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特表2022-535809車両用ランプ光学素子、車両用ランプモジュール及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】車両用ランプ光学素子、車両用ランプモジュール及び車両
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/265 20180101AFI20220803BHJP
   F21S 41/153 20180101ALI20220803BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20220803BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20220803BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S41/153
F21V8/00 320
F21V8/00 310
F21V8/00 340
F21W102:13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571600
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2020070867
(87)【国際公開番号】W WO2020244228
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】201910488336.X
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920859938.7
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910730411.9
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518368191
【氏名又は名称】華域視覚科技(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HASCO VISION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】767 Yecheng Road, Jiading District, Shanghai 201821 China
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】張 大攀
(72)【発明者】
【氏名】仇 智平
(72)【発明者】
【氏名】祝 賀
(72)【発明者】
【氏名】桑 文慧
(72)【発明者】
【氏名】聶 睿
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA16
3K244BA26
3K244BA27
3K244BA31
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA19
3K244EA08
3K244EA16
3K244EB02
3K244EC14
3K244LA02
(57)【要約】
車両用ランプ光学素子、車両用ランプモジュール及び車両である。車両用ランプ光学素子は順に接続された入光部(1)、伝送部(2)及び出光部(3)を含み、入光部(1)には少なくとも1つの入光構造(11)が設定されており、入光構造(11)は光線を集光するように配置され、伝送部(2)の横断面の面積は光伝送方向に沿って徐々に増加し、出光部(3)の伝送部(2)と背向する一端には出光凸面(31)が形成される。車両用ランプモジュールは車両用ランプ光学素子を含み、少なくとも1つの光源(200)をさらに含み、光源(200)は入光構造(11)に一対一に対応して設定される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続された入光部(1)、伝送部(2)及び出光部(3)を含む車両用ランプ光学素子であって、
前記入光部(1)には少なくとも1つの入光構造(11)が設定されており、前記入光構造(11)は光線を集光するように配置され、
前記伝送部(2)の横断面の面積は光伝送方向に沿って徐々に増加し、そのうち、前記伝送部(2)の横断面は光軸方向に垂直な断面であり、
前記出光部(3)の前記伝送部(2)と背向する一端には出光凸面(31)が形成されている、
車両用ランプ光学素子。
【請求項2】
前記入光構造(11)の前記伝送部(2)と背向する一端には入光凸面が形成されている、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項3】
前記入光構造(11)は少なくとも1つの集光カップを含む、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項4】
前記伝送部(2)の両端面以外の4つの側面はいずれも光伝送方向に沿って漸次拡大する台形であり、且つお互いに対応する2つの側面の形状が同じである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項5】
