(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】シトクロムbc1阻害剤とクラリスロマイシン又はアジスロマイシン及びクロファジミンを組み合わせることを特徴とするマイコバクテリア感染症治療用医薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/551 20060101AFI20220804BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220804BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20220804BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20220804BHJP
A61K 31/498 20060101ALI20220804BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
A61K31/551
A61P43/00 121
A61K31/7048
A61K31/437
A61K31/498
A61P43/00 111
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570326
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 US2020034794
(87)【国際公開番号】W WO2020243224
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】320014178
【氏名又は名称】シリ・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hsiri Therapeutics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】西口 賢三
(72)【発明者】
【氏名】宮川 聡史
(72)【発明者】
【氏名】クレイプール,ウィリアム ディ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,マービン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】モラスキ,ギャレット シー
(72)【発明者】
【氏名】ショリー,ジェフリー エス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC52
4C086CB05
4C086EA13
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA06
4C086ZB35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、新規な組合せに関する。本発明はまた、例えば、非結核性マイコバクテリアなどの病原性マイコバクテリアによって引き起こされる疾患を含む細菌性疾患の治療において、医薬品として使用するための前述の組合せに関する。特に、本発明は、シトクロムbc1阻害活性を有する化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、クラリスロマイシン又はアジスロマイシン、及びクロファジミン、又はそれらの医薬的に許容され得る塩と組み合わせることを特徴とする医薬に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
と組み合わせることを特徴とする医薬。
【請求項2】
R
2が置換又は非置換のアルキルである、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
rが0である、請求項1に記載の医薬。
【請求項4】
R
6が置換若しくは非置換のアルキル又はハロアルキルオキシを含む置換若しくは非置換のアルキルオキシである、請求項1に記載の医薬。
【請求項5】
qが0である、請求項1に記載の医薬。
【請求項6】
XがNである、請求項1に記載の医薬。
【請求項7】
pが1または2である、請求項1に記載の医薬。
【請求項8】
pが1である、請求項7に記載の医薬。
【請求項9】
nが0または1である、請求項1に記載の医薬。
【請求項10】
nが0である、請求項9に記載の医薬。
【請求項11】
mが1である、請求項1に記載の医薬。
【請求項12】
R
1が、ハロゲン又は置換若しくは非置換のアルキルである、請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
(A)が式:
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項14】
(A)が式:
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項15】
(A)、(B)及び(C)が同時に、連続的に又は間隔をおいて投与される、請求項1に記載の医薬。
【請求項16】
配合剤である、請求項1に記載の医薬。
【請求項17】
マイコバクテリア感染の治療又は予防のために使用される、請求項1に記載の医薬。
【請求項18】
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩の抗菌活性を増強する方法であって、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩を、請求項1の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と共に投与することを含む方法。
【請求項19】
請求項1の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の抗菌活性を増強する方法であって、請求項1の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容される塩と共に投与することを含む方法。
【請求項20】
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩が、治療有効量の請求項1の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
請求項1の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が、治療有効量の(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩と同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
の組合せの治療有効量を、マイコバクテリア感染症の治療を必要とする個体に投与することを含む、マイコバクテリア感染症の治療方法。
【請求項23】
(A)式(I)で表される化合物若しくはその医薬的に許容され得る塩、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩が、同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、トリハロアルキルオキシ(OCF
3など)を含む、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
を含む医薬組成物又はキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な組合せに関する。本発明はまた、例えば、非結核性マイコバクテリアなどの病原性マイコバクテリアによって引き起こされる疾患を含む細菌性疾患の治療において、医薬品として使用するための前述の組合せに関する。
特に、本発明は、シトクロムbc1阻害活性を有する化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、クラリスロマイシン又はアジスロマイシン、及びクロファジミン、又はそれらの医薬的に許容され得る塩と組み合わせることを特徴とする医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
マイコバクテリウム(Mycobacterium)属は、95の十分に特徴確認された種を有する。何世紀にもわたって、2つの周知のマイコバクテリア種、すなわち結核菌(マイコバクテリウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis))及びらい菌(マイコバクテリウム・レプラエ(M.leprae))は、多大な人的被害の既知の原因であった。他のマイコバクテリアのほとんどは環境中に存在しており、それらが病原性であるという可能性は前世紀の初めから認識されている。これらのマイコバクテリアは、非結核性マイコバクテリア(NTM)と呼ばれる。結核(TB)の発生率は減少しているが、NTMによって新たな健康上の懸念が世界中で提起されている。NTMによって引き起こされる肺疾患は、進行性の不可逆的な肺損傷及び死亡の増加を特徴とする。肺NTM疾患の約80%は、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)複合体(MAC:M.avium、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M.intracellulare)及びマイコバクテリウム・キマエラ(M.chimaera))によって引き起こされる。
NTM肺疾患の年間有病率は地域によって異なり、0.2/10万~14.7/10万の範囲であって、全体的に危険な増加率である。この疾患は60歳以降で有病率が高くなっており、米国では推定有病率が1994~1996年の19.6人/10万人から2004~2006年の26.7人/10万人となっている。
TBとは異なり、NTMは日和見病原体であり、免疫無防備状態の患者又は嚢胞性線維症(CF)、気管支拡張症若しくは慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの既存の肺病状を有する患者に主にTB様肺疾患を引き起こす。さらに、既存の構造的肺疾患を有さない閉経後の女性は、NTM肺疾患の別のリスク群である。これらの女性、主に白人又はアジア系の高齢女性は、それらのNTM肺疾患として結節性気管支拡張症を呈する。
【0003】
現在、MAC肺疾患を有するほとんどの患者に対しては、併用療法が米国胸部学会及び米国感染症学会(ATS/IDSA)によって推奨されている。結節性/気管支拡張性疾患を有するほとんどの患者に対しては、マクロライド(クラリスロマイシン又はアジスロマイシン)、リファンピン、及びエタンブトールの週3回のレジメンが推奨される。線維空洞性MAC肺疾患又は重度の結節性/気管支拡張性疾患の患者に対しては、治療初期における週3回のアミカシン又はストレプトマイシンを検討すると共に、マクロライド(クラリスロマイシン又はアジスロマイシン)、リファンピン又はリファブチン、及びエタンブトールの毎日のレジメンが推奨される。患者は、1年間の治療で培養陰性になるまで治療されるべきである。しかしながら、多くの患者は、上記の第一選択療法に対して難治性であり、持続的な培養転換を達成しない。現行治療のレジメンで成果が制限されているのは、部分的には、薬物有害反応の頻繁な発生に起因する不十分な殺菌活性及び困難なコンプライアンスが原因である。したがって、薬剤耐性マイコバクテリア、特にNTMに対する活性を示す可能性が高い新しい治療法(例えば、併用療法)に対する医学的必要性が高くなっている。
【0004】
特許文献1には、シトクロムbc1阻害活性を有する様々な化合物が開示されている。例えば、以下の化合物が開示されている。
特許文献2には、シトクロムbc1阻害活性を有する様々な化合物が開示されている。例えば、以下の化合物が開示されている。
この化合物はQ203として知られており、結核の治療のための新しい臨床候補である。
特許文献3には、ベダキリン、Q203及びピラジンアミドの組合せが開示されている。
非特許文献1には、クラリスロマイシンとクロファジミンとの組合せが開示されている。
特許文献4~10には、シトクロムbc1阻害活性を有する様々な化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2017/049321号
【特許文献2】国際公開第2011/113606号
【特許文献3】国際公開第2018/158280号
【特許文献4】国際公開第2011/057145号
【特許文献5】米国特許出願公開第2017/0313697号
【特許文献6】国際公開第2014/015167号
【特許文献7】国際公開第2017/001660号
【特許文献8】国際公開第2017/001661号
【特許文献9】国際公開第2017/216281号
【特許文献10】国際公開第2017/216283号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Antimicrobial Agents and Chemotherapy、2016年2月、第60巻、第2号、1097-1105
【非特許文献2】Antimicrobial Agents and Chemotherapy、2016年8月、第60巻、第8号、5018-5022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、副作用の少ないマイコバクテリア感染症の治療又は予防に有用な医薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シトクロムbc1阻害剤、クラリスロマイシン若しくはアジスロマイシン、及びクロファジミン、又はそれらの医薬的に許容され得る塩の新たな組合せが、薬剤を単独で投与する場合に比べて、マイコバクテリア感染症、特に非結核性マイコバクテリア感染症の予防及び/又は治療に特に有効であることを新たに見出した。
【0009】
クラリスロマイシンは、米国胸部学会及び米国感染症学会(ATS/IDSA)がMAC疾患の第一選択療法として推奨している併用レジメンのマクロライドの1つである。クラリスロマイシン、アジスロマイシンはまた、インビトロ感受性とインビボ(臨床)応答との間に相関があるMAC疾患の治療に使用される唯一の(単一の)薬剤である。具体的には、治療の成功はインビトロでのマクロライド感受性と相関するが、逆に、マクロライド耐性であるMAC分離株を有する患者はマクロライド含有レジメンに有利な応答を示さない。この基本的な関係は、MAC肺疾患の治療における他の薬剤については確立されていない。
