(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】建設現場用の粉塵容器装置
(51)【国際特許分類】
B23D 47/00 20060101AFI20220803BHJP
B23D 45/16 20060101ALI20220803BHJP
B28D 1/04 20060101ALI20220803BHJP
B28D 7/02 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
B23D47/00 A
B23D45/16
B28D1/04 B
B28D7/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570486
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 SE2020050497
(87)【国際公開番号】W WO2020246928
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268591
【氏名又は名称】ハスクバーナ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ・ロイターベリ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・サンドヴァル
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・グスタフソン
【テーマコード(参考)】
3C040
3C069
【Fターム(参考)】
3C040AA01
3C040BB03
3C040DD01
3C040GG16
3C040GG19
3C040JJ01
3C040LL01
3C040LL05
3C069AA01
3C069BA02
3C069BA04
3C069BC03
3C069BC05
3C069CA01
3C069CA07
3C069DA05
3C069DA07
3C069EA00
3C069EA01
(57)【要約】
本開示は、少なくとも部分的に可撓性の粉塵導管(14)を介して、電動工具(1)に含まれるファン装置(13)に流体結合されるように適合された粉塵容器装置(15、120、210)に関する。粉塵容器装置(15、120、210)は、容器入口(101、125)を有するホルダ部(102、123)を備えるフレーム(100、126)を備える。粉塵容器装置(15、120、210)は、第1の容器(107、121)および第2の容器(108)をさらに備え、容器(107、108、121)は、密閉された方法でホルダ部(102、123)に解放可能に取り付けられる。第1の容器(107、121)は、容器入口(101、125)に吹き込まれた空気(A1)が第1の容器(107、121)の壁(115、132)を通って逃げるのを可能にするように通気性であり、その一方で第2の容器(108)は、動作中気密であり、容器入口(101、125)に導かれた粉塵(113A、113B、113C)を受け入れるように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵導管(14)を介して建設機器(1、300、300a、300b、300c)に含まれるファン装置(13)に流体結合されるように適合された粉塵容器装置(15、120、210)であって、前記粉塵容器装置(15、120、210)は、容器入口(101、125)を有するホルダ部(102、123)を備えるフレーム(100、126)を備え、前記粉塵容器装置(15、120、210)は、第1の容器(107、121)および第2の容器(108)をさらに備え、前記第1の容器(107、121)および前記第2の容器(108)は、密閉された方法で前記ホルダ部(102、123)に解放可能に取り付けられ、さらに、前記第1の容器(107、121)は、前記容器入口(101、125)に吹き込まれた空気(A1)が前記第1の容器(107、121)の壁(115、132)を通って逃げることを可能にするように通気性であり、その一方で、前記第2の容器(108)は、動作中気密であり、前記容器入口(101、125)に導かれた粉塵(113A、113B、113C)を受け入れるように適合される、粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項2】
動作状態において、前記第1の容器(107、121)および前記第2の容器(108)は前記ホルダ部(102、123)の両側に配置される、請求項1に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項3】
前記第1の容器(107、121)および前記第2の容器(108)は、前記ホルダ部(102)の両側に解放可能に取り付けられている、請求項1または2に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項4】
前記第2の容器(108)は、動作中、周囲大気圧に対する障壁を構成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項5】
前記第2の容器(108)は、プラスチックバッグによって構成され、1つの第2の容器(108)を交換すべきときに徐々に展開されるかまたは広げられるように適合された細長い巻き上げられるかまたは折り畳まれたプラスチックチューブ(111)に含まれ、各第2の容器(108)は、底部密閉手段(110)によって底部において閉鎖される、請求項1から4のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項6】
使用済みの第2の容器(108)を交換すべきとき、前記使用済みの第2の容器(108)は頂部密閉手段(112)によって頂部において閉鎖されるように適合され、後続の新しい第2の容器は、前記第2の容器が前記頂部密閉手段(112)と新しい底部密閉クランプとの間の切り込みを利用して互いから分離される前に、新しい底部密閉手段(110)によって底部において閉鎖されるように適合される、請求項5に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項7】
前記粉塵容器装置(15)は、前記容器入口(101、125)に配置された一方向弁(117、134)であって、空気および粉塵が、前記容器入口(101、125)を介して、動作中の前記空気および粉塵の流れ方向とは反対の方向に前記粉塵容器装置(15、120、210)から流れるのを防止するように適合された、一方向弁(117、134)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項8】
前記フレーム(100、126)は、可動性アセンブリ(146、147、200)をさらに備え、前記ホルダ部(102、123)は、非恒久的または恒久的な締結方法によって前記可動性アセンブリ(146、147、200)に取り付けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項9】
前記可動性アセンブリ(146、147、200)は、前記ホルダ部(102、123)に取り付けられたハンドル(109、130)を備える、請求項8に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項10】
前記可動性アセンブリ(146、147、200)は、フレーム(100、126)および車輪(106A、106B、131A、131B、201a、201b)を備える、請求項8または9に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項11】
前記可動性アセンブリ(146、147、200)は、支持手段(103、104、127、128)と、ベース部(105、129)と、をさらに備え、前記車輪(106A、106B、131A、131B)は前記ベース部(105、129)に取り付けられ、前記ホルダ部(102、123)は前記支持手段(103、104、127、128)を介して前記ベース部(105、129)に取り付けられている、請求項10に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項12】
前記第2の容器(108)は、前記ホルダ部(102、123)と前記ベース部(105、129)との間に伸びるように適合される、請求項11に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項13】
動作中の前記容器入口(101、125)における空気圧は、0.05バール未満、好ましくは0.03バール未満、より好ましくは0.01バール未満、さらにより好ましくは0.005バール未満だけ周囲大気圧を超える、請求項1から12のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項14】
前記容器入口(101、125)における最大空気圧は、0.1バール未満、好ましくは0.07バール未満、さらにより好ましくは0.05バール未満だけ周囲大気圧を超える、請求項1から13のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項15】
前記粉塵容器装置(15、120、210)は、前記粉塵容器装置(15、120、210)に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置(13)であって、ファンプーリ(29)に接続されたファンタービン(26)を備える、ファン装置(13)に流体結合されるように適合され、前記建設機器に含まれる駆動ベルト(9)は、前記ファンプーリ(29)を推進するように構成されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項16】
前記粉塵容器装置(15、120、210)は、前記粉塵容器装置(15、120、210)に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置(13’)に流体結合されるように適合され、前記ファン装置(13’)は、バッテリ(145)によって電力供給される電気モータ(148)を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項17】
アイドル状態では、前記第1の容器(107、121)は前記ホルダ部(102、123)内に押し下げられかつ前記ホルダ部(102、123)の中に格納されるように適合される、請求項1から16のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項18】
前記第1の容器(107、121)の前記壁(115、132)は、前記容器入口(101)に吹き込まれる空気(A1)の最大空気流において、
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.997%、
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.99%、または
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.97%
のうちの1つの濾過度を提供する透過性の特徴を有する材料で作成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項19】
前記容器入口(101)に吹き込まれる空気(A1)の前記最大空気流は、30リットル/秒(l/s)~80l/s、好ましくは40l/s~70l/s、最も好ましくは50l/s~60l/sである、請求項1から18のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項20】
前記第1の容器(121)は、長手方向延長線(L)に垂直な平面内の最大断面積(A
max)が、前記ホルダ部(123)から第1の距離(d
1)のところ、および前記第1の容器(121)の頂部(122)から第2の距離(d
