(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】螺旋状バッフル付き熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28D 7/16 20060101AFI20220804BHJP
F28F 9/24 20060101ALI20220804BHJP
F28F 1/36 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
F28D7/16 A
F28D7/16 C
F28F9/24
F28F1/36 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570916
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 US2020034659
(87)【国際公開番号】W WO2020243146
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516148335
【氏名又は名称】ルーマス テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マセド, エリック ドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジブ, リチャード ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エルサイエド, シェリフ
(72)【発明者】
【氏名】オサリバン, メラニー
【テーマコード(参考)】
3L065
3L103
【Fターム(参考)】
3L065EA08
3L103AA37
(57)【要約】
熱交換器は、縦軸を有するシェルと、シェルを通して螺旋パターンの中に流体流を誘導するように、螺旋角度HBにおいてシェル内にそれぞれ搭載される、楕円扇形状のバッフル等の複数のバッフルとを含む。複数のバッフルはそれぞれ、外側円周方向縁と、近位半径方向縁と、遠位半径方向縁と、近位側と、遠位側と、複数の軸方向に延在する管によって横断される複数の離間された孔とを含む。第1の複数のシールストリップはそれぞれ、複数のバッフルの近位から複数のバッフルの遠位まで配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器であって、
シェルであって、前記シェルは、縦軸を有し、第1の流体を受容するように構成される、シェルと、
複数のバッフルであって、前記複数のバッフルは、前記シェルを通して螺旋パターンへと第1の流体流を誘導するように、螺旋角度H
Bにおいて前記シェル内にそれぞれが搭載され、前記複数のバッフルはそれぞれ、
前記複数のバッフルの残りのものの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される外側円周方向縁と、
遠位半径方向縁から離間される近位半径方向縁と、
遠位側から反対側の近位側と、
複数の離間された孔であって、前記複数の離間された孔は、第2の流体を運搬するように構成される複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成される、複数の離間された孔と
を備える、複数のバッフルと、
第1の複数のシールストリップであって、前記第1の複数のシールストリップは、前記シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される第1の端部および第2の端部をそれぞれが有し、それぞれ、いずれか2つの隣接するバッフルの間にそれぞれが位置付けられる、第1の複数のシールストリップと
を備え、
前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、5°を上回り、バッフル螺旋角度H
B未満である螺旋角度H
sにおいて、前記複数のバッフルの近位から前記複数のバッフルの遠位まで配置され、
前記螺旋角度H
BおよびH
sは、前記シェルの縦軸に対する前記個別のバッフルまたはシールストリップの角度として画定される、熱交換器。
【請求項2】
前記シールストリップは、部分的に、出口に向かって螺旋状に流体の流動を指向し、部分的に、前記シェルから離れ、前記複数の軸方向に延在する管に向かって流体の流動を指向するように構成される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1の複数のシールストリップは、前記第1のバッフルの近位半径方向縁への隣接からの第1のバッフルの遠位側から、前記第2のバッフルの遠位半径方向縁に隣接する第2のバッフルの近位側まで配置され、前記第1および第2のバッフルは、同一の扇形または四分円内に位置する、または
前記第1の複数のシールストリップは、前記第1のバッフルの近位半径方向縁および遠位半径方向縁の中間からの第1のバッフルの遠位側から、前記第2のバッフルの近位半径方向縁および遠位半径方向縁の中間の第2のバッフルの近位側まで配置され、前記第2のバッフルは、前記第1のバッフルと異なる扇形または四分円内に位置する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部は、前記複数のバッフルのうちの第1のものの遠位側に結合され、前記第1の複数のシールストリップのそれぞれの第2の端部は、前記複数のバッフルのうちの第2のものの近位側に結合される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記複数のバッフルは、楕円扇形状のバッフルである、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の複数のシールストリップは、内側表面と、外側表面とを有し、前記第1の複数のシールストリップは、前記複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁から遠位半径方向縁まで画定される方向に、前記シェルに対する直交からの角度によって前記外側表面から前記内側表面まで角度付けられる、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、前記シェルに対する直交から15°から最大45°だけ角度付けられる、請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1の複数のシールストリップのそれぞれの外側表面は、前記シェルの内側表面に略近接して配置される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1の複数のシールストリップのそれぞれの内側表面は、前記複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、前記複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外側表面から離間される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記複数のバッフルはそれぞれ、前記近位側に結合される前記第1の複数のシールストリップのうちの少なくとも1つと、前記遠位側に結合される前記第1の複数のシールストリップのうちの少なくとも1つとを含む、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記複数のバッフルのそれぞれの遠位側に結合される前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、前記複数のバッフルのそれぞれの近位側に結合される前記複数のシールストリップのそれぞれから前記縦軸を中心として回転してオフセットされる、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、楕円形である曲率を伴う曲線外径を有する、および/または前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、楕円形である曲率を伴う曲線内径を有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、前記シールストリップの第1の端部から第2の端部までの長さに沿って変動する内径を引いた外径である幅を有する、および/または前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、前記シールストリップの幅または長さに沿って変動する近位側から遠位側までの奥行を有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項14】
等しい数のシールストリップが、前記複数のバッフルのうちの各バッフルに結合される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記シェルの縦軸を中心とした回転あたりのシールストリップの数は、前記シェルの縦軸を中心とした回転あたりのバッフルの数の倍数である、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項16】
前記第1の複数のシールストリップは、鋼鉄から形成される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項17】
第2の複数のシールストリップであって、前記第2の複数のシールストリップは、前記シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される第1の端部および第2の端部をそれぞれが有し、それぞれ、いずれか2つのバッフルの間にそれぞれが位置付けられる、第2の複数のシールストリップ
をさらに備え、
前記第2の複数のシールストリップはそれぞれ、5°を上回り、螺旋角度H
sと異なり、前記バッフル螺旋角度H
B未満である螺旋角度H
2sにおいて、前記複数のバッフルの近位から前記複数のバッフルの遠位まで配置され、
前記螺旋角度H
B、H
s、H
2sは、前記シェルの縦軸に対する前記個別のバッフルまたはシールストリップの角度として画定される、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項18】
第2の複数のシールストリップであって、前記第2の複数のシールストリップは、前記シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される第1の端部および第2の端部をそれぞれが有し、それぞれ、いずれか2つの隣接するバッフルの間にそれぞれが位置付けられる、第2の複数のシールストリップ
をさらに備え、
前記第2の複数のシールストリップはそれぞれ、バッフルの近位半径方向縁から隣接するバッフルの遠位半径方向縁まで配置される、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項19】
前記第2の複数のシールストリップのそれぞれの内側表面は、前記複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、前記複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外側表面から離間される、請求項18に記載の熱交換器。
【請求項20】
熱交換器を組み立てる方法であって、前記方法は、
縦軸を有する中心ロッドを提供することと、
螺旋パターンが複数のバッフルによって形成されるように、前記中心ロッドの縦軸に対する角度において複数の楕円扇形状のバッフルを前記中心ロッドに搭載することであって、前記複数のバッフルはそれぞれ、
前記複数のバッフルの残りのものの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される外側円周方向縁と、
遠位半径方向縁から離間される近位半径方向縁と、
遠位側から反対側の近位側と、
複数の離間された孔と
を備える、ことと、
複数の軸方向に延在する管を前記複数のバッフルのそれぞれの複数の離間された孔の中に配置することであって、前記複数の軸方向に延在する管は、第2の流体を運搬するように構成される、ことと、
シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部をそれぞれが有する第1の複数のシールストリップを結合することであって、前記第1の複数のシールストリップを結合することは、
前記第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を前記複数のバッフルのうちの1つの近位に結合することと、
前記第1の複数のシールストリップのうちのそれぞれの第2の端部を前記複数のバッフルのうちの別のより遠位のものに結合することであって、前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、5°を上回り、バッフル螺旋角度H
B未満である螺旋角度H
sにおいて、前記複数のバッフルの近位から前記複数のバッフルの遠位まで配置され、
前記螺旋角度H
BおよびH
sは、前記シェルの縦軸に対する前記個別のバッフルまたはシールストリップの角度として画定される、ことと
を含む、ことと、
第1の流体を受容するように構成されるシェル内に前記組み立てられた中心ロッド、複数のバッフル、複数の軸方向に延在する管、および第1の複数のシールストリップを配置することと
を含む、方法。
【請求項21】
前記結合された第1の複数のシールストリップは、内側表面と、外側表面とを有し、前記第1の複数のシールストリップを結合することはさらに、
前記複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁から遠位半径方向縁まで画定される方向に、前記シェルに対する直交からの角度によって、前記外側表面から前記内側表面まで前記結合された第1の複数のシールストリップを角度付けること
を含む、請求項20に記載の組立の方法。
【請求項22】
前記第1の複数のシールストリップを結合することはさらに、
前記複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、前記複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外側表面から前記第1の複数のシールストリップのそれぞれの内側表面を離間させること
を含む、請求項20に記載の組立の方法。
【請求項23】
前記第1の複数のシールストリップを結合することはさらに、
前記複数のバッフルのそれぞれの近位側に結合される前記複数のシールストリップのそれぞれから、前記複数のバッフルのそれぞれの遠位側に結合される前記第1の複数のシールストリップのそれぞれを回転してオフセットすること
を含む、請求項20に記載の組立の方法。
【請求項24】
前記シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部を有する第2の複数のシールストリップを結合することをさらに含み、前記第2の複数のシールストリップを結合することは、
前記第2の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を前記複数のバッフルのうちの1つの遠位側の近位半径方向縁に結合することと、
前記第2の複数のシールストリップのそれぞれの第2の端部を前記複数のバッフルのうちの別のものの近接側の遠位半径方向縁に結合することと
を含み、前記第2の複数のシールストリップはそれぞれ、前記シェルの縦軸と平行に延在する、
請求項20に記載の組立の方法。
【請求項25】
熱交換器であって、
縦軸を有し、第1の流体を受容するように構成されるシェルと、
複数のバッフルであって、前記複数のバッフルは、前記縦軸に対する角度において前記シェル内に搭載され、前記縦軸に沿って相互から離間され、前記シェルを通して螺旋パターンに沿って前記第1の流体の流動を誘導するように構成され、前記バッフルはそれぞれ、
外側円周方向縁と、
遠位半径方向縁から離間される近位半径方向縁と、
遠位側から反対側の近位側と、
前記近位側から前記遠位側まで各バッフルを通して形成される複数の離間された孔であって、前記孔は、複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成され、前記管が第2の流体を運搬するように構成される、孔と
を備える、複数のバッフルと、
