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▶ イエティ クーラーズ、エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ポータブルチェア
(51)【国際特許分類】
   A47C 1/031 20060101AFI20220803BHJP
   A47C 4/28 20060101ALI20220803BHJP
   A47C 5/10 20060101ALI20220803BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
A47C1/031
A47C4/28 C
A47C5/10 L
A47C7/54 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564743
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 US2020035942
(87)【国際公開番号】W WO2020247512
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】62/857,001
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/891,215
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138232
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーズコ、マイケル クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ、エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターホルター、アンドリュー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3B099
【Fターム(参考)】
3B099AA03
3B099BA10
3B099CA29
(57)【要約】
ポータブルチェアは、前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚とを含み得る。第1の前脚及び第1の後脚は、肘掛け上のスライドピボットに枢動可能に接続することができ、スライドピボットは、肘掛けに対して移動して、チェアを直立位置からリクライニング位置に調整する。座席アセンブリは、複数の布保持部材によって座席フレームに取り付けられ固定された布部材を含み得る。いくつかの実例では、ポータブルチェアは、座席フレーム及び背面フレームに解放可能に接続され、座席フレームの前方レールから背面フレームの上部レールまで延在する布部材を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルチェアであって、
前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、
後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚と、
前方レール、前記前方レールの反対側の後方レール、前記前方レールと前記後方レールの間に延びる第1の座席側部レール、及び前記前方レールと前記後方レールとの間に延びる、前記第1の座席側部レールの反対側の第2の座席側部レールを含む座席フレームと、
上部レール、前記上部レールから下向きに延びる第1の背面側部レール、及び前記上部レールから下向きに延びる、前記第1の背面側部レールの反対側の第2の背面側部レールを含む背面フレームと、
前記座席フレーム及び前記背面フレームに解放可能に接続された布部材であって、前記前方レールから前記上部レールまで延びる布部材と、
後端部分で前記背面フレームに枢動可能に接続された肘掛け本体と、前記肘掛け本体に接続された制御アセンブリとを有する肘掛けであって、前記制御アセンブリは、前記第1の前脚及び前記第1の後脚に枢動可能に取り付けられ且つ前記肘掛けとスライド可能に係合もするスライドピボットを含み、前記肘掛けは、前記背面フレームに枢動可能に接続された後端を有し、前記スライドピボットの後方移動により、前記ポータブルチェアが直立位置からリクライニング位置へ移動する、肘掛けと
を有し、また
展開位置及び折り畳み位置を有する、ポータブルチェア。
【請求項2】
前記スライドピボットは、第1の組の係合歯を有し、前記第1の組の係合歯は、第2の組の係合歯と係合して、前記スライドピボットを前記肘掛け本体に対して固定位置に固定する、請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項3】
前記制御アセンブリは、前記肘掛け本体に枢動可能に取り付けられた側部パドルであって、前記側部パドルを内側に回転させると、前記第2の組の係合歯が前記第1の組の係合歯から係合解除され、それにより前記スライドピボットを前記肘掛け本体に対して移動可能にする側部パドルを更に含む、請求項2に記載のポータブルチェア。
【請求項4】
前記側部パドルは、ユーザからの接触を受ける作動部分と、回転軸を規定し且つピンを受け入れるレシーバと、係合部分とを有し、前記作動部分及び係合部分は、互いに実質的に垂直に配置されている、請求項3に記載のポータブルチェア。
【請求項5】
前記第2の組の係合歯は、前記側部パドルの前記係合部分に取り付けられている、請求項4に記載のポータブルチェア。
【請求項6】
前記側部パドルは、前記肘掛けの外側部に配置されている、請求項3に記載のポータブルチェア。
【請求項7】
前記スライドピボットは、前記肘掛け本体の底部に沿って配置されたガイドレールに沿ってスライドする、請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項8】
前記ガイドレールは、前記肘掛け本体と一体的に形成されている、請求項7に記載のポータブルチェア。
【請求項9】
前記第1の後脚と前記後部スレッドとの間に第1の後脚延長部が配置され、前記第2の後脚と前記後部スレッドとの間に第2の後脚延長部が配置され、前記第1の後脚延長部は、前記第1の後脚とは異なる方向に延びている、請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項10】
前記第1の後脚延長部は、前記第1の後脚と鈍角を形成する、請求項9に記載のポータブルチェア。
【請求項11】
前記布部材は、複数の側部部分を含み、前記複数の側部部分の各側部部分は、複数の布保持部材を使用して、前記第1の側部座席レール、前記第2の側部座席レール、前記第1の背面側部レール、及び前記第2の背面側部レールのうちの1つに固定される、請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項12】
前記複数の布保持部材は、複数の相補的な機械的留め具を有し、各相補的な機械的留め具は、解放可能な接続を形成するように互いに接続する第1の機械的要素及び第2の機械的要素を含む、請求項11に記載のポータブルチェア。
【請求項13】
前記第1の側部座席レールは、第1の組の第1の機械的要素を含み、前記第2の側部座席レールは、互いに向き合う第2の組の第1の機械的要素を含む、請求項12に記載のポータブルチェア。
【請求項14】
ポータブルチェアであって、
前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、
後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚と、
前方レール、前記前方レールの反対側の後方レール、前記前方レールと前記後方レールの間に延びる第1の座席側部レール、及び前記前方レールと前記後方レールの間に延びる、前記第1の座席側部レールの反対側の第2の座席側部レールを含む座席フレームと、
上部レール、前記上部レールから下向きに延びる第1の背面側部レール、及び前記上部レールから下向きに延びる、前記第1の背面側部レールの反対側の第2の背面側部レールを含む背面フレームと、
前記座席フレーム及び前記背面フレームに解放可能に接続された布部材であって、前記前方レールから前記上部レールまで連続的に延び、且つ複数の相補的な機械的留め具を使用して前記座席フレーム及び前記背面フレームに接続された布部材と、
後端部分で前記背面フレームに枢動可能に接続された肘掛け本体と、前記肘掛け本体に接続された制御アセンブリとを有する肘掛けと
を有し、前記制御アセンブリは、
前記第1の前脚及び前記第1の後脚に枢動可能に取り付けられ且つ前記肘掛けとスライド可能に係合もするスライドピボットであって、第1の組の係合歯を含むスライドピボットと、
前記肘掛け本体に枢動可能に取り付けられた側部パドルであって、前記スライドピボットを前記肘掛け本体に対して固定位置に固定するように前記第1の組の係合歯と係合する第2の組の係合歯を含む側部パドルと、
前記側部パドルと前記肘掛け本体の間に配置された少なくとも1つの弾性部材であって、前記第2の組の係合歯を前記第1の組の係合歯と接触させ続けるように前記側部パドルに力を加える少なくとも1つの弾性部材と
を含み、
前記側部パドルを内側に回転させると、前記第2の組の係合歯が前記第1の組の係合歯から係合解除され、それにより前記スライドピボットを前記肘掛け本体に対して移動可能にして、前記ポータブルチェアを直立位置からリクライニング位置に移動させる、ポータブルチェア。
【請求項15】
前記第2の組の係合歯のうちの少なくとも1つの歯は、外側面取り縁部を有する、請求項14に記載のポータブルチェア。
【請求項16】
ポータブルチェアであって、
前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、
