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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】折畳み可能な箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/14 20060101AFI20220803BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20220803BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
B65D6/14 C
B65D6/18 C
B65D81/38 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573528
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2020095615
(87)【国際公開番号】W WO2020249047
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】201910511590.7
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ス、ヨンピン
【テーマコード(参考)】
3E061
3E067
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB16
3E061AD07
3E061CA02
3E061CA12
3E061CA22
3E061DA02
3E061DB20
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB08
3E067AB09
3E067BA05A
3E067BB14A
3E067CA18
3E067EA17
3E067EB27
3E067FC01
3E067GA01
3E067GA11
(57)【要約】
折畳み可能な箱は、箱体と箱蓋4とを有し、箱体は、ベース1と、ベース1に折り畳み可能に連結された一対の対向する第1側板2及び一対の対向する第2側板3とを有し、箱蓋4の一つの縁は、箱体の頂部にヒンジ結合されている。第1側板2、第2側板3及び箱蓋4は、いずれも内板と外板とが互いに溶接されて形成され、内板と外板との間には保温層が設けられている。ベース1は、板状の本体11と、該板状の本体11の周囲から上方に延びるエッジガード12とを有し、板状の本体11及びエッジガード12内には、いずれも保温層が設けられている。この折畳み可能な箱は、折畳み機能を実現すると共に優れた保温性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と箱蓋とを有し、前記筐体は、ベースと、前記ベースに折り畳み可能に連結された一対の対向する第1側板及び一対の対向する第2側板とを有し、前記箱蓋は、前記箱体の頂端に操作可能に連結される折畳み可能な箱であって、
前記第1側板、前記第2側板及び前記箱蓋の少なくとも1つは、内板と外板とを相互に連結して構成され、
前記内板と前記外板との間には、保温層が設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記箱蓋の一つの縁が前記箱体の頂端にヒンジ結合されている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項3】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記ベースは、
板状の本体と、
該板状の本体の周囲から上方に延びるエッジガードと、
を有し、
前記板状の本体及び前記エッジガード内には、いずれも保温層が設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項4】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板と前記外板とは、互いに溶接されている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項5】
請求項4に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、少なくとも1本の溶接リブが設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項6】
請求項4に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、互いに間隔をおいて2本の溶接リブが設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項7】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、
前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面は、平坦面であるか、
または、
前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項8】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、
前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられており、
前記少なくとも1本の補強リブは、互いに離間しており、かつ、前記溶接リブから離間している、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項9】
請求項8に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、少なくとも1本の溶接リブが設けられ、
前記補強リブは前記溶接リブと平行である、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項10】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、
前記第2側板の前記内板と前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面は、平坦面であるか、
または、
前記箱蓋並びに前記第1側板の前記内板及び前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項11】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、
前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられており、
前記少なくとも1本の補強リブは、互いに離間しており、かつ、前記溶接リブから離間している、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項12】
請求項11に記載の折畳み可能な箱であって、
前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、少なくとも1本の溶接リブが設けられ、
前記補強リブは前記溶接リブと平行である、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項13】
請求項3に記載の折畳み可能な箱であって、
前記ベースには、
板状の本体キャビティと、
2対の対向するエッジガードキャビティと、
が設けられ、
前記板状の本体キャビティと前記エッジガードキャビティとは、互いに間隔をおいて配置されている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項14】
請求項3に記載の折畳み可能な箱であって、
前記エッジガードには、開口を上方及び箱体の内部に向けさせ、相互に間隔をおいた複数の凹状キャビティが設けられ、
前記エッジガードの内部には、前記凹状キャビティの間に保温層が設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項15】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記箱蓋の第1縁は、ヒンジ部材を介して一対の前記第1側板のうちの一つの側板の頂端にヒンジ結合されており、
前記箱蓋の第1縁には、箱蓋ヒンジ部が設けられ、且つ、一対の前記第1側板のうちの一つの側板の頂端には側板ヒンジ部が設けられ、
