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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】指注射針穿刺可能血液採取器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/151 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A61B5/151 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021571963
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2020065461
(87)【国際公開番号】W WO2020245258
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】BE2019/5366
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507062048
【氏名又は名称】インスティテュート オブ トロピカル メディスン
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】ニーウボルフ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ゲーティイン,フランク
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038TA02
4C038UE03
4C038UE04
4C038UE05
4C038UE07
4C038UE09
(57)【要約】
本発明は、血液サンプルの穿刺及び採取の両方を可能にする自己採取手段のための一体型医療器具に関する。
サンプル対象物を受け入れるためのホルダ(3)、ここで、該ホルダ(3)は容器(4)を取り付けるための開口部を設定される;
該ホルダ(3)とケーシング(2)間を直接接続し、該容器(4)の第1の開口部(41)を閉鎖するための第1の開口部(41)及び閉鎖機構(44)を備える、容器(4);
開口部(20)と、穿孔システム(21)と、ばね(22)とを備えるケーシング(2);
前記ばね(22)の手段によって、第1の位置と第2の位置との間で、開口部(20)及び容器(4)内で移動可能である、穿孔システム(21)、ここで、 該穿孔システム(21)は該第2の位置で、少なくとも部分的に、容器(4)の外部に位置する;
を含む、血液サンプル採取器具(1)。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル対象物を受け入れるためのホルダ(3)、ここで、該ホルダ(3)は容器(4)を取り付けるための開口部を設定される;
該ホルダ(3)とケーシング(2)間を直接連結し、第1の開口部(41)及び該容器(4)の該第1の開口部(41)を閉鎖するための閉鎖機構(44)を備える、容器(4);
開口部(20)と、穿孔システム(21)と、ばね(22)とを備えるケーシング(2);
該ばね(22)の手段によって、第1の位置と第2の位置との間で、開口部(20)及び容器(4)内で移動可能である、該穿孔システム(21)、ここで、 該穿孔システム(21)は該第2の位置で、少なくとも部分的に、容器(4)の外部に位置する;
を含む、血液サンプル採取器具(1)。
【請求項2】
前記穿孔システム(21)が、多数の穿孔要素(210)を含む、請求項1に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項3】
前記穿孔システム(21)は、少なくとも3つの穿孔要素(210)を含む、請求項2に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項4】
前記ホルダ(3)は、前記サンプル対象物を受け入れるための第2の開口部(30)を備える、請求項3に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項5】
ホルダ(3)が、サンプル対象物に対してホルダ(3)を正確に位置決めすることを可能にする表示(32)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項6】
ホルダ(3)が、血液サンプルボリューム(容量ともいう)を視覚的にチェックすることを可能にする凹部(33)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項7】
ホルダ(4)が、必要な血液サンプルボリュームを表示するための標識(42)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項8】
ホルダ(4)は、血液サンプルの貯蔵を可能にする、請求項1~7のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項9】
穿孔システム(21)が、容器(4)の第2の開口部(43)を閉鎖するための封止リング(24)をさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項10】
前記ケーシング(2)は、前記バネ(22)の取付け及び前記ハウジング(ケーシング?)(2)内に前記穿孔システム(21)の取付け、のためのバネホルダ(25)をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項11】
前記容器(4)は、前記容器(4)を取り付けた際の、前記穿孔システム(21)の誤作動を防止するための安全システムであって、該安全システムを取り外した後、前記穿孔システム(21)の作動を容易にする、安全システム(45)をさらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項12】