第1の端部および第2の端部をそれぞれが備える複数のシール部材であって、前記シール部材は、前記シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置され、各シール部材の第1の端部は、個別のバッフルの遠位側に結合され、各シール部材の第2の端部は、個別のバッフルの近位側に結合される、複数のシール部材と
を備える、熱交換器。
【請求項26】
前記シール部材は、シールストリップまたはシールロッドを備える、請求項25に記載の熱交換器。
【請求項27】
熱交換器であって、
シェルであって、前記シェルは、縦軸を有し、第1の流体を受容するように構成される、シェルと、
複数のバッフルであって、前記複数のバッフルは、前記シェルを通して螺旋パターンへと第1の流体流を誘導するように、螺旋角度H
Bにおいて前記シェル内にそれぞれが搭載され、前記複数のバッフルはそれぞれ、
前記複数のバッフルの残りのものの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される外側円周方向縁と、
遠位半径方向縁から離間される近位半径方向縁と、
遠位側から反対側の近位側と、
複数の離間された孔であって、前記複数の離間された孔は、第2の流体を運搬するように構成される複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成される、複数の離間された孔と
を備える、複数のバッフルと、
第1の複数の円周方向にオフセットされたシールストリップであって、前記第1の複数の円周方向にオフセットされたシールストリップは、前記シェルと前記複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される第1の端部および第2の端部をそれぞれが有し、それぞれ、いずれか2つの隣接するバッフルの間にそれぞれが位置付けられる、第1の複数の円周方向にオフセットされたシールストリップと
を備える、熱交換器。
【請求項28】
前記複数のバッフルはそれぞれ、バッフルの遠位側に接続される遠位シールストリップと、同一のバッフルの近位側に接続される近位シールストリップとを含む、前記第1の複数のシールストリップのうちの少なくとも2つに接続され、前記近位シールストリップは、前記遠位シールストリップから円周方向にオフセットされる、請求項27に記載の熱交換器。
【請求項29】
前記第1の複数のシールストリップはそれぞれ、前記熱交換器の縦軸と平行である、請求項27に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
熱交換アセンブリは、削減された配設および維持コスト、ならびに振動からの損傷または汚染に起因する効率の損失に対する効果的な保護を提供しながら、熱伝達対圧力降下の比を最大限にすることによって、性能の増加を標的にする。
【0002】
海上、精製、電力、石油化学、または紙および食品業界であるかどうかにかかわらず、熱交換器は、多くの場合、上記に列挙される目的の核心である。熱交換器の多数の構成は、公知であり、種々の用途のために使用される。熱交換器の広く使用されている構成のうちの1つは、一例として
図1に示されるようなシェルおよび管熱交換器である。
図1のシェルおよび管熱交換器は、2つの終板12の間に延在する、平行管の束11を収納する、円筒形シェル10を含む。第1の流体13が、それを通して第2の流体14が通過する平行管の束11と接触するように、2つの終板の間の空間内で、かつそれを通して流動する。2つの流体の間の改良された熱交換を提供するために、第1の流体13の流動は、第1の流体13の流動が1つのコンパートメントから次のコンパートメントまで通過する際にその方向を変化させるように配列される、個別のコンパートメントを形成する、中間バッフル15によって画定される。円形区画として構成されるバッフル15は、第1の流体13のジグザグ流17を提供するように、シェル10の縦軸16と垂直に配設される。
【0003】
不利なこととして、
図1に示される熱交換器等のシェルおよび管熱交換器では、第2の流体は、シェルの長さに沿って数回、その流動の方向を急激に変化させる必要がある。流動方向のこれらの急激な変化は、第2の流体の動圧の低減およびその非一様な流速を引き起こし、これらは、組み合わせて、熱交換器の性能に悪影響を及ぼす。さらに、シェルおよび管熱交換器の清掃は、平行管の束11がシェル10から除去されることを要求し、さもないと、清浄な流体のみが、シェルおよび管熱交換器のシェル10内で流動される第1の流体13として使用され得る。平行管の束11を除去可能にすることは、損傷を及ぼさない除去を可能にするために平行管の束11とシェル10との間の十分な遊隙を要求する。典型的には、平行管の束11とシェル10との間の間隙は、十分に大きいため、加熱または冷却されるべき有意量の第1の流体13が、平行管の束11を迂回し、シェルおよび管熱交換器の出口において加熱または冷却された第1の流体13と混合するであろう。
【0004】
シェルおよび管熱交換器(例えば、
図1に示される熱交換器)を依然として参照すると、バッフルが大きい形状抗力を生成するため、シェルの縦軸に対するバッフルの垂直位置が、比較的に非効率的な熱伝達率/圧力降下比をもたらすことが周知である。相互と平行に、かつシェルの縦軸に対して直角に延在する、隣接するバッフルが、隣接するチャネルの間の多数の急旋回によって特徴付けられる、直交流路を画定する。熱伝達の効率は、バッフルの間の間隔を縮小することによって改良されることができる。しかしながら、間隔を減少させることは、広い再循環ゾーンをもたらし、流動の大部分が管とバッフルとの間で、かつバッフルの外縁に沿って漏出することを余儀なくさせる。隣接するバッフルの間に画定される各区画内の流動分布の非一様性は、多数の渦、停滞領域、および拡張/収縮を引き起こし、これは、局所温度差を減少させる。熱伝達率の減少に寄与する、さらなる要因は、第1の流体によって横断される管がシェルからある半径方向距離に位置付けられる必要があるという事実に起因する。故に、周辺に位置する管の周囲の直交流は、中心に搭載された管の周囲よりも速い。
【0005】
したがって、上記に説明されるような従来のバッフル配列は、バッフル・シェル遊隙を通した流動迂回、および管・バッフル遊隙を通した流動漏出をもたらす。迂回および漏出流が、直交流熱伝達を低減させる一方、有意な速度変動によって引き起こされる流動の不均等分布は、デッドゾーン内の逆流および渦を増加させ、これは、ひいては、管の束のうちの管の外側上の汚染物質の配置につながる。熱交換器が、シェル内の汚染物質の配置後に動作し続けるように放置された場合、性能の有意な損失が、経時的に被られ、これは、動作コストおよびエネルギーの消費の増加に変換されるであろう。熱交換器が、汚染物質の蓄積に起因して、清掃されるように点検から除去された場合、熱交換器の価値に類似する、またはそれよりも高い動作コストに変換される、生産の損失もしくは低減が存在するであろう。さらに、汚染状態で過剰に長期間放置されている熱交換器は、除去することが困難となり、より高い温度で局所領域内に腐食を引き起こし得る、硬化した堆積物を発現させるであろう。硬化した堆積物が発現し、腐食が生じる、管の束は、管の束が点検から除去されるはずであり、損傷した管が詰まっている点まで劣化し得る。
【0006】
さらに、多くの場合、24フィートの長さに到達する長い管が、非一様な速度と関連付けられる問題を解決するために、実質的な距離において離間される、一連のバッフルによって支持されるため、従来の配列は、管の流動誘発振動を被り得る。
【0007】
螺旋状バッフル付き熱交換器が、シェルおよび管熱交換器内の非一様な流動の問題を克服するために使用されている。第1の流体流の螺旋パターンは、熱伝達への利用可能な圧力降下の特に効果的な変換を可能にし得、平行パイプの束の振動の危険性を低減させ得る。しかしながら、螺旋バッフルは、第1の流体流がバッフルの周囲で漏出することを可能にする、大きい間隙を有し得、温度駆動力の損失に起因して、管の束を横断する低減した速度およびより低い熱効率の両方をもたらし得る。これらの問題は、特に、大きい管・シェル遊隙を伴う管の除去可能な束が所望されるときに生じ得る。さらに、管の束の迂回はまた、粘性液体を冷却するときに特に重大であり得、それによって、冷却された後の液体の粘度は、熱交換器に進入するときの液体の粘度よりも有意に高い。換言すると、より暖かく、あまり粘性ではない液体が、冷却された、より粘性の液体と比較して、管の束の周囲により容易に流動し、管の束を迂回することができる。
【0008】
螺旋状バッフル付き熱交換器のバッフルの迂回を防止することに役立つために、シールデバイスが、使用されている。そのような螺旋状バッフル付き熱交換器のためのシールデバイスは、従来のバッフルのために使用されるシールデバイスと実質的に同一のタイプとなっており、螺旋状バッフル付き熱交換器内の迂回を防止することに比較的に無効となっている。加えて、螺旋状バッフル付き熱交換器が、区画状バッフル付き熱交換器よりも概して低い圧力降下を有するため、熱伝達の改良に対してシールデバイスによって誘発される圧力降下と関連付けられる不利益は、比較的に高い。従来のバッフル付き熱交換器で使用されるシールデバイスは、最良の場合、熱伝達の軽微な改良を提供し得、最悪の場合、束の中の螺旋流路に干渉し、それによって、熱伝達の有意な低減をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
再循環、デッドゾーン、または熱伝達表面の漏出/迂回を伴わずに、流体流の一様性を達成し得る、バッフルアセンブリを構成することが望ましい。さらに、複数のバッフルおよびシールデバイスの位置付けを伴ってバッフルアセンブリを構成し、容認可能な圧力降下および振動限界内でより高い熱伝達率を維持することが望ましい。加えて、より大きい管・シェル遊隙を提供し、清掃および修理のために高速除去および交換を可能にすることによって、管の束の促進された維持を可能にする、バッフルアセンブリが望ましい。本明細書に開示される実施形態は、これらのうちの1つ以上のものに対処する。
【0010】
本開示の実施形態は、熱交換器を提供し得る。熱交換器は、縦軸を有し、第1の流体を受容するように構成される、シェルを含んでもよい。さらに、熱交換器は、シェルを通して螺旋パターンの中に第1の流体流を誘導するように、縦軸に対する角度においてシェル内にそれぞれ搭載される、複数の楕円扇形状のバッフルを含んでもよい。さらに、熱交換器は、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される、第1の端部および第2の端部を有する、第1の複数のシールストリップを含んでもよい。加えて、複数のバッフルはそれぞれ、残りの複数のバッフルの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、第2の流体を運搬する複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成される、複数の離間された孔とを含んでもよい。第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部は、複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁と遠位半径方向縁との間で複数のバッフルのうちの1つの遠位側に結合されてもよい。第1の複数のシールストリップのうちのそれぞれの第2の端部は、複数のバッフルのうちの他方ものの近位半径方向縁と遠位半径方向縁との間で複数のバッフルのうちの別のものの近位側に結合されてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、複数のバッフルのうちの1つの遠位側および複数のバッフルのうちの他方のものの近位側の両方に直交して、または複数のバッフルのうちの他方のものの近位側に対する直交からの角度においてのいずれかで、配置されてもよく、角度は、複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁から遠位半径方向縁まで画定される方向に0°を上回る~最大80°であり得る。
【0011】
本開示の実施形態はさらに、熱交換器を組み立てる方法を提供し得る。本方法は、縦軸を有する中心ロッドを提供するステップを含んでもよい。さらに、本方法は、螺旋パターンが複数のバッフルによって形成されるように、中心ロッドの縦軸に対する角度において複数の楕円扇形状のバッフルを中心ロッドに搭載するステップを含んでもよい。複数のバッフルはそれぞれ、残りの複数のバッフルの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、複数の離間された孔とを含んでもよい。さらに、本方法は、複数の軸方向に延在する管を複数のバッフルのそれぞれの複数の離間された孔の中に配置するステップを含んでもよく、複数の軸方向に延在する管は、第2の流体を運搬してもよい。さらに、本方法は、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部を有する、第1の複数のシールストリップを結合するステップを含んでもよい。第1の複数のシールストリップを結合するステップは、第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を複数のバッフルのうちの1つの遠位側に結合するステップと、第1の複数のシールストリップのうちのそれぞれの第2の端部を複数のバッフルのうちの別のものの近位側に結合するステップとを含んでもよい。第1の複数のシールストリップはそれぞれ、複数のバッフルのうちの1つの遠位側および複数のバッフルのうちの他方のものの近位側の両方に直交して、または複数のバッフルのうちの他方のものの近位側に対する直交からの角度においてのいずれかで、配置されてもよく、角度は、複数のバッフルのうちの1つの遠位半径方向縁から近位半径方向縁まで画定される方向に0°を上回る~最大80°であり得る。
【0012】
一側面では、本明細書に開示される実施形態は、熱交換器に関する。熱交換器は、シェルと、複数のバッフルと、複数の軸方向に延在する管と、複数のシールストリップとを含んでもよい。シェルは、縦軸を有してもよく、第1の流体を受容するように構成されてもよい。螺旋角度HBにおいてシェル内にそれぞれ搭載される、複数のバッフルは、シェルを通して螺旋パターンの中に第1の流体流を誘導するように構成されてもよい。複数のバッフルはそれぞれ、残りの複数のバッフルの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、第2の流体を運搬するように構成される、複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成される、複数の離間された孔とを含んでもよい。複数のシールストリップはそれぞれ、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される、第1の端部および第2の端部をそれぞれ有し、それぞれ、いずれか2つの縦方向に隣接するバッフルの間にそれぞれ位置付けられ、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、5°を上回り、バッフル螺旋角度HB未満である螺旋角度Hsにおいて、複数のバッフルの近位から前記複数のバッフルの遠位まで配置され、螺旋角度HBおよびHsは、シェルの縦軸に対する個別のバッフルまたはシールストリップの角度として画定される。
【0013】
いくつかの実施形態では、シールストリップは、部分的に、出口に向かって螺旋状に流体の流動を指向するように構成されてもよい。第1の複数のシールストリップは、第1のバッフルの近位半径方向縁への隣接からの第1のバッフルの遠位側から、第2のバッフルの遠位半径方向縁に隣接する第2のバッフルの近位側まで配置されてもよく、第1および第2のバッフルは、同一の扇形または四分円内に位置する。代替として、第1の複数のシールストリップは、第1のバッフルの近位半径方向縁および遠位半径方向縁の中間からの第1のバッフルの遠位側から、第2のバッフルの近位半径方向縁および遠位半径方向縁の中間の第2のバッフルの近位側まで配置されてもよく、第2のバッフルは、第1のバッフルと異なる扇形または四分円内に位置する。
【0014】