【0010】
クロファジミンは、ハンセン病の治療のために承認された経口投与薬であり、現在は抗TB薬として再利用されている。後ろ向きコホート検討では、クロファジミンで治療されたMACに感染した肺疾患患者が有意に高い割合で陰性培養に転換するが、依然として再発が起こっていることが報告された。インビトロでは、そのMIC(最小発育阻止濃度)は、マイコバクテリウム・アビウム(M.avium)に対して1~4μg/mLの範囲であり、大部分のマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M.intracellulare)分離株に対して1μg/mL未満である。
【0011】
アジスロマイシンは、ATS/IDSAがMAC疾患の第一選択療法として推奨している併用レジメンのマクロライドの1つである。
クラリスロマイシンはシトクロムP-450(CYP)3Aを阻害し、他の薬物の代謝に影響を及ぼすが、アジスロマイシンはCYP3Aを阻害しないため、アジスロマイシンがMAC疾患の治療に優先的に使用される。
【0012】
近年、多剤耐性結核の治療のためのベダキリンの出現により、酸化的リン酸化が重要な標的及びマイコバクテリア代謝の脆弱な成分として検証されている。エネルギー産生のための酸化的リン酸化に対するTBの依存性を利用して、この経路のいくつかの成分は、新しい抗マイコバクテリア剤の開発についての標的とされている。シトクロムbc1複合体は、抗マイコバクテリア薬開発のための検証された標的の1つである。複合体は、3つのサブユニット、QcrA、QcrB及びQcrCで組み立てられる。QcrB阻害剤の1つであるQ203は、インビトロだけでなく、インビボマウスモデルにおいてもTBの増殖を阻止した。
【0013】
本発明のシトクロムbc1阻害剤は、以下の一般式(I):
で示される化合物であり得る。
式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩は、優れたシトクロムbc1阻害活性を有する。
例えば、国際公開第2017/049321号には、式(I)に該当する以下の化合物(以下、HT-21と記す)が優れたシトクロムbc1阻害活性を有することが記載されている。
さらに、国際公開第2011/113606号には、式(I)に該当するQ203が優れたシトクロムbc1阻害活性を有することが記載されている。
【0014】
(発明のいくつかの実施形態の簡単な説明)
(1)実施形態では、(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、トリハロアルキルオキシ(OCF
3など)を含む、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
と組み合わせることを特徴とする医薬が提供される。
(2)いくつかの実施形態では、R
2が置換又は非置換アルキルである、上記(1)に記載の医薬が提供される。
(3)いくつかの実施形態では、rが0である、上記(1)又は(2)に記載の医薬が提供される。
(4)いくつかの実施形態では、R
6が置換若しくは非置換のアルキル又は置換若しくは非置換のアルキルオキシである、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(5)いくつかの実施形態では、qが0である、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(6)いくつかの実施形態では、XがNである、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(7)いくつかの実施形態では、pが1又は2である、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(8)いくつかの実施形態では、pが1である、上記(7)に記載の医薬が提供される。
(9)いくつかの実施形態では、nが0又は1である、上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(10)いくつかの実施形態では、nが0である、上記(9)に記載の医薬が提供される。
(11)いくつかの実施形態では、mが1である、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(12)いくつかの実施形態では、R
1がハロゲン又は置換若しくは非置換アルキルである、上記(11)に記載の医薬が提供される。
(13)いくつかの実施形態では、(A)が式:
で示される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩である、上記(1)に記載の医薬が提供される。
(14)いくつかの実施形態では、(A)が式:
で示される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩である、上記(1)に記載の医薬が提供される。
(15)いくつかの実施形態では、(A)、(B)及び(C)が同時に、連続的に又は間隔を置いて投与される、上記(1)~(14)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(16)いくつかの実施形態では、医薬が配合剤である、上記(1)~(14)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(17)いくつかの実施形態では、前記医薬がマイコバクテリア感染の治療又は予防のために使用される、上記(1)~(16)のいずれか1つに記載の医薬が提供される。
(18)いくつかの実施形態では、上記(1)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を含む、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩の抗菌活性の増強剤が提供される。
(19)いくつかの実施形態では、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩を含む、上記(1)の式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の抗菌活性の増強剤が提供される。
(20)いくつかの実施形態では、治療有効量の上記(1)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を含む、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩を、同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与するための医薬が提供される。
(21)いくつかの実施形態では、治療有効量の(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩を含む、上記(1)の式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与するための医薬が提供される。
(22)一実施形態では、マイコバクテリア感染症を治療する方法であって、
(A)式(I):
[式中、R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、トリハロアルキルオキシ(OCF
3など)を含む、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩の組合せを、マイコバクテリア感染症の治療を必要とする個体に対しその治療有効量で投与することを含む方法が提供される。
(23)医薬組成物又はキットであって、
(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、トリハロアルキルオキシ(OCF
3など)を含む、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
と組み合わせることを特徴とする医薬が提供される。
(1D)実施形態では、(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
と組み合わせることを特徴とする医薬が提供される。
(2D)いくつかの実施形態では、R
2が置換又は非置換のアルキルである、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(3D)いくつかの実施形態では、rが0である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(4D)いくつかの実施形態では、R
6が、置換若しくは非置換のアルキル又はハロアルキルオキシを含む置換若しくは非置換のアルキルオキシである、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(5D)いくつかの実施形態では、qが0である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(6D)いくつかの実施形態では、XがNである、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(7D)いくつかの実施形態では、pが1又は2である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(8D)いくつかの実施形態では、pが1である、上記(7D)に記載の医薬が提供される。
(9D)いくつかの実施形態では、nが0又は1である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(10D)いくつかの実施形態では、nが0である、上記(9D)に記載の医薬が提供される。
(11D)いくつかの実施形態では、mが1である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(12D)いくつかの実施形態では、R
1が、ハロゲン又は置換若しくは非置換のアルキルである、上記(11D)に記載の医薬が提供される。
(13D)いくつかの実施形態では、(A)が式:
で示される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(14D)いくつかの実施形態では、(A)が式:
で示される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(15D)いくつかの実施形態では、(A)、(B)及び(C)が同時に、連続的に又は間隔を置いて投与される、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(16D)いくつかの実施形態では、配合剤である、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(17D)いくつかの実施形態では、マイコバクテリア感染症を治療又は予防するために使用される、上記(1D)に記載の医薬が提供される。
(18D)いくつかの実施形態では、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩の抗菌活性を増強する方法であって、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩を、上記(1D)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と共に投与することを含む方法が提供される。
(19D)いくつかの実施形態では、上記(1D)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の抗菌活性を増強する方法であって、上記(1D)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩と共に投与することを含む方法が提供される。
(20D)いくつかの実施形態では、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩が、治療有効量の上記(1D)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与される、上記(18D)に記載の方法が提供される。
(21D)いくつかの実施形態では、上記(1D)の式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が、治療有効量の(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩と同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与される、上記(19D)に記載の方法が提供される。
(22D)一実施形態では、マイコバクテリア感染症を治療する方法であって、
(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩の組合せを、マイコバクテリア感染症の治療を必要とする個体に対しその治療有効量で投与することを含む方法が提供される。
(23D)いくつかの実施形態では、(A)上記(22D)の式(I)で表される化合物若しくはその医薬的に許容され得る塩、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩が、同時に、連続的に、又は間隔をおいて投与される、上記(22D)に記載の方法が提供される。
(24D)一実施形態では、医薬組成物又はキットであって、
(A)式(I):
[式中、
R
1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
R
2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
R
3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、
R
4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR
4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R
4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R
