(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】バッテリモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/271 20210101AFI20220803BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/233 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/522 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/581 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/278 20210101ALI20220803BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20220803BHJP
【FI】
H01M50/271 S
H01M50/213
H01M50/209
H01M50/233
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/505
H01M50/503
H01M50/522
H01M50/581
H01M50/35 201
H01M50/367
H01M50/289
H01M50/278
H01M50/204 401F
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021570883
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 IB2020055073
(87)【国際公開番号】W WO2020240463
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521518817
【氏名又は名称】コーバス・エナジー・アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペーデル・ニルセン・ティステド
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・マクシミリアン・ストイバー
(72)【発明者】
【氏名】ラーシュ・オレ・ヴァーレン
(72)【発明者】
【氏名】ラーシュ・ブリセンダル
(72)【発明者】
【氏名】ペール・エイヴィン・ダンメン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ノトヴェット・マルメ
(72)【発明者】
【氏名】カール・クリスティアン・マークマン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012AA07
5H012BB02
5H012CC10
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AS19
5H040AT01
5H040AT02
5H040AY03
5H040AY06
5H040CC01
5H040DD02
5H040LL01
5H040LL06
5H043AA04
5H043CA03
5H043CA04
5H043FA04
5H043GA06
5H043GA23
5H043GA26
5H043JA01
5H043JA02
5H043JA03
5H043KA05F
5H043KA08F
5H043KA19
5H043KA27F
5H043KA45F
(57)【要約】
本実施形態の開示は、バッテリモジュールを開示し、それは、複数のバッテリセル、バスバー、カバー部材、複数のバッテリセルの間に位置する絶縁体部材、および上記のすべてを囲むケーシング要素を含む。カバー部材は、バスバーの上に位置する。カバー部材は、第1の主要面および第2の主要面を画定する細長い本体を含み、第2の主要面は、複数の溝で画定される。カバー部材はまた、第1の主要面および第2の主要面の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪みを含む。さらに複数の窪みの少なくとも1つの窪みは、バッテリモジュールの少なくとも1つのバッテリセルが熱暴走を受けたとき、溶けて開口部を形成し、第1の主要面を複数の溝と流体接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリモジュール(1000)のためのカバー部材(100)であって、
第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)を画定する細長い本体(102)であって、前記第2の主要面(104b)は、複数の溝(110)で画定される、細長い本体(102)と、
前記第1の主要面(104a)および前記第2の主要面(104b)の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪み(106)であって、前記複数の窪み(106)の少なくとも1つの窪み(106)は、前記バッテリモジュール(1000)の少なくとも1つのバッテリセルが熱暴走を受けた場合に溶けて開口部を(108)形成し、前記第1の主要面(104a)を前記複数の溝(110)と流体接続する、複数の窪み(106)と
を備えるカバー部材(100)。
【請求項2】
前記複数の窪み(106)の各窪み(106)は、前記複数の溝(110)の少なくとも2つの溝(110)の交差部に位置する、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項3】
前記複数の溝(110)の各溝は、前記第2の主要面(104b)上に画定された隆起部(116)により分離される、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項4】
前記第2の主要面(104b)は、ケーシング要素(112)に当接して、前記複数の溝(110)を覆う、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項5】
前記ケーシング要素(112)の熱伝導率は、前記細長い本体(102)よりも高い、請求項4に記載のカバー部材(100)。
【請求項6】
前記細長い本体(102)は、自己消火性のポリマー材料から作られる、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項7】
前記複数の窪み(106)のそれぞれは、前記細長い本体(102)の一部において、前記第1の主要面(104a)と前記第2の主要面(104b)との間に画定される、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項8】
前記複数の窪み(106)のそれぞれの深さは、前記細長い本体(102)の厚さの少なくとも15%から約55%である、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項9】
バッテリモジュール(1000)のためのバスバー(300)であって、
複数の接触部分を画定するベース部材(302)を備え、前記複数の接触部分のそれぞれが、
接触パッド(304)と、
前記接触パッド(304)の部分的な円周に沿って、前記接触パッド(304)と前記ベース部材(302)との間で延びる接続アーム(306)と、
前記接続アーム(306)の一部に沿って配置される金属基板(316)であって、前記接続アーム(306)および前記金属基板(316)が、前記バッテリモジュール(1000)における熱暴走中に、溶融するように構成される、金属基板(316)と
を備える、バスバー(300)。
【請求項10】
前記接続アーム(306)は、熱暴走中に溶融して、前記接触パッド(304)と前記ベース部材(302)との間の接続を無効にする、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項11】
前記接続アーム(306)は、前記ベース部材(302)および前記接触パッド(304)を接続するように、接触領域において拡張された幅で画定される、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項12】
前記接続アーム(306)は、前記接触パッド(304)の前記部分的な円周に沿って狭い幅で画定される、請求項11に記載のバスバー(300)。
【請求項13】
前記接触パッド(304)は、前記接触パッド(304)および前記ベース部材(302)の円周の大部分に沿って間隙が画定されるように、前記接続アーム(306)を介して、前記ベース部材(302)に接続される、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項14】
前記複数の接触部分の1つの接触パッド(304)の前記接続アーム(306)は、隣接する接触パッド(304)からの前記接続アーム(306)から最も遠くにある、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項15】
前記接続アーム(306)は銅から作られ、前記金属基板(316)はスズから作られる、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項16】
前記バッテリモジュール(1000)における熱暴走中に、前記金属基板(316)は溶けて前記接続アーム(306)との合金を形成し、溶融するために前記接続アーム(306)の熱伝導率を高めるように構成される、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項17】
