(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-09
(54)【発明の名称】塞栓保護カテーテルならびに関連のデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/01 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A61F2/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516589
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 US2020018140
(87)【国際公開番号】W WO2020242545
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521512907
【氏名又は名称】イーエムストップ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】グロー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】バッケルズ,シナモン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,イエン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM37
(57)【要約】
塞栓物質捕捉カテーテルおよび関連デバイスは、外部足場部分と内部フィルタ部分とを含む塞栓物質捕捉エレメントを含む。外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分と、外部足場中間部分とを有する。外部足場部分は、塞栓物質捕捉エレメントの展開中に自己拡張するように構成される。外部足場部分は、展開されると、外部足場遠位端部分が外部足場遠位端部分外径を有し、かつ外部足場中間部分が、外部足場遠位端部分外径より小さい外部足場中間部分外径を有する段付きの外径プロファイルを有する。
【選択図】
図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塞栓物質捕捉カテーテルであって、
外部シースルーメンを画定する外部シースと、
前記外部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、内部シースルーメンを画定する内部シースであって、前記内部シースは、内部シース遠位端部分を有する、内部シースと、
血管内で前進するための挿入形状および前記血管を介する塞栓物質の流れを阻止するための展開形状を有する塞栓物質捕捉エレメントと、を備え、前記塞栓物質捕捉エレメントは、外部足場部分と内部フィルタ部分とを備え、前記外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分と、前記外部足場近位端部分と前記外部足場遠位端部分との間を延びる外部足場中間部分とを有し、前記外部足場近位端部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着され、前記外部足場部分は、前記塞栓物質捕捉カテーテルが前記挿入形状から前記展開形状へと再構成される間に、自己拡張して前記外部シース遠位端部分が血管内面と係合するように構成され、前記内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有し、前記内部フィルタ近位端部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着され、前記内部フィルタ部分は、前記内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成され、前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分と結合され、かつ、前記外部足場部分は、前記展開形状において、前記外部足場遠位端部分が外部足場遠位端部分外径を有し、かつ前記外部足場中間部分が、前記外部足場遠位端部分外径より小さい外部足場中間部分外径を有する段付きの外径プロファイルを有する、塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項2】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記外部足場部分の遠位端部分を前記内部フィルタ部分の遠位端部分と結合させる中間部分を備える、請求項1に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項3】
前記内部フィルタ部分は、前記展開形状において、前記外部足場部分から、介在する環状空間により分離される、請求項2に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項4】
前記中間部分は、前記中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項5】
前記中間部分は、非多孔質である、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項6】
前記中間部分は、血流を前記内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項7】
前記外部足場部分、前記中間部分および前記内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項8】
前記中間部分へ付着される遠位端シートをさらに備え、前記遠位端シートは、前記中間部分を介して流れる塞栓物質の流れを阻止するように構成される、請求項7に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項9】
前記遠位端シートは、非多孔質である、請求項8に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項10】
前記遠位端シートは、前記遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する、請求項8に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項11】
前記外部足場部分は、前記血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを備える、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項12】
拡張器シースと展開キャップアセンブリとを含む拡張器アセンブリをさらに備え、前記拡張器シースは、前記内部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、拡張器シースルーメンを画定し、前記展開キャップアセンブリは、前記拡張器シースルーメン内に摺動可能に配置され、
前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、前記挿入形状において前記拡張器アセンブリにより押さえられ、
前記塞栓物質捕捉エレメントの前記遠位端部分は、前記拡張器アセンブリによる前記塞栓物質捕捉エレメントの前記遠位端部分の解放に応答して、前記拡張器シースに対する前記展開キャップアセンブリの遠位前進を介して前記展開形状へと半径方向に拡張し、かつ、
前記拡張器アセンブリは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記展開形状にある間に、前記内部シースに対する前記拡張器アセンブリの近位後退を介して前記内部シースルーメンから取外しが可能である、請求項1に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項13】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状であるときに、前記拡張器シースの外面に合致する、請求項12に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項14】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に、前記拡張器アセンブリを介して前記塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって前記挿入形状に保持される、請求項13に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項15】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状である状態で、前記外部シースの遠位に配置可能である、請求項13に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項16】
前記内部フィルタ部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着される、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項17】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、形状記憶材料を含む、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項18】
前記塞栓物質捕捉エレメントが前記展開形状である間に、前記内部シースルーメンを介して塞栓物質を抜き取るように動作可能な塞栓物質抽出デバイスと結合されるべく適合化される、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項19】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記展開形状から、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記外部シースルーメン内に配置される被捕捉形状へと、前記外部シースに対する前記内部シースの近位後退を介して再構成可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項20】
前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分へ、前記外部足場部分の全長に沿って付着される、請求項1~15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項21】
前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分へ、前記外部足場部分の全長に沿って付着される、請求項1~15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項22】
前記内部シースは、前記展開形状において、前記内部シースルーメンへの治療カテーテルの挿入、および前記治療カテーテルの遠位部分の、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位にあるポジションへの前進に対応し、かつ、
前記治療カテーテルの前記遠位部分は、外科的タスクを達成するように適合化される、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項23】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記展開形状において、患者の大動脈と接触し、かつ前記塞栓物質捕捉エレメントを通過して前記患者の大動脈を流れる塞栓物質の流れを実質的に阻止するように適合化され、かつ、
前記治療カテーテルは、人工大動脈弁を展開するように適合化される、請求項22に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月24日に提出された米国出願第16/422,532号明細書の出願の利益を主張するものであり、該出願の内容はあらゆる目的でその全体が開示に含まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、患者の虚弱さまたは関連する高い手術危険度に起因して外科的大動脈弁置換術(SAVR)に適格でない患者での使用が検証されている、重度の大動脈弁狭窄症の治療として実証されている方策である。自己拡張型またはバルーン拡張型生体弁を用いるTAVRは、米国において、選択された患者での商業的使用がFDAにより承認されている。TAVRは、急速に、伝統的な外科的大動脈弁置換術が施された場合には死亡のリスクが高まると考えられる患者で大動脈弁狭窄症を治療する選択方法となりつつある。しかしながら、現在TAVRを選択されている患者は、ほとんどの場合が虚弱かつ幾つかの併存疾患を有する高齢者である。大腿動脈は、概して、大動脈弁へアクセスするための第1の選択肢である。しかしながら、重篤な動脈閉塞性疾患を患う患者の場合、回腸大腿系の顕著な蛇行、および/または重大なリスクを孕む生来の大動脈内のアテローム性プラーク、および/または動脈瘤疾患は、大腿アクセスに対して重大なリスクを呈し得、よって、代替アクセスによるTAVRが好ましい。数年前には、ある代替経路が、左側開胸術により露出された左心室の心尖部を経由する経心尖(TA)アプローチの形で提案されている。しかしながら、TAアプローチは、潜在的な肺機能不全を有する患者の左胸を開くことを必要とし、よって、出血合併症の割合が、従来の経大腿(TF)アプローチ後に観察されるものより高くなることがある。コンプロマイズされた末梢動脈血管アクセスに対するさらに別の代替法の探索では、2010年以来の限られた数の症例における、直接的な経大動脈(TAo)ルートが記述されている。最近の報告では、TAoルート経由で実行された症例は、2013年までに実行されたTAVR症例の僅か4%であった。
【0003】
[0003]結果は、TAVRに励みとなるものになっているが、発作のリスクは、SAVRより遙かに高いことが実証されている。臨床的に観察される発作(CVA)は、TAVRに固有の塞栓事象の有病率を過小評価している。TAVRの間、ステントおよび埋め込まれた弁の拡張(バルーン使用の有無に関わりなく)は、生来の弁の圧縮、および動脈樹において遠位を移動する組織および粒子状物質の遊離をもたらす半径方向の弁尖変位を生じさせる。デブリの一部は、大脳血管の末端枝に留まり、脳卒中の新たな発症を証拠づけるものとなる。TAVR時に放出される他のデブリは、末梢循環、腎循環、冠循環および腸間膜循環の血管内に留まる。これらの患者は、腎不全、腸間膜虚血、末梢虚血および/または心筋梗塞の臨床シナリオを明らかにし得る。他の患者には、急性の臨床的悪化が起きない可能性はあるが、亜臨床的塞栓事象に関連する機能障害の蓄積に起因する遅発効果を被り得る。TAVR中の塞栓事象の発生は、より広範囲の低リスク患者グループへのこの技術の提供に対して大きな障害となる。
【0004】
[0004]塞栓保護に関しては、幾つかの異なるアプローチが開発されている。既存の塞栓保護デバイスは、主として、塞栓物質を腕頭血管からそらすように、または、腕頭血管内の塞栓物質を捕捉するように適合化されている。これらの既存の塞栓保護デバイスには、幾つかの難点がある。第1に、デバイスの展開は、追加の時間を要し、よって、弁埋め込み処置の性能と相克する可能性がある。第2に、デバイスの展開は、さらなる血管外傷および塞栓物質の遊離をもたらし得る。第3に、デバイスの展開は、困難であって、展開を安定させれば、保護の信頼性が不十分なものとなり得る。第4に、デバイスは、脳を全ての血流源から保護するわけではなく、特に、後大脳血流はフィルタリングされない。第5に、依然として、腸管、腎臓および/または末梢の虚血腸発現、腎不全および/または末梢虚血をもたらし得る全身性塞栓症が起こり得る。第6に、近位塞栓術に起因して、冠動脈塞栓および心筋梗塞が起こり得る。
【発明の概要】
【0005】
[0005]以下、本発明の基本的理解を提供するために、本発明の幾つかの実施形態の簡単な概要を提示する。この概要は、本発明の広範囲にわたる概観ではない。本発明の重要/決定的な要素を特定すること、または、本発明の範囲を線引きすることは、意図されていない。その目的は、単に、本発明の幾つかの実施形態を、後述するより詳細な説明の前置きとして簡略化した形で提示することにある。
【0006】
