(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】紙ストロー
(51)【国際特許分類】
A47G 21/18 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A47G21/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572551
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 KR2020007310
(87)【国際公開番号】W WO2020246840
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0067384
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0079442
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054805
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054806
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054809
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521532628
【氏名又は名称】リー アンド ビー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEE & B INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】イ, ホン ク
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115BA18
3B115DA09
3B115DA17
3B115DB18
3B115EA03
(57)【要約】
プラスチック素材のストローの環境汚染の側面における欠点と、前述した糊接着の紙ストローの不便を解決するために、内側面に熱接着コーティング物質が備えられていない単一の紙帯が螺旋状に巻かれて1つの層を形成する内紙部および螺旋状に巻かれつつ前記内紙部の外周面を覆って少なくとも1つの層を形成する少なくとも1つの紙帯を含むが、最外郭層を形成する紙帯の外側面に熱接着コーティング物質が備えられる外紙部を含み、前記外紙部の紙帯は、前記内紙部の紙帯よりも広い幅を有し、隣接する互いに異なる層の2つの紙帯の間には、熱接着コーティング物質が備えられ、熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による接着力または耐水性を有する、紙ストローを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面に熱接着コーティング物質が備えられていない単一の紙帯が螺旋状に巻かれて1つの層を形成する内紙部と、
螺旋状に巻かれつつ、前記内紙部の外周面を覆って少なくとも1つの層を形成する少なくとも1つの紙帯と、を含むが、最外郭層を形成する紙帯の外側面に熱接着コーティング物質が備えられる外紙部を含み、
前記外紙部の紙帯は、前記内紙部の紙帯よりも広い幅を有し、
隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間には、熱接着コーティング物質が備えられ、
前記熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による接着力または耐水性を有する、紙ストロー。
【請求項2】
前記最外郭層を形成する紙帯の外側面に備えられる熱接着コーティング物質と、前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間に備えられる熱接着コーティング物質は、同一成分として構成される、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項3】
前記熱接着コーティング物質は、アクリレート系のヒートシール性物質を含む、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項4】
前記最外郭層を形成する紙帯の外側面に備えられる熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による耐水性を有し、前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間に備えられる熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による接着力および耐水性を有する、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項5】
前記各紙帯の幅は、10mmないし30mmである、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項6】
前記内紙部に対応する紙帯は、螺旋状に巻かれるときに重ならず、前記外紙部に対応する紙帯それぞれは、螺旋状に巻かれるときに重なる、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項7】
前記外紙部の重なる領域に熱接着コーティング物質が備えられる、請求項6に記載の紙ストロー。
【請求項8】
前記紙帯それぞれは、40gsmないし120gsmの単位面積当たりの質量として備えられる、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項9】
前記内紙部の紙帯に対する前記外紙部の最外郭層を形成する紙帯の単位面積当たりの質量比率は、0.5ないし0.8である、請求項8に記載の紙ストロー。
【請求項10】
前記紙帯のうちいずれか一つの一面に備えられる熱接着コーティング物質の単位面積当たりの質量は、1gsmないし15gsmである、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項11】
前記最外郭層を形成する紙帯の外側面には、熱接着コーティング物質が1gsmないし3gsmとして備えられ、
