(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】宇宙船の動作のための再構成可能な電力処理ユニット
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20220804BHJP
B64G 1/42 20060101ALI20220804BHJP
H02J 1/10 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
H02J1/00 304E
B64G1/42 300
H02J1/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564244
(86)(22)【出願日】2019-06-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019035138
(87)【国際公開番号】W WO2020246951
(87)【国際公開日】2020-12-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594203852
【氏名又は名称】エアロジェット ロケットダイン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】センドカー,エリッチ エイチ.
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165AA08
5G165DA01
5G165DA02
5G165EA04
5G165JA05
(57)【要約】
宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットが、複数の電力モジュールを備えている。この電力モジュールの各々は、第1電源および第2電源を有する。第1電源および第2電源は、第1状態で直列であり、第2状態で並列であるように構成される。複数の接触器は、各電力モジュールを、複数の電力モジュールの他の電力モジュールおよび電力処理出力部の少なくとも一方に接続し、電力モジュールの状態を制御するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源および第2電源をそれぞれ有し、前記第1電源および前記第2電源は、第1状態で直列であり、第2状態で並列であるように構成される、複数の電力モジュールと、
各電力モジュールを、前記複数の電力モジュールの他の電力モジュールおよび電力処理出力部の少なくとも一方に接続し、前記電力モジュールの状態を制御するように構成された複数の接触器と、
を備える宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項2】
前記複数の接触器は、前記第1状態で、前記複数の電力モジュールの第1モジュールを、前記複数の電力モジュールの第2モジュールと直列に配置するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項3】
前記複数の接触器は、前記第2状態で、各第1電源を各他の第1電源と並列に配置し、各第2電源を各他の第2電源と並列に配置するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項4】
前記複数の接触器の各接触器の状態は、コントローラによって制御されることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項5】
前記コントローラは、指示を格納するメモリを有し、前記指示は、前記電力処理ユニットの電源を切り、前記複数の接触器の各接触器の状態を移行させ、前記電力処理ユニットを再始動することによって前記第1状態から前記第2状態に前記複数の接触器を移行させるように構成されることを特徴とする請求項4に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項6】
前記複数の接触器の各接触器は、機械的リレー、半導体スイッチおよび電子論理回路の1つであることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項7】
前記複数の接触器の各接触器は、機械的リレーであることを特徴とする請求項6に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項8】
前記第2状態は、低電圧供給状態であり、前記複数の接触器は、通常は前記第1状態にあるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項9】
前記複数の電力モジュールの各電力モジュールの前記第1電源は、150V、11Aの電源であることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項10】
前記第2状態は、600V、22Aの高電圧電源であることを特徴とする請求項9に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項11】