前記ヒンジ部材の第1縁および第2縁には、それぞれ第1本体ヒンジ部および第2本体ヒンジ部が設けられ、
前記箱蓋ヒンジ部と前記第1本体ヒンジ部とは、互いにヒンジ結合され、
前記側板ヒンジ部と前記第2本体ヒンジ部とは、互いにヒンジ結合され、
前記ヒンジ部材の下側には、ヒンジシール部材が連結され、
前記ヒンジシール部材の第1側辺は、前記第1側板に操作可能に当接されている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項16】
請求項15に記載の折畳み可能な箱であって、
前記ヒンジシール部材の、前記第1側に対向する第2側辺の少なくとも一部は、前記箱蓋上のシール部材と重なる、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項17】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記第2側板は、
板状の本体と、
該板状の本体の下部から延出し、互いに間隔をおいた複数のヒンジ突出部と、
を有し、
各ヒンジ突出部の底端には、側板ヒンジ部が設けられ、
該板状の本体の左右側縁及び前記側板ヒンジ部には、いずれもシール部材が設けられている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項18】
請求項1に記載の折畳み可能な箱であって、
前記第2側板の板状の本体の左右側縁には、いずれも側板噛み込み部が設けられ、
前記側板噛み込み部には、前記側板噛み込み部を越えて延在する側板シール部材が連結されている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の折畳み可能な箱であって、
前記保温層が板状の部材からなる、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の折畳み可能な箱であって、
前記保温層は、異なる機能を有する複合材料層を組み合わせて構成されている、
ことを特徴とする折畳み可能な箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2019年06月13日に提出された、出願番号が2019105115907であり、発明名称が「折畳み可能な箱」である中国特許出願に基づき優先権を主張しており、上記出願の全文をここに援用する。
【0002】
本発明は、容器に関し、具体的には折畳み可能な箱に関するものである。
【背景技術】
【0003】
容器に青果物や生鮮などの食品を載せる場合、特にコールドチェーン輸送を必要とする場合には、生鮮食品の輸送が外部環境によって汚染されやすく、食品の腐食や変質が招かれるため、容器の適宜な密閉適宜な密閉が特に重要である。しかし、既存の容器の大部は、蓋のないものが一般的であり、生鮮食品が容器に入っており、容器の上部が開放されていることが一般的であるため、食品は外的条件の影響を受けやすい。また、既存の蓋付き容器は折りたたむことができず、貯蔵や輸送が極めて不便である。
【0004】
もう1種類の青果物や生鮮などの食品を載せるための容器が保温箱である。既存の保温箱は、主に箱蓋と非折りたたみ箱の組み合わせであり、この形式の保温箱の箱蓋と箱本体は、真空成形、ブロー成形、ロール成形によって容器側壁の肉厚の内部のキャビティを形成し、そして本体に穴をあけておき、保温材を充填することによって、保温箱を形成する解決方案であり、その主な問題点は以下の通りである。
【0005】
一、真空成形、ブロー成形、ロール成形のプロセスで形成された容器本体は、一般的に、箱体が折りたたまれていないため(折りたたまれた後の側板の間の隙間をなくすことできないため、保温箱の内部と外部との隙間によるエネルギー交換を阻止することができない)、非折りたたみ箱体は、リサイクルの中で空間を占有し、流通業界にとって、高い回収費用を負担することになる。次に、真空成形、ブロー成形、ロール成形により形成された容器本体は、その成形プロセスに対応する製品構造の要求が単一であり、通常の射出成形金型には、成形可能なヒンジ構造や噛み込み構造(金型のリフタ(lifter)、突き抜け(shut off)等の構造に対応)が備られているのに対し、その真空成形、ブロー成形、ロール成形のプロセスは実現しにくい(プロセス限定構造)ため、真空成形、ブロー成形、ロール成形のプロセスで形成された保温箱本体は、安定した噛み込みやヒンジ構造がないため、輸送中、信頼性が低く、寿命が短く、メンテナンスコストが高い。
【0006】
二、真空成形、ブロー成形、ロール成形により、容器の側壁の肉厚の内部のキャビティに保温材(一般的にはポリウレタン発泡体)を充填し、その容器本体は一般的にエンジニアリングプラスチックであり、それは吸水率と通気性を有し、ポリウレタン中の発泡剤は拡散作用により継続的に環境中の空気や水分と置換されることで(保冷箱が適用されるコールドチェーン輸送には、湿度及び温度の差が大きく、置換率がより高い)、熱伝導係数は時間に従って増大し、その結果、保冷効果も低下する。且つ、保温箱はコールドチェーン輸送として再利用され、ポリウレタンフォームも細菌繁殖の担体となり、安全衛生上の懸念もある。次に、ポリウレタンフォームは最も広く使用されている保温材として、よく使用されているのは化学発泡である(化学発泡剤(又はガス)を溶融プラスチックに添加する)。発泡剤が加熱時に放出するガスは二酸化炭素、窒素、アンモニアガスなどであり、ポリウレタンフォーム産業チェーン全体が環境を汚染する過程である。また、ポリウレタンフォームは分解の過程あるいは分裂の過程が複雑で、既存のものは焼却を採用しており、大量の毒性ガスを発生し、環境汚染が比較的大きい。
【0007】
そのため、この分野では、展開された直立状態での適宜な密閉性を確保することができるとともに、使用されていないときに容易に折り畳んで収納することができる蓋付きの折畳み可能な容器が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、使用されていないときに折り畳まれてベースエッジガード内に収容される片フリップ蓋を備え、好ましくは、展開直立状態で容器の適宜な密閉を確保することができる折畳み可能な箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、箱体と箱蓋とを有し、前記筐体は、ベースと、前記ベースに折り畳み可能に連結された一対の対向する第1側板及び一対の対向する第2側板とを有し、前記箱蓋の一つの縁は、前記箱体の頂端に操作可能に連結される折畳み可能な箱であって、前記第1側板、前記第2側板及び前記箱蓋の少なくとも1つは、内板と外板とを相互に連結して構成され、前記内板と前記外板との間には保温層が設けられている折畳み可能な箱を提供する。
【0010】
一実施例では、前記第1側板、前記第2側板、及び前記箱蓋は、それぞれ、内板と外板とを連結して構成されている。
【0011】
一実施例では、前記箱蓋の一つの縁が前記箱体の頂端にヒンジ結合されている。
【0012】
一実施例では、前記ベースは、板状の本体と、該板状の本体の周囲から上方に延びるエッジガードとを有し、前記板状の本体及び前記エッジガード内には、いずれも保温層が設けられている。
【0013】
一実施例では、前記内板と前記外板とは、互いに溶接されている。
【0014】
一実施例では、前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、少なくとも1本の溶接リブが設けられている。
【0015】
一実施例では、前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、互いに間隔をおいて2本の溶接リブが設けられている。
【0016】
一実施例では、前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面は、平坦面であるか、または、前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられている。
【0017】
一実施例では、前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられており、前記少なくとも1本の補強リブは、互いに離間しており、かつ、前記溶接リブから離間している。
【0018】
一実施例では、前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、少なくとも1本の溶接リブが設けられ、前記補強リブは前記溶接リブと平行である。
【0019】
