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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】ロケット後支点支持調整システム
(51)【国際特許分類】
   B64G 5/00 20060101AFI20220803BHJP
   F16M 11/10 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
B64G5/00
F16M11/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572674
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 CN2020126219
(87)【国際公開番号】W WO2021088817
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】201911071466.X
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519218187
【氏名又は名称】藍箭航天空間科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】張 瑜
(72)【発明者】
【氏名】張 彦杰
(72)【発明者】
【氏名】韓 召洋
(72)【発明者】
【氏名】韋 銀利
(72)【発明者】
【氏名】楊 俊
(72)【発明者】
【氏名】呉 雪
(57)【要約】
本発明は、ロケット後支点支持調整システムを提供する。ロケット後支点支持調整システムは、2つのロケット後支点支持調整装置を含み、2つのロケット後支点支持調整装置は、起立アームの幅方向に沿って起立アームの両側に固定して設けられ、起立アームの長さ方向の中軸線に対して対称であり、ロケット後支点支持調整装置は、回転支持座と、回転駆動ユニットと、支持ユニットと、牽引ユニットとを含み、回転駆動ユニットは、回転支持座と起立アームとの間に設けられ、ロケットが発射台に支持されるようになった後に、ロケットが離陸するのに必要なスペースを空けるために回転支持座の回転を駆動し、支持ユニットは、回転支持座に設けられ、ロケットの後支点を支持し、牽引ユニットは、回転支持座および支持ユニットに接続され、ロケットの起立過程において、ロケットに対する支持ユニットの支持は徐々にロケットに対する牽引ユニットの牽引に変換される。本発明はロケットに対して多自由度の調節を行うことができ、ロケットを輸送する際のドッキングおよび調整の難しさを効果的に低下させ、ロケットが起立した後に発射台とドッキングする効率を効果的に向上できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケット後支点支持調整システムであって、
2つのロケット後支点支持調整装置を含み、2つの前記ロケット後支点支持調整装置は、起立アームの幅方向に沿って起立アームの両側に固定して設けられ、
前記ロケット後支点支持調整装置は、回転支持座と、回転駆動ユニットと、支持ユニットと、牽引ユニットとを含み、
前記回転駆動ユニットは、前記回転支持座と起立アームとの間に設けられ、ロケットが発射台に支持されるようになった後に、ロケットが離陸するのに必要なスペースを空けるために前記回転支持座の回転を駆動し、
前記支持ユニットは、前記回転支持座に設けられ、ロケットの後支点を支持し、
前記牽引ユニットは、回転支持座および支持ユニットに接続され、ロケットの起立過程において、ロケットに対する前記支持ユニットの支持は徐々にロケットに対する前記牽引ユニットの牽引に変換されることを特徴とする、ロケット後支点支持調整システム。
【請求項2】
前記回転駆動ユニットは、回転ピン軸と、位置規制支持ブロックと、駆動シリンダとを含み、
前記回転支持座は、前記回転ピン軸を介して起立アームにヒンジ接続され、前記位置規制支持ブロックは、前記回転支持座の位置を位置決めするものであり、前記駆動シリンダは、前記回転支持座を前記回転ピン軸の周りに回転するように駆動するものであることを特徴とする、請求項1に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項3】
前記支持ユニットは、支持昇降シリンダと、端軸頸座とを含み、前記支持昇降シリンダの一端は起立アームに固定接続され、他端は前記端軸頸座に固定接続され、
前記支持昇降シリンダのその長さ方向における中軸線は、前記端軸頸座のその長さ方向における中軸線に垂直であり、前記支持昇降シリンダは、前記支持昇降シリンダの長さ方向に沿う前記端軸頸座の変位を調整するものであり、前記端軸頸座は、起立アームの幅方向に沿ってロケットを支持するものであることを特徴とする、請求項1または2に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項4】
前記支持昇降シリンダは、支持シリンダ筒と、昇降ネジ棒と、ウォームと、タービンと、昇降シリンダロッドとを含み、
前記支持シリンダ筒の起立アームに接続される端には、ネジ止めキャップが設けられ、前記昇降ネジ棒は、前記支持シリンダ筒内に回転可能に設けられ、前記昇降ネジ棒の前記ネジ止めキャップに近い端には、深溝玉軸受が設けられ、前記深溝玉軸受とネジ止めキャップとの間に止め輪が設けられ、
