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特表2022-535619身体内腔における凝塊形成を促進するための塞栓用装置および塞栓用装置を組み立てる方法
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  • 特表-身体内腔における凝塊形成を促進するための塞栓用装置および塞栓用装置を組み立てる方法 図1
  • 特表-身体内腔における凝塊形成を促進するための塞栓用装置および塞栓用装置を組み立てる方法 図2
  • 特表-身体内腔における凝塊形成を促進するための塞栓用装置および塞栓用装置を組み立てる方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】身体内腔における凝塊形成を促進するための塞栓用装置および塞栓用装置を組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504108
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2019069663
(87)【国際公開番号】W WO2021013330
(87)【国際公開日】2021-01-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514222743
【氏名又は名称】クリアストリーム・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ブレイディ,コナー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD53
4C160DD62
4C160MM33
(57)【要約】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置(10)。塞栓用装置(10)は、ステム(30)と、ステム(30)から半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛(20)とを有し、このステム(30)は、第1のワイヤ要素(31)と、第2のワイヤ要素(32)と、内腔を有し、第1のワイヤ要素(31)を第2のワイヤ要素(32)に接続する管状相互接続部(33)であって、管状相互接続部(33)の内腔内に、第1のワイヤ要素(31)および第2のワイヤ要素(32)が配置される、管状相互接続部(33)と、管状相互接続部(33)の少なくとも一部分を覆うように固定配置され、かつ第1のワイヤ要素(31)および第2のワイヤ要素(32)のうちの一方または両方の少なくとも一部分を覆うように固定配置される補強スリーブ(50)とを備えている。補強スリーブ(50)は、管状相互接続部(33)よりも低い剛性を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置であって、前記塞栓用装置が、ステムと、前記ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有しており、前記ステムが、
第1のワイヤ要素と、
第2のワイヤ要素と、
内腔を有し、前記第1のワイヤ要素を前記第2のワイヤ要素に接続する管状相互接続部であって、前記管状相互接続部の前記内腔内に、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素が配置される、管状相互接続部と、
前記管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように固定配置され、かつ前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分を覆うように固定配置される補強スリーブと
を備えており、
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部よりも低い剛性を有する、塞栓用装置。
【請求項2】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の全長を覆うように配置される、請求項1に記載の塞栓用装置。
【請求項3】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに、締りばめによって固定されている、請求項1または2に記載の塞栓用装置。
【請求項4】
前記管状相互接続部が、コバルトクロム合金から作られている、請求項1から3のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項5】
前記補強スリーブが、ポリマー製収縮チューブであり、半径方向に収縮して、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方とに接触している、請求項1から4のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項6】
前記補強スリーブが放射線不透過性であり、任意選択で、前記補強スリーブが放射線不透過性材料でドープされている、請求項1から5のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項7】
前記管状相互接続部が、放射線不透過性マーカを備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項8】
前記管状相互接続部が放射線不透過性材料から作られている、請求項7に記載の塞栓用装置。
【請求項9】
前記管状相互接続部に近接して配置される放射線不透過性マーカ要素をさらに備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項10】
前記放射線不透過性マーカ要素が、前記管状相互接続部に当接している、請求項9に記載の塞栓用装置。
【請求項11】
前記放射線不透過性マーカ要素が、前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素の周りに配置される、請求項9または10に記載の塞栓用装置。
【請求項12】
前記複数の柔軟毛が、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられている、請求項1から11のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項13】
前記第1の区分の毛が、前記第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在しており、前記第2の区分の毛が、前記第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在している、請求項12に記載の塞栓用装置。
【請求項14】
前記放射線不透過性マーカ要素が、一方の端部で前記管状相互接続部に当接し、他方の端部で前記第2の区分の柔軟毛に当接して、前記第2のワイヤ要素の周りに配置される、請求項13に記載の塞栓用装置。
【請求項15】
前記管状相互接続部が、前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に圧着される、請求項1から14のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項16】
前記管状相互接続部が、前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に接着剤によって取り付けられる、請求項1から15のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項17】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように配置され、前記塞栓用装置が、前記管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように配置され、かつ前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置されたもう1つの補強スリーブを備えている、請求項1から16のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項18】
前記もう1つの補強スリーブが、中間の放射線不透過性マーカ要素を介して、前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置される、請求項17に記載の塞栓用装置。
【請求項19】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置を組み立てる方法であって、前記塞栓用装置が、ステムと、前記ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有しており、前記ステムが、第1のワイヤ要素と、第2のワイヤ要素とを備えており、前記方法は、
内腔を有する管状相互接続部を使用して、前記管状相互接続部の前記内腔の内側に、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素を配置することにより、前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップと、
前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とを覆うように、補強スリーブを固定配置するステップと
を含んでおり、
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部よりも低い剛性を有する、方法。