前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間には、熱接着コーティング物質が10gsmないし20gsmとして備えられる、請求項10に記載の紙ストロー。
【請求項12】
前記紙帯はクラフト紙であり、前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間には熱接着コーティング物質が14gsmないし20gsmとして備えられる、請求項11に記載の紙ストロー。
【請求項13】
前記隣接した2つの紙帯の間に備えられる熱接着コーティング物質に対する前記最外郭層を形成する紙帯の外側面に備えられる熱接着コーティング物質の単位面積当たりの質量比率は、0.1ないし0.6である、請求項10に記載の紙ストロー。
【請求項14】
前記内紙部は内紙層を形成し、
前記外紙部は2つの紙帯がそれぞれ螺旋状に巻かれて、それぞれ中紙層および外紙層を形成する、請求項1に記載の紙ストロー。
【請求項15】
前記中紙層の両面および前記外紙層の両面には、熱接着コーティング物質がそれぞれ備えられる、請求項14に記載の紙ストロー。
【請求項16】
前記外紙層の紙帯の幅は、前記中紙層の紙帯の幅よりも大きい、請求項14に記載の紙ストロー。
【請求項17】
前記内紙層の紙帯の幅は13.5mmであり、
前記中紙層の紙帯の幅は14mmであり、
前記外紙層の紙帯の幅は15mmである、請求項16に記載の紙ストロー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙成分を有する紙ストローに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のストローは、プラスチック素材で形成される場合が多かった。プラスチック素材のストローは、加工が容易で製造コストが低く、重さが軽く、使用時に飲料に他の成分が混ざる問題が発生しないという利点がある。しかし、物質特性上、捨てられた後に分解されるのに相当に長い時間が所要され、人体にも有害であるため、これを代替しなければならないという声が高まっている。
【0003】
このような要求に対する解決策として、製造したストローを再使用する方法、またはストローの成分自体を環境親和的な素材に代替する方案に関して持続的に開発が行われている。例えば、再使用可能なプラスチックまたは金属で製造されたストローなどが提案されている。しかし、ストローは、店舗用として使用される場合が多く、この場合、ストローを再使用して使用することは、衛生や各店舗のインフラ構造上において限界がある。
【0004】
このような理由から、最近では、紙素材で構成された使い捨てストローが提案されている。紙素材で構成された使い捨てストローは、人体に無害であるだけでなく、環境汚染を最小化するという点において、従来のプラスチック素材のストローを代替するのに十分な価値がある。
【0005】
紙ストローは、紙帯が斜線方向に複数回巻かれて固定される方式で製造される。ところが、従来の紙ストローは、紙帯を巻いた後に糊を塗って硬化させて形状が固定される。
【0006】
しかし、このような糊接着方式の紙ストローは、製造過程の中間に乾燥過程を経なければならないという点において、時間的、空間的非効率性をもたらす。それだけでなく、乾燥過程において異物が付着して共に固まってしまう場合もある。さらに、生産された紙ストローが飲料に投入されて使用されるときに、固形化した糊が再び溶けて飲料の成分を変質させることもある。また、糊が容易に溶けることによって、ストローの紙に飲料が容易に染み込む恐れがあり、これはストローの形状を壊して諸機能を遂行することができなくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述したプラスチック素材のストローの環境汚染の側面における欠点と、前述した糊接着の紙ストローの不便を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記または他の目的を達成するために、本発明の一側面によると、内側面に熱接着コーティング物質が備えられていない単一の紙帯が螺旋状に巻かれて、1つの層を形成する内紙部、および螺旋状に巻かれつつ、前記内紙部の外周面を覆って少なくとも1つの層を形成する少なくとも1つの紙帯を含むが、最外郭層を形成する紙帯の外側面に熱接着コーティング物質が備えられる外紙部を含み、前記外紙部の紙帯は、前記内紙部の紙帯よりも広い幅を有し、隣接する互いに異なる層の2つの紙帯の間には、熱接着コーティング物質が備えられ、前記熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による接着力または耐水性を有する紙ストローを提供する。
【0009】
また、本発明の他の側面によると、前記最外郭層を形成する紙帯の外側面に備えられる熱接着コーティング物質と前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間に備えられる熱接着コーティング物質は、同一成分として備えられる、紙ストローを提供する。
【0010】
また、本発明の他の側面によると、前記熱接着コーティング物質は、アクリレート系のヒートシール性物質を含む、紙ストローを提供する。
【0011】
また、本発明の他の側面によると、前記最外郭層を形成する紙帯の外側面に備えられる熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による耐水性を有し、前記隣接した2つの紙帯の間に備えられる熱接着コーティング物質は、加熱および硬化による接着力および耐水性を有する、紙ストローを提供する。
【0012】
また、本発明の他の側面によると、前記各紙帯の幅は、10mmないし30mmである、紙ストローを提供する。
【0013】
また、本発明の他の側面によると、前記内紙部に対応する紙帯は、螺旋状に巻かれるときに重ならず、前記外紙部に対応する紙帯それぞれは、螺旋状に巻かれるときに重なる、紙ストローを提供する。
【0014】
また、本発明の他の側面によると、前記外紙部の重なる領域に熱接着コーティング物質が備えられる、紙ストローを提供する。
【0015】
また、本発明の他の側面によると、前記紙帯それぞれは、40gsmないし120gsmの単位面積当たりの質量として備えられる、紙ストローを提供する。
【0016】