後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚と、
前記第1の前脚及び前記第2の前脚と枢動可能に係合する座席フレームであって、前方レール、前記前方レールの反対側の後方レール、前記前方レールと前記後方レールの間に延びる第1の座席側部レール、及び前記前方レールと前記後方レールの間に延びる、前記第1の座席側部レールの反対側の第2の座席側部レールを含む座席フレームと、
前記座席フレームに取り付けられた布保持部材であって、丸みを帯びた外面、第1の内部空洞、及び第2の内部空洞を含み、前記第1の内部空洞は前記座席フレームの一部と係合する、布保持部材と、
前記布保持部材によって前記座席フレームに固定される第1の端部を有する布部材であって、前記布部材の前記第1の端部は、前記布保持部材の前記第2の内部空洞に固定され、前記布部材は、前記座席フレームの支持されていない領域を横切って延びる前に、前記布保持部材の前記丸みを帯びた外面の一部を包み込む、布部材と、
を有するポータブルチェア。
【請求項17】
前記布部材の前記第1の端部は、前記布部材を前記布保持部材に固定するためのロッドを受け入れるループを有する、請求項16に記載のポータブルチェア。
【請求項18】
前記第1の内部空洞は部分的な円筒形状を有し、前記第2の内部空洞は部分的な円筒形状を有し、前記第1の内部空洞は、前記第2の内部空洞よりも大きい半径を有する、請求項16に記載のポータブルチェア。
【請求項19】
前記第1の内部空洞は、前記布保持部材の全長に延びる第1の開口部を含み、前記第2の内部空洞は、前記第2の内部の前記布保持部材の前記全長に延びる第2の開口部を含み、
前記布部材の前記第1の端部は、前記布部材を前記布保持部材に固定するためのロッドを受け入れるループを有し、前記第2の開口部を横切る幅は、前記ロッドの直径よりも小さい、請求項16に記載のポータブルチェア。
【請求項20】
前記第2の開口部に隣接する外側縁は、実質的に丸みを帯びた形状を有し、前記外側縁の半径は、前記布部材の厚さの少なくとも10倍である、請求項19に記載のポータブルチェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月3日に出願された米国特許出願第16/891,215号及び2019年6月4日に出願された米国仮出願第62/857,001号の優先権を主張する。上記の参照出願は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本開示は、ポータブルチェアに関する。より具体的には、本開示の態様(aspect)は、可搬式及び折り畳み式のチェアに関する。
【背景技術】
【0003】
ポータブルチェアは、テールゲーティング、キャンプ、ビーチへの移動、その他のアウトドアアクティビティなど、着座が望ましいイベントやアクティビティでよく使用される(常に提供されるとは限らない)。殆どの場合、チェアは快適ではなく、着座位置(seating position)を調整する能力が限られている可能性がある。更に、チェアの耐久性が低い可能性があり、これはチェアの長期的な存続可能性(viability)を低下させる。従って、一部のポータブルチェアに対する全体的なユーザ満足度は低く、交換頻度が高い。
【発明の概要】
【0004】
以下に、本明細書に記載の様々な態様の簡略化した概要を示す。この概要は、広範な概要ではなく、主要な要素又は重要な要素を特定したり、クレームの範囲を説明したりすることを目的としたものではない。以下の概要は、以下に提供されるより詳細な説明への導入の前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形式で提示しているにすぎない。
【0005】
本開示は、ポータブルチェアであって、前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚と、前方レール、前方レールの反対側の後方レール、前方レールと後方レールとの間に延在する第1の側部座席レール、及び第1の側部座席レールの反対側の前方レールと後方レールとの間に延在する第2の側部座席レール、を含む座席フレームと、上部レール、上部レールから下向きに延在する第1の側部背面レール、及び第1の側部背面レールの反対側の上部レールから下向きに延在する第2の側部背面レール、を含む背面フレームと、を有するポータブルチェアに関連し得る。チェアはまた、座席フレーム及び背面フレームに解放可能に接続された布部材であって、前方レールから上部レールまで延在する布部材と、後端部分で背面フレームに枢動可能に接続される肘掛け本体を含む肘掛けと、制御アセンブリとを含む。制御アセンブリは、肘掛け本体に接続することができ、第1の前脚及び第1の後脚に枢動可能に取り付けられ、また肘掛けとスライド可能に係合するスライドピボットを含み得る。スライドピボットの後方への動きにより、ポータブルチェアが直立位置からリクライニング位置に移動する可能性があり、チェアは折り畳まれた位置と折り畳まれていない位置を有し得る。スライドピボットは、肘掛け本体に対して固定された位置にスライドピボットを固定するために、第2の組の係合歯と係合する第1の組の係合歯を含み得る。更に、制御アセンブリはまた、肘掛け本体に枢動可能に取り付けられた側部パドルを含み得、側部パドルが内側に回転すると、第2の組の係合歯が第1の組の係合歯から係合解除され、スライドピボットが肘掛け本体に対して移動できるようにする。側部パドルはまた、ユーザからの接触を受け取る作動部分、回転軸を定義し、ピンを受け取るレシーバ、及び係合部分を含み得、作動部分と係合部分とは、互いに実質的に垂直に配置されている。第2の組の係合歯は、側部パドルの係合部分に取り付けられ得る。側部パドルは、肘掛けの外側部に配置され得る。スライドピボットは、肘掛け本体の底部に沿って配置されたガイドレールに沿ってスライドし得る。場合によっては、ガイドレールは肘掛け本体と一体的に形成されている。
【0006】
本開示の他の態様は、ポータブルチェアであって、第1の後方脚と後部スレッドとの間に配置される第1の後脚延長部と、第2の後方脚と後部スレッドとの間に配置される第2の後脚延長部とを含み、第1の後脚延長部は、第1の後脚とは異なる方向に延在する、ポータブルチェア、に関連し得る。第1の後脚延長部は、第1の後脚と鈍角を形成し得る。いくつかの実例では、布部材は、複数の側部部分を含み得、複数の側部部分の各側部部分は、複数の布保持部材を使用して、第1の側部座席レール、第2の側部座席レール、第1の側部背面レール、及び第2の側部背面レールのうちの1つに固定される。複数の布保持部材は、複数の相補的な機械的留め具を含み得、各相補的な機械的留め具は、互いに接続して解放可能な接続を形成する第1の機械的要素及び第2の機械的要素を含む。第1の側部座席レールは、第1の組の第1の機械的要素を含み得、第2の側部座席レールは、互いに向き合う第2の組の第1の機械的要素を含む。
【0007】
本開示の更に他の態様は、ポータブルチェアであって、前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚と、前方レール、前方レールの反対側の後方レール、前方レールと後方レールとの間に延在する第1の側部座席レール、及び第1の側部座席レールの反対側の前方レールと後方レールとの間に延在する第2の側部座席レールを含む座席フレームと、上部レール、上部レールから下向きに延在する第1の側部背面レール、及び第1の側部背面レールの反対側の上部レールから下向きに延在する第2の側部背面レールを含む背面フレームと、を有するポータブルチェアに関連し得る。チェアは、座席フレーム及び背面フレームに解放可能に接続された布部材を有し得、ここで、布部材は、前方レールから上部レールまで連続的に延在する。布部材は、複数の相補的な機械的留め具を使用して、座席フレーム及び背面フレームに接続することができる。チェアはまた、後端部分で背面フレームに枢動可能に接続される肘掛け本体と、肘掛け本体に接続される制御アセンブリとを含む肘掛けを含み得る。制御アセンブリは、第1の前脚及び第1の後脚に枢動可能に取り付けられ、また肘掛けとスライド可能に係合するスライドピボットを含み得、スライドピボットは、第1の組の係合歯を含む。制御アセンブリはまた、肘掛け本体に枢動可能に取り付けられた側部パドルを含み得、側部パドルは、第1の組の係合歯と係合して、スライドピボットを肘掛け本体に対して固定位置に固定する第2の組の係合歯を含む。更に、少なくとも1つの弾性部材を側部パドルと肘掛け本体との間に配置することができ、少なくとも1つの弾性部材が側部パドルに力を加えて、第2の組の係合歯を第1の組の係合歯と接触させ続ける。側部パドルが内側に回転すると、第2の組の係合歯が第1の組の係合歯から係合解除され、スライドピボットが肘掛け本体に対して移動し、ポータブルチェアが直立位置からリクライニング位置に移動することができる。第2の組の係合歯は、面取り外側縁を有する少なくとも1つの歯を有し得る。
【0008】
ポータブルチェアは、前部スレッドで接続された第1の前脚及び第2の前脚と、後部スレッドで接続された第1の後脚及び第2の後脚と、第1の前脚及び第2の前脚と枢動可能に係合する座席フレームと、を有し、座席フレームは、前方レール、前方レールの反対側の後方レール、前方レールと後方レールとの間に延在する第1の側部座席レール、及び第1の側部座席レールの反対側の前方レールと後方レールとの間に延在する第2の側部座席レールを含む。布保持部材は、座席フレームに取り付けることができ、布保持部材は、丸みを帯びた外面、第1の内部空洞、及び第2の内部空洞を含む。布保持部材の第1の内部空洞は、座席フレームの一部と係合し得る。布部材は、布保持部材によって背面フレームに固定された第1の端部を有し得、布部材は、座席フレームの支持されていない領域を横切って延びる前に、布保持部材の丸みを帯びた外面を包む。布部材の第1の端部は、布保持部材の第2の内部空洞に固定することができ、布部材の第1の端は、布部材を布保持部材に固定するためのロッドを受け入れるループを有する。第1の内部空洞は部分的な円筒形を有し得、第2の内部空洞は部分的な円筒形を有し、第1の内部空洞は第2の内部空洞よりも大きな半径を有する。更に、第1の内部空洞は、断面図で測定されたときに120度から240度の範囲に及ぶ部分的な円筒形を有し得る。
