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  • 特表-ディオプター調整機構 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ディオプター調整機構
(51)【国際特許分類】
   G02B 25/00 20060101AFI20220803BHJP
   G02B 23/14 20060101ALI20220803BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20220803BHJP
   F41G 1/38 20060101ALN20220803BHJP
【FI】
G02B25/00 Z
G02B23/14
F16B35/00 T
F41G1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572462
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2020036279
(87)【国際公開番号】W WO2021011110
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/857,518
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】マクダーモット コナー
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ アレック
【テーマコード(参考)】
2H039
2H087
【Fターム(参考)】
2H039AB13
2H087KA14
2H087KA15
2H087KA16
2H087KA17
2H087LA11
2H087NA10
(57)【要約】
【課題】ユーザが必要とする設定に至るまでに長い時間を要することなく、ディオプター調整を所定位置で確実に固定することが容易である、ディオプター調整機構を提供する。
【解決手段】ディオプター調整機構は、第1の雌ねじと第2の雌ねじを有するスコープチューブを備える。第1の雌ねじは、第1のピッチを有し、スコープチューブ上に配置されて螺旋状のねじ山を形成し、螺旋状のねじ山の間にランドを有する。第2の雌ねじは、第2のピッチを有し、第1の雌ねじのランド上に配置されている。ジャムナットは、第2の雌ねじに対応し第2の雌ねじに係合する雄ねじを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディオプター調整機構であって、
スコープチューブと、
前記スコープチューブ上に配置され、螺旋状のねじ山を形成する第1のピッチと前記螺旋状のねじ山の間にあるランドとを有する第1の雌ねじと、
前記第1の雌ねじのランド上に配置され、第2のピッチを有する第2の雌ねじと、
前記第2の雌ねじに対応し前記第2の雌ねじと係合する雄ねじを有するジャムナットと、
を備え、
前記第1のピッチが前記第2のピッチよりも大きい、ディオプター調整機構。
【請求項2】
前記第1の雌ねじは台形である、請求項1に記載のディオプター調整機構。
【請求項3】
前記第2の雌ねじは、V形ねじ山プロファイルを有する、請求項1に記載のディオプター調整機構。
【請求項4】
前記第1のピッチは、前記第2のピッチの2.5倍から5倍である、請求項1に記載のディオプター調整機構。
【請求項5】
前記第1のピッチは、3.0mmから6.0mmである、請求項1のディオプター調整機構。
【請求項6】
前記第2のピッチは、0.25mmから2.5mmである、請求項1に記載のディオプター調整機構。
【請求項7】
前記第1の雌ねじのねじ山の角度は、20°から45°である、請求項1に記載のディオプター調整機構。
【請求項8】
前記第2の雌ねじのねじ山の角度は、40°から80°である、請求項1に記載のディオプター調整機構。
【請求項9】
観察光学機器であって、
第1の雄ねじを有する内面を有する接眼レンズと、
第1の雌ねじと第2の雌ねじを備えた外面を有するスコープチューブであって、前記第1の雌ねじが第1のピッチ及びランドを有し、前記第2の雌ねじが第2のピッチを有して前記ランド上に配置されている、スコープチューブと、
前記スコープチューブの外面に回転可能に固定され、内面に第2の雄ねじを有するジャムナットと、
を備え、
前記第1のピッチが前記第2のピッチよりも大きく、前記第1の雄ねじが前記第1の雌ねじに対応しており、前記前記第2の雄ねじが前記第2の雌ねじに対応している、
ことを特徴とする観察光学機器。
【請求項10】
前記第1の雌ねじは台形である、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項11】
前記第2の雌ねじは、V形ねじ山プロファイルを有する、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項12】
第1のピッチは、第2のピッチの2.5倍から5倍である、請求項9の観察光学機器。
【請求項13】