また、本発明の他の側面によると、前記内紙部の紙帯に対する前記外紙部の最外郭層を形成する紙帯の単位面積当たりの質量比率は、0.5ないし0.8である、紙ストローを提供する。
【0017】
また、本発明の他の側面によると、前記紙帯うちいずれか一つの一面に備えられる熱接着コーティング物質の単位面積当たりの質量は、1gsmないし15gsmである、紙ストローを提供する。
【0018】
また、本発明の他の側面によると、前記最外郭層を形成する紙帯の外側面には、熱接着コーティング物質が1gsmないし3gsmとして備えられ、前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間には、熱接着コーティング物質が10gsmないし20gsmとして備えられる、紙ストローを提供する。
【0019】
また、本発明の他の側面によると、前記紙帯はクラフト紙であり、前記隣接した互いに異なる層の2つの紙帯の間には、熱接着コーティング物質が14gsmないし20gsmとして備えられる、紙ストローを提供する。
【0020】
また、本発明の他の側面によると、前記隣接した2つの紙帯の間に備えられる熱接着コーティング物質に対する前記最外郭層を形成する紙帯の外側面に備えられる熱接着コーティング物質の単位面積当たりの質量比率は、0.1ないし0.6である、紙ストローを提供する。
【0021】
また、本発明の他の側面によると、前記内紙部は内紙層を形成し、前記外紙部は2つの紙帯がそれぞれ螺旋状に巻かれてそれぞれ中紙層および外紙層を形成する、紙ストローを提供する。
【0022】
また、本発明の他の側面によると、前記中紙層の両面および前記外紙層の両面には、熱接着コーティング物質がそれぞれ備えられる、紙ストローを提供する。
【0023】
また、本発明の他の側面によると、前記外紙層の紙帯の幅は、前記中紙層の紙帯の幅よりも大きい、紙ストローを提供する。
【0024】
また、本発明の他の側面によると、前記内紙層の紙帯の幅は13.5mmであり、前記中紙層の紙帯の幅は14mmであり、前記外紙層の紙帯の幅は15mmである、紙ストローを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る紙ストローの効果に関して説明すると、次の通りである。
【0026】
本発明の実施形態のうち少なくとも一つによると、乾燥過程なく直ぐに紙ストローを製造することができるので、製造時間および乾燥のための空間が節約され、紙ストローに異物が付着して生産される問題を解決することができる。
【0027】
また、本発明の実施形態のうち少なくとも一つによると、加熱、特に、高温熱風によって殺菌または滅菌効果が発生するので、衛生的な紙ストローを生産することができる。
【0028】
また、本発明の実施形態のうち少なくとも一つによると、飲用時に糊が溶けないので、飲料の味を変質させず、ストローの形状を長く維持することができる。
【0029】
本発明の適用可能性の追加的な範囲は、以下の詳細な説明により明らかになるであろう。しかし、本発明の思想および範囲内において多様な変更および修正は、該当技術分野の通常の技術者には明確に理解され得るので、詳細な説明および本発明の好ましい実施形態のような特定実施形態は、単に例示として与えられたものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に関連した紙ストロー製造システムによって製造された紙ストローの正面図および一部縦断面の拡大図である。
【
図2】本発明に関連した紙ストロー製造システムの模式図である。
【
図3】本発明に関連した紙ストロー製造システムにおいてヒーターが備えられた領域を図示したものである。
【
図4】本発明に関連した紙ストローの紙帯の側面図である。
【
図5】本発明に関連した紙ストロー製造システムのヒーターを図示したものである。
【
図6】本発明に関連した紙ストロー製造システムに関するさらに他の実施形態に関するものである。
【
図7】本発明に関連した紙ストロー製造システムに関するさらに他の実施形態に関するものである。
【
図8】本発明に関連した紙ストロー製造システムにおいてロール据付部が備えられた領域を図示したものである。
【
図9】本発明に関連した紙ストロー製造システムにおいて切断部が備えられた領域を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本明細書に開示された実施形態を詳細に説明するが、図面符号に係らず同一であるか、類似した構成要素には同一の参照番号を付与し、これに関して重複する説明は省略することにする。以下の説明において使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与されるか、混用されるものとして、それ自体に互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施形態を説明することにおいて、関連した公知技術に関する具体的な説明が、本明細書に開示された実施形態の要旨を曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものだけであり、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が限定されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
【0032】
図1は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100によって製造された紙ストロー1の正面図および一部縦断面の拡大図であり、
図2は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100の模式図であり、
図3は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100においてヒーター120が備えられた領域を図示したものである。
【0033】
本発明の紙ストロー製造システム100は、紙ストロー1を生産するための少なくとも1つの構成、部材、または装置の集合を意味する。本発明の紙ストロー製造システム100は、単一の装置で構成されることを要件とせず、従って、紙ストロー製造システム100に含まれる構成は、物理的に分離された複数の装置を含むことができる。
【0034】