【請求項20】
前記複数の柔軟毛が、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の区分の毛が、前記第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在し、また前記第2の区分の毛が、前記第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在している、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記第1および/または第2のワイヤ要素の周りに放射線不透過性マーカ要素を配置するステップをさらに含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記放射線不透過性マーカ要素が、前記管状相互接続部に近接して配置され、任意選択で前記放射線不透過性マーカ要素が、前記管状相互接続部に当接して配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記放射線不透過性マーカ要素が、一方の端部で前記管状相互接続部に当接し、他方の端部で前記第2の区分の柔軟毛に当接して、前記第2のワイヤ要素の周りに配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップが、前記管状相互接続部を前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に圧着するステップをさらに含む、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップが、前記管状相互接続部を前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に、接着剤を使用して取り付けるステップをさらに含む、請求項19から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記管状相互接続部が、コバルトクロム合金から作られる、請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記管状相互接続部が、放射線不透過性材料から作られる、請求項19から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記補強スリーブが放射線不透過性であり、任意選択で、前記補強スリーブが放射線不透過性材料でドープされている、請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含む、請求項19から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記補強スリーブを伸ばすステップをさらに含む、請求項19から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記補強スリーブを伸ばすステップの後に、前記管状相互接続部の全長を覆うように前記補強スリーブが配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項33】
前記補強スリーブがポリマー製収縮チューブであり、前記補強スリーブを固定配置するステップが、前記補強スリーブを加熱して前記補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含む、請求項19から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記補強スリーブを加熱するステップの後に、前記補強スリーブの直径が加熱前よりも小さくなっている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項19から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように固定配置され、前記方法がさらに、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように、もう1つの補強スリーブを固定配置するステップをさらに含む、請求項19から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを伸ばすステップをさらに含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを伸ばすステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の一部分と前記第1のワイヤ要素の一部分とを覆うように配置され、前記もう1つの補強スリーブが、前記管状相互接続部の一部分と前記第2のワイヤ要素の一部分とを覆うように配置される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブがポリマー製収縮チューブであり、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップが、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを加熱して前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含む、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを加熱するステップの後に、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブの直径が加熱前よりも小さくなっている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、前記もう1つの補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項36から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、前記もう1つの補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と、前記放射線不透過性マーカ要素の少なくとも一部分と、前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項36から41のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置であって、ステムと、このステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有する塞栓用装置、およびそのような塞栓用装置を組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塞栓用装置は、身体内腔での凝塊形成を促進するためにその身体内腔内に受け入れられることが可能な、永久的または半永久的に埋め込み可能な装置である。
塞栓用装置は、凝血塊の形成を促進し、最終的には血管を閉塞するために、特定の位置の脈管構造に医師によって導入されることが可能である。しかし、典型的な塞栓用装置は、脈管構造内で移動しやすく、これにより深刻な副作用が生じる場合がある。
【0003】
移動しにくくするために、いくつかの既知の塞栓用装置は、たとえばWO2016/041961A2に開示されているように、中央ステムから半径方向外向きに延在している複数の毛または繊維を備えている。毛は、身体内腔に接触し、毛と内腔壁との間の摩擦により塞栓用装置を内腔に固定するように構成されている。
【0004】
これらの塞栓用装置は、単線のハイポチューブによって接続される複数の区分から成っており、このハイポチューブは、第1の区分の遠位端部と第2の区分の近位端部に対して圧着される。このハイポチューブは、ステムワイヤと同様の材料から製造されているが、直径および壁厚さに起因して、ステムの変形ワイヤよりもはるかに剛性が高い。
【0005】
塞栓用装置が患者の身体内腔に埋め込まれるとき、塞栓用装置は、患者身体の蛇行した血管を通るためにかなり曲げられなくてはならない場合がある。塞栓用装置のステムにおいて曲げモーメントが引き起こされると、ハイポチューブの端部のすぐ外側で応力集中が生じる。場合によっては、これにより、ステムワイヤがこれらの位置で破断してしまうことがある。破断が生じると、複数の区分はもはや拘束されず、互いに対して移動することが可能になり、構成要素の移動、血管の穿孔、およびこの区分が横向きになった場合には再開通、が生じるおそれが増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、曲げ途中の応力集中をより均等に分配し、したがって破断をより生じにくくすることができる、改善された塞栓用装置が必要とされている。そのような塞栓用装置を組み立てる、改善された方法も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置が開示される。塞栓用装置は、ステムと、このステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有する。このステムは、第1のワイヤ要素と、第2のワイヤ要素と、内腔を有し、前記第1のワイヤ要素を前記第2のワイヤ要素に接続する管状相互接続部とを備えている。第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素は、管状相互接続部の内腔内に配置される。ステムはさらに、管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように固定配置され、かつ第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分を覆うように固定配置される補強スリーブを備えている。補強スリーブは、管状相互接続部よりも低い剛性を有する。