前記伝送部(2)の幅Wは前記出光部(3)の幅Wよりも小さく、且つ前記伝送部(2)の高さHは前記出光部(3)の高さHよりも小さい、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項6】
前記伝送部(2)の側面には吸光層が塗布されている、
請求項5に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項7】
前記出光部(3)の横断面の面積は光伝送方向に沿って徐々に減少している、
請求項5に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項8】
前記出光部(3)の左右側面は光伝送方向に沿って光軸方向に接近している、
請求項7に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項9】
前記入光構造(11)の数は複数であり、複数の前記入光構造(11)は行列分布をなす、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項10】
前記入光部(1)、前記伝送部(2)及び前記出光部(3)は一体成形である、
請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子を含み、少なくとも1つの光源(200)をさらに含み、前記光源(200)は前記入光構造(11)に一対一に対応して設定されている、
車両用ランプモジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の車両用ランプモジュールを含む、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は自動車照明技術の分野に関し、例えば、車両用ランプ光学素子、車両用ランプモジュール及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ランプモジュールとは、単独又は組み合わせて使用することである1つ又は複数の照明機能を実現可能な装置又はユニットである。一般的に、ロービーム又はハイビームの車両用ランプモジュールにはいずれも、一次光学素子(例えば、反射ミラーや透明導光材)及び二次光学素子(例えば、レンズ)が設定されており、レンズ又はレンズに相当する機能を有する二次光学素子を車両用ランプモジュールの最終的に出光する光学素子とする。
【0003】
しかしながら、従来の車両用ランプモジュールには、一次光学素子と二次光学素子との距離が大きいため、車両用ランプモジュールの体積も大きく、二次光学素子は一次光学素子と協働して配光を行うという技術ニーズを受けて性能を保証した上でさらに体積を縮小しにくいため、体積が大きい点、取り付ける時に各部品の間の位置精度、特に2つの光学素子の間の相対位置精度を保証する必要があることにより取り付けが複雑になる点、一次光学素子と二次光学素子を位置決めして取り付けるため、対応する取付ブラケット等の部品を設定する必要があることにより構造が複雑になる点、光学システムの精度が一方で一次光学素子及び二次光学素子自身の部品の製造精度に影響される一方、両者と光源との相対位置精度の影響を受けることにより光学システムの精度が保証されにくい点、調光する時に、モジュール全体をランプボディに対して調光をする以外に、一次光学素子及び光源で構成された小型アセンブリを二次光学素子に対して位置調整する必要があるため調光難度が高い点、加工製造のコストが高い点、などの欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題に基づいて、本願は、構造が簡単で、体積が小さく、取り付けが簡便である車両用ランプ光学素子、車両用ランプモジュール及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は順に接続された入光部、伝送部及び出光部を含む車両用ランプ光学素子を提供し、そのうち、前記入光部には少なくとも1つの入光構造が設定されており、前記入光構造は光線を集光させるように配置され、前記伝送部の横断面の面積は光伝送方向に沿って徐々に増加し、前記出光部の前記伝送部と背向する一端には出光凸面が形成される。
【0006】
前記入光構造の前記伝送部と背向する一端には入光凸面が形成される。
【0007】
前記入光構造は少なくとも1つの集光カップを含む。
【0008】
前記伝送部の両端面以外の4つの側面はいずれも光伝送方向に沿って漸次拡大する台形であり、且つお互いに対応する2つの側面の形状は同じである。
【0009】
前記伝送部の幅Wは前記出光部の幅Wよりも小さく、且つ前記伝送部の高さHは前記出光部の高さHよりも小さい。
【0010】
前記伝送部の側面には、吸光層が塗布されている。
【0011】
前記出光部の横断面の面積は、光伝送方向に沿って徐々に減少している。
【0012】
前記出光部の左右側面は、光伝送方向に沿って光軸方向に接近する。
【0013】
前記入光構造の数は複数であり、複数の前記入光構造は行列分布となっている。
【0014】
前記入光部、前記伝達部及び前記出光部は、一体成形である。
【0015】
上記のような車両用ランプ光学素子を含み、少なくとも1つの光源をさらに含み、前記光源は前記入光構造に一対一に対応して設けられる車両用ランプモジュールである。
【0016】
上記のような車両用ランプモジュールを含む車両である。
【発明の効果】
【0017】
