IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アッサ・アブロイ・エントランス・システムズ・アーベーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ドア操作システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/681 20150101AFI20220802BHJP
   E05D 15/38 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
E05F15/681
E05D15/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572608
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2020064661
(87)【国際公開番号】W WO2020249395
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】1930182-9
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516216070
【氏名又は名称】アッサ・アブロイ・エントランス・システムズ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】アブラハムソン マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン アントン
(72)【発明者】
【氏名】エリアソン ダニエル
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA05
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA11
2E052EB01
2E052EC01
2E052GB15
2E052KA14
2E052KA15
(57)【要約】
開口部(2)を開閉するためのオーバーヘッドドア操作システム(1)は、開口部(2)の第一の側面(5)に第一のフレームセクション(4)と、開口部(2)の第二の側面(7)に第二のフレームセクション(6)とを備えるドアフレーム(3)を備える。この操作システムは、開位置(O)と閉位置(C)との間を移動するように配置されたドア(8)であって、ドアフレーム(3)に移動可能に接続されているドア(8)と、ドア(8)に装着された駆動ユニット(10)であって、ドア(8)を閉位置(C)から開位置に移動させるように配置された少なくとも1つのモータ(11)を備える駆動ユニット(10)と、をさらに備える。細長い伝達部材(19)は、開口部(2)の第一の側面(5)及び第一のフレームセクション(4)に沿って延びる。前記駆動ユニット(10)は、モータ(11)と駆動接続する被駆動伝達部材(18)をさらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(2)を開閉するためのオーバーヘッドドア操作システム(1)であって、
前記開口部(2)の第一の側面(5)に第一のフレームセクション(4)と、前記開口部(2)の第二の側面(7)に第二のフレームセクション(6)とを備えるドアフレーム(3)と、
開位置(O)と閉位置(C)との間を移動するように配置されたドア(8)であって、前記ドアフレーム(3)に移動可能に接続されているドア(8)と、
前記ドア(8)に装着された駆動ユニット(10)であって、前記ドア(8)を前記閉位置(C)から前記開位置に移動するように配置された少なくとも1つのモータ(11)を備える駆動ユニット(10)と、
前記開口部(2)の第一の側面(5)及び第一のフレームセクション(4)に沿って延びる細長い伝達部材(19)と、
を備え、
前記駆動ユニット(10)は、前記モータ(11)と駆動接続する被駆動伝達部材(18)をさらに備え、前記被駆動伝達部材(18)は、前記細長い伝達部材(19)に移動可能に接続され、前記細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置され、前記被駆動伝達部材(18)を少なくとも部分的に包み込む前記細長い伝達部材(19)によって、前記細長い伝達部材(19)に沿って前記被駆動伝達部材(18)を駆動する、オーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項2】
前記細長い伝達部材(19)は、懸架された屈曲可能な伝達部材の形態である、請求項1に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項3】
前記細長い伝達部材(19)は、付勢される、請求項1又は2に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項4】
前記細長い伝達部材(19)の上端が固定して装着され、前記細長い伝達部材(19)の下端がバネ式である、請求項3に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項5】
前記ドアフレーム(3)と前記細長い伝達部材(19)の前記下端(68)とに接続されたバネ配置(74)をさらに備える、請求項4に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項6】
バネで前記細長い伝達部材(19)に力を加える伝達部材テンショナをさらに備え、それによって、前記細長い伝達部材(19)の前記上端及び前記下端が固定して装着され、前記伝達部材テンショナが前記ドア(8)に取り付けられ、前記伝達部材テンショナが前記細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置されたローラ要素を備える、請求項3に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項7】
前記駆動ユニット(10)が減速ギヤ(76)をさらに備え、前記減速ギヤ(76)が前記被駆動伝達部材(18)と前記モータ(11)とを接続する、請求項1~6のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(10)。
【請求項8】
前記ドア(8)に装着され、前記ドア(8)の底部水平縁部から延びる弾性パネル(91)をさらに備え、前記弾性パネル(91)は、前記ドア(8)が閉位置(C)にあるとき、前記開口部(2)の床と接触するように配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項9】
前記細長い伝達部材(19)によって、前記ドア(8)を前記細長い伝達部材(19)に沿って案内するために、前記細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置された前記ドア(8)に装着された少なくとも1つの案内部材(92)をさらに備え、前記細長い伝達部材(19)は前記少なくとも1つの案内部材(92)を少なくとも部分的に包み込む、請求項1~8のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項10】
前記細長い伝達部材(19)は、ベルトである、請求項1~9のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項11】
