(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】複数の開口を備えた伝導加熱器
(51)【国際特許分類】
H01J 19/16 20060101AFI20220802BHJP
H01J 1/22 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H01J19/16
H01J1/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506607
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 US2020041336
(87)【国際公開番号】W WO2021021410
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019881
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6801 Rockledge Drive, Bethesda, MD 20817, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】エバーソン フランス ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】ソヴリン ランダル ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】サリヴァン レジーナ マリコ
(57)【要約】
一実施形態では、システムは、熱電子エミッタと、熱電子エミッタを少なくとも部分的に取り囲む加熱器とを含む。加熱器は、熱電子エミッタを加熱するように構成される。加熱器は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、各々が第1の端部から第2の端部まで延びる複数の中空絶縁チューブとを含む。また、加熱器は、中空絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤを含む。ヒーターワイヤは、ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードチューブを備えるカソードと、
前記カソードチューブ内に少なくとも部分的に設置された熱電子エミッタと、
前記カソードチューブを取り囲み、前記熱電子エミッタを加熱するように構成され、中空円筒形状であるグラファイト加熱器と、
を備えるシステムであって、
前記グラファイト加熱器は、
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
各々が前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる複数の中空セラミック絶縁チューブと、
前記中空セラミック絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤと、
を備え、前記ヒーターワイヤは、前記ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される、
システム。
【請求項2】
前記複数の中空セラミック絶縁チューブのセラミックは、アルミナ、シェイパル、酸化ハフニウム、窒化ホウ素、及び酸化マグネシウムからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ヒーターワイヤは、高融点金属から形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記高融点金属は、タンタル、レニウム、タングステン、及びモリブデンからなる群から選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記グラファイト加熱器は、少なくとも部分的に反射性金属箔によって取り囲まれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
カソードチューブを備えるカソードと、
前記カソードチューブ内に少なくとも部分的に設置された熱電子エミッタと、
前記カソードチューブを取り囲み、前記熱電子エミッタを加熱するように構成された加熱器と、
を備えるシステムであって、
前記加熱器は、
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
各々が前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる複数の中空絶縁チューブと、
前記中空絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤと、
を備え、前記ヒーターワイヤは、前記ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される、
システム。
【請求項7】
前記加熱器は、中空円筒形状である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記加熱器は、グラファイト、タングステン、レニウム、又はモリブデンからなる群から選択される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の中空絶縁チューブの各々は、セラミックから形成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記セラミックは、アルミナ、シェイパル、酸化ハフニウム、窒化ホウ素、及び酸化マグネシウムからなる群から選択される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ヒーターワイヤは、高融点金属から形成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記高融点金属は、タンタル、レニウム、タングステン、及びモリブデンからなる群から選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記加熱器は、少なくとも部分的に反射性金属箔によって取り囲まれる、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
熱電子エミッタと、
前記熱電子エミッタを少なくとも部分的に取り囲み、前記熱電子エミッタを加熱するように構成された加熱器と、
を備えるシステムであって、
前記加熱器は、