サンプル対象物の温度表示のためのリング(5)をさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具を含むキット。
【請求項13】
前記容器(4)の内側に配置する血液サンプル抗凝固剤をさらに含む、請求項12に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液サンプルの自己採取において、穿刺及び採取の両方を可能にする自己採取手段用の一体型医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、患者が指で穿刺することによって、約500μlのサンプルボリュームで自分自身によって血液を採取することができる医療器具に関する。その結果、穿刺と採取の両方を可能にする統合システムが得られる。さらに、この製品は、既存製品の用途よりも衛生的で、効率的で、使いやすい。
【0003】
自己採取手段プロセスは、準備段階と針穿刺及び採取段階の2つの段階に分けることができる。準備段階は、血流を最適化して、続く工程の容易化を促進することに焦点を当てている。
【0004】
既存の自己採取手段プロセスでは、まず温水で手を洗い、次にハンドマッサージを行うように求められる。その後、選択されるべき指は、アルコール拭き取り布で消毒されなければならない。薬指又は人差し指が好ましい。
【0005】
針穿刺及び採取段階は、針を穿刺することによって、針によって指が穿刺されるときに開始する。これに2つの選択肢が続く。分離された血液は、キャピラリーを用いて採取され、その後、チューブに移送される。又は、指を、血液サンプルが、同じチューブ内にえられるように設定される。これは「自由落下」と呼ばれる。どちらの方法も、十分な血液を放出させるためにマッサージを必要とする。チューブがいっぱいになると、血液サンプルを送ることができる。結論として、さらなるコンタミネーションを防ぐために、絆創膏が指の周りに付着される。
【0006】
針穿刺は、血液採取プロセス全体の必須要素である。当該製品は、多くの異なる形態及びサイズで存在する。我々は2つの操作原理、すなわち、再使用可能な採血器具及び使い捨て針穿刺を識別することができる。使い捨て針穿刺は、主に衛生目的のための医療用途に使用される。再生可能な器具は、糖尿病のためのグルコースモニタリングのために頻繁に使用され得る。使い捨て針穿刺が設定され得る必須の場合がしばしば存在する。
【0007】
本発明の焦点は、使い捨て針穿刺にあり、これは、使い捨て針穿刺が一回限り使用される自己採取手段に、より適しているからである。関連する本件発明のサブグループは、「ツイストオフ(twist off:ねじってはずす)ランセット(lancet:開き針」と「ワンステップセーフティ(one step safety)ランセット」である。
【0008】
第1の原理は、「ツイストオフランセット」と呼ばれ、ランセットにプラスチック製のカバーを被せた針穿刺で、「ツイストオフ」という単純な回転運動で、カバーが、ランセットから抜去され、穿刺することができる。実際には、これらの針穿刺は、病院環境で使用される。現在の自己採取手段では、ランセットが、使用後に、これをカバーされず、穿刺事故の機会を増加させるため、これらは避けられている。「ツイストオフランセット」は、再使用可能な針穿刺の場合には、実際に、頻繁に再使用される。
【0009】
第2の原理は、「ワンステップセーフティランセット」に関する。この製品は、単純な構造を有する。ランセットは、ランセットを保持するランセットホルダを備える。両者は、ばねによってバネホルダに連結されている。ランセットの前面に蓋(lid)で覆うことができるノブ(knob)がある。上記の部品は、ケーシング(casing: 囲い:筐体)でシールド(shield:覆う)されている。これは、カバーと組み合わせて、危険なしに廃棄することができる安全に閉鎖された(closed)針穿刺を保証する。この器具は、また、単一回使用の穿刺に使用することができ、付加的な安全性を提供する。
【0010】
このシステムには、類似した機能を持つ異なるバージョンがある。ワンステップセーフティランセットの機能は、3つのフェーズに分けることができる。フェーズ1の間、ランセットは、ランセットホルダによって2つの溝(grooves)内に保持される。両方を接続するばねは、締め付けられている(tightened)。穿刺はフェーズ2から始まり、ノブに指を押し付ける。これは、次に、ランセットホルダを溝から押し出す。これに続いて、ランセットは締め付けられた(圧縮された)ばねのために、前方に押され、指を穿刺する。フェーズ3では、針穿刺(needle puncture)をリフトされ(lifted)、ノブを元の位置に戻す。ばねは、また、穿刺後にランセットを迅速に後退(retract)させて、ニュートラルである休止位置(neutral resting position)にする。これは、それ以上の針穿刺を不能にし、それによって事故を首尾よく回避することができる。
【0011】
既存の欠点及び問題(すなわち、偶発的に指針穿刺を作動させること、一体化された血液サンプル採取システムの欠如、サンプル対象物に関する不正確な組み立て)が対処され、回避され、又は低減され得る、これらの針穿刺に関する革新の余地が依然として明らかに存在する。
【0012】
本発明は、一人で管理できる単一製品において、穿刺及び採取を一体化する基本的な医療器具に関する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の第1の実施形態は、試料物体(サンプル対象物)を受け入れるためのホルダ(holder)を備え、ホルダが容器(container)の取り付けのための開口部を有し、容器がホルダとケーシング(筐体)との間を直接連結し、容器の第1の開口部及び容器の第1の開口部を閉鎖するための閉鎖機構を備え、ケーシングが開口部、穿孔システム、及びばねを備え、穿孔システムは、ばねの手段によって開口部及び容器内で第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、その間、穿孔システムは、第2の位置で、少なくとも部分的に容器の外部にある、血液サンプル採取器具に関する。