2)のところに存在する形状を有し、前記頂部(122)は、前記第1の容器(121)における前記ホルダ部(123)から最も遠くに位置決めされるように適合された一部であり、前記第1の距離(d
1)は、前記第2の距離(d
2)を下回る、請求項1から19のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(120)。
【請求項21】
前記最大断面積(A
max)は、前記長手方向延長線(L)に垂直な平面における前記保持部(123)の断面積を超える、請求項20に記載の粉塵容器装置(120)。
【請求項22】
前記粉塵容器装置(15、120、210)は、前記第1の容器(121)を膨張した位置に維持するように適合された支持デバイス(142、143)を備える、請求項1から21のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項23】
前記支持デバイスは、前記第1の容器(107、121)内に延在する伸縮ロッド(142)の形態、または前記第1の容器(107、121)の前記壁(115、132)に沿って延在する可撓性螺旋ロッド(143)の形態のいずれかである、請求項22に記載の粉塵容器装置(15、120、210)。
【請求項24】
前記可動性アセンブリ(200)は、アーリーエントリーソーイングプロセス中に前記可動性アセンブリをコンクリート上で支持するように構成された車輪(201a、201b)を備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項25】
前記車輪は、5cm~40cm、好ましくは約10cmの直径Dを有するように構成されている、請求項24に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項26】
前記車輪は、5cm~15cm、好ましくは約7cmの幅Wで構成されている、請求項24または25に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項27】
前記車輪(201a、201b)は、弾性材料(203)でコーティングされている、請求項24から26のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項28】
前記可動性アセンブリ(200)は、前記粉塵容器装置を引っ張るように構成された建設機器に結合するように構成されたドローバー装置(202)を備える、請求項1から27のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項29】
前記ドローバー装置(202)は、弓形形状(202a、202b)で構成される、請求項28に記載の粉塵容器装置(15、120)。
【請求項30】
前記建設機器(300a、300b、300c)に固定式に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載の粉塵容器装置(210)。
【請求項31】
粉塵を移送するように適合されたファン装置(13、310a、310b、310c)を備える建設機器(1、300、300a、300b、300c)を備える工具システム(119、133)であって、前記工具システム(119、133)は、請求項1から30のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(15、120、210)をさらに備え、前記ファン装置(13、310a、310b、310c)は、粉塵導管(14)を利用して前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)上の粉塵チャネル(11)と前記粉塵容器装置(15、120、210)の前記容器入口(101)との間に流体結合されるように構成されている、工具システム(119、133)。
【請求項32】
前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)は、作業工具(2)を推進するように適合され、前記ファン装置(13)は、前記作業工具(2)と同じ電源によって推進される、請求項31に記載の工具システム(119、133)。
【請求項33】
前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)は手持ち式電動工具である、請求項31または32に記載の工具システム(119、133)。
【請求項34】
前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)は、電動カッターなどの電動工具(1)である、請求項31から33のいずれか一項に記載の工具システム(119、133)。
【請求項35】
前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)および前記ファン装置(13)は、少なくとも動作中に物理的に接続される、請求項31から34のいずれか一項に記載の工具システム(119、133)。
【請求項36】
前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)は、バッテリ駆動式であり、回転可能な作業工具(2)と、バッテリ(145)と、を備え、前記粉塵容器装置(15、120、210)は、前記粉塵容器装置(15、120、210)に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置(13’)に流体結合されるように適合され、前記ファン装置(13’)は、前記バッテリ(145)によって電力供給される電気モータ(148)を備える、請求項31から35のいずれか一項に記載の工具システム(119、133)。
【請求項37】
前記建設機器(1、300、300a、300b、300c)は、回転可能な作業工具(2)と、動力伝達ユニット(27)に含まれる第1の駆動プーリ(28)を推進するように構成されたエンジン(4)と、を備える電動工具(1)であり、前記動力伝達ユニット(27)は、前記第1の駆動プーリ(28)が推進されるときに前記回転可能な作業工具(2)を少なくとも間接的に推進するように構成された無端駆動ベルト(9)を備え、前記電動工具(1)は、前記回転可能な作業工具(2)の一部を遮蔽するように構成されたブレードガード(8)と、前記ブレードガード(8)と前記回転可能な作業工具(2)との間に形成された粉塵チャネル(11)と、をさらに備え、前記粉塵チャネル(11)は、ファン装置(13)に流体結合され、前記ファン装置(13)は、前記粉塵チャネル(11)から空気を搬送するように構成され、かつ前記動力伝達ユニット(27)に含まれるファンプーリ(29)に接続されたファンタービン(26)を備え、前記無端駆動ベルト(9)は、前記ファンプーリ(29)を推進するように構成されており、前記工具システムは、前記粉塵導管を構成しかつ前記ファン装置(13)を前記粉塵容器装置(15、120、210)に接続するように適合された粉塵ホース(14)をさらに備え、前記ファン装置(13)は、前記粉塵ホース(14)を介して前記粉塵チャネル(11)から前記粉塵容器装置(15、120、210)に向かって空気を搬送するように構成されている、請求項31~35のいずれか一項に記載の工具システム(119、133)。
【請求項38】
前記ファンプーリ(29)が張力をかけられた状態にあるとき、前記無端駆動ベルト(9)は張力をかけられ、前記ファンプーリ(29)と前記回転可能な作業工具(2)との両方を駆動するように構成されており、前記ファンプーリ(29)が解放状態にあるとき、前記無端駆動ベルト(9)の前記張力は解放される、請求項37に記載の工具システム(119、133)。
【請求項39】
前記ファン装置(13、13’)と前記粉塵容器装置(15、120)との間の第1の最短粉塵移動距離は、前記ファン装置(13、13’)と、ブレードガード(8)と前記回転可能な作業工具(2)との間に形成された前記粉塵チャネル(11)と、の間の第2の最短粉塵移動距離を超える、請求項31から38のいずれか一項に記載の工具システム(119、133)。
【請求項40】
前記ブレードガード(8)の上方部と前記ファン装置(13)との間に粉塵パイプ(12)が接続され、前記粉塵パイプ(12)は剛性であり、前記粉塵導管(14)は少なくとも部分的に可撓性である、請求項31から39のいずれか一項に記載の工具システム(119、133)。
【請求項41】
請求項1から30のいずれか一項に記載の粉塵容器装置(210)を備える建設機器(300、300a、300b、300c)であって、前記粉塵容器装置は、前記建設機器に固定的にまたは取り外し可能に取り付けられるように構成されている、建設機器(300、300a、300b、300c)。
【請求項42】
前記建設機器は、アーリーエントリーフロアソーである、請求項41に記載の建設機器(300a)。
【請求項43】
前記アーリーエントリーフロアソーは、前記建設機器(300a)の前方の床面の特定の区画(S)に向かう明確なオペレータの見通し線(L)を維持するために、2つ以上の粉塵容器装置(210a、210b)を支持するように構成されている、請求項42に記載の建設機器(300a)。
【請求項44】
前記建設機器は、フロアソー(300c)である、請求項41に記載の建設機器(300c)。
【請求項45】
前記建設機器は、フロアグラインダ(300b)である、請求項41に記載の建設機器(300b)。
【請求項46】
前記建設機器は、アップカット動作用に構成された円形ソーブレードを備え、前記粉塵収集装置(210)は、主動作方向に対して前記建設機器の後方区画に取り付けられるように配置される、請求項41から44のいずれか一項に記載の建設機器(300、300a、300c)。
【請求項47】
前記建設機器が、ダウンカット動作用に構成されたソーブレードを備え、前記粉塵収集装置(210)は、主動作方向に対して前記建設機器の前方区画に取り付けられるように配置される、請求項41から44のいずれか一項に記載の建設機器(300、300a、300c)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具、フロアソー、およびフロアグラインダなどの建設機器に含まれるファン装置に流体結合されるように適合された粉塵容器装置に関する。粉塵容器装置は、少なくとも部分的に可撓性の粉塵導管を介して建設機器に結合されてよい、または建設機器に直接取り付けられてもよい。
【背景技術】
【0002】
エンジン駆動の手持ち式切断機などの多くの電動工具は、円形またはリング形状であり得るソーブレードを有する。そのような切断機は、コンクリートまたは岩石などの硬質材料を切断するために使用されてよく、この場合、切断処置は粉塵の生成をもたらす可能性がある。粉塵はまた、フロアソーおよびフロアグラインダがコンクリート表面を処理するために使用されるときにも発生する。コンクリートの粉塵は、呼吸するには不健康であり、またオペレータの視覚を損ない、空気中で自由に拡張する可能性のあるそのような粉塵の生成を最小限に抑えることが望ましい。工具のエンジンに入り込むこのような遊離性のコンクリート粉塵は、エンジンに悪影響を及ぼし、望ましくない健康上の影響を引き起こし、一般に環境を汚染する可能性がある。
【0003】
上記のタイプの多くの工具は、この目的のために、水供給部を備えており、この場合、水の流れは、大量の粉塵が水と混合され、これにより保持されて空気中に拡張しないように維持されるようなやり方でソーブレードまたは研削装置に向けられる。水は通常、作業現場で処理しなければならないため、必要以上の水は望ましくない。したがって、水の流れは最小限に保たれることが好ましい。一部の作業現場では、清浄度を求める要求または水の不足により、そのような給水は望ましくない結果となる。この目的のために、電気掃除機タイプの多くのタイプの粉塵除去システムが開発されている。
【0004】
特許文献1は、電動駆動式ファンを有する粉塵容器を記載しており、この場合、ファンを駆動するのに必要な電力は、粉塵容器に流体結合された電動カッターであって、発電機を少なくとも間接的に駆動するように構成されたエンジンを有する、電動カッターでの発電機の動作によって生成される。
【0005】
