスで抗体を産生するための例示的な方法は、CD137L抗体の重鎖をコードする核酸及びCD137L抗体の軽鎖をコードする核酸を単離するステップと、V領域をコードする配列を単離するステップと、V配列を所望のクラスまたはサブクラスの重鎖定常領域をコードする配列に連結するステップと、細胞内で軽鎖遺伝子及び重鎖コンストラクトを発現させるステップと、CD137L抗体を収集するステップとを含む。
【0083】
さらに、本開示により提供される抗体はモノクローナルまたはポリクローナルであり得るが、好ましくはモノクローナルである。
【0084】
抗原結合フラグメント
いくつかの態様では、本開示は、本開示によって提供される抗CD137L抗体のいずれかの抗原結合フラグメントを提供する。
【0085】
本抗原結合フラグメントは、抗体の任意の配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本抗原結合フラグメントは、以下のアミノ酸配列:(1)抗CD137L抗体の軽鎖、(2)抗CD137L抗体の重鎖、(3)抗CD137L抗体の軽鎖の可変領域、(4)抗CD137L抗体の重鎖の可変領域、(5)抗CD137L抗体の1つ以上のHVR(2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つのHRV)または(6)抗CD137L抗体の軽鎖からの3つのHVR及び重鎖からの3つのHVRを含む。
【0086】
いくつかの特定の実施形態では、本開示は、表1~3に列挙された抗体から選択される抗体の抗原結合フラグメントを提供する。
【0087】
他のいくつかの特定の実施形態では、抗CD137抗体の抗原結合フラグメントには、(i)V、V、C、及びC1ドメインからなる一価フラグメントであるFabフラグメント、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)フラグメント、(iii)V及びC1ドメインからなるFdフラグメント、(iv)抗体の単一アームのV及びVドメインからなるFvフラグメント、(v)VドメインからなるdAbフラグメント(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546)、(vi)単離されたCDR、ならびに(vii)抗体のV領域に連結された抗体のV領域を含むポリペプチドである単鎖抗体(scFv)(Bird et al.,(1988)Science 242:423-426及びHuston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883)が含まれる。
【0088】
いくつかの特定の実施形態では、本抗原結合フラグメントは、表1に列挙された抗原結合フラグメントから選択されるFabフラグメントである。
【0089】
抗体誘導体
本明細書に記載の抗CD137L抗体は、本開示の抗CD137L抗体から誘導された抗体を含み得る。
【0090】
いくつかのさらなる態様では、本開示は、本開示により提供されるCD137L抗体のいずれかの誘導体を提供する。
【0091】
一態様では、本抗体誘導体は、本開示の例示的な抗体(「親抗体」)のアミノ酸配列を修飾し、一方で親抗体のアミノ酸配列の全体的な分子構造を保持しつつ誘導される。フレームワーク領域、HVR領域、または定常領域など、親抗体鎖の任意の領域のアミノ酸配列を修飾してもよい。修飾の種類には、親抗体の1つ以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失、またはそれらの組み合わせが含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、本開示のCDR(例えば表1または表3に列挙されたもの)は、1つ、2つ、または3つ以上の置換(例えば、保存的置換)を含む。
【0092】
アミノ酸置換は、保存的置換及び非保存的置換の両方を包含する。「保存的アミノ酸置換」という用語は、2つのアミノ酸が極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、及び/または関連する残基の両親媒性などの特定の物理化学的特性において類似性を有する場合に、1つのアミノ酸を別のアミノ酸で置き換えることを意味する。例えば、典型的には、以下の群:(a)アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びメチオニンなどの非極性(疎水性)アミノ酸、(b)グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミンなどの極性中性アミノ酸、(c)アルギニン、リジン、ヒスチジンなどの正に帯電した(塩基性)アミノ酸、及び(d)アスパラギン酸及びグルタミン酸などの負に帯電した(酸性)アミノ酸のそれぞれの中で置換を行うことができる。
【0093】
修飾は、HVR、フレームワーク領域、または定常領域を含む、抗体のアミノ酸配列の任意の位置でなされ得る。一実施形態では、本開示は、本開示の例示的な抗体のV及びVHVR配列を含有するが、例示的な抗体のものとは異なるフレームワーク配列を含有する抗体誘導体を提供する。このようなフレームワーク配列は、生殖細胞系列抗体遺伝子配列を含む公開DNAデータベースまたは公開された参考文献から取得することができる。例えば、ヒト重鎖及び軽鎖可変領域遺伝子の生殖細胞系列DNA配列は、Genbankデータベースまたは「VBase」ヒト生殖細胞系列配列データベース(Kabat,E.A.,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242(1991)、Tomlinson,I.M.,et al.,J.Mol.Biol.227:776-798(1992)、及びCox,J.P.L.et al.,Eur.J.Immunol.24:827-836(1994))に見出すことができる。抗体誘導体の構築に使用できるフレームワーク配列には、本開示の例示的な抗体によって使用されるフレームワーク配列と構造的に類似するもの、例えば本開示の例示的な抗体によって使用される、V3-23フレームワーク配列及び/またはVλ3もしくはλ1-13フレームワーク配列に類似するものが含まれる。例えば、例示的な抗体のHVR_H1、HVR_H2、及びHVR_H3配列、ならびにHVR_L1、HVR_L2、及びHVR_L3配列は、フレームワーク配列が由来する生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子に見られるものと同一の配列を有するフレームワーク領域に移植することができ、または、HVR配列は、生殖細胞系列配列と比較して1つ以上の変異を含むフレームワーク領域に移植できる。
【0094】
特定の実施形態では、抗体誘導体は、本開示の例示的な抗体のアミノ酸配列を含むキメラ抗体である。一例において、1つ以上の例示的なヒト抗体由来の1つ以上のHVRは、マウスまたはラットなどの非ヒト動物由来の抗体からのHVRと組み合わされる。別の例において、キメラ抗体の全てのHVRは、1つ以上の例示的な抗体に由来する。いくつかの特定の実施形態では、キメラ抗体は、例示的な抗体の重鎖可変領域または軽鎖可変領域由来の1、2、または3つのHVRを含む。キメラ抗体は、当該技術分野で公知の従来の方法を使用して生成され得る。
【0095】
別のタイプの修飾は、V及び/またはV鎖のHRV領域内のアミノ酸残基を変異させることである。部位特異的変異導入またはPCR媒介変異導入を実施して変異(複数可)を導入し、抗体結合または他の目的の機能特性に対する効果を、当該技術分野で公知のin vitroまたはin vivoアッセイで評価できる。典型的には、保守的な置換が導入される。変異は、アミノ酸の付加及び/または欠失であり得る。さらに、典型的には、HVR領域内の1、2、3、4、または5残基以下が変更される。いくつかの実施形態では、抗体誘導体は、重鎖HVR及び/または軽鎖HVRに1、2、3、または4個のアミノ酸置換を含む。別の実施形態では、アミノ酸置換は、抗体中の1つ以上のシステインを別の残基、例えば、これらに限定されないが、アラニンまたはセリンに変更することである。システインは、標準または非標準のシステインであり得る。一実施形態では、抗体誘導体は、例示的な抗体のアミノ酸配列と比較して、重鎖HVR領域に1、2、3、または4つの保存的アミノ酸置換を有する。
【0096】
また、V及び/またはV領域内のフレームワーク残基に修飾を加えることもできる。典型的には、そのようなフレームワークバリアントは、抗体の免疫原性を低下させるために作製されている。1つのアプローチは、1つ以上のフレームワーク残基を、対応する生殖細胞系列配列に「復帰変異」させることである。体細胞変異を受けた抗体は、抗体が由来する生殖細胞系列配列とは異なるフレームワーク残基を含有し得る。そのような残基は、抗体フレームワーク配列を、抗体が由来する生殖細胞系列配列と比較することによって特定することができる。フレームワーク領域配列をそれらの生殖細胞系列構成に戻すために、例えば、部位特異的変異誘発またはPCR媒介変異誘発によって、体細胞変異を生殖細胞系列配列に「復帰変異」させることができる。
【0097】
さらに、修飾はまた、例示的な抗体のFc領域内でもなされ、典型的には、抗体の1つ以上の機能的特性、例えば、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合、及び/または抗原依存性細胞傷害を変更し得る。一例では、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域のシステイン残基の数が変化するように、例えば増加または減少するように修飾される。このアプローチについては、米国特許第5,677,425号にさらに記載されている。CH1のヒンジ領域のシステイン残基の数は、例えば、軽鎖及び重鎖の構築を容易にするため、または抗体の安定性を増加もしくは低下させるために変更される。別の場合では、抗体のFcヒンジ領域が変異して、抗体の生物学的半減期が減少する。
【0098】
さらに、本開示の抗体は、当該技術分野で公知の日常的な実験に従って、潜在的なグリコシル化部位またはパターンを変更するために修飾され得る。別の態様では、本開示は、可変領域のグリコシル化のパターンを変化させる軽鎖または重鎖の可変領域に少なくとも1つの変異を含む本開示の抗CD137L抗体の誘導体を提供する。このような抗体誘導体は、抗原の結合に関して増加した親和性及び/または改変された特異性を有し得る。変異は、V領域に新規のグリコシル化部位を追加するか、1つ以上のV領域グリコシル化部位(複数可)の位置を変更するか、または既存のV領域グリコシル化部位を除去し得る。一実施形態では、本開示は、重鎖可変領域のアスパラギンに潜在的なN結合型グリコシル化部位を有する抗CD137L抗体の誘導体を提供し、1つの重鎖可変領域の潜在的なN結合型グリコシル化部位が除去される。別の実施形態では、本開示は、重鎖可変領域のアスパラギンに潜在的なN結合型グリコシル化部位を有する抗CD137L抗体の誘導体を提供し、両方の重鎖可変領域の潜在的なN結合型グリコシル化部位が除去される。抗体のグリコシル化パターンを変更する方法は、当該技術分野で既知であり、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,933,368号に記載されているものなどがある。
【0099】
別の態様では、本開示は、追加の分子実体に連結された、本明細書に記載の抗CD137L抗体またはそれらの抗原結合フラグメントを含む抗体誘導体を提供する。追加の分子実体の例には、医薬品、ペプチドまたはタンパク質、検出剤または標識、及び抗体が含まれる。
【0100】