第1のピッチは、3.0mmから6.0mmである、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項14】
前記第2のピッチは、0.25mmから2.5mmである、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項15】
前記第1の雌ねじのねじ山の角度は、20°から45°である、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項16】
前記第2の雌ねじのねじ山の角度は、40°から80°である、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項17】
前記観察光学機器は、スコープ、ライフルスコープ、双眼鏡、カメラ、及び望遠鏡から選択される、請求項9に記載の観察光学機器。
【請求項18】
銃器と共に使用するように適合されている、請求項9に記載の観察光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月05日に提出された米国仮特許出願第62/857,518号の本出願であり、これに対して優先権を主張し、当該仮出願は、その全体が引用により組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、雌ねじ構成要素のための調整機構に関する。一実施形態では、本開示は、ディオプター調整のための機構に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の視力は、人によって大きく異なる。所与の個人の場合でも、右目の視力と左目の視力には差がある可能性がある。ライフルスコープやカメラなどの観察光学機器には、ユーザごとに観察光学機器を合焦可能にするためのディオプター調整部が設けられている。また、観察光学機器が2つの接眼レンズを有する場合には、ディオプター調整部は、各個々の接眼レンズをユーザの特定の目に同様に調整できるように、一方又は両方の接眼レンズに設けてもよい。
【0004】
2つの主要なタイプのディオプター調整部がある。第1のタイプでは、ジャムナットと共に緊密に位置を固定することができる微細なねじピッチを有するが、ねじ山が微細であることに起因して、ユーザが必要とする設定に至るまでに長い時間を要する。長い時間がかかるので、ユーザの目は焦点を変えながら補正することができる。その後、観察光学機器をのぞいたときには、ユーザの目は補正されておらず、再度ディオプター調整を変える必要がある。
【0005】
第2のタイプのディオプター調整は、高速焦点ディオプター調整である。高速焦点ディオプター調整では、より大きなピッチのねじを使用する。その結果、ユーザの目が補正することができる前に、迅速に調整することができる。残念ながら、ピッチが大きいことに起因して、ディオプター調整を所定位置で確実に固定することが難しく、衝突時又は発砲時に自動調整されることになる。
【0006】
以上のような理由から、「ゼロストップ」のターレットを有することは、大きな利点である。従って、これらの問題に対処することができるゼロストップターレットに対する大きな要求がある。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、本開示は、ディオプター調整機構を提供する。本開示の実施形態によれば、ディオプター調整機構は、スコープチューブと、スコープチューブ上に配置され、螺旋状のねじ山を形成する第1のピッチと螺旋状のねじ山の間にあるランドとを有する第1の雌ねじと、第1の雌ねじのランド上に配置され第2のピッチを有する第2の雌ねじと、第2の雌ねじに対応し第2の雌ねじに係合する雄ねじを有するジャムナットと、を備え、第1のピッチは第2のピッチよりも大きい。
【0008】
一実施形態では、第1の雌ねじは台形である。一実施形態では、第2の雌ねじは、V形ねじ山プロファイルを有する。別の実施形態では、第1のピッチは第2のピッチの2.5倍から5倍である。更なる実施形態では、第1のピッチは、3.0mmから6.0mmである。更に別の実施形態では、第2のピッチは0.25mmから2.5mmである。別の実施形態では、第1の雌ねじのねじ山の角度は、20°から45°である。別の実施形態では、第2の雌ねじのねじ山の角度は、40°から80°である。
【0009】
別の実施形態では、本開示は、観察光学系を提供する。本開示の実施形態によれば、観察光学機器は、第1の雄ねじを有する内面を有する接眼レンズと、第1の雌ねじ及び第2の雌ねじを備えた外面を有するスコープチューブであって、第1の雌ねじが第1のピッチ及びランドを有し、第2の雌ねじが第2のピッチを有してランド上に配置されている、スコープチューブと、スコープチューブの外面に回転可能に固定され、内面に第2の雄ねじを有するジャムナットと、を備え、第1のピッチが第2のピッチよりも大きく、第1の雄ねじが第1の雌ねじに対応し、第2の雄ねじが第2の雌ねじに対応する。
【0010】