一部の粉塵除去システムは、望ましくない粉塵粒子を離れた場所の粉塵容器に案内する粉塵ホース内に空気を推進させるための一体型ファンを有する。これらのファンは、例えば特許文献2に記載されているように、通常、切断機の主エンジンに接続された伝動装置であって、1つまたは複数の駆動ベルトまたは歯車伝動装置を備える、伝動装置を利用して推進される。
【0006】
特許文献3は、回転可能な作業工具の一部を遮蔽するように配置されたブレードガードと、ブレードガードと回転可能な作業工具との間に形成された粉塵チャネルと、を備えるエンジン駆動式の工具を記載している。粉塵チャネルは、粉塵チャネルから空気を搬送するように構成されたファン装置であって、動力伝達ユニットに含まれるファンプーリに接続されたファンタービンを備える、ファン装置に少なくとも間接的に接続される。駆動ベルトは、ファンプーリを推進するように配置されている。ファンプーリが張力をかけられた状態にあるとき、駆動ベルトは張力をかけられ、ファンプーリおよび回転可能な作業工具の両方を駆動するように構成されており、ファンプーリが解放された状態にあるとき、駆動ベルトの張力は解放される。
【0007】
しかしながら、粉塵容器は、通常、粉塵で充填されることになり、そのため粉塵バッグを交換する必要があるようになる粉塵バッグを備える。そのような粉塵バッグは、通常非常に高価であり、除去中に厳重に保つことが困難な場合があり、その結果、細かい粉塵が偶発的に放出されることになり、これは非常に望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2018084771号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6039037号明細書
【特許文献3】国際公開第2008084784号パンフレット
【特許文献4】米国特許第20160031054号明細書
【特許文献5】米国特許第8110025号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の目的は、汎用性があり、作業現場で容易に移動させることができ、より費用が安く、粉塵の安全な取り扱いを可能にし、したがって粉塵の確実な除去を提供し、周囲の空気中に放出される粉塵の量を最小限に抑えることができる粉塵容器装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、電動工具などの建設機器に含まれるファン装置に流体結合されるように適合された粉塵容器装置によって達成される。本明細書に開示される粉塵容器装置のいくつかの形態は、少なくとも部分的に可撓性の粉塵導管を介して建設機器に接続されるように構成されており、その一方で他の形態は、建設機器に直接取り付けるように適合される。いくつかの態様によれば、粉塵容器装置は、建設機器の背後に牽引されるように配置される。
【0011】
粉塵容器装置は、容器入口を有するホルダ部を備えるフレームを備える。粉塵容器装置は、第1の容器および第2の容器をさらに備え、これらの容器は、密閉された方法でホルダ部に解放可能に取り付けられる。第1の容器は、容器入口に吹き込まれた空気が第1の容器の壁を通って逃げることを可能にするように通気性であり、その一方で、第2の容器は、動作中気密であり、容器入口に導かれた粉塵を受け入れるように適合される。
【0012】
このようにして、より確実な集塵が実現され、周囲の空気中に放出される粉塵が最小限に抑えられる。本明細書に開示される粉塵容器装置は、建設機器に含まれるファン装置に流体結合されるように適合された受動型であり、その結果、粉塵容器装置は、別個の電源を必要とせずに容易に取り扱われ、移動される。
【0013】
本明細書で考察される受動型の粉塵容器装置は、例えば、特許文献4および5に開示されている既知の能動型粉塵容器装置と混同されるべきではない。これらの能動型粉塵容器装置は、電動ファンを備えており、したがって商用電源などの電源を必要とし、これは、建設現場で利用できない可能性がある。このタイプの能動型粉塵容器装置は、能動型粉塵回収器を駆動するために使用されるファンまたはインペラが、建設機器によって生成される空気流を遮断し、それによって十分な流体結合を阻止するため、建設機器に含まれるファン装置に流体結合されるように適合されてはいない。
【0014】
いくつかの態様によれば、動作状態では、容器は、ホルダ部の両側に配置され、好ましくは解放可能である。
【0015】
いくつかの態様によれば、第2の容器は、動作中、周囲大気圧に対する障壁を構成する。
【0016】
いくつかの態様によれば、第2の容器は、プラスチックバッグによって構成され、1つの第2の容器を交換すべきときに徐々に展開されるかまたは広げられるように適合された細長い巻き上げられるかまたは折り畳まれたプラスチックチューブに含まれており、この場合、各第2の容器は、底部密閉手段によって底部において閉鎖される。
【0017】
このようにして、第2の容器の簡単な取り扱いが可能になり、望ましくない粉塵の放出のリスクを最小限に抑える。
【0018】
いくつかの態様によれば、使用済みの第2の容器を交換すべきとき、使用済みの第2の容器は頂部密閉手段によって頂部において閉鎖されるように適合され、後続の新しい第2の容器は、第2の容器が頂部密閉手段と新しい底部密閉クランプとの間の切り込みを利用して互いから分離される前に、新しい底部密閉手段によって底部において閉鎖されるように適合される。
【0019】
このようにして、第2の容器の簡単な変更が可能になり、望ましくない粉塵の放出のリスクを最小限に抑える。
【0020】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置は、容器入口に配置された一方向弁であって、空気および粉塵が、容器入口を介して、動作中の空気および粉塵の流れ方向とは反対の方向に粉塵容器装置から流れるのを防止するように適合された、一方向弁を備える。
【0021】
このようにして、動作が中断されたときの望ましくない粉塵の放出のリスクが最小限に抑えられる。
【0022】
いくつかの態様によれば、フレームは、可動性アセンブリをさらに備え、この場合、ホルダ部は、非恒久的または恒久的な締結方法によって可動性アセンブリに取り付けられる。好ましくは、可動性アセンブリは、ホルダ部に取り付けられたハンドルを備える。いくつかのさらなる態様によれば、可動性アセンブリは、フレームおよび車輪を備える。
【0023】
このようにして、粉塵容器装置の容易な取り扱いが可能になる。
【0024】
いくつかの態様によれば、可動性アセンブリは、支持手段とベース部とをさらに備え、この場合、車輪はベース部に取り付けられ、この場合、ホルダ部は支持手段を介してベース部に取り付けられる。
【0025】
このようにして、剛性の粉塵容器装置が提供される。
【0026】
いくつかの態様によれば、第2の容器は、ホルダ部とベース部との間に伸びるように適合される。
【0027】
このようにして、第2の容器は、確実なやり方で、容器入口に導かれた粉塵を受け入れる。
【0028】
いくつかの態様によれば、動作中の容器入口における空気圧は、0.05バール未満、好ましくは0.03バール未満、さらにより好ましくは0.01バール未満だけ周囲大気圧を超える。いくつかの態様によれば、動作中の容器入口における空気圧は、0.005バール未満だけ周囲大気圧を超える。
【0029】
いくつかのさらなる態様によれば、容器入口における最大空気圧は、0.1バール未満、好ましくは0.07バール未満、さらにより好ましくは0.05バール未満だけ周囲大気圧を超える。
【0030】
このようにして、第1の容器は動作中に膨張したままである。
【0031】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置は、粉塵容器装置に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置であって、ファンプーリに接続されたファンタービンを備える、ファン装置に流体結合されるように適合され、この場合、建設機器に含まれる駆動ベルトは、ファンプーリを推進するように構成されている。
【0032】
このようにして、動作中に容器入口で所望の空気圧を供給するように適合された、複雑でなく信頼性の高いファン装置が提供される。
【0033】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置は、粉塵容器装置に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置に流体結合されるように適合され、この場合、ファン装置は、バッテリを利用して電力供給される電気モータを備える。
【0034】
このようにして、粉塵容器装置は、バッテリ駆動式の建設機器に適合される。
【0035】
いくつかの態様によれば、アイドル状態では、第1の容器は、ホルダ部内に押し下げられ、ホルダ部の中に格納されるように適合される。
【0036】
このようにして、使用されていないときに第1の容器が保護されながら、粉塵容器装置の容易な取り扱いが可能になる。
【0037】
いくつかの態様によれば、第1の容器の壁は、容器入口に吹き込まれる空気の最大空気流において、
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.997%、
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.99%、または
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.97%のうちの1つの濾過度を提供する透過性の特徴を有する材料で作成される。
【0038】
いくつかの態様によれば、容器入口に吹き込まれる空気の最大空気流は、30リットル/秒(l/s)~80l/s、好ましくは40l/s~70l/s、最も好ましくは50l/s~60l/sである。
【0039】
このようにして、第1のバッグは動作中膨張したままである。
【0040】
いくつかの態様によれば、第1の容器は、第1の容器の長手方向延長線に垂直な平面内の最大断面積が、ホルダ部から第1の距離のところ、および第1の容器の頂部から第2の距離のところに存在する形状を有し、頂部は、第1の容器におけるホルダ部から最も遠くに位置決めされるように適合された一部であり、この場合、第1の距離は、第2の距離を下回る。
【0041】
このようにして、第1のバッグはより容易に、動作中膨張されて維持される。
【0042】
いくつかの態様によれば、第1の容器の最大断面積は、長手方向延長線に垂直な平面内の保持部の断面積を超える。
【0043】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置は、第1の容器を膨張した位置に維持するように適合された支持デバイスを備える。
【0044】
このようにして、第1のバッグはより容易に、動作中膨張されて維持される。
【0045】
本開示はまた、上記の利点に関連する工具システムに関する。
【0046】
態様によれば、可動性アセンブリは、アーリーエントリー(early entry)ソーイングプロセス中に可動性アセンブリをコンクリート上で支持するように構成された車輪を備える。これらの車輪は、一般に、他の車輪と比較して大きくて柔らかく、それによって安定性の向上と、硬化前のコンクリート表面上の痕跡の減少と、の両方を提供する。例えば、車輪は、5cm~40cm、好ましくは約10cmの直径Dを有するように構成されてよい。車輪はまた、前記安定性を提供し、痕跡を残さずに柔らかいコンクリート上を転がることができるように、5cm~15cm、好ましくは約7cmの幅Wで構成されてもよい。
【0047】
態様によれば、車輪は、ゴムまたは軟質プラスチックなどの弾性材料でコーティングされる。これらの車輪は、スケートボード上の車輪に似ており、粉塵容器が痕跡を残さずに、かつ改善された安定性で柔らかい表面の上を転がることを可能にする。
【0048】
態様によれば、可動性アセンブリはまた、粉塵容器装置を引っ張るように構成された建設機器に結合するように構成されたドローバー装置を含む。このドローバー装置は、粉塵容器装置を牽引するように構成された建設機器に粉塵容器をつなぐことを可能にする。したがって、粉塵容器は、建設機器と同じペースで、かつ同じ全体方向に簡便に移動される。ドローバー装置は、オペレータが、ドローバーから妨害されずに、牽引機械の後ろを歩くことを可能にするために、任意選択的に円弧形状で構成される。
