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特表2022-536002三次元物体上への熱硬化性材料の堆積
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(54)【発明の名称】三次元物体上への熱硬化性材料の堆積
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/118 20170101AFI20220803BHJP
   C08G 18/08 20060101ALI20220803BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220803BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220803BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220803BHJP
【FI】
B29C64/118
C08G18/08
B33Y10/00
B33Y50/02
B29C64/393
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515974
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020034181
(87)【国際公開番号】W WO2020237133
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】62/851,902
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521511483
【氏名又は名称】クロマティック・3ディー・マテリアルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】レイビッグ,コーラ
(72)【発明者】
【氏名】ガロッド,マイケル
【テーマコード(参考)】
4F213
4J034
【Fターム(参考)】
4F213AA42
4F213AD33
4F213AH33
4F213AR01
4F213AR07
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4J034HC67
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4J034RA05
4J034RA08
4J034RA10
4J034RA14
4J034RA15
(57)【要約】
少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、付加製造のための方法。熱硬化材料を含有する外部と既製物品を含有する内部とを備える3D印刷物体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、
を含む付加製造のための方法。
【請求項2】
材料の少なくとも1つの層を予め定められたパターンで堆積することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既製物品の前記外部の少なくとも約10%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記既製物品の前記外部の少なくとも約25%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記既製物品の前記外部の少なくとも約50%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記既製物品の前記外部の少なくとも約75%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記既製物品の前記外部の約100%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記既製物品の前記外部上に材料の少なくとも2つの層を堆積することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記既製物品の前記外部上に材料の少なくとも3つの層を堆積することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第一に、前記少なくとも1つの既製物品の前記外部の一部分上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、一時的に前記熱硬化性材料の前記堆積を停止すること、及び続いて、前記少なくとも1つの既製物品の外部上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記続いての堆積が、第一の堆積が行われなかった前記外部の部分上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記続いての堆積が、第一の堆積が行われた前記外部の部分上である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの既製物品が、多面体、球体、四面体、三角柱、円筒形、円錐、角錐、直方体、立方体、八面体、平滑形状、及び不規則形状を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの既製物品が、電子部品又は回路基板を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記熱硬化性材料が、イソシアネート、イソシアネートプレポリマー、ウレタン、ウレア含有ポリマー、ポリオールプレポリマー、アミンプレポリマー、少なくとも1つの末端ヒドロキシル基を含有するポリオール、イソシアネート反応性水素を含有する少なくとも1つのアミンを含有するポリアミン、又はこれらの混合物を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記熱硬化性材料が、少なくとも2つの反応性成分を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記熱硬化性材料が、少なくとも3つの反応性成分を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記熱硬化性材料が、中実の熱硬化性材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記熱硬化性材料が、発泡体の熱硬化性材料を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記熱硬化性材料が、中実の熱硬化性材料及び発泡体の熱硬化性材料を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記既製物品が、熱可塑性材料、金属、熱硬化物、セラミック、木材、複合体、炭素繊維、ケブラー、ガラス、及びこれらの混合物を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記既製物品が、電子コンポーネント又は電子アセンブリを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記既製物品が、光電子コンポーネント又は光電子アセンブリを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記熱硬化性材料と前記既製物品との間に結合を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記結合が、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記熱硬化性材料と前記既製物品との間に剥離強度を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記剥離強度が、約1N/mm~約20N/mmである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ピックアンドプレースアセンブリを用いて熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
印刷装置に操作可能に結合された制御システムを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記制御システムが、1又は複数のプロセッサを備える、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
1又は複数のセンサーを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記1又は複数のセンサーが、前記既製物品の位置を検出する、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記1又は複数のセンサーが、前記既製物品の前記位置を検出し、及び前記既製物品の前記形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の前記少なくとも1つの層の前記堆積を最適化する、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記既製物品の前記形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の前記少なくとも1つの層の前記堆積を最適化することを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記既製物品を前記堆積の前の位置から摘まみ上げ、前記既製物品を前記堆積のための異なる位置に移動させることを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
ロボット装置又はジグを用いて前記既製物品を摘まみ上げることを含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1~36のいずれか一項に記載の方法に従って製造された3D印刷物品。
【請求項38】
熱硬化材料を含有する外部と既製物品を含有する内部とを備える3D印刷物体。
【請求項39】
前記既製物品の外部の約10%が熱硬化材料を含有する、請求項38に記載の3D印刷物体。
【請求項40】
前記既製物品の外部の約25%が熱硬化材料を含有する、請求項38又は39に記載の3D印刷物体。
【請求項41】
前記既製物品の外部の約50%が熱硬化材料を含有する、請求項38~40のいずれか一項に記載の3D印刷物体。
【請求項42】
前記既製物品の外部の約75%が熱硬化材料を含有する、請求項38~41のいずれか一項に記載の3D印刷物体。
【請求項43】
前記既製物品の外部の約100%が熱硬化材料を含有する、請求項38~42のいずれか一項に記載の3D印刷物体。
【請求項44】
熱硬化材料を含有する前記外部と前記既製物品を含有する前記内部との間に結合を含む、請求項38~43のいずれか一項に記載の3D印刷物体。
【請求項45】