【0014】
本発明の第2の実施形態は、穿孔システムが多数の穿孔要素を含む、本発明による血液サンプル採取器具を開示する。
【0015】
本発明の別の実施形態は、穿孔システムが少なくとも3つの穿孔要素を含む、本発明による血液サンプル採取器具を開示する。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明による血液サンプル採取器具を開示し、ホルダは、サンプル対象物を受け入れるための第2の開口部を備える。
【0017】
本発明の第5の実施形態は、本発明による血液サンプル採取器具を開示し、ホルダは、サンプル対象物に対してホルダを正確に位置決めすることを可能にする表示(designation)を含む。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態は、ホルダが、血液サンプルボリュームを視覚的にチェックすることを可能にする、くぼみ(recess:切り欠き若しくは凹型)を含む、本発明による血液サンプル採取のための器具を開示する。
【0019】
本発明のさらなる実施形態は、容器が、必要とされる血液サンプルボリュームの表示のための標識を含む、本発明による血液サンプル採取のための器具を開示する。
【0020】
本発明の別の実施形態は、容器が血液サンプルの貯蔵を可能にする、本発明による血液サンプル採取器具を開示する。
【0021】
本発明の第9の実施形態は、本発明による血液サンプル採取器具を開示し、穿孔システムが、容器の第2の開口部を封止するための封止リングをさらに備える。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、本発明による血液サンプル採取器具を開示し、ケーシングは、ばねを取り付けるため、及び穿孔システムをケーシングに取り付けるための、バネホルダをさらに備える。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明による血液サンプル採取器具を開示し、容器は、さらに、該容器の取り付け後、穿孔システムの作動を防止する安全システムであって、及び該安全システムをとりはずした後、穿孔システムの作動を容易にする、安全システムを備える。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、血液サンプル採取器具であって、サンプル対象物の温度表示のためのリングをさらに含む、キットを開示する。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、容器の内側に配置される血液サンプル抗凝固剤をさらに含む、本発明によるキットを開示する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面を特に参照すると、示された詳細は、単に例としての役割を果たすものであり、本発明の異なる実施形態の例示的な議論のためのものに過ぎないことが強調される。それらは、本発明の原理及び概念的態様の最も有用で即時の説明と見なすことができるものを提供することを目的として開示される。この点に関して、本発明の基本的な理解のために必要な、本発明のより構造的な詳細を示す試みはなされていない。図面と組み合わせた説明は、本発明の異なる形態が実際にどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
図1図1Aは、本発明の一実施形態による医療器具の断面図である。図1Bは、本発明の一実施形態による医療器具である。
図2図2は、本発明の一実施形態による医療器具の詳細記述である。
図3図3は、本発明の一実施形態による医療器具の断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による医療器具のキットの一部の概略図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による医療器具の概略図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による医療器具である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1A及び1Bを参照すると、図1Aは本発明の実施形態による医療器具の断面を示し、図1Bは、本発明の実施形態による医療器具を示す。
【0028】
採取段階は、取り付けリング3(以下、「ホルダ」とも呼ぶ)の配置(placement)から始まる。使用者は、好ましくは、これを、非利き手の薬指に装着する(put)。また、ホルダ3は、高低差(height difference)34を有している。これにより、採取後に残った血液が指を汚すことが防止される。血液量の迅速なモニタリングを容易にするために、切欠き(cut-out)33〔以下、リセス(recess)「凹部」とも呼ぶ〕が設けられている。
【0029】
また、加えて、筐体(casing:ケーシング)2及び容器(container)4(以下、「collector:採取器」ともいう)を設定することができる。採取した血液サンプルが凝固しないように、容器4の内側に、抗凝固剤を配置することもできる。医療器具1の使用者は、まず、容器4の第1の開口部41から回転運動の手段にてキャップ44(以下、「閉塞機構」ともいう)を取り外す。これにより、ボリューム表示(volume indicator)42(以下、「表示」若しくは「標識」ともいう)が現れる。容器4の第1の開口部41を、ホルダ3の第1の開口部31内に回転させることによって、つながる。