第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部は、いくつかの実施形態では、複数のバッフルのうちの第1のものの遠位側に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップのそれぞれの第2の端部は、複数のバッフルのうちの第2のものの近位側に結合されてもよい。
【0015】
第1の複数のシールストリップはそれぞれ、内側表面と、外側表面とを有してもよい。第1の複数のシールストリップは、複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁から遠位半径方向縁まで画定される方向に、シェルに対する直交からの角度によって外側表面から内側表面まで角度付けられてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、第1の流体流が、105°から最大135°の角度においてシールストリップに衝打するように、シェルに対する直交から15°から最大45°角度付けられてもよい。
【0017】
第1の複数のシールストリップのそれぞれの外側表面は、シェルの内側表面に略近接して配置されてもよい。第1の複数のシールストリップのそれぞれの内側表面は、いくつかの実施形態では、複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外径から離間されてもよい。
【0018】
複数のバッフルはそれぞれ、バッフルの近位側に結合される第1の複数のシールストリップのうちの少なくとも1つと、遠位側に結合される第1の複数のシールストリップのうちの少なくとも1つとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のバッフルのそれぞれの遠位側に結合される、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、複数のバッフルのそれぞれの近位側に結合される、複数のシールストリップのそれぞれから縦軸を中心として回転してオフセットされてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、楕円形である曲率を伴う曲線外径を有する、および/または第1の複数のシールストリップはそれぞれ、楕円形である曲率を伴う曲線内径を有する。
【0020】
第1の複数のシールストリップはそれぞれ、シールストリップの第1の端部から第2の端部までの長さに沿って変動する、内径を引いた外径である幅を有してもよい、および/または第1の複数のシールストリップはそれぞれ、シールストリップの幅または長さに沿って変動する、近位側から遠位側までの奥行を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、等しい数のシールストリップが、複数のバッフルのうちの各バッフルに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、シェルの縦軸を中心とした回転あたりのシールストリップの数は、シェルの縦軸を中心とした回転あたりのバッフルの数の倍数である。
【0022】
本明細書の実施形態による熱交換器はさらに、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される、第1の端部および第2の端部をそれぞれ有し、それぞれ、いずれか2つのバッフルの間にそれぞれ位置付けられる、第2の複数のシールストリップを含んでもよい。第2の複数のシールストリップはそれぞれ、5°を上回り、螺旋角度Hsと異なり、バッフル螺旋角度HB未満である螺旋角度H2sにおいて、複数のバッフルの近位から複数のバッフルの遠位まで配置されてもよく、螺旋角度HB、Hs、H2sは、シェルの縦軸に対する個別のバッフルまたはシールストリップの角度として画定される。
【0023】
本明細書の実施形態による熱交換器は、第2の複数のシールストリップを含んでもよい。それぞれは、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置される、第1の端部および第2の端部を有してもよく、それぞれは、いずれか2つの隣接するバッフルの間にそれぞれ位置付けられてもよく、第2の複数のシールストリップはそれぞれ、バッフルの近位半径方向縁から隣接するバッフルの遠位半径方向縁まで配置される。いくつかの実施形態では、第2の複数のシールストリップのそれぞれの内径は、複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外径から離間されてもよい。
【0024】
別の側面では、本明細書の実施形態は、熱交換器を組み立てる方法に関する。本方法は、縦軸を有する中心ロッドを提供するステップと、螺旋パターンが複数のバッフルによって形成されるように、中心ロッドの縦軸に対する角度において複数の楕円扇形状のバッフルを中心ロッドに搭載するステップとを含んでもよい。複数のバッフルはそれぞれ、残りの複数のバッフルの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、複数の離間された孔とを含んでもよく、複数の軸方向に延在する管を複数のバッフルのそれぞれの複数の離間された孔の中に配置するステップであって、複数の軸方向に延在する管は、第2の流体を運搬するように構成される。本方法はさらに、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部をそれぞれ有する、第1の複数のシールストリップを結合するステップを含んでもよい。第1の複数のシールストリップを結合するステップは、第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を複数のバッフルのうちの1つの近位に結合するステップと、第1の複数のシールストリップのうちのそれぞれの第2の端部を複数のバッフルのうちの別のより遠位のものに結合するステップとを含んでもよい。第1の複数のシールストリップはそれぞれ、5°を上回り、バッフル螺旋角度HB未満である螺旋角度Hsにおいて、複数のバッフルの近位から複数のバッフルの遠位まで配置されてもよく、螺旋角度HBおよびHsは、シェルの縦軸に対する個別のバッフルまたはシールストリップの角度として画定される。本方法はさらに、第1の流体を受容するように構成されるシェル内に組み立てられた中心ロッド、複数のバッフル、複数の軸方向に延在する管、および第1の複数のシールストリップを配置するステップを含んでもよい。
【0025】
結合された第1の複数のシールストリップはそれぞれ、内径と、外径とを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数のシールストリップを結合するステップはさらに、複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁から遠位半径方向縁まで画定される方向に、シェルに対する直交からの角度によって、外径から内径まで結合された第1の複数のシールストリップを角度付けるステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数のシールストリップを結合するステップはさらに、複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外径から第1の複数のシールストリップのそれぞれの内径を離間させるステップを含んでもよい。そして、いくつかの実施形態では、第1の複数のシールストリップを結合するステップはさらに、複数のバッフルのそれぞれの近位側に結合される複数のシールストリップのそれぞれから、複数のバッフルのそれぞれの遠位側に結合される第1の複数のシールストリップのそれぞれを回転してオフセットするステップを含んでもよい。
【0026】
組立の方法はさらに、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部を有する、第2の複数のシールストリップを結合するステップを含んでもよい。第2の複数のシールストリップを結合するステップは、第2の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を複数のバッフルのうちの1つの遠位側の近位半径方向縁に結合するステップと、第2の複数のシールストリップのそれぞれの第2の端部を複数のバッフルのうちの別のものの近接側の遠位半径方向縁に結合するステップとを含んでもよく、第2の複数のシールストリップはそれぞれ、シェルの縦軸と平行に延在する。
【0027】
別の側面では、本明細書の実施形態は、熱交換器を対象とする。熱交換器は、縦軸を有し、第1の流体を受容するように構成される、シェルと、縦軸に対する角度においてシェル内に搭載され、縦軸に沿って相互から離間され、シェルを通して螺旋パターンに沿って第1の流体の流動を誘導するように構成される、複数のバッフルであって、バッフルはそれぞれ、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、近位側から遠位側まで各バッフルを通して形成される、複数の離間された孔であって、複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成され、管が第2の流体を運搬するように構成される、孔とを備える、複数のバッフルと、第1の端部および第2の端部をそれぞれ備える、複数のシール部材であって、シール部材は、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置され、各シール部材の第1の端部は、個別のバッフルの遠位側に結合され、各シール部材の第2の端部は、個別のバッフルの近位側に結合される、複数のシール部材を含んでもよい。いくつかの実施形態では、シール部材は、シールストリップまたはシールロッドを含んでもよい。
【0028】
別の側面では、本明細書の実施形態は、縦軸を有する、シェルであって、第1の流体を受容するように構成される、シェルを含む、熱交換器を対象とする。複数のバッフルが、シェルを通して螺旋パターンの中に第1の流体流を誘導するように、螺旋角度HBにおいてシェル内にそれぞれ搭載される。複数のバッフルはそれぞれ、残りの複数のバッフルの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、第2の流体を運搬するように構成される、複数の軸方向に延在する管によって横断されるように構成される、複数の離間された孔とを含んでもよい。第1の端部および第2の端部をそれぞれ有する、第1の複数の円周方向にオフセットされたシールストリップは、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に配置されてもよく、それぞれは、いずれか2つの隣接するバッフルの間にそれぞれ位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、複数のバッフルはそれぞれ、バッフルの遠位側に接続される遠位シールストリップと、同一のバッフルの近位側に接続される近位シールストリップとを含む、第1の複数のシールストリップのうちの少なくとも2つに接続され、近位シールストリップは、遠位シールストリップから円周方向にオフセットされる。第1の複数のシールストリップはそれぞれ、いくつかの実施形態では、交換器の縦軸と平行であり得る。
【0029】
本発明の他の側面および利点が、以下の説明および添付の請求項から明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、従来のシェルおよび管熱交換器内の流動分布の線図を図示する。
【0031】
【
図2】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の図形斜視図を図示する。
【0032】
【
図3】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器のバッフルケージの斜視図を図示する。
【0033】
【
図4】
図4Aおよび4Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器のバッフルの斜視図を図示する。
【0034】
【
図5A】
図5A-5Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の複数の図を図示する。
【
図5B】
図5A-5Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の複数の図を図示する。
【
図5C】
図5A-5Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の複数の図を図示する。
【
図5D】
図5A-5Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の複数の図を図示する。
【
図5E】
図5A-5Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の複数の図を図示する。
【0035】
【
図6A】
図6A-6Dは、本開示の複数の実施形態による、熱交換器の斜視図を図示する。
【
図6B】
図6A-6Dは、本開示の複数の実施形態による、熱交換器の斜視図を図示する。
【
図6C】
図6A-6Dは、本開示の複数の実施形態による、熱交換器の斜視図を図示する。
【
図6D】
図6A-6Dは、本開示の複数の実施形態による、熱交換器の斜視図を図示する。
【0036】
【
図7】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の側面図を図示する。
【0037】
【
図8】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の側面図を図示する。
【0038】
【
図9】
図9は、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器の側面図を図示する。
【0039】
【
図10】
図10は、本明細書の実施形態による熱交換器を従来技術の熱交換器を伴と比較する、データのグラフ表現である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示の実施形態が、付随する図を参照して、詳細に下記に説明される。種々の図内の同様の要素は、一貫性のために同様の参照番号によって表され得る。さらに、以下の詳細な説明では、多数の具体的詳細が、請求される主題のより徹底的な理解を提供するために記載される。しかしながら、説明される実施形態は、これらの具体的詳細がなくても実践され得ることが、当業者に明白であろう。他の事例では、周知の特徴は、説明を不必要に複雑にすることを回避するように、詳細に説明されていない。
【0041】
図2を参照すると、1つ以上の実施形態では、本開示の1つ以上の実施形態による、螺旋状バッフル付き熱交換器200が、示される。熱交換器200は、それを通して第1の流体が通過される、シェル220と、それを通して第2の流体が通過される、複数の軸方向に延在する管230と、複数の楕円扇形状のバッフル240とを含んでもよい。「楕円扇形状」とは、バッフルが、円弧によって境界される領域と、楕円の中心(起点)および円弧の終点を接続する線分とを幾何学的に含むが、熱交換器の他のコンポーネント(管等)およびバッフルの配設の様式(例えば、
図3および4に図示されるように、例えば、中心管を包含する、またはそれに当接すること、もしくは楕円扇形の周辺に沿って管を収容すること)を考慮するように、扇形全体を含まない場合がある、楕円扇形の一般的形態をとることを理解されたい。
【0042】
シェル220は、その間で第1の流体がシェル220内に通過し得る、入口228と、出口229とを含んでもよい。バッフル240はそれぞれ、入口228から出口229までシェル220を横断して螺旋パターン231の中に第1の流体流222を誘導するために、シェル220の縦軸221に対して法線である線(N-N)に対する角度λにおいて位置付けられてもよい。第1の流体流222の螺旋パターン231は、熱伝達への利用可能な圧力降下の効果的な変換を可能にし、支持されていない管の長さが最小限にされるという事実に起因して、振動の危険性を低減させ得る。1つ以上の実施形態では、第1の流体流222に沿って汚染のためのデットスポットが存在しない場合があり、熱伝達の量は、渦または逆混合の排除に起因して増加され得る。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の流体流222の方向は、管230内の第2の流体流232の方向と反対であり得る。換言すると、1つ以上の実施形態では、第2の流体は、実質的に出口229から入口228までである方向に流動してもよい。加えて、
