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特表2022-535877医療データをナビゲートするための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】医療データをナビゲートするための方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/70 20180101AFI20220803BHJP
   G16H 50/50 20180101ALI20220803BHJP
【FI】
G16H50/70
G16H50/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572323
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 EP2020064719
(87)【国際公開番号】W WO2020245003
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19179139.1
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】リゴズィオ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】プリコプ,ルミニタ
(72)【発明者】
【氏名】コルマクソン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】チュワン,ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】チュ,シュアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,デイビッドエー
(72)【発明者】
【氏名】ポルナラ,エフィー
(72)【発明者】
【氏名】フリュー,ジェニファー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
本発明は、コンピューター実装方法を含み、コンピューター実装方法は、医療データセットを提供するステップであって、医療データセットは、複数の患者のデータを備え、少なくとも1つの疾患に関係する、ステップと、データセットの中のデータを、データが関係する人体の対応する部分に関連付けるステップと、人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現(1)をディスプレイデバイスに表示するステップと、前記グラフィック表現(1)の異なる部分に関連付けられる複数の活性化可能ボタン(2)をディスプレイデバイスに表示するステップと、複数の活性化可能ボタン(2)のうちの1つを活性化させるユーザー入力を受信するステップと、活性化に基づいて、ユーザー入力によって活性化させられる活性化可能ボタン(2)が関係する人体のその部分に関連付けられたデータ(4)のグラフィック表現を、ディスプレイデバイスに表示するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療データセットを提供するステップであって、前記医療データセットは、複数の患者のデータを備え、少なくとも1つの疾患に関係する、ステップと;
前記データセットの中の前記データを、前記データが関係する人体の対応する部分に関連付けるステップと;
前記人体のまたは前記人体の一部分のグラフィック表現(1)をディスプレイデバイスに表示するステップと;
前記グラフィック表現(1)の異なる部分に関連付けられる複数の活性化可能ボタン(2)を前記ディスプレイデバイスに表示するステップと;
前記複数の活性化可能ボタン(2)のうちの1つを活性化させるユーザー入力を受信するステップと;
活性化に基づいて、前記ユーザー入力によって活性化させられる前記活性化可能ボタン(2)が関係する前記人体のその部分に関連付けられた前記データ(4)のグラフィック表現を、前記ディスプレイデバイスに表示するステップと
を含む、コンピューター実装方法。
【請求項2】
前記コンピューター実装方法は、前記活性化可能ボタン(2)の前記活性化に応答してコンテキストメニュー(3)を表示するステップをさらに含み、前記コンテキストメニュー(3)は、前記データ(4)の前記グラフィック表現を決定するために、および/または、前記人体の前記それぞれの部分に関連付けられる前記データのサブセットを選ぶために、選択肢のセットを提供する、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項3】
前記データ(4)の前記グラフィック表現は、1つまたは複数のチャートを含む、請求項1または2に記載のコンピューター実装方法。
【請求項4】
前記医療データセットは、時間依存データを含み、前記データ(4)の前記グラフィック表現は、とりわけ、前記データの異なる時間的スナップショットの表現を含み、前記データ(4)の前記グラフィック表現が関係するはずの1つまたは複数の時間的スナップショットを選ぶために、時間的制御要素が、とりわけ、タイムラインの形態で提供される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピューター実装方法。
【請求項5】
前記人体(1)のまたは前記人体の一部分の前記グラフィック表現は、インタラクティブ表現であり、とりわけ、拡大縮小可能なおよび/または回転可能な表現である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピューター実装方法。
【請求項6】
前記医療データセットは、2つ以上の疾患に関係しており、前記方法は、
前記ユーザーが疾患を選択することを可能にするインターフェースを提供するステップと;
前記ユーザー入力によって活性化させられる前記活性化可能ボタン(2)が関係する、前記人体の前記部分に関連付けられる前記データ(4)の前記グラフィック表現を、選択された前記疾患に関係するデータに制限するステップと
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピューター実装方法。
【請求項7】
前記医療データセットは、前記少なくとも1つの疾患を治療するために使用される2つ以上の薬剤に関係しており、前記方法は、
前記ユーザーが薬剤を選択することを可能にするインターフェースを提供するステップと;
前記ユーザー入力によって活性化させられる前記活性化可能ボタン(2)が関係する、前記人体の前記部分に関連付けられる前記データ(4)の前記グラフィック表現を、選択される前記薬剤に関係するデータに制限するステップと
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンピューター実装方法。
【請求項8】
前記データセットの中の前記データを、前記データが関係する前記人体の対応する部分に関連付けるステップは、それぞれの患者の前記データに少なくとも1つの行列を提供するステップであって、前記行列の成分は、前記人体の所定の部分にそれぞれ関連付けられている、ステップと、前記データの少なくとも一部または前記データから導出される量を前記少なくとも1つの行列の中へ入力するステップとを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンピューター実装方法。
【請求項9】
前記データセットの中の前記データを、前記データが関係する前記人体の対応する部分に関連付けるステップは、それぞれの患者に関して解剖学的スコアを受信および/または決定するステップと、前記少なくとも1つの行列の中の成分としてそれらを格納するステップとをさらに含む、請求項8に記載のコンピューター実装方法。
【請求項10】
前記コンピューター実装方法は、機械学習技法および/または人工ニューラルネットワーク、とりわけ、ディープニューラルネットワークを使用して、少なくとも1人の患者の患者レベルデータから解剖学的スコアを決定するステップをさらに含む、請求項9に記載のコンピューター実装方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するように適合されているプロセッサーを含むデータ処理装置。
【請求項12】
インストラクションを含むコンピュータープログラム製品であって、前記インストラクションは、プログラムがコンピューターによって実行されるときに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを前記コンピューターが実施することを引き起こす、コンピュータープログラム製品。
【請求項13】