簡単には、本発明の紙ストロー製造システム100は、ロール2、コアロッド110、ヒーター120、ベルト130、移動ガイド部140、および切断部150を含むことができる。ロール2に巻かれた紙帯3は、紙ストロー1の原料となり、残りの構成は、紙帯3が紙ストロー1として形成され得るように作動する。
【0035】
紙ストロー1は、紙帯3が巻かれて固定される方法によって製造される。紙ストロー1は、複数層の紙で形成され得るが、1つの層は、連続する単一の紙帯3が螺旋状に複数回巻かれて形成される。より具体的には、紙帯3は、コアロッド110に巻かれて固定され、固定された後にコアロッド110から外れて紙ストロー1の形状、即ち、長手方向の中空を有する円筒形状を有することになる。
【0036】
紙ストロー1が複数層の紙で形成されると、紙ストロー1は、剛性が増加されて紙ストロー1の形状を維持するのに役立つ。また、紙帯3が螺旋状に反復的に巻かれるときに発生し得る隙間を、隣接した他の層の紙帯3が塞ぐ役割も遂行する。
【0037】
このような目的達成のために、紙ストロー1は少なくとも2つの層を有する必要がある。即ち、紙ストロー1は、内側層を構成する内紙部4と、外側層を構成する外紙部5で構成される。より具体的には、内紙部4は、紙ストロー1の内周面を形成するための単一の紙帯3が形成する層として定義することができ、外紙部5は、それ以外の紙帯3が形成する少なくとも1つの層として定義することができる。
【0038】
例えば、紙ストロー1が3つの層として形成される場合、内側1つの紙帯3aが形成する層は内紙部4、外側2つの紙帯3b、3cが形成する2つの層は外紙部5となる(
図1参照)。
【0039】
さらに他の例として、紙ストロー1が2つの層として形成される場合、内側の紙帯3が形成する層は内紙部4、外側の紙帯3が形成する層は外紙部5になる。
【0040】
即ち、内紙部4は、単一の紙帯3が形成する最内郭層を意味し、外紙部5は、少なくとも一つの紙帯3が形成する内紙部4よりも外側に位置する少なくとも一つの層を意味する。外紙部5の少なくとも一つの紙帯3は、内紙部4の外周面を覆う。
【0041】
外紙部5は、内紙部4のみとして発生し得る隙間を塞ぐ役割を遂行し、また、内紙部4のみとして不足し得る耐久性問題を補完する。
【0042】
紙ストロー1が複数層として形成されるほど剛性が増加し、隙間の発生確率が減少するが、製造コストが増加して重さが増加し、飲料が吸い上げられる空間の直径が減少するため、適切な妥協点が必要である。
【0043】
このような点を考慮したときに、紙ストロー1は、3層で構成されることが好ましい。即ち、外紙部5が2つの紙帯3b、3cで構成されることが好ましい。3層で構成された紙ストロー1は、特に、2層で構成された紙ストロー1よりも隙間の発生確率を著しく低くさせ、剛性も十分に保障され得るという利点がある。
【0044】
以下においては、紙ストロー1が3層で構成される場合を前提として説明する。但し、本発明の紙ストロー製造システム100の他の特徴は、紙ストロー1が複数の層で構成された場合を前提とするだけであり、必ずしも3層で構成されることを要件とするものではない。
【0045】
3層構造の紙ストロー1において、最も内側の層を構成する紙帯3を内紙1a、最も外側の層を構成する紙帯3を外紙1c、内紙1aおよび外紙1cの間に備えられた紙帯3を中紙1bと定義する。
【0046】
それだけでなく、紙ストロー1の耐久性を追加的に強化するために、各層の紙帯の境界3x、3y、3zは、ずれるように製造され得る。各紙帯3a、3b、3cが螺旋状に巻かれることによって発生する境界(隙間または重なる領域、3x、3y、3z)は、相対的に弱い領域に該当する。従って、このような境界領域3x、3y、3zが、積層方向の一直線上に重なるように備えるよりも、互いにずれるように備えられることが好ましい。従って、中紙1bの紙帯3bの中心線CBは、内紙1aの紙帯3aの中心線CAよりも一側に偏って備えられ、外紙1cの紙帯3cの中心線CCは、内紙1aの紙帯3aの中心線CAよりも他側に偏って備えられ得る。このとき、偏りの程度は、紙帯3の幅半分よりも小さい。偏りの程度が紙帯3の幅半分よりも大きい場合、螺旋状パターンにおいて隣接する周の紙帯により近づくため、前記特徴は無意味なものになるためである。
【0047】
紙ストロー1の各層に対応する紙帯3は、区分される各ロール2a、2b、2cから解かれて形成される。内紙帯3aは内紙ロール2aから、外紙帯3cは外紙ロール2cから、中紙帯3bは中紙ロール2bから形成される。
【0048】
紙帯3は、ロール2から解かれてコアロッド110に巻かれる。コアロッド110の外周面は、紙帯3がストロー形状に巻かれるようにする相対面となる。従って、コアロッド110の外径は、ストローの内径に対応する。
【0049】
コアロッド110は、金属物質として構成されて剛性および耐熱性を確保することができる。金属物質のコアロッド110は、紙帯3の巻き取りおよび進行過程において変形が発生しないようにし、紙帯3が張り付く現象も最小化する。
【0050】
ベルト130は、紙帯3がコアロッド110に密着して巻かれるように紙帯3をコアロッド110に加圧する。ベルト130によって加圧された紙帯3は、コアロッド110に巻かれて予備ストロー1'を形成する。予備ストロー1'は、コアロッド110に巻かれた後、そして、切断部150によって切断される前の状態の紙帯3として定義される。
【0051】
予備ストロー1'は、移動ガイド部140によってコアロッド110の長手方向の一方に進行され、進行された予備ストロー1'は、切断部150によって切断されて紙ストロー1を形成する。
【0052】
本発明の紙ストロー製造システム100が有する最大の特徴は、ロール2の状態において、紙帯3は、既に固形化した熱接着コーティング物質11を備え、コアロッド110に巻かれる過程において熱の供給を受けてストロー形状に固定されるということである。即ち、従来の製造システムは、紙ストロー形状を先に作った後に糊を塗布し、乾燥させる過程を経る一方、本発明の場合は、乾燥過程が省略される。従って、従来に投入された乾燥のための時間を節約することができ、乾燥のために備えられた乾燥手段も省略され得る。
【0053】
ヒーター120は、コアロッド110に巻かれる紙帯3を加熱する。加熱された紙帯3の熱接着コーティング物質11は、瞬間的に溶けて固まりつつストロー形状に巻かれた紙帯3を固定させる接着力を有することになる。
【0054】