[0006]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、治療部位から剥離されて血管を下流へ流れる塞栓物質を捕捉し、これにより、付随する塞栓症を防止するために、治療部位の下流の血管内に展開可能な一体型の塞栓物質捕捉エレメントを含む。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントの展開は、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分が遠位へ遠位端部分に向かって前進される間に、遠位端部分が折り畳まれた形状に保持され、これにより塞栓物質捕捉エレメントの中間部分を拡張する、初期の展開段階を含む。多くの実施形態では、塞栓物質捕捉エレメントの中間部分の拡張に続いて、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分が解放され、自己拡張して血管と係合する。実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメントは、塞栓物質捕捉エレメントに加えられる軸方向の張力によって挿入形状であることを強いられ、これにより、塞栓物質捕捉エレメントを挿入形状に保持する保持シースが不要であるという理由で、塞栓物質捕捉カテーテルが縮小された直径および/または増大された可撓性を有することが可能にされる。塞栓物質捕捉カテーテルは、任意の適切な処置において使用されるように適合化されることが可能である。たとえば、塞栓物質捕捉カテーテルは、人工大動脈弁の埋込み中に剥離される塞栓物質を捕捉するために、一体型の塞栓物質捕捉エレメントが患者の大動脈弁より下流の患者の大動脈内に展開される人工大動脈弁の埋込み中に使用されることが可能である。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、展開される塞栓物質捕捉エレメントより上流の埋込み部位まで人工弁を前進させるために、人工弁の送達カテーテルを挿入することができるルーメンを含む。多くの実施形態において、ルーメンは、塞栓物質捕捉エレメントにより捕捉される塞栓物質の抽出物を収容するように構成される。大腿動脈を介して挿入するサイズである実施形態などの実施形態によっては、人工弁の送達カテーテルがルーメン内に収容されている間に、塞栓物質捕捉カテーテルのルーメンを介して塞栓物質を除去することは不可能であり得る。このような実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルのルーメンを介する塞栓物質の除去は、人工弁送達カテーテルの、塞栓物質捕捉カテーテルのルーメンからの取外しに続いて達成されることが可能である。塞栓物質捕捉カテーテルならびに関連する治療カテーテル、デバイスおよび方法は、人工大動脈弁の正確な位置合わせを可能にする任意の適切なアクセス(大腿動脈、直接大動脈アクセス、腕頭動脈、鎖骨下動脈、腋窩動脈または頸動脈を含む、但しこれらに限定されない)を介するTAVRでの使用に特に適する。
【0007】
[0007]したがって、ある態様において、塞栓物質捕捉カテーテルは、外部シースと、内部シースと、塞栓物質捕捉エレメントと、拡張器アセンブリとを含む。外部シースは、外部シースのルーメンを画定する。内部シースは、外部シースのルーメン内に摺動可能に配置され、内部シースのルーメンを画定する。塞栓物質捕捉エレメントは、近位端部分と、遠位端部分とを有する。近位端部分は、内部シースの遠位端部分へ付着される。塞栓物質捕捉エレメントは、挿入形状と、中間展開形状と、および完全展開形状とを有する。塞栓物質捕捉エレメントは、完全展開形状において、血管内面とインタフェースするように適合化される。実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメントは、外部支持エレメントと、外部支持エレメントへ付着される内部フィルタエレメントとで構成される。外部支持エレメントは、半径方向に拡張して塞栓物質の通り抜けを阻止すべき血管壁と接触する1つまたは複数の部材を含むことが可能である。内部フィルタエレメントは、特定のサイズを超える塞栓が濾過デバイスまたは濾過膜を通過することを防止するように構成される濾過デバイスまたは濾過膜を含むことが可能である。外部支持エレメントは、内部フィルタエレメントが機能するためのフレームワークおよび安定性を提供するように構成されることが可能である。塞栓物質捕捉エレメントは、塞栓物質捕捉エレメントを通過して血管を流れる塞栓物質の流れを阻止するように適合化される。拡張器アセンブリは、拡張器シースと、展開キャップアセンブリとを含む。拡張器シースは、内部シースのルーメン内に摺動可能に配置され、拡張器シースのルーメンを画定する。展開キャップアセンブリは、拡張器シースのルーメン内に摺動可能に配置される。塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、拡張器アセンブリによって挿入形状および中間展開形状に押さえられる。塞栓物質捕捉エレメントの中間部分は、拡張器アセンブリによって押さえられている塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に向かう内部シースの遠位前進を介して、挿入形状から中間展開形状へと半径方向に拡張する。塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、拡張器アセンブリによる拡張器シースと相対的な展開キャップアセンブリの遠位前進を介する、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分の解放に応答して、中間展開形状から完全展開形状へと半径方向に拡張する。拡張器アセンブリは、塞栓物質捕捉エレメントが完全展開形状にある間に、内部シースに対する拡張器アセンブリの近位後退を介して内部シースのルーメンから取外し可能である。
【0008】
[0008]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、患者からの引抜きのために、完全展開形状から折り畳まれた被捕捉形状へ再構成されることが可能である。たとえば、多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、完全展開形状から、塞栓物質捕捉エレメントが外部シースルーメン内に配置される被捕捉形状へと、外部シースに対する内部シースの近位後退を介して再構成可能である。
【0009】
[0009]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、周囲に保持シースのない挿入形状で保持され、これにより、塞栓物質捕捉カテーテルが、周囲に保持シースを含む塞栓物質捕捉カテーテルより低減された直径を有し、かつ/または増大された可撓性を有することが可能にされる。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、塞栓物質捕捉エレメントが挿入形状であるとき、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分から塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分まで、拡張器シースの外面に合致する。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に延在する外面を有する。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントの外面は、塞栓物質捕捉エレメントが挿入形状である状態で、外部シースの遠位に配置可能である。
【0010】
[0010]実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に形状記憶材料から作製される。実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に、拡張器アセンブリおよび内部シースを介して塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって挿入形状に保持される。
【0011】
[0011]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、完全展開形状において、適切な治療カテーテルと共に塞栓物質捕捉エレメントの上流で外科的タスクを実行すべく使用されるように適合化される。たとえば、多くの実施形態において、内部シースは、完全展開形状において、内部シースルーメンへの治療カテーテルの挿入、および治療カテーテルの遠位部分の、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に対して遠位のポジションへの前進に対応する。多くの実施形態において、治療カテーテルの遠位端部分は、外科的タスクを達成するように適合化される。
【0012】
[0012]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、人工大動脈弁の埋込み中に用いるように適合化される。たとえば、多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、完全展開形状において、患者の大動脈とインタフェースし、かつ塞栓物質捕捉エレメントを通過して患者の大動脈を流れる塞栓物質の流れを略阻止するように適合化される。多くの実施形態において、治療カテーテルは、人工大動脈弁を展開するように適合化される。
【0013】
[0013]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、血管を介して流れる塞栓物質を血液から除去するように適合化される。たとえば、多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、濾過膜を介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化される濾過膜を含む。実施形態によっては、塞栓物質捕捉カテーテルは、塞栓物質捕捉エレメントが完全展開形状である間に内部シースルーメンを介して塞栓物質を抜き取るように動作可能な塞栓物質抽出デバイスと結合されるべく適合化される。
【0014】
[0014]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、外部足場部分と、内部フィルタ部分と、中間部分とを含む。外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分とを有する。外部足場近位端部分は、フィルタシース遠位端部分へ付着される。外部足場部分は、塞栓物質捕捉カテーテルが押さえられた挿入形状から展開形状へと再構成される間に、自己拡張して血管内面と係合するように構成される。内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有する。内部フィルタ近位端部分は、フィルタシース遠位端部分へ付着される。内部フィルタ部分は、内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される。内部フィルタ遠位端部分は、外部足場遠位端部分と、中間部分を介して結合される。多くの実施形態において、内部フィルタ部分は、展開形状において、外部足場部分から、介在する環状空間により分離される。実施形態によっては、中間部分は、中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される。実施形態によっては、中間部分は、非多孔質である。多くの実施形態において、中間部分は、血流を内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する。
【0015】
[0015]実施形態によっては、外部足場部分、中間部分および内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である。このような実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、中間部分に付着される、中間部分を介して流れる塞栓物質を阻止するように構成された遠位端シートを含むことが可能である。実施形態によっては、遠位端シートは、非多孔質である。実施形態によっては、遠位端シートは、遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する。
【0016】
[0016]多くの実施形態において、外部足場遠位端部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される。たとえば、多くの実施形態において、外部足場部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを含む。
【0017】
[0017]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、完全展開形状において、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分までの血管との略隔離接触により、挿入形状から完全展開形状への展開を強化するように構成される、段付きの外径プロファイルを有する。たとえば、多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントの中間部分は、完全展開形状において中間部分外径を有し、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、完全展開形成において遠位端部分外径を有し、かつ中間部分外径は、遠位端部分外径より小さい。
【0018】
[0018]別の態様では、塞栓物質捕捉エレメントの展開方法が提供される。本方法は、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分を、内部シースルーメンを有する内部シースの遠位端部分への付着を介して拘束することを含む。塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、塞栓物質捕捉エレメントの挿入形状、および塞栓物質捕捉エレメントの中間展開形状において、遠位端部分と、内部シースルーメンを介して延びる拡張器アセンブリとの係合によって拘束される。塞栓物質捕捉エレメントは、挿入形状において、血管を介して前進される。塞栓物質捕捉エレメントは、挿入形状から中間展開形状へと、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に配置される塞栓物質捕捉エレメントの中間部分を、拡張器アセンブリにより拘束される塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に向かう内部シースの遠位前進によって拡張することにより、再構成される。塞栓物質捕捉エレメントは、中間展開形状から完全展開形状へと、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分を拡張器アセンブリとの係合から解放するための拡張器アセンブリの再構成、および塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分の自己拡張を介して、再構成される。
【0019】
[0019]多くの実施形態において、本方法は、塞栓物質捕捉エレメントの患者からのより能率的な抽出を可能にするように塞栓物質捕捉エレメントを捕捉することを含む。たとえば、多くの実施形態において、本方法は、塞栓物質捕捉エレメントを完全展開形状から被捕捉形状へと、外部シースの外部シースルーメン内部で塞栓物質捕捉エレメントを後退させるための、外部シースに対する内部シースの近位後退を介して再構成することを含む。
【0020】
[0020]本方法の多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、周囲に保持シースのない挿入形状で保持され、これにより、塞栓物質捕捉カテーテルが、周囲に保持シースを含む塞栓物質捕捉カテーテルより低減された直径を有し、かつ/または増大された可撓性を有することが可能にされる。本方法の多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、塞栓物質捕捉エレメントが挿入形状であるとき、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分から塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分まで、拡張器アセンブリの外面に合致する。本方法の多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に延在する外面を有する。本方法の多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントの外面は、挿入形状において、塞栓物質捕捉エレメントが血管を通って前進される場合に外部シースの遠位に配置可能である。