前記接続アーム(306)と前記金属基板(316)との間に設けられた充填材料(318)を備え、前記充填材料(318)は溶けて、前記金属基板(316)を前記接続アーム(306)に固定するように構成される、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項18】
前記接続アーム(306)の少なくとも一部は、複数の刻み目(308)で画定され、前記接続アーム(306)は、前記少なくとも1つの刻み目付近で溶融するように構成される、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項19】
バッテリモジュール(1000)であって、
複数のバッテリセル(200)と、
複数の接触部分を画定するベース部材(302)を含み、前記複数のバッテリセル(200)上に配置されるバスバー(300)であって、前記複数の接触部分のそれぞれが、
接触パッド(304)、
前記接触パッド(304)と前記ベース部材(302)との間で、前記接触パッド(304)の部分的な円周に沿って延びる接続アーム(306)、および
前記接続アーム(306)の一部に沿って配置される金属基板(316)であって、前記接続アーム(306)および前記金属基板(316)が、前記バッテリモジュール(1000)における熱暴走中に溶融するように構成される、金属基板(316)
を備える、バスバー(300)と、
前記複数のバッテリセル(200)と前記バスバー(300)との間に位置して、熱暴走中に、前記バスバー(300)と前記複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルの直接的な電気的接触および熱的接触を阻止する絶縁体部材(118)と、
前記バスバー(300)の上に位置するカバー部材(100)であって、
第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)を画定する細長い本体(102)であって、前記第2の主要面(104b)が複数の溝(110)で画定される、細長い本体(102)、および
前記1の主要面(104a)および前記第2の主要面(104b)の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪み(106)であって、前記複数の窪み(106)の少なくとも1つの窪み(106)は、前記バッテリモジュール(1000)の少なくとも1つのバッテリが熱暴走を受けた場合、溶けて開口部(108)を形成し、前記第1の主要面(104a)を、前記第2の主要面(104b)の前記複数の溝(110)と流体接続する、複数の窪み(106)
を備えるカバー部材(100)と、
前記カバー部材(100)の前記第2の主要面(104b)上に載置されて、前記複数の溝(110)を覆うケーシング要素(112)と
を備えるバッテリモジュール(1000)。
【請求項20】
前記複数のバッテリセル(200)のそれぞれを収容するように構成されたバッテリセルフレーム(128)を備え、前記バッテリセルフレーム(128)は、前記複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルのそれぞれを分離するために、前記複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルの間にスペーサ要素(114)を含む、請求項19に記載のバッテリモジュール(1000)。
【請求項21】
前記複数の溝(110)および前記ケーシング要素(112)は、前記複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルが熱暴走を受けた場合、前記複数のバッテリセル(200)のそれぞれを囲むガスの経路を定めるように構成される、請求項19に記載のバッテリモジュール(1000)。
【請求項22】
接触部分の数がバッテリセル(200)の数に対応する、請求項19に記載のバッテリモジュール(1000)。
【請求項23】
前記絶縁体部材は、アラミドポリマー材料から作られる、請求項19に記載のバッテリモジュール(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電気工学の分野に関する。詳細には、他を排除するものではないが、本開示は、複数のバッテリセルを含む再充電可能なバッテリモジュールに関する。さらに、本開示の実施形態は、熱暴走中に、バッテリモジュール内のガスを換気するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
再生不能な資源の高い消費、およびその量の急速な減少に起因して、現代の製造者は、代替的なエネルギー源として、再生可能なエネルギーで動作できる機械装置を製作することを選択してきた。技術の出現に伴い、主として、電気エネルギーにより動作することのできる機械装置の製作が増加している。このような機械装置は、効率的に作業するために、連続してエネルギーを供給する必要がある。いくつかの機械装置は、これだけに限らないが、乗物、フェリー、工具、および同様のものを含むことができ、それらは、連続的なエネルギー供給を必要とする。概して、電気エネルギーは、1つまたは複数のバッテリモジュールを備えるバッテリシステムと一般に呼ばれる蓄積媒体に蓄えられ、それは、電気エネルギーを蓄積するための複数のバッテリセルを含むことができる。バッテリシステムに蓄えられた電気エネルギーは、機械装置の動作に利用することができる。バッテリモジュールは、持ち運びが可能であり、再充電可能であり、また機械装置の動作に適切に使用するために、様々な電源容量において使用可能にすることができ、したがって、再生不能な資源に対する有力な代替となり得る。
【0003】
バッテリモジュールにおける従来のバッテリセルは、いくつかの状況において、内部の短絡および加熱を生ずる。これらの内部短絡のいくつかは、自己放電率の増加を生ずる可能性があるが、時には、このような内部短絡状態は、バッテリセルの過熱を生ずることもあり得る。このような過熱状況において、バッテリセルは、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する間に、バッテリセルから可燃性の有毒な熱いガスを放出または排出することがあり、このようなガスは、バッテリモジュール内に閉じ込められる可能性がある。これらの可燃性の熱く有毒なガスは、バッテリモジュールを加熱する傾向があり、バッテリセルのいくつかに熱を伝達することもあり得る。このように、バッテリセルのいくつかはまた、バッテリモジュールの局所的な領域において、高温を受けることになり得る。バッテリモジュールにおける高温は、化学エネルギーの電気エネルギーへの通常の変換を乱すおそれがあり、したがって、複数のバッテリセルから電気エネルギーを生成することにおいて、過負荷になり得る。これは、複数のバッテリセルを発火させることになり、バッテリモジュールにおいて熱暴走を生ずることになり得る。バッテリセルのいくつかの燃焼は、これだけに限らないが、近傍に位置するバッテリセル、バスバー、電気配線の焼損、ケーシング、および同様のものなど、バッテリモジュールの様々な構成要素を損傷させるおそれがあり、それは望ましくないはずである。
【0004】
バッテリモジュールに閉じ込められた熱いガスを換気するようにバッテリモジュールを変更するための努力が過去に行われている。使用されるこのような従来の一構成は、米国特許第10158102B2号(以下では、'102特許と呼ぶ)で論じられている。'102特許は、可搬型デバイスに電力を供給するための電気エネルギー蓄積デバイスを開示する。蓄積デバイスは、電気エネルギー蓄積セルが故障し、破裂し、点火する稀な事象において、熱エネルギーの移動および燃焼の伝播を最小化するための障壁を含む。蓄積デバイスは、蓄積デバイスにおける1つまたは複数のセルの熱的事象の間に開くように構成された付勢された通気孔からなる。付勢された通気孔は、蓄積デバイス内の圧力が、熱的事象に起因して事前定義の値を超えたとき、開くように構成される。しかし、それは信頼性がなく、蓄積デバイス内の圧力が、事前定義の値を超えるまで、付勢された通気孔の開口を遅延させる可能性があり、蓄積デバイス内の熱いガスが、そこから換気される前に周囲のバッテリセルに熱的影響を与えるおそれがある。
【0005】
代替的に、熱暴走に起因する他の構成要素への電気的な損傷を制限するために、バスバーなどのバッテリモジュールの構成要素においてさらに、変更が実施されている。使用されるこのような従来の一構成は、日本特許第3219703UB2号(以下では、'703特許と呼ぶ)で論じられている。'703特許は、ブリッジ部分を備えるバスバーを開示しており、ブリッジ部分は、バスバーをバッテリの端子と接続するように構成される。ブリッジ部分は、バッテリから突然大電流が生成されたときに溶けて、バッテリ端子とバスバーの接続を電気的に解除するように構成される。
【0006】
しかし、従来のシステムは、バッテリセルの熱暴走による電気的な損傷を最小化することに対して特に焦点を当てており、バッテリモジュールの他のバッテリセルへの熱的損傷を低減する側面を実質的に開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10158102B2号
【特許文献2】日本特許第3219703UB2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、上記で述べた1つまたは複数の限界、または従来技術に関連する任意の他の限界を克服することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示で特許請求されるデバイスおよびシステムにより、従来のデバイスまたはシステムの1つまたは複数の欠点が克服され、またさらなる利点が提供される。さらなる特徴および利点は、本開示の技法により実現される。本開示の他の実施形態および態様は、本明細書で詳細に述べられ、特許請求される本開示の一部と見なされる。