前記第1状態は、150V、88Aの低電圧電源であることを特徴とする請求項9に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項12】
前記複数の電力モジュールの各電力モジュールは同一であることを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項13】
前記複数の電力モジュールは、少なくとも4つの電力モジュールを有することを特徴とする請求項1に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項14】
前記複数の電力モジュールは、厳密に4つの電力モジュールを有することを特徴とする請求項13に記載の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニット。
【請求項15】
電力処理ユニットを動作させる方法であって、
第1負荷によって規定される継続時間の間、切り換えられる電力バスに高電圧電力を供給することと、
前記電力処理ユニットの電源を切ることと、
複数の接触器の各接触器の状態を切り換えることによって、第1高電圧供給状態から第2低電圧供給状態に前記電力処理ユニットを移行させることと、
前記電力処理ユニットを始動することと、
前記切り換えられる電力バスに低電圧電力を供給することと、を含む方法。
【請求項16】
前記第1負荷は電気スラスタであり、前記継続時間はスラスタ動作の継続時間であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記切り換えられる電力バスに低電圧電力を供給することは、前記切り換えられる電力バスを介して宇宙船の少なくとも1つの搭載電気システムに低電圧電力を供給することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第1状態で、切り換えられる電力バスに高電圧電力を供給し、第2状態で、前記切り換えられる電力バスに低電圧電力を供給するように構成された電力処理ユニットと、
前記切り換えられる電力バスに接続され、前記第1状態の間に電力を受けるように構成された少なくとも1つの電子スラスタと、
切り換えられる電力バスに接続され、前記第2状態の間に電力を受けるように構成された少なくとも1つの搭載電気システムと、
前記電力処理ユニットの状態を制御するように構成されたコントローラと、
を備えた宇宙船電力分配システム。
【請求項19】
前記電力処理ユニットは、
第1電源および第2電源をそれぞれ有し、前記第1電源および前記第2電源は、前記第1状態で直列であり、前記第2状態で並列であるように構成される、複数の電力モジュールと、
各電力モジュールを、前記複数の電力モジュールの他の電力モジュールおよび電力処理出力部の少なくとも一方に接続し、前記電力モジュールの状態を制御するように構成された複数の接触器と、を備えることを特徴とする請求項18に記載の宇宙船。
【請求項20】
前記複数の電力モジュールの各電力モジュールは同一であることを特徴とする請求項19に記載の宇宙船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、宇宙船電力処理ユニットに関し、より詳細には、宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
宇宙船、例えば衛星および他の同様の大きさとされた宇宙整形装置は、一般に、宇宙船を再配向させる、または動かすように構成されたスラスタを備えている。スラスタに加えて、宇宙船は、電力が機能することを必要とする1つまたは複数の搭載システムを有することになる。スラスタおよび搭載システムの電力要求は、大いに異なっており、現存の宇宙船は、異なる電力処理ユニットを利用して、スラスタおよび搭載システムに電力を供給する。
【0003】
スラスタに給電するのに必要な電力処理ユニットは、大型で重く、一般に、スラスタが動作されていないときには使用されない。結果として、宇宙船の空間および重量の相当な量が、制限された動作を促進し、この制限された動作の外側で最小限の実用性を提供するように利用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの例示的な実施例では、宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットは、第1電源および第2電源をそれぞれ有し、第1電源および第2電源は、第1状態で直列であり、第2状態で並列であるように構成される、複数の電力モジュールと、各電力モジュールを、複数の電力モジュールの他の電力モジュールおよび電力処理出力部の少なくとも一方に接続し、電力モジュールの状態を制御するように構成された複数の接触器と、を備える。
【0005】
上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の接触器は、第1状態で、複数の電力モジュールの第1モジュールを、複数の電力モジュールの第2モジュールと直列に配置するように構成される。
【0006】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の接触器は、第2状態で、各第1電源を各他の第1電源と並列に配置し、各第2電源を各他の第2電源と並列に配置するように構成される。