4Nから選択される置換基で置換されているものとし、
R
4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
R
4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素であり、
qは、0、1、2、3又は4であり、
pは、0、1又は2であり、
R
5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
rは、0、1、2、3又は4であり、及び
R
6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、トリハロアルキルオキシ(OCF
3など)を含む、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である]
で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び
(C)クロファジミン又はその医薬的に許容され得る塩
と組み合わせることを特徴とする医薬が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の医薬は、マイコバクテリア感染症、特に非結核性マイコバクテリア感染症の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、以下に記載されるように(7つの試験群は、クラリスロマイシン(CAM)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(ETB)、クロファジミン(CFZ)、HT-21及び上記の様々な組合せを含む処置レジメンを含み、2つの試験群は対照群である)、処置終了後の9つの試験群におけるCFUの測定結果を示す。
【
図2】
図2は、以下に記載されるように(4つの試験群は、CAM、CFZ、HT-21、Q203及び上記の様々な組合せを含む処置レジメンを含み、2つの試験群は対照群である)、処置終了後の6つの試験群におけるCFUの測定結果を示す。
【
図3】
図3は、以下に記載されるように(4つの試験群は、アジスロマイシン(AZM)、RFP、ETB、CFZ、Q203及び上記の様々な組み合わせを含む処置レジメンを含み、2つの試験群は対照群である)、処置終了後の6つの試験群におけるCFUの測定を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明のいくつかの実施形態の詳細な説明)
以下、本明細書で用いる各用語について説明する。本明細書において、各用語は、単独で用いても、他の用語と併用しても、同じ意味を有する。
「からなる」という用語は、列挙された成分又は構成要素のみを有することを意味する。
「を含む」という用語は、成分で制限しないこと、及び記載されていない要因を排除しないことを意味する。
特許請求の範囲及び/又は明細書において「を含み、」という用語と組み合わせて使用される場合の「a」又は「an」という用語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上の」、「少なくとも1つ」及び「1つ又はそれ以上の」の意味とも一致する。
【0018】
(A)における式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩は、上記及び下記に記載されている。
【0019】
「ハロゲン」なる用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を含む。フッ素原子及び塩素原子が特に好ましい。
【0020】
「アルキル」なる用語は、C1~C15、好ましくはC1~C10、より好ましくはC1~C6、さらに好ましくはC1~C4の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を包含する。「アルキル」の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、n-デシルなどが含まれる。
「アルキル」の好ましい実施形態は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル又はn-ペンチルである。より好ましい実施形態は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル又はtert-ブチルである。
【0021】
「アルケニル」なる用語は、任意の位置に1個またはそれ以上の二重結合を有するC2~C15、好ましくはC2~C10、より好ましくはC2~C6、さらに好ましくはC2~C4の直鎖状又は分枝状炭化水素基を包含する。例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル及びペンタデセニルが挙げられる。
「アルケニル」の好ましい実施形態は、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル又はブテニルである。
【0022】
「アルキニル」なる用語は、上記「アルキル」中に1つ以上の三重結合を有するC2~C8の直鎖状又は分枝状のアルキニルを含み、その例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル等が挙げられる。さらに、「アルキニル」は、二重結合を有することもある。
【0023】
「アルキルオキシ」なる用語は、上記「アルキル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ及びヘキシルオキシが挙げられる。
「アルキルオキシ」の好ましい実施形態は、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ又はtert-ブチルオキシである。
【0024】
「アルケニルオキシ」なる用語は、上記「アルケニル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、ビニルオキシ、アリルオキシ、1-n-プロペニルオキシ、2-n-ブテニルオキシ、2-n-ペンテニルオキシ、2-n-ヘキセニルオキシ、2-n-ヘプテニルオキシ、及び2-n-オクテニルオキシが挙げられる。
【0025】
「アルキニルオキシ」なる用語は、上記「アルキニル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、エチニルオキシ、1-n-プロピニルオキシ、2-n-プロピニルオキシ、2-n-ブチニルオキシ、2-n-ペンチニルオキシ、2-n-ヘキシニルオキシ、2-n-ヘプチニルオキシ及び2-n-オクチニルオキシが挙げられる。
【0026】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換アルキルオキシ」、「置換アルケニルオキシ」及び「置換アルキニルオキシ」の置換基としては、以下の置換基が挙げられる。任意の位置にある炭素原子は、以下の置換基から選択される1つ又はそれ以上の基に結合していてもよい。
置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アルキニルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルケニルスルホニルアミノ、アルキニルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルカルバモイル、アルケニルカルバモイル、アルキニルカルバモイル、アルキルスルファモイル、アルケニルスルファモイル、アルキニルスルファモイル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、芳香族炭素環スルファニル、非芳香族炭素環スルファニル、芳香族複素環スルファニル、非芳香族複素環スルファニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、及び非芳香族複素環スルホニル。
好ましい置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アルキニルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルケニルスルホニルアミノ、アルキニルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルカルバモイル、アルケニルカルバモイル、アルキニルカルバモイル、アルキルスルファモイル、アルケニルスルファモイル、及びアルキニルスルファモイル。
より好ましい置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、及びアルキニルアミノ。
特に好ましい置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキルオキシ、及びアルキルアミノ。
【0027】
「ハロアルキル」なる用語は、上記「アルキル」の炭素原子に結合した1個又はそれ以上の水素原子が上記「ハロゲン」で置換されている基を包含する。例としては、モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、モノフルオロ-n-プロピル、2,2,3,3,3-n-ペンタフルオロプロピル、モノクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、1,2-ジブロモエチル、及び1,1,1-トリフルオロ-n-プロパン-2-イルが挙げられる。
「ハロアルキル」の好ましい実施形態は、トリフルオロメチル及びトリクロロメチルである。
【0028】
「ハロアルキルオキシ」なる用語は、上記「ハロアルキル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、モノフルオロメトキシ、モノフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ及びトリクロロエトキシが挙げられる。
「ハロアルキルオキシ」の好ましい実施形態は、トリフルオロメトキシ及びトリクロロメトキシである。
【0029】
「アルキルカルボニル」なる用語は、上記「アルキル」がカルボニル基と結合している基を意味する。例としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、及びn-ヘキシルカルボニルが挙げられる。
「アルキルカルボニル」の好ましい実施形態は、メチルカルボニル、エチルカルボニル及びn-プロピルカルボニルである。
【0030】
「アルケニルカルボニル」なる用語は、上記「アルケニル」がカルボニル基と結合している基を意味する。例としては、ビニルカルボニル、アリルカルボニル及びn-プロペニルカルボニルが挙げられる。
【0031】
「アルキニルカルボニル」なる用語は、上記「アルキニル」がカルボニル基と結合している基を意味する。例としては、エチニルカルボニル及びn-プロピニルカルボニルが挙げられる。
【0032】
「アルキルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、及びN-メチル-N-エチルアミノが挙げられる。
「アルキルアミノ」の好ましい実施形態は、メチルアミノ及びエチルアミノである。
【0033】
「アルキルスルホニル」なる用語は、上記「アルキル」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、及びsec-ブチルスルホニルが挙げられる。
「アルキルスルホニル」の好ましい実施形態は、メチルスルホニル及びエチルスルホニルである。
【0034】
「アルケニルスルホニル」なる用語は、上記「アルケニル」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、ビニルスルホニル、アリルスルホニル、及びn-プロペニルスルホニルが挙げられる。
【0035】
「アルキニルスルホニル」なる用語は、上記「アルキニル」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、エチニルスルホニル、及びn-プロピニルスルホニルが挙げられる。
【0036】
「アルキルカルボニルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「アルキルカルボニル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジエチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、N,N-ジイソプロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、tert-ブチルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、及びsec-ブチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0037】
「アルキルスルホニルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「アルキルスルホニル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルスルホニルアミノ、ジメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ジエチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、N,N-ジイソプロピルスルホニルアミノ、n-ブチルスルホニルアミノ、tert-ブチルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、及びsec-ブチルスルホニルアミノが挙げられる。
「アルキルスルホニルアミノ」の好ましい実施形態は、メチルスルホニルアミノ及びエチルスルホニルアミノである。
【0038】
「アルキルイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルイミノ、エチルイミノ、n-プロピルイミノ、及びイソプロピルイミノが挙げられる。
【0039】
「アルケニルイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルケニル」で置換されている基を意味する。例としては、エチレニルイミノ、及びn-プロペニルイミノが挙げられる。