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
各々が前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる複数の中空絶縁チューブと、
前記中空絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤと、
を備え、前記ヒーターワイヤは、前記ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される、
システム。
【請求項15】
前記加熱器は、中空円筒形状である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記加熱器は、グラファイト、タングステン、モリブデン、又はレニウムからなる群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の中空絶縁チューブの各々は、セラミックから形成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記セラミックは、アルミナ、シェイパル、酸化ハフニウム、窒化ホウ素、及び酸化マグネシウムからなる群から選択される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ヒーターワイヤは、高融点金属から形成され、前記高融点金属は、タンタル、レニウム、タングステン、及びモリブデンからなる群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記加熱器は、少なくとも部分的に反射性金属箔によって取り囲まれる、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には加熱器に関し、より具体的には、複数の開口を備えた伝導加熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の装置は、適切な動作のために非常に高い温度に加熱する必要がある。例えば、熱電子エミッタは、プラズマ装置用に十分な電子流を放出するために、1600℃以上に加熱する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような装置のための現在の加熱器は、故障しやすく、その加熱能力には限界があり、修理が困難か又は不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、システムは、カソードチューブを含むカソードと、カソードチューブ内に少なくとも部分的に設置された熱電子エミッタと、カソードチューブを取り囲み、熱電子エミッタを加熱するように構成されたグラファイト加熱器とを含む。グラファイト加熱器は、中空円筒形状である。グラファイト加熱器は、第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部と、各々が第1の端部から第2の端部まで延びる複数の中空セラミック絶縁チューブと、中空セラミック絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤとを含む。ヒーターワイヤは、ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される。
【0005】
別の実施形態では、システムは、カソードチューブを含むカソードと、カソードチューブ内に少なくとも部分的に設置された熱電子エミッタと、カソードチューブを取り囲み、熱電子エミッタを加熱するように構成された加熱器とを含む。加熱器は、第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部と、各々が第1の端部から第2の端部まで延びる複数の中空絶縁チューブと、中空絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤとを含む。ヒーターワイヤは、ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される。
【0006】
別の実施形態では、システムは、熱電子エミッタと、熱電子エミッタを少なくとも部分的に取り囲む加熱器とを含む。加熱器は、熱電子エミッタを加熱するように構成される。加熱器は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、各々が第1の端部から第2の端部まで延びる複数の中空の絶縁チューブとを含む。また、加熱器は、中空絶縁チューブの各々を通過するヒーターワイヤを含む。ヒーターワイヤは、ヒーターワイヤに流れる電流によって抵抗加熱されるように構成される。
【0007】
本開示は、一般的なシステムに比べて多数の技術的利点を提供する。一例として、開示された加熱器は、汎用性があり、修理が容易である。別の例として、開示された加熱器は、熱電子エミッタに改善された加熱を提供することができ、性能能力を向上させることができる。さらに、開示された加熱器の修理可能性は、コスト及び停止時間を削減することができる。いくつかの実施形態では、加熱器はカソードチューブに直接統合することができ、これにより、性能の向上、部品数の減少、及びコストの削減がもたらされる。
【0008】
他の技術的利点は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲の記載から当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、本明細書では特定の利点が列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点の全て、一部、又はいずれも含まない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】特定の実施形態による例示的なカソードを示す。
【
図2】特定の実施形態による
図1のカソードと共に使用することができる例示的な加熱器を示す。
【
図3】特定の実施形態による
図2の加熱器の端面図を示す。
【
図4】特定の実施形態による
図2の加熱器の断面図を示す。
【
図5】特定の実施形態による
図2の加熱器に設置されたワイヤを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