【0007】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の接触器の各接触器の状態は、コントローラによって制御される。
【0008】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、コントローラは、指示を格納するメモリを有し、指示は、電力処理ユニットの電源を切り、複数の接触器の各接触器の状態を移行させ、電力処理ユニットを再始動することによって第1状態から第2状態に複数の接触器を移行させるように構成される。
【0009】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の接触器の各接触器は、機械的リレー、半導体スイッチおよび電子論理回路の1つである。
【0010】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の接触器の各接触器は、機械的リレーである。
【0011】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、第2状態は、低電圧供給状態であり、複数の接触器は、通常は第1状態にあるように構成される。
【0012】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の電力モジュールの各電力モジュールの第1電源は、150V、11Aの電源である。
【0013】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、第2状態は、600V、22Aの高電圧電源である。
【0014】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、第1状態は、150V、88Aの低電圧電源である。
【0015】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の電力モジュールの各電力モジュールは同一である。
【0016】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の電力モジュールは、少なくとも4つの電力モジュールを有する。
【0017】
任意の上述の宇宙船用の再構成可能な電力処理ユニットの他の例では、複数の電力モジュールは、厳密に4つの電力モジュールを有する。
【0018】
電力処理ユニットを動作させる例示的な方法は、第1負荷によって規定される継続時間の間、切り換えられる電力バスに高電圧電力を供給することと、電力処理ユニットの電源を切ることと、複数の接触器の各接触器の状態を切り換えることによって、第1高電圧供給状態から第2低電圧供給状態に電力処理ユニットを移行させることと、電力処理ユニットを始動し、切り換えられる電力バスに低電圧電力を供給することと、を含む。
【0019】
電力処理ユニットを動作させる上述の方法の他の例では、第1負荷は電気スラスタであり、継続時間はスラスタ動作の継続時間である。
【0020】
電力処理ユニットを動作させる任意の上述の方法の他の例では、切り換えられる電力バスに低電圧電力を供給することは、切り換えられる電力バスを介して宇宙船の少なくとも1つの搭載電気システムに低電圧電力を供給することを含む。
【0021】
1つの例示的な実施例では、宇宙船の電力分配システムが、第1状態で、切り換えられる電力バスに高電圧電力を供給し、第2状態で、切り換えられる電力バスに低電圧電力を供給するように構成された電力処理ユニットと、切り換えられる電力バスに接続され、第1状態の間に電力を受けるように構成された少なくとも1つの電子スラスタと、切り換えられる電力バスに接続され、第2状態の間に電力を受けるように構成された少なくとも1つの搭載電気システムと、電力処理ユニットの状態を制御するように構成されたコントローラと、を備える。
【0022】
上述の宇宙船の電力分配システムの他の例では、電力処理ユニットは、第1電源および第2電源をそれぞれ有し、第1電源および第2電源は、第1状態で直列であり、第2状態で並列であるように構成される、複数の電力モジュールと、各電力モジュールを、複数の電力モジュールの他の電力モジュールおよび電力処理出力部の少なくとも一方に接続し、電力モジュールの状態を制御するように構成された複数の接触器と、を備える。
【0023】
任意の上述の宇宙船の電力分配システムの他の例では、複数の電力モジュールの各電力モジュールは、同一である。
【0024】
本発明の上述および他の特徴部は、以下の明細書および図面から最も良く理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】再構成可能な電力処理ユニットを有した宇宙船電力システムの一部を示す図である。
【
図2】高電圧構成における例示の再構成可能な電力処理ユニットを概略的に示す図である。
【
図3】低電圧構成における
図2の例示の再構成可能な電力処理ユニットを概略的に示す図である。
【
図4】電力処理ユニットの構成を移行するように構成されたリレー接触器を有する
図2および