【0008】
本開示の理解を深め、同開示をどのように実施できるかを示すために、ここで添付図面を単なる例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】塞栓用装置のステムを覆うように配置された第1の補強スリーブおよび第2の補強スリーブを有する塞栓用装置の側面図である。
図2】塞栓用装置のステムを覆うように配置された、第1の軸方向に圧縮された補強スリーブおよび第2の軸方向に圧縮された補強スリーブを有する塞栓用装置の側面図である。
図3】塞栓用装置のステムを覆うように配置された、第1の伸ばされた補強スリーブおよび第2の伸ばされた補強スリーブを有する塞栓用装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様では、身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置が開示される。塞栓用装置は、ステムと、このステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有する。このステムは、第1のワイヤ要素と、第2のワイヤ要素と、内腔を有し、前記第1のワイヤ要素を前記第2のワイヤ要素に接続する管状相互接続部とを備えている。第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素は、管状相互接続部の内腔内に配置される。ステムはさらに、管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように固定配置され、かつ第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分を覆うように固定配置される補強スリーブを備えている。補強スリーブは、管状相互接続部よりも低い剛性を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、これにより、曲げ途中の応力集中がより均等に分配される塞栓用装置を得ることができ、したがって塞栓用装置を、より破断しにくくすることができる。
【0012】
本開示を通して、「塞栓用装置」という用語は、永久的または半永久的に身体内腔に埋め込まれることが可能な装置のことを指してよい。したがって、「塞栓用装置」は、数日間など、ある期間にわたって身体内腔内に配置されるように構成されてよいし、または内腔に無期限に配置されるように構成されてよい。このために、「塞栓用装置」は、身体内腔内に単独で埋め込まれることが可能になるように、送達要素から選択的に分離されるように構成されてよい。
【0013】
本開示を通して、「身体内腔」という用語は、ヒトまたは動物の身体の管状構造内の内側空間のことを指してよい。「身体内腔」は、たとえば動脈または静脈であってよい。
本開示を通して、要素の「収縮送達構成」という用語は、要素の「拡張展開構成」よりも小さい半径方向範囲を有する要素の構成のことを指してよい。
【0014】
本開示を通して、要素の「剛性」という用語は、加えられた力に応じた変形に要素が抵抗する程度のことを指してよい。剛性は、要素の示量性とすることができ、材料およびその形状、ならびに境界条件に依存することがある。要素の剛性kは、k=F/dとして定義されてよく、ここでFは、要素にかかる力であり、dは、同じ自由度に沿った力によって引き起こされる変位である。
【0015】
補強スリーブは、管状相互接続部の全長を覆うように配置されてよい。
補強スリーブは、管状相互接続部と、第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに、締りばめによって固定されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、これにより、曲げ応力のより均等な分配が得られ、その結果、塞栓用装置をより破断しにくくすることができる。
管状相互接続部は、コバルトクロム合金から作られてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、これにより、高い比強度を有する管状相互接続部を得ることができる。
補強スリーブは、ポリマー製収縮チューブであり、半径方向に収縮して、管状相互接続部と、第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素のうちの一方または両方とに接触している。
【0018】
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置の組み立てをより簡単にすることができる。いくつかの実施形態では、これによりさらに、緊密に締りばめする補強スリーブを得ることができる。
【0019】
補強スリーブは、放射線不透過性であってよい。補強スリーブは、放射線不透過性材料でドープされていてもよい。
本開示を通して、「放射線不透過性」という用語は、X線または同様の放射線を通さない物質の特性のことを指してよい。本明細書において述べる任意の放射線不透過性の材料/物体は、蛍光透視中にその材料/物体を医師が容易に識別できる程度の放射線不透過性を有する。特定の実施形態では、本明細書において述べる放射線不透過性の材料/物体は、少なくとも2000ハンスフィールドユニット(HU)、任意選択で少なくとも5000ハンスフィールドユニット(HU)、さらに任意選択で少なくとも10000ハンスフィールドユニット(HU)、さらに任意選択で少なくとも20000ハンスフィールドユニット(HU)の放射線濃度を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、これにより、医師は蛍光透視下で補強スリーブを確認できるようになり、身体内腔の内側に医師が塞栓用装置を配置するのを支援することができる。いくつかの実施形態では、これにより、別個の放射線不透過性マーカの必要性をなくすことができる。
【0021】
管状相互接続部は、放射線不透過性マーカを備えていてよい。
いくつかの実施形態では、これにより、医師は蛍光透視下で管状相互接続部を確認できるようになり、身体内腔の内側に医師が塞栓用装置を配置するのを支援することができる。
【0022】
管状相互接続部は、放射線不透過性材料から作られてよい。
塞栓用装置は、管状相互接続部に近接して配置される放射線不透過性マーカ要素をさらに備えていてよい。
【0023】
放射線不透過性マーカ要素は、管状相互接続部に当接していてよい。
放射線不透過性マーカ要素は、第1のワイヤ要素および/または第2のワイヤ要素の周りに配置されてよい。
【0024】
複数の柔軟毛は、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられていてよい。
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置の取扱いをより簡単にすることができる。いくつかの実施形態では、これによりさらに、塞栓用装置のモジュール式設計が可能になってよい。
【0025】
第1の区分の毛は、第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在していてよい。第2の区分の毛は、第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在していてよい。
放射線不透過性マーカ要素は、一方の端部で管状相互接続部に当接し、他方の端部で第2の区分の柔軟毛に当接して、第2のワイヤ要素の周りに配置されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、これにより、医師は蛍光透視下で管状相互接続部および第2の区分の柔軟毛の位置を識別できるようになり、身体内腔の内側への塞栓用装置の配置を支援することができる。
【0027】
管状相互接続部は、第1のワイヤ要素および/または第2のワイヤ要素に圧着されてよい。
いくつかの実施形態では、これにより、第1のワイヤ要素を第2のワイヤ要素に確実に接続することが可能になってよい。
【0028】
管状相互接続部は、第1のワイヤ要素および/または第2のワイヤ要素に接着剤によって取り付けられてよい。
補強スリーブは、管状相互接続部の少なくとも一部分と第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように配置されてよい。塞栓用装置は、管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように配置され、かつ第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置されたもう1つの補強スリーブをさらに備えていてよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置の組み立てをより簡単にすることができる。いくつかの実施形態では、これによりさらに、管状相互接続部の両端における曲げ応力の分配がより均等に分配された塞栓用装置を得ることができる。
【0030】
もう1つの補強スリーブは、補強スリーブと同一であってよい。
もう1つの補強スリーブは、中間の放射線不透過性マーカ要素を介して、第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置されてよい。
【0031】