【0049】
態様によれば、粉塵容器装置は、建設機器に固定式に取り付けられるように構成されている。可動性アセンブリの有無にかかわらずドローバーは、建設機器に直接取り付けてもよい。これは、牽引が不要であるため、有利である。
【0050】
態様によれば、粉塵容器装置は、建設機器の前方の床面の特定の区画に向かう明確なオペレータの見通し線を維持するために、2つ以上の粉塵容器装置を支持するように構成されたアーリーエントリーフロアソーに取り付けられるように構成されている。明確な見通し線が維持されると同時に、二重の粉塵容器により高い粉塵回収能力が維持されるという利点がある。
【0051】
本明細書で開示される粉塵容器装置はまた、例えば、フロアソー、フロアグラインダ、床研磨システムなどと共に使用されてもよい。粉塵容器装置は、関連する利点を伴って、建設機器の前方区画および後方区画の両方に接続して取り付けられてもよい。例えば、建設機器がアップカット動作用に構成された円形ソーブレードを備える場合、粉塵収集装置は好ましくは、主動作方向に対して建設機器の後方区画に取り付けられるように配置される。また、建設機器がダウンカット動作用に構成されたソーブレードを備える場合、粉塵収集装置は好ましくは、主動作方向に対して建設機器の前方区画に取り付けられるように配置される。
【0052】
ここで、添付の図面を参照して、本開示をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】手持ち式電動カッターの側面図を示す図である。
【
図2】ブレードガード内のソーブレードの一部の概略正面図である。
【
図3】カバーを有するファン装置の正面斜視図である。
【
図4】カバーのないファン装置の正面斜視図である。
【
図5】ベルトが張力をかけられた状態にある動力伝達ユニットの第1の例の正面斜視図である。
【
図6】駆動ベルトが解放された状態にある動力伝達ユニットの第1の例の正面斜視図である。
【
図7】ベルトが張力をかけられた状態にある動力伝達ユニットの第2の例の正面斜視図である。
【
図8】駆動ベルトが解放された状態にある動力伝達ユニットの第2の例の正面斜視図である。
【
図9】アイドル状態にある本開示による粉塵容器装置の正面図である。
【
図10】アクティブ状態にある本開示による粉塵容器装置の正面図である。
【
図11】第2のバッグが交換されるときの、本開示による粉塵容器装置の正面図である。
【
図12】本開示による工具システムを携帯する人を示す図である。
【
図13】第1のバッグを有する代替の粉塵容器装置の側面図である。
【
図15】バッグのない代替の粉塵容器装置の上面図である。
【
図16】バッグのない代替の粉塵容器装置の上面斜視図である。
【
図17】バッグのない代替の粉塵容器装置の側面図である。
【
図18】本開示による工具システムを携帯する人を示す図である。
【
図19】バッテリ作動式の手持ち式電動カッターの側面図である。
【
図20】アクティブ状態にある本開示による粉塵容器装置の正面図である。
【
図21】粉塵容器装置ベース部用の車輪を示す図である。
【
図24】一例のアーリーエントリーフロアソーを示す図である。
【
図28】一例のアーリーエントリーフロアソーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本開示の態様を、添付の図面を参照して以下により完全に説明する。しかしながら、異なるデバイス、工具、および機器を、多くの異なる形態において実現することができ、本明細書に記載される態様に限定されると解釈されるべきではない。図面中の同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0055】
本明細書で使用される専門用語は、本開示の態様を説明するためのものにすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。
【0056】
図1および
図2は、例えばコンクリートを切断するのに適した円形のソーブレード2を備えた手持ち式電動カッター1のそれぞれの側面図を示す。ソーブレード2は、中心16および円周17(概略的にのみ示されている)を有する。電動カッター1は、燃焼エンジン4を少なくとも部分的に囲むケーシング3を備え、ケーシング3は、スロットルトリガ6aおよび対応する安全ボタン6bがアクセス可能な第1のハンドル部5を備える。電動カッター1は、ケーシング3上で円弧状に伸びる第2のハンドル部7をさらに備え、第2のハンドル部7は、周知の方法で振動を減衰させる手段を介してケーシング3に取り付けられている。
【0057】
電動カッター1などの電動工具は、建設機器の一例である。他のタイプの建設機器は、例えば
図20~
図30に関連して以下に説明される。本明細書で説明する特徴のほとんどは、電動カッター、フロアソー、フロアグラインダ、およびより一般的な建設機器などの両方の電動工具と組み合わせて使用することができることが理解される。
【0058】
電動カッター1は、ソーブレード2の一部を遮蔽するように配置されたブレードガード8を備える。ソーブレード2は、動力伝達カバー10によって覆われた動力伝達手段9を備える動力伝達ユニット27を介してエンジン4に接続されている。動力伝達手段9は、いくつかの態様によれば、無端駆動ベルトもしくは歯車伝動装置の形態、または両方の組み合わせである。ここでは、第2の駆動プーリ33を駆動する駆動ベルト9が示されており、第2の駆動プーリ33は、ソーブレード2を推進するように配置されている。動力伝達ユニット27は、クラッチ側クランクケースと称される場合もある。
【0059】
ブレードガード8とソーブレード2との間に粉塵チャネル11が形成され、ブレードガード8の上部と、ファン装置13と、の間に粉塵パイプ12が接続され、ファン装置13は、粉塵パイプ12から、さらにホース14内に空気が搬送されるように粉塵パイプ12の空気圧を下げるように適合される。いくつかの態様によれば、粉塵チャネル11は、穴35を介して粉塵パイプ12に接続され、この場合、穴35は、ソーブレード2の円周17の外側に配置される。ソーイング動作中に形成される粉塵が推進される距離、および動作中のソーブレードの通常の回転速度を考慮して、穴35は、粉塵パイプ12を介して粉塵チャネル11から可能な限り多くの粉塵を除去することを可能にするために有利な位置を有する。さらに、粉塵パイプ12を介して粉塵チャネル11から除去される粉塵の量をさらに増加させるために、ソーブレード2のスロット穴を有する遮蔽カバー8内に分離壁37が形成される。分離壁37は、粉塵パイプ12内にすぐに搬送されなかった粉塵が、ソーブレード12の動きに追従して遮蔽カバー8から逃げて環境に入り込むのを防止する。
【0060】
ホース14は、ファン装置13と粉塵容器装置15との間に接続されるように構成されており、粉塵容器装置は、
図1に概略的にのみ示されており、実際のサイズおよび構成では示されておらず、これは後でより詳細に説明する。粉塵容器装置15は、電気掃除機の動作と同様または同一の動作が得られるように、ファン装置13を利用して粉塵チャネル11から推進された粉塵を受け入れるように構成されている。
【0061】
態様によれば、ホースは、電荷の蓄積、すなわち静電気に耐えるように構成された帯電防止ホースである。そのようなホースは一般に知られており、本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。
【0062】
電動カッター1が作動しており、例えばソーブレード2がコンクリートを切断しているとき、多くのコンクリート粉塵が形成される。ファン装置13および粉塵ホース14を利用して、コンクリート粉塵は、ブレードガード8の粉塵チャネル11から粉塵容器装置15に搬送される。適切な機能性を得るために、ブレードガード8内の粉塵チャネル11から逃げる粉塵の量が最小限に抑えられることが望ましく、したがって、いくつかの態様によれば、および
図2も参照すると、電動カッター1と作業面19との間に自動調整カバーが得られるように第1の旋回部18がブレードガード8に取り付けられ、作業面19は、
図1において鎖点線のラインで概略的に示されている。
【0063】
この例では、第1の旋回部18は、第1の旋回部18が第1の旋回軸21を中心にして枢動することを可能にする第1の旋回アタッチメント20を利用してブレードガード8に取り付けられ、第1の旋回軸21は、ソーブレード2の円周17よりもソーブレード2の中心16の近くでソーブレード2を横切る。第1の旋回部18は、
図2に示すようなブレードガード8などの任意の適切な部品に取り付けることができる。
【0064】
いくつかのさらなる態様によれば、第2の旋回部22が第1の旋回部18に取り付けられ、それにより、電動カッター1と作業面19との間の改良された自動調整式複合カバーが得られる。第2の旋回部22は、第2の旋回部22が第2の旋回軸24を中心にして枢動することを可能にする第2の旋回アタッチメント23によって第1の旋回部18に取り付けられ、第2の旋回軸24は、ソーブレード2の円周17の外側に伸びる。第2の旋回部22は、ソーブレード2のための遊びを許容するスロット47を備える。
【0065】
両方の旋回部18、22は、パイ型の外観を有し、この場合、第1の旋回部18は、遮蔽カバー8の内側に部分的に延在し、この場合、第2の旋回部22は、第1の旋回部18の内側に延在し、それにより、各旋回部18、22は、各旋回部18、22がその対応する旋回軸21、24を中心にして枢動するのにつれて変化する、ある程度の露出を有する。この結果、第1の旋回部18は第1の逃げ角φを有し、第2の旋回部22は第2の逃げ角θを有する。
【0066】
両方の旋回部18、22は、遮蔽カバー8内の粉塵チャネル11から逃げる粉塵の量が最小になるように作業面19に合わせて自動調整するため、周囲の空気に放出される粉塵の量が最小になる。
【0067】
図3は、カバー25を有するファン装置13を示し、
図4は、カバー25を持たないファン装置13を示しており、この場合、ファンタービン26が、配置され、
図1に示されるように、粉塵パイプ12から、そしてさらにホース14内に粉塵を搬送するために推進されるように構成されている。この目的のために、ファンタービン26は、
図4に示されるように複数のファンブレード53を備える。
【0068】
図5および
図6は、動力伝達カバー10およびファン装置13が取り外された、電動カッターの動力伝達ユニット27の正面斜視図をそれぞれ示す。第1の駆動プーリ28は、ここでは動力伝達手段を構成する無端駆動ベルト9に接続され、この場合、駆動ベルトは、ファン装置13が取り付けられたときにファンタービン26に接続されるように構成されたファンプーリ29に当接して張力がかけられている。ファンプーリ29はさらに、駆動ベルト9がファンプーリ29を回転させるときにファンタービン26を推進するように構成されている。駆動ベルト9は、周知の方法で、例えば、直接または伝動装置を介してソーブレード2を推進するように構成された第2の駆動プーリ33を推進するように構成されている。
【0069】
第1の駆動プーリ28は、クラッチホイール30およびエンジンギア装置(図示せず)を介してエンジンに接続されている。明確にするために、通常はクラッチホイール30内に位置決めされかつ特定の回転速度でクラッチホイール30と第1の駆動プーリ28との間に伝達を与えるように構成される周知のクラッチ部は示されていない。これらのクラッチ部は、通常、遠心力によって機能し、この種の工具において一般的に使用される。クラッチホイール30および第1の駆動プーリ28は、共通の駆動軸を中心に回転するように配置されている。
【0070】
いくつかの態様によれば、エンジンの回転速度は、エンジンギア装置を利用して第1の駆動プーリ28においてのより低い回転速度に合わせられ、次いで、第2の駆動プーリ33の回転速度は、ソーブレード2においてのより低い回転速度に合わせられる。
【0071】