図3の例示の再構成可能な電力処理ユニットを概略的に示す図である。
【
図5】第1構成から第2構成に電力処理ユニットを移行させるプロセスを示すフローチャートである。
【
図6】1つの例示的な構成に従う切り換えられる電力バスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、宇宙船または他の宇宙整形装置で使用される直流(DC)電力システム10を概略的に示している。電力システム10は、切り換えられる電力バス30に電力を供給するように構成された再構成可能な電力処理ユニット20を備えている。1つまたは複数の電子スラスタ32および1つまたは複数の電子搭載システム34を有する複数の異なる負荷32,34が、切り換えられる電力バス30に接続されている。電力処理ユニット20の状態が、コントローラ40によって制御される。本明細書では、コントローラ40から電力処理ユニット20への単一の制御接続部として示されているが、本明細書で説明される再構成に影響を及ぼす必要があり得るように、任意の数の対応する接続部を用いることができることが理解される。
【0027】
切り換えられる電力バス30は、どちらの接続された負荷32,34が所定の時間において給電されているかを切り換えるように構成されたDC電力伝達バスである。切り換えられる電力バス30は、電力の切り換えを実行し、高電圧負荷および低電圧負荷の電圧および電流条件に抵抗することができる周知の電力バス形式とすることができる。
図6を参照すると、切り換えられる電力バス30の1つの実施例は、スイッチ501,503を有することができ、スイッチ501,503は、1つの電子スラスタバス532または搭載電子システムバス534に電力を導くように構成されている。電子スラスタバス532は、1つまたは複数の電子スラスタ32に電力を供給し、搭載電気システムバスは、1つまたは複数の搭載電気システム34に電力を供給する。
【0028】
負荷32,34の各々に必要とされる電力特性は異なり、スラスタ32は、高電圧、低電流の負荷(例えば、22Aで600V)を必要とし、搭載エレクトロニクス34は、低電圧の負荷(例えば75V~150V)を必要とし、より高い電流(例えば88A)に抵抗することができる。
【0029】
重量を低減し、電力処理ユニット20に適合するのに必要な宇宙船の領域を減少させるために、単一の再構成可能な電力処理ユニット20が、1つの構成でスラスタ32を動作するように高電圧、低電流の電力を供給することができ、および、他の構成で搭載エレクトロニクスシステム34を動作するように低電圧、高電流の電力を供給することができる。
【0030】
図1の参照を継続しながら、
図2は、高電圧、低電流の電力出力構成における例示の再構成可能な電力処理ユニット100を概略的に示している。また、
図1の参照を継続しながら、
図3は、低電圧、高電流の電力出力構成における同様の例示の再構成可能な電力処理ユニット100を概略的に示している。
【0031】
例示の電力処理ユニット110は、4つのモジュール110を備えており、各モジュール110は、一対の電源120a,120bを有している。一例では、電源120a,120bの各々は、150V、11Aの電源である。例示的なモジュールは、ほぼ同一である。本明細書で使用されるように、ほぼ同一は、レイアウトの変化および機械的誤差を説明する同じまたはほぼ同じ特性を有した電気回路を参照する。
【0032】
切り換えられるバス30に600V、22Aの電力出力を供給するために、各モジュール110の電源120a,120bは直列に接続され、このため、第1電源120aの負の端子が第2電源120bの正の端子に接続されている。モジュール110は2つのモジュール110からなる2つの群に分けられており、所定の群のモジュール110も直列に配置されている群は、平列の構成で出力端子130に接続されている。600V、22Aの電力出力構成が
図2に示されている。
【0033】
スラスタ32が必要でないときには、電力処理ユニット100が、
図3に示した第2構成に切り換えられる。一例では、第2構成は、150V、88Aの電力出力構成である。この電力出力を実現するために、各モジュール110内の電源120a,120bは並列構成に切り換えられ、電源120a,120bの全てが、各他の電源120a,120bとの並列の接続において電源130に直接接続されている。
【0034】
これらの構成の双方で動作するように構成されることによって、電力処理ユニット100は、宇宙船の動作の特定のモードに基づいて、スラスタ32および搭載電気システム34に正確な電力レベルを供給することができる。次に、これにより、宇宙船の全体の重量が減少され、これは、単一の電力処理ユニット100が、2つの異なる電力処理ユニットを予め要求した機能を提供することができるからである。
【0035】
図1~
図3の参照を継続しながら、
図4は、設定可能なことを実現するように用いられたスイッチ150を有する電力処理ユニット100を概略的に示している。電力処理ユニット100は、