【0030】
本発明の一実施形態による医療器具の詳細記述を示す図2を参照する。容器4を留置する(fasten)とき(取り付けた際、ともいう)、ランセット(lancet:ひらき針)210(以下、穿孔要素とも呼ぶ)を偶発的に穿刺する(discharging:放出)可能性がある。安全システム45はそれを防止する。簡単な引っ張り運動によって、安全システム45を容器4の外側から(from the outside)除くことができる。
【0031】
本発明の一実施形態による医療器具の一連の断面を示す図3を参照する。容器4は、ケーシング2を前方に押し込むことにより、バネホルダ25に接触し、続いて、穿孔システム(以下、「ランセットホルダ」ともいう)を開始し(作動し、ともいう)解除する(opens and releases)。穿孔システム21は、運動エネルギーが最大であるときに、迅速に前方に移動し、指を穿刺する。これは、ばね22のニュートラル(neutral:中立)位置でもある。通常は、振動(oscillation)状態(バネの緊張状態において伝わる振動)で使用される、残存エネルギー(余力:remaining energy)は、穿刺(puncture)のために、完全に使用される。この全ては、より迅速で、従って、痛みの少ない穿刺を保証する。
【0032】
穿刺の後、引込み(retraction)が行われる。ケーシング2を押す(push)のを止めることにより、バネホルダ25の脚部からの反発によって自ら跳ね返る(it bounce back spontaneously through the legs of the spring holder)。
【0033】
最後に、使用者は、ケーシング2を短時間後方に引っ張(pull)らなければならない。このようにして、該システムは、設けられたフック6によって、ロック(lock)される。プル(引っ張:pull)を「どれだけ遠くに」しなければならないかというスムーズな認識を得るために、正しく「ロックされた」状態を示す、ロックが現れる。このロックは、決まった(fixed)採取ボリュームを調整することを可能にする(form)。750μlの最大容量を採取することができる。これは、何かが間違ったときに十分な容量を与える。採取が成功した後、ケーシング2及び容器は、単純な回転運動によって取り外される。その後、閉鎖機構44が再び締め付けられ(is tightened)、ホルダ3が取り外される。
【0034】
本発明の一実施形態による、医療器具のキットの一部の概略表現を示す図4を参照する。サーモクロミックリング(thermochromic ring:熱変色性のリング)5は、本発明の一実施形態において、使用者が接触する、本発明の医療器具のキットの一部である。該リングは、好ましくは非利き手の中指に置かれる(装着される)。次に、使用者は、温かい水を流される。使用者は、水の熱のインジケータとしてリングを使用する。これは、42.5℃~45℃の間で色を変化させるサーモクロミックゾーン(thermochromic zone:熱変色性の領域)50を有する。効果的なシミュレーションは、変色が生じたときから行うことができる。使用者は2分間手を洗う。次いで、手を乾燥させ、採取を開始することができる。技術的には、該リングは、2つのシリコーンの同時注入によって製造することができる。シリコーン51の一方は、基準色を含み、他方のシリコーン50はサーモクロミックマスターバッチ(master batch)を有する。リングは、薬指での形成となる(薬指で使用される)。
【0035】
本発明の一実施形態による医療器具の概略表現を示す図5を参照する。ホルダ3の近くで、爪と左右表示記号32(以下、「記号」ともいう)を使うことで、人々は爪床(nail bed)の近くで正しい針穿刺部位を見つけることができる。最終的に、容器4はケーシング2と約60度46の角度をなし、これは二重ねじ山47の助けで取り付けることができる。技術的には、ホルダ3は、軟質シリコーンと硬質透明ポリプロピレン(以下、「PP」ともいう)を共射出によって製造することができる。硬質プラスチックは、スムーズな針穿刺採取器装着(attachment:とりつけ)及び明確な爪表示(nail destination)を保証する。
【0036】
本発明の構成要素
以下に、本発明の種々の構成要素に関する多数の有用な材料の概要を示す。これらの材料は、例示のためだけのものであり、本発明において、限定されるものではない。
【0037】
第1の構成要素又はキャップ44は、二重ねじ山を有する基本的なねじ止めキャップ(screw-on cap)とすることができる。当該ユニットは、例えば、PPでダイカスト(die cast)することができる。キャップ4(44?)には、回転運動を可能にするリッジ(ridge:隆起部)を設けることができる。
【0038】
次の構成要素はケーシングである。当該ユニットは、PPでダイカストすることができる。該構成要素の後部には、把持のための付加的リッジ(ridge:隆起部)を設けることができる。
【0039】
第3の構成要素は、好適には透明なポリカーボネート(以下、PCとも呼ぶ)採取器4である。当該ユニットは、ボリューム表示(volume destination)と採取器(collector)との間に、ダイカスト共注入とすることができる。当該ユニットには、二重ねじ山を設けることができる。正しい量の液体EDTAを、組み立て後に添加することができる。
【0040】
第4の構成要素又は安全システム45は、ダイカストPCであってもよい。リッジ(隆起部)及びダーツ(dart:)は、円滑な除去を確実にすることができる。
【0041】
第5の構成要素又はランセット210は、ステンレス鋼から製造することができる。一例として、長さ2.4mm、直径0.64mmの三重列ランセットを使用する。これは医学的手段の類似物である。ランセット自体は、好ましくはランセットホルダ(lancet holder)21から約3mm突出する。
