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特表2022-535611バイオプロセスシステム、バイオプロセスシステムのための配管および構成要素の管理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】バイオプロセスシステム、バイオプロセスシステムのための配管および構成要素の管理装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573578
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2020065935
(87)【国際公開番号】W WO2020249549
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】201911023338
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598041463
【氏名又は名称】グローバル・ライフ・サイエンシズ・ソリューションズ・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジェイ・ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】マナス・ダッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・スタンコウスキー
(72)【発明者】
【氏名】コリン・トーヘイ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・アン・パルツィアーレ
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス・ステグナー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・マーク・キラー
(72)【発明者】
【氏名】カンダクマール・ムルゲサン
(72)【発明者】
【氏名】プラサド・バギヤナタン
(72)【発明者】
【氏名】サイラム・チェルンニ
(72)【発明者】
【氏名】ニキル・ヴァッガ・チャンドラムーリ
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029AA08
4B029BB01
4B029GA06
4B029GB01
4B029GB02
(57)【要約】
バイオリアクター容器は、底部と、周囲側壁であって、底部と周囲側壁とは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める、周囲側壁と、柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板を受け入れるための底部における窪みと、基礎板を窪みにおいて保持するように構成される係止機構とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、
周囲側壁であって、前記底部と前記周囲側壁とは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める、周囲側壁と、
前記柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板を受け入れるための前記底部における窪みと、
前記基礎板を前記窪みにおいて保持するように構成される係止機構と
を備える、バイオリアクター容器。
【請求項2】
前記係止機構は、外れ止め部を備え、
前記外れ止め部は、前記基礎板を前記窪みにおいて保持するために前記基礎板が前記バイオリアクター容器の前記底部における前記窪みに位置付けられるときに、前記外れ止め部が前記基礎板と係合する係合位置と、前記基礎板が前記窪みから引き抜かれ得る除去位置との間で移動可能である、請求項1に記載のバイオリアクター容器。
【請求項3】
前記外れ止め部は、前記係合位置に向けてバネ付勢される、請求項2に記載のバイオリアクター容器。
【請求項4】
前記係止機構は、前記外れ止め部を前記係合位置から前記除去位置へと移動させるように動作可能であるハンドルを含む、請求項2または3に記載のバイオリアクター容器。
【請求項5】
前記外れ止め部は、前記窪みにおける前記基礎板の設置の間に、前記基礎板からの下向きの力を、前記バネ付勢に抗して前記外れ止め部を前記除去位置へと移動させるための横向きの力へと変換するように構成される角度の付けられた上面を備える、請求項3または4に記載のバイオリアクター容器。
【請求項6】
前記係止機構と反対に前記窪みへと延びる舌部であって、前記舌部は、前記基礎板の後領域におけるスロットと係合するように構成される、舌部
をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のバイオリアクター容器。
【請求項7】
前記係止機構は、前記窪みに隣接し、前記基礎板の少なくとも1つの対応する外れ止め部を受け入れるように構成される少なくとも1つの開口を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のバイオリアクター容器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの開口は、開口の対である、請求項7に記載のバイオリアクター容器。
【請求項9】
前記柔軟なバイオプロセスバッグの前記基礎板が前記窪みの中で適切に位置付けられているかどうかを指示するように構成される指示機構をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のバイオリアクター容器。
【請求項10】
前記指示機構は、
前記底部の中に位置決めされるプランジャであって、前記プランジャの上部分は、前記窪みへと突出するように構成される、プランジャと、
第1の端と第2の端とを有するロッカーアームであって、前記第1の端は、前記プランジャに連結される、ロッカーアームと
を備える、請求項9に記載のバイオリアクター容器。
【請求項11】
前記ロッカーアームの前記第2の端は、前記プランジャの移動に応じて移動するように構成される指示部を備え、
前記指示部の移動は、前記基礎板が前記窪みの中に適切にまたは不適切に配置されていることの指示を提供する、請求項10に記載のバイオリアクター容器。
【請求項12】
柔軟なバイオプロセスバッグと、
前記柔軟なバイオプロセスバッグの底部に位置付けられ、バイオリアクター容器の底部における対応する窪みに受け入れられるように成形される基礎板であって、
前記基礎板を前記窪みにおいて位置決めするために、前記窪みに隣接する前記バイオリアクター容器の前記底部における対応する位置決め特徴部と協働するための、前記基礎板の後縁に隣接する位置決め機構と、
前記基礎板を前記窪みにおいて保持するために、前記バイオリアクター容器の対応する係止デバイスと協働するための、前記位置決め機構と反対の前記基礎板の下側から下向きに延びる係止機構と
を含む、基礎板と
を備える、バイオプロセス装置。
【請求項13】
前記位置決め機構は、スロットおよび舌部のうちの一方であり、
前記対応する位置決め特徴部は、スロットおよび舌部のうちの他方である、請求項12に記載のバイオプロセス装置。
【請求項14】
前記係止機構は、前記基礎板の本体と概して平行で、前記本体から離間される平面に位置する捕獲部であり、
前記係止デバイスは、前記捕獲部と係合するように構成される外れ止め部を含む、請求項12または13に記載のバイオプロセス装置。
【請求項15】
前記係止機構は、少なくとも1つの外れ止め部材であり、
前記係止デバイスは、前記少なくとも1つの外れ止め部材を受け入れるように構成される窪みを含む、請求項12または13に記載のバイオプロセス装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの外れ止め部材は、概してL字形である、請求項15に記載のバイオプロセス装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの外れ止め部材は、弾力性である、請求項15または16に記載のバイオプロセス装置。
【請求項18】
前記柔軟なバイオプロセスバッグの前記基礎板が前記バイオリアクター容器の前記窪みの中で適切に位置付けられているかどうかを指示するように構成される指示機構をさらに備える、請求項12から17のいずれか一項に記載のバイオプロセス装置。
【請求項19】
前記指示機構は、
前記底部の中に位置決めされるように構成されるプランジャであって、前記プランジャの上部分は、前記窪みへと突出するように構成される、プランジャと、
第1の端と第2の端とを有するロッカーアームであって、前記第1の端は、前記プランジャに連結される、ロッカーアームと
を備える、請求項18に記載のバイオプロセス装置。
【請求項20】
前記ロッカーアームの前記第2の端は、前記プランジャの移動に応じて移動するように構成される指示部を備え、
前記指示部の移動は、前記基礎板が前記窪みの中に適切にまたは不適切に配置されていることの指示を提供する、請求項19に記載のバイオプロセス装置。
【請求項21】
内部空間を定める底部および周囲側壁、前記底部における窪み、ならびに、前記窪みに隣接する係止機構を有するバイオリアクター容器と、
前記内部空間の中に位置付け可能である柔軟なバイオプロセスバッグであって、前記柔軟なバイオプロセスバッグの底部に基礎板を含む、柔軟なバイオプロセスバッグと
を備え、
前記基礎板は、前記バイオリアクター容器の前記底部における前記窪みに受け入れられるように構成され、
前記係止機構は、前記基礎板を前記窪みにおいて保持するために前記基礎板と係合するように構成される、バイオプロセスシステム。
【請求項22】
前記係止機構は、外れ止め部を含み、
前記基礎板は、捕獲部を含み、
前記外れ止め部は、前記基礎板を前記窪みにおいて保持するために前記基礎板が前記窪みに位置付けられるときに、前記外れ止め部が前記捕獲部と係合する係合位置と、前記基礎板が前記窪みから引き抜かれ得る除去位置との間で移動可能である、請求項21に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項23】
前記外れ止め部は、前記係合位置に向けてバネ付勢される、請求項22に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項24】
前記係止機構は、前記外れ止め部を前記係合位置から前記除去位置へと移動させるように動作可能であるハンドルを含む、請求項22または23に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項25】
前記外れ止め部は、前記窪みにおける前記基礎板の設置の間に、前記基礎板の前記捕獲部からの下向きの力を、前記バネ付勢に抗して前記外れ止め部を前記除去位置へと移動させるための横向きの力へと変換するように構成される角度の付けられた上面を含む、請求項22から24のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項26】
前記係止機構と反対に前記窪みへと延びる舌部であって、前記舌部は、前記基礎板の後領域におけるスロットと係合するように構成される、舌部
をさらに備える、請求項21から25のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項27】
前記係止機構は、前記窪みに隣接し、前記スロットの反対において前記基礎板から下向きに垂れ下がる少なくとも1つの外れ止め部を受け入れるように構成される少なくとも1つの開口を含む、請求項26に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項28】
前記柔軟なバイオプロセスバッグの前記基礎板が前記バイオリアクター容器の前記窪みの中で適切に位置付けられているかどうかを指示するように構成される指示機構をさらに備える、請求項22から27のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項29】