【0021】
[0021]本方法の実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に形状記憶材料から作製される。実施形態によっては、本方法は、塞栓物質捕捉エレメントを、少なくとも部分的に拡張器アセンブリおよび内部シースを介して塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって挿入形状に保持することを含む。
【0022】
[0022]本方法の多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、完全展開形状において、適切な治療カテーテルと共に塞栓物質捕捉エレメントの上流で外科的タスクを実行するために使用される。たとえば、多くの実施形態において、方法は、完全展開形状において、治療カテーテルの遠位部分を、内部シースルーメンを介して、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に対して遠位のポジションまで前進させることを含む。多くの実施形態において、本方法は、完全展開形状において、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端に対する遠位で治療カテーテルを介して外科的タスクを達成することを含む。多くの実施形態において、本方法は、完全展開形状の塞栓物質捕捉エレメントを患者の大動脈と接触させることと、患者の大動脈を介して塞栓物質捕捉エレメントを通過する塞栓物質の流れを阻止することと、治療カテーテルの遠位端部分から人工大動脈弁を展開すること、を含む。
【0023】
[0023]多くの実施形態において、本方法は、血管を介して流れる血液から塞栓物質を除去することを含む。たとえば、多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメントは、濾過膜を含み、かつ本方法は、血管を通り濾過膜を介して流れる血液から塞栓物質を濾過することを含む。実施形態によっては、本方法は、塞栓物質捕捉エレメントが完全展開形状である間に、内部シースルーメンを介して塞栓物質を抽出することを含む。
【0024】
[0024]別の態様において、塞栓物質捕捉カテーテルは、フィルタシースと、フィルタアセンブリとを含む。塞栓物質捕捉カテーテルは、押さえられた挿入形状と、展開形状とを有する。フィルタシースは、内部ルーメンと、フィルタシース遠位端部分とを有する。フィルタアセンブリは、フィルタシース遠位端部分へ付着される。フィルタアセンブリは、外部足場部分と、内部フィルタ部分と、中間部分とを含む。外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分とを有する。外部足場近位端部分は、フィルタシース遠位端部分へ付着される。外部足場部分は、塞栓物質捕捉カテーテルが押さえられた挿入形状から展開形状へと再構成される間に、自己拡張して血管内面と係合するように構成される。内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有する。内部フィルタ近位端部分は、フィルタシース遠位端部分へ付着される。内部フィルタ部分は、内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される。内部フィルタ遠位端部分は、外部足場遠位端部分と、中間部分を介して結合される。多くの実施形態において、内部フィルタ部分は、展開形状において、外部足場部分から、介在する環状空間により分離される。実施形態によっては、中間部分は、中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される。実施形態によっては、中間部分は、非多孔質である。多くの実施形態において、中間部分は、血流を内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する。
【0025】
[0025]実施形態によっては、外部足場部分、中間部分および内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である。このような実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテルは、中間部分に付着される、中間部分を介して流れる塞栓物質を阻止するように構成された遠位端シートを含むことが可能である。実施形態によっては、遠位端シートは、非多孔質である。実施形態によっては、遠位端シートは、遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する。
【0026】
[0026]多くの実施形態において、外部足場遠位端部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される。たとえば、多くの実施形態において、外部足場部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを含む。
【0027】
[0027]別の態様において、塞栓物質捕捉カテーテルは、フィルタシースと、フィルタアセンブリとを含む。塞栓物質捕捉カテーテルは、押さえられた挿入形状と、展開形状とを有する。フィルタシースは、内部ルーメンと、フィルタシース遠位端部分とを有する。フィルタアセンブリは、フィルタシース遠位端部分へ付着される。フィルタアセンブリは、外部足場部分と、内部フィルタ部分とを含む。外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分とを有する。外部足場近位端部分は、フィルタシース遠位端部分へ付着される。外部足場部分は、塞栓物質捕捉カテーテルが押さえられた挿入形状から展開形状へと再構成される間に、自己拡張して血管内面と係合するように構成される。内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分を有する。内部フィルタ部分は、外部足場部分へ付着される。内部フィルタ部分は、内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される。実施形態によっては、内部フィルタ部分は、外部足場部分へ、外部足場部分の全長に沿って付着される。
【0028】
[0028]本発明の性質および利点をより完全に理解するために、以下の詳細な説明および添付の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】多くの実施形態による、患者の血管へ挿入しかつ該血管を通って前進させるための挿入形状における塞栓物質捕捉カテーテルを示す。
【
図2】挿入形状における、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの遠位部分を示す。
【
図3】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの中間部分の初期拡張状態を示す。
【
図4】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの中間部分の中間拡張状態を示す。
【
図5】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの中間部分の最大拡張状態を示す。
【
図6】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの遠位端の、
図5の形状に対する展開キャップの遠位前進による解放を示す。
【
図7】挿入形状における、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの遠位部分を示す。
【
図8】展開キャップが
図6の形状である状態の、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの遠位部分を示す。
【
図9】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの、
図6の形状からの継続的な自己拡張を示す。
【
図10】完全に拡張された
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントを示す。
【
図11】塞栓物質捕捉エレメントが完全に展開され、拡張器が除去されて、展開された塞栓物質捕捉エレメントの上流で外科的タスクを実行すべく治療カテーテルを挿入する準備が整った状態である、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルを示す。
【
図12】塞栓物質捕捉エレメントが患者の大動脈内で完全に展開され、拡張器が除去されて、展開された塞栓物質捕捉エレメントの上流で外科的タスクを実行すべく治療カテーテルを挿入する準備が整った状態である、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルを示す。
【
図13】塞栓物質捕捉エレメントが患者の大動脈内で完全に展開され、拡張器が除去され、かつ大動脈置換弁展開カテーテルが塞栓物質捕捉カテーテルを通して挿入されて大動脈置換弁を展開するように位置合わせされている、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルを示す。
【
図14】大動脈置換弁展開カテーテルの拡張可能部材の拡張による、大動脈置換弁の
図13の送達形状からの展開を示す。
【
図15】塞栓物質捕捉エレメントが被捕捉形状にある、
図1の塞栓物質捕捉カテーテルを示す。
【
図16】多くの実施形態による、血管内で塞栓物質捕捉エレメントを展開する方法の行為を示す略ブロック図である。
【
図17】患者の血管系内で展開されている間の
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの形状を示す。
【
図18】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの第1の形状を示す。
【
図19】
図18の塞栓物質捕捉エレメントを示す側面図である。
【
図20】
図18の塞栓物質捕捉エレメントを示す側面断面図である。
【
図21】
図18の塞栓物質捕捉エレメントを組み上げるためのプロセスを示す。
【
図22】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの第2の形状を示す近接側面図である。
【
図23】
図22の塞栓物質捕捉エレメントを示す等角図である。
【
図24】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルの塞栓物質捕捉エレメントの第3の形状を示す側面断面図である。
【
図25】
図24の塞栓物質捕捉エレメントを示す等角図である。
【
図26】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルを組み上げる方法の行為を示す略ブロック図である。
【
図26】
図1の塞栓物質捕捉カテーテルを組み上げる方法の行為を示す略ブロック図である。
【
図27】
図18の塞栓物質捕捉エレメントの一実施形態を示す側面図である。
【
図28】
図27の塞栓物質捕捉エレメントの実施形態を示す側面断面図である。
【
図29】
図24の塞栓物質捕捉エレメントの一実施形態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0059]本発明の性質および利点をより完全に理解するために、以下の詳細な説明および添付の図面を参照されたい。
【0031】
[0060]以下の明細書本文において、本発明の様々な実施形態について説明する。説明を目的として、実施形態を完全に理解するために、特定の構成および詳細について述べる。しかしながら、当業者には、本発明が、これらの特定の詳細なしに実践され得ることも明らかであろう。さらに、実施形態の説明を不明瞭にしないように、周知の特徴は、省略または簡略化されることがある。
【0032】
[0061]ここで、幾つかの図面を通じて類似の参照数字が類似のパーツを表す諸図を参照すると、
図1は、多くの実施形態による、患者の血管へ挿入しかつ該血管を通って前進させるための挿入形状における塞栓物質捕捉カテーテル10を示す。カテーテル10は、外部シースアセンブリ12と、内部シースアセンブリ14と、拡張器アセンブリ16とを含む。外部シースアセンブリ12は、外部シース18と、外部シース18へ付着される外部シース近位端アセンブリ20とを含む。外部シース18は、外部シース18を介して延びる外部シースルーメンを有する可撓性チューブである。外部シース近位端アセンブリ20は、患者の外側に留まって、血管を介して外部シース18を遠位へ前進させ、かつ血管に沿って、かつ/または血管から外部シース18を近位へ後退させるために使用可能である。内部シースアセンブリ14は、内部シース22と、内部シース22へ付着される内部シース近位端アセンブリ24と、内部シース22の遠位端へ付着される塞栓物質捕捉エレメント36(
図2に示す)とを含む。内部シース22は、内部シース22を介して延びる内部シースルーメンを有する可撓性チューブである。内部シース22は、外部シース18の外部シースルーメンと摺動可能に配置される。多くの実施形態において、外部シース近位端アセンブリ20は、体液(たとえば、血液)が内部シース22と外部シース18との間の環状空間から漏れることを抑止しかつ/または防止するために内部シース22の外面と接触するシールを含む。内部シース近位端アセンブリ24は、患者の外側に留まって、外部シース18および血管を介して内部シース22を遠位へ前進させ、かつ外部シース18および血管に沿って、かつ/または外部シース18および血管から内部シース22を近位へ後退させるために使用可能である。拡張器アセンブリ16は、拡張器シース26と、拡張器キャップアセンブリ28とを含む。拡張器シース26は、拡張器シース26を介して延びる拡張器シースルーメンを有する可撓性チューブである。拡張器キャップアセンブリ28は、拡張器キャップ30と、拡張器シャフト32と、拡張器近位部材34とを含む。拡張器キャップ30は、拡張器シャフト32の遠位端へ付着される。拡張器近位部材34は、拡張器シャフト32の近位端へ付着される。拡張器シャフト32は、内部シース22の内部シースルーメンを介して延びかつ内部シースルーメン内で摺動可能に配置される。本明細書で記述しているように、拡張器シース26の遠位端部分および拡張器キャップ30は、カテーテル10が挿入形状であるときに塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分を押さえるべく、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分に係合する。拡張器キャップアセンブリ28を拡張器シース26に対して遠位へ前進させることにより、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分は、拡張器シース26の遠位端部分および拡張器キャップ30との係合から解放され得、これにより、本明細書で記述しているように、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分の自己拡張が可能にされる。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテル10は、ガイドワイヤ106(
図12に示す)上に展開されるように適合化される。たとえば、拡張器アセンブリ16は、拡張器アセンブリ16を介して延びるガイドワイヤルーメンを含むことが可能である。
【0033】
[0062]
図2は、挿入形状における塞栓物質捕捉カテーテル10の遠位部分を示す。カテーテル10の図示されている部分としては、外部シース18の遠位端部分と、外部シース18のルーメンを越えて遠位へ延びる内部シース22の遠位端部分と、折り畳まれた挿入形状の塞栓物質捕捉エレメント36と、拡張器シース26の遠位端部分と、拡張器キャップ30とが含まれる。図示されている挿入形状では、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分38が、拡張器シース26の遠位端部分と拡張器キャップ30の近位端部分との間に閉じ込められている。塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分38が拡張器キャップ30との係合によって押さえられ、かつ拡張器シース26の遠位端部分および塞栓物質捕捉エレメント36の近位端部分40が内部シース22の遠位端へ付着されることにより、塞栓物質捕捉エレメント36を折り畳まれた挿入形状で保持するための、拡張器キャップ30に対する内部シース22の適切なポジションが維持され得る。たとえば、実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメント36には、図示されている折り畳まれた挿入形状において、各々拡張器アセンブリ16および内部シース22により塞栓物質捕捉エレメント36に印加される対向する軸方向力によって誘起される、軸方向のテンションがかかっている。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメント36は、塞栓物質捕捉エレメント36が挿入形状であるとき、塞栓物質捕捉エレメント36の近位端部分から塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分まで、拡張器シース26の外面に合致する。多くの実施形態において、拡張器キャップ30は、血管系を通るカテーテル10の遠位前進中に血管系を保護するように構成される。図示されている形状において、内部シース22は、塞栓物質捕捉エレメント36の近位端が外部シース18の遠位端より遠位に配置されて、塞栓物質捕捉エレメント36を取り囲むシースを用いることなく折り畳まれた挿入形状に維持されるように、外部シース18に対して配置される。