前記ベルトは、歯付きベルトである、請求項10に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項12】
前記細長い伝達部材(19)は、チェーンである、請求項1~9のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項13】
前記案内部材(92)は、歯付きホイールである、請求項12に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項14】
前記ドア(8)は、複数の水平で相互接続されたセクション(9a~e)を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項15】
前記第一のフレームセクション(4)と相互作用するように配置された前記ドア(8)に装着された案内ローラ(17)の第一のセットと、前記第二のフレームセクション(6)と相互作用するように配置された案内ローラ(17)の第二のセットとをさらに備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項16】
前記駆動ユニット(10)は、前記ドア(8)のセクション(9a~e)に装着され、それによって、第一及び第二の上部案内ローラが、前記セクション(9a~e)から前記第一のフレームセクション(4)及び前記第二のフレームセクション(6)に向かってそれぞれ延び、第一及び第二の下部案内ローラが、前記セクション(9a~e)から前記第一のフレームセクション(4)及び前記第二のフレームセクション(6)に向かってそれぞれ延びる、請求項14又は15に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項17】
前記駆動ユニット(10)は、前記ドア(8)の最下部セクション(9e)に装着され、前記第一及び第二の下部案内ローラは、最下部セクション(9e)の底部水平端フェーズに隣接して配置される、請求項16に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項18】
前記 上部案内ローラは、最下部セクション(9e)の頂部水平端フェーズに隣接して配置される、請求項16又は17に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの前記案内部材(92)のそれぞれは、前記案内ローラ(17)のうちの1つと同軸に配置される、請求項15~18のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項20】
第一の上部案内部材(92)が前記第一の上部案内ローラ(17)と同軸に配置され、第一の下部案内部材(92)が前記第一の下部案内ローラ(17)と同軸に配置される、請求項19記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項21】
前記案内ローラ(17)のうちの1つと前記案内部材(92)のうちの1つとが、前記ドア(8)の前記底部水平縁部に隣接して互いに同軸に配置されている、請求項19又は20に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項22】
前記開口部(2)の前記第一の側面(5)及び前記第一のフレームセクション(4)に沿って延びる第一の細長い伝達部材(19)と、前記開口部(2)の前記第二の側面(7)及び前記第二のフレームセクション(6)に沿って延びる第二の細長い伝達部材(19)と、をさらに備え、それによって、前記オーバーヘッドドア操作システム(1)は、前記第一及び第二の細長い伝達部材(19)によって、前記第一及び第二の細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置される第一及び第二の被駆動伝達部材(18)をそれぞれさらに備え、前記第一及び第二の細長い伝達部材(19)は前記第一及び第二の被駆動伝達部材(18)を少なくとも部分的に包み込む、請求項1~21のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項23】
前記ドア(8)を前記第二の細長い伝達部材(17)に沿って案内するために、前記第二の細長い伝達部材と相互作用するように配置された、前記ドア(8)に装着された少なくとも1つの案内部材(92)をさらに備える、請求項22に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項24】
第一の上部案内部材(92)は、前記第一の上部案内ローラ(17)と同軸に配置され、第一の下部案内部材(92)は、前記第一の上部及び下部案内部材(92)を少なくとも部分的に包み込む前記第一の細長い伝達部材(19)によって前記第一の細長い伝達部材(19)と相互作用するように前記第一の下部案内ローラ(17)と同軸に配置され、第二の上部案内部材(92)は、前記第二の上部案内ローラ(17)と同軸に配置され、第二の下部案内部材(92)は、前記第二の上部及び下部案内部材(92)を少なくとも部分的に包み込む前記第二の細長い伝達部材(19)によって前記第二の細長い伝達部材(19)と相互作用するように前記第二の下部案内ローラ(17)と同軸に配置される、請求項23に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項25】
前記第一の被駆動伝達部材(18)は、前記第一の上部と下部案内部材(92)との間に配置され、前記第二の被駆動伝達部材(18)は、前記第二の上部と下部案内部材(92)との間に配置される、請求項24に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項26】
前記駆動ユニット(10)は、前記第一及び第二の被駆動伝達部材(18)にそれぞれ駆動接続されている第一のモータ(11a)及び第二のモータ(11b)を少なくとも備える、請求項22~25のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項27】
前記駆動ユニット(10)が、前記第一の被駆動伝達部材(18)と前記第一のモータ(11a)とを接続する第一の減速ギヤ(76)と、前記第二の被駆動伝達部材(18)と前記第二のモータ(11b)とを接続する第二の減速ギヤ(76)と、をさらに備える、請求項26に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【請求項28】
前記モータ(11)は、前記第一及び第二の被駆動伝達部材(18)に駆動接続されている、請求項22~25のいずれか一項に記載のオーバーヘッドドア操作システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を開閉するためのオーバーヘッドドア操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オーバーヘッドドア用のドア操作システムは、典型的には、ドアフレームに接続されたドアと、開口部を開閉するために、開位置と閉位置との間でドアフレームに沿ってドアを移動させるように配置された駆動ユニットとを備える。ドアは、セクショナルドアであってもよく、典型的には、ガレージドアとして、又は産業用ドアとして使用される。駆動ユニットは、ドアを移動させるために、モータ、又はバネのような機械ユニットをさらに備えることができる。
