(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】3D印刷による少なくとも1つの部品の製造方法および3Dプリンタ
(51)【国際特許分類】
B22C 9/00 20060101AFI20220803BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20220803BHJP
B29C 64/245 20170101ALI20220803BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20220803BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220803BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220803BHJP
B22F 10/85 20210101ALI20220803BHJP
B22F 12/90 20210101ALI20220803BHJP
B22F 12/17 20210101ALI20220803BHJP
B22F 10/14 20210101ALI20220803BHJP
【FI】
B22C9/00 Z
B29C64/295
B29C64/245
B29C64/165
B33Y10/00
B33Y30/00
B22F10/85
B22F12/90
B22F12/17
B22F10/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572521
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2020065536
(87)【国際公開番号】W WO2020245301
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326904
【氏名又は名称】エクスワン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】特許業務法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ラデヴィヒ,ローランド
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AA36
4F213AA37
4F213AB11
4F213AQ01
4F213AR06
4F213WA25
4F213WB01
4F213WK03
4F213WL02
4F213WL73
4K018CA44
4K018KA18
(57)【要約】
加熱装置を備えた構築プラットフォーム上で3D印刷により少なくとも1つの部品を製造する方法が開示されており、この方法は、ゆるい粒子状材料の層を構築プラットフォームに塗布し、構築プラットフォームの加熱装置を用いて、ゆるい粒子状材料の塗布層を加熱し、液体の処理剤をゆるい粒子状材料の加熱された層の部分領域に出力し、上記ステップを繰り返して少なくとも1つの部品を構築するステップを含む。部品の構築中に、構築プラットフォームの温度が所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇して、それぞれ直前に塗布された層の表面温度を設定するように前記構築プラットフォームの加熱装置による加熱が実行される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置を備えた構築プラットフォーム上で3D印刷により少なくとも1つの部品を製造する方法であり、
ゆるい粒子状材料の層を前記構築プラットフォームに塗布し、
前記構築プラットフォームの前記加熱装置を用いて、前記ゆるい粒子状材料の塗布層を加熱し、
液体の処理剤を前記ゆるい粒子状材料の加熱された層の部分領域に出力し、
上記ステップを繰り返して少なくとも1つの部品を構築するステップ、を含み、
前記部品の構築中に、前記構築プラットフォームの温度が所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇して、それぞれ直前に塗布された層の表面温度を設定するように、
前記構築プラットフォームの前記加熱装置による加熱が実行される、方法。
【請求項2】
前記部品の構築中に、前記所定の構築プラットフォーム最高温度に達するまで前記構築プラットフォームを加熱するように、
前記構築プラットフォームの前記加熱装置による加熱が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記部品の構築中に、前記所定の構築プラットフォーム最高温度に達した後、前記構築プラットフォームの前記温度が前記所定の構築プラットフォーム最高温度に維持されるように、
前記構築プラットフォームの前記加熱装置による加熱が実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の構築プラットフォーム最高温度が180から320℃、例えば200から300℃、例えば220から280℃、例えば240から260℃の範囲内で、および/または前記処理剤および/または前記粒子状材料に応じて選択される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記それぞれ直前に塗布された層の前記表面温度が、前記所定の構築プラットフォーム最高温度に達しない限り、30から70℃、例えば35から65℃、例えば40から60℃、例えば45から55℃の範囲、例えば一定の温度および/または前記処理剤に応じて選択された温度に設定される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記それぞれ直前に塗布された層の前記表面温度の設定が、前記所定の構築プラットフォーム最高温度に達しない限り、前記表面温度の設定値仕様を用いた温度制御によって実行される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記表面温度が少なくとも1つの第1温度センサーによって感知され、および/または前記構築プラットフォームの前記温度が少なくとも1つの第2温度センサーによって感知される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の温度センサーによって感知された第1温度値が、請求項6の設定値仕様と比較される、および/または