本願に係る車両用ランプ光学素子は、入光部、伝送部及び出光部を順に設定して、入光部には少なくとも1つの入光構造が設定されており、入光構造は光線を集光させるために使用され、伝送部の横断面積は入光部に近い一端から出光部に近い一端に向かって徐々に増加することにより、光線を良好に伝送するとともに、車両用ランプ光学素子全体の体積を小さくして、不要な構造を避け、出光部の伝送部と背向する一端に出光凸面が形成され、光線は入光構造によって集光され、伝送部を介して出光部に伝送し、最後に出光凸面によって屈折されて射出し、投影して車両用ランプ光形状を形成することができる。本願に係る車両用ランプ光学素子は、構造が簡単で体積が小さく、取り付けやすく、光学システムの精度が高くて調光難度が低く、コストが低く、迷光がない。
【0018】
本願に係る車両用ランプモジュールは、上記のような車両用ランプ光学素子を含み、車両用ランプモジュールは少なくとも1つの光源をさらに含み、光源は入光構造に一対一に対応して設定され、取り付ける時に1つの車両用ランプ光学素子と光源との間の相対位置精度を確保すればよく、調光難度が低く、本願に係る車両用ランプモジュールは、構造が簡単で体積が比較的小さく、取り付けやすく、光学システムの精度が高くて調光難度が低く、コストが低く、迷光がない。
【0019】
本願に係る車両は、上記のような車両用ランプモジュールを含み、取り付けやすく、光学システムの精度が高くて調光難度が低く、コストが低く、迷光がない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子の側面図である。
図2】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子の平面図である。
図3】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子の背面図である。
図4】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子の正面図である。
図5】本願の一実施例に係る車両用ランプモジュールの平面図である。
【0021】
図面中:
1…入光部、11…入光構造、2…伝送部、3…出光部、31…出光凸面、200…光源。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の解決しようとする技術的な問題、採用される技術案及び達成される技術効果をより明確するために、以下、図面を参照しながら本願の実施例の技術案をさらに詳細に説明する。本願の説明では、なお、相反な説明をしない場合に、使用された「上、下、前、後、左、右」のような方位詞で指示された方位又は位置関係は、本願の車両用ランプ光学素子又は車両用ランプモジュールが車両に取り付けられた後に車両の通常走行状態での方位に応じて指示された方位又は位置関係に基づいていたものである。また、用語「第1」、「第2」は、説明の目的のために使用されるものに過ぎず、相対的な重要性を指示する又は暗示するものではないこと理解すべきである。ここで、用語「第1位置」及び「第2位置」は2つの異なる位置である。
【0023】
本願の説明において、なお、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「繋がる」、 「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接的に繋がってもよいし、中間媒体を介して間接的に繋がってもよいし、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、上記用語の本願における具体的な意味は具体的な状況に応じて理解できる。
【0024】
本実施例は、マトリックス(Matrix)型ヘッドライトモジュールに使用可能な車両用ランプ光学素子を提供し、マトリックス型ヘッドライトモジュールは、即ち、ハイビーム照明領域を複数の照明領域に細分可能な車両用ランプモジュールであり、対応する光源をオフすることによって車両前方の目標物を遮蔽することができ、これにより、他の道路の使用者の眩惑を避けて運転安全性能を向上させる。
【0025】
図1及び図2に示すように、当該車両用ランプ光学素子は順に接続された入光部1、伝送部2及び出光部3を含み、入光部1には少なくとも1つの入光構造11が設定されており、入光構造11は光線を集光するように配置され、伝送部2の横断面の面積は光伝送方向に沿って徐々に増加し、出光部3の伝送部2から離れた一端には出光凸面31が形成される。
【0026】
本願では、光軸は出光部3の焦点を経て車両用ランプ光学素子の前後方向に沿って延びる軸線であり、光伝送方向は光軸に沿い、且つ入光部1から出光部3に指向する方向として定義され、横断面は光軸に垂直な平面として定義される。
【0027】
光線の集光を容易にするために、本実施例において、入光構造11の伝送部2と背向する一端には入光凸面が形成される。無論、入光構造11は他の集光構造であってもよく、例えば、入光構造11は集光カップである。本実施例において、入光構造11は5個1列に設定され、これは単に例示であり、他の実施例において、必要に応じて、入光構造11の数は複数であり、複数の入光構造11は行列分布であってもよい。
【0028】
伝送部2の横断面の面積は光伝送方向に沿って徐々に増加し、つまり、伝送部2の横断面の面積は入光部1に近い一端から出光部3に近い一端に向かって徐々に増加する。
【0029】