熱電子エミッタは、多くの異なるプラズマ装置にとって重要な電子流を放出するために使用される。例えば、熱電子エミッタは、電子源、プラズマ源、及び宇宙船の電気推進装置(例えば、イオンスラスタ)で使用されるカソードの重要な構成要素である。熱電子エミッタは、十分な電子流を放出するために、非常に高い温度(例えば1600℃)に加熱する必要がある。高い温度は、より多くの電子放出、達成可能な大きな電流、及び良好なプラズマ装置の性能につながる。高い放出電流は、必要な絶縁破壊電圧を下げ、プラズマの高速ターンオンにも重要である。
【0011】
熱電子エミッタを利用する装置は、一般的に、熱電子エミッタを放出温度まで加熱する加熱器を含む。しかしながら、一般的な加熱器(例えば、コイル加熱器)は故障しやすく、一般的にその温度加熱能力が制限される(例えば、一般的には約1700℃に制限される)。さらに、多くの加熱器の設計は、修理が非常に困難であるか又は完全に修復不可能である。
【0012】
熱電子エミッタ用の一般的な加熱器の上記及び他の課題に対処するために、開示された実施形態は、単純な設計及び材料の適切な選択によって、修理が容易であると同時に、より高い温度で動作することができる加熱器を提供する。いくつかの実施形態では、熱電子エミッタ用の加熱器は、高温セラミック絶縁体を保持するために使用される複数の開口を備えたグラファイトチューブである。いくつかの実施形態では、グラファイトチューブには複数の穴/開口が穿設され、セラミック絶縁体チューブのホルダとして機能する。いくつかの実施形態では、これらのセラミック絶縁体は、高融点金属のヒーターワイヤを収容する。ヒーターワイヤは、このヒーターワイヤを流れる電流によって抵抗加熱され、結果的に、電気絶縁体、グラファイトチューブ、及び最終的には熱電子エミッタを加熱することができる。ヒーターワイヤは、場合によっては、ヒーターワイヤの所望の抵抗値を得るために、セラミックチューブの各々を出たり入ったりして蛇行する。場合によっては、加熱器の周りは、加熱器の効率を上げるために反射箔で取り囲まれる。
【0013】
本開示の理解を深めるために、特定の実施形態の例を以下に示す。以下の例は、決して本開示の範囲を制限するか又は定義するように解釈されるべきではない。本開示の実施形態及びその利点は、同様の番号が同様の要素及び対応する要素を示すために使用される添付図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0014】
図1は、本開示の実施形態による例示的なカソード100を示す。いくつかの実施形態では、カソード100は、加熱器110、カソードチューブ120、及びカソードチューブ120内に部分的に又は完全に設置される熱電子エミッタ130を含む。いくつかの実施形態では、加熱器110は、カソードチューブ120を部分的に又は完全に取り囲む。他の実施形態では、加熱器110はカソードチューブ120内に統合される。
【0015】
一般に、カソード100は、電子源、プラズマ源、又は宇宙船の電気推進装置(例えば、イオンスラスタ)などの装置で使用することができる。加熱器110は、イオンスラスタなどのプラズマ装置で使用される電子流を熱電子エミッタ130から生成するために、熱電子エミッタ130を加熱する。以下でより詳細に説明するように、ヒーターワイヤ114は、熱電子エミッタ130を加熱して熱電子エミッタ130から所望の電子流を生成するために、加熱器110の絶縁チューブ112を通る。しかしながら、他の一般的な加熱器とは異なり、加熱器110は、単純な設計と適切な材料の選択により、より大きな加熱容量を可能する構成を提供しかつ非常に容易に修理することができる。その結果、加熱器110は、カソード100のような装置の性能を向上させ、コスト及び運転停止時間を削減するのに役立つ。
【0016】
図2は、特定の実施形態による、
図1のカソード100と共に使用することができる例示的な加熱器110を示す。加えて、
図3は、特定の実施形態による、加熱器110の端面図を示し、
図4は、加熱器110の断面図を示し、
図5は、加熱器110に設置されたヒーターワイヤ114を示す。
図2-3に示されるように、加熱器110のいくつかの実施形態は、中空円筒形状である。他の実施形態では、加熱器110は、何らかの他の適切な形状とすることができる。いくつかの実施形態では、加熱器110は、カソード100(例えば、カソードチューブ120)を部分的に又は完全に取り囲む。加熱器110の表面118が加熱され、それによって熱電子エミッタ130が適切に動作するように加熱される。
【0017】
加熱器110は、ヒーターワイヤ114を保持する複数の絶縁チューブ112を含む。例えば、加熱器110の図示の実施形態は、8つの絶縁チューブ112(112A-112H)を含む。しかしながら、他の実施形態では、加熱器110は、特定の設計及び加熱要件によって必要とされる何らかの他の適切な数の絶縁チューブ112を有することができる。加えて、絶縁チューブ112の特定の配置が図示されているが、他の何らかの適切な配置を使用することができる。加熱器110は、グラファイト、タングステン、レニウムなどから部分的に又は全体的に形成することができる。
【0018】
一般に、絶縁チューブ112は、加熱器110の第1の端部210から加熱器110の第2の端部220まで延在する。第2の端部220は、第1の端部210とは反対側にある。各絶縁チューブ112は、セラミックなどの絶縁材料から形成され、ヒーターワイヤ114のための空間116を含む。いくつかの実施形態では、絶縁チューブ112は中空円筒形状であり、空間116は円柱形状である。しかしながら、絶縁チューブ112及び空間116のための何らかの他の適切な形状を使用することができる。一般的に、加熱器設計における動作不良は、主にセラミック絶縁体の破壊によって引き起こされる。しかしながら、加熱器110は、故障時に絶縁チューブ112及びヒーターワイヤ114を取り外して新しいものを挿入するだけで、簡単に修理することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、絶縁チューブ112は、部分的に又は全体的にセラミックから形成される。いくつかの実施形態では、セラミックは、アルミナ、シェイパル(Shapal)、酸化ハフニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、又は他の適切な絶縁材料とすることができる。いくつかの実施形態では、使用されるセラミックは、特定の温度範囲に合わせて選択される。例えば、アルミナは1650℃未満の温度に使用すること、シェイパルは1900℃までの温度に使用すること、酸化ハフニウムは2700℃までの温度に使用することができる。
【0020】