【0010】
本開示の非限定的な一実施形態では、バッテリモジュールのためのカバー部材が開示される。カバー部材は、第1の主要面および第2の主要面を画定する細長い本体を含み、第2の主要面は、複数の溝で画定される。カバー部材はまた、第1の主要面および第2の主要面の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪みを含む。さらに、複数の窪みの少なくとも1つの窪みは、バッテリモジュールの少なくとも1つのバッテリセルが、熱暴走を受けたとき、溶けて開口部を形成し、第1の主要面を複数の溝と流体接続させる。
【0011】
本開示の実施形態では、複数の窪みの各窪みは、複数の溝の少なくとも2つの溝の交差部に位置する。さらに、複数の溝の各溝は、第2の主要面上に画定された隆起部により分離される。
【0012】
本開示の実施形態では、第2の主要面は、複数の溝を覆うためにケーシング要素に当接する。
【0013】
本開示の実施形態では、ケーシング要素の熱伝導率は、細長い本体よりも高い。
【0014】
本開示の実施形態では、細長い本体は、自己消火性のポリマー材料から作られる。
【0015】
本開示の実施形態では、複数の窪みのそれぞれは、第1の主要面と第2の主要面との間で、細長い本体の一部において画定される。
【0016】
本開示の実施形態では、複数の窪みのそれぞれの深さは、細長い本体の厚さの少なくとも15%である。
【0017】
本開示の別の非限定的な実施形態では、バッテリモジュールのためのバスバーが開示される。バスバーは、複数の接触部分を画定するベース部材を含む。複数の接触部分のそれぞれは、接触パッドと、接触パッドとベース部材との間で、接触パッドの部分的な円周に沿って延びる接続アームとを含む。バスバーはまた、接続アームの一部に沿って配置された金属基板を含む。接続アームおよび金属基板は、バッテリモジュールにおける熱暴走中に、溶融するように構成される。
【0018】
本開示の実施形態では、接続アームは、熱暴走中に溶融して、接触パッドとベース部材との間の接続を無効にする。
【0019】
本開示の実施形態では、接続アームは、ベース部材および接触パッドを接続するように、接触領域において拡張された幅で画定される。
【0020】
本開示の実施形態では、接続アームは、接触パッドの部分的な円周に沿って狭い幅で画定される。
【0021】
本開示の実施形態では、接触パッドは、接触パッドおよびベース部材の円周の大部分に沿って間隙が画定されるように、接続アームを介して、ベース部材に接続される。
【0022】
本開示の実施形態では、複数の接触部分の1つの接触パッドの接続アームは、隣接する接触パッドからの接続アームから最も遠くにある。
【0023】
本開示の実施形態では、接続アームは銅から作られ、金属基板はスズから作られる。
【0024】
本開示の実施形態では、バッテリモジュールにおける熱暴走中に、金属基板は溶けて接続アームとの合金を形成し、溶融するために接続アームの熱伝導率を高めるように構成される。
【0025】
本開示の実施形態では、バスバーは、接続アームと金属基板との間に設けられた充填材料を備え、充填材料は、溶けて金属基板を接続アームに固定するように構成される。
【0026】
本開示の実施形態では、接続アームの少なくとも一部は、複数の刻み目で画定され、接続アームは、少なくとも1つの刻み目付近で溶融するように構成される。複数の刻み目は、接続アーム上で画定されるパターンに従って、エッチング、または溝を付ける、または加圧することができる。画定されるパターンは、接続アーム上で、水平方向、垂直方向、斜め方向、および同様のもののいずれかとすることができる。
【0027】
本開示のさらに別の、非限定的な実施形態では、バッテリモジュールが開示される。バッテリモジュールは、複数のバッテリセル、およびバスバーを含む。バスバーは、複数の接触部分を画定するベース部材を含む。複数の接触部分のそれぞれは、接触パッドと、接触パッドの部分的な円周に沿って、接触パッドとベース部材との間で延びる接続アームとを含む。バスバーはまた、接続アームの一部に沿って配置された金属基板を含む。接続アームおよび金属基板は、バッテリモジュールにおける熱暴走中に溶融するように構成される。さらに、バッテリモジュールは、複数のバッテリセルとバスバーとの間に位置する絶縁体部材を含む。絶縁体部材は、熱暴走中に、バスバーと、複数のバッテリセルの少なくとも1つのバッテリセルとの直接的な電気的および熱的接触を阻止する。加えて、バッテリモジュールは、バスバーの上に位置するカバー部材を含む。カバー部材は、第1の主要面および第2の主要面を画定する細長い本体を含み、第2の主要面は、複数の溝で画定される。カバー部材はまた、第1の主要面および第2の主要面の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪みを含む。さらに、複数の窪みの少なくとも1つの窪みは、バッテリモジュールの少なくとも1つのバッテリセルが、熱暴走を受けたとき、溶けて、開口部を形成し、第1の主要面を複数の溝と流体接続する。さらに、バッテリモジュールは、複数の溝を覆うために、カバー部材の第2の主要面上に載置されるケーシング要素を含む。
【0028】
本開示の実施形態では、バッテリモジュールは、複数のバッテリセルのそれぞれを収容するように構成されたバッテリセルフレームを備える。バッテリセルフレームは、複数のバッテリセルの各バッテリセルの間に、スペーサ要素をさらに含み、複数のバッテリセルの少なくとも1つのバッテリのそれぞれを分離する。
【0029】
本開示の実施形態では、複数の溝およびケーシング要素は、複数のバッテリセルの少なくとも1つのバッテリセルが、熱暴走を受けたとき、複数のバッテリセルのそれぞれを囲むガスの経路を定めるように構成される。
【0030】
本開示の実施形態では、バスバーにおける接触部分の数は、バッテリセルの数に対応する。
【0031】
本開示の実施形態では、絶縁体部材は、アラミドポリマー材料から作られる。
【0032】
上記で述べた本開示の諸態様および諸実施形態は、互いに任意の組合せで使用できることを理解されたい。諸態様および諸実施形態のいくつかは、共に組み合わせて、本開示のさらなる実施形態を形成することができる。
【0033】
前述の要約は、例示のためだけであり、決して限定するようには意図されていない。前述の例示された態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することにより明らかになろう。
【0034】
本開示の新規な特徴および特性は、添付の特許請求の範囲において記載される。しかし、本開示それ自体、ならびに好ましい使用モード、さらなる目的およびその利点は、添付図面と併せて読めば、例示的な実施形態の以下の詳細な記述を参照することにより最もよく理解されよう。次に、単に例として、添付図面を参照して1つまたは複数の実施形態が述べられ、図中、同様の参照数字は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本開示の実施形態による、バッテリセルを含むバッテリモジュールのバッテリセルフレームの斜視図である。
【
図2A】本開示の実施形態による、複数のバッテリセル上に位置するカバー部材を示すバッテリモジュールの断面斜視図である。
【
図2B】本開示の実施形態による、バッテリセルフレーム、カバー部材、絶縁体部材、およびバスバーを示すバッテリモジュールの断面図である。
【
図3A】本開示の一実施形態による、バスバーおよび複数のバッテリセルを示すバッテリモジュールの斜視図である。
【
図3B】バッテリモジュールのバスバーを示す
図3Aの上面図である。
【
図3C】
図3Aのバスバー上に配置される金属基板の詳細図である。
【
図3D】
図3Aのバスバー上で画定される複数の刻み目の詳細図である。
【
図4】本開示の実施形態による、バッテリモジュール内のガスの経路を示すバッテリモジュールの分解図である。
【
図5】本開示の実施形態による、ケーシング要素を使用するバッテリモジュールの断面図である。
【
図6A】本開示の実施形態による、バッテリモジュールの概略的な斜視図である。
【
図6B】本開示の一実施形態による、1つまたは複数のスタックにおける複数のバッテリセルの構成を示す
図6Aのバッテリモジュールの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図は、例示のためだけに本開示の実施形態を示す。当業者であれば、本明細書で述べられた開示の原理から逸脱することなく、本明細書で示された構造および方法の代替的な実施形態を使用できることが、以下の記述から容易に理解されよう。
【0037】
本開示における実施形態では、様々な変更および代替的形態が行われるが、その特定の実施形態が、例として諸図で示されており、以下で述べられる。しかし、本開示を、開示された特定の形態に限定するように意図されておらず、そうではなくて、本開示は、本開示の範囲に含まれるすべての変更形態、等価な形態、および代替形態を含むことを理解されたい。
【0038】
当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示から動機付けられてシステムの様々な特徴を変更するようになることに留意されたい。したがって、このような変更は、本開示の一部と見なされる。したがって、本明細書の記述の利益を有する当業者には容易に明らかになる細部を用いて本開示を不明確にしないように、図面は、本開示の実施形態を理解することに関係する特定の細部に限って示している。
【0039】