これは、電動カッター1の動作中、エンジン4がクラッチホイール30を介して第1の駆動プーリ28を推進するように構成されており、この場合、第1の駆動プーリ28が駆動ベルト9を駆動することを意味する。駆動ベルトが動いているとき、駆動ベルトはまた、ファンプーリ29を回転させ、ファンタービン26を運動状態にし、したがってファン装置13を動作中にする。ファンプーリ29の適切な直径を選択することによって、電動カッター1の通常動作中の、ファンプーリ29、およびしたがってファンタービン26の所望の回転速度が得られる。
【0072】
さらに、本開示のさらに別の態様によれば、ファンプーリ29は調整可能であり、駆動ベルト9に張力をかけるように配置される。
図5では、ファンプーリ29は、駆動ベルト9が張力をかけられ動作のための準備が整うように調整され、また
図6では、ファンプーリ29は、例えば、駆動ベルトを交換すべき場合の適切な位置である、駆動ベルト9が張力から解放されるように調整される。ここで、駆動ベルト9はファンプーリ29の外側を走行しているので、ファンプーリ29は、第1の駆動プーリ28とソーブレードとの間に延在している駆動ベルト9の一部から離れるように移動され、かつファンプーリ29と接触するように意図されていないとき、駆動ベルト9は張力から解放される。
【0073】
駆動ベルト9は、
図7および
図8に示すように、ファンプーリ29の任意の側を走行することができる。
図7では、ファンプーリ29は、駆動ベルト9が張力をかけられかつ動作の準備が整うように調整され、
図8では、ファンプーリ29は、駆動ベルト9が張力から解放されるように調整される。ここで、駆動ベルト9はファンプーリ29の内側を走行しているので、ファンプーリ29が、第1の駆動プーリ28とソーブレードとの間に延在している駆動ベルト9の一部から離れるように移動され、かつファンプーリ29と接触するように意図されていないとき、駆動ベルト9は張力から解放される。
【0074】
図9~
図11を参照して、粉塵容器装置15を次により詳細に説明する。本明細書で説明する粉塵容器装置は、
図1に関連して説明した電動カッターと共に、また、例えば
図24~
図30に関連して以下で説明するアーリーエントリーフロアソー、フロアソー、およびフロア研削機などの他のタイプの建設機器と共に使用することができる。
【0075】
粉塵容器装置15は、ホルダ部102と、支持手段103、104と、ベース部105と、ベース部105に取り付けられた車輪106A、106Bと、を備えるフレーム100を備え、この場合、ホルダ部102は、容器入口101およびハンドル109を備える。
【0076】
粉塵容器装置15は、
図9および
図11に折り畳まれて示されている第1のバッグまたは容器107と、容器入口101に導かれる粉塵を受け入れるように適合された第2のバッグまたは容器108と、を備える。両方のバッグ107、108は、密閉された方法でホルダ部102の両側に解放可能に取り付けられる。第1のバッグ107は、容器入口101に吹き込まれる空気が第1のバッグ107の壁115を通って逃げることを可能にするように通気性であり、その一方で第2のバッグ108は気密であり、その壁116は、いくつかの態様によれば、プラスチック製である。これは、第2のバッグ108が動作中、周囲大気圧に対する障壁を構成することを意味する。
【0077】
ホルダ部102は、支持手段103、104を介してベース部105に取り付けられ、第2のバッグ108は、ホルダ部102とベース部105との間に伸びるように適合される。いくつかの態様によれば、第2のバッグ108は、1つの第2のバッグ108を交換すべきときに徐々に手動で展開されるかまたは広げられる細長い巻き上げられるかまたは折り畳まれたプラスチックチューブ111に含まれる。各第2のバッグ108は、その底部において、適切なタイプの底部密閉クランプ110またはストリップで閉鎖されている。
【0078】
図10に示されるように、空気および粉塵113Aは、適切には前述のようにファン装置13を利用して、粉塵ホース14から容器入口101に吹き込まれ、ここでは、空気は第1の矢印A1で示されている。第1のバッグ107は、ホルダ部102および第2のバッグ108の内側で、第1のバッグ107内に有利に形成される容積Vに課される増大した空気圧を利用して膨張される。第1のバッグ107は、通気性であるため、空気は、第2の矢印A2で示されるように主に第1のバッグ107に向かって吹き付けられている。第1のバッグ107の通気性の生地を通って容積Vから逃げる空気は、第3の矢印A3で示されている。容器入口101を介して容積V内に吹き込まれる粉塵113Aは、第2のバッグ108に向かって、および粉塵堆積物113Cが形成されているその底部に向かって落下粉塵113Bとして下方に落下する。
【0079】
これは、容器入口101に吹き込まれた空気A1および粉塵113Aが分離され、粉塵は粉塵堆積物113Cに落下し、空気は第1のバッグ107の通気性の生地に向かって、そしてそれを通り抜けて流れることを意味する。
【0080】
第2のバッグ108の変化が
図11に示されており、そこでは、いっぱいになった第2のバッグ108がプラスチックチューブ111から切断され、その上端で適切なタイプの頂部密閉クランプ112またはストリップで密閉されている。プラスチックチューブ111の示される部分は、ベース部105に向かって引っ張られ、次いで、
図9による構成が再び得られるように、適切なタイプの新しい底部密閉クランプ110またはストリップで密閉される。プラスチックチューブ111からの粉塵の流出を回避するために、いっぱいになった第2のバッグ108がプラスチックチューブ111から切断される前に、頂部密閉クランプ112および新しい底部密閉クランプを適用することができ、この場合、切断は頂部密閉クランプ112と新しい底部密閉クランプとの間で行われる。
【0081】
第2のバッグ108は、少なくとも動作中は気密であり、底部密閉クランプ110が適所にある。この文脈において、気密という用語は、完全に気密であると解釈されるべきではなく、この技術分野で実際に得られるものの範囲内で気密であると解釈されるべきである。
【0082】
密閉クランプ110、112は、一般に、ケーブルタイによって構成することができる密閉手段によって構成される。
【0083】
本開示によれば、第2のバッグ108を新しいものに交換する際に誤って第2のバッグ108から細かい粉塵が放出されることがないように、第2のバッグ108は容易に交換され、効率的に密閉される。プラスチック製の第2のバッグを有することにより、特に上記のプラスチックチューブ111が使用される場合に、さらに非常に安価になる。さらに、容積Vに吹き込まれた空気A1が第1のバッグの通気性の壁を介して逃げるため、第1のバッグ107もまた濾過媒体を構成し、結果として特別なフィルタを交換する必要がない。さらに、大部分の粉塵が第2のバッグ108の中に落下する粉塵容器装置15の機能により、第1のバッグ107を交換する必要はほとんどない。
【0084】
この文脈において、容器入口101を介して粉塵ホース14を通って容積Vに入る空気流A1は、第1のバッグ107を膨張させ、粉塵113Aを容積Vに吹き込むのに十分であり、かつファン装置13の送風力と、単位時間当たりの容積Vから逃げる空気A3の量と、の両方に依存することが望ましい。
【0085】
上述したように、ファン装置13の送風力は、建設機器のモータ速度に依存しており、これは、建設機器に電力供給されるほど、空気流が増加することを意味する。例えば、電動カッターへの電力の増加は、形成される粉塵の量の増加に関連すると考えられ、これは、増加した空気流によって処理される。使用中、いくつかの態様によれば、最高速度において、容器入口101における空気圧は、0.05バール未満、好ましくは0.03バール未満、より好ましくは0.01バール未満だけ周囲大気圧を超える。いくつかの態様によれば、動作中の容器入口における空気圧は、0.005バール未満だけ周囲大気圧を超える。
【0086】
いくつかの態様によれば、ファン装置13は、容器入口101に吹き込まれる空気A1に対応する、ホース14を通る最大空気流を確立するように適合され、それは30l/s~80l/s、好ましくは40l/s~70l/s、最も好ましくは50l/s~60l/sである。
【0087】
いくつかの態様によれば、容器入口101における最大空気圧は、0.1バール未満、好ましくは0.07バール未満、さらにより好ましくは0.05バール未満だけ周囲大気圧を超える。このような最大空気圧は、容器入口101が塞がれているとき、または空気が容積Vから逃げることができないとき、および最大速度で得られる。
【0088】
さらに、単位時間当たりの容積Vから逃げる空気A3の量は、第1のバッグ107の壁115の面積、および壁の通気特性に依存する。いくつかの態様によれば、第1のバッグ107の壁115の面積は、約1.5m2から2.5m2である。いくつかのさらなる態様によれば、第1のバッグ107の壁115は、分類HEPAまたはHEPA H13を有する材料である。一般に、壁115の透過特性は、0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子に対して少なくとも99.997%の濾過度があるようなものであるべきである。いくつかのさらなる態様によれば、濾過度は、好ましくは、0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.99%であり、いくつかのさらなる態様によれば、濾過度は、0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.97%である。濾過度は、上述の空気流に対して適用可能である。
【0089】
いくつかの態様によれば、空気流および圧力に関するすべての図は、通常の運転に対して、あるいはいくつかのさらなる態様によると、後述するように駆動ベルトによって駆動される、別個のファンモータによって駆動されるかにかかわらず、ファンタービン26の最大回転速度によって制限される運転に対して適用可能である。
【0090】
さらに、第2のバッグ107の断面積、ホース14の断面積、およびそれらの関係も、粉塵容器装置15の機能特性に影響を及ぼす。いくつかの態様によれば、第1のバッグ107の断面積とホース14の断面積との間の関係は、5から7の間の大きさである。
【0091】
大気圧を超える容積V内の空気圧を有することにより、第1のバッグ107も同様に膨張したままであるが、いくつかの従来の粉塵容器では、使用中、大気圧を下回る空気圧が粉塵容器内に存在するため、通常使用される粉塵バッグはその適切な場所に物理的に保持されなければならず、粉塵バッグは粉塵ホースに向かって吸引される。
【0092】
いくつかの態様によれば、容器入口101における空気圧は、第1のバッグ107の壁115の通気特性を考慮して、動作中に第1のバッグ107が膨張したままであるように適合されるべきである。第2のバッグ108が、細長い巻き上げられるかまたは折り畳まれたプラスチックチューブ111に含まれる場合、容器入口101における空気圧は、プラスチックチューブ111が動作中に望ましくない方法で展開されたり、広げられたりしないように適合されるべきである。
【0093】
いくつかの態様によれば、使用されていないとき、第1のバッグ107はホルダ部102内に押し下げられてその中に保管される。
【0094】
図10において、一方向弁117は、容器入口101において開放状態で概略的に示されている。空気流A1が終了すると、
図9および
図11に示されるように、第1のバッグ107はある程度折り畳まれた状態になり、次いで一方向弁117が閉じ、容積V内の粉塵がホース14に進入するのを阻止する。折り畳まれた状態では、第1のバッグ107はほとんど空間を必要とせず、いくつかの態様によれば、ホルダ部102の閉じ込め領域内にある程度配置することができる。これにより、粉塵容器装置15の移送が非常に容易になる。
【0095】
一方向弁の一例のより詳細な図は、後述する代替の粉塵容器装置について後に考察される。
【0096】
図12は、粉塵容器装置15および電動カッター1の両方を容易に運ぶオペレータ114を示しており、一体型ファン装置13を有する電動カッター1と、受動型粉塵容器装置15と、を備える汎用工具システム119を例示している。粉塵容器装置15は、その車輪106A、106B上で容易に運搬する、または転動させることができる。