図2に示されるようなバッフル240は、平坦であるが、1つ以上の実施形態では、各バッフルの反対側は、螺旋パターンに沿って第1の流体流222を誘導するように曲線状であり得る。
【0043】
ここで
図3を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、バッフルケージ341が、示される。バッフルケージ341は、バッフルケージ341の縦軸(図示せず)に対する法線からの角度において位置付けられる、連続バッフル340を含んでもよく、連続バッフル340は、螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続バッフル340の間の回転オフセットは、1つのバッフル340の少なくとも近位半径方向縁344が、縦方向に隣接するバッフル340の遠位半径方向縁345に重複または当接するようなものであってもよい。例えば、
図3は、各バッフル340の近位半径方向縁344が連続バッフル340の遠位縁345に重複する、実施形態を図示する。1つ以上の実施形態では、各バッフル340の近位半径方向縁344は、熱交換器のシェル(図示せず)の入口(図示せず)に軸方向に最も近いバッフル340の半径方向縁であってもよく、各バッフル340の遠位半径方向縁345は、熱交換器のシェルの入口から軸方向に最も遠いバッフル340の半径方向縁であってもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、それを中心としてバッフル340が配置される、縦軸を中心とした360°回転あたり等しい数のバッフル340が存在し得る。さらに、バッフル340は、複数の管330を支持してもよく、螺旋経路内で第1の流体流(図示せず)を誘導してもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、バッフル340は、複数のロッド342によって相互接続されてもよい。スペーサ349が、随意に、バッフル間隔を確実にするために構築の間に使用されてもよい。図示されるように、スペーサ349は、長方形であるが、他の形状も使用されてもよい。依然として
図3を参照すると、1つ以上の実施形態では、バッフル340はそれぞれ、外側円周方向縁343を有してもよく、各外側円周方向縁343は、隣接するバッフル340の外側円周方向縁343から離間されてもよい。バッフルはそれぞれ、また、楕円扇形状のバッフル340が、外側円周方向縁343、近位半径方向縁344、および遠位半径方向縁345によって画定されるように、外側円周方向縁343の一方の端部における近位半径方向縁344と、外側円周方向縁343の他方の端部における遠位半径方向縁345とを含んでもよい。さらに、バッフルはそれぞれ、相互の反対側にある近位側346および遠位側347、ならびに近位側346から遠位側347までバッフル340を通して延在する、複数の離間された孔348を有してもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル340の近位側346は、熱交換器のシェルの入口に軸方向に最も近いバッフル340の側面であってもよく、遠位側347は、熱交換器のシェルの入口から軸方向に最も遠い各バッフル340の側面であってもよい。複数の軸方向に延在する管330のうちの1つの管330は、バッフル340内の孔348のそれぞれを通して通過してもよい。1つ以上の実施形態では、1つのバッフル340の孔348は、軸方向に延在する管330が、孔348を通して嵌合し得、複数のバッフル340によって支持され得るように、別のバッフル340上の孔と整合してもよい。全てのバッフル340上に図示されていないが、バッフル340はそれぞれ、貫通孔348を含有し得ることに留意されたい。
【0044】
図3に図示されるように、管330および貫通孔348は、円周方向縁343まで延在しない。したがって、シェル(図示せず)内に配設されたとき、間隙が、シェルと最外管330との間に存在するであろう。本明細書の実施形態による、管ケージ341は、シェルを通して流動する流体が、少なくとも部分的に管330に向かって戻るように指向されるような角度において配置される、複数のシールロッドまたはシールストリップ350を含んでもよい。ストリップ350は、したがって、複数の管を迂回し得る流体の量を減少させるとともに、ケージ341の構造を支持する、向上したシールおよび構造支持の二重機能を提供し得る。
【0045】
本明細書ではシールストリップと称され得る、ストリップ350のシールおよび構造支持機能に加えて、ストリップ350は、わずかな圧力降下を伴ってシール機能を提供し、螺旋流路の全体を通して管330とバッフル縁343との間の間隙内で流動する流体を防止するための流動障壁を提供するような様式で位置付けられてもよい。流動障壁機能は、代替として、管束とシェルとの間の空間が効果的に遮断されるように配置される、略長方形を有する縦方向ストリップ等の他の構造の使用によって取得され得るが、しかしながら、そのような流動障壁は、有意な圧力降下を犠牲にして生じるであろう。縦方向ストリップと対照的に、本明細書の実施形態は、下記により完全に説明されるであろうように、向上したシール、構造支持、および比較的にわずかな圧力降下を提供するように設計ならびに配向される、ストリップを対象とする。
【0046】
上記に説明されるようなロッド342は、随意であり、加えて、管挿入の間にバッフルを支持する目的を果たすために使用されてもよい。したがって、ロッドは、
図3のバッフルを相互接続するように示されるが、本開示の1つ以上の実施形態では、ロッドは、バッフル340を支持および相互接続するために必要ではない。代わりに、下記にさらに詳細に示され、説明されるように、1つ以上の実施形態では、ストリップが、中心ロッドを中心としてバッフルを支持および相互接続するために使用されてもよい。
【0047】
ここで
図4Aおよび4Bを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、バッフル440が、示される。1つ以上の実施形態では、複数のバッフル440が、熱交換器(図示せず)のシェル(図示せず)内の中心ロッド423に結合されてもよい。連続バッフル440が、中心ロッド423の縦軸424に対する法線からの角度において位置付けられてもよく、連続バッフル440は、螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続バッフル440の間の回転オフセットは、1つのバッフル440の少なくとも近位半径方向縁444が、縦方向に隣接するバッフル440の遠位半径方向縁445に重複するようなものであってもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル440の近位半径方向縁444は、熱交換器のシェル(図示せず)の入口(図示せず)に軸方向に最も近いバッフル440の半径方向縁であってもよく、各バッフル440の遠位半径方向縁445は、熱交換器のシェルの入口から軸方向に最も遠いバッフル440の半径方向縁であってもよい。
【0048】
依然として
図4Aおよび4Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、バッフル440は、楕円扇形状であり得る。バッフル440はそれぞれ、外側円周方向縁443を有してもよく、各外側円周方向縁443は、隣接するバッフル440の外側円周方向縁443から離間されてもよい。バッフルはそれぞれ、また、楕円扇形状のバッフル440が、外側円周方向縁443、近位半径方向縁444、および遠位半径方向縁445によって画定されるように、外側円周方向縁443の一方の端部における近位半径方向縁444と、外側円周方向縁443の他方の端部における遠位半径方向縁445とを含んでもよい。さらに、バッフルはそれぞれ、相互の反対側にある近位側446および遠位側447、ならびに第1の側面446から第2の側面447までバッフル440を通して延在する、複数の離間された孔448を有してもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル440の近位側446は、熱交換器のシェルの入口に最も近いバッフル440の側面であってもよく、遠位側447は、熱交換器のシェルの入口から最も遠い各バッフル440の側面であってもよい。複数の軸方向に延在する管(図示せず)のうちの1つの管は、バッフル440内の孔448を通して通過してもよい。1つ以上の実施形態では、1つのバッフル440の孔448は、軸方向に延在する管が、複数のバッフルによって支持され得るように、別のバッフル(図示せず)上の孔と整合してもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、バッフル440はそれぞれ、バッフル440のそれぞれを中心ロッド423に結合するために、それを通して中心ロッド423が通過し得る、近位半径方向縁444と遠位半径方向縁445との間の交差点において中心孔449を含んでもよい。いくつかの孔448のみが、
図4A/Bに図示されるが、当業者は、各バッフルが、例えば、
図3または5Bに図示されるものに類似する複数の孔を含むことを理解するであろう。
【0049】
各バッフル440の中心孔449は、バッフル440が、中心ロッド423の縦軸424に対する法線からの角度において位置付けられるように、一意に角度付けられてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、バッフル角度は、近位バッフルが縦軸に対する第1の角度において配置され、より遠位のバッフルが縦軸に対する異なる角度において配置される場合等、熱交換器の長さに沿って変動し得る。別の実施例として、近位バッフルが、縦軸に対する第1の角度において配置されてもよく、より遠位のバッフルが、縦軸に対する増加または減少する角度において連続的に配置されてもよい。
【0050】
ここで
図5A-5Eを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器500の複数の図が、示される。1つ以上の実施形態では、熱交換器500は、それを通して第1の流体が通過される、シェル520(
図5B)と、それを通して第2の流体が通過される、複数の軸方向に延在する管530と、複数の楕円扇形状のバッフル540と、バッフル540の間に配置される、第1の複数のシールストリップ550とを含んでもよい。シェル520は、その間で第1の流体がシェル520内に通過し得る、入口(図示せず)と、出口(図示せず)とを含んでもよい。さらに、複数の管530、複数のバッフル540、および第1の複数のシールストリップ550は、シェル520内に配置されてもよい。
【0051】
図5Aおよび5Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、複数のバッフル540は、連続バッフル540がシェル520の縦軸521に対して法線である線からの角度において位置付けられるように、配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、バッフル540は、中心ロッド523に結合され、その周囲に配置されてもよく、連続バッフル540は、螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続バッフル540の間の回転オフセットは、1つのバッフル540の少なくとも近位半径方向縁544が、縦方向に隣接するバッフル540の遠位半径方向縁545に当接または重複するようなものであってもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル540の近位半径方向縁544は、熱交換器500のシェル520の入口に軸方向に最も近いバッフル540の半径方向縁であってもよく、各バッフル540の遠位半径方向縁545は、熱交換器500のシェル520の入口から軸方向に最も遠いバッフル540の半径方向縁であってもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、それを中心としてバッフル540が配置される、縦軸521を中心とした360°回転あたり等しい数のバッフル540が存在し得る。例えば、1つ以上の実施形態では、シェル520の縦軸521を中心とした360°回転あたり4つのバッフル540が存在し得る。シェルの縦軸を中心とした360°回転あたり4つの楕円扇形状のバッフルが示されるが、1つ以上の実施形態では、バッフルが、螺旋流路が形成されるように、縦方向に回転してオフセットされる限り、シェルの縦軸を中心とした360°回転あたり種々の形状の任意の数のバッフルが、利用されてもよい。
【0052】
依然として
図5Aおよび5Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、バッフル540は、楕円扇形状であり得る。バッフル540はそれぞれ、外側円周方向縁543を有してもよく、各外側円周方向縁543は、隣接するバッフル540の外側円周方向縁543から離間されてもよい。バッフル540はそれぞれ、また、楕円扇形状のバッフル540が、外側円周方向縁543、近位半径方向縁544、および遠位半径方向縁545によって画定されるように、外側円周方向縁543の一方の端部における近位半径方向縁544と、外側円周方向縁543の他方の端部における遠位半径方向縁545とを含んでもよい。さらに、バッフル540はそれぞれ、相互の反対側にある近位側546および遠位側547、ならびに近位側546から遠位側547までバッフル540を通して延在する、複数の離間された孔548を有してもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル540の近位側546は、熱交換器500のシェル520の入口に軸方向に最も近いバッフル540の側面であってもよく、遠位側547は、熱交換器500のシェル520の入口から軸方向に最も遠い各バッフル540の側面であってもよい。
【0053】
1つ以上の実施形態では、複数の軸方向に延在する管530のうちの1つの管530は、バッフル540内の孔548を通して通過してもよく、管530内の第2の流体流の方向は、シェルの入口からシェルの出口までの第1の流体流の方向と反対であり得る。さらに、1つ以上の実施形態では、1つのバッフル540の孔548は、管530が、熱交換器500の全長に沿って軸方向に延在し得るように、かつ管530のそれぞれが、複数のバッフル540によって支持され得るように、別のバッフル540上の孔と整合してもよい。さらに、孔548のそれぞれの中に配置される、管530のそれぞれの外径535の間の距離534は、複数の管530の全体を横断して一貫性があり得る。加えて、上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、バッフル540はそれぞれ、バッフル540のそれぞれを中心ロッド523に結合するために、それを通して中心ロッド523が通過し得る、第1の半径方向縁544と第2の半径方向縁545との間の交差点において中心孔549を含んでもよい。各バッフル540の中心孔549は、バッフル540が、シェル520の縦軸521に対して法線である線からの角度において位置付けられるように、一意に角度付けられてもよい。
【0054】
さらに、
図5A-5Eを参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550が、それぞれ、第1のバッフル540と、第1のバッフル540から少なくとも完全360°回転である、対応する連続バッフル540との間に配置されてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップ550はそれぞれ、複数の管530とシェル520の内側表面525との間に半径方向に配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、内側表面525は、直径590を有してもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550はそれぞれ、第1のバッフル540および対応する連続バッフル540のそれぞれに結合されてもよい。1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550は、第1の複数のシールストリップ550がそれぞれ、熱交換器500のシェル520内のバッフルによって画定される螺旋経路に略直交するように、配置されてもよい。