【0003】
従来のオーバーヘッドセクショナルドアでは、ドアの上方に装着された電気モータが、ドアに取り付けられた配線を使用してドアを引き上げている。このようなオーバーヘッドセクショナルドアは、ドアを開けるのに必要な力を減らすために、バランスバネを実装することが多い。バランスバネを実装すると、ドアが複雑になり、ドアを所定の位置に装着するときに、設置するのが面倒である。
【0004】
ドア操作システムで操作中、保守中、及び設置中の複雑さとリスクを低減する効率的に優れたドア操作システムを実現するために、ドアに装着された駆動ユニットを有するドア操作システムを開発されてきた。ドアは、ドアの意図された移動軌跡に沿って延びる固定ラックとインターフェースする駆動ピニオンによって駆動される。このようなドアに、駆動モジュラリティを導入することによって、従来のドア操作システムにおけるいくつかの欠点やデメリットに対処し、より容易に迅速に設置することも、複雑さを低減することも可能になる。さらに、バランスバネを必要としない。
【0005】
しかしながら、このようなドアの駆動は、多くの課題に関連している。固定ラックは、ラックの製造でも、ドアを設置するときの適切な位置合わせでも高い精度が必要である。このため、ドア自体とドアの設置との双方で、コストが増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、単独で、又は任意の組み合わせで、当技術分野における上述の欠点やデメリットのうちの1つ以上を軽減、緩和、又は排除しようとするオーバーヘッドドア操作システムを提供することである。
【0007】
本発明の目的は、オーバーヘッドドア操作システムの複雑さを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、開口部を開閉するためのオーバーヘッドドア操作システムが提供される。オーバーヘッドドア操作システムは、開口部の第一の側面にある第一のフレームセクションと、開口部の第二の側面にある第二のフレームセクションとを含むドアフレームを備える。オーバーヘッドドア操作システムは、さらに、開位置と閉位置との間で移動するように配置されたドアを備え、ドアは、ドアフレームに移動可能に接続されている。
【0009】
さらに、操作システムは、ドアに装着された駆動ユニットを備え、駆動ユニットは、ドアを閉位置から開位置に移動させるように配置された少なくとも1つのモータと、開口部の第一の側面及び第一のフレームセクションに沿って延びる細長い伝達部材と、を備える。
【0010】
駆動ユニットは、モータに接続して駆動する被駆動伝達部材をさらに備え、被駆動伝達部材は、細長い伝達部材に移動可能に接続され、被駆動伝達部材を少なくとも部分的に包み込む細長い伝達部材によって、前記細長い伝達部材に沿って被駆動伝達部材を駆動するために前記細長い伝達部材と相互作用するように配置されている。
【0011】
本発明の実施形態は、添付の従属請求項によって定義され、詳細な説明の節及び図面においてさらに説明される。
【0012】
本明細書で使用される場合、「備える/備えている」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定するために採用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことを強調すべきである。特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書において特に明確に定義されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの/その(要素、装置、構成要素、手段、ステップなど)」への言及は全て、特に明記しない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとして、広義に解釈されるべきである。本明細書に開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。
【0013】
本明細書において何かを行うために「設計されている」エンティティへの言及は、これをまさに何かを行うために「構成されている」又は「意図的に適合されている」エンティティと同じことを意味することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以上の説明は、添付図面に例示されているように、例示的な実施形態の以下のより特定の説明から明らかである。図面における同様の参照記号は、異なる図を通して同じパーツを参照する。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、例示的な実施形態を示すことに重点が置かれている。
【0015】
図1】閉位置にあるドアを備えるドア操作システムの概略斜視図である。
図2a】一実施形態による駆動ユニットの概略斜視図である。
図2b】一実施形態による駆動ユニットの概略斜視図である。
図2c】一実施形態による駆動ユニットの概略斜視図である。
図2d】一実施形態による駆動ユニットの概略斜視図である。
図2e】一実施形態による駆動ユニットの概略斜視図である。
図3】閉位置にあるドアを備えるドア操作システムの概略斜視図である。
図4a】一実施形態によるドア操作システムの概略斜視図であり、ドア操作システムは閉位置にあるドアを備える。
図4b】一実施形態によるドア操作システムの概略斜視図であり、ドア操作システムは閉位置にあるドアを備える。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全で十全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。添付図面に示す特定の実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図したものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
【0017】
図1図4はいずれも、オーバーヘッドセクショナルドア操作システムを示す。しかしながら、当業者には理解されるように、本発明の創意的な態様は、単一ブレードドア操作システムであるドア操作システムにも適用可能である。
【0018】
図1は、本発明の態様を適用することができるドア操作システム1の模式図である。ドア操作システムは、ドアフレーム3と、駆動ユニット10(図2a~cに図示)と、ドア8とを備える。ドア操作システム1は、壁及び床によって規定される開口部2内に設置されるように配置される。ドア8は、ドアフレーム3に接続されている。ドア操作システム1は、開位置Oと閉位置Cとの間でドア8を移動させて、開口部2を開閉するように配置されている。
【0019】
この実施形態では、ドア8は、ドアフレーム3に接続された複数の水平で相互接続されたセクション9a~eからなるセクショナルドア8である。一実施形態では、ドアは、ガレージドアである。別の実施形態では、ドアは、産業用ドアである。また、ドアは、閉位置Cと開位置Oとの間でドアフレーム3に沿って移動するように配置されている。
【0020】