インストラクションを含むコンピューター可読のストレージ媒体であって、前記インストラクションは、コンピューターによって実行されるときに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法のステップを前記コンピューターが実施することを引き起こす、コンピューター可読のストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療データ、とりわけ、複数の患者のデータを伴う大規模な医療データセットをナビゲートするためのコンピューター実装方法(computer-impremented method)に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、製薬業界において、多数の患者を含む大規模な医療調査が行われている。薬物承認のプロセスに関して、数千人の患者を含む臨床試験が実施される。患者の人口統計、病歴、ベースラインの疾患特質、疾患活動性評価の複合測定値、および患者報告アウトカム(PRO)の形態の臨床データが、異なる時点において、および、長期間にわたって収集される(それは、5年の追跡調査にまで延長する可能性がある)。たとえば、乾癬(psoriatic)または乾癬性関節炎(psoriatic arthritis)を患う患者は、薬剤を使用し始めてから、彼らの関節および/または彼らの皮膚の状態がどのように進展してきたかについて、定期的に検査され得る。
【0003】
結果として生じる時間依存データは、通常、大規模なテーブル(いわゆる、患者レベルデータ)の形態で利用可能である。
【0004】
この膨大な量のデータは、通常、統計解析計画書に基づいて分析され、治験総括報告書(CSR)を作成するために使用され、それは、付録を含めて10,000ページにもなる可能性がある。これらのアウトプットの非常に少ない割合のみが、査読付きのジャーナルに公表され、これらは、主に要約表または統計的検定である。
【0005】
しかし、そのような要約は、それらの解剖学的なおよび/または生理学的な完全性でデータを保存しない。たとえば、乾癬性関節炎に関して、腫れたまたは圧痛のある関節の場所が治療反応に影響を与える可能性があるかどうかという質問が生じる可能性がある。そのような質問は、明らかに、公表された要約を使用して答えられることができない。起こり得る関節痛(78関節)に関する場所の数を所与として、質問に答えるために従来の患者レベルデータを使用することは、実務的に可能であるとしても面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、大規模な医療データセットのデータの効率的な検索および評価を促進させるコンピューター実装方法(computer-impremented method、本願においてコンピューターが実行可能な方法ともいう)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1による方法によって実現される。好適な実施形態は、従属請求項に特定されている。
【0008】
方法は、それらの対応する解剖学的なおよび/または生理学的な文脈において、特定のデータを効率的に検索することを可能にする。そのうえ、それは、医療データセットのインタラクティブな探索のためのフレームワークを提供する。
【0009】
医療データセットは、複数の患者に関して、とりわけ、500人を超える患者に関して、とりわけ、1,000人を超える患者に関して、患者レベルデータを含むことが可能である。それぞれの患者に関して、1つまたは複数の医療データ項目が、医療データセットの中に格納され得る。
【0010】
医療データセットは、とりわけ、臨床データセットであることが可能であり、とりわけ、1つまたは複数の臨床試験からのデータを含む。
【0011】
人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現(graphical representation)は、概略的な表現またはリアルな表現であることが可能である。また、グラフィック表現は、人体の一部分の1つまたは複数の解剖学的に正しい表現、または、全体として人体の解剖学的に正しい表現を含むことが可能である。人体のまたはその部分のグラフィック表現は、2次元(2D)のまたは3次元(3D)の表現であることが可能である。
【0012】
また、人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現は、アニメーション化され得る。とりわけ、人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現は、疾患進行および/または表示されたデータのグラフィック表現に応じて、変化することが可能である。
【0013】
活性化可能ボタン(activatable button)は、ディスプレイデバイスに表示された仮想ボタンである。活性化可能ボタンの形態は、特に制限されない。1つの実施形態によれば、活性化可能ボタンの色および/または形態は、活性化させられるときに変化することが可能である。このように、ユーザーは、活性化させられたボタンを容易に識別することが可能である。
【0014】
活性化可能ボタンは、活性化可能ボタンが関係する人体の特定の部分を表す前記グラフィック表現の部分と重なってまたはそれに隣接してそれぞれ配置され得る。換言すれば、活性化可能ボタンは、グラフィック表現を介して人体の特定の要素に関連付けられ得る。たとえば、活性化可能ボタンは、人体の手または足に関係することが可能であり、一方では、別の活性化可能ボタンは、頭または肩に関係する。グラフィック表現がさらなる詳細を提供するかまたは人体の一部分の表現であるときには、活性化可能ボタンは、また、人体のより小さい要素(たとえば、関節、臓器、または血管など)に関係することが可能である。
【0015】
活性化可能ボタンは、とりわけ、前記グラフィック表現のそれぞれの部分に固定され得る。活性化可能ボタンは、グラフィック表現のそれぞれの部分が見えるときに、それらがディスプレイの上に見えるように表示され得る。活性化可能ボタンは、ユーザー入力の後に(たとえば、ズーム動作、または、それぞれのボタンと重なる別のウィンドウの再配置の後に)、前記ボタンがその以前の場所においてもはや見ることができないこととなる場合には、適当な位置に再表示され得る。
【0016】
ユーザーは、任意の適切な方式で、たとえば、タッチセンサー式ディスプレイまたはマウスを使用して、活性化可能ボタンを活性化させることが可能である。
【0017】
方法は、活性化可能ボタンの活性化に応答してコンテキストメニュー(contextmenu)を表示するステップをさらに含むことが可能であり、コンテキストメニューは、データのグラフィック表現を決定するために、および/または、人体のそれぞれの部分に関連付けられるデータのサブセットを選ぶために、選択肢のセットを提供する。このように、データのグラフィック表現のために使用されるデータ、または、前記グラフィック表現の詳細は、さらに絞り込まれ得る。たとえば、医療データセットは、特定の症状を定量化するためのさまざまな測定値を含むことが可能である。コンテキストメニューを使用して、前記測定値のうちの1つが選択され得り、前記測定値におよび人体のそれぞれの部分に関係する医療データセットの中のデータのみが、データのグラフィック表現に考慮に入れられることとなるようになっている。
【0018】
データのグラフィック表現は、1つまたは複数のチャートまたはグラフを含むことが可能である。たとえば、グラフィック表現は、円グラフ、棒グラフ、ボックスプロット、散布プロット、またはドットプロットを含むことが可能である。データのグラフィック表現は、代替的にまたは追加的に、1人もしくは複数の患者の1つもしくは複数の画像、および/または、1人もしくは平均的な患者の1つもしくは複数のリアルな表現を含むことが可能である。たとえば、画像は、患者の皮膚の部分を示すことが可能であり、および/または、リアルな表現の病変が示され得る。
【0019】
データのグラフィック表現は、とりわけ、たとえば、時間的疾患進行を示す1つまたは複数のチャート、グラフ、および/またはテーブルを介して、時間的疾患進行を示すことが可能である。
【0020】
「リアルな表現」という用語は、1人または複数の患者の写真から取得される画像データを指すが、写真そのものとは異なっている。また、1つまたは複数の画像は、1つまたは複数の解剖学的な画像(たとえば、X線画像、MRI、CTスキャン、および/または血管造影図など)を含むことが可能である。
【0021】
上述のコンテキストメニューを介して、ユーザーは、データのグラフィック表現のために使用される特定のチャートまたはグラフを選択することが可能である。
【0022】
医療データセットは、時間依存データを含むことが可能であり、データのグラフィック表現は、そのデータの異なる時間的スナップショット(temporal snapshot)の表現を含む。このように、少なくとも1つの疾患の症状の時間進展、および/または、特定の薬剤に対する1人または複数の患者の反応が評価され得る。たとえば、一連のチャートまたはグラフは、異なる時間的スナップショットの表現として使用され得る。
【0023】
方法は、データのグラフィック表現のためのデータが関係するはずの時点を選択するために、時間的制御要素(temporal control element)(たとえば、タイムラインなど)を表示するステップをさらに含むことが可能である。方法は、時間的制御要素を介してユーザー入力を受信するステップと、選択された時点に関係するデータのグラフィック表現を表示するステップとをさらに含むことが可能である。たとえば、スライダー要素が提供され得り、それは、タイムラインに沿ってシフトされ、時点を選ぶことが可能である。このように、時間的疾患進行が、ユーザーによって効率的に探索され得る。