一実施例では、前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、前記第2側板の前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面は、平坦面であるか、または、前記箱蓋並びに前記第1側板の前記内板及び前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられている。
【0020】
一実施例では、前記内板の表面と前記外板の表面との間には、保温層を収容するためのキャビティが形成されており、前記内板および前記外板の、前記キャビティに対向して前記キャビティを画定する表面には、少なくとも1本の補強リブが設けられており、前記少なくとも1本の補強リブは、互いに離間しており、かつ、前記溶接リブから離間している。
【0021】
一実施例では、前記内板及び外板の一方の外周縁内側には、少なくとも1本の溶接リブが設けられ、前記補強リブは前記溶接リブと平行である。
【0022】
一実施例では、前記箱蓋の一対の対向する縁における外板が、前記内板の縁から延出し、別の一対の対向する縁のうちの一方の縁に箱蓋ヒンジ部が設けられ、他方の縁における外板と内板とは、揃えるか、または前記内板の縁から延出している。
【0023】
一実施例では、前記箱蓋は、一対の対向する第1側板の一方にヒンジ結合され、前記一対の対向する第1側板の他方の頂端の内側には、開口を上方及び箱体の内部に向けさせる溝が設けられており、あるいは、前記一対の対向する第1側板の他方の内側頂端には、開口を上向きにした溝が設けられ、前記箱蓋の、箱蓋ヒンジ部が設けられた縁と対向する他方の縁の外板には、前記溝に操作可能に係合する係合縁が設けられている。
【0024】
一実施例では、前記第1側板及び前記第2側板の頂部には、密閉されたキャビティが設けられている。
【0025】
一実施例では、前記第1側板及び前記第2側板の左右両端には、側板噛み込み部が設けられ、前記第1側板及び前記第2側板の底端には、ヒンジ突出部が設けられ、前記側板噛み込み部と前記ヒンジ突出部とは、前記側板に一体に形成されている。
【0026】
一実施例では、前記側板噛み込み部と前記ヒンジ突出部とは、前記側板に一体に形成されている。
【0027】
一実施例では、前記ベースは、ベース本体と底板とが互いに溶接されて形成される。
【0028】
一実施例では、前記ベース本体には、板状の本体キャビティと、2対の対向するエッジガードキャビティとが設けられ、前記板状の本体キャビティと前記エッジガードキャビティとは、互いに間隔をおいて配置されている。
【0029】
一実施例では、前記エッジガードには、開口を上方及び箱体の内部に向けさせ相互に間隔をあけた複数の凹状キャビティが設けられ、前記エッジガードの内部には、前記凹状キャビティの間に保温層が設けられている。
【0030】
一実施例では、前記箱蓋の第1縁は、ヒンジ部材を介して一対の前記第1側板のうちの一方の側板の頂端にヒンジ結合されており、前記箱蓋の第1縁には、箱蓋ヒンジ部が設けられ、且つ、一対の前記第1側板のうちの一方の側板の頂端には側板ヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部材の第1縁および第2縁には、それぞれ第1本体ヒンジ部および第2本体ヒンジ部が設けられ、前記箱蓋ヒンジ部と前記第1本体ヒンジ部とは、互いにヒンジ結合され、前記側板ヒンジ部と前記第2本体ヒンジ部とは、互いにヒンジ結合され、前記ヒンジ部材の下側には、ヒンジシール部材が連結され、前記ヒンジシール部材の第1側辺は、前記第1側板に操作可能に当接されている。
【0031】
一実施例では、前記ヒンジシール部材の、前記第1側に対向する第2側辺の少なくとも一部は、前記箱蓋上のシール部材と重なる。
【0032】
一実施例では、前記第2側板は、板状の本体と、該板状の本体の下部から延出する互いに間隔をおいた複数のヒンジ突出部とを有し、各ヒンジ突出部の底端には、側板ヒンジ部が設けられ、該板状の本体の左右側縁及び前記側板ヒンジ部には、いずれもシール部材が設けられている。
【0033】
一実施例では、前記側板ヒンジ部の各々には、個別のシール部材が設けられている。
【0034】
一実施例では、前記第2側板の板状の本体の左右側縁には、いずれも側板噛み込み部が設けられ、前記側板噛み込み部には、前記側板噛み込み部を越えて延在する側板シール部材が連結されている。
【0035】
一実施例では、前記保温層が板状の部材からなる。
【0036】
一実施例では、前記保温層は、異なる機能を有する複合材料層を組み合わせて構成されている。
【0037】
一実施例では、前記箱蓋の第1縁は、ヒンジ部材を介して一対の前記第1側板のうちの一方の側板の頂端にヒンジ結合されており、前記箱蓋には、第1縁に沿って箱蓋ヒンジ部が設けられ、且つ、一対の前記第1側板のうちの一方の側板の頂端には側板ヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部材の第1縁と第2縁には、それぞれ第1本体ヒンジ部と第2本体ヒンジ部とが設けられ、前記箱蓋ヒンジ部と前記第1本体ヒンジ部とは、互いにヒンジ結合され、前記側板ヒンジ部と前記第2本体ヒンジ部とは、互いにヒンジ結合されている。
【0038】
一実施例では、前記ヒンジ部材は、前記箱体及び前記箱蓋から分離された部材であり、前記箱蓋ヒンジ部は、前記箱蓋の第1縁のみに沿って設けられている。
【0039】
一実施例では、前記ヒンジ部材と前記箱蓋とが互いにヒンジ結合されて形成される組立体のサイズは、前記折畳み可能な箱の開口のサイズに合わせる。
【0040】
一実施例では、前記ヒンジ部材の第1本体ヒンジ部には、第1縁に沿って互いに間隔を置いた複数の溝が設けられ、前記箱蓋の箱蓋ヒンジ部の少なくとも一部は、前記溝内に位置する。
【0041】
一実施例では、前記ヒンジ部材及び前記箱蓋の幅は、前記箱蓋が前記側板の外側面に折るときに、前記箱蓋の縁が前記側板の底端を越えて延在しないように設定されている。
【0042】
一実施例では、前記箱蓋は板状の本体を有し、前記箱蓋の、前記第1縁以外の他の縁は、前記第1側板及び前記第2側板の頂端にそれぞれ操作可能に搭載される。
【0043】
一実施例では、前記箱蓋ヒンジ部は、互いに間隔をおいた複数の箱蓋突出部を含み、各前記箱蓋突出部にはヒンジ穴が設けられ、前記側板ヒンジ部は、互いに間隔をおいた複数の側板突出部を含み、各前記側板突出部にはヒンジ穴が設けられ、前記第1本体ヒンジ部および前記第2本体ヒンジ部は、それぞれ、互いに間隔をおいた複数の第1本体突出部および第2本体突出部を含み、各前記第1本体突出部および各前記第2本体突出部には、いずれもヒンジ穴が設けられ、第1ヒンジ軸は、前記箱蓋突出部のヒンジ穴と前記第1本体突出部のヒンジ穴とを通し、第2ヒンジ軸は、前記第2本体突出部のヒンジ穴と前記側板突出部のヒンジ穴とを通す。
【0044】
一実施例では、前記箱蓋ヒンジ部は、互いに間隔をおいた複数の箱蓋突出部を含み、前記側板ヒンジ部は、互いに間隔をおいた複数の側板突出部を含み、前記第1本体ヒンジ部及び前記第2本体ヒンジ部は、それぞれ互いに間隔をおいた複数の第1本体突出部及び第2本体突出部を含み、前記箱蓋突出部及び前記第1本体突出部の一方にヒンジ軸が設けられ、他方に該ヒンジ軸と嵌合するヒンジ穴が設けられ、前記側板突出部及び前記第2本体突出部の一方にヒンジ軸が設けられ、他方に該ヒンジ軸と嵌合するヒンジ穴が設けられている。
【0045】
一実施例では、前記2対の対向する側板のうちの一対の側板は長さのより長い長側板であり、他の一対の側板は長さのより短い短側板であり、前記箱蓋はそのうち一方の長側板の頂端にヒンジ結合されている。
【0046】
一実施例では、前記ベースは、板状の本体と、板状の本体の一対の対向する縁から上方に延びる一対の対向するエッジガードとを有し、前記エッジガードには、上方及び内側に向けて開口する凹状キャビティが設けられ、前記凹状キャビティの両側端壁上部には第1ベース制限突起が設けられ、前記凹状キャビティの中間部には、凹状キャビティの底壁から上方に一体的に延びるベース制限部と、前記ベース制限部内に位置し内部に向けて開口するベースガイド部とが設けられ、前記長側板の底端には、互いに間隔を置いた複数のヒンジ突出部が設けられ、各ヒンジ突出部の底端には、側板ヒンジ軸と、前記側板ヒンジ軸の間にある側板ガイド部とが設けられ、前記側板ヒンジ軸は、前記第1制限突起及び前記ベース制限部に嵌合し、前記側板ガイド部は前記ベースガイド部に嵌合する。
【0047】