前記第2の温度センサーによって感知された第2温度値が、前記所定の構築プラットフォーム最高温度と比較される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記構築プラットフォームが流体不透過性に構成され、および/または
前記ゆるい粒子状材料の塗布層の加熱が流体の流れがない状態で行われ、および/または
前記ゆるい粒子状材料の塗布層の加熱が前記それぞれ直前に塗布された層の上に設けられた加熱装置がない状態で行われる、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記加熱装置が、例えば、前記構築プラットフォームの上、および/または中に配置される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記液体の処理剤が有機系結合剤、例えばフェノール系結合剤、例えばフェノール樹脂、またはフラン系結合剤、例えばフラン樹脂、または無機系結合剤、例えば水ガラス系結合剤、例えば水ガラスを含み、および/または
前記粒子状材料が砂粒子および/または塩粒子および/または金属粒子を含み、および/または
前記部品が鋳造コアおよび/または鋳造鋳型である、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの部品の完成後、前記構築プラットフォームが所定の時間にわたって前記所定の構築プラットフォーム最高温度を維持する、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
加熱装置を備えた構築プラットフォームと、
前記構築プラットフォームにゆるい粒子状材料の層を塗布するコータと、
ゆるい粒子状材料の直前に塗布された層の部分領域に液体の処理剤を出力する印刷ヘッドと、
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された制御装置と、
を備える3Dプリンタ。
【請求項14】
前記直前に塗布された層の表面温度を感知するための第1温度センサー、および/または
前記構築プラットフォームの温度を感知するための第2温度センサー、
をさらに備える、請求項13に記載の3Dプリンタ。
【請求項15】
前記構築プラットフォームが流体不透過性に構成され、および/または
前記加熱装置が、例えば、前記構築プラットフォームの上、および/または中に配置される、
請求項13または14に記載の3Dプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3D印刷による少なくとも1つの部品の製造方法および3Dプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な生成的製造プロセスや3D印刷プロセスのそれぞれ(およびその結果として、様々なタイプの3Dプリンタ、すなわち部品を層状に構築する機械/設備)が知られている。
【0003】
いくつかの生成的製造プロセスは、以下の共通のステップを有する。
(1)最初に、粒子状材料(または粒子状構築材料)を構築フィールド上の表面全体にわたって/連続的に塗布して、未固化の粒子状材料層を形成する。
(2)未固化の粒子状材料の塗布層を、例えば結合剤、例えばバインダーなどの(例えば液体の)処理剤を、例えば選択的に印刷することによって、(製造される部品にしたがって)所定の部分領域で選択的に固化させる。
(3)ステップ(1)および(2)を繰り返して、所望の部品を製造する。この目的のために、部品が層状に構築される構築プラットフォームを、例えば、新しい層が塗布される前にそれぞれ1層の厚さだけ低くしてもよい(あるいは、コータおよび印刷装置を、例えば、それぞれ1層の厚さだけ高くしてもよい)。
(4)最後に、固化した部分領域によって形成され、ゆるい、未固化の粒子状材料によって支持され囲まれている製造された部品を取り出すことができる。
【0004】
1つまたは複数の部品が製造される構築空間は、例えば、いわゆる構築ボックス(例えばいわゆる交換可能な容器として形成された、ジョブボックスとも呼ばれる)によって画定されてもよい。このタイプの構築ボックスは、上方向に開口し、垂直方向に延びる周壁構造(例えば、4つの垂直な側壁によって形成される)を有してもよく、例えば、上から見て長方形となるように形成されてもよい。高さ調整可能な構築プラットフォームは、構築ボックスに収容することができる。この点において、構築プラットフォームの上方および垂直周壁構造の間の空間は、例えば、構築空間の形成に少なくとも寄与し得る。構築空間の上部領域は、例えば、構築フィールドと呼ばれる場合がある。
【0005】
構築空間内で1つまたは複数の3次元部品を層状に構築することは、例えば、そのそれぞれの部分領域において、複数の隣接する粒子状材料層を選択的に固化することにより、例えば結合剤噴射により、すなわち(粒子状)構築材料を、例えば結合剤、例えばバインダーなどの(例えば液体の)処理剤で(選択的に)「結合」することにより行われてもよい。
【0006】
コータ(「リコータ」とも呼ばれる)は通常、上記のステップ(1)で使用される。3Dプリンタで使用するための様々なコータが知られており、これによって粒子状構築材料を、構築フィールド(構築面または構築領域とも呼ばれる)に、均一に領域全体/連続層の形態で塗布することができる。
【0007】
