IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハバ セラピューティクス ピーティワイ エルティディの特許一覧

特表2022-535827アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の送達のための医薬製剤およびシステム、ならびに使用のための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の送達のための医薬製剤およびシステム、ならびに使用のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/568 20060101AFI20220803BHJP
   A61K 31/4196 20060101ALI20220803BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20220803BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220803BHJP
   A61P 5/26 20060101ALI20220803BHJP
   A61P 5/32 20060101ALI20220803BHJP
   A61P 15/14 20060101ALI20220803BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
A61K31/568
A61K31/4196
A61K9/00
A61K47/12
A61P5/26
A61P5/32
A61P15/14
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571765
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 AU2020050562
(87)【国際公開番号】W WO2020243777
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】2019901911
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
3.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】521525572
【氏名又は名称】ハバ セラピューティクス ピーティワイ エルティディ
【氏名又は名称原語表記】HAVAH THERAPEUTICS PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Nyroca House,10-20 New Street,North Adelaide,South Australia 5006(AU)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビレル,スティーブン ナイジェル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA51
4C076BB32
4C076CC17
4C076CC30
4C076DD41
4C076FF05
4C076FF32
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC60
4C086DA09
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA34
4C086MA67
4C086NA12
4C086ZA81
4C086ZC10
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、新規徐放性多相濃度パターンを有する製剤、送達システム、および/または使用方法に関するものであり、とりわけ、温血動物におけるマンモグラフィー乳房密度および/または乳房硬度を低減させるために使用され得る。例えば、製剤は、有効量のアンドロゲン剤および有効量のアロマターゼ阻害剤の対象への投与を含み得、アンドロゲンについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、乳房組織の安定性をとりわけ改善し、かつ/またはアンドロゲン受容体発現レベルを増加させる。本開示はまた、患者における自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための、有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせた有効量のアンドロゲン剤の使用に関する。自己免疫性炎症性乳腺炎には、特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、肉芽腫性乳腺炎の状態が含まれる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む、医薬製剤であって、
前記医薬製剤が、ペレットに圧縮され、
前記ペレットが対象への皮下投与で、前記アンドロゲン剤について血清濃度、および前記アロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に前記対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
前記対象の前記血清または血漿中の前記徐放性多相濃度パターンが、
前記アンドロゲン剤が、前記血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が増加しているが、前記血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
前記アンドロゲン剤が、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む、医薬製剤。
【請求項2】
有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む、医薬製剤であって、
前記医薬製剤が、ペレットに圧縮され、
前記ペレットが対象への皮下投与で、前記アンドロゲン剤について血清濃度、および前記アロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に前記対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
前記対象の前記血清または血漿中の前記徐放性多相濃度パターンが、
前記アンドロゲン剤が、前記血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が増加しているが、前記血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
前記アンドロゲン剤が、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
前記アンドロゲン剤が、前記Tmax未満である前記血清中の第2のピーク濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、前記第3の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、前記アンドロゲン剤の前記濃度より低くなる、第3の期間と、
前記アンドロゲン剤が、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む、医薬製剤。
【請求項3】
前記第1の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、一次放出を示す、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記第1の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記第2の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記第2の期間中に、前記アンドロゲン剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記第3の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記第3の期間中に、前記アンドロゲン剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記徐放性多相濃度パターンが、
前記アンドロゲン剤が、前記Tmax未満である前記血清中の第2のピーク濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、前記第3の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、テストステロンまたはそのエステルの濃度より低くなる、第3の期間と、
前記アンドロゲン剤が、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記第3の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、一次放出を示す、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記第3の期間中に、前記アンドロゲン剤が、一次放出を示す、請求項9または10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記第4の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項9~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記第4の期間中に、前記アンドロゲン剤が、ゼロ次放出を示さない、請求項9~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記第4の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、一次放出を示す、請求項9~13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記第4の期間中に、前記アンドロゲン剤が、一次放出を示す、請求項9~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記第1の期間が、前記アンドロゲン剤が前記血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有する直後に終了する、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記第1の期間が、5時間~14時間で終了する、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記第1の期間が、5.5時間~13時間で終了する、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記第2の期間が、前記アロマターゼ阻害剤がそのTmaxを有する直後に終了する、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記第2の期間が、23時間~80時間で終了する、請求項1~19のうちの一項以上に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項22】
前記アンドロゲン剤が、テストステロン、メチルテストステロン、デヒドロエピアンドロストロン、およびウンデカン酸テストステロンからなる群から選択される、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記アンドロゲン剤および前記アロマターゼ阻害剤の皮下送達のためのものである、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項25】
60mg~120mgのテストステロン、またはそのエステル、2mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、より好ましくは4mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、およびステアリン酸を含む、医薬製剤であって、
前記医薬製剤が、4.25mm~4.75mmの直径および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、
前記ペレットが対象への皮下投与で、前記テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度、および前記アロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に前記対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
前記徐放性多相濃度パターンが、
前記テストステロンまたはそのエステルが、前記血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が増加しているが、前記血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
前記テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む、医薬製剤。
【請求項26】
60mg~120mgのテストステロン、またはそのエステル、2mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、より好ましくは4mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、およびステアリン酸を含む、医薬製剤であって、
前記医薬製剤が、4.25mm~4.75mmの直径および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、
前記ペレットが対象への皮下投与で、前記テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度、および前記アロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に前記対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
前記徐放性多相濃度パターンが、
前記テストステロンまたはそのエステルが、前記血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が増加しているが、前記血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
前記テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
前記テストステロンまたはそのエステルが、前記Tmax未満である前記血清中の第2のピーク濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、前記第3の期間中に、前記アロマターゼ阻害剤が、前記テストステロンまたはそのエステルの前記濃度より低くなる、第3の期間と、
前記テストステロンまたはそのエステルが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、前記アロマターゼ阻害剤が、前記血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む、医薬製剤。
【請求項27】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、エキセメスタン、およびレトロゾールからなる群から選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾールである、請求項1~27のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項29】
高マンモグラフィー乳房密度、乳房痛、乳房硬化、巨乳症、子宮内膜症、乳腺炎症、男性の女性化乳房、および自己免疫性炎症性乳腺炎、ならびに乳房膿胞からなる群から選択される状態における患者の予防または治療のための方法であって、前記患者に、請求項1~28のいずれか一項に定義される医薬製剤を投与することを含む、方法。
【請求項30】
高マンモグラフィー乳房密度、乳房痛、乳房硬化、巨乳症、子宮内膜症、乳腺炎症、男性の女性化乳房、自己免疫性炎症性乳腺炎、および乳房膿胞から選択される群から選択される患者の状態の治療における、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
【請求項31】
前記患者が、閉経周辺期の女性、閉経期の女性、または閉経後の女性からなる群から選択される、請求項29に記載の方法または請求項30に記載の使用。
【請求項32】
自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための方法であって、前記患者に、i)有効量のアンドロゲン剤を、ii)有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
【請求項33】
前記アンドロゲン剤および前記アロマターゼ阻害剤が、前記患者に、同じ医薬製剤または互いに異なる医薬製剤で投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記アンドロゲン剤および前記アロマターゼ阻害剤が、前記患者に、同じ医薬製剤で投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記アンドロゲン剤および前記アロマターゼ阻害剤が、前記患者に、互いに別の医薬製剤で投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記医薬製剤が、徐放性医薬製剤である、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記医薬製剤が、固体投与形態であり、前記患者に皮下で送達される、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記医薬製剤が、ペレットの形態にある、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記アンドロゲン剤および前記アロマターゼ阻害剤が、前記患者に皮下で送達される、請求項32~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記医薬製剤が、前記アンドロゲンについて血清濃度および前記アロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に前記患者の血液における徐放性多相濃度パターンを提供する、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記医薬製剤が、請求項1~40のいずれか一項に定義される医薬製剤である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記自己免疫性炎症性乳腺炎が、特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、肉芽腫性乳腺炎、および前述の組み合わせからなる群から選択される、請求項32~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせた、自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための医薬品の製造における、アンドロゲン剤の使用。
【請求項44】
有効量のアンドロゲン剤と組み合わせた、自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための医薬品の製造における、アロマターゼ阻害剤の使用。
【請求項45】
自己免疫性炎症性乳腺炎の治療を必要とする患者へのそれを治療する方法における医薬製剤の使用であって、前記医薬製剤を前記患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットの形態で投与することを含む、使用。
【請求項46】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、請求項32~42のいずれか一項に記載の方法または請求項43~45のいずれか一項に記載の使用。
【請求項47】
前記アンドロゲン剤が、テストステロン、メチルテストステロン、デヒドロエピアンドロストロン、およびウンデカン酸テストステロンからなる群から選択される、請求項46に記載の方法または使用。
【請求項48】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、請求項47に記載の方法または使用。
【請求項49】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、エキセメスタン、およびレトロゾールからなる群から選択される、請求項32~42のいずれか一項に記載の方法または請求項43~45のいずれか一項に記載の使用。
【請求項50】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾールである、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法または使用。
【請求項51】
患者における自己免疫性炎症性乳腺炎を治療する方法における使用のためのアンドロゲン剤であって、前記方法が、有効量の前記アンドロゲン剤を前記患者に、有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む、アンドロゲン剤。
【請求項52】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、請求項51に記載のアンドロゲン剤。
【請求項53】
前記アンドロゲン剤が、テストステロン、メチルテストステロン、デヒドロエピアンドロストロン、およびウンデカン酸テストステロンからなる群から選択される、請求項52に記載のアンドロゲン剤。
【請求項54】
前記アンドロゲン剤が、テストステロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、請求項52に記載のアンドロゲン剤または使用。
【請求項55】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、エキセメスタン、およびレトロゾールからなる群から選択される、請求項51~54のいずれか一項に記載のアンドロゲン剤。
【請求項56】
前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾールである、請求項55に記載のアンドロゲン剤。
【請求項57】
患者における自己免疫性炎症性乳腺炎を治療する方法における使用のためのアロマターゼ阻害剤であって、前記方法が、有効量の前記アロマターゼ阻害剤を前記患者に、有効量のアンドロゲン剤と組み合わせて投与することを含む、アロマターゼ阻害剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、温血動物に送達されるときに新規多相放出パターンを有する医薬製剤および/または薬物送達システムに関する。開示される組成物は、器官特異的および/もしくは血清エストラジオールレベルを上昇させないか、または実質的に上昇させることなく、器官特異的もしくは血清アンドロゲンレベルを上昇させることが望ましい場合に、温血動物において有用である。本開示はまた、器官特異的および/もしくは血清エストラジオールレベルを上昇させないか、または実質的に上昇させることなく、器官特異的もしくは血清アンドロゲンレベルを上昇させることが望ましい場合に、温血動物において使用され得る多相放出パターンまたは薬物動態を送達する、有効量のアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤を含むインプラントまたは経皮パッチを提供することに関する。組織特異的自己免疫性炎症状態に関連する方法を含む、使用方法もまた開示される。
【0002】
関連参照文献
Boyd,et al.,“Evidence that Breast Tissue Stiffness is Associated with Risk of Breast Cancer”PLoS One 2014 Jul10;9(7):e100937、
Cheng Q,Jabbari K,Winkelmaier G,et al.Overexpression of CD36 in mammary fibroblasts suppresses colony growth in breast cancer cell lines.Biochem Biophys Res Commun 2020;526(1):41-47、
Das L,Rai A,Vaiphei K,et al.Idiopathic gigantomastia:newer mechanistic insights implicating the paracrine milieu.Endocrine 2019;66(2):166-177、
Dawson CA,Pal B,Vaillant F,et al.Tissue-resident ductal macrophages survey the mammary epithelium and facilitate tissue remodelling.Nat Cell Biol 2020;22(5):546-558、
DeFilippis RA,Fordyce C,Patten K,et al.Stress signaling from human mammary epithelial cells contributes to phenotypes of mammographic density.Cancer Res 2014;74(18):5032-44、
D’Orsi CJ,Sickles EA,Mendelson EB,Morris EA et al.(2013).ACR BI-RADS(R)Atlas,Breast Imaging Reporting and Data System.Reston,VA:American College of Radiology、
Goulabchand R,Hafidi A,Van de Perre P,et al.Mastitis in Autoimmune Diseases:Review of the Literature,Diagnostic Pathway,and Pathophysiological Key Players.J Clin Med 2020;9(4)、
Gubbels Bupp MR,Jorgensen TN.Androgen-Induced Immunosuppression.Front Immunol 2018;9:794、
GuhlS,Artuc M,Zuberbier T,et al.Testosterone exerts selective anti-inflammatory effects on human skin mast cells in a cell subset dependent manner.Exp Dermatol 2012;21(11):878-80、