【0040】
「アルキニルイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルキニル」で置換されている基を意味する。例としては、エチニルイミノ及びn-プロピニルイミノが挙げられる。
【0041】
「アルキルカルボニルイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルキルカルボニル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルカルボニルイミノ、エチルカルボニルイミノ、n-プロピルカルボニルイミノ、及びイソプロピルカルボニルイミノが挙げられる。
【0042】
「アルケニルカルボニルイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルケニルカルボニル」で置換されている基を意味する。例としては、エチレニルカルボニルイミノ、n-プロペニルカルボニルイミノが挙げられる。
【0043】
「アルキニルカルボニルイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルキニルカルボニル」で置換されている基を意味する。例としては、エチニルカルボニルイミノ及びn-プロピニルカルボニルイミノが挙げられる。
【0044】
「アルキルオキシイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルキルオキシ」で置換されている基を意味する。例としては、メチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ、n-プロピルオキシイミノ、及びイソプロピルオキシイミノが挙げられる。
【0045】
「アルケニルオキシイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルケニルオキシ」で置換されている基を意味する。例としては、エチレニルオキシイミノ、及びn-プロペニルオキシイミノが挙げられる。
【0046】
「アルキニルオキシイミノ」なる用語は、イミノ基の窒素原子に結合した水素原子が上記「アルキニルオキシ」で置換されている基を意味する。例としては、エチニルオキシイミノ、及びn-プロピニルオキシイミノが挙げられる。
【0047】
「アルキルカルボニルオキシ」なる用語は、上記「アルキルカルボニル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、及びsec-ブチルカルボニルオキシが挙げられる。
「アルキルカルボニルオキシ」の好ましい実施形態は、メチルカルボニルオキシ及びエチルカルボニルオキシである。
【0048】
「アルケニルカルボニルオキシ」なる用語は、上記「アルケニルカルボニル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、エチレニルカルボニルオキシ及びn-プロペニルカルボニルオキシが挙げられる。
【0049】
「アルキニルカルボニルオキシ」なる用語は、上記「アルキニルカルボニル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、エチニルカルボニルオキシ及びn-プロピニルカルボニルオキシが挙げられる。
【0050】
「アルキルオキシカルボニル」なる用語は、上記「アルキルオキシ」がカルボニル基と結合している基を意味する。例としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n-プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n-ブチルオキシカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec-ブチルオキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、及びn-ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
「アルキルオキシカルボニル」の好ましい実施形態は、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、及びn-プロピルオキシカルボニルである。
【0051】
「アルケニルオキシカルボニル」なる用語は、上記「アルケニルオキシ」がカルボニル基と結合している基を意味する。例としては、エチレニルオキシカルボニル及びn-プロペニルオキシカルボニルが挙げられる。
【0052】
「アルキニルオキシカルボニル」なる用語は、上記「アルキニルオキシ」がカルボニル基と結合している基を意味する。例としては、エチニルオキシカルボニル及びn-プロピニルオキシカルボニルが挙げられる。
【0053】
「アルキルスルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が上記「アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n-プロピルスルファニル及びイソプロピルスルファニルが挙げられる。
【0054】
「アルケニルスルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が上記「アルケニル」で置換されている基を意味する。例としては、エチレニルスルファニル及びn-プロペニルスルファニルが挙げられる。
【0055】
「アルキニルスルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が上記「アルキニル」で置換されている基を意味する。例としては、エチニルスルファニル及びn-プロピニルスルファニルが挙げられる。
【0056】
「アルキルスルフィニル」なる用語は、上記「アルキル」がスルフィニル基と結合している基を意味する。例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル及びイソプロピルスルフィニルが挙げられる。
【0057】
「アルケニルスルフィニル」なる用語は、上記「アルケニル」がスルフィニル基と結合している基を意味する。例としては、エチレニルスルフィニル及びn-プロペニルスルフィニルが挙げられる。
【0058】
「アルキニルスルフィニル」なる用語は、上記「アルキニル」がスルフィニル基と結合している基を意味する。例としては、エチニルスルフィニル及びn-プロピニルスルフィニルが挙げられる。
【0059】
「アルキルカルバモイル」なる用語は、カルバモイル基の窒素原子に結合している1個又は2個の水素原子が上記の「アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、及びジエチルカルバモイルが挙げられる。
【0060】
「アルキルスルファモイル」なる用語は、スルファモイル基の窒素原子に結合している1個又は2個の水素原子が上記「アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、及びジエチルスルファモイルが挙げられる。
【0061】
「芳香族炭素環式基」なる用語は、単環式又は2個以上の環を有する多環式である環状芳香族炭化水素基を意味する。例としては、フェニル、ナフチル、アントリル及びフェナントリルが挙げられる。
「芳香族炭素環式基」の好ましい実施形態はフェニルである。
【0062】
「芳香族炭素環」なる用語は、単環式又は2個以上の環を有する多環式である環状芳香族炭化水素環を意味する。例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及びフェナントレン環が挙げられる。
「芳香族炭素環」の好ましい実施形態は、ベンゼン環又はナフタレン環である。
【0063】
「非芳香族炭素環式基」なる用語は、単環式又は2個以上の環を有する多環式である環状の飽和炭化水素基又は環状の不飽和非芳香族炭化水素基を意味する。「非芳香族炭素環式基」は、2個以上の環を有する多環式であって、上記「芳香族炭素環式基」の環に、単環式又は2個以上の環を有する多環式である非芳香族炭素環式基が縮合した縮合環基を含む。
さらに、「非芳香族炭素環式基」の例としてはまた、以下のように、架橋を有する基又はスピロ環を形成する基も挙げられる:
単環式である非芳香族炭素環式基としては、C3~C16が好ましく、C3~C12がより好ましく、C4~C8の炭素環式基がさらに好ましい。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、及びシクロヘキサジエニルが挙げられる。
2個以上の環を有する多環式である非芳香族炭素環式基の例としては、インダニル、インデニル、アセナフチル、テトラヒドロナフチル、及びフルオレニルが挙げられる。
【0064】
「非芳香族炭素環」なる用語は、単環式又は2個以上の環を有する多環式である環状の飽和炭化水素環又は環状の不飽和非芳香族炭化水素環を意味する。2個以上の環を有する多環式である「非芳香族炭素環」は、単環式または2個以上の環を有する多環式である非芳香族炭素環が上記「芳香族炭素環」の環と縮合した縮合環を含む。
また、「非芳香族炭素環」としては、例えば、以下のように架橋を有する環又はスピロ環を形成する環も挙げられる:
単環である非芳香族炭素環は、好ましくはC3~C16、より好ましくはC3~C12、さらに好ましくはC4~C8炭素環である。例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、及びシクロヘキサジエンが挙げられる。
2個以上の環を有する多環式である非芳香族炭素環の例としては、インダン、インデン、アセナフテン、テトラヒドロナフタレン、及びフルオレンが挙げられる。
【0065】
「芳香族複素環式基」なる用語は、O、S及びNから独立して選択される1個又はそれ以上の同一又は異なるヘテロ原子を含む、単環式又は2個以上の環を有する多環式である芳香族環式基を意味する。「芳香族複素環式基」は、2個以上の環を有する多環式であって、上記「芳香族炭素環式基」の環に、単環式又は2個以上の環を有する多環式である芳香族複素環式基が縮合した縮合環基を含む。
単環式である芳香族複素環式基としては、5~8員環が好ましく、5~6員環がより好ましい。例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられる。
二環式である芳香族複素環式基の例としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、及びチアゾロピリジルが挙げられる。
3個以上の環を有する多環式である芳香族複素環式基の例としては、カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、及びジベンゾフリルが挙げられる。
【0066】
「芳香族複素環」なる用語は、O、S及びNから独立して選択される1個又はそれ以上の同一又は異なるヘテロ原子を含む、単環式又は2個以上の環を有する多環式である芳香環を意味する。
「芳香族複素環」は、2個以上の環を有する多環式であって、上記「芳香族炭素環」の環に、単環式又は2個以上の環を有する多環式である芳香族複素環が縮合した縮合環を含む。
単環式である芳香族複素環としては、5~8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。例としては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、トリアジン、テトラゾール、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イソチアゾール、チアゾール、及びチアジアゾールが挙げられる。
二環式である芳香族複素環の例としては、インドール、イソインドール、インダゾール、インドリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、キノキサリン、プリン、プテリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、トリアゾロピリジン、イミダゾチアゾール、ピラジノピリダジン、オキサゾロピリジン、及びチアゾロピリジンが挙げられる。
3個以上の環を有する多環式である芳香族複素環の例としては、カルバゾール、アクリジン、キサンテン、フェノチアジン、フェノキサチイン、フェノキサジン、及びジベンゾフランが挙げられる。
【0067】
「非芳香族複素環式基」なる用語は、O、S及びNから独立して選択される1個又はそれ以上の同一又は異なるヘテロ原子を含む、単環式又は2個以上の環を有する多環式である非芳香族環式基を意味する。「非芳香族複素環式基」は、2個以上の環を有する多環式であり、上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」の環に縮合した上記非芳香族複素環式基を含む。「非芳香族複素環式基」は、2個以上の環を有する多環式であって、上記「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」の環と縮合した、単環式又は2個以上の環を有する多環式である芳香族複素環式基を含む。
さらに、「非芳香族複素環式基」の例としてはまた、以下のように、架橋を有する基又はスピロ環を形成する基も挙げられる。
単環式である非芳香族複素環式基としては、3~8員環が好ましく、5~6員環がより好ましい。例としては、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ジオキソラニル、ジオキサジニル、アジリジニル、ジオキソリニル、オキセパニル、チオラニル、チイニル、及びチアジニルが挙げられる。
2個以上の環を有する多環式である非芳香族複素環式基の例としては、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、及びイソクロマニルが挙げられる。
【0068】
「非芳香族複素環」なる用語は、O、S及びNから選択される1個又はそれ以上の同一又は異なるヘテロ原子を含む、単環式又は2個以上の環を有する多環式である環状非芳香族環を意味する。
「非芳香族複素環」は、2個以上の環を有する多環式であり、上記「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」及び/又は「芳香族複素環」の環に縮合した上記非芳香族複素環を含む。