【0024】
人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現は、インタラクティブ表現であることが可能であり、とりわけ、拡大縮小可能なおよび/または回転可能な表現であることが可能である。このように、人体の異なる部分に関して、医療データセットを探索することが可能である。人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現は、ズームレベルに応じて、異なるレベルの詳細を表すことが可能である。たとえば、第1のズームレベルにおいて、人体のグラフィック表現は、身体の要素(たとえば、手など)の概略的な図示のみを示すことが可能である。ズームインするときには、このグラフィック表現は、人体の要素のより詳細な表現(とりわけ、解剖学的に正しい表現)に変化することが可能である(たとえば、個々の指および関節に関する表現を含む手など)。追加的な活性化可能ボタンが、グラフィック表現の追加的な要素のために表示され得り、ズームおよび/または回転の後に見ることができるようになる。また、たとえば、ズームまたは回転の後に、グラフィック表現の対応する部分がもはや見ることができない場合には、活性化可能ボタンがディスプレイから除去され得る。
【0025】
医療データセットは、2つ以上の疾患に関係することが可能であり、方法は、
ユーザーが疾患を選択することを可能にするインターフェースを提供するステップと;
ユーザー入力によって活性化させられる活性化可能ボタンが関係する、人体の一部分に関連付けられるデータのグラフィック表現を、選択された疾患に関係するデータに制限するステップと
をさらに含む。このように、医療データセットは、異なる疾患に関して探索され得る。このケースでは、方法は、データセットの中のデータを、データが関係する異なる疾患と関連付けるステップをさらに含むことが可能である。
【0026】
代替的にまたは追加的に、医療データセットは、少なくとも1つの疾患を治療するために使用される2つ以上の薬剤に関係することが可能であり、方法は、
ユーザーが薬剤を選択することを可能にするインターフェースを提供するステップと;
ユーザー入力によって活性化させられる活性化可能ボタンが関係する、人体の一部分に関連付けられるデータのグラフィック表現を、選択される薬剤に関係するデータに制限するステップと
をさらに含む。このように、医療データセットは、異なる薬剤に関して探索され得る。これは、最も適当な薬剤を選択する際にユーザーを補助することが可能である。このケースでは、方法は、データセットの中のデータを、データが関係する対応する薬剤に関連付けるステップをさらに含むことが可能である。
【0027】
人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現は、アニメーション化されるときに、選択された疾患および/または薬剤に応じて変化することが可能である。たとえば、人体のまたは人体の一部分のグラフィック表現は、疾患もしくはその時間的進行、および/または、疾患もしくはその時間的進行に対する選択された薬剤の影響を反映することが可能である。
【0028】
データセットの中のデータを、データが関係する人体の対応する部分に関連付けるステップは、それぞれの患者のデータに少なくとも1つの行列を提供するステップであって、行列の成分は、人体の所定の部分にそれぞれ関連付けられている、ステップと、データの少なくとも一部または前記データから導出される量を少なくとも1つの行列の中へ入力するステップとを含むことが可能である。また、行列は、nx1行列であることが可能であり、それは、本明細書で「ベクトル」と称される。患者ごとに2つ以上の行列が存在することが可能であり、それぞれの行列は、人体の異なる領域に関係している。たとえば、1つの行列は、人体の関節を参照することが可能であり、一方では、第2の行列は、異なる内臓を参照する。それぞれの行列は、所定の時点に関連付けられ得る。したがって、患者レベルデータの時間的進展は、異なる時点にそれぞれ対応する一連の行列に変換することが可能である。
【0029】
データセットの中のデータを、データが関係する人体の対応する部分に関連付けるステップは、それぞれの患者に関して解剖学的スコアを受信および/または決定するステップと、少なくとも1つの行列の中の成分としてそれらを格納するステップとをさらに含むことが可能である。したがって、解剖学的スコアは、医療データセットの中のデータに、または、前記データから導出される量に対応することが可能である。
【0030】
解剖学的スコアは、特定の解剖学的な場所に対して実施される臨床的なアセスメントまたは評価として定義される。関節スコア(腫れ、圧痛)は、解剖学的スコアに関する1つの例である。たとえば、78関節が、乾癬性関節炎においてモニタリングされるので、結果として生じる行列は、78x1行列であることが可能であり、すなわち、78エントリーを伴うベクトルであることが可能である。
【0031】
他の解剖学的スコアも同様に考えられ、それは、たとえば、腱付着部(腱靭帯が骨に付着する場所)についての腱付着部炎スコア、乾癬皮膚スコア(頭、胴体などの上の紅斑)、指炎スコア(指、つま先に関する)、および/または、骨侵食および関節腔狭小化スコア(たとえば、X線から抽出される)である。
【0032】
他の疾患において、解剖学的スコアは、加齢性黄斑変性症(ADM)または糖尿病網膜症を患う患者の網膜の上の浮腫(過剰な流体)、さまざまな心臓弁(場所)における血液速度(たとえば、ドップラー心エコー法によって測定される)、および/または、心不全患者の間での心筋症における壁部厚さに関係する可能性がある。また、解剖学的スコアは、多発性硬化症(MS)患者の脳の中のT2病変に関係する可能性がある。
【0033】
データセットの中のデータを、データが関係する人体の対応する部分に関連付けるステップは、機械学習技法および/または人工ニューラルネットワーク、とりわけ、ディープニューラルネットワークを使用して、少なくとも1人の患者の患者レベルデータから解剖学的スコアを決定するステップをさらに含むことが可能である。解剖学的スコアは、とりわけ、医療用画像(たとえば、X線画像、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、および/または磁気共鳴イメージング(MRI)など)に基づいて決定され得る。
【0034】
データセットの中のデータを、データが関係する人体の対応する部分に関連付けるステップは、それぞれの患者に関する少なくとも1つの行列に基づいて、医療データの統計的量を決定するステップをさらに含むことが可能である。データセットのすべての患者よりも少ない患者のサブセットに基づいて、または、すべての患者に基づいて、統計的量(たとえば、平均、相関、分位数、および/またはクラスタリングなど)が決定され得る。したがって、統計的量は、完全な患者レベルデータから導出され得る。
【0035】
たとえば、関節スコアx1およびx2を有する2人の患者に関して、和x1+x2、または、差x1-x2は、対応する行列またはベクトル演算によってコンピューター計算され得る。その結果は、再び行列またはベクトルになる。
【0036】
統計的量は、人体の一部分に関連付けられるデータのグラフィック表現を決定するために使用され得る。たとえば、対応する平均ベクトルの関節スコアは、人体の概略的な表現の中のそれぞれの関節位置に重ね合わせられたカラーコーディングされた形態で表示され得る。
【0037】
本発明は、上記に説明されている方法のステップを実施するように適合されているプロセッサーを含むデータ処理装置をさらに提供する。
【0038】
本発明は、インストラクションを含むコンピュータープログラム製品をさらに提供し、インストラクションは、プログラムがコンピューターによって実行されるときに、上記に説明されている方法のステップをコンピューターが実施することを引き起こす。
【0039】
本発明は、インストラクションを含むコンピューター可読のストレージ媒体をさらに提供し、インストラクションは、コンピューターによって実行されるときに、上記に説明されている方法のステップをコンピューターが実施することを引き起こす。
【0040】
データセットの中のデータを、データが関係する人体の対応する部分と関連付けるステップに関して上記に説明されているような、医療データセットを構造化するステップは、また、請求項1の方法の他のステップなしに具現化され得る。
【0041】
換言すれば、本発明は、また、複数の患者のデータを備え、少なくとも1つの疾患に関係する、医療データセットを構造化するためのコンピューター実装方法を提供し、その方法は、それぞれの患者のデータに少なくとも1つの行列を提供するステップであって、行列の成分は、人体の所定の部分にそれぞれ関連付けられている、ステップと、データの少なくとも一部または前記データから導出される量を少なくとも1つの行列の中へ入力するステップとを含む。
【0042】