Jeremy Bercoff,“Sharewave Elastography-White Paper”SuperSonic Imagine,S.A.copyright 2008、
Liu Y,Sun Y,Zhou Y,et al.,Sinomenine hydrochloride inhibits the progression of plasma cell mastitis by regulating IL-6/JAK2/STAT3 pathway.Int Immunopharmacol 2020;81:106025、
Touraine P,Youssef N,Alyanakian MA,et al.Breast inflammatory gigantomastia in a context of immune-mediated diseases.J Clin Endocrinol Metab 2005;90(9):5287-94.
Uray IP,Liang Y,Hyder SM.Estradiol down-regulates CD36 expression in human breast cancer cells.Cancer Lett 2004;207(1):101-7、
Walecki M,Eisel F,Klug J,et al.Androgen receptor modulates Foxp3 expression in CD4+CD25+Foxp3+ regulatory T-cells.Molecular Biology of the Cell 2015;10.1091/mbc.E14-08-1323、
Wang H,Franco F,Tsui YC,et al.CD36-mediated metabolic adaptation supports regulatory T cell survival and function in tumors.Nat Immunol 2020;21(3):298-308、
2014年10月22日に出願された米国特許仮出願第62/067,297号、題名「Methods of Reducing Mammographic Breast Density and/or Breast Cancer Risk」、
2016年4月19日に出願された米国特許仮出願第62/324,525号、題名「Methods of Reducing Mammographic Breast Density and/or Breast Cancer Risk」、
2015年10月22日出願された米国特許出願第14/920,192号、題名「Methods of Reducing Mammographic Breast Density and/or Breast Cancer Risk」、
2017年4月18日に出願された米国特許出願第15/490,309号、題名「Methods of Reducing Mammographic Breast Density and/or Breast Cancer Risk」、
2015年10月22日出願されたPCT/AU2015/000633、題名「Methods of Reducing Mammographic Breast Density and/or Breast Cancer Risk」。
【0003】
これらの参照文献およびPCT/AU2015/000633、米国特許出願第62/067,297号、同第62/324,525号、同第15/490,309号、および同第14/920,192号の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
テストステロンは、男性および女性の両方における免疫機能の調節で不可欠である(Gubbels Bupp、2018)。血清エストラジオールレベルに著しい撹乱を引き起こすことなく、同じ組織内のエストラジオールレベルを同時に低減させながら、5αジヒドロテストステロン(DHT)の組織レベルを増加させることが望ましい、いくつかの生理学的および疾患状態が存在する。DHTは主にテストステロンに由来する組織内ホルモンであり、循環を介してその組織に送達される。女性における治療を必要とする組織へのテストステロンの送達は、アンドロゲン性の副作用を引き起こさずにテストステロンを投薬するために利用できる比較的小さい治療域に起因する問題がある。
【0005】
ほとんどの組織内には、テストステロンをDHTに変換する5αレダクターゼ酵素も存在する。したがって、エストラジオールを増加させることなくDHTを増加させることが望ましい治療的状況では、未対処の要求があり、本開示は、アロマターゼ酵素の阻害および5αレダクターゼ酵素の誘導に向けて作用して、その組織内のDHT対エストラジオール比の変化に影響を及ぼす医薬製剤を提供することに関する。
【0006】
男性および女性の両方において、皮下テストステロンは、テストステロンのゼロ次動態投薬を送達するために使用されている。しかしながら、多くの生理学的状態および疾患状態におけるテストステロン単独の使用は、治療的介入を受けている組織内の高レベルのアロマターゼ酵素のため、望ましくない。この例は高マンモグラフィー乳房密度を有する女性であり、組織内に非常に高いレベルのアロマターゼ酵素があり、テストステロンを優先的にエストラジオールに変換する。アメリカ合衆国における40歳~75歳の女性の43%が、高として分類されるマンモグラフィー乳房密度(MBD)を有する、すなわち、3および4(またはcおよびd)の乳房画像報告データシステム(BI-RADS(登録商標))スコアを有すると推定されている。American Cancer Foundationは、この高乳房密度が乳癌の発症の重大な危険因子であることを示唆している。従来、閉経周辺期移行期の治療的介入は、低用量混合型経口避妊薬、または継続的なエストラジオールおよび合成プロゲスチン送達システムのいずれかであり、子宮内膜癌リスクの増加および望ましくない子宮出血の両方から子宮を保護する。これは、高い乳房密度および/または乳房硬度を有する女性には不適切な治療であり、すでに不安定なテストステロンレベルを低減させ、乳房密度および/または乳房硬度を増加させるためである。しかしながら、これらは、Menopause Society of North AmericaおよびMenopause Society of Australiaの現在の推奨である。
【0007】
従来技術における別の問題は、乳房痛およびその治療である。乳房痛は、女性の健康における重大な問題である。30代の女性の45%が、乳房痛が生活の質に影響を及ぼすことを示し、10%が少なくとも半生にわたって乳房痛を経験していることを示したと推定されている。治療の方法はほとんどなく、タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害剤が、この状態のための適応外医薬品として使用されてきている。しかしながら、タモキシフェンは患者の服薬遵守に影響を及ぼす重大な副作用に関連しており、アロマターゼ阻害剤は、視床下部-下垂体-卵巣系の結果として生じる撹乱のために、閉経前の女性では単剤として禁忌されている。当該技術分野では、女性の乳房痛を軽減させるより優れた治療が必要とされている。
【0008】
乳房組織の弾性は、乳癌の形成の要因として認識される。乳房細胞における弾性の増加は、細胞のゲノム全体にわたる機械的シグナル伝達の増加をもたらし、これはより大きな悪性形質転換をもたらし得ることが実証されている。細胞のゲノムにおける機械的シグナル伝達を減少させて、悪性形質転換のリスクを低減させる医薬製剤を提供する組成物が、当該技術分野で必要とされている。
【0009】
当該技術分野におけるさらなる問題は、組織特異的自己免疫性炎症状態、特に乳房に存在する状態である。これらの状態は、自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)と称され得る。唾液腺および乳腺の解剖学的、組織学的、および生理学的役割は類似しており、それらがともに、それらが自己免疫を受け易くしている関連の粘膜免疫系のエフェクター部位に属するためである。自己免疫性乳房組織は、正常な乳房組織と比較して、アロマターゼ(アンドロゲンをエストラジオールに変換する)の上昇、ならびに上方調節されることが認められているIGF2、EGFR、TGF-β、PDGFR-α、およびβなどの炎症に関連する他の因子を有することが示されている。AIMは通常、強い免疫抑制療法および/または外観を損なう手術によって治療され、したがって改善された療法が必要とされている。
【0010】
薬物組成物がどのように送達され、それが体に影響を与えるかは、薬物組成物の薬物動態および/または薬力学プロファイル、薬物送達システム、ならびに/あるいは薬物が対象の体に送達される部位に関連し得る。広義には、薬物動態は、体内の薬物の取り込み、分布、および/または排除の速度および範囲の説明である。言い換えれば、体または体の一部が、薬物組成物にどのように影響を与えるかである。広義には、薬力学は、薬物が体または体の一部にどのように影響を与えるかの説明である。薬物組成物は、異なる薬物動態および/または薬力学プロファイルを有し得る。例えば、いくつかの薬物組成物は、ゼロ次、一次、または二次動態を有し得る。動態および/または力学は、薬物組成物の効能および/または治療における効能に影響を有し得る。したがって、特定の薬物組成物もしくは特定の薬物送達系において薬物動態および/または薬力学が果たす役割は、特定の薬物、薬物組成物、および/または対象のための転帰に関連し得る。
【0011】
既に、テストステロンとアロマターゼ阻害剤とを組み合わせて、テストステロンのエストラジオールへの変換の阻害を生じ得るインプラントが作成されている。しかしながら、化合物の製造および濃度が、ゼロ次動態を介して送達される活性成分をもたらす場合、最終的な結果は、多くの状況では望ましくない血清エストラジオールレベルの低下であり、エストロゲン欠乏症状およびより高い持続レベルのアロマターゼ阻害剤からの副作用の可能性をもたらす。組織内DHTのエストラジオールに対する高い比率を提供するための医薬製剤および/または送達システムが継続的に必要とされている。5α-ジヒドロテストステロン(DHT)の組織レベルの増加、一方で同時に、血清エストラジオールレベルに著しい撹乱を引き起こすことなく、同じ組織内のエストラジオールレベルを低減させることが有益である疾患および状態に対する、現在利用可能な治療に代わる代替も継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
1つ以上の実施形態における本開示は、本明細書の開示から明らかになるように、従来技術の欠点のうちの1つ以上に対処および/または改善すること、あるいは有用な医薬製剤もしくは治療送達システムを少なくとも提供することに関する。1つ以上の実施形態における本開示はまた、本明細書で考察されるような他の利点および/または改善も提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
組織内DHTのエストラジオールに対する高い比率を得るために、本発明者は、テストステロンおよびアロマターゼ阻害剤を多相放出パターンで送達する送達システムが緊急に必要とされていることを認識している。本明細書に記載の医薬製剤の1つ以上の実施形態において、血清テストステロンの早期ピークが提供され得、これは高レベルのアロマターゼ阻害剤によって急速に遮断され、テストステロンのDHTへの5αレダクターゼ変換の誘導を可能にする。次いで、製剤は、アロマターゼ阻害剤の急速な低減を提供して、エストラジオール産生の遮断が全体的ではなく、血清中のエストラジオールレベルの症候性低下がないことを確実にし得る。アロマターゼの過剰発現が存在する組織におけるDHTの上昇からエストラジオールレベルに向かう系の変化は、この多相放出パターンを利用することで達成され得る。例えば、両方の成分のゼロ次動態が利用される場合、エストラジオールの発生の放出は存在せず、これは女性に有害な影響をもたらし、女性には治療応答に必要とされるレベルよりも高いレベルのアロマターゼ阻害剤への望ましくない長期的な曝露をもたらす。
【0014】
本発明の態様において、有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む医薬製剤が提供され、製剤は対象への投与で、アンドロゲン剤について血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、対象の血清または血漿における徐放性多相濃度パターンは、
アンドロゲン剤が、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲン剤が、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む。
【0015】
本発明の別の態様において、有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む医薬製剤が提供され、製剤は対象への投与で、アンドロゲン剤について血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、対象の血清または血漿における徐放性多相濃度パターンは、
アンドロゲン剤が、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲン剤が、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
アンドロゲン剤が、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、アンドロゲン剤の濃度より低くなる、第3の期間と、
アンドロゲン剤が、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む。
【0016】
本発明の別の態様において、有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む医薬製剤が提供され、医薬製剤はペレットに圧縮され、ペレットは対象への皮下投与で、アンドロゲン剤について血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、対象の血清または血漿における徐放性多相濃度パターンは、
アンドロゲンが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲン剤が、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む。
【0017】
本発明の別の態様において、有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む医薬製剤が提供され、医薬製剤はペレットに圧縮され、ペレットは対象への皮下投与で、アンドロゲン剤について血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、対象の血清または血漿における徐放性多相濃度パターンは、
アンドロゲン剤が、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲン剤が、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
アンドロゲン剤が、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、アンドロゲン剤の濃度より低くなる、第3の期間と、
アンドロゲン剤が、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む。
【0018】
少なくともいくつかの実施形態において、医薬製剤は、60mg~120mgのテストステロンまたはそのエステル、2mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、より好ましくは4mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、およびステアリン酸を含み、医薬製剤は、4.25mm~4.75mmの直径および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、ペレットは対象への皮下投与で、テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、徐放性多相濃度パターンは、
テストステロンまたはそのエステルが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む。
【0019】
少なくともいくつかの実施形態において、医薬製剤は、60mg~120mgのテストステロンまたはそのエステル、2mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、より好ましくは4mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、およびステアリン酸を含み、医薬製剤は、4.25mm~4.75mmの直径および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、ペレットは対象への皮下投与で、テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、徐放性多相濃度パターンは、
テストステロンまたはそのエステルが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、テストステロンまたはそのエステルの濃度より低くなる、第3の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む。
【0020】
特定の例示的な実施形態において、第1の期間中の医薬製剤において、アロマターゼ阻害剤は、ゼロ次放出を示さない。
【0021】
特定の例示的な実施形態において、第1の期間中の医薬製剤において、アロマターゼ阻害剤は、一次放出を示す。
【0022】
特定の例示的な実施形態において、第2の期間中の医薬製剤において、アロマターゼ阻害剤は、ゼロ次放出を示さない。
【0023】
特定の例示的な実施形態において、第2の期間中の医薬製剤において、アンドロゲン剤(例えば、テストステロンまたはそのエステル)は、ゼロ次放出を示さない。
【0024】
特定の例示的な実施形態において、第3の期間中の医薬品において、アロマターゼ阻害剤は、ゼロ次放出を示さない。
【0025】
特定の例示的な実施形態において、第3の期間中の医薬製剤において、アンドロゲン剤は、ゼロ次放出を示さない。
【0026】
特定の例示的な実施形態において、第3の期間中の医薬製剤において、アロマターゼ阻害剤は、一次放出を示す。
【0027】
特定の例示的な実施形態において、第3の期間中の医薬製剤において、アンドロゲン剤は、一次放出を示す。
【0028】
特定の例示的な実施形態において、第4の期間中の医薬製剤において、アロマターゼ阻害剤は、ゼロ次放出を示さない。
【0029】
特定の例示的な実施形態において、第4の期間中の医薬製剤において、アンドロゲン剤は、ゼロ次放出を示さない。
【0030】
特定の例示的な実施形態において、第4の期間中の医薬製剤において、アロマターゼ阻害剤は、一次放出を示す。
【0031】
特定の例示的な実施形態において、第4の期間中の医薬製剤において、アンドロゲン剤は、一次放出を示す。
【0032】
医薬製剤の特定の例示的な実施形態において、第1の期間は、アンドロゲンが血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有する直後に終了する。医薬製剤の特定の例示的な実施形態において、第1の期間は、5時間~14時間で終了する。医薬製剤の特定の例示的な実施形態において、第1の期間は、5.5時間~13時間で終了する。
【0033】
医薬製剤の特定の例示的な実施形態において、第2の期間は、アロマターゼ阻害剤がそのTmaxを有する直後に終了する。医薬製剤の特定の例示的な実施形態において、第2の期間は、23時間~80時間で終了する。
【0034】
さらに、特定の実施形態は、約80mgのテストステロンまたはそのエステル、約4mgのアナストロゾール、および約2mgのステアリン酸を含む医薬製剤に関するものであり、医薬製剤は、4.4mm~4.6mmの直径および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、ペレットは対象への皮下投与で、テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度、およびアナストロゾールについて血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、徐放性多相濃度パターンは、テストステロンまたはそのエステルが血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アナストロゾールが血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アナストロゾールが、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、テストステロンまたはそのエステルが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アナストロゾールが、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アナストロゾールが、テストステロンまたはそのエステルの濃度より低くなる、第3の期間と、テストステロンまたはそのエステルが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アナストロゾールが、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む。医薬製剤を使用する方法も開示される。
【0035】
さらなる実施形態は、有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む医薬製剤に関するものであり、医薬製剤は、ペレットに圧縮され、ペレットは対象への皮下投与で、アンドロゲン剤について血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供し、対象の血清または血漿における徐放性多相濃度パターンは、アンドロゲン剤が血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が血漿中にそのTmax濃度を有しない、第1の期間と、アンドロゲン剤が、低下する血清レベル濃度、次いで増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、アンドロゲン剤が、そのTmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、アンドロゲン剤の濃度より低くなる、第3の期間と、アンドロゲン剤が低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に低下する濃度を有する、第4の期間と、を含む。
【0036】
さらなる実施形態は、AVBDおよび/またはVBD%によって測定されるとき、マンモグラフィー乳房密度の低減を必要とする患者においてそれを低減させる方法に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0037】
さらなる実施形態は、VBD%を低下させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0038】
さらなる実施形態は、AVBDを低下させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0039】
さらなる実施形態は、AVBDおよびVBD%を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0040】
さらなる実施形態は、AABDおよび/またはABD%によって測定されるとき、マンモグラフィー乳房密度を治療する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0041】
さらなる実施形態は、ABD%を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0042】
さらなる実施形態は、AABDを低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0043】
さらなる実施形態は、AABDおよびABD%を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0044】
さらなる実施形態は、7.5%以上のマンモグラフィー乳房密度の乳房を有する患者においてマンモグラフィー乳房密度を低減させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0045】
さらなる実施形態は、7.5%以上のVBD%の乳房を有する患者においてVBD%を低減させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを患者に投与することを含む。
【0046】
さらなる実施形態は、7.5%以上のABD%の乳房を有する患者においてABD%を低減させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0047】
さらなる実施形態は、3または4(またはcもしくはd)のBI-RADS(登録商標)スコアの乳房を有する患者においてマンモグラフィー乳房密度を治療する方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0048】
さらなる実施形態は、3または4(またはcもしくはd)のBI-RADS(登録商標)スコアの乳房を有する患者においてマンモグラフィー乳房密度を低減させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0049】
さらなる実施形態は、乳房退縮を誘発する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0050】
さらなる実施形態は、患者の乳房での増殖に対する最終的細胞死を誘導する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者おける使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0051】
さらなる実施形態は、患者の乳房での細胞外マトリックスの発達に対する最終的細胞外マトリックス分解を誘導する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0052】
さらなる実施形態は、閉経周辺期の患者の乳房における細胞数およびマンモグラフィー乳房密度を逆転させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0053】
さらなる実施形態は、マンモグラフィー乳房密度および閉経周辺期の症状の低減を必要とする患者においてそれらを低減させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0054】
さらなる実施形態は、閉経前および/または閉経周辺期の女性において、乳癌のリスクを低減するとほぼ同時に、視床下部-下垂体系および/または他の内分泌系、例えば、副腎および/または卵巣腺に撹乱を引き起こさないようにするために使用され得る方法における医薬製剤の使用に関する。
【0055】
さらなる実施形態は、乳房硬度を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0056】