【0009】
本開示の追加の態様は、布製の保持部材を有するポータブルチェアであって、布保持部材の第1の内部空洞は、布保持部材の全長に延在する第1の開口部と、第2の内部の布保持部材の全長に延在する第2の開口部を含む第2の内部空洞とを含み得る、ポータブルチェアに関連し得る。角度は、第2の内部空洞の中心から第2の開口部の中点を通って延びる線分と、第1の内部空洞の中心を通って第1の開口部の中点を通って延びる線分とによって形成され得、角度は15度から150度の間である。布部材の第1の端部は、布部材を布保持部材に固定するためのロッドを受け入れるループを有し得、第2の開口部を横切る幅は、ロッドの直径よりも小さい。第2の開口部に隣接する外側縁は、実質的に丸みを帯びた形状を有し得、外側縁の半径は、布部材の厚さの少なくとも10倍である。布部材は、背面フレームの支持されていない領域を横切って延びる前に、外側の縁及び丸みを帯びた外面の周りを包むことができる。
【0010】
本開示の他の態様はまた、背面アセンブリを有するポータブルチェアであって、背面アセンブリが、第2の布保持部材によって背面フレームに固定された第2の布部材と、上部レール、上部レールから延在する第1の側部背面レール、及び第1の側部背面レールの反対側の上部レールから延在する第2の側部背面レールを有する背面フレームと、を含む、ポータブルチェアに関連し得る。ポータブルチェアはまた、第1の前脚及び肘掛けとスライド可能に係合する第1の後脚に取り付けられたスライドピボットを有する肘掛けと、後端が背面フレームに枢動可能に接続された肘掛けとを有し得、スライドピボットを後方に動かすと、ポータブルチェアが直立位置からリクライニング位置に移動する。
【0011】
本開示の更に他の態様は、ポータブルチェアであって、前部スレッドで接続された第1の前脚及び第2の前脚と、後部スレッドで接続された第1の後脚及び第2の後脚と、前方レール、前方レールの反対側の後方レール、前方レールと後方レールとの間に延在する第1の側部座席レール、及び第1の側部座席レールの反対側の前方レールと後方レールとの間に延在する第2の側部座席レールを含む座席フレームと、座席フレームに取り付けられ、第1の布部材を座席フレームに固定する、第1の布保持部材と、を含むポータブルチェアに関連し得る。チェアは、上部レール、上部レールから下向きに延びる第1の側部背面レール、及び第1のレールの反対側の上部レールから下向きに延びる第2側部背面レール、背面フレームに取り付けられた第2の布保持部材を含む背面フレームを有し得、第2の布保持部材は、第2の布部材を背面フレームに固定し、第1及び第2の布保持部材の各布保持部材は、丸みを帯びた外面を含む。第1の布部材は、座席フレームの支持されていない領域に延びる前に、第1の布保持部材の丸みを帯びた外面を包み込むことができ、第2の布部材は、背面フレームの支持されていない領域に延びる前に、第2の布保持部材の丸みを帯びた外面を包み込むことができる。チェアは更に、第1の前脚及び肘掛けとスライド可能に係合する第1の後脚に取り付けられたスライドピボットを有する肘掛けと、背面フレームに枢動可能に接続された後端とを含み得、スライドピボットを後方に動かすと、ポータブルチェアが直立位置からリクライニング位置に移動する。スライドピボットは、肘掛けの底面に配置された複数の係合歯と係合して、スライドピボットを肘掛けに対して固定された位置に固定する複数の係合歯を含み得る。更に、肘掛けは、肘掛けに枢動可能に取り付けられた側部パドルを含み得る。その結果、側部パドルが内側に回転すると、肘掛けの底面にある複数の係合歯が、スライドピボット上の複数の係合歯から係合解除され、スライドピボットが肘掛けに対して移動できるようにする。第1の布保持部材は、第1の内部空洞、及び第2の内部空洞を有し得、第1の内部空洞は、座席フレームの一部と係合する。第1の内部空洞は、布保持部材の全長に延在する第1の開口部を含み得、第2の内部空洞は、第2の内部の布保持部材の全長に延在する第2の開口部を含み得る。角度は、第2の内部空洞の中心から第2の開口部の中点を通って延びる線分と、第1の内部空洞の中心を通って第1の開口部の中点を通って延びる線分とによって形成され得、角度は15度から150度の間である。
【0012】
更に、本開示の他の態様では、ポータブルチェアであって、前部スレッドで接続された第1の前脚及び第2の前脚と、後部スレッドで接続された第1の後脚及び第2の後脚と、前端近くで第1の肘掛け支持体に枢動可能に接続された第1の肘掛けと、を有し、第1の肘掛けの後端は、背面フレームに枢動可能に接続され、第1の肘掛け支持体は、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の端部は第1の肘掛けに枢動可能に接続され、第2の端部は座席フレームに枢動可能に接続されている、ポータブルチェアに関連し得る。背面フレームは、上部レール、上部レールから下向きに延びる第1の側部背面レール、及び第1のレールの反対側の上部レールから下向きに延びる第2の側部背面レールを含み得る。布保持部材は、布保持部材が丸みを帯びた外面、第1の内部空洞、及び第2の内部空洞を含み、第1の内部空洞が背面フレームの一部と係合する背面フレームに取り付けられ得る。布部材は、布保持部材によって背面フレームに固定された第1の端部を有し得、布部材は、背面フレームの支持されていない領域を横切って延びる前に、布保持部材の丸みを帯びた外面を包む。第1の内部空洞は、布保持部材の全長に延在する第1の開口部を含み得、第2の内部空洞は、第2の内部の布保持部材の全長に延在する第2の開口部を含む。角度は、第2の内部空洞の中心から第2の開口部の中点を通って延びる線分と、第1の内部空洞の中心を通って第1の開口部の中点を通って延びる線分とによって形成され、角度は15度から150度の間である。布部材の第1の端部は、布部材を布保持部材に固定するためのロッドを受け入れるループを有し、第2の開口部を横切る幅は、ロッドの直径よりも小さい。第2の開口部に隣接する外側縁は、実質的に丸みを帯びた形状を有し、外側縁の半径は、布部材の厚さの少なくとも10倍であり、布部材は、背面フレームの支持されていない領域を横切って延びる前に、外側縁及び外側の丸い表面の周りを包む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書に開示される態様による、直立位置にあるポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図2】本明細書に開示される態様による、折り畳まれた構成の図1のポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図3】本明細書に開示される態様による、折り畳まれた構成の図1のポータブルチェアの側面図である。
図4A】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの拡大部分断面斜視図である。
図4B】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの代替の拡大部分断面斜視図である。
図5A】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの布保持部材の斜視図である。
図5B】本明細書に開示される態様による、図5のポータブルチェアの布保持部材の側面図である。
図6】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの布部材の拡大部分側面図である。
図7】本明細書に開示される態様による、リクライニング位置にあるポータブルチェアの側面図である。
図8】本明細書に開示される態様による、リクライニング位置にある図1のポータブルチェアの上面書面斜視図である。
図9】本明細書に開示される態様による、直立位置にある図1のポータブルチェアの側面図である。
図10】本明細書に開示される態様による、リクライニング位置にある図1のポータブルチェアの側面図である。
図11】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの肘掛けの下部正面斜視図である。
図12】本明細書に開示される態様による、図11のポータブルチェアの肘掛けの上面正面斜視図である。
図13A】本明細書に開示される態様による、図11の肘掛けの断面側面図である。
図13B】本明細書に開示されるような図11の肘掛けの部分断面斜視図である。
図13C】本明細書に開示されるような図11の肘掛けの部分断面斜視図である。
図14】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの肘掛けの代替の実施例の下部正面斜視図である。
図15】本明細書に開示される態様による、図14の肘掛けの上面正面斜視図である。
図16】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの肘掛けの代替の実施例の下部正面斜視図である。
図17】本明細書に開示される態様による、図16の肘掛けの側面斜視図である。
図18】本明細書に開示される態様に従って示される内部形状を有する、図16の肘掛けの上面正面斜視図である。
図19】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの肘掛けの代替の実施例の下部正面斜視図である。