【0097】
代替の粉塵容器装置120が
図13および
図14に示されており、ここでは、第2のバッグおよびホースは示されていないが、当然のことながら、前述のタイプのものであってもよい。いくつかの態様によれば、第1のバッグ121は、最大直径d
maxが、長手方向延長線Lに沿ってホルダ部123から第1の距離d
1のところ、および第1のバッグ121の頂部122から第2の距離d
2のところに存在する形状を有し、頂部122は、第1のバッグ121における長手方向延長線に沿ってホルダ部123から最も遠くに配置されている一部である。第1の距離d
1は、第2の距離d
2を下回る。最大直径d
maxは、保持部123の直径を超える。このような構成を有することにより、動作開始時に第1のバッグ121がより膨張しやすくなる。
【0098】
いくつかの態様によれば、第1のバッグ121の高さである、第1の距離d1と第2の距離d2との合計は、70cm~110cmであり、最大直径dmaxは、40cm~60cmである。
【0099】
一般に、第1のバッグ121は、長手方向延長線Lに垂直な平面内の最大断面積Amaxが、長手方向延長線Lに沿ってホルダ部123から第1の距離d1のところ、および第1のバッグ121の頂部122から第2の距離d2のところに存在する形状を有し、頂部122は、第1のバッグ121における長手方向延長線に沿ってホルダ部123から最も遠くに位置決めされた一部である。第1の距離d1は、第2の距離d2を下回る。最大直径dmaxは、保持部123の直径を超える。いくつかの態様によれば、最大断面積Amaxは、長手方向延長線Lに垂直な平面における保持部123の断面積を超える。
【0100】
上記の一般化は、異なる断面形状を考慮に入れる。
【0101】
一般に、いくつかの態様によれば、最大断面積Amaxは、0.5m2と1.1m2の間である。
【0102】
バッグのない粉塵容器装置120の上面図を示す
図15も参照すると、ホルダ部123は、容器入口125を備えるホースホルダチューブ124を備える。粉塵容器装置120は、ホルダ部123と、支持手段127、128と、ベース部129と、ハンドル130と、ベース部129に取り付けられた2つの車輪131A、131Bと、を備えるフレーム126を備える。
【0103】
いくつかの態様によれば、
図14に点線で概略的に例示されるように、フレーム126は、取り付けられたときに第2のバッグを保持するように意図されたさらなる1つまたは複数の支持手段141A、141B、141Cを備える。第2のバッグを保持することにより、第2のバッグが望ましくない位置、特に傾斜した位置になることが阻止されるように、第2のバッグの可能な動きが制限される。
【0104】
作業位置に立っているとき、粉塵容器装置120は、少なくとも主にベース部129の上に載っている。車輪131A、131は、地面に接触しているか、または接触していないかのいずれかである。粉塵容器装置120が移動されるべきとき、それはハンドル130によって把持され、ベース部129が地面から持ち上げられ、粉塵容器装置120が車輪131A、131上のみに載るように、車輪131A、131の周りで傾けられる。
【0105】
図16は、バッグなしのフレーム126の上面斜視図を示し、ここではホースホルダチューブ124の内側端部に一方向弁134が示されている。いくつかの態様によれば、一方向弁134は、ホースホルダチューブ124の内側開口部136の上部に枢動可能に配置され、例えばプラスチックまたはゴムで作製することができる可動フラップ部135を備える。フラップ部135は、
図16の開位置に示されており、空気がホースホルダチューブ124を通ってホルダ部123に流れるために開放されている。そのような空気流が中断されるか、または少なくともある程度まで低下するとき、フラップ部135は、ホースホルダチューブ124の内側開口部136へと倒れ込み、その内側開口部136のある程度の密閉を提供し、したがって、ファン装置13の動作が中断されるときに粉塵容器装置120内の粉塵が後方に逃げるのを防止する。
【0106】
いくつかの態様によれば、ホースホルダチューブ124の内側開口部136は、ホースホルダチューブ124の下部が上部よりもホルダ部123内に突出するようにくさび形状であり、フラップ部は上部に枢動可能に配置される。このようにして、ファン装置13の動作が中断されるとき、より確実な密閉が達成される。したがって、フラップ部135は、ファン装置13の動作が中断されたときに、少なくとも重力によって閉鎖位置に保たれる。ファン装置13は、フラップ部135を移動させて一方向弁134を開放するのに十分に強い空気流を提供し、前記重力に打ち勝つ必要がある。
【0107】
図17は、バッグなしのフレーム126の側面図を示す。ここでは、ホルダ部123が、第1のバッグに面するように適合された頂部フランジ137を備えることが示されている。第1のバッグ121が取り付けられている
図13も参照すると、第1のバッグ121は複数のループ138を備え、
図14を参照すると、これらのループを通ってストラップ139が周方向に伸びるように意図されている。ストラップ139を締め付けることによって、第1のバッグはストラップ139とホルダ部123との間に締結されかつそこに保持され、ここではストラップ139は頂部フランジ137を越えて抜けることができず、また、ストラップはループ138内に締結されるため、第1のバッグ121も頂部フランジ137を越えて抜けることはない。これにより、第1のバッグ121がホルダ部123に確実に取り付けられる。ストラップ139は、いくつかの態様によれば弾性であり得る任意の適切な材料で作成することができる。ストラップ139は、いくつかの態様によれば、バックルなどの締め付け手段を備えることができる。
【0108】
いくつかの態様によれば、
図17に示されるように、ホルダ部123は、発泡層などの弾性材料の周方向に伸びる層140を備え、これに当接してストラップ139を締め付けることができ、この層が、第1のバッグ121の動きをさらに防止する。これは、ストラップ139が締め付けられるとき、第1のバッグ121がストラップ139と弾性材料140との間に締結されかつそこに保持されることを意味する。
【0109】
すべての場合において、ストラップ139が締め付けられると、それは、第1のバッグ121、ホルダ部123、および存在する場合には弾性材料140を包囲して周方向に伸びる。
【0110】
いくつかの態様によれば、
図14に指摘されるように、ホースホルダチューブ124は、ホースをホースホルダチューブ124にロックするようにかつそこからホースを解放するように意図されたロックピン144を備える。
【0111】
図18は、電動カッター1を容易に運び、かつ粉塵容器装置120がその車輪上を転動するときにそれを移動させることができるオペレータ114を示しており、一体型ファン装置13を有する電動カッター1と、受動的粉塵容器装置120と、を備える汎用工具システム133を例示している。ここでは、第1のバッグ121はホルダ部123に収容されており、第2のバッグは取り外されている。
【0112】
本開示は上記の例に限定されず、添付の特許請求の範囲内で自由に変化してよい。例えば、粉塵容器装置15は、リング状のソーブレード2を備えた手持ち式電動カッター1と共に使用するために説明されているが、電動カッターは、円形のソーブレード、円形のソーブレード、またはリングソーブレードなどの、粉塵除去が望まれる作業工具を備えた任意のタイプの電動工具であってもよい。粉塵容器装置はまた、他のタイプの建設機器と共に使用されてもよい。建設機器は、燃焼エンジンまたは商用電源供給もしくはバッテリ電力のいずれかに適合することができる電気モータのいずれかであるエンジンを有することができる。燃焼エンジンの場合、エンジンは、いくつかの態様によれば、2ストローク燃焼エンジンによって構成されるが、場合によっては4ストロークエンジンも適用可能である。
【0113】
建設機器は、いくつかの態様によれば、可搬式および/または手持ち式であり、いくつかのさらなる態様によれば、取り扱いを容易にするための車輪を備えている。
【0114】
以下でより詳細に説明するように、粉塵容器装置はまた、フロアソー、アーリーエントリーフロアソー、フロアグラインダ、および床研磨機などの表面処理のための自走式または押し込み式機械と共に使用されてもよい。
【0115】
粉塵容器装置15、120のいくつかの変形タイプは、建設機器に直接、固定式にまたは取り外し可能に取り付けられるように構成されている。そのような取り付け可能な変形タイプ210は、上述した粉塵容器装置15、120と同一であってもよく、または上述した特徴のサブセットを備えてもよい。特に、建設機器に直接取り付けられるように構成された粉塵容器装置は、それが建設機器によって支持される取り付けられた構成と、粉塵容器装置が例えば可動性アセンブリによって地面上にそれ自体を支持する自立構成と、の両方において粉塵容器装置の使用を可能にするために、車輪を有する可動性アセンブリをなおも備えてもよい。
【0116】
図19を参照すると、バッテリ電力に適合された電動工具1’の場合、粉塵容器装置に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置13’は、バッテリ145によって電力供給される電気モータ148を備える。同じバッテリ145を、電動工具1’に電力を供給するために使用することもでき、電動工具は、作業工具2を推進するように適合された別の電気モータ149を備える。
【0117】
すべての場合において、粉塵容器装置15は、いくつかの態様によれば、ファンプーリ29を用いて説明したように直接的に、またはファンが建設機器内で生成される電流によって給電される場合の間接的にのいずれかで、建設機器エンジンを利用して推進される一体型ファン装置13を備える建設機器に流体結合されるように適合される。
【0118】
エンジンによって駆動される動力伝達手段によって推進されるファンプーリが使用される場合、そのようなファンプーリは、前述のように動力伝達手段に張力をかけるために使用することができる。他の張力装置も、例えば電動カッターに含まれる場合があり、ファンプーリの代わりに、またはファンプーリと組み合わせて使用することができる。特に、動力伝達手段は、
図1に関連して説明したものなどの電動カッター、または
図20~
図30に関連して以下に説明する機械300、300a、300b、300vなどの他のタイプの建設機器に含まれてもよい。
【0119】
駆動ベルト9が使用される場合、いくつかの態様によれば、駆動ベルトは、歯車伝動装置を介してソーブレードを推進するように構成されている。
【0120】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置15、120は、第1のバッグ107、121を膨張した位置に維持するように適合された支持デバイスを備える。このようにして、第1のバッグ107、121は、より容易に清潔で乾燥した状態に保たれ、使用中により迅速に膨張した作業位置に置かれる。
図14に点線で概略的に示すように、そのような支持デバイスは、いくつかの態様によれば、第1のバッグ107、121内に延在する伸縮ロッド142の形態、または第1のバッグ107、121の壁115、132に沿って延在する可撓性螺旋ロッド143(数回転のみが示される)の形態であり得る。これらの支持デバイスの例はいずれも、前述のように使用されていないときに第1のバッグ107、121がホルダ部102、123内に押し下げられかつその中に保管されることを許容する。
【0121】
粉塵容器装置15、120はまた、建設機器に直接取り付けられてもよい。その場合、それは粉塵容器装置210、210a、210bと呼ばれる。この構成は、
図27~
図30に関連して以下でより詳細に説明される。
【0122】
粉塵ホースは、いくつかの態様によれば、可撓性粉塵ホース14である。可撓性粉塵ホース14は、容器入口101と、
図1、
図3、および