いくつかの実施形態では、抗体誘導体は、医薬品に連結された本開示の抗体を含む。医薬品の例には、細胞傷害剤または他のがん治療剤、及び放射性同位元素が含まれる。細胞傷害剤の具体例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルチシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピュロマイシン、及びそれらの類似体または相同体が挙げられる。治療薬にはまた、例えば、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、及びロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、及びcis-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(従前のダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(従前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、ならびに有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)が含まれる。診断的または治療的に使用するために抗体にコンジュゲートすることができる放射性同位元素の例としては、ヨウ素131、インジウム111、イットリウム90、及びルテチウム177が挙げられるが、これらに限定されない。抗体を医薬品に連結する方法は、様々なリンカー技術を使用する等の方法が当該技術分野で知られている。リンカーの種類の例には、ヒドラゾン、チオエーテル、エステル、ジスルフィド、及びペプチド含有リンカーが含まれる。治療薬を抗体に連結する方法の詳細については、Saito et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.55:199-215(2003);Trail,et al.,Cancer Immunol.Immunother.52:328-337(2003)、Payne,Cancer Cell 3:207-212(2003)、Allen,Nat.Rev.Cancer 2:750-763(2002)、Pastan I.and Kreitman,Curr.Opin.Investig.Drugs 3:1089-1091(2002);Senter,P.D.and Springer,C.J.(2001)Adv.Drug Deliv.Rev.53:247-264を参照されたい。
【0101】
特定の実施形態では、抗体誘導体は抗CD137L抗体多量体であり、これは抗体二量体、三量体、または単量体抗体の高次多量体などの抗CD137L抗体の多量体形態である。抗体多量体内の個々の単量体は、同一であっても異なっていてもよい。さらに、多量体内の個々の抗体は、同じまたは異なる結合特異性を有し得る。抗体の多量体化は、抗体の自然な凝集によって達成され得る。例えば、精製された抗体調製物(例えば、精製されたIgG4分子)の一部は、抗体ホモ二量体及びその他の高次抗体多量体を含むタンパク質凝集体を自発的に形成する。あるいは、抗体ホモ二量体は、架橋剤を使用することによって等、当該技術分野で既知の化学結合技術によって形成し得る。好適な架橋剤には、適切なスペーサーによって単離された2つの明確な反応基を有するヘテロ二官能性であるもの(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4-(マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、及びN-スクシンイミジルS-アセチルチオ-アセテート)、またはホモ二官能性であるもの(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)が含まれる。そのようなリンカーは、例えば、Pierce Chemical Company、Rockford,ILから市販されている。抗体はまた、当該技術分野で既知の組換えDNA技術を介して多量体化するように作製され得る。
【0102】
本開示によって提供される他の抗体誘導体の例には、単鎖抗体、ダイアボディ、ドメイン抗体、ナノボディ、及びユニボディが含まれる。「単鎖抗体」(scFv)は、Vドメインに連結されたVドメインを含む単一のポリペプチド鎖からなり、Vドメイン及びVドメインは対合して一価分子を形成する。一本鎖抗体は、当該技術分野で既知の方法に従って調製することができる(例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423-426、及びHuston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883を参照)。「ダイアボディ」は2つの鎖からなり、各鎖は、短いペプチドリンカーによって接続された同じポリペプチド鎖上の軽鎖可変領域に接続された重鎖可変領域を含み、同じ鎖上の2つの領域は互いに対合しないが、他方の鎖上に相補的ドメインを有し、二重特異性分子を形成する。ダイアボディを調製する方法は当該技術分野で既知である(例えば、Holliger P.et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448、及びPoljak R.J.et al.,(1994)Structure 2:1121-1123を参照)。ドメイン抗体(dAb)は抗体の小さな機能的結合単位であり、抗体の重鎖または軽鎖のいずれかの可変領域に対応している。ドメイン抗体は、細菌、酵母、哺乳動物の細胞系で良好に発現する。ドメイン抗体及びその産生方法のさらなる詳細は、当該技術分野で公知である(例えば、米国特許第6,291,158号;米国特許第6,582,915号;米国特許第6,593,081号;米国特許第6,172,197号;米国特許第6,696,245号;欧州特許第0368684号、及び欧州特許第0616640号;WO05/035572、WO04/101790、WO04/081026、WO04/058821、WO04/003019、ならびにWO03/002609を参照)。ナノボディは、抗体の重鎖に由来する。ナノボディは、典型的には、単一の可変ドメインと2つの定常ドメイン(CH2及びCH3)を含み、元の抗体の抗原結合能を保持する。ナノボディは、当該技術分野で公知の方法により調製され得る(例えば、米国特許第6,765,087号、米国特許第6,838,254号、WO06/079372を参照)。ユニボディは、IgG4抗体の1つの軽鎖と1つの重鎖からなる。ユニボディは、IgG4抗体のヒンジ領域の除去により作製され得る。ユニボディ及びそれらを調製する方法のさらなる詳細は、WO2007/059782に見出すことができる。
【0103】
CD137Lの発現の検出
いくつかの実施形態では、本開示は、試料中のCD137Lの発現レベルを検出する方法に関する。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルを測定することは、CD137Lのタンパク質発現レベルを測定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ヒト組織試料(例えば、腫瘍生検由来などの腫瘍由来)を得ることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ヒト組織試料(例えば、腫瘍生検由来などの腫瘍由来)を、本開示の抗CD137L抗体または抗原結合フラグメントに接触させることを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の抗CD137L抗体または抗原結合フラグメントの、ヒト組織試料(例えば、腫瘍生検由来などの腫瘍由来)への結合を検出することを含む。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、CD137Lのタンパク質発現のレベルを決定することにより測定される。試料におけるタンパク質の発現を測定する適切な方法は当技術分野において公知であり、例えば、免疫測定法、免疫組織化学検査(IHC)、PETイメージング、ウエスタンブロッティング、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、フローサイトメトリー、及び質量分析がこれに含まれる。いくつかの実施形態では、CD137Lタンパク質発現のレベルは、免疫測定法、ウエスタンブロッティング、ELISA、IHC、及び/またはフローサイトメトリーによって測定される。いくつかの実施形態では、試料は固定した組織試料、例えばFFPE試料である。いくつかの実施形態では、試料は1つ以上のがん細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、がん細胞によるCD137L発現レベルである。いくつかの実施形態では、試料への抗体または抗原結合フラグメントの結合は、試料中のヒトCD137Lの発現レベルを示す。
【0105】
対象
いくつかの実施形態では、本開示は、がんを患っているか、またはがんを患っていると考えられる対象に関する。いくつかの実施形態では、対象は、がんと診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、がんと診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、がんを発症するリスクがある。
【0106】
対象は、当技術分野で公知の任意のがんを患っているか、または患っていると考えることができ、このようながんには例えば以下のものが含まれる:気管支癌(例えば、扁平上皮癌、小細胞癌、大細胞癌、及び腺癌)、肺胞細胞癌、気管支腺腫、軟骨腫過誤腫(非がん性)、中皮腫、及び肉腫(がん性)などの肺癌;粘液腫、線維腫、横紋筋腫などの心臓癌;骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、多発性骨髄腫、骨肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、ユーイング腫瘍(ユーイング肉腫)、及び細網肉腫などの骨癌;神経膠腫(例えば、多形性膠芽腫)、悪性星状細胞腫、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、髄芽腫、脊索腫、神経鞘腫、上衣腫、髄膜腫、下垂体腺腫、松果体腫、骨腫、血管芽腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫、胚細胞腫、奇形腫、類皮嚢胞、及び血管腫などの脳癌;副腎癌(例えば、副腎皮質癌);食道癌、平滑筋腫、類表皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、胃腺癌、腸脂肪腫、腸神経線維腫、腸線維腫、大腸ポリープ、結腸及び結腸直腸癌などの消化器系のがん;肝細胞腺腫、血管腫、肝細胞癌、線維層癌、胆管癌、肝芽腫、及び血管肉腫などの肝臓癌;腎腺癌、腎乳頭細胞癌、腎細胞癌、腎明細胞癌、副腎腫、及び腎盂の移行上皮癌などの腎癌;膀胱癌;急性リンパ性(リンパ芽球性)白血病、急性骨髄性(骨髄球性、骨髄性、骨髄芽球性、骨髄単球性)白血病、慢性リンパ球性白血病(例えば、セザリー症候群及び有毛細胞白血病)、慢性骨髄性(骨髄様、骨髄性、顆粒球性)白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、及び骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、骨髄線維症、血小板血症、及び慢性骨髄性白血病などの骨髄増殖性疾患を含む)などの血液癌;基底細胞癌、扁平上皮癌、黒色腫、カポジ肉腫、及びパジェット病などの皮膚癌;頭頸部癌;網膜芽細胞腫や眼内黒色腫などの眼関連のがん;良性前立腺過形成、前立腺癌、及び精巣癌(例えば、セミノーマ、奇形腫、胚性癌、生殖細胞癌、絨毛癌)などの男性生殖器系のがん;乳癌;子宮癌(子宮内膜癌及び子宮癌肉腫)、子宮頸癌(子宮頸癌)、卵巣のがん(卵巣癌、卵巣漿液性嚢胞腺癌)、外陰癌、膣癌、卵管癌、及び胞状奇胎などの女性生殖器系のがん;甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌、未分化癌、または髄様癌を含む)及び胸腺腫;褐色細胞腫(副腎)及び傍神経節腫;副甲状腺の非がん性増殖;ならびに膵臓癌。
【0107】
いくつかの実施形態では、対象は、過去に1つ以上の抗がん療法を受けたことがない。いくつかの実施形態では、対象は、過去に1つ以上の抗がん療法を受けたことがある、及び/または現在1つ以上の抗がん療法を受けている。
【0108】
対象から得られる試料
いくつかの実施形態では、本開示は、対象から得られた試料中のCD137Lの発現レベルを測定することに関する。いくつかの実施形態では、CD137Lの発現レベルは、対象から得られた1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上等)の試料において測定する。疾患細胞及び/または目的標的(例えば、全長CD137L、可溶性CD137Lフラグメントを含めたCD137Lフラグメント)を含むことが知られているまたは含むと考えられている組織及び/または体液の形態をとる任意の適切な試料が、本明細書に記載の方法で使用することができ、例えば、喀痰、胸膜液、リンパ液、骨髄、血液、血漿、血清、尿、組織試料(がん細胞を含むことが知られているまたは含むと予想される試料)、腫瘍試料、腫瘍生検等がこれに含まれる。いくつかの実施形態では、試料は血清試料である。いくつかの実施形態では、試料は腫瘍試料である。いくつかの実施形態では、試料は腫瘍生検である。いくつかの実施形態では、試料は1つ以上のがん細胞を含む。