前記指示機構は、
前記底部の中に位置決めされるように構成されるプランジャであって、前記プランジャの上部分は、前記窪みへと突出するように構成される、プランジャと、
第1の端と第2の端とを有するロッカーアームであって、前記第1の端は、前記プランジャに連結される、ロッカーアームと
を備える、請求項28に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項30】
前記ロッカーアームの前記第2の端は、前記プランジャの移動に応じて移動するように構成される指示部を備え、
前記指示部の移動は、前記基礎板が前記窪みの中に適切にまたは不適切に配置されていることの指示を提供する、請求項29に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項31】
バイオプロセスシステムであって、
柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、前記容器の側壁にアクセス扉を有し、前記内部空間へのアクセスを提供する容器と、
前記容器の前記側壁に搭載され、前記バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置と
を備え、
前記搭載フレームは、前記内部空間の中および外へと鉛直に移動可能である、バイオプロセスシステム。
【請求項32】
前記搭載フレームは、前記搭載フレームが前記アクセス扉を通じてアクセス可能である高さにおいて前記搭載フレームが前記容器の前記内部空間の中に位置付けられる設置位置と、前記搭載フレームが前記容器の上部の上方に概して位置付けられる動作位置との間で移動可能である、請求項31に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項33】
前記配管および構成要素の管理装置は、前記搭載フレームを前記容器の中心線に沿って鉛直に移動させるための昇降機構を含む、請求項31または32に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項34】
前記搭載フレームは、前記搭載フレームが前記内部空間の中に位置付けられる収容位置と、前記アクセス扉が開位置にあるときに開いているアクセス扉を通じて前記搭載フレームが延長するアクセス位置との間で、前記容器の前記中心線に対して概して垂直な方向にスライド可能である、請求項31から33のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項35】
前記配管および構成要素の管理装置は、前記搭載フレームを前記収容位置と前記アクセス位置とにおいて選択的に係止するための係止デバイスを含む、請求項31から34のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項36】
前記昇降機構は、線形アクチュエータである、請求項33から35のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項37】
前記配管および構成要素の管理装置は、前記容器の側壁に搭載される支持部材と、前記支持部材から概して前記容器の上に延びるブームと、前記ブームから前記容器の中心線に沿って下向きに延びるスリーブとを含み、
前記搭載フレームは、前記スリーブの中に受け入れられるシャフトを含む、請求項33から36のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項38】
前記昇降機構は、前記搭載フレームから前記スリーブを通じて前記ブームに沿って延びるケーブルを含み、
前記ケーブルは、前記搭載フレームを選択的に下降および上昇させるために選択的に延長可能および引き込み可能である、請求項33から37のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項39】
前記昇降機構は、前記容器の内部バッフルと一体とされる、請求項33から38のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項40】
前記配管および構成要素の管理装置は、前記容器の内部側壁に搭載される案内レールと、前記案内レールにスライド可能に連結される運搬板とを含み、
前記搭載フレームは、前記案内レールに沿った鉛直移動のために、前記運搬板に連結される、請求項33から39のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項41】
前記配管および構成要素の管理装置は、前記内部バッフルを定めるバッフルカバーを含み、
前記バッフルカバーは、スロットを含み、前記スロットを通じて前記運搬板が延びる、請求項39または40に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項42】
前記容器は、前記容器の側壁に窓を含み、
前記アクセス扉は、閉位置と開位置との間で移動可能であり、
前記閉位置にあるとき、前記アクセス扉の縁は、前記窓の境界の少なくとも一部分を定める、請求項31から41のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項43】
前記搭載フレームは、前記少なくとも1つの消耗品の構成要素を受け入れるための少なくとも1つのスロット、開口、またはブラケットを含む、請求項31から42のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項44】
前記少なくとも1つの消耗品の構成要素は、管、フィルタ、またはフィルタ加熱器である、請求項43に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項45】
前記容器は、請求項1から8のいずれか一項に記載のバイオリアクター容器である、請求項31から44のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項46】
バイオプロセスシステムの構成要素を設置するための方法であって、
搭載フレームを容器の上開口部を通じて前記容器へと下降させるステップと、
前記搭載フレームへアクセスするために、前記容器の側壁におけるアクセス扉を開けるステップと、
少なくとも1つの消耗品の構成要素を前記搭載フレームに搭載するステップと、
前記アクセス扉を閉じるステップと、
前記搭載フレームを、前記容器の上部に隣接する位置へと上昇させるステップと
を含む、方法。
【請求項47】
開いている前記アクセス扉を通じて前記搭載フレームを延ばすために、前記容器の中心線に対して概して垂直の方向に前記搭載フレームを移動させるステップ
をさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記搭載フレームを下降させるステップ、および、前記搭載フレームを上昇させるステップは、前記バイオプロセスシステムの制御ユニットによって自動的に実行される、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記搭載フレームを下降または上昇させるために昇降組立体を作動させるステップ
をさらに含む、請求項46から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
バイオプロセスシステムであって、
柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、前記容器の側壁にアクセス扉を有し、開いている前記アクセス扉を通じて前記内部空間へのアクセスを提供する容器と、
前記容器の前記側壁に搭載され、前記バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置と
を備え、
前記搭載フレームは、前記搭載フレームが前記アクセス扉を通じてアクセス可能である高さにおいて前記搭載フレームが前記容器の前記内部空間の中に位置付けられる設置位置と、前記搭載フレームが前記容器の上部の上方に概して位置付けられる動作位置との間で移動可能であり、
前記配管および構成要素の管理装置は、前記搭載フレームを前記設置位置と前記動作位置との間で移動させるための昇降機構を含む、バイオプロセスシステム。
【請求項51】
前記搭載フレームは、前記搭載フレームが前記内部空間の中に位置付けられる収容位置と、前記アクセス扉が開位置にあるときに開いているアクセス扉を通じて前記搭載フレームが延長するアクセス位置との間で、前記容器の前記中心線に対して概して垂直な方向にスライド可能である、請求項50に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項52】
前記配管および構成要素の管理装置は、前記容器の前記側壁の内側に搭載される、請求項50または51に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項53】
前記昇降機構は、線形アクチュエータを含む、請求項50から52のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項54】
前記容器は、前記容器の側壁に窓を含み、
前記アクセス扉は、閉位置と開位置との間で移動可能であり、
前記閉位置にあるとき、前記アクセス扉の縁は、前記窓の境界の少なくとも一部分を定める、請求項50から53のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【請求項55】
前記容器は、請求項1から8のいずれか一項に記載のバイオリアクター容器である、請求項50から54のいずれか一項に記載のバイオプロセスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、バイオプロセスシステムおよび方法に関し、より詳細には、バイオプロセスシステムのための配管および構成要素の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な容器、デバイス、構成要素、およびユニット操作が、生化学的および/もしくは生物学的な処理を実行するために、ならびに/または、このような処理の液体および他の生成物を操作するために、知られている。生物製剤を製造する処理で使用される容器を殺菌することに関連する時間、費用、および困難を回避するために、単回使用または使い捨てのバイオリアクターバッグと、単回使用の混合器バッグとが、このような容器として使用されている。例えば、哺乳類、植物、または昆虫の細胞、および微生物培養などを含めて、生物学的材料(例えば、動物および植物の細胞)が、使い捨てまたは単回使用の混合器およびバイオリアクターを用いて処理され得る。
【0003】
生物製剤産業においては、単回使用または使い捨ての入物が益々使用されている。このような入物は、ステンレス鋼の外郭または容器などの外側の剛体の構造によって支持される柔軟または折り畳み可能なプラスチックバッグであり得る。殺菌された使い捨てのバッグの使用は、容器の洗浄の時間の掛かるステップを排除し、汚染の機会を低減する。バッグは、剛体の容器の中で位置付けでき、混合のために所望の流体で満たされ得る。処理される流体に応じて、システムは、いくつかの流体管路と、監視、分析、試料採取、および流体移送のためにバッグと結合される様々なセンサ、プローブ、およびポートとを備え得る。例えば、複数のポートが、典型的にはバッグの前に位置決めされ、容器の側壁における開口部を通じてアクセス可能とでき、これは、センサ、プローブ、および/または流体試料採取の管路のための連結位置を提供する。また、採取ポートまたはドレイン管路接続具が、典型的には使い捨てバッグの底部に位置決めされ、容器の底部における開口部を通じての挿入のために構成されており、バイオプロセスが完了した後のバッグの採取および排出のために、採取管路をバッグに連結させることができる。
【0004】
