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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】自動焦点調整付き家庭用OCT
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573144
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2020053171
(87)【国際公開番号】W WO2020250048
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】16/439,587
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315013021
【氏名又は名称】ノータル ビジョン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】パスカル,アミット
(72)【発明者】
【氏名】ゴーレン-グラッツヤーニ,ギドン
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB03
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA04
4C316FA06
4C316FA08
4C316FA18
4C316FC04
4C316FY01
(57)【要約】
網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムは、ユーザの網膜上にサンプルアーム光ビームを集束させるためにユーザ固有の焦点補正を適用する。OCT画像検出器は、OCT信号を生成する。制御ユニットは、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために基準アーム光路長調整機構を制御し、サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、前記OCTシステムは、
光ビームを放出する広帯域幅光源と、
前記光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割し、再結合光ビームを形成するために前記基準アーム光ビームを前記サンプルアーム光ビームの戻り部分と再結合させる、ビームスプリッタと、
前記基準アーム光ビームが伝播する基準アーム光路と、
前記基準アーム光路の長さを変化させるように動作可能な基準アーム光路長調整機構と、
前記サンプルアーム光ビームおよび前記サンプルアーム光ビームの前記戻り部分が伝播するサンプルアーム光路と、
前記サンプルアーム光路上に設けられた対物レンズと、
前記サンプルアーム光路が前記網膜まで延びるように、前記ユーザの頭部を拘束するように構成されたビューアアセンブリと、
前記サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元で前記サンプルアーム光ビームを走査する走査ユニットと、
前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように制御可能なサンプルアーム光ビーム焦点機構と、
前記再結合光ビームのためのOCT信号を生成するOCT画像検出器と、
前記網膜を介して前記ユーザによって視認可能な固視標を表示する表示デバイスと、
前記網膜上の前記固視標の画像の焦点を変化させるように制御可能な表示デバイス焦点機構と、
前記OCT画像検出器、前記表示デバイス焦点機構、前記基準アーム光路長調整機構、および前記サンプルアーム光ビーム焦点機構に動作可能に接続された制御ユニットであって、前記制御ユニットは、
前記OCT信号を監視し、
前記OCT信号が前記網膜のOCT画像に対応する前記基準アーム光路の長さを識別するために、前記基準アーム光路の長さを変化させるように前記基準アーム光路長調整機構を制御し、
前記サンプルアーム光ビームへの適用のために、前記OCT信号に基づいて、前記ユーザの焦点補正を識別するために、前記OCT信号が前記網膜の前記OCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さを維持しながら、ある範囲にわたって前記サンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させ、
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された前記ユーザの識別された前記焦点補正に基づいて前記表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定し、
前記表示デバイス焦点機構の前記焦点設定で動作するように前記表示デバイス焦点機構を制御する
ように構成されている、制御ユニットと
を備えるOCTシステム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、前記ユーザの識別された前記焦点補正に対応する前記表示デバイス焦点機構の前記焦点設定を決定するために、ルックアップデータテーブルを使用する、請求項1に記載のOCTシステム。
【請求項3】
前記表示デバイス焦点機構は、前記表示デバイスに対して再配置可能な表示デバイスフォーカスレンズを備え、
前記表示デバイス焦点機構の前記焦点設定は、前記表示デバイスに対する前記表示デバイスフォーカスレンズのそれぞれの位置に対応する
請求項1に記載のOCTシステム。
【請求項4】
前記表示デバイス焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記固視標の前記画像の前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項1に記載のOCTシステム。
【請求項5】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項4に記載のOCTシステム。
【請求項6】
前記ビューアアセンブリは、前記ユーザの頭部を拘束し、前記網膜と前記対物レンズとの間の距離を画定するために、前記ユーザの顔特徴と係合し、
前記対物レンズと前記網膜との間の前記距離は、前記OCTシステムまたは前記OCTシステムのオペレータによって制御されない
請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、
前記OCT信号が前記網膜のOCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さの識別、および
前記ユーザの前記焦点補正の識別
のうちの少なくとも1つを達成するために、画像処理手法を使用して処理されるOCT画像を生成するために前記OCT信号を処理する、請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項8】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、前記ビームスプリッタと前記走査ユニットとの間の前記サンプルアーム光路上に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項9】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、請求項8に記載のOCTシステム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、
前記基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な前記基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって前記基準アーム光路の前記長さを変化させるように前記基準アーム光路長調整機構を制御し、
前記基準アーム光路長の候補長を決定し、前記候補長の各々は、前記OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され、
前記OCT信号が前記網膜の前記OCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さとなる前記OCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する前記候補長のうちの1つを選択する
請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項11】
前記基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な前記基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ前記範囲は、50mm以下をカバーする、請求項10に記載のOCTシステム。
【請求項12】
瞳孔カメラと、
瞳孔撮像光路と、
瞳孔照明光源と、
前記瞳孔撮像光路を前記サンプルアーム光路に結合するためのダイクロイックミラーと
を備え、
前記制御ユニットは、前記瞳孔カメラに動作可能に結合されており、
前記制御ユニットは、前記ユーザの瞳孔が開いて前記サンプルアーム光路と位置合わせされているか否かを検出するために前記瞳孔カメラの出力を処理し、
前記基準アーム光路の前記長さは、前記ユーザの瞳孔が開いて前記サンプルアーム光路と位置合わせされている間にのみ変化する
請求項11に記載のOCTシステム。
【請求項13】
瞳孔カメラと、
瞳孔撮像光路と、
瞳孔照明光源と、
前記瞳孔撮像光路を前記サンプルアーム光路に結合するためのダイクロイックミラーと
を備え、
前記制御ユニットは、前記瞳孔カメラに動作可能に結合されており、
前記制御ユニットは、前記ユーザの瞳孔が開いて前記サンプルアーム光路と位置合わせされているか否かを検出するために前記瞳孔カメラの出力を処理し、
前記基準アーム光路の前記長さは、前記ユーザの瞳孔が開いて前記サンプルアーム光路と位置合わせされている間にのみ変化する
請求項10に記載のOCTシステム。
【請求項14】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項15】
aスキャンの積分時間が50マイクロ秒を超える、請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項16】
対物レンズおよび第2のレンズを含む望遠鏡アセンブリを備え、前記対物レンズおよび前記第2のレンズの各々は、前記サンプルアーム光路上に固定位置を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項17】
ユーザの網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、前記OCTシステムは、
光ビームを放出する光源と、
前記光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割するビームスプリッタと、
前記基準アーム光ビームが伝播する基準アーム光路と、
前記基準アーム光路の長さを変化させるように動作可能な基準アーム光路長調整機構と、
前記サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元で前記サンプルアーム光ビームを走査する走査ユニットと、
前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように制御可能なサンプルアーム光ビーム焦点機構と、
OCT信号を生成するOCT画像検出器と、
前記OCT画像検出器および前記サンプルアーム光ビーム焦点機構に動作可能に接続された制御ユニットであって、前記制御ユニットは、
前記OCT信号を監視し、
前記サンプルアーム光ビームへの適用のために、前記OCT信号に基づいて、前記ユーザの焦点補正を識別するために、ある範囲にわたって前記サンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させ、
前記基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な前記基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって前記基準アーム光路の前記長さを変化させるように前記基準アーム光路長調整機構を制御し、
前記基準アーム光路長の候補長を決定し、前記候補長の各々は、前記OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され、
前記OCT信号が前記網膜の前記OCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さとなる前記OCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する前記候補長のうちの1つを選択する
ように構成されている、制御ユニットと、
を備えるOCTシステム。
【請求項18】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、前記ビームスプリッタと前記走査ユニットとの間に設けられる、請求項17に記載のOCTシステム。
【請求項19】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、請求項18に記載のOCTシステム。
【請求項20】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、請求項17から19のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項21】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項17から19のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【請求項22】
OCTシステムを用いてユーザの網膜を撮像する方法であって、前記方法は、
広帯域光源から光ビームを放出するステップと、