【0034】
[0063]
図3、
図4および
図5は、塞栓物質捕捉エレメント36の、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分38が拡張器アセンブリ16によって押さえられている間の拡張器アセンブリ16に対する内部シース22の遠位前進による、
図2に示す挿入形状から
図5に示す中間展開形状までの漸進的拡張を示す。図示されているように、塞栓物質捕捉エレメント36の中間部分は、挿入形状から中間展開形状へと半径方向に拡張する。
【0035】
[0064]
図6は、拡張器キャップアセンブリ28が拡張器シース26に対して前進し、これにより、拡張器キャップ30が拡張器シース26の遠位端より遠位へ移動することによる、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端38の解放を示す。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端38が解放されると、遠位端38は、塞栓物質捕捉エレメント36の中間展開形状から
図9に示す形状へと自己拡張し、かつ引き続き、
図10に示す塞栓物質捕捉エレメント36の完全展開形状まで自己拡張する。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメント36は、少なくとも部分的に形状記憶材料で製造され、かつ挿入形状から、塞栓物質捕捉エレメント36の外面が血管内面に係合する完全展開形状まで自己拡張する。
【0036】
[0065]
図7および
図8は、塞栓物質捕捉カテーテル10の遠位部分を示す拡大図である。
図7は、挿入形状における、塞栓物質捕捉カテーテル10の遠位部分を示す。挿入形状において、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分38は、拡張器キャップ30内の近位リセス内に閉じ込められ、かつ拡張器シース26の遠位端部分を介して近位リセス内に保持される。図示されている実施形態において、拡張器シース26の遠位端部分は、拡張器キャップ30内の近位リセス内部の遠位端部分38の保持を強化するための、半径方向に突き出しかつ塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分38に局所的に係合するように構成される、環状に分布された保持機構42を含む。
図8は、拡張器キャップ30が
図6、
図9および
図10に示す解放形状であって、塞栓物質捕捉エレメント36(不図示)の遠位端部分38の遠位に配置されている、塞栓物質捕捉カテーテル10の遠位部分を示す。
【0037】
[0066]
図10に示す形状から、拡張器アセンブリ16は、完全展開形状の塞栓物質捕捉エレメント36の上流で外科的タスクを実行するために、内部シースルーメンを、内部シース22の内部シースルーメンを介する治療カテーテルの挿入に利用できるようにすべく、内部シース22の内部シースルーメンを介して除去されることが可能である。
図11は、拡張器アセンブリ16が除去されて塞栓物質捕捉エレメント36が完全展開形状にある、塞栓物質捕捉カテーテル10を示す。内部シースアセンブリ14は、塞栓物質捕捉エレメント36を展開するために外部シースアセンブリ12に対して遠位へ前進されることから、内部シース近位端アセンブリ24は、塞栓物質捕捉エレメント36が完全展開形状にあるとき、外部シース近位端アセンブリ20に近接して存在することができ、これにより、既存の長さの治療カテーテルの使用が可能にされる。
【0038】
[0067]実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメント36は、外部支持エレメントと、外部支持エレメントへ付着される内部フィルタエレメントとで構成される。外部支持エレメントは、半径方向に拡張して塞栓物質の通り抜けを阻止する血管壁と接触する1つまたは複数の部材を含むことが可能である。内部フィルタエレメントは、特定のサイズを超える塞栓が濾過デバイスまたは濾過膜を通過することを防止するように構成される濾過デバイスまたは濾過膜を含むことが可能である。外部支持エレメントは、内部フィルタエレメントが機能するためのフレームワークおよび安定性を提供するように構成されることが可能である。
【0039】
[0068]塞栓物質捕捉カテーテル10は、適切なあらゆる血管で使用されるように、かつ適切なあらゆる治療カテーテルと共に使用されるように構成されることが可能である。たとえば、
図12は、人工大動脈弁を埋め込む間に遊離される塞栓物質を捕捉するために患者の大動脈42内に展開される塞栓物質捕捉カテーテル10の一実施形態を示す。
図13は、大動脈置換弁展開カテーテル100が内部シース22の内部シースルーメンを介して挿入されて、大動脈置換弁102を展開するように位置合わせされている、塞栓物質捕捉カテーテル10を示す。置換弁展開カテーテル100は、弁102を展開するために拡張される拡張可能部材104を含む。
図13は、ガイドワイヤ106沿いに内部シース22の内部シースルーメンを介して前進された後に人工弁102を埋め込むために位置合わせされた、拡張可能部材104(および、拡張可能部材104へ折り畳まれた形状で付着された人工弁102)を示す。塞栓物質捕捉エレメント36が患者生来の大動脈弁108の下流に展開されると、塞栓物質捕捉エレメント36は、人工大動脈弁102を展開する間に解放される塞栓物質を捕捉するように位置合わせされる。
【0040】
[0069]
図14は、拡張可能部材104の拡張による、埋込み部位における人工弁102の展開を示す。拡張可能部材104の拡張は、人工大動脈弁102を生来の大動脈弁108を覆うその展開形状へと拡張させる。拡張可能部材104は、患者の心臓の高頻度ペーシングの間に拡張されることが可能である。人工大動脈弁102の展開中に解放される塞栓物質は、塞栓物質捕捉エレメント36によって捕捉される。実施形態によっては、塞栓物質捕捉カテーテル10は、塞栓物質捕捉エレメント36により集められる塞栓物質を患者から除去するように動作可能な外部塞栓物質除去デバイスと流体結合されることが可能である。人工大動脈弁102の埋込みに続いて、置換弁展開カテーテル100は、内部シース22の内部シースルーメンを介する近位後退によって、塞栓物質捕捉カテーテル10から除去されることが可能である。
【0041】
[0070]多くの実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテル10は、塞栓物質捕捉カテーテル10を患者から取り出す前に塞栓物質捕捉エレメント36を捕捉するように再構成されることが可能である。たとえば、図示されている実施形態において、塞栓物質捕捉カテーテル10は、内部シースアセンブリ14を外部シースアセンブリ12に対して近位後退させ、これにより、塞栓物質捕捉エレメント36を外部シース18の外部シースルーメン内へと引き入れることにより、塞栓物質捕捉エレメント36が完全展開形状にある
図11に示す形状から、塞栓物質捕捉エレメントが被捕捉形状にある
図15に示す形状へと再構成されることが可能である。
【0042】
[0071]
図16は、多くの実施形態による、血管内で塞栓物質捕捉エレメントを展開する方法200の行為を示す略ブロック図である。方法200は、本明細書に記載の塞栓物質捕捉カテーテル10を含む任意の適切な1つ以上のデバイスを用いて実施されることが可能である。方法200は、本明細書に示す治療を含む任意の適切な治療に関連して塞栓保護を提供するために使用可能である。
【0043】
[0072]本方法200は、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分を、内部シースルーメンを有する内部シースの遠位端部分への付着を介して拘束すること(行為202)を含む。たとえば、
図2に示すように、塞栓物質捕捉カテーテル10において、塞栓物質捕捉エレメント36の近位端40は、内部シース22の遠位端へ付着される。
【0044】
[0073]方法200は、さらに、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分を、塞栓物質捕捉エレメントの挿入形状、および塞栓物質捕捉エレメントの中間展開形状において、遠位端部分と、内部シースルーメンを介して延びる拡張器アセンブリとの係合によって拘束すること(行為204)を含む。たとえば、
図2に示す挿入形状および
図5に示す中間展開形状において、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端部分38は、遠位端部分38と、内部シース22の内部シースルーメンを介して延びる拡張器アセンブリ16との係合によって拘束される。
【0045】
[0074]方法200は、さらに、挿入形状における塞栓物質捕捉エレメントを、血管を介して前進させることを含む(行為206)。たとえば、行為206は、血管を介して、
図1および
図2に示す挿入形状のいずれかの塞栓物質捕捉カテーテル10を前進させることにより、達成されることが可能である。
【0046】
[0075]方法200は、さらに、塞栓物質捕捉エレメントを、挿入形状から中間展開形状へと、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に配置される塞栓物質捕捉エレメントの中間部分を、拡張器アセンブリにより拘束される塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に向かう内部シースの遠位前進によって拡張することにより、再構成すること(行為208)を含む。たとえば、行為208は、本明細書で記述しているように、塞栓物質捕捉カテーテル10を
図2に示す挿入形状から
図5に示す中間展開形状へと再構成することにより、達成されることが可能である。
【0047】
[0076]方法200は、さらに、塞栓物質捕捉エレメントを、中間展開形状から完全展開形状へと、塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分を拡張器アセンブリとの係合から解放するための拡張器アセンブリの再構成、および塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分の自己拡張を介して、再構成すること(行為210)を含む。たとえば、行為210は、本明細書で記述しているように、塞栓物質捕捉カテーテル10を
図5に示す中間展開形状から
図10に示す完全展開形状へと再構成することにより、達成されることが可能である。
【0048】
[0077]
図17は、患者の血管系内で展開されている間の塞栓物質捕捉カテーテル10の形状を示す。多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメント36は、遠位端部分38が血管(たとえば、大動脈42)の内面に合致する展開形状を有していて、血管の形状に合致するような、可撓性を有する。たとえば、多くの実施形態において、塞栓物質捕捉エレメント36は、遠位端部分38と近位端部分40との間で血管の形状(たとえば、曲率)に(たとえば、
図17に示すような大動脈42の曲率に)合致するように構成される。
【0049】
[0078]塞栓物質捕捉エレメントの形状
【0050】
[0079]塞栓物質捕捉エレメント36は、任意の適切な形状を有し得る。たとえば、
図18は、塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aを示す。塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aは、外部足場44と、内部フィルタ46と、内部フィルタ46の遠位端を外部足場44の遠位端へ連結する連結コーン48とを含む。
図19は、塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aを示す側面図である。
図20は、塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aを示す側面断面図である。
【0051】
[0080]外部足場44は、1つ以上の螺旋形状長さで相互に編組された適切なワイヤ44w(たとえば、適切なニッケル-チタン形状記憶合金で製造された0.006~0.010インチ径のワイヤ)を含む。多くの実施形態において、ワイヤ44wのより線は、ワイヤ44wのより線の部分を交差させながら交互に(たとえば、より線の一部の上、次いで下を通して)織られている。
図2に示す挿入形状から
図18に示す完全展開形状へ、ワイヤ44w上の隣接する位置間のピッチは、適切な初期のピッチから適切な展開されたピッチ(DP)まで減少し、かつ外部足場44の直径は、適切な挿入形状直径から適切な完全展開形状直径まで増加し、これにより、外部足場44の長さが相応して減少される。外部足場44のワイヤ44wは、形状記憶を有し、よって、外部足場44は、内部シース22の遠位前進、ひいては塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aの遠位端部分38の解放に応答して、自動的に挿入形状から完全展開形状へと再構成する。塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aが外部シース18内へ後退されると、ワイヤ44w上の隣接する位置間のピッチが増加して、外部足場44の直径が減少し、これにより、外部足場44の長さが相応に増加する。図示されている実施形態において、外部足場44は、ワイヤ44wのループによって形成される非外傷性の前縁50を有する。実施形態によっては、外部足場44は、塞栓物質捕捉エレメント36が挿入形状である間に、拡張器シース26の遠位端部分および拡張器キャップ30の近位端部分と係合する捕捉ループを含む。実施形態によっては、塞栓物質捕捉エレメント36の最大拡張直径は、患者の大動脈弓と確実に係合するような大きさにされる。
【0052】
[0081]多くの実施形態において、内部フィルタ46は、内部フィルタ46を通して血流を受け入れながら内部フィルタ46により塞栓物質を捕捉する適切な多孔度を有する。内部フィルタ46は、任意の適切な材料から製造されることが可能である。たとえば、実施形態によっては、内部フィルタ46として、螺旋状に編組されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルタが含まれる。実施形態によっては、内部フィルタ46として、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、PET、ナイロン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および液晶ポリマー(LCP)などの適切なポリマー糸から製造される螺旋状に編組されたポリマーフィルタが含まれる。実施形態によっては、内部フィルタ46として、適切なポリマー材料(たとえば、シリコーン、ポリウレタンおよびコポリマーなどのエラストマ材料)から製造されるレーザカットポリマーフィルタが含まれる。実施形態によっては、内部フィルタ46として、編組外部足場44以下の直径を有し、塞栓物質を捕捉しかつ内部フィルタ46を通る血流を可能にするための目標多孔度を有する、織り上げられた織物フィルタが含まれる。このような織り上げられた織物フィルタは、UHMWPE、PET、ナイロン、ポリプロピレン、PTFEおよびLCPなどの適切なポリマー糸から製造されることが可能である。内部フィルタ46は、任意の適切な形状を有し得る。たとえば、多くの実施形態において、内部フィルタ46は、完全展開形状において、外部足場44の完全展開形状における内径以下の外径を有し得る。多くの実施形態において、内部フィルタ46は、外部足場44の挿入形状と完全展開形状との長さの変化に対応する長手方向の長さおよび/または長手方向の可撓性を有する。
