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  • 特表-周辺環境モデルの最適化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】周辺環境モデルの最適化方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220804BHJP
   G06T 17/00 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G06T17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573399
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2020062704
(87)【国際公開番号】W WO2020249328
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102019208498.2
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】プファイル,イェルク
【テーマコード(参考)】
5B080
5H181
【Fターム(参考)】
5B080AA00
5B080CA00
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC01
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
少なくとも1つの制御機器による周辺環境モデルの最適化方法が開示されており、この場合、第1のセンサセットおよび少なくとも1つの第2のセンサセットの測定データが受信され、第1のセンサセットが第1の走査領域を、および第2のセンサセットが第2の走査領域を有しており、かつ第1の走査領域と第2の走査領域が部分的に重畳領域内で重なり合っており、各センサセットに対し、それぞれのセンサセットの受信された測定データに基づいて1つの周辺環境モデルが作成され、少なくとも2つの周辺環境モデルが、重畳領域に基づいて相互に比較および検証され、少なくとも2つの周辺環境モデルが1つの最適化された周辺環境モデルへと統合される。さらに、遂行構成である制御機器、コンピュータプログラム、および機械可読のメモリ媒体が開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの制御機器(8、14、22)による周辺環境モデル(34、35、36)の最適化方法(2)であって、
- 第1のセンサセット(10)の測定データ(31)および少なくとも1つの第2のセンサセット(16)の測定データ(32、33)が受信され、前記第1のセンサセット(10)は第1の走査領域(24)を、および前記第2のセンサセット(16)は第2の走査領域(26)を有しており、前記第1の走査領域(24)と前記第2の走査領域(26)は部分的に重畳領域(28)内で重なり合っており、
- 各センサセット(10、16)に対し、それぞれの前記センサセット(10、16)の前記受信された測定データ(31、32、33)に基づいて1つの周辺環境モデル(34、35、36)が作成され、
- 少なくとも2つの前記周辺環境モデル(34、35、36)が、前記重畳領域(28)に基づいて相互に比較および検証され、
- 少なくとも2つの前記周辺環境モデル(34、35、36)が1つの最適化された周辺環境モデル(37)へと統合される、最適化方法(2)。
【請求項2】
少なくとも2つの前記センサセット(10、16)が、1台の車両(4、6)内にまたは異なる車両内に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの前記周辺環境モデル(34、35、36)を統合することで、前記受信された測定データ(31、32、33)の不正確さが少なくとも前記重畳領域(28)内で低減される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも2つの前記周辺環境モデル(34、35、36)を統合することで、前記第1の走査領域(24)と前記第2の走査領域(26)とに対応する前記最適化された周辺環境モデル(37)により、拡張された走査領域が表現される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つのセンサセット(10、16)の前記測定データ(31、32、33)および/または少なくとも2つの周辺環境モデル(34、35、36)のデータが、通信接続(20)を介し、少なくとも2つの制御機器(8、14、22)の間で交換される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つの前記周辺環境モデル(34、35、36)の比較、検証、および/または1つの最適化された周辺環境モデル(37)への統合が、少なくとも1つの車両外(22)または車両内の制御機器(8、14)によって実行される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つの前記周辺環境モデル(34、35、36)を統合することで、前記第1のセンサセット(10)の前記周辺環境モデル(34)および/または前記第2のセンサセット(16)の前記周辺環境モデル(35)が、完了、修正、および/または拡張される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(2)を実行するために備えられた制御機器(8、14、22)。
【請求項9】