前記光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割するステップと、
前記サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用するために、サンプルアーム光ビーム焦点機構を通じて前記サンプルアーム光ビームを伝播させるステップと、
走査ユニットによって、走査された前記サンプルアーム光ビームを生成するために、前記サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元で前記サンプルアーム光ビームを走査するステップと、
対物レンズを通じて前記走査されたサンプルアーム光ビームを伝播させるステップと、
前記走査されたサンプルアーム光ビームが前記網膜に入射するように、ビューアアセンブリによって前記ユーザの頭部を拘束するステップと、
基準アーム光ビーム光路上で前記基準アーム光ビームを伝播させるステップと、
再結合光ビームを生成するために、前記走査されたサンプルアーム光ビームの戻り部分と前記基準アーム光ビームとを再結合させるステップと、
前記再結合光ビームをOCT画像検出器に伝播させるステップと、
前記OCT画像検出器によって、前記再結合光ビームのためのOCT信号を生成するステップと、
制御ユニットによって前記OCT信号を監視するステップと、
前記制御ユニットによって、前記OCT信号が前記網膜のOCT画像に対応する前記基準アーム光路の長さを識別するために、前記基準アーム光路の前記長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御するステップと、
前記制御ユニットによって、前記サンプルアーム光ビームへの適用のために、前記OCT信号に基づいて、前記ユーザの焦点補正を識別するために、前記OCT信号が前記網膜の前記OCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さを維持しながら、ある範囲にわたって前記サンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させるステップと
を備える方法。
【請求項23】
表示デバイス焦点機構を通じて固視標を表示している表示デバイスから前記網膜まで光を伝播させるステップと、
前記制御ユニットによって、前記サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、前記ユーザの識別された前記焦点補正に基づいて、前記表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定するステップと、
前記制御ユニットによって、前記表示デバイス焦点機構の前記焦点設定で動作するように前記表示デバイス焦点機構を制御するステップと
を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記制御ユニットは、前記サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された前記ユーザの識別された前記焦点補正に基づいて前記表示デバイスの前記焦点設定を決定するために、ルックアップデータテーブルにアクセスする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記表示デバイス焦点機構は、前記表示デバイスに対して再配置可能な表示デバイスフォーカスレンズを備え、
前記表示デバイス焦点機構の前記焦点設定は、前記表示デバイスに対する前記表示デバイスフォーカスレンズのそれぞれの位置に対応する
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記表示デバイス焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記固視標の前記画像の前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ビューアアセンブリは、前記ユーザの頭部を拘束し、前記眼と前記対物レンズとの間の距離を画定するために、前記ユーザの顔特徴と係合し、
前記対物レンズと前記眼との間の前記距離は、前記OCTシステムまたは前記OCTシステムのオペレータによって制御されない
請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記制御ユニットは、
前記基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な前記基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって前記基準アーム光路の前記長さを変化させるように前記基準アーム光路長調整機構を制御し、
前記基準アーム光路長の候補長を決定し、前記候補長の各々は、前記OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され、
前記OCT信号が前記網膜の前記OCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さとなる前記OCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する前記候補長のうちの1つを選択する
請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な前記基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ前記範囲は、50mm以下をカバーする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記制御ユニットによって、前記ユーザの瞳孔が開いて前記サンプルアーム光ビームと位置合わせされているか否かを検出するために、瞳孔カメラの出力を処理するステップを備え、前記基準アーム光路の前記長さは、前記瞳孔が開いて前記サンプルアーム光ビームと位置合わせされている間にのみ変化する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記制御ユニットによって、前記ユーザの瞳孔が開いて前記サンプルアーム光ビームと位置合わせされているか否かを検出するために、瞳孔カメラの出力を処理するステップを備え、前記基準アーム光路の前記長さは、前記瞳孔が開いて前記サンプルアーム光ビームと位置合わせされている間にのみ変化する、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって前記網膜上の前記サンプルアーム光ビームの前記焦点を変化させるように動作可能である、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
aスキャンの積分時間が50マイクロ秒を超える、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記サンプルアーム光ビームは、対物レンズおよび第2のレンズを含む望遠鏡アセンブリを通じて伝播し、前記対物レンズおよび前記第2のレンズの各々は、前記望遠鏡アセンブリ内に固定位置を有する、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記制御ユニットによって、OCT画像を生成するために前記OCT信号を処理するステップと、
前記制御ユニットによって、
前記OCT信号が前記網膜のOCT画像に対応する前記基準アーム光路の前記長さの識別、および
前記ユーザの前記焦点補正の識別
のうちの少なくとも1つを達成するために、画像処理手法を使用して、前記OCT画像を処理するステップと
を備える、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月12日に出願された米国特許出願第16/439,587号明細書の利益を主張し、その全内容は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]黄斑変性は、米国における視力喪失の主な原因である。黄斑変性では、網膜の中心部(別名、黄斑)が悪化する。健康なとき、黄斑は、高度に詳細な画像を収集し、視神経を介して脳に送る。初期段階では、黄斑変性は通常、視力に大きな影響を与えない。黄斑変性が初期段階を超えて進行した場合、視覚は波打ち、および/またはぼやける。黄斑変性が増悪期まで進行すると、中心視力が失われる場合がある。
【0003】
[0003]黄斑変性は、現在は治療不可能と見なされているが、重度の視力喪失を防ぐように、疾患の進行を遅らせることが可能な治療が存在する。治療の選択肢は、抗血管新生薬の眼への注射、活発に成長している(1つまたは複数の)異常な血管を破壊するためのレーザー治療、および(1つまたは複数の)異常な血管を損傷するために光感受性薬を採用する光線力学的レーザー治療を含む。黄斑変性の早期検出は、疾患の進行を抑制するための治療に先立って黄斑変性のさらなる進行を予防する上で最重要である。進行したAMDの適時の治療は、患者の視力を維持するために重要である。
【0004】
[0004]黄斑変性の早期検出および適時の治療決定は、適切な網膜撮像システムを使用して実現することができる。たとえば、光干渉断層撮影(OCT)は、黄斑の断面画像を生成するために使用できる低コヒーレンス干渉に依存する、非侵襲的な撮像技術である。黄斑の断面図は、黄斑の層が歪んでいるか否かを示し、黄斑変性の治療の効果を評価するために、以前の断面画像と比較して黄斑の層の歪みが増加したか減少したかを監視するために使用することができる。しかしながら、既存のOCT撮像システムは、典型的には高額であり、訓練を受けた技術者によって操作しなければならない場合がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]以下では、本発明の基本的な理解を提供するために、本発明のいくつかの実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、本発明の広範な大要ではない。本発明の重要な/重大な要素を識別すること、または本発明の範囲を線引きすることは意図されない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの実施形態を簡略化された形態で提示することである。
【0006】
[0006]ユーザの網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システム、および関連する方法は、可動部のない結合光学系アセンブリ、ビューアアセンブリ、サンプルアーム光ビーム焦点機構、OCT画像検出器、および制御ユニットを採用する。ビューアアセンブリは、ユーザの網膜と結合光学系アセンブリとの間で固定距離を維持するために、ユーザの頭部を拘束するように構成されている。サンプルアーム光ビーム焦点機構は、結合光学系アセンブリから分離されている。サンプルアーム光ビーム焦点機構は、ユーザの眼の固有の集束特性を説明するように、サンプルアーム光ビームをユーザの網膜上に集束させる。制御ユニットは、サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するための範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータの変動を制御しながら、OCT画像検出器によって生成されたOCT信号を監視する。結合光学系アセンブリは可動部を有していないので、OCTシステムのコストは、可動部を有する結合光学系アセンブリを採用するOCTシステムと比較して低減される。加えて、OCTシステムは、結合光学系アセンブリと網膜との間で固定距離が維持されている間に網膜を撮像するように構成されているので、OCTシステムは、訓練を受けた技術者の支援なしにユーザによって操作することができ、これにより、OCTシステムは、黄斑変性の発生および/または進行を監視するためのユーザの網膜の在宅ベースの撮像での使用に適したものになる。
【0007】
[0007]したがって、一態様では、ユーザの網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムは、ユーザによって操作され、可動部のない結合光学系を有するように構成されている。OCTシステムは、広帯域幅光源、ビームスプリッタ、基準アーム光路、基準アーム光路長調整機構、サンプルアーム光路、対物レンズ、ビューアアセンブリ、走査ユニット、サンプルアーム光ビーム焦点機構、OCT画像検出器、および制御ユニットを含む。広帯域幅光源は、光ビームを放出する。ビームスプリッタは、光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割し、再結合光ビームを形成するために基準アーム光ビームをサンプルアーム光ビームの戻り部分と再結合させる。基準アーム光ビームは、基準アーム光路上を伝播する。サンプルアーム光ビームおよびサンプルアーム光ビームの戻り部分は、サンプルアーム光路上を伝播する。対物レンズは、サンプルアーム光路上に設けられる。ビューアアセンブリは、サンプルアーム光路が網膜まで延びるように、ユーザの頭部を拘束するように構成されている。走査ユニットは、サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元でサンプルアーム光ビームを走査する。サンプルアーム光ビーム焦点機構は、網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように制御可能である。OCT画像検出器は、再結合光ビームのためのOCT信号を生成する。制御ユニットは、OCT画像検出器、基準アーム光路長調整モジュール、およびサンプルアーム光ビーム焦点機構に動作可能に接続されている。制御ユニットは、(a)OCT信号を監視し、(b)OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し、(c)サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させる、ように構成されている。
【0008】