上記に述べられているように、行列は、nx1行列であることが可能であり、それは、本明細書で「ベクトル」と称される。患者ごとに2つ以上の行列が存在することが可能であり、それぞれの行列は、人体の異なる領域に関係している。たとえば、1つの行列は、人体の関節を参照することが可能であり、一方では、第2の行列は、異なる内臓を参照する。それぞれの行列は、所定の時点に関連付けられ得る。したがって、患者レベルデータの時間的進展は、異なる時点にそれぞれ対応する一連の行列に変換することが可能である。
【0043】
医療データセットを構造化するステップは、それぞれの患者に関して解剖学的スコアを受信および/または決定するステップと、少なくとも1つの行列の中の成分としてそれらを格納するステップとをさらに含むことが可能である。したがって、解剖学的スコアは、医療データセットの中のデータに、または、前記データから導出される量に対応することが可能である。
【0044】
解剖学的スコアは、特定の解剖学的な場所に対して実施される臨床的なアセスメントまたは評価として定義される。関節スコア(腫れ、圧痛)は、解剖学的スコアに関する1つの例である。78関節が人体の中に存在しているので、結果として生じる行列は、78x1行列であることが可能であり、すなわち、78エントリーを伴うベクトルであることが可能である。
【0045】
他の解剖学的スコアも同様に考えられ、それは、たとえば、腱付着部(腱靭帯が骨に付着する場所)についての腱付着部炎スコア、乾癬皮膚スコア(頭、胴体などの上の紅斑)、指炎スコア(指、つま先に関する)、および/または、骨侵食および関節腔狭小化スコア(たとえば、X線から抽出される)である。
【0046】
他の疾患において、解剖学的スコアは、加齢性黄斑変性症(ADM)または糖尿病網膜症を患う患者の網膜の上の浮腫(過剰な流体)、さまざまな心臓弁(場所)における血液速度(たとえば、ドップラー心エコー法によって測定される)、および/または、心不全患者の間での心筋症における壁部厚さに関係する可能性がある。また、解剖学的スコアは、多発性硬化症(MS)患者の脳の中のT2病変に関係する可能性がある。
【0047】
医療データセットを構造化するステップは、機械学習技法および/または人工ニューラルネットワーク、とりわけ、ディープニューラルネットワークを使用して、少なくとも1人の患者の患者レベルデータから解剖学的スコアを決定するステップをさらに含むことが可能である。解剖学的スコアは、とりわけ、医療用画像(たとえば、X線画像、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、および/または磁気共鳴イメージング(MRI)など)に基づいて決定され得る。
【0048】
医療データセットを構造化するステップは、それぞれの患者に関する少なくとも1つの行列に基づいて、医療データの統計的量を決定するステップをさらに含むことが可能である。データセットのすべての患者よりも少ない患者のサブセットに基づいて、または、すべての患者に基づいて、統計的量(たとえば、平均、相関、分位数、および/またはクラスタリングなど)が決定され得る。したがって、統計的量は、完全な患者レベルデータから導出され得る。
【0049】
たとえば、関節スコアx1およびx2を有する2人の患者に関して、和x1+x2、または、差x1-x2は、対応する行列またはベクトル演算によってコンピューター計算され得る。その結果は、再び行列またはベクトルになる。
【0050】
本発明は、上記に説明されている方法のステップを実施するように適合されているプロセッサーを含むデータ処理装置をさらに提供する。
【0051】
本発明は、インストラクションを含むコンピュータープログラム製品をさらに提供し、インストラクションは、プログラムがコンピューターによって実行されるときに、上記に説明されている方法のステップをコンピューターが実施することを引き起こす。
【0052】
本発明は、インストラクションを含むコンピューター可読のストレージ媒体をさらに提供し、インストラクションは、コンピューターによって実行されるときに、上記に説明されている方法のステップをコンピューターが実施することを引き起こす。
【0053】
本発明は、複数の患者のデータを備え、少なくとも1つの疾患に関係する、医療データセットの中の患者表現型を識別するためのコンピューター実装方法をさらに提供する。表現型は、観察された臨床的な特質の複合として定義される。方法は、患者のクラスターを識別するステップを含むことが可能であり、ここで、症状の確率は、それぞれのクラスターの中で均質である。換言すれば、それぞれのクラスターは、所定の表現型に関連付けられる患者を含むことが可能である。クラスターは、機械学習技法および/または人工ニューラルネットワーク、とりわけ、ディープニューラルネットワークを使用して識別され得る。
【0054】
患者のクラスターを識別するステップは、とりわけ、階層的クラスタリングアルゴリズム(たとえば、ウォード法)を医療データセットの一部にまたは完全なデータセットに適用するステップを含むことが可能である。
【0055】
方法は、医療データセットの中の臨床的エンドポイントに混合モデルを適用するステップをさらに含むことが可能である。
【0056】
方法は、上記に説明されている方法のいずれかと組み合わせて使用され得る。たとえば、識別されたクラスターは、データのグラフィック表現を決定するために使用され得る。上述の行列は、患者のクラスターを識別するために使用され得る。医療データセットは、上記に識別された特徴のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0057】
方法は、治療学、予後、および臨床的判断において使用され得り、オーダーメイド医療において使用され得る。とりわけ、クラスタリングは、2人の患者がすべての臨床変数にわたって症状の存在の同様の確率を有する場合にのみクラスターを共有するという仮定に基づいている。結果的に、患者が所定のクラスターに割り当てられ得る場合には、クラスターに関する所定の最適化された治療に基づく個別の治療が可能である。
【0058】
有利な実施形態が、ここで、同封された図と組み合わせて説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】人体の例示的なグラフィック表現を図示する図である。
図2】医療データをナビゲートするための例示的な図である。
図3】データの例示的なグラフィック表現を図示する図である。
図4】本発明を実装するために使用可能な例示的なクライアント-サーバーシステムを図示する図である。
図5】ユーザーが疾患を選択することを可能にする例示的なインターフェースを図示する図である。
図6】医療データをナビゲートするためのさらなる例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1において、人体の例示的なグラフィック表現1が示されている。表現1は、3D表現であり、それは、対応するユーザー入力により任意の方向から見られ得る。また、ユーザーは、表現1の所望の領域へズームインすることが可能である。換言すれば、グラフィック表現1は、インタラクティブ表現、とりわけ、回転可能なおよび拡大縮小可能な表現である。また、グラフィック表現1は、「仮想患者」とも称され得る。
【0061】
グラフィック表現1の特定の要素に関連付けられているのは、活性化可能ボタン2である。たとえば、活性化可能ボタン2は、頭に関連付けられており、別のものは、手に関連付けられており、第3のものは、足に関連付けられている。活性化可能ボタン2は、表現1のそれぞれの部分に、ひいては、人体のそれぞれの部分に固定されている。結果的に、グラフィック表現1が変更されるときに、たとえば、回転させられるときおよび/またはスケーリングされるときに、活性化可能ボタン2は、これらの部分が依然として識別可能である限り、表現1のそれぞれの部分と重なってまたはそれに隣接して表示されたままである。
【0062】
活性化可能ボタン2のうちの1つを活性化すると、ボタン2は、その色および/または形態を変化させることが可能である。このように、ユーザーは、活性化させられたボタン、ひいては、人体の関連部分を容易に認識することが可能である。
【0063】
さらに下記に説明されているように、コンテキストメニューが、活性化可能ボタン2の活性化に応答して表示され得る。コンテキストメニューの利用可能性は、それぞれの活性化可能ボタン2に隣接する記号「+」によって示されている。
【0064】
図2は、足およびつま先に関連付けられた活性化可能ボタン2を活性化させた後の例示的な図を図示している。コンテキストメニュー3が表示され、1セットの(この例では、3つの)選択肢を提供している。
【0065】
この図の下には、医療データセットがあり、医療データセットは、複数の患者のデータを備え、少なくとも1つの疾患(とりわけ、乾癬性関節炎)に関するものである。データセットの中のデータは、データが関係する人体の対応する部分に関連付けられている。活性化可能ボタン2の活性化に応答して、ユーザー入力によって活性化させられる活性化可能ボタン2が関係する人体のその部分に関連付けられたデータ4のグラフィック表現が表示される。コンテキストメニュー3は、データ4のグラフィック表現を決定するために、および/または、人体のそれぞれの部分に関連付けられるデータのサブセットを選ぶために、さらに使用され得る。図示されている例では、コンテキストメニュー3は、特定の症状、たとえば、指炎(わずかな発赤および変形を伴って存在する可能性のあるつま先のソーセージのような腫れを指す)に関係するデータのサブセットを選ぶことを可能にする。