【0053】
[0082]連結コーン48は、内部フィルタ46の遠位端を外部足場44の遠位端へ連結する。図示されている実施形態において、連結コーン48の遠位端の直径は、連結コーン48の近位端の直径より大きい。多くの実施形態において、連結コーン48は、血流を内部フィルタ46の遠位開口内へと滑らかに移行させる形状(たとえば、円錐形)を有する。連結コーン48は、任意の適切な材料から製造されることが可能である。たとえば、連結コーン48は、適切なポリマーシートから形成され得る。連結コーン48は、外部足場44および内部フィルタ46へ、任意の適切な手法を用いて付着されることが可能である。たとえば、連結コーン48の遠位端部分は、外部足場44の対応する遠位端部分に積層され得、連結コーン48の近位端部分は、内部フィルタ46の対応する遠位端部分に積層され得る。連結コーン48は、非多孔質であることもあれば、連結コーン48により連結コーン48を通る血流を受け入れながら塞栓物質を捕捉させる適切な多孔度を有することもある。たとえば、適切な多孔質である連結コーン48は、レーザカットポリマーシートから形成され得る。
【0054】
[0083]内部フィルタ46は、任意の適切な手法を用いて製造可能である。たとえば、内部フィルタ46は、スタンドアロン型の単一編組として製造され得る。別の例として、内部フィルタ46は、内部フィルタ46の標的多孔度を満たすように編組されたより長い部位のチュービングからカットされ得る。多くの実施形態において、内部フィルタ46の最大直径は、外部足場44の展開直径より小さく、内部フィルタ46の最小直径は、人工弁の送達カテーテルより大きい。
【0055】
[0084]塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aは、任意の適切な手法を用いて組み立てられ得る。たとえば、
図21を参照すると、塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aを組み立てるために、第1の円筒セクション112と、円錐セクション114と、第2の円筒セクション116とを有するマンドレル110が使用され得る。マンドレル110は、任意の適切な材料(たとえば、適切な金属またはプラスチック)から製造され得る。第1の円筒セクション112は、内部フィルタ46を連結コーン48へ付着する間に、第1の円筒セクション112が図示のように内部フィルタ46を押さえるべく内部フィルタ46を介して挿入され得るように選択される直径(d1)を有する。内部フィルタ46が第1の円筒セクション112上の図示されたポジションにある状態で、連結コーン48は、任意の適切な手法を用いて内部フィルタ46上へ形成され得、または内部フィルタ46へ付着され得る。たとえば、実施形態によっては、連結コーン48は、マンドレル110上へ(たとえば、円錐セクション114、内部フィルタ46の遠位端部分118および第2の円筒セクション116の近位端部分120上へ)、適切な材料(たとえば、適切なポリマー材料)を浸漬または噴霧により塗布することによって形成される。多くの実施形態において、連結コーン48は、内部フィルタ46の遠位端部分118と重なる近位円筒部分122を含む。
【0056】
[0085]あるいは、連結コーン48が別個に形成されることもある。たとえば、内部フィルタ46の遠位端部分118へ、ポリマーチュービングの一セクションが浸漬、噴霧または熱硬化を介して付着され得る。結果として生じるアセンブリは、金型内に置かれ得、かつポリマーチュービングの該セクションは、任意の適切な手法(たとえば、一部の医療用カテーテルバルーンのブロー成形方法に類似するもの)を用いて連結コーン48の形状に成形され得る。結果として生じる連結コーン48の遠位端部分は、金型から取り外された後に所望される形状にトリミングされることが可能である。多くの実施形態において、連結コーン48の近位円筒部分122は、内部フィルタ46の遠位端部分118と重なる。連結コーン48が多孔質である実施形態において、連結コーン48は、形成後、多孔度を追加すべくレーザカットされることが可能である。
【0057】
[0086]内部フィルタ46が連結コーン48へ付着された状態で、外部足場44の遠位端部分124は、連結コーン48の遠位端部分126へ付着されることが可能である。連結コーン48は、外部足場44の内側に配置され得、かつ連結コーン48および外部足場44の遠位縁は、位置合わせされ得る。外部足場44が、塞栓物質捕捉エレメント36が挿入形状である間に拡張器シース26の遠位端部分および拡張器キャップ30の近位端部分と係合される捕捉ループを含む場合、該捕捉ループは、遮蔽され得る。連結コーン48の遠位端部分126は、所望される結合長さに渡って外部足場44の遠位端部分124へ、任意の適切な手法を用いて、たとえば、これらの遠位端部分を接着するための加熱により、遠位端部分を接着するための適切な接着剤への浸漬により、または遠位端部分124、126を接着するための適切な接着剤の噴霧により、付着されることが可能である。次には、塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aを、マンドレル110から除去することができる。
【0058】
[0087]
図22は、塞栓物質捕捉エレメント36の第2の形状36bを示す近接側面図である。塞栓物質捕捉エレメント36の第2の形状36bは、外部足場44(先に説明した)と、外部足場44へ付着されかつ外部足場44により支持される内部フィルタ52とを含む。
図23は、塞栓物質捕捉エレメント36の第2の形状36bを示す等角図である。
【0059】
[0088]多くの実施形態において、内部フィルタ52は、内部フィルタ52を通して血流を受け入れながら内部フィルタ52により塞栓物質を捕捉する適切な多孔度を有する。内部フィルタ52は、任意の適切な材料から製造されることが可能である。たとえば、内部フィルタ52は、多孔質ポリマーシートから製造され得る。内部フィルタ52は、任意の適切な形状を有し得る。たとえば、多くの実施形態において、内部フィルタ52は、完全展開形状において、外部足場44の完全展開形状における内径に等しい外径を有する。多くの実施形態において、内部フィルタ52は、外部足場44の挿入形状と完全展開形状との長さの変化に対応する長手方向の長さおよび/または長手方向の可撓性を有する。内部フィルタ52は、外部足場44へ、任意の適切な手法を用いて付着されることが可能である。
【0060】
[0089]
図24は、塞栓物質捕捉エレメント36の第3の形状36cを示す側面断面図である。塞栓物質捕捉エレメント36の第3の形状36cは、螺旋状に編組された形状記憶合金チューブ54と、遠位端シート56とを含む。編組形状記憶合金チューブ54は、内側へ折り込まれて、外管部分58と、内管部分60と、外管部分58と内管部分60との間に配置される遠位端部分62とを有する。外管部分58は、標的血管内で使用すべく、完全展開形状において任意の適切な直径を有し得る。たとえば、外管部分58は、完全展開形状において、標的たる大動脈の構造に適合する外径を有し得る。多くの実施形態において、編組形状記憶合金チューブ54は、外部足場44に類似する編組線構造を有する。多くの実施形態において、完全展開形状の外管部分58の多孔度は、内管部分60の多孔度より高い。多くの実施形態において、内管部分60の直径および/または編組数は、塞栓物質の捕捉に適する多孔度、たとえば150ミクロン以下、を提供するように選択される。遠位端部分62は、外管部分58の比較的高い多孔度から内管部分60の多孔度まで変わる多孔度を有し得る。完全展開形状における外管部分58の多孔度は、管部分58、60の直径の差に起因して、内管部分60の多孔度より高くてもよい。編組の最大多孔度は、より線間の角度が90度であるときに計算され得る。内管部分60は、90度超および90度未満である内管部分60の編組角度に対してより低い多孔度を有し得、これにより、より線間にダイヤモンド形状の開口が生成される。内管部分60の内径は、治療カテーテル100を収容するに足る大きさでありかつ交差する編組部材のダイヤモンド形状が標的多孔度以下の多孔度を有するに足る小ささであるように熱硬化され得る。遠位端シート56は、遠位端部分62へ付着される。遠位端シート56は、非多孔質であることもあれば、遠位端シート56により遠位端シート56を通る血流を受け入れながら塞栓物質を捕捉させる適切な多孔度を有することもある。遠位端シート56は、任意の適切な材料から製造されることが可能である。たとえば、遠位端シート56は、中実のポリマーシートまたは多孔質のレーザカットポリマーシートから形成され得る。遠位端シート56は、遠位端部分62へ、任意の適切な手法を用いて付着され得る。たとえば、遠位端シート56は、遠位端部分62へ、任意の適切な手法を用いて積層され得る。遠位端シート56は、塞栓物質が遠位端部分62を通過することが防止されて、内管部分54内へと集められることを確実にする。
図25は、塞栓物質捕捉エレメント36の第3の形状36cを示す等角図である。
【0061】
[0090]
図26は、塞栓物質捕捉カテーテル10の実施形態を組み上げる方法300の行為を示す簡略図である。行為302、304および306は、塞栓物質捕捉エレメント36の第1の形状36aを組み上げることに関連する。行為308、310および312は、塞栓物質捕捉カテーテル10の実施形態の組み立てに関連する。
【0062】
[0091]行為302において、外部足場44および内部フィルタ46は、任意の適切な手法を用いてある長さに組み上げられる。たとえば、多くの実施形態において、外部足場44は、適切な直径(たとえば、0.006~0.010インチ)の形状記憶ワイヤ(たとえば、適切なニッケル-チタン形状記憶合金から製造されるもの)の適切な数のより線(たとえば、24~48本のより線)を適切な長手方向ピッチで螺旋状に巻き付け、かつ相互に編組することにより、組み上げられる。多くの実施形態において、ワイヤ44wのより線は、外部足場44の遠位端の平滑さを高めるべく、より線の端がいずれも外部足場44の遠位端に配置されないように、螺旋状に巻き付けられ、かつ相互に編組される。多くの実施形態において、外部足場44は、標的血管(たとえば、大動脈)の直径より適量だけ大きい遠位端外径を有する完全展開形状を有するように形成され、よって、標的血管内で展開されると、外部足場44は、拡張して標的血管の内面と係合し、かつ標的血管に適切な半径方向力を及ぼして、標的血管内部の塞栓物質捕捉エレメント36のポジションを維持する。多くの実施形態において、内部フィルタ46は、適切な直径(たとえば、0.002インチ)の適切な材料(たとえば、PET)製のワイヤの適切な数のより線(たとえば、288本のより線)を適切なピッチで螺旋状に巻き付け、かつ相互に編組することにより、組み上げられる。多くの実施形態において、内部フィルタ46は、標的血管(たとえば、大動脈)の直径より適量だけ小さい遠位端外径を有する完全展開形状を有するように形成され、よって、標的血管内で展開されると、内部フィルタ46は、外部足場44から、内部フィルタ46を介する血流を受け入れる適切なサイズの環状空間によって分離される。多くの実施形態において、外部足場44および内部フィルタ46は、展開形状から拘束された挿入形状へと再構成される際に長手方向へ略同じ距離だけ拡張し、かつ拘束された挿入形状から展開形状へと展開される際に長手方向へ略同じ距離だけ収縮するように構成される。外部足場44および内部フィルタ46の各々長手方向の拡張/収縮特性は、個々の展開直径および個々の拘束された挿入直径を考慮して、長手方向ピッチおよびより線数などの個々の螺旋構造のパラメータを適切に選択することにより、整合されることが可能である。行為304では、内部フィルタ46の端に連結コーン48が、
図21を参照して本明細書に記載した手法などの任意の適切な手法を用いて作製される。行為306では、連結コーン48の遠位端が外部足場の遠位端へ、
図21を参照して本明細書に記載した手法などの任意の適切な手法を用いて連結される。
【0063】
[0092]行為308では、塞栓物質捕捉エレメント36の近位端が内部シース22の遠位端へ、任意の適切な手法を用いて付着される。たとえば、塞栓物質捕捉エレメント36は、内部シース22へ、内部シース22の組み上げ中に付着されることもあれば、内部シース22へ(たとえば、内部シース22の内径へ、かつ/またはその外径へ)、内部シース22の組上げ後に付着されることもある。実施形態によっては、内部シース22は、内部ライナ(たとえば、PTFE製)と、構造編組またはコイル(たとえば、ステンレス鋼、ニチノールまたはモノフィラメント製)と、外部部材ポリマージャケット(たとえば、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)またはナイロン製)とを含む。塞栓物質捕捉エレメント36は、内部シースの組上げ中に内部シース22へ、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分を、内部シース22の内部ライナと構造編組もしくはコイルとの間に、または構造編組もしくはコイルと外部部材ポリマージャケットとの間に配置することによって、接合されることが可能である。塞栓物質捕捉エレメント36は、内部シース22へ、内部フィルタ46の近位端部分を内部シース22の遠位端部分のODまたはIDとポリマースリーブとの間に挟むべく、ポリマースリーブ(たとえば、PEBAまたはナイロン製)を介する内部シースの組上げ後に付着されることが可能である。行為310では、外部シース18が外部シース近位端アセンブリ20へ付着され、かつ内部シース22が内部シース近位端アセンブリ24へ付着される。行為312では、ルアーおよびチュービングが近位端アセンブリ20、24へ付着される。
【0064】
[0093]
図27は、完全展開形状における塞栓物質捕捉エレメント36aの一実施形態36a-1を示す側面図である。
図28は、完全展開形状における塞栓物質捕捉エレメント36a-1を示す側面断面図である。完全展開形状において、塞栓物質捕捉エレメント36a-1は、外部足場44と塞栓物質捕捉エレメント36a-1の遠位端部分64までの血管との略隔離接触により、挿入形状から完全展開形状への展開を強化するように構成される、段付きの外径プロファイル(輪郭)を有する。完全展開形状において、塞栓物質捕捉エレメント36a-1の中間部分66は、中間部分外径68を有し、遠位端部分64は、遠位端部分外径70を有する。多くの実施形態において、遠位端部分外径70は、標的血管との適量の係合を提供するようなサイズにされる。たとえば、遠位端部分外径70は、完全展開形状において、遠位端部分外径70が標的血管(たとえば、大動脈)の内径より大きい適切な増分となり、よって、遠位端部分64が、標的血管内で展開されると標的血管へ適切な界面圧力を加えることになるようなサイズにされることが可能である。多くの実施形態において、中間部分外径68は、挿入形状から完全展開形状へ展開する間に外部足場44と遠位端部分64までの血管との略隔離接触により、中間部分66と標的血管の内壁との間に塞栓物質捕捉エレメント36a-1の長手方向収縮に対応する環状の隙間が存在するように、標的血管の内径より適切に小さい。中間部分66と標的血管の内壁との間の環状の隙間は、挿入形状から完全展開形状へ展開する間に塞栓物質捕捉エレメント36a-1の収縮を阻害する可能性もある、遠位端部分64の近位にある塞栓物質捕捉エレメント36a-1の部分間の相互作用を回避する働きをする。中間部分外径68は、完全展開形状において、標的血管の内径または遠位端部分外径70より任意の適量だけ小さいものであり得る。たとえば、図示されている実施形態において、中間部分外径68は、遠位端部分外径70の約50パーセントである。
【0065】
[0094]塞栓物質捕捉エレメントの図示されている実施形態36a-1は、内部フィルタ46の近位端を内部シース22の遠位端へ連結する近位連結コーン47を含む。多くの実施形態において、近位連結コーン47は、内部フィルタ46の近位端と内部シース22の遠位端との間を滑らかに移行させる形状(たとえば、円錐形)を有する。近位連結コーン47は、任意の適切な材料から製造されることが可能である。たとえば、近位連結コーン47は、適切なポリマーシートから形成され得る。近位連結コーン47は、内部フィルタ46および内部シース22へ、任意の適切な手法を用いて付着されることが可能である。たとえば、近位連結コーン47の遠位端部分は、内部フィルタ46の近位端部分に積層され得、近位連結コーン47の近位端部分は、内部シース22の遠位端部分へ付着され得る。近位連結コーン47は、非多孔質であることもあれば、近位連結コーン47により近位連結コーン47を通る血流を受け入れながら塞栓物質を捕捉させる適切な多孔度を有することもある。たとえば、適切な多孔質である近位連結コーン47は、レーザカットポリマーシートから形成され得る。
【0066】