コンピュータまたは制御機器(8、14、22)によるコンピュータプログラムの実行の際に前記コンピュータまたは制御機器(8、14、22)に請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(2)を実行させるコマンドを含むコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムが保存された機械可読のメモリ媒体(12、18)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの制御機器による周辺環境モデルの最適化方法に関する。本発明はさらに、制御機器、コンピュータプログラム、および機械可読のメモリ媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動動作可能な車両では、静的および動的なオブジェクトの認識および分類のために、様々なセンサが用いられる。例えばカメラセンサ、レーダセンサ、超音波センサ、および慣性センサが使用される。これらのセンサは、車両の直接的で局所的な周辺環境のモデル化を可能にし、このモデル化は、しばしば地図データと組み合わされる。これにより、車両の長期間の走行操作の実行が可能になる。
【0003】
このような周辺環境モデルを作成するため、1台の車両の複数のセンサの測定データがマージされる。しかしながら様々なセンサのこの機能方式により、誤りのあるまたは不正確さのある周辺環境モデルが生じるが、この周辺環境モデルは、走行操作の的確で長期間の実行のためにはできるだけ現実に即していなければならない。
【0004】
問題なのは、とりわけ、作成された周辺環境モデルの正しさと、周辺環境モデルのベースとなるセンサに基づいて確定された測定データの正確さとをチェックするための基準がないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎となる課題は、作成された周辺環境モデルをチェックして、その正確さを改善する方法を提案することであるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項のそれぞれの主題によって解決される。本発明の有利な形態は、それぞれの従属請求項の主題である。
【0007】
本発明の一態様により、少なくとも1つの制御機器による周辺環境モデルの最適化方法が提供される。制御機器は、例えばサーバユニットまたはクラウドシステムとして実施された車両外の制御機器であり得る。その代わりにまたはそれに加えて制御機器は車両内に配置された制御機器であり得る。
【0008】
1つのステップで、第1のセンサセットおよび少なくとも1つの第2のセンサセットの測定データが受信される。より好ましくは、第1のセンサセットが第1の走査領域を有し、および第2のセンサセットが第2の走査領域を有しており、この第1の走査領域と第2の走査領域が部分的に重畳領域内で重なり合い得ることである。形態および適用事例に応じて、それぞれのセンサセットの走査領域は、重なり合いまたは重畳領域なしでも、本方法を実施するために用いられ得る。
【0009】
各センサセットに対し、それぞれのセンサセットの受信された測定データに基づいて1つの周辺環境モデルが作成される。その代わりにまたはそれに加えて、複数のセンサセットの測定データに基づいて1つの周辺環境モデルが作成され得る。
【0010】
本方法のさらなるステップでは、少なくとも2つの周辺環境モデルが、重畳領域に基づいて相互に比較および検証される。
【0011】
続いて、少なくとも2つの周辺環境モデルが1つの最適化された周辺環境モデルへと統合(Zusammenfuhren)される。
【0012】
本発明のさらなる態様により制御機器が提供され、この制御機器は、本方法を実行するために備えられている。この制御機器は、例えば車両内または車両外の制御機器であり得る。例えば、車両外に備えられた制御機器は、周辺環境モデルを検証および最適化するために、車両の測定データを受信および評価し得る。
【0013】
車両内に形成された制御機器は、例えば、自動運転機能を実行するための車両制御部と接続され得るかまたは自動化された車両制御部の一部として実装され得る。これにより制御機器は、車両内で用いられるセンサの測定データおよび作成された周辺環境モデルにアクセスできる。それだけでなく制御機器は、他車または他車の制御機器へのデータ伝送式の通信接続を確立するための通信ユニットを有し得る。
【0014】
それだけでなく本発明の一態様により、コンピュータまたは制御機器によるコンピュータプログラムの実行の際にコンピュータまたは制御機器に本発明による方法を実行させるコマンドを含むコンピュータプログラムが提供される。本発明のさらなる態様によれば、本発明によるコンピュータプログラムが保存された機械可読のメモリ媒体が提供される。
【0015】
車両内に実装される制御機器は、例えば、BASt規格に基づき、支援付き、部分自動化、高度自動化、および/または完全自動化もしくは無人動作可能な車両内に配置されている。
【0016】
センサセットは、1つまたは複数のセンサから成り得る。センサは、異なってまたは同様に形成され得る。センサは、とりわけ車両の周辺環境センサシステムの構成要素であり得る。センサセットは、とりわけLIDARセンサ、レーダセンサ、超音波センサ、カメラセンサ、およびその類似物を有し得る。センサセットは、周辺環境センサシステムの一部、一群、または周辺環境センサシステム全体であってもよい。それだけでなく、さらなるセンサ、例えば加速度センサまたはオドメータも、センサセット内に実装され得る。
【0017】
本方法により、とりわけ重畳領域内で、測定データの重複性が提供され、この重複性が、それぞれの周辺環境モデルのチェックおよび最適化を可能にする。例えば、重畳領域内で周辺環境モデル間の相違が確認されると、チェックが開始され得るかまたは最適化を達成するために測定データの平均値決定が実施され得る。
【0018】
とりわけ、少なくとも2つの作成された周辺環境モデルが、より大きな地域またはより大きな走査領域を表現し得る1つの最適化された周辺環境モデルへとまとめられ得る。最適化された周辺環境モデルは、重畳領域に基づいて既に、それぞれの測定データの最適化または検証を有し得る。この場合、周辺環境モデルの基礎となる測定データかまたは結果として生じる最適化された周辺環境モデルが適合され得る。
【0019】