別の実施形態では、第1の雌ねじは、台形である。更に別の実施形態では、第2の雌ねじは、V形ねじ山プロファイルを有する。更なる実施形態では、第1ピッチは第2ピッチの2.5倍から5倍である。更に別の実施形態では、第1のピッチは、3.0mmから6.0mmである。更に別の実施形態では、第2のピッチは0.25mmから2.5mmである。別の実施形態では、第1の雌ねじのねじ山の角度は、20°から45°である。更に別の実施形態では、第2の雌ねじのねじ山の角度は40°から80°である。更に別の実施形態では、観察用光学機器は、スコープ、ライフルスコープ、双眼鏡、カメラ、及び望遠鏡から選択される。別の実施形態では、観察光学機器は、銃器と共に使用するように適合されている。
【0011】
本開示の実施形態は、添付図面を参照して開示され、例示のみを目的としている。本開示は、図面に示された構造の詳細又は構成要素の配置にその適用が限定されるものではない。本開示は、他の実施形態が可能であり、或いは、他の様々な方法で実施又は実行することが可能である。同様の参照数字は、同様の構成要素を示すのに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態による、ディオプター調整機構の部分側面図である。
図2】本開示の実施形態による、スコープチューブの第1の雌ねじ及び第2の雌ねじの詳細図である。
図3】本開示の実施形態による、第1の雌ねじの概略図である。
図4】本開示の実施形態による、第2の雌ねじの概略図である。
【0013】
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載され又は図面に例示された構造の詳細及び構成要素の配置に限定されない点を理解されたい。本開示の技術は、他の実施形態が可能であり、又は様々な方法で実施又は実行可能である。また、本明細書で採用されている表現及び用語は、説明のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
特徴及び/又は能力のセットは、スタンドアロンの武器照準器、フロントマウント又はリアマウントのクリップ式の武器照準器、及び提示され配備された光学武器照準器の他の配列の関連で容易に適応できることは、当業者には理解されるであろう。更に、特徴及び能力の様々な組み合わせは、あらゆる種類の既存の固定又は可変の武器照準器を後付けするためのアドオンモジュールに組み込むことができることは、当業者には理解されるであろう。
【0015】
要素又は層が、別の要素又は層の「上にある」、「接続されている」又は「結合されている」といわれる場合、これは、他の要素又は層に直接的に上にある、接続される、又は結合することが可能であることは理解されるであろう。或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素又は層に「直接上にある」、「直接接続されている」、又は「直接結合されている」といわれる場合、介在する要素又は層は存在しない。
【0016】
同様の番号は、全体を通して同様の要素を意味する。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連のリストアップされた項目のうちの1又は2以上の何れか及び全ての組み合わせを含む。
【0017】
本明細書では、第1、第2などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、及び/又はセクションを説明するのに使用されることができ、及び/又はこれらの要素、構成要素、領域、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことは理解されるであろう。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、又はセクションを別の要素、構成要素、領域、又はセクションから区別するためにのみ使用される。従って、以下で記載する第1の要素、構成要素、領域、又はセクションは、本開示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、又はセクションと呼ぶことができる。
【0018】
本明細書では、説明を容易にするために、図に示されているように、1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を説明するために、「beneath」、「below」、「lower」、「above」、「upper」などの空間的に相対的な用語を使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用時又は動作時におけるデバイスの異なる向きを包含することを意図していることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスを反転させた場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「真下」と記載された要素は、他の要素又は特徴の「上方」に向けられることになる。このように、「下方」という例示的な用語は、上下の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他の向き(90°回転した又は他の向き)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、これに応じて解釈される。
