(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】全LNAオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6813 20180101AFI20220802BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20220802BHJP
C12Q 1/6834 20180101ALI20220802BHJP
【FI】
C12Q1/6813 Z
C12N15/11 Z ZNA
C12Q1/6834 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572424
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2020065654
(87)【国際公開番号】W WO2020245377
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196243
【氏名又は名称】運 敬太
(72)【発明者】
【氏名】ベルクマン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ハインドル,ディーター
(72)【発明者】
【氏名】シュレームル,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シュテッケル,ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QR32
4B063QR55
4B063QS34
(57)【要約】
本報告は、完全にロック核酸(LNA)モノマーからなる一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドのハイブリダイズに関するものである。本文書は、所与の時間間隔内で二本鎖を形成することができない、完全に相補的なss-オリゴヌクレオチドの対を用いたハイブリダイゼーション実験を示す。本報告は、そのような互換性のないオリゴヌクレオチド対を特定するための方法を提供する。別の態様では、本報告は、迅速な二本鎖形成が可能である相補的ss-オリゴヌクレオチドの対を提供する。本報告は、互換性のあるオリゴヌクレオチド対を特定及び選択する方法も提供する。更に別の態様では、本報告は、受容体ベースのアッセイ等の結合アッセイにおける結合パートナーとしての互換性オリゴヌクレオチド対の使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0℃~40℃の温度の水溶液中で、5~15個の連続した塩基対を持つ逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する方法であって、
(a)5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、前記第1のss-オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程と、
(b)5~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、前記第2のss-オリゴヌクレオチドが少なくとも前記第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーを含み、前記第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーが核酸塩基を含み、前記第2のss-オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基が第2の核酸塩基配列を形成し、前記第2の核酸塩基配列が逆平行配向で前記第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、前記第1のss-オリゴヌクレオチド及び前記第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、前記予測される二本鎖が5~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合している、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程と、
(c)水溶液中でほぼ等モル量の前記第1のss-オリゴヌクレオチド及び前記第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、前記第1のss-オリゴヌクレオチド及び前記第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程と、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして前記第1のオリゴヌクレオチド及び前記第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として前記第1のオリゴヌクレオチド及び前記第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程と、
(e)工程(d)で得られた前記混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程と、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び前記二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、前記結合対を選択する工程と、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の前記第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程と、を含み、
それにより、前記一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する、方法。
【請求項2】
工程(e)の前に、工程(d)で得られた前記混合物を、ss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを分離する追加の工程に供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(c)及び工程(d)が非変性温度、具体的には0℃~5℃、5℃~10℃、10℃~15℃、15℃~20℃、20℃~25℃、25℃~30℃、30℃~35℃、及び35℃~40℃からなる群から選択される温度で実施される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(c)の前に、前記工程(a)及び前記工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドが、変性条件の非存在下で維持される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(c)の前に、前記工程(a)及び前記工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドが、-80℃~40℃、具体的には0℃~40℃、より具体的には25℃~37℃の温度で水溶液中に保持される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(d)において、前記時間間隔が、1秒~20分、1秒~5分、1秒~60秒、及び1秒~30秒からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(c)及び工程(d)が、20塩基対の長さの、50%のG+C含有量を有するDNA二本鎖の融解温度を少なくとも15℃低下させることができる変性剤化合物の非存在下で、より具体的にはホルムアミド及びジメチルスルホキシドのいずれも非存在で、実施される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
各LNAモノマーが、N
4-アセチルシトシン、5-アセチルウラシル、4-アミノ-6-クロロピリミジン、4-アミノ-5-フルオロ-2-メトキシピリミジン、6-アミノ-1-メチルウラシル、5-アミノオロチン酸、5-アミノウラシル、6-アミノウラシル、6-アザウラシル、N
4-ベンゾイルシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、6-クロロウラシル、6-クロロメチルウラシル、6-クロロ-3-メチルウラシル、シトシン、5,6-ジメチルウラシル、5-エチルウラシル、5-エチニルウラシル、5-フルオロシトシン、5-フルオロオロチン酸、5-フルオロウラシル、5-ヨード-2,4-ジメトキシピリミジン、5-ヨードウラシル、イソシトシン、5-メチルシトシン、6-メチル-5-ニトロウラシル、2-メチルチオ-4-ピリミジノール、5-メチル-2-チオウラシル、6-メチル-2-チオウラシル、6-メチルウラシル、5-ニトロウラシル、オロチン酸、6-フェニル-2-チオウラシル、6-プロピル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、チミン、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、ウラシル、アデニン、8-アザヒポキサンチン、8-アザグアニン、アロプリノール、4-アミノピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、2-アミノプリン、2-アセトアミド-6-ヒドロキシプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、2-アミノ-6-ヨードプリン、アザチオプリン、4-アミノ-6-ヒドロキシピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、アミノフィリン、N
6-ベンジルアデニン、N
6-ベンゾイルアデニン、6-ベンジルオキシプリン、8-ブロモテオフィリン、8-ブロモ-3-メチルキサンチン、8-ブロモ-7-(2-ブチン-1-イル)-3-メチルキサンチン、6-クロロプリン、8-クロロテオフィリン、6-クロロ-2-フルオロプリン、6-クロロ-7-デアザプリン、2-クロロアデニン、6-クロロ-7-ヨード-7-デアザプリン、2,6-ジアミノプリン、2,6-ジクロロプリン、6-(ジメチルアミノ)プリン、2,6-ジクロロ-7-デアザプリン、5,6-ジクロロベンズイミダゾール塩酸塩、7-デアザヒポキサンチン、2-フルオロアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、9-(2-ヒドロキシエチル)アデニン、イソグアニン、3-ヨード-1H-ピラゾロ-[3,4-d]ピリミジン-4-アミン、キネチン、6-メルカプトプリン、6-メトキシプリン、3-メチルキサンチン、1-メチルキサンチン、3-メチルアデニン、O
6-(シクロヘキシルメチル)グアニン、6-チオグアニン、2-チオキサンチン、キサンチン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニル-シチジン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、7-プロピニル-7-デアザアデニン、7-プロピニル-7-デアザグアニン、及びその誘導体からなる群から選択される核酸塩基を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各LNAモノマーが、アデニン、チミン、ウラシル、グアニン、シトシン、及び5-メチルシトシンからなる群から選択される核酸塩基を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一又は複数のシトシンが存在する場合、それが5-メチルシトシンで置き換えられている、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
各シトシンが5-メチルシトシンで置き換えられている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記工程(a)及び前記工程(b)のいずれかの前記ss-オリゴヌクレオチドの前記モノマーがベータ-L-LNAモノマーである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対であって、各ss-オリゴヌクレオチドが5~15個のLNAモノマーからなり、水溶液中の前記別々のss-オリゴヌクレオチドが、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができる、別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【請求項14】
ss-オリゴヌクレオチドの前記対が、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実施することによって得られる、請求項11に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【請求項15】
前記対が、
(配列番号1):(配列番号2)、
(配列番号9):(配列番号10)、
(配列番号11):(配列番号12)、
(配列番号13):(配列番号14)、
(配列番号15):(配列番号16)、
(配列番号16):(配列番号20)、
(配列番号17):(配列番号18)、
(配列番号19):(配列番号20)、
(配列番号21):(配列番号22)、
(配列番号23):(配列番号24)、
(配列番号25):(配列番号26)
からなる群から選択される、請求項13又は14に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【請求項16】
前記対の第1のss-オリゴヌクレオチドが第1の標的に付着し、第2のss-オリゴヌクレオチドが第2の標的に付着する、請求項13から15のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【請求項17】
標的が、固相、生体分子、及び化学的に合成された化合物からなる群から独立して選択される、請求項16に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【請求項18】
変性条件の非存在下で逆平行全LNA二本鎖を形成する方法であって、
(a)請求項13又は請求項14に記載の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーと第2のメンバーとを別々に提供する工程であって、各一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドを変性剤の非存在下で水溶液に別々に溶解させ、0℃~40℃の温度に保持する、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーと第2のメンバーとを別々に提供する工程と、
(b)変性剤の非存在下で、0℃~40℃の温度で前記対の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドを互いに接触させる工程と、を含み、
それにより、前記逆平行全LNA二本鎖を形成する、方法。
【請求項19】
一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の第1のメンバー及び前記第2のメンバーによって形成される逆平行二本鎖であって、請求項18に記載の方法によって得られる、逆平行二本鎖。
【請求項20】
分析物を決定するための受容体ベースのアッセイにおける、請求項13から17のいずれか一項に記載の別々のss-オリゴヌクレオチドの対の使用であって、前記受容体ベースのアッセイが、分析物特異的受容体と、前記分析物を固相に固定化するための前記固相とを含み、前記対の前記第1のss-オリゴヌクレオチドが前記分析物特異的受容体に結合され、前記対の前記第2のss-オリゴヌクレオチドが前記固相に結合される、使用。
【請求項21】
分析物を決定するための受容体ベースのアッセイを実施するためのキットであって、第1の容器内に、請求項13から17のいずれか一項に記載の別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーを付着させた分析物特異的受容体を含み、前記キットが、第2の容器内に、前記対の第2のメンバーを付着させた固相を更に含む、キット。
【請求項22】
分析物を決定するための受容体ベースのアッセイを実施する方法であって、前記分析物を、請求項13から15のいずれか一項に記載の別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーを付着させた分析物特異的受容体、及び前記対の第2のメンバーを付着させた固相と接触させ、インキュベートする工程を含み、それにより、前記固相、前記固相に結合した前記分析物特異的受容体、及び前記分析物特異的受容体に結合した前記分析物を含む複合体を形成し、逆平行二本鎖が形成され、前記二本鎖が前記対の前記第1のメンバー及び前記第2のメンバーからなり、前記二本鎖が前記複合体において前記分析物特異的受容体及び前記固相を接続し、続いて前記複合体に結合した分析物を検出し、それによって前記分析物を決定する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本報告は、完全にロック核酸(LNA)モノマーからなる一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドのハイブリダイズに関するものである。本文書は、所与の時間間隔内で二本鎖を形成することができない、完全に相補的なss-オリゴヌクレオチドの対を用いたハイブリダイゼーション実験を示す。本報告は、そのような互換性のないオリゴヌクレオチド対を特定するための方法を提供する。別の態様では、本報告は、迅速な二本鎖形成が可能である相補的ss-オリゴヌクレオチドの対を提供する。本報告は、互換性のあるオリゴヌクレオチド対を特定及び選択する方法も提供する。更に別の態様では、本報告は、結合アッセイ、例えばイムノアッセイにおける結合パートナーとしての互換性オリゴヌクレオチド対の使用を提供する。特定の実施形態では、互換性LNAオリゴヌクレオチド対が、サンプル中の分析物を検出又は定量するためのアッセイにおいて、分析物特異的捕捉分子を固定化するために用いられることについて検討する。
【背景技術】
【0002】
特に焦点を当てるのは、結合対の2個のパートナーの特定の相互作用と、分子認識によって、それらの最終的な相互連結が機能的な役割を果たす、一般的な生化学的用途である。非常に頻繁に、例えば、イムノアッセイでは、ビオチン:(ストレプト)アビジン結合対を使用して、分析物特異的捕捉受容体を固相に固定化する。本報告は、代替結合対を用いるイムノアッセイ等の用途を概念化し、説明し、詳述する。具体的には、ハイブリダイゼーションによって、二本鎖を形成することができる2個の一本鎖LNAオリゴヌクレオチドからなる代替の結合対は、ビオチン:(ストレプト)アビジン結合対の技術的な代替を提供する。
【0003】
本開示の焦点は、イムノアッセイの過程で、捕捉受容体が固相に係留される手段である。特に、本開示は、分析物を含むサンプルの存在下で分析物特異的捕捉受容体の固定化を容易にする、及び/又は複合体が形成された後に検出複合体を係留することができる、結合対に焦点を当てている。イムノアッセイにおける結合対は、特異的な技術的特徴を有することが必要である。まず、2つの結合パートナーの相互作用は特異的でなければならない。さらに、結合パートナーの接続を形成する動力学は速い速度を保証して、結合対の2つの別々のパートナーが相互作用させ、最終的に会合させ、すなわち互いに結合させなければならない。さらに、2個の結合パートナーの連結は、一度形成されると安定であることが望ましい。さらに、結合パートナーは、イムノアッセイに適用するために、分析物特異的受容体や固相表面等の他の分子との化学的抱合に適している必要がある。
【0004】
イムノアッセイでは、受容体、及び通常検出される分析物も、特定の条件下でのみ立体構造及び機能を保持することを理解することが重要である。このような条件は、検討中の特定の受容体又は分析物によって異なる場合があるため、受容体分子又は分析物は、これらの条件からの限られた逸脱のみを許容する可能性がある。そのような条件は、ほんの数例を挙げると、約pH6~約pH8の範囲のpHを有する緩衝水溶液、一又は複数の溶解塩、一又は複数のヘルパー物質(例えば、安定剤、酸素スカベンジャー、防腐剤、洗浄剤から選択される)、総量約200~約500mosm/kgの溶質、特定の非水性溶媒等の変性化合物の非存在、ホルムアミド及びカオトロープ等のヘリックス不安定化剤、並びに0℃~40℃の範囲の好ましい保存及び/又はアッセイ温度を含む。しかしながら、必須であるのは、アッセイされる分析物の変性を引き起こす可能性のある任意の成分及び/又は条件、又は特定のアッセイで使用される分析物特異的受容体である。
【0005】
結合対の別々のパートナーは、抱合、特に捕捉分子すなわち受容体との抱合、及び固相表面との抱合に、互いに特異的に会合及び結合する能力を失うことなく、適している必要がある。イムノアッセイにおける抱合に関して、代替結合対の各別々の結合パートナーは、アッセイ条件下で機能的でなければならない。同じ理由が、分析物、担体材料、固相、及びアッセイの過程で存在する可能性のある他の物質又は化合物等、結合パートナーとの抱合に必要な他の全ての材料に当てはまるが、これらに限定されない。
【0006】
相補的配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチド、すなわち、ハイブリダイゼーションによって二本鎖を形成することができるオリゴヌクレオチドは、高分子を連結するための、又は分子を固相に付着させるための結合対手段として以前に提案されてきた。欧州特許第0488152号は、抗体と固相を連結する核酸二本鎖によって分析物特異的捕捉抗体が固定化された固相を用いた不均一イムノアッセイを開示する。実施形態では、1個のハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドが抗体に付着し、相補的なオリゴヌクレオチドが固相に付着し、それによって連結二本鎖を形成することが示されている。同様の開示は、文献欧州特許第0698792号、国際公開第1995/024649号、国際公開第1998/029736号、及び欧州特許第0905517号で提供される。国際公開第2013/188756号は、フローサイトメトリーの方法と、第1のオリゴヌクレオチドに結合した抗体、第1のオリゴヌクレオチドと同一の配列を有する第2のオリゴヌクレオチドに結合したオリゴスフェア、並びにラベルと第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドに相補的な第3の配列とを有するオリゴヌクレオチドプローブを含む組成物を開示している。特定の実施形態では、オリゴスフェアは磁性を有する。この文書は、標準化手順の参照としてオリゴスフェアの特定の使用を報告している。
【0007】
ペプチド核酸(PNA)やロック核酸(LNA)等の修飾オリゴヌクレオチドは、主に生化学的用途の範囲で探索されてきた。LNAは、リボース部分の2’-酸素と4’-炭素の間にメチレンリンカーを有しており、その結果、糖がC3-エンド立体構造にロックされるため、「ロック核酸」という名前が付けられている。この化学修飾は、LNAモノマー含有オリゴヌクレオチドと相補的標的配列とのハイブリダイゼーションによる二本鎖形成を伴う用途において、ヌクレアーゼ耐性、並びにオリゴヌクレオチド標的に対するより高い親和性及びより高い特異性を与える。LNAモノマーは、2’-O、4’-C-メチレン-(D-リボフラノシル)ヌクレオシドモノマーとして提供される(Singh S.K.ら,Chem.Commun.4(1998)455-456;Koskin A.A.ら,Tetrahedron 54(1998)3607-3630;Wengel J.Acc.Chem.Res.32(1999)301-310)。さらに、国際公開第1998/39352号は、ロック核酸(LNA)構造を開示している。化学合成により、LNAヌクレオシド類似体モノマーのみからなる(「全LNA」)一本鎖を合成することができる。
【0008】
DNA及びLNAモノマーを含む混合DNA-LNAオリゴヌクレオチドは、相補的DNA及びRNAにハイブリダイズされる場合に、熱安定性が大幅に向上する。実際、合成された他の高親和性核酸模倣物、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ヘキシトール核酸(HNA)、及び2’-フルオロN3’-ホスホルアミデートと比較して、LNAは、並外れた結合親和性を示す。「ミキシマー(mixmer)」としても知られるLNA-DNA混合オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション速度論は、Christensen U.らによって報告された(Biochem J 354(2001)481-484)。それぞれが7個のLNAモノマーからなる2個の相補的なss-オリゴヌクレオチドからの「全ロック(All Locked)」核酸二本鎖の結晶構造がEichert A.らによって報告された。(Nucleic Acids Research 38(2010)6729-6736)。
【0009】
ほとんどの場合、一本鎖混合LNA/DNAオリゴヌクレオチド(LNA/DNA及びLNA/RNA、すなわちミキサー一本鎖)を分析した。これまでのところ、特にKoshkin A.A.ら(J Am Chem So 120(1998)13252-13253)及びMohrle B.Pら(Analyst 130(2005)1634-1638)によって、LNAモノマーのみから作られたハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド(すなわち、「全LNA」一本鎖オリゴヌクレオチド)の特性評価に関する報告はほとんどない。Eze N.A.ら(Biomacromolecules 18(2017)1086-1096)は、DNA/LNAミキシマーとDNAプローブからの結合率が、105M-1s-1未満であると報告している。これらの著者によると、溶液中のハイブリダイゼーション速度は、置換に利用可能なモノマーの3分の1を考慮すると、一又は複数のDNAモノマーをLNAモノマーで置換しても影響を受けないように思われる。Childs J.L.(PNAS 99(2002)11091-11096)は、in vitroでC.アルビカンス(C.albicans)グループIイントロンの自己スプライシングを濃度依存的に阻害できる全LNAオクタマー(TACCTTTC)を報告している。オクタマーを標的RNAにアニーリングする目的で、オクタマーを68℃の温度に加熱した後、37℃に冷却した。アニーリングされたLNAオリゴマーは、イントロンの三次構造を混乱させ、それによってその生物学的機能に影響を与えることがわかった。