図20】本明細書に開示される態様による、図19の肘掛けの上面正面斜視図である。
図21】本明細書に開示される態様に従って示される内部形状を有する、図20の肘掛けの上面正面斜視図である。
図22】本明細書に開示された態様に従って示される内部形状を有する、図1のポータブルチェアの肘掛けの代替の実施例の上面正面斜視図である。
図23】本明細書に開示される態様に従って示される内部形状を有するロック位置にある図22の肘掛けの側面図である。
図24】本明細書に開示される態様に従って示される内部形状を有する、ロック解除位置にある図22の肘掛けの側面図である。
図25】本明細書に開示される態様による、図1のポータブルチェアの代替の実施例の上面正面斜視図である。
図26】本明細書に開示される態様による、折り畳まれた位置にある図25のポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図27】本明細書に開示される態様による、リクライニング位置にある図25のポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図28】本明細書に開示される態様による、図1の直立位置にあるポータブルチェアの代替の実施例の上面正面斜視図である。
図29】本明細書に開示される態様による、リクライニング位置にある図28のポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図30】本明細書に開示される態様による明確化のために布部材が取り外された、直立位置にある図28のポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図31】本明細書に開示される態様による明確化のために布部材が取り外された、直立位置にある図28のポータブルチェアの側面図である。
図32】布部材が取り外されたリクライニング位置にある図28のポータブルチェアの上面正面斜視図である。
図33】本明細書に開示される態様による明確化のために布部材が取り外された、直立位置にある図28のポータブルチェアの側面図である。
図34】本明細書に開示される態様に従って布部材が部分的に取り付けられた、直立位置にある図28の部分的な背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による様々な例示的な構造の以下の説明において、本明細書の一部を形成し、本発明の態様を実施することができる様々な例示的なデバイス、システム、及び環境を例示として示す添付の図面を参照する。部品、例示的なデバイス、システム、及び環境の他の特定の配置を利用することができ、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的変更を行うことができることを理解されたい。
【0015】
また、本明細書では、「上」、「下」、「前」、「後」、「横」、「後」などの用語を使用して、本発明の様々な例示的な特徴及び要素が説明され得るが、これらの用語は、例えば、図に示される例示的な配向又は典型的な使用中の配向に基づいて、便宜上、本明細書で使用される。更に、本明細書で使用される「複数」という用語は、必要に応じて、分離的に又は結合的に、無限の数までの1より大きい任意の数を示す。本明細書で使用される「ピボット接続」又は「ピボット結合」という用語は、コンポーネント又は機能が、接続されたままでコンポーネントが互いに対して回転できるように結合されていることを示す。「ピボット接続」又は「ピボット結合」の実例には、コンポーネントを「ピボット接続」するために各コンポーネントに配置された開口部に挿入されたピンが含まれ得る。本明細書のいかなるものも、本発明の範囲内に入るために構造の特定の三次元配向を必要とすると解釈されるべきではない。添付の図面は必ずしも原寸に比例して描かれているとは限らないことを理解されたい。
【0016】
一般に、本開示は、全体として、展開位置又は使用位置、及び折り畳み位置又は輸送位置を有するポータブルチェアに関する。ポータブルチェアは、ユーザが簡単に折り畳んで任意の場所に運び、次に簡単に広げて快適な座席を提供することができる。
【0017】
図1図7、及び図8に示すように、ポータブルチェア100は、前部スレッド(sled)106によって接続された第1の前脚102及び第2の前脚104、後部スレッド112によって接続された第1の後脚108及び第2の後脚110、座席アセンブリ120、及び背面アセンブリ134を有し得る。座席アセンブリ120は、前脚102、104をそれぞれ座席アセンブリ120に枢動可能に接続及び/又は固定するために、前脚取り付け部分180、182を更に含み得る。更に、ポータブルチェア100は、肘掛け184の前端185の近くのスライドピボット186で第1の前脚102及び第1の後脚108に枢動可能に接続された第1の肘掛け184であって、第1の肘掛け184の後端近くの第2の接続点188で背面アセンブリ134に枢動可能に接続されてもいる、第1の肘掛け184を含み得る。同様に、第2の肘掛け190はまた、肘掛け190の前端193の近くのスライドピボット192で、第2の前脚104及び第2の後脚110に枢動可能に接続され得、また、第2の接続点196で、第2の肘掛け190の後端で背面アセンブリ134に枢動可能に接続され得る。更に、チェア100は、チェア100の左側の構成要素(即ち、前脚104)がチェア100の右側の構成要素(即ち、前脚102)にミラーリングされ得る対称構造であり得る。
【0018】
座席アセンブリ120は、座席布部材122及び座席フレーム124を含み得、座席フレーム124は、前方レール126と、前方レール126の反対側の後方レール128と、前方レール126と後方レール128との間に延在する第1の側部座席レール130と、第1の側部座席レール130の反対側の前方レール126と後方レール128との間に延在する第2の側部座席レール132とを含む。背面アセンブリ134は、背面布部材136及び背面フレーム138を含み得、背面フレーム138は、上部レール140、上部レール140から下向きに延在する第1の側部背面レール144、及び第1の側部背面レール144の反対側の上部レール140から下向きに第2の側部背面レール146を含む。
【0019】
座席布部材122及び背面布部材136は、複数の布保持部材150を用いて、それぞれ座席フレーム124及び背面フレーム138に固定され得る。例えば、座席布部材122は、複数の側面152を有し得、各側面152は、布保持部材150を使用して、それぞれ前方レール126、後方レール128、第1の側部座席レール130、及び第2の側部座席レール132のそれぞれに固定される端部154を有する。同様に、背面布部材136は、複数の側面156を有し得、各側面156は、布保持部材150を使用して、上部レール140、第1の側部背面レール144、及び第2の側部背面レール146のそれぞれに固定される端部158を有する。
【0020】
チェア100は、別の場所への容易な輸送又は保管のために、図1に示される使用位置から図2及び図3に示される折り畳み位置に容易に変換され得る。回転及び旋回可能なインターフェースの作動により、ポータブルチェア100は、図2及び図3に示されるように可搬位置(ポータブル位置)に折り畳まれ、図1に示されるように着座位置に広げられ得る。折り畳まれた可搬位置にある間、チェア100は、1つ又は複数の戻り止めによって、折り畳まれた可搬位置にロック及び/又は維持され得る。1つ又は複数の戻り止めは、折り畳まれた可搬位置から展開された着座位置へのチェア100の開放に対する抵抗を提供し得る。展開された着座位置にある間、1つ又は複数の戻り止めは、展開された着座位置から折り畳まれた可搬位置へのチェア100の閉鎖に対する抵抗を更に提供し得る。
【0021】
さらなる実例として、チェア100は、折り畳まれた可搬位置から折り畳まれていない着座位置まで開くように構成され得る。折り畳まれた可搬位置では、前脚102、104は後脚108、110に実質的に平行であり得、座席アセンブリ120は背面アセンブリ134に実質的に平行であり得る。追加的及び/又は代替的に、1つ又は複数の戻り止めは、前脚102、104と前脚取り付け部分180、182との間の取り付けインターフェースに含まれ得る。
【0022】
2つの前脚102、104、2つの後脚108、110、前部スレッド106、後部スレッド112は、座席フレーム124及び背面フレーム138のレールとともに、円筒形のロッド、チューブ、及び/又はシャフト、又は他の中空形状であり得る。前脚102、104及び前部スレッド106は、単一の部材として形成され得る。同様に、後脚108、110及び後部スレッド112は、単一の部材として形成され得る。これらの構成要素は、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、ポリマー、複合材料、炭素繊維、及び/又は竹などの木材でできていてもよい。アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金が2つの前脚102、104、の製造に使用される場合、2つの後脚108、110、前部スレッド106、後部スレッド112は、座席フレーム124及び背面フレーム138のレールとともに、金属部品は、ハイドロフォーミング、鋳造、又は当業者に知られている別の方法によって形成され得る。更に、金属部品は、塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメルの塗布によって処理され得る。更に、脚102、104、108、110、スレッド106、112、及びフレーム124、138のレールの製造に使用される金属及び合金は、硬度、靭性、引張強度、せん断強度を高めるために、焼鈍、肌焼き、析出強化、焼き戻し、焼ならし、及び/又は焼入れによって処理され得る。