図4は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100の各紙帯3a、3b、3cの側面概念図である。
【0055】
熱接着コーティング物質11は、アクリレート(acrylate)系のヒートシール性物質として備えられ得る。特に、この熱接着コーティング物質11は、環境親和物質として水性コーティング剤の性質を有し得る。代表的な形態として、熱接着コーティング物質11は、リペーパー(rePAPER)社のRP-seriesのうち一つになり得、特に、RP200が適切な形態になり得る。
【0056】
熱接着コーティング物質11は、紙帯3の少なくとも一面に備えられ得る。紙帯3は、少なくとも一面に熱接着コーティング物質11が塗布された後に硬化してロール2の状態に巻かれて保管される。
【0057】
熱接着コーティング物質11は、内紙帯3a、中紙帯3b、および外紙帯3cそれぞれの少なくとも一面に備えられ得る。紙帯3の熱接着コーティング物質11が加熱および硬化されると、熱接着コーティング物質11と対向する隣接した紙帯3と接着することになる。一方、紙帯3と対向しない熱接着コーティング物質11は、コーティングの役割のみを遂行する。即ち、同じ熱接着コーティング物質11であっても、相対物がある場合には、接着およびコーティングの役割をすべて遂行し、相対物がない場合には、コーティングの役割のみを遂行することになる。即ち、任意の紙帯3の一面に備えられた熱接着コーティング物質11は、隣接した紙帯3と接して加熱および硬化されると、接した紙帯3と接着およびコーティングされ、紙帯3とは当接せず外部に露出されて加熱および硬化されると、コーティング機能を遂行する。このとき、コーティングは、耐水性を有して外部液体によって紙帯3が容易に濡れたり、染み込まないようにする防水コーティングを意味し得る。
【0058】
熱接着コーティング物質11は、内紙帯3aの外側面、中紙帯3bの内側面および外側面、外紙帯3cの内側面および外側面に備えられ得る。内紙帯3aおよび中紙帯3bは、内紙帯3aの外側面と中紙帯3bの内側面に備えられた熱接着コーティング物質11によって相互接着される。中紙帯3bおよび外紙帯3cは、中紙帯3bの外側面と外紙帯3cの内側面に備えられた熱接着コーティング物質11によって相互接着される。即ち、隣接した2つの紙帯3は、対向面に備えられた2つの熱接着コーティング物質11が加熱および圧着されることによって接着される。熱接着コーティング物質11が対向する紙帯3の2つの面にすべて備えられた状態において加熱および硬化されることは、接着信頼度を向上させ、これは生産速度の増加にも寄与する。例えば、対向する2つの紙帯3の2つの面それぞれに5gsmずつ熱接着コーティング物質11が備えられることが、2つの紙帯3のうち一面にだけ10gsmで備えられ、残りの一面には備えられない状態において加熱および硬化されるものより接着信頼度および生産速度の側面においてより有利である。
【0059】
但し、必要によって、2つの面のうち一方にのみに熱接着コーティング物質11が備えられてもよいだろう。
【0060】
外紙帯3cの外側面に備えられた熱接着コーティング物質11は、耐水性を有してコーティング機能を遂行し飲料などの液体が紙ストロー1の内部に染み込むことを防止する。一方、内紙帯3aの内側面には、熱接着コーティング物質11が備えられず、これはコアロッド110と直接対面する内紙帯3aが張り付く現象を防止するためのものである。つまり、熱接着コーティング物質11は、内紙部4の紙帯(前記内紙帯3aに対応する)の内側面に備えられず、外紙部5の最外郭層を形成する紙帯(前記外紙帯3cに対応する)の外側面、そして、隣接した2つの紙帯(内紙帯3aと中紙帯3b、中紙帯3bと外紙帯3c)の間に備えられる。外紙部5の最外郭層を形成する紙帯の外側面において熱接着コーティング物質11は、コーティング機能を遂行し、隣接した2つの紙帯の間において熱接着コーティング物質11は、コーティングおよび接着機能を遂行する。
【0061】
各紙帯3は、40gsmないし120gsmの単位面積当たりの質量として備えられ得、これは紙ストロー1の諸元などを考慮して異なって適用される。
【0062】
外紙帯3cは、中紙帯3bまたは内紙帯3aよりも単位面積当たりの質量が小さいことが有利である。なぜなら、外紙帯3cは、ストローとしてユーザーの口に触れる部分であるため、厚みが薄いと重なりなどによる突出領域などが最小化され、これがユーザーに異物感を与えないためである。好ましくは、内紙部4の紙帯(3、即ち、内紙帯3a)に対する外紙部5の最外郭層を形成する紙帯(3、即ち、外紙帯3c)の単位面積当たりの質量比率は0.5ないし0.8となり得る。
【0063】
紙帯3の一面に備えられる熱接着コーティング物質11の量は、1gsmないし15gsmであり得る。熱接着コーティング物質11が塗布される量は、適切な接着信頼度および防水性能のための重要な要素となる。十分な量が塗布されなければ接着およびコーティング性能を発揮することができない一方、可能な限り少ない量を使用することが製造コストを削減するのに役立つ。
【0064】
特に、互いに異なる層の隣接した紙帯3の間の接着信頼度が保障されるために、紙帯3の両側には熱接着コーティング物質11がそれぞれ5gsmないし10gsmとして備えられ得る。接着のための熱接着コーティング物質11は、対向する2つの紙帯3の各対向面にそれぞれ備えられるため、2つの紙帯3が合わさる場合の間には10gsmないし20gsmの熱接着コーティング物質11が備えられることになる。
【0065】
接着のために紙帯3の一面に備えられる熱接着コーティング物質11は、紙の材質によって変わり得る。相対的に紙帯3の紙組織が緻密でないクラフト紙(kraft paper)の場合、7gsmないし10gsmとして備えられ、相対的に紙組織が緻密な一般紙の場合、5gsmないし7gsmとして備えられ得る。換言すると、紙帯3の2つの面が接着される場合、2つの紙帯3の間の熱接着コーティング物質11の総量は、前者の場合、14gsmないし20gsmとして備えられ、後者の場合、10gsmないし14gsmとして備えられるであろう。
【0066】
一方、外紙帯3cの外側面には、接着の役割をせず、コーティングの役割のみを遂行するため、前記の場合よりもさらに少ない量が備えられても問題ない。例えば、外紙帯3cの外側面に備えられる熱接着コーティング物質11は、1gsmないし3gsmとして備えられ得る。