【0010】
国際公開第2000/066604号及び国際公開第2000/056746号は、LNAヌクレオシドモノマーの特定の立体異性体を開示している。
【0011】
国際公開第1999/14226号は、目的の分子及び固体支持体に付着するための親和性対の構築において、LNAモノマーと共にオリゴヌクレオチドを使用することを示唆している。しかしながら、相補的な全LNA一本鎖のハイブリダイゼーションが技術的問題を引き起こすことも当技術分野で知られている。Jesper Wengelによって作成され、Exiqonによって発行されたLNA関連のユーザーマニュアルは、自己ハイブリダイゼーションとも呼ばれる、分子内LNA:LNA二本鎖を形成する一本鎖LNA含有オリゴヌクレオチドの傾向に言及ししている。したがって、この文書では、二次構造を用途を制限するもの、すなわち技術的な障害と見なしている(’’LNA Hybridization’’ in:’’Locked Nucleic Acid TechnologyTM:A brief overview’’、2019年5月8日にインターネットダウンロードで電子ファイルhttps://www.exiqon.com/ls/Documents/Scientific/Locked%20Nucleic%20Acid%20Technology%20a%20brief%20overview.pdfとして取得)。したがって、LNAのみからなるオリゴヌクレオチド類縁体のハイブリダイゼーションの熱力学的分析は主に経験的であり、事前の変性工程(例えば、分子内二次構造を除去するためのハイブリダイゼーションの前の加熱)がない場合の相補的全LNAオリゴマーのハイブリダイズ対の配列予測はこれまでのところ、可能ではないように思われる。
【0012】
LNA含有オリゴヌクレオチドの熱力学的挙動に関する予測は、Tolstrup Nらによって参照される専用のコンピュータープログラムによって支援される(Nucleic Acids Research 31(2003)3758-3762)。ただし、この報告では、実験データが不足しているのではなく、これらLNAオリゴヌクレオチドの特性がより複雑であるため、LNAオリゴヌクレオチドの予測誤差がより高いことに明示的に言及する。さらに、開示されるアルゴリズムは、全てのLNAオリゴヌクレオチドの相補的対の設計におけるガイダンスを提供するとは考えられない。同じ結論は、DNA/LNAミキサーオリゴヌクレオチドにおけるLNA:LNA塩基対の分子熱力学について報告しているより最近の出版物(Fakhfakh K.et al.American Institute of Chemical Engineers Journal 61(2015)2711-2731から導くことができる。
【0013】
具体的には、この報告は、LNAモノマーのみからなる相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドが、ワトソン-クリック塩基対合を有する二本鎖分子を形成するそれらの能力に関して実際に予測できない可能性があることを示している。したがって、そのような分子認識を特異的に使用する用途において、ビオチン:(ストレプト)アブジン結合対の技術的に適した代替物を提供するために、代替の結合対を選択及び提供するための技術的手段が必要であり、本報告の目的のために、そのような結合対は、LNAモノマーのみを含む相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドからなることが望まれ、
- オリゴヌクレオチド対は相補的配列を含まなければならず、相補的配列は二本鎖形成及びワトソン-クリック塩基対形成が可能でなければならない。
- 分子認識における保存及び日常的な生化学的用途の条件下では、オリゴヌクレオチド対は、或る用途で結合対を実際に使用する前にいかなる変性処理を必要としてはならず、これは、結合対の各オリゴヌクレオチドが、その結合パートナー、すなわち相補的オリゴヌクレオチド又はその中の相補的配列と整列し、二本鎖を形成する各オリゴヌクレオチドの能力を実質的に低下させ得る分子内又は分子間に形成されたあらゆる二次構造を含んではならないという技術的要件を意味する。
- 日常的な生化学的用途の条件下では、一本鎖対は、分子認識において十分な特異性を同時に確保しながら、ワトソン-クリック対合されたオリゴヌクレオチドの二本鎖を十分に迅速に形成できなければならない。
- 相補的オリゴヌクレオチドの対によって形成される二本鎖は、十分に安定であり、好ましくは、結合対の分子認識を使用する所与の生化学的用途の過程で不可逆的に形成されることが望ましい。
【0014】
したがって、本報告の一般的な目的は、事前の変性工程なしにハイブリダイズすることができ、それにより、適切なアッセイ条件下での分析物検出アッセイにおける結合対としてワトソン-クリック塩基対合で二本鎖分子を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対の同定及び提供である。言い換えると、非変性条件下で、より具体的には、分析物検出アッセイ(イムノアッセイ等であるが、これに限定されない)における分析物特異的受容体の機能と互換性のある条件下で、二本鎖形成が可能な結合対を探求する。重要なことに、相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション及び二本鎖形成を阻害する可能性のある分子間又は分子内二次構造を形成することなく、周囲条件下で保存できるか、更には冷蔵することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドが求められている。また、周囲温度(例えば、室温)の水溶液中等のアッセイ条件下で、事前の変性なしに互いにハイブリダイズすることができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドが求められている。変性の非存在ということは、具体的には、分析物検出アッセイで結合対として使用される相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション及び二本鎖形成を阻害する可能性のある任意の分子間又は分子内二次構造を除去する断続的な工程を意味する。
【発明の概要】
【0015】
本開示は、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第1の態様において、予想外に、別々のss-オリゴヌクレオチドの対であって、各オリゴヌクレオチドは5~15個のLNAモノマーからなり、別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で、水溶液中で互いに逆平行二本鎖を形成することができる、別々のss-オリゴヌクレオチドの対を提供する。本報告は更に、第1の態様の別の実施形態を開示し、該実施形態は、別々のss-オリゴヌクレオチドの対であって、各オリゴヌクレオチドは5~15個のLNAモノマーからなり、別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で、水溶液中で5~15個の連続した塩基対を含む逆平行二本鎖を互いに形成することができる、別々のss-オリゴヌクレオチドの対である。本報告は更に、第1の態様の別の実施形態を開示し、該実施形態は、別々のss-オリゴヌクレオチドの対であって、各オリゴヌクレオチドは5~15個のLNAモノマーからなり、別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で、水溶液中で5~7個の連続した塩基対を含む逆平行二本鎖を互いに形成することができる、別々のss-オリゴヌクレオチドの対である。本報告は更に、第1の態様の更に別の実施形態を開示し、該実施形態は、別々のss-オリゴヌクレオチドの対であって、各オリゴヌクレオチドは5~7個のLNAモノマーからなり、別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で、水溶液中で5~7個の連続した塩基対を含む逆平行二本鎖を互いに形成することができる、別々のss-オリゴヌクレオチドの対である。
【0016】
本開示は、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第2の態様において、0℃~40℃の温度の水溶液中で5~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する方法を提供し、該方法は、
(a)5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)5~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は5~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0017】
本開示は、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第2の態様において、水性溶媒と、第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合対とを含む液体組成物であって、
各オリゴヌクレオチドは、5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなり、各モノマーは核酸塩基を含み、モノマーの核酸塩基は第1のオリゴヌクレオチドの第1の核酸塩基配列及び第2のオリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、
第1の核酸塩基配列及び第2の核酸塩基配列は、第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドが、0℃~40℃の温度で5~15個の連続するワトソン-クリック塩基対の逆平行二本鎖を形成することができるように選択され、
上記結合対は、本明細書に開示される第1の態様による方法によって得られる組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、発明を限定することを意図するものではない。
【0019】
冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、冠詞の文法的対象の1つ又は、2つ以上(即ち、少なくとも1つ)指すために使用される。例として、「1つのアイテム」は、1つのアイテム(1つの単一のアイテム)又は2つ以上のアイテム(複数のアイテム)を意味する。「a」が2つのメンバーの対の一部であるメンバーに関する場合、「a」は対の1つのメンバー、又は複数の両方のメンバー、すなわち対の1つのメンバー又は2つのメンバー全体を示す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」及び/又は「有する(have)」という用語は、記載された特徴、項目、工程、操作、要素、及び/又は成分の存在を指定するが、少なくとも1つ他の特徴、項目、工程、捜査、要素、成分、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解される。同様に、「有する(with)」は、記載された特徴等の存在も指定する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「含む、備える(comprising)」、「含有する、備える(contains)」、「含有する、備える(containing)」「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図している。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の特徴を含むことができる。対照的に、「からなる(consists of)」、「からなる(consisting of)」、又はそれらの任意の他の変形は、特徴の排他的リストを指定する。特に、所与の特徴の排他的リストは、これらの特徴の非排他的リストの特定の実施形態を表すものとして理解される。
【0022】
本明細書で使用される場合、反対のことが明示的に述べられていない限り、「又は」は、排他的論理和ではなく包括的論理和を指す。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aが真(又は存在)かつ、Bが偽(又は非存在)であり、Aが偽(又は非存在)かつBが真(又は存在)であり、AとBが両方とも真(又は存在)である。
【0023】
本明細書で使用される場合、「実質的に」、「相対的に」、「一般的に」、「通常」、「約」及び「およそ」は、そのように修飾された特性からの許容可能な変動を示すことを意図した相対的な修飾語である。それらは、それが修飾する絶対値又は特性に限定されることを意図するものではなく、むしろそのような物理的又は機能的特性に近づくか、又は近似することを意図している。別段の記載がない限り、数値n(「約n」)と組み合わせた「約」という用語は、値の数値±5%によって与えられる区間内の値x、すなわちn-0.05*n≦x≦n+0.05*nを示すことが理解される。数値nと組み合わせた「約」という用語が本発明の実施形態を説明する場合、他に指示がない限り、nの値が最も好ましい。
【0024】
この詳細な説明において、「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、又は「実施形態では(in embodiments)」への言及は、言及されている特徴が、本開示によるその全ての態様に関して本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。更に、「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、又は「実施形態(embodiments)」への個々の言及は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。しかしながら、そのような実施形態は、特に明記しない限り、及び当業者に容易に明らかになることを除いて、相互に排他的ではない。したがって、本開示によるその全ての態様における技術は、本明細書に記載の実施形態の任意の様々な組み合わせ及び/又は統合が包含され得る。
【0025】
本明細書で使用される「固相」という用語は、分子を捕捉するために当業者によって通常使用される固体、半固体、ゲル、フィルム、膜、メッシュ、フェルト、複合材料、粒子、紙、及び分子を分離する等を含む多種多様な材料を指す。固相は、非多孔性又は多孔性であり得る。適切な固相としては、固相結合アッセイにおいて固相として開発及び/又は使用されるものが挙げられる。例えば、参照することで組み込まれる、Immunoassay,E.P.Dianiandis and T.K.Christopoulos eds.,Academic Press:New York,1996の第9章を参照されたい。適切な固相の例としては、メンブレンフィルタ、セルロースベースの紙、ビーズ(ポリマー、ラテックス、及び常磁性粒子を含む)、ガラス、シリコンウェーハ、微粒子、ナノ粒子、TentaGels、AgroGels、PEGAゲル、SPOCCゲル、マルチウェルプレートが挙げられる。例えば、Leon et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.8:2997,1998;Kessler et al.,Agnew.Chem.Int.Ed.40:165,2001;Smith et al.,J.Comb.Med.1:326,1999;Orain et al.,Tetrahedron Lett.42:515,2001;Papanikos et al.,J.Am.Chem.Soc.123:2176,2001;Gottschling et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.11:2997,2001を参照されたい。
【0026】
上記のような固相の表面は、例えば、ブロモアセチル化、シリル化、硝酸を使用するアミノ基の付加、及び中間タンパク質、デンドリマー及び/又は星型ポリマーの付着によって、結合部位を提供するように修飾され得る。このリストは限定することを意味するものではなく、当業者に知られている任意の方法を使用することができる。
【0027】
粒子ベースの分析物特異的結合アッセイは、例えば、特定の比濁分析アッセイ、特定のラテックス凝集分析、及び多種多様な標識又は検出技術を採用した多くの高感度サンドイッチタイプ分析で広く使用されている。
【0028】
粒子は固相の実施形態である。本明細書で使用される「粒子」は、体積、質量、又は平均サイズ等の物理的特性に帰することができる小さな局所的な物体を意味する。したがって、微粒子は、対称的、球状、本質的に球状若しくは球形であるか、又は不規則で非対称な形状若しくは形態であり得る。本発明によって想定される粒子のサイズは変動し得る。一実施形態では、使用されるのは球状の形状であり、例えば、ナノメートル及びマイクロメートルの範囲の直径を持つ微粒子である。一実施形態では、本開示による方法で使用される微粒子は、50ナノメートル~20マイクロメートルの直径を有する。更なる実施形態では、微粒子は、100nm~10μmの間の直径を有する。一実施形態では、本開示による方法で使用される微粒子は、200nm~5μm又は750nm~5μmの直径を有する。
【0029】
上記で本明細書で定義される微粒子は、当業者に知られている任意の適切な材料を含むか、又はそれからなり得、例えば、それらは、無機若しくは有機材料を含むか、又はそれからなるか、又は本質的にそれからなり得る。通常、それらは、金属若しくは金属の合金、又は有機材料を含むか、又はそれからなるか、又は本質的にそれからなり得、或いは炭水化物元素を含むか、又はそれからなるか、又は本質的にそれからなり得る。微粒子の想定される材料の例としては、アガロース、ポリスチレン、ラテックス、ポリビニルアルコール、シリカ、及び強磁性金属、合金、又は組成材料(composition materials)が挙げられる。一実施形態では、微粒子は、磁性若しくは強磁性の金属、合金、又は組成物である。更なる実施形態では、材料は、特定の特性を有し得て、例えば疎水性又は親水性であり得る。このような微粒子は通常、水溶液に分散し、小さな負の表面電荷を保持して、微粒子を分離し、非特異的なクラスター化を回避する。
【0030】
本発明の一実施形態では、微粒子は常磁性微粒子であり、本開示による測定方法におけるそのような粒子の分離は、磁力によって促進される。常磁性又は磁性粒子を溶液/懸濁液から引き出し、溶液/懸濁液の液体を除去して、それらを所望の通り保持しながら、溶液/懸濁液の液体を除去することができ、粒子を、例えば、洗浄することができるように磁力が適用される。本発明による方法で使用される微粒子は、特異的結合対の第1のメンバーでコーティングされている。
【0031】
一般に、「受容体」という用語は、標的分子の特定の空間的及び極性組織、すなわち分析物のエピトープ部位を認識することができる任意の化合物又は組成物を意味する。したがって、本明細書で言及される「分析物特異的受容体」という用語は、分析物に結合するか又は複合体を形成することができる分析物特異的反応物を含む。これには、抗体、特にモノクローナル抗体又は抗体フラグメントが含まれるが、これらに限定されない。このような受容体は、例えば分析物を固定するための分析物のキャッチャーとして機能することができる。抗体によって認識されるエピトープが結合し、続いて分析物の別のエピトープに特異的な標識抗体が結合する。他の受容体は当業者に知られている。受容体ベースのアッセイにおける様々な受容体の特定の使用は、本開示を参照して当業者によって理解されるであろう。
【0032】
「分析物」は、分析物特異的受容体によって結合され得る任意の分子であり得る。一実施形態では、本開示の文脈内での分析物は、核酸(DNA又はRNA)分子、ペプチド、タンパク質、薬物分子、ホルモン又はビタミンである。一実施形態では、本開示の文脈内での分析物は、ペプチド、タンパク質、薬物分子、ホルモン又はビタミンである。別の実施形態では、分析物は、分析物の異なる遺伝子型、アイソザイム、アイソフォーム、血清型、又は突然変異体であるいくつかの変異体を含む。一実施形態では、分析物は感染性病原体の抗原である。感染性病原体の例は、ヒトに感染するウイルス、細菌、原生動物の病原体である。一実施形態では、分析物はウイルス抗原であり、一実施形態では、肝炎ウイルス抗原又はヒトレトロウイルス抗原である。一実施形態では、分析物は、C型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルス又はHIV抗原である。
【0033】
本開示の文脈では、「抗体」という用語は、完全な免疫グロブリン分子、具体的には、IgM、IgD、IgE、IgA又はIgG、並びにFabフラグメント又はVL-、VH-又はCDR領域に関する。さらに、この用語は、キメラ抗体及びヒト化抗体のような修飾及び/又は改変された抗体に関する。この用語はまた、修飾又は改変されたモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体、並びに組換え又は合成的に生成/合成された抗体に関する。この用語はまた、無傷の抗体、並びに分離された軽鎖及び重鎖、Fab、Fab/c、Fv、Fab’、F(ab’)2等の抗体フラグメント/その部分に関する。「抗体」という用語はまた、抗体誘導体、二機能性抗体、及び単鎖Fv(scFv)、二重特異性scFv又は抗体融合タンパク質のような抗体構築物を含む。
【0034】
「検出可能な標識」には、検出可能であるか、又は検出可能にすることができる部分が含まれる。当業者は、標識を、物理的活性化(又は励起)又は化学試薬と組み合わせて検出可能なシグナルを提供することができ、特定のシグナルが減少又は増加するように修飾することができる化合物又は組成物として知しっている。
【0035】
検出可能な標識の特定の実施形態には、分析測定のために電気化学発光(ECL)を利用する多くの市販の機器によって検出可能な標識が含まれる。ECLを放出するように誘導できる種(ECL活性種)がECL標識として使用される。ECL標識の例としては、i)金属が、例えば、Ru含有及びOs含有のトリス-ビピリジル-ルテニウム(RuBpy)部分等の有機金属化合物を含む、第VIII族の貴金属に由来する有機金属化合物、並びにii)ルミノール及び関連化合物が挙げられる。ECLプロセスでECL標識に関与する種は、本明細書ではECL共反応物と呼ばれる。一般的に使用される共反応物としては、RuBpyからのECL用の第三級アミン(例えば、米国特許第5,846,485号を参照されたい)、シュウ酸塩、及び過硫酸塩、並びにルミノールからのECL用の過酸化水素(例えば、米国特許第5,240,863号を参照されたい)が挙げられる。ECL標識によって生成された光を、診断手順のレポーターシグナルとして使用することができる(Bard et al.,米国特許第5,238,808号)。例えば、ECL標識は、抗体、核酸プローブ、受容体又はリガンド等の結合試薬に共有結合させることができ、結合相互作用への結合試薬の関与は、ECL標識から放出されたECLを測定することによってモニターすることができる。或いは、ECL活性化合物からのECLシグナルは、化学的環境を示し得る(例えば、ECL共反応物の形成又は破壊をモニターするECLアッセイを記載している米国特許第5,641,623号を参照されたい)。ECL、ECL標識、ECLアッセイ、及びECLアッセイを実施するための機器の詳細については、米国特許第5,093,268号、米国特許第5,147,806号、米国特許第5,324,457号、米国特許第5,591,581号、米国特許第5,597,910号、米国特許第5,641,623号、米国特許第5,643,713号、米国特許第5,679,519号、米国特許第5,705,402号、米国特許第5,846,485号、米国特許第5,866,434号、米国特許第5,786,141号、米国特許第5,731,147号、米国特許第6,066,448号、米国特許第6,136,268号、米国特許第5,776,672号、米国特許第5,308,754号、米国特許第5,240,863号、米国特許第6,207,369及び米国特許第5,589,136号、並びに国際公開第99/63347号、国際公開第00/03233号、国際公開第99/58962号、国際公開第99/32662号、国際公開第99/14599号、国際公開第98/12539号、国際公開第97/36931及び国際公開第98/57154号を参照されたい。
【0036】
生化学の分野における一般的な知識に沿って、「結合対」は、2つの異なるパートナーのセット、すなわち、第1のパートナー若しくはパートナーの種若しくはパートナー種及び第2のパートナー若しくはパートナーの種若しくはパートナー種、又は上記対の第1のメンバー及び第2のメンバー、又は第1の種及び第2の種であると理解される。非変性条件下では、パートナーは分子レベルで他の種のパートナーを特異的に認識することができる。認識されると、結合対のパートナーは、第1のパートナーと第2のパートナーを接続する安定した非共有分子間結合を形成する。結合対を作成するためにパートナー種を選択するときは、各パートナーが同じ種の別のパートナーと結合を形成しないことが重要である。つまり、2つの第1のパートナー又は2つの第2のパートナーの間に安定した分子内結合が形成されるべきではない。
【0037】
この文書全体を通して、結合対の第1のメンバーと第2のメンバーとの間の句読点(「:」)は、結合対の第1のメンバーと第2のメンバーとの特定の結合、又はそのような特定の結合を形成する能力を示すために使用することができ、したがって「メンバー1:メンバー2」で表される。通常、第1のメンバー及び第2のメンバーは異なる種に属し、すなわち、第1のメンバー及び第2のメンバーは同一の化合物ではない。したがって、文脈に応じて、「メンバー1:メンバー2」は、メンバー1とメンバー2とが結合対を形成することができ、メンバー1がメンバー2を特異的に認識して結合することができることを意味し得る。又は、文脈に応じて、「メンバー1:メンバー2」は、メンバー1とメンバー2とが結合した対であることを意味し得る。また、特に記載のない限り、メンバーは、単離された化合物としてのメンバーだけでなく、別の実体に結合している、例えば別の実体の部分を形成しているメンバーも含むことが理解される。例として、「(ストレプト)アビジン:ビオチン」(「ビオチン:(ストレプト)アビジン」)結合対は、当業者に完全に公知である。一方ではビオチン又はビオチン部分、他方では(ストレプト)アビジン又は別の構造に結合した(ストレプト)アビジンは、この例示的な結合対の2つのメンバーを表す。