前記深溝玉軸受の上方には、位置規制ナットが設けられ、前記位置規制ナットの上方には、前記タービンが設けられ、前記タービンは昇降ネジ棒に接続され、前記ウォームの一端は前記支持シリンダ筒を通過して前記タービンに接続され、
沿前記昇降ネジ棒の長さ方向において、前記タービンの頂端および底端にはそれぞれスラスト軸受が設けられ、前記スラスト軸受の上方には位置規制バッフルが設けられ、
前記昇降ネジ棒の前記ネジ止めキャップに近い端に対向する端は、前記昇降シリンダロッドの一端にネジ接続され、前記昇降シリンダロッドの昇降ネジ棒に接続される端は、前記支持シリンダ筒内に摺動可能に設けられ、
前記支持シリンダ筒の前記ネジ止めキャップが設けられる端に対向する端には、第1支持フランジ蓋が設けられ、前記第1支持フランジ蓋には、貫通孔が形成され、前記昇降シリンダロッドの他端は、前記貫通孔を通過して遷移フランジを介して前記端軸頸座に接続されることを特徴とする、請求項3に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項5】
前記位置規制バッフルと第1支持フランジ蓋との間の前記支持シリンダ筒の内壁には、第1ガイド溝が形成され、前記第1ガイド溝には、第1位置規制ブロックが設けられ、前記第1位置規制ブロックの一端は前記昇降シリンダロッドに固定接続され、他端は前記第1ガイド溝内を摺動可能であることを特徴とする、請求項4に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項6】
前記端軸頸座は、座筒と、駆動ネジ棒と、ハンドホイールと、支持シリンダロッドとを含み、前記座筒は、前記支持昇降シリンダの頂端に固定して設けられ、方向が支持されるロケットの水平径方向に一致し、
前記座筒の支持されるロケットから遠い端には、支持フランジが設けられ、前記駆動ネジ棒の一端は前記座筒の外部に位置し、ハンドホイールに接続され、他端は前記支持フランジを通過して前記座筒内で前記支持シリンダロッドの一端にネジ接続され、
前記支持フランジの内壁と前記駆動ネジ棒との間には、円すいころ軸受が設けられ、
前記円すいころ軸受の前記ハンドホイールに近い側には、規制ナットが設けられ、
前記座筒の支持されるロケットに近い端には、第2支持フランジ蓋が設けられ、前記支持シリンダロッドの駆動ネジ棒に接続される端に対向する端は、前記第2支持フランジ蓋を通過して端軸頸に接続されることを特徴とする、請求項3に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項7】
前記支持フランジと第2支持フランジ蓋との間の前記座筒の内壁には、第2ガイド溝が形成され、前記第2ガイド溝には、第2位置規制ブロックが設けられ、前記第2位置規制ブロックの一端は前記支持シリンダロッドに固定接続され、他端は第2ガイド溝内を摺動可能であることを特徴とする、請求項6に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項8】
前記支持シリンダロッドの端軸頸に接続される一端には、押付蓋が設けられ、前記押付蓋は、側壁が開閉可能な筒状構造であることを特徴とする、請求項6に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項9】
前記押付蓋は、上円弧板と、下円弧板とを含み、前記押付蓋の径方向に沿って、前記上円弧板の一端と前記下円弧板の一端とはピン軸により接続され、前記上円弧板の他端は、前記ピン軸の周りに回転して開閉可能であり、前記上円弧板の他端は、締付ネジにより前記下円弧板の他端に締付接続されることを特徴とする、請求項8に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項10】
前記牽引ユニットは、調節スクリューと、第1タイロッド座と、第2タイロッド座とを含み、
前記調節スクリューの一端は前記第1タイロッド座を介して回転支持座に接続され、他端は前記第2タイロッド座を介して端軸頸座に接続され、前記調節スクリューには、調節ナットおよび締付ナットが套設されることを特徴とする、請求項3に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項11】
前記支持昇降シリンダの回転支持座に接続される端には、取付フランジが設けられ、前記取付フランジには、調整長孔が形成され、前記支持昇降シリンダは、前記調整長孔およびボルトを介して前記回転支持座に固定接続されることを特徴とする、請求項3に記載のロケット後支点支持調整システム。
【請求項12】
前記取付フランジには、中心矢印が設けられ、前記回転支持座には、事前に中心線が設けられ、前記中心矢印と事前に設けられた前記中心線とは、前記支持昇降シリンダを前記回転支持座に取り付ける際に位置合わせるためのものであることを特徴とする、請求項11に記載のロケット後支点支持調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロケット補助支持調整システムの技術分野に属し、具体的にはロケット後支点支持調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