【0019】
本開示の数値範囲は近似値であるため、特に明記しない限り、範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、何れかの低い値と何れかの高い値との間に少なくとも2単位の間隔があることを条件として、1単位の増分で、低い値と高い値を含むこれらの間の全ての値を含む。例として、例えば、分子量、メルトインデックス、温度、その他などの組成的、物理的又は他の特性が100から1,000である場合、100、101、102などの全ての個々の値と、100から144、155から170、197から200、その他などの部分的範囲が明示的に列挙されることが意図される。1未満の値を含む範囲、又は1よりも大きい分数を含む範囲(1.1、1.5など)については、必要に応じて、1単位は、0.0001、0.001、0.01、又は0.1とみなされる。また、10未満の一桁の数字を含む範囲(例えば、1~5)については、典型的には、1単位を0.1とみなす。これらは、具体的に意図されたものの例に過ぎず、列挙された最低値と最高値の間の全ての可能な数値の組み合わせは、本開示で明示的に述べられているものとみなされる。数値範囲は、とりわけ、混合物中の成分の相対的な量、及び本明細書に記載されている様々な温度及び他のパラメータの範囲について本開示内で提供される。
【0020】
本明細書では、「観察光学機器」という用語は、標的を選択、識別、又は監視するために射手又は観測手によって使用される装置を意味する。「観察光学機器」は、標的の視覚的観察に頼ることができ、或いは、例えば、赤外線(IR)、紫外線(UV)、レーダー、熱、マイクロ波、又は磁気イメージング、X線、ガンマ線、アイソトープ、及び粒子放射を含む放射線、暗視、超音波、音パルス、ソナー、地震振動、磁気共鳴、重力受容体、電波を含む放送周波数、テレビ、及びセルラー受容体を含む振動受容体、又は標的の他の画像に頼ることができる。「観察光学機器」デバイスによって射手に提示される標的の画像は、不変とすることができ、或いは、例えば、拡大、増幅、減算、重畳、ろ過、安定化、テンプレート・マッチング、又は他の手段によって強化することができる。「観察光学機器」によって選択、識別、又は監視される標的は、射手の視線内にあるか、又は射手の視線に接線方向とすることができ、射手の視線は、標的捕捉デバイスが標的の合焦画像を射手に提示している間に妨害される場合がある。「観察光学機器」によって取得された標的の画像は、例えば、アナログ又はデジタルであり、例えば、html、SML、SOAP、X.25、SNA、その他などのプロトコル、Bluetooth(商標)、シリアル、USB又は他の適切な画像配信方法を使用して、ビデオ、物理的なケーブル又はワイヤ、IR、電波、セルラー接続、レーザーパルス、光学、802.11b又は他の無線伝送によって1又は2以上の射手及び観測手のネットワーク内で共有、保存、アーカイブ、又は送信することができる。一実施形態では、観察光学機器は、ライフルスコープである。「観察光学機器」という用語は、「光学照準器」と互換的に使用される。
【0021】
本明細書で使用する場合、「ピッチ」は、ねじ山の間の距離を意味する。
【0022】
本明細書で使用する場合、「ランド」は、ねじ山の間の部分を意味する。
【0023】
図1は、接眼レンズ10及びスコープチューブ20を示す観察光学機器用ディオプター調整部100の部分側面図である。接眼レンズ10及びスコープチューブ20は、中央開口部を有する略円筒形である。接眼レンズ10及びスコープチューブ20は同軸である。接眼レンズ10は、第1の雄ねじ15を有する内面を有する。スコープチューブ20は、第1の雄ねじ15に対応する第1の雌ねじ30を有する外面を有する。第1の雄ねじ15が第1の雌ねじ30に係合することにより、接眼レンズ10は、スコープチューブ20を中心に回転可能であり且つスコープチューブ20に沿って移動可能となる。接眼レンズ10は、回転方向に応じて、観察光学機器(図示せず)の残りの部分から離れてスコープチューブ20上に更に移動することになる。
【0024】
図2及び図3においてより明確に示されるように、第1の雌ねじ30は、スコープチューブ20の周りに螺旋状に配置された単一の台形の谷部36を有する。一実施形態では、第1の雌ねじ30は、3.0mm、又は3.25mm、又は3.5mm、又は3.75mm、又は4.0mm、又は4.25mm、又は4.50mmから、4.75mm、又は5.0mm、又は5.25mm、又は5.5mm、又は5.75mm、又は6.0mmまでのピッチ35を有する。更なる実施形態では、第1の雌ねじ30は、4.0mm、又は4.25mm、又は4.5mmから、4.75mm、又は5.0mmまでのピッチ35を有する。