【0109】
適切な組織及び/または体液試料を得る方法(例えば、特定のタイプ、位置、疾患組織等から代表的な試料を得るのに適した方法)は当業者に周知されており、例えば、切除、骨髄生検または骨髄吸引、内視鏡生検または内視鏡吸引(例えば、膀胱鏡検査、気管支鏡検査、結腸鏡検査等)、針生検または針吸引(例えば、穿刺吸引、コア針生検、吸引生検、画像誘導下生検等)、皮膚生検(例えば、薄片生検、パンチ生検、切開生検、切除生検等)、様々な他の外科組織(例えば、腫瘍組織)の生検及び/または切除戦略、ならびに体液収集(例えば、採尿、血液、血清、血漿、喀痰等)がこれに含まれる。
【0110】
いくつかの実施形態では、対象から得られた1つ以上の試料において、疾患(例えば、がん性)細胞が濃縮される。組織または体液調製物における疾患(例えば、がん性)細胞の濃縮方法は当技術分野で公知であり、例えば、フローサイトメトリーにより正常細胞から疾患(例えば、がん性)細胞を分離することによる方法がこれに含まれる。いくつかの実施形態では、CD137Lの発現レベルは、濃縮試料において測定される。いくつかの実施形態では、CD137Lの発現レベルは、単離後に濃縮されていない、または別の方法で改変されていない試料において測定される。
【0111】
いくつかの実施形態では、1つ以上の試料は、従来の方法論によって固定(すなわち、保存)される(例えば、“Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology,” 3rd edition(1960)Lee G.Luna,HT(ASCP)Editor,The Blakston Division McGraw-Hill Book Company,New York;The Armed Forces Institute of Pathology Advanced Laboratory Methods in Histology and Pathology(1994)Ulreka V.Mikel,Editor,Armed Forces Institute of Pathology,American Registry of Pathology,Washington,D.C.を参照)。固定液の選択は、当業者により、試料が分析される目的のために決定され得る。固定の長さは、当業者に認識されるように、使用する組織試料及び固定液(例えば、中性緩衝ホルマリン、パラホルムアルデヒド等)のサイズ及びタイプに依存する。いくつかの実施形態では、CD137Lの発現レベルは、固定されている試料において測定される。いくつかの実施形態では、CD137Lの発現レベルは、単離後に固定されていない、または別の方法で改変されていない試料において測定される。
【0112】
いくつかの実施形態では、1つ以上の試料は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体療法及び/またはチェックポイント遮断免疫療法)による投与の前に対象から得られる。いくつかの実施形態では、1つ以上の試料は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体療法及び/またはチェックポイント遮断免疫療法)の第1及び/または後続の用量の投与の後に対象から得られる。いくつかの実施形態では、1つ以上の試料は、抗がん療法レジメン(例えば、抗CD137抗体療法及び/またはチェックポイント遮断免疫療法)の完了後に対象から得られる。いくつかの実施形態では、1つ以上の試料は、抗がん療法レジメン(例えば、抗CD137抗体療法及び/またはチェックポイント遮断免疫療法)の前、最中、及び完了後に対象から得られる。
【0113】
参照レベルとの比較
いくつかの実施形態では、本開示は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルをCD137Lの発現の参照レベルと比較することに関する。いくつかの実施形態では、参照レベルは、参照試料(例えば、参照細胞(Raji(ATCC、CC-86)またはDaudi(ATCC、CCL-213)細胞株を含むがこれに限定されない細胞株など)、抗CD137抗体療法に応答性であると判定された1例以上の患者から採取された対応する試料、抗CD137抗体療法に非応答性であると判定された1例以上の患者から採取された対応する試料、対応する隣接正常組織等)におけるCD137Lの発現レベルである。いくつかの実施形態では、参照レベルは、対象の試料におけるCD137Lの発現レベルを測定するのに使用されたものと同じ方法を用いて、参照試料において測定される。いくつかの実施形態では、参照レベルは、対象の試料におけるCD137Lの発現レベルを測定するのに使用されたものとは異なる方法を用いて、参照試料において測定される。
【0114】
理論に束縛されることは望まないが、抗CD137抗体処置は、CD137L:CD137相互作用ほど顕著には免疫細胞上のCD137の下方調節をもたらさない可能性があると考えられている。そのため、低いCD137L発現を有する腫瘍またはがん細胞は、(例えば、相互作用細胞においてCD137の下方調節を引き起こすより高いレベルのCD137L発現を有する腫瘍またはがん細胞と比較して)より高いCD137を有する抗腫瘍T細胞と相互作用する可能性がある。さらに、CD137LのCD137との結合を遮断する抗CD137アゴニスト抗体の使用は、CD137シグナリングを刺激し、一方で応答細胞におけるCD137のCD137L媒介下方調節を遮断するという点において、有利であり得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、参照レベルは、1つ以上の参照細胞におけるCD137Lの発現レベル(例えば、発現の平均レベル)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照細胞は、がん患者から単離された疾患組織から採取された細胞(例えば、副腎皮質癌、膀胱尿路上皮癌、乳房浸潤癌、子宮頸癌または子宮頸管内癌、胆管癌、結腸腺癌、結腸直腸腺癌、リンパ系新生物びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道癌、多形膠芽腫及び/または低悪性度グリオーマ、頭頸部扁平上皮癌、腎嫌色素、腎明細胞癌、腎乳頭細胞癌、急性骨髄性白血病、低悪性度グリオーマ、肝細胞癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、中皮腫、卵巣漿液性嚢胞腺癌、膵臓腺癌、褐色細胞腫または傍神経節腫、前立腺腺癌、直腸腺癌、肉腫、皮膚黒色腫、胃腺癌、胃または食道癌、精巣胚細胞腫瘍、甲状腺癌、胸腺腫、子宮体部内膜癌、子宮癌肉腫、ブドウ膜黒色腫などを患っている患者からの1つ以上のがん細胞、等)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照細胞は、がん細胞株(例えば、肝臓癌細胞株、結腸癌細胞株、黒色腫細胞株、肺癌細胞株、膵臓癌細胞株、前立腺癌細胞株、B細胞リンパ腫細胞株、T細胞リンパ腫細胞株等)からの1つ以上の細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照細胞は、対象における隣接正常組織の1つ以上の細胞である(例えば、(免疫組織化学的染色などにより)患者からの腫瘍試料におけるCD137L発現を、腫瘍に隣接する正常組織におけるCD137L発現と比較する、等)。
【0116】
いくつかの実施形態では、参照レベルは、抗CD137抗体療法に応答性であると判定された1例以上の患者(例えば、臨床医により抗CD137抗体療法に応答性であると判定された1例以上の患者(例えば、臨床試験で抗CD137抗体を用いた治療を受けている患者)から単離された1つ以上の試料)から単離された1つ以上の試料におけるCD137Lの発現レベルである。いくつかの実施形態では、参照レベルは、抗CD137抗体療法に非応答性であると判定された1例以上の患者から単離された1つ以上の試料(例えば、臨床医により抗CD137抗体療法に非応答性であると判定された1例以上の患者(例えば、臨床試験で抗CD137抗体を用いた治療を受けている患者)から単離された1つ以上の試料)におけるCD137Lの発現レベルである。
【0117】
いくつかの実施形態では、参照レベルは、CD137L発現の所定のレベル(例えば、複数の参照患者から単離された疾患試料(例えば、組織生検または血清試料など)のデータベースにおけるCD137Lの発現の平均レベル;複数の健康な参照患者から単離された試料(例えば、組織生検または血清試料など)のデータベースにおけるCD137Lの発現の平均レベル;等)である。
【0118】
いくつかの実施形態では、CD137Lの発現の参照レベルは発現の検出可能レベルを指す。すなわち、いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されたCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが検出不可能、例えば、検出限界未満であるときに、参照レベルよりも低いとみなされる。
【0119】
いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されたCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約25%低いときに、参照レベルよりも低いとみなされる。例えば、対象から得られた試料において測定されたCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%低いときに、参照レベルよりも低いとみなされる。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されるCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約1倍低いときに、参照レベルよりも低いとみなされる。例えば、対象から得られた試料において測定されるCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約5.5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約6.5倍、少なくとも約7倍、少なくとも約7.5倍、少なくとも約8倍、少なくとも約8.5倍、少なくとも約9倍、少なくとも約9.5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍低いときに、参照レベルよりも低いとみなされる。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルは、検出限界未満である。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されるCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが検出限界未満であり、一方で参照レベルが検出限界を上回るとき、検出可能であるとき、及び/またはゼロではないときに、参照レベルよりも低いとみなされる。いくつかの実施形態では、CD137L発現レベルを測定するためのアッセイを実施したときに、レベルが認識可能なシグナル、検出可能なシグナルをもたらさないとき、及び/または適切な陰性対照と有意差がない(例えば、CD137LのRNA転写物発現を測定するアッセイ(例えば、RT-PCR、in situハイブリダイゼーション、及び/または次世代シークエンシングなど)の検出限界を下回る、CD137Lタンパク質発現を測定するアッセイ(例えば、免疫測定法、PETイメージング、ウエスタンブロッティング、ELISA、免疫組織化学検査、及び/またはフローサイトメトリーなど)の検出限界を下回る、等)ときに、レベルは検出限界未満とみなされる。
【0120】
いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低いときに、有効量の抗CD137抗体を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低いときに、抗CD137抗体に応答する可能性があると判定される。いくつかの実施形態では、対象は、抗CD137抗体に応答する可能性があると判定された後に、有効量の抗CD137抗体を投与される。いくつかの実施形態では、がんを有する対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低いときに、抗CD137抗体を用いた治療向けに選択される。いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低いときに、抗CD137抗体療法への登録に陽性分類される。