宇宙技術の発展、特にここ数年の商業航空の活発な発展に伴い、伝統的な「三垂直」発射モードは固定された発射塔を必要とするため、そのインフラ建設周期が比較的長く、維持コストが比較的高いなどの欠点が次第に明らかになっている。そのため、現段階の商業航空の発射需要に適応するために、迅速、柔軟、低コストの発射モードを開発する必要がある。
【0003】
外国で成功した商業宇宙企業はほとんど「三水平」というテスト発射モード、すなわち、水平組立、水平輸送、水平テスト、起立発射という発射モードを採用している。したがって、ロケットの運搬、輸送および起立の過程において、ロケット本体を確実に支持、輸送し、ロケット本体が重力以外の付加力を受けないようにし、複数回の輸送を回避し、ロケットに衝突するリスクを減少させることは非常に重要となっている。特に、起立アームが発射領域の回転支点とドッキングして起立した後に、地面上に固定された発射台に正確にドッキングする必要がある。回転支点と発射台の位置との間に偏差があるため、起立後のロケットの底面と発射台の支持面との間には、ある程度の位置偏差が存在する。そうすると、発射台との精確なドッキングを実現するためにロケットに対して多自由度の調整を行う必要がある。また、ロケット後支点を支持するための装置に対して迅速に分解可能であることを要求している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に存在する問題を解決するために、本発明はロケット後支点支持調整システムを提供する。
【0005】
本発明の実施例によれば、本発明は、ロケット後支点支持調整システムを提供する。ロケット後支点支持調整システムは、2つのロケット後支点支持調整装置を含み、2つの前記ロケット後支点支持調整装置は、起立アームの幅方向に沿って起立アームの両側に固定して設けられ、起立アームの長さ方向の中軸線に対して対称であり、
前記ロケット後支点支持調整装置は、回転支持座と、回転駆動ユニットと、支持ユニットと、牽引ユニットとを含み、前記回転駆動ユニットは、前記回転支持座と起立アームとの間に設けられ、ロケットが発射台に支持されるようになった後に、ロケットが離陸するのに必要なスペースを空けるために前記回転支持座の回転を駆動し、前記支持ユニットは、前記回転支持座に設けられ、ロケットの後支点を支持し、前記牽引ユニットは、回転支持座および支持ユニットに接続され、ロケットの起立過程において、ロケットに対する前記支持ユニットの支持は徐々にロケットに対する前記牽引ユニットの牽引に変換される。
【0006】
前記ロケット後支点支持調整システムにおいて、前記回転駆動ユニットは、回転ピン軸と、位置規制支持ブロックと、駆動シリンダとを含み、
前記回転支持座は、前記回転ピン軸を介して起立アームにヒンジ接続され、前記位置規制支持ブロックは、前記回転支持座の位置を位置決めするものであり、前記駆動シリンダは、前記回転支持座を前記回転ピン軸の周りに回転するように駆動するものである。
【0007】
さらに、前記回転駆動ユニットは、第1接続板と、第2接続板とをさらに含み、
前記第1接続板は、起立アームに設けられ、前記第2接続板は、前記回転支持座の起立アームに近い端面に設けられ、前記第1接続板と第2接続板とはペアとなって使用され、前記回転ピン軸を介してヒンジ接続される。
【0008】
前記ロケット後支点支持調整システムにおいて、前記支持ユニットは、支持昇降シリンダと、端軸頸座とを含み、前記支持昇降シリンダの一端は起立アームに固定接続され、他端は前記端軸頸座に固定接続され、
前記支持昇降シリンダのその長さ方向における中軸線は、前記端軸頸座のその長さ方向における中軸線に垂直であり、前記支持昇降シリンダは、前記支持昇降シリンダの長さ方向に沿う前記端軸頸座の変位を調整するものであり、前記端軸頸座は、起立アームの幅方向に沿ってロケットを支持するものである。
【0009】
さらに、前記支持昇降シリンダは、支持シリンダ筒と、昇降ネジ棒と、ウォームと、タービンと、昇降シリンダロッドとを含み、
前記支持シリンダ筒の起立アームに接続される端には、ネジ止めキャップが設けられ、前記昇降ネジ棒は、前記支持シリンダ筒内に回転可能に設けられ、前記昇降ネジ棒の前記ネジ止めキャップに近い端には、深溝玉軸受が設けられ、前記深溝玉軸受とネジ止めキャップとの間に止め輪が設けられ、
前記深溝玉軸受の上方には、位置規制ナットが設けられ、前記位置規制ナットの上方には、前記タービンが設けられ、前記タービンは昇降ネジ棒に接続され、前記ウォームの一端は前記支持シリンダ筒を通過して前記タービンに接続され、
沿前記昇降ネジ棒の長さ方向において、前記タービンの頂端および底端にはそれぞれスラスト軸受が設けられ、前記スラスト軸受の上方には位置規制バッフルが設けられ、
前記昇降ネジ棒の前記ネジ止めキャップに近い端に対向する端は、前記昇降シリンダロッドの一端にネジ接続され、前記昇降シリンダロッドの昇降ネジ棒に接続される端は、前記支持シリンダ筒内に摺動可能に設けられ、
前記支持シリンダ筒の前記ネジ止めキャップが設けられる端に対向する端には、第1支持フランジ蓋が設けられ、前記第1支持フランジ蓋には、貫通孔が形成され、前記昇降シリンダロッドの他端は、前記貫通孔を通過して遷移フランジを介して前記端軸頸座に接続される。