本開示の別の態様では、身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置を組み立てる方法が提供される。塞栓用装置は、ステムと、このステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有する。ステムは、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを備えている。この方法は、内腔を有する管状相互接続部を使用して、管状相互接続部の内腔の内側に、第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素を配置することにより、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップを含んでいる。この方法は、管状相互接続部の少なくとも一部分と第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とを覆うように、補強スリーブを固定配置するステップをさらに含んでいる。補強スリーブは、管状相互接続部よりも低い剛性を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、これにより、曲げ応力がより均等に分配された塞栓用装置を組み立てる方法が可能になり、その結果、塞栓用装置をより破断しにくくすることができる。
【0033】
複数の柔軟毛は、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられていてよい。
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置のモジュール式設計を得ることができる。いくつかの実施形態では、これによりさらに、塞栓用装置の取扱いおよび配置をより簡単にすることができる。
【0034】
第1の区分の毛は、第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在していてよく、第2の区分の毛は、第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在していてよい。
この方法は、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、第1のワイヤ要素および/または第2のワイヤ要素の周りに放射線不透過性マーカ要素を配置するステップをさらに含んでよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、これにより、蛍光透視下で塞栓用装置が見えるようになってよい。いくつかの実施形態では、これにより、身体内腔に医師が塞栓用装置を配置するのを支援することができる。
【0036】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、放射線不透過性マーカ要素は、管状相互接続部に近接していてよい。放射線不透過性マーカ要素は、管状相互接続部に当接していてよい。
【0037】
放射線不透過性マーカ要素は、一方の端部で管状相互接続部に当接し、他方の端部で第2の区分の柔軟毛に当接して、第2のワイヤ要素の周りに配置されてよい。
いくつかの実施形態では、これにより、医師は蛍光透視下で管状相互接続部および柔軟毛の区分を識別できるようになってよい。
【0038】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップは、管状相互接続部を第1のワイヤ要素および/または第2のワイヤ要素に圧着するステップをさらに含んでよい。
いくつかの実施形態では、これにより、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを確実に接続することができる。
【0039】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップは、接着剤を使用して、管状相互接続部を第1のワイヤ要素および/または第2のワイヤ要素に取り付けるステップをさらに含んでよい。
【0040】
管状相互接続部は、コバルトクロム合金から作られてよい。
管状相互接続部は、放射線不透過性材料から作られてよい。
管状スリーブは、放射線不透過性であってよい。補強スリーブは、放射線不透過性材料でドープされている。
【0041】
いくつかの実施形態では、これにより、蛍光透視下で補強スリーブを確認できるようになり、身体内腔への塞栓用装置の配置を支援することができる。いくつかの実施形態では、これにより、別個の放射線不透過性マーカの必要性をなくすことができる。
【0042】
この方法は、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含んでよい。
いくつかの実施形態では、これにより、管状相互接続部を第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素に圧着できるようになってよい。
【0043】
この方法は、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、補強スリーブを伸ばすステップをさらに含んでよい。
いくつかの実施形態では、これにより、管状相互接続部を覆うように補強スリーブを配置できるようになってよい。
【0044】
補強スリーブを伸ばすステップの後、補強スリーブは、管状相互接続部の全長を覆うように配置されてよい。
補強スリーブは、ポリマー製収縮チューブであってよい。補強スリーブを固定配置するステップは、補強スリーブを加熱して補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含んでよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置の組み立てをより簡単にすることができる。いくつかの実施形態では、これによりさらに、補強スリーブの緊密な締りばめを得ることができる。
【0046】
補強スリーブを加熱するステップの後に、補強スリーブの直径は、加熱前よりも小さくなっていてよい。
補強スリーブを固定配置するステップの後に、補強スリーブは、管状相互接続部と、第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに接触し、それにより締りばめが形成されてよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置のステムに沿って、曲げ応力をより良好でより均等に分配できるようになってよい。
補強スリーブは、管状相互接続部の少なくとも一部分と第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように固定配置されてよく、この方法はさらに、管状相互接続部の少なくとも一部分と第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように、もう1つの補強スリーブを固定配置するステップを含んでよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、これにより、塞栓用装置の組み立てをより簡単にすることができる。いくつかの実施形態では、これによりさらに、管状相互接続部の両端における曲げ応力の分配がより均等に分配された塞栓用装置を得ることができる。
【0049】
この方法は、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含んでよい。
【0050】
もう1つの補強スリーブは、補強スリーブと同一であってよい。
この方法は、第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを伸ばすステップをさらに含んでよい。
【0051】
補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを伸ばすステップの後に、補強スリーブは、管状相互接続部の一部分と第1のワイヤ要素の一部分とを覆うように配置されてよい。もう1つの補強スリーブは、管状相互接続部の一部分と第2のワイヤ要素の一部分とを覆うように配置されてよい。
【0052】
補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブは、ポリマー製収縮チューブであってよい。補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを固定配置するステップは、補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを加熱して、補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含んでよい。
【0053】
補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを加熱するステップの後に、補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブの直径は、加熱前よりも小さくなっていてよい。
補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを固定配置するステップの後に、補強スリーブは、管状相互接続部の少なくとも一部分と第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触してよい。もう1つの補強スリーブは、管状相互接続部の少なくとも一部分と第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、それにより締りばめが形成されてよい。