【0067】
比率基準として、隣接する2つの紙帯3の間に備えられる熱接着コーティング物質11に対する、最外郭層を形成する紙帯3の外側面に備えられる熱接着コーティング物質11の単位面積当たりの質量比率は、0.1ないし0.6である。
【0068】
再び
図3を参照すると、内紙帯3aの内側面とコアロッド110が張り付く現象を防止するために、油供給部111は、コアロッド110と対面して直接当接する内紙帯3aの内側面に油を塗布する。油供給部111は、コアロッド110のうち紙帯3が巻かれる前の地点から内紙帯3aに油を塗布することができる。油は、周期的に一定量ずつ投下される方式として具現され得る。油が塗布された内紙帯3aは、コアロッド110に巻かれても、2つの構成の間に膜を形成して予備ストロー1’とコアロッド110の間において発生する摩擦力を最小化することができる。油は、特に食用大豆油を含むことができ、これは、紙ストロー1の使用環境を考慮したものである。
【0069】
油を投下するために、内紙帯3aの内側面が最も上に来るようにコアロッド110に投入され得る。即ち、上から内紙帯3a、中紙帯3b、および外紙帯3cが順次的にコアロッド110に投入され、コアロッド110の下側に巻かれ込むように備えられ得る。
【0070】
場合によって中紙帯3bは省略され、内紙帯3aと外紙帯3cのみで紙ストロー1を形成してもよい。この場合も、前述した内紙帯3aと外紙帯3cの特徴は、そのまま維持される。
【0071】
図5は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100のヒーター120を図示したものである。
図1ないし
図4を共に参照する。
【0072】
ヒーター120は、コアロッド110に巻かれる紙帯3、より具体的には、紙帯3に備えられた熱接着コーティング物質11を加熱して隣接した2つの紙帯3を互いに固定および結合され得るようにする。
【0073】
ヒーター120は、コアロッド110に紙帯3が巻かれ始める地点の前の地点で紙帯3を加熱して、紙帯3が加熱された状態でコアロッド110に巻かれるようにする。このとき、巻かれる地点よりもはるかに前の地点で加熱する場合、加熱された熱接着コーティング物質11が冷めた状態で紙帯3がコアロッド110に巻かれ得るため、ヒーター120は、コアロッド110に紙帯3が巻かれる地点の直前に備えられることが好ましい。
【0074】
紙帯3を加熱する方式は、複数あり得るが、特にヒーター120は、熱風供給方式として駆動され得る。熱風供給方式の紙帯3の加熱は、熱源から離隔された被加熱物を加熱するのが容易であり、被加熱物が熱源と直接当接して焦げたり、焼ける問題を防止するだけでなく、相対的に広い面積に対して被加熱物を加熱することができる。
【0075】
ヒーター120は、紙帯3の少なくとも一側面に対応する熱風供給面121を含む。1つの紙帯3に対応する熱風供給面121は、該当紙帯3の両面に対応して両側にそれぞれ備えられ得る。熱風供給面121は、少なくとも紙帯3のうち熱接着コーティング物質11が備えられた面に対面するように備えられることが好ましい。
【0076】
熱風供給面121は、熱風が分散して供給される多孔性のダクト122を含むことができる。多孔性ダクト122は、熱風供給面121を通る紙帯3によって最大限広い領域に対して均一かつ持続的な熱供給を可能にする。
【0077】
内紙帯3a、中紙帯3b、外紙帯3cがコアロッド110に流入する形態である場合、ヒーター120は、前記3つの紙帯3が通過できるように3つのスリット123を形成することができる。特に、各スリット123は、対向する2つの熱風供給面121の間の空間として定義され得る。
【0078】
各スリット123は、紙帯3の幅および厚みよりも十分に広い幅および厚みを有するように形成され、コアロッド110に巻かれるために流入する紙帯3がスリット123内で幅方向または厚み方向に移動して適切な位置を把持できるように余裕空間を確保する。
【0079】
このとき、熱風供給面121の形状は、紙帯3ないし紙帯3が占める空間に対応する形状を有し得る。これは、熱効率を増加させて紙帯3の接着信頼度を向上させる。より具体的には、熱風供給面121は、紙帯3の進行方向に行くほど幅が狭くなる台形形状を有し得る。これは、内紙帯3a、中紙帯3b、外紙帯3cがコアロッド110に重なって巻かれるためにコアロッド110に近づくほど互いに集まるように配置される形態に起因する。
【0080】
ヒーター120の長さが長くなるほど、紙帯3の広い面積に対して同時に熱供給が可能である。また、予備ストロー1’が、コアロッド110に沿って進行する速度が速くなり得るという利点がある。紙帯3が通過する方向に対するヒーター120の長さは、30cmないし45cmが適切である。これは、前述した要素、そして、予備ストロー1'がコアロッド110を通る速度である50meter/minないし65meter/minが反映された数値である。予備ストロー1'の移動速度が速くなる場合、ヒーター120の長さはさらに長くなり、移動速度が遅くなる場合、ヒーター120の長さはさらに短くなり得る。
【0081】
最初のセッティング過程において、紙帯3をヒーター120のスリット123に容易に位置させることができるように、ヒーター120の少なくとも一側面は、開閉可能な開閉部材124を有し得る。開閉部材124は、ヒンジ1241が回転するように備えられ紙帯3を最初に挿入させることができ、ヒーター120の他の領域と同一の部材を使用して熱損失を減らすことができる。開閉部材124は、紙帯3を容易にスリット123に位置できるようにしつつも、加熱過程において熱が側方に損失することを防止する。
【0082】
図6は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100に関するさらに他の実施形態に関する。
【0083】
前述したヒーター120とは異なり、コアロッド110に投入される紙帯3の一側からのみ熱風を提供する方式として提供され得る。本実施形態のヒーター120は、単独で備えられてもよく、または、前述の実施形態のヒーター120と共に備えられて接着信頼度をさらに向上させてもよい。
【0084】
図5および
図6において説明した熱風方式のヒーター120は、流体を形成する高圧ブロアーを含むことができ、これを通じて形成された流体がエアホース126を通って熱風供給面121または出口に出ることができる。熱風供給面121または出口直前には、空気加熱部材129が備えられて流体の温度を上昇させる。