【0038】
一本鎖の「核酸」は、ヌクレオチドの単量体単位で構成されるポリマーである。核酸を構成する各ヌクレオチドは、リン酸、糖、及び核酸塩基で構成されている。核酸のヌクレオチド鎖は、3’,5’ホスホジエステル結合によって連結されている。これは、1つのヌクレオチドの5’-ホスホル基が隣接するヌクレオチドの3’-ヒドロキシルとエステル化されていることを意味する。
【0039】
一本鎖「オリゴヌクレオチド」は、通常、ある糖分子の3’炭素原子と別の糖分子の5’炭素原子との間のホスホジエステル結合によって接続された最大約15ヌクレオチドのモノマーからなる短い核酸である。オリゴヌクレオチドに含まれるモノマー(一般的な意味で)は、天然に存在するモノマーだけでなく、ヌクレオチド類縁体とも呼ばれる非天然に存在するモノマーでもあり得る。非限定的な方法では、例示的な類縁体は、リボース又はデオキシリボース以外の糖部分、特に、糖の環が2’-O原子と4’-C原子を接続するメチレン架橋によって「ロック」されているリボースを含む。本開示の目的のため、ヌクレオチドという用語は、オリゴヌクレオチド中のモノマーとして天然及び非天然に存在するヌクレオチドを包含する。したがって、この定義によるオリゴヌクレオチドは、天然又は非天然に存在するモノマーのみから構成することができ、又はそれらの混合物から構成することができる。さらに、異なるクラスの非天然モノマー(例えば、PNA、D-LNA、L-LNA、ホモDNA(ヘキソース糖を含む)、HNA(ヘキシトール、ヘキシトール糖、ヘキシトール核酸を含む)、L-DNA等)は、特に明記しない限り、オリゴヌクレオチドに含まれ得る。
【0040】
非天然モノマーは、それ自体が天然に存在する核酸塩基又はその非天然に存在する類縁体であり得る核酸塩基を含み得る。「核酸塩基」は、窒素含有不飽和炭化水素化合物であり、平面複素環部分を含む。天然に存在する核酸塩基は、プリン及びピリミジンの2つの主要な形態に分類することができる。プリンとピリミジンはどちらも複素環式芳香族化合物であるが、化学構造に基づいて区別することができる。プリンは2つの炭素環として発生するが、ピリミジンは1つの炭素環として発生する。プリンは、イミダゾール環に融合したピリミジン環を持つ。ピリミジンにはピリミジン環しかなく、プリンには4つの窒素原子があるが、ピリミジンには2つの窒素原子がある。核酸塩基は、通常5炭素リボース又はデオキシリボース、或いはそれらの誘導体(ロックリボース等)である糖部分に結合すると、ヌクレオシドを形成する。したがって、ヌクレオシドはグリコシルアミンであり、例えば、シチジン、ウリジン、アデノシン、グアノシン、チミジン、及びイノシンが挙げられる。これらの例では、5炭素糖のアノマー炭素は、グリコシド結合を介してプリンのN9又はピリミジンのN1に結合している。
【0041】
ヌクレオシドは、リン酸部分又はその誘導体若しくは機能的類縁体を更に含むヌクレオチドの成分である。ヌクレオチドは一本鎖核酸の単量体単位である。DNAのような二本鎖核酸では、核酸塩基は対になっている。相補的な2つの核酸塩基は水素結合によって接続されている。
【0042】
「核酸塩基」という用語は、標準的及び非標準的な天然に存在する核酸塩基及びそれらの類縁体を含む。天然に存在しない多数の核酸塩基が知られている。本開示の目的のため、これらの核酸塩基類縁体は具体的には実施形態と見なされ、第1のオリゴヌクレオチド鎖の一部である核酸塩基類縁体は、第2のオリゴヌクレオチド鎖において別の隣接する核酸塩基と一又は複数の水素結合を形成することができ、2つのオリゴヌクレオチド鎖は、対になって二本鎖、具体的には逆平行二本鎖を形成する。通常、二本鎖の塩基対の核酸塩基は平面配向にある。本開示の目的のため、核酸塩基の非限定的な編集物としては、N4-アセチルシトシン、5-アセチルウラシル、4-アミノ-6-クロロピリミジン、4-アミノ-5-フルオロ-2-メトキシピリミジン、6-アミノ-1-メチルウラシル、5-アミノオロチン酸、5-アミノウラシル、6-アミノウラシル、6-アザウラシル、N4-ベンゾイルシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、6-クロロウラシル、6-クロロメチルウラシル、6-クロロ-3-メチルウラシル、シトシン、5,6-ジメチルウラシル、5-エチルウラシル、5-エチニルウラシル、5-フルオロシトシン、5-フルオロオロチン酸、5-フルオロウラシル、5-ヨード-2,4-ジメトキシピリミジン、5-ヨードウラシル、イソシトシン、5-メチルシトシン、6-メチル-5-ニトロウラシル、2-メチルチオ-4-ピリミジノール、5-メチル-2-チオウラシル、6-メチル-2-チオウラシル、6-メチルウラシル、5-ニトロウラシル、オロチン酸、6-フェニル-2-チオウラシル、6-プロピル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、チミン、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、ウラシル、アデニン、8-アザヒポキサンチン、8-アザグアニン、アロプリノール、4-アミノピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、2-アミノプリン、2-アセトアミド-6-ヒドロキシプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、2-アミノ-6-ヨードプリン、アザチオプリン、4-アミノ-6-ヒドロキシピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、アミノフィリン、N6-ベンジルアデニン、N6-ベンゾイルアデニン、6-ベンジルオキシプリン、8-ブロモテオフィリン、8-ブロモ-3-メチルキサンチン、8-ブロモ-7-(2-ブチン-1-イル)-3-メチルキサンチン、6-クロロプリン、8-クロロテオフィリン、6-クロロ-2-フルオロプリン、6-クロロ-7-デアザプリン、2-クロロアデニン、6-クロロ-7-ヨード-7-デアザプリン、2,6-ジアミノプリン、2,6-ジクロロプリン、6-(ジメチルアミノ)プリン、2,6-ジクロロ-7-デアザプリン、5,6-ジクロロベンズイミダゾール塩酸塩、7-デアザヒポキサンチン、2-フルオロアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、イソグアニン、3-ヨード-1H-ピラゾロ-[3,4-d]ピリミジン-4-アミン、キネチン、6-メルカプトプリン、6-メトキシプリン、3-メチルキサンチン、1-メチルキサンチン、3-メチルアデニン、O6-(シクロヘキシルメチル)グアニン、6-チオグアニン、2-チオキサンチン、キサンチン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニル-シチジン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニル-シトシン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、7-プロピニル-7-デアザアデニン、7-プロピニル-7-デアザグアニン、及びその誘導体からなる群から選択される化合物が挙げられる。
【0043】
相補的な一本鎖オリゴ又はポリヌクレオチドは、二本鎖(「二本鎖」)核酸を形成することができる。二本鎖形成は、結合対の実施形態としての2つの少なくとも部分的に相補的な一本鎖核酸の配列特異的相互作用による、部分的又は完全に二本鎖(二本鎖)核酸(例えば、DNA:DNA、DNA:RNA、RNA:RNA、LNA:DNA、LNA:LNA等)の形成を示す「ハイブリダイゼーション」という用語でも知られている。相補的な一本鎖核酸の会合又は分離された(変性した)二本鎖の再生は、完全に相補的な鎖間のハイブリダイゼーションを説明するためにしばしば使用される。
【0044】
「アニーリング」としても知られる水溶液中でのハイブリダイゼーションは、本開示の不可欠な部分である。ハイブリダイズしたオリゴ又はポリヌクレオチド(その類縁体を含む)の二本鎖分子に関して、当業者は、融解温度、ハイブリダイゼーション速度、並びに解離速度及び温度が相互に関連していることを理解している。
【0045】
常識に沿って、「ワトソン-クリック塩基対」は、二本鎖核酸ヘリックス(二本鎖)内の単一の非共有結合架橋であり、二本鎖の各一本鎖はオリゴヌクレオチドである。したがって、二本鎖の例示的な実施形態では、2つのオリゴヌクレオチド鎖は、オリゴヌクレオチド骨格糖から内側に突出するプリン及びピリミジン塩基の対によって架橋され、水素結合によって結合されて、例えば、アデニンはチミンと対になり、シトシンはグアニンと対になる。上記と一致して、核酸塩基の対が相補的に相互作用し、それによって二本鎖核酸ヘリックス(二本鎖)に単一の非共有結合架橋を形成することができる限り、核酸塩基は天然に存在する核酸塩基又はその類縁体であり得る。
【0046】
一本鎖核酸の二次構造モチーフが一般に意図されたハイブリダイゼーション反応を損なうことは一般的な知識である(例えば、Koehler R.T.&Peyret N.Comput Biol Chem.29(2005)393-397によって考察されている)。この知見は、一本鎖LNAオリゴヌクレオチドを含むss-オリゴヌクレオチドにも当てはまる。二次構造は、水素結合又は疎水性相互作用等の分子内相互作用によって駆動される、一本鎖分子の内部フォールディングによって生じる可能性がある。第1の一本鎖オリゴヌクレオチドの特定の場合において、特定の折り畳まれた構造が熱力学的に有利になり得、折り畳まれた構造は、次に、相補的な第2のオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列の妨害されない提示を妨げる。したがって、そのような構造を予測して回避するための努力が必要である。逆に、標的結合部位の二次構造もハイブリダイゼーションを損なう可能性がある。したがって、オリゴヌクレオチドからなる結合対の両方のパートナーの二次構造の評価が必要である。予測の根底にある不完全な経験的規則及びパラメーター、並びにフォールディングアルゴリズムが配列の長さに関してスケーリングが不十分であるという事実等、いくつかの課題がこの目標を混乱させる。
【0047】
さらに、同じオリゴヌクレオチド種のメンバー、すなわち同一の核酸塩基配列を共有するオリゴヌクレオチドの間に、部分的に相補的であり得、それにより一又は複数の核酸塩基のワトソン-クリック塩基対合による分子間相互作用を潜在的に生じさせることができる一又は複数の部分が存在し得る。そうでなければ、非ワトソンクリック(例えばフーグスティーン(Hoogsteen))塩基対合による、又は他の形態の分子間相互作用によって分子間相互作用を引き起こす可能性がある配列内に1つ以上の部分が存在する可能性もある。分子内フォールディング(上記参照)の場合のように、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドのメンバー間の分子内相互作用は、熱力学的に有利な構造をもたらす可能性があり、次いで、そのような構造は、相補的な第2のオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列の妨げのない提示を妨げる。
【0048】
不要な分子間又は分子内構造が発生した場合、変性によってそれらを排除することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の技術分野でのss-オリゴヌクレオチドの使用から、アニーリング工程の前に通常は加熱工程があり、それによって加熱工程でオリゴヌクレオチドが変性する、すなわち分子内二次構造が破壊されることが知られている。加熱工程では、通常オリゴヌクレオチドと標的配列との間のアニーリングの適切な条件を提供することを目的とした、段階的で制御された温度低下が続く。しかしながら、PCRは、十分に熱安定性のある反応パートナー、例えば、オリゴヌクレオチドプライマー、ヌクレオシド三リン酸、塩、緩衝液、及び熱安定性ポリメラーゼ酵素を含むプロセスである。しかしながら、オリゴヌクレオチドのアニーリングが役割を果たす可能性のある他のプロセスは、熱又は他の種類の変性処理を適用することを禁じており、そのようなプロセスには、不可逆的に分解する可能性のある変性感受性成分が含まれる可能性があるためである。これは特に(排他的ではないが)、抗体等のタンパク質性分析物特異的受容体が重要な機能的役割を果たす分析物検出アッセイの場合である。したがって、本開示及び驚くべき知見の報告は、熱の適用、具体的には68℃を超える温度でのインキュベーション(Childs J.L.PNAS 99(2002)11091-11096のように)が不可能な技術的設定を具体的に扱う。実用上の理由から、イムノアッセイ等のほとんどのアッセイでは、40℃を超える温度は望ましくない。すなわち、相補的なオリゴヌクレオチドからなる結合対を実際に使用する場合、特に望ましい条件は0℃~40℃である。そして、これらの条件下では、任意の技術的応用は、オリゴヌクレオチド結合対の単離された結合パートナーに関しておそらく当てはまるであろう分子内又は分子間構造の影響を受けない必要がある。
【0049】
オリゴヌクレオチドを含む核酸の変性のための他の選択肢は、DNAに関する報告から当業者に知られている。DNA変性のいくつかの方法は当該技術分野で知られており、加熱、水中の0.01mol/L超のNaOH(pH12以上)に相当するアルカリ性条件下でのインキュベーション、ジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下でのインキュベーション、ホルムアミドの存在下でのインキュベーション、カオトロピック化合物の存在下でのインキュベーション、超音波処理の存在下でのインキュベーションを含む。そのような処理は、ss-DNAだけでなくss-LNAを作製及び/又は安定化するための条件を提供するだけでなく、それにもかかわらず、抗体等のタンパク質性分析物特異的受容体が重要な機能的役割を果たす分析物を検出するアッセイでは望ましくないことが明らかである。
【0050】
したがって、本報告に提示される技術的アプローチの任意の態様及び実施形態では、一方では水溶液中の全LNA ss-オリゴヌクレオチドの種の望ましくない分子内及び分子間構造を打ち消すことができるかもしれないが、他方では回避されるべき「変性条件」は、40℃を超える温度の適用、68℃を超える温度(熱)の適用、超音波処理の適用、水中0.01mol/L超のNaOHに相当するアルカリ性条件下でのインキュベーション、分子内及び分子間構造を破壊できる濃度のジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下でのインキュベーション、分子内及び分子間構造を破壊することができる濃度のホルムアミドの存在下でのインキュベーション、分子内及び分子間構造を破壊することができる濃度のカオトロピック化合物の存在下でのインキュベーション、及びこれらの混合からなる群から選択される。本報告の目的のため、変性条件が存在しない実施形態(非変性条件下での実施形態)は、40℃を超える温度、68℃を超える温度(熱)、超音波処理の適用、水中0.01 mol/L超のNaOHに相当するアルカリ性条件下でのインキュベーション、分子内及び分子間構造を破壊することができる濃度のジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下でのインキュベーション、分子内及び分子間構造を破壊することができる濃度のホルムアミドの存在下でのインキュベーション、分子内及び分子間構造を破壊することができる濃度のカオトロピック化合物の存在下でのインキュベーション、及びそれらの混合の適用の不在及び/又は欠如である。
【0051】
具体的には、非変性条件下では、結合対の各パートナーは、他の種のパートナーとの結合を形成できなくなる状態にする分子内結合を全く形成しないことが望ましい。前に説明したように、例として、そのような望ましくない場合には、分子内フォールディング及びパートナー種における特定のフォールディングの安定化は、非変性条件下で、結合対の2つの異なる種の所望の分子内結合を阻害又は防止をするのに十分安定である二次構造をもたらすであろう。
【0052】
5個以上のモノマーを含む全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、非変性条件を考慮して、具体的には本明細書に詳述される変性処理の適用を除外して、当業者が利用できる本ツールによって確実に予測できない特徴を有する。実用上の理由から、本研究は、変性条件の非存在下で、2つの別々の一本鎖種からハイブリダイズした二本鎖を形成することができるss-オリゴヌクレオチドを同定するために、最大15個のLNAモノマーからなるss-オリゴヌクレオチドに限定した。すなわち、結合対の各メンバーは、あらゆる分子間又は分子内構造を十分に欠いている必要がある。相補的な全LNAオリゴヌクレオチドに関してそのような場合を当然のことと見なすことはできないということは、本報告に示されている。
【0053】
したがって、本開示は、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第1の態様において、予想外に、別々のss-オリゴヌクレオチドの対を提供し、各オリゴヌクレオチドは、5~15個のLNAモノマーからなり、二本鎖形成前の変性条件の非存在下で、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドは、互いに逆平行二本鎖を形成することができる。信頼性が不確かな理論的及び/又はコンピュータにより実施されるモデルとは無関係に、そのような対は、次のような第2の態様の方法によって、予想外に識別及び提供される可能性がある。この報告の作成者の知る限り、このような方法はこれまでに示されておらず、提案もされていない。
【0054】
したがって、本開示は、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第2の態様において、0℃~40℃の温度の水溶液中で5~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する方法であって、
(a)5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)5~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は5~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0055】
実施形態では、具体的には、工程(c)及び工程(d)は、上記のように「変性条件」として指定された条件の非存在下で実施される。
【0056】
この第2の態様の特定の実施形態、本明細書に開示される他の全ての態様及び実施形態に関連する特定の実施形態は、0℃~40℃の温度で水溶液中で5~7個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択し提供する方法を提供し、該方法は、
(a)5~7個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)5~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は5~7個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0057】
実施形態では、具体的には、工程(c)及び工程(d)は、上記のように「変性条件」として指定された条件の非存在下で実施される。
【0058】
各一本鎖オリゴヌクレオチドはモノマーからなり、各モノマーはリボヌクレオシド類縁体であり、リボヌクレオシド類縁体のリボース部分において、メチレンが2’-酸素原子と4’-炭素原子を接続し、それによってリボースをC3-エンドコンフォメーションにロックする。本開示による全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、標準的な技術を使用して、単一のLNAヌクレオシドの保護されたホスホルアミダイト等のビルディングブロックを使用して化学的に合成することができる。
【0059】
各LNAモノマーは、核酸塩基を含み、核酸塩基は、カノニカル又は非カノニカルの天然に存在する核酸塩基及び天然に存在しない核酸塩基から選択される。実施形態では、LNAモノマーは、N4-アセチルシトシン、5-アセチルウラシル、4-アミノ-6-クロロピリミジン、4-アミノ-5-フルオロ-2-メトキシピリミジン、6-アミノ-1-メチルウラシル、5-アミノオロチン酸、5-アミノウラシル、6-アミノウラシル、6-アザウラシル、N4-ベンゾイルシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、6-クロロウラシル、6-クロロメチルウラシル、6-クロロ-3-メチルウラシル、シトシン、5,6-ジメチルウラシル、5-エチルウラシル、5-エチニルウラシル、5-フルオロシトシン、5-フルオロオロチン酸、5-フルオロウラシル、5-ヨード-2,4-ジメトキシピリミジン、5-ヨードウラシル、イソシトシン、5-メチルシトシン、6-メチル-5-ニトロウラシル、2-メチルチオ-4-ピリミジノール、5-メチル-2-チオウラシル、6-メチル-2-チオウラシル、6-メチルウラシル、5-ニトロウラシル、オロチン酸、6-フェニル-2-チオウラシル、6-プロピル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、チミン、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、ウラシル、アデニン、8-アザヒポキサンチン、8-アザグアニン、アロプリノール、4-アミノピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、2-アミノプリン、2-アセトアミド-6-ヒドロキシプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、2-アミノ-6-ヨードプリン、アザチオプリン、4-アミノ-6-ヒドロキシピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、アミノフィリン、N6-ベンジルアデニン、N6-ベンゾイルアデニン、6-ベンジルオキシプリン、8-ブロモテオフィリン、8-ブロモ-3-メチルキサンチン、8-ブロモ-7-(2-ブチン-1-イル)-3-メチルキサンチン、6-クロロプリン、8-クロロテオフィリン、6-クロロ-2-フルオロプリン、6-クロロ-7-デアザプリン、2-クロロアデニン、6-クロロ-7-ヨード-7-デアザプリン、2,6-ジアミノプリン、2,6-ジクロロプリン、6-(ジメチルアミノ)プリン、2,6-ジクロロ-7-デアザプリン、5,6-ジクロロベンズイミダゾール塩酸塩、7-デアザヒポキサンチン、2-フルオロアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、9-(2-ヒドロキシエチル)アデニン、イソグアニン、3-ヨード-1H-ピラゾロ-[3,4-d]ピリミジン-4-アミン、キネチン、6-メルカプトプリン、6-メトキシプリン、3-メチルキサンチン、1-メチルキサンチン、3-メチルアデニン、O6-(シクロヘキシルメチル)グアニン、6-チオグアニン、2-チオキサンチン、キサンチン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニル-シチジン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、7-プロピニル-7-デアザアデニン、7-プロピニル-7-デアザグアニン、及びその誘導体からなる群から選択される核酸塩基を含む。
【0060】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態による全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、いくつかのモノマーを含み得、その数は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14及び15からなる群から選択される。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、第1のss-オリゴヌクレオチドは、8~15個のモノマー(すなわち、8、9、10、11、12、13、14、及び15個のモノマーから選択される数)からなる。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する別の実施形態では、第1のss-オリゴヌクレオチドは、9~11個のモノマー(すなわち、9、10及び11個のモノマーから選択される数)からなり、また本明細書に開示される全ての態様及び実施形態のより特定の実施形態では、第1のss-オリゴヌクレオチドは、9個のモノマーからなる。
【0061】
最初の実験では、第一に、結合パートナーに対する高い結合特異性、第二に、結合対の2つのパートナーがハイブリダイズして二本鎖を形成する好ましい速度、そして第三に、再び一本鎖に解離する実質的な検出可能な傾向を持たない安定した二本鎖の形成の組合せを提供するために、これらのオリゴサイズを使用した。驚くべきことに、7、6、更には5個の連続したLNAモノマーからなる相補的核酸塩基配列を持つ全LNA ss-オリゴヌクレオチドの結合対であっても、十分な特異性、対合速度、及び二本鎖安定性の基準を満たすことができることがわかった。更に驚くべきことに、これらの基準は、限定されるものではないが、イムノアッセイ等の標的分析物の検出のためのアッセイにおける分子認識の手段として全LNA ss-オリゴヌクレオチドの結合対を使用するための前提条件である特定の周囲条件下で満たされた。したがって、本明細書に開示される他の全ての態様に関連する特定の実施形態は、0℃~40℃の温度の水溶液中で5、6又は7個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供するための方法であって、該方法は、記載される特定の実施形態である。
【0062】
本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関連する別の特定の実施形態は、別々のss-オリゴヌクレオチドの対であり、各オリゴヌクレオチドは5~7個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができる。他の全ての態様に関連する別の実施形態は、各ss-オリゴヌクレオチドに含まれる5、6、又は7個のLNAモノマーの相補的核酸塩基配列を共有するss-オリゴヌクレオチドの対であり、該結合対は、水溶液中、変性条件の非存在下で、全LNA二本鎖を形成することができる。上で既に説明したように、変性条件の非存在下とは、ss-オリゴヌクレオチドのいずれも二本鎖形成の前に変性を受けておらず、結合対のメンバーが水溶液中で互いに接触した後のインキュベーションの変性処理部分でもないことを意味する。
