(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】処理ヘッドおよびトレイを移動させるための装置
(51)【国際特許分類】
B26F 3/00 20060101AFI20220802BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20220802BHJP
B26D 5/06 20060101ALI20220802BHJP
B23C 3/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
B26F3/00 M
B26D7/06 D
B26D5/06 Z
B23C3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572549
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2020066131
(87)【国際公開番号】W WO2020249636
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521532581
【氏名又は名称】ハイドロプロセス
【氏名又は名称原語表記】HYDROPROCESS
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ドランス,フィリップ
【テーマコード(参考)】
3C021
3C022
3C060
【Fターム(参考)】
3C021DB06
3C022AA07
3C022AA08
3C060AA17
3C060CE07
3C060CE11
(57)【要約】
本発明は、処理ヘッド(10)およびトレイ(20)を平面Pに対して移動するための装置(1)に関し、任意の形状の前記トレイ(20)が、幅Aおよび長さBの長方形に内接され、第1の作動手段(22)と協働するのに適切な第1の駆動手段(21)を備えており、基準座標系x、O、yに関連付けられた少なくとも2つの垂直なエッジから形成された移動領域(30)において、前記軸xまたは軸yの一方に通常平行な方向に、前記平面Pに平行な平面内で前記トレイ(20)を並進移動させることができ、装置(1)は、少なくとも以下:長さRの可動アーム(11)であって、その端部の一方が、前記平面Pに垂直な軸cを中心とし揺動可能に取り付けられ、第2の作動手段(12)によって動かされ、他方の端部に処理ヘッド(10)を備え、前記軸cは、前記トレイ(20)の前記移動領域(30)に位置し、前記移動領域(30)を点Qで切断する、アーム、を備え、前記トレイ(20)に外接する長方形の面積に対する前記移動領域(30)の面積の比が少なくとも2に等しい、ことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ヘッド(10)およびトレイ(20)を平面Pに対して移動するための装置(1)であって、
任意の形状の前記トレイ(20)が、幅Aおよび長さBの長方形に内接され、第1の作動手段(22)と協働するのに適切な第1の駆動手段(21)を備えており、基準座標系x、O、yに関連付けられた少なくとも2つの垂直なエッジから形成された移動領域(30)において、前記軸xまたは軸yの一方に通常平行な方向に、前記平面Pに平行な平面内で前記トレイ(20)を並進移動させることができ、前記トレイ(20)に外接する長方形の面積に対する前記移動領域(30)の面積の比が少なくとも2に等しく、
前記装置(1)は、少なくとも以下:
長さRの可動アーム(11)であって、その端部の一方が、前記平面Pに垂直な軸cを中心とし揺動可能に取り付けられ、第2の作動手段(12)によって動かされ、他方の端部に処理ヘッド(10)を備え、前記軸cは、前記トレイ(20)の前記移動領域(30)に位置し、前記移動領域(30)を点Qで切断する、アーム、
を備える
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記アーム(11)が、移動軸xまたはyの方向に開いた角度で前記トレイ(20)を掃引するように配置され、前記移動領域(30)は、面積が実質的に以下に等しい長方形である:
-トレイ(20)が軸xの方向に移動し、点Qが軸yに沿ってB/2に配置され、処理ヘッド(10)がその軌道の端部にあるときに前記軸xに沿ってAに配置される装置(1)の場合、
(2×A+ε)×(B+δ)
ここで、δは、軸yに沿った第1の駆動手段(21)の必要スペースを表し、εは、軸xに沿ったAに位置する垂直直線に対する処理ヘッド(10)の軌道の矢印を表す;
-トレイ(20)が軸yの方向に移動し、点Qが軸xに沿ってA/2に配置され、処理ヘッド(10)がその軌道の端部にあるときに前記軸yに沿ってBに配置される装置(1)の場合、