コータの1つのタイプは、ローラ(いわゆる「ローラコータ」)を使用し、まず一定量の粒子状材料をローラの前に置き、次にローラを構築フィールドを横切って水平方向に動かし、粒子状構築材料を均一な層の形態で構築フィールドに塗布する。この点において、ローラは、移動方向とは反対に回転し得る。
【0008】
別の種類のコータ(いわゆる「容器コータ」、例えば「スロットコータ」)は、粒子状材料を収容するための内部空洞を画定する容器を使用し、例えば粒子状構築材料を出力するための(例えば細長い)出力スロットを備える(例えば細長い)出力領域を有する。容器コータは、例えば、構築フィールドを(例えば水平に、例えばその長手方向を横断して)横切って移動可能であってもよく、粒子状構築材料を(細長い)出力領域を通して構築フィールド上に出力し、それによって均一に領域全体/連続な粒子状材料層を構築フィールドおよび構築プラットフォーム上のそれぞれに塗布することができる。コータは、例えば、矩形構築フィールドの長さまたは幅にまたがるか、または覆うために細長くなり得る。
【0009】
上記のステップ(2)において、例えば、印刷ヘッドを有する印刷装置が使用されてもよく、これは、前に塗布された構築材料層の部分領域上に制御された方法で(例えば液体の)処理剤を塗布する(いわゆる結合剤噴射)。処理剤は、部分領域内の構築材料層の(直接的なおよび/またはその後の)固化に寄与する。例えば、処理剤は、結合剤、例えばバインダー、例えば多成分結合剤の結合剤成分であるか、又はこれを含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、部品を3D印刷によって、特に結合剤噴射によって効率的に製造することができる、3D印刷によって少なくとも1つの部品を製造する方法、および3Dプリンタを提供することであると考えられる。
【0011】
あるいはまたはさらに、本発明の目的は、部品を3D印刷によって、特に結合剤噴射によって確実に製造することができる、3D印刷によって少なくとも1つの部品を製造する方法、および3Dプリンタを提供することであると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明は、請求項1に記載の3D印刷による少なくとも1つの部品の製造方法と、請求項13に記載の3Dプリンタを提供するものである。本発明によるさらなる実施形態は、従属請求項の対象となる。
【0013】
本発明の一態様によれば、(例えば電気)加熱装置を備えた(そして、例えば、構築ボックスに収容されることができる)構築プラットフォーム上で3D印刷により少なくとも1つの部品(例えば、鋳造コアおよび/または鋳造鋳型)を製造する方法は、以下のステップ:
例えば、上記のように構成されてもよいコータを用いて、ゆるい粒子状材料(例えば砂粒子および/または塩粒子、例えば鋳造技術用のそれら)の層を構築プラットフォームに塗布し、
構築プラットフォームの加熱装置を用いて、ゆるい粒子状材料の(直前の)塗布層を加熱し、
(例えば、印刷ヘッドを有する印刷装置を用いて、例えば、いわゆる結合剤噴射によって)液体の処理剤を、ゆるい粒子状材料の直前に塗布/加熱された層の部分領域に出力し、
上記のステップを繰り返して、少なくとも1つの部品を(層状に)構築するステップを含むことができ、
それぞれ直前に塗布された層の表面温度を設定するため(特に、上記ステップを繰り返す過程で、および/またはその結果として)構築プラットフォームの温度が、部品の構築中に、所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇するように
構築プラットフォームの加熱装置による加熱が実行される。
【0014】
本発明のこの態様によれば、部品の構築中に、構築プラットフォーム上に配置された層複合体に熱が導入され、すなわち、下方から、構築プラットフォームまたはその加熱装置から始まり、構築プラットフォームの温度は、それぞれ直前に塗布された層の表面温度を設定するために、部品の構築中に、所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇する。これにより、部品の構築中に、大量の熱を(既に)層複合体に導入することができ、これにより、3Dプリンタの1つのおよび/または複数の部品を損傷することなく、部品または処理剤/バインダーの(事前)硬化にそれぞれ寄与することができる。例えば、赤外線放射体を使用して構築フィールドを上から加熱することが知られているかもしれないが、これは基本的に最上層にしか熱を導入することができず、その結果、層複合体および/またはその下の層の硬化には限られた範囲でしか寄与できない。さらに、層複合体の厚さが増加すると、構築プラットフォームの温度を上昇させて、時間をかけて大量の熱を層複合体に導入することができ、粒子状材料の層複合体の厚さが増加するため、表面の温度は依然として、例えば、印刷ヘッドおよび/または使用するバインダーシステムに対して無害な範囲設定を維持することができ(例えば、処理剤の溶媒の蒸発が印刷ヘッドにとって重要ではない範囲)および/または、定義された反応環境および/または定義された処理剤塗布環境を作り出し、その結果、層間の良好な接着力を備えた部品の信頼性の高い製造に寄与できる。さらに、構築プラットフォーム最高温度を適切に選択することで、構築プラットフォームの直上/上の領域での部品の損傷を回避することができる。この点に関して、多孔質で加熱可能な構築プラットフォームを通して熱流体を層複合体に導入することがさらに知られているかもしれないが、これは構築プロセスにわたって一定の熱流体温度で行われ、すなわち、構築プラットフォームの温度は所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇せず、一定であり、さらに、その結果、粒子状材料の望ましくない流動化が起こる可能性がある。したがって、本発明のこの態様による方法では、構築プラットフォームの加熱装置によって、印刷プロセス中にすでに結合剤噴射3D印刷部品の硬化を可能にし、その結果、最終的に部品を効率的に製造するために硬化を完全に促進することが可能である。