【0121】
いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されたCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも少なくとも約5%高いときに、参照レベルよりも高いとみなされる。例えば、対象から得られた試料において測定されたCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%高いとき、参照レベルよりも高いとみなされる。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されるCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約1倍高いときに、参照レベルよりも高いとみなされる。例えば、対象から得られた試料において測定されるCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが、参照レベルよりも少なくとも約1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約5.5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約6.5倍、少なくとも約7倍、少なくとも約7.5倍、少なくとも約8倍、少なくとも約8.5倍、少なくとも約9倍、少なくとも約9.5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍高いときに、参照レベルよりも高いとみなされる。いくつかの実施形態では、参照試料におけるCD137Lの発現レベルは、検出限界未満である。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料において測定されるCD137Lの発現レベルは、試料におけるCD137Lの発現レベルが検出限界を上回り、検出可能であり、及び/またはゼロではなく、一方で参照試料におけるCD137Lの発現レベルが検出限界未満であるときに、参照レベルよりも高いとみなされる。いくつかの実施形態では、CD137L発現レベルを測定するためのアッセイを実施したときに、レベルが認識可能なシグナル、検出可能なシグナルをもたらさないとき、及び/または適切な陰性対照と有意差がない(例えば、CD137LのRNA転写物発現を測定するアッセイ(例えば、RT-PCR、in situハイブリダイゼーション、及び/または次世代シークエンシングなど)の検出限界を下回る、CD137Lタンパク質発現を測定するアッセイ(例えば、免疫測定法、PETイメージング、ウエスタンブロッティング、ELISA、免疫組織化学検査、及び/またはフローサイトメトリーなど)の検出限界を下回る、等)ときに、レベルは検出限界未満とみなされる。
【0122】
いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高いときに、有効量のチェックポイント遮断免疫療法を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高いときに、チェックポイント遮断免疫療法に応答する可能性があると判定される。いくつかの実施形態では、対象は、チェックポイント遮断免疫療法に応答する可能性があると判定された後に、有効量のチェックポイント遮断免疫療法を投与される。いくつかの実施形態では、がんを有する対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高いときに、チェックポイント遮断免疫療法を用いた治療向けに選択される。いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高いときにチェックポイント遮断免疫療法への登録に対し陽性分類される。いくつかの実施形態では、対象は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高いときに、抗CD137抗体療法への登録に対し陰性分類される。
【0123】
いくつかの実施形態では、抗CD137アゴニスト抗体は、CD137の1つ以上の活性を活性化または強化する。いくつかの実施形態では、抗CD137アゴニスト抗体は、(例えば、T細胞などのCD137発現細胞を用いたin vitroアッセイで)以下の特性のうちの1つ以上を示す:T細胞(例えば、CD8+ T細胞)増殖の刺激、T細胞によるサイトカイン(例えば、IFN-γ)分泌の誘導、及び(例えば、NFκBレポーターアッセイにおいて)NFκB活性化の誘導。
【0124】
CD137L発現及び抗CD137抗体療法
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療またはがんの進行の遅延を必要とする対象におけるがんを治療するまたはがんの進行を遅延させる方法であって、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低い場合に、有効量の抗CD137抗体を対象に投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、対象から試料を得ることと、抗CD137抗体を投与する前に、試料におけるCD137Lの発現レベルを測定することとを含む。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルは、検出限界未満である。いくつかの実施形態では、対象は、CD137Lの発現が検出限界未満であるときに、抗CD137抗体を投与される。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、本明細書に記載の抗CD137抗体のうちのいずれか1つ以上である。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、本明細書に記載の抗CD137L抗体の1つを使用して、例えばIHCを介して決定される。
【0125】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象が抗CD137抗体に応答する可能性があるかどうかを判定する方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、対象から試料を得ることと、試料におけるCD137Lの発現レベルを測定することと、試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低いときに対象が抗CD137抗体に応答する可能性があると判定することとを含む。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルは、検出限界未満である。いくつかの実施形態では、対象は、CD137Lの発現が検出限界未満であるときに、抗CD137抗体に応答する可能性があると判定される。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、本明細書に記載の抗CD137L抗体の1つを使用して、例えばIHCを介して決定される。
【0126】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療またはがんの進行の遅延を必要とする対象におけるがんを治療するまたはがんの進行を遅延させる方法であって、対象から得られる試料中のCD137Lの発現に基づいて、対象が抗CD137抗体に応答する可能性があることが判定された後に、有効量の抗CD137抗体を対象に投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、本明細書に記載の抗CD137抗体のうちのいずれか1つ以上である。いくつかの実施形態では、対象の応答性は治療有効性を含む。いくつかの実施形態では、対象の応答性は腫瘍体積の低減を含む。いくつかの実施形態では、対象の応答性は血清学的応答性を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示は、抗CD137抗体を用いた治療向けにがんを有する対象を選択する方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルを測定することと、試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも低い場合に、抗CD137抗体を用いた治療向けに対象を選択することとを含む。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルは、検出限界未満である。いくつかの実施形態では、対象は、CD137Lの発現が検出限界未満であるときに、抗CD137抗体を用いた治療向けに選択される。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、本明細書に記載の抗CD137抗体のうちのいずれか1つ以上である。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、本明細書に記載の抗CD137L抗体の1つを使用して、例えばIHCを介して決定される。
【0128】
本開示の特定の態様は、例えば、本明細書に開示される治療方法及び関連する使用において使用するための、抗CD137抗体及びそれらの抗原結合フラグメントに関する。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体はヒトCD137の細胞外ドメインに結合する。いくつかの態様では、単離された抗CD137抗体は、配列番号337のアミノ酸残基34~108または34~93内のエピトープでヒトCD137に結合する。
MGNSCYNIVATLLLVLNFERTRSLQDPCSNCPAGTFCDNNRNQICSPCPPNSFSSAGGQRTCDICRQCKGVFRTRKECSSTSNAECDCTPGFHCLGAGCSMCEQDCKQGQELTKKGCKDCCFGTFNDQKRGICRPWTNCSLDGKSVLVNGTKERDVVCGPSPADLSPGASSVTPPAPAREPGHSPQIISFFLALTSTALLFLLFFLTLRFSVVKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL(配列番号337)
いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、配列番号337のアミノ酸残基34~36、53~55及び92~93からなる群から選択される、1つ以上のアミノ酸残基に結合する。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、配列番号337のアミノ酸残基34~36のうち1つ以上、アミノ酸残基53~55のうち1つ以上、及びアミノ酸残基92~93のうち1つ以上に結合する。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、配列番号337のアミノ酸残基109~112、125、126、135~138、150及び151からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基に結合しない。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、配列番号337のアミノ酸残基109~112、125、126、135~138、150及び151に結合しない。
【0129】
いくつかの実施形態では、抗体は、表面プラズモン共鳴により測定されるとき、50nM以下のKでヒトCD137に結合する。ある特定の実施形態では、抗体は、カニクイザル、マウス、ラット、及びイヌからなるリストから選択される少なくとも1つの非ヒト種と交差反応性であり得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、アミノ酸配列FSLSTGGVGVGWI(配列番号338)を含むHVR-H1、アミノ酸配列LALIDWADDKYYSPSLKSRL(配列番号339)を含むHVR-H2、及びアミノ酸配列ARGGSDTVIGDWFAY(配列番号340)を含むHVR-H3を含む抗体重鎖可変領域と、アミノ酸配列RASQSIGSYLA(配列番号341)を含むHVR-L1、アミノ酸配列DASNLETGV(配列番号342)を含むHVR-L2、及びアミノ酸配列YCQQGYYLWT(配列番号343)を含むHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、配列番号344のアミノ酸配列、もしくは配列番号344の配列の少なくとも90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%)を有する配列を含む抗体重鎖可変領域、及び/または配列番号345のアミノ酸配列、もしくは配列番号345の配列の少なくとも90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%)を有する配列を含む抗体軽鎖可変領域を含む。