図5A、5D、および5Eを参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれの第1の端部551が、近位半径方向縁544と遠位半径方向縁545との間で複数のバッフル540のうちの1つの遠位側547に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれの第2の端部552が、近位半径方向縁544と遠位半径方向縁545との間で複数のバッフル540のうちの別のものの近位側546に結合されてもよい。
【0055】
図5Aおよび5Dに示されるように、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550はそれぞれ、1つのバッフル540の遠位側547および別のバッフル540の近位側546の両方に直交して配置されてもよい。
図5Eに示されるように、他の実施形態では、複数のシールストリップ550はそれぞれ、2つのバッフル540の間に接続されてもよい。
図5Eに図示されるように、シールストリップ550は、角度が、シールストリップ550と、一方のバッフル540の近位側546および他方のバッフル540の遠位側に直交する線との間に形成されるように、配置されてもよい。いくつかの実施形態では、角度595は、0°を上回る~最大80°であり得る。さらなる実施形態では、角度595は、0°を上回る~最大30°、15°~最大45°、45°~最大80°、または15°~最大30°のうちの1つであってもよい。複数のバッフル540のうちの連続バッフルの間の第1の流体の可能性として考えられる漏出に起因して、第1の流体流の方向522は、複数のバッフル540によって形成される螺旋経路からわずかに変動し得る。さらに、第1の流体流方向の本可能性として考えられる相違に起因して、シールストリップ550の角度595は、第1の複数のシールストリップ550がそれぞれ、螺旋状の第1の流体流方向522に直交し得るように、変動し得る。
【0056】
図5Aおよび5Bに示されるように、バッフル540は、4つの四分円内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ550が、同一の四分円(または4つのバッフル以外が360°回転あたり使用される、同一の扇形)内で第1のバッフル540を第2のバッフル540に接続してもよい。シールストリップは、上記に説明されるように、第2のバッフル540の遠位縁545に隣接する点において、第1のバッフル540の遠位側547から第2のバッフル540の近位側546まで接続されてもよい。例えば、シールストリップは、第1のバッフルの近位縁544への隣接からの第1のバッフル540の遠位側547を、第2のバッフルの遠位縁545に隣接する第2のバッフルの近位側546に接続してもよい。別の実施例として、シールストリップは、第1のバッフルの近位縁544への隣接からの第1のバッフル540の遠位側547を、第2のバッフルの近位縁544に隣接する第2のバッフルの近位側546に接続してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、シールストリップ550が、隣接する四分円(扇形)内で第1のバッフル540を第2のバッフル540に接続してもよい。シールストリップは、上記に説明されるように、第1のバッフル540の遠位側547から第2のバッフル540の近位側546まで接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シールストリップは、第1のバッフルの近位縁544および遠位縁545の中間からの第1のバッフル540の遠位側547を、第2のバッフルの近位縁544および遠位縁545の中間の第2のバッフルの近位側546に接続してもよい。
【0058】
他の実施形態では、熱交換器が、同一の四分円内のバッフル540の間で接続する、いくつかのシールストリップ550を含んでもよい一方、他のシールストリップ550は、隣接する四分円内のバッフル540の間で接続してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、
図5Eに示されるように、シールストリップが、部分的に、出口に向かって螺旋状に流動を指向し得る場合において、改良された熱交換および低減した圧力降下が、実現され得る。換言すると、シールストリップ550は、バッフル540の螺旋角度H
B未満の螺旋角度H
sにおいて配置されてもよく、螺旋角度は、熱交換器の縦軸に対するバッフルまたはシールストリップの角度として画定される。いくつかの実施形態では、シールストリップ螺旋角度H
sは、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、または45°の下限から、25°、30°、40°、45°、50°、60°、70°、75°、または80°の上限まで等の0°を上回る~80°の範囲内であってもよく、本明細書の実施形態によると、任意の下限が、任意のより大きい上限と組み合わせられてもよい。いくつかの実施形態では、バッフルの螺旋角度H
Bを上回る螺旋角度H
sを有するストリップは、より良好なシールを提供しながら、流体の螺旋流路を妨害し得る(すなわち、入口に向かって戻るように流動を駆動しようとする)ことが見出されている。対照的に、シールストリップが螺旋流を促す場合において、(従来のシールに対して)圧力降下を低減させること、および熱伝達結果を改良することの両方を行いながら、適切なシールが提供される。種々の実施形態では、バッフル角度H
Bは、一貫性があり得る、または熱交換器の長さに沿って変動し得る。種々のバッフル角度が使用されるとき、例えば、近位バッフルが、縦軸に対する第1の角度(H
B1、図示せず)において配置されてもよく、より遠位のバッフルが、縦軸に対する第2の異なる角度(H
B2、図示せず)において配置されてもよい。別の実施例として、近位バッフルが、縦軸に対する第1の角において配置されてもよく、より遠位のバッフルが、縦軸に対する増加または減少する角度(H
B1<H
B2<H
B3等)において連続的に配置されてもよい。
【0060】
上記に説明されるように、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550は、第1の複数のシールストリップ550がそれぞれ、熱交換器500のシェル520内のバッフルによって画定される螺旋経路に直交または略直交するように、配置されてもよい。他の実施形態では、漏出および第1の流体流方向の可能性として考えられる相違に起因して、シールストリップ550の角度595は、第1の複数のシールストリップ550がそれぞれ、螺旋状の第1の流体流方向に直交し得るように、変動し得る。流体が可能な限り幾何学的導線の近くに流動することが望ましいが、本明細書では、これは常に当てはまるわけではないことが認識される。故に、流体流路は、示されるようなシールストリップ550に直交しない場合がある。漏出および第1の流体流方向の変化の量はまた、運ばれている流体の性質およびウェルならびにバッフルの寸法に応じて変動し得る。本明細書の実施形態は、したがって、ストリップが流動に直交するように、ストリップ550の角度が、幾何学的螺旋導線と実際の流体経路との間の予期される差異を考慮して配設され得るように、計算流体力学または他のシミュレーションもしくは実験的調査等によって、第1の流体流方向を推定するステップを含んでもよい。
【0061】
図5A-5Eに示される実施形態は、1つのバッフルと別のバッフルとの間で全て同一の角度において配置される、複数のシールストリップを含んでもよいが、1つ以上の実施形態では、シールストリップは、熱交換器内で異なる角度において配置されてもよい。換言すると、1つ以上の実施形態では、複数のシールストリップのうちの1つのシールストリップが、1つのバッフルの遠位側および別のバッフルの近位側の両方に直交して配置されてもよく、複数のシールストリップのうちの別のシールストリップが、一方のバッフルの近位側および他方のバッフルの遠位側に対する直交からの角度において配置されてもよく、角度は、0°を上回る~最大80°であり得る。したがって、1つ以上の実施形態では、シールストリップの全てが、バッフルの間に同一の角度配置を伴って配置されてもよい一方、他の実施形態では、異なる角度配置のシールストリップの組み合わせが、使用されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の角度配置のシールストリップが、縦軸を中心とした最初の数回の回転のバッフルの間で使用されてもよく、第2の角度配置のシールストリップが、縦軸を中心とした残りの回転のバッフルの間で使用されてもよい一方、他の実施形態では、第1の角度配置のシールストリップおよび第2の角度配置のシールストリップの異なるパターンが、使用されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、2つを上回る角度配置のシールストリップが、異なるパターンで熱交換器の全体を通して使用されてもよい。
【0062】
さらに、
図5Bおよび5Cを参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、曲線内側表面553と、曲線外側表面554とを有してもよい。1つ以上の実施形態では、各シールストリップ550の曲線外側表面554は、シェル520の内側表面525に略近接して配置されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、シールストリップ550のうちの1つ以上のものの曲線外側表面554は、シェル520の内側表面525から1~5mmの遊隙を有してもよい。例えば、シールストリップ550のうちの1つ以上のものの曲線外側表面554は、シェル520の内側表面525から3mmの遊隙を有してもよい。加えて、シールストリップ550の曲線外側表面554の曲率は、形状が楕円形であり得、シェル520の内側表面525の曲率に合致し得る。シールストリップが楕円形であり得ることに留意しながら、シールストリップの外観は、角度とともに変動し得る。例えば、H
Sが小さい場合において、ストリップは、略直線状であり得る。対照的に、H
Sが大きい場合において、ストリップは、楕円形であろう。楕円形状は、シェルとストリップとの間の空間および管束とストリップとの間の空間がそれぞれ、ストリップの長さに沿って同一であり得ることを確実にする。さらに、ストリップが楕円形であるため、ストリップは、小径および大径(図示せず)によって表され得、シェル直径、シェル直径からの間隔、およびストリップ角度H
Sが、ストリップの楕円形性質を画定し得る。
【0063】
さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれの曲線内側表面553の曲率は、形状が楕円形であり得、内側表面553の曲率は、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれの外側表面554の曲率と異なり得る。換言すると、1つ以上の実施形態では、各シールストリップ550の内側表面553の曲率は、シールストリップ550の半径方向幅を引いたシェル520の内側表面525の直径590に等しい直径を伴う想像上の円筒の曲率に合致し得る。さらに、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれの内側表面553は、距離557によって、複数の軸方向に延在する管530のうちの最も近い管530の外径535から離間されてもよい。シールストリップ550の内側表面553と最も近い管530の外径535との間の距離557は、2つの隣接する管530の外径535の間の距離534に等しくあり得る。さらに、第1の複数のシールストリップ550は、第1の流体流522の方向にシェル520に直交する線555からの角度556によって外側表面554から内側表面553まで角度付けられてもよい。例えば、1つ以上の実施形態では、角度付きバッフル540と垂直に配置される、第1の複数のシールストリップ550はそれぞれ、第1の流体流522が、105°~135°の角度においてシールストリップに接触し、複数の管530に向かって戻るように偏向するように、シェル520に直交する線555から15°~45°角度付けられてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップ550は、厚さ558を有してもよく、より大きい厚さ558が、シェル520の内側表面525のより大きい直径590を伴う熱交換器500のために使用されてもよい。
【0064】
本明細書のいくつかの実施形態に関して説明されるような第1の複数のシールストリップ550はそれぞれ、楕円形である曲率を伴う曲線外径を有してもよい、および/または第1の複数のシールストリップはそれぞれ、楕円形である曲率を伴う曲線内径を有する。他の実施形態では、シールストリップ550は、束・シェル間隙がより大きい領域内で、より幅広くあり得る。バッフルを通した孔のグリッドレイアウトが、最外孔に関して円形パターンをもたらさない場合があるため、幅を変動させ得るシールストリップが、より良好なシールを提供し得る。いくつかの実施形態では、幅は、シールストリップの内径および外径のそれぞれの楕円形曲率を変動させることによって達成され得る。他の実施形態では、幅は、外形間隙に合致する、またはシールストリップの内径の間の一貫性のある外形間隙を個別の管のそれぞれに提供する等のために、系統的に変動され得る。同様に、シールストリップの奥行が、変動され得る。したがって、種々の実施形態では、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、シールストリップの第1の端部から第2の端部までの長さに沿って変動する、内径を引いた外径である幅を有してもよい、および/または第1の複数のシールストリップはそれぞれ、シールストリップの幅または長さに沿って変動する、近位側から遠位側までの奥行を有してもよい。
【0065】
加えて、1つ以上の実施形態では、縦軸521を中心とした360°回転あたりの第1の複数のシールストリップ550の数は、縦軸521を中心とした360°回転あたりのバッフルの数の倍数であってもよい。さらに、バッフル540と、バッフル540から完全360°回転である、対応する連続バッフル540との間に配置される、第1の複数のシールストリップ550の数は、複数のバッフル540の中の全てのバッフル540に関して等しくあり得る。例えば、1つ以上の実施形態では、縦軸521を中心とした360°回転あたり4つのバッフル540が存在し得、縦軸521を中心とした360°回転あたりのバッフル540あたり第1の複数のシールストリップ550のうちの1つが存在するように、縦軸521を中心とした360°回転あたり第1の複数のシールストリップ550のうちの4つが存在し得る。他の実施形態では、縦軸521を中心とした360°回転あたり4つのバッフル540が存在し得、縦軸521を中心とした360°回転あたりのバッフル540あたり第1の複数のシールストリップ550のうちの2つが存在するように、縦軸521を中心とした360°回転あたり第1の複数のシールストリップ550のうちの8つが存在し得る。縦軸521を中心とした360°回転あたりの第1の複数のシールストリップ550の数は、シェル520の内側表面525のサイズ、熱交換器内に配置される複数の管530の数、および複数の管530の外径535の間の距離534に依存し得る。1つ以上の実施形態では、熱交換器500内に配置される複数の管530の8~10列毎にシェル520内に配置される第1の複数のシールストリップ550のうちの1つが存在し得る。
【0066】
さらに、
図5Aを参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550のうちの少なくとも1つは、バッフル540の近位側546に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップ550のうちの少なくとも1つは、バッフル540の遠位側547に結合されてもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、複数のバッフル540のそれぞれの遠位側547に結合される、第1の複数のシールストリップ550はそれぞれ、複数のバッフル540のそれぞれの近位側546に結合される、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれから、シェル520の縦軸521を中心として回転してオフセットされてもよい。1つ以上の実施形態では、回転してオフセットされたシールストリップ550は、熱交換器500の全長に沿って事前判定されたパターンを辿ってもよい。さらに、回転してオフセットされた隣接するシールストリップ550が、