一実施例では、前記箱蓋には、前記箱蓋を側板にロックするためのロック機構がさらに設けられ、前記ロック機構は、前記箱蓋ヒンジ部が設けられている半部とは別の半部に設けられている。
【0048】
一実施例では、前記箱蓋と前記第1側板及び前記第2側板との間の接合部に、前記ベースと前記第1側板及び前記第2側板との間の接合部に、並びに前記第1側板と前記第2側板との間の接合部には、いずれもシール部材が設けられている。
【0049】
一実施例では、前記箱蓋と前記第1側板及び前記第2側板との間のシール部材は、前記箱蓋の底側外周に配置され、前記箱蓋に固定して連結される。
【0050】
一実施例では、前記箱蓋は、内板と外板とを互いに溶接して形成され、前記箱蓋の一対の対向する縁における外板は、前記内板の縁から延在し、他の一対の対向する縁の一方の縁には、箱蓋ヒンジ部が設けられ、他方の縁における外板と内板とは、揃えており、前記箱蓋上のシール部材は、前記内板に連結されている。
【0051】
一実施例では、前記箱蓋は、箱蓋が被せられた状態で、前記箱蓋の外板の、前記内板の縁から延出する部分が前記第2側板に搭載するようにさらに配置されている。
【0052】
一実施例では、前記箱蓋のシール部材は、対向する2対の側辺を有する環状部材であり、前記箱蓋のシール部材の一対の対向する側辺は、前記第2側板の前記内板の外縁を越えて延在し、別の一対の対向する側辺のうちの1方は、前記第1側板に対して操作可能に当接している。
【0053】
一実施例では、前記箱蓋は、一対の対向する第1側板の一方にヒンジ結合され、前記一対の対向する第1側板の他方の頂端の内側には、開口を上方及び箱体の内部に向けさせた溝が設けられ、前記箱蓋のシール部材の一部は、前記溝に操作可能に当接される。
【0054】
一実施例では、前記箱蓋のシール部材は、シール部材本体と、シール部材本体から突出する少なくとも一列の取付柱とを有し、前記取付柱の末端にはスナップが設けられ、前記箱蓋には対応する取付穴が設けられ、前記スナップが前記取付穴に嵌め込まれる。
【0055】
一実施例では、前記箱蓋の第1縁は、ヒンジ部材を介して一対の前記第1側板のうちの一つの側板の頂端にヒンジ結合されており、前記箱蓋の第1縁には、箱蓋ヒンジ部が設けられ、且つ、一対の前記第1側板のうちの一つの側板の頂端には側板ヒンジ部が設けられ、前記ヒンジ部材の第1縁および第2縁には、それぞれ第1本体ヒンジ部および第2本体ヒンジ部が設けられ、前記箱蓋ヒンジ部と前記第1本体ヒンジ部とは互いにヒンジ結合され、前記側板ヒンジ部と前記第2本体ヒンジ部とは互いにヒンジ結合され、前記ヒンジ部材の下側にはヒンジシール部材が連結され、前記ヒンジシール部材の第1側辺は前記第1側板に操作可能に当接されている。
【0056】
一実施例では、前記ヒンジシール部材の、前記第1側に対向する第2側辺は、前記箱蓋上のシール部材と重なる。
【0057】
一実施例では、前記第2側板の板状本体の左右側縁には、いずれも側板噛み込み部が設けられ、前記側板噛み込み部には、前記側板噛み込み部を越えて延在する側板シール部材が連結されている。
【0058】
一実施例では、前記側板シール部材は、互いに間隔を置いた複数の突起が設けられた長尺状の板状の本体を有し、前記側板噛み込み部には対応する溝が設けられ、前記長尺状の板状の本体上の突起は前記溝に操作可能に固定される。
【0059】
一実施例では、前記第1側板及び前記第2側板は、何れも、板状の本体と、この板状の本体の下部から延出する互いに間隔をおいた複数のヒンジ突出部とを有し、前記ベースは、板状の本体と、板状の本体の2対の対向する縁から上方に延びる2対の対向するエッジガードとを有し、前記エッジガードには、開口を上方及び箱体の内部に向けさせた凹状キャビティが設けられ、前記ヒンジ突出部にはシール部材が取り付けられ、および/または、前記ベースの凹状キャビティにはシール部材が取り付けられている。
【0060】
一実施例では、前記ヒンジ突出部に取り付けられたシール部材は、前記ヒンジ突出部の左右両側及び下側に位置し、前記ヒンジ突出部の左右両側及び下側を越えて延在する。
【0061】
一実施例では、前記第2側板の板状の本体の左右側縁には,シール部材が取り付けられている。
【0062】
一実施例では、前記ヒンジ突出部の各々には、個別のシール部材が連結されている。
【0063】
一実施例では、前記ベースは、板状の本体と、板状の本体の一対の対向する縁から上方に延びる一対の対向するエッジガードとを有し、エッジガード部には、開口を上方及び箱体の内部に向けさせた凹状キャビティが設けられ、前記凹状キャビティの中間部には、凹状キャビティの底壁から上方に一体的に延びるベース制限部が設けられ、前記第1側板及び前記第2側板は、何れも、板状の本体と、この板状の本体の下部から延出する互いに間隔をおいた複数のヒンジ突出部とを有し、前記第1側板及び/又は前記第2側板の板状の本体の左右側縁には、シール部材が取り付けられ、各ヒンジ突出部の底端には、前記ベース制限部と嵌合する側板ヒンジ軸が設けられ、前記ヒンジ突出部に取り付けられたシール部材は、前記ヒンジ突出部の左右両側及び下側に位置し、前記ヒンジ突出部の左右両側及び下側を越えて延在する。
【0064】
一実施例では、前記ヒンジ突出部に取り付けられたシール部材の左右の縁には縦方向の溝が設けられており、及び/又は、下の縁には横方向の溝が設けられている。
【0065】
一実施例では、前記エッジガードには、前記ベース制限部内に位置し、内部に向かって開口するベースガイド部がさらに設けられ、各前記ヒンジ突出部には、前記側板ヒンジ軸の間に位置し、前記ベースガイド部に上下に摺動可能に連結された側板ガイド部がさらに設けられる。
【0066】
一実施例では、前記ベース制限部は一つの板状部であり、前記ベースガイド部は前記ベース制限部の中間部に設けられた溝であり、前記凹状キャビティの両側側壁上部には第1ベース制限突起が設けられている。
【0067】
一実施例では、前記ヒンジ突出部は、板状の本体を有し、前記側板ヒンジ軸が前記板状の本体の底端の左右両側から側板と平行な方向に延出し、前記側板ガイド部は、該板状の本体から板状の本体と垂直な方向に延出するガイドブロックである。
【0068】
一実施例では、前記第1側板、前記第2側板、及び前記箱蓋は、いずれも内板と外板とが互いに溶接されて形成され、前記内板と前記外板との間には保温層が設けられ、前記ベースは、板状の本体と、この板状の本体の周囲から上方に延びるエッジガードとを有し、前記板状の本体及び前記エッジガードの内部には、いずれも保温層が設けられている。
【0069】
本願の折畳み可能な箱は、折畳み機能を実現すると共に優れた保温性を有する。さらに、本願の折畳み可能な箱は、内板と外板によって連結され、内部には、板状の部材の保温材を充填するキャビティが形成され、板状の部材の充填による保温容器の断熱目的を達成し、その利点は、非発泡射出方式による充填が可能であり、その充填材の選択範囲が大きく、ポリウレタン発泡と比較して、本発明は複合材料を採用してもよく、エネルギー伝達の主要経路(放射、伝導及び対流)に対して、異なる機能層を一体に複合化した板状部材保温材が設けられてもよい。本発明(内外板と板状部材の保温材とを組み合わせること)により、充填材がプロセスによって限定されず、選択の自由度がより広がる。且つ、生産段階で汚染物質が発生せず、材料は何れも再回収されて利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は本発明に係る折畳み可能な箱の斜視図である。
図2図2は本発明に係る折畳み可能な箱の側板、ヒンジ及び箱蓋の分解斜視図である。
図3図3は本発明に係る折畳み可能な箱を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図3A図3Aは、図3の詳細Aの拡大図である。
図3B図3Bは、図3の詳細Bの拡大図である。
図4図4は本発明に係る折畳み可能な箱の一対の側板を取り外した斜視図である。
図4A図4Aは、図4の詳細Aの拡大図である。
図4B図4Bは、図4の詳細Bの拡大図である。
図5図5は箱蓋を側板に対して外側に折る斜視図である。
図5A図5Aは、図5の詳細Aの拡大図である。
図6A図6Aは、本発明に係る折畳み可能な箱の一対の対向する側板をベースに対して折り畳んだ斜視図である。
図6B図6Bは本発明に係る折畳み可能な箱の側板の斜視図である。
図6C図6Cは、本発明に係る折畳み可能な箱の側板がベースから外れていることを示す模式図である。
図6D図6Dは、図6Cの詳細Dの拡大図である。
図7図7はベース上に一対の対向する側板が折り畳まれた本発明に係る折畳み可能な箱の部分分解斜視図である。
図8図8はヒンジ部を断面化し、ベースに対して側板を直立させた状態の部分断面図である。