本開示で使用される用語「備える/含む(comprises)」、「備えている/含んでいる(comprising)」またはその任意の他の変形形態は、他を排除しない包含を含めるように意図され、したがって、構成要素のリストを備えるデバイス、システム、方法、および組立体は、これらの構成要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の構成要素、またはこのようなシステム、方法、組立体、もしくはデバイスに固有の他の構成要素を含むことができる。言い換えると、「1つの・・・を備える」が後に続くシステムまたはデバイスにおける1つまたは複数の要素は、さらなる制約なしに、システムまたはデバイスにおいて、他の要素またはさらなる要素の存在を排除するものではない。
【0040】
本開示の実施形態は、バッテリモジュールを開示する。バッテリモジュールは、複数のバッテリセル、およびバスバーを含む。バスバーは、複数の接触部分を画定するベース部材を含む。複数の接触部分のそれぞれは、接触パッドと、接触パッドの部分的な円周に沿って、接触パッドとベース部材との間で延びる接続アームとを含む。バスバーはまた、接続アームの一部に沿って配置された金属基板を含む。接続アームおよび金属基板は、バッテリモジュールにおける熱暴走中に溶融するように構成される。さらに、バッテリモジュールは、複数のバッテリセルとバスバーとの間に位置する絶縁体部材を含む。絶縁体部材は、熱暴走中に、バスバーと複数のバッテリセルの少なくとも1つのバッテリセルとの直接的な電気的および熱的接触を阻止する。加えて、バッテリモジュールは、バスバーの上に位置するカバー部材を含む。カバー部材は、第1の主要面および第2の主要面を画定する細長い本体を含み、第2の主要面は、複数の溝で画定される。カバー部材はまた、第1の主要面および第2の主要面の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪みを含む。さらに、バッテリモジュールの少なくとも1つのバッテリセルが熱暴走を受けたとき、複数の窪みの少なくとも1つの窪みが溶けて、開口部を形成し、第1の主要面を複数の溝と流体接続する。さらに、バッテリモジュールは、カバー部材の第2の主要面上に載置されたケーシング要素を含み、複数の溝を覆う。このように、熱暴走下で、バッテリセルから放出または生成されたガスは、隣接する、または周囲を囲む複数のバッテリセルに影響しないように離れて経路が定められる。
【0041】
以下の段落は、
図1から
図6Bを参照して本開示を述べる。諸図において、同様の機能を有する1つまたは複数の同じ要素は、同じ参照記号により示される。
【0042】
図1は、複数のバッテリセル(200)を支持するためのバッテリモジュール(1000)のバッテリセルフレーム(128)(または「セルフレーム(128)」とも呼ばれる)の概略図を示す。バッテリモジュール(1000)は、複数のバッテリセル(200)を含むことができ、複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルは、これだけに限らないが、円筒形、立方体、三角形、五角形、および同様のものなど、一定の形状および構成のものとすることができる。複数のバッテリセル(200)のそれぞれの形状および構成は、規定された順序で、複数のバッテリセル(200)のそれぞれを適切に配置するために、長さに沿って一様なものであり得る。複数のバッテリセル(200)は、複数のバッテリセル(200)の1つまたは複数のスタックに、またはアレイに配置することができ(以下では、簡単に「1つまたは複数のスタック」と称する)、それは、個々に、または集合的に、電気エネルギーを提供するように構成することができる。1つまたは複数のスタックの各スタックにおける複数のバッテリセル(200)は、直列接続、並列接続、およびその組合せの少なくとも1つで、電気的に相互接続することができる。さらに、バッテリモジュール(1000)における1つまたは複数のスタックの各スタックにおける複数のバッテリセル(200)は、結果的に、バッテリモジュール(1000)のいくつかのパラメータに基づいて、直列接続または並列接続で電気的に相互接続され得る。パラメータは、これだけに限らないが、バッテリモジュール(1000)から電力が供給され得る機械装置の電力低格、動作用にバッテリモジュール(1000)に接続される機械装置の数、バッテリモジュール(1000)の容量、および同様のものを含むことができる。
【0043】
バッテリセルフレーム(128)は、複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルをしっかりと把持するように構成することができる。バッテリセルフレーム(128)は、複数の受入れ部分(130)を含むことができ、それは、バッテリセルフレーム(128)における所定のパターンで画定され得る。複数の受入れ部分(130)は、複数のバッテリセル(200)の上面または底面のいずれかの輪郭に対応する輪郭に作ることができる。さらに複数のバッテリセル(200)のそれぞれは、少なくとも1つの規定された方向に(すなわち、バッテリセルの長手方向に沿って)対応する受入れ部分(130)の中に挿入可能であり得る。このように、複数の受入れ部分(130)は、バッテリセルフレーム(128)内において、複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルを受け入れ、配置し、位置決めするように構成することができる。実施形態では、複数の受入れ部分(130)の各受入れ部分(130)は、それに応じて、バッテリモジュール(1000)における複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルに指定することができる。しかし、受入れ部分(130)は、複数のバッテリセル(200)に似た輪郭を用いて画定できることにも留意されたい。この輪郭は、バッテリセルフレーム(128)内に複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルを選択的に収容するのを助ける。このように、複数の受入れ部分(130)の輪郭は、複数のバッテリセル(200)を収容する側面から逸脱することなく、変化することができる。示された実施形態では、複数の受入れ部分(130)のそれぞれは、複数のバッテリセル(200)の対応するバッテリセルを受け入れ、かつ収容するためのバッテリセルフレーム(128)における円形の空洞部として画定することができる。
【0044】
実施形態では、複数の受入れ部分(130)に加えて、バッテリセルフレーム(128)はまた、複数のバッテリセル(200)をバッテリセルフレーム(128)上に固定するための複数の指部(132)を用いて画定することもできる。複数の指部(132)は、バッテリセルフレーム(128)において、複数の受入れ部分(130)の各受入れ部分(130)の周囲で延びるように適合され得る。複数の指部(132)は、バッテリセルフレーム(128)の表面から、横方向に延びる(すなわち、外側に直角に延びる)ことができる。さらに複数の指部(132)は、複数の受入れ部分(130)のそれぞれの周辺領域付近で画定され得るが、それにより、複数の指部(132)は、バッテリセルフレーム(128)の対応する受入れ部分(130)に位置する複数のバッテリセル(200)に係合し、かつ把持するように構成することができる。示された実施形態では、複数の指部(132)のそれぞれは、台形のベース輪郭で画定され、その周囲において、複数の指部(132)が、バッテリセルフレーム(128)の表面から延びている。複数の指部(132)は、約5°から約45°の角度で(垂直面に対して)延び、かつ傾斜するように適合され、また対応する受入れ部分(130)に配置された複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルに向けて方向付けられる。さらに複数の指部(132)のそれぞれは、湾曲した面で画定され、湾曲した面は、複数の指部(132)のそれぞれの長手方向軸に沿って画定され得る。さらに、湾曲した面は、バッテリセルと指部との間の接触面積を増加させるために、対応するバッテリセルの近くに画定することができ、それにより、増加した接触面積が、係合面に対して増加した圧力を加えるようになる。このように、複数のバッテリセル(200)のそれぞれを、バッテリセルフレーム(128)上にしっかりと固定することができる。示された実施形態では、複数の指部(132)のそれぞれは、複数の指部(132)が、対応するバッテリセルをバッテリセルフレーム(128)上に適切に収容するために選択的に変形できるように、弾性的な特性を有する材料から作ることができる。さらに、複数の指部(132)は、バッテリセルフレーム(128)と一体化して画定することもできる。
【0045】
さらに、
図2Aおよび
図2Bで最もよく見られるように、バッテリモジュール(1000)の中への異物粒子の侵入から保護するために、バッテリモジュール(1000)は、カバー部材(100)を含む。カバー部材(100)は、その下に配置できるバスバー(300)および絶縁体部材(118)で階層化することができる。カバー部材(100)は、複数のバッテリセル(200)を上面から部分的に囲むように適合され得る。カバー部材(100)は、細長い本体(102)を含み、それは、