さらなる実施形態は、乳房痛を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0057】
さらなる実施形態は、乳房弾性を減少させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0058】
さらなる実施形態は、細胞のゲノムにおける機械的シグナル伝達を減少させて、悪性形質転換のリスクを低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0059】
さらなる実施形態は、線維腺と脂肪組織との比を増加させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0060】
さらなる実施形態は、CD36を増加させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0061】
さらなる実施形態は、患者の乳房組織におけるアンドロゲン受容体発現のレベルを安定化および/または増加させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0062】
さらなる実施形態は、巨乳症を低減および/または治療する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0063】
さらなる実施形態は、GCDFP15を増加させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0064】
さらなる実施形態は、撮影されたマンモグラフィー画像と関連する乳房痛を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0065】
さらなる実施形態は、マンモグラフィー感度を増加させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0066】
さらなる実施形態は、ABD%および/またはAABDを低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0067】
さらなる実施形態は、患者のMRI画像におけるBPEを低減させる方法における医薬製剤の使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0068】
さらなる実施形態は、膿胞のサイズおよび/または量を低減させる方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットを投与することを含む。
【0069】
さらに、さらなる実施形態は、自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療に関する。
【0070】
特に、本発明の別の態様において、自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための方法が提供され、患者に、1)有効量のアンドロゲン剤、および2)有効量のアロマターゼ阻害剤を投与することを含む。
【0071】
この実施形態において、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤は、患者に、同じ医薬製剤で、または互いに別の製剤で、投与され得る。したがって、本開示は、自己免疫性炎症性乳腺炎のための患者のすべての併用治療に及ぶ。併用治療は、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤が、一緒に同時に、または連続して順次に、同じまたは異なる経路によって投与され得ることを意味し、それによってアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤は、内科医または主治医によって判定され得るように、重複した治療域においてそれらそれぞれの治療効果を発揮することを意味する。
【0072】
典型的には、自己免疫性炎症性乳腺炎の治療について本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態において、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤は、同じまたは異なる徐放性医薬製剤で投与される。
【0073】
特に好ましい実施形態において、徐放性医薬製剤は、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の患者への皮下送達のためのものであり、例えば、ペレットの形態などの固体投与形態である。
【0074】
最も典型的には、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤は、同じ徐放性医薬製剤で提供される。徐放性製剤は、例えば、アンドロゲンについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性多相濃度パターンを提供するために本明細書に記載される医薬製剤であり得る。
【0075】
したがって、さらなる実施形態は、自己免疫性炎症性乳腺炎を治療する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者への使用に関するものであり、医薬製剤を患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットの形態で投与することを含む。
【0076】
患者が本開示に従って治療される自己免疫性炎症性乳腺炎は、例えば、特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、肉芽腫性乳腺炎、および前述の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0077】
したがって、本開示のさらなる実施形態は、自己免疫疾患に関連する特発性炎症性巨乳症を治療する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、医薬製剤を患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットの形態で投与することを含む。
【0078】
本開示のさらなる実施形態は、形質細胞性乳腺炎を治療する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、医薬製剤を患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットの形態で投与することを含む。
【0079】
本開示のさらなる実施形態は、肉芽腫性乳腺炎を治療する方法における医薬製剤の、それを必要とする患者における使用に関するものであり、医薬ペレットを患者に、i)有効量のアンドロゲン剤、およびii)有効量のアロマターゼ阻害剤を含む皮下ペレットの形態で投与することを含む。
【0080】
本発明はさらに、有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせた、自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための医薬品の製造におけるアンドロゲン剤の使用に及ぶ。
【0081】
さらに別の実施形態において、有効量のアンドロゲン剤と組み合わせた、自己免疫性炎症性乳腺炎の予防または治療を必要とする患者におけるその予防または治療のための医薬品の製造におけるアロマターゼ阻害剤の使用が提供される。
【0082】
典型的には、本明細書に記載の自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)またはAIM状態の治療における使用のための医薬製剤で投与されるか、またはそこに含まれるアンドロゲン剤は、テストステロン、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。アロマターゼ阻害剤はまた、その薬学的に許容される塩またはエステルの形態で利用され得る。
【0083】
上記から、本開示は、記載される目的および/または治療のために、本明細書に記載される有効量の医薬製剤の対象への投与のための方法に明確に及ぶことが明らかであろう。さらに、特定の実施形態において、本明細書に記載の医薬品の製造におけるアンドロゲンおよびアロマターゼ阻害剤の使用が提供される。上記に提供される概要は、本明細書に開示される実施形態を限定することを意図するものではなく、他の実施形態は、本明細書に開示される。さらに、一実施形態の制限は、他の実施形態の制限と組み合わせて追加の実施形態を形成し得る。
【0084】
定義
本明細書で使用される用語は、以下で定義されない限り、当該技術分野で一般的に使用されるのと同様である。
「乳房密度の絶対面積」(AABD)という用語は、対象のマンモグラムにおける線維腺組織の表面積の平方センチメートルでの測定値を意味する。例えば、これは、CUMULUSソフトウェアアルゴリズムまたはマンモグラムの目視検査を使用して測定され得る。いくつかの他の試験を使用して、AABDを測定し得、VOLPARA、QUANTRA、およびマンモグラムにおける線維腺組織の表面積を考慮する方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
「アンドロゲン剤」という用語は、アンドロゲンの活性および/または合成を増加させる薬剤を意味する。例えば、アンドロゲン剤は、高い親和性(pMまたはnM範囲内)および特異性でその細胞内メディエーターに結合するステロイドホルモンであり得、アンドロゲン受容体は、補因子包含、核輸送、および/またはトランス活性化活性の刺激を可能にする受容体立体構造変化をもたらす。したがって、標的遺伝子の発現を調節する。アンドロゲン剤は、例えば、テストステロン、メチルテストステロン、およびデヒドロエピアンドロステロンからなる群から選択されるアンドロゲンなどのアンドロゲンであり得る。これらのアンドロゲン剤の組み合わせも企図し得る。テストステロンの薬学的に許容されるエステルに加えて、エステルには、エナンタート、プロピオネート、シピオネート、フェニルアセテート、アセテート、イソブチレート、ブシクラート、ヘプタノエート、デカノエート、ウンデカノエート、カプレート、および/またはイソカプレートエステルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0086】
「乳房密度面積パーセンテージ」(ABD%)という用語は、マンモグラム上の乳房の総表面積に対する線維腺(高密度)組織の割合またはパーセントを意味する。例えば、これは、CUMULUSソフトウェアアルゴリズムまたはマンモグラムの目視検査を使用して測定され得る。ABD%を測定するために使用され得るいくつかの他の試験には、VOLPARA、QUANTRA、およびマンモグラムにおける線維腺組織の表面積を考慮する方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
「アロマターゼ阻害剤」という用語は、アンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素である、アロマターゼの活性を遮断および/または阻害する化学的化合物、ホルモン、またはポリペプチドを意味する。アロマターゼ阻害剤は、例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、およびレトロゾールからなる群から選択され得る。
【0088】
「自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)」という用語は、乳房組織の非感染性、非授乳性炎症が、乳房組織内の構成要素に対する自己免疫反応の結果として生じる状態を意味する。
【0089】
「乳癌」という用語は、乳房の乳管または小葉を覆う上皮細胞の悪性増殖を意味する。
【0090】
「乳房弾性」という用語は、乳房または乳房の一部の所与の部分的変形を達成するために必要な圧力の測定値を意味する。例えば、弾性=圧力/乳房の半径における部分的変化であり、圧力は、例えばキロパスカルで測定され、乳房の半径における部分的変化=(R1-R2)/R1であり、R1は圧力をかけない半径であり、R2は圧力をかけた半径である。別の例は、例えば、SuperSonic ImagineのShearWave(商標)エラストグラフィーを使用するSuperSonic Imagine Aixplorer(商標)を使用して、せん断波を乳房組織に通して加えることによって乳房組織の弾性を直接測定し得る。
【0091】
「乳房硬度」という用語は、その最も広い意味で、変形に対する乳房の抵抗の測定値として意味する。乳房硬度の程度に影響を及ぼし得る要因としては、限定されないが、細胞間、および細胞と細胞外マトリックスとの間の相互作用によって生じる物理的な力、細胞の数および乳房に存在するコラーゲンの範囲、乳房内の流体保持の程度、プロテオグリカン発現の程度、ならびに/またはそれらの組み合わせが挙げられる。乳房硬度を測定する一例は、式である力/変形(dN/cm)の使用を含み、dNはデカニュートンおよびcmはセンチメートルを示し、変形は、マンモグラフィー面積半円形の半径と体積半球形の半径との間の差として決定され得、圧迫力は、デジタルマンモグラムなどのマンモグラムから記録される。例えば、Boydらに基づき、変形は差であるR1-R2として決定され得、R1は圧迫されていない半径であり、R2は圧迫された半径である。(Boyd,et al.,“Evidence that Breast Tissue Stiffness is Associated with Risk of Breast Cancer”PloS One 2014 Jul10;9(7):e100937)
【0092】
「乳房組織」という用語は、乳房内および/または乳房の近傍に位置する上皮細胞、間質細胞、細胞外マトリックス、および/または遊走細胞の集合体を意味する。
【0093】
薬剤または化合物の「有効量」もしくは「薬学的有効量」という用語は、所望の治療効果を提供するのに十分な量の薬剤または化合物を意味し、非毒性であり、許容される非毒性プロファイルおよび/または許容される副作用プロファイルを有する。必要とされる量は、例えば、年齢、患者の全身状態、治療される状態の重症度、投与される特定の薬剤もしくは化合物、および/またはこれらの要因の1つ以上の組み合わせに応じて、患者によって異なり得る。個々の症例において適切な「有効量」は、典型的には、関連するテキストおよび文献を参照することによって、および/または日常的な実験を使用して、当業者によって決定され得る。
【0094】
「マンモグラフィー乳房密度」または「MBD」という用語は、全乳房面積(2-D決定を介した)または体積(3-D決定を介した)に対する、乳房における放射線不透過性、または線維腺(「高密度」)構成要素および/もしくは組織の比率またはパーセントの定性評価を意味する。マンモグラフィー乳房密度(MBD)は、乳房内の線維腺組織(FGT)の量の定性的または定量的評価であり得る。これは、FGTの絶対量または非FGT(主に脂肪(adipose)または脂肪(fat)の量に対するFGTの相対量のいずれかであり得る。FGTの絶対量は、表面積(cm)(すなわち、AABD)または体積(cm)(すなわち、AVBD)の関数のいずれかとして評価され得る。FGTの相対量は、非FGTに対するFGTの表面積の評価(パーセンテージ(すなわち、ABD%)として)、または乳房の体積に対するFGTの体積の評価(すなわち、VBD%)であり得る。別の方法によって、対象の乳房における線維腺組織の立方センチメートル単位で測定された体積であり得る絶対的体積乳房密度(すなわち、AVBD)を決定することが可能である。マンモグラフィー乳房密度は、限定されないが、マンモグラフィー、デジタルマンモグラフィー、磁気共鳴画像法(MRI)、超音波、デジタル乳房トモシンセシス(DBT)、仮想タッチ組織画像定量化(VTIQ)、およびそれらの組み合わせを含む様々な方法によって決定され得る。MBDは、2D決定を介して、かつ/またはBI-RADS(登録商標)密度カテゴリを使用して定性的に評価され得、1(またはa)は最小密度であり、4(またはd)は最大密度である。MBDはまた、3D判定を介して、かつ/または乳房の体積測定値を使用して、体積乳房密度を決定するなど、定性的および/または定量的に評価され得、これは乳房中の組織(例えば、乳房中の線維腺(密)組織および脂肪)の総体積に対する線維腺(高密度)組織の割合である。別の方法は、絶対的体積乳房密度(AVBD)を決定することであり、これは、対象の乳房における線維腺組織の立方センチメートル単位で測定された体積である。3D決定を介したMBDの評価も、乳房内の高密度組織の不均一性を説明するために考慮され得る。いくつかの試験がMBDを測定するために使用され得、VOLPARA、QUANTRA、CUMULUS、および線維腺組織の体積(cm)を考慮した方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
「患者」または「対象」という用語は、本開示の組成物、方法、およびキットで治療可能である、ヒト種を含む動物を意味する。「患者」または「患者(複数)」という用語は、性別が具体的に示されないか、または文脈から明らかでない限り、男性および女性の両方を指すことが意図される。「患者」という用語はまた、女性から男性へのトランスジェンダーを指し得る。
【0096】
「閉経周辺期」または「閉経期移行」という用語は、女性の体が永続的な不妊(閉経)に向けてその自然な移行をする閉経前後の期間を意味する。女性は、閉経周辺期が様々な年齢で始まり得、40歳代の間、または30歳代半ばの早い時期にさえ、月経不順などの閉経への進行の兆候に気づき得る。閉経周辺期の間、エストロゲンレベルは不均一に上昇および下降し、月経サイクルは長くまたは短くなり得、卵巣が卵子を放出(排卵)しない月経サイクルが始まり得る。閉経周辺期の間、顔面潮紅、睡眠障害、および/または膣乾燥を含むがこれらに限定されない、他の閉経様症状が経験され得る。
【0097】
「閉経周辺期症状」という用語は、限定されないが、月経不順、顔面潮紅および睡眠障害、気分変化、気分変動、いらいら、抑うつ、膣乾燥、尿路または膣感染症、尿失禁、受胎能力減少、性的興奮または性欲の変化、骨減少、もろい骨、骨粗しょう症、あるいは低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの増加、または高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの減少、およびそれらの組み合わせなどのコレステロールレベルの変化を含むと理解される。
【0098】
「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは合理的な利益および/またはリスク比に見合う他の問題または合併症を伴わずに、ヒトおよび/または動物の組織との接触に好適である化合物、薬剤、材料、組成物、賦形剤、および/または投与形態を意味する。
【0099】
「ペレット」という用語は、有効量のアンドロゲンおよび有効量のアロマターゼ阻害剤を含む固体製剤インプラントを意味する。ペレットまたはインプラントは、種々の適切な形状およびサイズ、例えば、球形、円柱形、長方形、正方形、もしくはそれらの組み合わせを有し得る。角張った縁または丸い縁を有し得る。特定の実施形態において、ペレットまたはインプラントは、圧縮され得る。
【0100】
「医薬製剤」という用語は、有効量のアンドロゲンおよび有効量のアロマターゼ阻害剤を含む製剤を意味し、製剤が温血対象に投与されるとき、製剤は、アンドロゲンについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供する。少なくとも2、3、または4つの異なる期間があり得る。これらの期間は、製剤、送達システム、薬物濃度、および製剤吸収を完了するか、または実質的に完了するまでの間の個々の生理学的変動、のうちの1つ以上に依存して変化する。典型的には、製剤の吸収は3ヶ月以上で5ヶ月以下である。特定の実施形態において、製剤は、経皮パッチを介して送達され得る。特定の実施形態において、製剤は、皮下ペレットなどの固体形態を介して送達され得る。特定の実施形態において、製剤は、圧縮化皮下ペレットなどの固体形態を介して送達され得る。
【0101】
「閉経後女性」という用語は、閉経を経ている高齢の女性だけでなく、他の手段によって卵巣を摘出もしくは破壊された女性、または何らかの他の理由でエストロゲン産生を抑制している女性、例えば、コルチコステロイドの長期投与を受けている女性、クッシング症候群に罹患している女性、もしくは性腺異常を有する女性も含むと理解される。
【0102】
「対象」という用語は、本開示の組成物、方法、およびキットで治療可能である、ヒト種を含む動物である。「対象」または「対象(複数)」という用語は、性別が具体的に示されないか、または文脈から明らかでない限り、男性および女性の両方を指すことが意図される。「対象」という用語はまた、女性から男性へのトランスジェンダーを指し得る。
【0103】
本明細書で使用される「治療」または「療法」という用語は、防止的(例えば、予防的)治療および/または緩和的治療を含み、本明細書で使用される「治療する」は、防止的および/または緩和的治療を提供する行為を指す。
【0104】
「乳房密度体積パーセンテージ(VBD%)」という用語は、乳房における組織の総体積に対する、線維腺(高密度)組織の体積における割合またはパーセントを意味する。例えば、これは、Volpara Solution(商標)ソフトウェアアルゴリズムを使用して測定され得る。Volpara Solution(商標)ソフトウェアアルゴリズムでは、VBD%は乳房密度体積パーセンテージと称される。VBD%を測定するために使用され得るいくつかの他の試験があり、QUANTRA、CUMULUS、および線維腺組織の体積を考慮した方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
本開示をより良く理解するために、そしてその1つ以上の実施形態に従って効果がどのようにもたらされ得るかをより明確に示すために、例えば、付属の図面が参照され、テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液における徐放性濃度パターンを提供する。
【0106】
図1】特定の例示的な実施形態に従い、84日にわたるアンドロゲンについて血清濃度およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度のデータを示す。
図2図1のデータを、最初の42日をさらに説明するために拡大して示す。
図3】特定の例示的な実施形態に従い、対象11名における投与後7日までのテストステロンの血清濃度を示す。
図4】特定の例示的な実施形態に従い、対象11名における投与後85日までのテストステロンの血清濃度を示す。
図5】特定の例示的な実施形態に従い、対象11名における投与後336時間にわたるアナストロゾールの血漿中濃度を示す。
図6】特定の例示的な実施形態により、対象11名における投与後1680時間にわたるアナストロゾールの血漿濃度を示す。
図7A-B】特定の実施形態に従い、アナストロゾール吸収率を示す。
図8A-B】特定の実施形態に従い、インプランテーション後の血漿アナストロゾール濃度を示す。
図9】実施例3におけるインプランテーション後の観察頻度を示す。
図10】実施例3で試験されたモデルのフローチャートの例を示す。
図11】実施例3で使用した最終構造モデルを示す。
図12A-B】実施例3で使用した集団および個別予測を示す。
図13】特定の実施形態に従い、アナストロゾールの観察された血漿濃度および予測される血漿濃度の11個体のプロットを示す。
図14】実施例3で使用したインプランテーション後のアナストロゾール濃度の視覚的予測チェック(VPC)を示す。
図15A-B】実施例3で使用した1コンパートメントモデル対2コンパートメントモデルを示す。
図16】実施例3で使用したいくつかの異なるインプットモデルの患者10についての予測を示す。
図17】乳房組織免疫反応におけるアンドロゲン剤テストステロンおよびアロマターゼ阻害剤(T+Ai)の効果を図示する。
図18】閉経周辺期の女性3名から得られた正常乳房組織の外植片試料3例における、ベースライン時および24時間培養後のCD36タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を示す。
図19A】本開示による治療前(左)および治療後(右)のマンモグラフィー画像であり、乳房のサイズおよび密度の実質的な低減を示す。
図19B図19Aの患者について治療前(左)および治療後(右)におけるVolpara Soultion(商標)乳房体積および密度測定値であり、発病前サイズに戻る乳房体積低減(58%)、および線維腺組織低減(71%)を示す。
図19C図19の患者の乳房の治療前(左)およびそれに続く3年間の治療後の磁気共鳴画像(MRI)であり、治療中止後3年間のMRIにおける極端な背景実質増強の逆転を示す。
図20A】本開示による治療前(左)および治療後(右)の別の患者におけるマンモグラフィー画像であり、乳房サイズおよび密度の実質的な低減を示す。
図20B図20Aの患者について治療前(左)および治療後(右)のVolpara Soultion(商標)乳房体積および密度測定値であり、発病前サイズに戻る乳房体積低減(10%)、および線維腺体積の低減(41%)を示す。
図21A】本開示による治療前(左)および治療後(右)の別の患者のマンモグラフィー画像を示し、乳房のサイズおよび密度の実質的な低減を示す。
図21B図21Aの患者について治療前(左)および治療後(右)のVolpara Soultion(商標)乳房体積および密度測定値であり、発病前サイズに戻る乳房体積低減(32%)、および線維腺組織低減(52%)を示す。
図22A】本開示による、治療前(左)および治療後(右)のさらなる患者の乳房の磁気共鳴画像(MRI)であり、MRIの極端な背景実質増強の完全な逆転を示す。
図22B図22Bの患者の乳房の前(左)および後(右)のマンモグラフィー画像であり、乳房サイズおよび密度の低減を示す。
図22C図22Bの患者の治療前(左)および治療後(右)のVolpara Soultion(商標)乳房体積および密度測定値であり、発病前サイズに戻る乳房体積低減(23%)、および線維腺体積の低減(36%)を示す。
図23A】本開示による治療前のマンモグラフィーによって実証された別の患者における極度の乳房腫脹を示す。
図23B図23Aの患者の乳房における極端な背景実質増強によって示されるように、脂肪がほとんどない強力な乳房代謝活性の磁気共鳴画像(MRI)を示す。
図24A】反応性腋窩リンパ節が拡大した乳輪後方空間に肉芽腫形成を有する別の患者の磁気共鳴画像(MRI)を示す。
図24B図24Aの患者の乳房のMRI画像であり、本開示による治療後の肉芽腫の分解および腋窩リンパ節のサイズの低減を示す。
【0107】
以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲の観点において、種々の置き換えおよび/または変更が、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく本開示に行われ得ることは、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0108】
以下の説明は、共通の特徴および特性を共有し得るいくつかの実施形態に関して提供される。1つの実施形態の1つ以上の特性は、他の実施形態の1つ以上の特性と組み合わされ得ることを理解されたい。さらに、特定の実施形態における単一の特性または特性の組み合わせは、追加の実施形態を構成し得る。本明細書に開示される具体的な構造的および機能的な詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、開示される実施形態およびこれらの実施形態の変形を様々に用いるようにことを当業者に教示するための代表的な根拠としてのみ解釈されるべきである。