【0023】
図4A図5A及び図5Bに示されるように、各布保持部材150は、第1の端部160と、第2の端部162と、第1の端部160と第2の端部162との間に延在する丸みを帯びた外面164と、第1の端部160と第2の端部162との間に延在する第1の内部空洞166と、第1の内部空洞166に隣接し、第1の端部160と第2の端部162との間に延在する第2の内部空洞168と、を含み得る。第1の内部空洞166及び第2の内部空洞168のそれぞれは、各内部空洞166、168にそれぞれ開口部170、172を作成する部分的な円筒形を形成するように湾曲され得る。開口部170、172は、布保持部材150の全長に延在することができる。布部材122、136は、それぞれの布部材122、136の端部154、158を第2の内部空洞168の開口部172に挿入することによって、布保持部材150に固定され得る。各端部154、158は、図6に示されるように、ループ174を有し得る。ループ174は、端部160、162の1つを通して同時に、それぞれの布部材122、136のループ174を通して挿入されるロッド175によって、布保持部材150の第2の内部空洞168内に固定され得る。開口部172の幅は、ロッド175の直径よりも小さくてもよく、それにより、それぞれの布部材122、136を所定の位置に固定する。更に、第2の内部空洞168の半径は、ロッド175の直径よりも大きくてもよい。
【0024】
布保持部材150は、座席フレーム124及び背面フレーム138のそれぞれのレールに取り外し可能に結合され得る。例えば、各布保持部材150の第1の内部空洞166は、前方レール126、後方レール128、第1の側部座席レール130、第2の側部座席レール132、上部レール140、第1の側部背面レール144、及び第2の側部背面レール146の周囲に係合及び部分的に延在し得る。次に、布保持部材150は、機械的留め具、又は当業者に知られている他の手段を使用して、座席フレーム124、138のそれぞれのレールに更に固定され得る。
【0025】
上記のように、布保持部材150は、丸みを帯びた外面164を有し得、丸みを帯びた外面164は、中心軸から一定の半径を有する断面形状を有する。或いは、丸みを帯びた外面164は、滑らかな曲面を形成する複数の半径又はスプラインの組み合わせによって規定され得る。第1の内部空洞166及び第2の内部空洞168はまた、部分的な円形断面形状を有し得、第1の内部空洞166が半径R1を有し、座席フレーム124及び背面フレーム138のレールの半径と実質的に同じであり得る。更に、第1の内部空洞166の半径R1は、第2の内部空洞168の半径R2よりも大きくてもよい。更に、第1の内部空洞166は部分的な円形断面しか持たないので、第1の内部空洞166は、第1の内部空洞166の表面に沿って第1の開口縁167から第2の開口縁169まで約180度周囲に延在し得、又は第1の内部空洞166は、120度及び240度の範囲内に延在し得る。更に、第2の内部空洞168は、第2の内部空洞の表面に沿った内側開口縁171から外側開口縁173まで約300度周囲に延在し得、又は第2の内部空洞168は、285度及び330度の範囲内に延在し得る。また、布保持部材150は、長さに沿って実質的に一定の断面形状を有し得る。
【0026】
図4A及び図5Bに示されるように、第1の内部空洞166の開口部170は、第2の内部空洞168の開口部172に対してある角度で配置され得、角度176は、布保持部材150の断面(又は側面図)において、第1の内部空洞166の中心から開口部170の中点まで延びる第1の線分によって規定され、第2の線分は、第2の内部空洞168の中心から開口部172の中心を通って延在する。角度176は、約45度、又は15から75度の範囲内、又は10から80度の範囲内の鋭角であり得る。別途必要に応じて、角度176は、約15度から150度の範囲の角度であり得る。
【0027】
布保持部材150は、開口部172の丸みを帯びた外側縁178を更に含み得、外側縁178は、半径R3によって規定され得、R3は、布部材136(122)の厚さの少なくとも2倍であり、又はいくつかの実施例では、布部材136(122)の厚さの少なくとも4倍であり、又はいくつかの実施例では、布部材136(122)の厚さの少なくとも10倍である。布部材136(122)の端部158(154)が開口部172を出るとき、布部材136(122)は、丸みを帯びた外側縁178を包み込み、次に、布部材136(122)が背面フレーム138(又は座席フレーム124)のレールの間の支持されていない領域を横切って延びる前に、丸みを帯びた外面164を包み続ける。布部材136(122)は、支持されていない領域に延びる前に、丸みを帯びた外面164の長さの少なくとも60パーセントを包み込むことができ、又は布部材136(122)は、丸みを帯びた外面164全体を包むことができる。別途必要に応じて、布部材136(122)が、支持されなくなる前に布保持部材150の外面164の周りを包む量は、角度177によって規定され得る。角度177は、第1の内部空洞166の中心から第2の開口縁169まで延びる第1の線分と、第1の内部空洞166の中心から開口部172の丸みを帯びた外側縁178まで延びる第2の線分とによって規定され、第2の線分は、外側縁178に接している。角度177は、約160度、又は120度から200度の範囲内であり得る。布部材136(122)を包むことにより、布保持部材150の丸みを帯びた外側縁178及び/又は丸みを帯びた外面164の周りに、開口部172での布部材136(122)への応力を緩和するのに役立つ。布保持部材150の開口部172の出口で布部材136(122)にかかる応力を緩和することにより、布部材136(122)の耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
【0028】
図4Bに示される代替の実施例では、布保持部材150の第2の内部空洞168は、第2の内部空洞168の中心が第1の内部空洞166の第2の開口縁169から約180度である場所に配置され得る。上述の実施例と同様に、布部材が、支持されていない領域に延びる前に、布保持部材150の外面164の周りを包む量は、角度177によって規定され得る。この代替の実施例では、角度177は、約180度、又は140度から230度の範囲内であり得る。布部材136(122)を布保持部材150の丸みを帯びた外側縁178及び/又は丸みを帯びた外面164の周りに包むことにより、開口部172での布部材136(122)への応力を緩和するのに役立つ。布保持部材150の開口部172の出口で布部材136(122)にかかる応力を緩和することにより、布部材136(122)の耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
【0029】
布保持部材150は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金などの金属材料、又はポリマー又は複合材料などの非金属材料から形成され得る。布保持部材150は、その長さ全体にわたって一定の断面プロファイルを有することができるので、それが金属又は非金属である場合、それは押し出しプロセスによって形成され得る。或いは、布保持部材150は、金属材料から形成され、保持部材150は、鍛造、鋳造、機械加工、又は他のニアネット形状形成プロセスによって形成され得る。布保持部材150が非金属材料から形成される場合、それは、射出成形プロセス、樹脂トランスファー成形、機械加工、又は他の成形プロセスを使用して形成され得る。
【0030】
布部材122、136は、織りタイプ及び/又はメッシュ状の布であり得る。更に、布部材122、136は、装甲布布、帆布、日よけ布、ケブラー、タープキャンバス、ビニールコーティングされたポリエステル、ナイロンメッシュ、ネオプレン、アルミニウム化ナイロン、及び/又は綿のキャンバスを含むがこれらに限定されない多くの材料のいずれかで構成され得る。いくつかの実施例では、材料は、増加したUV安定化及び耐候性、耐火性、耐摩耗性及び引裂き抵抗、並びに防水を提供するように処理され得る。場合によっては、布部材122、136は、座席アセンブリ120の布部材122が背面アセンブリ134の布部材136と同じであるように、同様の材料から構成され得る。しかしながら、場合によっては、座席アセンブリ120の布部材122は、背面アセンブリ134の布部材136とは異なる材料であり得る。例えば、布部材122は、第1の材料及び/又は材料の組み合わせで作製され得、布部材136は、第2の材料及び/又は第1の材料及び/又は材料の組み合わせとは異なる材料の組み合わせで作製され得る。
【0031】
更に、ポータブルチェア100は、直立位置から複数のリクライニング位置までの複数の着座位置に配置され得る。図7図10に示されるように、ポータブルチェア100は、図9に示される直立位置から図10に示されるリクライニング位置に調整され得る。直立位置では、座席アセンブリ120及び背面アセンブリ134は、約99度の角度を形成することができ、一方、完全にリクライニングした位置では、座席アセンブリ120及び背面アセンブリ134は、約138度の角度を形成することができる。従って、チェア100は、直立位置と完全にリクライニングした位置との間で約39度の角度差を有し得る。
【0032】