伝送部の両端面以外の4つの側面はいずれも光伝送方向に沿って漸次拡大する台形であり、且つお互いに対応する2つの側面の形状が同じである。本実施例において、入光構造11は5個1列に設定され、図1に示すように、伝送部2の2つの対向する側面は光線の伝送方向に沿って漸次拡大する台形となり、当該構造は光線をよく収集しながら、車両用ランプ光学素子全体の体積をできるだけ小さくさせ、不要な構造を避けることができる。図2に示すように、伝送部2の他の2つの対向する側面は光線の収集を容易にするように、光線の伝送方向に沿って漸次拡大する台形となる。図3に示すように、本実施例において、伝送部2の幅は出光部3の幅よりも小さく、且つ伝送部2の高さHは出光部3の高さHよりも小さい。光源200から発した一部の光線が出光部3の側面によって出射されることを避けるよう、伝送部2の左右方向における幅は出光部3の左右方向における幅よりも小さい。光源200から発した光線が出光部3の出光凸面31によってのみ屈折されて出射するよう、伝送部2の上下方向における高さは出光部3の上下方向における高さよりも小さい。
【0030】
光源200から発した入射光線は入光部1によって集光された後、伝送部2を介して出光部3に伝送されて出光部3によって屈折されて出射する。この過程において、一般的には、一部の光線は伝送部2の側面から直接出射し、又は、側面によって反射された後に出光部3によって屈折されて出射し、多くの迷光が形成されて車両用ランプ光形状の光学性能に影響を与える。従来技術においては、光学素子全体の側面に黒漆を塗布することで光線の出射を避けているが、光学素子全体の側面にいずれも黒漆を塗布すれば、出光部3がランプボディの外側に露出されるため、その側面の黒漆はその透過性及び美観性に影響を与える。従来技術においては、光学素子の側面に迷光を減衰させるようにしぼも設定するが、この方法は迷光を完全に避けることができない。本実施例において、伝送部2の側面には吸光層が塗布され、光吸収層は吸光黒漆であることが好ましく、光線が伝送部2の側面から出射することを阻止し、同時に、出光部3の側面に黒漆を塗布しないため、この車両用ランプ光学素子の外側に露出された部分の透過性及び美観性が保証される。
【0031】
出光部3の出光凸面31は、前向きに突出して前記入光構造11と二重凸レンズを構成し、入射光線を収集してコリメートした後に前向きに投影し、対応する車両用ランプ光形状を形成するために用いられる。図3及び図4に示すように、この車両用ランプ光学素子の正面から見ると、出光部3の光軸に垂直な断面の形状は平行四辺形である。この造形形状は単に模式的なものであり、必要に応じて、出光凸面31の領域への影響が比較的小さい場合、出光凸面31を有するレンズの形状を必要な形状に設定すればよい。本実施例において、出光部3の横断面の面積は伝送部2に近い一端から、伝送部2から離れる一端に、且つ光伝送方向に沿って徐々に減少してもよい。
【0032】
実施例において、図2の左側は出光部3の左側面として定義され、図2の右側は出光部3の右側面として定義され、出光部3の左右側面は光伝送方向に沿って光軸方向に接近して、光源200から発して出光部3の左右側面に入射した光線を全反射させて、全反射された光線を出光部3の出光凸面31に入射して全反射させることができ、これにより、光源200から発した光線が出光部3を介して反射された後に出光凸面31によって屈折されて出射することが避けられ、この設計は光源200から出光部3の側面に入射した大部分の光線の入射角がこの出光部3の全反射の臨界角よりも大きくさせるため、屈折がない。例えば、出光部3に入射した光線の光路は次のとおりである。出光部3の右側面に入射した光線が全反射して出光部3の出光凸面31に反射することができ、且つ出光部3の出光凸面31で全反射して出光部3の左側面に反射することができ、さらに光線が出光部3の左側面で伝送部2の右側面に全反射しており、出光部3の左側面に入射した光線が全反射して出光部3の出光凸面31に反射することができ、且つ出光部3の出光凸面31で全反射して出光部3の右側面に反射することができ、さらに光線が出光部3の右側面で伝送部2の左側面に全反射しており、この時、伝送部2の側面にはいずれも吸光黒漆が塗布されているため、伝送部2の左右側面に全反射された光線は反射を停止し、ここまで、この車両用ランプ光学素子は基本的に、光線が伝送部2の側面及び出光部3の側面から出射する、又は、側面によって反射された後に出光部3の出光凸面31から屈折されて出射されることがなく、基本的に迷光が除去される。図4は車両用ランプ光学素子の正面図である。
【0033】
加工製造を容易にするために、入光部1、伝送部2及び出光部3は一体成形である。本実施例において、入光部1、伝送部2及び出光部3はいずれも透明な材質のプラスチック、シリカゲル又はガラスで製造されてできたものであり、これらの材質が透明で光伝播性能が良好であり、プラスチックは、有機ガラス(PMMA、フルネームがPolymethyl methacrylateである)又はポリカーボネート(PC、フルネームがPolycarbonateである)がよく使用されている。
【0034】
本実施例に係る車両用ランプ光学素子は、入光部1、伝送部2及び出光部3を順に設定して、入光部1には少なくとも1つの入光構造11が設定されており、入光構造11は光線を集光させるために用いられ、伝送部2の横断面の面積は入光部1に近い一端から出光部3に近い一端に光伝送方向に沿って徐々に増加することにより、光線を良好に伝送するとともに、車両用ランプ光学素子全体の体積を小さくし、不要な構造を避け、出光部3の伝送部2と背向する一端に出光凸面31が形成され、光線は入光構造11によって集光され、伝送部2を介して出光部3に伝送され、最後に出光凸面31によって屈折されて出射し、投影して車両用ランプ光形状を形成することができる。