【0109】
詳細な説明で使用される主題の見出しは、読者の参照の容易さのためにのみ含まれ、本開示または特許請求の範囲全体を通して認められる主題を限定するために使用されるべきではない。主題の見出しは、特許請求の範囲または特許請求の制限を解釈する際に使用されるべきではない。
【0110】
本開示は、少なくとも部分的に、対象に皮下送達されるときに組織内DHTのエストラジオールに対する高い比率を得ることの問題を予想外に克服する、圧縮ペレットにアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤を含む多相徐放性パターンを有する薬物送達システムを提供することに関する。所望の効果は、高レベルのアロマターゼ阻害剤によって急速に遮断される血清テストステロンの早期ピークを有することであり、テストステロンのDHTへの5αレダクターゼ変換の誘導を可能にする。次いで、アロマターゼ阻害剤の急速な低減を有して、エストラジオール産生の遮断、または実質的な遮断が全体的にはなく、血清中のエストラジオールレベルの症候性低下がないことを確実にすることが望ましい。アロマターゼの過剰発現が存在する組織におけるエストラジオールレベルに対する高DHTに向けた系の変化は、この多相徐放性パターンを示す特定の例示的な実施形態の利用によって達成され得る。
【0111】
このテストステロンおよびアロマターゼ阻害剤の組み合わせから女性および男性が利益を得る可能性がある疾患プロセスをもたらす、アロマターゼの過剰発現のいくつかの例がある。したがって、これらの組織内で、アロマターゼ酵素の過剰発現および5αレダクターゼの共発現が存在し得るとき、この酵素の組み合わせは、薬理学的に操作されて、DHT/エストラジオール比の変化に向けた秩序ある遷移をもたらし得る。これらの疾患状態には、限定するものではないが、高マンモグラフィー乳房密度、乳房痛、子宮内膜症、男性の女性化乳房、閉経周辺期および月経前組織異常、自己免疫性炎症性乳腺炎(特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、および肉芽腫性乳腺炎などの状態を含む)が含まれる。
【0112】
図2は、テストステロンおよびアロマターゼ阻害剤の組み合わせの例示を図示し、このパターンが皮下ペレットレジームを投与されているいくつかの対象(N=11)に有する影響を示す。
【0113】
この例では、相Iは、対象における血清テストステロンおよび血漿アナストロゾールの両方の急速な増加を示す。この増加は、5αレダクターゼの急速な組織誘導およびアロマターゼの重大な阻害をもたらす。高い組織レベルのテストステロンは、DHTに急速に変換され、エストラジオールへの変換は完全に遮断されるか、または実質的に遮断されている。この例では、この第1の相は、相1を相2から分離する垂直バーによって示されるように、約8日間持続する。相1の期間は、特定の対象の生物学、ペレットの製剤、および/またはペレットを作成するために使用される製造パラメータを含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に応じて変化し得る。
【0114】
例示において、相II期間は、約14日間持続する。相2において、テストステロンおよびエストラジオールのアロマターゼ変換に対して、5αレダクターゼの誘導が対立しないか、または実質的に対立しないで作用すること可能にし続ける、アナストロゾールの持続的な高い組織内レベルを引き起こすように、酵素系を再調整することが望ましい。この再調整は血清テストステロンの低下をもたらし、過剰なアンドロゲン副作用を回避し、5αレダクターゼの持続的な付加を回避する。この例では、この第2の相は、相2を相3から分離する垂直バーによって示されるように、約14日間持続する。相2の期間は、特定の対象の生物学、ペレットの製剤、および/またはペレットを作成するために使用される製造パラメータを含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に応じて変化し得る。
【0115】
この例の相IIIでは、アナストロゾールレベルが急速に低下し、テストステロンのエストラジオールへのいくらかの変換を可能にし、例えば、ゼロ次放出パターンで観察されるアナストロゾールの持続的な高レベルから生じ得る有意な使用および枯渇症状を回避する。この期間中、誘導された5αレダクターゼは、インプラントが基剤から流出して交換されるまで、標的組織内で上昇したテストステロンをDHTに変換し続ける。この例では、この第3の相は少なくともペレットが枯渇するまで持続する。この例の図1に示すように、対象にはさらに70日間軌跡があった。相3の期間は、特定の対象の生物学、ペレットの製剤、および/またはペレットを作成するために使用される製造パラメータを含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に応じて変化し得る。
【0116】
特定の実施形態は、極端なマンモグラフィー乳房密度を治療するために使用され得る。血清生殖ホルモンレベルは、テストステロンなどのプロホルモンの不活性または活性代謝産物のいずれかに対する著しい代謝に起因して、組織内レベルとの相関が乏しい。極端なマンモグラフィー乳房密度などの特定の疾患状態では、テストステロンよりもアンドロゲンのように10倍以上強力なエストロゲンまたはジヒドロテストステロンのいずれかにテストステロンを変換することが知られている酵素の過剰発現が存在する。高マンモグラフィー乳房密度におけるアンドロゲンのエストロゲンに対する比率を変化させることによって、その密度を低減させる可能性があり、したがって乳癌の発生を低減させる。密度の低減はまた、組織内のアンドロゲンに対して過剰なエストロゲンが存在する男性の女性化乳房などの状況にも適用可能である。アンドロゲンのエストロゲンに対する比率の変化を促進するために、皮下ペレットは、多相徐放性パターンを促進するように設計されている。アナストロゾールおよびテストステロンが特定の方式および特定の圧縮が実施されているペレットへの圧縮で組み合わされるとき、得られる薬物動態は、両方の活性成分のこの多相徐放性を促進する。再度、他の箇所で論じられるように、高レベルのアロマターゼを発現する組織内のアロマターゼの遮断または実質的な遮断を促進するのに必要とされる最小限の濃度を得るために、テストステロンのピークレベルがその組織に送達されるのとほぼ同時に、アナストロゾールの早期増加があることが望ましい。アナストロゾールの早期の増加は、5α還元によるテストステロンのジヒドロテストステロンへの変換を促進し、エストロゲン環境を超えるアンドロゲン過剰を促進する。この初期高レベルのアナストロゾールが得られると、より高濃度のアロマターゼ阻害剤が、それらが経口摂取されたときに認められるような視床下部-下垂体機能または全身アロマターゼ阻害の誘導のいずれかにおける変化を引き起こさないように、有意に低いレベルが維持される。次いで、これは、抗原環境の撹乱を継続するために、体細胞系における5αレダクターゼの誘導が存在している組織へのテストステロンの遅延を可能にする。この独自の多相徐放性パターンは、他の血清生殖ホルモンレベルにおける重大な生理学的変化、および有害な副作用を生じる可能性を引き起こすことなく、組織ホルモンレベルにおける変化を確立するために有用である。
【0117】
特定の実施形態は、高い乳房密度および乳房硬度のうちの1つ以上を治療するために使用され得る。高い乳房密度および/または乳房硬度は、正常ではなく、むしろ病的であり、閉経前、閉経周辺期、および/または閉経後の女性において成功していることが証明されていないライフスタイル修正(例えば、食事および運動)として処理されるよりも、有効量のアンドロゲン剤および/または有効量のアロマターゼ阻害剤によって対処され得るものである。
【0118】
特定の実施形態は、マンモグラフィー乳房密度および乳房硬度のうちの1つ以上の個別化した低減を、それを必要とする患者において提供するための方法で使用され得る医薬製剤に関するものであり、(i)患者のMBDおよび/または乳房硬度を決定することと、(ii)任意選択的に、患者の遊離アンドロゲン指数および/または患者の遊離アンドロゲン指数における変化を少なくとも1ヶ月の期間にわたって測定することと、(iii)患者の体重、総体脂肪、MBD、年齢、および遊離アンドロゲン指数を考慮して、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の調整した用量を決定することと、(iv)調整した用量を当該患者に投与することと、を含む。特定の実施形態において、患者の遊離アンドロゲン指数および/または患者の遊離アンドロゲン指数における変化を少なくとも1ヶ月の期間にわたって測定することは、血液試料を採取することと、患者の血清中の遊離アンドロゲン剤(またはテストステロン)の量を測定することと、を含み得る。
【0119】
特定の実施形態は、VBD%、AVBD、および乳房硬度のうちの1つ以上の個別化した低減を、それを必要とする患者において提供するための方法で使用され得る医薬製剤に関するものであり、(i)患者のVBD%および/またはAVBDおよび/または乳房硬度を決定することと、(ii)任意選択的に、患者の遊離アンドロゲン指数および/または患者の遊離アンドロゲン指数における変化を少なくとも1ヶ月の期間にわたって測定することと、(iii)患者の体重、総体脂肪、VBD%および/またはAVBD、年齢、ならびに遊離アンドロゲン指数を考慮して、アンドロゲン剤および/またはアロマターゼ阻害剤の調整した用量を決定することと、(iv)調整した用量を当該患者に投与することと、を含む。特定の実施形態において、患者の遊離アンドロゲン指数および/または患者の遊離アンドロゲン指数における変化を少なくとも1ヶ月の期間にわたって測定することは、血液試料を採取することと、患者の血清中の遊離アンドロゲン剤(またはテストステロン)の量を測定することと、を含み得る。
【0120】
特定の実施形態は、ABD%、AABD、および乳房硬度のうちの1つ以上の個別化した低減を、それを必要とする患者において提供するための方法で使用され得る医薬製剤に関するものであり、(i)患者のVBD%および/またはAVBDおよび/または乳房硬度を決定することと、(ii)任意選択的に、患者の遊離アンドロゲン指数および/または患者の遊離アンドロゲン指数における変化を少なくとも1ヶ月の期間にわたって測定することと、(iii)患者の体重、総体脂肪、ABD%および/またはAABD、年齢、ならびに遊離アンドロゲン指数を考慮して、アンドロゲン剤および/またはアロマターゼ阻害剤の調整した用量を決定することと、(iv)調整した用量を当該患者に投与することと、を含む。特定の実施形態において、患者の遊離アンドロゲン指数および/または患者の遊離アンドロゲン指数における変化を少なくとも1ヶ月の期間にわたって測定することは、血液試料を採取することと、患者の血清中の遊離アンドロゲン剤(またはテストステロン)の量を測定することと、を含み得る。
【0121】
特定の実施形態は、マンモグラフィー乳房密度および乳房硬度のうちの1つ以上を低減させるために、それを必要とする患者において使用され得る医薬製剤に関するものであり、医薬製剤は、マンモグラフィー、デジタルマンモグラフィー、磁気共鳴画像法(MRI)、超音波、デジタル乳房トモシンセシス(DBT)、仮想タッチ組織画像化(VTIQ)、またはそれらの組み合わせによる乳房画像化検出の感度を増加させる。
【0122】
特定の実施形態は、マンモグラフィー乳房密度および乳房硬度のうちの1つ以上を低減させるために、それを必要とする患者において使用され得る医薬製剤に関するものであり、医薬製剤は、患者に発症する乳癌の検出を増加させる。
【0123】
特定の実施形態は、VBD%、AVBD、および乳房硬度のうちの1つ以上を低減させるために、それを必要とする患者において使用され得る医薬製剤に関するものであり、医薬製剤は、患者に発症する乳癌の検出を増加させる。
【0124】
特定の実施形態は、ABD%、AABD、および乳房硬度のうちの1つ以上を低減させるために、それを必要とする患者において使用され得る医薬製剤に関するものであり、医薬製剤は、患者に発症する乳癌の検出を増加させる。
【0125】
本明細書に開示される医薬製剤は、患者において、マンモグラフィー乳房密度を低減させることと、マンモグラフィー乳房密度を治療することと、乳房硬度を低減させることと、乳房硬化を治療することと、7.5%以上のマンモグラフィー乳房密度の乳房を有する患者におけるマンモグラフィー乳房密度を低減させることと、3または4(またはcまたはd)のBI-RADS(登録商標)スコアの乳房を有する患者におけるマンモグラフィー乳房密度を低減させることと、患者における乳房退縮を誘発することと、患者の乳房における増殖に対する最終的細胞死を誘発することと、患者の乳房における細胞外マトリックスの発達に対する最終的細胞外マトリックス分解を誘発することと、閉経周辺期患者の乳房における細胞数およびマンモグラフィー乳房密度を逆転させる方法と、患者におけるマンモグラフィー乳房密度および閉経周辺期症状を低減させることと、自己免疫性炎症性乳腺炎(例えば、特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、肉芽腫性乳腺炎、および前述の組み合わせ)の予防または治療と、のうちの1つ以上に影響を及ぼすために使用され得る。
【0126】
これらの医薬製剤および本明細書に記載のアンドロゲン剤とアロマターゼ阻害剤(Ai)の併用治療は、閉経前、閉経周辺期の女性、および/または閉経後の女性に有用であり得る。
【0127】
例えば、閉経周辺期女性における高乳房密度は、乳癌を発症するリスクとして知られている。閉経周辺期女性における高密度組織は正常とは見なされず、病理学的な意味を有する。乳房密度のこの増加は、低いテストステロン環境の存在における高レベルのエストロゲンおよびプロゲステロンへの生涯曝露に起因する可能性がある。本発明者らは、とりわけ、有効量のテストステロンなどのアンドロゲン剤および有効量のアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールなど)を、多相パターン製剤を介して受ける閉経前、閉経周辺期、および/または閉経後の女性が、乳房密度および/または乳房硬度の低減を示し得ることを発見している。本発明者らはまた、有効量のテストステロンおよび有効量のアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールなど)を、多相パターン製剤を介して受ける閉経前、閉経周辺期、および/または閉経後の女性が、増殖に対する乳房退縮および/または最終的細胞死の誘発を示し得ることも発見している。本発明者らはまた、対象に多相パターン製剤を介して対象の乳房組織に送達される有効量のアロマターゼ阻害剤を使用して、テストステロンのエストロゲンへの変換を停止し、したがって、テストステロンが乳房細胞の退縮を誘発することを可能にし得ることを発見している。
【0128】
特定のさらなる実施形態は、自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)の予防または治療に関するものであり、上記のような特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、および肉芽腫性乳腺炎の状態が含まれる。
【0129】
乳房組織は、自己免疫疾患における標的組織であり得、このプロセスは、ホルモン環境によって影響される(Touraine,2005)。自己免疫性乳房組織は、正常な乳房組織と比較して、アロマターゼ(アンドロゲンをエストラジオールに変換する)の上昇、および炎症に関連する他の因子、例えば、IGF2、EGFR、TGF-β、PDGFR-αおよびβを有することが示されている(Das,2019)。
【0130】
乳房は、授乳のための免疫特権化環境、および自己免疫を回避するために免疫抑制を必要とする授乳後の組織の迅速なリモデリング(授乳退縮)を必要とするという点でユニークである(Dawson,2020)。このための中心は、エフェクターT細胞における増殖およびサイトカイン産生を阻害し、免疫応答および自己免疫疾患の予防に大きな役割を果たすことができる調節T(Treg)細胞の形成である。T細胞発達の間、T細胞受容体(TCR)遺伝子セグメントは、侵入病原体に対する免疫に必要である多様なTCRレパートリーを生成するように再配置される。この多様性の意図しない結果は、自己抗原の認識であり、自己免疫をもたらす可能性がある。T細胞の場合、2つの基本的なプロセスは、末梢へのそれらの放出前に胸腺内の自己への寛容(中枢性寛容と称される)を促進し、2つのプロセスは、(1)自己反応性T細胞が排除されるネガティブ選択、および(2)CD4+フォークヘッドボックスP3(Foxp3)調節T(Treg)細胞の生成である。プロセスにとって中心は、CD36が細胞表面抗原の移動を容易にして、恒常性の間に宿主抗原に対する寛容を促進することである。Treg細胞の発達および機能の主要調節因子は、転写因子Foxp3である。テストステロン治療は、インビボおよびインビトロの両方でTreg細胞集団の強力な増加を誘導する(Walecki,2015)。乳房腫瘍における高レベルのTreg細胞は、Treg細胞の免疫抑制能力によって免疫療法の能力を低減させている。Treg細胞を標的にすることによって、この経路の使用を制限する許容できない自己免疫の副作用がもたらされている。乳房組織免疫反応性におけるテストステロンおよびアロマターゼ阻害剤の影響を図17に図示する。
【0131】
AIMの顕在化は、この疾患に罹患された者における乳房のMRIによって明確に示される乳房脂肪組織の高密度間質置換と関連している(Touraine,2005)。この炎症性カスケードにおける主な因子の1つは、細胞表面タンパク質のクラスBスカベンジャー受容体ファミリーのメンバーであるCD36である。CD36は、血小板、赤血球、単球、分化した脂肪細胞、骨格筋、乳腺上皮細胞、脾臓細胞、およびいくつかの皮膚微細皮膚内皮細胞に認められる。a)CD36が、ホルモン感受性乳癌細胞株においてエストラジオール制御によって下方制御されること(Uray,2004)、b)線維芽細胞におけるCD36の過剰発現が、乳癌モデルのサブタイプにおける固形腫瘍の形成を阻害すること(Cheng,2020)、およびc)CD36が、高マンモグラフィー乳房密度(HMD)(すなわち、低脂肪含有乳房組織)によって乳癌を発症するリスクが高い女性の非悪性組織で深く抑制されること(DeFilippis,2014)、が実証されている。
【0132】
Thea Tlstyのグループ(DeFilipis,2014)は、i)HMD上皮細胞における基底DNA損傷の増加が、アクチビンA分泌の増加をもたらし、ii)アクチビンAが、隣接する線維芽細胞でその受容体に結合して、MAPK経路を活性化し、iii)MAPK経路の活性化が、PPARγリン酸化および阻害をもたらし、iv)PPARγ阻害が、CD36転写の減少、引き続き、HMD組織で観察される線維形成様表現型の誘導をもたらす、カスケードを示唆している。
【0133】
本明細書に記載されるように、乳房組織におけるCD36発現の誘導は、有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせた有効量のアンドロゲン剤で組織を治療することによって得られ得、本開示は、明示的に、かかる方法および患者、例えば、閉経周辺期、閉経期、または閉経後の女性における使用に及ぶ。
【0134】
皮下ペレットが、自己免疫疾患もしくは状態の予防または治療におけるアンドロゲン対エストロゲン比の変化のための多相徐放性パターンを促進するために本明細書に記載される。アナストロゾールおよびテストステロンを組み合わせて、本明細書に記載のようなペレットに圧縮して、両方の活性成分のこの多相徐放を促進する薬物動態を提供することができる。この放出パターンは、初期の高レベルのテストステロンが非常に高いレベルのアロマターゼ阻害剤と関連し、したがって、DHTのみが炎症を起こした乳房組織に提示され、テストステロンが(炎症促進性である)エストラジオールに変換されないことを確実にする。第2の相では、テストステロンレベルがピークに達した後、第1の相からの5αレダクターゼの誘導は、抗炎症効果を発揮するために高いレベルのDHTの維持を確実にし続け、一方、アナストロゾールのより急速な低下が存在する。継続する高レベルのアナストロゾールは、エストラジオールが全身で過度に低減することによる有害事象を引き起こす可能性があるが、このリスクは、アナストロゾール送達の急速な低減によって低減される。次いで、第3の送達相は、体細胞系における5αレダクターゼの誘導が存在して、抗原環境の撹乱を継続している組織内へのテストステロンの遅延放出を可能にする。この独自の多相徐放性パターンは、他の血清生殖ホルモンレベルにおける重大な生理学的変化、および有害な副作用を生じる可能性を実質的に引き起こすことなく、組織ホルモンレベルにおける変化を確立し得る。乳房組織免疫反応性における本明細書に記載されるようなアンドロゲンテストステロンおよびアナストロゾールであるアロマターゼ阻害剤の影響が、図17に図示される。
【0135】
開示される組成物、送達システム、および/または使用方法のうちの1つ以上に認められる利点の1つは、組織におけるテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換の迅速な早期誘導であり、早期応答は、有益な方法で恒常性維持機構をリセットし、組織におけるエストラジオールのアンドロゲンに対する比率を低減し得る。これは、以下の利点のうちの1つ以上をもたらし得る。
A.マンモグラムによって早期および/または低い侵攻段階で悪性腫瘍を視覚化することを可能にする乳房密度の低減による増強されたマンモグラフィー検出。
B.マンモグラフィースクリーニングの繰り返しの間に発生し得るなどの間隔における乳癌のリスクの低減。これらの癌は、高MBDの乳房で一般的である。
C.乳房硬度の低減。
D.マンモグラフィー乳房圧迫時の疼痛の低減。
E.少なくとも部分的に疼痛の低減によって、優れたマンモグラフィー圧迫を達成する能力。
F.優れたマンモグラフィー圧迫が達成され、乳房組織がより低い密度であることによって、マンモグラムでの画像の露光に必要とされるエネルギーの量が低減し、したがって乳房組織の放射線照射が低減する。放射線誘発性乳癌リスクの低減。
G.定期的なマンモグラフィー検査を受ける患者の遵守を向上させる能力。
H.患者を治療し、同時に視床下部-下垂体系および/または他の内分泌系に障害を引き起こさない能力。
I.患者における低減した乳房痛。
J.患者における低減した乳房弾性。
K.患者における悪性形質転換のリスクを低減させるための、細胞のゲノムにおける低下した機械的シグナル伝達。
L.患者における線維腺組織と脂肪組織の比率の増加。
M.患者における増加したCD36。
N.患者の乳房組織におけるアンドロゲン受容体発現レベルの安定化および/または増加。
O.患者における巨乳症の治療。
P.患者における増加したGCDFP15。
Q.患者のMRI画像における低減したBPE。
R.患者における嚢胞のサイズおよび/または量の低減。
S.乳癌のリスクを低減させる。
T.自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)(例えば、特発性炎症性巨乳症、形質細胞性乳腺炎、および肉芽腫性乳腺炎の状態を含む)の治療。
【0136】
患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度のタイプおよび/または程度を特徴付けるために、診断医および医師によって使用されるいくつかのカテゴリがある。
【0137】
診断または治療する医師は、1つ以上の検査/試験を使用して、乳房密度を評価、特徴付け、および/または診断し得、マンモグラフィー、デジタルマンモグラフィー、磁気共鳴画像(MRI)、超音波、デジタル乳房トモシンセシス(DBT)、仮想タッチ組織撮像定量(VTIQ)、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。医師はまた、他の根拠を使用し得、例えば、既往歴もしくは家族歴(乳房密度に対する遺伝的素因を考慮するため)、および/またはMBDの定性的評価、例えば、「a」(乳房がほぼ完全に脂肪である)、「b」(線維腺密度の散在領域がある)、「c」(乳房が不均一に高密度であり、小さな塊を不明瞭にする可能性がある)、および「d」(乳房が極めて高密度であり、マンモグラフィーの感度を低下させる)の乳房組成分類を使用するBI-RADS(登録商標)(例えば、第5版)が挙げられる(D’Orsi CJ,Sickles EA,Mendelson EB,Morris EA et al.(2013).ACR BI-RADS(R)Atlas,Breast Imaging Reporting and Data System.Reston,VA:American College of Radiology)。
【0138】
乳房痛は、女性の健康における重大な問題である。乳房痛はまた、VBD%および/またはAVBDの増加、乳房硬化、乳癌のリスク、あるいはこれらの組み合わせと関連している。特定の実施形態は、患者における乳房痛を低減するためのアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の使用に関する。
【0139】
特定の実施形態は、有効量のアナストロゾールおよび有効量のテストステロンを含む皮下ペレットの使用に関する。例示的な実施形態において、対象は、ペレットに圧縮されている医薬製剤において、0.5~10mgのアナストロゾール(2,2’-[5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-フェニレン]ビス(2-メチルプロパンニトリル))および60~120mgのテストステロンが提供される。例示的な実施形態において、対象は、ペレットに圧縮されている医薬製剤において、4~6mgのアナストロゾールおよび60~120mgのテストステロンが提供される。例示的な実施形態において、対象は、ペレットに圧縮された医薬製剤において、約4mgのアナストロゾールおよび約80mgのテストステロンが提供される。他のアンドロゲン剤も使用され得る。アナストロゾールおよびテストステロンを含む皮下ペレットの投与のための治療期間は、2週~4週、3ヶ月~3年、6ヶ月~2年、3ヶ月~5年、1年~5年、または1年~3年の間で変化し得る。特定の実施形態において、治療期間は、約2週、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、2.5年、または3年であり得る。特定の実施形態において、治療期間は、少なくとも2週、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、3年、または4年であり得る。特定の実施形態において、治療期間は、約3年であり得る。治療は、ABD%における低減、AABDにおける低減、VBD%における低減、AVBDにおける低減、乳房痛における低減、乳房硬度における低減、乳房弾性における低減、巨乳症における低減、乳房膿胞における低減、マンモグラフィー診断感度における改善および偽陽性の低減、線維腺組織と脂肪組織との間の比率における増加、ならびにアンドロゲン受容体発現のレベルにおける安定化および/または増加のうちの1つ以上に適用され得る。
【0140】