部品の構築中に構築プラットフォームの温度が所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇することにより、部品(特に最大値の適切な選択により)および/または3Dプリンタの部品(特に構築プラットフォーム温度上昇の過程の適切な選択または構築プラットフォーム表面の温度の設定の適切な選択により)を損傷の危険にさらすことなく、部品の信頼性の高い製造が可能になる。この点において、上記のステップは、例えば、時間的に重複してもよい。この点において、上記3つのステップは、例えば、複数の部品形成層のそれぞれについて(例えば、部品形成層の全て、または非常に多く(半数以上)の部品形成層について、または相当な数(例えば、25%以上、例えば、30%以上、例えば、35%以上、例えば、40%以上、例えば、45%以上)の部品形成層について)実行される。例えば、上記の3つのステップは、(例えば)少なくとも250の連続した層の数だけ繰り返してもよい。部品の構築中の所定の構築プラットフォーム最高温度に向かっての構築プラットフォームの温度の上昇は、例えば、緩やかなもの、例えば、一定/連続的なもの、例えば、段階的または直線的なもの、または、何らかの他の機能に従ったものであってもよい。例えば、部品の構築中の構築プラットフォームの温度は、70℃以下の温度から始まって所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって(特に、上記ステップを繰り返すことの一部および/または結果として)上昇してもよく、すなわち、第1層またはプロセスの初期に塗布された層を加熱するとき、構築プラットフォームの温度は、70℃以下、例えば65℃以下、例えば60℃以下、例えば55℃以下である。例えば、部品の構築中の構築プラットフォームの温度は、すなわち、最初の部品層の塗布時と最後の部品層の塗布時との間に、100℃以上、例えば125℃以上、例えば150℃以上、例えば175℃以上の上昇/温度差が生じてもよい。最高温度への構築プラットフォームの温度の(緩やかな)上昇は、100より多い、例えば、150より多い、例えば、200より多い層の塗布に、例えば、及んでもよい。
【0015】
例えば、本方法において、液体の処理剤は、(間接的または直接的に)(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)の(選択的な)結合に寄与、および/または結果的につながってもよい。例えば、液体の処理剤は、(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)を(選択的に)結合するための薬剤を含んでいてもよい。例えば、液体の処理剤は、(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)を(選択的に)(互いに)結合するために出力されてもよい。例えば、液体の処理剤は、(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)を(選択的に)結合するために出力されてもよい。
【0016】
例えば、本方法において、液体の処理剤は、液体の結合剤(例えば、液体のバインダー)および/または多成分結合剤の液体成分(例えば、多成分バインダーの液体成分)を含んでいてもよい。液体の結合剤および/または多成分結合剤の液体成分は、例えば、(間接的または直接的に)(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)の(選択的な)結合に寄与、および/または結果的につながってもよい。
【0017】
例えば、本方法において、液体の処理剤は、有機系結合剤もしくは有機系結合剤の成分、または無機系結合剤もしくは無機系結合剤の成分を含んでいてもよい。例えば、有機系結合剤は、フェノール系結合剤(例えば、フェノール性/フェノール樹脂)および/またはフラン系結合剤(例えば、フラン樹脂)から構成されていてもよい。無機系結合剤は、例えば、水ガラス系結合剤(例えば、水ガラス)から構成されてもよい。
【0018】
(選択的な)結合中、(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)は、例えば、粒子状材料(および粒子状材料の粒子、それぞれ)がその形状および/または形態を保持する(または変化しない)ように、結合されてもよい。すなわち、(ゆるい)粒子状材料(および(ゆるい)粒子状材料の粒子、それぞれ)の(選択的な)結合中、例えば、粒子状材料(および粒子状材料の粒子、それぞれ)の溶融(または融合)および/または焼結および/または(熱)軟化および/または変形は起こらない。(選択的な)結合中、例えば、(出力)処理剤(例えば、結合剤、例えば、バインダー)は、粒子を結合(または共に保持)するために、粒子状材料の粒子の間に固体(または固化)の形態(例えば、硬化した形態)で配置されてもよい。すなわち、(選択的な)結合中、粒子状材料(および粒子状材料の粒子、それぞれ)は、例えば、固体(または固化された)(例えば、硬化した)処理剤(例えば、結合剤、例えばバインダー)によって、(選択的に)共に結合されてもよい。
【0019】
構築プラットフォームの加熱装置による加熱は、例えば、製造される部品の厚さが十分であるか/それに相当する場合、所定の構築プラットフォーム最高温度に達するまで構築プラットフォームを加熱するような方法で行ってもよい。
【0020】
例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度に達した後、構築プラットフォームの温度を所定の構築プラットフォーム最高温度に維持してもよい。これは塗布される残りの層のための構築フィールド表面の温度をいくらか低下させる可能性があるが(構築プラットフォーム最高温度に達する前または構築プラットフォーム温度の上昇中の層のための構築フィールド表面の温度と比較して;特に厚い部品の場合、後に塗布される部品層のための構築フィールド表面の温度は、その間に配置された層複合体に起因して周囲温度まで実質的に低下し得る)、これは適切な処理剤塗布環境に関して、実際に許容可能であることが証明されている(さらに、必要に応じて、追加の加熱が、例えば、赤外線ヒーターによって上方から提供されることも可能である)。これにより、部品の硬化をさらに促進することができる。