ヒーターワイヤ114は、一般に、ヒーターワイヤ114を通過する電流によって抵抗加熱される何らかの適切な金属である。いくつかの実施形態では、ヒーターワイヤ114は、タンタル、レニウム、タングステンなどの何らかの適切な高融点金属である。例えば、絶縁チューブ112がアルミナ絶縁である場合には、ヒーターワイヤ114にタンタルを使用することができるが、絶縁チューブ112がシェイパル、酸化ハフニウム、又は窒化ホウ素である場合には、レニウムワイヤを使用することができる。別の例として、ホウ素の拡散による脆化を防ぐために、絶縁チューブ112がシェイパル及び窒化ホウ素である場合には、ヒーターワイヤ114にレニウムを使用することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、ヒーターワイヤ114は、
図5に最もよく示されているように、加熱器110の各絶縁チューブ112を通って前後に蛇行する。この例では、ヒーターワイヤ114は、絶縁チューブ112Aを通って加熱器110の第2の端部220に入り、第1の端部210で絶縁チューブ112Aを出るところまで絶縁チューブ112Aを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第1の端部210で絶縁チューブ112Bに入り、第2の端部220で絶縁チューブ112Bから出るところまで絶縁チューブ112Bを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第2の端部220で絶縁チューブ112Cに入り、第1の端部210で絶縁チューブ112Cから出るところまで絶縁チューブ112Cを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第1の端部210で絶縁チューブ112Dに入り、第2の端部220で絶縁チューブ112Dから出るところまで絶縁チューブ112Dを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第2の端部220で絶縁チューブ112Eに入り、第1の端部210で絶縁チューブ112Eから出るところまで絶縁チューブ112Eを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第1の端部210で絶縁チューブ112Fに入り、第2の端部220で絶縁チューブ112Fから出るところまで絶縁チューブ112Fを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第2の端部220で絶縁チューブ112Gに入り、第1の端部210で絶縁チューブ112Gから出るところまで絶縁チューブ112Gを通って移動する。次に、ヒーターワイヤ114は、第1の端部210で絶縁チューブ112Hに入り、第2の端部220で絶縁チューブ112Hから出るところまで絶縁チューブ112Hを通って移動する。
【0022】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、1又は2以上のセラミックビーズ140は、ヒーターワイヤ114の露出部分を保護するために使用することができる。特に、図示のように、1又は2以上のセラミックビーズ140は、加熱器110の両端(例えば、第1の端部210及び第2の端部220)でヒーターワイヤ114の露出部分を部分的に又は完全に覆うために使用することができる。セラミックビーズ140には、何らかの適切な絶縁材料を使用することができる。加えて、何らかの適切な形状及び数のセラミックビーズ140を使用することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、
図3-4に示されるような金属箔310は、加熱器110の効率を高めるために使用することができる。いくつかの実施形態では、金属箔310は、タンタル、タングステン、又は他の高融点金属などの何らかの適切な反射性金属材料である。いくつかの実施形態では、加熱器110は、カソードチューブ120に設置される別個の構成要素である。他の実施形態では、加熱器110は、カソードチューブ120に直接形成することができる。加熱器110がカソードチューブ120に直接形成される実施形態では、絶縁チューブ112のための穴は、カソードチューブ120に直接穿設することができる。その後、絶縁チューブ112は、穿設された穴に挿入することができる。このことは、部品点数の削減、熱的接触の向上、及びカソード100の設計の簡素化という追加の利点をもたらす。
【0024】
本明細書では、「又は」は、明示的にそのように定められない限り又は文脈によってそのように定められない限り、包括的であり、排他的ではない。従って、本明細書では、「A又はB」は、明示的にそのように定められない限り又は文脈によってそのように定められない限り、「A、B、又は両方」を意味する。さらに、「及び」は、明示的にそのように定められない限り又は文脈によってそのように定められない限り、結合及び各自(joint and several)の両方を意味する。従って、本明細書では、「A及びB」は、明示的にそのように定められない限り又は文脈によってそのように定められない限り、「A及びBを合わせて又はそれぞれ独自に」を意味する。
【0025】
本開示の範囲は、本明細書に記載又は図示された当業者が理解する例示的な実施形態の全ての変更例、置換例、変形例、代替例、及び修正例を含む。本開示の範囲は、本明細書で説明又は図示された例示的な実施形態に限定されない。さらに、本開示では、特定の構成要素、特徴、機能、作用、又はステップを含むものとして本明細書でそれぞれの実施形態を説明及び図示するが、これらの実施形態のいずれも、本明細書の何らかの場所で説明又は図示されて当業者が理解する構成要素、特徴、機能、作用、又はステップの何らかの組み合わせ又は順列を含むことができる。さらに、特許請求の範囲において、特定の機能を実行するように適合され、配置され、特定の機能を実行することができ、そのように構成され、そのように実施可能であり、そのように動作可能であり、又はそのようの動作する装置もしくはシステム、又は装置もしくはシステムの構成要素の参照は、装置、システム、又は構成要素がそのように適合され、配置され、特定の機能を実行することができ、そのように構成され、そのように実施可能であり、そのように動作可能であり、又はそのようの動作する限り、特定の機能を起動させ、作動させ、又はロック解除するか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を含む。
【国際調査報告】