(2×B+ε)×(A+δ)
ここで、δは、軸xに沿った第1の駆動手段(21)の必要スペースを表し、εは、軸yに沿ったBに位置する垂直直線に対する処理ヘッド(10)の軌道の矢印を表す
ことを特徴とする、請求項1に記載の移動装置(1)。
【請求項3】
前記可動アーム(11)の軸cが、前記第2の作動手段(12)と協働するための第2の駆動手段を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の移動装置(1)。
【請求項4】
前記処理ヘッド(10)が、第3の作動手段によって軸cに対して通常平行な方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の移動装置(1)。
【請求項5】
前記第2の作動手段(12)および前記第2の駆動手段が、それぞれ、前記アーム(11)に固定された湾曲ラックを駆動する歯付きセクタを備えたギヤードモータータイプのアクチュエータであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の移動装置(1)。
【請求項6】
前記第3の作動手段がねじ-なっとシステムであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の移動装置(1)。
【請求項7】
前記第1の作動手段(22)および前記第1の駆動手段(21)が、それぞれ、前記トレイ(20)に固定されたラックを駆動するピニオンを備えるギヤードモータータイプのアクチュエータであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の移動装置(1)。
【請求項8】
前記トレイ(20)が、ガイド要素(20b)の周りに連結されたフレーム(20a)および中央プレート(20c)からなり、前記フレーム(20a)が格納可能であり、前記トレイ(20)の前記第1の駆動手段(21)は、前記プレート(20c)が前記フレーム(20a)から取り外しできるように前記フレーム(20a)上に配置され、δは、それぞれ軸xまたは軸yの方向に前記トレイ(20)を移動させるための、軸yまたは軸xに沿った前記第1の駆動手段(21)および前記ガイド要素(20b)の必要スペースを表すことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の移動装置(1)。
【請求項9】
前記処理ヘッド(10)が、ウォータージェット切断を可能にするヘッドであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の移動装置(1)。
【請求項10】
前記可動アーム(11)が、特に超高圧水および圧縮空気の通過を可能にするように中空であることを特徴とする、請求項9に記載の移動装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、処理ヘッドおよびトレイを移動させるための装置に関し、より詳細には、簡単な設計で、容易に洗浄可能であり、コンパクトであり、かつ食品を切断するための、切断ヘッドおよびトレイを移動させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品切断ヘッドを移動させるための装置の分野では、伸縮式アームがその上に連結された支持体からなるウォータージェット切断ヘッドを移動させるための装置が周知である。このアームは、概して、直交方向xおよびyでの移動を可能にする動作手段によってレール上を移動することができるキャリッジを備える。これはまた、その端部の1つにおいて、(zに沿って)高さ調整可能な切断ノズルを通常含み、この切断ノズルは、試料を支持するための、多くの場合固定された切断トレイを掃引することができる。例えば、このタイプの支持体は、特許文献1に見られる。
【0003】
これらの装置の欠点は、それらが複雑な構造(伸縮式アームは、キャリッジおよびレールから作製されるなど)を有するという事実にあり、このことは、それらの設置を困難にし、製造コストを増加させる。
【0004】
さらに、複数の部材からなるこれらの構造は、利用可能な凹部の数を増やし、装置の洗浄性に影響する。実際、食品を切断する際に、微粒子が食品の周りに放出され、特に切断部材(レール、キャリッジなど)上に堆積する。これらの堆積物によって、特に食品分野において、細菌の出現のリスクを制限するために非常に頻繁な洗浄の必要性が生じ、その結果、時間およびコストの著しい損失をもたらす。さらに、トレイが固定されているので、アームは、特定の切断を行うために、大きい振幅の運動を行わなければならず、これは、切断領域の表面積を増加させ、機械の必要スペースを増加させる。