図1に示すように、ドア操作システム1は、第一の端子13と第二の端子14とを備えることができる。少なくとも1つの端子13、14は、駆動ユニットのモータに電力供給するために、電池などのエネルギー蓄積装置を充電するためのエネルギーを伝達するように構成される。
【0021】
一実施形態では、ドア操作システムは、アップアンドオーバードア操作システムである。アップアンドオーバー操作ドア操作システムとは、閉位置Cにあるドアがほぼ垂直に配置され、開位置Oにあるドアがほぼ水平に、開口部の内側に配置されるシステムである。
【0022】
代替実施形態では、ドア操作システムは、アップアンドアップドア操作システムである。アップアンドアップドア操作システムとは、閉位置Cにあるドアがほぼ垂直に配置され、開位置Oにあるドアが開口部の上で、ほぼ垂直に配置されるシステムである。
【0023】
さらなる代替的な実施形態では、ドア操作システムは、閉位置Cのドアがほぼ垂直に配置され、開位置Oのドアがほぼ垂直方向の位置とほぼ水平の位置の間に配置された傾斜位置に配置されたドア操作システムであってもよい。例えば、ドアは、開位置Oにおける水平位置から45度の角度で配置されてもよい。しかしながら、当業者が認識するように、ドアは、開位置Oにおけるドアの水平方向の位置と垂直方向との間に配置される任意の角度で配置されてもよい。
【0024】
ドアフレーム3は、開口部2の第一の側面5に第一のフレームセクション4と、開口部2の第二の側面7に第二のフレームセクション6とを備える。ドアフレーム3は、壁50と床23とに接続されている。一実施形態では、第一のフレームセクション4は、略垂直部4aと、略水平部4bとを含む。第二のフレームセクション6は、略垂直部6aと、略水平部6bを含む。垂直部4a,6aと水平部4b,6bとは、ドア8が滑らかに動く(glide on)ための経路と、駆動装置10が相互作用するための軌道とを作り出すために接続されている。一実施形態では、ドア操作システムは、アップアンドアップドア操作システムであり、第一及び第二のフレームセクションは、垂直である。
【0025】
図1を参照すると、ドア8は、ドアフレーム3に直接的又は間接的に接続されている。このドア8は、第一のフレームセクション4に移動可能に接続された第一の側面と、第二のフレームセクション6に移動可能に接続された2つの側面で構成されている。一実施形態では、複数のセクション9a~eのうちの1つ以上は、第一の側面5で第一のフレームセクション4に、また第二の側面7で第二のフレームセクション6に接続される。
【0026】
図2a~eを参照すると、駆動ユニット10は、ドア8に装着されている。駆動ユニット10は、少なくとも1つのモータ11を備える。少なくとも1つのモータ11は、ドア8を閉位置Cから開位置Oに移動させるように配置されている。
【0027】
ドア8が駆動できるようにするために、オーバーヘッドドア操作システム1は、開口部2の第一の側面5及び第一のフレームセクション4に沿って延在する細長い伝達部材19をさらに備える。駆動ユニット10は、モータ11に接続されて駆動される被駆動伝達部材18をさらに備える。被駆動伝達部材18は、細長い伝達部材19に移動可能に接続され、被駆動伝達部材18を少なくとも部分的に包み込む細長い伝達部材19によって、前記細長い伝達部材19に沿って被駆動伝達部材18を駆動するために、前記細長い伝達部材19と相互作用するように配置される。したがって、細長い伝達部材19は、前記被駆動伝達部材18を少なくとも部分的に包囲するように配置される。
【0028】
細長い伝達部材は、固定ラックと比較して、製造及び設置の両方の点で、より費用効率の高い解決策を提供する。さらに、細長い伝達部材によって、ドア8とフレームとの間の相対的な移動が可能になり、固定ラックの解決策と同様の高精度な適切な位置合わせが不要になる。したがって、細長い伝達部材は、第一のフレームセクション4に直交する方向に沿った移動の程度を可能にするように配置されてもよい。
【0029】
さらに、細長い伝達部材は、たとえ、ドアがレールから押し離されたとしても、前記細長い伝達部材が被駆動伝達部材に追従し、少なくともある程度は被駆動伝達部材との係合を維持することにより、より安全なドア操作システムを可能にする。また、細長い伝達部材は、固定ラックと比較して、より静かで耐摩耗性に優れ、外部物体の挟み込みによる誤動作が起こりにくくなっている。
【0030】
細長い伝達部材19は、懸架された屈曲可能な伝達部材の形態であってもよい。この文脈において屈曲可能とは、前記伝達部材が必ずしも可撓性であることを必ずしも意味するものではなく、被駆動伝達部材を包み込むことを可能にするだけであることに留意されたい。したがって、伝達部材19は、被駆動伝達部材18と係合し、被駆動伝達部材18とフレーム3によって規定されるようなドア8の移動方向との間の相対的な移動を提供するように配置されていると考えることができる。言い換えれば、前記伝達部材は、固定されていない伝達部材又は懸架された伝達部材と考えることができる。したがって、細長い伝達部材は、フレームとは独立して被駆動伝達部材と係合するように配置されてもよい。
【0031】
駆動ユニット10は、細長い伝達部材19に移動可能に接続されている。したがって、駆動ユニット10が前記細長い伝達部材19に接続されることで、ドアとフレームとの相対移動が可能になり、これによって、駆動ユニットがドアに固定される。駆動ユニット10は、少なくとも1つのモータ11を備える。駆動ユニット10は、ドア8を閉位置から開位置に移動させるように配置されている。モータ11に電力を供給するために、少なくとも1つのモータ11は、少なくとも1つのモータ11に電力を供給するように配置された、電池などの少なくとも1つのエネルギー蓄積装置に接続することができる。駆動ユニット10は、ドア8を閉位置Cから開位置Oに移動させるように配置されている。
【0032】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドアを開位置Oから閉位置Cに移動させるように配置されている。一実施形態では、ドア8の重みにより、ドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するように配置されている。一実施形態では、駆動ユニット10は、開位置Oから閉位置Cに移動するときに、ドア8を制動するように配置される。
【0033】
一実施形態では、細長い伝達部材は、上端及び下端によってのみ懸架されてもよい。
【0034】
細長い伝達部材19は、付勢されてもよい。細長い伝達部材19の付勢によって、弾性のある細長い伝達部材19の張力を適当なレベルに維持することが可能になり、摩耗及び潜在的な許容誤差の問題をさらに補償することができる。
【0035】
一実施形態では、細長い伝達部材19は、バネ配置によって付勢されてもよい。細長い伝達部材19の上端は、固定して装着されてもよく、細長い伝達部材19の下端は、バネ式であってもよい。これにより、バネが関与する整備作業を行うオペレータが簡単にアクセスできるようになる。一実施形態では、細長い伝達部材19の上端及び下端は、フレーム、例えば、第一のフレームセクション4に装着される。
【0036】