[0008]多くの実施形態では、OCTシステムは、表示デバイスおよび表示デバイス焦点機構を含む。固視標は、表示デバイスを介してユーザに表示される。表示デバイス焦点機構は、網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように制御可能である。多くの実施形態では、制御ユニットは、表示デバイス焦点機構に動作可能に接続されている。多くの実施形態では、制御ユニットは、(a)サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、ユーザの識別された焦点補正に基づいて、表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定し、(b)表示デバイス焦点機構の焦点設定で動作するように表示デバイス焦点機構を制御する、ように構成されている。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、ユーザの識別された焦点補正に対応する表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定するために、ルックアップデータテーブルを使用する。いくつかの実施形態では、表示デバイス焦点機構は、表示デバイスに対して再配置可能な表示デバイスフォーカスレンズを含み、表示デバイス焦点機構の焦点設定は、表示デバイスに対する表示デバイスフォーカスレンズのそれぞれの位置に対応する。いくつかの実施形態では、表示デバイス焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように動作可能である。いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。
【0009】
[0009]多くの実施形態では、OCTシステムは、サンプルアーム光路上の固定位置に網膜を維持するためにユーザの頭部を拘束するように構成されている。たとえば、多くの実施形態では、ビューアアセンブリは、ユーザの頭部を拘束し、眼と対物レンズとの間の距離を画定するために、ユーザの顔特徴と係合するように構成されている。対物レンズと眼との間の距離は、OCTシステムまたはOCTシステムのオペレータによって制御されない。
【0010】
[0010]OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、制御ユニットは、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するための画像処理手法を使用して、制御ユニットによって処理されるOCT画像を生成するために、OCT信号を処理することができる。
【0011】
[0011]ユーザの焦点補正を識別するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、制御ユニットは、ユーザの焦点補正を識別するための画像処理手法を使用して、制御ユニットによって処理されるOCT画像を生成するために、OCT信号を処理することができる。
【0012】
[0012]OCTシステムの多くの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、ビームスプリッタと走査ユニットとの間のサンプルアーム光路上に設けられる。いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、制御ユニットは、(a)基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し、(b)基準アーム光路長の候補長を決定し、候補長の各々は、OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され、(c)OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さとなるOCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する候補長のうちの1つを選択する。いくつかの実施形態では、基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲は、50mm以下をカバーする。
【0014】
[0014]多くの実施形態では、OCTシステムは、ユーザの瞳孔とサンプルアーム光路との位置合わせを監視するように構成されている。たとえば、多くの実施形態では、OCTシステムは、瞳孔カメラ、瞳孔撮像光路、瞳孔照明光源、および瞳孔撮像光路をサンプルアーム光路と結合するダイクロイックミラーを含む。多くの実施形態では、制御ユニットは、瞳孔カメラと動作可能に結合され、瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされているか否かを検出するために瞳孔カメラの出力を処理する。多くの実施形態では、基準アーム光路の長さは、瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされている間にのみ変化する。
【0015】
[0015]OCTシステムの多くの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、ユーザの標的集団の光学的差異に適応するために、適切な範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、25ジオプトリ以下の最大範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。
【0016】
[0016]多くの実施形態では、OCTシステムは、適切なレベルの解像度を有する網膜の画像を生成するように構成されている。たとえば、いくつかの実施形態では、aスキャンの積分時間は50マイクロ秒を超える。
【0017】
[0017]多くの実施形態では、OCTシステムは、可動部を有していない望遠鏡アセンブリを含む。たとえば、多くの実施形態では、OCTシステムは、対物レンズおよび第2のレンズを含む望遠鏡アセンブリを含み、対物レンズおよび第2のレンズの各々は、サンプルアーム光路上に固定位置を有する。
【0018】
[0018]別の態様では、OCTシステムを用いてユーザの網膜を撮像する方法が提供される。方法は、広帯域光源から光ビームを放出するステップを含む。光ビームは、サンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割される。サンプルアーム光ビームは、サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用するために、サンプルアーム光ビーム焦点機構を通じて伝播する。焦点補正されたサンプルアーム光ビームは、走査ユニットによって、走査されたサンプルアーム光ビームを生成するために、サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元で走査される。走査されたサンプルアーム光ビームは、対物レンズを通じて伝播される。ユーザの頭部は、走査されたサンプルアーム光ビームが網膜に入射するように、ビューアアセンブリによって拘束される。基準アーム光ビームは、基準アーム光ビーム光路上を伝播する。走査されたサンプルアーム光ビームの戻り部分は、再結合光ビームを生成するために、基準アーム光ビームと再結合される。再結合光ビームは、OCT画像検出器に伝播する。OCT画像検出器は、再結合光ビームのためのOCT信号を生成する。制御ユニットは、OCT信号を監視する。制御ユニットは、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために、基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御する。制御ユニットは、サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させる。いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを含む。
【0019】
[0019]多くの実施形態では、方法は、サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用されたユーザの識別された焦点補正に対応する設定で表示デバイス焦点機構を動作させるステップを含む。たとえば、多くの実施形態では、方法は、(a)表示デバイス焦点機構を通じて表示デバイスから網膜まで光を伝播させるステップと、(b)制御ユニットによって、サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、ユーザの識別された焦点補正に基づいて、表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定するステップと、(c)制御ユニットによって、表示デバイス焦点機構の焦点設定で動作するように表示デバイス焦点機構を制御するステップと、を含む。方法の多くの実施形態では、制御ユニットは、表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定するために、ルックアップデータテーブルにアクセスする。方法のいくつかの実施形態では、表示デバイス焦点機構は、表示デバイスに対して再配置可能な表示デバイスフォーカスレンズを含み、表示デバイス焦点機構の焦点設定は、表示デバイスに対する表示デバイスフォーカスレンズのそれぞれの位置に対応する。方法のいくつかの実施形態では、表示デバイス焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように動作可能である。方法のいくつかの実施形態では、表示デバイス焦点機構は、25ジオプトリ以下の最大範囲にわたって網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように動作可能である。方法のいくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。方法のいくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、25ジオプトリ以下の最大範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。
【0020】
[0020]方法の多くの実施形態では、ビューアアセンブリは、ユーザの頭部を拘束し、眼と対物レンズとの間の距離を画定するために、ユーザの顔特徴と係合する。方法の多くの実施形態では、対物レンズと眼との間の距離は、ユーザの顔特徴によって設定され、OCTシステムまたはOCTシステムのオペレータによって制御されない。
【0021】
[0021]方法の多くの実施形態では、制御ユニットは、(a)基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し、(b)基準アーム光路長の候補長を決定し、候補長の各々は、OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され、(c)OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さとなるOCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する候補長のうちの1つを選択する。方法のいくつかの実施形態では、基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲は、50mm以下をカバーする。
【0022】
[0022]多くの実施形態では、方法は、制御ユニットによって、瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされているか否かを検出するために瞳孔カメラの出力を処理するステップを含む。方法の多くの実施形態では、基準アーム光路の長さは、瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされている間にのみ変化する。
【0023】
[0023]方法の多くの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、ユーザの標的集団の光学的差異に適応するために、適切な範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である。
【0024】
[0024]方法の多くの実施形態では、適切なレベルの解像度を有する網膜の画像が生成される。たとえば、方法のいくつかの実施形態では、aスキャンの積分時間は50マイクロ秒を超える。
【0025】
[0025]方法の多くの実施形態では、可動部を有していない望遠鏡アセンブリが採用される。たとえば、方法の多くの実施形態では、サンプルアーム光ビームは、対物レンズおよび第2のレンズを含む望遠鏡アセンブリを通じて伝播し、対物レンズおよび第2のレンズの各々は、サンプルアーム光路上に固定位置を有する。
【0026】
[0026]OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、方法は、制御ユニットによって、OCT画像を生成するようにOCT信号を処理するステップと、制御ユニットによって、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するための画像処理手法を使用して、OCT画像を処理するステップとを含む。
【0027】
[0027]ユーザの焦点補正を識別するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、方法は、制御ユニットによって、OCT画像を生成するようにOCT信号を処理するステップと、制御ユニットによって、ユーザの焦点補正を識別するための画像処理手法を使用して、OCT画像を処理するステップとを含む。
【0028】
[0028]本発明の性質および利点のより完全な理解については、以下の詳細な説明および添付図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】いくつかの実施形態による、網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムのビューポートを覗き込むユーザを示す図である。