図2Bで最もよく見られるように、バスバー(300)の上に、次いで、複数のバッテリセル(200)上に重なることができる。カバー部材(100)は、第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)で画定することができ、第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)は、カバー部材(100)の両側の面上で画定され得る。実施形態では、第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)は、カバー部材(100)の幅の周囲の表面として画定することができ、それは、カバー部材(100)の長さに沿って延びるように横断することができる。第1の主要面(104a)は、複数のバッテリセル(200)の端子(202)に面するように適合させて配置することができ、一方、第2の主要面(104b)は、複数のバッテリセル(200)の端子(202)から遠くに位置することができる。さらに、第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)はいずれも、複数の溝(110)で画定され得る。複数の溝(110)は、複数の溝(110)が、複数のバッテリセル(200)の隣接するバッテリセル(200)の上に交差する経路を形成するように画定され得る。さらに、複数の溝(110)の各溝は、隆起部(116)により分離することができ、それは、複数の溝(110)のそれぞれの間に形成することができる。隆起部(116)は、複数のバッテリセル(200)の上面の近くに設けられたスペーサ要素(114)上に載るように構成することができ、隆起部(116)は、カバー部材(100)とバスバー(300)との間に空気ポケット(138)を画定するように構成することができる。空気ポケット(138)は、複数のバッテリセル(200)から生成された、または放出されたいくらかのガスを含むように適合され得る。
【0046】
実施形態では、
図2Aおよび
図2Bで最もよく見られるように、スペーサ要素(134)は、1つのバッテリセルを、周囲のバッテリセル(200)から分離し、その間で一様な間隔を維持するために、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの上面に設けることができる。これは、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの一端における複数の受入れ部分(130)により画定される空間を補完することができる。さらに、この空間は、動作中に、複数のバッテリセル(200)により生成または放出されるガスに対して必要な収容エリアを提供することができる。加えて、その空間はまた、複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルの熱暴走中に、空気障壁(136)として働くこともできる。すなわち、空気障壁(136)は、複数のバッテリセル(200)によって生成または放出されたガスからの熱の何らかの量を吸収することができ、それにより、熱暴走を受ける少なくとも1つのバッテリセルの周囲のバッテリセルに対するガスからの従来の熱伝達を最小化する。
【0047】
図2Aで最もよく見られるように、カバー部材(100)はまた、複数の窪み(106)を含むことができ、複数の窪み(106)は、第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)の少なくとも一方に沿って画定され得る。特に、複数の窪み(106)は、複数の溝(110)を含むことのできるカバー部材(100)の表面上に画定され得る。しかし、カバー部材(100)のこのような構成は、複数の溝(110)の限定として解釈されるべきではなく、また複数の窪み(106)は、同様にカバー部材(100)の両側面上に画定することもできる。示された実施形態では、複数の窪み(106)および複数の溝(110)は、第2の主要面(104b)上に画定することができる。複数の窪み(106)の各窪み(106)は、複数の溝(110)の少なくとも2つの溝(110)の交差部に位置する。実施形態では、複数の窪み(106)のそれぞれの深さは、細長い本体(102)の厚さの少なくとも15%から約55%とすることができる。複数の溝(110)のそれぞれにおけるカバー部材(100)の厚さは、熱暴走中に、少なくとも1つのバッテリから放出された熱およびガスに起因して、カバー部材(100)の部分が、適切に溶けて、開口部(108)を形成できる程度まで、寸法を低減できることに留意されたい。実施形態では、カバー部材(100)は、自己消火性ポリマー材料から作ることができ、カバー部材(100)は、熱暴走を受ける少なくとも1つのバッテリの燃焼に起因して生ずる可能性のあるどんな炎も自発的に消火することができる。
【0048】
図2Bを再度参照すると、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの一端は、バッテリセルフレーム(128)に固定でき、一方、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの他端は、絶縁体部材(118)に選択的に係合することができる。絶縁体部材(118)は、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの上面において、周辺のライニング(すなわち、縁部に近くの)と係合する(または重なる)ように適合され得る。このように、バッテリセルのそれぞれの端子(202)のものなど、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの一部は、
図3で見ることができるように、絶縁体部材(118)により覆われることなく露出され得る。この例では、複数のバッテリセル(200)は、バッテリモジュール(1000)の動作のために、電気的に接続可能である。例示的な実施形態では、複数のバッテリセル(200)は、電気接続のために、バスバー(300)に係合することができる。バスバー(300)は、バスバー(300)の一部だけが、複数のバッテリセル(200)のそれぞれと係合するように配置することができる。こうすることにより、絶縁体部材(118)は、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの上面との直接的な電気的および熱的接触を阻止するように構成し、それにより、複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルの熱暴走中に、局所化された電気的なループを回避することができる。実施形態では、絶縁体部材(118)は、バッテリモジュール(1000)の全体の厚さに影響することなく、バスバー(300)と複数のバッテリセル(200)との間で適切に収容されるように、これだけに限らないが、アラミドポリマーを含むポリマーから作ることのできる薄膜、シート、または平板のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0049】
図3Aを見ると、バスバー(300)は、ベース部材(302)を含むことができ、それは、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの上に載るように構成することができる。バスバー(300)は、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの上面および底面の少なくとも一方に位置するように適合することができ、したがって、ベース部材(302)は、1つまたは複数のスタックの各スタックにおいて、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの間に別々に配置され得る。さらにベース部材(302)は、バッテリモジュール(1000)の規定された動作構成に基づいて、複数のワイヤ(図示せず)による電気接続により、他のスタックのベース部材(302)と適切に接続可能であり得る。このように、1つまたは複数のスタックのそれぞれは、バッテリモジュール(1000)からの電力を製品に適切に供給するために、電気的に接続可能にすることができる。
【0050】
図3Bで最もよく見ることができるように、ベース部材(302)は、複数の接触部分を画定することができる。接触部分の数は、バッテリセル(200)の数に対応することができる。複数の接触部分のそれぞれは、接触パッド(304)および接続アーム(306)を含むことができる。接触パッド(304)は、接続アーム(306)を介して、ベース部材(302)から突き出ることができる(すなわち、接触パッド(304)が係合していないとき、空中にぶら下がる)。接触パッド(304)は、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの対応するバッテリセルの端子(202)と係合可能にすることができるが、一方、接続アーム(306)は、ベース部材(302)と複数のバッテリセル(200)のそれぞれの端子(202)とに電気的に橋をわたすように構成され得る。すなわち、接続アーム(306)は、接触パッド(304)とベース部材(302)との間で延びて、ベース部材(302)でバスバー(300)に、接触パッドを介して端子(202)において複数のバッテリセル(200)に接続することができる。
【0051】
示された実施形態では、
図4で最もよく見られるように、バスバー(300)の接触パッド(304)は、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの端子(202)と係合するために、円または楕円の少なくとも一方に似せるように、環状に輪郭を作ることができる(すなわち、バッテリセルの端子(202)を完全に覆い、端子(202)の周辺を超えて延びることができる)。加えて、接続アーム(306)は、接触パッド(304)とベース部材(302)との間の接続長さを増加するために、ベース部材(302)から開始する拡張された幅を備えて画定され、幅は接触パッド(304)の部分的な円周に沿って狭くなる。接続アーム(306)の長さの増加は、電気抵抗および熱伝導率を高めることができ、それにより、接触パッド(304)に対応するバッテリセルが熱暴走を受けたとき、接続アーム(306)の溶融機能を高めて支援する。さらに、