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSLSTGGVGVGWIRQAPGKGLEWLALIDWADDKYYSPSLKSRLTISRDNSKNTLYLQLNSLRAEDTAVYYCARGGSDTVIGDWFAYWGQGTLVTVSS(配列番号344)
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIGSYLAWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQGYYLWTFGQGTKVEIK(配列番号345)
【0131】
いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、アミノ酸配列FSLSTGGVGVGWI(配列番号338)を含むHVR-H1、アミノ酸配列LALIDWADDKYYSPSLKSRL(配列番号339)を含むHVR-H2、及びアミノ酸配列ARGGSDTVIGDWFAY(配列番号340)を含むHVR-H3を含む抗体重鎖可変領域と、アミノ酸配列RASQSIGSYLA(配列番号341)を含むHVR-L1、アミノ酸配列DASNLETGV(配列番号342)を含むHVR-L2、及びアミノ酸配列YCQQGYYLWT(配列番号343)を含むHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域とを含む抗CD137抗体と交差競合する、または同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、配列番号344のアミノ酸配列を含む抗体重鎖可変領域と、配列番号345のアミノ酸配列を含む抗体軽鎖可変領域とを含む抗CD137抗体と交差競合する、または同じエピトープに結合する。
【0132】
国際公開第WO2019037711号に記載されている任意の抗CD137抗体が、本開示の方法において有用であり得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、抗CD137抗体はウトミルマブ(PF-05082566;Pfizer)である。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体はウレルマブ(BM-663513;Bristol-Myers Squibb)である。これらの抗体の配列及び構造は当該技術分野において既知である(例えば、Chin, S.M.et al.(2018)Nat.Commun.9:4679を参照)。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD137抗体は、ヒトCD137に対してアゴニスト活性を有する。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、ヒトCD137を発現している細胞(例えば、ヒト細胞)が抗CD137抗体と接触したとき、ヒトCD137の1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上など)の活性を誘導する。各種のCD137活性が当該技術分野において既知であり、NF-κB-依存的な転写の誘導、T細胞増殖の誘導、T細胞の生存の延長、活性化T細胞の共刺激、サイトカイン分泌(IL-2など)の誘導及び単核細胞活性化の誘導が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上のCD137活性は、CD137の、CD137リガンドへの結合ではない。CD137活性(例えば、NF-κB-依存的な転写及び/またはT細胞増殖の誘導など)を測定する方法は、当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、抗CD137抗体は、ヒトCD137を発現している細胞(例えば、ヒト細胞)において、NF-κB依存的な転写を増加させる。いくつかの実施形態では、NF-κB依存的な転写は、抗CD137抗体と接触した、CD137を発現している細胞(例えば、ヒト細胞)において、抗体と接触していない対応する細胞と比較して、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、または約99%以上増加する。いくつかの実施形態では、NF-κB依存的な転写は、抗CD137抗体と接触した、CD137を発現している細胞(例えば、ヒト細胞)において、抗体と接触していない対応する細胞と比較して、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、100倍、1000倍以上増加する。
【0135】
抗体産生
本開示の抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載のような組み換え法及び組成物を用いて産生できる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、抗体のVを構成するアミノ酸配列及び/または抗体のVを構成するアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/または重鎖)をコードし得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、このような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。いくつかの実施形態では、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。このような実施形態では、宿主細胞は、(1)抗体のVを構成するアミノ酸配列及び抗体のVを構成するアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)抗体のVを構成するアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター及び抗体のVを構成するアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、形質転換されている)。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、真核細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。いくつかの実施形態では、本開示の抗体はCHO細胞内で産生される。いくつかの実施形態では、本開示の抗体は修飾されており、C末端リジン残基を含まない(例えば、本明細書に記載の抗体重鎖のC末端リジン残基が(例えば、抗体産生の前または最中に)除去されている)。いくつかの実施形態では、抗体を作製する方法であって、上記に示されるように、抗体の発現に適した条件下で、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することと、任意選択で、宿主細胞(または宿主細胞培地)から抗体を回収することとを含む、方法が提供される。
【0136】
本開示の抗体の組み換え産生に関しては、抗体をコードする核酸は、例えば上述のように、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/または発現のために単離され1つ以上のベクター内に挿入される。このような核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能である、オリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)、容易に単離され、配列決定され得る。
【0137】
抗体コードベクターのクローニングまたは発現に適切な宿主細胞には、原核生物細胞または真核生物細胞が含まれる。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合、細菌内で産生されてもよい。細菌内での抗体フラグメント及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、同第5,789,199号、及び同第5,840,523号を参照されたい。(また、E.coliにおける抗体フラグメントの発現について説明しているCharlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245-254も参照)発現後、抗体は、可溶性画分中の細菌細胞ペーストから単離され得、さらに精製され得る。
【0138】
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核微生物は、抗体コードベクターに適したクローニングまたは発現宿主であり、これにはグリコシル化経路が「ヒト化」され、部分的または完全なヒトグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす菌及び酵母菌株が含まれる。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004)及びLi et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006)を参照されたい。
【0139】
グリコシル化抗体の発現に好適な宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)由来である。無脊椎動物細胞の例には、植物細胞及び昆虫細胞が含まれる。特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクション向けに、昆虫細胞と併せて使用され得る多数のバキュロウイルス株が同定されている。
【0140】
植物細胞培養物も、宿主細胞として利用され得る。例えば、米国特許第5,959,177号、同第6,040,498号、同第6,420,548号、同第7,125,978号、及び同第6,417,429号(トランスジェニック植物において抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術について説明)を参照されたい。
【0141】
脊椎動物細胞もまた、宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で成長させるのに適している哺乳動物細胞株が有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例としては、SV40により形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7)(例えば、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載されている293または293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されているTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝臓細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562)、例えば、Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載されているようなTRI細胞、MRC5細胞、及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株としては、DHFR-CHO細胞が含まれるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))、ならびにY0、NS0、及びSp2/0などの骨髄腫細胞株が挙げられる。抗体産生に好適な特定の哺乳動物宿主細胞株の概説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255-268(2003)を参照されたい。
【0142】