図5Aに示されるが、1つ以上の実施形態では、隣接するシールストリップ550は、熱交換器500の全長に沿って縦方向に整合されてもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550は、鋼鉄から形成されてもよい。
【0067】
さらに他の実施形態では、第1の複数のシールストリップ550は、第1の複数のシールストリップ550のそれぞれが、熱交換器の縦軸と略平行(略平行は、+/-1°または別のわずかな製造公差である)であるように、配置されてもよい。縦軸と平行であるとき、各シールストリップは、近位バッフル540および縦方向に隣接する遠位バッフル540に接続されるべきである。各バッフル板内のシールストリップのための孔を含む以前の実践と比較すると、交換機の一方の端部から他方の端部までの単一の長いシールストリップを使用して、縦方向に隣接するバッフルの間の個々のシールストリップは、より良好なシールおよび低減した圧力降下の両方を提供することが見出されている。いくつかの実施形態では、縦方向に隣接するバッフルに接続されるシールストリップは、円周方向にオフセットされてもよい。例えば、複数のバッフルはそれぞれ、バッフルの遠位側に接続される遠位シールストリップ550と、同一のバッフルの近位側に接続される近位シールストリップ550とを含む、少なくとも2つのシールストリップ550に接続されてもよく、近位シールストリップは、遠位シールストリップから円周方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、円周方向オフセットは、少なくとも10°、少なくとも15°、または少なくとも20°であってもよいが、扇形状のバッフルの個別の楕円扇形の合計度数未満だけ必然的にオフセットされる。回転して、または円周方向にオフセットされたシールストリップは、したがって、バッフルの近位側に接続される、1つ、2つ、以上のシールストリップ、ならびにバッフルの遠位側に接続される、1つ、2つ、以上のシールストリップを含んでもよく、遠位および近位側に接続されるシールストリップの数は、いくつかの扇形では等しく、他の扇形では不均等であり得る。いくつかの実施形態では、等しい数のシールストリップが、複数のバッフルのうちの各バッフルに結合されてもよい。他の実施形態では、シールストリップは、複数のバッフルのうちの全てのバッフルに結合されるわけではない場合がある。例えば、四分円A、B、C、およびDを含む、4つのバッフルが、360°回転あたり使用される場合において、シールストリップは、例えば、四分円AおよびCまたはBおよびDのみで使用されてもよく、他の実施形態では、シールストリップは、例えば、3つの四分円毎に(連続的にA、D、C、B、A…)使用されてもよい。シールストリップの数および設置は、特定の熱交換器のシールおよび構造要件に依存し得る。
【0068】
ここで
図6A-6Dを参照すると、本開示のいくつかの実施形態による、熱交換器600の一部が、示される。
図5A-5Eに関して上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、熱交換器600は、複数の楕円扇形状のバッフル640と、バッフル640の間に配置される第1の複数のシールストリップ650とを含んでもよい。第1の複数のシールストリップ650はそれぞれ、第1のバッフル640と、第1のバッフル640から完全360°回転である、対応する連続バッフル640との間に配置されてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップ650のそれぞれの第1の端部651が、近位半径方向縁644と遠位半径方向縁645との間で複数のバッフル640のうちの1つの遠位側647に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップ650のうちのそれぞれの第2の端部652が、近位半径方向縁644と遠位半径方向縁645との間で複数のバッフル640のうちの別のものの近位側646に結合されてもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル640の近位半径方向縁644は、熱交換器600のシェルの入口に最も近いバッフル640の半径方向縁であってもよく、各バッフル640の遠位半径方向縁645は、熱交換器600のシェルの入口から最も遠いバッフル640の半径方向縁であってもよい。同様に、1つ以上の実施形態では、各バッフル640の近位側646は、熱交換器600のシェルの入口に最も近いバッフル640の側面であってもよく、遠位側647は、熱交換器600のシェルの入口から最も遠い各バッフル640の側面であってもよい。
【0069】
図6Aを参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ650はそれぞれ、1つのバッフル640の遠位側647および別のバッフル640の近位側646の両方に直交して配置されてもよい。他の実施形態では、複数のシールストリップ650はそれぞれ、一方のバッフル640の近位側646および他方のバッフル640の遠位側647に対する直交からの角度(図示せず)において配置されてもよく、角度は、0°を上回る~最大80°であり得る。
【0070】
一例のみとして
図6Bを参照すると、シールストリップ650は、同一の四分円内で第1のバッフル640と第2のバッフル640との間に接続されてもよい。複数のシールストリップはそれぞれ、第1のバッフル640の近位側646に対する直交からの角度において配置されてもよく、角度は、第2のバッフル640の遠位半径方向縁645から近位半径方向縁644まで画定される方向に45°を上回る~最大80°であり得る。さらに、上記に議論されるように、他の実施形態では、角度は、0°を上回る~最大30°、15°~最大45°、または15°~最大30°のうちの1つであってもよい。複数のバッフル640のうちの連続バッフルの間の第1の流体の可能性として考えられる漏出に起因して、第1の流体流の方向は、複数のバッフル640によって形成される螺旋経路からわずかに変動し得る。さらに、第1の流体流方向の本可能性として考えられる相違に起因して、シールストリップ650の角度は、第1の複数のシールストリップ650がそれぞれ、螺旋状の第1の流体流方向に直交し得るように、変動し得る。
【0071】
一例のみとして
図6Cを参照すると、シールストリップ650は、第1の四分円内の第1のバッフル640と隣接する四分円内の第2のバッフル640との間に接続されてもよい。複数のシールストリップはそれぞれ、第1のバッフル640の近位側646に対する直交からの角度において配置されてもよく、角度は、第2のバッフル640の遠位半径方向縁645から近位半径方向縁644まで画定される方向に45°を上回る~最大80°であり得る。さらに、上記に議論されるように、他の実施形態では、角度は、第2のバッフル640の遠位半径方向縁645から近位半径方向縁644まで画定される方向に0°を上回る~最大30°、15°~最大45°、または15°~最大30°のうちの1つであってもよい。複数のバッフル640のうちの連続バッフルの間の第1の流体の可能性として考えられる漏出に起因して、第1の流体流の方向は、複数のバッフル640によって形成される螺旋経路からわずかに変動し得る。さらに、第1の流体流方向の本可能性として考えられる相違に起因して、シールストリップ650の角度は、第1の複数のシールストリップ650がそれぞれ、螺旋状の第1の流体流方向に直交し得るように、変動し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、いくつかのシールストリップ650が、
図6Bに図示されるように、同一の四分円内のバッフル640の間に接続されてもよい一方、他のシールストリップ650は、
図6Cに図示されるように、隣接する四分円内のバッフル640の間に接続されてもよい。
【0073】
図6A-6Cに示される実施形態は、1つのバッフル640と別のバッフル640との間で同一の角度において全て配置される、複数のシールストリップ650を含んでもよいが、
図6Cを参照すると、1つ以上の実施形態では、シールストリップ650は、熱交換器内に異なる角度(図示せず)において配置されてもよい。換言すると、
図6Cを参照すると、1つ以上の実施形態では、複数のシールストリップ650のうちの1つのシールストリップ650aが、1つのバッフル640の遠位側647および別のバッフル640の近位側646の両方に直交して配置されてもよく、複数のシールストリップ650のうちの別のシールストリップ650bが、一方のバッフル640の近位側646および他方のバッフル640の遠位側647に対する直交からの角度において配置されてもよく、角度は、0°を上回る~最大80°であり得る。したがって、1つ以上の実施形態では、シールストリップ650の全てが、同一の角度配置を伴ってバッフルの間に配置されてもよい一方、他の実施形態では、異なる角度配置のシールストリップ650の組み合わせが、使用されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の角度配置のシールストリップ650aが、縦軸を中心とした最初の数回の回転のバッフル640の間で使用されてもよく、第2の角度配置のシールストリップ650bが、縦軸を中心とした残りの回転のバッフル640の間で使用されてもよい一方、他の実施形態では、第1の角度配置のシールストリップ650aおよび第2の角度配置のシールストリップ650bの異なるパターンが、使用されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、2つを上回る角度配置のシールストリップが、異なるパターンで熱交換器の全体を通して使用されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップおよびその間にシールストリップが配列される四分円の両方の角度配置が、熱交換器内で変動し得る。
【0074】
ここで
図7を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器700の一部が、示される。1つ以上の実施形態では、熱交換器700は、それを通して第1の流体が通過される、シェル(図示せず)と、それを通して第2の流体が通過される、複数の軸方向に延在する管730と、複数の楕円扇形状のバッフル740と、バッフル740の間に配置される、第1の複数のシールストリップ750とを含んでもよい。シェルは、その間で第1の流体がシェル内に通過し得る、入口(図示せず)と、出口(図示せず)とを含んでもよい。さらに、複数の管730、複数のバッフル740、および第1の複数のシールストリップ750は、シェル内に配置されてもよい。
【0075】
図7を参照すると、上記に議論される熱交換器と同様に、1つ以上の実施形態では、複数のバッフル740は、連続バッフル740がシェルの縦軸(図示せず)に対して法線である線からの角度において位置付けられるように、配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、バッフル740は、縦軸を中心として結合されてもよく、連続バッフル740は、螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続バッフル740の間の回転オフセットは、1つのバッフル740の少なくとも近位半径方向縁744が、縦方向に隣接するバッフル740の遠位半径方向縁745に重複するようなものであってもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル740の近位半径方向縁744は、熱交換器700のシェルの入口に最も近いバッフル740の半径方向縁であってもよく、各バッフル740の遠位半径方向縁745は、熱交換器700のシェルの入口から最も遠いバッフル740の半径方向縁であってもよい。さらに、上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、それを中心としてバッフル740が配置される、縦軸を中心とした360°回転あたり等しい数のバッフル740が存在し得る。
【0076】
依然として
図7を参照すると、1つ以上の実施形態では、バッフル740は、楕円扇形状であり得る。バッフル740はそれぞれ、外側円周方向縁743を有してもよく、各外側円周方向縁743は、隣接するバッフル740の外側円周方向縁743から離間されてもよい。バッフル740はそれぞれ、また、楕円扇形状のバッフル740が、外側円周方向縁743、近位半径方向縁744、および遠位半径方向縁745によって画定されるように、外側円周方向縁743の一方の端部における近位半径方向縁744と、外側円周方向縁743の他方の端部における遠位半径方向縁745とを含んでもよい。さらに、バッフル740はそれぞれ、相互の反対側にある近位側746および遠位側747、ならびに近位側746から遠位側747までバッフル740を通して延在する、複数の離間された孔(図示せず)を有してもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル740の近位側746は、熱交換器700のシェルの入口に最も近いバッフル740の側面であってもよく、遠位側747は、熱交換器700のシェルの入口から最も遠い各バッフル740の側面であってもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、複数の軸方向に延在する管730のうちの1つの管730は、バッフル740内の孔を通して通過してもよい。したがって、上記に議論されるように、複数の管730は、熱交換器700の全長に沿って軸方向に延在してもよく、管730はそれぞれ、管730の長さに沿って等しく離間される複数のバッフル740によって支持されてもよい。さらに、孔のそれぞれの中に配置される、管730のそれぞれの外径の間の距離は、複数の管730の全体を横断して一貫性があり得る。
【0077】
さらに、
図7を参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750が、それぞれ、第1のバッフル740と、第1のバッフル740から完全360°回転である、対応する連続バッフル740との間に配置されてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップ750はそれぞれ、複数の管730とシェルの内側表面の直径との間に半径方向に配置されてもよい。上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750はそれぞれ、第1のバッフル740および対応する連続バッフル740のそれぞれに結合されてもよい。1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750は、第1の複数のシールストリップ750がそれぞれ、熱交換器700のシェル内で螺旋状の第1の流体流方向に直交するように、配置されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750のそれぞれの第1の端部751が、近位半径方向縁744と遠位半径方向縁745との間で複数のバッフル740のうちの1つの遠位側747に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップ750のそれぞれの第2の端部752が、近位半径方向縁744と遠位半径方向縁745との間で複数のバッフル740のうちの別のものの近位側746に結合されてもよい。
【0078】