図3Cで最もよく見られるように、接続アーム(306)の溶融機能を向上させるために、金属基板(316)を、接続アーム(306)の一部に沿って配置することができる。ここで、接続アーム(306)の一部とは、接続アームの全長を指す、または接触パッド(304)に近い接続アーム(306)の一部、もしくはベース部材(302)に近い接続アーム(306)の一部を指すことができることに留意されたい。接続アーム(306)の一部は、限定するものと見なすべきではないが、金属基板(316)を、接続アーム(306)上の任意の範囲に配置することができる。さらに、金属基板(316)は、充填材料(318)を用いて接続アーム(306)に連結することができ、ここで、充填材料(318)は、金属基板(316)と接続アーム(306)との間に固定される、または挟むことができる。熱暴走中に、充填材料(318)は溶けて、金属基板(316)を接続アーム(306)に固定するように構成することができる。金属基板(316)が溶けると、金属基板(316)は、対応するバッテリセルの熱暴走からのエネルギー消失に起因して、接続アーム(306)と合金を形成するように構成され得る。形成された合金はまた、接続アーム(306)の熱伝導率を増加することができ、それにより、熱暴走中に、接続アーム(306)の合金化された部分における溶融のための時間期間を低減する。これにより、熱暴走下にあるバッテリセルを囲む(すなわち、隣接すると称することもできる)複数のバッテリセル(200)は、電気的および熱的に影響を受けないことになり得るが、それは、バスバー(300)との電気的および熱的な接触の途絶が、接続アーム(306)の溶融により発生し得るからである。さらに、接触パッド(304)は、接続アーム(306)を介してベース部材(302)に接続することができ、したがって、空気ポケットからのガスの移動を容易にするために、接触パッド(304)およびベース部材(302)の円周の大部分に沿って、間隙を画定することができる。実施形態では、バスバー(300)(すなわち、ベース部材(302)および接触部分を含む)は、これだけに限らないが、銅、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル、黒鉛、および同様のものを含む材料から作ることができ、一方、金属基板(316)は、これだけに限らないが、スズを含むことができる。しかし、前述のことを、接続アーム(306)を限定するものと見なすべきではなく、バスバー(300)の接触パッド(304)は、バスバー(300)の動作要件に適切に適合するように、ベース部材(302)のものとは異なる材料から作ることができる。
【0052】
一実施形態では、複数の接触部分からの接続アーム(306)のそれぞれは、ベース部材(302)から延びる接続アーム(306)の一部が、隣の接触部分(314)のそれぞれから遠くに配置できるように画定され得る。この遠位の位置決めにより、1つの接触部分(314)に関連するバッテリセルの熱暴走中に、1つの接触部分(314)から、それを囲む複数の接触部分への熱伝達(すなわち、伝導モードによる)が低減され得る。このように、バスバー(300)内の熱伝達は、無視できる値に維持することができる。
【0053】
一実施形態では、
図3Dで最もよく示されているように、接続アーム(306)の少なくとも一部は、複数の刻み目(308)で画定され得る。複数の刻み目(308)は、熱的な応力集中を接続アーム(306)に加える、または注ぐように構成することができ、したがって、接続アーム(306)は、複数のバッテリセル(200)の対応するバッテリセルの熱暴走中に、少なくとも1つの刻み目の付近で溶融するように構成することができる。接続アーム(306)は、接続アーム(306)の溶融機能を高めるために、金属基板(316)の配置と併せて、1つまたは複数の刻み目(308)で画定され得ることに留意されたい。しかし、接続アーム(306)の各態様(すなわち、1つまたは複数の刻み目(308)を提供すること、および金属基板(316)を配置すること)は、動作させるために個々に使用することができる。
【0054】
図4を次に参照すると、図は、複数のバッテリセル(200)から放出されたガスの逃げまたは排気経路、および熱暴走中の熱伝達を示すバッテリモジュール(1000)の概略図を示す。ガスは、概して、バッテリモジュール(1000)の動作中に、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの底面から(すなわち、バッテリセルの負の端子(202)から)放出され得る。複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルの熱暴走中に、ガスは、潜在的な熱を得る可能性がある。ガスは、複数のバッテリセル(200)の底面から上昇して、上面に向けて移動することができる。ガスは、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの間に画定された空間を通って移動し、複数のバッテリセル(200)の上面における空気ポケット(138)に達することができる。さらに、空気ポケット(138)内のガスは、カバー部材(100)およびバスバー(300)と係合して、内部に含まれる潜在的な熱を伝達することができる。バスバー(300)は、ガスからの潜在的な熱を受け取り、かつ伝達するように適合され得るが、カバー部材(100)は、熱の伝達を制限することができる。ガスにおける熱含有量は増加する(すなわち、バッテリモジュール(1000)の絶え間ない動作に起因してガスの熱含有量が増加する)ので、熱暴走を受けているバッテリセルの上に設けられた接続アーム(306)は、少なくとも1つのバッテリセルの電気的な接続を解除するために、溶融する(または破損する、もしくは無効になる)ことができる。さらに、カバー部材(100)は、ガスからの対流および放射性の熱伝達を選択的に受ける可能性があり、それに起因して、熱暴走下にあるバッテリセルに対応するカバー部材(100)の一部が、少なくとも1つの窪み(106)付近で溶けて開口部(108)を形成することができる。開口部(108)は、カバー部材(100)の第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)を接続できる通路を画定し、それにより、ガスが移動するための経路を提供することができる。加えて、ガスは、高い温度にあり得るので、ガスは、移動するための運動エネルギーを所有するはずである。ガスの運動エネルギーは、バッテリモジュール(1000)において、空気障壁(136)と空気ポケットとの間で画定される空間から、複数の溝(110)に沿って移動する動きを可能にする。このように、バスバー(300)およびカバー部材(100)は、周囲の複数のバッテリセル(200)からの熱暴走を受ける少なくとも1つのバッテリセルの接続を、電気的にかつ構造的に解除することができる。
【0055】
図5で最もよく見られるように、カバー部材(100)を介して、空気ポケット(138)からの経路で送られ得るガスは、ケーシング要素(112)によって、さらに上方に移動できないようにすることができる。ケーシング要素(112)は、カバー部材(100)の近くに位置することができ、またカバー部材(100)の複数の溝(110)に当接するように配置することができる。ケーシング要素(112)は、ガスからの熱を吸収し、かつ放散するように構成することができる。ガスは、次いで、カバー部材(100)の上に、かつ複数の溝(110)に沿って分散することができ、したがって、ガスは、周囲の複数のバッテリセル(200)と係合することなく、バッテリモジュール(1000)内に集中化されたヒートゾーンを導くことができる。加えて、側方の開口部(図示せず)が、バッテリモジュール(1000)で画定され、そこからガスを換気することができる。
【0056】
実施形態では、
図6Aで示されるように、バッテリモジュール(1000)は、ハウジング(120)を含むことができる。ハウジング(120)は、バッテリモジュール(1000)の複数のバッテリセル(200)を収容するために1つまたは複数のスタックを含むように構成することができる。示された実施形態では、ハウジング(120)は、複数の筐体部材(122)からなり、複数の筐体部材(122)のそれぞれは、少なくとも1つの機械的かつ熱的連結プロセスにより互いに連結される。複数の筐体部材(122)は、1つまたは複数のスタックを、ハウジング(120)の少なくとも4つの側部に固定するように構成することができる。すなわち、複数の筐体部材(122)は、1つまたは複数のスタックの上側、底側、左側、右側のうちの少なくとも1つに設けることができるが、1つまたは複数のスタックの前面側および背面側は、支持部材(124)により覆うことができる。前面側または背面側のいずれかの支持部材(124)は、少なくとも1つのインターフェースモジュール(図示せず)で画定され得るが、インターフェースモジュールは、バッテリモジュール(1000)を、製品または電源の少なくとも一方に電気的に接続するように構成することができる。さらにインターフェースモジュールは、操作者によりバッテリモジュール(1000)を操作するためのユーザインターフェースを提供するように構成することができる。さらにハウジング(120)は、バッテリモジュール(1000)における1つまたは複数のスタックの各スタックを個々に配置するのを助ける装置(126)で画定され得る。装置(126)は、ドアに似ており少なくとも1つの筐体部材上に画定され得る。装置(126)は、装置(126)を選択的に動作させたとき、1つまたは複数のスタックの少なくとも1つのスタックのうちの複数のバッテリセル(200)にアクセスできるように適合され得る。装置(126)はまた、ハウジング(120)から、1つまたは複数のスタックの少なくとも1つのスタックの取外し、または後退を可能にし、複数のバッテリセル(200)にアクセスできるように構成することができる。このように、1つまたは複数のスタックの各スタックは、バッテリモジュール(1000)の絶え間ない動作を行うために、サービス性および/または交換可能性に関して個々に取り出すように適応することができる。