図8A図8Aは、図8の詳細Aの拡大図である。
図9図9は保温層を備えた折畳み可能な箱の縦断面斜視図である。
図9A図9Aは、それぞれ図9の詳細AおよびBの拡大図である。
図9B図9Bは、それぞれ図9の詳細AおよびBの拡大図である。
図10図10は本発明に係る折畳み可能な箱のベースの部分断面分解斜視図である。
図10A図10Aは、図10の詳細Aの拡大図である。
図11図11は本発明に係る折畳み可能な箱の側板の部分断面分解斜視図である。
図11A図11Aは、図11の詳細Aの拡大図である。
図12図12は本発明に係る折畳み可能な箱の箱蓋の部分断面分解斜視図である。
図12A図12Aは、図12の詳細Aの拡大図である。
図13図13は両側板と箱蓋が交差するところを断面化した本発明に係る折畳み可能な箱の部分断面斜視図である。
図13A図13Aは、図13の詳細Aの拡大図である。
図14図14は両側板と箱蓋が交差するところを断面化した本発明に係る折畳み可能な箱の別の部分断面斜視図である。
図14A図14Aは、図14の詳細Aの拡大図である。
図15図15は側板の底端を断面化した本発明に係る折畳み可能な箱のさらに別の部分断面斜視図である。
図15A図15Aは、図15の詳細Aの拡大図である。
図16図16はヒンジ張出部を断面化した本発明に係る折畳み可能な箱の側板の部分断面図である。
図16A図16Aは、図16の詳細Aの拡大図である。
図17図17は本発明に係る折畳み可能な箱の一側板とそのシール部材の斜視図である。
図18図18は本発明に係る折畳み可能な箱の他方の側板とそのシール部材の斜視図である。
図19図19は本発明に係る折畳み可能な箱の箱蓋とそのシール部材の斜視図である。
図20図20は本発明に係る折畳み可能な箱の部分断面斜視図である。
図20A図20Aは、図20の詳細Aの拡大図である。
図20B図20Bは、図20の詳細Bの拡大図である。
図21図21はヒンジ部材及びそのシール部材の斜視図である。
図22図22はヒンジ部材とそのシール部材との組立の斜視図である。
図22A図22Aは、図22の詳細Aの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、本発明の目的、特徴および利点をよりよく理解するために、図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。図面に示される実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明することを理解するべきである。
【0072】
以下の説明では、開示されたさ各実施例を説明する目的から、開示された各実施例を完全に理解するために、何らかの具体的な詳細を記載する。但し、当業者は実施例がこれらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数なしに実施されてもよいことを認識するべきである。他の場合では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、本出願に関連する周知のデバイス、構造、および技術は詳細に示されないか、または記載されない可能性がある。
【0073】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「備える」という言葉とそのバリエーション、例えば「含む」や「有する」などの用語は、オープンで包括的な意味と理解するべきであり、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0074】
明細書全体にわたる「一つ実施例」または「一実施例」への言及は、実施例に説明される特定の特点、構造、または特徴が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。そのため、明細書全体の各箇所での「一つの実施例では」または「一実施例では」の表現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指しているわけではない。また、特定の特点、構造、または特徴が1つまたは複数の実施例で任意の方法で組み合わせることができる。
【0075】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一」および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/或いは」を含む意味で一般的に使用されることである。
【0076】
以下の記載では、本発明の構成及び動作形態を明確に示すために、多くの方向性の語を用いて説明するが、「前」、「後」、「左」、「右」、「外」、「内」、「外を向く」、「内を向く」、「上」、「下」などの語は、限定的な語ではなく、便宜上の語として理解されるべきである。
【0077】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。図1を具体的に参照すると、本発明に係る折畳み可能な容器100が、ベース1と、2対の側板2,3と、箱蓋4とを備えている。各一対の側板2,3は、底端がベース1の縁にヒンジ結合されてベース1に対して折畳み可能であり、一対の側板2のうち一つの側板の頂端にヒンジ部材5を介して箱蓋4がヒンジ結合されている。側板2,3の縦方向両端部には、それぞれ噛み込み部202,302が設けられており、各側板2,3は、ベース1に対して直立したときに、噛み込み部202,302によって互いに噛み込んで連結されることによって、ベース1と共に折畳み可能な容器100の内容積を形成し、箱蓋4は、折畳み可能な容器100の上部開口を覆うことができる。一方、各側板2,3及び箱蓋4をベース1に対して折り畳むと、折畳み可能な容器100の貯蔵及び運搬を容易にすることができる。なお、側板2,3間の連結方式は、上述した噛み込み方式に限定されるものではなく、互いに端と端をつないで内部空間を囲うことができればよいことは理解すべきである。側板2,3の底端には、ベース1の外縁にヒンジ結合する側板ヒンジ部が設けられている。
【0078】
図2は、折畳み可能な箱100の一つの側板2、ヒンジ部材5及び箱蓋4の分解斜視図である。箱蓋4には、図に示すように、側板2に隣接する第1縁41に沿って箱蓋ヒンジ部411が設けられ、側板2(長側板又は第1側板ともいう)の頂端21には側板ヒンジ部211が設けられている。ヒンジ部材5は、箱蓋4に隣接する第1縁51と、側板2に隣接する第2縁52とを有し、ヒンジ部材5の第1縁51と第2縁52には、それぞれ第1本体ヒンジ部511と第2本体ヒンジ部521とが設けられている。箱蓋ヒンジ部411と第1本体ヒンジ部511とは互いにヒンジ結合され、側板ヒンジ部211と第2本体ヒンジ部521とは互いにヒンジ結合されている。
【0079】
また、箱蓋4を頂端開口によりよく密閉させるために、対向する一対の側板2の他方の頂端の内側に、使用状態で箱蓋4の第2縁42を収納するように、開口を上向きにして箱の内部に向けた溝を設けるのが好ましい。
【0080】
示された実施例では、前記一対の側板2は、対向する2対の側板のうち長さのより長い長側板であり、他方の一対の側板3(短側板又は第2側板ともいう)は、長さのより短い短側板であり、一方の長側板2の頂端21には、箱蓋4がヒンジ結合されている。しかし、本発明の範囲を逸脱することなく、箱蓋4もヒンジ部材によって1つの短側板3の頂端にヒンジ結合されてもよいことを理解すべきである。別の実施例では、箱蓋は、側板の頂部に、例えば、係合等の方法でカバーされていてもよい。
【0081】
図2に示される具体的な実施例では、箱蓋ヒンジ部411は、互いに離間した複数の箱蓋突出部4111を含み、各箱蓋突出部4111は、箱蓋4が位置する平面に沿って箱蓋4の縁41から水平に延び、且つ、各箱蓋突出部4111は、大体第1縁41の方向に延びるヒンジ穴4112を有する。側板ヒンジ部211は、互いに間隔をおいて配置された複数の側板突出部2111を含み、各側板突出部2111は、側板2が位置する平面に沿って側板2の頂端21から上方に延び、且つ各側板突出部2111には、大体側板2の頂端21の方向に沿って延びるヒンジ穴2112が設けられている。第1本体ヒンジ部511及び第2本体ヒンジ部512は、それぞれ互いに間隔をおいて配置された複数の第1本体突出部5111及び第2本体突出部5121を含み、第1本体突出部5111の各々にはヒンジ穴5112が設けられ、第2本体突出部5121の各々にはヒンジ穴5122が設けられている。ヒンジ穴5112,5122は、それぞれ大体ヒンジ本体5の縁51,52の方向に延びている。好ましくは、各ヒンジ穴4112は互いに位置合わせされ、各ヒンジ穴5112も互いに位置合わせされているので、各箱蓋突出部4111と各第1本体突出部5111とが互いにずらして配置されたときに、各ヒンジ穴4112と各ヒンジ穴5112とが互いに位置合わせされることによって、各ヒンジ穴4112と各ヒンジ穴5112とに第1ヒンジ軸53を通すことにより、ヒンジ部材5と箱蓋4とのヒンジを実現することができる。好ましくは、各ヒンジ穴2112が互いに位置合わせされ、各ヒンジ穴5122も互いに位置合わせされているので、各側板突出部2111と各第2本体突出部5121とが互いにずらして配置されたときに、各ヒンジ穴2112と各ヒンジ穴5122とが互いに位置合わせされることによって、各ヒンジ穴2112と各ヒンジ穴5122に第2ヒンジ軸54を通すことにより、ヒンジ部材5と側板2とのヒンジ結合が可能となる。より好ましくは、ヒンジ部材5の第1縁51と第2縁52とが互いに平行である。このように、ヒンジ部材5を介して箱蓋4を側板2にヒンジ結合した後、第1ヒンジ軸53と第2ヒンジ軸54とが平行となる。