前記結合が、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合である、請求項38~44のいずれか一項に記載の3D印刷物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3D付加製造のための方法、及び3D物体の外部上に印刷するための方法に関する。本出願はまた、3D付加製造によって製造された3D物体にも関する。
【背景技術】
【0002】
熱溶解フィラメント製法(FFF)は、本技術分野において熱可塑性材料押出し、プラスチックジェット印刷(PJP)、熱溶解フィラメント法(FFM)、又は熱溶解積層造形とも称され、材料がプラットホーム上に連続する層として押出されて三次元(3D)製品を形成する付加製造プロセスである。典型的には、FFFは、プラットホーム上に押出される溶融した熱可塑性材料を用いる。三次元印刷(3D印刷)は、場合によっては、印刷後にパーツから容易に溶解又は除去される支持構造を用いることもある。
【0003】
熱可塑性材料を用いる既存のFFF技術の欠点としては、単一の材料特性の印刷となること、印刷方向の強度が制限されること、耐久性が制限されること、及び柔軟性が制限されること、が挙げられる。熱硬化性材料は、一般的にFFFに用いられてこなかったが、それは、硬化前のモノマーが低粘度の液体であり、堆積時、硬化する液体が流動する又は液滴に分かれる結果として、低品質で望ましくないほど低い解像度の最終パーツが得られてしまうからである。熱硬化材料による印刷の試みでは、樹脂に対して、それが完全に硬化する前にチクソトロピー挙動を誘導するために、充填剤(無機粉末又はポリマーなど)を添加する必要があった。これらの溶液は、印刷されたパーツの最終特性に有害な影響を与える。他の問題点としては、印刷されたパーツにおける乏しい解像度制御、及び混合システムの頻繁な閉塞が挙げられる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、3D印刷の方法及び3D印刷物体に関する。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む付加製造法のための方法に関する。
【0005】
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む付加製造のための方法に関する。
ある特定の実施形態では、方法は、材料の少なくとも1つの層を予め定められたパターンで堆積することを含む。
【0006】
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部の少なくとも約10%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部の少なくとも約25%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部の少なくとも約50%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部の少なくとも約75%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部の約100%上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。
【0007】
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部上に、材料の少なくとも2つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部上に、材料の少なくとも3つの層を堆積することを含む。
【0008】
ある特定の実施形態では、方法は、第一に、少なくとも1つの既製物品の外部の一部分上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、一時的に熱硬化性材料の堆積を停止すること、及び続いて、少なくとも1つの既製物品の外部上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、を含む。ある特定の実施形態では、続いての堆積は、第一の堆積が行われなかった外部の部分上である。ある特定の実施形態では、続いての堆積は、第一の堆積が行われた外部の部分上である。
【0009】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの既製物品は、多面体、球体、四面体、三角柱、円筒形、円錐、角錐、直方体、立方体、八面体、平滑形状、及び不規則形状を備える。
【0010】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの既製物品は、電子部品又は回路基板を含む。
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、イソシアネート、イソシアネートプレポリマー、ウレタン、ウレア含有ポリマー、ポリオールプレポリマー、アミンプレポリマー、少なくとも1つの末端ヒドロキシル基を含有するポリオール、イソシアネート反応性水素を含有する少なくとも1つのアミンを含有するポリアミン、又はこれらの混合物を含む。
【0011】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも2つの反応性成分を含む。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも3つの反応性成分を含む。
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、中実の熱硬化性材料を含む。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、発泡体の熱硬化性材料を含む。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、中実の熱硬化性材料及び発泡体の熱硬化性材料を含む。
【0012】
ある特定の実施形態では、既製物品は、熱可塑性材料、金属、熱硬化物、セラミック、木材、複合体、炭素繊維、ケブラー、ガラス、及びこれらの混合物を含む。
ある特定の実施形態では、既製物品は、電子コンポーネント又は電子アセンブリを含む。ある特定の実施形態では、既製物品は、光電子コンポーネント又は光電子アセンブリを含む。
【0013】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料と既製物品との間に結合が存在してもよい。ある特定の実施形態では、結合は、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合である。
【0014】
ある特定の実施形態では、方法は、熱硬化性材料と既製物品との間に剥離強度を有する。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約1N/mm~約20N/mmである。
ある特定の実施形態では、方法は、ピックアンドプレースアセンブリ(pick and place assembly)を用いて熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。
【0015】
ある特定の実施形態では、方法は、印刷装置に操作可能に結合された制御システムを含む。ある特定の実施形態では、制御システムは、1又は複数のプロセッサを備える。
ある特定の実施形態では、方法は、1又は複数のセンサーを含む。ある特定の実施形態では、1又は複数のセンサーは、既製物品の位置を検出する。ある特定の実施形態では、1又は複数のセンサーは、既製物品の位置を検出し、既製物品の形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の少なくとも1つの層の堆積を最適化する。
【0016】
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の少なくとも1つの層の堆積を最適化することを含む。
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品を堆積前の位置から摘まみ上げ、既製物品を堆積のための異なる位置に移動させることを含む。ある特定の実施形態では、方法は、ロボット装置又はジグを用いて既製物品を摘まみ上げることを含む。
【0017】
ある特定の実施形態では、本開示は、開示される方法に従って製造した3D印刷物品に関する。
ある特定の実施形態では、本開示は、熱硬化材料を含有する外部と既製物品を含有する内部とを備える3D印刷物体に関する。
【0018】
ある特定の実施形態では、既製物品の外部の約10%が、熱硬化材料を含有する。ある特定の実施形態では、既製物品の外部の約25%が、熱硬化材料を含有する。ある特定の実施形態では、既製物品の外部の約50%が、熱硬化材料を含有する。ある特定の実施形態では、既製物品の外部の約75%が、熱硬化材料を含有する。ある特定の実施形態では、既製物品の外部の約100%が、熱硬化材料を含有する。
【0019】
ある特定の実施形態では、3D印刷物体は、熱硬化材料を含有する外部と既製物品を含有する内部との間に結合を含む。
3D印刷物体のある特定の実施形態では、結合は、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合である。
【0020】
発明の概要及び発明を実施するための形態はいずれも、単に例示及び説明のためのものであり、請求される本開示を制限するものではないことは理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、既製物品の外部上に熱硬化性材料を堆積しているところを示す。
図2図2は、異なる基材上に3D印刷されたポリウレタンに対する力のデータを示す。
図3図3は、異なる基材上に3D印刷されたポリウレタンに対する剥離強度のデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態は、3D付加製造のための方法、及び既製物品の外部上に印刷するための方法に関する。本出願はまた、3D付加製造によって製造された3D物体にも関する。驚くべきことに且つ予想外なことに、熱硬化性材料を、既製3D物品の外部上に印刷することができることが見出された。本開示に従うことによって、熱硬化性材料を既製物品の外部上に印刷して、熱硬化性材料と既製物品の外部との間に強い結合を作り出すことができる。得られる3D印刷物体は、既製物品である内部と熱硬化物である外部とを備えた新規な3D印刷物体であり得る。
【0023】
本開示は、既製パーツを用いたカスタマイズを提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、既製物品のカスタマイズが所望される履物、座席、衣服、又は他のいずれかの物品のカスタマイズを提供する。
【0024】
開示される主題の様々な例及び実施形態が可能であり、それらは、本開示の利益を考慮すると、当業者に明らかとなる。本開示において、「いくつかの実施形態」、「ある特定の実施形態」、「ある特定の例示的実施形態」、及び類似の語句の言及は、各々、これらの実施形態が本発明の主題の限定されない例であること、及び除外されない別の選択肢としての実施形態が存在し得ること、を意味する。
【0025】