図2図1のOCTシステムのOCT撮像デバイスの構成要素および関連する光路の簡略化された概略図である。
図3図1のOCTシステムの構成要素の簡略化された概略図である。
図4a】実施形態による、ユーザの網膜を撮像する方法の動作の簡略化された概略ブロック図である。
図4b】実施形態による、ユーザの網膜を撮像する方法の動作の簡略化された概略ブロック図である。
図5a】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5b】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5c】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5d】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5e】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5f】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5g】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図5h】OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成されたOCT画像を示す図である。
図6】ユーザ固有の焦点補正がサンプルアーム光ビームに適用された後の、OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の例示的なOCT画像である。
図7a】OCT信号が弱眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中のOCT画像を示す図である。
図7b】OCT信号が弱眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中のOCT画像を示す図である。
図7c】OCT信号が弱眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中のOCT画像を示す図である。
図8】ユーザ固有の焦点補正がサンプルアーム光ビームに適用された後の、OCT信号が弱眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の例示的なOCT画像である。
図9】OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路長を識別するために、図4aおよび図4bに示される方法で使用することができるプロセスの動作の簡略化された概略ブロック図である。
図10図9のプロセスでそれぞれのAスキャンを生成するために高速フーリエ変換が実行される例示的なスペクトルを示す図である。
図11図9のプロセスにおける基準アーム光路長の微調整中の例示的なOCT画像を示す図である。
図12】ユーザ固有の焦点補正を識別するために、図4aおよび図4bに示される方法で使用することができるプロセスの動作の簡略化された概略ブロック図である。
図13図4aおよび図4bに示される方法と共に達成することができるプロセスの動作の簡略化された概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0042]以下の説明では、本発明の様々な実施形態が記載される。説明の目的で、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成および詳細が明記される。しかしながら、特定の詳細なしに本発明が実施され得ることもまた、当業者には明らかとなるだろう。さらに、記載されている実施形態を不明瞭にしないために、周知の特徴は省略または簡略化されてもよい。
【0031】
[0043]序論
【0032】
[0044]網膜疾患を患う患者の多くは、平均的な患者に基づく一般的なガイドラインに従って、眼内注射で治療される。任意の特定の患者における網膜疾患の進行は、平均的な患者とは異なって進行し得る。また、特定の患者は、治療に対して平均的な患者とは異なる反応をし得る。したがって、患者が自身の疾患進行に基づいて治療を受けることができるように、継続的に一部の患者の網膜疾患の進行を監視する強い臨床上の必要性がある。光干渉断層撮影(OCT)撮像を採用する眼科撮像デバイスは、網膜疾患の進行を監視するために患者の網膜を撮像するために、眼科でしばしば採用される。しかしながら、眼科に行かなければならないことで、一部の患者の十分な継続的監視を妨げる可能性がある。結果として、患者の網膜疾患の進行を継続的に監視するために、自宅で患者によって使用可能な、手頃なOCTベースの眼科撮像デバイスが必要とされている。このような網膜疾患は、AMD、眼ヒストプラスマ症、近視、中心性漿液性網膜症、中心性漿液性脈絡膜症、緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、視神経炎、網膜上膜、血管異常および/または閉塞、脈絡膜ジストロフィー、網膜ジストロフィー、斑円孔、または脈絡膜もしくは網膜変性などの脈絡網膜眼疾患であり得る。
【0033】
[0045]網膜のOCT撮像は、多くの場合、網膜のOCT画像の解像度を高めるために、サンプルアーム光ビームを網膜上に集束させることを含む。典型的には、網膜のOCT撮像は、被験者が眼鏡またはコンタクトを装着していない状態で実現される。異なる眼の光学特性間の変動の結果、異なる被験者に対するサンプルアーム光ビームに異なる量の焦点補正が適用されることになる。加えて、網膜のOCT撮像は、多くの場合、撮像セッション中に眼の配向および適応レベルを制御するように、被験者が固視標を固視することを含む。焦点補正は、典型的に、被験者に対する固視標も合焦するように適用される。
【0034】
[0046]多くの既存のOCTシステムは、システムの複雑さを追加する、および/またはOCTシステムを操作するために訓練を受けた技術者を必要とする手法を使用して、サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用する。たとえば、いくつかの既存のOCTシステムは、焦点補正を適用するために、眼に対する対物レンズ(すなわち、被験者の眼の最も近くに配置された結合光学レンズ)の移動を採用する。いくつかの既存のOCTシステムでは、眼に対する対物レンズの移動は、技術者が眼に対してOCTシステムを移動させることによって実現される。いくつかの既存のOCTシステムでは、OCTシステムは、眼に対して対物レンズを移動させる。いくつかの既存のOCTシステムは、サンプルアーム光ビームに適用される焦点補正の量を制御する際に使用するために、サンプルアーム光ビームが現在網膜にどのように集束されているかを示す出力を生成する、眼底カメラなどの焦点検出器を採用する。いくつかの既存のOCTシステムは、2つのレンズを含み、望遠鏡アセンブリの2つのレンズ間の距離を変化させることによってサンプルアーム光ビームに適用される焦点補正の量を変化させる、望遠鏡アセンブリなどの結合光学系アセンブリを採用する。サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用するために多くの既存のOCTシステムで使用される手法の顕著な利点は、同じ焦点機構が両方ともサンプルアーム光ビームを網膜上に集束させ、被験者の固視標を合焦することである。多くの既存のシステムでは、焦点補正が適用されると、基準アーム光路の長さは、網膜のOCT画像が生成され得る信号をOCT検出器が生成する基準アーム光路の長さを探索するために変化する。
【0035】
[0047]しかしながら、さらなるシステムの複雑さ、および/または訓練を受けた技術者がOCTシステムを動作させる必要性は、家庭用OCTシステムでは望ましくない。たとえば、網膜に対して対物レンズを移動させることは、網膜に対するOCTシステムの移動を必要とする場合があり、これはOCTシステムの動作を複雑にする。別の例として、焦点検出器の使用により、システムの複雑さおよびコストが増加する。
【0036】
[0048]非臨床環境で使用するための網膜撮像OCTシステム
【0037】
[0049]非臨床環境で(たとえば、患者の自宅で)の使用に敵した手頃な網膜撮像OCTシステムおよび関連する方法が記載され、これにより、患者の網膜疾患の進行の監視に関連付けられたコストを削減するのに役立つ。ここで、いくつかの図を通じて同様の参照番号が同様の部分を表す図面を参照すると、図1は、多くの実施形態による、網膜撮像OCTシステム10の観察アセンブリ16のビューポート14を覗き込むユーザ12を示している。多くの実施形態では、観察アセンブリ16は、OCTシステム10の光軸20上にユーザ12の片眼をほぼ位置決めするように構成されている。たとえば、図1に示される構成では、観察アセンブリ16は、光軸20上にユーザ12の右眼をほぼ位置決めするように構成されている。多くの実施形態では、観察アセンブリ16は、光軸20上にユーザ12の左眼をほぼ位置決めするように観察アセンブリ16を再構成するように、光軸20に対して再配置可能である。したがって、ユーザ12の右眼および左眼の各々は、網膜撮像OCTシステム10によるそれぞれの眼の撮像のために、OCTシステム10の光軸20上に選択的にほぼ位置決めされることが可能である。本明細書に記載される実施形態では、撮像システム10の光軸20に対するユーザ12のそれぞれの眼の光軸の最終位置決めおよび位置合わせは、OCTシステム10によってユーザ12に提供されるフィードバックに応答して、ユーザ12がビューポート14に対するユーザの位置を調整することによって実現される。
【0038】
[0050]図2は、OCTシステム10のOCT撮像デバイス30の構成要素および関連する光路の簡略化された概略図である。OCT撮像デバイス30は、広帯域光源32、ビームスプリッタ34、基準アーム光路36、基準アーム光路長調整機構38、サンプルアーム光ビーム焦点機構40、走査ユニット42、第1のダイクロイックミラー44、固定位置対物レンズ48および固定位置後レンズ50を含む結合光学系アセンブリ46、第2のダイクロイックミラー52、表示デバイス54、表示デバイス焦点機構56、瞳孔カメラ58、眼内照明器60、ならびにOCT画像検出器62を含む。図示される実施形態では、OCT撮像デバイス30は、800nmから900nmの波長範囲で動作するスペクトル領域OCT撮像デバイスである。眼内照明器60は、適切な光の波長(たとえば、920nmを超える光の波長)を使用して、ユーザ12の眼64を照明する。表示デバイス54は、任意の適切な波長(たとえば、400nmから700nm)の間の光を投射することができる。第1のダイクロイックミラー44は、表示デバイス波長範囲を透過し、OCT波長を反射する。第2のダイクロイックミラー52は、OCT波長および表示波長範囲(400nmから900nm)を透過し、照明波長(たとえば、920nm超)を瞳孔カメラ58に反射する。
【0039】
[0051]動作中、広帯域光源32は、OCT波長を有する光ビームを放出する。光ビームは、光源32からビームスプリッタ34に伝播する。ビームスプリッタは、光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割する。
【0040】
[0052]基準アーム光ビームは、基準アーム光路36上を伝播してからビームスプリッタ34に戻る。基準アーム光路36は、制御ユニット64(図3参照)の制御下で、基準アーム光路36の長さを選択的に変化させるように動作可能な基準アーム光路長調整モジュール38を含む。基準アーム光路長調整モジュール38は、任意の適切な構成を有することができる。たとえば、基準アーム光路長調整モジュール38は、制御可能に変位可能な電動式可動ミラーを含むことができる。
【0041】
[0053]サンプルアーム光ビームは、ビームスプリッタ34からサンプルアーム光ビーム焦点機構40に伝播する。サンプルアーム光ビーム焦点機構40は、制御ユニット64の制御下で、眼64の網膜上にサンプルアーム光ビームを集束するように、サンプルアーム光ビームに焦点補正を選択的に適用するように動作可能である。サンプルアーム光ビーム焦点機構40は、ユーザの眼64の固有の集束特性を説明するように、サンプルアーム光ビームをユーザの網膜上に集束させる。
【0042】
[0054]サンプルアーム光ビームは、適用された焦点補正により、サンプルアーム光ビーム焦点機構40から走査ユニット42に伝播する。走査ユニット42は、制御ユニット64の制御下で、サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元でサンプルアーム光ビームを操作するように動作可能である。走査ユニット42は、任意の適切な構成を有することができる。たとえば、多くの実施形態では、走査ユニット42は、二軸走査ミラーを含む。
【0043】
[0055]走査されたサンプルアーム光ビームは、走査ユニット42から第1のダイクロイックミラー44に伝播する。走査されたサンプルアーム光ビームは、固定位置後レンズ50、第2のダイクロイックミラー52、および固定位置対物レンズ48を通って伝播することによって結合光学系アセンブリ46内を伝播するように、第1のダイクロイックミラー44によって反射される。走査されたサンプルアーム光ビームは、固定位置対物レンズ48から眼64内に、そして眼64の網膜上に伝播する。
【0044】
[0056]走査されたサンプルアーム光ビームの戻り部分は、網膜から固定対物レンズ48、第2のダイクロイックミラー52、および固定後レンズ50を伝播して戻る。サンプルアーム光ビームの戻り部分は、第1のダイクロイックミラー44によって反射されて走査ユニット42に戻る。サンプルアーム光ビームの戻り部分は、走査ユニット42によって、サンプルアーム光ビーム焦点機構40を通ってビームスプリッタ34に戻るように再配向される。サンプルアーム光ビームの戻り部分および基準アーム光ビームは、再結合光ビームを形成するために、ビームスプリッタ34によって再結合される。再結合光ビームは、OCT画像検出器62に伝播する。