ハイブリドーマの作製は非常によく確立された手順である。ハイブリドーマを調製するための一般的な動物系は、マウス系である。免疫化プロトコール及び融合のための免疫脾細胞の単離のための技術は、当該技術分野で公知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)及び融合手順も公知である。本開示により提供される抗体を作製するために使用され得る1つの周知の方法は、XenoMouse(商標)動物系の使用を含む。XenoMouse(商標)マウスは、ヒト免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子座の大きなフラグメントを含み、マウス抗体の産生が欠失する、遺伝子操作されたマウス系統である。例えば、Green et al.,Nature Genetics 7:13-21(1994)及びWO2003/040170を参照されたい。例えば、動物はCD137L抗原で免疫される。CD137L抗原は、単離及び/または精製されたCD137L、好ましくはCD137Lである。CD137L抗原は、CD137Lのフラグメント、例えばCD137Lの細胞外ドメインでもよい。動物の免疫化は、当該技術分野で公知の任意の方法により実施され得る。例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Press,1990を参照されたい。マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、及びウマなどの非ヒト動物を免疫化する方法は、当該技術分野で公知である。例えば、前出のHarlow and Lane、及び米国特許第5,994,619号を参照されたい。CD137L抗原は、免疫応答を刺激するためにアジュバントと共に投与してもよい。例示的なアジュバントには、完全または不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラミルジペプチド)、またはISCOM(免疫刺激複合体)が含まれる。動物をCD137L抗原で免疫化した後、抗体を産生する不死化細胞株を、免疫化された動物から単離された細胞から調製する。免疫化後、動物を犠牲にし、リンパ節及び/または脾臓のB細胞を不死化する。細胞を不死化する方法には、非限定的に、それらにがん遺伝子を導入すること、それらに腫瘍ウイルスを感染させること、不死化細胞を選択する条件下でそれらを培養すること、それらを発がん性または変異化合物に供すること、不死化細胞、例えば骨髄腫細胞と融合すること、及び腫瘍抑制遺伝子を不活性化することが含まれる。例えば、前出のHarlow and Laneを参照されたい。骨髄腫細胞との融合が使用される場合、骨髄腫細胞は、好ましくは免疫グロブリンポリペプチドを分泌しない(非分泌細胞株)。不死化細胞は、CD137L、その一部、またはCD137Lを発現する細胞を使用してスクリーニングされる。CD137L抗体産生細胞、例えばハイブリドーマは、以下でさらに考察されるように、強力な成長、高い抗体産生、及び望ましい抗体特性を含む、望ましい特性について選択され、クローニングされ、さらにスクリーニングされる。ハイブリドーマは、同系動物、免疫系を欠く動物、例えばヌードマウス内でin vivoで、またはin vitroでの細胞培養で増殖させることができる。ハイブリドーマを選択、クローニング、及び増殖する方法は、当業者に周知である。
【0143】
CD137L発現及びチェックポイント遮断免疫療法
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療またはがんの進行の遅延を必要とする対象におけるがんを治療するまたはがんの進行を遅延させる方法であって、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高い場合に、有効量のチェックポイント遮断免疫療法を対象に投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、対象から試料を得ることと、チェックポイント遮断免疫療法を投与する前に、試料におけるCD137Lの発現レベルを測定することとを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法は、本明細書に記載のチェックポイント遮断免疫療法のうちの任意の1つ以上である。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、本明細書に記載の抗CD137L抗体の1つを使用して、例えばIHCを介して決定される。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象がチェックポイント遮断免疫療法に応答する可能性があるかどうかを判定する方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、対象から試料を得ることと、試料におけるCD137Lの発現レベルを測定することと、試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高いときに対象がチェックポイント遮断免疫療法に応答する可能性があると判定することとを含む。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、本明細書に記載の抗CD137L抗体の1つを使用して、例えばIHCを介して決定される。
【0145】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療またはがんの進行の遅延を必要とする対象におけるがんを治療するまたはがんの進行を遅延させる方法であって、対象がチェックポイント遮断免疫療法に応答する可能性があることが判定された後に、有効量のチェックポイント遮断免疫療法を対象に投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法は、本明細書に記載のチェックポイント遮断免疫療法のうちの任意の1つ以上である。いくつかの実施形態では、対象の応答性は治療有効性を含む。いくつかの実施形態では、対象の応答性は腫瘍体積の低減を含む。いくつかの実施形態では、対象の応答性は血清学的応答性を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、本開示はチェックポイント遮断免疫療法を用いた治療向けにがんを有する対象を選択する方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、対象から得られた試料におけるCD137Lの発現レベルを測定することと、試料におけるCD137Lの発現レベルが参照レベルよりも高い場合にチェックポイント遮断免疫療法を用いた治療向けに対象を選択することとを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法は、本明細書に記載のチェックポイント遮断免疫療法のうちの任意の1つ以上である。いくつかの実施形態では、試料中のCD137Lの発現レベルは、本明細書に記載の抗CD137L抗体の1つを使用して、例えばIHCを介して決定される。
【0147】
チェックポイント遮断免疫療法
いくつかの実施形態では、本開示は、チェックポイント遮断免疫療法の使用に関する。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント経路(例えば、PD-1:PD-L1経路)を標的化する抗体を対象に投与することを含む。例えば、CTLA4、PD-1、PD-L1、TIM3、LAG3、CD27、CD28、CD40、OX40、GITR、BTLA、VISTA、B7-H3、B7-H4、IDO、及び/またはKIRを標的化する1つ以上の抗体を含む療法を含む、当該技術分野で公知の任意のチェックポイント遮断免疫療法が本開示の方法で使用され得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法は、抗PD-1抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法は、抗PD-L1抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断免疫療法は、(本明細書に記載の)抗CD137抗体と組み合わせて使用される。
【0148】
追加の治療薬
本明細書に記載の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、単剤療法として単独で投与される場合もあれば、1つ以上の追加の治療薬または療法を含む場合もある。いくつかの実施形態では、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、等)の追加の治療薬は、ウイルス遺伝子療法、免疫チェックポイント阻害剤、標的療法、放射線療法、及び/または化学療法のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、本開示は、別個、逐次、または同時投与のための、1つ以上の追加の療法または治療薬と組み合わせた本明細書に記載の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)を含む、組み合わせ療法を提供する。「追加の療法」または「追加の治療薬」という用語は、抗がん療法で提供されるものと同じ免疫療法を用いない療法または治療薬を指し得る。いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物におけるがんを治療するための組み合わせ療法であって、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせた有効量の本開示の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)を哺乳動物に投与することを含む、組み合わせ療法を提供する。
【0149】
多種多様ながん治療薬を、本開示により提供される結合分子と組み合わせて使用することができる。当業者は、本開示の方法及び結合分子と組み合わせて使用することができ、本明細書に記述の療法の形態に限定されない、他のがん療法の存在及び開発を認識することができるであろう。がんを治療するための組み合わせ療法で使用できる追加の治療薬のカテゴリーの例には、(1)化学療法薬、(2)免疫療法薬、及び(3)ホルモン療法薬が含まれる。
【0150】
「化学療法薬」という用語は、がん細胞の死を引き起こすか、がん細胞の成長、分裂、修復、及び/または機能を妨げる可能性のある化学物質または生物学的物質を指す。化学療法剤の例としては、WO2006/129163、及びUS20060153808に開示されているものが挙げられ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の化学療法剤の例としては、(1)クロラムブシル(LEUKERAN)、シクロホスファミド(CYTOXAN)、イホスファミド(IFEX)、塩酸メクロレタミン(MUSTARGEN)、チオテパ(THIOPLEX)、ストレプトゾトシン(ZANOSAR)、カルムスチン(BICNU、GLIADEL WAFER)、ロムスチン(CEENU)、及びダカルバジン(DTIC-DOME)などのアルキル化剤、(2)ドキソルビシン(ADRIAMYCIN)、エピルビシン(ELLENCE、PHARMORUBICIN)、ダウノルビシン(CERUBIDINE、DAUNOXOME)、ネモルビシン、イダルビシン(IDAMYCIN