典型的には、バッグの中に配置された撹拌機組立体が、液体を混合するために使用される。既存の撹拌機は、上で駆動されるか(バッグへと下向きに延び、1つまたは複数の羽根車が搭載されるシャフトを有する)、または、下で駆動されるか(バッグおよび/もしくは容器の外部に位置付けられる磁気駆動システムもしくはモータによって駆動される、バッグの底部に配置される羽根車を有する)のいずれかである。ほとんどの磁気撹拌機システムは、バッグの外部における回転磁気駆動ヘッドと、バッグの中の回転磁気撹拌機(この状況では「羽根車」とも称される)とを備える。磁気駆動ヘッドの移動は、トルク伝達を可能にし、それによって磁気撹拌機の回転を可能にし、撹拌機に容器内の液体を混合させる。バッグおよび/またはバイオリアクター容器の外部の駆動システムまたはモータへのバッグの内部の撹拌機の磁気結合は、汚染の問題を排除し、完全に包囲されたシステムを可能にし、漏れを防ぐ。撹拌機を機械的に回転させるために駆動シャフトをバイオリアクター容器の壁に貫通させる必要がないため、磁気的に結合されるシステムは、駆動シャフトと容器との間にシールを有する必要性も排除できる。
【0005】
バイオリアクター容器の中での柔軟なバイオプロセスバッグの設置および設定は、関連する配管、フィルタ加熱器、羽根車、および他の構成要素と共に、多くの労力を必要とし、時間の掛かる過程であり得る。例えば、既存のバイオリアクター容器は、アクセス性の問題を提起し、羽根車をバイオリアクター容器の基部と位置合わせして適切に据え付けることを難しくする可能性がある。特に、容器の上部に位置決めされる配管およびフィルタ加熱器の設置のために、複数の作業者および梯子が必要とされる可能性もある。さらに、柔軟なバッグに連結される様々な管のための配管支持体がないことによって、バイオリアクター容器の周りに乱雑な管の配置をもたらす可能性がある。上記のことに加えて、既存のシステムの場合、消耗品の柔軟なバイオプロセスバッグの膨張および収縮も時間の掛かる過程であり、10分間からほぼ1時間の間の時間が掛かる可能性がある。
【0006】
柔軟なバイオプロセスバッグおよび他の構成要素をバイオリアクター容器の上部に設置することの難しさに加えて、柔軟なバイオプロセスバッグの羽根車の基礎板を、柔軟なバッグの設置の間にバイオリアクター容器の底部に適切に据え付けることも、困難を提起する可能性がある。具体的には、既存のシステムの場合、柔軟なバッグの羽根車の基礎板がバイオリアクター容器の底部における窪みの中に適切に据え付けられたことを指示するために、視覚的な検査以外のフィードバック機構がない。基礎板が適切に据え付けられたことを視覚的な検査が明らかにする場合であっても、撹拌機と容器の下の磁気駆動機構との嵌め合いの前に基礎板の移動が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のことに鑑みて、人間工学的に効率的であり、設置および設定を容易にし、および/または、柔軟なバイオプロセスバッグの膨張および収縮を助ける、バイオプロセスシステムのための配管および構成要素の管理システムに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、バイオリアクター容器が、底部と、周囲側壁であって、底部と周囲側壁とは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める、周囲側壁と、柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板を受け入れるための底部における窪みと、基礎板を窪みにおいて保持するように構成される係止機構とを含む。
【0009】
別の実施形態では、バイオプロセス装置は、柔軟なバイオプロセスバッグと、柔軟なバイオプロセスバッグの底部に位置付けられ、バイオリアクター容器の底部における対応する窪みに受け入れられるように成形される基礎板とを含む。基礎板は、基礎板を窪みにおいて位置決めするために、窪みに隣接するバイオリアクター容器の底部における対応する位置決め特徴部と協働するための、基礎板の後縁に隣接する位置決め機構と、基礎板を窪みにおいて保持するために、バイオリアクター容器の対応する係止デバイスと協働するための、位置決め機構と反対の基礎板の下側から下向きに延びる係止機構とを含む。
【0010】
また別の実施形態では、バイオプロセスシステムは、内部空間を定める底部および周囲側壁、底部における窪み、ならびに、窪みに隣接する係止機構を有するバイオリアクター容器と、内部空間の中に位置付け可能である柔軟なバイオプロセスバッグであって、柔軟なバイオプロセスバッグの底部に基礎板を含む、柔軟なバイオプロセスバッグとを含む。基礎板は、バイオリアクター容器の底部における窪みに受け入れられるように構成される。係止機構は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板と係合するように構成される。一実施形態では、係止機構は外れ止め部を備え、基礎板は捕獲部を含む。外れ止め部は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板が窪みに位置付けられるときに、外れ止め部が捕獲部と係合する係合位置と、基礎板が窪みから引き抜かれ得る除去位置との間で移動可能である。
【0011】
さらに別の実施形態では、バイオプロセスシステムは、内部空間を定める底部および周囲側壁、底部における窪み、窪みに隣接する係止機構を有するバイオリアクター容器と、指示機構と、内部空間の中に位置付け可能であり、それ自体の底部に基礎板を備える柔軟なバイオプロセスバッグとを含む。基礎板は、バイオリアクター容器の底部における窪みに受け入れられるように構成される。係止機構は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板と係合するように構成される。一実施形態では、係止機構は外れ止め部を備え、基礎板は捕獲部を含む。外れ止め部は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板が窪みに位置付けられるときに、外れ止め部が捕獲部と係合する係合位置と、基礎板が窪みから引き抜かれ得る除去位置との間で移動可能である。指示機構は、基礎板が窪みの中に適切に位置付けられたときに指示するように構成される。一実施形態では、指示機構は、プランジャと、ロッカーアームと、指示部とを含む。プランジャは、基礎板が窪みの中に適切に位置付けられるときに押し下げられるように構成され、プランジャの移動は、ロッカーアームを介して、指示部の移動へと変換する。さらなる実施形態では、ロッカーアームは、窪みの中での基礎板の不適切な位置に対応する、係止機構が基礎板に係合するのを防止する位置から、窪みの中での基礎板の適切な位置に対応する、係止機構が基礎板に自由に係合する位置まで移動するように構成される。またさらなる実施形態では、指示機構は、基礎板が窪みの中に適切に位置付けられたときに指示するように構成される少なくとも1つのセンサを含む。
【0012】
一実施形態では、バイオプロセスシステムは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、容器の側壁にアクセス扉を有し、内部空間へのアクセスを提供する容器と、容器の側壁に搭載され、バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置とを含む。搭載フレームは、内部空間の中および外へと鉛直に移動可能である。
【0013】
別の実施形態では、バイオプロセスシステムの構成要素を設置するための方法は、搭載フレームを容器の上開口部を通じて容器へと下降させるステップと、搭載フレームへアクセスするために、容器の側壁におけるアクセス扉を開けるステップと、少なくとも1つの消耗品の構成要素を搭載フレームに搭載するステップと、アクセス扉を閉じるステップと、搭載フレームを、容器の上部に隣接する位置へと上昇させるステップとを含む。
【0014】
また別の実施形態では、バイオプロセスシステムは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、容器の側壁にアクセス扉を有し、開いているアクセス扉を通じて内部空間へのアクセスを提供する容器と、容器の側壁に搭載され、バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置とを含む。搭載フレームは、搭載フレームがアクセス扉を通じてアクセス可能である高さにおいて搭載フレームが容器の内部空間の中に位置付けられる設置位置と、搭載フレームがバイオリアクター容器の上部の上方に概して位置付けられる動作位置との間で移動可能である。配管および構成要素の管理装置は、搭載フレームを設置位置と動作位置との間で移動させるための昇降機構を含む。
【0015】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の記載を読むことによって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態によるバイオリアクターシステムの斜視図である。
図2】閉位置におけるアクセス扉を示す、図1のバイオリアクターシステムの別の斜視図である。
図3】開位置におけるアクセス扉を示す、図1のバイオリアクターシステムの別の斜視図である。
図4】本発明の別の実施形態によるバイオリアクターシステムの斜視図である。
図5】配管および構成要素の管理装置のアクセス位置を示す、図4のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図6】配管および構成要素の管理装置の装填位置を示す、図4のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図7】配管および構成要素の管理装置に設置される消耗品の構成要素を示す、図4のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図8】配管および構成要素の管理装置の準備位置を示す、図4のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図9】配管および構成要素の管理装置の動作位置を示す、図4のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図10】本発明の別の実施形態による、配管および構成要素の管理装置の斜視図である。
図11図10の配管および構成要素の管理装置の拡大した詳細図である。
図12図10の配管および構成要素の管理装置の別の拡大した詳細図である。
図13図10の配管および構成要素の管理装置のまた別の拡大した詳細図である。
図14図10の配管および構成要素の管理装置が利用され得るバイオリアクター容器の上からの平面図である。
図15】本発明の別の実施形態によるバイオリアクターシステムの斜視図である。
図16】配管および構成要素の管理装置の装填位置を示す、図5のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図17】配管および構成要素の管理装置に設置される消耗品の構成要素を示す、図5のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図18】配管および構成要素の管理装置の準備位置を示す、図5のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図19】配管および構成要素の管理装置の動作位置を示す、図5のバイオリアクターシステムの斜視図である。
図20】本発明の一実施形態による、バイオリアクターシステムとの使用のための柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板の斜視図である。
図21】本発明の別の実施形態によるバイオリアクターシステムの基礎板のための係止システムの上からの斜視図である。
図22図21の係止システムの下からの斜視図である。
図23図21の係止システムの側方からの立面図である。
図24図21の係止システムを用いてバイオリアクター容器の中の所定位置で係止された基礎板の断面での斜視図である。
図25図21の係止システムを用いてバイオリアクター容器の中の所定位置で係止された基礎板の側方からの断面図である。