一実施形態では、オーバーヘッドドア操作システムは、少なくとも1つの案内部材92をさらに備える。少なくとも1つの案内部材92は、ドア8に装着されている。案内部材92は、少なくとも1つの案内部材92を少なくとも部分的に包み込む細長い伝達部材19によって、細長い伝達部材19に沿ってドア8を案内するための細長い伝達部材19と相互作用するように配置されてもよい。したがって、案内部材92は、細長い伝達部材19を移動させ、被駆動伝達部材18を前記細長い伝達部材19に対して案内して、それらを適切に整列させる。したがって、より信頼性の高いドア操作システムを達成することができる。案内部材92は、好ましくは、軸支接続(journaled connection)によってドア8に装着できる回転可能な案内部材とすることができる。したがって、細長い伝達部材19は、前記案内部材92を少なくとも部分的に包囲するように配置される。
【0037】
図2a~eを参照すると、細長い伝達部材19は、被駆動伝達部材18の部分及び案内部材92の部分を包み、それらと相互作用するように配置することができる。細長い伝達部材19と相互作用する被駆動伝達部材18の部分は、前記細長い伝達部材19と相互作用する案内部材92の部分と反対側である。このため、被駆動伝達部材、案内部材及び細長い伝達部材の間のインターフェースがより大きくなり、動作するのに必要なトルクがより少なくなるので、より安定したオーバーヘッドドア操作システムを達成することができる。
【0038】
図2a~eに示されるように、細長い伝達部材19は、好ましくは、開口部の第一の側面に沿って懸架される。
【0039】
細長い伝達部材19は、駆動ユニット及び/又はドアの水平方向又は斜め方向の動きを補償するために必要な弛み(slack)を提供する任意の従来の細長い伝達部材19であってもよい。細長い伝達部材は、ベルトであっても、あるいはチェーンであってもよい。
【0040】
一実施形態では、細長い伝達部材19はベルトであってもよい。したがって、案内部材92及び被駆動伝達部材18は、前記ベルトとインターフェースするように配置されたプーリー要素であってもよい。一実施形態では、ベルトは、歯付きベルト又はリブ付きベルトであってもよく、それによって、案内部材92及び被駆動伝達部材18は、前記歯付きベルト又はリブ付きベルトのリブとインターフェースする歯付きホイールであってもよい。
【0041】
細長い伝達部材19はまた、図2a~cに示されるチェーンであってもよい。チェーンには、歯を受け入れるためのスロットを設けることができる。したがって、被駆動伝達部材18は、チェーン、例えばチェーンのスロットと相互作用するように配置された歯付きホイールであってもよい。被駆動伝達部材18は、スプロケットであってもよい。さらに、案内部材92は、チェーン、例えばチェーンのスロットと相互作用するように配置された歯付きホイールであってもよい。案内部材92は、スプロケットであってもよい。一実施形態では、案内部材92は、チェーンと相互作用するためのリブ付きホイールとすることができる。一実施形態では、チェーンは、案内部材及び被駆動伝達部材を包囲する無端チェーンである。一実施形態では、チェーンは、非無端チェーンであり、例えば、案内部材及び被駆動伝達部材を部分的にのみ包囲するシングルチェーンである。
【0042】
一実施形態では、オーバーヘッドドア操作システムは、案内ローラ17の第一のセットと、案内ローラ17の第二のセットとをさらに備える。案内ローラの前記第一及び第二のセットは、ドア8に装着されている。案内ローラ17の第一のセット17は、第一のフレームセクション4と相互作用するように配置されており、案内ローラ17の第二のセットは、第二のフレームセクション6と相互作用するように配置されている。このように、案内ローラは、フレーム、例えば、第一のフレームセクション4と第二のフレームセクション6とによって形成される軌道に沿って、ドア8とともに案内されて移動する。
【0043】
一実施形態では、ドア8は、セクショナルドアである。したがって、ドアは、(図1に描かれているように)複数の水平で相互接続されたセクション9a~eを備える。
【0044】
ここでも図2a~cを参照すると、駆動ユニット10は、ドア8のセクション9eに装着されている。セクションの移動をよりスムーズにするために、駆動ユニット10が装着されるセクションには、二対の案内ローラが設けられている。したがって、第一及び第二の上部案内ローラは、セクション9eから第一のフレームセクション4及び第二のフレームセクション6に向かってそれぞれ延びる。同様に、第一及び第二の下部案内ローラは、セクション9eから第一のフレームセクション及び第二のフレームセクション6に向かってそれぞれ延びる。
【0045】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドア8の最下部セクション9eに装着され、第一及び第二の下部案内ローラは、最下部セクション9eの底部水平端フェーズに隣接して配置される。上部案内ローラは、対応するように、最下部セクション9eの頂部水平端フェーズに隣接して配置されてもよい。
【0046】
一実施形態では、上部及び下部案内ローラを各セクション9a~eに装着することができる。好ましくは、上部案内ローラは、頂部水平端フェーズに隣接して配置され、前記下部案内ローラは、各セクションの前記底部水平端フェーズに隣接して配置される。
【0047】
少なくとも1つの案内部材92は、図2dに最も明確に描かれているように、案内ローラ17の1つと同軸に配置されていてもよい。同軸配置によって、ドアの移動中に、荷重の一部を占めるフレーム及び案内ローラによる案内部材への力が減少する。したがって、結果として、駆動ユニット及び/又は案内部材のドアセクション及びベアリングへの力が減少する。さらに、同軸配置により、細長い伝達部材のより多くを案内ローラの後方に配置することができ、これにより、前記細長い伝達部材の露出が減少する。案内ローラ17は、シャフト88によってドア8に装着されている。案内ローラ17と案内部材92の両方がシャフトに装着されている。案内部材92は、シャフト88に固定して取り付けられてもよい。有利なことに、案内ローラ17及び案内部材92は、ドア8の底部水平縁部に隣接して配置されてもよい。一実施形態では、案内部材は、案内ローラに一体化されている。
【0048】
前記図2a~dに見られるように、本明細書の同軸は、案内ローラ及び案内部材が、延びる水平軸に沿って互いに平行に配置されていることを意味する。水平軸は、第一のフレームセクションと第二のフレームセクションとの間を延びている。
【0049】
一実施形態では、案内部材は、ドアの最下部セクション9eの底部水平端フェーズに隣接して配置されている案内ローラと同軸である。これは、ドアの優れた旋回位置を提供するため、特に有利である。したがって、案内ローラ及び案内要素は、オーバーヘッドドア操作システムがアップアンドオーバードア操作システムである場合、ドアがその開位置Oに近づいているときに、ドアに対して共通の低い旋回点を作る。これにより、例えば、固定ラックを利用する被駆動セクションを有するドアと比較すると、ドア開口部の上方に必要とされるスペースが大幅に削減される。
【0050】
一実施形態では、第一の上部案内部材92が第一の上部案内ローラ17と同軸に配置されている。これに対応して、第一の下部案内部材92が第一の下部案内ローラ17と同軸に配置されている。したがって、駆動されるセクション9eは、細長い伝達部材17及びフレームに沿って同じ軸で、両方とも案内され得る。これにより、さらに安定性が増し、駆動ユニット10が装着されているセクションへの負荷が減少する。好ましくは、セクションは最下部セクションであり、下部案内部材及び下部案内ホイールは、前記最下部セクションの底部フェーズに隣接して配置される。したがって、案内ローラ17のうちの1つと案内部材92のうちの1つとは、ドア8の底部水平縁部に隣接して互いに同軸に配置されてもよい。これは、単一セクショナルドアの場合でも同様である。