【0066】
データセットの中のデータは、少なくとも1つの行列の形態で構造化され得る。行列の中には、指/つま先の指炎スコアが含まれ得る。行列のそれぞれの成分は、別の指/つま先に関係する可能性がある。行列は、単一の患者または平均的な患者に関係する可能性がある。換言すれば、行列は、平均スコアを含む可能性がある。
【0067】
さらに非図示のコンテキストメニューが、1つもしくは複数の疾患、1つもしくは複数の治療、および/または1つもしくは複数のデータソースを選ぶために提供され得る。非図示の時間的制御要素が、たとえば、タイムラインの形態で提供され、データ4のグラフィック表現が関係するはずの1つまたは複数の時点を選ぶことが可能である。
【0068】
図2に図示されている例では、データ4のグラフィック表現は、3つのドーナツチャートを含み、1つは、所与の物質の300mgの用量の薬剤による治療に関するものであり、1つは、同じ物質の150mgの用量の薬剤による治療に関するものであり、1つは、プラシーボによる治療に関するものである。パーセンテージは、その治療に関する指炎消散(DACTYLITIS RESOLUTION)を示している。データ4のそのようなグラフィック表現は、医師が適当な治療を容易におよび効率的に選ぶことを可能にし、または、患者が治癒の見通しを推定することを可能にする。
【0069】
他のチャートも同様に可能である。とりわけ、データ4のグラフィック表現は、基礎となるデータの特徴の時間的進展の異なる時間的スナップショットを図示することが可能である。
【0070】
また、データ4のグラフィック表現は、人体またはその部分の1つまたは複数のグラフィック表現を含むことが可能である。たとえば、カラーコーディングが、症状(たとえば、さまざまな関節に関する関節痛)の重症度を示すために使用され得る。データのそのようなグラフィック表現が、図3に図示されている。3つの時間的スナップショットは、腫れた関節または圧痛のある関節の時間的進展を図示している。
【0071】
また、データセットは、(たとえば、患者の皮膚の)1つまたは複数の写真を含むことが可能である。データ4のグラフィック表現は、(たとえば、治療の間の特定の時点に関して2人以上の患者の、または、治療の間の2つ以上の時点に関して1人の患者の)データセットの高解像度写真の低解像度バージョンを表示することが可能である。ユーザー入力を介して写真を選択すると、高解像度写真が、呼び出されて表示され得る。このように、医療用画像の効率的な検索および呼び出しが可能である。
【0072】
生の医療用画像の代わりに、リアルな表現も提供され得り、および/または、1つまたは複数の解剖学的な画像(たとえば、X線画像、MRI、CTスキャン、および/または血管造影図など)も提供され得る。
【0073】
上記に述べられているように、コンテキストメニュー3は、データが関係するはずの1つまたは複数の疾患を選ぶために使用され得る。図5は、1つまたは複数のそのような疾患を選ぶための代替的なインターフェースを図示している。とりわけ、選択スクリーンが表示され、異なる疾患に関連付けられた(この例では、乾癬性関節炎および乾癬にそれぞれ関連付けられた)2つ以上の選択可能なアイコン5を含むことが可能である。選択可能なアイコン5のうちの1つを選択すると、グラフィック表現は、選択された疾患に関係するデータに制限され得る。加えて、利用可能な活性化可能ボタン2は、選択された疾患に依存することが可能である。
【0074】
図6は、医療データをナビゲートするための別の例示的な図を示している。図2の実施形態にあるように、人体のグラフィック表現1が、データ4のグラフィック表現の隣に表示されている。追加的に、ユーザーが薬剤を選択することを可能にするインターフェース6が提供されている。インターフェース6は、この例では、仮想スイッチであり、それは、それぞれ薬剤Aと薬剤Bとの間で切り替えることを可能にする。仮想スイッチの状態に応じて、データ4のグラフィック表現は、選択された薬剤に関係するデータに制限され得る。
【0075】
そのうえ、時間的制御要素が、図6の例では、とりわけ、タイムライン7の形態で提供されている。データ4のグラフィック表現が関係するはずの時点を選ぶために、スライダー要素8が提供されており、それは、タイムライン7に沿ってシフトされ、時点を選ぶことが可能である。
【0076】
人体のグラフィック表現1は、アニメーション化され得る。たとえば、それは、運動を行い、人間のリアルな印象を生成させることが可能である。とりわけ、人体のグラフィック表現1は、疾患進行および/またはデータの表示されたグラフィック表現に応じて、変化することが可能である。皮膚疾患に関して、たとえば、人体のグラフィック表現1の仮想の皮膚は、所与の時間的スナップショットにおける皮膚の病状を表すことが可能である。
【0077】
説明されている方法は、たとえば、非常に効率的で例示的な様式で、大規模な医療データセット(たとえば、臨床試験に由来するものなど)をナビゲートすることを可能にする。次いで、たとえば、異なる薬剤または異なる適用速度に応じて、人体の特定の部分に関して、たとえば、病状およびそれらの進展を見ることが可能である。これは、適当な治療を選ぶ際に医師を助けることが可能であり、または、疾患のさらなる経過を推定する際に患者を助けることが可能である。
【0078】
本発明は、クライアント-サーバーアーキテクチャーで具現化され得る。代替的に、本発明は、単一のコンピューティングデバイスの上で、すなわち、スタンドアロンのソリューションとして完全に具現化され得る。後者のケースでは、単一のコンピューティングデバイスは、クライアントに関して下記に説明されている特徴のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0079】
リモートサービスのための一般的なクライアント-サーバーアーキテクチャーが、図4に概略的に図示されている。その構成は、1つまたは複数のサーバー200と通信する1つまたは複数のクライアント100を含む。クライアントは、下記に説明されているように、コンピューティングデバイスまたはクライアントデバイスの中に実装され得る。サーバーは、サービスプロバイダーおよび/またはクラウドプロバイダーによって提供されるサーバーデバイスの中に実装され得る。しかし、本開示は、これらの特定の実装形態に限定されるのではなく、ローカルクライアント(デバイス)が、サーバーによってクライアントに提供されるリモートサーバー(デバイス)からのサービスを要求する、任意の構成に適用され得る。代替的に、上述のように、本発明は、ローカルクライアントの中のみに実装され得る。
【0080】
サービスは、単一以上のサーバーまたはサーバーデバイスによって提供され得るが、それ自体が、分散型のシステムアーキテクチャーに依存することも可能であるということが理解される。サーバーは、たとえば、フロントエンドとしてのウェブサーバー、アプリケーションサーバー、およびデータベースサーバーを含むことが可能である。簡単にするために、サービスを提供するリモートエンティティーは、単一のサーバーもしくはサーバーデバイスであるか、または、分散型のもしくはマイクロサービスベースのシステムなどであるかにかかわらず、以下ではサービスプロバイダーと称されることとなる。そのうえ、クライアントは、単一のクライアントまたはクライアントデバイスに限定されるのではなく、それ自体が、分散型のシステムを含むことも可能である。クライアントは、分散型の環境において、たとえば、中間サーバーとして、サーバー自身としてさらに作用することが可能である。クライアントという用語は、上述のアーキテクチャーのいずれかを含むように本明細書では使用されており、エンティティー100(たとえば、クライアントデバイス)がリモートエンティティー200(たとえば、サーバーデバイス)からサービスを受けるということを単に示すに過ぎない。リモートサービスの提供および受信以外の態様に関して、クライアント100およびサーバー200は、役割を交換することさえも可能である。
【0081】
クライアント100およびサービスプロバイダー200は、1つまたは複数のそれぞれのクライアントデータストアおよびサーバーデータストア(図示せず)に動作可能に接続され得り、それは、それぞれのクライアント100およびサーバー200にローカルな情報を格納するために用いられ得る(たとえば、アプリケーションコード、アプリケーションデータ、入力データ、出力データ、および認証データなど)。医療データベースは、たとえば、クライアントデータストアまたはサーバーデータストアの中に格納され得る。
【0082】