【0010】
さらに、前記位置規制バッフルと第1支持フランジ蓋との間の前記支持シリンダ筒の内壁には、第1ガイド溝が形成され、前記第1ガイド溝には、第1位置規制ブロックが設けられ、前記第1位置規制ブロックの一端は前記昇降シリンダロッドに固定接続され、他端は前記第1ガイド溝内を摺動可能である。
【0011】
さらに、前記端軸頸座は、座筒と、駆動ネジ棒と、ハンドホイールと、支持シリンダロッドとを含み、前記座筒は、ロケットの水平径方向に沿って前記支持昇降シリンダの頂端に固定して設けられ、
前記座筒の支持されるロケットから遠い端には、支持フランジが設けられ、前記駆動ネジ棒の一端は前記座筒の外部に位置し、ハンドホイールに接続され、他端は前記支持フランジを通過して前記座筒内で前記支持シリンダロッドの一端にネジ接続され、
前記支持フランジの内壁と前記駆動ネジ棒との間には、円すいころ軸受が設けられ、
前記円すいころ軸受の前記ハンドホイールに近い側には、規制ナットが設けられ、
前記規制ナットの前記ハンドホイールに近い側には保護カバーが設けられ、前記保護カバーは座筒に固定接続される。
【0012】
前記座筒のロケットに近い端には、第2支持フランジ蓋が設けられ、前記支持シリンダロッドの駆動ネジ棒に接続される端に対向する端は、前記第2支持フランジ蓋を通過して端軸頸に接続される。
【0013】
さらに、前記支持フランジと第2支持フランジ蓋との間の前記座筒の内壁には、第2ガイド溝が形成され、前記第2ガイド溝には、第2位置規制ブロックが設けられ、前記第2位置規制ブロックの一端は前記支持シリンダロッドに固定接続され、他端は第2ガイド溝内を摺動可能である。
【0014】
さらに、前記支持シリンダロッドの端軸頸に接続される一端には、押付蓋が設けられ、前記押付蓋は、側壁が開閉可能な筒状構造である。
【0015】
さらに、前記押付蓋は、上円弧板と、下円弧板とを含み、前記押付蓋の径方向に沿って、前記上円弧板の一端と前記下円弧板の一端とはピン軸により接続され、前記上円弧板の他端は、前記ピン軸の周りに回転して開閉可能であり、前記上円弧板の他端は、締付ネジにより前記下円弧板の他端に締付接続される。
【0016】
さらに、前記牽引ユニットは、調節スクリューと、第1タイロッド座と、第2タイロッド座とを含み、前記調節スクリューの一端は前記第1タイロッド座を介して回転支持座に接続され、他端は前記第2タイロッド座を介して端軸頸座に接続され、前記調節スクリューには、調節ナットおよび締付ナットが套設される。
【0017】
さらに、前記支持昇降シリンダの回転支持座に接続される端には、取付フランジが設けられ、前記取付フランジには、調整長孔が形成され、前記支持昇降シリンダは、前記調整長孔およびボルトを介して前記回転支持座に固定接続される。
【0018】
さらに、前記取付フランジには、中心矢印が設けられ、前記回転支持座には、事前に中心線が設けられ、前記中心矢印と事前に設けられた前記中心線とは、前記支持昇降シリンダを前記回転支持座に取り付ける際に位置合わせるためのものである。
【0019】
以上より、本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明によれば、ロケットの輸送および起立のときの支持リスクを効果的に低減させ、起立アームの構造変形によるロケットに加わる不要な追加力を回避することができる。特にロケットの輸送およびドッキング過程において、本発明はロケットに対して多自由度の調節を行うことができ、ロケットを輸送する際のドッキングおよび調整の難しさを効果的に低下させ、ロケットが起立した後に発射台とドッキングする効率を効果的に向上できる。
【0020】
また、押付蓋は側壁が開閉可能な筒状構造を採用することにより、端軸頸の位置決め、押付け、緩め操作の効率を効果的に向上でき、ロケットの発射時間を短縮させ、発射効率を向上できる。
【0021】
以上の説明および以下の実施形態は、例示的な説明だけであり、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下に添付する図面は、本発明の実施例を示す本明細書の一部であり、これらの図面および明細書により本発明の原理を説明する。
図1】本発明の実施例に係るロケット後支点支持調整システムの構造模式図である。
図2】本発明の実施例に係るロケット後支点支持調整システムの側面図である。
図3】本発明の実施例に係るロケット後支点支持調整システムにおける支持昇降シリンダの内部構造の模式図である。
図4】本発明の実施例に係るロケット後支点支持調整システムにおける端軸頸座の内部構造の模式図である。
図5図3のB-B方向から押付蓋を観察した構造模式図である。
図6】本発明の実施例に係るロケット後支点支持調整システムにおける押付蓋が開状態にある場合の模式図である。
図7図3のA-A方向から取付フランジを観察した構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例の目的、技術的手段および利点をより明確にするために、以下、図面により本発明の開示内容の思想を詳しく説明する。当業者であれば、本発明の実施例を理解した後に、本発明の内容に基づいて変更および修飾することができ、これらの変更および修飾はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0024】