【0045】
[0057]OCT画像検出器62は、網膜の層の三次元OCT画像を構築するために、既知の技術を使用して処理されるOCT画像信号を生成して出力する。多くの実施形態では、OCT画像検出器62は、基準およびサンプルアーム内を光が移動した時間がほぼ等しい場合にのみ、戻りサンプルアーム光と基準アーム光との間の干渉を検出する。多くの実施形態では、基準アーム光路長調整モジュール38は、ミラーの位置を変化させるように制御可能な電動式機構に実装されたミラーを含み、これにより、基準アーム光路36の長さを制御可能に変化させる。基準アーム光路36の長さを変化させる機能は、ユーザの頭部間の対応する解剖学的変動、ならびにユーザの頭部とビューアアセンブリ16との間の相対位置の変動のため、ユーザの頭部がビューアアセンブリ16と係合されたときに、各ユーザの網膜が固定対物レンズ48から異なる距離にあり得る場合でも、所望のユーザ集団の任意のユーザの網膜のOCT画像を生成するために、OCT撮像デバイス30を使用することを可能にする。
【0046】
[0058]多くの実施形態では、眼内照明器60、瞳孔カメラ58、および表示デバイス54は、ユーザ12が眼64をOCT撮像デバイス30の光軸と自己位置合わせするためのフィードバックをユーザ12に提供するために使用される。表示デバイス54は、眼64を固視標と位置合わせするように、ユーザによって視認される固視標を表示する。表示デバイス焦点機構56は、制御ユニット64の制御下で、ユーザ12が眼鏡またはコンタクトを装着することなくユーザの網膜の撮像が達成されるときでも、表示デバイス54によって表示された固視標がユーザ12の焦点に合うように、表示デバイス54によって放出された焦点補正光を選択的に適用するように動作可能である。サンプルアーム光ビーム焦点機構40と同様に、表示デバイス焦点機構56は、ユーザの眼64の固有の焦点特性を説明するように、表示デバイス54によって表示されたアイテム(たとえば、固視標)のユーザの網膜上への合焦を提供する。
【0047】
[0059]多くの実施形態では、OCT撮像デバイス30は、ユーザの網膜のOCT画像が生成される撮像セッション中に、OCT撮像デバイス30の構成要素/モジュールを自動的に制御するように構成されている。多くの実施形態では、OCT撮像デバイス30は、OCT撮像デバイス30の構成要素/モジュールに動作可能に接続され、構成要素/モジュールと通信および/または制御するように構成された、適切な制御ユニットを含む。たとえば、図3は、構成要素/モジュールと動作可能に結合された制御ユニット64を含むOCT撮像デバイス30の実施形態の構成要素/モジュールを示す、簡略化された概略図である。制御ユニット64は、プロセッサ66およびデータ記憶デバイス68を含む。データ記憶デバイス68は、本明細書に記載される動作を達成するためにプロセッサ66によって実行可能なプログラム命令を記憶する。データ記憶デバイス68はまた、OCT撮像デバイス30の動作の制御を記載されるように特定のユーザ向けにカスタマイズするためにプロセッサ66によって使用可能なユーザ固有のデータも記憶することができる。
【0048】
[0060]制御ユニット64は、ユーザインターフェース70を介してユーザ12から入力を受信するため、および/またはユーザインターフェース70を介してユーザ12に出力を表示するために、ユーザインターフェース70に動作可能に接続されている。1つ以上の押しボタン、ディスプレイ、タッチディスプレイ、1つ以上の表示灯、および/またはスピーカを含むがこれらに限定されない、任意の適切なユーザインターフェース70を採用することができる。ユーザインターフェース70は、ユーザ12の網膜の撮像セッション中にOCT撮像デバイス30の構成要素/モジュールを制御するときに、制御ユニット30がデータ記憶デバイス68に記憶されたパラメータを使用できるように、ユーザが撮像セッションのためにユーザの識別情報を入力できるようにするように構成されることが可能である。
【0049】
[0061]制御ユニット64は、眼内照明器60、瞳孔カメラ58、および表示デバイス54に動作可能に接続されている。制御ユニット64は、撮像セッションの開始時に眼内照明器60をオンにし、撮像セッションの終了時にオフにすることができる。多くの実施形態では、制御ユニット64は、撮像セッションの開始時に瞳孔カメラ58をオンにし、瞳孔カメラ58から画像データを受信し、OCT撮像デバイス30の光軸に対する眼64の光軸の位置を追跡するために画像データを処理し、撮像セッションの終了時に瞳孔カメラ58をオフにする。多くの実施形態では、制御ユニット64は、撮像セッションの開始時に表示デバイス54をオンにし、ユーザの網膜のOCT画像の生成のためにユーザの眼64をOCT撮像デバイス30の光軸と十分に位置合わせするためにユーザ12がビューアアセンブリ16に対してユーザの頭部を再配置できるようにするために、表示デバイス54上でユーザ12へのフィードバック(たとえば、固視標)を生成および表示し、撮像セッションの終了時に表示デバイス54をオフにする。
【0050】
[0062]制御ユニット64は、ユーザ12の網膜のOCT撮像セッション中に、これらの構成要素/モジュールの動作を制御し、および/またはこれらの構成要素/モジュールから入力を受信するために、広帯域光源32、基準アーム光路長調整モジュール38、サンプルアーム光ビーム焦点機構40、走査ユニット42、表示デバイス焦点機構56、およびOCT画像検出器62に動作可能に接続されている。制御ユニット64は、撮像セッションのOCT走査部分の始めに、サンプルおよび基準アームにわたってOCT波長光ビームの伝送を開始するために広帯域光源32をオンにすることができ、撮像セッションの終了時に光源32をオフにすることができる。制御ユニット64は、OCT画像検出器62がユーザの網膜のOCT画像を生成する際に使用するための適切なOCT信号を生成する基準アーム光路の長さを探索するために、基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整モジュール38を制御することができる。たとえば、制御ユニット64は、制御ユニット64が基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整モジュール38を制御する間、ユーザの網膜のOCT画像を生成するためのOCT信号の適合性を監視するために、OCT画像検出器62によって生成されたOCT信号を受信および処理することができる。
【0051】
[0063]網膜のOCT画像を生成する際に使用するための基準アーム光路の適切な長さの識別に続いて、制御ユニット64は、ユーザ12の適切な焦点補正を探索するためにサンプルアーム光ビームに適用される焦点補正の量を変化させるように、サンプルアーム光ビーム焦点機構40を制御することができる。多くの実施形態では、制御ユニット64は、OCT画像信号の監視される強度を最大化する焦点補正を識別するためにサンプルビームに適用される焦点補正の量を変化させながら、OCT画像検出器62によって生成されたOCT画像信号の強度を監視し、これにより、サンプルアーム光ビームがユーザ12の網膜上に集束することになる焦点補正を識別する。いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構40の動作パラメータは制御ユニット64によって変更され、これにより、適用された焦点補正の対応する変化をもたらす。いくつかの実施形態では、データ記憶デバイス68は、サンプルアーム光ビーム焦点機構の変化する動作パラメータとそれぞれの焦点補正の視度補正との間の対応関係を提供するデータルックアップテーブルを記憶する。サンプルアーム光ビーム焦点機構40は、ユーザの標的集団に任意のユーザを適応させるために、適切な範囲にわたって適用された焦点補正の量を変化させるように動作することができる。たとえば、サンプルアーム光ビーム焦点機構40は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって適用された焦点補正の量を変化させるように動作可能に構成されることが可能である。サンプルアーム光ビーム焦点機構40は、任意の適切な構成を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、サンプルアーム光ビーム焦点機構40は、制御ユニット64によって、ユーザ12の網膜のOCT撮像セッション中に使用する眼の最適な焦点補正を識別するために適用された焦点補正を変化させるように制御可能な液体レンズを含む。いくつかの実施形態では、制御ユニット64は、OCT撮像デバイス30の光軸とのユーザの瞳孔の位置合わせを監視するために、瞳孔カメラ58の出力を監視する。いくつかの実施形態では、制御ユニット64は、サンプルアーム光ビームが網膜に到達するほど十分にユーザの瞼が開いているか否かを監視するために、瞳孔カメラ58の出力を監視する。いくつかの実施形態では、制御ユニット64は、ユーザの眼とOCT撮像デバイス30の光軸との位置合わせが不十分である間、またはサンプルアーム光ビームが網膜に到達するほど十分にユーザの瞼が開いていない場合、サンプルアーム光ビーム焦点機構40によって適用される焦点補正の探索を中断する。
【0052】
[0064]ユーザ12に対してサンプルアーム光ビーム焦点機構40によって適用される焦点補正の識別に続いて、制御ユニット64は、表示デバイス54によって表示されたアイテム(たとえば、固視標)がユーザ12の焦点に合うように、対応する焦点補正を適用するように表示デバイス焦点機構56の動作を制御することができる。たとえば、2.5ジオプトリ焦点補正がサンプルアーム光ビーム焦点機構40によって適用される焦点補正であると識別された場合、制御ユニット64は、2.5ジオプトリ焦点補正も適用するように表示デバイス焦点機構56の動作を制御することができる。
【0053】
[0065]図4Aおよび図4Bは、実施形態による、OCTシステムによって網膜を撮像する方法100の動作の簡略化された概略ブロック図を示す。方法100を実施するために、本明細書に記載されるOCTシステム10など、任意の適切なOCT撮像システムを使用することができる。
【0054】
[0066]動作102において、光ビームが広帯域光源から放出される。たとえば、OCTシステム10のOCT撮像デバイス30では、制御ユニット64は、光ビームを放出するように広帯域光源32の動作を制御することができる。
【0055】
[0067]動作104において、光ビームは、サンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、ビームスプリッタ34は、光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割する。
【0056】
[0068]動作106において、サンプルアーム光ビームは、サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用するために、サンプルアーム光ビーム焦点機構を通じて伝播する。たとえば、OCT撮像デバイス30において、サンプルアーム光ビームはサンプルアーム光ビーム焦点機構40を通じて伝播し、これにより、サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用する。
【0057】
[0069]動作108において、(焦点補正された)サンプルアーム光ビームは、走査ユニットによって、走査されたサンプルアーム光ビームを生成するために、サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元で走査される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、走査ユニット42は、サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元で、(サンプルアーム光ビーム焦点機構40によって焦点補正された)サンプルアーム光ビームを走査する。
【0058】
[0070]動作110において、ユーザの頭部は、走査されたサンプルアーム光ビームが網膜に入射するように、ビューアアセンブリによって拘束される。たとえば、OCTシステム10において、ユーザの頭部は、走査されたサンプルアーム光ビームが網膜に入射するように、ビューアアセンブリ16によって拘束される。多くの実施形態では、ユーザの頭部は、眼64が固定位置対物レンズ48から固定距離に維持されるように、ビューアアセンブリ16によって拘束される。
【0059】
[0071]動作112において、基準アーム光ビームは、基準アーム光ビーム光路上を伝播する。たとえば、OCT撮像デバイス30において、基準アーム光ビームは、ビームスプリッタ34から基準アーム光路長調整機構38に伝播し、ビームスプリッタ34に戻る。
【0060】
[0072]動作114において、走査されたサンプルアーム光ビームの戻り部分および基準アーム光ビームは、再結合光ビームを生成するために再結合される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、ビームスプリッタ34は、再結合光ビームを生成するために、走査されたサンプルアーム光ビームの戻り部分および基準アーム光ビームを再結合させる。
【0061】
[0073]動作116において、再結合光ビームは、OCT画像検出器に伝播する。たとえば、OCT撮像デバイス30において、再結合光ビームは、ビームスプリッタ34からOCT画像検出器62に伝播する。
【0062】
[0074]動作118において、OCT画像検出器は、再結合光ビームのためのOCT信号を生成する。たとえば、OCT撮像デバイス30において、OCT画像検出器62は、再結合光ビームのためのOCT信号を生成する。
【0063】
[0075]動作120において、OCT信号は、制御ユニットによって監視される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、OCT信号を監視する。
【0064】