特定の実施形態は、有効量のレトロゾールおよび有効量のテストステロンを含む、皮下ペレットの使用に関する。例示的な実施形態において、患者は、皮下投与のために、0.5~20mgのレトロゾール(4,4’-((1H-1,2,4-トリアゾール-1イル)メチレン)ジベンゾニトリル)および40~130mgのテストステロンを含む、皮下ペレットが提供される。例示的な実施形態において、患者は、皮下投与のために、約10mgのレトロゾール(4,4’-((1H-1,2,4-トリアゾール-1イル)メチレン)ジベンゾニトリル)および40~130のテストステロンを含む、皮下ペレットが提供される。他のアンドロゲン剤も使用され得る。レトロゾールおよびテストステロンを含む皮下ペレットの投与のための治療期間は、2週~4週、3ヶ月~3年、6ヶ月~2年、3ヶ月~5年、1年および5年、または1年~3年の間で変化し得る。特定の実施形態において、治療期間は、約2週、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、2.5年、または3年であり得る。特定の実施形態において、治療期間は、少なくとも2週、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、3年、または4年であり得る。特定の実施形態において、治療期間は、約3年であり得る。治療は、ABD%における低減、AABDにおける低減、VBD%における低減、AVBDにおける低減、乳房痛における低減、乳房硬度における低減、乳房弾性における低減、巨乳症における低減、乳房膿胞における低減、マンモグラフィー診断感度における改善および偽陽性の低減、線維腺組織と脂肪組織との間の比率における増加、ならびにアンドロゲン受容体発現のレベルにおける安定化および/または増加のうちの1つ以上に適用され得る。
【0141】
特定の実施形態は、有効量のエキセメスタンおよび有効量のテストステロンを含む、皮下ペレットの使用に関する。例示的な実施形態において、患者は、皮下投与のために、エキセメスタンである10~75mgの6-メチリデンアンドロスタ-1,4-ジエン-3,17-ジオンおよび40~130mgのテストステロンを含む皮下ペレットが提供される。他のアンドロゲン剤も使用され得る。エキセメスタンおよびテストステロンの投与のための治療期間は、2週~4週、3ヶ月~3年、6ヶ月~2年、3ヶ月~5年、1年および5年、または1年~3年の間で変化し得る。特定の実施形態において、治療期間は、約2週間、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、2.5年、または3年であり得る。特定の実施形態において、治療期間は、少なくとも2週、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、3年、または4年であり得る。特定の実施形態において、治療期間は、約3年であり得る。治療は、ABD%における低減、AABDにおける低減、VBD%における低減、AVBDにおける低減、乳房痛における低減、乳房硬度における低減、乳房弾性における低減、巨乳症における低減、乳房膿胞における低減、マンモグラフィー診断感度における改善および偽陽性の低減、線維腺組織と脂肪組織との間の比率における増加、ならびにアンドロゲン受容体発現のレベルにおける安定化および/または増加のうちの1つ以上に適用され得る。
【0142】
本明細書に記載されるように、エステルの調製は、製薬化学および薬物送達の当業者によって理解されるであろう、存在し得るヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の官能化を伴う。例えば、テストステロンエステルを調製するために、テストステロン分子の17-ヒドロキシル基は、一般的には、硫酸、塩酸などの強酸、および反応が還流で進行することを可能にするのに十分な温度の使用を伴う、エステル化条件下で好適な有機酸と反応させる。エステルは、所望される場合、従来の水素化分解または加水分解手順を使用することによって、遊離酸に再変換され得る。
【0143】
有効量のアンドロゲン剤は、アンドロゲン剤間で変化し得る。加えて、テストステロンの1日当たりの有効量も変化し得る。特定の態様において、有効量のテストステロンは、皮下インプラントの形態で送達され得る。特定の実施形態において、有効量のテストステロンは、40~200mgであり得る。例えば、特定の実施形態において、有効量のテストステロンは、40~120mg、例えば、20mg、40mg、60mg、80mg、100mg、または120mgであり得る。
【0144】
特定の実施形態において、有効量のテストステロンは、40~200mgのテストステロン、例えば、40~150mg、40~100mg、100~200mg、50~150mg、50~100mg、40~100mg、30~80mg、40~90mg、40~90mg、40~80mg、40~70mg、40~60mg、40~50mg、40~100mg、60~100mg、45~75mg、または40~45mgのテストステロンを含有する皮下ペレットなどの皮下インプラントの形態で送達され得る。
【0145】
1日当たりのメチルテストステロンの有効量は、変化し得る。例示的な実施形態において、有効量のメチルテストステロンは、0.1mg~10mg、例えば、0.5mg~9mg、2mg~8mg、3mg~7mg、または4mg~5mgであり得る。例えば、有効量のメチルテストステロンは、0.5mg、1.25mg、または2.5mgであり得る。
【0146】
アロマターゼ阻害剤と併用して使用される有効量のアンドロゲン剤は、アロマターゼ阻害剤によって引き起こされ得る患者の血清中の低レベルの性ホルモン結合グロブリンのために、標準用量よりも比較的低くあり得る。
【0147】
性ホルモン結合グロブリンは、アンドロゲン剤(例えば、テストステロン)に結合し、それを体内に輸送する。その産生はいくつかのメカニズムによって調節されるが、そのレベルのエフェクターの1つは、血清中のエストロゲンの量であり、エストロゲンが高いほど、性ホルモン結合グロブリンが高く、遊離アンドロゲン剤が低い。逆に、エストロゲンが低いほど、性ホルモン結合グロブリンが低く、遊離アンドロゲン剤が高くなり、アンドロゲン剤は高い生物学的利用能を有することを意味する。したがって、閉経後、エストロゲンレベルが低下すると、性ホルモン結合グロブリンレベルが低下し、テストステロンなどの遊離アンドロゲン剤が上昇する。この遊離アンドロゲン剤は、アンドロゲン受容体が体の全ての細胞で発現されるとき、複数の機能を有する。
【0148】
特定の実施形態において、アンドロゲン剤の上記範囲の下限より低い投与レベルは、十分量以上であり得るが、他の場合では、上記範囲の上限を超えるさらに大きな用量が、有害な副作用を引き起こすことなく使用され得る。
【0149】
特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、例えば、ステロイド性アロマターゼ阻害剤、非ステロイド性アロマターゼ阻害剤、および/またはそれらの異性体であり得る。現在までに開発されたステロイド性アロマターゼ阻害剤は、塩基性アンドロステンジオン核を構築し、ステロイド上の様々な位置に化学置換基を組み込む。ステロイド性アロマターゼ阻害剤の例として、限定されないが、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))およびホルムスタンが挙げられる。追加の例としては、基質を模倣し、酵素によって反応性中間体に変換され、アロマターゼの不活性化をもたらす機構ベースのステロイド性アロマターゼ阻害剤が挙げられる。特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、エキセメスタンである。非ステロイド性アロマターゼ阻害剤は、3つのクラスであるアミノグルテチミド様分子、イミダゾール/トリアゾール誘導体、およびフラボノイド類似体に分類され得る。非ステロイド性アロマターゼ阻害剤の例として、アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾールが挙げられる。特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾールまたはレトロゾールのいずれかである。特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾールである。
【0150】
アロマターゼ阻害剤には、多くの場合、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、およびレトロゾール(Femara(登録商標))などの第3世代アロマターゼ阻害剤が含まれる。これらの第3世代アロマターゼ阻害剤は、ホルモン感受性乳癌を有する患者への治療アプローチに変化をもたらしている。かかるアロマターゼ阻害剤は、血清中のエストロゲンを事実上除去し、したがって、性ホルモン結合グロブリンを低下させるというそれらの作用において特異的であり、これにより、相乗効果を達成することができる。
【0151】
特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾールからなる群から選択され得る。特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾールまたはレトロゾールのいずれかである。特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾールである。
【0152】
特定の実施形態において、患者が、3または4(またはcもしくはd)のBI-RADS(登録商標)スコアを有する乳房か、7.5%以上のマンモグラフィー乳房密度を有する乳房か、マンモグラフィーによる高密度乳房か、脂肪と同じかまたはそれより多い乳房組織を有する乳房か、脂肪よりも多い乳房組織を有する乳房か、乳癌か、あるいはそれらの組み合わせを、有するか決定するための方法が提供される。
【0153】
特定の実施形態において、患者は、2~4、例えば、2~3、もしくは3~4の範囲のBI-RADS(登録商標)スコア(1~4スケール)の乳房を有するか、または有すると診断される。特定の実施形態において、患者は、2以上のBI-RADS(登録商標)スコア、例えば、3もしくは4のBI-RADS(登録商標)スコア、または4のBI-RADS(登録商標)スコアの乳房を有するか、あるいは有すると診断される。
【0154】
特定の実施形態において、患者は、b~d、例えば、b~c、もしくはc~dの範囲のBI-RADS(登録商標)スコア(a~dスケール)の乳房を有するか、または有すると診断される。特定の実施形態において、患者は、bもしくはそれ以上のBI-RADS(登録商標)スコア、例えば、cもしくはdのBI-RADS(登録商標)スコア、またはdのBI-RADS(登録商標)スコアの乳房を有するか、あるいは有すると診断される。
【0155】
特定の実施形態において、患者は、7.5%以上のマンモグラフィー乳房密度、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、50%以上、70%以上、もしくは95%以上のマンモグラフィー乳房密度の乳房を有するか、または有すると診断される。
【0156】
特定の実施形態において、患者は、7.5%以上のVBD%、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、50%以上、70%以上、もしくは95%以上のVBD%の乳房を有するか、または有すると診断される。
【0157】
特定の実施形態において、患者は、7.5%以上のABD%、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、50%以上、70%以上、もしくは95%以上のABD%の乳房を有するか、または有すると診断される。
【0158】
特定の実施形態において、患者は、3(またはc)のBI-RADS(登録商標)スコア、および7.5%以上のマンモグラフィー乳房密度、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、50%以上、70%以上、もしくは95%以上のマンモグラフィー乳房密度の乳房を有するか、または有すると診断される。特定の実施形態において、患者は、4(またはd)のBI-RADS(登録商標)スコア、および7.5%以上のマンモグラフィー乳房密度、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、50%以上、もしくはそれより多い、もしくは95%以上のマンモグラフィー乳房密度の乳房を有するか、または有すると診断される。
【0159】
特定の実施形態において、患者は、1%~100%の範囲のVBD%、例えば、1%~24%、5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~80%、5%~70%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、10%~100%、10%~95%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、25%~100%、25%~75%、25%~50%、25%~49%、30%~100%、30%~95%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~100%、40%~95%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~100%、50%~95%、50%~90%、50%~80%、50%~75%、50%~74%、50%~70%、50%~60%、75%~100%、75%~95%のVBD%、もしくは75%~90%のVBD%の乳房を有するか、または有すると診断される。特定の実施形態において、患者は、10%~40%の範囲のVBD%の乳房を有するか、または有すると診断される。
【0160】
特定の実施形態において、患者は、1%~100%の範囲のABD%、例えば、1%~24%、5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~80%、5%~70%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、10%~100%、10%~95%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、25%~100%、25%~75%、25%~50%、25%~49%、30%~100%、30%~95%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~100%、40%~95%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~100%、50%~95%、50%~90%、50%~80%、50%~75%、50%~74%、50%~70%、50%~60%、75%~100%、75%~95%のABD%、もしくは75%~90%のABD%の乳房を有するか、または有すると診断される。特定の実施形態において、患者は、50%~100%の範囲のABD%の乳房を有するか、または乳房を有すると診断される。特定の実施形態において、患者は、マンモグラフィーで高密度乳房、例えば、脂肪とほぼ同じまたはそれ以上の乳房組織の乳房を有するか、または有すると診断される。
【0161】
特定の実施形態において、患者は、閉経周辺期の女性または閉経後の女性である。特定の実施形態において、患者は、閉経周辺期の女性である。
【0162】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、患者のBI-RADS(登録商標)スコアの1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出を低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者のBI-RADS(登録商標)スコアを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出で1ポイント以上、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出で2ポイント以上、3ポイントもしくは4ポイント、または4ポイント低減または減少させ得る。特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、患者のBI-RADS(登録商標)スコアを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出で1ポイント、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出で、2、3、または4ポイント低減または減少させ得る。特定の実施形態において、医薬製剤は、患者のBI-RADS(登録商標)スコアを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出で維持または安定化させる。
【0163】
1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の期間は、1~20年、例えば、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年、6年、10年、15年、または20年であり得る。1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の期間は、1年、2年、4年、5年、7年、10年、15年、または20年であり得る。
【0164】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度を低減または減少させ得る。特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、患者の乳房のVBD%および/またはAVBDを低減または減少させ得る。特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、患者の乳房のABD%および/またはAABDを低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で1%~99%の範囲で、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、1%~80%、1%~50%、1%~30%、1%~20%、1%~10%、3%~40%、3%~20%、5%~60%、5%~25%、5%~15%、5%~10%、10%~60%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~60%、20%~40%、20%~30%、30%~60%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で、低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者の乳房のVBD%および/またはAVBDを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で1%~99%の範囲で、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、1%~80%、1%~50%、1%~30%、1%~20%、1%~10%、3%~40%、3%~20%、5%~60%、5%~25%、5%~15%、5%~10%、10%~60%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~60%、20%~40%、20%~30%、30%~60%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で、低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者の乳房のABD%および/またはAABDを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で1%~99%の範囲で、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、1%~80%、1%~50%、1%~30%、1%~20%、1%~10%、3%~40%、3%~20%、5%~60%、5%~25%、5%~15%、5%~10%、10%~60%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~60%、20%~40%、20%~30%、30%~60%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で、低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で少なくとも2%、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、75%、85%、95%、もしくは99%低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者の乳房のVBD%および/またはAVBDを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で少なくとも2%、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、75%、85%、95%、もしくは99%低減または減少させ得る。例えば、医薬製剤を使用して、患者の乳房のABD%および/またはAABDを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で少なくとも2%、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、75%、85%、95%、もしくは99%低減または減少させ得る。特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度を維持または安定化させ得る。
【0165】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度を、4時間の期間にわたって、例えば、8時間、24時間、1日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、もしくは1年の期間にわたって、少なくとも2%、例えば、5%、10%、20%、もしくは30%低減または減少させ得る。
【0166】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度VBD%および/またはAVBDを、4時間の期間にわたって、例えば、8時間、24時間、1日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、もしくは1年の期間にわたって、少なくとも2%、例えば、5%、10%、20%、もしくは30%低減または減少させ得る。
【0167】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、患者の乳房のマンモグラフィー乳房密度ABD%および/またはAABDを、4時間の期間にわたって、例えば、8時間、24時間、1日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、もしくは1年の期間にわたって、少なくとも2%、例えば、5%、10%、20%、もしくは30%低減または減少させ得る。
【0168】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、乳癌を発症する患者のリスクを緩和または低減させ得る。例えば、特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、乳癌を発症する患者のリスクを緩和または低減させ得る。特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、乳癌を発症する患者のリスクを緩和または低減し、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、1つ以上の閉経周辺期の症状を回避、緩和、低減、または逆転し得る。例えば、緩和され得るか、低減され得るか、または回避され得る1つ以上の閉経周辺期の症状は、限定されないが、月経不順、顔面潮紅および睡眠障害、気分変化、気分変動、いらいら、抑うつ、膣乾燥、尿路または膣感染症、尿失禁、受胎能力減少、性的興奮または性欲の変化、骨減少、もろい骨、骨粗しょう症、あるいは低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの増加、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの減少などのコレステロールレベルの変化、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0169】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で患者の脂肪の乳房組織に対する比率を増加または改善し得る。例えば、医薬製剤は、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、患者の脂肪の乳房組織に対する比率を1:19~19:1に増加または改善し、例えば、治療された患者の脂肪の乳房組織に対する比率を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、1:15~19:1、1:10~19:1、1:5~19:1、1:2~19:1、2:3~19:1、2:1~19:1、4:1~19:1、6:1~19:1、8:1~19:1、10:1~19:1、1:19~10:1、1:10~10:1、1:4~10:1、1:2~10:1、3:2~10:1、3:1~10:1、5:1~10:1、7:1~10:1、9:1~10:1、15:1~10:1、1:15~5:1、1:5~5:1、1:3~5:1、3:2~5:1、3:1~5:1、6:1~5:1、8:1~5:1、10:1~5:1、1:19~3:1、1:10~3:1、1:4~3:1、1:2~3:1、2:1~3:1、4:1~3:1、6:1~3:1、8:1~3:1、10:1~3:1、もしくは15:1~3:1に増加または改善する。
【0170】
特定の実施形態において、医薬製剤を使用して、患者の脂肪の乳房組織に対する比率を1:19~19:1、例えば1:10~19:1、1:5~19:1、1:2~19:1、2:3~19:1、2:1~19:1に、4時間の期間にわたって、8時間の期間にわたって、24時間の期間にわたって、3日の期間にわたって、1週間の期間にわたって、2週間の期間にわたって、1ヶ月の期間にわたって、2ヶ月の期間にわたって、3ヶ月の期間にわたって、6ヶ月の期間にわたって、9ヶ月の期間にわたって、1年の期間にわたって、もしくは5年の期間にわたって、増加または改善し得る。
【0171】
特定の実施形態において、医薬製剤は、治療された患者の乳房における脂肪のパーセンテージを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で増加させ得る。例えば、医薬製剤は、治療された患者の乳房における脂肪のパーセンテージを、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で1%~99%の範囲、例えば、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で1%~90%、1%~70%、1%~50%、1%~30%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、3%~60%、3%~20%、5%~70%、5%~50%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~60%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~50%、20%~30%、30%~60%、30%~50%、または30%~40%の範囲で増加させる。