PFS、ZAVEDOS)、ミトキサントロン(DHAD、NOVANTRONE)、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD、COSMEGEN)、プリカマイシン(MITHRACIN)、マイトマイシン(MUTAMYCIN)、及びブレオマイシン(BLENOXANE)、酒石酸ビノレルビン(NAVELBINE)、ビンブラスチン(VELBAN)、ビンクリスチン(ONCOVIN)、及びビンデシン(ELDISINE)などの細胞毒性抗生物質を含む、アルカロイドまたは植物ビンカアルカロイド、(3)カペシタビン(XELODA)、シタラビン(CYTOSAR-U)、フルダラビン(FLUDARA)、ゲムシタビン(GEMZAR)、ヒドロキシウレア(HYDRA)、メトトレキサート(FOLEX、MEXATE、TREXALL)、ネララビン(ARRANON)、トリメトレキサート(NEUTREXIN)、及びペメトレキセド(ALIMTA)などの代謝拮抗物質、(4)5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン(XELODA)、ラルチトレキセド(TOMUDEX)、テガフール・ウラシル(UFTORAL)、及びゲムシタビン(GEMZAR)などのピリミジンアンタゴニスト、(5)ドセタキセル(TAXOTERE)、パクリタキセル(TAXOL)などのタキサン、(6)シスプラチン(PLATINOL)及びカルボプラチン(PARAPLATIN)、及びオキサリプラチン(ELOXATIN)などのプラチナ剤、(7)イリノテカン(CAMPTOSAR)、トポテカン(HYCAMTIN)、エトポシド(ETOPOPHOS、VEPESSID、TOPOSAR)、及びテニポシド(VUMON)などのトポイソメラーゼ阻害剤、(8)エトポシド(ETOPOPHOS、VEPESSID、TOPOSAR)などのエピポドフィロトキシン(ポドフィロトキシン誘導体)、(9)ロイコボリン(WELLCOVORIN)などの葉酸誘導体、(10)カルムスチン(BiCNU)、ロムスチン(CeeNU)などのニトロソウレア、(11)ゲフィチニブ(IRESSA)、エルロチニブ(TARCEVA)、ボルテゾミブ(VELCADE)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC)、ゲネフィチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、サリドマイド、スニチニブ(SUTENT)、アキシチニブ、リツキシマブ(RITUXAN、MABTHERA)、トラスツズマブ(HERCEPTIN)、セツキシマブ(ERBITUX)、ベバシズマブ(AVASTIN)、及びラニビズマブ(LUCENTIS)、lym-1(ONCOLYM)、WO2002/053596に開示のインスリン様増殖因子-1受容体(IGF-1R)に対する抗体などの上皮増殖因子受容体(EGFR)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、インスリン受容体、インスリン様増殖因子受容体(IGFR)、肝細胞増殖因子受容体(HGFR)、及び血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)を含む、受容体型チロシンキナーゼの阻害剤、(12)ベバシズマブ(AVASTIN)、スラミン(GERMANIN)、アンジオスタチン、SU5416、サリドマイドなどの血管新生阻害剤、及びマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(バチマスタット及びマリマスタットなど)、及びWO2002055106に開示されているもの、ならびに(13)ボルテゾミブ(VELCADE)などのプロテアソーム阻害剤が挙げられる。
【0151】
「免疫治療剤」という用語は、哺乳動物の免疫応答を強化することができる化学的または生物学的物質を指す。免疫療法剤の例としては、カルメット-ゲラン桿菌(BCG);インターフェロンなどのサイトカイン;MyVax個別化免疫療法、Onyvax-P、Oncophage、GRNVAC1、Favld、Provenge、GVAX、Lovaxin C、BiovaxID、GMXX、及びNeuVaxなどのワクチン;ならびにアレムツズマブ(CAMPATH)、ベバシズマブ(AVASTIN)、セツキシマブ(ERBITUX)、ゲムツズナブオゾガミシン(MYLOTARG)、イブリツモマブチウクセタン(ZEVALIN)、パニツムマブ(VECTIBIX)、リツキシマブ(RITUXAN、MABTHERA)、トラスツズマブ(HERCEPTIN)、トシツモマブ(BEXXAR)、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ、CAT-3888、OX40受容体に対するアゴニスト抗体(例えば、WO2009/079335に開示されているもの)、CD40受容体に対するアゴニスト抗体(例えば、WO2003/040170に開示されているもの)、及びTLR-9アゴニスト(例えば、WO2003/015711、WO2004/016805、及びWO2009/022215に開示されているもの)などの抗体が挙げられる。
【0152】
「ホルモン治療剤」という用語は、ホルモンの産生を阻害もしくは排除するか、またはがん性細胞の成長及び/または生存に対するホルモンの効果を阻害または妨害する、化学的または生物学的物質を指す。本明細書の方法に好適なそのような薬剤の例には、US20070117809に開示されているものが含まれる。特定のホルモン治療剤の例としては、タモキシフェン(NOLVADEX)、トレミフェン(Fareston)、フルベストラント(FASLODEX)、アナストロゾール(ARIMIDEX)、エキセメスタン(AROMASIN)、レトロゾール(FEMARA)、酢酸メゲストロール(MEGACE)、ゴセレリン(ZOLADEX)、及びリュープロイド(LUPRON)が挙げられる。本開示の結合分子は、(1)卵巣、睾丸、副腎、及び下垂体などのホルモンの産生に関与する臓器または腺の全てまたは一部を除去する外科的方法、ならびに(2)患者の臓器または腺が、標的ホルモンの産生を阻害または排除するのに十分な量の放射線にさらされる放射線照射治療などの非薬物ホルモン療法と組み合わせて使用することもできる。
【0153】
がんを治療するための組み合わせ療法には、結合分子と腫瘍を切除する手術の組み合わせも包含される。結合分子は、手術の前、その最中、またはその後に哺乳動物に投与することができる。
【0154】
がんを治療するための組み合わせ療法にはまた、結合分子と、電離(電磁)放射線療法(例えば、X線またはガンマ線)及び粒子線療法(例えば、高線形エネルギー放射線)などの放射線療法との組み合わせも包含される。放射線源は、哺乳動物に対して外部でも内部でもあり得る。結合分子は、放射線療法前、放射線療法中、または放射線療法後に哺乳動物に投与され得る。
【0155】
免疫療法の実施
いくつかの実施形態では、本開示は、有効量の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)の投与に関する。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、対象におけるがんを治療するまたはがんの進行を遅延させるために使用される。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、がんの発生中に提示するがんの生化学的、組織学的、及び/または行動的な症状、その合併症、及び中間的な病理学的表現型を含む、がんの発症を遅延させる。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、がんの発症を遅延させる、及び/またはがんの進行を遅らせる、及び/または対象の生存期間を延長する。
【0156】
いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、腫瘍細胞の成長及び/または増殖を阻害可能である。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞の成長及び/または増殖は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)と接触したとき、抗がん療法と非接触の対応する腫瘍細胞との対比で、少なくとも約5%阻害される。例えば、腫瘍細胞の成長及び/または増殖は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)と接触したとき、抗がん療法と非接触の対応する腫瘍細胞との対比で、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%阻害される。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞の成長及び/または増殖は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)と接触したとき、抗がん療法と非接触の対応する腫瘍細胞との対比で、少なくとも約1倍阻害される。例えば、腫瘍細胞の成長及び/または増殖は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)と接触したとき、抗がん療法と非接触の対応する腫瘍細胞との対比で、少なくとも約1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約5.5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約6.5倍、少なくとも約7倍、少なくとも約7.5倍、少なくとも約8倍、少なくとも約8.5倍、少なくとも約9倍、少なくとも約9.5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍阻害される。
【0157】
いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、対象が抗がん療法を投与されたとき、対象における腫瘍体積を低減可能である。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、対象における腫瘍体積を、対象における最初の腫瘍体積(例えば、抗がん療法を投与する前)との対比で、少なくとも約5%低減可能である。例えば、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、対象における腫瘍体積を、対象における最初の腫瘍体積(例えば、抗がん療法を投与する前)との対比で、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%低減可能である。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、対象における腫瘍体積を、対象における最初の腫瘍体積(例えば、抗がん療法を投与する前)との対比で、少なくとも約1倍低減可能である。例えば、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、対象における腫瘍体積を、対象における最初の腫瘍体積(例えば、抗がん療法を投与する前)との対比で、少なくとも約1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約5.5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約6.5倍、少なくとも約7倍、少なくとも約7.5倍、少なくとも約8倍、少なくとも約8.5倍、少なくとも約9倍、少なくとも約9.5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍阻害される。腫瘍細胞の成長及び/または増殖、腫瘍体積、及び/または腫瘍阻害をモニターする方法は当技術分野で公知であり、例えば、後述の実施例3に記載の方法を介するものがこれに含まれる。
【0158】
いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、がんに及ぼす治療効果を有する。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、がんの1つ以上の兆候または症状を低減する。いくつかの実施形態では、がんを患っている対象は、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)を投与されたとき、部分または完全寛解になる。
【0159】
本開示の結合分子及び医薬組成物は、治療目的、診断目的、またはその他の目的(例えば、免疫応答の調整、がんの治療、他のがん療法の有効性の強化、ワクチン有効性の強化、または自己免疫疾患の治療など)に有用である。いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物における障害を(例えば、哺乳動物から採取した試料におけるCD137L発現を測定した後に)治療する方法であって、治療を必要とする哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の抗がん療法を投与することを含む、方法を提供する。
【0160】