本発明の例示的な実施例およびその説明は本発明を解釈するものであり、本発明を制限するものではない。また、図面および実施形態において同じまたは類似の符号で示される素子/部品は同じまたは類似の部分を示すものである。
【0025】
本明細書で使用される「第1」、「第2」などの用語は、特に順序や順位を指すのではなく、本発明を制限するものでもなく、同じ技術用語で示される素子または操作を区別するものだけである。
【0026】
本明細書で使用される上、下、左、右、前および後などの方向用語は、図面の方向を示すものだけである。したがって、使用される方向用語は、説明するものであり、本発明を制限するものではない。
【0027】
本明細書で使用される「包含」、「含む」、「有する」、「含有」などの用語は、いずれも開放式の用語であり、つまり、含むが制限しないことを意味する。
【0028】
本明細書で使用される「および/または」は、説明されるもののいずれかまたはすべての組み合わせを含む。
【0029】
本明細書で使用される「複数」は「2つ」および「2つ以上」を含む。本明細書で使用される「複数群」は「2群」および「2群以上」を含む。
【0030】
本明細書で使用される「ほぼ」、「約」などの用語は、わずかに変化することができる量または誤差を修飾するために使用されるが、これらのわずかな変化または誤差は本質を変えない。一般的には、このような用語で修飾されるわずかな変化または誤差の範囲は、一部の実施例において20%、10%、5%または他の数値であってもよい。当業者に理解できるように、上記数値は、これらに限定されず、実際の必要に応じて調整することができる。
【0031】
本明細書を説明するために使用されるいくつかの用語は、本明細書に関連する説明に関して当業者がさらなるガイダンスを提供するために、以下または本明細書の別の場所で説明する。
【0032】
図1に示すように、本発明に係るロケット後支点支持調整システムは、2つのロケット後支点支持調整装置を含む。2つのロケット後支点支持調整装置は、起立アームの幅方向に沿って起立アームの両側に固定して設けられ、起立アームの長さ方向の中軸線に対して対称である。
【0033】
ロケット後支点支持調整装置は、回転支持座1と、回転駆動ユニット2と、支持ユニット3と、牽引ユニット4とを含む。回転駆動ユニット2は、回転支持座1と起立アーム5との間に設けられ、ロケットが発射台に支持されるようになった後に、ロケットが離陸するのに必要なスペースを空けるために回転支持座1の回転を駆動し、ロケットの後支持の迅速な分解を実現する。支持ユニット3は、回転支持座1に設けられ、ロケットの後支点を支持する。牽引ユニット4は、回転支持座1および支持ユニット3に接続される。ロケットの起立過程において、ロケットに対する支持ユニット3の支持は徐々にロケットに対する牽引ユニット4の牽引に変換される。
【0034】
図1に示すように、回転駆動ユニット2は、第1接続板21と、第2接続板22と、回転ピン軸23と、位置規制支持ブロック24と、駆動シリンダ25とを含む。第1接続板21は、起立アーム5に設けられ、第2接続板22は、回転支持座1の起立アーム5に近い端面に設けられる。第1接続板21と第2接続板22とはペアになって使用され、回転ピン軸23を介してヒンジ接続される。位置規制支持ブロック24は、起立アーム5と回転支持座1の底面との間に設けられ、回転支持座1の位置を位置決めする。駆動シリンダ25の一端は起立アーム5にヒンジ接続され、他端は回転支持座1の底面にヒンジ接続される。駆動シリンダ25は、回転ピン軸23の周りに起立アーム5に支持されるロケットに接近または離間する方向へ回転するように回転支持座1を駆動する。
【0035】
具体的には、駆動シリンダ25は駆動油圧シリンダまたは駆動液圧シリンダを採用してもよい。
【0036】
図1および図2に示すように、支持ユニット3は、支持昇降シリンダ31と、端軸頸座33とを含む。支持昇降シリンダ31の一端は起立アーム5に固定接続され、他端は端軸頸座33に固定接続される。支持昇降シリンダ31と端軸頸座33とはT型に設けられ、すなわち、支持昇降シリンダ31のその長さ方向における中軸線は端軸頸座33のその長さ方向における中軸線に垂直である。支持昇降シリンダ31は、支持昇降シリンダ31の長さ方向に沿う端軸頸座33の変位を調整する。端軸頸座33は、起立アーム5の幅方に沿ってロケットを支持する。
【0037】
具体的には、図3に示すように、支持昇降シリンダ31は、支持シリンダ筒311と、昇降ネジ棒312と、ウォーム313と、タービン314と、昇降シリンダロッド315とを含む。
【0038】
支持シリンダ筒311の起立アーム5に接続される一端には、ネジ止めキャップ316が設けられる。昇降ネジ棒312は支持シリンダ筒311内に回転可能に設けられる。昇降ネジ棒312のネジ止めキャップ316に近い端には、深溝玉軸受317が設けられる。深溝玉軸受317とネジ止めキャップ316との間には止め輪318が設けられる,止め輪318は深溝玉軸受317を位置規制する。
【0039】
