(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】少なくとも1つの車両を自動制御するための車両制御アセンブリおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220803BHJP
【FI】
G05D1/02 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568219
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2020063802
(87)【国際公開番号】W WO2020239493
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】102019114673.9
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521387811
【氏名又は名称】フラバ ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】FRABA B.V.
【住所又は居所原語表記】Jan Campertstraat 11,6416 SG Heerlen Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーザー,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フォルトハウス,ドクター.マーティン
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK08
5H301KK10
5H301LL02
5H301LL06
(57)【要約】
本願発明は、駆動手段を有する少なくとも1つの車両(12)を自動制御するための車両制御アセンブリに関する。車両制御アセンブリには、複数の物体(4,8,10,14,16)と少なくとも床領域部分(66)とを含む囲いのある空間領域(2)と、囲いのある空間領域(2)内で、少なくとも1つの車両(12)の位置を判定するナビゲーションシステム(22)と、が設けられる。車両(12)には、車両(12)を制御する車両制御手段(46)が設けられる。本願発明は、囲いのある空間領域(2)内に、少なくとも1つの3Dセンサアセンブリ(42,44)を有する室内センサシステム(40)が設けられ、室内センサシステム(40)および車両制御手段(46)は、空間制御ユニット(36)に対して制御可能に接続され、それぞれ少なくとも所定のサイズを有する車両(12)と各物体(4,8,10,14,16)と各人物(20)は、センサシステムにて検出され、空間制御ユニット(36)は、少なくとも2次元安全領域(48,50,52,54,56,58、60,62,64)を、車両(12)と各物体(4,8,10,14,16)と各人物(20)に対してそれぞれ関連付けることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段を有する少なくとも1つの車両(12)を自動制御するための車両制御アセンブリであって、
複数の物体(4,8,10,14,16)と、少なくとも床領域部分(66)とを含む囲いのある空間領域(2)と、
前記囲いのある空間領域(2)内で、前記少なくとも1つの車両(12)の位置を判定するナビゲーションシステム(22)と、
を備え、
前記車両(12)は、前記車両(12)を制御するための車両制御手段(46)を含み、
前記囲いのある空間領域(2)内に、少なくとも1つの3Dセンサアセンブリ(42,44)を有する室内センサシステム(40)が設けられ、
前記室内センサシステム(40)および前記車両制御手段(46)は、空間制御ユニット(36)に対して制御可能に接続され、
それぞれ少なくとも所定のサイズを有する前記車両(12)と前記各物体(4,8,10,14,16)と各人物(20)は、前記センサシステムにて検出され、
前記空間制御ユニット(36)は、少なくとも2次元安全領域(48,50,52,54,56,58,60,62,64)を、前記車両(12)と前記各物体(4,8,10,14,16)と前記各人物(20)に対してそれぞれ関連付ける、
ことを特徴とする車両制御アセンブリ。
【請求項2】
前記2次元安全領域(48,50,52,54,56,58,60,62,64)は、前記物体(4,8,10,14,16)および人物(20)それぞれの、前記床領域部分(66)への投影として構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項3】
前記ナビゲーションシステム(22)は、GPSシステム等の距離測定システムとして構成され、少なくとも2つの衛星用コンポーネント(24,26,28)と、前記車両(12)に配置される受信用コンポーネント(34)とを備え、
前記受信用コンポーネント(34)は、前記車両制御手段(46)に対して制御可能に接続されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項4】
前記3Dセンサアセンブリ(42,44)は、ToFセンサまたはレーダセンサとして構成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項5】