上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750はそれぞれ、1つのバッフル740の遠位側747および別のバッフル740の近位側746の両方に直交して配置されてもよい。さらに、他の実施形態では、複数のシールストリップ750はそれぞれ、一方のバッフル740の近位側746および他方のバッフル740の遠位側747に対する直交からの角度(図示せず)において配置されてもよく、角度は、0°を上回る~最大80°であり得る。さらなる実施形態では、角度は、0°を上回る~最大30°、15°~最大45°、45°~最大80°、または15°~最大30°のうちの1つであってもよい。複数のバッフル740のうちの連続バッフルの間の第1の流体の可能性として考えられる漏出に起因して、第1の流体流の方向は、複数のバッフル740によって形成される螺旋経路からわずかに変動し得る。さらに、第1の流体流方向の本可能性として考えられる相違に起因して、シールストリップ750の角度は、第1の複数のシールストリップ750がそれぞれ、螺旋状の第1の流体流方向に直交し得るように、変動し得る。バッフル740は、四分円内に配列されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ750は、同一の四分円内に位置するバッフル740の間に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ750は、隣接する四分円内に位置するバッフル740の間に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ750は、同一の四分円内に位置するバッフル740および隣接する四分円内に位置するバッフル740の両方の間に接続されてもよい。
【0079】
さらに、
図7を参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750はそれぞれ、
図5A-5Eおよび6A-6Dに関して上記に説明されるような第1の複数のシールストリップに実質的に類似する構造を有してもよい。したがって、第1の複数のシールストリップ750は、曲線内側表面と、曲線外側表面とを有してもよい。1つ以上の実施形態では、各シールストリップ750の曲線外側表面は、シェルの内側表面に略近接して配置されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、シールストリップ750のうちの1つ以上のものの曲線外側表面は、シェルの内側表面に接触してもよい。加えて、シールストリップ750の曲線外側表面の曲率は、形状が楕円形であり得、シェルの内側表面の曲率に合致し得る。
【0080】
さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750のそれぞれの曲線内側表面の曲率は、形状が楕円形であり得、内側表面の曲率は、第1の複数のシールストリップ750のそれぞれの外側表面の曲率と異なり得る。換言すると、1つ以上の実施形態では、各シールストリップ750の内側表面の曲率は、シールストリップ750の半径方向幅を引いたシェルの内側表面の直径に等しい直径を伴う想像上の円筒の曲率に合致し得る。さらに、第1の複数のシールストリップ750のそれぞれの内側表面は、ある距離によって、複数の軸方向に延在する管730のうちの最も近い管730の外径から離間されてもよい。シールストリップ750の内側表面と最も近い管730の外径との間の距離は、2つの隣接する管730の外径の間の距離に等しくあり得る。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750は、第1の流体流の方向にシェルに直交する線からの角度によって外側表面から内側表面まで角度付けられてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップ750は、シェルの内側表面の直径に応じて変動する厚さを有してもよい。
【0081】
依然として
図7を参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ750のうちの少なくとも1つは、バッフル740の近位側746に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップ750のうちの少なくとも1つは、バッフル740の遠位側747に結合されてもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、複数のバッフル740のそれぞれの遠位側747に結合される、第1の複数のシールストリップ750はそれぞれ、熱交換器700のシェルの縦軸と平行である方向に、複数のバッフル740のそれぞれの近位側746に結合される、第1の複数のシールストリップ750のそれぞれと縦方向に整合されてもよい。上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、バッフル740と、バッフル740から完全360°回転である、対応する連続バッフル740との間に配置される、第1の複数のシールストリップ750の数は、複数のバッフル740の中の全てのバッフル740に関して等しくあり得、したがって、縦軸を中心とした360°回転あたりの第1の複数のシールストリップ750の数は、縦軸を中心とした360°回転あたりのバッフル740の数の倍数であってもよい。
【0082】
ここで
図8を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器800の一部が、示される。1つ以上の実施形態では、熱交換器800は、それを通して第1の流体が通過される、シェル(図示せず)と、それを通して第2の流体が通過される、複数の軸方向に延在する管830と、複数の楕円扇形状のバッフル840と、バッフル840の間に配置される、第1の複数のシールストリップ850と、バッフル840の間に配置される、第2の複数のシールストリップ860とを含んでもよい。シェルは、その間で第1の流体がシェル内に通過し得る、入口(図示せず)と、出口(図示せず)とを含んでもよい。さらに、複数の管830、複数のバッフル840、第1の複数のシールストリップ850、および第2の複数のシールストリップ860は、シェル内に配置されてもよい。
【0083】
依然として
図8を参照すると、上記に議論される熱交換器と同様に、1つ以上の実施形態では、複数のバッフル840は、連続バッフル840がシェルの縦軸(図示せず)に対して法線である線からの角度において位置付けられるように、配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、バッフル840は、縦軸を中心として結合されてもよく、連続バッフル840は、螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続バッフル840の間の回転オフセットは、1つのバッフル840の少なくとも近位半径方向縁844が、縦方向に隣接するバッフル840の遠位半径方向縁845に重複するようなものであってもよい。さらに、連続バッフル840の間の重複する近位半径方向縁844および遠位半径方向縁845の縦方向オフセットは、それを通して第1の流体流が進行することが可能であり得る、近位半径方向縁844と遠位半径方向縁845との間の間隙870を生成し得る。1つ以上の実施形態では、各バッフル840の近位半径方向縁844は、熱交換器800のシェルの入口に最も近いバッフル840の半径方向縁であってもよく、各バッフル840の遠位半径方向縁845は、熱交換器800のシェルの入口から最も遠いバッフル840の半径方向縁であってもよい。さらに、上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、それを中心としてバッフル840が配置される、縦軸を中心とした360°回転あたり等しい数のバッフル840が存在し得る。
【0084】
さらに、
図8を参照すると、1つ以上の実施形態では、バッフル840は、楕円扇形状であり得る。バッフル840はそれぞれ、外側円周方向縁843を有してもよく、各外側円周方向縁843は、隣接するバッフル840の外側円周方向縁843から離間されてもよい。バッフル840はそれぞれ、また、楕円扇形状のバッフル840が、外側円周方向縁843、近位半径方向縁844、および遠位半径方向縁845によって画定されるように、外側円周方向縁843の一方の端部における近位半径方向縁844と、外側円周方向縁843の他方の端部における遠位半径方向縁845とを含んでもよい。さらに、バッフル840はそれぞれ、相互の反対側にある近位側846および遠位側847、ならびに近位側846から遠位側847までバッフル840を通して延在する、複数の離間された孔(図示せず)を有してもよい。1つ以上の実施形態では、各バッフル840の近位側846は、熱交換器800のシェルの入口に最も近いバッフル840の側面であってもよく、遠位側847は、熱交換器800のシェルの入口から最も遠い各バッフル840の側面であってもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、複数の軸方向に延在する管830のうちの1つの管830は、バッフル840内の孔のそれぞれを通して通過してもよい。したがって、上記に議論されるように、複数の管830は、熱交換器800の全長に沿って軸方向に延在してもよく、管830はそれぞれ、管830の長さに沿って等しく離間される複数のバッフル840によって支持されてもよい。さらに、孔のそれぞれの中に配置される、管830のそれぞれの外径の間の距離は、複数の管830の全体を横断して一貫性があり得る。
【0085】
さらに、
図8を参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850が、それぞれ、第1のバッフル840と、第1のバッフル840から完全360°回転である、対応する連続バッフル840との間に配置されてもよい。さらに、第1の複数のシールストリップ850はそれぞれ、複数の管830とシェルの内側表面の直径との間に半径方向に配置されてもよい。上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850はそれぞれ、第1のバッフル840および対応する連続バッフル840のそれぞれに結合されてもよい。1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850は、第1の複数のシールストリップ850がそれぞれ、熱交換器800のシェル内で螺旋状の第1の流体流方向に直交するように、配置されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850のそれぞれの第1の端部851が、近位半径方向縁844と遠位半径方向縁845との間で複数のバッフル840のうちの1つの遠位側847に結合され、第1の複数のシールストリップ850のそれぞれの第2の端部852が、近位半径方向縁844と遠位半径方向縁845との間で複数のバッフル840のうちの別のものの近位側846に結合される。
【0086】
上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850はそれぞれ、1つのバッフル840の遠位側847および別のバッフル840の近位側846の両方に直交して配置されてもよい。さらに、他の実施形態では、複数のシールストリップ850はそれぞれ、1つのバッフル840の近位側846および別のバッフル850の遠位側847に対する直交からの角度(図示せず)において配置されてもよく、角度は、0°を上回る~最大80°であり得る。さらなる実施形態では、角度は、0°を上回る~最大30°、15°~最大45°、45°~最大80°、または15°~最大30°のうちの1つであってもよい。複数のバッフル840のうちの連続バッフルの間の第1の流体の可能性として考えられる漏出に起因して、第1の流体流の方向は、複数のバッフル840によって形成される螺旋経路からわずかに変動し得る。さらに、第1の流体流方向の本可能性として考えられる相違に起因して、シールストリップ850の角度は、第1の複数のシールストリップ850がそれぞれ、螺旋状の第1の流体流方向に直交し得るように、変動し得る。
【0087】
バッフル740は、四分円内に配列されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ750は、同一の四分円内に位置するバッフル740の間に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ750は、隣接する四分円内に位置するバッフル740の間に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、シールストリップ750は、同一の四分円内に位置するバッフル740および隣接する四分円内に位置するバッフル740の両方の間に接続されてもよい。
【0088】
加えて、
図8を参照すると、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850はそれぞれ、
図5A-7に関して上記に説明されるような第1の複数のシールストリップに実質的に類似する構造を有してもよい。したがって、第1の複数のシールストリップ850は、曲線内側表面と、曲線外側表面とを有してもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップ850のうちの少なくとも1つは、バッフル840の近位側846に結合されてもよく、第1の複数のシールストリップ850のうちの少なくとも1つは、バッフル840の遠位側847に結合されてもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、複数のバッフル840のそれぞれの遠位側847に結合される、第1の複数のシールストリップ850はそれぞれ、熱交換器800のシェルの縦軸と平行である方向に、複数のバッフル840のそれぞれの近位側846に結合される、第1の複数のシールストリップ850のそれぞれと縦方向に整合されてもよい。さらに、上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、バッフル840と、バッフル840から完全360°回転である、対応する連続バッフル840との間に配置される、第1の複数のシールストリップ850の数は、複数のバッフル840の中の全てのバッフル840に関して等しくあり得、したがって、縦軸を中心とした360°回転あたりの第1の複数のシールストリップ850の数は、縦軸を中心とした360°回転あたりのバッフルの数の倍数であってもよい。
【0089】
依然として
図8を参照すると、第2の複数のシールストリップ860はそれぞれ、バッフル840のうちの1つの遠位半径方向縁845が連続バッフル840の近位半径方向縁844と重複する領域内のバッフル840のうちの1つの近位側846と連続バッフル840の遠位側847との間に形成される間隙870内で、バッフル840のうちの1つと連続バッフル840との間に配置されてもよい。さらに、第2の複数のシールストリップ860はそれぞれ、熱交換器800のシェルの縦軸と平行である方向にバッフル840に結合されてもよく、第2の複数のシールストリップ860は、シェルと複数の管830との間に半径方向に配置されてもよい。さらに、第2の複数のシールストリップ860はそれぞれ、複数のバッフル840のうちの1つの遠位側847の近位半径方向縁844に近接して結合され得る、第1の端部861と、複数のバッフルのうちの別のものの近位側846の遠位半径方向縁845に近接して結合され得る、第2の端部862を有してもよい。加えて、1つ以上の実施形態では、第2の複数のシールストリップ860はそれぞれ、内側表面863および外側表面864を伴って台形状であり得る。第2の複数のシールストリップ860のそれぞれの内側表面863は、複数の軸方向に延在する管830のうちの2つの隣接する管830の外径の間の距離に等しくあり得る距離によって、複数の軸方向に延在する管830のうちの最も近い管830の外径から離間されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、バッフル840の間の重複の領域によって形成される間隙870内のバッフル840と連続バッフル840との間に配置される、第2の複数のシールストリップ860の数は、縦軸を中心とした360°回転あたりのバッフルの数に等しくあり得る。
【0090】
ここで
図9を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器900が、示される。