図26】本発明の別の実施形態によるバイオリアクターシステムの基礎板のための係止および指示のシステムの上からの斜視図である。
図27図26の係止および指示のシステムの下からの斜視図である。
図28】基礎板が不適切に位置付けられるときの、図26の係止および指示のシステムの側面図である。
図29】基礎板が適切に位置付けられるときの、図26の係止および指示のシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の例示の実施形態が以下で詳細に参照され、その実施形態の例が、添付の図面に示されている。可能な限り、図面全体を通じて使用されている同じ符号は、同じまたは同様の部品を指す。
【0018】
本明細書で使用されているように、「柔軟」または「折り畳み可能」という用語は、しなやかである、または、割れることなく曲げることができる構造または材料を言っており、圧縮可能または膨張可能である材料と言うこともできる。柔軟な構造の例は、ポリエチレン膜から形成されたバッグである。「剛体」および「半剛体」という用語は、「非折り畳み可能」である構造、つまり、細長い寸法を実質的に短縮するために、通常の力の下で折り畳めない、潰せない、または、変形しない構造を記載するために、本明細書において置き換え可能に使用されている。文脈に応じて、「半剛体」も、例えば曲げることができる管または導管といった、「剛体」の要素より柔軟であるが、通常の条件および力の下では長手方向においてなおも潰れない構造を意味することができる。
【0019】
用語としての「容器」が本明細書において使用されており、場合によって、柔軟なバッグ、柔軟な入物、半剛体の入物、剛体の入物、または柔軟もしくは半剛体の配管を意味する。本明細書で使用されているような「容器」という用語は、例えば、細胞培養/浄化システム、混合システム、媒体/緩衝液調合システム、例えばクロマトグラフィおよび接線流濾過システムといった濾過/浄化システム、ならびに、それらの関連する流路を含め、柔軟または半剛体であって単回使用の柔軟なバッグ、および、生物学的または生化学的なプロセスで一般的に使用される他の入物または導管である、壁または壁の一部分を有するバイオリアクター容器を網羅するように意図されている。本明細書で使用されているように、「バッグ」という用語は、例えば中にある内容物のためのバイオリアクターまたは混合器として使用される柔軟または半剛体の入物または容器を意味する。本明細書で使用されているように、「消耗品」または「消耗品の構成要素」は、摩耗または使用のため、定期的に交換されるように意図されているデバイスまたは構成要素を意味する。
【0020】
本発明の実施形態は、バイオプロセスシステムを提供し、具体的には、バイオリアクターシステムのための配管および構成要素の管理システムとデバイスとを提供する。一実施形態では、バイオリアクター容器が、底部と、周囲側壁であって、底部と周囲側壁とは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める、周囲側壁と、柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板を受け入れるための底部における窪みと、基礎板を窪みにおいて保持するように構成される係止機構とを備える。
【0021】
本発明のさらなる実施形態は、バイオプロセスシステムを提供し、具体的には、バイオリアクターシステムのための配管および構成要素の管理システムとデバイスとを提供する。一実施形態では、バイオリアクター容器が、底部と、周囲側壁であって、底部と周囲側壁とは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める、周囲側壁と、柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板を受け入れるための底部における窪みと、基礎板を窪みにおいて保持するように構成される係止機構と、基礎板が窪みの中に適切に位置付けられたときに指示するように構成される指示機構とを備える。
【0022】
本発明の実施形態は、バイオプロセスシステムを提供し、具体的には、バイオリアクターシステムのための配管および構成要素の管理システムとデバイスとを提供する。一実施形態では、バイオプロセスシステムは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、容器の側壁にアクセス扉を有し、内部空間へのアクセスを提供する容器と、容器の側壁に搭載され、バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置とを備える。搭載フレームは、内部空間の中および外へと鉛直に移動可能である。
【0023】
図1図3を参照すると、本発明の一実施形態によるバイオリアクターシステム10が示されている。バイオリアクターシステム10は、複数の脚部16を有する基礎14の上に搭載された概して剛体のバイオリアクター容器または支持構造12を備える。容器12は、例えばステンレス鋼、ポリマ、複合材料、ガラス、または他の金属から形成でき、形が円筒形であり得るが、本発明のより幅広い態様から逸脱することなく、他の形が利用されてもよい。容器12は、その内部空間18において単回使用の柔軟なバイオリアクターバッグを支持することができる限り、任意の形または大きさとできる。例えば、本発明の一実施形態によれば、容器12は、10L~2000Lの柔軟または折り畳み可能なバイオプロセスバッグを受け入れて支持することができる。
【0024】
容器12は、内部空間18の中に位置付けられた柔軟なバッグの中の流体の高さを作業者に見えるようにする1つまたは複数の視覚窓20と、容器12の下方領域に位置付けられた窓22とを備え得る。窓22は、柔軟なバッグの中での様々なセンサおよびプローブ(図示されていない)の挿入および位置付けのために、ならびに、柔軟なバッグに追加される、または、柔軟なバッグから引き出される流体、ガスなどのための柔軟なバッグに1つまたは複数の流体管路を連結するために、容器12の内部へのアクセスを可能にする。重要なプロセスパラメータを監視および制御するためのセンサ/プローブおよび制御には、例えば、温度、圧力、pH、溶存酸素(DO)、溶存二酸化炭素(pCO2)、混合率、およびガス流速のうちの任意の1つまたは複数、および組み合わせがある。
【0025】
図2および図3において最良に示されているように、一実施形態では、容器12は、容器12の側壁にヒンジ留めまたは枢動可能に連結され、閉位置(図2)と、内部空間18へのアクセスを許可する開位置またはアクセス位置(図3)との間で移動可能であるアクセス扉24を備える。扉24は、開位置と閉位置との間で扉の移動を容易にするハンドル26を備え得る。一実施形態では、扉24は、扉24が閉位置にあるとき、扉24の下方縁が窓22の上方縁または境界を形成するように、および/または、扉24の側縁が窓20の縁または境界を形成するように、構成および位置付けされ得る。扉24の縁に窓22、20の1つまたは複数の境界を定めさせることで、扉24が開位置にあるとき、容器の側壁における連続的な邪魔のないアクセス開口部が、開口部20、開口部22、および開いた扉24(つまり、扉が受け入れられる開口部)によって形成される。したがって、扉が開位置にあるときに容器12の側壁に形成される連続的なアクセス開口部の面積は、扉24、窓22、および窓20の組み合わされた面積と等しい。これは、扉および窓が容器12の側壁の一部分によって分離されている場合より、内部空間18への大きな隙間およびアクセスを提供する。
【0026】
図3をさらに参照すると、容器12の内部側壁は、内部空間18へと突出する1つまたは複数の鉛直なバッフル28を備え得る。バッフル28は、概して断面が三角形であり得るが、技術的に知られている形および構成が、本発明の幅広い態様から逸脱することなく利用されてもよい。バッフル28は、技術的に知られている目的のために、バイオプロセス作業の間に(内部空間18に設置されているときに)柔軟なバッグに接触して柔軟なバッグを内向きに付勢するように構成されている。バイオリアクター容器12の底部は、後で詳細に検討されているように、羽根車の基礎板を受け入れるための位置決めの窪み30を備える。
【0027】
図1図3においてさらに示されているように、バイオリアクターシステム10は配管および構成要素の管理装置40も備える。装置40は、容器12の外部側壁に搭載され、容器12の上縁の上方で概して鉛直に延びる支持部材42を備える。一実施形態では、支持部材42は、溶接、ボルト、ネジ、留め具などを用いて容器に搭載され得るが、他の取り付けの手段が、本発明の幅広い態様から逸脱することなく利用されてもよい。装置40は、支持部材42の遠位端から容器12の上に概して水平に延びるマストアームまたはブーム44と、ブーム44の遠位端から下向きに垂れ下がる案内スリーブ46と、案内スリーブ46の中にスライド可能に受け入れられるシャフト50を有する搭載板48とをさらに備える。一実施形態では、装置40は、案内スリーブ46と搭載板48のシャフト50とが、容器12の中心軸または中心線と並べられるように、つまり、その中心軸または中心線と同軸とされるように、構成されている。
【0028】
図1において最良に示されているように、装置40は、矢印Aによって指示されている方向におけるように、搭載板48を容器12の中で選択的に上昇および下降させるように動作可能である昇降機構52も備える。例えば、一実施形態では、昇降機構は、搭載板48のシャフト50に連結され、案内スリーブ46を通じて延び、ブーム44に沿って(または、ブーム44の中で)延び、支持部材42に沿って(または、支持部材42の中で)下向きに延びるケーブル54を備え得る。ケーブルの遠位端は、例えば手動クランク、モータまたは他の駆動部材であり得るアクチュエータに連結される。アクチュエータは、選択的に、ケーブル54を引き込むことで搭載板48を上昇させるように、または、ケーブル54を送り出すことで搭載板48を容器12へと下降させるように、動作可能である。
【0029】
図1図3に示されているように、搭載板48は、概してT字形とでき、フィルタ、フィルタ加熱器、および他の消耗品など、バイオプロセス作業において使用される様々な構成要素の搭載のために、実質的に平面の上面を備える。搭載板48は、容器12の中に受け入れられる柔軟なバッグへの連結のために構成された様々な管を受け入れおよび保持するように構成されたスロットまたは開口の配列も備え得る。搭載板48に取り付けられる1つまたは複数のフック56(または他の適切な結合部材)は、柔軟なバッグを移動および/または支持するために利用できる。
【0030】
使用中、バイオプロセスの前に柔軟なバイオプロセスバッグを設置するとき、容器12の側壁におけるアクセス扉24が開けられ、容器12の中の内部空間18への邪魔のないアクセスを可能にすることができる。次に、昇降機構52が、搭載板48を容器12へと下降させ、作業者が容易にアクセス可能である高さまで(例えば、おおよそ腰の高さまで)下降させるために利用され得る。この位置において、柔軟なバイオプロセスバッグ(図示されていない)は、容器12の内部に配置され、搭載板48のフック56に取り付けられ得る。また、バッグに連結される(または、バッグに連結されることになる)様々な管が、搭載板48におけるスロット/開口を通じてそれらを経路決定することで、作業者の邪魔にならないように組織化されて保持され得る。さらに、フィルタ加熱器、フィルタ、および他の消耗品などの様々な機能的な構成要素を、ボルトなどによって搭載板48に取り付けることができる。この点において、昇降機構52のアクチュエータは、搭載板48を、概して容器12の上部または上方における動作位置まで上昇させるために利用され得る。次に、アクセス扉24は閉位置へと移動させることができ、バイオプロセス作業が開始され得る。
【0031】