[0095]塞栓物質捕捉エレメント36a-1の一部の実施形態において、連結コーン48および/または近位連結コーン47は各々、挿入形状から完全展開形状へ展開する間の外部足場44および内部フィルタ46の収縮量の差に対応する個々の可撓性を有する。たとえば、連結コーン48および/または近位連結コーン47は各々、挿入形状から完全展開形状へ展開する間の外部足場44および内部フィルタ46の収縮量の差に対応するように、完全展開形状と挿入形状との間の連結コーン48および/または近位連結コーン47の長手方向長さの変化に対応する個々の可撓性を有し得る。
【0067】
[0096]
図29は、完全展開形状における塞栓物質捕捉エレメント36cの一実施形態36c-1を示す側面断面図である。完全展開形状において、塞栓物質捕捉エレメント36c-1は、編組形状記憶合金チューブ54と塞栓物質捕捉エレメント36c-1の遠位端部分72までの血管との略隔離接触により、挿入形状から完全展開形状への展開を強化するように構成される、段付きの外径プロファイルを有する。完全展開形状において、塞栓物質捕捉エレメント36c-1の中間部分74は、中間部分外径76を有し、遠位端部分72は、遠位端部分外径78を有する。多くの実施形態において、遠位端部分外径78は、標的血管との適量の係合を提供するようなサイズにされる。たとえば、遠位端部分外径78は、完全展開形状において、遠位端部分外径78が標的血管(たとえば、大動脈)の内径より大きい適切な増分となり、よって、遠位端部分72が、標的血管内で展開されると標的血管へ適切な界面圧力を加えることになるようなサイズにされることが可能である。多くの実施形態において、中間部分外径76は、挿入形状から完全展開形状へ展開する間に編組形状記憶合金チューブ54と遠位端部分72までの血管との略隔離接触により、中間部分74と標的血管の内壁との間に塞栓物質捕捉エレメント36c-1の長手方向収縮に対応する環状の隙間が存在するように、標的血管の内径より適切に小さい。中間部分74と標的血管の内壁との間の環状の隙間は、挿入形状から完全展開形状へ展開する間に塞栓物質捕捉エレメント36c-1の収縮を阻害する可能性もある、遠位端部分72の近位にある塞栓物質捕捉エレメント36c-1の部分間の相互作用を回避する働きをする。中間部分外径76は、完全展開形状において、標的血管の内径または遠位端部分外径78より任意の適量だけ小さいものであり得る。たとえば、図示されている実施形態において、中間部分外径76は、遠位端部分外径78の約50パーセントである。
【0068】
[0097]本明細書に記載のデバイスおよび方法は、大動脈弁置換術などの塞栓物質発生の可能性が高い外科的治療の安全性および効力を大幅に高めるという点で、実質的利益をもたらすことが予測される。その結果、このような外科的治療は、大幅に増加した患者に対して実行され得、転帰を改善し、かつ回復時間を短縮する。具体的には、循環系内を運ばれる塞栓物質が少なくなり、これにより、臨床的脳卒中、無症候性脳卒中、無症候性脳塞栓、腎動脈塞栓、腸間膜動脈塞栓および末梢血管塞栓ならびに関連する臨床的症候群の各々の発生率が低下する。
【0069】
[0098]塞栓物質捕捉カテーテル10は、動脈へのカバー付きまたはカバーなしのステント留置を伴う処置において、動脈瘤、解離、狭窄または血栓の治療のためのその埋込みの間に遊離され得る塞栓物質を捕捉して抽出するための使用に適する。塞栓物質捕捉カテーテル10は、バルーン大動脈弁形成術中に生じる塞栓事象に起因する傷害の防止に適する。塞栓物質捕捉カテーテル10は、僧帽バルーン弁形成術または置換術の実行に起因する組織損傷の防止に適する。僧帽弁処置の場合、塞栓物質捕捉カテーテル10により提供される塞栓防止は、送達カテーテルとは別個であってもよい。この状況では、弁の送達および展開用にシースおよびカテーテルの別個の経静脈的または経心尖的埋込みシステムが存在してもよく、かつ塞栓物質捕捉カテーテル10は、僧帽弁操作から遊離される物質を捕捉しかつ除去するために、上行大動脈内に展開されることが可能である。
【0070】
[0099]他の変形形態も、本発明の精神の範囲内にある。たとえば、本明細書に記載の塞栓物質捕捉エレメント36の形状36a、36b、36cは、塞栓物質捕捉エレメント36の遠位端を別々に拘束しかつ続いて解放することなく、拘束性外部シースの相対的な動きを介して挿入形状と展開形状との間で展開されることが可能である。たとえば、実施形態によっては、患者の血管内へと挿入しかつ該血管を通って前進するための塞栓物質捕捉カテーテルは、外部シースアセンブリ12と、内部シースアセンブリ14とを含み、拡張器アセンブリ16を含まない。このような実施形態において、塞栓物質捕捉エレメント36は、患者の血管を通る遠位前進中に外部シース18を介して挿入形状に拘束され、次いで、内部シースアセンブリ14に対する外部シースアセンブリ12の近位後退により、挿入形状から展開形状へ自己拡張するために解放され得る。塞栓物質捕捉カテーテルのこのような実施形態(拡張器アセンブリ16を含まない)は、拡張器アセンブリ16を含む実施形態よりかなり短くてもよく、よって、非大腿アクセス(たとえば、経大動脈アクセス、経腕頭血管アクセスまたは経鎖骨下アクセス)による挿入に特に適し得る。したがって、本発明は、様々な改変および代替構造が可能であり、その所定の例示的な実施形態を図面に示し、かつこれまでに詳述してきた。しかしながら、本発明を、開示した特定の1つまたは複数の形態に限定する意図はなく、逆に、その意図が、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の精神および範囲に含まれる全ての改変、代替構造および同等物を包含することにある点は、理解されるべきである。
【0071】
[0100]本発明を説明する文脈における(特に、添付の特許請求の範囲の文脈における)不定冠詞および定冠詞および類似の指示語の使用は、本明細書における別段の指摘または文脈による明らかな矛盾のない限り、単数および複数の双方を包含するものと解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」という用語は、別段の記載のない限り、制約のない(すなわち、「を含むが、これに限定されない」を意味する)用語として解釈されるべきである。「連結される」という用語は、介在する何かが存在するとしても、部分的または完全に、内部に含まれる、付着される、または互いに接合される、と解釈されるべきである。本明細書における値範囲の列挙は、本明細書において別段の指摘のない限り、単に、その範囲に含まれる別個の各値に個々に言及する簡略法として機能することが意図されるものであって、別個の値は各々、本明細書において個々に列挙されたものであるかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記述している全ての方法は、本明細書における別段の指摘または文脈による別段の明らかな矛盾のない限り、任意の適切な順序で実行されることが可能である。本明細書において述べる全ての例または例示的な言語(たとえば、「など」)の使用は、単に、本発明の実施形態をよりよく明らかにすることを意図したものであって、別段の主張のない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書における文言は、いずれも、請求の範囲に記載されていない要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0072】
[0101]本明細書には、発明者らが知るところの本発明を実施するための最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が記述されている。これまでの説明を読めば、一般的な当業者には、これらの好ましい実施形態の変形形態が明らかになり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形形態を適宜使用することを予期するものであり、かつ発明者らの意図は、本発明が本明細書における具体的な記述以外の方法で実施されることにある。したがって、本発明は、適用法で許可される、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての改変および同等物を含む。さらに、これまでに述べた要素の、その全ての可能な変形形態における組合せは、いずれも、本明細書における別段の指摘または文脈による別段の明らかな矛盾のない限り、本発明に包含される。
【0073】
[0102]本明細書で引用する、刊行物、特許出願および特許を含む全ての引例は、各引例があたかも参照により開示に含まれるものと個々にかつ具体的に示され、かつその全体が本明細書に記載されているかの如く、参照により開示に含まれる。
【0074】
[0103]本開示の実施形態の例は、以下の条項を考慮して記述され得る。
【0075】
[0104]条項1.外部シースルーメンを画定する外部シースと、前記外部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、内部シースルーメンを画定する内部シースと、近位端部分および遠位端部分を有する塞栓物質捕捉エレメントであって、前記近位端部分は、前記内部シースの遠位端部分へ付着され、前記塞栓物質捕捉エレメントは、挿入形状と、中間展開形状と、完全展開形状とを有し、前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記完全展開形状において、血管の内面とインタフェースするように適合化され、前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記血管を介して前記塞栓物質捕捉エレメントを通過する塞栓物質の流れを阻止するように適合化される、塞栓物質捕捉エレメントと、拡張器シースおよび展開キャップアセンブリを含む拡張器アセンブリであって、前記拡張器シースは、前記内部シースルーメンに摺動可能に配置されて、拡張器シースルーメンを画定し、前記展開キャップアセンブリは、前記拡張器シースルーメン内に摺動可能に配置される、拡張器アセンブリと、を備える塞栓物質捕捉カテーテルであって、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、前記挿入形状および前記中間展開形状において前記拡張器アセンブリにより押さえられ、前記塞栓物質捕捉エレメントの中間部分は、前記拡張器アセンブリによって押さえられる前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に向かう前記内部シースの遠位前進を介して、前記挿入形状から前記中間展開形状へと半径方向に拡張し、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、前記拡張器アセンブリによる前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分の解放に応答して、前記拡張器シースに対する前記展開キャップアセンブリの遠位前進を介して前記中間展開形状から前記完全展開形状へと半径方向に拡張し、かつ、前記拡張器アセンブリは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記完全展開形状にある間に、前記内部シースに対する前記拡張器アセンブリの近位後退を介して前記内部シースルーメンから取外しが可能である、塞栓物質捕捉カテーテル。
【0076】
[0105]条項2.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記完全展開形状から、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記外部シースルーメン内に配置される被捕捉形状へと、前記外部シースに対する前記内部シースの近位後退を介して再構成可能である、条項1に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0077】
[0106]条項3.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状であるとき、前記塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分から前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分まで、前記拡張器シースの外面に合致する、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0078】
[0107]条項4.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に延びる外面を有し、かつ、前記塞栓物質捕捉エレメントの外面は、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状である状態で前記外部シースの遠位に配置可能である、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0079】
[0108]条項5.前記塞栓物質捕捉エレメントは、形状記憶材料を含む、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0080】
[0109]条項6.前記塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に、前記拡張器アセンブリを介して前記塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって前記挿入形状に保持される、条項5に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0081】
[0110]条項7.前記内部シースは、前記完全展開形状において、前記内部シースルーメンへの治療カテーテルの挿入、および前記治療カテーテルの遠位部分の、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に対して遠位のポジションへの前進に対応し、かつ、前記治療カテーテルの遠位端部分は、外科的タスクを達成するように適合化される、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0082】
[0111]条項8.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記完全展開形状において、患者の大動脈とインタフェースし、かつ前記塞栓物質捕捉エレメントを通過して患者の大動脈を流れる塞栓物質の流れを略阻止するように適合化され、かつ、前記治療カテーテルは、人工大動脈弁を展開するように適合化される、条項7に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0083】
[0112]条項9.前記塞栓物質捕捉エレメントは、濾過膜を介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化される濾過膜を備える、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0084】
[0113]条項10.前記塞栓物質捕捉エレメントが前記完全展開形状である間に、前記内部シースルーメンを介して塞栓物質を抜き取るように動作可能な塞栓物質抽出デバイスと結合されるべく適合化される、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0085】
[0114]条項11.前記塞栓物質捕捉エレメントは、外部支持エレメントと、前記外部支持エレメントへ付着される内部フィルタエレメントとを備え、前記外部支持エレメントは、半径方向に拡張して塞栓物質の通り抜けを阻止する血管壁と接触する1つまたは複数の部材を含み、前記内部フィルタエレメントは、特定のサイズを超える塞栓が内部フィルタエレメントを通過することを防止するように構成される、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0086】
[0115]条項12.前記塞栓物質捕捉エレメントは、外部足場部分と、内部フィルタ部分と、中間部分とを備え、前記外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分とを有し、前記外部足場近位端部分は、前記フィルタシース遠位端部分へ付着され、前記外部足場部分は、前記塞栓物質捕捉カテーテルが押さえられた前記挿入形状から前記展開形状へと再構成される間に、自己拡張して血管内面と係合するように構成され、前記内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有し、前記内部フィルタ近位端部分は、前記フィルタシース遠位端部分へ付着され、前記内部フィルタ部分は、前記内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成され、前記内部フィルタ遠位端部分は、前記外部足場遠位端部分と、前記中間部分を介して結合される、先行するいずれかの条項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0087】