【0054】
補強スリーブおよびもう1つの補強スリーブを固定配置するステップの後に、補強スリーブは、管状相互接続部の少なくとも一部分と第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触してよい。もう1つの補強スリーブは、管状相互接続部の少なくとも一部分と、放射線不透過性マーカ要素の少なくとも一部分と、第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、それにより締りばめが形成されてよい。
【0055】
本開示の第3の態様では、半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛の第1の区分を有する第1のワイヤ要素と、半径方向外向きに延在している複数の毛の第2の区分を有する第2のワイヤ要素と、管状相互接続部と、補強スリーブとを備えたキットが提供されてよい。
【0056】
このキットは、放射線不透過性マーカ要素をさらに備えていてよい。
図1は、本開示による、身体内腔において凝血塊形成を促進するための塞栓用装置10の側面図を示している。塞栓用装置10は、ステム30と、ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛20とを備えている。塞栓用装置10は、身体内腔に塞栓用装置10を固定するように身体内腔の内壁に対して柔軟毛20が付勢される拡張展開構成(図示せず)と、拡張展開構成に比べて柔軟毛20の半径方向範囲が小さく、それにより塞栓用装置10をカテーテルの内側に配置して身体内腔内へ送達する、または身体内腔から回収することができる収縮送達構成(図示せず)とを有する。塞栓用装置10が拡張展開構成で身体内腔に配置されると、身体内腔を通る血流が柔軟毛20によって制限されて、血液の塞栓が生じ、それが成長して、最終的には身体内腔が閉塞する。図1は、柔軟毛20が伸びている弛緩状態の塞栓用装置10を示している。
【0057】
ステム30は、第1のワイヤ要素31と、第2のワイヤ要素32とを備えている。柔軟毛20は、第1のワイヤ要素31から半径方向外向きに延在している第1の区分21と、第2のワイヤ要素32から半径方向外向きに延在している第2の区分22とに分けられている。第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32は撚線ワイヤであり、たとえばニチノールまたはコバルトクロムから作られてよい。
【0058】
第1のワイヤ要素31は、管状相互接続部33によって第2のワイヤ要素32に接続されている。管状相互接続部33は、第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素と同様の材料、たとえばコバルトクロム合金などから作られることが可能な、内腔を備えた単線のハイポチューブである。第1のワイヤ要素31の遠位端部および第2のワイヤ要素32の近位端部は、管状相互接続部33の内腔の内側に配置されており、管状相互接続部33は、第1のワイヤ要素31を第2のワイヤ要素32に接続するように圧着される。代替的に、生体適合性の接着剤を使用して、管状相互接続部33を第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32に接続してよい。
【0059】
塞栓用装置10は、第2の管状相互接続部35と第3の管状相互接続部36とをさらに備えている。第2の管状相互接続部35は、第2のワイヤ要素32を非外傷性の遠位端部34に接続する。非外傷性の遠位端部34は、身体内腔の内壁を穿孔しないように、またはそれを損傷しないように設計されている。第3の管状相互接続部36は、第1のワイヤ要素33の近位端部をさらなるワイヤ要素に接続する。
【0060】
塞栓用装置10は、第2のワイヤ要素32の周りに配置され、一方の端部で管状相互接続部33に当接している放射線不透過性マーカ要素40も備えている。放射線不透過性マーカは、蛍光透視下で医師により容易に識別可能な程度の放射線不透過性を有する任意の材料、たとえば白金イリジウム化合物などから作られてよい。
【0061】
患者の身体内腔内の位置に塞栓用装置10を配置するといった血管内手順は、通常、蛍光透視下で実施され、これにより医師は、身体内腔の内側の装置を確認することができる。放射線不透過性マーカ要素40により、管状相互接続部、第1の区分の毛21、および第2の区分の毛22の位置を、蛍光透視下で医師が視覚的に識別できるようになる。これは、患者の身体内腔の所望の位置に医師が塞栓用装置10を配置するのを支援することになる。
【0062】
塞栓用装置10は、第2の放射線不透過性マーカ要素41と、第3の放射線不透過性マーカ要素42とをさらに備えている。第2の放射線不透過性マーカ要素41により、医師は塞栓用装置の遠位端部を視覚化することができ、第3の放射線不透過性マーカ要素42により、医師は第1のワイヤ要素31の近位端部の位置を視覚化することができる。
【0063】
塞栓用装置10は、第1の補強スリーブ50と、第2の補強スリーブ51とをさらに備えている。第1の補強スリーブ50は、管状相互接続部33の一部分と第1のワイヤ要素31の一部分とを覆うように固定配置される。第1の補強スリーブ50は、管状相互接続部33と第1のワイヤ要素31とに接触しており、それにより締りばめが形成される。同様に、第2の補強スリーブ51は、管状相互接続部33の一部分と、放射線不透過性マーカ要素40と、第2のワイヤ要素32の一部分とを覆うように配置される。第2の補強スリーブ51は、管状相互接続部33と、放射線不透過性マーカ要素40と、第2のワイヤ要素32とに接触しており、それにより締りばめが形成される。
【0064】
第1の補強スリーブ50は、一方の長手方向端部で第1の区分21の柔軟毛20に接触しており、他方の長手方向端部で第2の補強スリーブ51に接触している。第2の補強スリーブ51は、一方の長手方向端部で第1の補強スリーブ50に接触しており、他方の長手方向端部で第2の区分22の柔軟毛20に接触している。
【0065】
第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51は、ポリマー製収縮チューブであり、このポリマー製収縮チューブは、その直径が縮小し、締りばめを生じさせるように加熱済みである。補強スリーブは、たとえばFEP、PTFE、マイラー、またはポリオレフィンなど、多数の材料から作られてよい。補強スリーブを配置し、塞栓用装置を組み立てる方法は、図2および図3に関して以下でより詳細に説明する。
【0066】
第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51は、管状相互接続部33と、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32の少なくとも一部分との周りに配置される。これにより、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32の曲げ応力を、より均等に分配できるようになり、その結果、より破断しにくい塞栓用装置が得られる。
【0067】
身体内腔の内側の所望の位置に塞栓用装置10を配置するとき、塞栓用装置10は、カテーテルの内側に配置され、身体の挿入部位を通して患者の身体内に導入される。塞栓用装置10は、次いで遠位方向に進められ、身体の蛇行した血管を通って身体内腔内の所望の位置に配置されるように、かなり曲げられることが必要な場合がある。
【0068】
上述したように、管状相互接続部33は、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32と同様の材料から作られてよい。しかし、管状相互接続部33の直径およびその壁厚さがより大きいので、管状相互接続部33は、第1のワイヤ要素および第2のワイヤ要素よりも高い剛性を有する。
【0069】
ステム30において曲げモーメントが引き起こされるとき、管状相互接続部33からワイヤ要素に向かって剛性が段階的に変化していることから、管状相互接続部33の端部のすぐ外側で応力集中が生じる。第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51は、管状相互接続部33よりも低い剛性を有しており、管状相互接続部33と、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32の一部分とを覆っている。管状相互接続部33と、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32との間の剛性の比が小さくされ、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32に沿って、曲げ応力がより均等に分配される。これにより、ステム30では、曲げに起因する破断が起こりにくくなる。塞栓用装置10の疲労寿命が改善され、たとえ破断が生じた場合でも、第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51は、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32の互いに対する移動を防止するのに役立つ。
【0070】
図2および図3は、図1の塞栓用装置10を組み立てる方法を例示する。
図2は、第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51を固定配置する前の塞栓用装置10を示す。
【0071】