【0063】
より短いLNAオリゴマーはさほど複雑ではなく、合成がより経済的であり、水溶液中での分子認識のための相補的結合パートナーの理想的な供給源を提供する。
【0064】
この報告の全ての態様に関連する特定の実施形態では、結合対のメンバーは、全LNA ss-オリゴヌクレオチドであり、全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、より大きな全LNA ss-オリゴヌクレオチドのフラグメントであり、より大きなss-オリゴヌクレオチドは、本明細書で提供される第2の態様による、一本鎖全LNAの結合対を選択及び提供するための方法によって選択及び提供される結合対の1つのメンバー、パートナー又は種である。その特定の実施形態では、より大きなオリゴヌクレオチドは、8~15個のLNAモノマーを含み、フラグメントはより大きなフラグメントの隣接する核酸塩基部分配列を含み、該フラグメントは5~7個のLNAモノマーを含む。したがって、或る実施形態における結合対は、それぞれが5、6又は7個のLNAモノマーを含む第1の全LNA ss-オリゴヌクレオチド及び第2の全LNA ss-オリゴヌクレオチドからなり、第1の全LNA ss-オリゴヌクレオチド及び第2の全LNA ss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は相補的であり、それにより5、6又は7個の塩基対と逆平行二本鎖を形成することができ、結合対の各メンバーは、本明細書で提供される第2の態様による方法によって選択及び提供される、より大きな全LNA ss-オリゴヌクレオチドのフラグメントである。特定の実施形態では、第1の全LNA ss-オリゴヌクレオチド及び第2の全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、それぞれ5個のモノマーからなる。別の特定の実施形態では、第1の全LNA ss-オリゴヌクレオチド及び第2の全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、それぞれ6個のモノマーからなる。更に別の特定の実施形態では、第1の全LNA ss-オリゴヌクレオチド及び第2の全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、それぞれ7個のモノマーからなる。
【0065】
したがって、本開示は、本明細書に開示される特に第2の態様のみならず全ての他の態様及び実施形態に関する第3の態様において、0℃~40℃の温度の水溶液中で5~7個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する方法であって、
(a)8~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)8~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は8~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)工程(f)で選択された結合対のオリゴヌクレオチドから第1の隣接する核酸塩基部分配列を選択し、それにより、オリゴヌクレオチドのフラグメントを作製し、該フラグメントは5~7個のLNAモノマーからなる、工程、
(h)任意に、工程(f)で選択された結合対の他のオリゴヌクレオチドから第2の隣接する核酸塩基部分配列を選択し、第2の部分配列は、工程(g)の第1の部分配列に相補的であり、それにより、他のオリゴヌクレオチドを作製し、該フラグメントは5~7個のLNAモノマーからなる、工程、
(i)工程(g)のss-オリゴヌクレオチドフラグメントと工程(h)のss-オリゴヌクレオチドフラグメントを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0066】
実施形態では、具体的には、工程(c)及び工程(d)は、上記のように「変性条件」として指定された条件の非存在下で実施される。
【0067】
選択したフラグメントは、0℃~40℃の温度の水溶液中で逆平行二本鎖を形成できるという特性に関して容易に確認することができる。したがって、特定の実施形態では、該方法は、以下の追加の工程を含む。
(k)(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のss-オリゴヌクレオチドフラグメントを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のss-オリゴヌクレオチドフラグメントを混合する工程、
(l)(k)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のオリゴヌクレオチドフラグメントを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のオリゴヌクレオチドフラグメントを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(m)工程(l)の二本鎖であるが、ss-オリゴヌクレオチドフラグメントが検出可能に存在しない場合に、結合対を選択する工程。
【0068】
本報告は、ビオチン及び(ストレプト)アビジン等の他の結合対を置き換えることができる結合対として一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドを提供する。すなわち、本明細書の全ての態様及び実施形態に関連して、LNAモノマーからなり、上に提示された第2及び/又は第3の態様による方法によって得られる、ss-オリゴヌクレオチドの全ての結合対(そのフラグメントである結合対を含む)は、具体的には、非変性条件下で二本鎖形成が可能である。したがって、非変性条件下で提供され、任意に保存されるそのような各ss-オリゴヌクレオチドは、非変性条件下でその結合パートナーとのハイブリダイゼーションが可能であり、非変性条件下でこの品質を保持する。
【0069】
より具体的には、本開示の文脈における「変性条件」は、実施形態として、長さが20塩基対で、15℃以上で50%のG+C含量を有するDNA二本鎖の融解温度を低下させることができる変性剤の任意の存在又は添加を含む。
【0070】
変性条件は、これらの化合物の必要な能力及び機能を維持するために、タンパク質性分析物特異的受容体を使用して標的分析物を検出するためのアッセイを実行しなければならない条件を除外する。すなわち、これらの化合物に必要な能力及び機能は、変性状態の存在下で失われる可能性がある。同時に、これらの非変性条件は、68℃を超える温度、超音波処理の適用、水中0.01mol/L超のNaOHに相当するアルカリ性条件下でのインキュベーション、ジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下でのインキュベーション、ホルムアミドの存在下でのインキュベーション、カオトロピック化合物の存在下でのインキュベーション、及びこれらの混合のいずれかを除外し、一本鎖全LNA ss-オリゴヌクレオチドが存在する場合に、これらの条件のいずれかが一本鎖全LNA ss-オリゴヌクレオチドの分子内及び分子間構造を破壊することができる程度に適用されると、分子内及び分子間構造は、オリゴヌクレオチドと相補的一本鎖全LNAss-オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション及び二本鎖形成を妨げる可能性がある。重要なことに、本報告によって教示される全LNA ss-オリゴヌクレオチドは、そのような変性条件のいずれも必要とせず、単離された形態のオリゴヌクレオチドも、結合対としてのオリゴヌクレオチドも、すなわち、一方のメンバーが他方と接触している間も必要としない。
【0071】
第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドは、同じサイズである必要はない、すなわち、同じ数のモノマーからなる必要はない。しかしながら、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを構成する同数のモノマーは、本明細書に開示される全ての態様及び実施形態にお関連する特定の実施形態である。
【0072】
当業者に知られているように、2個のオリゴヌクレオチドは、互いに平行に走るが反対の配列で走る場合、逆平行である。具体的な例は、互いに並んで反対方向に走っている二本鎖の2本の相補鎖によって与えられる。結果として、二本鎖の各末端は、反対側の第2の鎖の3’末端に隣接する/整列する第1の鎖の5’末端を含む。DNA及びRNAと同様に、LNAはワトソン-クリック塩基対合を示す(Koshkin,A.A.et al.J Am Chem Soc 120(1998)13252-13260)。
【0073】
相補的な反対の鎖上の水素結合形成塩基を含む特定のワトソン-クリック塩基対形成は、当業者によく知られており、当技術分野で広く公開されている特徴である。例として、標準的な塩基対であるアデニン:チミン、アデニン:ウラシル、及びシトシン:グアニンが挙げられる。他のワトソン-クリック塩基対としては、5-メチルシトシン:グアニン、5-ヒドロキシメチルシトシン:グアニン、7-デアザグアニン:シトシン、及び5-クロロウラシル:7-デアザアデニンが挙げられる。更に多くのことが当技術分野で知られている。
【0074】
結合対の2つのメンバーを結合するには、一方を他方に接続する必要がある。接触工程に続いて、2つのメンバーは互いに相互作用して二本鎖を形成することができる。上で説明したように、この目的のために変性条件は必要ない。重要なことに、2つの異なる(すなわち、第1及び第2の)ss-オリゴヌクレオチドと接触した後(例えば、上に開示される第2の態様による工程(c)を参照されたい)、本明細書で報告される方法の工程(d)は、20分以下の時間間隔でのインキュベーションを指定する。すなわち、二本鎖の形成は迅速であり、二本鎖を形成できる範囲で、このプロセスは20分以内に実質的に完了する。この点に関して、本明細書に開示される全ての態様及び実施形態では、一本鎖全LNA結合パートナー(オリゴヌクレオチド)は、特に分子認識及び結合に関して、ビオチン及び(ストレプト)アビジンに匹敵する条件下で互いに結合することができることに留意されたい。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する特定の実施形態では、二本鎖形成のための(すなわち、接触工程に続く)時間間隔は、1秒~20分、1秒~15分、1秒~10分、1秒~5分、1秒~1分、1秒~30秒、1秒~20秒、1秒~10秒、及び1秒~5秒からなる群から選択される。非常に望ましい有利な時間間隔は、1秒~10秒、及び1秒~5秒から選択される。
【0075】
重要なことに、工程(c)の前に、第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドは変性処理を必要としないが、非変性条件下、特に非変性温度で、同時に保存又は保持して望ましくない結果を回避する。特に、本明細書で報告されているss-オリゴヌクレオチドは、存在しないとは言わないまでも、二次構造に安定して折りたたまれる傾向が非常に低く、相補的な全LNAオリゴヌクレオチドが二本鎖を形成する能力を妨げる可能性があることを特徴とする。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドは、-80℃~40℃で、具体的には0℃~40 ℃、より具体的には25℃~37 ℃の温度で保たれる。5~15個のモノマーを含む一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの非変性温度は、68℃未満、より具体的には40℃未満の温度である。
【0076】
工程(c)及び/又は工程(d)で本明細書に開示される全ての(具体的には第2及び第3の)態様及び実施形態に関連する特定の実施形態では、温度は68℃より低く、より具体的には、温度は40℃より低く、更に具体的には、温度は0℃~37℃である。第2又は第3の態様の方法では、工程(c)において、温度は、工程(d)における温度とは独立して選択され、逆もまた同様である。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する特定の実施形態では、工程(c)及び工程(d)の温度は5℃を超えて異ならないか、又は両工程は同じ温度で実施される。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する更により特定の実施形態では、工程(c)及び/又は工程(d)において、温度は25℃~40℃、更により具体的には25℃~37℃である。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する別の特定の実施形態では、工程(c)の前に、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドは、-80℃~40℃で、具体的には0℃~40℃、より具体的には25℃~37℃の温度で保たれる。
【0077】
本明細書に開示される全ての(具体的には第2及び第3の)態様及び実施形態に関連する別の実施形態では、工程(c)の前に、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドは、溶液のpHをpH6~pH8、より具体的にはpH6.5~pH7.5に維持する緩衝液を含む水溶液中に保管及び/又は保持される。
【0078】
本明細書に開示される全ての(具体的には第2及び第3の)態様及び実施形態に関連する更に別の実施形態では、工程(c)において、水溶液は、溶液のpHをpH6~pH8、より具体的にはpH6.5~pH7.5に維持する緩衝液を含む。本明細書に開示される全ての(具体的には第2及び第3の)態様及び実施形態に関連する別の実施形態では、工程(c)において、水溶液は、10mmol/L~500mmol/L、より具体的には、200mmol/L~300mmol/L、より具体的には、10mmol/L~150mmol/L、より具体的には50mmol/L~200mmol/Lの溶解物質の総量を含む。
【0079】
混合(工程(c))及びインキュベーション(工程(d))の工程中に適用される本明細書に記載の条件は、別々のss-オリゴヌクレオチドが保持される条件にも同様に適用される。したがって、実施形態では、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドは、工程(c)の前に変性条件の非存在下に保たれる。これには、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドが、工程(c)の前に変性条件の非存在下でプレインキュベートされる任意の実施形態が含まれる。実施形態では、工程(c)の前に、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドは、-80℃~40℃、具体的には0℃~40℃、より具体的には25℃~37℃の温度で水溶液中に保持される。更なる実施形態では、工程(c)の前に、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドは、変性化合物の非存在下、具体的にはホルムアミド及びDMSOのいずれの非存在下でも水溶液中に保持される。
【0080】
工程(d)のインキュベーションは、2つの相補的な全LNA ss-オリゴヌクレオチドが実際に互いに分子的に認識できるという条件で、二本鎖形成の条件を提供する。さらに、疑わしい結合対の一方又は両方の種内の分子間及び分子内構造について説明する。例えば、工程(c)の前の1つの種の二次構造構造が存在する場合、工程(d)の二本鎖形成が阻害される可能性がある。次の工程(e)は、変性の非存在下で二本鎖形成が起こったかどうかを調べるために必要である。工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドの検出及び定量化を行う工程(e)。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、工程(e)が、工程(d)のインキュベートされた混合物を、移動相として水性溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーに供することを含む。したがって、カラムクロマトグラフィーは、ss-オリゴヌクレオチドから別々の二本鎖分子を分離するために有利に使用することができる。HPLC等の適切なカラムクロマトグラフィー方法は、この点に関して当業者によく知られている。しかしながら、ss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖を区別及び定量化することができる任意の代替方法も適切である。このような代替方法としては、SPR(表面プラズモン共鳴;例えばBiacore)及び電気泳動が挙げられる。
【0081】
工程(c)の前に分子間及び分子内構造が一方又は両方のss-オリゴヌクレオチドに存在する場合(これは、水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合している)、二本鎖形成が阻害される。阻害が完了すると、工程(d)(混合物をインキュベートしている)の後にss-オリゴヌクレオチドのみが検出可能に存在する。ただし、抑制は不完全な場合がある。したがって、分子間及び分子内構造の強度に応じて、これらは一時的に「アンフォールディング」を受ける可能性があり、つまり、特定の変化が、阻害された第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基を十分に露出させる。折りたたまれていない形態では、第1のss-オリゴヌクレオチドは、次に、相補的な第2のss-オリゴヌクレオチドと二本鎖を形成することができる。アンフォールディングの同じ要件は、相補的な第2のss-オリゴヌクレオチドにも当てはまる可能性がある。そのような場合、形成された二本鎖の量は、インキュベーション時間中のアンフォールディング事象の数、すなわち、工程(d)で適用されたインキュベーション時間を反映している。理想的な場合では、工程(d)に続いて、実質的にss-オリゴヌクレオチドはもはや検出可能に存在せず、二本鎖のみが検出可能である。
【0082】
Kd値は、結合対の第1と第2のメンバー間の平衡解離定数である。この値は、結合対の結合パートナーの親和性を特徴付ける定量的測定値を提供する。平衡解離定数Kdは、結合対の第1と第2のメンバー間のkoff/konの比率である。Kdと親和性は反比例の関係にある。Kd値は、分子的に相互作用して他のメンバーに結合するのにまだ十分なメンバーの濃度に関連し、Kd値が低い(濃度が低い)ほど、第1のメンバーと他のメンバーとの親和性が高くなる。実施形態では、本明細書の方法によって選択される結合パートナーであって、それぞれが互いに5~15個のロック核酸モノマーからなる第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合パートナーの親和性Kdは、
1×10-15M未満~1×10-5M超である。更なる実施形態では、本明細書の方法によって選択される結合パートナーであって、それぞれが互いに5~15個のロック核酸モノマーからなる第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合パートナーの親和性Kdは、1×10-12M未満~1×10-5M超である。更なる実施形態では、本明細書の方法によって選択される結合パートナーであって、それぞれが互いに8~15個のロック核酸モノマーからなる第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合パートナーの親和性Kdは、2×10-12M~1×10-15Mである。
【0083】
更なる実施形態では、本明細書の方法によって選択される結合パートナーであって、それぞれが互いに5~7個のロック核酸モノマーからなる第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合パートナーの親和性Kdは、1×10-12M~2×10-5Mである。
【0084】
特に、結合パートナーのKdは、結合対のG+C含有量に大きく影響される。すなわち、所与の数の相補的塩基対との結合対の場合、一般に、結合パートナーの親和性は、G+C含有量の増加と共に生じる。
【0085】
天然に存在するオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの、LNAオリゴヌクレオチドからなる結合対の分子認識(すなわち、二本鎖形成)との干渉を排除するために、LNAモノマーの立体異性体が、全LNA ss-オリゴヌクレオチドの合成における構成要素として有利に使用される。このアプローチの理論的根拠は、ss-オリゴヌクレオチドが天然に存在するオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドと二本鎖を形成できないようにする、特に天然に存在するオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドとワトソン-クリック二本鎖を形成できないようにする立体異性モノマーを選択することである。
【0086】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチド(及びそれらの任意のフラグメント)は、ベータ-D-LNAモノマーからなる。つまり、第1のss-オリゴヌクレオチドは完全にベータ-D-LNAモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドは完全にベータ-D-LNAモノマーからなる。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する更に別の実施形態では、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチド(及びそれらの任意のフラグメント)は、ベータ-L-LNAモノマーからなる。つまり、第1のss-オリゴヌクレオチドは、完全にベータ-L-LNAモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドは完全にベータ-L-LNAモノマーからなる。天然に存在する核酸の存在下で二本鎖形成が妨げられないため、ベータ-L-LNAの使用が有利であることが明らかになった。これに関して、現在、全D-LNAオリゴヌクレオチド対及び全L-LNAオリゴヌクレオチド対のハイブリダイゼーション条件に関する豊富な技術的経験はかなり限られていることに留意されたい。
【0087】
本報告は、各オリゴヌクレオチドが5~15個のLNAモノマーからなる別々のss-オリゴヌクレオチドの対を開示し、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中に変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができる。本報告の教示は、便利かつ有利に、そのようなss-オリゴヌクレオチドを選択し提供することを可能にし、該モノマーはLNAモノマーである。この報告の著者の知る限り、本明細書に記載の方法は、全LNA ss-オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性を予測する際に当技術分野で知られているアルゴリズムの限界を克服するための最初に成功したアプローチとなる。第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、逆平行配向の2つのss-オリゴヌクレオチドの対合が二本鎖を形成できるようにするため、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列と相補的である。
【0088】
全ての他の態様及び実施形態に関連する実施形態では、別々のss-オリゴヌクレオチドの対が提供され、各オリゴヌクレオチドは5~15個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができ、ss-オリゴヌクレオチドの対は、0℃~40℃の温度の水溶液中で、5~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供するための方法を実施することによって取得可能であり、及び/又は得られ、該方法は、
(a)5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)5~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は5~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0089】
全ての他の態様及び実施形態に関連する実施形態では、別々のss-オリゴヌクレオチドの対が提供され、各オリゴヌクレオチドは5~7個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができ、ss-オリゴヌクレオチドの対は、0℃~40℃の温度の水溶液中で、5~7個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供するための方法を実施することによって取得可能であり、及び/又は得られ、該方法は、
(a)8~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)8~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は8~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)工程(f)で選択された結合対のオリゴヌクレオチドから第1の隣接する核酸塩基部分配列を選択し、それにより、オリゴヌクレオチドのフラグメントを作製し、該フラグメントが5~7個のLNAモノマーからなる、工程、
(h)任意に、工程(f)で選択された結合対の他のオリゴヌクレオチドから第2の隣接する核酸塩基部分配列を選択し、第2の部分配列は、工程(g)の第1の部分配列に相補的であり、それにより、他のオリゴヌクレオチドを作製し、該フラグメントは5~7個のLNAモノマーからなる、工程、