深溝玉軸受317の上方には位置規制ナット319が設けられる。位置規制ナット319の上方にはタービン314が設けられる。タービン314はフラットキーを介して昇降ネジ棒312に接続される。ウォーム313の一端は支持シリンダ筒311を通過してタービン314に接続される。位置規制ナット319は昇降ネジ棒312上の階段に嵌合してタービン314を昇降ネジ棒312に押し付けて位置決めする。
【0040】
昇降ネジ棒312の長さ方向に沿って、タービン314の頂端および底端のいずれにもスラスト軸受320が設けられる。スラスト軸受320は、昇降シリンダロッド315による上下両方向の作用力を受ける。スラスト軸受320の上方には位置規制バッフル321が設けられる。位置規制バッフル321は昇降ネジ棒312が起立アーム5から離間する方向への運動を制限する。
【0041】
昇降ネジ棒312のネジ止めキャップ316に近い端に対向する端は、昇降シリンダロッド315の一端にネジ接続される。昇降シリンダロッド315のこの端は、支持シリンダ筒311内に摺動可能に設けられる。
【0042】
支持シリンダ筒311のネジ止めキャップ316が設けられる端に対向する端には、第1支持フランジ蓋322が設けられる。第1支持フランジ蓋322には、貫通孔が形成される。貫通孔の内壁には、ガイドベルト323が設けられる。昇降シリンダロッド315の他端は、貫通孔を通過して遷移フランジ324を介して端軸頸座33に接続される。ガイドベルト323は、昇降シリンダロッド315を支持、ガイドする。
【0043】
昇降シリンダロッド315が支持シリンダ筒311内を摺動するときに回転することを防止するために、位置規制バッフル321と第1支持フランジ蓋322との間の支持シリンダ筒311の内壁には第1ガイド溝が形成される。第1ガイド溝には第1位置規制ブロック325が設けられる。第1位置規制ブロック325の一端は昇降シリンダロッド315に固定接続され、他端は第1ガイド溝内を摺動可能である。
【0044】
昇降ネジ棒312の回転により、昇降シリンダロッド315の上下運動が実現される。
【0045】
図4に示すように、端軸頸座33は、座筒331と、駆動ネジ棒332と、ハンドホイール333と、支持シリンダロッド334とを含む。座筒331は、ロケットの水平径方向に沿って支持昇降シリンダ31の頂端に固定して設けられる。具体的には、座筒331は遷移フランジ324を介して昇降シリンダロッド315に接続される。
【0046】
座筒331のロケットから遠い端には支持フランジ335が設けられる。駆動ネジ棒332の一端は座筒331の外部に位置し、ハンドホイール333に接続され、他端は支持フランジ335を通過して座筒331内で支持シリンダロッド334の一端にネジ接続される。ハンドホイール333により駆動ネジ棒332を回転させる。駆動ネジ棒332の回転により、支持シリンダロッド334は座筒331内を伸縮運動することができる。
【0047】
支持フランジ335の内壁と駆動ネジ棒332との間には円すいころ軸受336が設けられる。円すいころ軸受336はペアになって設けられるとともに、互いに背向して設けられ、駆動ネジ棒332を支持、ガイドする作用を有する。
【0048】
円すいころ軸受336のハンドホイール333に近い側には規制ナット337が設けられる。規制ナット337は駆動ネジ棒332上の階段に嵌合して円すいころ軸受336を駆動ネジ棒332に固定接続する。
【0049】
また、規制ナット337のハンドホイール333に近い側には保護カバー338が設けられる。保護カバー338は座筒331に固定接続され、座筒331内の規制ナット337、円すいころ軸受336などを保護する。
【0050】
規制ナット337がすいころ軸受336をより緊密に押し付けることを容易にするために、駆動ネジ棒332の長さ方向に沿って規制ナット337と円すいころ軸受336との間にパッド339が設けられる。
【0051】
座筒331のロケットに近い端には、第2支持フランジ蓋340が設けられる。支持シリンダロッド334の駆動ネジ棒332に接続される端に対向する端は第2支持フランジ蓋340を通過して端軸頸341に接続される。
【0052】
理解できるように、ハンドホイール333による駆動ネジ棒332の駆動の代わりに、モータ駆動を使用してもよい。
【0053】
支持シリンダロッド334が座筒331内を伸縮運動するときに回転することを防止するために、支持フランジ335と第2支持フランジ蓋340との間の座筒331の内壁に第2ガイド溝が形成される。第2ガイド溝には、第2位置規制ブロック343が設けられる。第2位置規制ブロック343の一端は支持シリンダロッド334に固定接続され、他端は第2ガイド溝内を摺動可能である。
【0054】
一実施例において、図5および図6に示すように、支持シリンダロッド334の端軸頸341に接続される端には押付蓋342が設けられる。押付蓋342は側壁が開閉可能な筒状構造であり、上円弧板3421と下円弧板3422とを含む。押付蓋342の径方向に沿って、上円弧板3421の一端と下円弧板3422の一端とはピン軸3423により接続される。上円弧板3421の他端はピン軸3423の周りに回転して開閉可能である。上円弧板3421の他端は締付ネジ3424により下円弧板3422の他端に締付接続されることにより、支持シリンダロッド334と端軸頸341との迅速の接続または分離が実現される。