さらにまた、「非芳香族複素環」には、架橋を有する環又はスピロ環を形成する環も含まれる。
非架橋である非芳香族複素環としては、3~8員環が好ましく、4~8員環がより好ましく、5又は6員環がさらに好ましい。
架橋されている非芳香族複素環は、好ましくは6~10員環、より好ましくは8又は9員環である。本明細書において、員数は、架橋された非芳香族複素環のすべての環構成原子の数を意味する。
単環式である非芳香族複素環としては、3~8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。例としては、ジオキサン、チイラン、オキシラン、オキセタン、オキサチオラン、アゼチジン、チアン、チアゾリジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピリドン、モルホリン、チオモルホリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール、ジヒドロオキサジン、ヘキサヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジオキソラン、ジオキサジン、アジリジン、ジオキソリン、オキセパン、チオラン、チイン、及びチアジンが挙げられる。
2個以上の環を有する多環式である非芳香族複素環の例としては、インドリン、イソインドリン、クロマン、及びイソクロマンが挙げられる。
【0069】
「芳香族炭素環オキシ」なる用語は、「芳香族炭素環」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、フェニルオキシ及びナフチルオキシが挙げられる。
【0070】
「非芳香族炭素環オキシ」なる用語は、「非芳香族炭素環」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ及びシクロヘキセニルオキシが挙げられる。
【0071】
「芳香族複素環オキシ」なる用語は、「芳香族複素環」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、ピリジルオキシ及びオキサゾリルオキシが挙げられる。
【0072】
「非芳香族複素環オキシ」なる用語は、「非芳香族複素環」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、ピペリジニルオキシ及びテトラヒドロフリルオキシが挙げられる。
【0073】
「芳香族炭素環カルボニル」なる用語は、「芳香族炭素環」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、フェニルカルボニル及びナフチルカルボニルが挙げられる。
【0074】
「非芳香族炭素環カルボニル」なる用語は、「非芳香族炭素環」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、及びシクロヘキセニルカルボニルが挙げられる。
【0075】
「非芳香族炭素環カルボニルオキシ」なる用語は、「非芳香族炭素環式基カルボニル」が酸素原子に結合している基を意味する。例としては、シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、及びシクロヘキセニルカルボニルオキシが挙げられる。
【0076】
「芳香族複素環カルボニル」なる用語は、「芳香族複素環」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、ピリジルカルボニル及びオキサゾリルカルボニルが挙げられる。
【0077】
「非芳香族複素環カルボニル」なる用語は、「非芳香族複素環」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、ピペリジニルカルボニル及びテトラヒドロフリルカルボニルが挙げられる。
【0078】
「芳香族炭素環オキシカルボニル」なる用語は、「芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、フェニルオキシカルボニル及びナフチルオキシカルボニルが挙げられる。
【0079】
「非芳香族炭素環オキシカルボニル」なる用語は、「非芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、及びシクロヘキセニルオキシカルボニルが挙げられる。
【0080】
「芳香族複素環オキシカルボニル」なる用語は、「芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、ピリジルオキシカルボニル及びオキサゾリルオキシカルボニルが挙げられる。
【0081】
「非芳香族複素環オキシカルボニル」なる用語は、「非芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合している基を意味する。例としては、ピペリジニルオキシカルボニル、及びテトラヒドロフリルオキシカルボニルが挙げられる。
【0082】
「芳香族炭素環アルキルオキシ」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「芳香族炭素環式基」で置換されたアルキルオキシを意味する。例としては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニル-n-プロピルオキシ、ベンズヒドリルオキシ、トリチルオキシ、ナフチルメチルオキシ、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0083】
「非芳香族炭素環アルキルオキシ」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「非芳香族炭素環式基」で置換されたアルキルオキシを意味する。「非芳香族炭素環アルキルオキシ」はまた、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシ」も含む。例としては、シクロプロピルメチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0084】
「芳香族複素環アルキルオキシ」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「芳香族複素環式基」で置換されたアルキルオキシを意味する。「芳香族複素環アルキルオキシ」はまた、アルキル部分が上記の「芳香族炭素環式基」及び/又は「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシ」も含む。例としては、ピリジルメチルオキシ、フラニルメチルオキシ、イミダゾリルメチルオキシ、インドリルメチルオキシ、ベンゾチオフェニルメチルオキシ、オキサゾリルメチルオキシ、イソオキサゾリルメチルオキシ、チアゾリルメチルオキシ、イソチアゾリルメチルオキシ、ピラゾリルメチルオキシ、イソピラゾリルメチルオキシ、ピロリジニルメチルオキシ、ベンゾオキサゾリルメチルオキシ、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0085】
「非芳香族複素環アルキルオキシ」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「非芳香族複素環式基」で置換されたアルキルオキシを意味する。「非芳香族複素環アルキルオキシ」はまた、アルキル部分が上記の「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシ」を含む。例としては、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0086】
「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「芳香族炭素環式基」で置換されたアルキルオキシカルボニルを意味する。例としては、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、フェニル-n-プロピルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、トリチルオキシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニル、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0087】
「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「非芳香族炭素環式基」で置換されたアルキルオキシカルボニルを意味する。「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」も含む。例としては、シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルメチルオキシカルボニル、シクロヘキシルメチルオキシカルボニル、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0088】
「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」となる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「芳香族複素環式基」で置換されたアルキルオキシカルボニルを意味する。「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」はまた、アルキル部分が上記の「芳香族炭素環式基」及び/又は「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も含む。例としては、ピリジルメチルオキシカルボニル、フラニルメチルオキシカルボニル、イミダゾリルメチルオキシカルボニル、インドリルメチルオキシカルボニル、ベンゾチオフェニルメチルオキシカルボニル、オキサゾリルメチルオキシカルボニル、イソオキサゾリルメチルオキシカルボニル、チアゾリルメチルオキシカルボニル、イソチアゾリルメチルオキシカルボニル、ピラゾリルメチルオキシカルボニル、イソピラゾリルメチルオキシカルボニル、ピロリジニルメチルオキシカルボニル、ベンゾオキサゾリルメチルオキシカルボニル、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0089】
「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」なる用語は、上記の1つ又はそれ以上の「非芳香族複素環式基」で置換されたアルキルオキシカルボニルを意味する。「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」はまた、アルキル部分が上記の「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」を含む。例としては、テトラヒドロピラニルメチルオキシカルボニル、モルホリニルエチルオキシカルボニル、ピペリジニルメチルオキシカルボニル、ピペラジニルメチルオキシカルボニル、及び以下の式:
の基が挙げられる。
【0090】
「芳香族炭素環アルキルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「芳香族炭素環アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ、ベンズヒドリルアミノ、トリチルアミノ、ナフチルメチルアミノ、及びジベンジルアミノが挙げられる。
【0091】
「非芳香族炭素環アルキルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「非芳香族炭素環アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノ、及びシクロヘキシルメチルアミノが挙げられる。
【0092】
「芳香族複素環アルキルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「芳香族複素環アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、ピリジルメチルアミノ、フラニルメチルアミノ、イミダゾリルメチルアミノ、インドリルメチルアミノ、ベンゾチオフェニルメチルアミノ、オキサゾリルメチルアミノ、イソオキサゾリルメチルアミノ、チアゾリルメチルアミノ、イソチアゾリルメチルアミノ、ピラゾリルメチルアミノ、イソピラゾリルメチルアミノ、ピロリルメチルアミノ、及びベンゾオキサゾリルメチルアミノが挙げられる。
【0093】
「非芳香族複素環アルキルアミノ」なる用語は、アミノ基の窒素原子に結合した1個又は2個の水素原子が上記「非芳香族複素環アルキル」で置換されている基を意味する。例としては、テトラヒドロピラニルメチルアミノ、モルホリニルエチルアミノ、ピペリジニルメチルアミノ、及びピペラジニルメチルアミノが挙げられる。
【0094】
「芳香族炭素環スルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が「芳香族炭素環」で置換されている基を意味する。例としては、フェニルスルファニル及びナフチルスルファニルが挙げられる。
【0095】
「非芳香族炭素環スルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が「非芳香族炭素環」で置換されている基を意味する。例としては、シクロプロピルスルファニル、シクロヘキシルスルファニル、及びシクロヘキセニルスルファニルが挙げられる。
【0096】
「芳香族複素環スルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が「芳香族複素環」で置換されている基を意味する。例としては、ピリジルスルファニル及びオキサゾリルスルファニルが挙げられる。
【0097】
「非芳香族複素環スルファニル」なる用語は、スルファニル基の硫黄原子に結合した水素原子が「非芳香族複素環」で置換されている基を意味する。例としては、ピペリジニルスルファニル及びテトラヒドロフリルスルファニルが挙げられる。
【0098】
「非芳香族炭素環スルホニル」なる用語は、「非芳香族炭素環」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、シクロプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、及びシクロヘキセニルスルホニルが挙げられる。