[0116]条項13.前記内部フィルタ部分は、前記展開形状において、前記外部足場部分から、介在する環状空間により分離される、条項12に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0088】
[0117]条項14.前記中間部分は、前記中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される、条項13に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0089】
[0118]条項15.前記中間部分は、非多孔質である、条項13に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0090】
[0119]条項16.前記中間部分は、血流を前記内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する、条項13~条項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0091】
[0120]条項17.前記外部足場部分、前記中間部分および前記内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である、条項13~条項16のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0092】
[0121]条項18.前記中間部分へ付着される遠位端シートをさらに備え、前記遠位端シートは、前記中間部分を介して流れる塞栓物質を阻止するように構成される、条項17に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0093】
[0122]条項19.前記遠位端シートは、非多孔質である、条項18に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0094】
[0123]条項20.前記遠位端シートは、前記遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する、条項18に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0095】
[0124]条項21.前記外部足場部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを備える、条項13~条項20のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0096】
[0125]条項22.血管内で塞栓物質捕捉エレメントを展開する方法であって、前記方法は、塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分を、内部シースルーメンを有する内部シースの遠位端部分への付着を介して拘束することと、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分を、前記塞栓物質捕捉エレメントの挿入形状、および前記塞栓物質捕捉エレメントの中間展開形状において、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分と、前記内部シースルーメンを介して延びる拡張器アセンブリとの係合によって拘束することと、前記塞栓物質捕捉エレメントを、前記挿入形式において、前記血管を介して前進させることと、前記塞栓物質捕捉エレメントを、前記挿入形状から前記中間展開形状へと、前記塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に配置される前記塞栓物質捕捉エレメントの中間部分を、前記拡張器アセンブリにより拘束される前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に向かう前記内部シースの遠位前進によって拡張することにより、再構成することと、前記塞栓物質捕捉エレメントを、前記中間展開形状から前記完全展開形状へと、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分を前記拡張器アセンブリとの係合から解放するための前記拡張器アセンブリの再構成、および前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分の自己拡張を介して再構成すること、を含む方法。
【0097】
[0126]条項23.前記塞栓物質捕捉エレメントを前記完全展開形状から被捕捉形状へと、外部シースの外部シースルーメン内部で前記塞栓物質捕捉エレメントを後退させるための、前記外部シースに対する前記内部シースの近位後退を介して再構成することをさらに含む、条項22に記載の方法。
【0098】
[0127]条項24.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状であるとき、前記塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分から前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分まで、前記拡張器アセンブリの外面に合致する、条項22および条項23のいずれか一方に記載の方法。
【0099】
[0128]条項25.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントの近位端部分と前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分との間に延びる外面を有し、かつ、前記塞栓物質捕捉エレメントの外面は、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状において前記血管を介して前進されるときに、前記外部シースの遠位に配置可能である、条項22~条項24のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
[0129]条項26.前記塞栓物質捕捉エレメントは、形状記憶材料を含む、条項22~条項25のいずれか一項に記載の方法。
【0101】
[0130]条項27.前記塞栓物質捕捉エレメントを、少なくとも部分的に前記拡張器アセンブリを介して前記塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって前記挿入形状に保持することを含む、条項22~条項26のいずれか一項に記載の方法。
【0102】
[0131]条項28.前記完全展開形状において、治療カテーテルの遠位部分を、前記内部シースルーメンを介して、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分に対して遠位のポジションまで前進させることと、前記完全展開形状において、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端に対する遠位で前記治療カテーテルを介して外科的タスクを達成すること、をさらに含む、条項22~条項27のいずれか一項に記載の方法。
【0103】
[0132]条項29.前記完全展開形状の前記塞栓物質捕捉エレメントを患者の大動脈とインタフェースすることと、前記患者の大動脈を介して前記塞栓物質捕捉エレメントを通過する塞栓物質の流れを阻止することと、前記治療カテーテルの遠位端部分から人工大動脈弁を展開すること、を含む、条項28に記載の方法。
【0104】
[0133]条項30.前記塞栓物質捕捉エレメントは、濾過膜を備え、かつ前記方法は、前記血管を通り前記濾過膜を介して流れる血液から塞栓物質を濾過することを含む、条項22~条項29のいずれか一項に記載の方法。
【0105】
[0134]条項31.前記塞栓物質捕捉エレメントが前記完全展開形状である間に、前記内部シースルーメンを介して塞栓物質を抽出することを含む、条項22~条項30のいずれか一項に記載の方法。
【0106】
[0135]条項32.押さえられた挿入形状と展開形状とを有する塞栓物質捕捉カテーテルであって、前記塞栓物質捕捉カテーテルは、内部ルーメンとフィルタシース遠位端部分とを有するフィルタシースと、前記フィルタシース遠位端部分へ付着されるフィルタアセンブリとを備え、前記フィルタアセンブリは、外部足場部分と、内部フィルタ部分と、中間部分とを備え、前記外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分とを有し、前記外部足場近位端部分は、前記フィルタシース遠位端部分へ付着され、前記外部足場部分は、前記塞栓物質捕捉カテーテルが押さえられた前記挿入形状から前記展開形状へと再構成される間に、自己拡張して血管内面と係合するように構成され、前記内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有し、前記内部フィルタ近位端部分は、前記フィルタシース遠位端部分へ付着され、前記内部フィルタ部分は、前記内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成され、前記内部フィルタ遠位端部分は、前記外部足場遠位端部分と、前記中間部分を介して結合される、塞栓物質捕捉カテーテル。
【0107】
[0136]条項33.前記内部フィルタ部分は、前記展開形状において、前記外部足場部分から、介在する環状空間により分離される、条項32に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0108】
[0137]条項34.前記中間部分は、前記中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される、条項33に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0109】
[0138]条項35.前記中間部分は、非多孔質である、条項33に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0110】
[0139]条項36.前記中間部分は、血流を前記内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する、条項33~条項35のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0111】
[0140]条項37.前記外部足場部分、前記中間部分および前記内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である、条項33~条項36のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0112】
[0141]条項38.前記中間部分へ付着される遠位端シートをさらに備え、前記遠位端シートは、前記中間部分を介して流れる塞栓物質を阻止するように構成される、条項37に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0113】
[0142]条項39.前記遠位端シートは、非多孔質である、条項38に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0114】
[0143]条項40.前記遠位端シートは、前記遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する、条項38に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0115】
[0144]条項41.前記外部足場部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを備える、条項33~条項40のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0116】
[0145]条項42.押さえられた挿入形状と展開形状とを有する塞栓物質捕捉カテーテルであって、前記塞栓物質捕捉カテーテルは、内部ルーメンとフィルタシース遠位端部分とを有するフィルタシースと、前記フィルタシース遠位端部分へ付着されるフィルタアセンブリとを備え、前記フィルタアセンブリは、外部足場部分と、内部フィルタ部分とを備え、前記外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分とを有し、前記外部足場近位端部分は、前記フィルタシース遠位端部分へ付着され、前記外部足場部分は、前記塞栓物質捕捉カテーテルが押さえられた前記挿入形状から前記展開形状へと再構成される間に、自己拡張して血管内面と係合するように構成され、前記内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分を有し、前記内部フィルタ部分は、外部足場部分へ付着され、前記内部フィルタ部分は、前記内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される、塞栓物質捕捉カテーテル。
【0117】
[0146]条項43.前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分へ、前記外部足場部分の全長に沿って付着される、条項42に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0118】
[0147]条項44.外部シースルーメンを画定する外部シースと、前記外部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、内部シースルーメンを画定する内部シースであって、前記内部シースは、内部シース遠位端部分を有する、内部シースと、血管内で前進するための挿入形状および前記血管を介する塞栓物質の流れを阻止するための展開形状を有する塞栓物質捕捉エレメントであって、前記塞栓物質捕捉エレメントは、外部足場部分と内部フィルタ部分とを備える、塞栓物質捕捉エレメントと、を備える塞栓物質捕捉カテーテルであって、前記外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分と、前記外部足場近位端部分と前記外部足場遠位端部分との間を延びる外部足場中間部分とを有し、前記外部足場近位端部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着され、前記外部足場部分は、前記塞栓物質捕捉カテーテルが前記挿入形状から前記展開形状へと再構成される間に、自己拡張して前記外部シース遠位端部分が血管内面と係合するように構成され、前記内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有し、前記内部フィルタ近位端部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着され、前記内部フィルタ部分は、前記内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成され、前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分と結合され、かつ、前記外部足場部分は、前記展開形状において、前記外部足場遠位端部分が外部足場遠位端部分外径を有し、かつ前記外部足場中間部分が、前記外部足場遠位端部分外径より小さい外部足場中間部分外径を有する段付きの外径プロファイルを有する、塞栓物質捕捉カテーテル。
【0119】
[0148]条項45.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記外部足場部分の遠位端部分を前記内部フィルタ部分の遠位端部分と結合させる中間部分を備える、条項44に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0120】
[0149]条項46.前記内部フィルタ部分は、前記展開形状において、前記外部足場部分から、介在する環状空間により分離される、条項45に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0121】
[0150]条項47.前記中間部分は、前記中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される、条項46に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0122】