クライアント100およびサービスプロバイダー200は、矢印によって示されているように、通信フレームワークを使用して互いの間で情報を通信することが可能である。情報は、安全な通信チャネルを確立するためのキーおよび/または署名などのような認証情報、1つまたは複数のアプリケーション(たとえば、コードまたはバイナリーとして)、リモートアプリケーションの実行のための入力データおよび/または構成データ、ならびに、リモートアプリケーションの出力データなどを含むことが可能である。情報は、下記に説明されているように、ソフトウェア証明用のキーおよび/または署名をさらに含むことが可能である。そのうえ、アプリケーションは、インタープリターによって実行されることとなるインタープリテッドコードとして提供され得る。
【0083】
IaaS(Infrastructure as a Service)アーキテクチャーにおいて、リモートアプリケーションが、クライアント100によって提供され得り、また、それがサービスプロバイダーによって実行される前に、通信チャネルを介してサービスプロバイダー200に通信され得る。このケースでは、リモートサービスは、クライアントによって受信されるアプリケーションコードをインストールすること(たとえば、コンパイルすること)または解釈すること、サービスプロバイダーの側でのリモートアプリケーションとして、受信されたアプリケーションを実行すること、および、実行の結果をクライアント100に通信して戻すことを含むことが可能である。SaaS(Software as a Service)アーキテクチャーにおいて、リモートアプリケーションは、サービスプロバイダー自身によって提供され、リモートサービスは、場合によっては、クライアント100から受信される入力データおよび/または構成データに対して、リモートアプリケーションを実行すること、ならびに、結果をクライアントに通信することを含む。
【0084】
クライアント100とサービスプロバイダー200との間の通信のために使用される通信フレームワークは、任意の周知の通信技法およびプロトコルを実装することが可能である。通信フレームワークは、パケット交換ネットワーク(たとえば、インターネットなどのようなパブリックネットワーク、および、企業イントラネットなどのようなプライベートネットワークなど)、回線交換ネットワーク(たとえば、公衆交換電話ネットワーク)、または、パケット交換ネットワークおよび回線交換ネットワークの組み合わせ(適切なゲートウェイおよびトランスレーターを備える)として実装され得る。クライアント-サーバーアーキテクチャーは、トランスミッター、レシーバー、トランシーバー、ラジオ、ネットワークインターフェース、ベースバンドプロセッサー、アンテナ、増幅器、フィルター、および電源などのような、さまざまな共通の通信要素を含むことが可能である。しかし、実施形態は、これらの実装形態に限定されない。
【0085】
通信フレームワークは、通信ネットワークを受け入れ、それに通信し、およびそれに接続するように配置されているさまざまなネットワークインターフェースを実装することが可能である。ネットワークインターフェースは、入力/出力インターフェースの特殊化された形態として見なされ得る。ネットワークインターフェースは、それに限定されないが、直接的な接続、イーサネット(たとえば、シックイーサネット、シンイーサネット、およびツイストペア10/100/1000 Base Tイーサネットなど)、トークンリング、ワイヤレスネットワークインターフェース、セルラーネットワークインターフェース、IEEE 802.1 1a-xネットワークインターフェース、IEEE 802.16ネットワークインターフェース、およびIEEE 802.20ネットワークインターフェースなどを含む、接続プロトコルを用いることが可能である。さらに、複数のネットワークインターフェースが、さまざまな通信ネットワークタイプと関わるために使用され得る。たとえば、複数のネットワークインターフェースが、ブロードキャストネットワーク、マルチキャストネットワーク、およびユニキャストネットワークの上での通信を可能にするために用いられ得る。処理要件がより大きい速度および容量を決定付ける場合には、分散型のネットワークコントローラーアーキテクチャーが同様に用いられ、クライアント100およびサーバー200によって要求される通信バンド幅をプールし、ロードバランシングし、および、その他の方法で増加させることが可能である。通信ネットワークは、それに限定されないが、直接的な相互接続、安全なカスタム接続、プライベートネットワーク(たとえば、企業イントラネット)、パブリックネットワーク(たとえば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、Operating Missions as Nodes on the Internet(OMNI)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスネットワーク、セルラーネットワーク、および他の通信ネットワークを含む、ワイヤードおよび/またはワイヤレスネットワークのいずれか1つおよび組み合わせであることが可能である。
【0086】
上述のように、クライアント100およびサーバー200は、(たとえば、通信コンポーネントを通して)情報を受信し、処理し、および送信することができる任意の電子デバイスであり得るデバイスをそれぞれ含むことが可能である。コンピューティングデバイスまたは電子デバイスの例は、それに限定されないが、クライアントデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、携帯電話、電子ブックリーダー、メッセージングデバイス、コンピューター、パーソナルコンピューター(PC)、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、ノートブックコンピューター、ネットブックコンピューター、ハンドヘルドコンピューター、タブレットコンピューター、サーバー、サーバーアレイまたはサーバーファーム、ウェブサーバー、ネットワークサーバー、インターネットサーバー、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、ウェブアプライアンス、分散型コンピューティングシステム、マルチプロセッサーシステム、プロセッサーベースのシステム、家庭用電化製品、プログラム可能な家庭用電化製品、ゲームデバイス、テレビジョン、セットトップボックス、ワイヤレスアクセスポイント、基地ステーション、加入者ステーション、モバイル加入者センター、ラジオネットワークコントローラー、ルーター、ハブ、ゲートウェイ、ブリッジ、スイッチ、マシン、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0087】
デバイスは、例示的なクライアントアプリケーション110およびリモートアプリケーション210などのような、1つまたはいくつかのアプリケーションのために、通信コンポーネント、オペレーティングシステム、とりわけ、オペレーティングシステムのカーネルのために、および、1つまたは複数の処理コンポーネント(すなわち、処理回路)を使用する他のソフトウェア要素のために、処理動作またはロジックを実行することが可能である。処理コンポーネントまたは処理回路は、デバイス、ロジックデバイス、コンポーネント、プロセッサー、マイクロプロセッサー、回路、プロセッサー回路、回路要素(たとえば、トランジスター、抵抗器、キャパシター、およびインダクターなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサー(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、メモリーユニット、論理ゲート、レジスター、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、およびチップセットなどのようなさまざまなハードウェア要素を含むことが可能である。ソフトウェア要素の例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータープログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、ソフトウェア開発プログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、方法、手順、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、インストラクションセット、コンピューティングコード、コンピューターコード、コードセグメント、コンピューターコードセグメント、ワード、値、記号、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。
【0088】