塞栓用装置10を組み立てるとき、塞栓用装置10の長さは、患者の特定の要件に応じて選択されることが可能である。次いで、必要な個数のワイヤ要素を接続して、必要な長さの塞栓用装置10を形成することができる。
【0072】
第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32などの2つのワイヤ要素を接続するために、第1の補強スリーブ50が、第1のワイヤ要素31を覆うように配置され、軸方向に圧縮される。次いで、第2の補強スリーブ51が、第2のワイヤ要素32を覆うように配置され、同じく軸方向に圧縮される。図2は、軸方向に圧縮された補強スリーブ50、51を示す。放射線不透過性マーカ要素40が、第2のワイヤ要素32の周りに配置されてよい。次いで、第1のワイヤ要素31の遠位端部および第2のワイヤ要素32の近位端部が、管状相互接続部33の内腔の両端部内に配置される。
【0073】
第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51は軸方向に圧縮されているので、管状相互接続部33は露出している。これにより、圧着工具が管状相互接続部33の外側表面に届き、第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32に管状相互接続部33を圧着し、第1のワイヤ要素31を第2のワイヤ要素32に確実に接続することができる。
【0074】
図3は、管状相互接続部33が第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32に圧着された後に、第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51が伸ばされる様子を示す。第1の補強スリーブ50はこのとき、第1のワイヤ要素31の一部分と管状相互接続部33の一部分とを覆うように配置され、第2の相互接続部はこのとき、第2のワイヤ要素32の一部分と、放射線不透過性マーカ要素40と、管状相互接続部33の一部分とを覆うように配置される。この段階では、補強スリーブ50、51の内径は、管状相互接続部33ならびに第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32の外径よりも大きい。
【0075】
補強スリーブ50、51と、管状相互接続部33ならびに第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32との間で、緊密な締りばめを作り出すために、補強スリーブ50、51が加熱される。補強スリーブ50、51は、ポリマー製収縮チューブなので、補強スリーブ50、51をその結晶融点以上に加熱することにより、補強スリーブ50、51の直径が縮小する。これは、たとえば必要な温度のオーブンに塞栓用装置10を入れることによって実施されてよい。締りばめを作り出すために、加熱後の補強スリーブ50、51の内径は、管状相互接続部33ならびに第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32の外径より小さくなくてはならない。
【0076】
補強スリーブ50、51の直径が径方向に縮小し、ステム30の残りの部分との締りばめを作り出した後、図1に示す塞栓用装置10が得られる。
当業者には、様々な修正形態が明らかであろう。たとえば、塞栓用装置10は、放射線不透過性マーカ要素40を備えていなくてよい。
【0077】
管状相互接続部33は放射線不透過性マーカ要素を備えていてよいし、または管状相互接続部33自体が、放射線不透過性材料から作られてよい。
補強スリーブ50、51を放射線不透過性にするために、第1の補強スリーブ50および第2の補強スリーブ51が放射線不透過性材料でドープされていてよい。これにより、放射線不透過性マーカ要素40を除去することが可能になり、管状相互接続部33を非放射線不透過性材料から作ることが可能になる。
【0078】
放射線不透過性マーカ要素40は、管状相互接続部33に近接しているが当接しないように配置されてよい。
放射線不透過性マーカ要素40は、第2の区分22の柔軟毛20に当接して配置されてよい。この場合、第2の補強スリーブ51は、管状相互接続部33と放射線不透過性マーカ要素40とに接触するように、管状相互接続部33と放射線不透過性マーカ要素40との周りに配置される。
【0079】
第1のワイヤ要素31も、その周りに配置された放射線不透過性マーカを有していてよい。この放射線不透過性マーカは、放射線不透過性マーカ要素40と同一のものであってよい。
【0080】
柔軟毛20は、区分に分けられなくてもよく、ステム30の長さに沿って均等に配置されてよい。
塞栓用装置は、互いに接続された任意の必要な個数のワイヤ要素から形成されてよい。各ワイヤ要素は、柔軟毛20の任意の個数の区分を備えていてよい。
【0081】
塞栓用装置は、非外傷性の遠位端部34を有していなくてよい。
塞栓用装置10は、第2の放射線不透過性マーカ41および第3の放射線不透過性マーカ42を有していなくてよい。また塞栓用装置10は、第2の管状相互接続部35および第3の管状相互接続部36を有していなくてよい。
【0082】
塞栓用装置は、1つの補強スリーブしか有していなくてもよい。この補強スリーブは、管状相互接続部33の一部分または全長を覆うように配置されてよい。この補強スリーブは、第1のワイヤ要素31および/または第2のワイヤ要素32の一部分を覆うように配置されてよい。
【0083】
第1および第2の補強スリーブ31、32は、ポリマー製収縮チューブでなくてよい。これらの補強スリーブは、たとえば弾性のあるゴムスリーブであってよい。代替的に、これらの補強スリーブは、塞栓用装置10のステム30にコーティングとして付着したポリマー製スリーブであってよい。
【0084】
補強スリーブのうちの一方は、他方の補強スリーブより短くてよい。第1の補強スリーブ50と第2の補強スリーブ51は接触しておらず、管状相互接続部33の一部分を露出したままにしていてよい。
【0085】
第1の補強スリーブ31は、一方の長手方向端部で第1の区分21の柔軟毛20に接触しなくてよい。
第2の補強スリーブ32は、一方の長手方向端部で第2の区分22の柔軟毛20に接触しなくてよい。
【0086】
第1のワイヤ要素31および第2のワイヤ要素32は、撚線ワイヤステムから作られなくてよい。これらのワイヤ要素は、たとえば単線ワイヤステムから作られてよい。
上述した内容はすべて、完全に本開示の範囲内にあり、上に開示した特定の組合せに限定することなく、上述した特徴の1つまたは複数の組合せを応用する代替的実施形態の基礎を成すものとみなされる。
【0087】
これに鑑み、本開示の教示を実装する多数の代替形態が存在する。当業者であれば、上に開示されたまたは上から得た本開示の一部または全部の技術的効果を維持しながら、当技術分野における自身の一般的な知識に照らして、その独自の環境および要件に合うように、上の開示を本開示の範囲内で修正し適合させることが可能であることが想定される。そのような等価物、修正形態、または適合形態はすべて、本開示の範囲内にある。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2020-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置であって、前記塞栓用装置が、ステムと、前記ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有しており、前記ステムが、
第1のワイヤ要素と、
第2のワイヤ要素と、
内腔を有し、前記第1のワイヤ要素を前記第2のワイヤ要素に接続する管状相互接続部であって、前記管状相互接続部の前記内腔内に、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素が配置される、管状相互接続部と、
前記管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように固定配置され、かつ前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分を覆うように固定配置される補強スリーブと
を備えており、
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部よりも低い剛性を有する、塞栓用装置。
【請求項2】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の全長を覆うように配置される、請求項1に記載の塞栓用装置。
【請求項3】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに、締りばめによって固定されている、請求項1または2に記載の塞栓用装置。
【請求項4】
前記管状相互接続部が、コバルトクロム合金から作られている、請求項1から3のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項5】
前記補強スリーブが、ポリマー製収縮チューブであり、半径方向に収縮して、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方とに接触している、請求項1から4のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項6】
前記補強スリーブが放射線不透過性であり、任意選択で、前記補強スリーブが放射線不透過性材料でドープされている、請求項1から5のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項7】