【0021】
例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度は180から320℃、例えば200から300℃、例えば220から280℃、例えば240から260℃の範囲内であってもよく、および/または処理剤および/または粒子状材料に応じて選択されてもよい。例えば、ユーザーが対応するユーザーインターフェースを介して、例えば、温度を入力または選択することによって、あるいは処理剤または材料のペアリングなどを入力または選択することによって、対応する構築プラットフォーム最高温度を3Dプリンタに指定してもよいようにすることができる。また、所定の構築プラットフォーム最高温度は、例えば、前もってセットされていてもよい。所定の構築プラットフォーム最高温度は、例えば、一定の値であってもよく、例えば、250℃であってもよい。
【0022】
それぞれ直前に塗布された層の表面温度は、(加熱装置による層複合体の加熱の結果として)、例えば、プロセス全体および/または部品の構築全体の間、すなわち、例えば、構築プラットフォーム温度が所定の構築プラットフォーム最高温度に達するまで、およびその後(構築プラットフォーム温度が最高温度に保持されている間)、例えば、70℃以下(例えば、65℃以下、例えば、60℃以下、例えば、55℃以下)の温度に設定することができる。それぞれ直前に塗布された層の表面温度は、(加熱装置による層複合体の加熱の結果として)、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度に達しない限り/所定の構築プラットフォーム最高温度に達するまで、(少なくとも)30から70℃、例えば35から65℃、例えば40から60℃、例えば45から55℃の範囲の温度に設定することができる。その後、すなわち構築プラットフォーム最高温度に達した後、新しい層の塗布の結果として、また層複合体の厚さの増加に起因して、(所定の構築プラットフォーム最高温度での加熱装置による更なる加熱にもかかわらず)上述のような表面温度の低下、最終的には前記範囲から離れることもある。例えば、それぞれ直前に塗布された層の表面温度は、所定の構築プラットフォーム最高温度に達しない限り、実質的に一定の温度に設定されてもよい。例えば、表面温度は、処理剤の機能として選択された温度であってもよい。
【0023】
この目的のために、一実施形態によれば、表面温度の範囲内での上記設定を達成するために、構築プラットフォームの温度およびその上昇のそれぞれの適切な過程を、例えば、実験的に、事前に定めてもよい。そして、部品を製造するために、定められた過程に従って、構築プラットフォームの温度を制御することができる。
【0024】
別の実施形態によれば、それぞれ直前に塗布された層の表面温度の設定は、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度に達しない限り、表面温度設定値仕様を用いた(加熱装置による)温度制御によって行われてもよい。例えば、ユーザーが、対応するユーザーインターフェースを介して、(構築ジョブを開始する前に)対応する表面温度設定値を3Dプリンタに指定するために、例えば、温度を入力または選択することによって、あるいは、(対応する設定値温度が保持されている)処理剤を入力または選択することによって、規定を設けることができる。また、所定の表面温度設定値は、例えば、前もってセットされていてもよい。したがって、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度に達していない限り、表面温度(すなわち、構築フィールドの温度)を、構築プラットフォームの加熱装置を用いて所定の設定値温度に制御し、前記温度制御の結果/目的として、部品の構築中に、構築プラットフォームの温度が所定の構築プラットフォーム最高温度に向かって上昇するようにしてもよい。この目的のために、例えば、塗布成分層ごとに(または、例えば、2つまたは3つの塗布成分層ごとに)、表面温度と設定値との照合が1回または複数回行われ、その後、照合に対応する加熱パワーが設定されてもよい。構築プラットフォーム最高温度に達した後は、例えば、温度制御を設定し、構築プラットフォームの温度を構築プラットフォーム最高温度に維持することができる。構築プラットフォームの温度が一定であり、層がさらに堆積することにより、表面温度の低下がその後予想される場合であっても、設定値および/または臨界値を超えた場合に、それに応じて介入したり、適切な措置を講じたりできるように、表面温度をさらに定めることができる。本実施形態によれば、構築プラットフォーム最高温度に達するまで、適切な設定値の選択によって設定された高入熱が確保されるという点で、層複合体への入熱を特に高くすることが可能であるが、それは例えば印刷ヘッドへの損傷を回避することができる。
【0025】
例えば、本方法では、少なくとも第1温度センサーによって表面温度を検出/測定することができ(これは、例えば、塗布成分層ごとに、または、例えば、2つまたは3つの塗布成分層ごとに、例えば、それぞれ1回または複数回行うことができる)、および/または、少なくとも第2温度センサーによって構築プラットフォームの温度を検出/測定することができる。第2温度センサーは、例えば、PTCを備えていてもよく、またはPTCで形成されていてもよい。第2温度センサーは、例えば、構築プラットフォーム上または構築プラットフォーム内、例えば、構築プラットフォームの下側に設けられてもよい。第1温度センサーは、例えば、赤外線センサーを備えていてもよく、または赤外線センサーで形成されていてもよい。例えば、第1温度センサーは、構築フィールドの上方に、構築フィールドに面して設けられていてもよい。