【0051】
一実施形態では、オーバーヘッドドア操作システムは、ドア8のより安定した移動パターンを可能にするために、一対の細長い伝達部材を備える。第一の細長い伝達部材19は、開口部2及び第一のフレームセクション4の第一の側面5に沿って延びている。第二の細長い伝達部材19は、開口部2及び第二のフレームセクション6の第二の側面7に沿って延びている。したがって、ドアの第一の側面を参照して議論された案内及び駆動の配置は、ドアの第二の側面にミラーリングされてもよい。
【0052】
したがって、オーバーヘッドドア操作システムは、第一及び第二の被駆動伝達部材をそれぞれ少なくとも部分的に包み込む第一及び第二の細長い伝達部材によって、第一及び第二の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第一及び第二の被駆動伝達部材18をさらに備えてもよい。
【0053】
第一及び第二の被駆動伝達部材18は、単一又は複数のモータ11によって駆動されてもよい。一実施形態では、単一のモータ11は、第一及び第二の伝達部材18に駆動接続されている。単一のモータ11は、モータ11から延びる第一及び第二のシャフトによって、第一及び第二の被駆動伝達部材18に接続することができる。図3を参照してさらに説明するように、駆動ユニット10は、それぞれが第一及び第二の被駆動伝達部材18に接続して駆動されている第一及び第二のモータをそれぞれ備えることができる。
【0054】
ドアの第一の垂直側面と同様に、ドアの第二の側面は、その上に装着された1つ以上の案内部材を有してもよい。一実施形態では、オーバーヘッドドア操作システムは、第二の細長い伝達部材と相互作用するように配置されたドア8に装着された少なくとも1つの案内部材92をさらに備えるが、それは、前記案内部材を少なくとも部分的に包み込む第二の細長い伝達部材によって、第二の細長い伝達部材17に沿ってドア8を案内するためである。別の言い方をすれば、前記ドア操作システムは、第一及び第二の細長い伝達部材によって、第一の細長い伝達部材19と相互作用するように配置されたドア8に装着された少なくとも1つの第一の案内部材92と、第二の細長い伝達部材19と相互作用するように配置されたドア8に装着された少なくとも1つの第二の案内部材92とを備え、第一及び第二の細長い伝達部材はそれぞれ第一及び第二の案内部材とを少なくとも部分的に包み込む。
【0055】
細長い伝達部材19の両方は、バネ配置によって付勢されてもよい。細長い伝達部材19の上端は、固定して装着されてもよく、細長い伝達部材19の下端は、バネ式であってもよい。これにより、バネが関与する整備作業を行うオペレータが簡単にアクセスできるようになる。一実施形態では、細長い伝達部材19の上端及び下端は、フレーム、例えば、第一及び第二のフレームセクションにそれぞれ装着される。
【0056】
図2bに例示される一実施形態では、第一の被駆動伝達部材18は、第一の上部及び下部案内部材92との間に配置されてもよい。第一の上部及び下部案内部材92は、第一の上部及び下部案内部材を少なくとも部分的に包み込む第一の細長い伝達部材によって、第一の細長い伝達部材19と相互作用するように配置される。同様に、第二の被駆動伝達部材18は、第二の上部と下部案内部材92との間に配置されてもよい。第二の上部及び下部案内部材92は、第二の上部及び下部案内部材を少なくとも部分的に包み込む第二の細長い伝達部材によって、第二の細長い伝達部材と相互作用するように配置される。これは、余分な構成要素を必要とせずに、駆動方向への被駆動伝達部材の前後の両方で、細長い伝達部材の追加の案内が可能になる。したがって、より複雑でないオペレータアセンブリを実現できる。さらに、これは、被駆動伝達部材の上の細長い伝達部材と案内部材との間のインターフェースがより大きくなり、その結果、より少ないトルクで動作する安定したドア操作システムが実現する。
【0057】
したがって、第一及び第二の被駆動伝達部材18は、第一及び第二の細長い伝達部材19に向かってそれぞれ反対方向にドア8から延びるように配置されてもよい。第一の被駆動伝達部材18は、ドアの第一の垂直フェーズに近接して配置されてもよく、前記第一のフェーズは、ドアが閉位置にあるとき、第一の細長い伝達部材に隣接している。同様に、第二の被駆動伝達部材18は、ドアの第二の垂直フェーズに近接して配置されてもよく、前記第二のフェーズは、ドアが閉位置にあるとき、第二の細長い伝達部材に隣接している。
【0058】
細長い伝達部材19は、被駆動伝達部材18の部分と、上部及び下部案内部材92の部分とを包み、それらと相互作用するように配置することができる。細長い伝達部材19と相互作用する被駆動伝達部材18の部分は、前記細長い伝達部材19と相互作用する上部及び下部案内部材92の部分と反対側である。このため、被駆動伝達部材、案内部材及び細長い伝達部材の間のインターフェースがより大きくなり、動作するのに必要なトルクがより少なくなるので、より安定したオーバーヘッドドア操作システムを達成することができる。
【0059】
一実施形態では、第一の細長い伝達部材のみが伝達部材に駆動接続されており、ドア操作システムは、上述の第一の上部及び下部案内部材のみを備えることができる。
【0060】
駆動ユニット10がドア8のセクション9eに装着されている一実施形態では、第一の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第一の上部案内部材92は、セクション9eの頂部フェーズに隣接して配置されてもよい。第一の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第一の下部案内部材92は、セクション9eの底部フェーズに隣接して配置されてもよい。第二の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第二の上部案内部材92は、セクション9eの頂部フェーズに隣接して配置されてもよい。第二の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第二の下部案内部材92は、セクション9eの底部フェーズに隣接して配置されてもよい。
【0061】
一実施形態では、第一の上部案内部材92は、第一の上部及び下部案内部材を少なくとも部分的に包み込む第一の細長い伝達部材によって、第一の細長い伝達部材19と相互作用するために、第一の上部案内ローラ(17)と同軸上に配置されてもよい。第一の下部案内部材92は、第一の細長い伝達部材19と相互作用するために、第一の下部案内ローラ17と同軸に配置されていてもよい。第二の上部案内部材92は、第二の上部及び下部案内部材を少なくとも部分的に包み込む第二の細長い伝達部材によって、第二の細長い伝達部材19と相互作用するために、第二の上部案内ローラ17と同軸上に配置されてもよい。第二の下部案内部材92は、第二の細長い伝達部材19と相互作用するために、第二の下部案内ローラ17と同軸に配置されていてもよい。
【0062】
図2a~eに示すように、駆動ユニット10は、モータと被駆動伝達部材18との間に付加的なトルクを与えるために減速ギヤ76を備えることができる。減速ギヤ76は、被駆動伝達部材18とモータ11とを連結する。減速ギヤは、ギヤボックス76の形態であってもよい。ギヤボックス76によって、例えば、ドア操作システムの高速モードと高トルクモードとの間で選択的なトルク制御が可能になる。