ポータブルチェア100の調整は、前脚102、104及び後脚108、110に接続されているスライドピボット186、192の相対位置によって制御され得る。上で論じたように、前脚102、104及び後脚108、110は、それぞれのスライドピボット186、192で肘掛け184、190に枢動可能に取り付けられ得る。スライドピボット186、192のそれぞれは、それぞれの肘掛け184、190とスライド可能に係合され得る。スライドピボット186、192がそれぞれの肘掛け184、190に沿って移動すると、チェア100の背面アセンブリ134は、直立位置からリクライニング位置に調整することができる。例えば、図9に示されるように、スライドピボット186(192)が肘掛け184(190)に対して後方にスライドされるとき、スライドピボット186(192)から肘掛け184の後端187(196)までの距離が減少し、背面アセンブリ134が前方に移動し、チェア100が直立位置に移動する。同様に、図10に示されるように、スライドピボット186(192)が肘掛け184(190)に対して前方にスライドされるとき、スライドピボットと後端187(196)との間の距離が増加し、背面アセンブリ134が前方に移動して、チェア100をリクライニング位置に調整する。
【0033】
スライドピボット186、192の位置を制御するために、肘掛け184、190の少なくとも一方又は両方は、スライドピボット186、192がそれぞれの肘掛け184、190の肘掛け本体189、199に対して移動することを可能にするために、ユーザによって能動的に係合解除されたときにスライドピボット186、192が動くことができるだけであるように、肘掛け本体189、199と、スライドピボット186、192を固定位置にロックするための制御アセンブリ200とを含み得る。本明細書に記載されるように、チェア100は、図11図13C図14図15図16図18図19図21、及び図22図24に示される異なる制御アセンブリ例200(200A~200E)のうちの1つを含み得る。更に、各制御アセンブリ200は、肘掛け184又は190のいずれかで同じように機能する制御アセンブリ200の構成に関連して説明され得る。肘掛け184の制御アセンブリ200は、肘掛け190上にミラー構成で配置され得ることが理解される。本明細書の実例に記載及び示されているように、制御アセンブリ200は、肘掛け184の反対側に配置された肘掛け190上の制御アセンブリ200が肘掛け184と同様の方法で配置され得るが、チェア100の中心面の周りにミラー化された構成であることを理解して、肘掛け184上に配置されるように説明され得る。
【0034】
図11図13Cは、スライドピボット186、192の位置を制御するように構成された制御アセンブリ200Aを有する肘掛け184、190の例示的な実施例を示している。制御アセンブリ200Aは、制御アセンブリ200Aが肘掛け184上にある場合はスライドピボット186A(又は制御アセンブリ200Aが肘掛け190上にある場合はスライドピボット192A)と、肘掛け本体189の下側に配置されたガイドレール又は複数のガイドレール202Aであって、スライドピボット186Aがスライド可能に係合している、ガイドレール202Aと、ガイドレール202Aに隣接して配置された一組の係合歯204Aと、係合歯204Aを含むか、又は係合歯204Aに接続されている側部パドル206Aと、弾性部材208A(又は複数の弾性部材)と、を含み得る。図13A図13Cに示されるように、スライドピボット186Aは、スライドピボット186Aを所定の位置にロックしたままにするために、側部パドル206A上の一組の係合歯204Aと係合する一組の係合歯210Aを有し得る。更に、弾性部材208Aは、係合歯204Aに対して力を加えて、それらを、スライドピボット186A上に配置された係合歯210Aと係合させ続けることができる。ユーザがチェア100を直立位置から完全にリクライニングした位置、又はその間の任意の位置に調整したい場合、ユーザは側部パドル206Aに内向きの力を加え、これにより側部パドル206Aが上向きに回転する。側部パドルの動きが弾性部材208Aによって加えられる力に打ち勝つと、係合歯204Aは上方に移動して、スライドピボット186A上の係合歯210Aから係合解除される。係合歯204A、210Aが互いに係合解除されると、スライドピボット186Aは、ガイドレール202Aに沿って自由にスライドし、それによって、肘掛け184に対する背面アセンブリ134の位置又は角度を調整することができる。ユーザが側部パドル206Aを解放すると、弾性部材208Aは、係合歯204A、210Aが互いに接触するのに必要な力を再び加え、スライドピボット186Aを所定の位置にしっかりとロックする。
【0035】
スライドピボット186A、192Aは、クレビス219A及びそれぞれの前脚及び後脚102、104、108、110を通って延びるピンを受け入れるための開口部を有する下端にクレビス219Aを含み、脚をそれぞれ肘掛け184、190に回転可能に取り付けることができる。スライドピボット186、192はまた、ガイドレール202Aと係合し、少なくとも部分的に包み込むために、クレビス219Aの反対側に配置されたスライド部材221Aを含み得る。いくつかの実例では、スライドピボット186Aは、ガイドレール202に沿ったスライドピボット186の滑らかな動きを提供するために、各ガイドレール202と係合するブッシング217Aを含み得る。更に、スライドピボット186A、192Aはまた、係合歯201Aを支持する係合部分223Aを含み得る。係合部分223Aは、係合歯210Aが前脚及び後脚102、104、108、110の接続部の外側に配置されるように、クレビス219Aに隣接して配置され得る。ガイドレール202Aは、スライドピボット186、192がガイドレール202Aの長さを超えて移動するのを防ぐために、両端にストッパ225Aを有する固定長を有し得る。いくつかの実例では、ガイドレール202Aは、ピボット186Aが自由にスライドすることを可能にするように構成された部材であり得る。ガイドレール202Aは、ピボット186Aがガイドレール202Aにスライド可能に係合することを可能にするために、円筒形、長方形形状、又は他の幾何学的形状を有し得る。いくつかの実例では、ガイドレール202Aは、肘掛け本体189(199)と一体的に形成され得るが、他の実例では、ガイドレール202Aは、別個に形成され、肘掛けに取り付けられ得る。更に、スライドピボット186A、192Aの全体的な移動量は、スライドピボットの長さの比として表すことができる。例えば、スライドピボット186A、192Aの全体的な移動は、ピボットの長さの約1.75倍、又はピボットの長さの1.5倍及び2.0倍の範囲内であり得る。ピボットの長さは、スライドピボット186Aのスライド部材221Aの前端から後端までの距離として規定することができ、長さは、肘掛け184、190の前部から後部への方向に向けられる。
【0036】
係合歯204A、210Aの各組上の複数の歯により、チェア100の複数のリクライニング位置の調整が可能になる。係合歯204A、210Aの組は、直線的に配置され、粗い配置を有し得る。例えば、歯は、長さ1センチメートルあたり約1.45歯の頻度、又は1センチメートルあたり1.3から1.7歯の範囲内にあり得る。この粗い配置は、ユーザに様々なリクライニング位置を提供しながら、歯が荷重を支えるのに十分な強度を持つのに役立ち得る。更に、係合歯204Aの各歯は、歯の上部に面取り縁部205Aを有し得るか、各面取り縁部205Aは、側部パドル206Aの作動部分207Aに最も近い歯の側(即ち、係合歯204Aの外側)にあり得る。場合によっては、側部パドル206A上の係合歯204Aは、スライドピボット186Aの係合歯210Aとオフセット構成で配置され得、即ち、2組の歯204A、210Aの中心線は、互いに離間されており、一方、他の例では、係合歯204A、210Aの両方の組の中心線は、互いに位置合わせされ得る。更に、スライドピボット186A上の係合歯204Aの長さは、肘掛け184上の係合歯210Aの全長の関係として表され得る。例えば、係合歯204Aの長さは、肘掛け184上の係合歯210Aの全長の約2.75倍、又は肘掛け184上の係合歯210Aの全長の2.5倍及び3.0倍の範囲内であり得、長さは、肘掛け184、190の前部から後部への方向に向けられている。
【0037】
図13A図13Cに示されるように、側部パドル206Aは、肘掛け184又は190の外側部に配置され得、チェア100のリクライニング角度を制御するために使用され得る。側部パドル206Aは、ユーザからの接触又は力を受け取る作動部分207A、回転軸212Aを規定し、ピン213Aを受け取るレシーバ209A、及び係合歯204Aを含むレシーバ209Aから延びる係合部分211Aを含み得る。レシーバ209Aは、作動部分207Aと係合部分211Aとの間に配置され得る。係合歯204Aは、側部パドル206Aと一体形成され得るか、別個の部材として形成され、係合部分211Aに取り付けられ得る。作動部分207A及び係合部分211Aは、互いに実質的に垂直であるか、又は互いに60度及び110度の範囲内に配置され得る。上で論じたように、側部パドル206Aは、側部パドル206Aの作動部分207Aに加えられた力により、作動部分207Aが内側に移動し、同時に、側部パドル206Aがヒンジ付き取り付け軸212Aの周りを回転すると同時に、係合歯204Aが上方に移動するように、側部パドル206A上のレシーバ209A及び肘掛け184上のレシーバ215Aと係合するピン213Aを介して肘掛け184に枢動可能に接続され得る。更に、側部パドル206Aの作動部分207Aは、肘掛け184の底部を超えて下向きに延びる幅を有し得、一方、歯204Aは、側部パドル2016Aの作動部分207Aが実質的に歯204Aに垂直に配向されるように、ほぼ水平に延在する。この垂直構成は、作動部分207Aの幅を使用してレバーとして機能し、弾性部材208Aによって加えられる力に打ち勝つためにユーザが必要とする力を最小化するのを助けるのに有益であり得る。弾性部材208Aは、図13Aに示されるように、単一の圧縮ばね又は複数の等間隔の圧縮ばねであり得る。
【0038】