【0026】
例えば、本方法では、第1温度センサーによって感知された第1温度値が設定値仕様と比較されてもよく、および/または第2温度センサーによって感知された第2温度値が所定の構築プラットフォーム最高温度と比較されてもよい。例えば、比較の結果に基づいて、加熱装置の加熱パワーの設定/調整を行ってもよい。
【0027】
例えば、本方法では、構築プラットフォームが流体不透過性であるように構成されていてもよく、および/または(熱)流体の流れがない状態でゆるい粒子状材料の塗布層の加熱が行われてもよく、および/またはそれぞれ直前に塗布された層の上に設けられた加熱装置がない状態でゆるい粒子状材料の塗布層の加熱が行われてもよい。
【0028】
例えば、本方法では、加熱装置は構築プラットフォームの、例えば上に、および/または中に配置されてもよい。例えば、加熱装置は、構築プラットフォームをある領域、すなわち、実質的にその表面全体を、特に均一に加熱するように構成されていてもよい。
【0029】
例えば、本方法において、液体の処理剤は、有機系結合剤、例えばフェノール系結合剤、例えばフェノール樹脂、またはフラン系結合剤、例えばフラン樹脂、または無機系結合剤、例えば水ガラス系結合剤、例えば水ガラスを含んでいてもよく、および/または粒子状材料は砂粒子および/または塩粒子および/または金属粒子を含んでいてもよく、および/または、部品は鋳造コアおよび/または鋳造鋳型であってもよい。
【0030】
例えば、本方法では、少なくとも1つの部品の完成後、例えば部品を取り出す前に、すなわち、固化/処理された部分領域から形成された製造された部品が、ゆるい未固化の粒子状材料に囲まれている間、構築プラットフォームは所定の時間、所定の構築プラットフォーム最高温度を維持してもよい。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、3Dプリンタは
加熱装置を備えた構築プラットフォームと、
構築プラットフォーム上にゆるい粒子状材料の層を塗布するコータと、
ゆるい粒子状材料の直前に塗布された層の部分領域に液体の処理剤を出力する印刷ヘッドと、
上述の方法を実行するように構成された制御装置と、を備えていてもよい。すなわち、制御装置は、例えば、加熱装置、コータ、および印刷ヘッドを含む構築プラットフォームが上述したプロセスを実行するように適切に制御するように構成されていてもよい。
【0032】
3Dプリンタは、例えば、
直前に塗布された層の表面温度を感知する第1温度センサー、および/または
構築プラットフォームの温度を感知するための第2温度センサー、をさらに備えていてもよい。第1および第2温度センサーは、例えば、制御装置に接続されていてもよい。
【0033】
3Dプリンタでは、例えば、構築プラットフォームが流体不透過性に構成され、および/または加熱装置が、例えば、構築プラットフォームの上および/または中に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の一例であるがこれに限定されない実施形態を以下に更に詳細に説明する。
【0035】
【
図1】本発明による方法で発生し得る、第1の実施形態による構築プラットフォームの温度曲線の(概略)図を示す。
【0036】
【
図2】本発明による方法で発生し得る、第2の実施形態による構築プラットフォームの温度の温度曲線の(概略)図を示す。
【0037】
【
図3】本発明による方法で発生し得る、第3の実施形態による構築プラットフォームの温度の温度曲線の(概略)図を示す。
【0038】
【
図4】本発明による方法で発生し得る、第4の実施形態によるそれぞれ直前に塗布された層の表面温度の温度曲線の(概略)図を示す。
【0039】
【
図5】第5の実施形態による制御シーケンスのフローチャートを示す。
【0040】
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の詳細な説明では、本明細書に組み込まれ、本発明を実施することができる特定の実施形態が例示として示されている添付の図を参照する。
【0042】
本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的または論理的な変更を行うことができることを理解されたい。また、本明細書に記載された実施形態の特徴は、別段の定めがない限り、組み合わせられてもよいことを理解されたい。したがって、以下の説明は、制限的な意味で理解されるべきではなく、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【0043】
図1から3において、横軸に時間tを、縦軸に構築プラットフォームの温度Tを表示する。
図4では、横軸に時間tを、縦軸にそれぞれ直前に塗布された層の表面の温度Tを表示する。
【0044】
加熱装置を備えた構築プラットフォームの上で3D印刷により少なくとも1つの部品を製造する方法は、以下のステップを含むことができる。(1)ゆるい粒子状材料の層を構築プラットフォームに塗布し、(2)構築プラットフォームの加熱装置を用いて、ゆるい粒子状材料の塗布層を加熱し、(3)液体の処理剤を、(製造される部品の断面に従って)ゆるい粒子状材料の加熱された層の部分領域に出力し、(4)ステップ(1)から(3)を繰り返して、少なくとも1つの部品を構築するステップ。構築プラットフォームの加熱装置による加熱は、部品の構築中に、構築プラットフォームの温度TBPが所定の構築プラットフォーム最高温度TBP,maxに向かって上昇するように実行されてもよく、それによって、直前に塗布された層の表面温度TOFを、例えば、特定の値または特定の温度範囲に調整する(すなわち、それによって、表面温度を特定の温度範囲に維持する)ことができる。
【0045】
例えば、
図1に示すように、構築プラットフォームの温度T