【0099】
「芳香族炭素環スルホニル」なる用語は、「芳香族炭素環」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、フェニルスルホニル及びナフチルスルホニルが挙げられる。
【0100】
「芳香族複素環スルホニル」なる用語は、「芳香族複素環」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、ピリジルスルホニル及びオキサゾリルスルホニルが挙げられる。
【0101】
「非芳香族複素環スルホニル」なる用語は、「非芳香族複素環」がスルホニル基と結合している基を意味する。例としては、ピペリジニルスルホニル及びテトラヒドロフリルスルホニルが挙げられる。
【0102】
式(I)で表される化合物におけるR1、m、R2、R3、n、X、Y、R4、R4C、R4N、q、p、R5、r及びR6の好ましい実施形態を以下に記載する。以下に記載するものの任意の可能な組合せを有する化合物が好ましい。
【0103】
R1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である。
いくつかの実施形態では、R1は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ又は置換若しくは非置換のアルキニルオキシである。
好ましくは、R1は、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は置換若しくは非置換のアルキルオキシである。
さらに好ましくは、R1は、それぞれ独立して、ハロゲン又は置換若しくは非置換のアルキルである。
【0104】
R1が置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキルオキシ、アルキルアミノなどから選択される。
【0105】
mは、0、1、2、3又は4である。好ましくは、mは1又は2である。さらに好ましくは、mは1である。
【0106】
式(I)において、mが1である場合、式:
により示される基は、好ましくは
である。
【0107】
式(I)において、mが2である場合、式:
により示される基は、
好ましくは、
である。
【0108】
R2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である。
いくつかの実施形態において、R2は、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルである。
好ましくは、R2は、水素原子、重水素、ハロゲン又は置換若しくは非置換のアルキルである。
さらに好ましくは、R2は置換又は非置換のアルキルである。
【0109】
R2が置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキルオキシ、アルキルアミノなどから選択される。
【0110】
R3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である。
いくつかの実施形態において、R3は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルである。
好ましくは、R3は、それぞれ独立して、ハロゲン又は置換若しくは非置換のアルキルである。
さらに好ましくは、R3はそれぞれ独立してハロゲンである。
【0111】
R3が置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルオキシなどから選択される。
【0112】
nは、0、1、2、3又は4である。好ましくは、nは0、1又は2である。さらに好ましくは、nは0又は1である。
【0113】
式(I)において、nが1である場合、式:
により示される基は、
好ましくは、
である。
【0114】
Xは、CH又はNである。好ましくは、XはNである。
【0115】
Yは、CH又はNである。好ましくは、YはCHである。
【0116】
R4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、重水素、アルキルオキシ、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基であり、
2つのR4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R4Nから選択される置換基で置換されているものとする。
いくつかの実施形態において、R4は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
2つのR4基は一緒になって(C2-C4)架橋を形成してもよく、その場合、前記架橋の炭素原子の1つが場合により酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、前記架橋の炭素原子は、それぞれ独立して、R4Cから選択される置換基で置換されており、前記架橋の窒素原子は、存在するとすれば、R4Nから選択される置換基で置換されているものとする。
好ましくは、R4は、それぞれ独立して、ハロゲン又は置換若しくは非置換のアルキルである。
さらに好ましくは、R4は、それぞれ独立して置換又は非置換のアルキルである。
【0117】
R4が置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキルオキシ、アルキルアミノなどから選択される。
【0118】
R4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素である。
いくつかの実施形態において、R4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ又は置換若しくは非置換のアルキルである。
好ましくは、R4Cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン又は置換若しくは非置換アルキルである。
さらに好ましくは、R4Cは、それぞれ独立して、水素原子である。
【0119】
R4Cが置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルオキシ、アルキルアミノなどから選択される。
【0120】
R4Nは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル又は重水素である。
いくつかの実施形態では、R4Nは、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルである。
好ましくは、R4Nは、それぞれ独立して置換又は非置換のアルキルである。
【0121】
R4Nが置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲンなどから選択される。
【0122】
qは、0、1、2、3又は4である。好ましくは、qは、0、1又は2である。さらに好ましくは、qは0又は1である。特に好ましくは、qは0である。
【0123】
pは、0、1又は2である。好ましくは、pは1又は2である。さらに好ましくは、pは1である。
【0124】
R5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である。
いくつかの実施形態では、R5は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ又は置換若しくは非置換のアルキニルオキシである。
好ましくは、R5は、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル又は置換若しくは非置換のアルキルオキシである。
さらに好ましくは、R5は、それぞれ独立して、ハロゲン、置換若しくは非置換のアルキル又は置換若しくは非置換のアルキルオキシである。
【0125】
R5が置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキルオキシ、アルキルアミノなどから選択される。
【0126】
rは、0、1、2、3又は4である。好ましくは、rは0又は1である。さらに好ましくは、rは0である。
【0127】
R6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、ペンタフルオロチオ、重水素、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基又は置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である。
いくつかの実施形態において、R6は、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ又はペンタフルオロチオである。
好ましくは、R6は、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ又はペンタフルオロチオである。
さらに好ましくは、R6は、置換若しくは非置換のアルキル又は置換若しくは非置換のアルキルオキシである。
特に好ましくは、R6は、トリハロアルキルオキシ(OCF3など)を含む置換又は非置換のアルキルオキシである。
【0128】
R6が置換された基である場合、前記置換された基上の好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルオキシ、アルキルアミノなどから選択される。
【0129】
式(I)で表される化合物の置換基の好ましい組合せとしては、以下の1)及び2):
1)R1が置換又は非置換のアルキルであり、mが1であり、R2が置換又は非置換のアルキルであり、R3がハロゲンであり、nが1であり、XがNであり、YがNであり、qが0であり、pが2であり、rが0であり、R6が置換又は非置換のアルキルである化合物、
2)R1がハロゲンであり、mが1であり、R2が置換又は非置換のアルキルであり、nが0であり、XがNであり、YがCHであり、qが0であり、pが1であり、rが0であり、R6が置換又は非置換のアルキルオキシである化合物
が挙げられる。
【0130】
所望であれば、本発明の化合物のいずれか1つ以上(式(I)で表される化合物、クラリスロマイシン、アジスロマイシン又はクロファジミン)は、医薬的に許容され得る塩の形態であり得る。化合物の医薬的に許容され得る塩には、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウムなど)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄など)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリンなど)若しくはアミノ酸との塩、又は無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸など)若しくは有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸など)との塩が含まれる。特に、塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などとの塩が挙げられる。これらの塩は、常法により形成することができる。
【0131】
式(I)の化合物は、特定の異性体に限定されず、全ての可能な異性体(例えば、ケト-エノール異性体、イミン-エナミン異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体、又は回転異性体)、ラセミ体又はそれらの混合物を含む。
【0132】
式(I)の化合物における1つ又はそれ以上の水素、炭素及び/又は他の原子は、それぞれ水素、炭素及び/又は他の原子の同位体で置換され得る。同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素及び塩素、例えばそれぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123I及び36Clが挙げられる。式(I)の化合物は、これらの同位体で置換された化合物を含む。上記同位体で置換された化合物は医薬として有用であり、式(I)の化合物の放射性標識化合物をすべて包含する。「放射性標識化合物」の製造における「放射性標識方法」は、本発明に包含され、「放射性標識化合物」は、代謝された薬物の薬物動態に関する研究、結合アッセイに関する研究及び/又は診断ツールに有用である。
【0133】
式(I)の化合物の放射性標識化合物は、本発明のこの分野における周知の方法を使用して調製することができる。例えば、式(I)のトリチウム標識化合物は、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応により、式(I)のある化合物にトリチウムを導入することにより調製され得る。この方法は、Pd/Cなどの適切な触媒の存在下、及び塩基の存在下又は非存在下で、式(I)の化合物の適切にハロゲン化された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを含む。トリチウム標識化合物を調製する他の適切な方法は、「Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences、第1巻、Labeled Compounds(Part A)、第6章(1987)」に記載されている。14Cを有する原料を用いることにより、14C標識化合物を調製することができる。
【0134】
式(I)の化合物又はその医薬的に許容され得る塩は、溶媒和物(例えば、水和物)、共結晶及び/又は結晶多形を形成し得る。本発明は、これらの様々な溶媒和物、共結晶及び結晶多形を包含する。「溶媒和物」は、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子)が式(I)の化合物と配位結合しているものであり得る。式(I)の化合物又はその医薬的に許容され得る塩を大気中に放置すると、化合物が水を吸収する結果、吸着した水が付着したり、水和物が形成されたりすることがある。式(I)の化合物又はその医薬的に許容され得る塩の再結晶化により、結晶多形が生成し得る。「共結晶」は、式(I)の化合物又はその塩及び対分子が同じ結晶格子内に存在し、共結晶が任意の数の対分子により形成され得ることを意味する。
【0135】