【0055】
別の実施例において、図7に示すように、支持昇降シリンダ31の回転支持座1に接続される一端には取付フランジ11が設けられる。取付フランジ11には調整長孔111が形成される。支持昇降シリンダ31は調整長孔111およびボルトを介して回転支持座1に固定接続される。調整長孔111を設けることによりロケットの長さ方向に沿って支持昇降シリンダ31の回転支持座1での位置を微調整することができる。
【0056】
また、取付フランジ11には中心矢印112が設けられる。回転支持座1には中心線113が事前に設けられる。支持昇降シリンダ31を回転支持座1に取り付ける際に、中心矢印112と事前に設けられた中心線113とを位置合わせすることにより、ロケットの両側の支持昇降シリンダ31がロケットの長さ方向における垂直中心面に対して対称であることを保証することができる。
【0057】
図1に示すように、牽引ユニット4は、調節スクリュー41と、第1タイロッド座42と、第2タイロッド座43と、調節ナット44と、締付ナット45とを含む。調節スクリュー41の一端は第1タイロッド座42を介して回転支持座1に接続され、他端は第2タイロッド座43を介して端軸頸座33に接続される。調節スクリュー41にはが調節ナット44および締付ナット45が套設される。調節ナット44を回転させることにより、調節スクリュー41の長さを変化させることができる。調節スクリュー41が所定の長さに調節されたときに、調節スクリュー41の長さが変化しなくなるように、締付ナット45により調節スクリュー41を締め付けることができる。
【0058】
具体的には、第1タイロッド座42は、位置決めピン46を介して回転支持座1に固定接続される。
【0059】
支持昇降シリンダ31は端軸頸座33を昇降させ、調節スクリュー41は第2タイロッド座43により端軸頸座33を牽引することにより、端軸頸座の異なる支持高さに適する。また、端軸頸座33は一定の水平調節能力を有し、これによって、ロケットの水平方向における位置を調節することができる。
【0060】
本発明で提供されるロケット後支点支持調整システムにより在吊り上げドッキング、輸送、起立、発射台とドッキング、および後支持のロック解除などの過程においてロケットを支持するときに過程は以下の通りである。
【0061】
S1:事前準備
まず、端軸頸341とロケットとを接続し、ロケットに接続される端軸頸341の位置を地面同一水平基準に対して正確に測定し、ロケットの両側にある2つの端軸頸341の鉛直方向における高度差を確定する。
【0062】
また、位置規制支持ブロック24の高さを調整することにより、ロケットの両側にある回転支持座1が位置規制支持ブロック24に確実に接触するとともに水平状態を保持し、駆動シリンダ25が収縮してロック状態となる。
【0063】
取付フランジ11を調整することにより、取付フランジ11上の中心矢印112を回転支持座1上の事前に設けられた中心線113に位置合わせさせ、支持昇降シリンダ31の位置を調整する。
【0064】
支持昇降シリンダ31と取付フランジ11上の調整長孔111との相対位置を調整することにより、ロケットの両側の支持昇降シリンダ31をロケットの長さ方向における垂直中心面に対して対称にする。
【0065】
締付ナット45を手で緩めるとともに調節ナット44で調整し、ウォーム313を手で調整することにより昇降シリンダロッド315を上げる。端軸頸座は昇降シリンダロッド315の上昇に伴って上昇することで、支持シリンダロッド334の中心がロケット后支持理論中心点に到達する。ロケットの両側にある端軸頸座33の下取付面と支持昇降シリンダ31の下取付面との高度差を測定する。この高度差とロケットの測定された端軸頸341の高さとを一致にする。
【0066】
最後に、ハンドホイール333を手で調整し、ロケットの一方側の支持シリンダロッド334とロケットの理論測定端軸頸341との間の距離と、ロケットの他方側の支持シリンダロッド334とロケットの理論測定端軸頸341との間の距離とを一致にする。これによって準備作業が完成する。
【0067】
S2:ロケットの吊り上げおよびドッキング
クレーンにより端軸頸341が後支点の真上に位置するまでロケットをゆっくりと吊り上げ、そして端軸頸341が支持シリンダロッド334のハンドホイールから遠い端333の半凹溝内に落ちるようにロケットをゆっくりと落とし、予備位置決めする。横方向の位置偏差が大きい場合、ハンドホイール333を調整することにより端軸頸341の横方向における位置を微調整する。そして押付蓋342をし、締付ネジ3424を締め付けることでロケット前支点の支持を確実にし、調節ナット44を調整して調節スクリュー41をやや引き締め、最後に、締付ナット45を締め付ける。これによって、ロケットの吊り上げおよびドッキングの作業が完成する。
【0068】
S3:ロケット輸送
ロケットの輸送過程において、駆動ネジ棒332および昇降ネジ棒312の自己ロック作用により、本発明のロケット後支点支持調整システムはロケット本体の後支点を変位が発生することなく確実に支持することができる。また、端軸頸341が回転支点の周り回転できるため、輸送過程における不意の移動または回転が補償される。
【0069】
S4:ロケットの起立