別の特徴として、肘掛け本体189は、肘掛け184の下側に配置された複数のリブ214を有する実質的に滑らかな上面を有し得る。リブ214は、図11に示すようにハニカムパターンで配置され、歯204Aの後方に配置され、肘掛け184の後端187まで延在し得る。リブ214は、肘掛け184の重量を最小化するのを助けながら、肘掛け184の剛性を高めるのを助けることができる。いくつかの実例では、リブ214は、肘掛けの全長にわたって延在し得る。例えば、リブ210は、前方リブ210Aがガイドレール202Aの下にあり得るように、様々な高さを有し得る。
【0039】
図14及び図15は、代替の制御アセンブリ200Bを示している。制御アセンブリ200Bの動作は、一般に、図11図13Cに示される制御アセンブリ200Aと同様であるが、スライドピボット186B上の係合歯210Bは、スライドピボット186Bの側面に沿って配置され、その結果、ユーザは、ハンドル206Bを上方に持ち上げて、係合歯204Bを係合歯210Bから係合解除することができ、これにより、スライドピボット186Bがガイドレール202Bに沿って自由に動くことができる。弾性部材208Bは、係合歯210Bがスライドピボット186Bの歯204Bと係合し続けるように力を加えるためのねじりばねであり得る。
【0040】
図16図18は、代替制御アセンブリ200Cを示している。制御アセンブリ200Cの動作は、一般に、図11図13Cに示される制御アセンブリ200Aと同様であるが、ボタン206Cが上方に動かされて、係合歯204Cを、スライドピボット186Cの上部にある歯210Cから係合解除する。歯210Cが係合歯204Cから係合解除されると、スライドピボット186Cは、ガイドレール202Cに沿って自由に動くことができる。弾性部材208Cは、係合歯210Cをスライドピボット186Cの歯204Cと係合させ続けるように力を加えるように配向された圧縮ばね(又は複数の圧縮ばね)であり得る。
【0041】
図19図21は、代替制御アセンブリ200Dを示している。制御アセンブリ200Cの動作は、一般に、図11図13Cに示される制御アセンブリ200Aと同様であるが、制御アセンブリ200Dにおいて、スライドピボット186Dは、スライドピボット186の上部のポケット内に固定された係合歯210Dを有する。係合歯210Dは、ポケット内で垂直に自由に移動して、肘掛け184上の歯204Dから歯210Dを係合及び係合解除することができる。弾性部材208Dは、スライドピボット186D上のポケット内に配置されて、歯210Dを肘掛けの歯204Dに係合させ続けるために必要な力を加えることができる。ハンドル206Dは、係合歯210Dに直接取り付けられるか、又は単一に形成され得、その結果、ユーザがハンドルを下向きに押すと、係合歯210Dは、歯204Dから垂直に離れて移動し、歯210Dを係合解除し、ピボット186Dをガイドレール202Dに沿って自由にスライドさせる。
【0042】
図22図24は、代替制御アセンブリ200Eを示している。制御アセンブリ200Eは、肘掛け184の前端から延びるレバーハンドル206E上に枢動可能に配置された係合歯204Eを含み得る。スライドピボット186Eは、肘掛け184上の係合歯204Eと係合するために、ピボット186Eの上部に係合歯210Eを有することができる。圧縮ばねであり得る弾性部材208Eは、係合歯204に垂直方向の力を加えて、それらを歯210Eと係合させ続ける。歯を係合解除するために、ユーザはレバー206Eを上向きに引っ張ることができ、次にスライドピボット186Eは、肘掛け184の内面に配置されたガイドスロット202Eに沿って自由にスライドすることができる。レバーがユーザによって解放されると、弾性部材208Eは、必要な力を加えて、歯204E、210Eと係合して、ピボット186Eを所定の位置にロックする。これにより、チェア100を所望の位置に固定する。
【0043】
図25図27に示される実施例では、特徴は、図1図10の実施例で使用される「1xx」ではなく、「3xx」シリーズの参照番号の下で同様の参照番号を使用して参照される。従って、図1図10のチェア100に関して既に上で説明されたチェア300の特定の特徴は、より詳細に説明されない場合もあれば、まったく説明されない場合もある。図25図27は、代替のチェア300を示している。チェア300は、チェア300が実質的に平らな位置にリクライニングすることを可能にするチェア100とは異なる脚構成を有する。換言すれば、座席アセンブリ320及び背面アセンブリ334は、完全にリクライニングされた位置にあるとき、図27に示されるように実質的に同一平面上にあり得る。チェア300は、上で論じたように、布保持部材150及び布部材122、136と同様の布保持部材350及び布部材322、336を有し得る。
【0044】
チェア300は、前部スレッド306によって接続された前脚302及び第2の前脚304、後部スレッド312によって接続された第1の後脚308及び第2の後脚310、座席アセンブリ320、及び背面アセンブリ334を有し得る。前脚302、304及び後脚308、310は、座席アセンブリ320に枢動可能に取り付けられ得る。更に、ポータブルチェア300は、肘掛け384の前端385の近くで第1の肘掛け支持部377に枢動可能に接続され、肘掛け384の後端387の近くで背面アセンブリ334にも枢動可能に接続される第1の肘掛け384を含み得る。第1の肘掛け支持部377は、前方接続点379で肘掛け384に接続され得、肘掛け支持部377の第2の端部381で座席アセンブリ320に枢動可能に接続され得る。同様に、第2の肘掛け390は、肘掛け390の前方接続点393の近くで第2の肘掛け支持体389に枢動可能に接続され得、第1の端部391は、肘掛け390の後端395近くの背面アセンブリ334にも枢動可能に接続された座席アセンブリ320に枢動可能に接続される。チェア300を使用位置に固定するために、カム又は他のロック装置を接続点379、393に配置することができる。第2の肘掛け支持体389は、第1の端部397で肘掛け390に接続され得、肘掛け支持体389の第2の端部399で座席アセンブリ320に枢動可能に接続され得る。更に、チェア300は、チェア300の左側の構成要素(即ち、前脚304)がチェア300の右側の構成要素(即ち、前脚302)にミラーリングされ得る対称構造を有し得る。
【0045】
図26に示されるように、チェア300は、別の場所又は保管場所への容易な輸送のために、図25に示される使用位置から図26に示される折り畳み位置に容易に変換され得る。回転及び旋回可能なインターフェースの作動により、ポータブルチェア300は、図25に示されるように可搬位置に折り畳まれ、図25に示されるように着座位置に広げられ得る。折り畳まれた可搬位置にある間、チェア300は、1つ又は複数の戻り止めによって、折り畳まれた可搬位置にロック及び/又は維持され得る。1つ又は複数の戻り止めは、折り畳まれた可搬位置から展開された着座位置へのチェア300の開放に対する抵抗を提供し得る。展開された着座位置にある間、1つ又は複数の戻り止めは、展開された着座位置から折り畳まれた可搬位置へのチェア300の閉鎖に対する抵抗を更に提供し得る。
【0046】
さらなる実例として、チェア300は、折り畳まれた可搬位置から折り畳まれていない着座位置に開くように構成され得る。チェア300を折り畳むために、前脚302、304は、後脚308、310に向かって内側に折り畳むことができ、後脚308、310は、前脚302、304に向かって内側に折り畳むことができる。折り畳まれた位置では、前脚302、304は、後脚308、310と実質的に平行であり得、座席アセンブリ320は、背面アセンブリが座席アセンブリ320上に折り畳まれるときに、後脚アセンブリ334と実質的に平行であり得る。
【0047】
チェア300を直立位置からリクライニング位置に調整するために、接続点379、393のカム又は他のロック装置を緩めて、背面アセンブリ334を座席アセンブリ320から離れるように回転させることができる。直立位置では、背面アセンブリ334は、座席アセンブリ320に対して約99度の角度で配置され得、完全にリクライニングされた位置では、背面アセンブリ334は、座席アセンブリ320と約180度又は更には180度を超える角度を形成し得る。チェア300はまた、背面アセンブリ334が座席アセンブリ320と99度から180度の間の任意の角度を形成し得るように、部分的にリクライニングされた位置に調整され得る。リクライニング位置に移動するとき、脚102、104、108、110は、図25に示されるように伸長位置にあるか、又は図27に示されるように収縮又は折り畳み位置にあり得る。脚102、104、108、110が折り畳まれた位置にあるとき、チェア300は、座席フレーム324の前方レール326及び背面フレーム338の上部レール340上に載ることができる。座席側レール330、332は、前方レール326の近くで下向きに湾曲している部分と、後方レール328の近くで下向きに湾曲している部分を有し得る。座席側レールを下向きに湾曲させることにより、前方レール326及び後方レール328は、いくつかの構成において、チェア300の支持面として機能することができる。同様に、側面後方レール344、346はまた、上部レール340の近くで後方に湾曲している部分を有し得る。この後方に湾曲している部分は、図27に示されるように、上部レール340が完全にリクライニングされた位置で支持面として機能することを可能にする。
【0048】