[0076]動作122において、基準アーム光路長調整機構は、制御ユニットによって、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために、基準アーム光路の長さを変化させるように制御される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、基準アーム光路長調整機構38は、制御ユニット64によって、OCT信号が眼64の網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路36の長さを識別するために、基準アーム光路36の長さを変化させるように制御される。
【0065】
[0077]動作124において、サンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータは、制御ユニットによって、サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させられる。たとえば、OCT撮像デバイス30において、サンプルアーム光ビーム焦点機構38の動作パラメータは、制御ユニット64によって、サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が眼64の網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路36の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させられる。
【0066】
[0078]図5aから図5hは、OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成された、一連の例示的なOCT画像を示す。図示される一連の例示的なOCT画像は、OCT信号が強眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長を識別するために、任意の適切な画像処理手法を使用して識別することができるOCT画像の態様を示している。
【0067】
[0079]図5aは、時間(0)(任意単位(AU))および100AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像126を示す。OCT画像126は、無視できる網膜からの自己相関信号128を含む。
【0068】
[0080]図5bは、時間(1)AUおよび90AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像130を示す。OCT画像130は、網膜からの相互相関信号132を含む。相互相関信号132は、無視できるゴーストまたはアーチファクトである。
【0069】
[0081]図5cは、時間(2)AUおよび80AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像134を示す。OCT画像134は、網膜からの相互相関信号136を含む。相互相関信号136は、無視できるゴーストまたはアーチファクトである。
【0070】
[0082]図5dは、時間(3)AUおよび70AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像138を示す。OCT画像138は、網膜からの相互相関信号140を含む。相互相関信号140は、無視できるゴーストまたはアーチファクトである。
【0071】
[0083]図5eは、時間(4)AUおよび60AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像142を示す。OCT画像142は、網膜からの相互相関信号144を含む。相互相関信号144は、網膜からの「実」信号であり、対応する基準アーム光路長および/または基準アーム調整可能ミラー位置の位置を記憶することができる。
【0072】
[0084]図5fは、時間(5)AUおよび50AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像146を示す。OCT画像146は、網膜からの相互相関信号148を含む。相互相関信号148は、網膜からの「実」信号であり、対応する基準アーム光路長および/または基準アーム調整可能ミラー位置の位置を記憶することができる。
【0073】
[0085]図5gは、時間(6)AUおよび53AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像150を示す。OCT画像150は、網膜からの相互相関信号152を含む。相互相関信号152は、網膜からの「実」信号であり、対応する基準アーム光路長および/または基準アーム調整可能ミラー位置の位置を記憶することができる。
【0074】
[0086]図5hは、時間(7)AUおよび58AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像154を示す。OCT画像154は、網膜からの相互相関信号156を含む。相互相関信号156は、網膜からの「実」信号であり、対応する基準アーム光路長および/または基準アーム調整可能ミラー位置の位置を記憶することができる。
【0075】
[0087]図6は、時間(20)AUおよび53AUに等しい基準アーム調整可能ミラー位置における例示的なOCT画像158を示す。OCT画像158は、サンプルアーム光ビームにユーザ固有の焦点補正を適用して生成された。OCT画像158は、網膜からの相互相関信号160を含む。相互相関信号160は、網膜からの「実」信号である。基準アーム調整可能ミラー位置、およびOCT画像158を生成するために使用されたサンプルアームビームに適用されたユーザ固有の焦点補正は、強眼網膜のOCT画像を生成するために使用することができる。
【0076】
[0088]図7aから図7cは、OCT信号が弱眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長の探索中に生成された例示的なOCT画像を示す。図示される一連の例示的なOCT画像は、OCT信号が弱眼網膜のOCT画像に対応する基準アーム経路長を識別するために、任意の適切な画像処理手法を使用して識別することができるOCT画像の態様を示している。図7aは、相互相関信号を含まない例示的なOCT画像162を示す。図7bは、網膜からの相互相関信号166を含む例示的なOCT画像164を示す。相互相関信号166は、網膜からの「実」信号であり、対応する基準アーム光路長および/または基準アーム調整可能ミラー位置の位置を記憶することができる。図7cは、網膜からの相互相関信号170を含む例示的なOCT画像168を示す。相互相関信号170は、網膜からの「実」信号であり、対応する基準アーム光路長および/または基準アーム調整可能ミラー位置の位置を記憶することができる。
【0077】
[0089]図8は、サンプルアーム光ビームにユーザ固有の焦点補正を適用して生成された例示的なOCT画像172を示す。OCT画像172は、網膜からの相互相関信号174を含む。相互相関信号174は、網膜からの「実」信号である。基準アーム調整可能ミラー位置、およびOCT画像172を生成するために使用されたサンプルアームビームに適用されたユーザ固有の焦点補正は、強眼網膜のOCT画像を生成するために使用することができる。
【0078】
[0090]図9は、OCT画像が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路長を識別するために使用することができるプロセス200の簡略化された概略ブロック図を示す。プロセス200は、方法100の動作122を実現するために使用することができる。
【0079】
[0091]動作202において、サンプルアーム光ビームにデフォルトの焦点補正(たとえば、0ジオプトリ)を適用している間、基準アーム光路長調整機構は、基準アーム光路長を変化させるように制御される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、サンプルアーム経路光ビームにデフォルトの焦点補正を適用するようにサンプルアーム光ビーム焦点機構40を制御する。デフォルトの焦点補正がサンプルアーム経路光ビームに適用されている間、制御ユニット64は、基準アーム光路36の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構38を制御する。
【0080】
[0092]動作204において、基準アーム光路長の選択物の各々について、基準アーム探索Bスキャン(別名、断面断層撮影)が生成および記憶される。基準アーム探索Bスキャンは、任意の適切な数の基準アーム探索Aスキャン(別名、軸方向深さスキャン)を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、基準アーム探索Bスキャンは、500個の基準アーム探索Aスキャンを含む。対照的に、撮像Bスキャンは、たとえば1024個の画素を有することができるOCT画像検出器内の画素と同じ数のAスキャンから生成することができる。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、基準アーム光路36の長さの選択物の各々について基準アーム探索Bスキャンを生成するために、OCT画像検出器62によって生成されたOCT信号を処理する。制御ユニット64は、一連の基準アーム探索Aスキャンを横方向に結合することによって、基準アーム探索Bスキャンを生成する。制御ユニット64は、OCT画像検出器62が基準アーム探索Aスキャンの各々を生成するために制御ユニット64によって処理されるOCT信号を生成するように、それぞれの選択された基準アーム光路長の周りの基準アーム光路長を変化させるように基準アーム光路長調整機構38を制御する。各基準アーム探索Aスキャンは、それぞれの基準アーム光路長に対応するサンプルアーム光路に沿った位置から反射して戻ってくるサンプルアーム光ビームの量を示す。したがって、各基準アーム探索Aスキャンは、基準アーム探索Aスキャンに対応するサンプルアーム光ビーム上の位置の反射プロファイルを示す。
【0081】
[0093]基準アーム探索Aスキャンの各々を生成するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、OCT撮像デバイス30において、OCT画像検出器62によって出力された各スペクトルは、それぞれの基準アーム探索Aスキャンを形成するために、高速フーリエ変換(FFT)を使用して制御ユニット64によって処理することができる。図10は、それぞれの基準アーム探索Aスキャンを生成するためにFFTが行われる例示的なスペクトルを示す。いくつかの実施形態では、線形化および分散補償を含まないことにより、基準アーム探索Aスキャンの生成中に計算時間が短縮される。
【0082】
[0094]動作206において、それぞれの基準アーム探索Bスキャンにおける基準アーム探索Aスキャンの各々の階調レベルを合計することにより、各基準アーム探索Bスキャンについて強度数が決定される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、それぞれの基準アーム探索Bスキャンにおける基準アーム探索Aスキャンの各々の階調レベルを合計することにより、各基準アーム探索Bスキャンの強度数を決定する。いくつかの実施形態では、強度数は任意単位(AU)を有する。
【0083】
[0095]動作208において、基準アーム光路長は、基準アーム探索Bスキャンの基準アーム光路長を最も高い強度数と一致させるように設定される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、基準アーム探索Bスキャンの基準アーム光路長を最も高い強度数と一致するように基準アーム光路長を設定するように基準アーム光路長調整機構38を制御する。
【0084】
[0096]動作210において、基準アーム光路長は、所定の境界内の網膜の画像の位置を微調整するように調整される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、所定の境界内の網膜の画像の位置を微調整するように基準アーム光路長調整機構38を制御する。図11は、所定の境界212、214内の網膜の画像の位置を微調整するための基準アーム光路長の微調整中の例示的なOCT画像を示す。所定の境界212、214内の網膜の画像の位置を検出するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、所定の境界212、214に対する網膜の画像の位置を検出するために、Aスキャンのグループに適用されるエッジ検出を採用する適切な画像処理手法を使用することができる。Aスキャンのグループは、Aスキャンの任意の適切な選択物を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、10個の異なるセクション216をカバーするAスキャンは、平均化されたAスキャンに基づいてエッジ検出の信頼性を高めるために平均化される。セクション216の各々には、任意の数のAスキャンを含めることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、50個のAスキャンがセクション216の各々に含まれ、50個のAスキャンは、網膜の画像のエッジを検出するために平均化される。セクション216は、網膜の画像の対応するエッジがセクション216上に設けられたときに、網膜の画像が所定の境界212、214の間に適切に配置されるように、所定の境界212、214に対して配置することができる。網膜の画像が鏡像か否かを評価するために、基準アーム光路長の変更のための網膜の画像の移動方向を使用することができる。
【0085】
[0097]図12は、ユーザ固有の焦点補正を識別するために方法100で使用することができるプロセス220の動作の簡略化された概略ブロック図である。プロセス220は、方法100の動作124を実現するために使用することができる。
【0086】