【0172】
特定の実施形態において、医薬製剤は、治療された患者の乳房における脂肪のパーセンテージを、少なくとも2%、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも75%、少なくとも95%、または少なくとも99%、4時間にわたって、例えば、8時間の期間にわたって、24時間の期間にわたって、3日の期間にわたって、1週間の期間にわたって、2週間の期間にわたって、1ヶ月の期間にわたって、2ヶ月の期間にわたって、3ヶ月の期間にわたって、6ヶ月の期間にわたって、9ヶ月の期間にわたって、1年の期間にわたって、または5年の期間にわたって増加させる。
【0173】
特定の実施形態において、医薬製剤は、マンモグラフィー乳房可視化または検出の際の乳房圧迫を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、増強、増加、または改善する。例えば、医薬製剤は、マンモグラフィー乳房可視化または検出の際の乳房圧迫を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、5%~70%、5%~50%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~50%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~60%、20%~40%、20%~30%、30%~70%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で、増強、増加、または改善する。特定の実施形態において、マンモグラフィー乳房可視化または検出の際に増強、増加、または改善された乳房圧迫の結果として、医薬製剤は、さらに乳房圧迫の際の患者の疼痛を緩和または低減する。例えば、医薬製剤はさらに、乳房のマンモグラフィー乳房可視化または検出の際に増強、増加、または改善された乳房圧迫の結果として、乳房圧迫の際の患者の疼痛を、5%~80%、5%~50%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~80%、10%~60%、10%~40%、10%~20%、10%~15%、20%~70%、20%~50%、20%~30%、30%~70%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で緩和、低減、または最小化する。
【0174】
特定の実施形態において、医薬製剤は、乳房圧迫の際の患者の疼痛を緩和または低減する。例えば、医薬製剤は、乳房圧迫の際の患者の疼痛を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、5%~80%、5%~60%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~80%、10%~60%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~70%、20%~50%、20%~30%、30%~90%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で緩和または低減する。特定の実施形態において、乳房圧迫の際の患者の緩和、低減、または最小化された疼痛の結果として、医薬製剤はさらに、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、乳房のマンモグラフィー可視化または検出の際に乳房圧迫を増強、増加、または改善する。例えば、医薬製剤は、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間のマンモグラフィー可視化または検出の際の乳房圧迫を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、5%~80%、5%~60%、5%~40%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~80%、10%~60%、10%~40%、10%~20%、10%~15%、20%~80%、20%~60%、20%~30%、30%~80%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲でさらに増強、増加、または改善する。
【0175】
特定の実施形態において、医薬製剤は、乳房圧迫の際に視覚アナログスケール(VAS)に従って患者の疼痛を緩和または低減させる。例えば、医薬製剤は、乳房圧迫の際にVASに従って患者の疼痛を緩和または低減し、それによって、患者は、1回以上のマンモグラフィーの際、または1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の際に、50~100mm、50~80mm、50~70mm、60~100mm、70~100mm、80~100mm、もしくは90~100mmの間で著しい疼痛を経験しない。
【0176】
特定の実施形態において、医薬製剤は、定期的なマンモグラフィー視覚化または検出を有する患者の遵守、例えば、6ヶ月毎、毎年、2年毎、3年毎、もしくは5年毎のマンモグラフィー視覚化または検出の遵守を、増強、増加、または改善する。
【0177】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房を可視化または検出するために必要とされる放射線曝露の量を、1回以上の後続のマンモグラフィーの際、例えば1回以上の後続の年次マンモグラフィーの際に、緩和または低減させる。例えば、医薬製剤は、患者の乳房を可視化または検出するために必要とされる放射線曝露の量を、1回以上の後続のマンモグラフィーの際、例えば1回以上の後続の年次マンモグラフィーの際に、5%~99%、5%~80%、5%~70%、5%~50%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~80%、10%~60%、10%~40%、10%~20%、10%~15%、20%~80%、20%~60%、20%~40%、20%~30%、30%~80%、30%~60%、30%~50%、もしくは30%~40%の範囲で、緩和または低減させる。
【0178】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房、例えば、閉経周辺期の患者の乳房における、乳房退縮を誘導する。
【0179】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房、例えば、閉経周辺期の患者の乳房における、乳房細胞の退縮を誘発する。
【0180】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房、例えば、閉経周辺期の患者の乳房における、増殖に対する最終的細胞死を誘発する。
【0181】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房、例えば、閉経周辺期の患者の乳房における、細胞数およびマンモグラフィー乳房密度を逆転させる。
【0182】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房、例えば、閉経周辺期の患者の乳房における、乳房硬度を緩和または低減させる。例えば、医薬製剤は、患者の乳房における乳房硬度を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、5%~80%、5%~60%、5%~40%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~80%、10%~60%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~80%、20%~60%、20%~40%、20%~30%、30%~80%、30%~60%、もしくは30%~40%の範囲で緩和または低減させる。例えば、医薬製剤は、患者の乳房における乳房硬度を、1年で少なくとも5%、例えば、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、もしくは少なくとも30%、緩和または低減させる。特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房における乳房硬度を、4時間の期間にわたって、例えば、8時間の期間、24時間の期間、3日の期間、1週間の期間、2週間の期間、1ヶ月の期間、2ヶ月の期間、3ヶ月の期間、6ヶ月の期間、9ヶ月の期間、1年の期間、もしくは5年の期間にわたって、少なくとも5%、例えば、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、もしくは少なくとも30%、緩和または低減させる。
【0183】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房、例えば、閉経周辺期の患者の乳房のマンモグラフィー可視化または検出を増強、増加、または改善する。例えば、医薬製剤は、患者の乳房のマンモグラフィー可視化または検出を、1回以上の年次介在性マンモグラフィー検出の間で、5%~80%、5%~50%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~80%、10%~60%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、20%~80%、20%~60%、20%~30%、30%~80%、30%~60%、もしくは30%~40%の範囲で、増強、増加、または改善する。特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の乳房のマンモグラフィー可視化または検出を、4時間の期間にわたって、または8時間、24時間、3日、1週、2週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、もしくは5年などの他の期間にわたって、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも50%、もしくは少なくとも75%、増強、増加、または改善する。
【0184】
特定の実施形態において、医薬製剤は、マンモグラフィー乳房密度を低減させ、男性化アンドロゲン副作用を誘発するか、または高アンドロゲン状態を誘発することを回避する。例えば、男性化アンドロゲン副作用には、男性型脱毛、多毛、もしくは患者が望まない領域における毛髪の増加、低音化、ざ瘡、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。特定の実施形態において、医薬製剤は、マンモグラフィー乳房密度を低減させ、男性化アンドロゲン副作用を誘発するか、または高アンドロゲン状態を誘発することを除外する。特定の実施形態において、医薬製剤は、マンモグラフィー乳房密度を低減させ、男性化アンドロゲン副作用の誘導または高アンドロゲン状態の誘導を最小限に抑える。
【0185】
特定の実施形態において、医薬製剤は、患者の中枢神経系、性欲、筋骨格系、心臓血管系、自己免疫疾患に罹患するリスク、自己免疫疾患に関連する症状の重症度、またはそれらの組み合わせに関連する身体機能など、患者の身体機能を実質的に改善するか、または改善する。例えば、患者の中枢神経系に関連して、医薬製剤は、抑うつ、不安、記憶を含む一般的な認知機能障害を低減し得るか、または認知症およびパーキンソン症のリスクを低減し得る。例えば、患者の性欲に関連して、医薬製剤は、性的興奮への速度およびオーガズムを達成する能力を含む、全体的な性欲の有意な改善を提供し得る。例えば、患者の筋骨格系に関連して、医薬製剤は、炎症性関節炎および変性関節炎の低減、骨ミネラル密度の改善、または筋力の改善を提供し得る。例えば、患者の心臓血管系に関連して、医薬製剤は、動脈壁内の泡状マクロファージ沈着の低減、アテローム性動脈硬化の低減、コレステロールの改善につながる高密度リポタンパク質または高密度リポタンパク質比の増加を提供し得る。例えば、自己免疫疾患に罹患する患者のリスクに関連して、医薬製剤は、シェーグレン症候群、狼瘡、および関節リウマチなどの自己免疫疾患に罹患する治療された患者のリスクを実質的に低減し得るか、または低減する。例えば、患者の自己免疫疾患に関連する症状の重症度に関連して、医薬製剤は、治療された患者の自己免疫疾患、例えば、シェーグレン症候群、狼瘡、および関節リウマチに関連する症状の重症度を実質的に低減し得るか、または低減する。特定の実施形態において、医薬製剤は、認知機能、認知症またはパーキンソン症を含む変性CNS疾患の低減、筋力、性欲、エネルギー、モノアミンオキシダーゼ誘発性不安および抑うつの低減、もしくはそれらの組み合わせなどの患者の身体機能を実質的に改善するか、または改善する。
【0186】
特定の実施形態において、医薬製剤はさらに、i)マンモグラフィー乳房密度を低減させるか、ii)テストステロンをエストロゲンに変換することなく、患者の乳房における退縮効果を増加させるか、iii)閉経周辺期症状を実質的に低減させるか、低減させるか、または逆転させるか、あるいはiv)認知機能、認知症もしくはパーキンソン症を含む変性CNS疾患に関連する症状の低減、筋力、性欲、エネルギー、モノアミンオキシダーゼ誘発性不安および抑うつの低減、またはそれらの組み合わせを含む、患者の身体機能を実質的に改善するか、または改善する、のうちの1つ以上を提供する。特定の実施形態において、医薬製剤はさらに、i)マンモグラフィー乳房密度を低減させるか、ii)テストステロンをエストロゲンに変換することなく、乳房を含むホルモンによって影響される末端器官における退縮効果を増加させるか、iii)変動するエストロゲンレベルに関連する閉経周辺期症状を実質的に低減させるか、低減させるか、または逆転させるか、あるいはiv)認知機能、認知症もしくはパーキンソン症を含む変性CNS疾患に関連する症状の低減、筋力、性欲、エネルギー、モノアミンオキシダーゼ誘発性不安および抑うつの低減、またはそれらの組み合わせを含む、患者の身体機能を実質的に改善するか、または改善する、のうちの1つ以上を提供する。
【0187】
特定の実施形態において、患者は、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の投与から4時間以内に、それらの乳房内に、高い遊離アンドロゲン指数レベル、例えば、30%以上を有する。特定の実施形態において、患者は、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の投与から4時間以内に、それらの乳房内に超生理学的遊離アンドロゲン指数レベルを有する。
【0188】
特定の実施形態において、本明細書に記載のアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の医薬製剤または併用治療による治療は、a)治療の少なくとも1ヶ月後に患者から採取された血液試料から単離された血清中の遊離アンドロゲン指数レベルおよび/またはアロマターゼ阻害剤レベルを測定することと、b)後続の有効量のアンドロゲン剤および後続の有効量のアロマターゼ阻害剤を含む、後続の用量を決定することと、c)患者に後続の用量を投与することと、をさらに含む。
【0189】
特定の実施形態において、本明細書に記載のアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤の医薬製剤または併用治療による治療は、a)治療の少なくとも1ヶ月後に患者から採取された血液試料から単離された血清中の遊離アンドロゲン指数レベルおよび/またはアロマターゼ阻害剤レベルを測定することであって、患者の血液試料を遠心分離して血清を単離することを含む、測定することと、b)後続の有効量のアンドロゲン剤および後続の有効量のアロマターゼ阻害剤を含む、後続の用量を決定することと、c)患者に後続の用量を投与することと、をさらに含む。
【0190】
特定の実施形態において、治療された患者の1ヶ月後に測定される遊離アンドロゲン指数血清レベルは、10~25%、例えば、10~20%、10~15%、15~25%、15~20%、12~18%、8~15%、または11~14%であり得る。
【0191】
特定の実施形態において、治療された患者の3ヶ月後の測定される遊離アンドロゲン指数血清レベルは、2~10%、例えば、2~8%、2~6%、2~5%、2~4%、4~10%、5~8%、3~7%、4~6%、3~6%、4~7%、5~10%、または2~5%であり得る。
【0192】
特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤の投与は、治療された患者の皮下脂肪におけるテストステロンのエストロゲンへの芳香族化を低減し、例えば、芳香族化を80~95%または100%低減する。例えば、投与されるアロマターゼ阻害剤は、患者の乳房の皮下脂肪、患者の骨盤の皮下脂肪、患者の臀部の皮下脂肪、患者の腹部の皮下脂肪、またはそれらの組み合わせにおけるテストステロンのエストロゲンへの芳香族化を低減し、例えば、芳香族化を80~95%または100%低減し得る。
【0193】
特定の実施形態において、アロマターゼ阻害剤の投与は、治療された患者の皮下脂肪における副腎アンドロゲン、例えばアンドロステンジオンのエストロゲンへの芳香族化を低減し、例えば、芳香族化を80~95%または100%低減する。例えば、投与されるアロマターゼ阻害剤は、患者の乳房の皮下脂肪、患者の骨盤の皮下脂肪、患者の臀部の皮下脂肪、患者の腹部の皮下脂肪、またはそれらの組み合わせにおけるテストステロンのエストロゲンへの芳香族化を低減し、例えば、芳香族化を80~95%または100%低減し得る。
【0194】
密度の年次マンモグラフィースクリーニングを行い、線維腺組織の体積を総乳房体積の割合(MBD)として測定する適切なマンモグラフィーアルゴリズムを利用して、乳房密度の低減を決定し得る。目的は、MBDが、これが両方の乳房密度の平均の関数であるときに、10%未満を達成することである。乳房密度低減率は、少なくとも1年で2%であるべきである。最初の年に2%が達成されない場合、年上昇係数(上記のV1(N))は、投薬の10%のTDおよびADに導入され得る。この年上昇係数は、通常、アンドロゲン性指数(AI)が10%未満の増加である場合にのみ、年ベースで導入される。
【0195】
密度の年次マンモグラフィースクリーニングを行い、線維腺組織の体積を総乳房体積に対する割合(VBD%)として測定する適切なマンモグラフィーアルゴリズムを利用して、乳房密度の低減を決定し得る。目的は、VBD%が、これが両方の乳房密度の平均の関数であるときに、10%未満を達成することである。乳房密度低減率(VBD%)は1年で少なくとも2%であるべきである。最初の年に2%が達成されない場合、年上昇係数(上記のV1(N))は、投薬の10%のTDおよびADに導入され得る。この年上昇係数は、通常、アンドロゲン性指数(AI)が10%未満の増加である場合にのみ、年ベースで導入される。
【0196】
特定の実施形態において、テストステロンと組み合わせたアロマターゼ阻害剤の投与は、ジヒドロテストステロンの生物学的利用能の改善を、25%~75%、35%~65%、または45%~55%もたらす。特定の実施形態において、ジヒドロテストステロンの生物学的利用能の増加量は、25%超、35%超、45%超、または55%超である。
【0197】
本明細書に記載される医薬製剤または併用治療に使用されるアンドロゲン剤は、例えば、テストステロン、メチルテストステロン、および/またはデヒドロエピアンドロステロンからなる群から選択され得る。特定の実施形態において、アンドロゲン剤は、約40mgのウンデカン酸テストステロンなどのウンデカン酸テストステロンであり得る。アロマターゼ阻害剤は、例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾールからなる群から選択され得る。特定の態様において、アロマターゼ阻害剤は、約1mgのアナストロゾールなどのアナストロゾールであり得る。
【0198】
特定の実施形態において、医薬製剤は、アロマターゼ阻害剤に、例えばエステル結合を介して結合したアンドロゲン剤、またはアンドロゲン剤/アロマターゼ阻害剤複合体を含む医薬製剤を投与することを含み得、複合体は、当該技術分野における方法によって作成される。
【0199】
好ましい実施形態において、アンドロゲン剤(例えば、テストステロン、メチルテストステロン、および/またはデヒドロエピアンドロステロン)、およびアロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾール)の両方は、皮下、例えば、ペレットなどのインプラントとして投与される。
【0200】
特定の実施形態において、アンドロゲン剤(例えば、テストステロン、メチルテストステロン、および/またはデヒドロエピアンドロステロン)、およびアロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾール)は、皮下によって、例えばペレットとして投与される。例えば、テストステロンおよびアナストロゾールは、皮下に投与され得る。
【0201】
アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、またはアンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤を含む医薬製剤を利用する適切な投与レジメン、投与される各用量の量、ならびに化合物の用量間の間隔は、様々な要因に依存し得、例えば、組み合わせて使用される特定のアロマターゼ阻害剤およびアンドロゲン剤、使用される医薬製剤のタイプ、治療される生理学的状態のタイプ、治療される対象の特徴(例えば、種、年齢、体重、性別、医学的状態、摂取/絶食)、投与経路、ならびに治療される障害の重症度、またはそれらの組み合わせが挙げられる。通常に習熟した医師または診断医は、特定の生理学的状態を予防または治療するための有効量のアンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、または医薬製剤を容易に決定および処方し得る。
【0202】
投与される医薬製剤または製剤は、治療される対象の状態を治療するのに有効な量の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含有し得る。2つの異なる化合物を併用療法で一緒に使用し得るため、化合物の各々の効力およびそれらを一緒に組み合わせることによって達成される相互作用効果も通常考慮される。これらの要因の考慮は、副作用を改善するために必要な治療上有効または予防上有効な投与量を決定する目的のため、通常に習熟した臨床医の範囲内で十分である。
【0203】
アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤、またはそれらの組み合わせを含む医薬製剤の対象への投与は、自己投与および別の者(例えば、医師、看護師、医療従事者、友人など)による対象への投与の両方を含む。
【0204】
特定の実施形態において、医薬製剤は、所望の転帰に適合する手段で製剤化され得る。医薬製剤は、扱いやすい製剤で投与され得る。以下の製剤の実施例は、例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0205】
特定の実施形態において、医薬製剤は、直接圧縮によって製剤化されたインプラントまたはペレットであることができる。例えば、ペレット製剤は、活性成分だけでなく、希釈剤、結合剤、滑剤、および崩壊剤を組み込み得る。典型的な希釈剤として、例えば、様々な種類のデンプン、乳糖、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、および粉末化糖が挙げられる。粉末セルロース誘導体も有用である。天然および合成ゴムもまた好都合であり、アカシア、アルギン酸塩、メチルセルロース、および/またはポリビニルピロリジンが含まれる。ポリエチレングリコール、エチルセルロース、およびワックスはまた、結合剤としての役割も果たし得る。ペレット製剤には、ペレットおよびパンチがダイに付着するのを防ぐために、滑剤が必要とされ得る。滑剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ならびに/または水素化植物油などの滑りやすい固形物から選択され得る。典型的には、インプラントまたはペレットは、約6Kg/N~約10Kg/N、好ましくは約7Kg/N~約9Kg/N、最も好ましくは約8Kg/Nの範囲のインプラントまたはペレット硬度を有し、この範囲内のかかる投与形態はすべて、本明細書に明示的に提供される。
【0206】
皮下投与のためのペレットの形態におけるインプラントなどの固体投与形態に製剤を圧縮することによって、本明細書に記載されるような徐放性多相濃度パターンを得ることができる。アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤のかかる放出パターンを得ることができることを熟知していると、当業者は本明細書に提供される開示の観点において、製剤中の異なる成分を利用し、本開示に従ってかかる医薬製剤を提供することができるであろう。
【0207】
特定の実施形態において、インプラントまたはペレットは、対象の骨盤の皮下脂肪、対象の乳房の皮下脂肪、対象の臀部の皮下脂肪、対象の腹部の皮下脂肪、またはそれらの組み合わせに挿入され得る。特定の実施形態において、インプラントまたはペレットは、対象の下腹壁の皮下脂肪に挿入され得る。特定の実施形態において、インプラントまたはペレットは、対象の上臀部領域の皮下脂肪に挿入され得る。
【0208】
理解されるように、アンドロゲン剤およびアロマターゼ阻害剤は、本明細書に記載の併用治療に使用するために、同一の製剤で一緒、または別個の製剤のいずれかで皮下投与する以外の医薬製剤で提供され得、かかる製剤は、上記のような、あるいは所望の投与経路のため、かつ/または活性剤の所望の放出パターン(例えば、徐放性多相放出パターン)を得るための医薬製剤の提供で使用される、適切な充填剤、滑剤、結合剤、崩壊剤、および/または薬学的に許容される担体もしくは賦形剤のうちの1つ以上を含む。
【0209】
特定の実施形態において、アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、またはそれらの組み合わせを含む医薬製剤は、キットなどの製造物品の形態で提供され得、流通のために包装された、その中の活性成分、または適切な医薬製剤中の活性成分を含む。キットは、開示される方法のうちの1つ以上でキット構成要素を使用するための説明書をさらに含み得る。説明書は、開示される方法のうちの1つ以上を実行するための説明書を含み得る。したがって、例えば、キットは、容器、パック、またはディスペンサー中に医薬製剤中のアンドロゲン剤またはアロマターゼ阻害剤を、ヒト対象への投与のための説明書とともに含み得る。説明書はさらに、満足のいく臨床エンドポイントの適応、または生じ得る任意の有害な症状、またはヒトにおける使用のために食品医薬品局によって要求される任意の追加情報を含み得る。
【0210】