図2の高電圧出力構成でスイッチ150を備えて示されている。一例では、スイッチ150の各々は、指令信号がコントローラ40から受信されたときに第1接続から第2接続または開接続に切り換えるように構成された機械的リレーである。代替的な例では、トランジスタネットワークまたは他の電子論理回路を有した代替的なスイッチ150が使用されることができる。モジュール110の各々は、直列接続から並列接続へ電源120a,120bを切り換えるように構成された2つのスイッチ150を備えている。さらに、モジュール110の各々は、出力部130に接続され、およびモジュール150の外部の一対のスイッチ150を経由して対応する群の他のモジュール110に接続されている。
【0036】
ある例では、スイッチ150は、制御信号が受信されていないときに、スイッチがあるデェフォルトまたは通常の位置とすることができる。例によっては、デェフォルト位置は、制御信号が受信されていないときに低電圧供給源(例えば
図3)として電力処理ユニット100を構成することができ、スイッチ150は、信号が受信されているときに位置を切り換える。
【0037】
代替的な例では、スイッチ150は、デェフォルト位置無しのラッチ型接触器とすることができる。このような例では、スイッチ150は、制御信号が受信されるまでスイッチの電流状態を維持し、制御信号が受信されたときに状態を切り換える。切り換えられると、スイッチ150は、スイッチが再び切り換えるようにする他の制御信号が受信されるまでスイッチの新しい状態を維持する。
【0038】
上述の
図4の全般的な特徴部を参照すると、モジュール110の各群A,Bは同一であり、以下のように構成される。群A,Bは、第1電源120aを備えた第1モジュール110を有しており、第1電源120aは、正のノードおよび負のノードを有している。第1電源120aの正のノードは、第1接触器150aおよび正の出力ノード130+によって第2電源120bの正のノードに接続されるか、または第1接触器150aの状態に基づいて正の出力ノード130+にのみ接続される。第1電源120aの負のノードは、モジュール110内部の第2接触器150bの状態および第3接触器150cの状態に基づいて、第2電源120bの正のノードに接続されるか、または電力処理ユニット100の負の出力ノード130-に接続される。
【0039】
同様に、群A,Bの各々の第2モジュール110は、正および負のノードを有した第1電源120aを備えている。第1電源120aの正のノードは、接触器150cによって群A,Bの第1モジュールの第2電源120bの負のノードに接続されるか、または群A,Bにおけるモジュール110の外部の他の接触器によって電力処理ユニット100の正の出力端子130+に接続される。第2モジュール110における第1電源120aの負のノードは、接触器150cの状態に基づいて、電力処理ユニット100の負の出力ノード130-に接続されるか、または負の出力ノード130-および群A,Bの第1モジュール110における第2電力120bの負のノードに接続される。
【0040】
図1~
図4の参照を継続しながら、
図5は、
図2の高電圧構成から
図3の低電圧構成に移行させるプロセスを示している。初めに、電力処理ユニット100は
図2の構成にあり、「スラスタに電力を供給する」ステップ210において、スラスタ32に電力を供給する。宇宙船が再び位置決めされるときに、または、そうではなくて、スラスタ32が作動される必要がないときに、コントローラは、電力がスラスタ32で必要なく、「電力処理ユニットの電源を切る」ステップ220において、電力処理ユニット100の電源を切る。
【0041】
電力処理ユニット100の電源が切られているときには、コントローラ100は、「接触器を再構成する」ステップ230において、スイッチ150の各々の状態を反対の状態に移行させる。スイッチ150の全てが再構成されると、コントローラ40は、「電力処理ユニットを始動する」ステップにおいて、電力処理ユニット100を再始動し、バス30に電力を供給する。次に、バス30は、「搭載システムに電力を供給する」ステップ250において、接続された搭載電気システム34に電力を供給する。
【0042】
電力がスラスタ32で再び必要とされるときには、プロセス200は、初期の接触器の状態に戻るように逆転される。いずれの場合においても、バス30に電力を供給する不注意の構成を防止するために、接触器は、電力処理ユニット100の電源が切られているときに再構成される。
【0043】
厳密に4つのモジュール110を含むものとして図示し、上述したが、再構成可能なシステムは、当業者によって、所定のシステムの要求された電力特性に基づいて、付加的な対の電力モジュールを有するように拡張されることができる。
【0044】
図1~
図6の例では、コントローラ40は、動作の各モードの独特な制御特性を容易にする制御アルゴリズムを有する適合可能なデジタルコントローラである。代替的な例では、制御手法は、複雑なアナログコントローラの実施によって実現されることができる。
【0045】
上述した概念が、単独でもしくは上述した他の概念のいずれかまたは全てとの組み合わせで用いられることができることが、さらに理解される。本発明の実施例が開示されたが、当業者は、特定の修正が本発明の範囲内に含まれ得ることを理解するであろう。この理由のために、以下の特許請求の範囲が、本発明の真の範囲および内容を決定するために検討されるべきである。
【国際調査報告】