図4に示されるファン出力部118と、の両方に解放可能に接続するように適合される。可撓性粉塵ホース14の長さは、いくつかの態様によれば、1m~10mであり、いくつかのさらなる態様によれば、2m~4mである。可撓性粉塵ホース14の直径は、いくつかの態様によれば、5cm~10cmである。
【0123】
いくつかの態様によれば、粉塵ホースは、電荷、すなわち静電気の蓄積に耐えるように構成された帯電防止ホースである。そのような帯電防止ホースは知られており、したがって本明細書ではより詳細に説明しない。
【0124】
いくつかの態様によれば、使用されていないとき、粉塵ホース14は巻き上げられ、ホルダ部102、123に格納することができる。ホルダ部102、123に第1の容器またはバッグ107、121が収納されている場合、粉塵ホース14を第1のバッグ107、121の頂部に載せることができる。これは、
図16の場合である。
【0125】
粉塵容器装置15、120は、可撓性粉塵ホース14を介して、電動カッター1または建設機器300a、300b、300cに含まれるファン装置13に流体結合されるように適合される。建設機器に含まれるファン装置13は、一般に、ファン装置13と粉塵容器装置15、120との間の第1の最短粉塵移動距離が、ファン装置13と、ブレードガード8とソーブレードなどの回転可能な作業工具2との間に形成された粉塵チャネル11と、の間の第2の最短粉塵移動距離を超えることを意味する。
【0126】
示されるハンドル109、130は固定式ハンドルであるが、1つまたは複数のハンドルを有するハンドル装置に含まれる任意のタイプのハンドルが存在する場合がある。代替のハンドルタイプが、
図9に概略的に示されており、破線で示された直立保持位置109a’および鎖点線で示された休止位置109b’において指摘されるように、旋回可能なハンドル109a’、109b’である。
【0127】
粉塵ホース14は、一般に、少なくとも部分的に可撓性の粉塵導管14によって構成される。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば、粉塵容器装置が建設機器に直接取り付けられている場合、粉塵容器装置210を建設機器に接続するために剛性の管材料が使用される場合がある。
【0128】
第1のバッグ107、121および第2のバッグ108は、対応する第1の容器107、121および第2の容器108によって構成されることが一般的である。第2の容器108は、任意の適切なタイプ、例えば前述のプラスチックバッグタイプのものとすることができる。いくつかの態様によれば、第2の容器108は、例えば硬質プラスチックまたは金属で作られた硬質缶またはバケットの形態である。この場合、いくつかの態様によれば、第2の容器108は、第2の容器108が取り外される前に所定の位置に滑らせる、または置くことができる蓋を備える。第2の容器108を次いで空にし、直接装着し直す、または別の空の第2の容器と交換することができる。
【0129】
気密などの表現は、本技術分野において実際に得られるものの範囲内にある特性を定義するように解釈されるべきである。
【0130】
一般に、本開示は、少なくとも部分的に可撓性の粉塵導管14を介して、電動工具1に含まれるファン装置13に流体結合されるように適合された粉塵容器装置15、120に関し、この場合、粉塵容器装置15、120は、容器入口101、125を有するホルダ部102、123を備えるフレーム100、126を備える。粉塵容器装置15、120は、第1の容器107、121および第2の容器108をさらに備え、容器107、108、121は、密閉された方法でホルダ部102、123に着脱可能に取り付けられる。第1の容器107、121は、容器入口101、125に吹き込まれた空気A1が第1の容器107、121の壁115、132を通って逃げることを可能にするように通気性であり、その一方で第2の容器108は、動作中気密であり、容器入口101、125に導かれた粉塵113A、113B、113Cを受け入れるように適合される。
【0131】
いくつかの態様によれば、動作状態では、容器107、108、121は、ホルダ部102、123の両側に配置される。
【0132】
いくつかの態様によれば、容器107、108、121は、ホルダ部102の両側に解放可能に取り付けられている。
【0133】
いくつかの態様によれば、第2の容器108は、動作中、周囲大気圧に対する障壁を構成する。
【0134】
いくつかの態様によれば、第2の容器108は、プラスチックバッグによって構成され、1つの第2の容器108を交換すべきときに徐々に展開されるかまたは広げられるように適合された細長い巻き上げられるかまたは折り畳まれたプラスチックチューブ111に含まれ、この場合、各第2の容器108は、底部密閉手段110によって底部において閉鎖される。
【0135】
いくつかの態様によれば、使用済みの第2の容器108を交換すべきとき、使用済みの第2の容器108は頂部密閉手段112によって頂部で閉鎖されるように適合され、後続の新しい第2の容器は、第2の容器が、頂部密閉手段112と新しい底部密閉クランプとの間の切り込みを利用して互いに分離される前に、新しい底部密閉手段110によって底部において閉鎖されるように適合される。
【0136】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置15は、容器入口101、125に配置された一方向弁117、134であって、空気および粉塵が、容器入口101、125を介して動作中の空気および粉塵の流れ方向とは反対の方向に粉塵容器装置15、120から流れるのを防止するように適合された、一方向弁117、134を備える。
【0137】
いくつかの態様によれば、フレーム100、126は可動性アセンブリ146、147をさらに備え、この場合、ホルダ部102、123は、非恒久的または恒久的な締結方法によって可動性アセンブリ146、147に取り付けられている。
【0138】
いくつかの態様によれば、可動性アセンブリ146、147は、ホルダ部102、123に取り付けられたハンドル109、130を備える。
【0139】
いくつかの態様によれば、可動性アセンブリ146、147は、フレーム100、126と、車輪106A、106B、131A、131Bと、を備える。
【0140】
いくつかの態様によれば、可動性アセンブリ146、147は、支持手段103、104、127、128およびベース部105、129をさらに備え、この場合、車輪106A、106B、131A、131Bはベース部105、129に取り付けられ、この場合、ホルダ部102、123は、支持手段103、104、127、128を介してベース部105、129に取り付けられる。
【0141】
いくつかの態様によれば、第2の容器108は、ホルダ部102、123とベース部105、129との間に伸びるように適合される。
【0142】
いくつかの態様によれば、動作中の容器入口101、125における空気圧は、0.05バール未満、好ましくは0.03バール未満、より好ましくは0.01バール未満、さらにより好ましくは0.005バール未満だけ周囲大気圧を超える。
【0143】
いくつかの態様によれば、容器入口101、125における最大空気圧は、0.1バール未満、好ましくは0.07バール未満、さらにより好ましくは0.05バール未満だけ周囲大気圧を超える。
【0144】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置15、120は、粉塵容器装置15、120に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置13であって、ファンプーリ29に接続されたファンタービン26を備える、ファン装置13に流体結合されるように適合され、この場合、電動工具に含まれる駆動ベルト9は、ファンプーリ29を推進するように構成されている。
【0145】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置15、120は、粉塵容器装置15、120に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置13’に流体結合されるように適合され、この場合、ファン装置13’は、バッテリ145によって電力供給される電気モータ148を備える。
【0146】
いくつかの態様によれば、アイドル状態では、第1の容器107、121は、ホルダ部102、123内に押し下げられ、ホルダ部102、123の中に格納されるように適合される。
【0147】
いくつかの態様によれば、第1の容器107、121の壁115、132は、容器入口101に吹き込まれる空気A1の最大空気流において、
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.997%、
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.99%、または
0.3μm以上のサイズを有するすべての粒子について少なくとも99.97%のうちの1つの濾過度を提供する透過性の特徴を有する材料で作成される。
【0148】
いくつかの態様によれば、容器入口101に吹き込まれる空気A1の最大空気流は、30l/s~80l/s、好ましくは40l/s~70l/s、最も好ましくは50l/s~60l/sである。
【0149】
いくつかの態様によれば、第1の容器121は、長手方向延長線Lに垂直な平面内の最大断面積Amaxが、ホルダ部123から第1の距離d1のところ、および第1の容器121の頂部122から第2の距離d2のところに存在する形状を有し、頂部122は、第1の容器121におけるホルダ部123から最も遠くに位置決めされるように適合された一部であり、この場合、第1の距離d1は、第2の距離d2を下回る。
【0150】
いくつかの態様によれば、最大断面積Amaxは、長手方向延長線Lに垂直な平面における保持部123の断面積を超える。
【0151】
いくつかの態様によれば、粉塵容器装置15、120は、第1の容器121をある程度膨張した位置に維持するように適合された支持デバイス142、143を備える。
【0152】
いくつかの態様によれば、支持デバイスは、第1の容器107、121内に延在する伸縮ロッド142の形態、または第1の容器107、121の壁115、132に沿って延在する可撓性螺旋ロッド143の形態のいずれかである。
【0153】
本開示はまた一般に、粉塵を移送するように適合されたファン装置13を備える電動工具1を備える工具システム119、133にも関し、この場合、工具システム119、133は、上記による粉塵容器装置15、120をさらに備える。ファン装置13は、電動工具1上の粉塵チャネル11と粉塵容器装置15、120の容器入口101との間に粉塵導管14によって流体結合されるように構成されている。
【0154】
いくつかの態様によれば、電動工具1は、作業工具2を推進するように適合され、この場合ファン装置13は、作業工具2と同じ電源によって推進される。
【0155】
いくつかの態様によれば、電動工具1は、手持ち式の電動工具である。
【0156】
いくつかの態様によれば、電動工具1は、電動カッターである。
【0157】
いくつかの態様によれば、電動工具1およびファン装置13は、少なくとも動作中に物理的に接続される。
【0158】
いくつかの態様によれば、電動工具1’は、バッテリ駆動式であり、回転可能な作業工具2とバッテリ145とを備え、この場合、粉塵容器装置15、120は、粉塵容器装置15、120に向かって空気を搬送するように構成されたファン装置13’に流体結合されるように適合され、この場合、ファン装置13’は、バッテリ145を利用して電力供給される電気モータ148を備える。
【0159】
いくつかの態様によれば、電動工具1は、回転可能な作業工具2と、動力伝達ユニット27に含まれる第1の駆動プーリ28を推進するように構成されたエンジン4と、を備え、この場合、動力伝達ユニット27は、第1の駆動プーリ28が推進されるとき、回転可能な作業工具2を少なくとも間接的に推進するように構成された無端駆動ベルト9を備える。電動工具1は、回転可能な作業工具2の一部を遮蔽するように配置されたブレードガード8と、ブレードガード8と回転可能な作業工具2との間に形成された粉塵チャネル11と、をさらに備え、粉塵チャネル11は、ファン装置13に流体結合されている。ファン装置13は、粉塵チャネル11から空気を搬送するように構成されており、動力伝達ユニット27に含まれるファンプーリ29に接続されたファンタービン26を備え、この場合、駆動ベルト9は、ファンプーリ29を推進するように構成されている。工具システムは、粉塵導管を構成しかつファン装置13を粉塵容器装置15、120に接続するように適合された粉塵ホース14をさらに備え、この場合、ファン装置13は、粉塵ホース14を介して粉塵チャネル11から粉塵容器装置15、120に向かって空気を搬送するように構成されている。