BPは、直線的に(例えば、一定の温度変化率で)上昇してもよい。
【0046】
図2に示すように、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、階段状または段階的に上昇してもよい。例えば、構築プラットフォームの温度T
BPは、まず第1の期間にわたって第1の温度に維持され、次に第2の期間にわたって第2の上昇した温度に維持するようにしてもよい。
【0047】
図3に示すように、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、曲線的に、上昇してもよい。例えば、温度曲線は、構築プラットフォームの温度T
BPが構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに近づくにつれて温度変化率が低下する温度プロファイル/進行を有していてもよい。
【0048】
図1から3に示された構築プラットフォームの温度の温度曲線に対する代替曲線が可能であることを理解されたい。例えば、構築プラットフォームの温度は、第1の温度変化率で第1の期間にわたって直線的に上昇し、その後、第2の温度変化率で第2の期間にわたって直線的に上昇してもよい。例えば、温度曲線は、構築プラットフォームの温度T
BPが構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに近づくにつれて、温度変化率が上昇する温度プロファイル/進行を有していてもよい。
【0049】
例えば、構築プラットフォームの温度の温度曲線は、3D印刷プロセスを実施する前に(例えば、実験的に)定めてもよく、それぞれ直前に塗布された層の表面温度TOFを所定の(例えば、実質的に一定の)温度値または対応する範囲に設定する方法で(加熱装置を使用して)設定してもよい。所定の温度値または範囲は、例えば、液体の処理剤に応じて選択することができる。例えば、所定の温度値は、(例えば、溶剤成分の蒸発による印刷モジュールの開口部との密着によって)液体の処理剤が吐出された3Dプリンタの印刷ヘッドが損傷または損なわれないように選択されてもよい。
【0050】
図1から3に示すように、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに達するまで加熱されてもよい。
【0051】
図1から3に示すように、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに達した後、所定の構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに維持されてもよい。
【0052】
所定の構築プラットフォーム最高温度は、例えば、100から320℃、例えば125から250℃、例えば150から200℃の範囲内であってもよい。所定の構築プラットフォーム最高温度は、例えば、処理剤および/または粒子状材料の機能として選択されてもよい。
【0053】
それぞれ直前に塗布された層の表面温度TOFは、少なくとも所定の構築プラットフォーム最高温度TBP,maxに到達しない限り、例えば30から70℃、例えば30から60℃、例えば30から50℃、例えば30から40℃の範囲、例えば35℃の温度に設定することができる。この点において、それぞれ直前に塗布された層の表面温度TOFは、例えば、(実質的に)一定の温度に設定されてもよいが、言及または請求された範囲の1つの中で移動/変動してもよい。それぞれ直前に塗布された層の表面温度は、例えば、処理剤の機能として設定されもよい。
【0054】
なお、加熱装置の温度曲線によるそれぞれ直前に塗布された層の表面温度TOFの設定は、例えば、制御によって、あらかじめ定められた温度曲線に従って加熱装置が作動することによって行われてもよい。
【0055】
あるいは、表面温度の設定は、例えば、表面温度の設定値仕様を用いた温度制御によって、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度TBP,maxに達するまで行われてもよい。その場合、構築プラットフォームの温度の温度曲線は表面温度の制御に起因する。
【0056】
図4に示すように、それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFを、表面温度の設定値T
OF,setに設定してもよい。これは、例えば、温度制御によって行われてもよい。
あるいは、例えば、それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFが表面温度の設定値T
OF,setに(実質的に)対応するように、構築プラットフォームの温度の温度曲線を設定/制御してもよい。
【0057】
図4に示すように、それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFは、表面温度の設定値T
OF,setまで上昇してもよく、その後、この設定値に維持されてもよい。塗布された層のある厚さまたは高さに達したとき、および/または所定の構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに達したとき、それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFの低下が(連続した層の塗布と共に)発生する可能性があり、これは構築プラットフォームによって放出される熱の量が、その後、それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFを設定値に維持するには低すぎる可能性があるためである。
【0058】
それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFは、例えば、少なくとも第1温度センサーによって感知されてもよい。構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、少なくとも第2温度センサーによって感知されてもよい。例えば、