説明書は、「印刷物」上に、例えば、キット内の用紙もしくは段ボール上に、またはキットもしくは包装材料に貼付されるラベル上にあり得、あるいはキットの構成要素を含むバイアルもしくはチューブに取り付けられ得る。説明書はさらに、コンピュータ可読媒体、例えば、ディスク(フロッピーディスクまたはハードディスク)、光学CD、例えば、CD-もしくはDVD-ROM/RAM、磁気テープ、電子記憶媒体、例えば、RAMおよびROM、ならびにこれらのハイブリッド、例えば、磁気/光学記憶媒体に含まれ得る。
【0211】
本開示をより良く理解することを容易にするために、本開示は特定の例示的な実施形態に関して説明されているが、本明細書に開示される原理から逸脱することなく様々な変更が行われ得ることを理解されたい。したがって、本発明は、その範囲内にかかる変更を含むと理解されるべきである。
【実施例
【0212】
実施例1:テストステロンおよびアナストロゾールの薬物動態を評価するための女性における皮下テストステロンおよびアナストロゾールインプラント、80mg/4mg(T+Ai)の単回用量治験
薬物動態分析は、高マンモグラフィー乳房密度を有する11名の健常なボランティアにおける皮下テストステロン80gおよびアナストロゾール4mgインプラントで行った。この試験は、アナストロゾールおよびテストステロンの両方についてパターンを評価し、アロマターゼ活性が過剰であることが知られている場所、すなわち、高マンモグラフィー乳房密度を有する女性の組織におけるパターンおよび終末器官薬力学的応答を実証するために、この例示的なインプラントの薬物動態のモデリングを可能にした。これは、マンモグラフィー乳房密度に関連する乳房組織弾性の直接測定によって評価される。
【0213】
ペレット溶解の超音波評価を行い、生殖ホルモンのインプット溶解の包括的な分析が、視床下部-下垂体機能における潜在的な影響を評価するために、どのように行われるか実証した。
【0214】
第1の目的:
皮下インプランテーションによるT+Aiの単回用量後のテストステロンの薬物動態特性を評価すること。
【0215】
皮下インプランテーションによるT+Aiの単回用量後のアナストロゾールの薬物動態特性を評価すること。
【0216】
第2の目的
せん断波超音波によって評価される乳房組織弾性における潜在的な影響を探究すること。
【0217】
インプラント調製:テストステロン-アナストロゾールペレット
皮下挿入のためのペレットを、無菌の非微粒子化テストステロン、アナストロゾール、およびステアリン酸を、直径5mmの円柱形ダイに80:4:2の比で圧縮することによって調製した。ペレットを、無菌のコットンウールで覆われた無菌の5ml琥珀色バイアルに移し、圧着されたゴムストッパーおよびアルミニウムリップシールで密封する。バイアルを、ガンマ線照射によって25KGyで滅菌する。非微粒子化テストステロンおよびUSPグレードのアナストロゾールは、Azelis(Brookvale、NSW)から入手した。NF品質のステアリン酸は、Medisca(Mascot、NSW)から入手した。これらのペレットを作製するためのステップを以下に概説する。
1.テストステロン(非微粒子化)、アナストロゾール、およびステアリン酸のタイトレーションを機械的手段で2時間混合する。
2.タイトレーションを十分に混合する。
3.8Kg/Nのペレット硬度を生じるプレスでペレットを圧縮する。
4.ペレットを琥珀色のガラス製5mlバイアル中に保存し、ペレットは無菌コットンウールで保護する。
5.保存したペレットを、25KyGでガンマ滅菌する。
6.ペレットを適切に表示する。
7.涼しく乾燥した場所(室温;20~25℃、66~78°F)に保存する。
【0218】
方法論
高マンモグラフィー乳房密度(MBD)を有する閉経前の女性を試験のために選択した。良好なスクリーニング後、参加者は投薬のためにWellend Clinic South Australiaに来た。濾胞期の変化の激しいホルモン環境を回避するために、参加者は自分の生理周期の黄体期に投与されることになった。インプラントの挿入後、PK血液サンプリングを3ヶ月の期間実行した。簡単に説明すると、試料は、投与当日、最初の週の間毎日、次の4週の間毎週、最後の8週の間2週間毎、合計3ヶ月のサンプリング期間にわたって繰り返し採取した。評価が、評価の最後の日である85日目に完了した後、治験は終了した。
【0219】
選択された薬物動態(PK)サンプリング計画がT+Aiの血清/血漿濃度期間プロファイルの十分な説明を提供したかどうかを決定するために、29日目の後、血液試料を最初の参加者2名から収集し、試料をテストステロン、ジヒドロテストステロン、およびアナストロゾールについて分析した。サンプリング計画は、1つの血液試料(投与後6時間)を追加して改訂し、既存の時点のタイミングの調整はなかった。サンプリング期間は延長されなかった。
【0220】
要約すると、1日目の投与に従い、血液試料を投与前(投与から1時間以内)、ならびに1、2、4、6、8、および12時間で採取した。参加者は、2、3、4、5、8、15、22、29、43、57、71、および85日目の午前9時に採血するために再訪した。
【0221】
合計11名の対象に投与し、安全性分析セットに含めた。11名の対象をPK分析セットに含めた。女性は35~55歳であり、ボディマス指数(BMI)は20~30kg/mの範囲だった。参加者の個体群統計を表1に示す。
【表1】

【0222】
PK結果
血漿アナストロゾールおよび血清テストステロンに関するPKパラメータの概要を表2に示し、図1~6に図示する。
【表2】

【0223】
薬物動態に関して、血漿アナストロゾールの中央値Tmaxは、投与後2日(範囲1~3日)であり、平均Cmax=5.30ng/mLを有し、平均最終半減期は14日だった。濃度は、12週間後にほとんどの参加者で定量限界(0.1ng/mL)未満だった。T+Aiから観察された14日間の半減期は、経口アナストロゾールについて言明された2日間の半減期よりもかなり長く、T+Ai生成物が徐放性製剤として作用したことが確証される。この療法の目的は、挿入部位(すなわち、アロマターゼレベルが平均である皮下脂肪、およびアロマターゼが高い組織)でTの芳香族化を低減することであるため、抗腫瘍効果を最大化するために全身アロマターゼ阻害が求められる乳癌を治療する場合と比較して、最小の有効用量が与えられる。組織過剰発現アロマターゼ(MCF7乳癌細胞株およびJEG3ヒト絨毛癌細胞株など)におけるアナストロゾールのIC50は、それぞれ3.62および5.66nMである。したがって、Cmax=5.3ng/mL(18.07nM)は、初期のより高いCmax=4.1ng/mLのTを、Tレベルの低下を伴う持続する低レベルのアナストロゾールによってカバーする。したがって、ペレット中の4mgのアナストロゾールの使用は、標的組織中のアロマターゼ酵素を阻害するのに十分なアロマターゼのIC50に必要とされる濃度を達成した。対照的に、2mgの用量は十分ではなかったようである。
【0224】
血清テストステロンでは、中央値Tmaxは、投与後8時間(6~12時間の範囲)であり、ベースライン時の平均0.2ng/mLと比較して平均Cmax=4.1ng/mLだった。2~3週目に第2の低いピークがあった。テストステロンのベースラインと比較した増加は、参加者において12週で維持され、平均濃度0.8ng/mLだった。血清ジヒドロテストステロンは、ほとんどの試料で測定可能ではなく、測定可能な最大値を有する参加者では投与後2~3日でTmaxだった。この実施例は、皮下挿入後のペレットがパターンを表わしたことを示す。
【0225】
実施例2:女性におけるMBD低減のためのテストステロンおよびアナストロゾールの併用療法
この実施例は、女性におけるマンモグラフィー乳房密度(MBD)低減のための使用されるテストステロンおよびアナストロゾール併用療法の分析を提供する。本試験は、Wellend Clinic(Burnside War Memorial Hospital、Adelaide、South Australia)で実施された。治療介入のための主な適応は、閉経周辺期ホルモン機能障害、高MBDのうちの1つ以上であり、乳癌(BC)リスクを低減させる要因と考えられる。
【0226】
患者652名はすべて女性であり、最初のT+Aiインプラントの時点での平均年齢は52歳(23歳~79歳の範囲)だった。
【0227】
MBD/BCリスクの低減は、患者89名(14%)において治療の主要適応であり、患者334名(51%)においてホルモン機能障害の補助であり、患者177名(27%)において両方の適応だった。主要適応は患者52名に提供されなかった。
【0228】
BCの既往歴は、患者90名(BC既往歴において非消失応答を有する14%の患者)で認められた。BCのタイプは患者20名にで認められ、14名は非浸潤型BCであり、6名は侵襲型BCだった。
【0229】
エストロゲンに基づく併用薬の使用が患者222名(34%)で認められ、その大部分は外用薬の形態だった(n=192)。
【0230】
2017年7月のデータカットの時点で、患者365名(56%)は、T+Ai療法を継続していた。患者1名は、記録された処置情報を有しておらず、残りの286名はT+Ai療法を中止していた。T+Ai療法を中止した最も頻度の高い理由は、フォローアップ不能(n=123)であり、続いて、療法を中止する対象の決定(n=46)、療法の費用(n=30)、T+Ai療法が機能しないと感じる対象(n=28)、およびかかりつけ医のT+Ai療法が完了したという患者への助言(n=25)だった。
【0231】
効能の測定
マンモグラムから得られた連続変数測定値(MBDの%VBDおよびAVBD測定を含む)の要約統計。マンモグラムは特定の時点について計画されなかったため、特定の時点に特定のデータ値を提供するために、来院ウィンドウシステムをデータに適用した。選択したウィンドウは以下のとおりだった。
6ヶ月(最初のT+Aiインプラント後180日+/-60日)
1年(最初のT+AIインプラント後365日+/-180日)
2年(最初のT+AIインプラント後730日+/-180日)
3年(最初のT+AIインプラント後1095日+/-180日)
4年(最初のT+AIインプラント後1460日+/-180日)
【0232】
薬物用量および%VBD応答との関係
%VBDによって測定されるMBDにおけるT+Ai介入の影響を検討するために、治療開始前および治療開始後の両方でマンモグラムを有した患者サブセットを考慮した。この患者サブセット(n=142)について、ベースラインMBDからの変化を、SAS(登録商標)PROC MIXEDを使用した混合モデル分析における結果測定として使用した。この手順は、T+Ai治療の開始(反復測定分析)後に、個々の患者が複数のマンモグラムに寄与する可能性、ならびにデータ間の異なる共分散パターンを検討することを可能にする。
【0233】
分析のために提供されたデータセットから、以下の独立(説明的)変数を使用して、MBDの変化におけるそれらの影響を検討した。
i.最初のインプラントからの日数
ii.ベースライン% VBD MBD測定値(最初のT+Aiインプラントに最も近いが、iii.より遅くない)
iii.試験全体にわたる累積テストステロン用量(mg)(<500mg、500mg~<700mg、および700mg+に層別化)。
iv.試験全体にわたる累積アナストロゾール用量(mg)(連続共変数として)
v.最初のインプラント時の歳(年齢)
vi.装置タイプ(GEまたはHologic装置)
vii.マンモグラムでの放射線量
viii.マンモグラムでの圧迫圧力
ix.乳癌の既往歴(有または無)
x.併用エストロゲン薬の使用(有または無)
xi.最初のインプラントからの日数とテストステロン層の累積用量の間の相互作用期間
【0234】
上に列挙された最後の相互作用項は、テストステロン用量層の各々に異なる勾配を適合させて、層にわたって潜在的な差異が存在するかどうかを確認することを可能にする。
【0235】
モデルに適合させるために、以下の構文がSASで使用された。
proc mixed data=mmg3;
class TESTO_GP SUBJIDC MMG_MACH_N BCA_HIST_N E2_USED_N;
model CHANGE_MMG_RESULT=MMG_DAY BASE_MMG_RESULT TESTO_GP MMG_MACH_N BCA_HIST_N E2_USED_N SUM_ANAST MMG_RAD_DOSE_N MMG_COMP_PRES_N
MMG_DAY*TESTO_GP / ddfm=kr cl s;
random INT MMG_DAY / subject=SUBJIDC type=un;
lsmeans TESTO_GP / at MMG_DAY=365 cl;
lsmeans TESTO_GP / at MMG_DAY=730 cl;
lsmeans TESTO_GP / at MMG_DAY=1095 cl;
lsmestimate TESTO_GP ’Across all dose levels at 1 yr’ 1 1 1 / divisor=3 at MMG_DAY=365 cl;
lsmestimate TESTO_GP ’Across all dose levels at 2 yr’ 1 1 1 / divisor=3 at MMG_DAY=730 cl;
lsmestimate TESTO_GP ’Across all dose levels at 3 yr’ 1 1 1 / divisor=3 at MMG_DAY=1095 cl;
format TESTO_GP testo.BCA_HIST_N E2_USED_N yes no.MMG_MACH_N machine;
run.
【0236】
モデルステートメントの用語の各々は、前の箇条書きリストの項目を表す。ランダムステートメントは、各患者で経時的に行われた反復測定値を考慮するために使用される。非構造化共分散構造を、それが、SAS(登録商標)における化合物対称性(CS)および自己回帰(AR1)オプションと比較して、わずかに良好な適合性を提供したため、使用した。LSMEANSおよびLSMESTIMATEステートメントを使用して、テストステロン用量層によるMBDのベースラインからの変化を1年、2年、および3年で評価した。表3は、モデルから得られたパラメータの推定値を示す。
【0237】
最初のT+Aiインプラントからの日数、および最初のT+Aiインプラントからの日数と累積テストステロン層との間の相互作用について、統計学的に有意な結果が認められた。具体的には、<500mgの患者と比較して、500mgを超えるテストステロンの蓄積投与量を有する患者において、MBDの大きな減少が経時的に認められた。累積アナストロゾール投与量も0.05(p=0.06)の有意水準に近づき、推定値も、より高い累積アナストロゾール用量においてMBDのより大きな低減を示す。ベースライン%VBDも統計的に有意であり、より高いベースラインスコアは、より大きな観察された変化(%VBDの低減)を有する。
【表3】

【0238】
累積テストステロン層による、MBDの%VBD測定におけるベースラインからの変化の最小二乗平均を、1年、2年、および3年で推定した。以下の表4は、モデルからの結果を示す。強調表示された行は、ゼロと統計的に有意差のあるベースラインからの推定された変化を示す(p<0.05)。%VBD最小二乗平均におけるベースラインからの変化の分析は、1年、2年、および3年で推定する。
【表4】

【0239】
AVBDによって測定したMBDの低減におけるT+Aiの効能
%VBD MBD測定値を使用して行われた分析に加えて、従属変数としてベースライン絶対体積乳房密度(AVBD)からの変化を用いて、この実施例で前述した同じモデルを使用して補完的分析を行った。使用した従属変数のリストに対する他の唯一の変更は、ベースライン%VBDをベースラインAVBDに置き換えたことだった。AVBDモデルからの最小二乗平均推定値を以下の表5に示す。再度、統計的に有意な値が、強調表示された行に示される。有意性のある値は、最初のT+Aiインプラント後の2年および3年で700mg+累積テストステロン群の値のみだった。ベースラインAVBD推定値からの変化は、2年および3年でそれぞれ-22cmおよび-60cmだった。
【表5】

【0240】
効能の結論
T+Ai療法の開始前および開始後の両方で撮影されたマンモグラムを有する142名の患者から得られたマンモグラム情報を使用して、T+Ai療法による介入後の%VBDおよびAVBDの両方のベースラインMBD測定値から統計的に有意な変化があった。
【0241】
MBDを%VBDで測定した場合、累積テストステロン投与量が700mg+の患者で、療法開始後1年の推定変化は-1.87、療法開始後2年の推定変化は-2.34、療法開始後3年の推定変化は-2.82だった。累積テストステロン投与量が500~<700mgの患者では、療法開始後1年の推定変化は-1.12(p=0.09)、療法開始後2年の推定変化は-1.69、療法開始後3年の推定変化は-2.26だった。
【0242】
MBDをAVBDによって測定した場合、有意の値は、最初のT+Aiインプラント後の2および3年での700mg+累積テストステロン群におけるものだった。ベースラインAVBD推定値からの変化は、2年および3年でそれぞれ-22cmおよび-60cmだった。
【0243】
実施例2における大部分の女性は、インプラント当たり2mgのアナストロゾールの用量を受けた。この用量は、副作用を回避するため、できるだけ低い用量を維持することを試みるために選択された。この投与時の効能は有効だったが、実施例2は、MBDの変化を評価する際に、累積アナストロゾール投与量が関心対象となる変数であることを示す(p=0.06)。累積アナストロゾール用量の大きい値は、MBDにおけるベースラインからの大きい変化(ベースラインからの減少)と関連した。驚くべきことに、そして予期せぬことに、実施例1に示されるアナストロゾールのPKおよびPDは、高い用量のアナストロゾール(インプラント当たり4mg)を使用して、効能を達成し、また本明細書に開示されるアロマターゼ阻害剤と関連付けられる副作用を回避または最小限に抑え得ることを示す。
【0244】
実施例3:モデリングアプローチを使用したアナストロゾールの薬物動態プロファイル
この実施例は、最適なインプット機能を評価するためにモデリングアプローチを使用したアナストロゾールの薬物動態プロファイルの分析を提供し、実施例1に示される治験の吸収を説明する。表6は、アナストロゾールおよびテストステロンのサンプリング計画を示す。少なくとも8mLの血液試料を、表6に指定された各時点で静脈穿刺によって、血清テストステロン/DHTおよび血漿アナストロゾールのために収集した。図7A~Bは、アナストロゾール吸収率を示す。これらの図におけるデータは、平均+/-標準偏差として示される。図7Aは、Y軸を対数目盛で示す。図7Bは、Y軸を均等目盛で示す。図は、実施例1の表2に要約したペレット吸収データを使用して作成した。ベースラインからの変化率を平均体積について計算し、数ヶ月単位の期間に対してプロットした。図8A~Bは、インプランテーション後の血漿アナストロゾール濃度をプロットする。図8Aにおいて、X軸上のデータは、埋め込み後の期間(時間)でプロットされる。図8Bでは、X軸は対数目盛である。図8A~Bにおいて、白丸は観察されたデータに等しく、黒色実線はPKプロファイルの中央値に等しく、暗灰色破線は定量化の下限(0.1ng/mL)に等しい。図9は、インプランテーション後の観察頻度を示す。データの約15%は、定量化の下限(BLQ)より低かった。BLQ濃度は、投与前またはインプランテーションの1000時間後のいずれかで観察された。
【表6】

【0245】
この実施例では、集団モデリングアプローチを使用して、アナストロゾールのPKを特徴付ける。1コンパートメントモデルおよび2コンパートメントモデルをデータに適合させた。いくつかの吸収モデルが試験され、例えば、一次およびゼロ次、複合次、ならびに移行コンパートメントなどである。モデルの選択は、統計的基準(客観的機能)ならびに診断プロットの目視検査に基づいて実施した。図10は、試験したモデルのフローチャートを示す。この実施例で使用した最終構造モデルを図11に示す。この実施例は、データに適合する最良のモデルが、二重インプットによって説明される吸収を有する2コンパートメント配置モデルだったことを示す。対象間変動(BSV)は、見かけのクリアランス(CL/F)、中央コンパートメントの見かけの分布体積(Vc/F)、および一次吸収率定数(KA)に含まれた。比例誤差モデルを使用して、原因不明の残存変動(RUV)を説明した。
【0246】
以下の表7は、アナストロゾールのパラメータ推定値を提供する。パラメータは、Vc/Fにおける対象変動項を除外して、良好な精度(RSE<30%)で推定されたが、見かけのコンパートメント間クリアランス(Q/F)は、利用可能なデータを考慮すると許容されると考えられた。CL/Fのモデル推定値は1.77L/時であり、実施例1の表2に示す1.88L/時のNCAからの推定値に匹敵する。
【表7】

【0247】
図12A~Bは、集団および個別の予測を示す。図12Aは、集団予測を示す。図12Bは、個別予測を示す。明灰色の線はアイデンティティの線を表し、暗灰色の線はデータの傾向(Loess平滑化)を示す。図12Bの傾向線におけるテーリングは、BLQデータが削除されるため、予測されている。全体的に、モデルは最小限のバイアスで、データを十分に予測する。集団予測濃度は、典型的な患者の代表である。個別の予測濃度は、事後ベイズ/個別化予測である。図13(ID:1~11)は、アナストロゾールの観察および予測される血漿濃度の個別プロットを示す。データは、公称時間でプロットされた。黒色破線は集団モデル予測に等しく、灰色実線は個別モデル予測に等しく、丸は個別の観測データに等しい。最終モデルを使用して、データセットの1000回の複製をシミュレートして、モデルシミュレーション特性を検証した。シミュレーションデータから、中央値周辺の95%CI、ならびに10パーセンタイルおよび90パーセンタイルの予測間隔を算出した。次に、観察データの中央値、10パーセンタイル、および90パーセンタイルをシミュレーションデータに重ね合わせてモデルを検証した。
【0248】
図14は、インプランテーション後のアナストロゾール濃度の視覚的予測チェック(VPC)を示す。VPCは、観察データがモデルからのシミュレーションデータによって良好に捕捉されたことを示す。X軸およびY軸は対数目盛である。黒色破線=観察された10パーセンタイルおよび90パーセンタイル、黒色実線=観察された中央値、灰色陰影領域=80%の予測間隔、明灰色破線=定量化の下限。
【0249】
図15A~Bは、1コンパートメントモデル対2コンパートメントモデルを示す。図15Aは、一次を有する1コンパートメント配置を表す。図15Bは、二重インプットを有する2コンパートメント配置を表す。1コンパートメントモデル(図15A)において時間に対する条件付き加重残差(CWRES)の分布は、排除段階で誤った仕様があったことを示す。対照的に、2コンパートメントモデル(図15B)は、経時的なCWRES分布が均一に分布していることを示す。
【0250】
図16は、患者10について異なるインプットモデルからの予測を示し、単一の一次インプット(モデル9)、一次およびゼロ次の同時インプット(モデル10)、単一のゼロ次インプット(モデル11)、および二重一次インプット(モデル15 1)を含む。プロットから、二重一次インプット以外のモデルでは、吸収の初期段階を適切に捕捉できないことが明らかだった。
【0251】
概要
本分析は、アナストロゾールPKが、2コンパートメント配置プロファイルに従うことを示す。アナストロゾールの吸収プロファイルは、二重インプットによって十分に説明された。他のインプットモデルは、吸収段階を適切に捕捉できなかった。
【0252】
実施例4:乳房組織弾性
この実施例は、実施例1に示される治験に参加した対象に対するせん断波超音波によって評価される乳房組織弾性における潜在的な影響を検査する。乳房弾性は、せん断波超音波測定によって、1、29、57および85日目に測定した。腺組織弾性および脂肪組織弾性の4つの測定値を、各乳房についてとった。各組織タイプについて8つの測定値の計算した平均は、乳房弾性の概要および分析で使用された値だった。各時点における乳房弾性の概要およびベースラインからの変化の概要を表8に示す。表8は、経時的に徐々に低減した乳房組織の弾性を示し、腺組織ではベースラインから28%、脂肪組織では32%の低減を伴った。
【表8】

【0253】
実施例6:CD36の発現
自己免疫性炎症性乳腺炎(AIM)を有する女性の乳房組織は、アロマターゼおよびエストラジオールが高く、したがってTreg発現が大きく抑制される。AIMを有する女性の乳房組織におけるCD36の誘導は、全身免疫抑制を伴わずに組織特異的免疫抑制をもたらす可能性がある。この実施例は、CD36が、本明細書に記載のアロマターゼ阻害剤と組み合わせたアンドロゲン剤による治療によって正常な乳房組織で発現され得ることを示す。
【0254】
正常な乳房組織は、手術中に採取された3名の閉経周辺期女性から切除された。組織試料は、切除と組織処理との間の最大1時間で、氷上で検査室に輸送された。乳房組織試料を、5mlの200mMグルタミン(SAFC biosciences、Kansas、USA)、5mlの100倍抗生物質/抗真菌剤(Sigma、St Louis、MO、USA)、10μg/mlのインスリン(Sigma、St Louis、MO、USA)、および10μg/mlのヒドロコルチゾン(Sigma、St Louis、MO、USA)を補充した培地(フェノールレッドフリーRPMI、SAFC biosciences、Kansas、USA)で洗浄して、過剰な血液を除去した。
【0255】
各組織試料の代表的な一片を、直ちにリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の4%ホルマリン中に4℃で一晩固定し、続いて、自動組織プロセッサー(Sakura Tissue-Tek VIP、USA)およびパラフィンワックス包埋を使用して脱水した。ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色切片を使用して、組織病理を評価した。残りの新鮮な組織を、小さな(約3×3×1mm)片に切断し、1cmゼラチンスポンジ(Spongostan、Johnson&Johnson、Skipton、UK)上に三重測定で配置し、これを、24ウェル組織培養プレート(BD Biosciences、NJ、USA)中の10%デキストランコーティングしたチャコール剥離された仔牛胎児血清(DCC-FCS)(SAFC biosciences、Kansas、USA)を含有する処理培地に予浸し、次いで半分沈めた。次に、組織試料を、0.1%エタノール、5nMのテストステロン、および25ng/mlのアナストラゾールのビヒクル中で24時間培養した。
【0256】