一実施形態では、昇降機構52は、「開始」または「膨張」の決められた動作を選択すると、昇降機構52が搭載板48を容器12の上部/上方における動作位置まで自動的に上昇させるように、バイオリアクターシステム10の制御ユニットと相互作用することができる。搭載板48の位置は、バッグが膨張させられ得る度合いを限定する位置停止として作用することもできる。同様に、バイオプロセス作業の終了において、「収縮」または「終了」の決められた動作を選択することで、搭載板48を下降させるために昇降機構52を自動的に制御することができる。いくつかの実施形態では、搭載板48を下降させることは、これまではかなり時間の掛かる過程であった柔軟なバイオプロセスバッグの収縮を助けることができると考えられる。例えば、搭載板48をバッグへと下降させることで、バッグに下向きの力を発揮することができ、収縮を助けることができる。
【0032】
そのため、本発明のバイオリアクターシステム10は、柔軟なバイオプロセスバッグ、フィルタ、フィルタ加熱器、および他の消耗品を設置するための人間工学的な手段と、バッグに連結される様々な管を組織化することとを提供する。既存のシステムと対照的に、このような構成要素の設置は、バイオリアクター容器12の側方から腰の高さにおいて実行でき、複数の作業者および梯子の必要性を排除することができる。
【0033】
ここで図4図9を参照すると、本発明の別の実施形態によるバイオリアクターシステム100が示されている。バイオリアクターシステム100は、図1図3のバイオリアクターシステム10と構成が概して同様であり、複数の脚部116を有する基礎114の上に搭載された概して剛体のバイオリアクター容器または支持構造112を備える。容器112は、容器12のように、内部空間118において単回使用の柔軟なバイオリアクターバッグを支持することができる。容器112は、1つまたは複数の視覚窓120と、容器112の下方領域に位置付けられる窓122とを同様に備えることができ、それらの目的は先に記載されている。
【0034】
図1図3の容器12と同様に、容器112はまた、容器112の側壁にヒンジ留めまたは枢動可能に連結され、閉位置と、内部空間118へのアクセスを許可する開位置またはアクセス位置との間で移動可能であるアクセス扉124を備え得る。扉124は、開位置と閉位置との間で扉の移動を容易にするハンドル126を同様に備え得る。先に検討されているように、扉124は、窓120、122の1つまたは複数の境界の一部分を定めるように構成でき、先に開示されているように、扉124が開位置にあるときに容器112の側壁における開口部の大きさを最大化する。
【0035】
図4をさらに参照すると、容器112の内部側壁は、先に検討されているように、内部空間118へと突出する1つまたは複数の鉛直なバッフル128を備え得る。
【0036】
図4に示されているように、バイオリアクターシステム100は、バイオリアクターシステム10のように、バイオリアクターシステム100の配管および消耗品の構成要素の設置および組織化を容易にする配管および構成要素の管理装置140を備える。装置140は、容器112の外部側壁に搭載される線形アクチュエータ142を備える。線形アクチュエータ142は、後で詳細に検討されているように、矢印Bによって表された鉛直方向において選択的に延長可能および引き込み可能であるシャフト144を備える。一実施形態では、線形アクチュエータ142は、例えば送りネジ、空気圧アクチュエータ、または液圧アクチュエータなど、シャフト144を鉛直に移動させることができる任意の形態を取ることができる。一実施形態では、アクチュエータ142は、図1図3との関連で先に記載されたものと同様に、ケーブルと、手動クランクまたはモータ駆動される駆動システムとの形態を取り得る。技術的に知られている他の線形運動デバイスが、本発明の幅広い態様から逸脱することなく利用されてもよい。
【0037】
装置140は、シャフト144に連結され、線形アクチュエータ142の制御の下でシャフト144と一緒に鉛直に移動可能である支持フレーム146をさらに備える。図4に示されているように、支持フレーム146は、概してL字形の支持構造148を介して、バイオリアクター容器112の上開口部の上に吊り下げられている。支持フレーム146は案内レール150を備えており、その目的は後で説明される。装置140は、支持フレーム146、具体的には、支持フレーム146の案内レール150にスライド可能に連結される搭載フレーム152も備える。搭載フレーム152は、矢印Cによって指示されているように、バイオリアクター容器の中心軸から離れるように、および、その中心軸に向けて、水平方向で移動可能である。一実施形態では、係止ピン154が、搭載フレーム152の水平の移動を選択的に規制(または許可)するために利用される。
【0038】
使用中、バイオプロセスの前に柔軟なバイオプロセスバッグを設置するとき、配管および構成要素の管理装置140は、図4に示されているように、搭載フレーム152がバイオリアクター容器112の上開口部の上方に位置付けられるように線形アクチュエータ142が延長させられている初期位置において始動する。次に、線形アクチュエータ142が、図5に示されているように、搭載フレーム152を内部空間118へと下降させるために利用される。支持フレーム146のL字形の支持アーム148は、下降位置にあるとき、搭載フレーム152が床から離れたおおよそ腰の高さに位置付けられ、作業者によって人間工学的にアクセス可能となるように構成されている。図5でさらに示されているように、次に扉124が開けられ、内部空間118への容易なアクセスを提供することができる。図6を参照すると、次に係止ピン154が引き抜かれ、搭載フレーム152を、搭載フレーム152が開いている扉を通じて容器112の内部空間118から外へと延長する延長位置まで、案内レール150に沿って水平に移動させることができる。係止ピン154は、図6にも示されているように、搭載フレーム152をその延長位置において係止するために利用できる。
【0039】
この位置において、搭載フレーム152は、図7に示されているように、例えばフィルタ160、フィルタ加熱器などを含む消耗品の構成要素の搭載フレーム152への搭載のために、ならびに、配管の経路決定および管理のために、容易にアクセス可能である。図7でも示されているように、柔軟なバイオプロセスバッグ20が、内部空間118において容易に設置でき、(図1図3との関連で先に記載されているものと同様に)搭載フレーム152に結合された1つまたは複数のフック162を通じて搭載フレーム152によって支持され得る。配管のすべてが組織化され、バッグ20が設置され、様々な他の構成要素が搭載フレーム152にしっかりと搭載されると、係止ピン154が引き抜かれ、搭載フレーム152は内部空間118の中の所定位置へと戻すように押され、係止ピンが挿入されて搭載フレーム152を所定位置で保持する。次に、図8に示されているように、扉124が閉じられる。図9を参照すると、次に、線形アクチュエータ142が、搭載フレーム152と、取り付けられた構成要素とを、バイオリアクター容器112の上方の必要な高さにおける動作位置へと(つまり、内部空間118の概して外側へ)移動させるために利用される。
【0040】
先に開示されている実施形態と同様に、一実施形態では、搭載板152が、バイオリアクターシステム100の動作の選択されたモードに応じて、設置位置(開いている扉を通じて搭載板152が延長させられる位置)、動作位置(バイオリアクター容器112の上方の位置)、または収縮位置(例えば、バッグ20が収縮されるにつれて連続的または間欠的に下向きに移動する)へと自動的に移動され得るように、装置140はバイオリアクターシステム100の制御ユニット(図示されていない)によって制御され得る。
【0041】
バイオプロセスバッグおよび他の消耗品を設置するための梯子および複数の作業者の必要性を排除することに加えて、バイオリアクターシステム100は、このような構成要素を設置するために、バイオリアクター容器の中の内部空間へと作業者が手を伸ばしたり屈んだりする必要性を排除する。具体的には、配管および構成要素の管理装置140は、梯子なしで容器の側壁における扉を介して容易にアクセスできる位置へと鉛直に移動することができ、スライドする搭載フレームは、このような消耗品の構成要素に設置のさらなる優れた容易性を提供するために、バイオリアクター容器から水平方向に延長させることができる。そのため、本発明は、バイオプロセスバッグが設置される手法において、より容易でより素早い設置を提供し、さらに再現性も提供する。
【0042】
一実施形態では、先に記載されているような容器の外側に搭載されるのではなく、配管および構成要素の管理装置は、内部バッフルのうちの1つ(例えば、容器12のバッフル28)と一体にされ得る。図10図13は、配管および構成要素の管理装置200の1つのこのような実施を示している。装置200は、バッフルのうちの1つの所定位置において、バイオリアクター容器の内部側壁への搭載のために構成された基礎板210を備える。例えば、一実施形態では、図11に示されているように、基礎板210は、ネジ付きスタッドに受け入れられるナットを用いた容器への基礎板の搭載のために、バイオリアクター容器の内部側壁から突出するネジ付きスタッドを受け入れるように構成されるスロットを有する複数のフランジ212を備え得る。
【0043】
装置200は、ボルトまたは他の留め具を介してなどで基礎板210に結合される線形運動レール214と、レール214に沿った線形の鉛直の移動のためにレール214にスライド可能に結合される線形運動ブロック216と、線形運動ブロック216に結合される運搬板218と、運搬板218に結合される搭載フレーム220とをさらに備える。図10および図13に示されているように、バッフルカバー222は、基礎板210と、レール214と、スライドブロック216とを包囲し、カバー222と基礎板210との間に中空の内部空間を定める。バッフルカバー222は、典型的なバッフルと実質的に同等の機能および性能を提供するように成形されており、例えば、断面において概して三角形であり得る。図10および図13において最良に示されているように、バッフルカバー222は、その頂部において、運搬板218が貫いて延びるスロット224を備える。中空の内部およびスロット224は、後で開示されているように、案内レール214に沿ったスライドブロック216、運搬板218、および搭載フレーム220の鉛直の移動を可能にする。
【0044】
図10図12に示されているように、装置200は、運搬板218に連結されるケーブル228を有するケーブル巻上機226または他の駆動機構も備える。ケーブル巻上機226は、手動またはモータで駆動させることができ、スライドブロック216を、延いては、運搬板218および搭載フレーム220を、レール214に沿って選択的に上昇または下降させて、搭載フレーム220の鉛直位置を調節するために、ケーブル228を送り出すように、または、ケーブル228を引き込むように作動可能である。
【0045】
図10図13に示されているように、搭載フレーム220は、形が概して環状または半環状とでき、他の形および構成も考えられる。搭載フレーム220は、フィルタ232を受け入れて保持するための複数のフィルタ保持デバイス230と、バッグフックと、配管保持体と、搭載フレーム220への消耗品の構成要素の配列の搭載のための同様の搭載機構とを備え得る。
【0046】
図14は、配管および構成要素の管理装置200が利用され得る例示のバイオリアクター容器250を示す上からの平面図である。図示されているように、容器は複数の内部バッフル252、254、256を備える。一実施形態では、アクセス扉258の反対のバッフル252は、配管および構成要素の管理装置200によって置き換えられ得る。配管および構成要素の管理装置200は、先に開示されているように、容器側壁に容易に固定でき、加えて、輸送の間に容易に取り外しでき、保守のために現場で容易に取り外すこともできる。図10に示されているように、搭載フレーム220の上部はケーブルまたは構造体がなく、これはフィルタを設置することをより容易にする。
【0047】
先に開示されている実施形態と同様に、搭載フレームが、バイオプロセス作業の開始の前に設置位置へと自動的に下降させられることができるように、および、このような作業の開始において動作位置へと自動的に上昇させることができるように、装置200はバイオリアクターシステムの制御ユニット(図示されていない)によって制御され得る。
【0048】