【0005】
これらの欠点を部分的に克服するために、垂直直線方向にウォータージェット切断トレイおよびヘッドを駆動する移動装置が周知である。このタイプの装置は、より良好な洗浄性を有し、移動中の食品の下に位置し切断から生じる排出物の回収を可能にする狭いスロットによって、特に切断された食品の下面の汚染のリスクを制限する。
【0006】
しかしながら、このタイプの装置は、移動領域の側面に配置されたアクチュエータを有し、これはまた、機械の必要スペースを増大させる傾向がある。実際、長さBおよび幅Aのトレイの場合、これらの装置は概して、4×A×Bより大きい必要スペースを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2938463号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、処理ヘッドおよびトレイを平面Pに対して移動するための装置を提案することによって、上述の欠点を克服することであり、任意の形状の前記トレイは、幅Aおよび長さBの長方形に内接され、第1の作動手段と協働するのに適切な第1の駆動手段を備えており、基準座標系x、O、yに関連付けられた少なくとも2つの垂直なエッジから形成された移動領域において、前記軸xまたは軸yの一方に通常平行な方向に、前記平面Pに平行な平面内でトレイを並進移動させることができ、前記装置は、少なくとも以下:
長さRの可動アームであって、その端部の一方が、前記平面Pに垂直な軸cを中心とし揺動可能に取り付けられ、第2の作動手段によって動かされ、他方の端部に処理ヘッドを備え、前記軸cは、トレイの移動領域に位置し、前記移動領域を点Qで切断する、アーム、
を備え
トレイに外接する長方形の面積に対する移動領域の面積の比が、少なくとも2に等しい、
ことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
有利には、トレイに外接する長方形の面積に対する移動領域の表面積の比は、2以上であるが、厳密には4未満である。
【0010】
好ましくは、アームは、移動軸xまたはyの方向に開いた角度でトレイを掃引するように配置され、移動領域は、面積が実質的に以下に等しい長方形である:
-トレイが軸xの方向に移動し、点Qが軸yに沿ってB/2に配置され、処理ヘッドがその軌道の端部にあるときに軸xに沿ってAに配置される装置の場合、
(2×A+ε)×(B+δ)
ここで、δは、軸yに沿った第1の駆動手段の必要スペースを表し、εは、軸xに沿ったAに位置する垂直直線に対する処理ヘッドの軌道の矢印を表す;
-トレイが軸yの方向に移動し、点Qが軸xに沿ってA/2に配置され、処理ヘッドがその軌道の端部にあるときに軸yに沿ってBに配置される装置の場合、
(2×B+ε)×(A+δ)
ここで、δは、軸xに沿った第1の駆動手段の必要スペースを表し、εは、軸yに沿ったBに位置する垂直直線に対する処理ヘッドの軌道の矢印を表す。
【0011】
有利には、可動アームの軸cは、第2の作動手段と協働するための第2の駆動手段を備える。好ましくは、処理ヘッドは、第3の作動手段によって、軸cに対して通常平行な方向に移動可能である。有利には、第2の作動手段および第2の駆動手段は、それぞれ、可動アームの軸cに固定された湾曲ラックを駆動する歯付きセクタを備えたギヤードモータータイプのアクチュエータである。
【0012】
好ましくは、第3の作動手段はねじ-ナットシステムである。有利には、第1の作動手段および第1の駆動手段は、それぞれ、トレイに固定されたラックを駆動するピニオンを備えるギヤードモータータイプのアクチュエータである。
【0013】
好ましくは、トレイは、ガイド要素の周りに連結されたフレームおよび中央プレートからなり、前記フレームが格納可能であり、トレイの第1の駆動手段は、プレートが前記フレームから取り外しできるように前記フレーム上に配置され、δは、それぞれ軸xまたは軸yの方向にプレートを移動させるための、軸yまたは軸xに沿った第1の駆動手段およびガイド要素の必要スペースを表す。
【0014】
有利には、処理ヘッドは、ウォータージェット切断を可能にするヘッドである。
【0015】
好ましくは、可動アームは、特に超高圧水および圧縮空気の通過を可能にするように中空である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による移動装置が設置されるウォータージェット切断機の概略図
【
図2】本発明による移動装置が設置される、アセンブリの上部がないウォータージェット切断機の上面図
【