デバイスは、1つまたは複数の通信コンポーネントを使用して、他のデバイスとの通信のために、通信動作またはロジックを実行することが可能である。通信コンポーネントは、パケット交換ネットワーク(たとえば、インターネットなどのようなパブリックネットワーク、および、企業イントラネットなどのようなプライベートネットワークなど)、回線交換ネットワーク(たとえば、公衆交換電話ネットワーク)、または、パケット交換ネットワークおよび回線交換ネットワークの組み合わせ(適切なゲートウェイおよびトランスレーターを備える)との使用に適切な技法などのような、任意の周知の通信技法およびプロトコルを実装することが可能である。通信コンポーネントは、1つまたは複数の通信インターフェース、ネットワークインターフェース、ネットワークインターフェースカード(NIC)、ラジオ、ワイヤレストランスミッター/レシーバー(トランシーバー)、ワイヤードおよび/またはワイヤレス通信媒体、および物理的なコネクターなどのような、さまざまなタイプの標準的な通信要素を含むことが可能である。例として、および、限定ではなく、通信媒体は、ワイヤード通信媒体およびワイヤレス通信媒体を含む。ワイヤード通信媒体の例は、ワイヤー、ケーブル、金属リード、プリント回路基板(PCB)、バックプレーン、スイッチファブリック、半導体材料、ツイストペアワイヤー、同軸ケーブル、光ファイバー、および伝搬信号などを含むことが可能である。ワイヤレス通信媒体の例は、音響、ラジオ周波数(RF)スペクトル、赤外線、および他のワイヤレス媒体を含むことが可能である。
【0089】
デバイスは、1つまたは複数の通信コンポーネントを介して、図1に示されているような通信信号を使用して、通信媒体の上で他のデバイスと通信することが可能である。他のデバイスは、所与の実装形態に関して望まれるように、デバイスの内部または外部にあることが可能である。
【0090】
デバイスは、複数のコンピューティングエンティティーを横切って、上記に説明されている構造体および/または動作の一部分を分散させることができる分散型システムの形態で実装され得る。分散型のシステムの例は、それに限定されないが、クライアント-サーバーアーキテクチャー、3層アーキテクチャー、N層アーキテクチャー、密結合されたまたはクラスター化されたアーキテクチャー、ピアツーピアアーキテクチャー、マスタースレーブアーキテクチャー、共有データベースアーキテクチャー、および、他のタイプの分散型システムを含むことが可能である。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0091】
クライアント100および/またはサーバー200は、以下に説明されているようなコンピューティングアーキテクチャーを含むことが可能である。1つの実施形態では、コンピューティングアーキテクチャーは、電子デバイスの部分を含むことが可能であり、または、電子デバイスの部分として実装され得る。電子デバイスの例は、上記に説明されているものを含むことが可能である。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0092】
本出願において使用されるように、「装置」、「コンポーネント」、「クライアント」、「サーバー」、「サービスプロバイダー」、および「ソフトウェアプロバイダー」という用語は、ハードウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または、実行中のソフトウェアのいずれかの、コンピューター関連のエンティティーを指すことを意図しており、それらの例は、下記に説明されている例示的なコンピューティングアーキテクチャーによって提供される。たとえば、コンポーネントは、それに限定されないが、プロセッサーの上で走るプロセス、プロセッサー、ハードディスクドライブ、(光学ストレージ媒体および/または磁気ストレージ媒体の)複数のストレージドライブ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プログラム、および/またはコンピューターであることが可能である。例示として、サーバーの上で走るアプリケーションおよびサーバーの両方は、コンポーネントであることが可能である。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行のスレッドの中に存在することが可能であり、コンポーネントは、1つのコンピューターの上にローカライズされるか、または、2つ以上のコンピューターの間で分散され得る。さらに、コンポーネントは、動作を協働させるために、さまざまなタイプの通信媒体によって、互いに通信可能に連結され得る。協働は、必要に応じて一方向のまたは双方向の情報交換を必要とする可能性がある。たとえば、コンポーネントは、通信媒体を介して通信される信号の形態で、情報を通信することが可能である。情報は、さまざまな信号ラインに割り当てられた信号として実装され得る。そのような割り当てにおいて、それぞれのメッセージは、信号である。しかし、さらなる実施形態は、代替的に、データメッセージを用いることが可能である。そのようなデータメッセージは、さまざまな接続を横切って送信され得る。例示的な接続は、パラレルインターフェース、シリアルインターフェース、およびバスインターフェースを含む。
【0093】
コンピューティングアーキテクチャーは、1つまたは複数のプロセッサー、マルチコアプロセッサー、コプロセッサー、メモリーユニット、チップセット、コントローラー、周辺機器、インターフェース、オシレーター、タイミングデバイス、ビデオカード、オーディオカード、マルチメディア入力/出力(I/O)コンポーネント、および電源などのような、さまざまな共通のコンピューティング要素を含むことが可能である。しかし、実施形態は、このコンピューティングアーキテクチャーによる実装形態に限定されない。
【0094】
コンピューティングアーキテクチャーは、処理ユニット、システムメモリー、およびシステムバスを含むことが可能である。処理ユニットは、それに限定されないが、AMD(登録商標)Athlon(登録商標)、Duron(登録商標)およびOpteron(登録商標)プロセッサー;ARM(登録商標)アプリケーション、埋め込み、およびセキュアプロセッサー;IBM(登録商標)およびMotorola(登録商標) DragonBall(登録商標)およびPowerPC(登録商標)プロセッサー;IBMおよびSony(登録商標) Cellプロセッサー;Intel(登録商標) Celeron(登録商標)、Core(2) Duo(登録商標)、Itanium(登録商標)、Pentium(登録商標)、Xeon(登録商標)、およびXScale(登録商標)プロセッサー;および、同様のプロセッサーを含む、さまざまな市販のプロセッサーのいずれかであることが可能である。デュアルマイクロプロセッサー、マルチコアプロセッサー、および他のマルチプロセッサーアーキテクチャーも、処理ユニットとして用いられ得る。
【0095】
システムバスは、それに限定されないが、システムメモリーから処理ユニットを含む、システムコンポーネントのためのインターフェースを提供する。システムバスは、さまざまな市販のバスアーキテクチャーのいずれかを使用して、メモリーバス(メモリーコントローラーを備えるかまたは備えない)、周辺バス、およびローカルバスにさらに相互接続することができる、いくつかのタイプのバス構造体のいずれかであることが可能である。インターフェースアダプターは、スロットアーキテクチャーを介してシステムバスに接続することが可能である。例示的なスロットアーキテクチャーは、それに限定されないが、Accelerated Graphics Port(AGP)、Card Bus、(Extended)Industry Standard Architecture((E)ISA)、Micro Channel Architecture(MCA)、NuBus、Peripheral Component Interconnect(Extended)(PCI(X))、PCI Express、およびPersonal Computer Memory Card International Association(PCMCIA)などを含むことが可能である。
【0096】
コンピューティングアーキテクチャーは、コンピューター可読のストレージ媒体を含むかまたはそれを実装し、ロジックを格納することが可能である。コンピューター可読のストレージ媒体の例は、揮発性メモリーまたは不揮発性メモリー、リムーバブルメモリーまたは非リムーバブルメモリー、消去可能なメモリーまたは消去不可能なメモリー、および、書き込み可能なメモリーまたは再書き込み可能なメモリーなどを含む、電子データを格納することができる任意の有形媒体を含むことが可能である。ロジックの例は、ソースコード、コンパイルドコード、インタープリテッドコード、実行可能なコード、スタティックコード、ダイナミックコード、オブジェクト指向のコード、およびビジュアルコードなどのような、任意の適切なタイプのコードを使用して実装される実行可能なコンピュータープログラムインストラクションを含むことが可能である。また、実施形態は、非一時的なコンピューター可読の媒体の中または上に含有されるインストラクションとして少なくとも部分的に実装され得り、それは、1つまたは複数のプロセッサーによって読み取られて実行され、本明細書で説明されている動作の実施を可能にすることができる。
【0097】