図6を参照。
【0059】
第1温度センサーは、例えば、赤外線センサーであってもよい。第1温度センサーは、例えば、構築フィールド全体の表面温度、またはその平均値や最大値を実質的に感知するものであってもよい。例えば、第1温度センサーは、構築フィールドの特定部分の表面温度を感知してもよく、その部分は、例えば構築フィールドの総面積の20%以下(例えば、10%以下、例えば、5%以下)の面積で構成されていてもよい。例えば、複数の第1温度センサーを設け、それぞれが構築フィールドの表面の所定の部分領域の温度を感知し、例えば、感知した温度値の平均値または最大値を表面温度として用いてもよい。
【0060】
第2温度センサーは、例えば、少なくともPTC抵抗器で構成されていてもよい。
例えば、複数の第2温度センサーを設け、それぞれが構築プラットフォームの所定の位置の温度を感知し、例えば、感知した温度値の平均値または最大値を構築プラットフォームの温度として用いてもよい。
【0061】
第1温度センサーによって感知された第1温度値TOFは、例えば、設定値仕様TOF,set(制御の場合)と比較されてもよい。第2温度センサーによって感知された第2温度値TBPは、例えば、所定の構築プラットフォーム最高温度TBP,maxと比較されてもよい。
【0062】
図5に示すように、制御において、例えば、まず、表面温度の設定値T
OF,setおよび構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxを、例えば、使用される結合剤システムおよび/または粒子状材料に応じて、設定または事前に決定してもよい。次に、構築プラットフォームの温度T
BPを、例えば、第2温度センサーを使用して、本方法において定めてもよい。次に、定められた構築プラットフォームの温度T
BPを、構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxと比較してもよい。定められた構築プラットフォームの温度T
BPが構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに等しい(またはそれよりも大きい)場合、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、本方法のさらなる過程の間、構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに維持されてもよい。定められた構築プラットフォームの温度T
BPが構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxよりも大きい場合、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxまで下げられ、例えば、その後、構築プラットフォーム最高温度T
BP,maxに維持されてもよい。定められた構築プラットフォームの温度T
BPが構築プラットフォーム最高温度T
BP,max未満である場合、それぞれ直前に塗布された層の表面温度T
OFは、例えば、第1温度センサーを用いて定められてもよい。そして、定められた表面温度T
OFは、表面温度の設定値T
OF,setと比較されてもよい。定められた表面温度T
OFが表面温度の設定値T
OF,set未満である場合、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、上昇してもよい。定められた表面温度T
OFが表面温度の設定値T
OF,setに等しい場合、構築プラットフォーム温度のT
BPは、例えば、維持されてもよい。定められた表面温度T
OFが表面温度の設定値T
OF,setよりも大きい場合、構築プラットフォームの温度T
BPは、例えば、低下してもよい。
【0063】
例えば、構築プラットフォームは、流体不透過性であるように構成されてもよい。ゆるい粒子状材料の塗布層の加熱は、例えば、流体の流れがない状態で行われてもよい。ゆるい粒子状材料の塗布層の加熱は、例えば、それぞれ直前に塗布された層の上に設けられた加熱装置がない状態で行われてもよい。
【0064】
(構築プラットフォームの)加熱装置は、例えば、電気加熱装置であってもよく、構築プラットフォームの上および/または中に配置されてもよい。
【0065】
液体の処理剤は、例えば、有機系の結合剤、例えば、フェノール系の結合剤(例えば、フェノール樹脂)またはフラン系の結合剤(例えば、フラン樹脂)であってもよい。液体の処理剤は、例えば、無機系の結合剤、例えば、水ガラス系の結合剤(例えば、水ガラス)であってもよい。
【0066】
構築プラットフォームの温度は、例えば、少なくとも1つの部品の完成後、部品が取り出される前、所定の期間にわたって所定の構築プラットフォーム最高温度に維持してもよい。取り出した後、必要に応じて、部品をさらに硬化させてもよい。
【0067】
例えば、3Dプリンタは、加熱装置を備えた構築プラットフォーム(例えば、高さ調整可能)、構築プラットフォームにゆるい粒子状材料の層を塗布するコータ、ゆるい粒子状材料の直前に塗布された層の部分領域に液体の処理剤を出力する印刷ヘッド、および上述の方法を実行するように構成された制御装置を備えていてもよい。
【0068】
例えば、
図6に示すように、3Dプリンタは、ゆるい粒子状材料の直前に塗布された層の表面温度T
OFを感知するための少なくとも1つの第1温度センサー、および/または、構築プラットフォームの温度T
BPを感知するための少なくとも1つの第2温度センサーを備えていてもよい。第1および/または第2温度センサーは、例えば、上述のように構成されていてもよい。
【0069】
構築プラットフォームは、例えば、流体不透過性であるように構成されていてもよい。加熱装置は、例えば、構築プラットフォームの上および/または中に配置されていてもよい。
【国際調査報告】