[0151]条項48.前記中間部分は、非多孔質である、条項46に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0123】
[0152]条項49.前記中間部分は、血流を前記内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する、条項46に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0124】
[0153]条項50.前記外部足場部分、前記中間部分および前記内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である、条項46に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0125】
[0154]条項51.前記中間部分へ付着される遠位端シートをさらに備え、前記遠位端シートは、前記中間部分を介して流れる塞栓物質を阻止するように構成される、条項50に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0126】
[0155]条項52.前記遠位端シートは、非多孔質である、条項51に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0127】
[0156]条項53.前記遠位端シートは、前記遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する、条項51に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0128】
[0157]条項54.前記外部足場部分は、血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを備える、条項46に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0129】
[0158]条項55.拡張器シースと展開キャップアセンブリとを含む拡張器アセンブリをさらに備え、前記拡張器シースは、前記内部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、拡張器シースルーメンを画定し、前記展開キャップアセンブリは、前記拡張器シースルーメン内に摺動可能に配置され、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、前記挿入形状において前記拡張器アセンブリにより押さえられ、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、前記拡張器アセンブリによる前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分の解放に応答して、前記拡張器シースに対する前記展開キャップアセンブリの遠位前進を介して前記展開形状へと半径方向に拡張し、かつ、前記拡張器アセンブリは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記展開形状にある間に、前記内部シースに対する前記拡張器アセンブリの近位後退を介して前記内部シースルーメンから取外しが可能である、条項44に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0130】
[0159]条項56.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状であるときに、前記拡張器シースの外面に合致する、条項55に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0131】
[0160]条項57.前記塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に、前記拡張器アセンブリを介して前記塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって前記挿入形状に保持される、条項56に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0132】
[0161]条項58.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状である状態で、前記外部シースの遠位に配置可能である、条項56に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0133】
[0162]条項59.前記内部フィルタ部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着される、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0134】
[0163]条項60.前記塞栓物質捕捉エレメントは、形状記憶材料を含む、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0135】
[0164]条項61.前記塞栓物質捕捉エレメントが前記展開形状である間に、前記内部シースルーメンを介して塞栓物質を抜き取るように動作可能な塞栓物質抽出デバイスと結合されるべく適合化される、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0136】
[0165]条項62.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記展開形状から、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記外部シースルーメン内に配置される被捕捉形状へと、前記外部シースに対する前記内部シースの近位後退を介して再構成可能である、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0137】
[0166]条項63.前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分へ、前記外部足場部分の全長に沿って付着される、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0138】
[0167]条項64.前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分へ、前記外部足場部分の全長に沿って付着される、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0139】
[0168]条項65.前記内部シースは、前記展開形状において、前記内部シースルーメンへの治療カテーテルの挿入、および前記治療カテーテルの遠位部分の、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位にあるポジションへの前進に対応し、かつ、前記治療カテーテルの遠位部分は、外科的タスクを達成するように適合化される、条項44~条項58のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【0140】
[0169]条項66.前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記展開形状において、患者の大動脈とインタフェースし、かつ前記塞栓物質捕捉エレメントを通過して患者の大動脈を流れる塞栓物質の流れを略阻止するように適合化され、かつ、前記治療カテーテルは、人工大動脈弁を展開するように適合化される、条項65に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塞栓物質捕捉カテーテルであって、
外部シースルーメンを画定する外部シースと、
前記外部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、内部シースルーメンを画定する内部シースであって、前記内部シースは、内部シース遠位端部分を有する、内部シースと、
血管内で前進するための挿入形状および前記血管を介する塞栓物質の流れを阻止するための展開形状を有する塞栓物質捕捉エレメントと、を備え、前記塞栓物質捕捉エレメントは、外部足場部分と内部フィルタ部分とを備え、前記外部足場部分は、外部足場近位端部分と、外部足場遠位端部分と、前記外部足場近位端部分と前記外部足場遠位端部分との間を延びる外部足場中間部分とを有し、前記外部足場近位端部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着され、前記外部足場部分は、前記塞栓物質捕捉カテーテルが前記挿入形状から前記展開形状へと再構成される間に、自己拡張して前記外部シース遠位端部分が血管内面と係合するように構成され、前記内部フィルタ部分は、内部フィルタ近位端部分と、内部フィルタ遠位端部分とを有し、前記内部フィルタ近位端部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着され、前記内部フィルタ部分は、前記内部フィルタ部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成され、前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分と結合され、かつ、前記外部足場部分は、前記展開形状において、前記外部足場遠位端部分が外部足場遠位端部分外径を有し、かつ前記外部足場中間部分が、前記外部足場遠位端部分外径より小さい外部足場中間部分外径を有する段付きの外径プロファイルを有する、塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項2】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記外部足場部分の遠位端部分を前記内部フィルタ部分の遠位端部分と結合させる中間部分を備える、請求項1に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項3】
前記内部フィルタ部分は、前記展開形状において、前記外部足場部分から、介在する環状空間により分離される、請求項2に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項4】
前記中間部分は、前記中間部分を介して流れる血液から塞栓物質を捕捉するように構成される、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項5】
前記中間部分は、非多孔質である、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項6】
前記中間部分は、血流を前記内部フィルタ部分へと方向づけるように構成される円錐形状を有する、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項7】
前記外部足場部分、前記中間部分および前記内部フィルタ部分は、一体形成された編組線部材の部分である、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項8】
前記中間部分へ付着される遠位端シートをさらに備え、前記遠位端シートは、前記中間部分を介して流れる塞栓物質の流れを阻止するように構成される、請求項7に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項9】
前記遠位端シートは、非多孔質である、請求項8に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項10】
前記遠位端シートは、前記遠位端シートを介して流れる血液から塞栓物質を濾過するように適合化された多孔度を有する、請求項8に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項11】
前記外部足場部分は、前記血管内面の非外傷性係合用に構成される遠位拡張性ワイヤループを備える、請求項3に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項12】
拡張器シースと展開キャップアセンブリとを含む拡張器アセンブリをさらに備え、前記拡張器シースは、前記内部シースルーメン内に摺動可能に配置されて、拡張器シースルーメンを画定し、前記展開キャップアセンブリは、前記拡張器シースルーメン内に摺動可能に配置され、
前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位端部分は、前記挿入形状において前記拡張器アセンブリにより押さえられ、
前記塞栓物質捕捉エレメントの前記遠位端部分は、前記拡張器アセンブリによる前記塞栓物質捕捉エレメントの前記遠位端部分の解放に応答して、前記拡張器シースに対する前記展開キャップアセンブリの遠位前進を介して前記展開形状へと半径方向に拡張し、かつ、
前記拡張器アセンブリは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記展開形状にある間に、前記内部シースに対する前記拡張器アセンブリの近位後退を介して前記内部シースルーメンから取外しが可能である、請求項1に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項13】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状であるときに、前記拡張器シースの外面に合致する、請求項12に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項14】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、少なくとも部分的に、前記拡張器アセンブリを介して前記塞栓物質捕捉エレメントに与えられる軸方向の張力によって前記挿入形状に保持される、請求項13に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項15】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記挿入形状である状態で、前記外部シースの遠位に配置可能である、請求項13に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項16】
前記内部フィルタ部分は、前記内部シース遠位端部分へ付着される、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項17】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、形状記憶材料を含む、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項18】
前記塞栓物質捕捉エレメントが前記展開形状である間に、前記内部シースルーメンを介して塞栓物質を抜き取るように動作可能な塞栓物質抽出デバイスと結合されるべく適合化される、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項19】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記展開形状から、前記塞栓物質捕捉エレメントが前記外部シースルーメン内に配置される被捕捉形状へと、前記外部シースに対する前記内部シースの近位後退を介して再構成可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項20】
前記内部フィルタ部分は、前記外部足場部分へ、前記外部足場部分の全長に沿って付着される、請求項1~15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項21】
前記内部シースは、前記展開形状において、前記内部シースルーメンへの治療カテーテルの挿入、および前記治療カテーテルの遠位部分の、前記塞栓物質捕捉エレメントの遠位にあるポジションへの前進に対応し、かつ、
前記治療カテーテルの前記遠位部分は、外科的タスクを達成するように適合化される、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【請求項22】
前記塞栓物質捕捉エレメントは、前記展開形状において、患者の大動脈と接触し、かつ前記塞栓物質捕捉エレメントを通過して前記患者の大動脈を流れる塞栓物質の流れを実質的に阻止するように適合化され、かつ、
前記治療カテーテルは、人工大動脈弁を展開するように適合化される、請求項
21に記載の塞栓物質捕捉カテーテル。
【国際調査報告】