システムメモリーは、リードオンリーメモリー(ROM)、ランダム-アクセスメモリー(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、Double-Data-Rate DRAM(DDRAM)、同期DRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリー、ポリマーメモリー、たとえば、強誘電性ポリマーメモリーなど、オボニックメモリー、相変化または強誘電性メモリー、silicon-oxide-nitride-oxide-silicon(SONOS)メモリー、磁気カードまたは光学カード、デバイスのアレイ、たとえば、Redundant Array of Independent Disks(RAID)ドライブなど、ソリッドステートメモリーデバイス(たとえば、USBメモリー、ソリッドステートドライブ(SSD))、および、情報を格納するのに適切な任意の他のタイプのストレージ媒体などのような、1つまたは複数のより高速のメモリーユニットの形態のさまざまなタイプのコンピューター可読のストレージ媒体を含むことが可能である。システムメモリーは、不揮発性メモリーおよび/または揮発性メモリーを含むことが可能である。基本入力/出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリーの中に格納され得る。
【0098】
コンピューティングアーキテクチャーは、内部(または、外部)ハードディスクドライブ(HDD)、リムーバブル磁気ディスクから読み取るかまたはそれに書き込むための磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)、および、リムーバブル光ディスク(たとえば、CD-ROM、DVD、またはBlu-ray)から読み取るかまたはそれに書き込むための光ディスクドライブを含む、1つまたは複数のより低速のメモリーユニットの形態のさまざまなタイプのコンピューター可読のストレージ媒体を含むことが可能である。HDD、FDD、および光ディスクドライブは、それぞれ、HDDインターフェース、FDDインターフェース、および光学ドライブインターフェースによって、システムバスに接続され得る。外部ドライブ実装形態のためのHDDインターフェースは、ユニバーサルシリアルバス(USB)およびIEEE 1394インターフェース技術の少なくとも1つまたは両方を含むことが可能である。
【0099】
ドライブおよび関連のコンピューター可読の媒体は、データの揮発性のおよび/または不揮発性のストレージ、データ構造、ならびにコンピューター実行可能なインストラクションを提供する。たとえば、複数のプログラムモジュールは、ドライブおよびメモリーユニットの中に格納され得り、それは、オペレーティングシステム、とりわけ、オペレーティングシステムのカーネル、1つまたは複数のアプリケーションプログラム(本明細書でアプリケーションとも呼ばれる)、たとえば、例示的なクライアントアプリケーション110および例示的なリモートアプリケーション210など、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータを含む。1つの実施形態では、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータは、開示されている実施形態を実装するために、たとえば、さまざまなアプリケーションおよび/またはコンポーネントを含むことが可能である。
【0100】
ユーザーは、1つまたは複数のワイヤー/ワイヤレス入力デバイス、たとえば、キーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスなど)を通して、コンピューティングデバイスの中へコマンドおよび情報を入力することが可能である。他の入力デバイスは、マイクロホン、赤外線(IR)リモートコントロール、ラジオ周波数(RF)リモートコントロール、ゲームパッド、スタイラスペン、カードリーダー、ドングル、指紋リーダー、グローブ、グラフィックタブレット、ジョイスティック、キーボード、網膜リーダー、タッチスクリーン(たとえば、容量性、抵抗性など)、トラックボール、トラックパッド、センサー、およびスタイラスなどを含むことが可能である。これらのおよび他の入力デバイスは、システムバスに連結されている入力デバイスインターフェースを通して、処理ユニットに接続されることが多いが、パラレルポート、IEEE 1394シリアルポート、ゲームポート、USBポート、およびIRインターフェースなどのような、他のインターフェースによっても接続され得る。
【0101】
また、ディスプレイデバイスは、インターフェース(たとえば、ビデオアダプターなど)を介してシステムバスに接続され得る。ディスプレイデバイスは、コンピューティングデバイスの内部または外部にあることが可能である。ディスプレイデバイスに加えて、コンピューティングデバイスは、典型的に、他の周辺出力デバイス(たとえば、スピーカーおよびプリンターなど)を含む。
【0102】
コンピューティングデバイスは、ワイヤーおよび/またはワイヤレス通信を介した1つまたは複数のリモートコンピューター(たとえば、リモートデバイスなど)への論理接続を使用して、ネットワーク環境で動作することが可能である。リモートデバイスは、ワークステーション、サーバーコンピューター、ルーター、パーソナルコンピューター、ポータブルコンピューター、マイクロプロセッサーベースのエンターテインメントアプライアンス、ピアデバイスまたは他の共通のネットワークノードであることが可能であり、典型的に、コンピューティングアーキテクチャーに関して説明された要素の多くまたはすべてを含む。論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはより大きいネットワーク、たとえば、ワイドエリアネットワーク(WAN)へのワイヤー/ワイヤレス接続性を含むことが可能である。そのようなLANおよびWANネットワーキング環境は、オフィスおよび会社の中で一般的であり、企業規模のコンピューターネットワーク(たとえば、イントラネットなど)を促進させ、そのすべては、グローバル通信ネットワーク(たとえば、インターネット)に接続することが可能である。
【0103】
LANネットワーキング環境において使用されるときには、デバイスは、ワイヤーおよび/またはワイヤレス通信ネットワークインターフェースまたはアダプターを通して、LANに接続されている。アダプターは、LANへのワイヤーおよび/またはワイヤレス通信を促進させることが可能であり、それは、アダプターのワイヤレス機能性と通信するためにその上に配設されているワイヤレスアクセスポイントを含むことも可能である。
【0104】
WANネットワーキング環境において使用されるときには、デバイスは、モデムを含むことが可能であり、または、WANの上の通信サーバーに接続されており、または、WANを介して(たとえば、インターネットなどによって)通信を確立するための他の手段を有している。モデムは、ワイヤーおよび/またはワイヤレスデバイスの内部または外部にあることが可能であり、モデムは、入力デバイスインターフェースを介してシステムバスに接続する。ネットワーク環境において、プログラムモジュールまたはその一部分は、リモートメモリー/ストレージデバイスの中に格納され得る。ネットワーク接続は、例示的なものであり、デバイス同士の間に通信リンクを確立するための他の手段が使用され得るということが認識されることとなる。
【0105】
クライアント/サーバーデバイスは、IEEE 802ファミリーの標準を使用するワイヤーおよびワイヤレスデバイスまたはエンティティー(たとえば、ワイヤレス通信(たとえば、IEEE802.11無線変調技法)で動作可能に配設されているワイヤレスデバイスなど)と通信するように動作可能である。これは、なかでも、少なくともWi-Fi(または、Wireless Fidelity)、WiMax、およびBluetooth(商標)ワイヤレス技術を含む。したがって、通信は、従来のネットワークと同様の事前定義された構造体であることが可能であり、または、単に、少なくとも2つのデバイスの間のアドホック通信であることが可能である。Wi-Fiネットワークは、IEEE 802.11x(a、b、g、nなど)と呼ばれるラジオ技術を使用し、安全で信頼性の高い高速のワイヤレス接続性を提供する。Wi-Fiネットワークは、デバイスを互いに、インターネットに、およびワイヤーネットワーク(それは、IEEE 802.3関連の媒体および機能を使用する)に接続するために使用され得る。
【0106】
本発明の以前に議論された実施形態および例は、別個に説明されてきたが、上記に説明されている特徴のいくつかまたはすべては、異なる方式でも組み合わせられ得るということが理解されるべきである。上記に議論されている実施形態は、限定として意図されているのではなく、本発明の特徴および利点を図示する例としての役割を果たしている。
【符号の説明】
【0107】
1 グラフィック表現
2 活性化可能ボタン
3 コンテキストメニュー
4 データ
5 アイコン
6 インターフェース
7 タイムライン
8 スライダー要素
100 クライアント
110 クライアントアプリケーション
200 サーバー
210 リモートアプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】