【0063】
駆動ユニット10が単一のモータを備える一実施形態では、モータは、ギヤボックスの形態であってもよい減速ギヤ76に接続され、それによって、ギヤボックスの出力シャフトは、トルクを前記第一及び第二の被駆動伝達部材18に伝達するように、第一及び第二の被駆動伝達部材18に接続され、又は、1つの細長い伝達部材のみを有する操作システムの場合には、単一の被駆動伝達部材に接続される。
【0064】
一実施形態では、駆動ユニット10は、第一及び第二のモータを備える。第一のモータは、ギヤボックスのような第一の減速ギヤに接続され、次いで、第一の被駆動伝達部材に接続されてもよい。第二のモータは、ギヤボックスのような第二の減速ギヤに接続され、次いで、第二の被駆動伝達部材に接続されてもよい。
【0065】
オーバーヘッドドア操作システムは、少なくとも1つの伝達部材保護具61をさらに備えることができる。伝達部材保護具61は、被駆動伝達部材18と、前記被駆動伝達部材19と相互作用する細長い伝達部材19の部分とを少なくとも部分的に囲むように配置されている。伝達部材保護具61は、細長い伝達部材19が被駆動伝達部材18との係合から外れるのを防止するためのものである。したがって、より安全なオーバーヘッドドア操作システムを達成することができる。また、伝達部材保護具61は、人が細長い伝達部材19と接触するのを防止する手段としても機能することができる。
【0066】
伝達部材保護具61は、細長い伝達部材19を覆うように、細長い伝達部材19を横切ってドア8から外側に、すなわち水平に延びるように配置されてもよい。伝達部材保護具61は、ドア8又は駆動ユニット10に取り付けられていてもよい。
【0067】
複数の被駆動伝達部材18を利用する一実施形態では、オーバーヘッドドア操作システムは、複数の伝達部材保護具61を備えることができる。各伝達部材保護具61は、対応する被駆動伝達部材18と、前記被駆動伝達部材18と相互作用する細長い伝達部材19の部分とを少なくとも部分的に囲むように配置することができる。
【0068】
一実施形態では、オーバーヘッドドア操作システムは、バネで細長い伝達部材19に力を加える伝達部材テンショナをさらに備え、細長い伝達部材19の上端及び下端が固定して装着され、伝達部材テンショナがドア8に取り付けられる。伝達部材テンショナは、細長い伝達部材19と相互作用するように配置されたローラ要素を備えることができる。
【0069】
図2cに示すように、オーバーヘッドドア操作システムは、バネ配置74を備えることができる。バネ配置74は、フレーム3、例えば、第一のフレームセクション4と、細長い伝達部材19の下端68とに接続されている。細長い伝達部材19は、開口部の床に隣接して配置されたコンソール要素79の周りを下向きに、バネ配置74に向かって上向きにルーティングすることができる。
【0070】
図2d~eに見られるように、オーバーヘッドドア操作システムは、弾性パネル91をさらに備えることができる。弾性パネル91は、ドア8に取り付けられている。弾性パネル91は、ドアの底部水平縁部8から延び、さらに、ドアが閉位置Cにあるとき。開口部2の床と接触するように配置される。前記弾性パネル91は、ドア8を閉じる際に床と接触するときに変形し、これにより、ドア8は、床に直接接触することによる衝撃及び摩耗から保護される。さらに、弾性パネル91は、ドアが閉位置にあるときに、床とドアとの間にシール効果を提供することができる。一実施形態では、弾性パネル91は、ゴム材料であってもよい。
【0071】
図3を参照すると、より詳細には、駆動ユニットが2つのモータ11a、11bを備えるオーバーヘッドドア操作システムが描かれている。第一のモータ11aと第二のモータ11bとは、ドア8の同一の水平セクション9eに配置することができる。第一及び第二のモータは、ドア8の最下部水平セクション9eに配置することができる。第一のモータ11a及び第二のモータ11bは、ドア8の異なる垂直方向に装着することもでき、例えば、第一のモータ11aは、開口部の第一の側面5に近接するドア8の垂直側面に配置することができ、第二のモータ11bは、開口部の第二の側面7に近接するドア8の垂直側面に配置することができる。
【0072】
一実施形態では、駆動ユニット10は、第一のモータ11a及び第二のモータ11bを少なくとも備え、第一のモータ11a及び第二のモータ11bは、ドア8の同じ垂直側面に装着されていてもよい。第一及び第二のモータは、ドア8の同一のセクションに配置することができる。第一及び第二のモータは、ドア8の最下部水平セクション9eに配置することができる。
【0073】
一実施形態では、第一のモータ11aは、第一の被駆動伝達部材18によって第一の細長い伝達部材19に移動可能に接続され、第二のモータ11bは、第二の被駆動伝達部材18によって第二の細長い伝達部材19に移動可能に接続される。
【0074】
モータ11及び駆動ユニット10は、ドア8の同一メインフェーズ、例えば、ドア8の外側フェーズ又は内側フェーズに配置されることが好ましい。モータ11及び駆動ユニット10を保護するために、前記モータ及び駆動ユニットは、ドア8の内部対向ドアフェーズの形態でドアの内側フェーズに配置されている。
【0075】
一実施形態では、駆動ユニット10のモータ11は、直流DCモータ11である。好ましい実施形態において、モータ11は、ブラシレス直流(BLDC)モータである。
【0076】
制御ユニットは、駆動ユニット10と動作可能に通信することができる。制御ユニットは、2つのモータ11a、11bと有線通信してもよいし、無線通信してもよい。
【0077】
制御ユニットは、駆動ユニット10の動き、すなわち、駆動ユニット10と、それに関連するモータ11a、11bとがいつ、どのようにドア8を動かすべきかを制御するように構成される。制御ユニットは、ドア8を開けるべきか閉じるべきかの入力を受信するように配置されている。一実施形態では、制御ユニットは、ユーザインタフェース、機械的ボタン、又は遠隔制御のうちの1つ以上から入力を受信するように配置されている。一実施形態では、制御ユニットは、ドアの自動動作のために、センサからの入力を受信するように配置されている。
【0078】
駆動ユニットは、これからさらに説明する追加のモータをさらに備えることができる。
【0079】
図4aに概略的に描かれた一実施形態では、駆動ユニット10は、水平セクションの第二の水平セクション9に装着され、セクショナルドア8を閉位置Cから開位置Oに移動させるときに第一及び第二のモータ11a~bを補助するように配置された第三及び第四のモータ11c~dを備える。第三及び第四のモータ11は、制御ユニット20に接続されて、第一及び第二のモータ11に対して上述したのと同様に制御ユニットによって制御されるように配置されている。一実施形態では、システム1は、4つのモータ11a~dと、1つの制御ユニット20とを備える。第一及び第二のモータ11a,11bは、一方のセクション9e上に配置され、第三及び第四のモータ11c,11dは、他のセクション9c上に配置されている。したがって、駆動ユニット10は、ドア8に装着された第三の被駆動伝達部材18を備えることができる。第三の被駆動伝達部材18は、前記第一の細長い伝達部材19に沿って前記第三の被駆動伝達部材19を駆動するために第一の細長い伝達部材19に移動可能に接続されている。さらに、駆動ユニットは、ドア8に装着された第四の被駆動伝達部材18を備えていてもよい。第四の被駆動伝達部材18は、前記第四の被駆動伝達部材19を前記第二の細長い伝達部材19に沿って駆動し、前記第四の被駆動伝達部材19を前記第二の細長い伝達部材19に沿って駆動するために、第二の細長い伝達部材19に移動可能に接続されている。駆動ユニットは、図2a~cを参照して説明されるものにしたがって、第三及び第四の被駆動伝達部材に関連する案内ホイール及び案内ローラを更に備えることができる。