[0098]動作222において、微調整された基準アーム光路長を使用して、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、焦点補正の選択を通じて適用された焦点補正を変化させるように制御される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、焦点補正の選択を通じてサンプルアーム光ビームに適用された焦点補正を変化させるように、サンプルアーム光ビーム焦点機構40を制御する。
【0087】
[0099]動作224において、適用された焦点補正の選択物の各々について、焦点探索Bスキャンが生成および記憶される。焦点探索Bスキャンは、任意の適切な数の焦点探索Aスキャン(別名、軸方向深さスキャン)を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、焦点探索Bスキャンは、500個の焦点探索Aスキャンを含む。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、基準アーム光路36の長さの選択物の各々について焦点探索Bスキャンを生成するために、OCT画像検出器62によって生成されたOCT信号を処理する。制御ユニット64は、一連の焦点探索Aスキャンを横方向に結合することによって、焦点探索Bスキャンを生成する。
【0088】
[0100]焦点探索Aスキャンの各々を生成するために、任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、OCT撮像デバイス30において、OCT画像検出器62によって出力された各スペクトルは、それぞれの焦点探索Aスキャンを形成するために、高速フーリエ変換(FFT)を使用して制御ユニット64によって処理することができる。いくつかの実施形態では、各焦点探索Aスキャンを生成するための計算時間は、線形化および分散補償を含まないことによって短縮される。
【0089】
[0101]動作226において、それぞれの焦点探索Bスキャンにおける焦点探索Aスキャンの各々の階調レベルを合計することにより、各焦点探索Bスキャンについて強度スコアが決定される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、それぞれの焦点探索Bスキャンにおける焦点探索Aスキャンの各々の階調レベルを合計することにより、各焦点探索Bスキャンの強度スコアを決定する。いくつかの実施形態では、各焦点探索Bスキャンの強度スコアは、任意単位(AU)を有する。
【0090】
[0102]動作228において、サンプルアーム光ビーム焦点機構は、最も高い強度数を有する焦点探索Bスキャンに対応する焦点補正を適用するように制御される。いくつかの実施形態では、隣接する評価された焦点補正の間に最良の焦点補正があることを、連続する焦点Bスキャン間の強度数の変化の量が示すときに適用する最良の焦点補正を識別するために、任意の適切な手法を使用する補間が採用される。
【0091】
[0103]図13は、方法100と共に達成することができるプロセス300の動作の簡略化された概略ブロック図を示す。プロセス300は、サンプルアーム光ビームを網膜上に最もよく集束させるサンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用されたユーザのための識別された焦点補正に基づいて表示デバイス焦点機構を動作させるために、使用することができる。
【0092】
[0104]動作302において、表示デバイス焦点機構を通って表示デバイスから網膜に光が伝播される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、光は、表示デバイス54から表示デバイス焦点機構56を通って伝播される。
【0093】
[0105]動作304において、サンプルアーム光ビーム焦点機構を介して適用されたユーザのための識別された焦点補正に基づいて、表示デバイス焦点機構の焦点設定が制御ユニットによって決定される。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、サンプルアーム光ビーム焦点機構40を介して適用されたユーザのための識別された焦点補正に基づいて、表示デバイス焦点機構56の焦点設定を決定する。
【0094】
[0106]動作306において、制御ユニットは、表示デバイス焦点機構のための焦点設定で動作するように表示デバイス焦点機構を制御する。たとえば、OCT撮像デバイス30において、制御ユニット64は、表示デバイス焦点機構56のための焦点設定で動作するように表示デバイス焦点機構56を制御する。
【0095】
[0107]本明細書に記載されるOCT撮像システムおよび関連プロセスで採用される特徴および手法の多くは、コストの削減および/または操作の容易さなどの利点を提供する。たとえば、本明細書に記載されるサンプルアーム光ビーム焦点機構および動作の使用は、可動部を有していない結合光学系アセンブリ(たとえば、望遠鏡)と共に使用することができる。加えて、眼とOCT撮像システムの対物レンズとの間の距離を固定することができる。たとえば、眼と対物レンズとの間の距離は、ビューアアセンブリと係合された顔特徴(たとえば額-眼の距離)によって定義することができる。さらに、本明細書に記載されるサンプルアーム光ビーム焦点機構および動作の使用は、焦点検出器として機能する追加の検出器を使用することなく、使用することができる。本明細書に記載されるOCT撮像システムおよび関連プロセスと共に記載されるような2つの別個の焦点機構(すなわち、サンプルアーム光ビーム焦点機構および表示デバイス焦点機構)の使用は、多くの既存のOCT撮像システムにおける単一の焦点機構(たとえば、焦点を変化させるように制御可能な結合光学系)の使用を考慮すると、反直感的であると考えられる。
【0096】
[0108]本明細書に記載されるOCT撮像システムおよび関連プロセスで採用される特徴および手法の多くは、ユーザ固有の撮像パラメータの記憶および再利用と組み合わせて採用することができる。たとえば、特定のユーザの網膜の初期撮像中に識別および使用される基準アーム光路長および適用された焦点補正は、基準アーム光路長の範囲および後続の撮像中に探索される適用された焦点補正の範囲を縮小するように、特定のユーザの網膜の後続の撮像中に記憶および使用することができ、これにより、後続の撮像セッションを行うために必要とされる時間を短縮する。ユーザ固有の撮像パラメータを記憶および再利用するために、2019年5月28日に出願され、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、AUTOMATIC OPTICAL PATH ADJUSTMENT IN HOME OCT(家庭用OCTにおける自動光路調整)と題された米国特許出願第16/424,246号明細書に記載される手法など、任意の適切な手法を使用することができる。
【0097】
[0109]他の変形例もまた、本発明の精神に含まれる。したがって、本発明は、様々な修正および代替構造の影響を受けやすいが、その特定の例示された実施形態は、図面に示されており、上記で詳細に説明されている。しかしながら、開示された1つまたは複数の特定の形態に本発明を限定する意図はなく、反対に、添付の請求項で定義されるように、本発明の精神および範囲に含まれる全ての修正、代替構造、および均等物を包含するように意図されることが、理解されるべきである。
【0098】
[0110]本発明を説明する文脈(特に以下の請求項の文脈)における用語「a」および「an」および「the」ならびに類似の支持物の使用は、本明細書で別途指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「包含する(containing)」は、別途明記されない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むがこれらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。用語「接続された」は、何かが介在していたとしても、部分的または完全に包含されるか、取り付けられるか、または共に接合されると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で別途指示されない限り、範囲に含まれる各別個の値を個別に言及する簡略方法として役立つことを意図するに過ぎず、各別個の値は、本明細書で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で別途指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(たとえば、「など」)の使用は、本発明の実施形態をより明らかにすることのみを意図しており別途請求されない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書におけるいずれの言語も、任意の請求されない要素が本発明の実施に必須であることを示すように解釈されるべきではない。
【0099】
[0111]本発明を実行するために本発明者らにとって既知の最良の形態を含む、本発明の好適な実施形態が、本明細書に記載されている。これらの好適な実施形態の変形例は、前述の説明を読めば、当業者にとって明らかになるだろう。本発明者らは、当業者がこのような変形例を適切に採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用用例によって認められるように、添付の請求項に列挙される主題の全ての修正および均等物を含む。また、本明細書で別途指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形例における上述の要素のいずれの組合せも、本発明に包含される。
【0100】
[0112]本明細書で引用される、刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれその全体が明記されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
[0113]本開示の実施形態の例は、以下の条項を考慮して記載され得る。
【0102】
[0114]条項1.ユーザの網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、OCTシステムは:光ビームを放出する広帯域幅光源と;光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割し、再結合光ビームを形成するために基準アーム光ビームをサンプルアーム光ビームの戻り部分と再結合させる、ビームスプリッタと;基準アーム光ビームが伝播する基準アーム光路と;基準アーム光路の長さを変化させるように動作可能な基準アーム光路長調整機構と;サンプルアーム光ビームおよびサンプルアーム光ビームの戻り部分が伝播するサンプルアーム光路と;サンプルアーム光路上に設けられた対物レンズと;サンプルアーム光路が網膜まで延びるように、ユーザの頭部を拘束するように構成されたビューアアセンブリと;サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元でサンプルアーム光ビームを走査する走査ユニットと;網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように制御可能なサンプルアーム光ビーム焦点機構と;再結合光ビームのためのOCT信号を生成するOCT画像検出器と;網膜を介してユーザによって視認可能な固視標を表示する表示デバイスと;網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように制御可能な表示デバイス焦点機構と;OCT画像検出器、表示デバイス焦点機構、基準アーム光路長調整機構、およびサンプルアーム光ビーム焦点機構に動作可能に接続された制御ユニットであって、制御ユニットは、OCT信号を監視し;OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために、基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し;サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させ;サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用されたユーザのための識別された焦点補正に基づいて表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定し;表示デバイス焦点機構の焦点設定で動作するように表示デバイス焦点機構を制御する、ように構成されている、制御ユニットと、を備えるOCTシステム。
【0103】
[0115]条項2.制御ユニットは、サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、ユーザの識別された焦点補正に対応する表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定するために、ルックアップデータテーブルを使用する、条項1に記載のOCTシステム。
【0104】
[0116]条項3.表示デバイス焦点機構は、表示デバイスに対して再配置可能な表示デバイスフォーカスレンズを備え、表示デバイス焦点機構の焦点設定は、表示デバイスに対する表示デバイスフォーカスレンズのそれぞれの位置に対応する、条項1に記載のOCTシステム。
【0105】
[0117]条項4.表示デバイス焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように動作可能である、条項1に記載のOCTシステム。
【0106】
[0118]条項5.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である、条項4に記載のOCTシステム。
【0107】
[0119]条項6.ビューアアセンブリは、ユーザの頭部を拘束し、網膜と対物レンズとの間の距離を画定するために、ユーザの顔特徴と係合し、対物レンズと網膜との間の距離は、OCTシステムまたはOCTシステムのオペレータによって制御されない、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0108】