【0025】
一実施形態において、第1の雌ねじ30は台形であり、これは、ねじの断面図が略台形の形状を有することを意味する。一実施形態では、ねじ山の角度A1は、20°、又は25°、又は30°から、35°、又は40°、又は45°までである。更なる実施形態では、ねじ山の角度A1は、25°、又は26°、又は27°、又は28°、又は29°から、30°、又は31°、又は32°、又は33°、又は34°、又は35°までである。
【0026】
図2及び図4を参照すると、第2の雌ねじ40が、第1の雌ねじ30のランド38に設けられている。図1及び図2に示すように、第1の雌ねじ30のピッチ35は、第2の雌ねじ40のピッチ45よりも大きい。一実施形態では、第1の雌ねじ30のピッチ35は、第2の雌ねじ40のピッチ45の2倍、又は2.5倍、又は3倍、又は3.5倍から4倍、又は4.5倍、又は5倍である。更なる実施形態では、第1の雌ねじ30のピッチ35は、第2のねじ40のピッチ45の2.5x、又は2.75x、又は3.0x、又は3.25x、又は3.5x、又は3.75xから4.0x、又は4.25x、又は4.5x、又は4.75x、又は5.0xまでである。
【0027】
一実施形態では、第2の雌ねじ40のピッチ45は、0.25mm、又は0.5mm、又は0.75mm、又は1.0mmから1.25mm、又は1.5mm、又は1.75mm、又は2.0mm、又は2.25mm、又は2.5mmである。更なる実施形態では、第2の雌ねじ40は、0.3mm、又は0.4mm、又は0.5mm、又は0.6mm、又は0.7mmから0.8mm、又は0.9mm、又は1.0mm、又は1.1.mm、又は1.2mm、又は1.3mm、又は1.4.mm、又は1.5mmのピッチ45を有する。
【0028】
一実施形態では、第2の雌ねじ40は、ISO261及びUnified Thread Standardと適合する標準V形ねじ山プロファイルである。ねじ山の角度A2は、40°、又は45°、又は50°、又は55°、又は60°から65°、又は70°、又は75°、又は80°である。更なる実施形態では、ねじ山の角度A2は、55°、又は56°、又は57°、又は58°、又は59°から、60°、又は61°、又は62°、又は63°、又は64°、又は65°までである。
【0029】
再び図1を参照すると、ジャムナット50は、第2の雌ねじ40に対応する第2の雄ねじ(図示せず)を有する内面を有する略リング状の構成要素である。ジャムナット50は、接眼レンズ10及びスコープチューブ20と同軸である。第2の雄ねじは、スコープチューブ20の第2の雌ねじ40と係合し、その結果、ジャムナット50は、スコープチューブ20に対して回転可能であり且つスコープチューブ20に沿って移動可能である。
【0030】
接眼レンズ10の焦点を調整するためには、最初に、視界が明瞭であるとユーザが判断するまで、接眼レンズ10を回転させる(すなわち、所望の調整に応じて時計回り又は反時計回りに回転させる)。次に、ジャムナット50を、接眼レンズ10に対して好適に固定されるまで回転させる。ジャムナット50は、ロックの役割を果たす。第1の雌ねじ30の大きなピッチ35に対する第2の雌ねじ40の微細ピッチ45は、観察光学機器が移動、衝突、又は使用時に、ジャムナット50の意図しない移動を妨げる。例えば、一実施形態では、観察光学機器は、銃器と共に使用するスコープである。ジャムナット50のロック能力により、銃器が発射されたときに接眼レンズ10が移動するのを防ぐことができる。
【0031】
ディオプター調整機構は、限定ではないが、スコープ、ライフルスコープ、双眼鏡、カメラ、望遠鏡、及び同様の観察光学機器を含む、何れかの観察光学機器と関連して使用することができることは理解されるであろう。
【0032】
ディオプター調整機構の特徴の複数の実施形態について詳細に説明してきたが、これらの修正形態及び変形形態が可能であり、その全てが本発明の真の精神及び範囲に入ることは明らかとなるはずである。上記の説明に関して、サイズ、材料、形状、形態、動作の機能及び態様、組立、及び用途の変形を含めるための、本発明の部品に対する最適な寸法的関係性が、当業者にとって容易に明白であるとみなされ、図面に示し本明細書に記載したものと等価な関係性が全て本発明に包含されるように意図されていることを理解すべきである。それゆえ、上記のものは、単に本発明の原理を例示するものとみなされる。更に、当業者には多数の修正形態及び変更形態が容易に想起されることになるので、図示し記載した正確な構造及び動作に本発明を限定することは望ましいことではなく、相応に本発明の範囲に入る全ての適切な修正形態及び等価形態を利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10 接眼レンズ
15 第1の雄ねじ
20 スコープチューブ
30 第1の雌ねじ
40 第2の雌ねじ
50 ジャムナット
100 観察光学機器用ディオプター調整部
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】