【0057】
図6Bを次に参照すると、図は、1つまたは複数のスタックにおける複数のバッテリセル(200)の構成を示している。上記で述べたように、絶縁体部材(118)、バスバー(300)、カバー部材(100)、およびケーシング要素(112)は、1つまたは複数のスタックの各スタックの間に設けることができる。スタックの1つのケーシング要素(112)は、2つの隣接するスタック(または別のスタック)のカバー部材(100)の中間に配置することができる。すなわち、別のスタックは、複数のバッテリセル(200)に対して同様の構成を含むことができるが、複数のバッテリセル(200)の上面は、ケーシング要素(112)と係合するために下向きに方向付けることができる。このように、1つまたは複数のスタックにおける少なくとも1つのバッテリセルの熱暴走中に、ガスは、他のスタックにおける複数のバッテリセル(200)の動作に影響を与えることなく、バッテリモジュール(1000)から換気される。
【0058】
一実施形態では、バッテリセルフレーム(128)は、これだけに限らないが、ポリマー、セラミック、ポリスチレン、および非可燃性の熱伝達を制限し得る他の材料を含む材料から作ることができる。
【0059】
一実施形態では、バスバー(300)は、1つまたは複数の切抜き部(312)で画定され得る。1つまたは複数の切抜き部(312)は、これだけに限らないが、サーミスタ、赤外線センサ、熱電対、および同様のものなど、少なくとも1つのセンサを受け入れ、かつ固定するように構成することができ、センサは、複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルの熱暴走を検出する、または決定するのを助けることができる。示された実施形態では、1つまたは複数の刻み目(308)が、
図4で最もよく見られるように、U字形で画定される。
【0060】
一実施形態では、バスバー(300)は、複数のスロット(310)で画定することができ、スロット(310)は、バッテリセルフレーム(128)に対してバスバー(300)をしっかりと固定するために、突片を受け入れるように構成することができる。このように、バスバー(300)と複数のバッテリセル(200)との間の電気接続を一定に維持することができる。
【0061】
実施形態では、ベース部材(302)の一部、または接続アーム(306)は、これだけに限らないが、ティグ溶接、スポット溶接、および同様のものなどにより、複数のバッテリセル(200)のそれぞれの周辺のライニングに固定することができる。これにより、ベース部材(302)、そしてまたバスバー(300)は、接触パッド(304)と、複数のバッテリセル(200)の端子(202)との間で構造的な接触をさせるために、複数のバッテリセル(200)のそれぞれにしっかりと固定することができる。
【0062】
一実施形態では、ケーシング要素(112)は、これだけに限らないが、アルミニウム、鋼鉄、銅、銀、および同様のものを含むことができる。ケーシング要素(112)は、ガスから伝達された熱を放散させるために、ケーシング要素(112)の熱伝導率が、カバー部材(100)のものよりも高くなるように選択され得ることに留意されたい。
【0063】
一実施形態では、複数のバッテリセル(200)をバッテリセルフレーム(128)に固定するための固定手段は、これだけに限らないが、締結すること、接着剤による接合、および同様なものを含むことができることに留意されたい。さらに、複数の指部(132)は、複数の受入れ部分(130)の各受入れ部分(130)の間に空間を画定することができる。
【0064】
実施形態では、バッテリモジュール(1000)は、これだけに限らないが、乗物における構成要素、電動工具、機械装置、および同様のものを含む機械装置を動作させるために使用することができる。乗物は、これだけに限らないが、海上の乗物、フェリー、電気自動車、および同様のものなどとすることができ、一方、機械装置は、油田掘削装置、エンジンなどの駆動手段、空調ユニット、ポンプ送りユニット、および同様のものとすることができる。しかし、バッテリモジュール(1000)のこのような用途は、前述の分野に限定されるものではなく、前述のものを、これだけに限らないが、生物工学、ロボット工学、太陽エネルギーユニット、および同様のものを含む様々な技術的領域で使用可能であり得る。
【0065】
同義語
本明細書において、実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈および/または用途に適切であるように、複数から単数へ、かつ/または単数から複数へと変換することができる。様々な単数/複数の置き換えは、本明細書においては、明確化のために明示的に記載され得る。
【0066】
当業者であれば、一般に、本明細書で使用される用語、および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、「非限定的な(open)」な用語であるように意図されていることが理解されよう(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「これだけに限らないが、~を含んでいる」と解釈すべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも~を有する」と解釈すべきであり、「含む(includes)」という用語は、「これだけに限らないが、~を含む」と解釈すべきである、など)。当業者であれば、導入される請求項の記載の特定の数字が意図される場合、このような意図は、明示的に請求項において記載されることになり、このような記載がない場合、このような意図は存在しないことがさらに理解されよう。例えば、理解のための一助として、以下で添付される特許請求の範囲は、請求項の記載を導入するために、導入句「少なくとも1つの」、および「1つまたは複数の」の使用を含むことができる。しかしこのような句を使用することは、同じ請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」を含み、また「1つの(a)」または「1つの(an)」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」による請求項の記載の導入が、このように導入された請求項の記載を含む何らかの特定の請求項を、1つだけのこのような記載を含む発明に限定することを暗示するものと解釈すべきではない(例えば、「1つの(a)」および/または「1つの(an)」は、通常、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味するものと解釈すべきである)。同様のことは、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用に対しても言える。加えて、導入された請求項の記載の特定な数字が明示的に記載されている場合であっても、当業者であれば、このような記載は、通常、少なくとも記載された数字を意味するものと解釈すべきであると認識されよう(例えば、他の修飾語のない「2の記載」である単なる記載は、通常、少なくとも2つ、または2つ以上を記載することを意味する)。さらに、「A、B、およびCの少なくとも1つ、など」に類似した表記法が使用される例では、概して、このような構成は、当業者がその表記法を理解するはずの意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、これだけに限らないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、かつ/またはA、B,およびCを共に、などを有するシステムを含むことになる)。「A、B、またはCの少なくとも1つ、など」に類似した表記法が使用される例では、概して、このような構成は、当業者がその表記法を理解するはずの意味であることが意図される(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、これだけに限定されないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、かつ/またはA、B,またはCを共に、などを有するシステムを含むことになる)。当業者であれば、記述において、請求項であっても、または図面であっても、2つ以上の代替的用語を示す実質的にいずれの選言的用語および/または句も、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するものと理解すべきであることがさらに理解されよう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」もしくは「B」、または「AおよびB」の可能性を含むものと理解される。本明細書において、様々な態様および実施形態が開示されてきたが、他の態様および実施形態も当業者には明らかであろう。本明細書で開示される様々な態様および実施形態は、例示のためであり、限定するように意図されるものではなく、真の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲により示される。