【0085】
一定の温度、または所望する温度に流体が供給され得るようにヒーター120は、温度測定部および測定された温度に基づいて出力を調節する温度コントローラー128を含むことができる。温度コントローラ128によるヒーター120の熱供給適正温度は、350℃ないし380℃である。これは、熱接着コーティング物質11の融点に起因するものである。従って、熱接着コーティング物質11を用いて製作された紙ストロー1の場合、熱湯、例えば100℃の熱湯に紙ストロー1が浸かる場合も溶けない。また、高温の加熱を通じて殺菌ないし滅菌効果も同時に得られるので衛生的である。
【0086】
図7は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100に関するさらに他の実施形態に関する。
【0087】
また、コアロッド110自体が、独立的または追加的にヒーター120の役割を果たしてもよい。コアロッド110のうち一領域は、発熱する素材で備えられて紙帯3が進行する過程において加熱、固定されるように助けることができる。例えば、コアロッド110は、一領域に対してニッケル熱線112を含み、ニッケル熱線112は回路構成されて電流印加によって加熱され得る。
【0088】
コアロッド110の加熱方式は、前述した2つのヒーター120の加熱方式と併存して使用され得る。
【0089】
加熱可能なコアロッド110も、温度測定部および温度コントローラ128を含み所望する温度を維持させることができる。
【0090】
再び
図3または
図6を参照すると、ベルト130は、紙帯3がコアロッド110に紙ストロー1の形状に巻かれるよう加圧する。ベルト130は、紙帯3を噛み込んで紙帯3がコアロッド110にねじれながら巻かれるようにする。このため、ベルト130は、紙帯3をねじる動作が必要である。このため、ベルト130は、閉ループを形成し、閉ループのベルト130は、コアロッド110の両側に備えられた2つのシリンダー131に固定されてシリンダー131の回転によって共に回転することによって移動する。ベルト130の移動方向は、ベルト130の長手方向に沿うため、ベルト130の移動は、閉ループの経路に沿って循環する形態を有する。
【0091】
より具体的には、ベルト130は、2つのシリンダー131の各外周面に巻かれて固定されるが、1回ねじれることによって交差ライン1301を形成してベルト130の全体的には「8」の字形状を有し得る。「8」の字形状にねじれたベルト130は、ねじれていないベルト130よりもシリンダー131との接触面積がより大きくなり、強い張力を形成することができ、これはベルト130が空回りすることを防止する。
【0092】
シリンダー131は、モーターによって回転し、回転するシリンダー131は、ベルト130を移動させる。ベルト130の移動のために2つのシリンダー131は、同一の方向に回転する。
【0093】
ベルト130の交差ライン1301のうち一側1301aは、コアロッド110に少なくとも1回巻かれた状態で移動することによって、コアロッド110に密着して移動し、これはベルト130が紙帯3をより効果的にねじることができるようにする。コアロッド110に巻かれたベルト130は、コアロッド110に紙帯3の周囲全体が加圧され得るようにする。
【0094】
ベルト130の移動方向は、紙帯3がコアロッド110に巻かれる方向と同一の方向になり得る。紙帯3がコアロッド110に巻かれると同時に一方向に移動するので、紙帯3は結果的に斜線方向にねじれる力を受けることになる。
【0095】
前述したように、ロール2から解かれた紙帯3は、ヒーター120のスリット123を通過し、その後、コアロッド110に巻かれる。
【0096】
このとき、紙帯3は、適切な位置においてヒーター120、スリット123、そしてコアロッド110に投入されなければならない。これは、紙帯3がヒーター120と干渉しないようにするだけでなく、また、適切なパターンにコアロッド110に巻かれて意図された紙ストロー1の形状を有するためである。
【0097】
ロール2から解かれた紙帯3が、別途の構造なしに直ぐコアロッド110に投入される場合、ロール2の解かれる程度によって紙帯3の投入高または左右位置が一定ではなくなり、また、進行過程において紙帯3のたわみなどが発生することになる。
【0098】
投入位置調整部180は、コアロッド110に投入される紙帯3の位置を特定させる役割をする。それだけではなく、投入位置調整部180は、紙帯3の張力を増加させて紙帯3が張られてコアロッド110に巻かれるようにする。張力増加のために、投入位置調整部180は、2つのガイド部材181を備えて紙帯3が2つのガイド部材181の間を通り投入され得るようにする。
【0099】
投入位置調整部180は、紙帯3の厚み方向(
図3基準の上下方向)および幅方向(
図3基準の左右方向)に移動可能なように可変的に備えられ、必要によって紙帯3の投入地点を調節することができる。
【0100】
紙帯3が水平に寝かせて投入されると仮定するとき、投入位置調整部180の左右方向の調節は、コアロッド110に巻かれる紙帯3の角度、さらには、巻かれる紙帯3の間の間隔に影響を与えることになる。例えば、投入位置調整部180の左右方向の調節を通じて内紙帯3aの幅方向の一側は、内紙帯3aの次の周の他側と一定の隙間(S)が生成されるように離隔して巻かれるように、または、ほぼ隣接して巻かれるようにすることができる。中紙帯3bの幅が内紙帯3aの幅よりも大きく、外紙帯3cの幅が中紙帯3bの幅よりも大きい場合、中紙帯3bは互いに一部が重なり(L1)、外紙帯3cも互いに一部が重なって(L2)巻かれ得る(
図1参照)。内紙帯3aは、互いに重ならないように巻かれて紙ストロー1の厚みが厚くなったり、一定の接着を妨げることを防ぐことができ、中紙帯3bと外紙帯3cの重なりは紙ストロー1の隙間の発生を遮断する。
【0101】
外紙部5、即ち、中紙帯3bと外紙帯3cの各重なり領域には、熱接着コーティング物質11が備えられ、重なった領域も接着されて固定力を形成し得るようにする。
【0102】
場合によって、内紙帯3a、中紙帯3b、および外紙帯3cそれぞれすべてが互いに重ならないように生成されてもよい。この場合、紙ストロー1に突出領域(例えば、L1またはL2)が発生しないようにすることができる。
【0103】