【0082】
好ましくは、ヒンジ部材5の第1本体ヒンジ部511は、第1縁51に沿って互いに離間した複数の溝512を備え、箱蓋4の箱蓋ヒンジ部411の少なくとも一部、具体的には、箱蓋ヒンジ部411の各箱蓋突出部4111は、溝512内に位置する。好ましくは、箱蓋4が折畳み可能な容器100の開口を閉鎖する際に、各箱蓋突出部4111が各溝512内に密着して位置することにより、開口の閉鎖をさらに確保する。
【0083】
また、示されていない一つの実施例では、箱蓋突出部4111と第1本体突出部5111との一方にヒンジ軸を設け、他方に当該ヒンジ軸と嵌合するヒンジ穴を設けることによって、ヒンジ穴に当該ヒンジ軸を嵌合させることにより箱蓋4とヒンジ部材5とのヒンジ結合を実現するようにしてもよい。あるいは、側板突出部2111と第2本体突出部5121の一方にヒンジ軸を設け、他方に当該ヒンジ軸と嵌合するヒンジ穴を設け、ヒンジ穴にヒンジ軸を嵌合させることにより、側板2とヒンジ部材5とのヒンジ結合を実現するようにしてもよい。
【0084】
もちろん、箱蓋4とヒンジ部材5とのヒンジ結合、および側板2とヒンジ部材5とのヒンジ結合は上記に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、例えば可撓性の薄肉部によって互いにヒンジ結合されるような当分野における他の従来のヒンジ結合方法を採用してもよいことは理解すべきである。本発明では、ヒンジ部材5を介して箱蓋4を側板2にヒンジ連結すると、箱蓋4は、図5に示すように、側板2の頂端まわりに側板2に対して270°以上回転可能となる。折畳み可能な箱100が使用状態になると、箱蓋4は側板2に対して垂直であり、折畳み可能な箱100の開口を閉鎖する。折畳み可能な箱100が収納状態になると、箱蓋4を側板2の頂端に対して回動させて側板2の外面に載せることができるため、他の3枚の側板をベース1上に折り畳んだ後に、側板2及び箱蓋4を他の3枚の側板の上に折り畳んで載せることができる。このように、収納状態の折畳み可能な箱100は、貯蔵や運搬が容易である。
【0085】
図に示す実施例では、ヒンジ部材5は、側板2及び箱蓋4とは別の部材であり、箱蓋ヒンジ部411は、第1縁41に箱蓋4のみに沿って設けられている。しかしながら、ヒンジ部材5は、本発明の範囲を逸脱することなく、側板2及び箱蓋4の一方又は両方と一体的に形成されてもよいことを理解すべきである。例えば、上述したように、ヒンジ部材5は、可撓性薄肉部を介して、側板2の頂端21及び/又は箱蓋4の第1縁41にヒンジ結合されてもよい。好ましくは、ヒンジ部材5の厚さは、側板2及び箱蓋4の厚さの合計と等しいので、箱蓋4を側板2の外面に折り畳んだときに、上方に突出しないように側板2の外面に密着させることができる。
【0086】
折畳み可能な箱100が使用状態になるとき、ヒンジ部材5と箱蓋4とが互いにヒンジ結合されて形成される組立体の大きさは、折畳み可能な箱100の開口の大きさに合わせており、折畳み可能な箱100の開口を閉鎖することができる。一方、図3に示すように、折畳み可能な箱100が収納状態になる場合には、ベース1上に側板2が折り畳まれ、箱蓋4が回動して側板2の外側に折るときに、箱蓋4の第1縁41に対向する第2縁42が側板2の底端を超えて延設されていないので、折畳み状態において箱蓋4の第2縁42がベース1の外縁を超えて延設されていないようにすることができる。
【0087】
図2に示す箱蓋4は板状の本体を有しており、箱蓋4の第1縁41を除く他の3つの縁は、図4に示すように、他の側板2および2つの側板3の頂端にそれぞれ操作可能に搭載されている。
【0088】
図1に示す折畳み可能な箱100において、ベース1は、板状の本体11と、板状の本体11の対向する一対の縁から上方に延び対向する一対のエッジガード12とを有している。図6Aには、側板2が折り畳まれた状態の折畳み可能な箱100が示されている。図6Cは、ベース1から側板2を外した斜視図である。なお、図6Dは、その部分拡大図を示している。図6Dに示すように、エッジガード12には、開口が上方及び内側に開放する凹状キャビティ121が設けられ、凹状キャビティ121の両側端壁上部には、第1ベース制限突起1211が設けられ、凹状キャビティ121の中部には、凹状キャビティ121の底壁から上方に一体的に延びるベース制限部1212と、ベース制限部内に位置して内部に向けて開口するベースガイド部1213とが設けられている。ベース制限部1212は、両側に凹状キャビティ121の側壁とともに2つの長尺状の開放型溝1214を形成するように、断面が「T」字形をなしている。ベースガイド部1213は、縦方向に延びる凹状キャビティである。ベースガイド部1213は、ベース制限部から予定距離離れた位置から上方(縦方向)に予定距離だけ延びている。側板2の底端には、下方に延びる複数の互いに間隔をあけたヒンジ突出部22が設けられている。側板2がベース1に対して直立したときに、ヒンジ突出部22は、凹状キャビティ121内に収容される。ヒンジ突出部22は、側板2から下方に延びる2つの側板制限部221を含み、2つの側板制限部221の互いに対向する側面には、溝1214内で回動可能かつ上下に摺動可能な側板ヒンジ軸223が設けられることによって、側板2をベース1に対して直立状態と折り畳み状態とに切り換えることができる。2つの側板制限部221の間には、さらに側板ガイド部222が設けられている。側板ガイド部222は、2つの側板制限部221の間に連結された板状部222aと、板状部222aに垂直に延びるガイドブロック222bとを有して構成されている。ガイド部は、ベースガイド部に対して上下に摺動可能に連結されている。側板2が直立状態になるときに、このガイドブロック222bは、図8の部分断面図および部分拡大図8Aに示すように、ベースガイド部1213内に係合して側板2をエッジガード12に固定する。ベースガイド部1213及び側板ガイド部222は、側板が折り畳まれた状態になると、側板とベースとの接合箇所が窪みのない平坦な状態となるように構成されている。側板2が折り畳まれた状態になるとき、第1ベース制限突起1211が側板制限部221を塞ぐことによって、側板2がベース1から上方に離間することを防止する。図には、エッジガード12に設けられた4つの凹状キャビティ121と、側板2の底端に設けられた4つのヒンジ突出部22とが示されているが、凹状キャビティ121及びヒンジ突出部22は、必要に応じて任意の数だけ設けられてもよいことを理解すべきである。
【0089】
好ましくは、箱蓋4は、箱蓋4を側板にロックするロック機構をさらに備え、このロック機構は、箱蓋4の第1縁41から離れた部分に設けられていることによって、箱蓋4を側板に対してより確実に閉じることができる。
【0090】
本発明の折畳み可能な箱100は、ベース1、側板2,3、箱蓋4内に保温層を設けることにより、保温機能を有することも可能である。第1側板2、第2側板3及び箱蓋4のいずれかも、図9及び図9A図9Bに示すように、内板と外板とが互いに溶接されて構成され、内板と外板との間に保温層が設けられている。図10及び図10Aに示すように、ベース1の板状の本体11及びエッジガード2内にも保温層16が設けられている。上記各保温層は、予め製作された保温板であってもよく、その後、ベース、側板、箱蓋に設置されていてもよい。保温材は複合材料であってもよく、エネルギー伝達の主要な経路(放射、伝導及び対流)に対して、異なる機能層を設置して一体に複合する板状の保温材であってもよい。本発明の内外板と板状の保温材とを組み合わせることにより、充填材がプロセスによって限定されず、選択の自由度がより広がる。且つ、生産段階で汚染物質が発生せず、材料はすべて再回収されて利用できる。一実施例では、箱蓋と側板は真空板を採用して熱放射反射膜と複合することができ、熱放射、対流及び伝導を遮断することができ、それによって保温・断熱の目的を果たすことができる。さらに、上記内板と外板とは、溶接の方式によって互いに連結されていてもよいし、ねじ結合等の他の方式によって連結されていてもよい。