【0035】
本実施例に係る車両用ランプ光学素子は、構造が簡単で体積が比較的小さく、取り付けやすく、光学システムの精度が高くて調光難度が低く、コストが低く、迷光がない。
【0036】
本実施例は、運転者の視認性を向上させるために車両前方領域を照射するように機能する車両用ランプモジュールをさらに提供する。図5に示すように、当該車両用ランプモジュールは上記のような車両用ランプ光学素子を含み、さらに、少なくとも1つの光源200を含み、光源200は入光構造11に対向して設定される。最も左側に位置する光源200を例とすると、その出射した光線のうち、第1部分は直接出光部3の出光凸面31に入射して、出光部3の出光凸面31によって投影されて車両用ランプ光形状を形成し、第2部分の伝送部2の側面に入射した光線は吸光黒漆が塗布された側面に遮断され、側面から出射したり反射したりせず、第3部分の出光部3の右側面に入射した光線は出光部3の出光凸面31に全反射し、且つ出光部3の出光凸面31によって出光部3の左側面に全反射されて、さらに出光部3の左側面によって伝送部2の右側面に全反射されて遮断可能である。
【0037】
本実施例において、単一の車両用ランプモジュールの光源200の数が5個であれば、3個の上記の車両用ランプモジュールが設定されたランプは15個の照明領域を形成することができ、即ち当該車両のマトリックスヘッドライトの画素は15個であり、15個の領域の細分された照明を実現することができる。車両前方に他の車両又は歩行者等の目標物が出現すると、相応の領域に対応する光源200をオフにし、当該領域を暗くして他の道路の使用者の眩惑を防止する。なお、上記の車両用ランプ光学素子の体積の大きさは単一の車両用ランプモジュールの光源200の数に関係づけられ、光源200の数が少ないほど、体積は小さくすることができ、本実施例において、出光部3の出光凸面31の開口サイズは、高さが約20mmであり、幅が約10mmであり、従来のマトリックスヘッドライトモジュールと比べて、レンズの開口サイズ上遥かに小さくなっており、より豊富で多様なランプ造形に適応することができる。入光構造11は複数列に設定されてもよく、単一の車両用ランプモジュールは複数列に設定されたマトリックス光形状を実現することができ、本実施例において単列の5個の入光構造11のみを模式的に示される。
【0038】
本実施例は、上記のような車両用ランプモジュールを含み、取り付けやすく、光学システムの精度が高くて調光難度が低く、コストが低く、迷光がない車両をさらに提供する。
【0039】
本実施例に係る車両用ランプ光学素子、車両用ランプモジュール及び車両は、
(1)車両用ランプモジュール全体が光源200及び1つの車両用ランプ光学素子だけが必要となり、車両用ランプ光学素子が非常にコンパクトで、集積化され、三次元体積がとても小さく、相応の放熱器及び取付ブラケット等の部品を付け合わせても、車両用ランプモジュール全体の体積が小さいことで体積が小さい点、
(2)光源200以外、光学素子が1つしかないため、取り付ける時に当該光学素子と光源200との間の位置精度を保証すればよく、複雑な光学システムの取付調整を必要とせず、取付プロセスが簡単となることによる取り付けが簡単である点、
(3)部品の構成では、一次光学素子と二次光学素子を位置決めして取り付けるため、取付ブラケット等の様々な複雑な光学システムに相応の部品を設定する必要がなく、車両用ランプモジュールの構造が簡単なことで構造が簡単である点、
(4)1つの車両用ランプ光学素子のみを設定する必要しかなく、当該車両用ランプ光学素子の構造も複雑ではなく、その製造精度が保証されやすいため、当該車両用ランプ光学素子の製造精度が要求に合致した場合、車両用ランプ光学素子を組み立てる時に1つの車両用ランプ光学素子と光源200との相対位置精度を確保すればよく、多くの車両用ランプ光学素子と光源200との間の相対位置精度を満たす必要がなく、光学システムの精度が高くなることで光学システムの精度が高い点、
(5)1つの車両用ランプ光学素子と光源200との間の相対位置精度を保証すればよく、従来技術の多くの調光デザインを必要とする光学システムと比べて、本実施例に係る車両用ランプ光学素子は調光難度が低く調光難度が低い点、
(6)当該車両用ランプモジュールの構造は簡単で、数が少なく、製造及びプロセスのコストをいずれも低くできるのでコストが低い点、
(7)伝送部2に光を反射しない黒漆、例えば艶消し黒漆を塗布するとともに、出光部3の左右側面及び出光凸面31をいずれも全反射面として設定して、光線が当該光学素子の側面から出射したり側面によって反射された後に出射したりすることができないようにすることで、迷光が基本的に発生せず、車両用ランプ光形状の品質が保証されつつ、このような設定は、伝送部2のサイズを減少させて当該車両用ランプ光学素子の体積をさらに減少させる一方、出光部3の側面に黒漆が塗布されていないため、当該車両用ランプ光学素子の外側に露出された部分の透過性及び美観性が保証されることで迷光がない点、などの利点を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】