冠詞である「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、本明細書において、その冠詞の文法的対象の1又は複数(すなわち、少なくとも1つ)を意味するために用いられる。例として、「1つの要素(an element)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0026】
本明細書で用いられる場合、「約」の用語は、記載された値の±10%を意味する。単なる例として、既製物品の「外部の少なくとも約50%」上にある材料の少なくとも1つの層は、外部の少なくとも45%から外部の少なくとも55%までを55%を含んで含み得る。
【0027】
「含む(comprising)」の語は、その非限定的意味に一致するように用いられ、すなわち、任意の製品又はプロセスが、所望に応じて、明示的に記載されたもの以外に追加の特徴又は要素も有し得ることを意味するために用いられる。実施形態が「含む」の言語と共に記載される場合は常に、「から成る(consisting of)」及び/又は「から本質的に成る(consisting essentially of)」という意味で記載される他は類似の実施形態も考慮され、本開示の範囲内に含まれることは理解される。
【0028】
本明細書で用いられる場合、「付加製造」の用語は、熱硬化性材料の押出し印刷を意味する。
本明細書で用いられる場合、「結合」の用語は、2つの基材間において、その基材間の接着、接合、相互作用、及び/又は相互接続性を改善するいずれの相互作用も意味する。ある特定の実施形態では、結合は、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合であってよい。ある特定の実施形態では、接着結合は、2つの基材間の結合であって、所望に応じて基材間に接着剤が添加されてよく、接着破壊の結果として、接着剤が一方の基材上に残り、他方の基材上には残らない、結合であり得る。ある特定の実施形態では、凝集性結合は、2つの基材間の結合であって、所望に応じて基材間に接着剤が添加されてよく、凝集破壊の結果として、接着剤が両方の基材上に残る、結合であり得る。ある特定の実施形態では、幾何学的結合は、2つの基材間の結合であって、所望に応じて基材間に接着剤が添加されてよく、粘度、硬化度、又は他のいずれかの特性が、基材が不規則形状であっても又は異なる形状であっても、基材間のフラッシュ結合を可能とする、結合であり得る。ある特定の実施形態では、化学結合は、原子、イオン、又は分子間の永続する化学的引力であり得る。
【0029】
本明細書で用いられる場合、既製物品の「外部」とは、既製物品の露出した最も外側部分の少なくとも一部分、既製物品の1又は複数の側面のいずれかの部分、チャンバー中で空気又は液体に曝露され得る既製物品のいずれかの部分、及び既製物品のいずれかの外側部分、を意味する。外部は、規則的形状、不規則形状、複雑形状であってよく、等しい寸法の側面を有してよく、等しくない寸法の側面を有してよく、並びに既製物品にあるキャビティ、ギャップ、又は穴を含む。
【0030】
本明細書で用いられる場合、「熱硬化物」、「熱硬化生成物」、及び「熱硬化材料」の用語は、交換可能に用いられ、共有結合による架橋又はポリマーネットワークを形成する少なくとも2つの化学物質の反応生成物を意味する。熱可塑性材料とは対照的に、本明細書で述べる熱硬化生成物は、不可逆的に固化又は凝固することができる。
【0031】
本明細書で用いられる場合、「熱硬化性材料」の用語は、依然として反応性である共有結合で架橋した又はポリマーのネットワークを意味し、例えばそれは、滴定で測定可能なヒドロキシル価、NH価、又はNCO価が得られるヒドロキシル、アミン、及び/又はイソシアネート官能基を依然として有し得る。1つの実施形態では、熱硬化性材料は、3,000,000cp未満の粘度を有し得る。1つの実施形態では、熱硬化性材料は、100,000g/mol以下の分子量を有し得る。
【0032】
付加製造のための方法
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む付加製造のための方法に関する。
【0033】
ある特定の実施形態では、方法は、材料の少なくとも1つの層を予め定められたパターンで堆積することを含む。
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部の少なくとも一部分上に材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。
【0034】
ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の少なくとも約10%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の少なくとも約25%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の少なくとも約50%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の少なくとも約75%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約100%上であってよい。
【0035】
ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約5%~約95%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約10%~約90%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約25%~約75%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約50%~約95%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約60%~約95%上であってよい。ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の約70%~約95%上であってよい。ある特定の実施形態では、堆積は、既製物品の約100%上であってよい。
【0036】
ある特定の実施形態では、材料の少なくとも1つの層の堆積は、既製物品の外部の少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は指定した値間のいずれの範囲上であってもよい。
【0037】
ある特定の実施形態では、方法は、少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部上に、少なくとも2つの層を堆積することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の外部上に、少なくとも3つの層を堆積することを含む。堆積されるべき層の数は、特に限定されない。ある特定の実施形態では、堆積されるべき層の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は指定した値間のいずれの範囲内であってもよい。
【0038】
ある特定の実施形態では、方法は、第一に、少なくとも1つの既製物品の外部の一部分上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、一時的に熱硬化性材料の堆積を停止すること、及び続いて、少なくとも1つの既製物品の外部上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、を含む。
【0039】
第一の堆積と続いての堆積との間の停止の時間は、特に限定されない。ある特定の実施形態では、第一の堆積と続いての堆積との間の停止の時間は、約1秒間、約5秒間、約30秒間、約60秒間、約2分間、約3分間、約4分間、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約1時間、約2時間、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間、約2日間、又は指定した値間のいずれの範囲内であってもよい。
【0040】
ある特定の実施形態では、続いての堆積は、第一の堆積が行われなかった外部の部分上であってよい。ある特定の実施形態では、続いての堆積は、第一の堆積が行われた外部の部分上であってよい。
【0041】
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品の形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の少なくとも1つの層の堆積を最適化することを含む。
ある特定の実施形態では、方法は、既製物品を堆積前の位置から摘まみ上げ、既製物品を堆積のための異なる位置に移動させることを含む。ある特定の実施形態では、既製物品を摘まみ上げることは、ロボット装置、ピックアンドプレース装置、ジグ装置、又は手で置くこと、によって実現され得る。ある特定の実施形態では、システムは、既製物品の摘まみ上げ及び移動をガイド、指示、又は較正するために、較正、登録、及び/又はセンサーを利用する。
【0042】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で開示される方法によって製造した3D印刷物品に関する。
ある特定の実施形態では、本開示は、熱硬化材料を含有する外部と既製物品を含有する内部とを備える3D印刷物体に関する。
【0043】
3D印刷物体のある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の少なくとも一部分上にある。
3D印刷物体のある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約5%~約95%上にあってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約10%~約90%上にあってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約25%~約75%上にあってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約50%~約95%上にあってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約60%~約95%上にあってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約70%~約95%上にあってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約100%上にあってよい。
【0044】
3D印刷物体のある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は指定した値間のいずれの範囲上にあってもよい。3D印刷物体のある特定の実施形態では、熱硬化材料は、既製物品の外部の約100%上にあってよい。
【0045】
3D印刷物体のある特定の実施形態では、3D印刷物体は、熱硬化材料を含有する外部と既製物品を含有する内部との間に結合を有し得る。ある特定の実施形態では、結合は、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合であってよい。
【0046】