本発明の式(I)の化合物又はその医薬的に許容され得る塩はプロドラッグを形成し得る。本発明は、かかる様々なプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解可能な基を有する本発明の化合物の誘導体、及び加溶媒分解又はインビボでの生理学的条件下で本発明の医薬活性化合物に変換される化合物である。プロドラッグには、インビボでの生理学的条件下で酵素的酸化、還元、加水分解などによって式(I)の化合物に変換される化合物、胃酸による加水分解などによって式(I)の化合物に変換される化合物などが含まれる。適切なプロドラッグ誘導体を選択及び調製する方法は、例えば、「Design of Prodrugs、Elsevier、Amsterdam、1985」に記載されている。プロドラッグ自体がある程度の活性を有し得る。
【0136】
式(I)の化合物又はその医薬的に許容され得る塩がヒドロキシル基(複数可)を有する場合、プロドラッグには、例えば、ヒドロキシル基(複数可)を有する化合物を、適切なアシルハライド、適切な酸無水物、適切なスルホニルクロリド、適切なスルホニル無水物及び混合無水物と、又は縮合剤と反応させることによって調製されるアシルオキシ誘導体及びスルホニルオキシ誘導体が含まれる。それらの例としては、CH3COO-、C2H5COO-、tert-BuCOO-、C15H31COO-、PhCOO-、(m-NaOOCPh)COO-、NaOOCCH2CH2COO-、CH3CH(NH2)COO-、CH2N(CH3)2COO-、CH3SO3-、CH3CH2SO3-、CF3SO3-、CH2FSO3-、CF3CH2SO3-、p-CH3O-PhSO3-、PhSO3-及びp-CH3PhSO3-が挙げられる。
【0137】
実施形態では、医薬は、(A)式(I):
[式中、各記号は前記と同じ意味を表す]
で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を、
(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩と組み合わせたものを含む。
「組合せを特徴とする医薬」なる用語は、各化合物を配合剤として用いる実施形態、各化合物をキットとして用いる実施形態、各化合物を同時に投与する実施形態、各化合物を連続的に投与する実施形態、各化合物を間隔をおいて投与する実施形態、及び化合物を他の薬剤と併用する実施形態を含む。
投与に関して、「同時に」なる用語は、化合物(A)、(B)、及び(C)が同時に、例えば単回用量又はボーラスで対象に投与されることを意味する。「連続的に」なる用語は、化合物(A)、(B)及び(C)が、互いにある一定の所定時間間隔内にある一定の所定順序で対象に投与されることを意味する。例えば、(A)-(B)-(C)、(B)-(C)-(A)、(C)-(A)-(B)、(B)-(A)-(C)、(A)-(C)-(B)又は(C)-(B)-(A)の投与順序が可能であり、それぞれの投与は、互いに数秒間~数時間以内に行われるものとする。「間隔」をおいて投与される、なる用語は、化合物(A)、(B)及び(C)が、互いにある一定の所定時間間隔内である一定の所定順序で対象に投与されることを意味する。例えば、(A)-(B)-(C)、(B)-(C)-(A)、(C)-(A)-(B)、(B)-(A)-(C)、(A)-(C)-(B)又は(C)-(B)-(A)の投与順序が可能であり、それぞれの投与は、互いに数時間~1日以内に行われるものとする。
【0138】
式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩は、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩と組み合わせて使用され得、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩の抗菌効果を高めることができる。
また、(B)クラリスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩、又はアジスロマイシン若しくはその医薬的に許容され得る塩及び/又は(C)クロファジミン若しくはその医薬的に許容され得る塩は、式(I)で表される化合物若しくはその医薬的に許容され得る塩と組み合わせて使用され得、式(I)で表される化合物若しくはその医薬的に許容され得る塩の抗菌効果を高めることができる。
【0139】
本発明の医薬の投与経路は、経口又は非経口のいずれかの方法によって施行され得るが、それらに特に限定される訳ではない。
【0140】
経口投与の場合には、本発明の医薬は、内服用固形調製物(例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、フィルム)、内服液(例えば、懸濁液、エマルジョン、エリキシル、シロップ、リモナーデ剤、アルコール剤、フレグランス溶液、抽出物、煎剤、チンキ剤)等の形態で常法により投与され得る。錠剤は、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶コーティング錠、徐放錠、トローチ剤、舌下錠、頬錠、チュアブル錠又は口腔内崩壊錠であり得る。散剤及び顆粒剤は、ドライシロップであってもよい。カプセル剤は、軟カプセル剤、マイクロカプセル剤又は持続放出カプセル剤であり得る。
【0141】
非経口投与の場合、通常用いられるあらゆる形態の注射剤、点滴剤、外用調製物(例えば、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、エアロゾル剤、吸入剤、ローション、注入剤、コーティング剤、うがい薬、浣腸剤、軟膏、プラスター、ゼリー、クリーム、パッチ、パップ剤、外用散剤、坐剤)を好適に投与することができる。注射剤は、O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W型などのエマルジョンであってもよい。
【0142】
場合によっては、本発明の医薬に使用される化合物の有効量を、剤形に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、及び/又は潤滑剤などの様々な医薬添加剤と必要に応じて混合することで、医薬組成物を得ることもあり得る。さらに、医薬組成物は、本発明の医薬に用いられる化合物の有効量、剤形及び/又は様々な医薬添加剤を適宜変更することにより、小児、高齢者、重篤な患者又は手術に使用され得る。小児用医薬組成物は、好ましくは12歳未満又は15歳未満の患者に投与される。小児用医薬組成物はまた、生後4週間未満、生後4週間~1歳未満、1歳~7歳未満、7歳~15歳未満、又は15歳~18歳の患者に投与することもできる。高齢者用の医薬組成物は、好ましくは65歳を超える患者に投与される。
【0143】
本発明の医薬の用量は、臨床上使用される投与量に基づいて適宜選択され得る。(A)式(I)で表される化合物、(B)及び(C)の混合比は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状、組合せ等に応じて適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、(A)式(I)で表される化合物1重量部に対して、(B)及び/又は(C)配合剤を0.01~400重量部使用すればよい。
【0144】
一般に、医薬組成物は、意図された目的を達成するのに有効な量で活性化合物を含有する。一実施形態において、治療有効量は、治療されている対象におけるマイコバクテリア感染又は活性を特徴とする疾患の発症又は進行を予防又は阻害するのに有効な量を意味する。有効量の決定は、本明細書で提供される説明に照らして当業者の能力の範囲内で行われる。
【0145】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬は、マイコバクテリアの活性又は感染を特徴とする疾患及び障害の治療及び/又は予防に適している。マイコバクテリアは、病原性又は非病原性であり得る。
マイコバクテリアは、グラム陽性又はグラム陰性であり得る。
【0146】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬は、ヒト(正常免疫及び免疫不全状態のいずれか又は両方)並びに結核性、らい腫性及び非結核性マイコバクテリアの動物の治療に適している。これらの非限定的な例には、以下の種及び株:結核性マイコバクテリア、例えば、マイコバクテリウム・ツベルクロシス(結核菌、Μ.tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(ウシ型結核菌、Μ.bovis)、マイコバクテリウム・アフリカナム(アフリカ型結核菌Μ.africanum)、マイコバクテリウム・ミクロッティ(ネズミ型結核菌、Μ.microti)、マイコバクテリウム・カネッティ(Μ.canetti);らい腫型マイコバクテリア(Lepromatous mycobacteria)、例えばマイコバクテリウム・レプラエ(Μ.leprae)、マイコバクテリウム・レプロマトシス(Μ.lepromatosis);非結核性マイコバクテリア、例えばマイコバクテリウム・アブセッサス(Μ.abscessus)、マイコバクテリウム・アブセッサス(Μ.abscessus)複合体、マイコバクテリウム・アビウム(M.avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Μ.intracellularae)、マイコバクテリウム・アビウム(Μ.avium)複合体、マイコバクテリウム・カンサシ(Μ.kansasii)、マイコバクテリウム・マルモエンセ(Μ.malmoense)、マイコバクテリウム・ゼノピ(Μ.xenopi)、マイコバクテリウム・マルモエンセ(Μ.malmoense)、マイコバクテリウム・フラベンセス(Μ.flavences)、マイコバクテリウム・スクロフラセウム(Μ.scrofulaceum)、マイコバクテリウム・チェロネ(Μ.chelonae)、マイコバクテリウム・ペレグリナム(Μ.peregrinum)、マイコバクテリウム・ヘモフィルム(Μ.haemophilum)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Μ.fortuitum)、マイコバクテリウム・マリナム(Μ.marinum)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Μ.ulcerans)、マイコバクテリウム・ゴルドネ(Μ.gordonae)、マイコバクテリウム・ヘモフィルム(Μ.haemophilum)、マイコバクテリウム・ムコゲニカム(Μ.mucogenicum)、マイコバクテリウム・ノンクロモジェニカム(Μ.nonchromogenicum)、マイコバクテリウム・テラエ(Μ.terrae)、マイコバクテリウム・テラエ(Μ.terrae)群、マイコバクテリウム・アシアティカム(Μ.asiaticum)、マイコバクテリウム・セラツム(Μ.celatum)、マイコバクテリウム・シモイデイ(Μ.shimoidei)、マイコバクテリウム・シミエ(Μ.simiae)、マイコバクテリウム・スメグマティス(Μ.smegmatis)、マイコバクテリウム・シュルガイ(Μ.szulgai)、マイコバクテリウム・セラツム(Μ.celatum)、マイコバクテリウム・コンスピキュウム(Μ.conspicuum)、マイコバクテリウム・ゲナベンセ(Μ.genavense)、マイコバクテリウム・イムノゲナム(Μ.immunogenum)、マイコバクテリウム・ゼノピ(Μ.xenopi)が含まれるが、これらに限定される訳ではない。
【0147】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬は、ヒト(正常免疫及び免疫不全状態の両方)及び非マイコバクテリア感染性疾患の動物における治療に適している。
【0148】
いくつかの実施形態において、対象は、非病原性マイコバクテリア株、マイコバクテリウム・スメグマティス(M.smegmatis)、マイコバクテリウム・ヴァッカエ(M.vaccae)、マイコバクテリウム・オーラム(Μ.aurum)、又はそれらの組合せに関連する1つ又はそれ以上の疾病についての治療を必要とすることが知られているか、又は疑われている。
【0149】
いくつかの実施形態において、対象は、グラム陽性菌、スタフィロコッカス・アウレウス(S.aureus、黄色ブドウ球菌)、マイクロコッカス・ルテウス(M.luteus)、又はそれらの組合せに関連する1つ又はそれ以上の疾病についての治療を必要とすることが知られているか、又は疑われている。
【0150】
いくつかの実施形態において、対象は、グラム陰性菌、シュードモナス・エルギノーサ(P.aeruginosa、緑膿菌)、アシネトバクター・バウマニ(A.baumanii)、又はそれらの組合せに関連する1つ又はそれ以上の疾病についての治療を必要とすることが知られているか、または疑われている。
【0151】
いくつかの実施形態において、対象は、病原性マイコバクテリア株、マイコバクテリウム・ツベルクロシス(結核菌、M.tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(Μ.bovis)、マイコバクテリウム・マリナム(Μ.marinum)、マイコバクテリウム・カンサシイ(Μ.kansasaii)、H37Rv、マイコバクテリウム・アフリカナム(Μ.africanum)、マイコバクテリウム・カネッティ(Μ.canetti)、マイコバクテリウム・カプラエ(Μ.caprae)、マイコバクテリウム・ミクロッチ(Μ.microti)、マイコバクテリウム・ムンギ(Μ.mungi)、マイコバクテリウム・ピンニペディ(Μ.pinnipedii)、マイコバクテリウム・レプラエ(Μ.leprae)、マイコバクテリウム・アビウム(Μ.avium)、結核菌群、ツベルクロシス(tuberculosis)又はそれらの組合せに関連する1つ又は複数の疾病の治療を必要とすることが知られているか、又は疑われる。
【0152】