整理すると、外紙部5の紙帯3は、内紙部4の紙帯3よりも広い幅を有する。好ましい一実施形態として、内紙帯3aの幅は13.5mm、中紙帯3bの幅は14mm、外紙帯3cの幅は15mmになり得る。
【0104】
しかし、これは、紙ストロー1の諸元、即ち、紙ストロー1の直径、長さだけではなく、材質などによって幾らでも変わり得る。紙帯3の幅は、10mmから30mmまで多様に適用され得る。
【0105】
図8は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100においてロール据付部160が備えられた領域を図示したものである。
【0106】
ロール据付部160は、コアロッド110に投入される前にロール2の状態で備えられた紙帯3を据付ける。3重の紙帯3で紙ストロー1が形成される場合、ロール据付部160は、内紙ロール2a、中紙ロール2b、および外紙ロール2cを経てそれぞれから紙帯3を供給する。
【0107】
ロール据付部160は、ガイドローラー161をさらに含むことができる。ガイドローラー161は、紙帯3の移動経路を基準に投入位置調整部180およびロール2との間に備えられる。紙帯3は、ロール2から解かれてガイドローラー161を通り投入位置調整部180に進む。ガイドローラー161は、投入位置調整部180に向かって紙帯3が適正な位置から投入され得るように大略的な方向を合わせる役割をするだけでなく、紙帯3を予備的に解くようにして、突然ロール2が消尽することを防ぐ。
【0108】
拡張経路を確保するために、ガイドローラー161は、一側および他側にそれぞれ備えられ得る。特に、一側に複数のガイドローラー161が、他側にも複数のガイドローラー161が備えられることによって、予備的に解かれた紙帯3が一側および他側をジグザグに往復して進行され得る。
【0109】
前述したように、ガイドローラー161は、紙帯3がコアロッド110に投入される前に十分に解かれているようにする。従って、ロール2の紙帯3がすべて消尽されても、次のロール2、即ち、予備ロール2'を投入させる余裕時間を提供する。特に、使用されていたロール2がすべて消尽される頃に使用されていたロール2の終了点、即ち、紙帯3の内側端を予備ロール2'の開始点、即ち、紙帯3の外側端と連結させる場合、追加的な措置や時間的遅滞なく紙帯3が連続的にコアロッド110に投入され得る。ガイドローラー161は、この2つの紙帯3を連結させ得る時間を確保する。
【0110】
特に、紙帯3に備えられた熱接着コーティング物質11の特性を用いて、前記ロール2の終了点と予備ロール2'の開始点を加熱および圧着して連結させることができる。これによって、紙帯3が切れる部分、または他の方法によって連結された死領域が発生しなくなって連続的な生産が可能であり、資源の浪費が発生しない。
【0111】
ロール2および予備ロール2'の2つの紙帯3は、連結部170によって連結され得る。連結部170は、熱を発生させて2つの紙帯3の熱接着コーティング物質11を加熱する加熱部171および加熱された紙帯3を加圧して圧着する圧着部172を含むことができる。加熱部171および圧着部172は、一体に形成されて連結部170を構成することができる。
【0112】
圧着部172は、間に紙帯3および予備紙帯3’が通るように両側に備えられた2つの圧着部材を有し、2つの圧着部材が選択的に近づき紙帯3を圧着することができる。このうち、一圧着部材は、前述した加熱部171となり得る。加熱および圧着された紙帯3は、熱接着コーティング物質11によって互いに連結される。
【0113】
また、複数のガイドローラ161のうち、一側および他側に対応する少なくとも2つのガイドローラー161の間の間隔は、選択的に狭めることができる。これは、連結部170を用いて2つの紙帯3の両端を加熱および圧着して連結させるときにも、紙帯3は連続的に投入され続けているので、2つの紙帯3の連結部位が投入地点に付いて行かないようにする。
【0114】
ガイドローラ161の一側および他側のガイドローラー161の狭まりは、スプリング構造のような復元力を有する弾性部163によって具現され得る。即ち、紙帯3の引っ張りによって瞬間的に間隔が狭まっても、少なくとも一側に備えられた弾性部163の復元力が再び2つのガイドローラー161の間隔を原位置に復元することになり、正常状態に戻ることができるようになる。
【0115】
図9は、本発明に関連した紙ストロー製造システム100において切断部150が備えられた領域を図示したものである。
【0116】
コアロッド110に巻かれて形成された予備ストロー1'は、移動ガイド部140によって持続的に一方向に進行する。この進行方向は、コアロッド110の長手方向のうち、投入される紙帯3が位置する側の反対側になる。
【0117】
進行した予備ストロー1'は、切断部150によって一定の長さに切断され、予備ストロー1'をストローとして形成させる。切断部150は、一定間隔に離隔された複数の刃151を含むことができ、この刃151は、回転する円形刃151の形態として具現され、往復運動を遂行することによって、供給される予備ストロー1'を反復的に複数のストローとして生産する。刃151の個数が増加するほど、一度に生産できる紙ストロー1の個数が増加し得る。従って、これは、相対的な予備ストロー1'の移動速度を遅くし得ることを意味し、これは、結果的に予備ストロー1'の移動のために必要とする駆動装置にかかる負荷を低減させることができる。
【0118】
形成されたストローは、コンベアを通じて移動および積載され得る。本発明の紙ストロー1は、乾燥過程を必要としないので、コンベアによって直ぐに積載され得、直ぐに包装も可能であるため生産効率が向上する。
【0119】
本発明は、本発明の精神および必須的特徴から逸脱しない範囲において他の特定の形態として具体化され得ることは、該当技術分野の通常の技術者には自明である。
【0120】
前記の詳細な説明は、すべての面において制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付された請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲内におけるすべての変更は、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
前記言及された特徴は、部分的に、または全体的に紙ストロー分野に適用され得る。
【国際調査報告】