図15図19は、図4図9のバイオリアクターシステム100と構成において概して同様である他のバイオリアクターシステム500を描写しており、同様の符号は同様の部品を指し示している。しかしながら、図示されているように、配管および構成要素の管理装置140は、様々な消耗品の構成要素、管などの搭載のための若干異なる搭載フレームを備えている。具体的には、装置140は、線形アクチュエータ142のシャフト144の上部において、コネクタボックス510と、コネクタボックス510に連結される浮遊フレーム512とを備える。浮遊フレーム512は、形が半環状であり、例えば柔軟なバイオプロセスバッグ20などの少なくとも1つの消耗品の構成要素を支持するように構成される下方フレーム部材514を備える。浮遊フレーム512は、形が同様に半環状であり、例えばフィルタ160およびピンチ弁組立体518などの少なくとも1つの消耗品の構成要素を支持するように構成される上方フレーム部材516を追加的に備える。浮遊フレーム512と、そのフレーム部材514、516とは、先に記載されている様態でバイオリアクター容器112の中で内部空間118の中および外へと鉛直に移動可能となるように搭載される。
【0049】
具体的には、使用中、バイオプロセスの前に柔軟なバイオプロセスバッグ20を設置するとき、配管および構成要素の管理装置140は、図15に示されているように、浮遊フレーム512およびそのフレーム部材514、516がバイオリアクター容器112の上開口部の上方に位置付けられるように線形アクチュエータ142が延長させられている初期位置において始動する。次に、線形アクチュエータ142が、図16に示されているように、浮遊フレーム512を内部空間118へと下降させるために利用される。次に、扉124が開けられ得る(しかし、浮遊フレーム512を下降させる前に開けられ得ると考えられる)。
【0050】
この位置において、浮遊フレーム512は、図17に示されているように、例えばフィルタ160、フィルタ加熱器、柔軟なバッグ20、および配管のためのピンチ弁組立体518などを含む消耗品の構成要素の上方および下方フレーム部材514、516への搭載のために、ならびに、配管の経路決定および管理のために、開いている扉を通じて容易にアクセス可能である。図17でも示されているように、柔軟なバイオプロセスバッグ20が、内部空間118において容易に設置でき、下方フレーム部材514によって支持され得る。配管のすべてが組織化され、バッグ20が設置され、様々な他の構成要素が浮遊フレーム512にしっかりと搭載されると、図18に示されているように、次に扉124が閉じられる。図19を参照すると、次に、線形アクチュエータ142が、浮遊フレーム512と、取り付けられた構成要素とを、バイオリアクター容器112の上方の必要な高さにおける動作位置へと(つまり、内部空間118の概して外側へ)移動させるために利用される。
【0051】
先に開示されている実施形態と同様に、一実施形態では、浮遊フレーム512が、バイオリアクター容器/バイオプロセスシステム500の動作の選択されたモードに応じて、設置位置(浮遊フレームが作業者のおおよそ腰の高さにおいて内部空間118の中に受け入れられる位置)、動作位置(バイオリアクター容器112の上方の位置)、または収縮位置(例えば、バッグ20が収縮されるにつれて連続的または間欠的に下向きに移動する)へと自動的に移動され得るように、装置140はバイオリアクターシステム500の制御ユニット(図示されていない)によって制御され得る。
【0052】
本明細書において記載されている配管および構成要素の管理装置の実施形態は、柔軟なバイオプロセスバッグ、フィルタ、フィルタ加熱器、および他の消耗品を設置するための人間工学的な手段と、バッグに連結される様々な管を組織化することとを提供する。既存のシステムと対照的に、このような構成要素の設置は、バイオリアクター容器12の側方から腰の高さにおいて実行でき、複数の作業者および梯子の必要性を排除することができる。
【0053】
先に指示されているように、柔軟なバイオプロセスバッグおよび他の構成要素をバイオリアクター容器の上部に設置することの難しさに加えて、柔軟なバイオプロセスバッグの羽根車の基礎板を、柔軟なバッグの設置の間にバイオリアクター容器の底部に適切に据え付けることも、困難を提起する可能性がある。したがって、本発明の実施形態は、柔軟なバッグの上部のための配管および構成要素の管理(つまり、バイオリアクター容器の上部において柔軟なバッグの上方に搭載される配管および構成要素)を提供することに加えて、柔軟なバッグの底部における構成要素の管理も提供する。具体的には、本発明の実施形態は、バイオリアクター容器の底部において、羽根車の基礎板を窪み(例えば、図3の羽根車の基礎板の窪み30)の中に係止するための位置決め、係止、および保持の機構と、基礎板が窪みの中で適切に位置付けられていることを指示するための指示機構とに向けられている。
【0054】
図20を参照すると、バイオプロセスシステムのための羽根車の基礎板310のための係止機構の形態での構成要素管理システム300が示されている。システム300は、図1図19に示されたもののように、撹拌タンクのバイオリアクターシステムにおける使用のための柔軟な単回使用のバイオプロセスバッグ(図示されていない)の底部に取り付けられ得る基礎板310を備える。基礎板310は、溶接などによって柔軟なバイオプロセスバッグの底部の開口部の中に搭載され得るが、他の取り付けの手段が、本発明の幅広い態様から逸脱することなく利用されてもよい。知られているように、基礎板は、バイオリアクター容器の底部314における対応する基礎板の窪み312に受け入れられるように構成される。知られているように、基礎板310は、柔軟なバッグの内部の基礎板310に搭載される羽根車(図示されていない)と、基礎板310の下のバッグの外側の回転磁気駆動ヘッド(図示されていない)との間の境界面として作用する。基礎板310は、柔軟なバッグから排出するためのドレイン配管の連結のための採取ポート316と、柔軟なバッグの内部の基礎板310へのスパージャの搭載のための複数のポート318とを同じく備え得る。
【0055】
図20に示されているように、一実施形態では、基礎板310は、基礎板310の下側から延びるスロット320の形態での位置決め機構も備え得る。スロット320は、容器の底部314から窪み312の後方部分へと突出する対応する舌部322を受け入れるように構成されている。一実施形態では、位置決め機構の構成要素は、容器の底部314における対応するスロットまたは溝に受け入れられる舌部の突起を基礎板が有し得るように逆にされてもよいことは、検討されている。
【0056】
図20をさらに参照すると、基礎板310は、スロット320と反対のその下側において外れ止め機構も備える。一実施形態では、外れ止め機構は、容器の底部314における対応する係止/外れ止め機構、つまり、容器の底部314における外れ止め開口326において受け入れられるように構成される下向きに垂れ下がった一対の外れ止め部324を備える。一実施形態では、外れ止め部324は、概してL字形とされており、基礎板310が舌部322の周りで下向きに回転させられるとき、基礎板310が窪み312の中の据付位置へとスナップ留めされ、外れ止め部324が容器の底部314と係合して基礎板310を所定位置で係止するように、弾力性である。外れ止め部324は、容器の下でアクセスでき、基礎板310を窪み312から解放するために内向きにつまむことができる。図20は2つの外れ止め部324を示しているが、3つ以上の外れ止め部、または単一の外れ止め部が、本発明の幅広い態様から逸脱することなく利用されてもよい。
【0057】
使用中、柔軟なバッグはバイオリアクター容器へと挿入され、基礎板310は、舌部322が基礎板310のスロット320に受け入れられるように、図20において示されているように角度が付けられる。次に、外れ止め部324が外れ止め開口326へと受け入れられ、所定位置でスナップ留めして基礎板310を窪みにおいて保持するまで、基礎板310の前部が下向きに押される。これは、基礎板がすべての3つの軸において拘束されることを確保する。
【0058】
ここで図21図23を参照すると、本発明の別の実施形態による、羽根車の基礎板のための係止/外れ止め機構の形態での他の構成要素管理システム400が示されている。システム400は、先に記載されているように、柔軟な単回使用のバイオプロセスバッグの底部に取り付けでき、バイオリアクター容器の底部における対応する基礎板の窪みにおいて受け入れられるように構成される基礎板410を備える。知られているように、基礎板410は、柔軟なバッグから排出するためのドレイン配管の連結のための採取ポート416と、柔軟なバッグの内部の基礎板410へのスパージャの搭載のための複数のポート418とを備え得る。
【0059】
図20の基礎板310と同様に、基礎板410は、基礎板410の下側から延び、バイオリアクター容器の底部における窪みの後方部分へと突出する対応する舌部(図示されていない)を受け入れるように構成される後スロット420を備える。図22および図23において最良に示されているように、基礎板410は、基礎板410の下側から下向きに延びる前方の捕獲部430も備える。一実施形態では、捕獲部430は、基礎板410の本体と概して平行な平面に位置する捕獲部材432を有する概してU字形またはL字形とされる。
【0060】
図21図23において最良に示されているように、システム400は、捕獲部430の捕獲部材432と係合するように構成される外れ止め部材442を有する外れ止め機構440も備える。図示されているように、外れ止め部材442は、ハンドル446の反対における細長いシャフト444の遠位端に取り付けられている。シャフト444は、筐体448を貫いて延びており、筐体448の中で、例えばコイルバネ450といったバネに連結されている。バネ450は、後で記載されているように、外れ止め部材442を筐体448から離すように、基礎板410の下側における捕獲部材432に向けて付勢する。筐体448は、基礎板の窪みに隣接するバイオリアクター容器の外部の底部に搭載するように構成されている。例えば、一実施形態では、筐体448は、ボルトまたはネジを用いて筐体448をバイオリアクター容器の底部に取り付けるための搭載フランジ452を備え得る。
【0061】
図23において最良に示されているように、一実施形態では、外れ止め部材442は、シャフト444によって定められる長手方向軸からずれていてもよい。同じく図示されているように、一実施形態では、外れ止め部材442は、傾斜したまたは角度の付けられた接触面454を有し得る。この面は、後で検討されているように、捕獲部材432によって外れ止め部材442に発揮される下向きの力を、コイルバネ450のバネ付勢に抗してシャフト44を後方へ押す水平方向の力へと変換するように機能する。
【0062】
使用中、柔軟なバッグはバイオリアクター容器へと挿入され、基礎板410は、バイオリアクター容器の底部における窪みへと突出する舌部が基礎板410のスロット420に受け入れられるように、角度が付けられる。基礎板410の前部は次に、捕獲部材432の底部が外れ止め機構440の外れ止め部材442の角度の付けられた面454と接触するまで、下向きに押される。基礎板410を下向きに押し続けることで、捕獲部材432は、外れ止め部材442の角度の付けられた面454に力を発揮し、外れ止め部材442およびシャフト444をコイルバネ450のバネ付勢に抗して後方へ移動させる。捕獲部材432が、角度の付けられた面454の下方の縁を通過するとき、コイルバネ450のバネ付勢は、シャフト444および外れ止め部材442を、図23における矢印Aの方向において、前方へ並進させる。この位置において、外れ止め部材442は捕獲部材432の上で延び、基礎板410を窪みの中の所定位置で係止する。これは、基礎板がすべての3つの軸において拘束されることを確保する。一実施形態では、ハンドル446は、基礎板410の係止状態および係止解除状態を指示するために、視覚的な区別の線または特徴などの視覚的な特徴部を備え得る。
【0063】