[0120]条項7.制御ユニットは、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さの識別、およびユーザの焦点補正の識別のうちの少なくとも1つを達成するために、画像処理手法を使用して処理されるOCT画像を生成するためにOCT信号を処理する、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0109】
[0121]条項8.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、ビームスプリッタと走査ユニットとの間のサンプルアーム光路上に設けられる、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0110】
[0122]条項9.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、条項8に記載のOCTシステム。
【0111】
[0123]条項10.制御ユニットは、基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し;基準アーム光路長の候補長を決定し、候補長の各々は、OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され;OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さとなるOCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する候補長のうちの1つを選択する、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0112】
[0124]条項11.基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲は、50mm以下をカバーする、条項10に記載のOCTシステム。
【0113】
[0125]条項12.瞳孔カメラと;瞳孔撮像光路と;瞳孔照明光源と;瞳孔撮像光路をサンプルアーム光路に結合するためのダイクロイックミラーと、を備え、制御ユニットは、瞳孔カメラに動作可能に結合されており、制御ユニットは、ユーザの瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされているか否かを検出するために瞳孔カメラの出力を処理し、基準アーム光路の長さは、瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされている間にのみ変化する、条項11に記載のOCTシステム。
【0114】
[0126]条項13.瞳孔カメラと;瞳孔撮像光路と;瞳孔照明光源と;瞳孔撮像光路をサンプルアーム光路に結合するためのダイクロイックミラーと、を備え、制御ユニットは、瞳孔カメラに動作可能に結合されており、制御ユニットは、ユーザの瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされているか否かを検出するために瞳孔カメラの出力を処理し、基準アーム光路の長さは、ユーザの瞳孔が開いてサンプルアーム光路と位置合わせされている間にのみ変化する、条項10に記載のOCTシステム。
【0115】
[0127]条項14.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0116】
[0128]条項15.aスキャンの積分時間が50マイクロ秒を超える、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0117】
[0129]条項16.対物レンズおよび第2のレンズを含む望遠鏡アセンブリを備え、対物レンズおよび第2のレンズの各々は、サンプルアーム光路上に固定位置を有する、条項1から5のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0118】
[0130]条項17.ユーザの網膜を撮像するための光干渉断層撮影(OCT)システムであって、OCTシステムは、光ビームを放出する光源と;光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割するビームスプリッタと;基準アーム光ビームが伝播する基準アーム光路と;基準アーム光路の長さを変化させるように動作可能な基準アーム光路長調整機構と;サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元でサンプルアーム光ビームを走査する走査ユニットと;網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように制御可能なサンプルアーム光ビーム焦点機構と;OCT信号を生成するOCT画像検出器と;OCT画像検出器およびサンプルアーム光ビーム焦点機構に動作可能に接続された制御ユニットであって、制御ユニットは、OCT信号を監視し;サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させ;基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し;基準アーム光路長の候補長を決定し、候補長の各々は、OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され;OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さとなるOCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する候補長のうちの1つを選択する、ように構成されている、制御ユニットと、を備えるOCTシステム。
【0119】
[0131]条項18.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、ビームスプリッタと走査ユニットとの間に設けられる、条項17に記載のOCTシステム。
【0120】
[0132]条項19.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、条項18に記載のOCTシステム。
【0121】
[0133]条項20.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、条項17から19のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0122】
[0134]条項21.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である、条項17から19のいずれか一項に記載のOCTシステム。
【0123】
[0135]条項22.OCTシステムを用いてユーザの網膜を撮像する方法であって、方法は、広帯域光源から光ビームを放出するステップと;光ビームをサンプルアーム光ビームおよび基準アーム光ビームに分割するステップと;サンプルアーム光ビームに焦点補正を適用するために、サンプルアーム光ビーム焦点機構を通じてサンプルアーム光ビームを伝播させるステップと;走査ユニットによって、走査されたサンプルアーム光ビームを生成するために、サンプルアーム光ビームの伝播方向を横断して二次元でサンプルアーム光ビームを走査するステップと;対物レンズを通じて走査されたサンプルアーム光ビームを伝播させるステップと;走査されたサンプルアーム光ビームが網膜に入射するように、ビューアアセンブリによってユーザの頭部を拘束するステップと;基準アーム光ビーム光路上で基準アーム光ビームを伝播させるステップと;再結合光ビームを生成するために、走査されたサンプルアーム光ビームの戻り部分と基準アーム光ビームとを再結合させるステップと;再結合光ビームをOCT画像検出器に伝播させるステップと;OCT画像検出器によって、再結合光ビームのためのOCT信号を生成するステップと;制御ユニットによってOCT信号を監視するステップと;制御ユニットによって、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを識別するために、基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御するステップと;制御ユニットによって、サンプルアーム光ビームへの適用のために、OCT信号に基づいて、ユーザの焦点補正を識別するために、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さを維持しながら、ある範囲にわたってサンプルアーム光ビーム焦点機構の動作パラメータを変化させるステップと、を備える方法。
【0124】
[0136]条項23.表示デバイス焦点機構を通じて固視標を表示している表示デバイスから網膜まで光を伝播させるステップと;制御ユニットによって、サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用された、ユーザの識別された焦点補正に基づいて、表示デバイス焦点機構の焦点設定を決定するステップと;制御ユニットによって、表示デバイス焦点機構の焦点設定で動作するように表示デバイス焦点機構を制御するステップと、を備える、条項22に記載の方法。
【0125】
[0137]条項24.制御ユニットは、サンプルアーム光ビーム焦点機構によって適用されたユーザのための識別された焦点補正に基づいて表示デバイスの焦点設定を決定するために、ルックアップデータテーブルにアクセスする、条項23に記載の方法。
【0126】
[0138]条項25.表示デバイス焦点機構は、表示デバイスに対して再配置可能な表示デバイスフォーカスレンズを備え、表示デバイス焦点機構の焦点設定は、表示デバイスに対する表示デバイスフォーカスレンズのそれぞれの位置に対応する、条項23に記載の方法。
【0127】
[0139]条項26.表示デバイス焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上の固視標の画像の焦点を変化させるように動作可能である、条項23に記載の方法。
【0128】
[0140]条項27.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である、条項26に記載の方法。
【0129】
[0141]条項28.ビューアアセンブリは、ユーザの頭部を拘束し、眼と対物レンズとの間の距離を画定するために、ユーザの顔特徴と係合し、対物レンズと眼との間の距離は、OCTシステムまたはOCTシステムのオペレータによって制御されない、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0130】
[0142]条項29.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、制御可能な液体レンズを備える、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0131】
[0143]条項30.制御ユニットは、基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲にわたって基準アーム光路の長さを変化させるように基準アーム光路長調整機構を制御し;基準アーム光路長の候補長を決定し、候補長の各々は、OCT信号のそれぞれの強度に基づいて決定され;OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さとなるOCT信号の最も高いそれぞれの強度を有する候補長のうちの1つを選択する、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0132】
[0144]条項31.基準アーム光路長調整機構の制御を介して達成可能な基準アーム光路長の全ての長さに及ぶ範囲は、50mm以下をカバーする、条項30に記載の方法。
【0133】
[0145]条項32.制御ユニットによって、ユーザの瞳孔が開いてサンプルアーム光ビームと位置合わせされているか否かを検出するために、瞳孔カメラの出力を処理するステップを備え、基準アーム光路の長さは、瞳孔が開いてサンプルアーム光ビームと位置合わせされている間にのみ変化する、条項30に記載の方法。
【0134】
[0146]条項33.制御ユニットによって、ユーザの瞳孔が開いてサンプルアーム光ビームと位置合わせされているか否かを検出するために、瞳孔カメラの出力を処理するステップを備え、基準アーム光路の長さは、瞳孔が開いてサンプルアーム光ビームと位置合わせされている間にのみ変化する、条項30に記載の方法。
【0135】
[0147]条項34.サンプルアーム光ビーム焦点機構は、少なくとも15ジオプトリの範囲にわたって網膜上のサンプルアーム光ビームの焦点を変化させるように動作可能である、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0136】
[0148]条項35.aスキャンの積分時間が50マイクロ秒を超える、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
[0149]条項36.サンプルアーム光ビームは、対物レンズおよび第2のレンズを含む望遠鏡アセンブリを通じて伝播し、対物レンズおよび第2のレンズの各々は、望遠鏡アセンブリ内に固定位置を有する、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
[0150]条項37.制御ユニットによって、OCT画像を生成するためにOCT信号を処理するステップと;制御ユニットによって、OCT信号が網膜のOCT画像に対応する基準アーム光路の長さの識別、およびユーザの焦点補正の識別のうちの少なくとも1つを達成するために、画像処理手法を使用して、OCT画像を処理するステップと、を備える、条項22から27のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図5h
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】