図28図34に示される実施例では、特徴は、図1図10の実施例で使用される「1xx」ではなく、「4xx」シリーズの参照番号の下で同様の参照番号を使用して参照される。従って、図1図10のチェア100に関して既に上で説明されたチェア400の特定の特徴は、より詳細に説明されない場合もあれば、まったく説明されない場合もある。図28図35は、代替のチェア400を示している。チェア400は、チェア400が後脚408、410と後部スレッド412との間に後脚延長411を有し、後脚延長411が後脚408、410とは異なる方向に延びることを除いて、チェア100と同様の脚構成を含む。必要に応じて、チェア400は、座席フレーム424及び背面フレーム438に接続する単一の一体の布部材422を有することができる。ここで、布部材422は、座席フレーム424の前方レール426からチェア400の背面フレーム438の上部レール440まで延びる。更に、チェア400は、上記とは異なる布保持方法を含むことができ、布部材422は、以下でより詳細に説明するように、座席フレーム424及び背面フレーム438に解放可能に接続される。チェア400の肘掛け484、490はそれぞれ、直立位置からリクライニング位置に移動するチェア400を制御するために、上記の制御アセンブリ200A~200Eのいずれかを含み得る。
【0049】
図28図34に示されるように、ポータブルチェア400は、前部スレッド406によって接続された第1の前脚402及び第2の前脚404、第1の後脚408及び第2後脚410を有し得る。各後脚408、410は、後脚408、410の端部から離れて外向きに延在し、後部スレッド412に接続する後脚延長411を含み得る。チェア400はまた、座席フレーム424及び背面フレーム438を含み得る。座席フレーム424は、前脚402、404をそれぞれ座席フレーム424に枢動可能に接続及び/又は固定するために、前脚取り付け部分480、482を更に含み得る。更に、ポータブルチェア400は、肘掛け484の前端485の近くのスライドピボット486で、第1の前脚402及び第1の後脚408に枢動可能に接続された第1の肘掛け484であって、第1の肘掛け484の後端近くの第2の接続点488で背面アセンブリ434に枢動可能に接続されてもいる第1の肘掛け484を含み得る。同様に、第2の肘掛け490はまた、肘掛け490の前端493の近くのスライドピボット492で、第2の前脚404及び第2の後脚410に枢動可能に接続され得、また、第2の接続点496で第2の肘掛け490の後端で背面アセンブリ434に枢動可能に接続されている。更に、チェア400は、チェア400の左側の構成要素(即ち、前脚404)がチェア400の右側の構成要素(即ち、前脚402)にミラーリングされ得る対称構造であり得る。
【0050】
上で論じたように、後脚408、410はそれぞれ、後脚延長部411を含み得る。後脚延長部411は、後脚408、410の最後端から後方に延在し得る。各後脚延長部411は、チェアが展開された構成にあるとき、地面に実質的に平行に延在することができ、それぞれの後脚408、410と鈍角413を形成することができる。例えば、図31に示されるように、角度413は、接地面と後脚408、410のいずれかとの間に形成される角度415との補助角度(即ち、2つの角度の合計が180度に等しい)であり得る。従って、後脚延長部411は、チェアを支持するのを助けることができ、図33に示すように、チェア400が完全にリクライニングした位置にあるときに追加の後方支持を提供することができる。いくつかの実例では、後脚延長部411は、チェア400が展開された構成にあるときに前部スレッド406の最前端と後部スレッド412の最後端との間の距離として規定される全長419のパーセンテージとして規定される長さ417を有し得る。例えば、後脚延長部411は、全長419の約14パーセントである長さ417を有し得るか、又は全長419の8パーセントから20パーセントの範囲内であり得る。後脚延長部411の長さ417は、後部スレッド412の最後端から半径の中心までの距離、又は後脚410と後脚延長部411との間の遷移として規定され得る。
【0051】
2つの前脚402、404、2つの後脚408、410、前部スレッド406、後部スレッド412は、座席フレーム424及び背面フレーム438のレールとともに、円筒形のロッド、チューブ、及び/若しくはシャフト、又は他の中空形状であり得る。前脚402、404及び前部スレッド406は、単一の部材として形成され得る。同様に、後脚408、410、後脚延長部411、及び後部スレッド412は、単一の部材として形成され得る。これらの構成要素は、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、ポリマー、複合材料、炭素繊維、及び/又は竹などの木材でできていてもよい。アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金が、2つの前脚402、404、2つの後脚408、410、後脚延長部411、前部スレッド406、座席フレーム424及び背面フレーム438のレールに沿った後部スレッド412の製造に使用される場合、金属部品は、ハイドロフォーミング、鋳造、又は当業者に知られている別の方法によって形成することができる。更に、金属部品は、塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメルの塗布によって処理することができる。更に、脚402、404、408、410、スレッド406、412、後脚延長部411、及びフレーム424、438のレールの製造に使用される金属及び合金は、硬度、靭性、引張強度、せん断強度を高めるために、焼きなまし、肌焼き、析出強化、焼き戻し、焼ならし、及び/又は焼入れを介して処理され得る。
【0052】
チェア400は、座席フレーム424及び背面フレーム438の両方に解放可能に接続するチェア布部材422を有し得る。布部材422は、座席フレーム424の前方レール426から背面フレーム438の上部レール440まで延在し得る。布部材422はまた、第1の側部座席レール430から、座席フレーム424の第1の側部座席レール430の反対側の第2の側部座席レール432まで延在することができ、また、第1の側部背面レール444を横切って、第1の側部背面レール444の反対側の第2の側部背面レール445まで延在し得る。
【0053】
チェア布部材422は、座席フレーム424及び背面フレーム438に沿って配置された複数の布保持部材451を用いて、それぞれ座席フレーム424及び背面フレーム438に固定され得る。いくつかの実例では、複数の布保持部材451は、複数の相補的な機械的留め具であり得、各相補的機械的留め具451は、図34に示されるように、互いに接続して解放可能な接続を形成する第1の機械的要素451A及び第2の機械的要素451Bを含み得る。例えば、相補的な機械的留め具451は、スナップ、ボタン、ねじ、1/4回転ねじ、1/4回転カム、又は当業者に知られている他の簡易着脱留め具であり得る。例えば、布保持部材451は、図34に示されるように、スナップであり得、スナップ451の複数の雌部分は、布部材422に恒久的に取り付けられ、スナップ451のこれらの雌部分は、座席フレーム424及び背面フレーム438に恒久的に取り付けられたスナップ451の複数の対応する雄部分に解放可能に接続する。解放可能な接続により、ユーザは、布部材422を容易に取り外して、チェア400とは別に布を清掃するか、又は布部材422が損傷した場合に交換することができる。布部材422は、前方及び上部455と共に複数の側部部分453を有し得、各側部部分453は、複数の機械的留め具451を使用して、第1の側部座席レール430、第2の側部座席レール432、第1の側の後方レール444、及び第2の側部背面レール446のうちの1つに固定され得る。布部材422の側部部分453は、布保持部材451の第1の機械的要素451A又は第2の機械的要素451Bのうちの1つを含み得る。布部材422は、それぞれ前方レール426及び上部レール440を受け入れるスリーブ又はポケットを形成する前方及び上部455を含み得る。或いは、前方及び上部455は、複数の機械的留め具451を使用した布部材422の側部部分453の解放可能な接続と同様に、前方レール426及び上部レール440に解放可能に接続することができる。
【0054】
更に、布保持部材451の第1の機械的要素451A又は第2の機械的要素451Bのうちの1つは、第1の側部座席レール430、第2の側部座席レール432、第1の側部背面レール444、及び第2の側部背面レール446の内面に配置され得る。いくつかの実例では、第1又は第2の機械的要素451A、451Bは、座席フレーム424の第1の側部背面レール430、第2の側部座席レール432に沿って等間隔を空けられ得、また、背面フレーム438の第1の側部背面レール444、及び第2の側部背面レール446に沿って等間隔を空けられ得る。更に、第1の側部座席レール430上に配置された第1の組の布保持部材451は、第2の側部座席レール432上に配置された第2の組の布保持部材451に面し、またそれらと位置合わせされ得る。同様に、第1の側部背面レール444に配置された第3の組の布保持部材451は、第2の側部背面レール446に配置された第4の組の布保持部材451に面し、位置合わせされ得る。
【0055】
様々な実施例が説明されてきたが、当業者には、特許請求の範囲内にある更に多くの実施例及び実施が可能であることは明らかであろう。上記の様々な寸法は単なる例示であり、必要に応じて変更することができる。従って、当業者には、特許請求の範囲内にある更に多くの実施例及び実施が可能であることが明らかであろう。従って、記載された実施例は、特許請求の範囲を理解するのを助けるためにのみ提供され、特許請求の範囲を限定するものではない。
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図4A
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図5A
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【国際調査報告】