図24および図25は、バイオリアクター容器462の底部における窪み460の中の係止位置における基礎板410の断面図である。図示されているように、容器462の底部における舌部464がスロット420において受け入れられ、外れ止め部材442は、基礎板410を窪み460において保持するために捕獲部430と係合する。
【0064】
柔軟なバッグを降ろす間、作業者は、バネ付勢に抗して、シャフト444および外れ止め部材442を、外れ止め部材442が捕獲部430と係合しない位置へと移動させるために、ハンドル446を引っ張るだけでよい。この位置において、基礎板410は、窪みの外へと自由に回転でき、取り外すことができる。
【0065】
ここで図26図29を見ると、本発明の別の実施形態による、羽根車の基礎板のための係止/外れ止め機構および指示部の形態での他の構成要素管理システム500が示されている。システム500は、先に記載されているように、柔軟な単回使用のバイオプロセスバッグの底部に取り付けでき、バイオリアクター容器の底部における対応する基礎板の窪みにおいて受け入れられるように構成される基礎板510を備える。知られているように、基礎板510は、柔軟なバッグから排出するためのドレイン配管の連結のための採取ポート516と、柔軟なバッグの内部の基礎板510へのスパージャの搭載のための複数のポート518とを備え得る。
【0066】
図20の基礎板310および図21の基礎板410と同様に、基礎板510は、基礎板510の下側から延び、バイオリアクター容器の底部における窪みの後方部分へと突出する対応する舌部(図示されていない)を受け入れるように構成される後スロット(図示されていない)を備え得る。図27図29において最良に示されているように、基礎板510は、基礎板510の下側から下向きに延びる前方の捕獲部530も備える。一実施形態では、捕獲部530は、基礎板510の本体と概して平行な平面に位置する捕獲部材532を有する概してU字形またはL字形とされる。
【0067】
図27図29において最良に示されているように、システム500は、捕獲部530の捕獲部材532と係合するように構成される外れ止め部材542を有する外れ止め機構540も備える。図示されているように、外れ止め部材542は、ハンドル546の反対におけるシャフト544の遠位端に取り付けられている。シャフト544は、筐体547を貫いて延び、ハンドル546に連結されている。筐体547は、図27に示されているように、基礎板の窪みに隣接するバイオリアクター容器の外部の底部に搭載するように構成されている。例えば、一実施形態では、筐体547は、ボルトまたはネジを用いて筐体547をバイオリアクター容器の底部に取り付けるための搭載フランジを備え得る。
【0068】
図27において最良に示されているように、一実施形態では、外れ止め部材542は、シャフト544によって定められる長手方向軸からずれていてもよい。同じく図示されているように、一実施形態では、外れ止め部材542は、傾斜したまたは角度の付けられた接触面545を有し得る。基礎板510をバイオリアクター容器の底部に係止するために、図28図29において最良に示されているように、使用者はハンドル546を回転させることができ、これはシャフト554を延長させ、外れ止め部材542を捕獲部材532と係合させることになる。
【0069】
先に記載されているような羽根車の基礎板のための機械的な係止システム500は、指示機構550をさらに備える。図26図28、および図29において最良に示されているように、指示機構550は、バイオリアクター容器の底部を通じて窪みへと延びるプランジャ552を備える。プランジャ552は、筐体547へとさらに延びるロッカーアーム554に取り付けられている。ロッカーアーム554の端に位置決めされているのは指示部556である。図26図28、および図29において最良に示されているように、指示部は、図26によって示されているように、筐体547に取り付けられる指示パネル、または、筐体547の一部分である指示パネルと併せての、ロッカーアーム554の一部分、またはロッカーアーム554の端(例えば、円錐状の付属部品)に取り付けられたポインタ(または他の視覚的指示手段)である。指示パネルは、基礎板510の適切な位置付けおよび不適切な位置付けに対応する2つの視覚的な指示領域(つまり上部分および下部分)を提供する。例えば、上部分は緑色に色付けでき、一方で下部分は赤色に色付けできる。
【0070】
使用中、バイオリアクター容器の底部への基礎板510の取り付けの前に、プランジャ552は、プランジャ552の上部553がバイオリアクター容器における窪みへと突出するように延長位置にある。これは、バイオリアクター容器における切欠きに位置決めされる付勢機構558(例えばバネ)を介して実現される。この構成では、基礎板510が不適切に位置付けられるとき、図28において最良に示されているように、ロッカーアーム554は下向きに傾斜し、そのため指示部556は指示パネルの下部分に位置決めされる。基礎板510が適切に位置付けられるとき、図29において最良に示されているように、プランジャ552は窪みへと下へ押され、これはロッカーアーム554を枢動アーム555の周りで枢動させ、これが指示部556を指示パネルに対して上昇させる。この方法では、指示部556は指示パネルにおいて上および下に移動し、基礎板510が適切に位置付けられているかどうかの指示を提供する。
【0071】
代替の実施形態によれば、指示機構550は、プランジャと関連付けられたセンサ、または、プランジャを置き換えるように構成されたセンサを備える。センサは、基礎板が適切に位置付けられたときに指示するように構成される。例を用いると、センサは、基礎板が適切に位置付けられたときに指示するように構成される信号(例えば、光、電磁放射)を発する近接センサであり得る。さらなる例を用いると、センサは、基礎板の適切な配置において押し下げられる/作動させられる機械的センサ(例えば機械的スイッチ)であり得る。センサからの出力信号は、適切な配置が行われたときに指示(例えば、視覚的、触覚的、または聴覚的)を提供するように構成される。
【0072】
さらなる代替の実施形態によれば、ロッカーアームは、窪みの中での基礎板の不適切および適切な位置にそれぞれ対応する、係止/外れ止め機構が基礎板に係合するのを防止する位置から、係止/外れ止め機構が基礎板に自由に係合する位置まで移動するように構成される。例を用いると、ロッカーアームは、基礎板が不適切に位置付けられるとき、ロッカーアームが、係止機構が基礎板と適切に係合するのを防止するように(例えば、ハンドル546が所定位置へと完全に旋回するのを防止するように)、前述の実施形態のいずれかの係止/外れ止め機構の一部分に当接するように構成される一部分を備え得る。基礎板が適切に位置付けられ、それによってロッカーアームが移動するときだけ、係止機構は基礎板と係合することが許可される。
【0073】
指示機構に関連する特定の実施形態が上記で検討されているが、本開示を考慮して当業者によって理解されることになるさらなる指示機構は、本発明の範囲内にある。
【0074】
実施形態による、バイオリアクター容器の底部の窪みの中のプランジャ552(またはセンサ)の場所が概して中心に位置決めされることは、留意されている。好ましい実施形態によれば、図26によって示されているように、プランジャは、窪みの中心の近くのバイオリアクター容器の底部における切欠きに隣接して位置決めされる。これは、基礎板510が適切に配置されるときにのみプランジャが押し下げられることを確保するので、好ましい場所である。プランジャが周辺に配置される場合、基礎板510が不適切に配置されている場合であってもプランジャが押し下げられる可能性がある。有利には、指示機構550は、基礎板が窪みの中に適切に位置付けられているかどうかの明確な指示を提供する。指示機構は、基礎板の前部または後部が窪みの中で外れ止めされるときであっても、基礎板が適切に位置付けられているかどうかを知る上での困難に関連する潜在的な問題にさらに対処する。
【0075】
本明細書に記載されている羽根車の基礎板のための機械的な係止システムは、柔軟なバッグの設置の間に羽根車の基礎板をバイオリアクター容器の底部の窪みにしっかりと係止するための手段を提供する。また、先に記載されている機構は、基礎板が窪みの中に据え付けられて係止させられた位置にあることの触覚的な指示、視覚的な指示、または他の指示を提供する。同じく先に記載されているように、容器にしっかりと係止される一方で、基礎板はバイオプロセス作業の完了において依然として容易に取り外すことができる。
【0076】
図20図29との関連で本明細書に記載されている基礎板の係止システムが、技術的に知られている任意の撹拌タンクのバイオリアクター容器へと組み込むことができることは、検討されている。またさらには、本発明の基礎板の係止システムが、本明細書に記載されているような配管および構成要素の管理システムを備える図2図19に示されている任意のバイオリアクター容器へと組み込むことができることは、検討されている。具体的には、一実施形態では、バイオリアクター容器が、基礎板をバイオリアクター容器の底部に固定するための基礎板の係止機構と、柔軟なバッグの上方に消耗品の構成要素を配置および固定するための配管および構成要素の管理システムとのうちの一方または両方を備え得る。基礎板の係止機構と配管および構成要素の管理システムとの組み合わせは、消耗品の構成要素の設置を容易にし、これまで技術的に見られなかった使用の容易性を提供するバイオリアクター容器を提供する。
【0077】
一実施形態では、バイオリアクター容器が提供される。バイオリアクター容器は、底部と、周囲側壁であって、底部と周囲側壁とは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める、周囲側壁と、柔軟なバイオプロセスバッグの基礎板を受け入れるための底部における窪みと、基礎板を窪みにおいて保持するように構成される係止機構と、基礎板が窪みに適切に位置付けられたときに指示するように構成される指示機構とを備える。一実施形態では、係止機構は、外れ止め部を備え、外れ止め部は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板がバイオリアクター容器の底部における窪みに位置付けられるときに外れ止め部が基礎板と係合する係合位置と、基礎板が窪みから引き抜かれ得る除去位置との間で移動可能である。一実施形態では、外れ止め部は係合位置に向けてバネ付勢される。一実施形態では、係止機構は、外れ止め部を係合位置から除去位置へと移動させるように動作可能であるハンドルを含む。一実施形態では、外れ止め部は、窪みにおける基礎板の設置の間に、基礎板からの下向きの力を、バネ付勢に抗して外れ止め部を除去位置へと移動させるための横向きの力へと変換するように構成される角度の付けられた上面を備える。一実施形態では、指示機構は、プランジャと、ロッカーアームと、指示部とを備える。一実施形態では、プランジャは初期に窪みへと突出する。一実施形態では、基礎板が窪みに適切に配置されるとき、指示部は、ロッカーアームを介して、プランジャの移動と反対の方向に移動し、これは適切な配置の指示を提供する。一実施形態では、バイオリアクター容器は、係止機構と反対に窪みへと延び、基礎板の後領域におけるスロットと係合するように構成される舌部を備える。一実施形態では、係止機構は、窪みに隣接し、基礎板の少なくとも1つの対応する外れ止め部を受け入れるように構成される少なくとも1つの開口を含む。一実施形態では、少なくとも1つの開口は開口の対である。別の実施形態では、バイオプロセス装置が提供される。装置は、柔軟なバイオプロセスバッグと、柔軟なバイオプロセスバッグの底部に位置付けられ、バイオリアクター容器の底部における対応する窪みに受け入れられるように成形される基礎板とを備える。基礎板は、基礎板を窪みにおいて位置決めするために、窪みに隣接するバイオリアクター容器の底部における対応する位置決め特徴部と協働するための、基礎板の後縁に隣接する位置決め機構と、基礎板を窪みにおいて保持するために、バイオリアクター容器の対応する係止デバイスと協働するための、位置決め機構と反対の基礎板の下側から下向きに延びる係止機構とを備える。一実施形態では、位置決め機構は、スロットおよび舌部のうちの一方であり、対応する位置決め特徴部はスロットおよび舌部の他方である。一実施形態では、係止機構は、基礎板の本体と概して平行で、本体から離間される平面に位置する捕獲部であり、係止デバイスは、捕獲部と係合するように構成される外れ止め部を備える。一実施形態では、係止機構は少なくとも1つの外れ止め部材であり、係止デバイスは、少なくとも1つの外れ止め部材を受け入れるように構成される窪みを含む。一実施形態では、少なくとも1つの外れ止め部材は概してL字形である。一実施形態では、少なくとも1つの外れ止め部材は弾力性である。