いくつかの実施形態において、対象は、非病原性マイコバクテリア株、マイコバクテリウム・スメグマティス(M.smegmatis)、マイコバクテリウム・ヴァッカエ(M.vaccae)、マイコバクテリウム・オーラム(M.aurum)、グラム陽性菌、スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌、S.aureus)、マイコバクテリウム・ルテウス(Μ.luteus)、グラム陰性菌、シュードモナス・エルギノーサ(緑膿菌、P.aeruginosa)、アシネトバクター・バウマニ(A.baumanii)、病原性マイコバクテリア株、マイコバクテリウム・ツベルクロシス(結核菌、Μ.tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(M.bovis)、マイコバクテリウム・マリナム(M.marinum)、マイコバクテリウム・カンサシイ(M.kansasaii)、H37Rv、マイコバクテリウム・アフリカナム(Μ.africanum)、マイコバクテリウム・カネッティ(Μ.canetti)、マイコバクテリウム・カプラエ(M.caprae)、マイコバクテリウム・ミクロッチ(M.microti)、マイコバクテリウム・ムンギ(M.mungi)、マイコバクテリウム・ピンニペディ(M.pinnipedii)、マイコバクテリウム・アビウム(Μ.avium)、結核菌群、ツベルクロシス(tuberculosis)、又はそれらの組合せに関連する1つ又はそれを超える疾病の治療を必要とすることが知られているか、又は疑われる。
【0153】
いくつかの実施形態において、非病原性マイコバクテリア株、マイコバクテリウム・スメグマティス(M.smegmatis)、マイコバクテリウム・ヴァッカエ(M.vaccae)、マイコバクテリウム・オーラム(M.aurum)、グラム陽性菌、スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌、S.aureus)、マイコバクテリウム・ルテウス(Μ.luteus)、グラム陰性菌、シュードモナス・エルギノーサ(緑膿菌、P.aeruginosa)、アシネトバクター・バウマニ(A.baumanii)、病原性マイコバクテリア株、マイコバクテリウム・ツベルクロシス(結核菌、Μ.tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(M.bovis)、マイコバクテリウム・マリナム(M.marinum)、マイコバクテリウム・カンサシイ(M.kansasaii)、H37Rv、マイコバクテリウム・アフリカナム(Μ.africanum)、マイコバクテリウム・カネッティ(Μ.canetti)、マイコバクテリウム・カプラエ(M.caprae)、マイコバクテリウム・ミクロッチ(M.microti)、マイコバクテリウム・ムンギ(M.mungi)、マイコバクテリウム・ピンニペディ(M.pinnipedii)、マイコバクテリウム・アビウム(Μ.avium)、結核菌群、ツベルクロシス(tuberculosis)、又はそれらの組合せのうちの1つ以上から成る集団の一つ又は複数を本発明で使用される化合物又は組成物と接触させることにより、前記集団を死滅させるか又はその増殖を阻害することを含む方法が提供される。
【0154】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0155】
本発明の(A)で使用される式(I)で表される化合物については、国際公開第2011/057145号パンフレット、国際公開第2017/049321号パンフレット、国際公開第2011/113606号パンフレットを参照することによって調製することができ、これらのそれぞれの内容全体が、詳細に同じことが記載されているかのごとく、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0156】
薬理学的実施例
マイコバクテリウム・アビウム(M.avium)に対してCAMと組み合わせた化合物を試験するためのIC85の判定。
調製
実験化合物の1μLのDMSOストック溶液(200倍の最終濃度)を、丸底滅菌96ウェルマイクロタイタープレートに添加する。連続4倍希釈(8~0.0000076μM)を、カラム1~11のマイクロタイタープレート中で直接行う。接種材料の有無にかかわらず、未処理の対照試料を各プレートのカラム12に含ませる。
マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)ATCC700898の試料を7H9(5%OADC)寒天プレートから採取する。これを最初にCAMHB培地で希釈して600nm波長で0.1の光学密度を得、次いで1/20に希釈して、約5×106コロニー形成単位/mLの接種物を得る。次いで、接種溶液を8本のチューブに分割し、適切な濃度のクラリスロマイシン(0、0.016、0.031、0.063、0.125、0.25、0.5、1μg/mL)を添加する。マイクロタイタープレートにおいて、それぞれ列A~Hに各接種材料溶液200μLを満たす。
プレートをステンレス鋼バット中、37℃でインキュベートして蒸発を防ぐ。3日間のインキュベーション後、レサズリンをすべてのウェルに添加する。1日後、励起波長543nm及び発光波長590nmにてEnVision Microplate Readerで蛍光を測定し、IC85値を計算する。
【0157】
生物学的実施例-組合せ
プロトコル
使用した化合物は以下の通りであった:
● クラリスロマイシン-「CAM」
● アジスロマイシン-「AZM」
● リファンピシン-「RFP」
● エタンブトール-「ETB」
● クロファジミン-「CFZ」
● 以下の「bc1阻害剤」:Q203及びHT-21
【0158】
試験の設計
試験1
試験群は9つあり、1群あたりマウスは4匹であった
【表1】
概して、上記の表から分かるように、以下の用量の関連化合物及び製剤濃度を与えた:
● クラリスロマイシン(CAM)-ヒトにおける600mgの臨床用量としてマウスにおいて200mg/kgの用量で投与され、製剤濃度は20mg/mLであった
● クロファジミン(CFZ)-ヒトにおける200mgの臨床用量としてマウスにおいて20mg/kgの用量で投与され、製剤濃度は2mg/mLであった
【0159】
方法
全ての処置をマイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)ATCC700898で評価した。
全ての製剤を20%Tween20、80%水溶液中(20%HP-β-CD及び0.6%HPMC、pH3)で調製した。
全ての製剤は溶液であり、毎日調製した。
マウスを感染させた後の時間スケジュール。
剖検対照1 1日目:
処置開始 1日目:
最後の処置 14日目:
剖検対照2 15日目:
剖検処置群 15日目:
マウスにマイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)株を感染させた。
クラリスロマイシン感受性ATCC 700898株を周囲温度で解凍し、マウス接種のために生理食塩水で希釈した。この希釈物0.07mLを注射すると、各マウスには106個の細菌が投与された。
36匹の雌の8週齢BALB/cマウス(Charles River)の鼻腔内に、±106コロニー形成単位(CFU)を含有する0.07mLの細菌懸濁液を接種した。
【0160】
投与
投与開始は1日目であった。
● 全てのマウスの体重を約20gとみなした。
● 処置されない対照群を除いて、すべてのマウスに0.2 mLの適切な製剤を経口投与した。
● 全ての群を、連続2週間(5回/週、合計で10回用量/処置)、1日1回作業日に処置した。
● 最終用量/処置を14日目に行った。
【0161】
剖検
感染後1日目に、4匹の対照マウスを屠殺し、肺をホモジナイゼーションチューブに回収した。
感染後15日目に、4匹の対照マウス及び28匹の処置マウスを屠殺し、肺をホモジナイゼーションチューブに回収した。
【0162】
感染及び処置の評価
処置の有効性を、肺におけるコロニー形成単位(CFU)の数を数えることによって評価した。
● 肺を含む各ホモジナイゼーションチューブに1.8mLのミューラーヒントン(Mueller Hinton)ブロス(MHB)を加えた。
● 肺をホモジナイズし、MHBで4つの10倍連続希釈を行った。
● 個々の各肺から、100μLの未希釈懸濁液及び4つの連続10倍希釈液を7H10寒天プレートに播種した。
● 35℃で2週間インキュベートした後、CFUを計数した。
● 処置の殺菌効果を、処置前の値と比較した処置群におけるCFUの平均数の有意な減少として定義した。
【0163】
培地の調製
7H10寒天+5%OADC
● 19gのMiddlebrook 7H10寒天(BD262710)を950mLの蒸留水に溶解する。
● 5mLのグリセロールを加える
● 121℃で10分間オートクレーブ処理し、55℃に冷却する
● 50mLのMiddlebrook OADC Enrichment(BD212240)を添加する
● 55℃に保つ
● 15mL寒天溶液/皿をピペッティングする
● 凝固後、すぐに使用できる状態になるまで4℃で保存する
【0164】
結果
【表2】
上記の結果は、9つの試験群のそれぞれのCFUの平均log10値をそれぞれ示す
図1を参照して見ることができる。これはまた2.00の「カットオフ」値を示しており、この値は本質的に、CFU(又は細菌感染)が非常に低いために正確に測定することができないか、又はCFUが検出可能レベル未満である値である。
対照群と比較すると:
● 臨床的に使用されたクラリスロマイシン+リファンピシン+エタンブトールの3剤レジメンは、対照2から1.5CFUの平均log10の低下を誘導する効果をもたらした(3.97の平均log10)
● クラリスロマイシン+クロファジミンの2剤の組合せは、3.17の平均log10に低下させる効果をもたらした
● クラリスロマイシン+クロファジミン+HT-21の3剤の組合せは、HT-21用量依存的な形で強力な有効性を示した
● 最高濃度のHT-21(200mg/kg)を添加した場合、効果はプラトーに達し、2.00のカットオフ値を達成しているマウスにおいて検出可能な全てのCFUが排除された訳ではなかった
ということが分かる。
【0165】
試験2
試験群は6つあり、1群あたりマウスは4匹であった
【表3】
ほとんどのプロトコルは、上記試験1に記載のプロトコルと同じであった。
【0166】
結果
【表4】
上記の結果は、6つの試験群のそれぞれのCFUの平均log10値をそれぞれ示す
図2を参照して見ることができる。これはまた2.00の「カットオフ」値を示しており、この値は本質的に、CFU(又は細菌感染)が非常に低いために正確に測定することができないか、又はCFUが検出可能レベル未満である値である。
対照群と比較すると:
● クラリスロマイシン単剤レジメンは、対照2から1.0CFUの平均log10の低下を誘導する効果をもたらした(4.85の平均log10)
● クラリスロマイシン+クロファジミンの2剤の組合せは、4.37の平均log10への低下を誘導する効果をもたらした
● 5mg/kgのHT-21とのクラリスロマイシン+クロファジミンの3剤の組合せは、2剤の組合せレジメンに匹敵する有効性を示した(4.21の平均log10)
● 5mg/kgのQ203とのクラリスロマイシン+クロファジミンの3剤の組合せは、CFUの驚くべき減少を示した(2.13の平均log10)
ということが分かる。
【0167】
試験3
試験群は6つあり、1群あたりマウスは4匹であった
【表5】
ほとんどのプロトコルは、上記試験1に記載のプロトコルと同じであった。
【0168】
結果
【表6】
上記の結果は、6つの試験群のそれぞれのCFUの平均log10値を示す
図3を参照して見ることができる。これはまた2.00の「カットオフ」値を示しており、この値は本質的に、CFU(又は細菌感染)が非常に低いために正確に測定することができないか、又はCFUが検出可能レベル未満である値である。
対照群と比較すると:
● 臨床的に使用されたアジスロマイシン+リファンピシン+エタンブトールの3剤レジメンは、対照2から0.1CFUの平均log10の低下を誘導する効果をもたらした(5.93の平均log10)
● アジスロマイシン+クロファジミンの2剤の組合せは、5.47の平均log10への低下を誘導する効果をもたらした
● 5mg/kgのQ203とのアジスロマイシン+クロファジミンの3剤の組合せは、CFUの驚くべき減少を示した(3.33の平均log10)
ということが分かる。
【0169】
上記の試験結果に基づくと、本発明の医薬は、マイコバクテリアの感染によって誘発される症状及び/又は疾患の治療及び/又は予防に有用な薬剤となり得る。
【0170】
製剤例
以下の製剤例は、実例を挙げたにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0171】
製剤例1:錠剤
本発明で使用される化合物、ラクトース及びステアリン酸カルシウムを混合する。混合物を粉砕し、造粒し、乾燥させて、適切なサイズの顆粒を得る。次に、ステアリン酸カルシウムを顆粒に添加し、混合物を圧縮成形して錠剤を得る。
【0172】
製剤例2:カプセル剤
本発明で使用される化合物、ラクトース及びステアリン酸カルシウムを均一に混合して、粉末又は細粒の形態の粉末医薬を得る。粉末医薬をカプセル容器に充填してカプセル剤を得る。
【0173】
製剤例3:顆粒剤
本発明で使用される化合物、ラクトース及びステアリン酸カルシウムを均一に混合し、混合物を圧縮成形する。次いで、混合物を粉砕し、造粒し、ふるい分けして、適切なサイズの顆粒剤を得る。
【0174】
製剤例4:口腔内崩壊錠
本発明で使用される化合物と結晶セルロースを混合し、造粒し、錠剤化して口腔内崩壊錠を得る。
【0175】
製剤例5:ドライシロップ
本発明で使用される化合物とラクトースを混合し、粉砕し、造粒し、ふるい分けして、適切なサイズのドライシロップを得る。
【0176】
製剤例6:注射剤
本発明で使用される化合物とリン酸緩衝液を混合して注射剤を得る。
【0177】
製剤例7:注入剤
本発明で使用される化合物とリン酸緩衝液を混合して注射剤を得る。
【0178】
製剤例8:吸入剤
本発明で使用される化合物とラクトースを混合し、細かく砕いて吸入剤を得る。
【0179】
製剤例9:軟膏
本発明で使用される化合物とワセリンを混合して軟膏を得る。
【0180】
製剤例10:パッチ
本発明で使用される化合物と絆創膏等の基剤とを混合してパッチを得る。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明の医薬は、マイコバクテリアの感染により誘発される症状及び/又は疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用な医薬とすることができる。
【国際調査報告】