前記3Dセンサアセンブリ(42,44)には、少なくとも1つのカメラ(43,45)が関連付けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項6】
前記囲まれた空間フィールド(2)には、前記囲まれた空間フィールド(2)を完全に照明する光源(68)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項7】
前記車両(12)は、距離センサ等の、微細な位置決めのためのセンサを少なくとも1つ備えている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項8】
前記空間制御ユニットには、非可動の物体(4,6,14,18,38)の位置および関連付けられた安全領域(48,50,52,54,56,58,60,62,64)の位置を含む前記囲まれた空間フィールド(2)の基準マップが少なくとも1つ設けられている、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車両制御アセンブリ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の車両制御アセンブリを有する少なくとも1つの車両を制御する方法であって、
前記室内センサシステム(40)により、前記囲まれた空間フィールド(2)が検知される第1ステップと、
前記空間制御ユニット(36)により、すべての物体(4,6,8,10,14,16)および人物(20)に対して安全領域(48,50,52,54,56,58,60,62,64)がそれぞれ関連付けられ、前記少なくとも1つの車両(12)が制御される第2ステップと、
前記車両(12)の前記駆動手段が始動される第3ステップと、
前記車両(12)が、位置、移動方向、速度、加速度、および加速度方向等の、前記空間制御ユニット(36)にて定義されるパラメータに基づいて、意図的に駆動または制動される第4ステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、駆動手段を有する少なくとも1つの車両を自動制御するための車両制御アセンブリであって、複数の物体と少なくとも床領域部分とを含む囲いのある空間領域と、囲いのある空間領域内で、前記少なくとも1つの車両の位置を判定するナビゲーションシステムとを備え、前記車両は、前記車両を制御するための車両制御手段を含んで構成される車両制御アセンブリに関する。さらに、本願発明は、上述の車両制御アセンブリを有する少なくとも1つの車両を制御するための方法に関する。
【0002】
従来技術として、工場のホール等の空間内で車両を自動的に制御および自律的に移動させる構成とされた、例えば車両用フロアコンベアが知られている。この従来技術では、例えば、特定の経路上で車両をAからBへ移動させるために、床領域部分に誘導ループが挿入される。さらに、車両には、キャビネットや物品の一部、また人間等の物体との衝突を防止するために複数のセンサが設けられている。また、従来技術として、各空間内で車両を安全かつ自由に移動させるために複雑な車載センサシステムを備える車両制御アセンブリが知られている。
【0003】
しかしながら、床領域部分に誘導ループを配置し、複雑な車載センサシステムを各車両に装備すると、高価で複雑な構成になってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本願発明は、上述の欠点を取り除くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明によれば、上記目的は、以下の構成により達成できる。すなわち、囲いのある空間フィールド内に、少なくとも1つの3Dセンサアセンブリを有する室内センサシステムを設け、室内センサシステム及び車両制御手段のそれぞれを、空間制御ユニットに制御されるように接続する。それぞれ少なくとも所定のサイズを有する車両および各物体を、センサシステムにて検出する。空間制御ユニットは、少なくとも2次元安全領域を、車両と各物体と各人物に対してそれぞれ関連付ける。この構成により、車両制御用の複雑な車載センサシステムを用いることなく、簡単な方法で車両を室内で移動できる。安全距離の重複が検出されると、空間制御ユニットは、物体の安全領域に占有されない経路が選択されるように、移動速度および移動方向に関して車両を制御する。また、空間制御ユニットにより、事故を回避するように人に対しても安全領域を設けることができる。車両制御ユニットを設ける構成により、車両におけるセンサシステムの著しい簡易化が可能になる。また、新しい車両については、センサシステムに適合させる必要がない。さらに、本願発明による車両制御アセンブリは、室内の変化に柔軟に適応できる。
【0006】
特に、地上車両を安全に制御するためには、2次元安全領域を、それぞれの物体および人物の床領域部分への投影として構成することが有効である。
【0007】
特に有効な実施形態によれば、ナビゲーションシステムは、GPSシステム等の距離測定システムとして構成され、少なくとも2つの衛星用コンポーネントと、車両に配置される受信用コンポーネントとを備え、受信用コンポーネントは、車両制御手段に対して制御可能に接続される構成とされる。この距離測定システムを備えることにより、車両の位置を非常に正確に判定できる。なお、衛星コンポーネントの数は、3Dセンサアセンブリに基づいて決定される。