図9は、螺旋の間に上記に説明されるようなストリップを含み得る、二重螺旋流パターンを有する熱交換器を図示する。ストリップは、流動パターンの理解を容易にするために図示されていないが、下記の説明は、ストリップを包含し、ストリップが複数の螺旋流路を有する熱交換器の中に組み込まれ得る方法を例証する。
【0091】
1つ以上の実施形態では、熱交換器900は、それを通して第1の流体が通過される、シェル920と、それを通して第2の流体が通過される、複数の軸方向に延在する管(図示せず)と、第1の複数の楕円扇形状のバッフル940と、第1の複数のバッフル940から縦方向にオフセットされる、第2の複数の楕円扇形状のバッフル980と、第1のバッフル940と第2のバッフル980との間にそれぞれ配置される、第1の複数のシールストリップ(図示せず)と、バッフル940の間に配置される、第2の複数のシールストリップ960とを含んでもよい。シェルは、その間で第1の流体がシェル内に通過し得る、入口928と、出口(図示せず)とを含んでもよい。さらに、複数の管、第1の複数のバッフル940、第2の複数のバッフル980、第1の複数のシールストリップ、および第2の複数のシールストリップは、シェル920内に配置されてもよい。
【0092】
依然として
図9を参照すると、上記に議論される熱交換器と同様に、1つ以上の実施形態では、第1の複数のバッフル940は、連続的な第1のバッフル940がシェル920の縦軸921に対して法線である線からの角度において位置付けられるように、配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、第1の複数のバッフル940は、縦軸920を中心として結合されてもよく、連続的な第1のバッフル940は、螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続的な第1のバッフル940の間の回転オフセットは、1つの第1のバッフル940の少なくとも第1の半径方向縁(図示せず)が、縦方向に隣接する第1のバッフル940の第2の半径方向縁(図示せず)に重複するようなものであってもよい。さらに、連続的な第1のバッフル940の間の重複する第1の半径方向縁および第2の半径方向縁の縦方向オフセットは、それを通して第1の流体流が進行することが可能であり得る、第1の半径方向縁と第2の半径方向縁との間の間隙を生成し得る。さらに、上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、それを中心として第1の複数のバッフル940が配置される、縦軸921を中心とした360°回転あたり等しい数の第1の複数のバッフル940が存在し得る。
【0093】
同様に、第2の複数のバッフル980は、連続的な第2のバッフル980がシェル920の縦軸921に対して法線である線からの角度において位置付けられるように、配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、第2の複数のバッフル980は、縦軸920を中心として結合されてもよく、連続的な第2のバッフル980は、第1の複数のバッフル940の螺旋パターンと実質的に同じ螺旋パターンが形成されるように、相互から回転して縦方向にオフセットされてもよい。連続的な第2のバッフル980の間の回転オフセットは、1つの第2のバッフル980の少なくとも第1の半径方向縁(図示せず)が、縦方向に隣接する第2のバッフル980の第2の半径方向縁(図示せず)に重複するようなものであってもよい。さらに、連続的な第2のバッフル980の間の重複する第1の半径方向縁および第2の半径方向縁の縦方向オフセットは、第1のバッフル940の縦方向オフセットと同一であり得、それを通して第1の流体流が進行することが可能であり得る、第1の半径方向縁と第2の半径方向縁との間の同一の間隙を生成し得る。さらに、上記に議論されるように、1つ以上の実施形態では、それを中心として第2の複数のバッフル980が配置される、縦軸921を中心とした360°回転あたり等しい数の第2の複数のバッフル980が存在し得る。加えて、第2の複数のバッフル980は、第1のバッフル920の連続回転の間の流路が、2つの別個の流路に分離されるように、第1の複数のバッフル940から縦方向にオフセットされてもよい。1つ以上の実施形態では、第2の複数のバッフルは、相互から360°回転である第1のバッフル940の間の距離の半分によって、第1の複数のバッフルから縦方向にオフセットされてもよい。
【0094】
さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のバッフル940および第2の複数のバッフル980はそれぞれ、楕円扇形状であり得る。バッフル940、980はそれぞれ、外側円周方向縁(図示せず)を有してもよく、各外側円周方向縁は、隣接するバッフル940、980の外側円周方向縁から離間されてもよい。バッフル940、980はそれぞれ、また、楕円扇形状のバッフル940、980が、外側円周方向縁、第1の半径方向縁、および第2の半径方向縁によって画定されるように、外側円周方向縁の一方の端部における第1の半径方向縁と、外側円周方向縁の他方の端部における第2の半径方向縁とを含んでもよい。さらに、バッフル940、980はそれぞれ、相互の反対側にある第1の側面(図示せず)および第2の側面(図示せず)、ならびに第1の側面から第2の側面までバッフル940、980を通して延在する、複数の離間された孔(図示せず)を有してもよい。1つ以上の実施形態では、各第1のバッフル940は、各第1のバッフル940の孔が、隣接する第2のバッフル980の孔と整合し、複数の軸方向に延在する管のうちの1つの管が、バッフル940、980内の孔のそれぞれを通して通過し得るように、隣接する第2のバッフル980と整合されてもよい。したがって、上記に議論されるように、複数の管は、熱交換器900の全長に沿って軸方向に延在してもよく、管のそれぞれは、第1の複数のバッフル940および第2の複数のバッフル980のそれぞれのうちの複数のバッフルによって支持されてもよい。さらに、孔のそれぞれの中に配置される、管のそれぞれの外径の間の距離は、複数の管の全体を横断して一貫性があり得る。
【0095】
さらに、1つ以上の実施形態では、第1の複数のシールストリップがそれぞれ、第1の複数のバッフル940のうちの第1のバッフルと、第1の複数のバッフル940のうちの第1のバッフルと整合される、第2の複数のバッフル940のうちの対応する隣接バッフルとの間に配置されてもよい。換言すると、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、第1の複数のバッフル940のうちの1つの第1の側面および第2の側面のうちの1つと、第2の複数のバッフル980のうちの1つの対応する第1の側面または第2の側面との間に結合されてもよい。加えて、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、他の実施形態に関して上記に説明されるような熱交換器900のシェル920内に配置されてもよく、第1の複数のシールストリップはそれぞれ、他の実施形態に関して上記に説明されるような第1の複数のシールストリップと実質的に類似する構造を有してもよい。さらに、第2の複数のシールストリップはそれぞれ、バッフル940、980のうちの1つの第1の半径方向縁が連続バッフル940、980の第2の半径方向縁と重複する領域内のバッフル940、980のうちの1つの第1の側面と連続バッフル940、980の第2の側面との間に形成される間隙内で、第1の複数のバッフル940のうちの1つと第1の複数のバッフル940のうちの連続バッフルとの間に、かつ第2の複数のバッフル980のうちの1つと第2の複数のバッフル980のうちの連続バッフルとの間に配置されてもよい。さらに、第2の複数のシールストリップはそれぞれ、他の実施形態に関して上記に説明されるような熱交換器900のシェル920内に配置されてもよく、第2の複数のシールストリップはそれぞれ、他の実施形態に関して上記に説明されるような第2の複数のシールストリップと実質的に類似する構造を有してもよい。
【0096】
本明細書に開示される実施形態はまた、熱交換器を組み立てる方法も対象とする。本方法は、縦軸を有する中心ロッドを提供するステップと、螺旋パターンが複数のバッフルによって形成されるように、中心ロッドの縦軸に対する角度において複数の楕円扇形状のバッフルを中心ロッドに搭載するステップとを含んでもよい。複数のバッフルはそれぞれ、残りの複数のバッフルの外側円周方向縁位置から縦方向に離間される、外側円周方向縁と、遠位半径方向縁から離間される、近位半径方向縁と、遠位側から反対側の近位側と、複数の離間された孔とを含んでもよい。複数の軸方向に延在する管は、複数のバッフルのそれぞれの複数の離間された孔の中に配置されてもよく、複数の軸方向に延在する管は、第2の流体を運搬するように構成される。
【0097】
本方法はさらに、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部を有する、第1の複数のシールストリップを結合するステップ含んでもよい。第1の複数のシールストリップを結合するステップは、第1の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を複数のバッフルのうちの1つの遠位側に結合するステップと、第1の複数のシールストリップのうちのそれぞれの第2の端部を複数のバッフルのうちの別のものの近位側に結合するステップとを含んでもよい。第1の複数のシールストリップはそれぞれ、複数のバッフルのうちの1つの遠位側および複数のバッフルのうちの他方のものの近位側の両方に直交して、または複数のバッフルのうちの1つの近位側および複数のバッフルのうちの別のものの遠位側に対する直交からの角度においてのいずれかで、配置され、角度は、0°を上回る~最大80°である。組み立てられた中心ロッド、複数のバッフル、複数の軸方向に延在する管、および第1の複数のシールストリップは、次いで、第1の流体を受容するように構成されるシェル内に配置されてもよい。
【0098】
結合された第1の複数のシールストリップは、内径と、外径とを有する。第1の複数のシールストリップを結合するステップは、複数のバッフルのうちの1つの近位半径方向縁から遠位半径方向縁まで画定される方向に、シェルに対する直交からの角度によって、外径から内径まで結合された第1の複数のシールストリップを角度付けるステップを含んでもよい。
【0099】
第1の複数のシールストリップを結合するステップはさらに、複数の軸方向に延在する管のうちの2つの隣接する管の外径の間の距離に等しい距離によって、複数の軸方向に延在する管のうちの最も近い管の外径から第1の複数のシールストリップのそれぞれの内径を離間させるステップを含んでもよい。第1の複数のシールストリップを結合するステップはまた、複数のバッフルのそれぞれの近位側に結合される複数のシールストリップのそれぞれから、複数のバッフルのそれぞれの遠位側に結合される第1の複数のシールストリップのそれぞれを回転してオフセットするステップを含んでもよい。
【0100】
組立の方法はまた、いくつかの実施形態では、シェルと複数の軸方向に延在する管との間に半径方向に、第1の端部および第2の端部を有する、第2の複数のシールストリップを結合するステップを含んでもよい。第2の複数のシールストリップを結合するステップは、第2の複数のシールストリップのそれぞれの第1の端部を複数のバッフルのうちの1つの遠位側の遠位半径方向縁に結合するステップと、第2の複数のシールストリップのそれぞれの第2の端部を複数のバッフルのうちの別のものの近接側の近位半径方向縁に結合するステップとを含んでもよく、第2の複数のシールストリップはそれぞれ、シェルの縦軸と平行に延在する。
【0101】
シールストリップが、第1の流体の流動の方向に直交するように、複数のバッフルのそれぞれに直交して配置されるシールストリップを有する、本開示の1つ以上の実施形態による、熱交換器は、従来の熱交換器および他の螺旋状バッフル付き熱交換器と比べて、多くの利益を提供する。例えば、バッフルのそれぞれに直交して配置されるシールストリップは、熱交換器の全長にわたって、熱交換器の縦軸と平行に配置されるシールストリップを含む熱交換器よりも低い圧力降下を可能にし得る。さらに、一例として、第1の流体流の方向に直交して、かつ第1の流体流が第2の流体を運搬する複数の管に向かって戻るように指向されるような角度において配置される、シールストリップは、熱交換器の縦軸と平行に配置されるシールストリップよりも少ない第1の流体が、複数の管を迂回することを可能にし得る。さらに、一例として、1つ以上の実施形態では、熱交換器の長さに沿って複数のシールストリップを半径方向にオフセットすることは、局所熱伝達向上をより多数の複数の管に提供することを可能にし得る。加えて、一例として、バッフルの第1および第2の半径方向縁に隣接して配置される第2の複数のシールストリップは、重複するバッフルの周囲で漏出することによって、より少ない第1の流体が螺旋流路から退出することを可能にし得る。したがって、1つ以上の実施形態による、熱交換器は、従来の熱交換器および他の螺旋状バッフル付き熱交換器のものと比較して、より低い製造のコストおよびより低い維持のコストに加えて、熱伝達の向上した効率を可能にし得る。
【0102】
いくつかの驚くべき結果が、本開示の実施形態に関して留意される。第1に、実験は、本明細書に開示されるように配列されない、従来のシールストリップが、熱伝達に直接効果を殆ど及ぼさないことを示している。このように、それらは、それらが追加される熱交換器の効率を有意に改良しない。実際、これらの実験は、従来のシールストリップが、シールストリップを伴わない同一の熱交換器と比較したときに、熱交換器内で有意な圧力降下を引き起こし得ることを示している。圧力降下は、熱交換器内の熱伝達の効率を低減させ得る。従来技術が、流体が管束を迂回しないように防止することによって、任意のシールストリップが熱交換器の性能を改良することを教示するため、本結果は、予想外である。しかしながら、現在の所見は、本明細書の実施形態に従って配列されるシールストリップが熱交換器の性能を改良し得ることを示す。
【0103】
ここで
図10を参照すると、3つの熱交換器、すなわち、(1)シールストリップを伴わない熱交換器(三角)、(2)各バッフル内の個別の貫通孔を通して配置される、交換器の長さに延在する4つの縦方向シールストリップを含む、熱交換器(四角)、および(3)シールストリップが熱交換器を通して流体の螺旋流を促す様式で流動を指向する、角度付きシールストリップを含む、熱交換器(丸)の熱交換器性能が、比較される。底軸上のレイノルズ数、左軸上の圧力降下変換比、および右軸上のペクレ数を含む、実験データが、示される。示されるように、流体流の所与のレイノルズ数に関して、圧力降下変換比およびペクレ数は、本明細書の実施形態に従って配列されるシールストリップに関して改良し、熱伝達への圧力降下の変換のより高い効率を示す。
【0104】
第2に、実験は、流体流を占有するように接続される、すなわち、本明細書に教示されるものと逆に接続される、シールストリップが、熱伝達を有意に低減させ得ることを示している。いくつかの実験では、これらのシールストリップは、シールストリップを伴わない熱交換器に対して60%も熱伝達を低減させた。これは、任意のタイプのシールが迂回を防止し、それによって、熱伝達を改良することが予期されるため、驚くべきものである。しかしながら、これらの結果は、熱交換器内の熱伝達を改良するために、迂回が防止されなければならないだけではなく、有意な圧力降下も回避されなければならないことを実証する。故に、本明細書に教示されるシールストリップの具体的配列および配向は、改良された熱伝達を達成する際に重要である。
【0105】
第3に、実験は、本明細書に開示されるように接続されるシールストリップが、有意な圧力降下を引き起こすことなく熱伝達を増加させ得ることを示している。これらのシールストリップは、熱交換器を通して流体の螺旋流を促すように接続される。これは、任意のシールが約30%~50%の圧力降下不利益を引き起こすことを従来技術が教示するため、予想外である。したがって、本開示の結果は、対応する圧力降下の増加を伴わずに改良された熱伝達を提供するため、従来技術に基づいて予期されたであろうよりも有意に肯定的である。
【0106】
本発明は、限定数の実施形態に関して説明されたが、本開示の利益を有する当業者は、本明細書に開示されるような本発明の範囲から逸脱しない他の実施形態も考案され得ることを理解するであろう。故に、本発明の範囲は、添付の請求項のみによって限定されるべきである。
【国際調査報告】