3D印刷物体のある特定の実施形態では、3D印刷物体は、熱硬化性材料と既製物品との間に、剥離強度を有し得る。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約1N/mm~約20N/mmであってよい。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約8N/mm~約20N/mmであってよい。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約1N/mm~約8N/mmであってよい。
【0047】
ある特定の実施形態では、方法は、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、堆積された熱硬化性材料の少なくとも1つの層上に既製物品を置くこと、及び既製物品の外部上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、を含む。ある特定の実施形態では、既製物品を置くことは、ピックアンドプレース法による。ある特定の実施形態では、本開示は、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、堆積された熱硬化性材料の少なくとも1つの層上に既製物品を置くこと、及び既製物品の外部上に、熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積すること、を含む方法によって印刷された3D印刷物体を提供する。
【0048】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積する前に、前処理が行われてもよい。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの既製物品の外部上に熱硬化性材料の少なくとも1つの層を堆積する前に、既製物品の外部上に材料が付加されてもよい。ある特定の実施形態では、この材料は、プライマー、塗料、接着促進剤、又はクリーナーであってよい。ある特定の実施形態では、この材料は、熱硬化性材料と既製物品との間の剥離強度を改善し得る。ある特定の実施形態では、前処理は行われない。
【0049】
ある特定の実施形態では、前処理は、エッチング、酸エッチング、プラズマエッチング、化学活性溶液での処理、陽極酸化、フレーム処理、コロナ放電、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、低圧プラズマ処理、ブローンアークプラズマ処理(blown arc plasma treatment)、チャンバープラズマ処理、スクレーピング、ブラッシング、ブラスティング、グラインディング、サンドブラスティング、タンブリング、酸洗い、研磨、パワー洗浄、電着コーティング、燃焼化学蒸着、不動態化、コーティング、レーザー前処理、UV処理、UVオゾン処理、フルオロ酸化、酸化、及び化成被膜処理のうちの1又は複数であってよい。
【0050】
ある特定の実施形態では、前処理は、フレーム処理、コロナ放電、プラズマ処理、プラズマエッチング、ブラッシング、サンドブラスティング、及びコーティングのうちの1又は複数であってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、フレーム処理であってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、コロナ放電であってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、プラズマ処理であってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、プラズマエッチングであってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、ブラッシングであってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、サンドブラスティングであってよい。ある特定の実施形態では、前処理は、コーティングであってよい。
【0051】
ある特定の実施形態では、3D印刷物体は、履物、ガスケット、輸送手段のパーツ、ロボットパーツ、人工補装具、若しくは電子部品であってよく、又はこれらのコンポーネントであってもよい。
【0052】
熱硬化性材料
特許請求の範囲の実施形態に従う熱硬化性材料は、いずれの数の材料から構成されていてもよい。
【0053】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、イソシアネート、イソシアネートプレポリマー、ウレタン、ウレア含有ポリマー、ポリオールプレポリマー、アミンプレポリマー、少なくとも1つの末端ヒドロキシル基を含有するポリオール、イソシアネート反応性水素を含有する少なくとも1つのアミンを含有するポリアミン、又はこれらの混合物であってよい。
【0054】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、イソシアネートであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、イソシアネートプレポリマーであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、ウレタンであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、ウレア含有ポリマーであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、ポリオールプレポリマーであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、アミンプレポリマーであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも1つの末端ヒドロキシル基を含有するポリオールであってよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、イソシアネート反応性水素を含有する少なくとも1つのアミンを含有するポリアミンであってよい。
【0055】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーであってよい。ある特定の実施形態では、ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーは、ポリマー鎖の一部としてウレタン基(-NH-(C=O)-O-)を含有するポリマーであってよい。ウレタン結合は、イソシアネート基(-N=C=O)をヒドロキシル基(-OH)と反応させることによって形成することができる。ポリウレタンは、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートと末端ヒドロキシル基を有する化合物との反応によって製造することができる。ある特定の実施形態では、1分子あたり平均して2つのイソシアネート基を有するイソシアネートを、1分子あたり平均して少なくとも2つの末端ヒドロキシル基を有する化合物と反応させてよい。
【0056】
ある特定の実施形態では、ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーは、ポリマー鎖の一部としてウレア基(-NH-(C=O)-NH-)を含有するポリマーであってもよい。ウレア結合は、イソシアネート基(-N=C=O)をアミン基(例:-N(R’))と反応させることによって形成することができ、各R’は、独立して、水素、又は脂肪族基及び/若しくは環式基(典型的には、(C~C)アルキル基)である。ポリウレアは、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートと末端アミン基を有する化合物との反応によって製造することができる。
【0057】
ある特定の実施形態では、脂肪族基は、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基であってよい。この用語は、例えばアルキル(例:-CH)(又は、鎖内にある場合は-CH-などのアルキレン)基、アルケニル(又は、鎖内にある場合はアルケニレン)基、及びアルキニル(又は、鎖内にある場合はアルキニレン)基を包含し得る。ある特定の実施形態では、アルキル基は、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、2-エチルヘキシルなどを含む飽和の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基であってよい。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、ビニル基など、1又は複数の炭素-炭素二重結合を有する不飽和の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基であってよい。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、1又は複数の炭素-炭素三重結合を有する不飽和の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基であってよい。特に断りのない限り、脂肪族基は、典型的には、1~30個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1~20個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含有していてよい。
【0058】
ある特定の実施形態では、環式基は、脂環式基、芳香族基、又はヘテロ環式基として分類される閉環構造の炭化水素基であってよく、所望に応じて、脂肪族基を含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、脂環式基は、脂肪族基の特性に似た特性を有する環式炭化水素基であってよい。ある特定の実施形態では、芳香族基又はアリール基は、単環式又は多環式芳香族炭化水素基であってよい。ある特定の実施形態では、ヘテロ環式基は、環原子の1又は複数が炭素以外の元素(例:窒素、酸素、硫黄など)である閉環構造の炭化水素であってよい。特に指定のない限り、環式基は、6~20個の炭素原子、6~18個の炭素原子、6~16個の炭素原子、6~12個の炭素原子、又は6~10個の炭素原子を有していてよい。
【0059】
ある特定の実施形態では、ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーは、ポリマー鎖の一部としてウレタン基及びウレア基の両方を含有するポリマーであってもよい。ポリウレタン/ポリウレアは、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートと末端ヒドロキシル基を有する化合物及び末端アミン基を有する化合物との反応によって製造することができる。ある特定の実施形態では、ポリウレタン/ポリウレアは、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートと末端ヒドロキシル基及び末端アミン基を有する化合物(例:3-ヒドロキシ-n-ブチルアミン(CAS 114963-62-1)などのヒドロキシルアミン)との反応によって製造することができる。ポリウレタン、ポリウレア、又はポリウレタン/ポリウレアを製造するための反応は、触媒、鎖伸長剤、硬化剤、界面活性剤、顔料、又はこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない他の添加剤を含んでいてもよい。