(i)工程(g)のss-オリゴヌクレオチドフラグメントと工程(h)のss-オリゴヌクレオチドフラグメントを別々に合成する工程、を含み、
それにより、5~7個の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。一実施形態では、具体的には、工程(c)及び工程(d)は、上記のように「変性条件」として指定された条件の非存在下で実施される。選択したフラグメントは、0℃~40℃の温度の水溶液中で逆平行二本鎖を形成できるという特性に関して容易に確認することができる。したがって、特定の実施形態では、該方法は、以下の追加の工程を含む。
(k)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のss-オリゴヌクレオチドフラグメントを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のss-オリゴヌクレオチドフラグメントを混合する工程、
(l)(k)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のオリゴヌクレオチドフラグメントを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチドフラグメント及び第2のオリゴヌクレオチドフラグメントを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(m)工程(l)の二本鎖であるが、ss-オリゴヌクレオチドフラグメントが検出可能に存在しない場合に、結合対を選択する工程。
【0090】
各一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドは、4つの異なる核酸塩基を含むことができる。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、各ss-オリゴヌクレオチドは、3個の異なる核酸塩基を含む。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する別の実施形態では、各ss-オリゴヌクレオチドは、2個の異なる核酸塩基を含む。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する更に別の実施形態では、各ss-オリゴヌクレオチドは、1個のみの異なる核酸塩基を含む。この後者の実施形態では、ss-オリゴヌクレオチド中の全ての核酸塩基は同じである。
【0091】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、各ss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基のG+C含有量は、75%未満である。特定の実施形態では、G+C含有量は、74%、73%、72%、71%、及び70%から選択される値よりも低い。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する更に別の実施形態では、結合対における各LNAモノマーは、アデニン、チミン、ウラシル、グアニン、シトシン、及び5-メチルシトシンからなる群から選択される核酸塩基を含む。より特定の実施形態では、各ss-オリゴヌクレオチド中の核酸塩基のうち、各シトシンは、5-メチルシトシンによって置換されている。
【0092】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、2個の別々の適合性結合パートナーの結合対は、以下からなる群から選択される全LNA ss-オリゴヌクレオチドの対である。
5’tgctcctg3’(配列番号1)及び5’caggagca3’(配列番号2)、
5’tgctcctgt3’(配列番号9)及び5’acaggagca3’(配列番号10)、
5’gtgcgtct3’(配列番号11)及び5’agacgcac3’(配列番号12)、及び
【0093】
5’gttggtgt3’(配列番号13)及び5’acaccaac3’(配列番号14)。
【0094】
特定の実施形態では、前述の群の任意の選択された対におけるss-オリゴヌクレオチドのモノマーは、いずれもベータ-D-LNAモノマーである。更に別の特定の実施形態では、前述の群の任意の選択された対におけるss-オリゴヌクレオチドのモノマーは、いずれもベータ-L-LNAモノマーである。
【0095】
一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドのいくつかのそのような対が見出され、例示的な実施形態として、すなわち、非変性条件下でハイブリダイゼーション及び二本鎖形成によって互いに結合することができる別々のss-オリゴヌクレオチドの対を示す非限定的な例として本明細書に報告される。表1に、その非限定的な編集を示す。記載される配列は、全てのLNAヌクレオシド、すなわち、LNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを示すことが理解される。配列は、従来の方向、すなわち5’末端から3’末端に向かって与えられる。
【表1】
【0096】
表1に示されている結合対は、特定の実施形態を反映している。結合対の「第1の」メンバー及び「第2の」メンバーへの任意の言及は、第2のメンバーが「第1の」メンバーに置き換えられられる場合である限り、「第2の」メンバーが等しく第1のメンバーと見なすことができるという点で恣意的であることが理解される。すなわち、表に示されている「第1」及び「第2」としての参照は任意であり、それらの表示方法は変更することができる。したがって、例示的に、結合対(配列番号16):(配列番号20)は、(配列番号20):(配列番号16)と同じである。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、2個の別々の互換性結合パートナーの結合対は、以下からなる群から選択される全LNA ss-オリゴヌクレオチドの対である。
(配列番号1):(配列番号2)、
(配列番号9):(配列番号10)、
(配列番号11):(配列番号12)、
(配列番号13):(配列番号14)、
(配列番号9):(配列番号15)、
(配列番号16):(配列番号20)、
(配列番号21):(配列番号18)、
(配列番号21):(配列番号20)、
(配列番号21):(配列番号19)、
(配列番号23):(配列番号17)、
(配列番号25):(配列番号28)。
【0097】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、2個の別々の互換性結合パートナーの結合対は、配列番号16及び配列番号20の全LNA ss-オリゴヌクレオチドの対である。したがって、結合対はgttggt:accaacである。
【0098】
特定の実施形態では、前述の群の任意の選択された対におけるss-オリゴヌクレオチドのモノマーは、ベータ-D-LNAモノマーである。更に別の特定の実施形態では、前述の群の任意の選択された対におけるss-オリゴヌクレオチドのモノマーは、ベータ-L-LNAモノマーである。
【0099】
対照的に、非変性条件下では二本鎖形成ができないか、又は十分にできない一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対が見出された。表2に、その非限定的な編集を示す。
【表2】
【0100】
配列番号29及び配列番号39によって与えられる対は、配列の複雑さが最小であり、結合対の1つのメンバーが4つのモノマーのみを含む場合を例示している。この特定の結合対を特徴付ける結合特性は不十分であることがわかった。考えられる解釈の1つは、4merが単純に短すぎるため、対応する一本鎖との分子内相互作用が不十分であるということである。この知見は、4merが6merに置き換えられた設定(配列番号27と配列番号39の組合せ)とは著しく対照的である。
【0101】
表2に提示される全LNAオリゴヌクレオチドの他の対に関して、配列「gcctgacg」(配列番号3)を含むか又はそれからなる1つの結合パートナーが常に存在することがわかった。したがって、この特定の配列及びその相補は、そのような全てのLNAオリゴヌクレオチドが非変性条件下で二本鎖を形成する能力に悪影響を与えるように思われる。この特に驚くべき知見は、実際に、当業者を、8モノマー以上を有する一本鎖の有利なオリゴヌクレオチド対を選択するように導くことができる。したがって、本明細書で提供される他の全ての態様の実施形態及び実施形態は、別々のss-オリゴヌクレオチドの対であり、各オリゴヌクレオチドは8~15個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドは、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができ、ss-オリゴヌクレオチドの対は、0℃~40℃の温度の水溶液中で、8~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供するための方法を実施することによって取得可能であり、及び/又は得られ、該方法は、
(a)8~15個(すなわち、8、9、10、11、12、13、14、及び15個のいずれかから選択された数)のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーは核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第1の核酸塩基配列を形成し、第1の核酸塩基配列は5’gcctgacg3’(配列番号3)及び5’cgtcaggc3’(配列番号4)から選択される配列で構成されていない、又はそれを含まない、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)8~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は8~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されており、第2の核酸塩基配列が5’gcctgacg3’(配列番号3)及び5’cgtcaggc3’(配列番号4)から選択される配列で構成されていない又はそれを含まない、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0102】
本明細書に開示される第2の態様の方法又は第3の態様の方法によって、また、表1に示される結合対を含むがこれらに限定されないその実施形態のいずれかを利用することによって、また代替的又は追加的に、一方又は両方のオリゴヌクレオチドのモノマーの数が8~15個である場合に5’gcctgacg 3’(配列番号3)及び5’cgtcaggc 3’(配列番号4)から選択される配列を除く結合対を選択することによって、本開示は、相補的一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの非変性対から、25℃~40℃の事前に選択された温度での非変性条件下で取得可能な及び/又は得られる、逆平行全LNA二本鎖を提供する。水溶液中のそのような二本鎖は、本報告の第4の態様と見なすことができる。二本鎖の各オリゴヌクレオチド鎖は、LNAモノマーを含み、LNAモノマーの数は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15個からなる群から選択され、より具体的には、その数は5、6、及び7個からなる群が選択される。二本鎖は相補的なワトソン-クリック塩基対によって形成され、二本鎖の塩基対の数は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14及び15個からなる群から選択される数であり、より具体的には、8~15のいずれか、又は5~7のいずれかから選択されるいずれかの選択された数である。
【0103】
本開示は、本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関する第5の態様において、水性溶媒及び第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合対を含む液体組成物を提供し、各オリゴヌクレオチドは、5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなり、各モノマーは、第1のオリゴヌクレオチドの第1の核酸塩基配列及び第2のオリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成するモノマーの核酸塩基を含み、第1の核酸塩基配列及び第2の核酸塩基配列は、第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドが、0℃~40℃の温度で5~15個の連続するワトソン-クリック塩基対の逆平行二本鎖を形成することができ、結合対は本明細書に開示される第2又は第3の態様の方法に従う方法によって得られる。
【0104】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する特定の実施形態では、水性溶媒及び第1の一本鎖オリゴヌクレオチド及び第2の一本鎖オリゴヌクレオチドからなる結合対を含む液体組成物を提供し、各オリゴヌクレオチドは、5~15個、具体的には5~7個又は8~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなり、各モノマーは、第1のオリゴヌクレオチドの第1の核酸塩基配列及び第2のオリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成するモノマーの核酸塩基を含み、第1の核酸塩基配列及び第2の核酸塩基配列は、第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドが、0℃~40℃の温度で、5~15個、具体的には5~7個又は8~15個の連続するワトソン-クリック塩基対の逆平行二本鎖を形成することができ、結合対は本明細書に開示される第2又は第3の態様の方法に従う方法によって得られる。
【0105】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する別の実施形態では、各オリゴヌクレオチドは、5~15個のLNAモノマーからなり、第1の核酸塩基配列及び第2の核酸塩基配列は、第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドが、0℃~40℃の温度で、5個以上の連続するワトソン-クリック塩基対の逆平行二本鎖を形成できるように選択され、結合対は、第2又は第3の態様の方法及びその実施形態に従う方法によって取得可能であるか、又は得られる。
【0106】
別の実施形態として、更に驚くべきことに、非変性条件下で逆平行二本鎖を形成することができる更に長い相補的全LNA ss-オリゴヌクレオチドが存在することが発見された。したがって、本開示は、0℃~40℃の温度の水溶液中で、16~20個の連続する塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供するための方法を提供し、該方法は、
(a)16~20個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)16~20個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は16~20個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0107】
一実施形態では、具体的には、工程(c)及び工程(d)は、上記のように「変性条件」として指定された条件の非存在下で実施される。
【0108】
この第2の態様の特定の実施形態、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関連する特定の実施形態は、0℃~40℃の温度で水溶液中で5~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択し提供する方法を提供し、該方法は、
(a)5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)16~20個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーからなり、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2のss-オリゴヌクレオチドの第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、相補性により、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は5~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する。
【0109】
一実施形態では、具体的には、工程(c)及び工程(d)は、上記のように「変性条件」として指定された条件の非存在下で実施される。
【0110】
第1の全LNA ss-オリゴヌクレオチド及び第2の全LNA ss-オリゴヌクレオチドの例示的な結合対は、以下のように表3に反映されるように同定された。これらの結合対は特定の実施形態である。
【表3】
【0111】
結局のところ、表3に示されている配列には、部分配列gcctgacg(配列番号3)又はその相補が含まれておらず、これらについては上記で詳しく説明される。
【0112】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する実施形態では、結合対の1個のss-オリゴヌクレオチドは、磁性ビーズ、常磁性ビーズ、合成有機ポリマー(ラテックス)ビーズ、多糖ビーズ、試験管、マイクロウェルプレートキャビティ、キュベット、膜、足場分子、水晶、フィルム、フィルタ、ディスク、及びチップからなる群から選択される固相に付着する(共有結合的に又は非共有結合的に付着する)。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する別の実施形態では、結合対の1個のss-オリゴヌクレオチドは、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、糖、グリカン、ハプテン、及び色素からなる群から選択される分子に連結する(共有結合的に又は非共有結合的に付着する)。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する更に別の実施形態では、ss-オリゴヌクレオチドは、リンカーに共有結合的に付着する。本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関連する更に別の実施形態では、ss-オリゴヌクレオチドは、イムノアッセイ等であるがこれに限定されない受容体ベースのアッセイにおいて、有用な分析物特異的受容体に、共有結合的に付着する。
【0113】
非常に一般的に言えば、イムノアッセイは、標的分析物に特異的に結合することができる一又は複数の受容体を提供する。このような受容体としては、分析物特異的イムノグロブリンが例示され得る。そのために、この名前がイムノアッセイである。しかしながら、本開示の目的のために、他のタイプの分析物特異的受容体もまた考慮される。したがって、より一般的な用語である受容体ベースのアッセイが適切であり、イムノアッセイという用語と同義で使用される。
【0114】
したがって、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第6の態様は、分析物を決定するための受容体ベースのアッセイにおける第1の態様の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の使用であり、受容体ベースのアッセイは、分析物特異的受容体と、分析物を固相に固定化するための固相とを含み、該対の第1のss-オリゴヌクレオチドは分析物特異的受容体に結合され、該対の第2のss-オリゴヌクレオチドは固相に結合されている。この態様の実施形態は、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対のそのような使用のいずれかであり、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対は、本報告の第2又は第3の態様のいずれかによる実施形態によって得られる
【0115】
受容体ベースのアッセイでは、分析物は分析物特異的受容体に結合するようになる。分析物が結合した受容体は、一本鎖の全LNAオリゴヌクレオチドの対によって形成される二本鎖を介して固相に固定化することができる。したがって、結果として、複合体が形成され、複合体は、固相、二本鎖、受容体、及び分析物を含む。更なる工程では、それ自体が標識されているか、又は他の手段によってその存在を検出することができる更なる分析物特異的結合物質を使用して、固定化された分析物を検出することができる。競合アッセイ形式では、これ以上の結合物質は必要ない。代わりに、所定量の標識分析物が添加され、その存在及び/又は濃度が検出されるべき非標識分析物との結合について競合する。
【0116】
通常、分析物はサンプルに含まれ、このサンプルは異なる分子の複雑な混合物である。本開示の目的のために、液体サンプルが考慮される。液体サンプルは、液相、すなわち通常は水性溶媒である液体溶媒を含む。水性溶媒中には、複数の分子が溶解状態で存在する。したがって、特定の実施形態では、サンプルは液体の凝集状態にあり、それは単相の均一な混合物である。別の特定の実施形態では、サンプルは不溶性部分を含み、したがって異相混合物であり、分析物はサンプル中に均一に分布している。通常、分析物は、溶解形態の混合物に含まれ、更に、一又は複数の更なる分子が、溶解形態のその混合物中に存在する。
【0117】
液体サンプル中に存在する、又はその中に存在すると疑われる標的分析物の検出に関して、必須の工程において、分析物は特異的に結合する。特異的結合は、分析物特異的受容体が存在する又は添加されることを意味し、この受容体は、標的分析物に対して高い結合親和性及び結合特異性を有し、またサンプル中にまた存在する更なる分子に対して低い又は存在しない。特定の実施形態(及び例示する多数の既存のアッセイ)では、分析物に特異的に結合することができる受容体を含む化合物をサンプルに添加する。重要なことに、サンプルと受容体を含む化合物の混合物は、サンプル中の受容体と標的分析物との特定の相互作用を許容する条件を提供しなければならない。これは、混合物における条件は、受容体による分析物の実際の結合に許容的でなければならないことを含み、また、その条件は、結合された標的分析物で受容体を安定化することが望ましい。同時に、サンプルと化合物の混合物は、受容体、又は受容体全体を含む化合物への更なる分子の非特異的結合を支持又は安定化しないことが望ましい。
【0118】
続いて、分析物を固定化する。固定化は、分析物を周囲の複雑な混合物、特にサンプルの更なる分子から分離できる、検出プロセスの重要な工程である。固定化には、標的分析物が付着するようになる固相が必要である。固定化されると、相分離によって分析物を混合物から分離することができる。次に、混合物から分離されて(すなわち、精製されて)、分析物が検出される。
【0119】
受容体ベースのアッセイ及び固定化工程を考慮すると、固相を提供し、固相と標的分析物との間の連結を構築する必要がある。連結は、自己組織化プロセスで構築されることが望ましい。
【0120】
イムノアッセイは、特定の実施形態であり、分析物の検出又は定量化を行い、分析物と少なくとも1つの分析物特異的受容体との反応に依存し、その結果、分析物:受容体の複合体を形成する、確立された生物分析法である。非限定的な例は、それぞれ、抗原と抗体との間の反応である。
【0121】
したがって、本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関する第7の態様は、分析物を決定するための受容体ベースのアッセイを実施する方法であって、分析物を、本明細書に開示される第1の態様の別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーを、それに付着させた分析物特異的受容体、及び該対の第2のメンバーを付着させた固相と接触させ、インキュベートする工程を含み、それにより、固相、該固相に結合した分析物特異的受容体、及び該分析物特異的受容体に結合した分析物を含む複合体を形成し、逆平行二本鎖が形成され、該二本鎖が上記対の第1のメンバー及び第2のメンバーからなり、上記二本鎖が複合体において分析物特異的受容体及び固相を接続し、続いて複合体に結合した分析物を検出し、それによって分析物を決定する、方法である。一実施形態では、検出の後者の工程は、例えば、「サンドイッチ」アッセイとしても当技術分野で知られている、複合体中の分析物に結合することができる標識された分析物特異的抗体を使用して行うことができる。
【0122】
「サンドイッチ」イムノアッセイの特定の実施形態は、複数の認識エピトープ(すなわち、2以上の認識エピトープ)を有する分析物に使用することができる。したがって、サンドイッチアッセイには、分析物上の重複しないエピトープに付着する少なくとも2つの受容体が必要である。「不均一サンドイッチイムノアッセイ」では、受容体の1つが分析物特異的捕捉受容体の機能的役割を果たし、この受容体は、固相に固定化されているか、又は(アッセイの過程で)固定化される。第2の分析物特異的受容体は、液相中の溶解形態で供給される。それぞれの分析物が第1の受容体及び第2の受容体によって結合されると、サンドイッチ複合体が形成される(受容体-1:分析物:受容体-2)。サンドイッチ複合体は、「検出複合体」とも呼ばれる。検出複合体内では、分析物は受容体の間に挟まれている。すなわち、そのような複合体内では、分析物は、第1の受容体と第2の受容体との間の連結要素を意味する。
【0123】
(「均一」に対するものとして)「不均一」という用語は、アッセイ手順における2つの必須で別個の工程を示す。第1の工程では、ラベルを含む検出複合体が形成され、固定化されるが、結合していないラベルがまだ複合体を囲んでいる。ラベル依存信号を判定する前に、非結合ラベルは固定化された検出複合体から洗い流される。そのため、第2の工程に相当する。対照的に、均一アッセイは、単一工程インキュベーションによって分析物依存の検出可能なシグナルを生成し、洗浄工程を必要としない。
【0124】