前記管状相互接続部が、放射線不透過性マーカを備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項8】
前記管状相互接続部が放射線不透過性材料から作られている、請求項7に記載の塞栓用装置。
【請求項9】
前記管状相互接続部に近接して配置される放射線不透過性マーカ要素をさらに備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項10】
前記放射線不透過性マーカ要素が、前記管状相互接続部に当接している、請求項9に記載の塞栓用装置。
【請求項11】
前記放射線不透過性マーカ要素が、前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素の周りに配置される、請求項9または10に記載の塞栓用装置。
【請求項12】
前記複数の柔軟毛が、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられている、請求項1から11のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項13】
前記第1の区分の毛が、前記第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在しており、前記第2の区分の毛が、前記第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在している、請求項12に記載の塞栓用装置。
【請求項14】
前記放射線不透過性マーカ要素が、一方の端部で前記管状相互接続部に当接し、他方の端部で前記第2の区分の柔軟毛に当接して、前記第2のワイヤ要素の周りに配置される、請求項13に記載の塞栓用装置。
【請求項15】
前記管状相互接続部が、前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に圧着される、請求項1から14のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項16】
前記管状相互接続部が、前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に接着剤によって取り付けられる、請求項1から15のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項17】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように配置され、前記塞栓用装置が、前記管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように配置され、かつ前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置されたもう1つの補強スリーブを備えている、請求項1から16のいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項18】
前記もう1つの補強スリーブが、中間の放射線不透過性マーカ要素を介して、前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置される、請求項17に記載の塞栓用装置。
【請求項19】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置を組み立てる方法であって、前記塞栓用装置が、ステムと、前記ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有しており、前記ステムが、第1のワイヤ要素と、第2のワイヤ要素とを備えており、前記方法は、
内腔を有する管状相互接続部を使用して、前記管状相互接続部の前記内腔の内側に、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素を配置することにより、前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップと、
前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とを覆うように、補強スリーブを固定配置するステップと
を含んでおり、
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部よりも低い剛性を有する、方法。
【請求項20】
前記複数の柔軟毛が、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の区分の毛が、前記第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在し、また前記第2の区分の毛が、前記第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在している、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記第1および/または第2のワイヤ要素の周りに放射線不透過性マーカ要素を配置するステップをさらに含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記放射線不透過性マーカ要素が、前記管状相互接続部に近接して配置され、任意選択で前記放射線不透過性マーカ要素が、前記管状相互接続部に当接して配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記放射線不透過性マーカ要素が、一方の端部で前記管状相互接続部に当接し、他方の端部で前記第2の区分の柔軟毛に当接して、前記第2のワイヤ要素の周りに配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップが、前記管状相互接続部を前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に圧着するステップをさらに含む、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップが、前記管状相互接続部を前記第1のワイヤ要素および/または前記第2のワイヤ要素に、接着剤を使用して取り付けるステップをさらに含む、請求項19から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記管状相互接続部が、コバルトクロム合金から作られる、請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記管状相互接続部が、放射線不透過性材料から作られる、請求項19から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記補強スリーブが放射線不透過性であり、任意選択で、前記補強スリーブが放射線不透過性材料でドープされている、請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含む、請求項19から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記補強スリーブを伸ばすステップをさらに含む、請求項19から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記補強スリーブを伸ばすステップの後に、前記管状相互接続部の全長を覆うように前記補強スリーブが配置される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記補強スリーブがポリマー製収縮チューブであり、前記補強スリーブを固定配置するステップが、前記補強スリーブを加熱して前記補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含む、請求項19から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記補強スリーブを加熱するステップの後に、前記補強スリーブの直径が加熱前よりも小さくなっている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項19から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように固定配置され、前記方法がさらに、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように、もう1つの補強スリーブを固定配置するステップをさらに含む、請求項19から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを伸ばすステップをさらに含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを伸ばすステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の一部分と前記第1のワイヤ要素の一部分とを覆うように配置され、前記もう1つの補強スリーブが、前記管状相互接続部の一部分と前記第2のワイヤ要素の一部分とを覆うように配置される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブがポリマー製収縮チューブであり、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップが、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを加熱して前