【0060】
ポリイソシアネートと見なされ得るイソシアネートは、R-(N=C=O)の構造を有していてよく、nは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、又は少なくとも8であってよく、Rは、脂肪族基及び/又は環式基であってよい。ある特定の実施形態では、イソシアネートは、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)のnと同等のnを有していてよい。ある特定の実施形態では、イソシアネートは、ジイソシアネートであってよい(例:R-(N=C=O)又は(O=C=N)-R-(N=C=O))。
【0061】
イソシアネートの例としては、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が挙げられ得るが、これらに限定されない。MDIの例としては、単量体MDI、ポリマーMDI、及びこれらの異性体が挙げられ得るが、これらに限定されない。化学式C1510を有するMDIの異性体の例としては、2,2’-MDI、2,4’-MDI、及び4,4’-MDIが挙げられ得るが、これらに限定されない。化学式Cを有するTDIの異性体の例としては、2,4-TDI及び2,6-TDIが挙げられ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、イソシアネートの例としては、単量体ジイソシアネート及びブロックポリイソシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、単量体ジイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート又は水素化MDI(HMDI)、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)が挙げられ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、HDIの例は、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネートであってよい。ある特定の実施形態では、HMDIの例は、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネートであってよい。ブロックポリイソシアネートは、HDI又はIDPIをベースとしていてよい。ある特定の実施形態では、ブロックポリイソシアネートの例としては、HDI三量体、HDIビウレット、HDIウレチジオン、及びIPDI三量体が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0062】
ある特定の実施形態では、イソシアネートの例としては、2,4-及び2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)の混合物、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、クルードTDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアヌレート、クルードMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びフェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;4,4’-メチレン-ビシクロヘキシルジイソシアネート(水素化MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びシクロヘキサンジイソシアネート(水素化XDI)などの脂肪族ジイソシアネート;並びにイソシアヌレート、カルボジイミド、及びアロファナミドなどのこれらの修飾生成物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0063】
ある特定の実施形態では、末端ヒドロキシル基を有する化合物(R-(OH))であって、nが少なくとも2(本明細書において「二官能性」と称する)、少なくとも3(本明細書において「三官能性」と称する)、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、及び10であり、Rが脂肪族基及び/又は環式基である、化合物は、「ポリオール」であってよい。ある特定の実施形態では、ポリオール混合物は、単一の末端ヒドロキシル基を有する一官能性化合物を少量含んでいてもよい。
【0064】
ある特定の実施形態では、ポリオールの例としては、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが挙げられ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、ポリエステルポリオールの例としては、酸とアルコールとの縮合から構築されるものが挙げられ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、例としては、無水フタル酸とジエチレングリコール、無水フタル酸とジプロピレングリコール、アジピン酸とブタンジオール、及びコハク酸とブタンジオール又はヘキサンジオールから構築されるものが挙げられ得る。ある特定の実施形態では、ポリエステルポリオールは、半結晶性であってよい。ある特定の実施形態では、ポリエーテルポリオールの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドなどのオキシドの、グリセロール、ジプロピレングリコール、TPG(トリプロピレングリコール)、ヒマシ油、スクロース、又はソルビトールなどの開始剤からの重合から構築されるものが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0065】
ある特定の実施形態では、ポリオールの例としては、ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンなどのラクトンポリオールが挙げられ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、末端ヒドロキシル基を有する化合物(R-(OH))は、約200ダルトン~約10000ダルトンなど、約200ダルトン~約20000ダルトンの分子量(末端ヒドロキシル基を有する化合物をポリマーに組み込む前に算出される)を有し得る。
【0066】
ある特定の実施形態では、末端アミン基を有する化合物(例:R-(N(R’))であって、nが少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、及び10であってよく、Rが脂肪族基及び/又は環式基であってよく、R’が独立して水素又は脂肪族基及び/若しくは環式基(例:(C~C)アルキル基)であってよい、化合物は、「ポリアミン」と称され得る。ある特定の実施形態では、ポリアミン混合物は、単一の末端アミン基を有する一官能性化合物を少量含んでいてもよい。
【0067】
ある特定の実施形態では、適切なポリアミンは、ジアミン又はトリアミンであってよく、一級アミン又は二級アミンのいずれであってもよい。ある特定の実施形態では、末端アミン基を有する化合物は、約40ダルトン~約400ダルトンなど、約30ダルトン~約5000ダルトンの分子量(末端ヒドロキシル基を有する化合物をポリマーに組み込む前に算出される)を有し得る。
【0068】
ある特定の実施形態では、ポリアミンの例としては、ジエチルトルエンジアミン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミン、4,4’-メチレンビス(2-クロロアミリン)、及びLONZACURE L15、LONZACURE M-CDEA、LONZACURE M-DEA、LONZACURE M-DIPA、LONZACURE M-MIPA、及びLONZACURE DETDAの商品名で入手可能である鎖伸長剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0069】
ある特定の実施形態では、適切なポリアミンの例としては、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、2,2,4-及び/又は2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,3-及び/又は1,4-シクロヘキサンジアミン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン、2,4-及び/又は2,6-ヘキサヒドロトルイレンジアミン、2,4’及び/又は4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、並びに3,3’-ジメチル-4,4-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン及び3,3’-ジエチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンなどの3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン;2,4-及び/又は2,6-ジアミノトルエン及び2,4’及び/又は4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;並びにポリオキシアルキレンポリアミンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0070】
ある特定の実施形態では、ポリオール及び/又はポリアミン混合物の用語は、様々な分子量及び官能性の1若しくは複数のポリオールの混合物、様々な分子量及び官能性の1若しくは複数のポリアミンの混合物、又は1若しくは複数のポリオールと1若しくは複数のポリアミンとの組み合わせであってよい。
【0071】
ある特定の実施形態では、本開示はまた、本明細書で述べる組成物、並びにその組成物を含む熱硬化システム、例えば第一の反応性成分と第二の反応性成分、及び第三の反応性成分などの1又は複数の所望に応じて存在してよい反応性成分、を提供する。
【0072】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも1つの反応性成分を含んでいてよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも2つの反応性成分を含んでいてよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも3つの反応性成分を含んでいてよい。ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、少なくとも4つの反応性成分を含んでいてよい。