【0078】
また別の実施形態では、バイオプロセスシステムが提供される。バイオプロセスシステムは、内部空間を定める底部および周囲側壁、底部における窪み、窪みに隣接する係止機構を有するバイオリアクター容器と、指示機構と、内部空間の中に位置付け可能であり、それ自体の底部に基礎板を備える柔軟なバイオプロセスバッグとを備える。基礎板は、バイオリアクター容器の底部における窪みに受け入れられるように構成される。係止機構は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板と係合するように構成される。一実施形態では、係止機構は外れ止め部を備え、基礎板は捕獲部を備える。外れ止め部は、基礎板を窪みにおいて保持するために基礎板が窪みに位置付けられるときに外れ止め部が捕獲部と係合する係合位置と、基礎板が窪みから引き抜かれ得る除去位置との間で移動可能である。一実施形態では、外れ止め部は係合位置に向けてバネ付勢される。一実施形態では、係止機構は、外れ止め部を係合位置から除去位置へと移動させるように動作可能であるハンドルを備える。一実施形態では、外れ止め部は、窪みにおける基礎板の設置の間に、基礎板の捕獲部からの下向きの力を、バネ付勢に抗して外れ止め部を除去位置へと移動させるための横向きの力へと変換するように構成される角度の付けられた上面を備える。一実施形態では、システムは、係止機構と反対に窪みへと延び、基礎板の後領域におけるスロットと係合するように構成される舌部も備え得る。一実施形態では、係止機構は、窪みに隣接し、スロットの反対において基礎板から下向きに垂れ下がる少なくとも1つの外れ止め部を受け入れるように構成される少なくとも1つの開口を含む。一実施形態では、指示機構は、プランジャと、ロッカーアームと、指示部とを備える。一実施形態では、プランジャは初期に窪みへと突出する。一実施形態では、基礎板が窪みに適切に配置されるとき、指示部は、ロッカーアームを介して、プランジャの移動と反対の方向に移動し、これは適切な配置の指示を提供する。
【0079】
一実施形態では、バイオプロセスシステムが提供される。バイオプロセスシステムは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、容器の側壁にアクセス扉を有し、内部空間へのアクセスを提供する容器と、容器の側壁に搭載され、バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置とを備える。搭載フレームは、内部空間の中および外へと鉛直に移動可能である。一実施形態では、搭載フレームは、搭載フレームがアクセス扉を通じてアクセス可能である高さにおいて搭載フレームが容器の内部空間の中に位置付けられる設置位置と、搭載フレームがバイオリアクター容器の上部の上方に概して位置付けられる動作位置との間で移動可能である。一実施形態では、配管および構成要素の管理装置は、搭載フレームを容器の中心線に沿って鉛直に移動させるための昇降機構を備える。一実施形態では、搭載フレームは、搭載フレームが内部空間の中に位置付けられる収容位置と、アクセス扉が開位置にあるときに開いているアクセス扉を通じて搭載フレームが延長するアクセス位置との間で、容器の中心線に対して概して垂直な方向にスライド可能である。一実施形態では、配管および構成要素の管理装置は、搭載フレームを収容位置とアクセス位置とにおいて選択的に係止するための係止デバイスを備える。一実施形態では、昇降機構は線形アクチュエータである。一実施形態では、配管および構成要素の管理装置は、容器の側壁に搭載される支持部材と、支持部材から概して容器の上に延びるブームと、ブームから容器の中心線に沿って下向きに延びるスリーブとを備え、搭載フレームは、スリーブの中に受け入れられるシャフトを備える。一実施形態では、昇降機構は、搭載フレームからスリーブを通じてブームに沿って延びるケーブルを備え、ケーブルは、搭載フレームを選択的に下降および上昇させるために選択的に延長可能および引き込み可能である。一実施形態では、昇降機構は容器の内部バッフルと一体とされる。一実施形態では、配管および構成要素の管理装置は、容器の内部側壁に搭載される案内レールと、案内レールにスライド可能に連結される運搬板とを備え、搭載フレームは、案内レールに沿った鉛直移動のために、運搬板に連結される。一実施形態では、配管および構成要素の管理装置は、内部バッフルを定めるバッフルカバーを備え、バッフルカバーは、運搬板が通じて延びるスロットを備える。一実施形態では、容器は容器の側壁に窓を備える。アクセス扉は閉位置と開位置との間で移動可能である。閉位置において、アクセス扉の縁は窓の境界の少なくとも一部分を定める。一実施形態では、搭載フレームは、少なくとも1つの消耗品の構成要素を受け入れるための少なくとも1つのスロット、開口、またはブラケットを備える。一実施形態では、少なくとも1つの消耗品の構成要素は、管、フィルタ、またはフィルタ加熱器である。
【0080】
別の実施形態では、バイオプロセスシステムの構成要素を設置するための方法が提供される。方法は、搭載フレームを容器の上開口部を通じて容器へと下降させるステップと、搭載フレームへアクセスするために、容器の側壁におけるアクセス扉を開けるステップと、少なくとも1つの消耗品の構成要素を搭載フレームに搭載するステップと、アクセス扉を閉じるステップと、搭載フレームを、容器の上部に隣接する位置へと上昇させるステップとを含む。一実施形態では、方法は、開いているアクセス扉を通じて搭載フレームを延ばすために、容器の中心線に対して概して垂直の方向に搭載フレームを移動させるステップも含む。一実施形態では、搭載フレームを下降させるステップ、および、搭載フレームを上昇させるステップは、バイオプロセスシステムの制御ユニットによって自動的に実行される。一実施形態では、方法は、搭載フレームを下降または上昇させるために昇降組立体を作動させるステップも含む。
【0081】
また別の実施形態では、バイオプロセスシステムが提供される。バイオプロセスシステムは、柔軟なバイオプロセスバッグを受け入れるための内部空間を定める容器であって、容器の側壁にアクセス扉を有し、開いているアクセス扉を通じて内部空間へのアクセスを提供する容器と、容器の側壁に搭載され、バイオプロセスシステムの少なくとも1つの消耗品の構成要素の搭載のための搭載フレームを有する、配管および構成要素の管理装置とを備える。搭載フレームは、搭載フレームがアクセス扉を通じてアクセス可能である高さにおいて搭載フレームが容器の内部空間の中に位置付けられる設置位置と、搭載フレームがバイオリアクター容器の上部の上方に概して位置付けられる動作位置との間で移動可能である。配管および構成要素の管理装置は、搭載フレームを設置位置と動作位置との間で移動させるための昇降機構を備える。一実施形態では、搭載フレームは、搭載フレームが内部空間の中に位置付けられる収容位置と、アクセス扉が開位置にあるときに開いているアクセス扉を通じて搭載フレームが延長するアクセス位置との間で、容器の中心線に対して概して垂直な方向にスライド可能である。一実施形態では、配管および構成要素の管理装置は、容器の側壁の内側に搭載される。一実施形態では、昇降機構は線形アクチュエータを備える。一実施形態では、容器は容器の側壁に窓を備え、アクセス扉は閉位置と開位置との間で移動可能であり、閉位置にあるとき、アクセス扉の縁は窓の境界の少なくとも一部分を定める。
【0082】
本明細書で使用されているように、単数形で提唱されている要素またはステップ、および、「1つ(aまたはan)」という言葉で始められた要素またはステップは、明示的に述べられていない場合、前記要素または前記ステップの複数を排除しないとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、提唱された特徴を同じく組み込む追加の実施形態の存在を排除するとして解釈されるように意図されていない。さらに、明示的に反対に述べられていない場合、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える」、「含む」、または「有する」実施形態は、その性質を有していない追加のこのような要素を含む可能性がある。
【0083】
この記載した説明は、最良の様態を含め、本発明のいくつかの実施形態を開示するために、および、任意の装置またはシステムを作ることと、任意の装置またはシステムを使用することと、任意の組み込まれた方法を実施することとを含め、当業者に本発明の実施形態を実施させることができるように、例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって定められ、当業者の思い付くことができる他の例を含む可能性がある。このような他の例は、それらが請求項の文言と違わない構造上の要素を有する場合、または、それらが請求項の文言と非実質的な違いを伴う均等の構造上の要素を含む場合、請求項の範囲内になるように意図されている。
【符号の説明】
【0084】
10 バイオリアクターシステム
12 バイオリアクター容器、支持構造
14 基礎
16 脚部
18 内部空間
20 視覚窓、開口部
20 柔軟なバイオプロセスバッグ
22 窓、開口部
24 アクセス扉
26 ハンドル
28 バッフル
30 窪み
40 配管および構成要素の管理装置
42 支持部材
44 マストアーム、ブーム
46 案内スリーブ
48 搭載板
50 シャフト
52 昇降機構
54 ケーブル
56 フック
100 バイオリアクターシステム
112 バイオリアクター容器、支持構造
114 基礎
116 脚部
118 内部空間
120 視覚窓
122 窓
124 アクセス扉
126 ハンドル
128 バッフル
140 配管および構成要素の管理装置
142 線形アクチュエータ
144 シャフト
146 支持フレーム
148 支持構造、支持アーム
150 案内レール
152 搭載フレーム、搭載板
154 係止ピン
160 フィルタ
200 配管および構成要素の管理装置
210 基礎板
212 フランジ
214 線形運動レール、案内レール
216 線形運動ブロック
218 運搬板
220 搭載フレーム
222 バッフルカバー
224 スロット
226 ケーブル巻上機
228 ケーブル
230 フィルタ保持デバイス
232 フィルタ
250 バイオリアクター容器
252、254、256 内部バッフル
258 アクセス扉
300 構成要素管理システム
310 基礎板
312 窪み
314 底部
316 採取ポート
318 ポート
320 スロット
322 舌部
324 外れ止め部
326 外れ止め開口
400 構成要素管理システム
410 基礎板
416 採取ポート
418 ポート
420 後スロット
430 捕獲部
432 捕獲部材
440 外れ止め機構
442 外れ止め部材
444 シャフト
446 ハンドル
448 筐体
450 コイルバネ
452 搭載フランジ
454 接触面、角度の付けられた面
460 窪み
462 バイオリアクター容器
464 舌部
500 バイオリアクターシステム
510 コネクタボックス
512 浮遊フレーム
514 下方フレーム部材
516 上方フレーム部材
518 ピンチ弁組立体
500 構成要素管理システム
510 基礎板
516 採取ポート
518 ポート
530 捕獲部
532 捕獲部材
540 外れ止め機構
542 外れ止め部材
544 シャフト
545 接触面
546 ハンドル
547 筐体
550 指示機構
552 プランジャ
553 上部
554 ロッカーアーム
555 枢動アーム
556 指示部
558 付勢機構
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【国際調査報告】