図3】本発明による、トレイが軸xに沿って移動している移動装置の上面図
【
図4】本発明による、トレイが軸xに沿って移動しているカバーによって囲まれた移動装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~
図4を参照すると、処理ヘッド10およびトレイ20を平面Pに対して移動させるための装置1が記載されており、ここで、任意の形状の前記トレイ20は、幅Aおよび長さBの長方形に内接され、第1の作動手段22と協働するのに適切な第1の駆動手段21を備えており、基準座標系x、O、yに関連付けられた少なくとも2つの垂直なエッジから形成された移動領域30において、前記軸xまたは軸yの一方に通常平行な方向に、前記平面Pに平行な平面内でトレイ20を並進移動させることができ、前記装置1は、少なくとも以下:
長さRの可動アーム11であって、その端部の一方が、前記平面Pに垂直な軸cを中心とし揺動可能に取り付けられ、第2の作動手段12によって動かされ、他方の端部に処理ヘッド10を備え、前記軸cは、トレイ20の移動領域30に位置し、前記移動領域30を点Qで切断する、アーム11、
を備え
トレイ20に外接する長方形の面積に対する移動領域30の面積の比が、少なくとも2に等しい、
ことを特徴とする。
【0018】
好ましくは、トレイ20に外接する長方形の面積に対する移動領域30の面積の比は、2以上であるが、厳密には4未満である。処理される食品(図示せず)を支持するためのトレイ20は、有利には平行四辺形であり、この形状は、利用可能な面積を最適化することを可能にする。しかしながら、例えば三角形、正方形、円などの任意の平面形状を有してもよい。さらに、トレイ20が並進移動する平面Pは、通常水平であるように選択される。当然ながら、移動装置1は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の他の位置で使用することができる。
【0019】
移動装置1がウォータージェット切断機100を対象とする場合を考慮すると、この装置1の様々な部分(アーム11、移動領域30、トレイ20など)は、1つまたは複数の耐食性材料、例えばステンレス鋼から製造されるように選択される。物体の「駆動手段」21という用語は、物体を動かすために作動手段12、22と直接協働するこの物体の部分を指す。
【0020】
「作動手段」12、22という用語は、物体を動かすためにこの/これらの駆動手段21に必要なエネルギーを供給するために物体の駆動手段21に作用するアクチュエータを指す。
【0021】
「移動領域」30という用語は、トレイ20がその進行中に移動する最大面積を指す。
【0022】
「処理ヘッド」10という用語は、処理される食品(図示せず)に対して作業を行うことを可能にする任意のツールを指し、したがって、例えば、商品を分析するための観察ヘッド、切断ヘッド(レーザ、ウォータージェット切断ヘッドなど)、溶接ヘッド、機械加工ヘッド(ミリングなど)、把持ヘッドなどを有することができる。したがって、この移動装置1は、任意のタイプの機械(切断機、機械加工機など)上に設置することができる。
【0023】
好ましくは、アーム11は、移動軸xまたはyの方向に開いた角度13でトレイ20を掃引するように配置され、移動領域30は、面積が実質的に以下に等しい長方形である:
-トレイ20が軸xの方向に移動し、点Qが軸yに沿ってB/2に配置され、処理ヘッド10がその軌道の端部にあるときに軸xに沿ってAに配置される装置1の場合、
(2×A+ε)×(B+δ)
ここで、δは、軸yに沿った第1の駆動手段21の必要スペースを表し、εは、軸xに沿ったAに位置する垂直直線に対する処理ヘッド10の軌道の矢印を表す;
-トレイ20が軸yの方向に移動し、点Qが軸xに沿ってA/2に配置され、処理ヘッド10がその軌道の端部にあるときに軸yに沿ってAに配置される装置1の場合、
(2×B+ε)×(A+δ)
ここで、δは、軸xに沿った第1の駆動手段21の必要スペースを表し、εは、軸yに沿ったBに位置する垂直直線に対する処理ヘッド10の軌道の矢印を表す。
【0024】
したがって、トレイ20の移動領域30が最小化され、アーム11の掃引が最適化される。この構成では、トレイ20に外接する長方形の全長Bの走査を可能にするアーム11の走査角度13が選択される。
【0025】
有利には、可動アーム11の軸cは、第2の作動手段12と協働するための第2の駆動手段(図示せず)を備える。
【0026】
好ましくは、処理ヘッド10は、第3の作動手段(図示せず)によって、軸cに対して通常平行な方向に移動可能である。この第3の作動手段(図示せず)は、処理ヘッド10の高さを調整することを可能にする。したがって、ヘッド10の位置は、例えば、切断ヘッド(レーザ、ウォータージェット切断)の場合には切断される食品の厚さ、機械加工ヘッド(ミリング)の場合には処理される食品から除去すべき材料の厚さなどに応じて、調整することができる。