【0073】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、その全体が本明細書に援用される国際公開第2018/106822号及びPCT/US2018/064323号に開示される方法によって製造されてよい。ある特定の実施形態では、ウレタン及び/又はウレア含有ポリマー熱硬化生成物などの熱硬化性材料を製造するための方法は、第一及び第二の反応性成分を混合チャンバー中に導入することを含んでよい。ある特定の実施形態では、第一の反応性成分は、イソシアネートを含んでよく、第二の反応性成分は、ポリオール及び/又はポリアミン混合物を含んでよい。ある特定の実施形態では、第一の反応性成分は、イソシアネートを含んでよく、第二の反応性成分は、ポリオールを含んでよい。ある特定の実施形態では、第一の反応性成分は、イソシアネートを含んでよく、第二の反応性成分は、ポリアミンを含んでよい。ある特定の実施形態では、第一の反応性成分は、イソシアネートを含んでよく、第二の反応性成分は、ポリオール及びポリアミンを含んでよい。第一及び第二の反応性成分は、粘度、反応性、及び化学的適合性が挙げられるがこれらに限定されないある特定の特性を有していてよい。
【0074】
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、中実の熱硬化性材料であってよい。
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、発泡体の熱硬化性材料であってよい。
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料は、中実の熱硬化性材料及び発泡体の熱硬化性材料であってよい。
【0075】
発泡体に関しては、数ある中でも特に矯正器具、人工補装具、履物、グリップ、シール、ガスケット、遮音壁、衝撃吸収、人工関節を含む数多くの用途が想定される。様々な発泡体特性の製品が特に有利であり得る。例えば、圧力マッピングによる情報に基づいて、個人の体重分布及び好ましい睡眠姿勢に対する理想的な支持を提供するためのマットレスを製造することができる。最小限の量の材料で広く様々な振動を減衰するための、様々な気泡構造及び材料弾性を持つ制振発泡体を設計することができる。家具又は輸送手段用に、空間効率の良い座席を構築することができる。快適性及びフィット性のレベルを高めたエネルギー吸収安全ヘルメットを設計することができる。圧力に起因する皮膚潰瘍の発生を低減するために、体に合ったフィット感を有し、圧力の掛かる点を減らした医療用途(車いすの座席など)のための発泡体パッドを設計することができる。パーツを通して液体の空気の流れの流路を優先的に形成するために、独立気泡構造の構造体の内部に連続気泡構造の領域を配置することができる。
【0076】
以下の記述は、発泡体に関するものであるが、この記述は、ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーを含む熱硬化性材料全般に、非発泡体及び発泡体の両方に適用することができる。様々な硬度及び反発弾性の発泡体を入手可能である。ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーは、非常に高耐久性であり得ることから、特性が変化することなく発泡体を繰り返し使用することを可能とし得る。この様々な特性により、これらの材料は、厳密な位置決めが所望される、又は圧力分布がより所望される臨床的状況で用いることができる。
【0077】
ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーの発泡体は、2つの反応体成分間の反応生成物であり得る。様々な発泡体特性を、配合成分の相対重量を変化させて、反応速度、反応混合物の界面張力、及びポリマー骨格の弾性のバランスを取ることによって実現することができる。3D印刷では、所望される3D物体の3Dコンピュータモデルに従って、押出しノズルが、基材上に熱硬化性材料を例とする材料を一層ずつ堆積し得る。
【0078】
ある特定の実施形態では、発泡体前駆体の調合によって、カスタムメードの3D発泡体物体を形成するための高解像度3D堆積が可能となり得る。ある特定の実施形態では、ポリウレタン前駆体などの前駆体の反応を部分的に進行させ、触媒及び界面活性剤のレベルを調節することによって、熱硬化性材料の堆積を、発泡体の所望される所定のパーツ解像度及び機械的完全性を維持しながら行うことが可能である。
【0079】
ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーの発泡体の製造は、非発泡体のウレタン及び/又はウレア含有ポリマーの製造とは、水を含めるという点で異なり得る。ウレタン及び/又はウレア含有ポリマーの発泡体は、イソシアネートと水との反応によるウレア結合の形成及びガスの発生、並びにイソシアネートと多官能性高分子量アルコールとの反応による架橋された弾性発泡体骨格の形成を同時に行うことよって形成され得る。
【0080】
ある特定の実施形態では、発泡体は、モノマーであるジイソシアネート、水、及び多官能性アルコール(例:ポリオール)又は多官能性アミンを反応させることによって形成され得る。調合中の水の量は、発泡体の密度及び発泡体骨格の強度に影響を与え得る。ポリオール及び/又はポリアミン混合物の分子量は、発泡体骨格の架橋密度、並びに発泡体の得られる弾性、反発弾性、及び硬度を決定し得る。ある特定の実施形態では、水、並びにポリオール及び/又はポリアミン混合物と完全に反応させるために、化学量論量に近いジイソシアネートが用いられ得る。
【0081】
ある特定の実施形態では、プレポリマー合成を用いて、ポリウレタン又はポリウレア系の硬化プロファイルが変化され得る。プレポリマー合成では、化学量論量を超えるジイソシアネートが、ポリオール及び/又はポリアミン混合物と反応され得る。得られたプレポリマーは、出発ジイソシアネートよりも高い分子量を有し得、プレポリマー中の分子は、イソシアネート官能基を有し得るために、依然として反応性であり得る。分子量、水素結合、及び/又はウレア結合が増加することから、プレポリマーは、より高い粘度も有し得る。このプレポリマーを、続いて、ポリオール及び/又はポリアミン混合物並びに水と反応させることで、プレポリマー合成なしで実現可能なものと実質的に同じ発泡体骨格組成の発泡体が製造され得る。しかし、粘度上昇プロファイルが、典型的にはより高く開始して増加がよりゆっくりであるように変更され得ることから、発泡体気泡サイズ及び気泡安定性などの発泡体の形態的特徴の結果として、非常に異なる外観の発泡体が得られ得る。
【0082】
支持発泡体は、単一の密度、硬度、又は反発弾性ではなく、広く様々な性能を有し得る。本開示は、様々な発泡体特性の全体を拡張する。発泡体密度及び硬度は、相互に関係し得るものであり、低密度発泡体は、より柔軟性のある発泡体であり得る。様々な発泡体密度及び硬度が、配合物中の水などの発泡剤のレベルをまず変化させることによって、及び調合中のイソシアネートの過剰度を調節することによって実現され得る。ポリオール及び/又はポリアミン混合物の成分の官能性の度合いを高めることで(例:ある程度の四官能性又は六官能性ポリオールの組み込み)、硬度、及び硬化時の粘度上昇率が高められ得る。発泡体の反発弾性は、調合中に組み込まれるポリオール及び/又はポリアミンを変化させることによって変更され得る。形状記憶発泡体は、ポリオール及びポリアミンの分子量を低下させることによって実現され得るものであり、高反発弾性は、グラフトポリオールを組み込むことによって実現され得る。ある特定の実施形態では、発泡体密度範囲は、0.3g/cm未満であってよく、30~50ILFD硬度の範囲内であってよく、反発弾性率は、10~50%の範囲内であってよい。発泡体特性は、連続気泡含有量及び独立気泡含有量も含み得る。連続気泡発泡体は、支柱(struts)から構成された気泡構造であってよく、気泡壁に開口部があって、気泡間の空気又は液体の流れを可能とし得る。独立気泡は、絶縁用途の場合などの空気の流れを阻止するために有利であり得る。
【0083】
既製物品
本開示に従う既製物品は、いかなる数の材料から構成されていてもよく、既製物品の組成は特に限定されない。
【0084】
ある特定の実施形態では、既製物品は、熱可塑性材料、金属、熱硬化物、セラミック、木材、複合体(すなわち、2つ以上の構成材料から作られた材料)、炭素繊維、ケブラー、ガラス、及びこれらの混合物であってよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、非多孔性材料又は多孔性材料であってよい。
【0085】
ある特定の実施形態では、既製物品は、ポリアルキレンであってよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブチレンであってよい。ある特定の実施形態では、ポリアルキレンは、充填剤を含有していてもよい。ある特定の実施形態では、ポリアルキレンは、ガラスを含有していてもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、クラスを含有するポリプロピレンであってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、10%のガラスが充填されたポリプロピレンであってもよい。
【0086】
ある特定の実施形態では、既製物品は、堆積前のその外部上に、2つ以上の材料を有していてもよい。限定されない例としては、外部の一部分が熱可塑性材料であってもよく、外部の一部分が金属であってもよい。
【0087】
ある特定の実施形態では、既製物品は、熱可塑性材料、金属、熱硬化物、セラミック、木材、複合体、炭素繊維、ケブラー、ガラス、及びこれらの混合物のうちの2つ以上を含んでいてもよい。限定されない例としては、既製物品は、少なくとも部分的に金属によって覆われている熱可塑性材料であってもよい。限定されない例としては、既製物品は、少なくとも部分的に複合体によって覆われているセラミックであってもよい。
【0088】
ある特定の実施形態では、既製物品は、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエンであってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、ポリカーボネートであってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン/ポリカーボネートブレンドであってもよい。
【0089】
ある特定の実施形態では、既製物品は、布であってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、紙であってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、板紙であってもよい。
【0090】
ある特定の実施形態では、既製物品は、電子コンポーネント又は電子アセンブリを含有していてもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、電子部品又は回路基板を有していてもよい。
【0091】
ある特定の実施形態では、既製物品は、光電子コンポーネント又は光電子アセンブリを含有していてもよい。
ある特定の実施形態では、既製物品は、熱硬化性材料と既製物品との間に結合を有していてもよい。