【符号の説明】
【0067】
100 カバー部材
102 細長い本体
104a 第1の主要面
104b 第2の主要面
106 複数の窪み
108 開口部
110 複数の溝
112 ケーシング要素
114 スペーサ要素
116 隆起部
118 絶縁体部材
120 ハウジング
122 筐体部材
124 支持部材
126 装置
128 バッテリセルフレーム
130 受入れ部分
132 指部
134 スペーサ要素
136 空気障壁
138 空気ポケット
200 複数のバッテリセル
202 端子
300 バスバー
302 ベース部材
304 接触パッド
306 接続アーム
308 刻み目
310 スロット
312 切抜き部
314 接触部分
316 金属基板
318 充填材料
1000 バッテリモジュール
【手続補正書】
【提出日】2022-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリモジュール(1000)のためのカバー部材(100)であって、
第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)を画定する細長い本体(102)であって、前記第2の主要面(104b)は、複数の溝(110)で画定される、細長い本体(102)と、
前記第1の主要面(104a)および前記第2の主要面(104b)の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪み(106)であって、
前記複数の窪み(106)の各窪み(106)は、前記複数の溝(110)の少なくとも2つの溝(110)の交差部に位置しており、前記複数の窪み(106)の少なくとも1つの窪み(106)は、前記バッテリモジュール(1000)の少なくとも1つのバッテリセルが熱暴走を受けた場合に溶けて開口部を(108)形成し、前記第1の主要面(104a)を前記複数の溝(110)と流体接続する、複数の窪み(106)と
を備えるカバー部材(100)。
【請求項2】
前記複数の溝(110)の各溝は、前記第2の主要面(104b)上に画定された隆起部(116)により分離される、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項3】
前記複数の溝(110)は、ケーシング要素(112)を前記カバー部材(100)と接続する際に、前記細長い本体(102)の前記第2の主要面(104b)に当接する前記ケーシング要素(112)によって囲むことができる、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項4】
前記細長い本体(102)の熱伝導率は
、前記ケーシング要素(112)よりも
低い、請求項
3に記載のカバー部材(100)。
【請求項5】
前記細長い本体(102)は、自己消火性のポリマー材料から作られる、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項6】
前記複数の窪み(106)のそれぞれは、前記細長い本体(102)の一部において、前記第1の主要面(104a)と前記第2の主要面(104b)との間に画定される、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項7】
前記複数の窪み(106)のそれぞれの深さは、前記細長い本体(102)の厚さの少なくとも15%から約55%である、請求項1に記載のカバー部材(100)。
【請求項8】
バッテリモジュール(1000)のためのバスバー(300)であって、
複数の接触部分を画定するベース部材(302)を備え、前記複数の接触部分のそれぞれが、
接触パッド(304)と、
前記接触パッド(304)の部分的な円周に沿って、前記接触パッド(304)と前記ベース部材(302)との間で延びる接続アーム(306)と、
前記接続アーム(306)の一部に沿って配置される金属基板(316)であって、前記接続アーム(306)および前記金属基板(316)が、前記バッテリモジュール(1000)における熱暴走中に、溶融するように構成される、金属基板(316)と
を備え
、
前記接続アーム(306)は銅から作られ、前記金属基板(316)はスズから作られる、バスバー(300)。
【請求項9】
前記接続アーム(306)は
、溶融して、前記接触パッド(304)と前記ベース部材(302)との間の接続を無効にする、請求項
8に記載のバスバー(300)。
【請求項10】
前記接続アーム(306)は、前記ベース部材(302)および前記接触パッド(304)を接続するように、
前記ベース部材(302)の幅に対して接触領域において拡張された幅で画定される、請求項
8に記載のバスバー(300)。
【請求項11】
前記接続アーム(306)は、
前記接触領域において前記接続アーム(306)の拡張された幅に対して、前記接触パッド(304)の前記部分的な円周に沿って狭い幅で画定される、請求項
10に記載のバスバー(300)。
【請求項12】
前記接触パッド(304)は、前記接触パッド(304)および前記ベース部材(302)の円周の大部分に沿って間隙が画定されるように、前記接続アーム(306)を介して、前記ベース部材(302)に接続される、請求項
8に記載のバスバー(300)。
【請求項13】
前記複数の接触部分は、前記複数の接触部分の1つの接触パッド(304)の前記接続アーム(306)
が、隣接する接触パッド(304)からの前記接続アーム(306)から最も遠くにある
ように方向付けられる、請求項9に記載のバスバー(300)。
【請求項14】
前記バッテリモジュール(1000)における熱暴走中に、前記金属基板(316)は溶けて前記接続アーム(306)との合金を形成し、溶融するために前記接続アーム(306)の熱伝導率を高めるように構成される、請求項
8に記載のバスバー(300)。
【請求項15】
前記接続アーム(306)と前記金属基板(316)との間に設けられた充填材料(318)を備え、前記充填材料(318)は
、前記バッテリモジュール(1000)の熱暴走中に、溶けて、前記金属基板(316)を前記接続アーム(306)に固定するように構成される、請求項
8に記載のバスバー(300)。
【請求項16】
前記接続アーム(306)の少なくとも一部は、複数の刻み目(308)で画定され、前記接続アーム(306)は、前記少なくとも1つの刻み目付近で溶融するように構成される、請求項
8に記載のバスバー(300)。
【請求項17】
バッテリモジュール(1000)であって、
複数のバッテリセル(200)と、
複数の接触部分を画定するベース部材(302)を含み、前記複数のバッテリセル(200)上に配置されるバスバー(300)であって、前記複数の接触部分のそれぞれが、
接触パッド(304)、
前記接触パッド(304)と前記ベース部材(302)との間で、前記接触パッド(304)の部分的な円周に沿って延びる接続アーム(306)、および
前記接続アーム(306)の一部に沿って配置される金属基板(316)であって、前記接続アーム(306)および前記金属基板(316)が、前記バッテリモジュール(1000)における熱暴走中に溶融するように構成される、金属基板(316)
を備える、バスバー(300)と、
前記複数のバッテリセル(200)と前記バスバー(300)との間に位置して、熱暴走中に、前記バスバー(300)と前記複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルの直接的な電気的接触および熱的接触を阻止する絶縁体部材(118)と、
前記バスバー(300)の上に位置するカバー部材(100)であって、
第1の主要面(104a)および第2の主要面(104b)を画定する細長い本体(102)であって、前記第2の主要面(104b)が複数の溝(110)で画定される、細長い本体(102)、および
前記第1の主要面(104a)および前記第2の主要面(104b)の少なくとも一方に沿って画定される複数の窪み(106)であって、前記複数の窪み(106)の少なくとも1つの窪み(106)は、前記バッテリモジュール(1000)の少なくとも1つのバッテリが熱暴走を受けた場合、溶けて開口部(108)を形成し、前記第1の主要面(104a)を、前記第2の主要面(104b)の前記複数の溝(110)と流体接続する、複数の窪み(106)
を備えるカバー部材(100)と、
前記カバー部材(100)の前記第2の主要面(104b)上に載置されて、前記複数の溝(110)を覆うケーシング要素(112)と
を備えるバッテリモジュール(1000)。
【請求項18】
前記複数のバッテリセル(200)のそれぞれを収容するように構成されたバッテリセルフレーム(128)を備え、前記バッテリセルフレーム(128)は、前記複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルのそれぞれを分離するために、前記複数のバッテリセル(200)の各バッテリセルの間にスペーサ要素(114)を含む、請求項
17に記載のバッテリモジュール(1000)。
【請求項19】
前記複数の溝(110)および前記ケーシング要素(112)は、前記複数のバッテリセル(200)の少なくとも1つのバッテリセルが熱暴走を受けた場合、前記複数のバッテリセル(200)のそれぞれを囲むガスの経路を定めるように構成される、請求項
17に記載のバッテリモジュール(1000)。
【請求項20】
接触部分の数がバッテリセル(200)の数に対応する、請求項
17に記載のバッテリモジュール(1000)。
【請求項21】
前記絶縁体部材
(118)は、アラミドポリマー材料から作られる、請求項
17に記載のバッテリモジュール(1000)。
【国際調査報告】