【0080】
一実施形態では、第一及び第二のモータ11a、11bは、閉位置Cにおいて床に最も近いドアのセクション9上に位置するセクション9e上に配置されている。しかしながら、セクション9eは、例えば、閉位置Cにおいて床に最も近いセクションに隣接して配置されるセクションであるセクション9dであってもよいことに留意されたい。
【0081】
図4bに概略的に示す一実施形態では、駆動ユニット10は、水平セクション9の第三の水平セクション9に装着され、セクショナルドア8を閉位置Cから開位置Oに移動させるときに、他のモータ11を補助するように配置された第五及び第六のモータ11e~fを備える。第五及び第六のモータ11e~fは、制御ユニット20に接続され、第一及び第二のモータ11a~bに対して上述したのと同様に制御ユニットによって制御されるように配置されている。一実施形態では、システム1は、6つのモータ11a~fと、1つの制御ユニットとを備える。第一及び第二のモータ11a,11bは一方のセクション9e上に配置され、第三及び第四のモータ11c,11dは他のセクション9c上に配置され、第五及び第六のモータ11e,11fは他のセクション9d上に配置されている。したがって、駆動ユニット10は、ドア8に装着された第五の被駆動伝達部材18を備えることができる。第五の被駆動伝達部材18は、第一の細長い伝達部材19に沿って前記第五の被駆動伝達部材19を駆動するために第一の細長い伝達部材19に移動可能に接続されている。さらに、駆動ユニットは、ドア8に装着された第六の被駆動伝達部材18を備えていてもよい。第六の被駆動伝達部材18は、第六の被駆動伝達部材19を第二の細長い伝達部材19に沿って駆動し、第六の被駆動伝達部材19を第二の細長い伝達部材19に沿って駆動するために、第二の細長い伝達部材19に移動可能に接続される。駆動ユニットは、さらに、図2a~cを参照して説明されるものにしたがって、第五及び第六の被駆動伝達部材に関連する案内ホイール及び案内ローラを備えることができる。
【0082】
追加のセクション9a~eがモータとともに配置される実施形態では、これらのモータは、1つおきのセクション上に、各セクション上に、あるいはセクション9eの上方に配置されている1つのセクションに配置することができる。
【0083】
一実施形態では、第一、第二、第三のモータ、又は第一、第二、第三、及び第四のモータは、セクション9上に配置することができる。好ましくは、前記モータは、最下部セクション9eに配置することができる。
【0084】
一実施形態では、駆動ユニット10の少なくとも1つのモータ11は、ドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときに、ドア8の移動を制動するように構成されている。操作システムが2つのモータを有する一実施形態では、第一のモータ11a及び第二のモータ11bの両方が、ドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときに、ドア8の移動を制動するように構成されている。
【0085】
一実施形態では、駆動ユニット10の少なくとも1つのモータ11は、ドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときに、発電機として働き、少なくとも1つのエネルギー蓄積装置を充電するように構成されている。一実施形態では、駆動ユニット10の第一及び第二のモータ11a、11bの両方が、ドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときに、発電機として働き、少なくとも1つのエネルギー蓄積装置を充電するように構成されている。ドア8の重みにより、ドアを閉位置に向けて強制的に回転させるため、駆動ユニットの少なくとも1つのモータを回転させ、それによって、モータは、前記エネルギー蓄積装置を充電するための電力を生成することができる。
【0086】
駆動ユニット10の少なくとも1つのモータ11は、ブレーキをさらに備えることができる。一実施形態では、第一のモータ11a及び第二のモータ11bの両方がブレーキを備える。一実施形態では、ブレーキは、電磁ブレーキである。ブレーキは、ドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときに、ドア8の速度を制御/低下するように構成されている。一実施形態では、ブレーキは、ドア8が閉位置と開位置との間のドアの軌跡に沿った任意の位置に移動しないように構成されている。
【0087】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドア8のセクション9eに、すなわち、前記複数の水平で相互接続されたセクションの1つに装着される。第一のモータ11aと第二のモータ11bは、同一セクション9e上に配置されている。好ましくは、第一のモータ11a及び第二のモータ11bは、セクション9eの異なる垂直側面に配置されている。したがって、各モータ11a、11bは、それぞれ第一のフレームセクション4及び第二のフレームセクション6に関連して配置される。
【0088】
一実施形態では、ドア8は、水平であってもよく、あるいは少なくとも閉位置Cを考慮してある角度であってもよく、ドア8は、開口部2の内側であり、開口部2の上方に配置される。相互接続されたドアのセクション9は、閉位置Cから開位置Oに移動するとき、ドア8全体が上方に移動するように、互いに押し付け合う。セクション9は、垂直位置から水平位置に移動するときに、互いに対して回転し、移動する。
【0089】
一実施形態では、ドア8を開位置Oから閉位置Cに移動させるときに、第一及び第二のモータ11の少なくとも一方が発電機11として作動する。スプロケット18が回転すると、発電機11が回転する。発電機11は、ドア8の速度を低下させる。エネルギー蓄積装置に接続されている発電機11は、移動したときに、前記エネルギー蓄積装置を充電する。移動するドア8の運動エネルギーを利用することにより、エネルギー蓄積装置が充電される。
【0090】
以上、本発明の実施形態を参照して本発明を詳細に説明してきた。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲内で、他の実施形態も同様に可能である。本発明は、一般に、いかなる特定のタイプにも限定されない1つ以上の可動ドア部材を有する入口システムの中で、又は入口システムに適用されてもよいことが想起される。このようなドア部材は、例えば、スイングドア部材、回転ドア部材、スライドドア部材、オーバーヘッドセクショナルドア部材、水平折り畳みドア部材、又は引き上げ(垂直持ち上げ)ドア部材であってもよい。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3
図4a
図4b
【国際調査報告】