【0092】
ある特定の実施形態では、結合は、接着結合、凝集性結合、幾何学的結合、又は化学結合であってよい。
ある特定の実施形態では、熱硬化性材料と既製物品との間に、剥離強度が存在する。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約0.01N/mm~約200N/mmであってよい。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約0.1N/mm~約100N/mmであってよい。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約1N/mm~約20N/mmであってよい。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約8N/mm~約20N/mmであってよい。ある特定の実施形態では、剥離強度は、約1N/mm~約8N/mmであってよい。
【0093】
ある特定の実施形態では、剥離強度は、約0.01N/mm、約0.05N/mm、約0.1N/mm、約0.5N/mm、約1N/mm、約2N/mm、約3N/mm、約4N/mm、約5N/mm、約6N/mm、約7N/mm、約8N/mm、約9N/mm、約10N/mm、約11N/mm、約12N/mm、約13N/mm、約14N/mm、約15N/mm、約16N/mm、約17N/mm、約18N/mm、約19N/mm、約20N/mm、約21N/mm、約22N/mm、約23N/mm、約24N/mm、約25N/mm、約50N/mm、約100N/mm、約200N/mm、又は指定した値間のいずれの範囲内であってもよい。
【0094】
ある特定の実施形態では、既製物品は、いずれの数の形状であってもよく、既製物品の形状は特に限定されない。
ある特定の実施形態では、既製物品は、いかなる3D形状であってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、例えばキャビティ、一定でない寸法、又は非対称形状を有することによる、不規則形状を有していてもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、平滑形状を有していてもよい。
【0095】
ある特定の実施形態では、既製物品は、3D印刷物体であってもよい。ある特定の実施形態では、既製物品は、3D印刷されていない物体であってもよい。
ある特定の実施形態では、既製物品は、多面体であってもよい。
【0096】
ある特定の実施形態では、既製物品は、球体、四面体、三角柱、円筒形、円錐、角錐、直方体、立方体、及び八面体であってよい。
コントローラ、センサー、及びプロセッサ
ある特定の実施形態では、本開示は、印刷装置に操作可能に結合された制御システム又は演算装置を含む。
【0097】
演算装置は、例えば、いかなる固定型又は携帯型コンピュータシステムであってもよい(例:コントローラ、マイクロコントローラ、パーソナルコンピュータ、ミニコンピュータなど)。演算装置の厳密な構成に制限はなく、本質的に、適切な演算能力及び制御能力を提供することができるいかなるデバイスが用いられてもよく、デジタルファイルは、演算装置によって読み取り可能及び/又は書き込み可能であり得るデジタルビット(例:2進数でコードされたものなど)を含有するいかなる媒体であってもよい(例:揮発性又は不揮発性メモリ、CD-ROM、磁気記録テープなど)。また、ユーザー読み取り可能フォーマットのファイルは、オペレータが読み取ることができる及び/又は理解することができるいかなる媒体上(例:紙、ディスプレイなど)にも提示可能であるデータのいかなる表示(例:ASCIIテキスト、2進数、16進数、10進数、グラフなど)であってもよい。
【0098】
ある特定の実施形態では、制御システムは、1又は複数のプロセッサを含んでよい。
ある特定の実施形態では、システムは、制御システムは、1又は複数のセンサーを備える。ある特定の実施形態では、1又は複数のセンサーは、既製物品の位置を検出し得る。
【0099】
ある特定の実施形態では、1又は複数のセンサーは、既製物品の位置を検出し、既製物品の形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の少なくとも1つの層の堆積を最適化し得る。
【0100】
ある特定の実施形態では、コントローラは、1又は複数のプロセッサを備えていてよく、押出し熱硬化物印刷装置(extruded thermoset printing apparatus)への命令を提供し得る。これらの命令は、3D印刷物体の印刷のための方法を改変し得る。ある特定の実施形態では、これらの命令は、押出しノズルに操作可能に結合された少なくとも1つのアクチュエータに対して、熱硬化性材料を供給して3D印刷物体を形成する際に、押出しノズルを移動するよう命令する。
【0101】
ある特定の実施形態では、コントローラは、アスペクト比を分析して、ビーズのアスペクト比に基づいて熱硬化性材料を堆積させ得る。例えば、コントローラは、3Dプリンターに対して、3D印刷物体のある特定の態様については、低アスペクト比/高粘度のビーズで印刷を行うように命令してよく、続いてコントローラは、3Dプリンターに対して、3D印刷物体の他の態様については、高アスペクト比/低粘度のビーズで印刷を行うように命令してもよい。アスペクト比のこの制御によって、3D印刷物体に、例えば3D物体のエッジ部上に、高解像度をもたらすことができ、続いて3D物体の空間充填の態様に対しては、印刷速度を高めて用いることができる。
【0102】
ある特定の実施形態では、コントローラは、熱硬化性材料の量及び流速の一方又は両方を調節して、第一の領域の物理的特性を、第二の領域の同じ物理的特性とは異なって提供することができる。ある特定の実施形態では、物理的特性は、可撓性、色、光学的屈折率、硬度、多孔度、及び密度のうちの1又は複数であってよい。
【0103】
ある特定の実施形態では、コントローラは、第一の、第二の、及び第三の反応性成分のうちの1又は複数と共に用いるためのガス発生源の量及び流速の一方又は両方を調節することを実行するように構成されていてよく、又は方法は、そのように調節することをさらに含む。
【0104】
ある特定の実施形態では、コントローラは、押出しノズルと既製物品との間の距離を制御することを実行するように構成されていてよく、又は方法は、そのように制御することをさらに含む。
【0105】
実施例
本明細書で述べる方法及び物体について、以下の例を参照しながらここでさらに詳細に述べる。これらの例は、単に説明の目的のために提供されるものであり、本明細書で述べる実施形態は、これらの例に限定されるものとして解釈されるべきではまったくない。そうでなはく、実施形態は、本明細書で提供される教示内容の結果として明らかとなるあらゆる変型例を包含するものとして解釈されるべきである。
【0106】
例1 金属既製物品の部分的封入
3D印刷システムを用いて、既存の金属既製物品を部分的に封入した熱硬化プラスチックパーツを作製した。
【0107】
金属既製物品の形状である空隙を有する熱硬化プラスチックパーツの3Dモデルを、従来の3D CADシステムを用いて作成した。次に、このモデルを、ViscoDuo FDD液体押出機を用いたGerman RepRap x400 LAM 3Dプリンターを用いて印刷した。
【0108】
印刷を開始し、最初は、2成分熱硬化材料を印刷するためのプロセスに従った。5層の印刷後、プリンターに対して一時停止するように命令し、金属既製物品をパーツの部分的に完成した底セクション上に配置し、印刷プラットホームシステムは、印刷物体の正確な位置分析を容易に行うための機能を用いた。次に、プリンターに対して印刷を再開するように命令し、最初に堆積した層及び金属既製物品の上に残りの層を押出すことによってパーツを完成させた。
【0109】
印刷の完了の結果、金属既製物品の一部分を封入した3mm厚のシェルを備える熱硬化プラスチックパーツを、サブアセンブリの端部がパーツから延びている状態で得た。
例2 複数の複合体既製物品の完全な封入
システムを用いて、複数の既存の複合体既製物品を完全に封入した熱硬化プラスチックパーツを作製した。
【0110】
各複合体既製物品の形状である3つの空隙を有する熱硬化プラスチックパーツの3Dモデルを、従来の3D CADシステムを用いて作成した。次に、このモデルを、ViscoDuo FDD液体押出機を用いたGerman RepRap x400 LAM 3Dプリンターを用いて印刷した。
【0111】
印刷を開始し、最初は、2成分熱硬化材料を印刷するためのプロセスに従った。7層の印刷後、プリンターに対して一時停止するように命令し、各複合体既製物品をパーツの部分的に完成した底セクション上に配置し、印刷プラットホームシステムは、印刷物体の正確な位置分析を容易に行うための機能を用いた。次に、プリンターに対して印刷を再開するように命令し、最初に堆積した層及び複合体既製物品の上に残りの層を押出すことによってパーツを完成させた。
【0112】
印刷の完了の結果、3つの複合体既製物品を完全に封入した熱硬化プラスチックパーツを得た。
例3 既製物品上への印刷
システムを用いて、既製物品の上に組み付けられる熱硬化プラスチックパーツを作製した。
【0113】
熱硬化プラスチックパーツの3Dモデルを、従来の3D CADシステムを用いて作成した。パーツは、そのベースとして既製物品の形状を用いた。次に、このモデルを、ViscoDuo FDD液体押出機を用いたGerman RepRap x400 LAM 3Dプリンターを用いて印刷した。
【0114】
既製物品を、既製物品及び続いての印刷パーツの正確な位置決めを可能とするカスタムメードの固定具を用いて、印刷プラットホーム上に配置した。
印刷は、2成分熱硬化材料を印刷するためのプロセスに従ったが、但し、既製物品を印刷パーツのためのベースとした。
【0115】
印刷の完了の結果、プラスチック既製物品に確実に結合された2.5mm厚のガスケットを備えた熱硬化プラスチックパーツを得た。
例4 電子既製物品の封入
システムを用いて、複合体及び電子既製物品を含む金属既製物品を封入した熱硬化プラスチックパーツを作製した。
【0116】
電子回路基板、配線、及びセンサーなどの既製物品の形状である空隙を有する熱硬化プラスチックパーツの3Dモデルを、従来の3D CADシステムを用いて作成した。このモデルを、ViscoDuo FDD液体押出機を用いたGerman RepRap x400 LAM 3Dプリンター又は多成分反応性材料を印刷することができる類似のシステムを用いて印刷した。
【0117】
印刷を開始し、最初は、反応性熱硬化材料を印刷するためのプロセスに従った。定められた数の層の印刷後、プリンターに対して一時停止するように命令し、各既製物品をパーツの部分的に完成した底セクション上に配置し、印刷プラットホームシステムは、印刷物体の正確な位置分析を容易に行うための機能を用いた。次に、プリンターに対して印刷を再開するように命令し、最初に堆積した層及び既製物品の上に残りの層を押出すことによってパーツを完成させた。
【0118】
印刷の完了の結果、センサー、配線、電子部品、及び他の既製物品を封入した熱硬化プラスチックパーツを得た。これによって、機能性デバイスを埋め込んだ構造及び電子部品を作製することができる3D印刷物体を得た。
【0119】
例5:3D印刷ポリウレタンの剥離強度及び剥離力