【0027】
有利には、第2の作動手段12および第2の駆動手段(図示せず)は、それぞれ、可動アーム11の軸cに固定された湾曲ラックを駆動する歯付きセクタを備えたギヤードモータータイプのアクチュエータである。このシステムは、ラックの動きを処理ヘッド10に正確に影響することを可能にする。したがって、ヘッド10の動きは正確に制御される。ピニオン軸と軸cとの間の距離がアーム11の長さRに近く選択され、歯付きセクタの開口角度は、処理ヘッド10の掃引角度13に対応する。第2の作動手段12として電気シリンダを使用し、第2の駆動手段(図示せず)としてコネクティングロッドを使用してもよく、前記コネクティングロッドは、アーム11の軸cに固定される。第2の作動手段12は、ギヤードモーターまたはトルクモータータイプのアクチュエータであることも考えられる。この場合、アーム11を軸cを中心に正確に一方の方向または他方の方向に揺動させるために可逆的動作を可能にする中空シャフトを有する電動ギヤードモーターが選択される。このギヤードモーターは、コンパクトであるという利点を有する。
【0028】
好ましくは、第3の作動手段(図示せず)は、ねじ-ナットシステムである。
【0029】
有利には、第1の作動手段22および第1の駆動手段21は、それぞれ、トレイ20に固定されたラックを駆動するピニオンを備えるギヤードモータータイプのアクチュエータである。当業者は、第1の作動手段22および第2の作動手段12の回転中のトレイ20またはアーム11の正確な移動に適した歯の形状およびピッチを選択するのに困難はないであろう。リニアモーターおよびトレイ20に固定された磁石でそれぞれ形成された第1の作動手段22/第1の駆動手段21の対を考えることも可能である。
【0030】
好ましくは、トレイ20は、ガイド要素20bの周りに連結されたフレーム20aおよび中央プレート20cからなり、前記フレーム20aは格納可能であり、トレイ20の第1の駆動手段21は前記フレーム20aの上に配置され、プレート(20c)は前記フレーム20aから取外し可能であり、δは、それぞれトレイ20を軸xまたは軸yの方向に移動させるための軸yまたは軸xに沿った第1の駆動手段21およびガイド要素20bの必要スペースを表す。この特定のアセンブリは、プレート20cを取り外すことを可能にし、したがってトレイ20の移動領域30の洗浄を容易にする。トレイ20cの取り扱いを容易にするために、ハンドルをその端部に追加することができる。フレーム20aは、ガイド要素20b上で回転し、切断領域から持ち上げられて洗浄を容易にする。
【0031】
有利には、処理ヘッド10は、ウォータージェット切断を可能にするヘッドである。この場合、プレート20cは、切断水の回収を可能にする金属グリッドである。この装置1の切断ヘッド10は、剛性の加圧管によって水が供給されるノズルを備える。
【0032】
好ましくは、可動アーム11は中空であり、特に超高圧水および圧縮空気の通過を可能にする。アーム11およびそのピボットは中空であり、処理ヘッド10の動作に必要な任意の流体を収容することもできる。
【0033】
移動装置1は、コンパクトで容易に洗浄可能な切断機100の製造を可能にする。機械100は、有利には、全体的に平行六面体形状の機械的に溶接された金属アセンブリ101を備え、そのフレーム101上に透明カバー102が連結されて、作業ゾーンが密封されることを可能にする。このカバー102は、使用の快適さを高めるために防音されることが好ましい。
【0034】
当業者は、この機械的に溶接されたアセンブリを別の構造を有するアセンブリと容易に置き換えることができることを理解されたい。
【0035】
第2の作動手段12は、切断中に生じ得る水および食品の飛散から切断ゾーンを保護するように、切断ゾーンの外側に配置される。
【0036】
概して、第1、第2、および第3の作動手段22、12の全ては、切断領域の外側に位置する。
【0037】
切断機100は、切断トレイ20の下に配置されその下端に排出口を備えた切断水回収タンク103、および、可動アーム11に接続された高圧ポンプシステムを備える。移動領域30は、回収タンク103と連通し、処理ヘッド10の下に配置されるスロット104を含む。
【0038】
産業上の利用可能性
最後に、本発明による装置1は、例えばレーザ切断などのすべてのタイプの切断に適応でき、上述の実施例は、本発明による適用分野に関して決して限定的ではない特定の例示にすぎないことは明らかである。
【国際調査報告】