不均一アッセイでは、固相は、分析物と接触する前に、その表面に機能的捕捉受容体(第1の受容体)に結合する場合があるように機能化されるか、又は固相の表面は、分析物と反応した(すなわち、分析物に結合した)後、第1の受容体を係留できるように機能化される。後者の場合、係留プロセスは、分析物を特異的に捕捉して結合する受容体の能力を妨げてはならない。液相に存在する第2の分析物特異的受容体は、結合した分析物、すなわち、固定化されているか、又は固相に固定化される分析物の検出に使用される。したがって、イムノアッセイでは、分析物は第1の(捕捉)受容体及び第2の(検出)受容体に結合することができる。それにより、分析物が、捕捉受容体と検出受容体との間に挟まれた、「検出複合体」が形成される。典型的な実施形態では、検出受容体は、分析物と接触する前にラベルされる。或いは、分析物が結合した後、ラベルが検出受容体に特異的に付着する。検出複合体が固相に固定化されている場合、固相で検出可能なラベルの量は、サンドイッチされた分析物の量に相当する。洗浄工程で未結合のラベルを除去した後、分析物の存在と量を示す固定化されたラベルを検出できる。
【0125】
不均一イムノアッセイにおいて洗浄工程は、十分に安定するために、第1の結合パートナーと第2の結合パートナーの非共有の連結を必要とする。ただし、連結に必要な安定性の程度は、適用する洗浄工程の強度によって異なる。重要かつ予想外に、本明細書に示されるような結合対は、イムノアッセイにおける固定化工程を容易にするのに並外れてよく適している。すなわち、イムノアッセイでは、固相に付着している全LNAオリゴヌクレオチドの結合対の第1の結合パートナー、及び分析物特異的捕捉受容体に付着している結合対の第2の結合パートナーは固相への受容体の固定化を促進するのに適している。同様に、そのような固定化は、標的分析物に結合した捕捉受容体、及び検出複合体に対しても有利に機能する。
【0126】
別のよく知られている実施形態は、その最も単純な形態では、第2の検出受容体の欠乏によって、サンドイッチ型フォーマットとは異なる、競合的イムノアッセイである。対照的に、分析物を含むサンプルは、分析物特異的受容体と交差反応することができる人工的に生成されてラベルされた類縁体と混合される。アッセイでは、分析物及び類縁体は、固定化されているか又は固定化される捕捉受容体への結合について競合する。この結合工程に続いて、固定化されたラベルの量が多いほど、捕捉受容体をめぐって競合することができた非ラベル分析物の量が少なくなる。固定化されたラベルは、洗浄工程の後に定量される。したがって、固相で検出可能なラベルの量は、サンプルに最初に存在した分析物の量に反対に相応する。
【0127】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態では、全LNAオリゴヌクレオチドの対によって形成される二本鎖における結合力は、分析物及び分析物特異的(捕捉及び/又は検出)受容体のいずれかを一緒に保持する結合力のいずれかを超え、これらは、分析物検出のアッセイ(限定されるものではないが、イムノアッセイ等)で使用される。二本鎖の結合力を微調整する必要がある場合は、異なる長さ及び/又は異なる塩基対組成のワトソン-クリック対合領域を提供できるように、結合対を選択することができる。より一般的には、相補的な一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対は、全LNA結合対によって互いに結合される第1の成分及び第2の成分に関して、特定の技術的必要性に従って提供され選択され得る。
【0128】
所定の数の対の核酸塩基を有するワトソン-クリック対の相補的全LNAオリゴヌクレオチドの二本鎖における結合力は、二本鎖の個々の塩基対を変更することによって(例えば、A:T塩基対をC:G塩基対に置き換えることによって)、又は二本鎖を長くしたり短くしたりする微調整することができる。いずれの場合も、微調整された一本鎖全LNAの対は、この文書の他の場所で開示されているように、0℃~40℃の温度の水溶液中で5~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する方法に供する必要がある。
【0129】
しかしながら、本明細書に開示される全ての他の態様及び実施形態に関する第8の態様は、分析物を決定するための受容体ベースのアッセイを実施するためのキットであり、該キットは、第1の容器内に、本明細書に開示される第1の態様による別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバー、又は本明細書に開示される第2の態様若しくは第3の態様による方法によって得られる別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーがそれに付着した分析物特異的受容体を含み、該キットは、上記対の第2のメンバーを付着させた固相を第2の容器内に更に含む。
【0130】
より一般的な用語であっても、第1の成分及び第2の成分を非共有結合するためのキットが提供され、該キットは、第1の別々のコンパートメントにおいて、本明細書に開示される第1の態様による別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーが付着している、又は本明細書に開示される第2の態様若しくは第3の態様による方法によって得られる第1のメンバーが付着している第1の成分を含み、該キットは、第2の容器内に、上記対の第2のメンバーが付着している第2の成分を更に含む。
【0131】
本報告に開示されている結合対は、ビオチン:(ストレプト)アビジン等の確立された結合対の一般的な代替物として役立つことができると理解されている。したがって、全LNA結合対は、非変性条件下で二本鎖を形成することができるss-オリゴヌクレオチドの相補的対の第1のメンバー及び第2のメンバーにそれぞれ付着した第1の成分及び第2の成分を接続するのに役立つことができる。当業者は、本明細書でより詳細に説明される分析物検出アッセイを超える多数の用途をよく知っているが、例えば組織サンプル中の標的抗原のin situ分析にも拡大される。
【0132】
原則として、本開示の結合対はまた、同じ水溶液中に別々の異なる結合対を提供することを可能にし、それにより、多重化アッセイへの道を開く。相補的な塩基配列を共有しないオリゴヌクレオチドの異なる結合対を同定したおかげで、多くの異なる追加の用途が実現可能になる。
【0133】
特定の態様及び実施形態は、以下のより正式な項目のリストを含む。この番号付きの項目のリストは、本報告の最初の開示の一部を形成する。
1.0℃~40℃の温度の水溶液中で5~15個の連続した塩基対を有する逆平行二本鎖を形成することができる一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する方法であって、
(a)5~15個のロック核酸(LNA)モノマーからなる第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、各モノマーが核酸塩基を含み、第1のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基が第1の核酸塩基配列を形成する、第1の一本鎖(ss-)オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(b)5~15個のLNAモノマーからなる第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、第2のss-オリゴヌクレオチドは、少なくとも第1のss-オリゴヌクレオチドの数のモノマーを含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの各モノマーは核酸塩基を含み、第2のss-オリゴヌクレオチドの核酸塩基は第2の核酸塩基配列を形成し、第2の核酸塩基配列は、逆平行配向で第1の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を含むか又はそれからなり、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドが互いに逆平行二本鎖を形成する能力を予測し、予測される二本鎖は5~15個の連続する塩基対を含むか又はそれからなり、各塩基対の2つの塩基が水素結合によって互いに結合されている、第2のss-オリゴヌクレオチドを提供する工程、
(c)水溶液中でほぼ等モル量の第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程であって、この工程が、非変性温度、より具体的には0℃~40℃の温度で行われる、第1のss-オリゴヌクレオチド及び第2のss-オリゴヌクレオチドを混合する工程、
(d)(c)の混合物を20分以下の時間間隔でインキュベートし、それにより、ss-オリゴヌクレオチドとして第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを依然として含む混合物、又は二本鎖として第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むか若しくはそれからなる混合物を得る工程、
(e)工程(d)で得られた混合物中のss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを検出及び定量化する工程、続いて、
(f)工程(e)で二本鎖が検出可能に存在する場合、及び二本鎖のモル量がss-オリゴヌクレオチドのモル量よりも高い場合、結合対を選択する工程、
(g)任意に、工程(f)で選択された結合対の第1のss-オリゴヌクレオチドと第2のss-オリゴヌクレオチドとを別々に合成する工程、を含み、
それにより、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの結合対を選択及び提供する、方法。
【0134】
2.工程(a)において、第1オリゴヌクレオチドのモノマー数が8~15個の場合、第1の核酸塩基配列が、5’gcctgacg3’(配列番号3)及び5’cgtcaggc3’(配列番号4)から選択される配列で構成されないか、又はそれらを含まない、項1に記載の方法。
【0135】
3.第2オリゴヌクレオチドのモノマー数が8~15個の場合、第2の核酸塩基配列が、5’gcctgacg3’(配列番号3)及び5’cgtcaggc3’(配列番号4)から選択される配列で構成されないか、又はそれらを含まない、項1又は2に記載の方法。
【0136】
4.工程(e)の前に、工程(d)で得られた混合物を、ss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを分離する追加の工程に供する、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
5.工程(c)及び工程(d)が非変性温度、具体的には0℃~5℃、5℃~10℃、10℃~15℃、15℃~20℃、20℃~25℃、25℃~30℃、30℃~35℃、及び35℃~40℃からなる群から選択される温度で実施される、項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
6.工程(c)及び工程(d)が25℃~37℃の温度で実施される、項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0139】
7.工程(c)の前に、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドが、変性条件の非存在下で維持される、項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【0140】
8.工程(c)の前に、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドが、-80℃~40℃、具体的には0℃~40℃、より具体的には25℃~37℃の温度で水溶液中に保持される、項7に記載の方法。
【0141】
9.工程(c)の前に、工程(a)及び工程(b)のいずれかの各ss-オリゴヌクレオチドが、長さが20塩基対でG+C含量が50%以上のDNA二本鎖の融解温度を少なくとも15℃低下させることができる変性剤化合物の非存在下、具体的にはホルムアミド及びDMSOの非存在下で水溶液中に保持される、項7に記載の方法。
【0142】
10.工程(d)において、時間間隔が、1秒~20分、1秒~5分、1秒~60秒、及び1秒~30秒からなる群から選択される、項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【0143】
11.工程(c)の混合物が、該混合物のpHをpH6~pH8、より具体的にはpH6.5~pH7.5に維持する緩衝液を含む、項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0144】
12.工程(c)の混合物が、約10mmol/L~約1000mmol/L、具体的には約10mmol/L~約500mmol/L、より具体的には約200mmol/L~約300mmol/Lの量の溶解物質を含む、項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0145】
13.工程(c)及び工程(d)が、20塩基対の長さの、50%のG+C含有量を有するDNA二本鎖の融解温度を少なくとも15℃低下させることができる変性剤化合物の非存在下で、より具体的にはホルムアミド及びジメチルスルホキシドのいずれも非存在で、実施される、項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
14.各LNAモノマーが、N4-アセチルシトシン、5-アセチルウラシル、4-アミノ-6-クロロピリミジン、4-アミノ-5-フルオロ-2-メトキシピリミジン、6-アミノ-1-メチルウラシル、5-アミノオロチン酸、5-アミノウラシル、6-アミノウラシル、6-アザウラシル、N4-ベンゾイルシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、6-クロロウラシル、6-クロロメチルウラシル、6-クロロ-3-メチルウラシル、シトシン、5,6-ジメチルウラシル、5-エチルウラシル、5-エチニルウラシル、5-フルオロシトシン、5-フルオロオロチン酸、5-フルオロウラシル、5-ヨード-2,4-ジメトキシピリミジン、5-ヨードウラシル、イソシトシン、5-メチルシトシン、6-メチル-5-ニトロウラシル、2-メチルチオ-4-ピリミジノール、5-メチル-2-チオウラシル、6-メチル-2-チオウラシル、6-メチルウラシル、5-ニトロウラシル、オロチン酸、6-フェニル-2-チオウラシル、6-プロピル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、チミン、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、ウラシル、アデニン、8-アザヒポキサンチン、8-アザグアニン、アロプリノール、4-アミノピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、2-アミノプリン、2-アセトアミド-6-ヒドロキシプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、2-アミノ-6-ヨードプリン、アザチオプリン、4-アミノ-6-ヒドロキシピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、アミノフィリン、N6-ベンジルアデニン、N6-ベンゾイルアデニン、6-ベンジルオキシプリン、8-ブロモテオフィリン、8-ブロモ-3-メチルキサンチン、8-ブロモ-7-(2-ブチン-1-イル)-3-メチルキサンチン、6-クロロプリン、8-クロロテオフィリン、6-クロロ-2-フルオロプリン、6-クロロ-7-デアザプリン、2-クロロアデニン、6-クロロ-7-ヨード-7-デアザプリン、2,6-ジアミノプリン、2,6-ジクロロプリン、6-(ジメチルアミノ)プリン、2,6-ジクロロ-7-デアザプリン、5,6-ジクロロベンズイミダゾール塩酸塩、7-デアザヒポキサンチン、2-フルオロアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、イソグアニン、3-ヨード-1H-ピラゾロ-[3,4-d]ピリミジン-4-アミン、キネチン、6-メルカプトプリン、6-メトキシプリン、3-メチルキサンチン、1-メチルキサンチン、3-メチルアデニン、O6-(シクロヘキシルメチル)グアニン、6-チオグアニン、2-チオキサンチン、キサンチン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニル-シチジン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、7-プロピニル-7-デアザアデニン、7-プロピニル-7-デアザグアニン、及びその誘導体からなる群から選択される核酸塩基を含む、項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
15.各LNAモノマーが、アデニン、チミン、ウラシル、グアニン、シトシン、及び5-メチルシトシンからなる群から選択される核酸塩基を含む、項14に記載の方法。
【0148】
16.工程(e)の前に、工程(d)のインキュベートされた混合物を、ss-オリゴヌクレオチド及び二本鎖オリゴヌクレオチドを分離する工程に供する、項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【0149】
17.工程(d)のインキュベートされた混合物をカラムクロマトグラフィー及び/又は電気泳動に供する、項16に記載の方法。
【0150】
18.工程(a)及び工程(b)のいずれかのss-オリゴヌクレオチドのモノマーがベータ-D-LNAモノマーである、項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0151】
19.工程(a)及び工程(b)のいずれかのss-オリゴヌクレオチドのモノマーがベータ-L-LNAモノマーである、項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0152】
20.別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対であって、各ss-オリゴヌクレオチドが5~15個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドが、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができる、別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0153】
21.別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対であって、各ss-オリゴヌクレオチドが8~15個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドが、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができ、各ss-オリゴヌクレオチドが、5’gcctgacg 3’(配列番号3)及び5’cgtcaggc 3’(配列番号4)からなる群から選択される配列を含まない、別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0154】
22.別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対であって、各ss-オリゴヌクレオチドが5~7個のLNAモノマーからなり、水溶液中の別々のss-オリゴヌクレオチドが、二本鎖形成前又は二本鎖形成中の変性条件の非存在下で互いに逆平行二本鎖を形成することができる、別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0155】
23.ss-オリゴヌクレオチドの対が、項1~19のいずれか一項に記載の方法を実施することによって得られる、項20~22のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0156】
24.別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対であって、該対が以下からなる群から選択される、別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
(配列番号1):(配列番号2)、
(配列番号9):(配列番号10)、
(配列番号11):(配列番号12)、
(配列番号13):(配列番号14)、
(配列番号9):(配列番号15)、
(配列番号16):(配列番号20)、
(配列番号21):(配列番号18)、
(配列番号21):(配列番号20)、
(配列番号21):(配列番号19)、
(配列番号23):(配列番号17)、
(配列番号25):(配列番号28)。
25.上記対が以下からなる群から選択される、項24に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対:
(配列番号1):(配列番号2)、
(配列番号28):(配列番号24)、
(配列番号16):(配列番号20)。
【0157】
26.上記対の第1のss-オリゴヌクレオチドが第1の標的に付着し、第2のss-オリゴヌクレオチドが第2の標的に付着する、項20~25のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0158】
27.ss-オリゴヌクレオチドがそれぞれの標的に共有結合又は非共有結合している、項26に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0159】
28.標的が、固相、生体分子、及び化学的に合成された化合物からなる群から独立して選択される、項26又は27に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0160】
29.標的が、そのアミノ酸又は類縁体、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸塩基、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、核酸、脂質、並びに分析物特異的受容体、抗体を含む受容体、抗体誘導体、及び抗体フラグメントからなる群から独立して選択される、項26~28のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0161】
30.標的が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ステロイド又は非ステロイドホルモン、ハプテン、及びそれらのコンジュゲートからなる群から独立して選択される、項26~28のいずれかの別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0162】
31.標的が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ステロイド又は非ステロイドホルモン、ハプテン、核酸塩基、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、核酸、脂質、分析物特異的受容体、分析物架橋剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される複数の異なる分子からなるコンジュゲートを含む、項26~28のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0163】
32.標的が固相を含む、項26~28のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
【0164】
33.標的が検出可能な標識を含む、項26~28のいずれか一項に記載の別々の相補的ss-オリゴヌクレオチドの対。
34.変性条件の非存在下で逆平行全LNA二本鎖を形成する方法であって、
(a)項20~33のいずれか一項に記載の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーと第2のメンバーとを別々に提供する工程であって、各一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドを変性剤の非存在下で水溶液に別々に溶解させ、0℃~40℃の温度に保持する、一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーと第2のメンバーとを別々に提供する工程と、
(b)変性剤の非存在下で、0℃~40℃の温度で上記対の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドを互いに接触させる工程と、を含み、
それにより、逆平行全LNA二本鎖を形成する、方法。
【0165】
35.一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の第1のメンバー及び第2のメンバーによって形成される逆平行二本鎖であって、項34に記載の方法によって得られる、逆平行二本鎖。
【0166】
36.複合体の第1の成分及び第2の成分を接続するための液体水性媒体中の項20~33のいずれか一項に記載の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の使用であって、第1の成分が対の第1のメンバーに付着し、第2の構成要素は、上記対の第2のメンバーに付着している、使用。
【0167】
37.分析物を決定するための受容体ベースのアッセイにおける、項20~33のいずれか一項に記載の一本鎖全LNAオリゴヌクレオチドの対の使用であって、受容体ベースのアッセイが、分析物特異的受容体と、分析物を固相に固定化するための固相とを含み、上記対の第1のss-オリゴヌクレオチドが分析物特異的受容体に結合され、上記対の第2のss-オリゴヌクレオチドが固相に結合される、使用。
【0168】
38.分析物を決定するための受容体ベースのアッセイを実施するためのキットであって、第1の容器内に、項20~33のいずれか一項に記載の別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーをそれに付着させた分析物特異的受容体を含み、キットが、第2の容器内に、上記対の第2のメンバーを付着させた固相を更に含む、キット。
【0169】
39.分析物を決定するための受容体ベースのアッセイを実施する方法であって、分析物を、項20~33のいずれか一項に記載の別々のss-オリゴヌクレオチドの対の第1のメンバーを、それに付着させた分析物特異的受容体、及び対の第2のメンバーを付着させた固相と接触させ、インキュベートする工程を含み、それにより、固相、固相に結合した分析物特異的受容体、及び分析物特異的受容体に結合した分析物を含む複合体を形成し、逆平行二本鎖が形成され、二本鎖が上記対の第1のメンバー及び第2のメンバーからなり、二本鎖が複合体において分析物特異的受容体及び固相を接続し、続いて複合体に結合した分析物を検出し、それによって分析物を決定する、方法。