ポリウレタン熱硬化性材料を、黒色で10%のガラスを充填したポリプロピレン(PP)シート上、又はアクリロニトリル-スチレン-ブタジエン/ポリカーボネートブレンド(ABS/PC)シート上に堆積させた。一部の基材は、ポリウレタンの印刷の前にプラズマ処理した。
【0120】
PPシート及びABS/PCシート(9.8cm四方)を、3つの異なるプラズマ処理法、チャンバープラズマ処理、大気圧プラズマ処理、及びブローンアークプラズマ処理、でプラズマ処理した。ブローンアークプラズマ処理は、大気圧空気を2つの高電圧出力電極間に通すことを含んでいた。未処理PPシート及びABS/PCシートも準備した。ポリウレタンストリップを、プラズマ処理したシート上に、プラズマ処理から24時間以内に3D印刷した。ポリウレタンストリップは、幅1cm及び長さ12.7cmであり、ストリップの8.9cmはシートに接着しており、残りの3.8cmを未接着のタブとした。ポリウレタン印刷ストリップを、MTS Insight電気機械装置を用い、1.27cm/分の速度で90°の引張試験に掛けた。
【0121】
プラズマ処理サンプルの測定は、ストリップの最後の部分がシートから剥離された時点で停止した。ポリウレタンの剥離開始に用いた力を、力対伸び曲線の傾きがフラットになり始める又は下がり始める点として記録した。ポリウレタンの剥離開始時点からポリウレタンが完全にシートから剥離される時点までのすべての力の測定値を取り、これらの値を平均することによって平均力を算出した。平均力を用い、平均力をポリウレタンストリップの幅で除することによって剥離強度を算出した。
【0122】
ポリウレタンは、試験のいずれにおいても破壊しなかった。力試験の結果を図2に示し、剥離強度試験の結果を図3に示す。すべてのサンプルは、既製物品基材と3D印刷ポリウレタンとの間に結合を示した。プラズマ処理サンプルは、最も高い剥離強度を示した。
【0123】
例6:3D印刷ポリウレタンの剥離強度
ポリウレタン熱硬化性材料を異なる材料上に堆積した。4つの剥離ストリップを印刷した。ストリップは、長さ127mm×幅9mmであり、ストリップの長さ方向がプリンターのX方向に延びるように配向した。ストリップを、Y方向のステップ0.64mm、流速0.656mm/mmで、X方向に沿った直線状パターンを用いて埋めた。チップは、印刷面から上に1.4mmとした。2つの樹脂成分をViscoDuo FDD 4/4押出機及びインデックス1.1のMixpacスタティックミキサーを通して供給した。1つの層を印刷した。
【0124】
木材、ガラス、板紙、及びセラミックを、表面を拭いていかなる粒子も除去することによって準備した。ポリ乳酸を、Ultimakerを用いてシートに印刷した。用いた布のタイプは、金属布、Lycra、及び黒色皮革様布であった。金属サンプルは、炭素鋼であり、1つは未処理で、1つは酸化処理し、あと1つはエポキシコーティングを施した。
【0125】
MTS Insightを用いてサンプルを試験した。試験に用いた設定は以下の通りとした:破断マーカードロップ(Break Marker Drop) 50%;破断マーカー伸び 0.1インチ;たるみ予荷重 1ポンド;スロープセグメント長さ 20%;降伏オフセット 0.2%;降伏セグメント長さ 2%;破断感度 90%;破断閾値 0.5ポンド;データ取得率 10Hz;試験速度 0.5インチ/分。
【0126】
剥離強度試験の結果を表1に列挙する。
【0127】
【表1】
【0128】
すべてのサンプルは、既製物品基材と3D印刷ポリウレタンとの間に結合を示した。金属布、Lycra布、及び黒色布のサンプルの場合、3D印刷ウレタンが基材から剥離される前に、3D印刷ウレタンが破壊した(3D印刷ウレタンと基材との間に形成された結合は、3D印刷ウレタンよりも強かった)。熱溶解フィラメント造形のポリ乳酸の場合、3つのサンプルにおいて、3D印刷ウレタンが基材から剥離される前に、3D印刷ウレタンが破壊した。キャストウレタン及び板紙のサンプルの場合、3D印刷ウレタンが基材から剥離される前に、基材が破壊した(3D印刷ウレタンと基材との間に形成された結合は、基材よりも強かった)。
【0129】
本開示の実施形態は、驚くべき強さの剥離強度を示した。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D印刷装置を用いた付加製造のための方法であって、
3D印刷物体の少なくとも一部を形成する少なくとも一つの既製物品を提供すること、及び
前記既製物品の少なくとも一部の上に、予め定められたパターンに従って、熱硬化性材料の少なくとも一つの層を堆積して、前記3D印刷物体を形成すること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記熱硬化性材料の第一の層の少なくとも一部の上に、前記熱硬化性材料の第二の層の少なくとも一部を堆積する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既製物品の第一の部分の上に第一の層の少なくとも一部が堆積され、前記既製物品の前記第一の部分とは異なる第二の部分の上に別の層の少なくとも一部が堆積される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
a)前記既製物品の一つまたは複数の部分の上に、前記熱硬化性材料の一つまたは複数の最初の層を堆積すること、
b)一時的に前記熱硬化性材料の前記堆積を停止すること、続いて、
c)予め定められたパターンに従って、前記既製物品の一つまたは複数の部分の上に前記熱硬化性材料の一つまたは複数の続いての層を堆積すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
熱硬化性材料の最初の層の少なくとも一部が前記既製物品の第一の部分の上に堆積され、熱硬化性材料の続いての層の少なくとも一部が前記既製物品の前記第一の部分とは異なる第二の部分の上に堆積される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記既製物品が、多面体、球体、四面体、三角柱、円筒形、円錐、角錐、直方体、立方体、八面体、平滑形状、不規則形状、またはこれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも一つの既製物品が、電子コンポーネント、光電子コンポーネント、回路基板、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記熱硬化性材料が、イソシアネート、イソシアネートプレポリマー、ウレタン、ウレア含有ポリマー、ポリオールプレポリマー、アミンプレポリマー、少なくとも1つの末端ヒドロキシル基を含有するポリオール、イソシアネート反応性水素を含有する少なくとも1つのアミンを含有するポリアミン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記熱硬化性材料が、少なくとも2つの反応性成分から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記既製物品が、熱可塑性材料、金属、熱硬化物、セラミック、木材、複合体、炭素繊維、ケブラー、ガラス、回路基板、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記熱硬化性材料の少なくとも一つの層と前記既製物品の少なくとも一部との間に結合が形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記熱硬化性材料の層と前記既製物品の部分との間の結合が、1.27cm/分の速度及び90°の引張角で測定した場合、0.01N/mm~200N/mmの剥離強度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記提供される既製物品の表面が、エッチング、酸エッチング、プラズマエッチング、化学活性溶液との接触、陽極酸化、フレーム処理、コロナ放電、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、低圧プラズマ処理、ブローンアークプラズマ処理、チャンバープラズマ処理、スクレーピング、ブラッシング、ブラスティング、グラインディング、サンドブラスティング、タンブリング、酸洗い、研磨、パワー洗浄、電着コーティング、燃焼化学蒸着、不動態化、レーザー前処理、UV前処理、オゾン前処理、フルオロ酸化、酸化、またはこれらの組み合わせで前処理されている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なく一つの既製物品を提供することが、前記既製物品の少なくとも一部の上に前記熱硬化性材料の少なくとも一つの追加の層を堆積する前に、少なく一つの既製物品を堆積された熱硬化性材料の少なくとも一つの層上に配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記提供される既製物品の位置を3D印刷装置に結合された一つまたは複数のセンサーで検出すること、及び/または、前記既製物品の前記形状及び位置に基づいて、熱硬化性材料の前記少なくとも1つの層の前記堆積を最適化すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの既製物品の少なくとも一部の上に、3D印刷装置によって予め定められたパターンで堆積された熱硬化性材料の少なくとも一つの層を含む、3D印刷物体。
【請求項17】
前記少なくとも一つの既製物品の少なくとも一部が、前記熱硬化性材料の二つ以上の層の間に位置する、請求項16に記載の3D印刷物体。
【請求項18】
前記熱硬化性材料の一つまたは複数の層の少なくとも一部が、前記少なくとも一つの既製物品の二つの表面の少なくとも一部の間に位置する、請求項16に記載の3D印刷物体。
【請求項19】
前記熱硬化性材料の少なくとも1つの層の少なくとも一部が、前記少なくとも一つの既製物品の少なくとも一部に結合している、請求項16に記載の3D印刷物体。
【請求項20】
中実として、発泡体として、または、中実及び発泡体の双方として存在する堆積された熱硬化性材料を含む、請求項16に記載の3D印刷物体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本願は、2019年5月23日に出願された米国特許仮出願第62/851,902号の優先権を主張する2020年5月22日に出願された国際特許出願PCT/US2020/034181の国内段階出願であり、2017年6月23日に出願された米国特許仮出願第62/524,214号及び2016年12月6日に出願された米国特許仮出願第62/430,919号の優先権を主張する2017年12月6日に出願された国際特許出願PCT/US17/64941の一部継続出願であり、2017年12月6日に出願された米国特許仮出願第62/595,400号の優先権を主張する2018年12月6日に出願された国際特許出願PCT/US2018/064323の国内段階出願である2019年1月24日に出願された米国特許第10,639,842号の一部継続出願であり、その各出願の内容を参照により本明細書に組み込む。
本開示は、3D付加製造のための方法、及び3D物体の外部上に印刷するための方法に関する。本出願はまた、3D付加製造によって製造された3D物体にも関する。
【国際調査報告】