本開示の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、投与の任意の適切な経腸経路または非経口経路を介して投与することができる。投与の「経腸経路」という用語は、胃腸管の任意の部分を介した投与を指し得る。投与の経腸経路には、例えば、経口、粘膜、頬側、経直腸、または胃内などが含まれる。投与の「非経口経路」という用語は、経腸経路以外の投与経路を指し得る。非経口投与経路には、例えば、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、腫瘍内、膀胱内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、経気管、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内、皮下、局所の投与などが含まれる。本開示の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、経口摂取、経鼻胃管、胃瘻管、注射、注入、埋め込み可能な注入ポンプ、及び浸透圧ポンプなどによる任意の適切な方法を使用して投与することができる。適切な投与経路及び投与方法は、使用される特定の抗体、所望の吸収速度、使用される特定の製剤または剤形、治療される障害の種類または重症度、特定の作用部位、及び患者の状態などの多くの要因に応じて異なり得、当業者によって容易に選択され得る。
【0161】
本開示の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)の有効量は、対象の体重に基づいて約0.001~約500mg/kg(例えば、約0.01~約100mg/kgを含む)の範囲であり得る。例えば、有効量は、対象の体重に基づいて約0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、50mg/kg、または100mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)の有効量は、対象の体重に基づいて約0.01~30mg/kgの範囲である。他のいくつかの実施形態では、抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)の有効量は、対象の体重に基づいて約0.05~15mg/kgの範囲である。投与される正確な薬用量レベルは、治療される障害の種類及び重症度、使用される特定の抗がん療法、投与経路、投与時間、治療期間、使用される特定の追加の療法、治療中の患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康状態、及び過去の病歴の多くの要因、ならびに医学分野で周知の同様の要因に応じて、当業者によって容易に決定され得る。
【0162】
本開示の抗がん療法(例えば、抗CD137抗体、チェックポイント遮断免疫療法)は、複数の場合に投与され得る。単回用量間の間隔は、例えば、毎日、毎週、毎月、3か月毎、または毎年であり得る。例示的な治療レジメンは、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1か月に1回、3か月に1回、または3~6か月に1回の投与を伴う。投与される薬用量の正確なタイミングは、当業者によって容易に決定され得る。
【0163】
本開示は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。しかしながら、実施例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載される実施例及び実施形態は例示のみを目的とするものであり、それを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、それらは本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれることは理解されよう。
【実施例
【0164】
実施例1:ヒトCD137Lの細胞内フラグメントを認識する抗体の同定
シェディングされたCD137L ECDでなく、細胞内または細胞膜結合性のヒトCD137Lに特異的に結合する抗体を同定するために、ヒトCD137Lの細胞内フラグメントであるペプチド01(MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLP:配列番号1)及びペプチド02(MEYASDASLDPEAPWPPAPRARA:配列番号2)を、ビオチン標識したペプチドとして合成し、ファージミドライブラリを経た抗体発見のための抗原として使用した。CD137Lペプチド02は、C末端の5残基が欠如している以外はペプチド01と同一である。
【0165】
合計3ラウンドのパニングを実施した。パニング最終回の後、単一コロニー上清のELISAを実施し、ペプチド01またはペプチド02を特異的に認識する一次ヒット化合物を同定した。一次ヒット化合物は、ELISAシグナルがバックグラウンドの少なくとも2倍であるものとして定義した。続いてプラスミドを抽出し、軽鎖及び重鎖をコードするDNAフラグメントを配列決定し、特有のクローンを発現させ、ELISAまたはForteBioを経てさらに確認するために精製した。続いて、確認したヒット化合物を、哺乳動物細胞中に発現されるマウスIgG2aからFcを有するIgGに変換し、プロテインAアフィニティカラムを介して精製した。精製したIgGの親和性及び特異性を、CD137Lペプチド01及びペプチド02、ならびに陰性対照としてその他のタンパク質から誘導される4種のペプチドを用いたELISAを介して調査した。
【0166】
図1に示す通り、8つのIgGは全て、CD137Lペプチド01及びペプチド02に対して高い特異性を示し、全4種の陰性対照のペプチドに対してはわずかな反応性のみを示した。測定したEC50は、TY23556のナノモル以下(0.66nM)から、TY23561の166.5nMの範囲であった(表A)。
【表5】
【0167】
実施例2:固定された哺乳動物細胞における、細胞内または細胞膜結合性のヒトCD137Lを認識する抗体の同定
固定された哺乳動物細胞において、細胞内または細胞膜結合性のヒトCD137Lを認識する抗体を同定するために、哺乳動物の安定な細胞株由来のCHO-S細胞(CHO-S-CD137L)を陽性対照として、インハウスで作製した。CHO-S細胞は、完全長のヒトCD137Lを高発現した。CHO-S-CD137L及び陰性対照のCHO-S細胞を洗浄し、免疫組織化学検査と同様に固定及び透過処理し、その後Beckman CytoFlexにて分析した。8つのIgG全て、及び陰性のアイソタイプ対照IgGを、続いて単一の濃度でスクリーニングした。
【0168】
興味深いことに、TY23561がCHO-S-CD137Lに最も高い特異性を示したことが見出された。続いて、IHC適用に向けてTY23561の濃度を最適化し、市販の抗体(参照-1)と性能を比較するために、いくつかの抗体濃度を試験した。陰性のアイソタイプ対照抗体は、CHO-S-CD137L細胞とCHO-S細胞のどちらも染色しなかったが(図2C)、TY23561(図2A)及び参照-1(図2B)は、CHO-S-CD137L中に存在するCD137Lに対して良好な特異性を示した。重要なことに、TY23561は、試験した全ての濃度で、参照-1よりもCHO-S-CD137L細胞のより強い染色を示し、同時にCHO-S細胞のより弱いバックグラウンド染色を示した。特異性指数が、MFI(CHO-S-CD137L)/MFI(CHO-S)の比として操作上定義される場合、TY23561は、試験した全ての濃度で、明確に参照-1抗体よりもはるかにより高い特異性を示しただろう。例えば、0.4nMにおける特異性指数は、TY23561で27、参照-1では10.7であった。一方で2nMにおける特異性指数は、TY23561で73.5、参照-1では19.4であった(図2D)。したがって、TY23561は、IHC適用のための、市販の抗体よりもはるかに特異的な抗体であり得る。
【0169】
実施例3:免疫蛍光分析を介した抗体特異性の分析
抗体の特異性を、免疫蛍光分析を用いてさらに確認した。そのために、CHO-S細胞及びCHO-S-CD137L細胞をカバーガラス上で一晩培養した。細胞をDPBSで洗浄し、その後2%(v/v)パラホルムアルデヒド及び0.1%のTriton X 100を用いて固定及び透過処理した。そして、室温で1時間、TY23557、TY23561、陰性のアイソタイプ対照及び参照-1(陽性対照)とともに細胞をインキュベートした。0.05%のPBSTで洗浄した後、PEヤギ抗マウスIgG Fcを添加し、室温で1時間染色した。試料を、蛍光顕微鏡検査法を用いて分析した。
【0170】
図3A及び図3Bにて示すように、TY23557及びTY23561は、陰性対照及び参照-1の染色と比較して、CHO-S-CD137L細胞上で陽性染色を、CHO-S細胞上で陰性染色を示した。TY23561の染色シグナルは、TY23557のシグナルよりも高かった。参照-1も、CHO-S-CD137L細胞を強く染色したが、一部のCHO-S細胞への非特異的染色も示した。これらの結果は、抗CD137L抗体TY23561は、免疫蛍光染色条件で試験したこれらの抗CD137L抗体の中で、最も高い性能を発揮したことを示唆している。
【0171】
実施例4:抗hCD137L抗体を使用した免疫組織化学(IHC)染色の特異性
方法
細胞株の染色のために、親細胞、及びヒトCD137リガンドをトランスフェクトしたCHO-S細胞をFFPE処理し、異なる抗CD137L抗体、すなわち参照-1(ThermoFisher、14-9056-82)、参照-2(Abcam、ab223160)、TY23557及びTY23561を用いて染色した。その後、HRP標識二次抗体の抗マウスIgGによる検出及び3,3’-ジアミノベンジジン(DAB)色素産生反応を行った。細胞核をヘマトキシリンで対比染色した。
【0172】
ヒト扁桃はリンパ器官であり、CD137Lを発現するリンパ球を含有し、CD137L陽性試料として機能する。ヒト扁桃組織の染色のために、ヒト扁桃薄片をFFPE処理し、抗CD137L抗体である参照-1、参照-2、TY23557及びTY23561を用いて染色した。その後、HRP標識二次抗体の抗マウスIgGによる検出及びDAB色素産生反応を行った。細胞核をヘマトキシリンで対比染色した。
【0173】
結果
全ての抗CD137L抗体は、完全長のCD137L遺伝子発現カセットを安定的にトランスフェクトしたCHO-S細胞を染色した(茶色の染色)。CD137Lの発現が陰性である親CHO-S細胞では、参照-1でわずかに染色され、試験したその他の抗体では染色を示さなかった(図4)。これらの結果は、抗CD137L抗体が、IHC染色条件下で、CHO-S細胞によって発現されたCD137Lを相対的特異性を持って認識したことを示している。
【0174】
ヒト扁桃組織を用いた場合(図5)、Abcamの抗CD137L抗体による特異的染色は観察されなかったのに対して、その他の3つの抗体は、ヒト扁桃組織の特定の細胞において陽性染色を示した(茶色の染色)。ただし、これらの3つの抗体の中で、ThermoFisher抗CD137及びTY23557は、著しいバックグラウンド染色を示し、一方でTY23561は、はるかに良好な染色特異性を示した。
【0175】
実施例5:患者試料における、抗CD137L抗体TY23561を使用したCD137LのIHC染色
方法
肺癌またはリンパ腫を有する異なる患者からのFFPE腫瘍薄片を商業的に入手し、TY23561及びHRP標識二次抗体の抗マウスIgGを用いて染色し、その後DAB色素産生反応を行った。Leica Bond-RX自動免疫染色装置をER1抗原賦活化設定で使用し、適切なFFPE対照を使用して染色を最適化した。染色された薄片を、3D HISTECH Pannoramic MIDIを用いてスキャンした。細胞核をヘマトキシリンで対比染色した。
【0176】
結果
図6A及び図6Bは、肺癌(図6A)またはリンパ腫(図6B)を有する患者からの腫瘍薄片における染色の結果を示す。各患者の代表画像1枚を示す。TY23561は、異なる患者からの腫瘍においてCD137リガンドの発現の様々なレベルを検出した。また間細胞、腫瘍細胞またはその両方のいずれかでのシグナルを用いて、シグナル(茶色の染色)が、強、中、弱及び陰性の範囲であったという結果を示した。これらのデータは、抗CD137L抗体TY23561が、IHC条件で、とりわけ患者試料において様々なレベルのCD137Lを検出し、スコアリングするのに有用であったことを示している。
【0177】
実施例6:抗CD137L抗体の親和性成熟
同定された候補抗体に基づいて成熟ライブラリを設計した。フレームワーク領域は変えずに、バリアントを6つの超可変領域(HVR)全てに導入した。成熟ライブラリを、実施例1の濃度と比較して低濃度のCD137Lペプチド01(配列番号1)に対して、また洗浄条件もより厳密にしたパニングを行った。独自配列を有する合計48個のヒット化合物を同定し、さらに特性を決定した(表B)。
【表6】
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
【配列表】
2022535538000001.app
【国際調査報告】