【0170】
本明細書に開示される全ての態様及び実施形態に関して、当業者は、分析物特異的受容体が抗体又は抗体フラグメントを特異的に含むことを理解する。
【0171】
以下の実施例及び図は、本発明の理解を助けるために提供されており、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の要旨から逸脱することなく、記載された手順に変更を加えることができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【
図1A】適合性の全LNAオリゴヌクレオチド結合対のスクリーニングアプローチを示す概略図(実施例2)。黒いバーは、それぞれの一本鎖分子、二本鎖分子、又は他の複合分子の量を表す。第1(1)及び第2(2)の一本鎖オリゴヌクレオチドは互いに接触している。A:2つのオリゴヌクレオチドはいずれも分子間又は分子内の二次構造を特徴としておらず、どちらもそれぞれのパートナーの分子認識を妨げることはない。結果として、二本鎖が主に豊富な結果として生じる生成物であり、一本鎖は検出できないか、わずかな量で存在する(望ましい結果)。
【
図1B】適合性の全LNAオリゴヌクレオチド結合対のスクリーニングアプローチを示す概略図(実施例2)。黒いバーは、それぞれの一本鎖分子、二本鎖分子、又は他の複合分子の量を表す。第1(1)及び第2(2)の一本鎖オリゴヌクレオチドは互いに接触している。B:2つのオリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、分子間又は分子内の二次構造を特徴とする。その結果、二本鎖はそれほど豊富ではなく、一本鎖の大部分が依然として存在し、二本鎖が形成されるが、速度は低下する(望ましくない結果)。
【
図1C】適合性の全LNAオリゴヌクレオチド結合対のスクリーニングアプローチを示す概略図(実施例2)。黒いバーは、それぞれの一本鎖分子、二本鎖分子、又は他の複合分子の量を表す。第1(1)及び第2(2)の一本鎖オリゴヌクレオチドは互いに接触している。C:両方のオリゴヌクレオチドは、分子間又は分子内の二次構造を特徴とする。その結果、二本鎖は形成されないか、又はわずかな量の二本鎖が形成され、長時間のインキュベーション後でも一本鎖が依然として存在する(望ましくない結果)。
【
図2】一本鎖LNA1のHPLC分析(配列番号1;実施例2);メインピークの表示された保持時間は3.353分である。
【
図3】一本鎖LNA2のHPLC分析(配列番号2;実施例2);マイナーピークの表示された保持時間は6.440分、メインピークの表示された保持時間は7.145分である。
【
図4】混合LNA1及びLNA2のHPLC分析、HPLCシステムへの即時注入(実施例2)。マイナーピークの表示された保持時間は1.671分、メインピークの表示された保持時間は6.641分である。
【
図5】注入前の熱変性後の混合LNA1及びLNA2のHPLC分析(実施例2)。陽性対照:二本鎖形成;マイナーピークの表示された保持時間は1.710分、メインピークの表示された保持時間は6.656分である。
【
図6】一本鎖LNA3のHPLC分析(配列番号5;実施例2);メインピークの表示された保持時間は3.353分である。
【
図7】一本鎖LNA4のHPLC分析(配列番号6;実施例2);マイナーピークの表示された保持時間は6.440分、メインピークの表示された保持時間は7.145分である。
【
図8】混合LNA3及びLNA4のHPLC分析、HPLCシステムへの即時注入(実施例2)。遅い二本鎖形成(比率<0.05)。第1のピークの表示された保持時間は3.387分、メインピークの表示された保持時間は7.157分である。
【
図9】混合LNA3及びLNA4のHPLC分析、50分後の注入(実施例2)。遅い二本鎖形成(比率=0.05)。第1のピークの表示された保持時間は3.365分、第2のピークの表示された保持時間は6.871分、第3のピークの表示された保持時間は7.148分である。
【
図10】注入(実施例2)前の熱変性後の混合LNA3及びLNA4のHPLC分析。陽性対照:二本鎖形成。メインピークの表示された時間は6.882分である。
【
図11】一本鎖LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(5’修飾された配列番号20)のHPLC分析。メインピークの表示された保持時間は6.184分である。
【
図12】一本鎖LNA 5’-gttggt-3’(配列番号16)のHPLC分析。マイナーピークの表示された保持時間は1.496であり、メインピークの表示された保持時間は1.865分である。
【
図13】混合LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’’(配列番号20)及び5’-gttggt-3’(配列番号16)のHPLC分析(室温で混合し、即時注入)。メインピークの示された保持時間は6.568分である。高速二本鎖形成(100%二本鎖形成:比率1.0)。 5’-gttggt-3’(配列番号14)は二本鎖形成に使用され、いくつかの残留一本鎖LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)が検出可能であった。
【
図14】混合 LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)及び5’-gttggt-3’(配列番号16)のHPLC分析(+4℃~+6℃で保存及び混合し、即時注入)。メインピークの表示された保持時間は6.588分であり、7.056分の別の保持時間が示されている。高速二本鎖形成(100%二本鎖形成:比率1.0)。5’-gttggt-3’(配列番号16)は二本鎖形成に使用され、少量の残留一本鎖LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)が検出可能であった。
【
図15】混合LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)及び5’-gttggt-3’(配列番号16)のHPLC分析(0℃で保存及び混合(氷浴)し、即時注入)。メインピークの示された保持時間は6.552分である。高速二本鎖形成(100%二本鎖形成:比率1.0)。5’-gttggt-3’(配列番号16)は二本鎖形成に使用され、少量の残留一本鎖LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)が検出可能であった。
【
図16】混合LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)及び5’-gttggt-3’(配列番号16)のHPLC分析(-10℃で保存及び混合(塩化マグネシウム/氷浴)し、即時注入)。メインピークの示された保持時間は6.547分である。高速二本鎖形成(100%二本鎖形成:比率1.0)。5’-gttggt-3’(配列番号16)は二本鎖形成に使用され、少量の残留一本鎖LNA 5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)が検出可能であった。
【
図17】注入前の熱変性及びアニーリング後の混合5’-Bi-Heg-accaac-3’(配列番号20)及び5’-gttggt-3’(配列番号16)のHPLC分析。メインピークの表示された保持時間は6.583分であり、6.967分の別の保持時間が示されている。二本鎖形成の陽性対照。
【
図18】一本鎖LNA 5’-Bi-Heg-cgtcaggcagttcag-3’(5’修飾配列番号47)のHPLC分析。メインピークの表示された保持時間は6.840分である。
【
図19】一本鎖LNA 5’-ctgaactgcctgacg-3’(配列番号48)のHPLC分析。メインピークの表示された保持時間は3.488分である。
【
図20】混合LNA 5’-Bi-Heg-cgtcaggcagttcag-3’(配列番号47)/5’-ctgaactgcctgacg-3’(配列番号48)のHPLC分析(室温で混合し、即時注入)。第1のピークの表示された保持時間は3.594分であり、それぞれのピークの表示された2の保持時間は6.580分である。二本鎖形成が遅い配列対の同定。遅い二本鎖の形成(比率<0.5)。
【
図21】混合LNA 5’-Bi-Heg-cgtcaggcagttcag-3’(配列番号47)/5’-ctgaactgcctgacg-3’(配列番号48)のHPLC分析(0℃で保存及び混合し、即時注入)。第1のピークの表示された保持時間は3.541分であり、それぞれのピークの表示された第2の保持時間は6.853分である。遅い二本鎖の形成(比率<0.5)。
【
図22】混合LNA 5’-Bi-Heg-cgtcaggcagttcag-3’(配列番号47)/5’-ctgaactgcctgacg-3’(配列番号48)のHPLC分析(-10℃で保存及び混合(塩化マグネシウム/氷浴)し、即時注入)。第1のピークの表示された保持時間は3.516分であり、それぞれのピークの表示された第2の保持時間は6.848分である。遅い二本鎖の形成(比率<0.5)。
【
図23】注入前の熱変性及びアニーリング後の混合LNA 5’-Bi-Heg-cgtcaggcagttcag-3’(配列番号47)/5’-ctgaactgcctgacg-3’(配列番号48)のHPLC分析。メインピークの表示された保持時間は6.580分である。陽性対照:二本鎖形成。
【
図24A】A:実施例4で使用されたBiacoreセンサーの概略図。B:Aに示される個々の成分。1:センサー表面、2:センサー表面に付着したストレプトアビジン、3:ビオチン 4:第1のss-オリゴヌクレオチドをビオチンに共有結合するリンカー分子、5:第1のss-オリゴヌクレオチド、6:第2のss-オリゴヌクレオチド。a:描かれているのは、第2のss-オリゴヌクレオチドが第1のss-オリゴヌクレオチドを付着したセンサーと接触したときの状況である。b:描かれているのは、2つのss-オリゴヌクレオチドが適合性であり、非変性条件下で二本鎖が形成される結果である。その結果、結合した第2のss-オリゴヌクレオチドは、Biacore機器で検出できる変化を引き起こす。
【
図24B】A:実施例4で使用されたBiacoreセンサーの概略図。B:Aに示される個々の成分。1:センサー表面、2:センサー表面に付着したストレプトアビジン、3:ビオチン 4:第1のss-オリゴヌクレオチドをビオチンに共有結合するリンカー分子、5:第1のss-オリゴヌクレオチド、6:第2のss-オリゴヌクレオチド。a:描かれているのは、第2のss-オリゴヌクレオチドが第1のss-オリゴヌクレオチドを付着したセンサーと接触したときの状況である。b:描かれているのは、2つのss-オリゴヌクレオチドが適合性であり、非変性条件下で二本鎖が形成される結果である。その結果、結合した第2のss-オリゴヌクレオチドは、Biacore機器で検出できる変化を引き起こす。
【
図51A】実施例5のBiacore実験の概略図。
【
図51B】実施例5のBiacore実験の概略図。
【
図51C】実施例5のBiacore実験の概略図。
【
図55-1】Bi-LNA-コンストラクトに結合しているLNA-コンストラクト;25℃での結合定数。
【
図55-2】Bi-LNA-コンストラクトに結合しているLNA-コンストラクト;25℃での結合定数。
【
図56-1】Bi-LNA-コンストラクトに結合しているLNA-コンストラクト;37℃での結合定数。
【
図56-2】Bi-LNA-コンストラクトに結合しているLNA-コンストラクト;37℃での結合定数。
【0173】
実施例1
LNAオリゴヌクレオチドの合成
LNAオリゴヌクレオチドは、標準の自動固相DNA合成手順を使用し、ホスホロアミダイト化学を適用して、ABI 394 DNAシンセサイザーで1μモルスケールの合成で合成された。Glen UnySupport PS(Glen Research カタログ番号26-5040)及びLNAホスホルアミダイト(Qiagen/Exiqon カタログ番号33970(LNA-A(Bz)、339702(LNA-T)、339705(LNA-mC(Bz)及び339706(LNA-G(dmf);ベータ-L-LNA類縁体を、A.A.Koshkin et al.,J.Org.Chem 2001,66,8504-8512)に従ってL-グルコース(Carbosynth、カタログ番号MG05247)から開始してD-beta-LNAホスホルアミダイトと同様に合成し、同様にスペーサーホスホルアミダイト(phosphoramidte)18(Glen Research カタログ番号10-1918)及び5’-ビオチンホスホルアミダイト(phosphoramidte)(Glen Research カタログ番号10-5950)をビルディングブロックとして使用した。全てのホスホロアミダイトは、DNAグレードのアセトニトリルに0.1Mの濃度で適用された。LNAオリゴヌクレオチドの組み立てには、延長したカップリング時間(180秒)、延長した酸化(45秒)、脱トリチル化時間(85秒)での標準DNAサイクル、及び標準合成試薬と溶媒を使用した。5’-ビオチン化LNAオリゴヌクレオチドは合成されたDMToffであったが、未修飾のLNAオリゴヌクレオチドはDMTonとして合成された。次に、標準的な切断プログラムを適用して、濃縮アンモニアによって、支持体からLNAオリゴヌクレオチドの切断を行った。残留保護基は、濃縮アンモニアでの処理によって切断された(56℃で8時間)。粗LNAオリゴヌクレオチドを蒸発させ、RP HPLC(カラム:PRP-1、7μm、250x21.5mm(Hamilton、part no.79352)又はXBridge BEH C18 OBD、5μm、10x250mm(Waters part no.186008167)で、0.1M酢酸トリエチルアンモニウム pH7/アセトニトリルグラジエントを使用して、精製した。生成物画分を合わせ、水に対する透析(MWCO 1000、SpectraPor 6、part no.132638)によって3日間脱塩し、それによってDMTon精製オリゴヌクレオチドのDMTグループも切断した。最後に、LNAオリゴヌクレオチドを凍結乾燥した。
【0174】
収量は、85~360nmolの範囲であった。
【0175】
LNAオリゴヌクレオチドは、0.1M酢酸トリエチルアンモニウム pH7/アセトニトリルグラジエントを使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で分析した。典型的な純度は、>90%であった。LNAオリゴヌクレオチドの同一性は、LC-MS分析によって確認された。
【0176】
各種のオリゴヌクレオチドを合成し、別々に保管した。
【0177】
実施例2
RP-HPLC分析を適用した事前の変性なしに二本鎖を形成することができるLNAオリゴヌクレオチド配列の同定
a)一般的な方法:
実施例1のLNAオリゴヌクレオチドを緩衝液(0.01MのHepes pH7.4、0.15MのNaCl)に溶解し、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(10分間で8~24%アセトニトリル、260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で分析した。
【0178】
鎖及び対応する対向鎖LNAオリゴヌクレオチドを等モル濃度でr.t.(室温)で混合し、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(8~10分で24%B;260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で直ちに分析した。
【0179】
第1の対照実験では、鎖及び対応する対向鎖LNAオリゴヌクレオチドを等モル濃度で室温で混合し、室温で1時間インキュベートした。その後、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(10分で8~25%アセトニトリル、260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で分析した。
【0180】
二本鎖形成(陽性対照)鎖及び対応する対向鎖LNAオリゴヌクレオチドを示す第2の対照実験では、室温で等モル濃度で混合し、95℃(10分)で熱変性させ、それから室温に達した後、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(10分で8~24%アセトニトリル、260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で再度分析した。
【0181】
個々の一本鎖LNAオリゴヌクレオチドと比較して異なる保持時間で新たなピークが形成される場合、二本鎖形成を検出することができる。陽性対照では、混合鎖と対向鎖が注入前に熱変性され、二本鎖が生成される。室温で、鎖と対向鎖LNAを混合した後の時間依存注入によって、事前の変性なしで、二本鎖形成の動態をモニターすることができる。
【0182】
LNA配列は、事前に変性させずに室温で5~60分間焼き戻した後(HPLC%は吸光係数で補正され、二本鎖の高色度は考慮されてない)、形成された二本鎖と両方の一本鎖LNAの一方のHPLC%比(吸光係数で補正され、両方の鎖が正確に等モルではない場合は、より高い比率の値が考慮される)が、>0.9の場合、迅速に二本鎖を形成できると判断される。
【0183】
b)二本鎖を高速で形成する配列の同定
LNA 1:5’-tgctcctg-3’(配列番号1)
LNA 2:5’-Bi-Heg-caggagca-3’(5’修飾された配列番号2)
Heg=ヘキサエチレングリコール
Bi=ビオチンの吉草酸部分のカルボキシ機能を介して付着したビオチンラベル
図2~
図10に結果を示す。
【0184】
c)ゆっくりと二本鎖を形成する配列の同定
10bpハイブリダイゼーション実験では、以下の比率の計算を行った。
LNA 3:5’-ctgcctgacg-3’
LNA 4(コンジュゲート):5’-Bi-Heg-cgtcaggcag-3’
【表4】
HPLC%*ε
-1*1000(LNA3/LNA4二本鎖)/HPLC%*
-1*1000(LNA3一本鎖)=0.023/0.456=0.05
HPLC%*
-1*1000(LNA3/LNA4二本鎖)/HPLC%*
-1*1000(LNA4一本鎖)=0.023/0.457=0.05
【0185】
実施例3
RP-HPLC分析を適用した事前の変性なしに二本鎖を形成できるLNAオリゴヌクレオチド配列の同定
a)一般的な方法:
実施例1のLNAオリゴヌクレオチドを緩衝液(0.01M Hepes pH7.4、0.15M NaCl)に溶解し、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(10分間で8~24%アセトニトリル、260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e、Merck part no.1.02129.0001)で、分析した。
【0186】
鎖及び対応する対向鎖LNAオリゴヌクレオチド(すなわち、第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチド)を等モル濃度でr.t.(室温)又は0℃~40℃から選択した温度で混合し、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(8~10分で24%B;260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で直ちに分析した。
【0187】
あるタイプの対照実験では、鎖及び対応する対向鎖LNAオリゴヌクレオチドを等モル濃度で室温で混合し、室温で1時間インキュベートした。その後、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(10分で8~25%アセトニトリル、260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で分析した。他の実験を種々の温度で行った。温度を0℃~70℃、より具体的には0℃~5℃、0℃~5℃、0℃~10℃、0℃~20℃、0℃~30℃、5℃~10℃、10℃~15℃、15℃~20℃、20℃~25℃、25℃~30℃、30℃~35℃、及び35℃~40℃から選択した。クロマトグラフィー分析を室温で行った。
【0188】
二本鎖形成(陽性対照)鎖及び対応する対向鎖LNAオリゴヌクレオチドを示す対照実験では、室温で等モル濃度で混合し、95℃(10分)で熱変性させ、再び室温まで冷却した後、0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH7/アセトニトリルグラジエント(10分で8~24%アセトニトリル、260nmで検出)を使用して、RP18 HPLC(Chromolith RP18e,Merck part no.1.02129.0001)で再度分析した。
【0189】
個々の一本鎖LNAオリゴヌクレオチドに対応するピークとは異なる保持時間で、新たなピークが現れる場合、二本鎖の形成が検出される。陽性対照(対照実験、上記を参照)では、混合鎖と対向鎖を注入前に熱変性させたため、細孔があり、二本鎖の形成を防ぐことができる構造が破壊された。したがって、熱変性に続いて、二本鎖が得られた。室温で、鎖と対向鎖LNAを混合した後の時間依存注入によって、事前の変性なしで、二本鎖形成の動態をモニターした。
【0190】
LNA配列を、二本鎖を迅速に形成する能力に関して分析した。例示的であるが非限定的な場合において、事前に変性させずに室温で5~60分間焼き戻した後(HPLC%は吸光係数で補正され、二本鎖の高色度は考慮されてない)、形成された二本鎖と両方の一本鎖LNAの一方のHPLC%比(吸光係数で補正され、両方の鎖が正確に等モルではない場合は、より高い比率の値が考慮される)が、>0.9の場合、陽性の結果が得られた。
【0191】
b)非変性条件下で高速二本鎖形成が可能な例示的な配列対の同定。
最初の実験では、第1のLNAオリゴヌクレオチド5’-tgctcctg-3’(配列番号1)及び第2のLNAオリゴヌクレオチドBi-Heg-5’-caggagca-3’(5’修飾配列番号2)が得られた。
Heg=ヘキサエチレングリコール
Bi=ビオチンの吉草酸部分のカルボキシ機能を介して付着したビオチンラベルこれらの結果等は図に反映されている。
【0192】
HEG部分の存在は、それぞれのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性に影響を与えないことがわかった。核酸塩基配列及びハイブリダイゼーション特性に関して、ベータ-D-LNAオリゴヌクレオチド対及びベータ-L-LNAオリゴヌクレオチド対に関して差異は見られなかった。
【0193】
以下のリストは、非変性条件下で別々に保持することができ、互いに接触したときに非変性条件下で二本鎖を形成することができるオリゴヌクレオチド対の更なる例示的な結果を提示する。
【0194】
15-mer 5’caccaacacaccaac 3’(配列番号32、5’修飾Bi-Heg分子として試験)及び15-mer 5’gttggtgtgttggtg 3’(配列番号31)は、互いに接触すると高速二本鎖形成を示した。
【0195】
ワトソン-クリックの相補的塩基対の数:5
5’ggaag 3’/5’cttcc 3’は、高速二本鎖形成で見出された;
(それぞれ、配列番号34及び配列番号33)。
5’ggagc 3’/5’gctcc 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号43及び配列番号42)。
【0196】
ワトソン-クリックの相補的塩基対の数:6
5’accaac 3’/5’gttggt 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号20及び配列番号16)。
5’tttttt 3’/5’aaaaaa 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号27及び配列番号39)。
5’ggagca 3’/5’tgctcc 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号45及び配列番号44)。
5’ctgtca 3’/5’tgacag 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号40及び配列番号41)。
5’ggaaga 3’/5’tcttcc 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号36及び配列番号35)。
【0197】
ワトソン-クリックの相補的塩基対の数:8
5’caggagca 3’/5’tgctcctg 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号2及び配列番号1)。
【0198】
ワトソン-クリックの相補的塩基対の数:9
5’ggaagagaa 3’/5’ttctcttcc 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号38及び配列番号37)。
【0199】
ワトソン-クリックの相補的塩基対の数:15
5’caccaacacaccaac 3’/5’gttggtgtgttggtg 3’は、二本鎖形成が速いことがわかった。
(それぞれ、配列番号32及び配列番号31)。
【0200】
通常、前述の結合対の第1のオリゴを、最初の実験で説明されるように、Bi-Hegコンジュゲートとして使用した。
説明については、
図11~
図17を参照されたい。
【0201】
c)ゆっくりと二本鎖を形成する配列の同定
可能なワトソン-クリック相補的塩基対の数:10
5’cgtcaggcag 3’/5’ctgcctgacg 3’は、二本鎖形成が遅いことがわかった。
(それぞれ、配列番号6及び配列番号5)。
可能なワトソン-クリック相補的塩基対の数:15
5’cgtcaggcagttcag 3’/5’ctgaactgcctgacg 3’は、二本鎖形成が遅いことがわかった。(それぞれ配列番号47及び48)。
説明については、
図18~
図20及び
図21~
図23を参照されたい。
【0202】
図20は、遅いハイブリダイゼーションを示す結合対の同定を示す。5’-ctgaactgcctgacg-3’(配列番号48)と組み合わせた混合LNA 5’-Bi-Heg-cgtcaggcagttcag-3’(5’修飾された配列番号47)の比率の計算。
【表5】
HPLC%*ε