【0091】
図9Aの詳細拡大図は、側板2の頂端21の内部構造と、箱蓋4の第1縁41の内部構造とを示している。側板2は、側板外板23と側板内板24とを互いに溶接して形成され、箱蓋4は、箱蓋外板43と箱蓋内板44とを互いに溶接して形成されている。側板2の内板24の外周縁の内側には、大体内板24の外周縁の方向に沿って延び、かつ、側板内板24の外面から側板外板23の内面に向かって延び、側板外板23の内面に末端で溶接するための溶接リブ25が設けられている。ただし、溶接リブ25は、側板外板23の外周縁よりも内側に設けられ、側板外板23の内面から側板内板24の外面に向かって延び、末端において側板内板24の外面に溶接するものであってもよいことは理解すべきである。また、側板外板23の外周縁の内側と側板内板24の外周縁の内側の両方に、末端同士が溶接された溶接リブ25を設けてもよいことも理解すべきである。好ましくは、図に示すように、側板2は、互いに平行で互いに間隔をおいた2本の溶接リブ25を備えている。折畳み可能な箱100の側板2及び箱蓋4がプラスチック製である場合には、溶接リブ25と内板24の外面、外板23の内面、又は他の溶接リブ25との溶接を超音波溶接により実現することにより、溶接継目の密閉性をより良好にすることができる。内板23と外板24と溶接リブ25とで囲まれた内部空間内には、保温層26が設けられている。間隔をあけた2本の溶接リブ25を設けることにより、外板と、内板と溶接リブとで囲まれた空間の外部に対する密閉性を一層に確保することができる。また、製造を容易にするために、上記側板噛み込み部と側板ヒンジ部とを共に外板23に一体的に形成することが好ましい。
【0092】
内板の表面と外板の表面と溶接リブとの間には、保温層を収容するためのキャビティが形成され、内板と外板のキャビティに対向してキャビティを画定する表面は平坦面であるか、または内板と外板のキャビティに対向してキャビティを画定する表面には少なくとも1本の補強リブが設けられている。補強リブを配置する際には、補強リブが、互いに離間し、かつ、溶接リブから離間して配置されている。補強リブは、溶接リブと平行であることが好ましい。一実施例では、第2側板の内板および外板のキャビティに対向してキャビティを画定する面は、平坦面である。別の実施例では、箱蓋及び第1側板の内板及び外板の、キャビティに対向してキャビティを画定する面には、少なくとも1本の補強リブが設けられている。
【0093】
側板3は、外板30と内板31とが保温層36を介して溶接してなってもよい。具体的な構成は側板2と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0094】
2本の溶接リブ25が設けられている場合、側板2の頂部には、2本の溶接リブ25と内板24及び外板23とにより形成された密閉キャビティが設けられている。
【0095】
また、図9Aに示すように、箱蓋4の外板43の外周縁内には、大体外板43の外周縁の方向に沿って延在し、かつ、箱蓋外板43の内面から箱蓋内板44の外面に向かって延在し、末端を箱蓋内板44の外面に溶接する溶接リブ45が設けられている。ただし、溶接リブ45は、箱蓋内板44の外周縁よりも内側に設けられ、箱蓋内板44の外面から箱蓋外板43の内面に向かって延び、末端を箱蓋外板43の内面に溶接するようにしてもよいことを理解すべきである。また、箱蓋外板23の外周縁の内側と箱蓋内板24の外周縁の内側の両方に、末端同士が溶接された溶接リブ45を設けてもよいことも理解すべきである。好ましくは、図に示すように、箱蓋4は、互いに平行で互いに離間した2本の溶接リブ45を備えている。折畳み可能な箱100の箱蓋4がプラスチック製である場合、溶接リブ25と内板44の外面、外板43の内面、又は他の溶接リブ45との溶接を超音波溶接により行うことにより、溶接継目の密閉性を向上させることができる。外板43と内板44と溶接リブ45とで囲まれた内部空間には、保温層46が設けられている。間隔をあけた2本の溶接リブ45を設けることにより、外板、内板、及び溶接リブで囲まれた空間の外部に対する密閉性をさらに確保することができる。
【0096】
図12は、箱蓋4の下面分解斜視図である。箱蓋4は、4つの縁41,42,47,48を有する。好ましくは、第1縁41には、箱蓋ヒンジ部4111が設けられ、第2縁42の外板43は、内板44を越えて延在させ、箱蓋を被せたときに側板2の内側に搭載させる。具体的には、図4Bに示すように、外板43の縁にクランプエッジ4aを設け、側板2の内側頂端にクランプエッジ4aが嵌め込まれる上向きの溝2aを設けてもよい。別の実施例では、第2縁42における外板は、内板と面一である。一方、他の2つの縁47,48では、外板43が内板44を越えて延在している。好ましくは、折畳み可能な箱100が使用状態になると、外板43が内板44を越えて延在する部分が側板3に搭載される。
【0097】
図9Bは、ベース1のエッジガード12を示す断面図である。図10および図10Aは、ベース1を示す分解図および詳細拡大図である。図からわかるように、ベース1は、ベース本体14とベース底板15とが互いに溶接されて形成されている。ベース本体14は、下方に開口した板状の本体キャビティ142と、2対の対向するエッジガードキャビティ143とを備え、板状の本体キャビティ142と、エッジガードキャビティ143とがベース溶接リブ141によって互いに離間された。ベース本体14は、矩形状をなすベース板145を備え、エッジガード12は、エッジガード12の内面及び外面をそれぞれ形成するエッジガード内板124及びエッジガード外板123によって形成されている。エッジガード内板124は、エッジガード基板145の縁から上方に延び、ベース溶接リブ141は、エッジガード基板145の縁から下方に延び、ベース底板15の上面に溶接するためのものである。エッジガード外板123の下端もベース底板15の上面、好ましくはベース底板15の上面の縁に溶接されている。エッジガード内板124とエッジガード外板123とベース溶接リブ141とは、共にエッジガードドキャビティ143を形成し、ベース基板145及びベース溶接リブ141とは、共に板状の本体キャビティ142を形成する。エッジガードキャビティ143および板状の本体キャビティ142内には、それぞれ保温層が設けられている。また、上述したように、エッジガード12には複数の凹状キャビティ121が設けられており、エッジガード12内の凹状キャビティ121の間に位置する部分にも保温層が設けられている。保温層は、通常、軽量発泡体からなる。
このような構成を採用した折畳み可能な箱100は、保温性に優れており、生鮮品を収納するために使用することができる。
【0098】
本発明によれば、より良好にシールして、より良好に保温するために、折畳み可能な箱100にもシール構造を設けてもよい。具体的には、図14図22Aに示すように、折畳み可能な箱100では、箱蓋4と側板2及び3との連結箇所、ベース1と側板2及び3との連結箇所、並びに側板2と側板3との連結箇所にシール部材が設けられることによって、折畳み可能な箱100内部の外部に対するシールが実現されている。
【0099】
図19に示すように、箱蓋4と側板2及び側板3との間のシール部材401は、箱蓋4の底側外周に設けられ、箱蓋4に固定的に連結されている。具体的には、シール部材401は、対向する2対の側辺を有する矩形環状をなしている。箱蓋4の内板44の外縁にはシール部材401が連結されている。シール部材401は、任意の適切な方法で内板44の外縁に連結されてもよく、例えば、内板44の外縁に複数の突起を設け、シール部材401に突起の形状に合った複数のクランプ溝を設けることによって、シール部材401を内板44に嵌合したり、シール部材401に複数の突起部を設け、上記突起部を収容するための内板44の縁に対応する形状の凹部を設けたりしてもよい。また、シール部材401に突条を設け、内板44の外縁に対応する溝を設けることによって、上記突条を収納して保持することも考えられる。
【0100】
好適な実施例では、箱蓋4のシール部材401は、シール部材本体4011と、シール部材本体4011から突出する少なくとも1列の取付柱4012とを有し、取付柱4012の末端にはスナップが設けられている。箱蓋4には対応する取付穴が設けられており、スナップが取付穴に嵌め込まれることによって、シール部材を箱蓋に取り付ける。