【0042】
第6の構成要素のランセットホルダ21は、BPでダイカストすることができる。インサート成形の助けを借りて、ランセットを取り付けることができる。シールのスムーズな取り付けのために(for a smooth installation of the seal)、当該ユニットを、スロープを持たせて(with a slope)作ることができる。ばねを取り付けるために、フック(hook)を背面に設けることもできる。
【0043】
ばね22は、ばね鋼から製造することができる。ばねは、例えば、13コイル(13 coils)、23mmの自由長、0.5mmのワイヤ厚及び6mmの外径を有する。なお、これらは、実際の用途に応じて、変化し得る。
【0044】
最後に、バネホルダ25を有する。この構成要素は、ダイカストPPであってもよい。
また、2つのスナップ(snap:ばね式のコネクタ)と同様に、スプリングを取り付けるためのスペースを設けることもできる。これらは、バネホルダをコネクタに接続する。
【0045】
本発明の一実施形態による医療器具を示す図6を参照する。ホルダ3は、右手の薬指に取り付けることができる。容器4は、ホルダに締め付け設置することができる。ケーシングは、左手の助けを借りて保持され、それに応じて医療器具を作動させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1:医療器具
2:ケーシング(筐体)
21:穿孔システム(以下、「ランセットホルダ」ともいう)
210:ランセット (以下、穿孔要素とも呼ぶ)
22:ばね
24:封止リング
25:バネホルダ
3:取り付けリング
3:ホルダ
30:ホルダ3の第2の開口部
31:ホルダ3の第1の開口部
32:左右表示記号 (以下、「記号」ともいう)
33:切欠き (以下、「凹部」とも呼ぶ)
34:高低差
4:容器 (以下、「採取器」ともいう)
41:容器4の第1の開口部
42:容積(ボリューム)表示 (以下、「表示」、「インジケーター」、若しくは「標識」ともいう)
44:キャップ (以下、「閉塞機構」ともいう)
45:安全システム
46:約60度
47:二重ねじ山
5:サーモクロミックリング
50:サーモクロミックゾーン
50:他方のシリコーン
51:シリコーン
6:フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル対象物を受け入れるためのホルダ(3)、ここで、該ホルダ(3)は容器(4)を取り付けるための開口部を設定される;
該ホルダ(3)とケーシング(2)間を直接連結し、第1の開口部(41)及び該容器(4)の該第1の開口部(41)を閉鎖するための閉鎖機構(44)を備える、容器(4);
開口部(20)と、穿孔システム(21)と、ばね(22)とを備えるケーシング(2);
該ばね(22)の手段によって、第1の位置と第2の位置との間で、開口部(20)及び容器(4)内で移動可能である、該穿孔システム(21)、ここで、 該穿孔システム(21)は該第2の位置で、少なくとも部分的に、容器(4)の外部に位置する;血液サンプル採取器具(1)であって、
前記容器(4)は、前記容器(4)を取り付けた際の、前記穿孔システム(21)の誤作動を防止するための安全システムであって、該安全システムを取り外した後、前記穿孔システム(21)の作動を容易にする、安全システム(45)をさらに備える、血液サンプル採取器具。
【請求項2】
前記穿孔システム(21)が、多数の穿孔要素(210)を含む、請求項1に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項3】
前記穿孔システム(21)は、少なくとも3つの穿孔要素(210)を含む、請求項2に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項4】
前記ホルダ(3)は、前記サンプル対象物を受け入れるための第2の開口部(30)を備える、請求項3に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項5】
ホルダ(3)が、サンプル対象物に対してホルダ(3)を正確に位置決めすることを可能にする表示(32)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項6】
ホルダ(3)が、血液サンプルボリューム(容量ともいう)を視覚的にチェックすることを可能にする凹部(33)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項7】
ホルダ(4)が、必要な血液サンプルボリュームを表示するための標識(42)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項8】
ホルダ(4)は、血液サンプルの貯蔵を可能にする、請求項1~7のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項9】
穿孔システム(21)が、容器(4)の第2の開口部(43)を閉鎖するための封止リング(24)をさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項10】
前記ケーシング(2)は、前記バネ(22)の取付け及び前記ハウジング(ケーシング)(2)内の前記穿孔システム(21)の取付け、のためのバネホルダ(25)をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の血液サンプル採取器具。
【請求項11】
サンプル対象物の温度表示のためのリング(5)をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の血液サンプル採取器具を含むキット。
【請求項12】
前記容器(4)の内側に配置する血液サンプル抗凝固剤をさらに含む、請求項11に記載のキット。
【国際調査報告】