溶解緩衝液(1%Triton X-100、50mMのKCl、25mMのHEPES、pH7.8、10mg/mLのロイペプチン、20mg/mLのアプロチニン、125mMのジチオスレイトール、および1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリド)中で、48Cでの超音波処理によって、ウエスタンブロッティング全細胞溶解物および対照脂肪組織を調製し、同じウエスタンブロット上で分析した。全タンパク質の試料50mgを、50mlのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-メルカプトエタノール試料緩衝液と混合し、10分間煮沸した後、タンパク質を7.5%SDSゲル上で分離し、フッ化ポリビニリデン膜に移した。次いで、膜を0.5%Tween-20を含有するリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の5%脱脂乳を使用して室温で1時間ブロッキングし、PBSで希釈されたヒトCD36に対する抗体およびPBS中に希釈されたホースラディッシュペルオキシダーゼ共役体化二次抗体(Jackson Immunoresearch)で免疫ブロットし、続いて、化学発光試薬(Amersham Bioscience、Buckinghamshire、England)で検出した。バンド密度は、Image Master VDSおよびImage Quant Analysis Software(Amersham Pharmacia Biotech、Hong Kong)を使用して、デンシトメトリーによって測定した。乳房調製物からの最初の総タンパク質溶解物におけるCD36およびβ-アクチンの相対的なタンパク質レベルを得た。CD36タンパク質発現をβ-アクチンタンパク質発現に対して正規化した。宿主を免疫して、ヒトCD36の配列から誘導される合成ペプチドによる抗体を産生し、ペプチド親和性クロマトグラフィーによって精製し、対照ペプチドを使用して確証した。3例の外植片試料におけるウエスタンブロット分析CD36タンパク質の結果を、図17にベースライン時および24時間の培養後について示す。細胞溶解物をCD36に対する抗体で免疫ブロットした。実験を2回実施して、同様の結果を得た。データは、アクチンと比較して表される。両側スチューデントt検定は、p=0.00757で有意性を示した。結果を以下の表9に示す。
【表9】

【0257】
CD36の増加は、線維芽細胞の脂肪細胞(脂肪)への変換を増加させる。脂肪細胞(脂肪)は半流体であり、そのため、より大きな弾性を有する。本実施例は、アンドロゲン剤テストステロンをアロマターゼ阻害剤アナストロゾールと併用した治療後に、正常な乳房組織におけるCD36の顕著な増加を示す。CD36発現の増加は、乳房硬度の低減と関連する。本明細書に記載されるように、本開示の特定の実施形態は、アンドロゲン剤とアロマターゼ阻害剤との併用療法を使用して、CD36を増加させ、乳房硬度を低減させることに関する。
【0258】
上記は、テストステロンとアロマターゼ阻害剤との組み合わせが、CD36を誘導するのに非常に有効であることを正常乳房組織において示しており、CD36が、手術で採取され、外植で増殖した正常乳房組織の処理によって大きく誘導されることを示すウエスタンタンパク質ブロットで実証されている。
【0259】
実施例7:特発性炎症性巨乳症
軽度から中等度の巨乳症に関連する特発性炎症性乳腺炎を有する4名の患者を、以下に考察されるように、本開示に従って治療した。
【0260】
患者1:42.03416971
症状
38歳のカイロプラクターで、急速な乳房の拡大「サイズの倍化」、乳輪周辺炎症を有し、市販の鎮痛剤およびNSAIDに応答せず、患者の働く能力に影響を与える2ヶ月にわたる重度の一定の疼痛を有する。
【0261】
発病前のブラカップサイズ
患者は、ブラカップのサイズが32Aであり、発病後にブラを着用することができなかった。
【0262】
既往歴
経口避妊薬によって部分的にコントロールされている重度の月経前不安障害を有する患者に含まれ、症状の2年前に経口避妊薬の服用を中止しており、2回の妊娠および2回の生児出生を伴う規則的な28日サイクルを有した。重度の産後関節炎-未診断-1年後に安定し、異常な血液パラメータは認められなかった。
【0263】
発病前VAS疼痛スケール:95mm
治療
実施例1に記載のように、80mgのテストステロンおよび4mgのアナストロゾールの皮下インプラントペレットを3ヶ月間、さらに3ヶ月間を2回繰り返した
【0264】
結果
i.4週でVAS疼痛スケール10mm
ii.4週で炎症が検出できない
iii.線維腺組織低減71%
iv.発病前のサイズに戻る乳房体積低減58%
v.療法中止後、引き続く3年間にわたり継続したMRIにいて極端な背景実質増強の完全な反転
vi.SAEなし
vii.BMIに変化なし
【0265】
治療前後の患者の乳房のマンモグラムを図19Aに示し、治療前、治療後に続く3年間のMRI画像を図19Cに示す。乳房体積および密度測定値を図19Bに示す。
【0266】
患者2:42.09761311
症状
42歳の看護師で、乳房の急速な拡大-「非常に硬い」、びまん性炎症を有し、市販の鎮痛剤およびNSAIDに応答せず、仕事および家庭生活-馬にのることができない-に影響を与える4ヶ月にわたる重度の一定の疼痛を有する。左乳房は右乳房より非常に大きかった。
【0267】
ブラカップサイズ:発病前
患者は、ブラカップのサイズが36Cであり、発病後にブラを着用することができなかった。彼女は、スポーツブラを一日中、就寝まで着用した。
【0268】
既往歴
規則的な28日サイクル、重度の子癇前症を伴う2回の妊娠および2回の生児出生、入院を含む分娩後の抑うつ、血液パラメータの異常は認められなかった。
【0269】
発病前VAS疼痛スケール:100mm
治療
80mgのテストステロンおよび4mgのアナストロゾールの皮下インプラントペレットを3ヶ月間、さらに3ヶ月間を2回繰り返した。
【0270】
結果
i.4週でVAS疼痛スケール15mm
ii.4週で炎症が検出できない
iii.線維腺組織低減41%
iv.発病前のサイズに戻る乳房体積低減10%
v.SAEなし
vi.BMIに変化なし
vii.乳房形成術なし
【0271】
治療前および治療後の患者の乳房のマンモグラムを図20Aに示す。乳房体積および密度測定値を図20Bに示す。
【0272】
患者3:42.09761311
症状
37歳の弁護士で、乳房の急速な拡大-特に乳首の周りの炎症を有し、市販の鎮痛剤およびNSAIDに応答せず、仕事および家庭生活に影響を与える2ヶ月にわたる重度の一定の疼痛を有する。
【0273】
ブラカップサイズ
発病前の34Cは、発病後にブラを着用することができず、スポーツブラを一日中、就寝まで着用した。
【0274】
既往歴
妊娠のない規則的な28日サイクル、中度の子宮内膜症、血液パラメータに異常は認められなかった。
【0275】
発病前VAS疼痛スケール:100mm
治療
実施例1に記載のように、80mgのテストステロンおよび4mgのアナストロゾールの皮下インプラントペレットを3ヶ月間、さらに3ヶ月間を2回繰り返した。
【0276】
結果
i.4週でVAS疼痛スケール0mm
ii.4週で炎症が検出できない
iii.線維腺組織低減52%
iv.発病前のサイズに戻る乳房体積低減32%
v.SAEなし
vi.BMIに変化なし
vii.乳房形成術なし
【0277】
治療前および治療後の患者の乳房のマンモグラムを図21Aに示す。乳房体積および密度測定値を図21Bに示す。
【0278】
患者4:42.83593371
症状
41歳の警察官で、乳房の急速な拡大-「非常に硬い」、びまん性炎症を有し、市販の鎮痛剤およびNSAIDに応答せず、患者の仕事および家庭生活-Kevlar保護キットを着用できない-に影響を与える1ヶ月にわたる重度の一定の疼痛を有する。
【0279】
ブラカップサイズ
発病前の36B、発病後にブラを着用することができず、スポーツブラを一日中、就寝まで着用した。
【0280】
既往歴
妊娠のない規則的な28日サイクル、複数回手術した重度の子宮内膜症、血液パラメータに異常は認められなかった。
【0281】
発病前VAS疼痛スケール:100mm
治療
実施例1に記載のように、80mgのテストステロンおよび4mgのアナストロゾールの皮下インプラントペレットを3ヶ月間、さらに3ヶ月間を2回繰り返し、乳房形成術、そして上記3ヶ月間のさらに2回の術後治療。
【0282】
結果
i.4週でVAS疼痛スケール0mm
ii.4週で炎症が検出できない
iii.線維腺組織低減36%
iv.発病前のサイズに戻る乳房体積低減23%
v.MRIの極端な背景実質増強の完全な逆転
vi.SAEなし
vii.BMIに変化なし
【0283】
治療前および治療後の患者の乳房のMRI画像を図22Aに示し、治療前および治療後のマンモグラフィー画像を図22Bに示す。乳房体積および密度測定値を図22Cに示す。
【0284】
実施例8:自己免疫性炎症性乳腺炎の治療
患者:42.04033771
症状
24歳の理学療法士で、乳房の急速な拡大-「非常に痛い」、びまん性炎症および4ヶ月にわたる重度の一定した疼痛-仕事ができず、以下に応答しなかった。
i.市販の鎮痛剤およびNSAID
ii.OCP
iii.経口プロゲステロン
iv.ダナゾール
v.LhRhアゴニスト
【0285】
ブラカップサイズ
発病前の36Bが36EEに拡大した。
【0286】
既往歴
産科/婦人科の既往歴には、ゾラデックスによる不規則な28日サイクル-無月経が含まれ、妊娠はなかった。血液パラメータに異常は認められなかった。
【0287】
発病前VAS疼痛スケール:100mm
治療
3ヶ月間の100mgのテストステロンおよび3mgのアナストロゾールの皮下インプラントペレット、乳房縮小術を実施し、次いで、上記3ヶ月間のさらに2回の術後治療。
【0288】
結果
i.4週でVAS疼痛スケール50mm
ii.炎症は4週で有意に低下した
iii.マンモグラム高密度およびMRIの極度の背景乳腺造影効果が逆転した。
iv.SAEなし
v.BMIの変化なし
vi.その後、重症筋無力症と診断された
【0289】
治療前の患者の乳房のマンモグラフィー画像を図23Aに示す。治療後のMRI画像を図23Bに示す。
【0290】
実施例9:形質細胞性乳腺炎の治療
形質細胞性乳腺炎は、乳輪下乳管の自己免疫性炎症性破壊プロセスであり、複数の瘻孔をもたらし、必然的に外観を損じる手術となり、再発の高いリスクをもたらす。この状態に対する治療は、顕著な制限を有する手術以外には知られていない。形質細胞性乳腺炎は、炎症促進性サイトカインを分泌する炎症細胞を伴う乳管系の侵害によって例示される。最近では、IL-6炎症性経路がこの炎症プロセスにおいて重要であり、形質細胞性乳腺炎の治療のために標的化される潜在的なメカニズムとして標的化されていることが実証されている(Liu,2020)。女性の乳房は、IL-6レベルの低減におけるテストステロンによる治療に極めて応答性(53%の低減)である細胞を有することが実証されている(Guhl,2012)。
【0291】
43歳の元気で健康な女性は、最初の段階で抗生物質療法に応答していなかった複合体の右乳首領域の周囲に複数の瘻孔を示し、その後、高用量のコルチコステロイドおよび外科的処置としての全管切除は、短期的な寛解をもたらしただけだった。著しい炎症が、乳輪の端に4時の位置で4つの瘻孔を有する右乳首乳輪複合体の周囲にあった。0~10cmの視覚的アナログ疼痛スケールで8を測定した著しい疼痛があった。T+AI療法が開始され、80mgのテストステロン、4mgのアナストロゾールの皮下インプラントを受けた。3週間以内に、視覚的アナログ疼痛スケールは3に下がり、乳輪周囲の発赤のいくらかの解消があった。同じ強度の3つのインプラントを挿入した11ヶ月後、瘻孔形成の完全な解消があり、関連する疼痛はなかった。12ヵ月後のフォローアップでは、疾患の再発の証拠がないことが示された。
【0292】
実施例10:肉芽腫性乳腺炎
肉芽腫性乳腺炎は、乳房小葉の周囲で起こる炎症のため、肉芽腫性小葉乳腺炎としても知られている。それは乳房組織における自己免疫性炎症性乳腺炎の発現であり、肉芽腫形成、炎症、および瘻孔形成をもたらす。この状態に対する既知の治療法はなく、女性は頻繁に複数の手術を受け、かつ/または免疫抑制治療を受ける。
【0293】
32歳の女性が、組織学的に証明された肉芽腫性乳腺炎の治療の6か月後に、セカンドオピニオンを示した。彼女は抗生物質、コルチコステロイド、メトトレキサートが与えられており、瘻孔を除去する手術を受けていた。これらのすべては、大きな反応性腋窩リンパ節を有する肉芽腫形成の複数の領域を示す2017年7月23日に撮影されたMRIによって実証されるように、失敗していた。
【0294】
最初のMRIと2018年5月23日に撮影された2回目のMRIとの間に、実施例1に記載されるようなテストステロン80mgおよびアナストロゾール4mgの3つのインプラントが挿入された。炎症は急速に低減し、残りの1つの瘻孔は3ヶ月かけて治癒した。圧痛および乳房の不快感が5ヶ月間続き、その後ゆっくりとおさまった。2018年5月23日の臨床検査では、以前の手術による乳房のわずかな瘢痕のみが明らかにされたが、その他の異常は示されなかった。彼女は、2020年2月にレビューされたとき、無病が続いていた。
【0295】
治療前の患者の乳房のマンモグラフィー画像を図24Aに示す。治療後に得られたMRI画像を図23Bに示す。
【0296】
他の例示的な非限定的な実施形態。
【0297】
特許請求される主題のさらなる利点は、特許請求される主題の特定の実施形態を説明する以下の例から明らかとなるであろう。
【0298】
A 例
1A.
有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む、医薬製剤であって、
医薬製剤が対象への皮下投与で、アンドロゲンについて血清濃度、およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
対象の血清または血漿中の徐放性多相濃度パターンが、
アンドロゲンが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲンが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む、医薬製剤。
【0299】
2A.
有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む、医薬製剤であって、
医薬製剤が、ペレットに圧縮され、
ペレットが対象への皮下投与で、アンドロゲンについて血清濃度、およびアロマターゼ阻害剤については血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
対象の血清または血漿中の徐放性多相濃度パターンが、
アンドロゲンが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲンが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む、医薬製剤。
【0300】
3A.
有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む、医薬製剤であって、
製剤が対象への皮下投与で、アンドロゲンについて血清濃度、およびアロマターゼ阻害剤について血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
対象の血清または血漿中の徐放性多相濃度パターンが、
アンドロゲンが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲンが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
アンドロゲンが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、アンドロゲン剤の濃度より低くなる、第3の期間と、
アンドロゲンが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む、医薬製剤。
【0301】
4A.
有効量のアンドロゲン剤、有効量のアロマターゼ阻害剤、および結合剤を含む、医薬製剤であって、
医薬製剤が、ペレットに圧縮され、
ペレットが対象への皮下投与で、アンドロゲンについて血清濃度、およびアロマターゼ阻害剤については血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
対象の血清または血漿中の徐放性多相濃度パターンが、
アンドロゲンが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
アンドロゲンが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
アンドロゲンが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、アンドロゲン剤の濃度より低くなる、第3の期間と、
アンドロゲンが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む、医薬製剤。
【0302】
5A.
60mg~120mgのテストステロン、またはそのエステル、4mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、およびステアリン酸を含む、医薬製剤であって、
医薬製剤が、4.25mm~4.75mmの直径、および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、
ペレットが対象への皮下投与で、テストステロンまたはそのエステルについては血清濃度、およびアロマターゼ阻害剤については血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
徐放性多相濃度パターンが、
テストステロンまたはそのエステルが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、を含む、医薬製剤。
【0303】
6A.
60mg~120mgのテストステロン、またはそのエステル、4mg~6mgのアロマターゼ阻害剤、およびステアリン酸を含む、医薬製剤であって、
医薬製剤が、4.25mm~4.75mmの直径、および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、
ペレットが対象への皮下投与で、テストステロンまたはそのエステルについては血清濃度、およびアロマターゼ阻害剤については血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
徐放性多相濃度パターンが、
テストステロンまたはそのエステルが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、テストステロンまたはそのエステルの濃度より低くなる、第3の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む、医薬製剤。
【0304】
7A.徐放性多相濃度パターンが、
テストステロンまたはそのエステルが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、テストステロンまたはそのエステルの濃度より低くなる、第3の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アロマターゼ阻害剤が、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、をさらに含む、例1A、2A、または5Aに記載の医薬製剤。
【0305】
8A.第1の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、一次放出を示す、例1A~7Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0306】
9A.
第1の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、例1A~8Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0307】
10A.第2の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、例1A~9Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0308】
11A.第2の期間中に、テストステロンまたはそのエステルが、ゼロ次放出を示さない、例1A~10Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0309】
12A.第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、例1A~11Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0310】
13A.第3の期間中に、テストステロンまたはそのエステルが、ゼロ次放出を示さない、例1A~12Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0311】
14A.第3の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、一次放出を示す、例1A~13Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0312】
15A.第3の期間中に、テストステロンまたはそのエステルが、一次放出を示す、例1A~14Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0313】
16A.第4の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、ゼロ次放出を示さない、例1A~15Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0314】
17A.第4の期間中に、テストステロンまたはそのエステルが、ゼロ次放出を示さない、例1A~16Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0315】
18A.第4の期間中に、アロマターゼ阻害剤が、一次放出を示す、例1A~17Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0316】
19A.第4の期間中に、テストステロンまたはそのエステルが、一次放出を示す、例1A~18Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0317】
20A.第1の期間が、アンドロゲンが血清中の第1の濃度ピーク(Tmax)を有する直後に終了する、例1A~19Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0318】
21A.第1の期間が、5時間~14時間で終了する、例1A~20Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0319】
22A.第1の期間が、5.5時間~13時間で終了する、例1A~21Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0320】
23A.第2の期間が、アロマターゼ阻害剤がそのTmaxを有する直後に終了する、例1A~22Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0321】
24A.第2の期間が、23時間~80時間で終了する、例1A~23Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0322】
25A.医薬製剤が、インプラントである、例1A~24Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0323】
26A.インプラントが、圧縮されたペレットである、例1A~25Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0324】
27A.医薬製剤が、経皮パッチである、例1A~24Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0325】
28A.インプラントが、対象に皮下によって投与される、例1A~25Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0326】
28A.圧縮されたペレットが、対象に皮下によって投与される、例1A~26Aのうちの1つ以上に記載の医薬製剤。
【0327】
B 例
1B.
約80mgのテストステロンまたはそのエステル、約4mgのアナストロゾール、および約2mgのステアリン酸を含む、医薬製剤であって、
医薬製剤が、4.4mm~4.6mmの直径、および4mm~7mmの長さを有するペレットに圧縮され、
ペレットが対象への皮下投与で、テストステロンまたはそのエステルについて血清濃度、およびアナストロゾールについて血漿濃度によって測定されるとき、経時的に対象の血液において徐放性多相濃度パターンを提供し、
徐放性多相濃度パターンが、
テストステロンまたはそのエステルが、血清中に第1の濃度ピーク(Tmax)を有し、アナストロゾールが、血漿中で濃度が増加しているが、血漿中のそのTmax濃度より低い、第1の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、最初に、低下する血清レベル濃度、次いで、増加する血清レベル濃度を有し、アナストロゾールが、血漿中にそのTmax濃度を有する、第2の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、Tmax未満である血清中の第2のピーク濃度を有し、アナストロゾールが、血漿中で濃度が徐々に低下する、第3の期間であって、第3の期間中に、アナストロゾールが、テストステロンまたはそのエステルの濃度より低くなる、第3の期間と、
テストステロンまたはそのエステルが、徐々に低下する血清レベル濃度を有し、アナストロゾールが、血漿中に徐々に低下する濃度を有し、両方の低下するレベルが互いにほぼ平行する、第4の期間と、を含む、医薬製剤。
【0328】
特定の実施形態が本明細書に示され、説明されているが、かかる実施形態が例としてのみ提供されることは、当業者には明白であろう。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内の方法および構造がそれによって網羅されることが意図される。
【0329】
特定の実施形態の前述の説明では、明確にするために、特定の用語が用いられている。しかしながら、本開示は、そのように選択される特定の用語に限定されるものではなく、各特定の用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の方法で動作する他の技術的均等物を含むと理解されるべきである。「左」および「右」、「前」および「後」、「上」および「下」などの用語は、参照点を提供するための便宜上の用語として使用され、限定的な用語として解釈されるべきではない。
【0330】
本明細書において、「含む(comprising)」という単語は、その「開いた(open)」意味、すなわち、「含む(including)」という意味で理解されるべきであり、したがって、その「閉じた(closed)」意味、すなわち、「からのみなる(consisting only of)」という意味に限定されない。対応する意味は、それらが出現する場合、対応する単語「含む(comprise)」、「含む(comprised)」、および「含む(comprises)」に帰属する。
【0331】
加えて、上記は、本発明のいくつかの実施形態のみを説明しており、変更、修正、追加、および/または交換は、開示された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく行われてもよく、実施形態は例示的であり、制限的ではない。
【0332】
本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に本発明の趣旨および範囲内に含まれる種々の変更および同等の構成を網羅することが意図されていることを理解されたい。また、上述の様々な実施形態は、他の実施形態と併せて実施され得、例えば、1つの実施形態の態様は、さらに他の実施形態を実現するために別の実施形態の態様と組み合わせられ得る。さらに、任意の所与の組み立てのそれぞれの独立した特徴または構成要素は、追加の実施形態を構成し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図24A
図24B
【国際調査報告】