【0101】
図20に示す好適な実施例では、折畳み可能な箱100の使用状態において、箱蓋4が頂部開口を閉じたときに、縁47,48に位置するシール部材401の一対の側辺が側板3の内板の外縁を越えて延在し、縁42に位置する側辺が側板2に操作可能に当接している。好ましくは、側板2のうち、箱蓋4にヒンジ結合されていない一つの頂端の内側には、開口を上向きにして箱体内部に向けた溝2aが設けられており、この溝2aには、図20Bに示すように、シール部材401の縁42に位置するクランプエッジ4aが操作可能に当接するようになっている。
【0102】
図20Aは、ヒンジ部材5を介して箱蓋4と側板2の一方とをヒンジ結合した部分拡大断面図である。図21、22および22Aに示すように、ヒンジ部材5の下側には、ヒンジシール部材501が連結されており、ヒンジシール部材501の第1側辺5011は、この側板2に対して操作可能に当接しており、ここで、第1側辺5011は、ヒンジシール部材501の箱蓋4から離れた側辺である。好ましくは、ヒンジシール部材501の箱蓋4に隣接する第2側辺5011は、箱蓋4上のシール部材401と少なくとも部分的に重なる。
【0103】
側板2と側板3にもそれぞれシール部材201、301が設けられており、図15、15Aに、側板2のシール部材201は示され、図16、16Aに、側板2のシール部材301は示されている。図17および図18に、側板2とそのシール部材201および側板3とそのシール部材301は、さらに示されている。
【0104】
前述したように、側板2の底端には、ベース1上の凹状キャビティ121とのヒンジ結合を形成するためのヒンジ突出部22が設けられている。好ましくは、側板3の底端にもヒンジ突出部32が設けられ、側板3をベース1にヒンジ結合するために、図14に示すように、ベース1の対応する一対の縁にもエッジガード16が設けられている。エッジガード16の内部にも凹状キャビティ161が設けられている。凹状キャビティ161およびヒンジ突出部32は、それぞれ凹状キャビティ121およびヒンジ突出部22と同じ構造を採用することができ、ここでは詳述しない。
【0105】
図17および図18に示す実施例では、側板2のシール部材201は側板2の底部のみに位置しており、側板3のシール部材301は、側板3の4つの縁にそれぞれ位置する部分を含む略矩形環状をなしている。これにより、側板2と側板3との間のシールは、側板3のシール部材301の左右側の縁の部分によって実現される。ただし、側板2のシール部材201は、側板2の四つの縁にそれぞれ位置する部分を含む略矩形環状をなし、側板3のシール部材301は、側板3の底部のみに位置することによって、側板2のシール部材201の左右の縁によって、側板2と側板3との間のシールを実現してもよいことは理解すべきである。
【0106】
図17に示すように、側板2の底部のシール部材201は、中央に位置する複数の「n」字状部と、両側に位置する半「n」字状部とを有し、各n字状部の2本の脚部は、隣り合う2つのヒンジ突出部22の隣り合う2つの側板制限部221の内側面をそれぞれ覆い、両側の半「n」字状部は、側板2の左右両側のヒンジ突出部22の外端側板制限部221の内側面を覆う。ここで、上記「n」字状部と半「n」字状部とは、互いに分離された個別シール部材であり、「n」字状部の数は、ヒンジ突出部22の数に応じて設定されている。具体的には、シール部材201は、ヒンジ突出部の左右両側及び下側に位置し、ヒンジ突出部の左右両側及び下側を越えて延在している。これにより、ヒンジ突出部の左右両側とベースエッジガードとの間の隙間、及びヒンジ突出部とベースエッジガードの凹状キャビティ底部との間の隙間を効果的にシールすることができ、すなわち、ヒンジ突出部とベースエッジガードの凹状キャビティの底部との間の隙間をカバーすることができる。一実施例では、図8Aに示すように、前記ヒンジ突出部に取り付けられたシール部材には、左右の縁に縦方向の溝201aが設けられ、下の縁に横方向の溝201bが設けられている。
【0107】
側板3の底部に位置するシール部材301の部分は同様の構造を有し、ここでは説明しない。シール部材301がヒンジ突出部の左右両側及び下側を越えて延在する部分の構造は、図18に示すように、シール部材本体に対して突出する突条301a,301bである。シール部材201も類似の構造を有する。シール部材201,301と側板2,3との連結方式は、上記のシール部材401の装着方式の説明を参照するように任意の好適な方式としてもよい。一つの図示しない実施例では、側板底部とベースの凹状キャビティとの間のシール部材は、ベースの凹状キャビティ内に配置されてもよく、または側板底部とベースの凹状キャビティの両方に配置されてもよい。側板底部とベースの凹状キャビティとの間のシール部材は、ヒンジ突出部とベースエッジガード上の凹状キャビティの底部との間の隙間を覆うように配置される。
【0108】
上記のように、好適な実施例では、側板2及び側板3の縦方向両端部には、それぞれ噛み込み部202,302gが設けられ、各側板をベース1に対して直立させたときに、各側板2及び側板3は噛み込み部202,302により噛み込んで連結する。シール部材301は側板3の噛み込み部302に連結されており、且つシール部材301は横方向に噛み込み部302を越えて延在していることによって、折畳み可能な箱100の使用状態で側板2と側板3とが互いに連結されたときに、側板2に当接して両者間の継手をシールすることができる。シール部材301と噛み込み部302との間の連結は、任意の適切な方法で達成され得てもよく、例えば、シール部材301の縦方向の縁に位置する長尺状の板状の本体には、互いに間隔をおいて配置された複数の突起が設けられ、側板噛み込み部302には、上記突起を操作可能に固定するための対応する溝が設けられている。シール部材201が四つ縁にそれぞれ位置する部分を含み、シール部材301が側板3の底部のみに位置する場合には、シール部材201が側板2の噛み込み部202に連結され、横方向に噛み込み部202を越えて延在することによって、折畳み可能な箱100の使用状態で側板2と側板3とを互いに連結したときに、側板3に当接することで、両者間の継手をシールすることができる。シール部材201の縦方向の縁に位置する長尺状の板状の本体には、互いに間隔をおいて複数の突起が設けられており、側板噛み込み部202には、前記突起を操作可能に固定するための対応する溝が設けられている。
【0109】
ヒンジ部材5及びそのシール部材501を図20に示す。図22は、ヒンジ部材5とそのシール部材501とを組み合わせた斜視図である。図22の詳細Aの拡大図を図22Aに示す。ヒンジ部材5の下方にはシール部材501が密着して取り付けられている。箱蓋4が折畳み可能な箱100の開口を閉じるとき、シール部材501は、箱蓋4のシール部材401と少なくとも部分的に重なり合って、箱蓋4とヒンジ部材5との間の継手のシールを確保する。シール部材501とヒンジ部材5との連結方式は、上記のシール部材401の装着方式の説明を参照するように任意の好適な方式としてもよい。
【0110】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、必要に応じて、様々な特許、出願、および出版物の態様、特徴、および概念を使用して追加の実施形態を提供するために、実施例の態様を修正することができることが理解されるべきである。
【0111】
上記の詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を実施例に加えることができる。一般的に、請求の範囲では、使用される用語は説明および請求の範囲に開示された特定の実施例に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受するすべての同等範囲とともにすべての可能な実施例を含むと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図4
図4A
図4B
図5
図5A
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図8A
図9
図9A
図9B
図10
図10A
図11
図11A
図12
図12A
図13
図13A
図14
図14A
図15
図15A
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図20A
図20B
図21
図22
図22A
【国際調査報告】