【0160】
いくつかの態様によれば、ファンプーリ29が張力をかけられた状態にあるとき、駆動ベルト9は張力をかけられ、ファンプーリ29と回転可能な作業工具2との両方を駆動するように構成されており、ファンプーリ29が解放状態にあるとき、駆動ベルト9の張力は解放される。
【0161】
いくつかの態様によれば、ファン装置13、13’と粉塵容器装置15、120との間の第1の最短粉塵移動距離は、ファン装置13、13’と、ブレードガード8と回転可能な作業工具2との間に形成された粉塵チャネル11と、の間の第2の最短粉塵移動距離を超える。
【0162】
いくつかの態様によれば、ブレードガード8の上方部とファン装置13との間に粉塵パイプ12が接続され、この場合粉塵パイプ12は剛性であり、またこの場合、粉塵導管14は少なくとも部分的に可撓性である。
【0163】
上述したように、本明細書で説明する粉塵容器装置15、120、210は、他のタイプの建設機器と共に使用される場合もある。例えば、以下に説明するように、粉塵容器装置は、アーリーエントリーコンクリートソー、フロアソー、およびフロアグラインダと共に有利に使用することができる。これらの機械は、例えば、
図5~
図8に関連して上述したようなベルトおよびプーリシステムによって、機械に組み込まれたファンに動力を供給するために使用することができるエンジンを備える。
【0164】
粉塵容器装置15、120は、アーリーエントリーコンクリートソー、フロアソー、またはフロアグラインダの背後に牽引されるように車輪上に配置されてもよい。あるいは、粉塵容器装置210は、建設機器に直接取り付けられてもよい。特に、建設機器に直接取り付けられた粉塵容器装置は、上記で考察した車輪を有する可動性アセンブリをなおも備えてもよい。これは、建設機器に直接取り付けることができる、または建設機器の後に牽引することができる汎用性のある粉塵容器アセンブリを提供する。
【0165】
ブラケットまたはフックおよびストラップを使用して、粉塵容器装置210を建設機器に固定式に、または取り外し可能に取り付けることができる。
【0166】
図20は、上記の
図9~
図11に関連して説明した粉塵容器装置15と同様の一例の粉塵容器装置15、210を概略的に示す。しかしながら、この粉塵容器装置は、トレーラヒッチ装置と同様のドローバー装置202によって建設機器の後に牽引されるように構成されたより頑丈なベース部200を備える。このベース部200は、第1の対の車輪201aおよび第2の対の車輪201bを備える。これらの車輪は、例えば
図9に関連して上述した車輪106A、106Bと比較して、より大きな直径Dを有する。一例によれば、この直径は5cm~40cm程度、好ましくは約10cmであるが、より広い車輪、例えば30cm程度が使用されてもよい。
【0167】
図21は、これらの車輪201a、201bのうちの一方を詳細に図示する。車輪は、5cm~15cm程度、好ましくは約7cmの幅Wを有する。車輪は、任意選択的に、ゴムなどの弾性材料でコーティングされてもよい。幅W、直径D、および車輪上の任意選択の弾性コーティングは、車輪をより柔らかいコンクリート、すなわちまだ完全に硬化していないコンクリート表面に適したものにするのに寄与する特性である。
図21に示されているタイプの車輪201a、201bは、アーリーエントリーフロアソーとしても知られている、いわゆるソフカット(Soff-Cut)フロアソーで使用されることが多い。アーリーエントリーフロアソーを
図24に示す。
【0168】
図22は、フロアソーまたはフロアグラインダなどの建設機器300によって方向Dに牽引されている粉塵容器装置15の側面図を図示する。この建設機器300は、上述したものと同様のファンを備える。ファンは、建設機器の電源によって電力供給される。建設機器300は、機器のファン出力部に流体接続された出口230を有する。ホースまたはチューブ220が、出口230を粉塵容器装置15に接続した。
【0169】
図23は、建設機器300によって方向Dに牽引されている粉塵容器装置15の上面図を示す。ドローバー装置202の3つの選択肢が、202a、202b、202cに示されている。
【0170】
特に、牽引またはドローバー装置202は、オペレータが、おそらく動作中に建設機器を押す、または案内するために、建設機器300の後ろを歩くことを可能にするために、弓形形状202a、202bを有してよい。
【0171】
図24は、アーリーエントリーフロアソーを図示しており、これは建設機器300aである。アーリーエントリーコンクリートソーイングは、表面準備を終えた後、最初の1時間または2時間以内に、すなわちコンクリートが固化する前に(この期間はしばしば「グリーンゾーン」と呼ばれる)、コンクリート表面に浅い切れ目を切り込む技術に関する。浅い切れ目は、弱くなった表面平面を形成し、これによりコンクリートのどこにでも現れる亀裂ではなく、制御された方法で切れ目の位置で亀裂が発生することを促進し、より視覚的に魅力的な表面をもたらす結果となる。アーリーエントリーコンクリートソーの一例は、Husqvarna社製のアーリーエントリーコンクリートソー製品のSoff-Cut範囲である。
【0172】
アーリーエントリーコンクリートソーイング機は、かなりの間知られている。より小さなモデルは、オペレータが操作中に機械を案内し押すために使用するハンドルを利用して手動で操作されることが多い。より大きなモデルは、通常、自走式である。
【0173】
アーリーエントリーフロアソー300aは、一体型ファン310a(
図24に概略的にのみ示されている)を備える。このファンは、粉塵容器装置15に向かって粉塵を推し進める。
【0174】
アーリーエントリーフロアソー300aは、粉塵容器装置15が接続され得る出口230aを備える。アーリーエントリーフロアソー300aはまた、粉塵容器装置15を牽引するための手段、すなわち、粉塵容器装置15のベース部を牽引するためにドローバーを解放可能に保持するための機構を備える。
【0175】
図25は、別の例示的な建設機器、すなわちフロアグラインダ300bを示す。
図24に示すアーリーエントリーフロアソーと同様に、フロアグラインダは、粉塵容器装置15を接続するための出口230bと、粉塵容器装置15を牽引するための手段と、を備える。フロアグラインダ25もまた、一体型ファン310b(
図25に概略的にのみ示されている)を備える。このファンは、粉塵容器装置15に向かって粉塵を推し進める。
【0176】
図26は、さらに別の一例の建設機器-フロアソー300cを図示する。フロアソーは、粉塵容器装置15を接続するための出口230cと、粉塵容器装置15を牽引するための手段と、を備える。
図26はまた、建設機器300cと一体化された例示的なファン310cも示す。
【0177】
様々な粉塵容器装置210は、上記で指摘したように、建設機器に直接取り付けるように構成される場合もある。
図27~
図30は、このタイプの配置の例を示す。
図27は、フロアソー300cと一体化された粉塵容器装置210を示す。粉塵容器装置210の2つの可能な位置が示されているが、建設機器上の他の位置も考慮されてよい。
【0178】
図28は、アーリーエントリーフロアソー300aの両側に配置された二重の粉塵容器装置210a、210bを示す。単一のファンからY字型管などによって、または2つのファンから2つの管によって供給される2つの粉塵容器装置210a、210bを使用することにより、建設機器300aの前方の床面の特定の区画Sに向かう機械のオペレータのための明確な見通し線Lが獲得される。また、アーリーエントリーフロアソーの前部または後部に粉塵容器装置を取り付けることも可能である。
【0179】
一般に、建設機器がアップカット動作用に構成された円形ソーブレードを備える場合、粉塵収集装置210は好ましくは、主動作方向Dに対して建設機器の後方区画に取り付けられるように配置される。
【0180】
一般に、建設機器がダウンカット動作用に構成されたソーブレードを備える場合、粉塵収集装置210は好ましくは、主動作方向Dに対して建設機器の前方区画に取り付けられるように配置される。
【0181】
図29~
図30は、フロアグラインダ300b上に直接配置された粉塵容器装置210を示す。粉塵容器装置は、機械の動作方向Dに対して、機械の後方区画または前方区画に取り付けることができる。
図30のフロアグラインダは、ハンドル320のない遠隔制御式の機械である。この場合、粉塵容器装置の後方配置を選択することが有利であり得る。
【符号の説明】
【0182】
1 電動カッター/電動工具
2 ソーブレード/作業工具
3 ケーシング
4 燃焼エンジン
5 第1のハンドル部
6a スロットルトリガ
6b 安全ボタン
7 第2のハンドル部
8 ブレードガード/遮蔽カバー
9 無端駆動ベルト/動力伝達手段
10 動力伝達カバー
11 粉塵チャネル
12 粉塵パイプ
13 ファン装置
13’ ファン装置
14 粉塵ホース/粉塵導管
15 粉塵容器装置
16 ソーブレードの中心
17 ソーブレードの円周
18 第1の旋回部
19 作業面
20 第1の旋回アタッチメント
21 旋回軸
22 第2の旋回部
23 第2の旋回アタッチメント
24 旋回軸
25 カバー
26 ファンタービン
27 動力伝達ユニット
28 第1の駆動プーリ
29 ファンプーリ
30 クラッチホイール
33 第2の駆動プーリ
35 穴
37 分離壁
47 スロット
53 ファンブレード
100 フレーム
101 容器入口
102 ホルダ部
103 支持手段
104 支持手段
105 ベース部
106A 車輪
106B 車輪
107 第1のバッグ
108 第2のバッグ
109 ハンドル
109a’ 直立保持位置
109b’ 休止位置
110 底部密閉クランプ
111 プラスチックチューブ
112 頂部密閉クランプ
113A 粉塵
113B 落下粉塵
113C 粉塵堆積物
114 オペレータ
115 第1のバッグの壁
116 第2のバッグの壁
117 一方向弁
118 ファン出力部
119 工具システム
120 粉塵容器装置
121 第1のバッグ
122 頂部
123 ホルダ部/保持部
124 ホースホルダチューブ
125 容器入口
126 フレーム
127 支持手段
128 支持手段
129 ベース部
130 ハンドル
131A 車輪
131B 車輪
132 第1の容器の壁
133 工具システム
134 一方向弁
135 可動フラップ部
136 内側開口部
137 頂部フランジ
138 ループ
139 ストラップ
140 弾性材料
141A 支持手段
141B 支持手段
141C 支持手段
142 支持デバイス/伸縮ロッド
143 支持デバイス/螺旋ロッド
144 ロックピン
145 バッテリ
146 可動性アセンブリ
147 可動性アセンブリ
148 電気モータ
149 別の電気モータ
200 ベース部
201a 車輪
201b 車輪
202 ドローバー装置
202a ドローバー装置
202b ドローバー装置
202c ドローバー装置
210 粉塵容器装置
210a 粉塵容器装置
210b 粉塵容器装置
220ホース
230 出口
230a 出口
230b 出口
230c 出口
300 建設機器
300a アーリーエントリーフロアソー
300b フロアグラインダ
300c フロアソー
310a 一体型ファン
310b 一体型ファン
310c 一体型ファン
320 ハンドル
A1 吹き込まれる空気
A2 通過する空気
A3 容器から逃げる空気
D 主動作方向
L 長手方向延長線
S 特定の区画
d1 第1の距離
d2 第2の距離
dmax 最大直径
Amax 最大断面積
φ 第1の逃げ角
θ 第2の逃げ角
【国際調査報告】