-11000(LNA二本鎖)/HPLC%*ε
-11000(LNA一本鎖)=0.104/0.237=0.44
【0203】
実施例4
生体特異的相互作用分析、第2のLNAオリゴヌクレオチドと接触した固定化された第1のLNAオリゴヌクレオチド、3つの異なるモチーフ;25℃及び37℃での速度論的特性
a)アプローチの概要
・ 12の異なるオリゴヌクレオチドLNA配列を設計し、最終的にビオチン化した(Bi-LNA配列)
・ 7つのLNAオリゴヌクレオチド配列を、25℃/37℃で12の固定化Bi-LNA配列への結合について分析した。
・ 流速60μl/分で3分の会合時間と5つのそれぞれ30分の解離時間
・ LNAサンプルを、メーカーの推奨に従って、RT(室温)で一晩、わずかに塩基性の干渉液でプレインキュベートした(化学的不活性化)。
・ 試験セットアップを
図24に示す。
b)技術的手順
速度論的調査を、GE Healthcare Biacore 8k機器で実施した。
Biacoreビオチン捕捉キット、シリーズSセンサー(カタログ番号28-9202-34)を機器に据え付け、製造元の説明書により、流体力学的にアドレス指定し、事前調整した。システム緩衝液はHBS-T(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、0.05%TWEEN20)であった。試料緩衝液はシステム緩衝液であった。製造業者であるGE Healthcareが提供するビオチン捕捉試薬をシステム緩衝液で1:50に希釈し、全ての測定フローセルに10μl/分で60秒間注入した。参照細胞は固定化されず、ブランク対照のままであった。10nMのそれぞれのビオチン化リガンドを30μl/分で注入し、4RU~30RUのリガンド捕捉レベルを得た。溶液中の一連の分析対象物の濃度を60μl/分で3分間注入した。解離を5分間モニターした。高親和性相互作用を30分の解離時間モニターした。分析対象物の濃度系列は、0nM(バッファー)、0.11nM、0.33nM、3nM、9nM、27nMであった。別の実施形態では、0nM、0.56nM、1.67nM、5nM、15nM及び45nMであった。CAPセンサーを、100mM NaOHを1分間注入することで完全に再生した。速度論的データを、Biacore Evaluationソフトウェアを使用して決定した。
【0204】
結果
3つの異なる配列モチーフを表す7つの異なるLNAオリゴヌクレオチドを、25℃と37℃の2つの異なる温度で、様々な長さの配列を持つ12の異なる相補的ビオチン化LNAオリゴヌクレオチド(Bi-LNA)の結合について分析した。
【0205】
SPR測定では、0.05%Tween20を界面活性剤として使用した。
【0206】
初期モル比MR=1.0~0.7(データは示していない)は1:1の結合を示し、MRは分析サイクル中に減少し(MR=0.5~0.3)、おそらく再生工程での過酷な塩基性pHの使用によるストレプトアビジン表面の不活性化が原因である。
【0207】
モチーフ「配列1」
9mer LNAは、モチーフ1の相補的Bi-LNA7-9merへの結合を示した。
【0208】
37℃で’’Bi-(HEG)4-5’caggagca 3’(5’修飾された配列番号2)’及び’Bi-(HEG)4-5’caggagc 3’(5’修飾された配列番号15)は、(HEG)4-MH-5’-タグの有無にかかわらず、相補的オリゴヌクレオチド5’tgctcctgt 3’(配列番号9)’との高い複合体安定性を示した。
【0209】
t/2 diss(Bi-LNA 7及び8mer/9mer)=>247/228分、
t/2 diss(Heg4-MH5’を含むBi-LNA 7及び8mer/9mer))=>734/800分、高親和性を生じた(KD=6~9pM):
「配列2」-LNAとのハイブリダイゼーションは、配列1 Bi-LNA7-9merへの結合が弱いことを示した。
【0210】
(HEG)4-MH-5’-タグを含む9-mer A配列’5’aaaaaaaaa’3’(配列番号28)の結合は検出されない。
【0211】
モチーフ「配列2」
様々な長さ(12mer、10mer、8mer、7mer、及び6mer)のモチーフ2を表すBi-LNAは、LNAモチーフ1又は3への結合を示さなかった。
【0212】
様々な長さのモチーフ2-LNA結合は、6~8merで同等の複合体形成を示し、12merではわずかに遅い複合体形成のみを示した。
複合体安定性は様々である:Bi-LNA 7merはこれらの実験で最も高い複合体の安定性を示し、Bi-LNA 8merがそれに続いた。
t/2 diss(Bi-LNA 7mer/6mer)=238分、
t/2 diss(Bi-LNA 7mer/7mer)=720分、
t/2 diss(Bi-LNA 7mer/8mer)=644分、
t/2 diss(Bi-LNA 8mer/7mer)=545分、
t/2 diss(Bi-LNA 8mer/8mer)=433分、高親和性をもたらす(KD=1~5pM)
モチーフ2はモチーフ1よりも優れていると推定された
【0213】
モチーフ「配列3」
5’修飾ポリA配列(HEG)4-MH-5’配列5’aaaaaaaaa 3’(配列番号28)’’を陰性対照として使用した。この対照は、ビオチン化配列1及び2のいずれにも結合を示さなかった。しかしながら、「グループ3」の相補的なPoly-T-配列で特異的結合が検出された。
【0214】
37℃では、LNAの長さが6~9merから1000倍(t/2 diss=1~1160分超)に増加すると複合体安定性が大幅に向上し、複合体の形成が55倍に減少し、結果として親和性はKD=300pM~10pMの範囲であった。
【0215】
-ssL-DNAハイブリダイゼーションは、長さが6merから9merに増加するにつれて遅くなり、複合体安定性は持続的に高くなり、対になっていないヌクレオチドが2つを超えるオーバーハングは、PolyA/PolyT対合について複合体安定性を明らかに低下させた。
【0216】
d)結論
ストレプトアビジン:ビオチン結合対の代替品を提供することを念頭に置いて、すでに25℃で非常に速い結合速度定数を持ち、37℃での高い複合体安定性が持続する、低親和性(pM範囲にあることが望ましい)結合対を選択することが重要である。
【0217】
モチーフ「配列2」を表す4~5個の相補的LNA核酸塩基対合を有する全LNAオリゴヌクレオチド二本鎖は、飽和への迅速な結合及び高い複合体安定性を示すという点で、目的の結合対の要求を満たす。
【0218】
迅速な会合を確保するため、結合対は、時間のかかる「ミスプライミング」中間体を回避するために可能な限り短くすることが望ましい。5’gttggt 3’ ’及びBi-(HEG)4-MH-5’gttggtgt 3’(5’修飾された配列番号16)’に結合している’Bi-(HEG)4-5’caccaac 3’7merオリゴヌクレオチド、配列番号19)は、t/2 diss=720、それぞれ644分で複合体形成及び複合体安定性を示し、37℃で高い親和性(KD=2pM)をもたらした。(HEG)4-MH-5’gttggtg 3’(5’修飾された配列番号21)に結合及び(HEG)4-MH-5’gttggtgt 3’(5’修飾された配列番号13)’に結合している’Bi-(HEG)4-5’acaccaac 3’(8mer、5’修飾された配列番号14)は、それぞれt/2 diss=545及び433分で十分な複合体形成及び複合体安定性を示し、37℃で高い親和性(KD=2pM)をもたらした。
【0219】
様々な長さのモチーフ「配列1」を有するLNAは結合しなかった。陰性対照として、(HEG)4-MH-5’-タグを含む配列 5’aaaaaaaaa 3’(配列番号28)を試験したが、「測定可能な分子間相互作用は観察されなかった。
【0220】
実施例5
生体特異的相互作用分析
a)アプローチ及びアッセイのセットアップの概要
・ CAP-Kitを介した可逆的捕捉ストレプトアビジンコンジュゲート
・ ストレプトアビジンは相補的なss-LNAと結合している
・ SCM上で事前に固定化されたss-LNAオリゴに可逆的なオリゴ結合
以下の決定:
・ 捕捉レベル(CL)、会合速度定数k
a、
・ 解離速度定数k
d、
・ 解離平衡定数K
D
・ モル比(MR)
・ 試験のセットアップを
図51Aに示す。
・ 様々な長さ(6~8mer及び12mer)の4つの遊離LNAコンストラクト「モチーフ2」及びLNA-Fab<TSH>コンジュゲート(LNA-Fab<TSH>=TSH抗原に特異的な抗体Fabフラグメント)を、25°/37℃での相補的Bi-LNA-配列への結合について分析した。
・ Bi-LNA-配列を、可逆的Biotin-Capture-Kitを介してCAP-Chip上のリガンドとして捕捉し、
・ 遊離LNA又はLNA-Fab<TSH>-コンジュゲートを溶液中の分析物として使用した
・ ハイブリダイゼーションを、3分の会合時間及び30分の解離時間で分析した。
・ 流量60μl/分
・
C(遊離LNAs)=9~0.1nM、
c(LNA-Fab<TSH>-コンジュゲート)=45~0.6nM、c
(12merLNA/Fab<TSH>-コンジュゲート)=45~0.6nM
・ LNAサンプルは、顧客からの推奨に従い、わずかに塩基性の緩衝液中、RTで一晩プレインキュベートした(化学的不活性化)
b)試薬:配列「モチーフ2」
【0221】
ビオチン化リガンド
’Bi-(HEG)4-5’accaac 3’(配列番号20)
BMO 28.542740,GO4094,ID 6681,6mer,MW 3.8 kDa
’Bi-(HEG)4-5’caccaac 3’(配列番号19)
BMO 28.542739,GO4093,ID 6681,7mer,MW 4.1 kDa
’Bi-(HEG)4-5’acaccaac 3’(配列番号14)
BMO 28.542738,GO4092,ID 6680,8mer,MW 4.4 kDa
’Bi-(HEG)4-5’caacacaccaac 3’(配列番号52)
BMO 28.542742,GO4096,ID 6684,12mer,MW 5.8 kDa
【0222】
分析物
2300/103(HEG)4-MH-5’gttggt 3’(配列番号16)’
BMO 28.170333,AO581,ID 6719,6mer,MW 3.8 kDa
2300/104(HEG)4-MH-5’gttggtg 3’(配列番号21)’
BMO 28.170334,AO582,ID 6720,7mer,MW 4.1 kDa
2300/105(HEG)4-MH-5’gttggtgt 3’(配列番号13)’
BMO 28.170335,AO583,ID 6721,8mer,MW 4.4 kDa
2300/102(HEG)4-MH-5’gttggtgtgttg 3’(配列番号53)’
BMO 28.542727,GO4073,ID 6653,12mer,MW 5.8 kDa
’mAb<TSH>M-Tu1.20-F(ab’)2-SATP-D-LNA-コンジュゲート
2331/111 mAb<TSH>M-Tu1.20-F(ab’)2-SATP-D-LNA-5’gttggt 3’(配列番号16),6mer,MW 104 kDa
2331/112 mAb<TSH>M-Tu1.20-F(ab’)2-SATP-D-LNA-5’gttggtg 3’(配列番号21),7mer,MW 104 kDa
2331/113 mAb<TSH>M-Tu1.20-F(ab’)2-SATP-D-LNA-5’gttggtgt 3’(配列番号13),8mer,MW 104 kDa
2331/114 mAb<TSH>M-Tu1.20-F(ab’)2-SATP-D-LNA-5’gttggtgtgttg 3’(配列番号53),12mer,MW 106 kDa
mAb<TSH>M-Tu1.20-F(ab’)2は、ヒト甲状腺-刺激ホルモンであるTSHに特異的なモノクローナル抗体のF(ab’)2フラグメントを意味する。D-LNAは、後続の核酸塩基配列を含むオリゴヌクレオチドがD-LNAモノマーで構成されていることを意味する。D-LNAオリゴヌクレオチドを使用した
【0223】
c)結果
上記の4つの異なる5’修飾LNAオリゴヌクレオチド、及び同じそれぞれの配列を有するがF(ab’)2<TSH>コンジュゲートに含まれるオリゴヌクレオチドは、6-、7-、8-及び12merの長さの配列「モチーフ2」を表した。25°/37℃で相補的なBi-LNA-配列の結合について全てを分析した。
【0224】
ハイブリダイズしたLNA-Fab<TSH>コンジュゲートへのTSH結合(TSHが分析物)も分析した。
【0225】
配列「モチーフ2」
様々な長さのBi-LNAは、同等の複合体形成を示し、複合体安定性は、25℃でpM親和性範囲(KD 3~10pM)でt/2 diss 154~232分超の範囲である。37℃では、複合体の形成はpM親和性範囲(KD 11~26pM)にある。遊離オリゴのハイブリダイゼーション速度は、25℃及び37℃で物質移動制限され(データは赤で示される)、SWスクラバーを使用してMTLの補正を行った。モル比(MR)0.8~1.1は、両方の温度で化学量論的な1:1のハイブリダイゼーションを示した。25℃での12mer会合相の過飽和。
【0226】
LNA-Fab<TSH>コンジュゲートは、コンジュゲートしていないLNAオリゴヌクレオチドと比較して、2~4倍の複合体形成の遅延を示した。Fab<TSH>-LNA-コンジュゲートのハイブリダイゼーション中にMTLはない。複合体安定性t/2 diss 232分超、25℃でpM親和性範囲(KD=22~11pM)をもたらす。
【0227】
37℃では、FAb<TSH>-LNAコンジュゲート(7、8及び12mer)は、同じ長さの遊離LNAと比較した場合、複合体形成に有意差を示さず、pM親和性範囲(KD<12~14pM)の範囲で、複合体安定性t/2 diss> 232分を示した。
【0228】
LNA-Fab<TSH>コンジュゲートのモル比MR0.1~0.6は、化学量論以下の1:1結合を示した。様々な長さのハイブリダイズしたLNA-FAb<TSH>コンジュゲートへのTSH結合を分析した。LNA-Fab<TSH>コンジュゲート(6~8mer及び12mer)へのTSH結合は、同等の速度論的プロファイルを示した。高速複合体形成及びt/2 diss 31~33分での十分な複合体形成、親和性KD=0.7nMをもたらす
【0229】
結合定数は、この相互作用の既知の親和性範囲にある。
【0230】
モル比(MR)1.8/1.9は、完全に機能的な化学量論的2:1結合を示し、機能的コンジュゲートの結合を示す。
【0231】
ハイブリダイズしたFabコンジュゲートは、コンジュゲート中の抗体部分の完全な抗原結合活性を示すことが見出された。結果
図52を参照されたい。
【0232】
次のデータについては、
図51Cも参照されたい。
【表6】
表:4つの抗hTK抗体のhTKサンドイッチ形成を示すモル比エピトープアクセシビリティマトリックス。MR
EA=1、完全に独立したエピトープ、MR
EA <1の重複エピトープ。
【0233】
抗体Aは、23C11、6C6、及び4H4と免疫複合体を形成することができる。23C11、6C6及び4H4は同じエピトープを共有する。
d)代替アプローチ(
図51B、結果
図53を参照されたい)
【0234】
・ 様々な長さ(6、7、8、及び12mer)のプレハイブリダイズしたLNA-FAb<TSH>コンジュゲートへのTSH結合を、37℃で分析した。
【0235】
・ アッセイフォーマットはスライド10を参照されたい、結合プロファイルはスライド11を参照されたい。
・ 3つのBi-LNA-配列をFc2-4のSAチップに不可逆的に結合した
・ LNA-Fab<TSH>コンジュゲーション(6-、7-、及び8mer)は、37℃で相補的なBi-LNAとプレハイブリダイズした
・ TSHを、3分の結合時間及び5分の解離時間
・ 流量60μl/分、c
TSH=270nMで分析物溶液として使用した
図53を参照されたい。
【0236】
実施例6
生体特異的相互作用分析
a)アプローチ及びアッセイのセットアップの概要
・ 実験の概略図を
図54に示す。
・ 様々な長さ(5、-6、9、又は15mer)の遊離LNAコンストラクトと配列を、25°/37℃で相補的なBi-LNA配列(4、6、9、又は15mer)への結合について分析した。
・ Bi-LNA-配列を、可逆的Biotin-Capture-Kitを介してCAP-Chip上のリガンドとして捕捉した
・ 溶液中の分析物として遊離LNAを使用した
・ ハイブリダイゼーションを、3分の会合時間及び30分の解離時間で分析した。
・ 流量60μl/分
・
C(遊離LNAs)=相互作用ごとに最適化
【0237】
以下の決定:捕捉レベル(CL)、会合速度定数ka、解離速度定数kd、解離平衡定数KD、モル比(MR)。
事前に固定化されたss-LNAオリゴに可逆的な相補的ss-LNAオリゴ結合とコンジュゲート化されたストレプトアビジン(=SA)である、CAP-Kitを介して可逆的に捕捉されたSA-コンジュゲート
b)試薬
ビオチン化リガンド
2387/L01 Bi-(HEG)-5’accaac 3’(配列番号20)
BMO 28.170341,AO591,ID 6730,6mer,MW 2.71 kDa
2387/L02 Bi-(HEG)-5’cacaccaac 3’(配列番号30)
BMO 28.170342,AO592,ID 6731,9mer,MW 3.71 kDa
2387/L03 Bi-(HEG)-5’caccaacacaccaac 3’(配列番号54)
BMO 28.170343,AO593,ID6732,15mer,MW 5.73 kDa
2387/L04 Bi-(HEG)-5’ggaag 3’(配列番号34)
BMO 28.170347,AO597,ID6736,5mer,MW 2.44 kDa
2387/L05 Bi-(HEG)-5’ggaaga 3’(配列番号36)
BMO 28.170348,AO598,ID 6737,6mer,MW 2.78 kDa
2387/L06 Bi-(HEG)-5’ggaagagaa 3’(配列番号38)
BMO 28.170349,AO599,ID 6738,9mer,MW 3.82 kDa
2300/12 Bi-(HEG)4-5’tttttt 3’(配列番号27)
BMO 28.170336,AO584,ID 6722,6mer,MW 3.71 kDa
2387/L08 Bi-(HEG)-5’ctgtca 3’(配列番号40)
BMO 28.170354,AO604,ID 6743,6mer,MW 2.71 kDa
2387/L09 Bi-(HEG)-5’cgtcaggcagttcag 3’(配列番号55)
BMO 28.170356,AO606,ID 6745,15mer,MW 5.12 kDa
2387/L10 Bi-(HEG)-5’ggagc 3’(配列番号43)
BMO 28.170358,AO608,ID 6747,5mer,MW 2.43 kDa
2387/L11 Bi-(HEG)-5’ggagca 3’(配列番号45)
BMO 28.170360,AO610,ID 6749,6mer,MW 2.77 kDa
2387/L12 Bi-(HEG)4-5’-ccaac 3’(配列番号46)
BMO 28.542748,GO4105,ID 6764,5mer,MW 3.40 kDa
2387/L13 Bi-(HEG)4-5’caac 3’(配列番号56)
BMO 28.542749,GO4106,ID 6765,4mer,MW 3.07 kDa
2387/L14 Bi-(HEG)4-5’ttttt 3’(配列番号57)
BMO 28.542750,GO4107,ID 6766 5mer,MW 3.38 kDa
2387/L15 Bi-(HEG)4-5’tttt 3’(配列番号58)
BMO 28.542751,GO4108,ID 6768 4mer,MW 3.05 kDa
分析物
2387/A01 3’-TGG TTG-5’
BMO 28.170344,AO594,ID,6733,6mer,MW 2.01 kDa
2387/A02 3’-GTG TGG TTG-5’
BMO 28.170345,AO595/ ID 6734,9mer,MW 3.05 kDa
2387/A03 3’-GTG GTT GTG TGG GTT-5’
BMO 28.170346,AO596,ID 6735,15mer,MW 5.12 kDa
2387/A04 3’-CCT TC-5’
BMO 28.170350,AO600,ID 6739,5mer,MW 1.60 kDa
2387/A05 3-’CCT-TCT-5’
BMO 28.170351,AO601,ID 6740,6mer,MW 1.93 kDa
2387/A06 3’-CCT TCT CTT-5’
BMO 28.170352,AO602,ID 6741,9mer,MW 2.92 kDa
2387/A07 3’-AAA AAA-5’
BMO 28.170353,AO603,ID 6742,6mer,MW 1.99 kDa
2387/A08 3’-GAC AGT-5’
BMO 28.170355,AO605,ID 6744,6mer,MW 2.00 kDa
2387/A09 3’-GCA GTC CGT CAA GTC-5’
BMO 28.170357,AO607,ID 6746,15mer,MW 5.04 kDa
2387/A10 3’-CCT CG-5’
BMO 28.170359,AO609,ID 6748,5mer,MW 1.62 kDa
2387/A11 3’-CCT CGT-5’
BMO 28.170361,AO611,ID 6750,6mer,MW 1.95 kDa
【0238】
c)結果
異なる配列を持つ11のLNAを、それらの相補的なBi-LNA-Sequencesへの結合について分析した。さらに、長さの異なる2つのBi-LNA(5mer及び4mer)と遊離LNA 6merとの対合を、25°/37℃で分析した。
【0239】
配列「モチーフ2」(2387/L01-L03)及び「Shortモチーフ2」(2387/L12&L13)6mer及び9mer Bi-LNA 5’-Bi-Heg-ACC AAC-3’及び5’-Bi-Heg-CAC ACC AAC-3’は、それらの相補的LNA 6mer 3’-TGG TTG-5’、9mer 3’-GTG TGG TTG-5’それぞれへの高い親和性結合を示す。速度論的な特性は、高速ハイブリダイゼーション、複合体安定性が t/2 diss=160~232分超及び25°と37℃でのpM親和性範囲(KD=1~9pM)で持続的に高いことを特徴とし、ハイブリダイゼーション速度は25℃と37℃で物質移動制限されており、MTLの補正も行われた。
【0240】
モル比(MR)1.1/1.2は、6mer対の両方の温度での化学量論的1:1ハイブリダイゼーションを示し、MR1.3/1.5は、9mer対の化学量論的結合が過剰であることを示している。Bi-LNA 15merは、6及び9merと比較してハイブリダイゼーション速度が遅くなり、親和性がわずかに低くなる。両方の温度でKD=24/53pM、MR1.3は、わずかに化学量論的に過剰な結合を示す。
【0241】
5mer(2387/L12)Bi-LNA 5’Bi-4x(HEG)-CCA AC-3’遊離6mer-LNA 3’-TGG TTG-5’に結合すると、2桁のpM親和性範囲を伴って低下した複合体安定性t/2 diss=50分を示し、4mer(2387/L13)5’Bi-4x(HEG)-CAA C-3’に結合すると、複合体安定性はt/2 diss <1分に低下し、2桁のnM親和性が得られる。MR 1.1~1.3は、化学量論的結合がわずかに過剰であることを示している。
【0242】
したがって、1つ又は2つの一致しないヌクレオチドとのオーバーハングは、この場合、複合体安定性をある程度低下させると解釈される可能性がある。
【0243】
「モチーフ3」Poly-T 対照「short」(2300/12及び2387/L14&L15);様々な長さ(5及び6mer)の3つのPolyT-対照Bi-LNAはPolyA-6merへの結合を示し、典型的な高速オン/オフプロファイル、25°及び37℃での複合体半減期t/2 diss<2分を示し、Bi-LNA 4merは、PolyA-6merへの結合が弱いか全くないことを示している。
【0244】
「モチーフ4」(2387/L04-L06)5、6又は9mer 5’-Bi-Heg-GGA AG-3’、5’-Bi-Heg-GGA AGA-3’、又は5’-Bi-Heg-GGA AGA GAA-3’は、相補的なLNAに結合する場合、「モチーフ2」より劣り、複合体半減期 t /2 diss 20~65分、25℃で2~3桁のpM親和性が得られる。
【0245】
「モチーフ5」(2387/L08)5’-Bi-Heg-CTG TCA-3’の相補的LNA 3’-GAC AGT-5’への結合は、6merよりもわずかに遅いハイブリダイゼーションを示す。
【0246】
「モチーフ2」、25°及び37℃で2桁のpM親和性の複合体安定性。モル比0.3/0.4は、化学量論以下の結合を示す。
【0247】
「モチーフ6」(2387/L09)3’-GCA GTC CGT CAA GTC-5’を結合している15mer 5’-Bi-Heg-CGT CAG GCA GTT CAG-3’は、ハイブリダイゼーションの速度低下及び複合体安定性の低下によって引き起こされる1桁のnM親和性相互作用を示し、モル比0.1/0.4は、化学量論以下の結合を示す。
【0248】
「モチーフ7」(2387/L10及びL11)
5mer 5’-Bi-Heg-GGA GC-3’は、相補的なLNAに結合する6mer 5’-Bi-Heg-GGA GCA-3’を上回り、複合体の半減期 t/2 diss 174~62分、25℃で32/186pMの親和性範囲であり、5merは37℃で29pMの相互作用を示し、モル比MR0.5/0.3は25℃で化学量論以下の結合を示し、37℃で増加(MR1.2/0.6)した。
【0249】
d)結論
Bi-LNA 5’-Bi-Heg-ACC AAC-3’と5’-Bi-Heg-CAC ACC AAC-3’(「モチーフ2」)はどちらも、相補的なLNA 6mer 3’-TGG TTG-5’、9mer 3’-GTG TGG TTG-5’それぞれへの高親和性結合を示す。モル比は、完全に機能する1:1のLNAハイブリダイゼーションを示す。5’-Bi-Heg-ACC AAC-3’/3’-TGG TTG-5’は、複合体安定性が2倍向上したため、5’-Bi-(HEG)4-ACCAAC-3’/3’-TGG-TTG-5’-Heg4-MH-5’と比較して、わずかに改善されたハイブリダイゼーション速度を示す。
【0250】
実験で使用されたセンサー表面で捕捉されたBi-LNA 5’-Bi-Heg-ACC AAC-3’の絶対密度は、ベンダー情報1000RU=1ng/mm2に基づいて、11fmol/mm2(30pg/mm2)であった。ハイロゲルでは、0.3mg/mLの濃度に対応すると想定される。
【配列表】
【国際調査報告】