ロケットの起立過程において、起立アーム5の変形により、ロケットはある程度傾斜して回転する。この場合、端軸頸341は支持シリンダロッド334の凹溝内を回転して変形を補償することにより、ロケットの回転によるロケット本体に加わる付加力が回避される。起立過程において、端軸頸341に対する支持力の方向は変化し、最初にロケット後支点は主に支持昇降シリンダ31により支持され、徐々に調節スクリュー41により引っ張られるようになり、この引張力は徐々に大きくなり、最後にロケットの重力はほとんど調節スクリュー41により引っ張られるようになる。
【0070】
S5:発射台とのドッキング
ロケットが回転して起立を完成して発射台とドッキングする際に、起立アーム5の回転点と発射台位置の誤差により、ロケットの脚と発射台の受け盤との間にある程度の位置偏差が存在する。この場合、両側でウォーム313を同時に調整してロケットを前後移動させ、両側でハンドホイール333を同時に調整してロケットを左右運動させることにより、ロケットと発射台とのドッキングおよび位置合わせを達成する。ドッキングが完成した後、発射台の脚支持盤を上げる。これによって、発射台とのドッキングが完成する。
【0071】
S6:後支持のロック解除
ロケットが発射台により支持されるようになった後、締付ネジ3424を緩め、押付蓋342を開く。端軸頸341とロケットとを接続するボルトを緩め、端軸頸341を取り外すことで、駆動シリンダ25が伸び出して回転支持座1を約45°回転するように押すことでロケットが離陸するためのスペースが空けられる。これによって、ロケットに対する後支持の迅速分解が実現される。
【0072】
S7:再度支持および水平戻し
発射が取り下げられた後、ロケットを改めて支持して位置決めする必要がある。この場合、端軸頸341とロケットとを改めて接続し、駆動シリンダ25を収縮してロックさせ、回転支持座1と位置規制支持ブロック24とを改めて接触させて位置決めする。この場合、締付ナット45を緩め、調節ナット44を調整し、ウォーム313およびハンドホイール333を調整し、発射台の支持腿の昇降と協働することにより端軸頸341は新たに支持シリンダロッド334の凹溝内に落ちる。端軸頸341の押付蓋342をしっかりと押圧し、締付ネジ3424を引き締める。最後に、調節ナット44をやや締め付け、締付ナット45を締め付けることにより、ロケット後支点支持調整システムによるロケットに対する新たな支持および位置決めが完成する。これによって、ロケットを水平状態に安全に戻すことができる。この操作手順によって、ロケットと起立アーム5との繰り返しの位置決めおよび分解を実現することができる。
【0073】
本発明のロケット後支点支持調整システムは、ロケットの輸送および起立のときの支持リスクを効果的に低減させ、起立アーム5の構造変形によるロケットに加わる不要な追加力を回避することができる。特にロケットの輸送およびドッキング過程において、本発明はロケットに対して多自由度の調節を行うことができ、ロケットを輸送する際のドッキングおよび調整の難しさを効果的に低下させ、ロケットが起立した後に発射台とドッキングする効率を効果的に向上できる。
【0074】
また、支持シリンダロッド334の端軸頸341に接続される端に設けられる押付蓋342は、側壁が開閉可能な筒状構造を採用することにより、端軸頸341の位置決め、押付け、緩め操作の効率を効果的に向上でき、ロケットの発射時間を大幅に短縮させ、発射効率を向上できる。
【0075】
以上の説明は、本発明の模式的な実施形態であり、本発明の思想および原則から逸脱しない範囲内で当業者が行う同等の変化および修正は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1、回転支持座、
11、取付フランジ、
111、調整長孔、
112、中心矢印、
113、事前に設けられた中心線、
2、回転駆動ユニット、
21、第1接続板、
22、第2接続板、
23、回転ピン軸、
24、位置規制支持ブロック、
25、駆動シリンダ、
3、支持ユニット、
31、支持昇降シリンダ、
311、支持シリンダ筒、
312、昇降ネジ棒、
313、ウォーム、
314、タービン、
315、昇降シリンダロッド、
316、ネジ止めキャップ、
317、深溝玉軸受、
318、止め輪、
319、位置規制ナット、
320、スラスト軸受、
321、位置規制バッフル、
322、支持フランジ蓋、
323、ガイドベルト、
324、遷移フランジ、
325、第1位置規制ブロック、
33、端軸頸座、
331、座筒、
332、駆動ネジ棒、
333、ハンドホイール、
334、支持シリンダロッド、
335、支持フランジ、
336、円すいころ軸受、
337、規制ナット、
338、保護カバー、
339、パッド、
340、第2支持フランジ蓋、
341、端軸頸、
342、押付蓋、
3421、上円弧板、
3422、下円弧板、
3423、ピン軸、
3424、締付ネジ、
343、第2位置規制ブロック、
4、牽引ユニット、
41、調節スクリュー、
42、第1タイロッド座、
43、第2タイロッド座、
44、調節ナット、
45、締付ナット、
46、位置決めピン、
5、起立アーム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】