【0008】
3Dセンサアセンブリは、ToFセンサまたはレーダセンサとして構成されることが有効である。ここで、少なくとも1つのカメラを3Dセンサアセンブリに関連付けできる。この構成により、車両制御アセンブリに多様性がもたらされるが、一方で、盗難防止力を増すためのセキュリティ機能等を追加して構成してもよい。
【0009】
特に、カメラを介して物体を完全に解像して空間制御ユニットに提供するために、囲まれた空間フィールド内に、室内を完全に照明する光源を設けてもよい。
【0010】
特に、フロアコンベア車両に関し、車両に、距離センサ等の、微細な位置決めのためのセンサを少なくとも1つ設けて構成することが有効である。本願発明による車両制御アセンブリの特に有利な実施態様によれば、空間制御ユニットでは、非可動の物体の位置および関連付けられた安全領域の位置を含む囲まれた空間フィールドの基準マップが少なくとも1つ作成される。この構成にすることで、制御にかかる労力を大幅に低減できる。
【0011】
本願発明は、上記車両制御アセンブリを有する少なくとも1つの車両を制御する方法にて実現される。本願発明に係る方法は、室内センサシステムにより、囲まれた空間フィールドが検知される第1ステップと、空間制御ユニットにより、すべての物体および人物に対して安全領域がそれぞれ関連付けられ、少なくとも1つの車両が制御される第2ステップと、車両の駆動手段が始動される第3ステップと、車両が、位置、移動方向、速度、加速度、および加速度方向等の、空間制御ユニットにて定義されるパラメータに基づいて、意図的に駆動または制動される第4ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】工場のホールにおける囲まれた空間フィールドの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本願発明を詳細に説明する。添付の
図1は、工場のホールにおける囲まれた空間フィールドの概略斜視図である。
【0014】
囲まれた空間フィールドは、囲まれた部屋と、例えば、飛行場のような区切られたフリーフィールドの両方として理解される。
【0015】
概略的に示す工場のホール2は、従来通り、生産設備4と、生産設備上で製品を生産する際に必要となる在庫用の貯蔵ラック6と、を備える。製造後の製品8は、フロアコンベヤ車両12にて保管領域10へ移送される。保管領域10で、製品8は、積み込みステーション14,16を介してトラック18に積み込まれる。また、工場のホール2には、例えば、生産設備4を操作する人物20が存在する。この工場のホール2内には、車両12を自律的かつ安全に移動させるために、工場のホール2内で車両12の位置を判定する構成とされた、従来のナビゲーションシステム22が設けられる。ここで、ナビゲーションシステム22は、側壁30,32に締結された3つの衛星用コンポーネント24,26,28からなるGPSシステムとして構成される。フロアコンベア車両12は、従来通り、受信用コンポーネント34を備える。ナビゲーションシステム22は、
図1において操作ステーション38内に概略的に示す空間制御ユニット36に対して制御可能に接続される。工場のホール2内において、物体または人物20を害することなく車両を安全に移動させるため、本実施形態では、2つの3Dセンサアセンブリ42,44を備える部屋センサシステム40が設けられる。ここで、これらの3Dセンサアセンブリ42,44は、いわゆるToFセンサ(Time of flight sensors)として構成され、それぞれにビデオカメラの形態のカメラ43,45が関連付けられる。この室内センサシステム40も、室内制御部36に対して制御可能に接続される。さらに、車両12は、空間制御ユニット36に対して制御可能に接続される車両制御手段46を備える。本願発明によれば、空間制御ユニット36は、各物体4,6,8,10,12,14,16,38および各人物20に対して、安全領域48,50,52,54,56,58,60,62,64をそれぞれ関連付ける。例示的な実施形態である本実施形態において、上記安全領域は、各物体4,6,8,10,12,14,16,38または各人物20の、工場のホール2の床領域部分66への投影として、2次元安全領域48,50,52,56,58,60,62,64で構成される。さらに、工場のホール2を完全に照明する光源68が設けられる。
【0016】
車両12を制御する方法では、第1ステップにおいて、工場のホール2の形態による室内がセンサシステム40にて検出される。第2ステップでは、空間制御ユニット36によって、人物20および少なくとも1つの車両12を含むすべての物体4,6,8,10,12,14,16,38に対して、安全領域48,50,52,54,56,58,60,62,64,66が関連付けられる。その後の第3ステップでは、車両12の図示しない駆動手段を始動させ、第4ステップで、移動方向や移動速度など、空間制御ユニット36にて規定されるパラメータに基づいて、車両12を意図的に駆動または制動する。
【0017】
制御にかかる労力を低減させるために、空間制御ユニット36に、非可動物体4,6,14,16,38の参照マップを設けてもよい。
【国際調査報告】