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含む、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを加熱するステップの後に、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブの直径が加熱前よりも小さくなっている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、前記もう1つの補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項36から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、前記もう1つの補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と、前記放射線不透過性マーカ要素の少なくとも一部分と、前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項36から41のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置であって、前記塞栓用装置が、ステムと、前記ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有しており、前記ステムが、
第1のワイヤ要素と、
第2のワイヤ要素と、
内腔を有し、前記第1のワイヤ要素を前記第2のワイヤ要素に接続する管状相互接続部であって、前記管状相互接続部の前記内腔内に、前記第1のワイヤ要素の遠位端部および前記第2のワイヤ要素の近位端部が配置される、管状相互接続部と、
前記管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように固定配置され、かつ前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分を覆うように固定配置される補強スリーブと
を備えており、
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部よりも低い剛性を有する、塞栓用装置。
【請求項2】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の全長を覆うように配置される、請求項1に記載の塞栓用装置。
【請求項3】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに、締りばめによって固定されている、請求項1または2に記載の塞栓用装置。
【請求項4】
前記補強スリーブが、ポリマー製収縮チューブであり、半径方向に収縮して、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方とに接触している、請求項1からのいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項5】
(i)前記補強スリーブおよび前記管状相互接続部の少なくとも一方が放射線不透過性であること、および
(ii)前記塞栓用装置が前記管状相互接続部に近接して配置される放射線不透過性マーカ要素をさらに備えていること、
の少なくとも一方を特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項6】
前記複数の柔軟毛が、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられている、請求項1からのいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項7】
前記第1の区分の毛が、前記第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在しており、前記第2の区分の毛が、前記第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在している、請求項に記載の塞栓用装置。
【請求項8】
前記管状相互接続部が、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素の少なくとも一方に圧着または取り付けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項9】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように配置され、前記塞栓用装置が、前記管状相互接続部の少なくとも一部分を覆うように配置され、かつ前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分を覆うように配置されたもう1つの補強スリーブを備えている、請求項1からのいずれか一項に記載の塞栓用装置。
【請求項10】
身体内腔における凝塊形成を促進するための、収縮送達構成および拡張展開構成を有する塞栓用装置を組み立てる方法であって、前記塞栓用装置が、ステムと、前記ステムから半径方向外向きに延在している複数の柔軟毛とを有しており、前記ステムが、第1のワイヤ要素と、第2のワイヤ要素とを備えており、前記方法は、
内腔を有する管状相互接続部を使用して、前記管状相互接続部の前記内腔の内側に、前記第1のワイヤ要素の遠位端部および前記第2のワイヤ要素の近位端部を配置することにより、前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップと、
前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とを覆うように、補強スリーブを固定配置するステップと
を含んでおり、
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部よりも低い剛性を有する、方法。
【請求項11】
前記複数の柔軟毛が、第1の区分の柔軟毛と第2の区分の柔軟毛とに分けられている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の区分の毛が、前記第1のワイヤ要素から半径方向外向きに延在し、また前記第2の区分の毛が、前記第2のワイヤ要素から半径方向外向きに延在している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(i)前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記第1および第2のワイヤ要素の少なくとも一方の周りに放射線不透過性マーカ要素を配置するステップをさらに含むこと、
(ii)前記管状相互接続部が、放射線不透過性材料から作られること、および、
(iii)前記補強スリーブが放射線不透過性であること、
の少なくとも一つを特徴とする、
請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップが、前記管状相互接続部を前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素の少なくとも一方に圧着するまたは取り付けるステップをさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のワイヤ要素と前記第2のワイヤ要素とを接続するステップの前に、前記補強スリーブを軸方向に圧縮するステップをさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第1のワイヤ要素と第2のワイヤ要素とを接続するステップの後に、前記補強スリーブを伸ばすステップをさらに含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記補強スリーブがポリマー製収縮チューブであり、前記補強スリーブを固定配置するステップが、前記補強スリーブを加熱して前記補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含む、請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記補強スリーブを固定配置するステップの後に、前記補強スリーブが、前記管状相互接続部と、前記第1のワイヤ要素および前記第2のワイヤ要素のうちの一方または両方の少なくとも一部分とに接触し、これにより締りばめが形成される、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記補強スリーブが、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第1のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように固定配置され、前記方法がさらに、前記管状相互接続部の少なくとも一部分と前記第2のワイヤ要素の少なくとも一部分とを覆うように、もう1つの補強スリーブを固定配置するステップをさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブがポリマー製収縮チューブであり、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを固定配置するステップが、前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを加熱して前記補強スリーブおよび前記もう1つの補強スリーブを半径方向に縮小させるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】