これにより、センサセットの性能のチェックおよび最適化のための基準が提供され得る。本方法は、とりわけ複数の並列に動作するセンサセットによって実施され得る。それぞれのセンサセットが空間的にお互いに離隔され得ることが好ましい。特に好ましいのは、これらのセンサセットが、互いに相違する走査領域の向きを有することができ、かつ少なくとも部分的には、それぞれの走査領域の同じシーンまたは重畳領域を監視し得ることである。このような重複性に基づいて確定された測定データは、センサ周囲をより現実に即して表現し得る1つの最適化された周辺環境モデルの作成に利用され得る。その代わりにまたはそれに加えて、複数のセンサセットの測定データを使用することで、結果として生じる周辺環境モデルにより、より大きな面積が表現され得る。表現される面積は、任意選択で重畳領域なしで実行されてもよい。周辺環境モデル計算の情報または結果が保存でき、かつ後の時点で使用できることが好ましい。この情報の利用は、例えば、車両がセンサセットの走査領域の1つの方向または領域に移動する場合に開始され得る。これは、例えば車線変更、方向転換、およびそれに類することの際に行われ得る。
【0020】
この場合、本方法はテストコース上でかまたは公道から離れて用いることも、公道上で用いることもできる。遮られているまたは十分に見えていないオブジェクトおよび比較的大きな距離をあけたオブジェクトは、1つまたは複数のより近くにあるセンサセットの1つのセンサセットによって走査または検出され得る。異なるセンサセットによって取得された情報をつなぎ合わせることで、1つの最適化された周辺環境モデルが生成され、この最適化された周辺環境モデルが、ほかの周辺環境モデルのための基準として用いられる。とりわけ、空間的に近くにあり、例えば車両上に配置されている複数のセンサセットの測定データまたは情報をマージすることにより、不確実さが低減した1つの最適化された周辺環境モデルが作成され得る。
【0021】
1つの例示的実施形態によれば、少なくとも2つのセンサセットが、1台の車両内にまたは異なる車両内に配置されている。これにより、少なくとも2つのセンサセットが異なる位置および異なる向きを有することができ、したがってそれぞれの走査領域は、共通の重畳領域の外では互いに異なっている。これにより例えば、第1の走査領域からの測定データに基づく第1のセンサセットの周辺環境モデルが、第2の走査領域からの測定データに基づく第2のセンサセットの周辺環境モデルの分だけ拡張され得る。これにより、周辺環境モデルの任意の長さの並置が実現でき、これに関し、少なくとも2つの周辺環境モデルは部分的に重なり合い得る。以前のセンサレベルに基づく、例えばLIDARセンサの位置または反射に基づく同期化された情報および測定データを基礎として、これらの車両もしくはセンサセットの空間的な隔たりおよび/またはこれらのセンサセットの違う視角および/または個別のセンサ特徴により、個々のセンサセットまたは車両の周辺環境モデルより高い正確さを証明する最適化された周辺環境モデルが作成され得る。
【0022】
この措置により、個々の周辺環境モデルの誤りが確定および最適化され得る。この原理は、複数の車両またはセンサセットが互換性のある伝送可能な入力データで動作し、これにより、単一の車両がその周囲を知覚するためにより多くの入力データを自由に使える場合、逐次的にまたは連続的に適用することもできる。それだけでなく、個々のセンサセットのあり得る系統誤差を明らかにするため、1台の車両が複数のセンサセットを有し得る。とりわけ、複数のより多種多様な情報の供給により、周辺環境モデルの不確実性または誤りが低減され得る。
【0023】
さらなる1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも2つの周辺環境モデルを統合することで、受信された測定データの不正確さが重畳領域内で低減される。もたらされる周辺環境モデルの重畳領域内での比較に基づいて周辺環境モデルが検証され得る。例えば、結果の相違が存在している場合、周辺環境モデルのチェックまたは再計算が開始され得る。その代わりにまたはそれに加えて、1つの最適化された周辺環境モデルを作成するために、周辺環境モデルから平均値が決定され得るかまたは相違を補正するためのオフセットが考慮され得る。
【0024】
さらなる一実施形態によれば、少なくとも2つの周辺環境モデルを統合することで、第1の走査領域と第2の走査領域に相応する最適化された周辺環境モデルにより、拡張された走査領域が表現される。それだけでなく、予測を実施するため、それぞれの周辺環境モデルが走査領域を超えて補間され得る。より好ましいのは、センサセットを車両上に配置することができ、この各車両が、それぞれのセンサセットと接続可能な制御機器を有することである。これらの制御機器は、車両をまたいで相互に通信でき、例えば測定データおよび周辺環境モデルを相互に交換し得る。これにより、車両間での測定データおよび情報の同期化が実現でき、この同期化が、それぞれのセンサセットの可能到達範囲および周辺環境モデルの精密さを向上させる。
【0025】
さらなる1つの例示的実施形態によれば、少なくとも2つのセンサセットの測定データおよび/または少なくとも2つの周辺環境モデルのデータが、通信接続を介し、少なくとも2つの制御機器の間で交換される。それぞれのセンサセットが制御機器と接続されていることが好ましい。形態に応じて、制御機器がセンサセットの構成要素であってもよい。複数の制御機器が、ワイヤレス通信接続を介し、データおよび情報、例えば測定データ、周辺環境モデル、および計算結果を相互に交換することができる。通信接続は、例えばGSM、UMTS、LTE、4G、5G、WLAN、無線電信、およびそれに類する伝送規格に基づき得る。
【0026】
さらなる1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも2つの周辺環境モデルの比較、検証、および/または1つの最適化された周辺環境モデルへの統合が、少なくとも1つの車両外または車両内の制御機器によって実行される。したがって、異なるセンサセットまたは車両の情報が、走行中に連続的にまたは規定の時間間隔をあけて交換または同期化され得る。その代わりにまたはそれに加えて、異なるセンサセットの測定データおよび周辺環境モデルを車両外の制御ユニットへ送ることができ、この制御ユニットが、それぞれの周辺環境モデルおよび測定データを事後的にチェックおよび検証する。これにより車両外で、ほかの車両およびセンサセットのための基準モデルとしての1つの最適化された周辺環境モデルがもたらされ得る。
【0027】
さらなる一形態によれば、少なくとも2つの周辺環境モデルを統合することで、第1のセンサセットの周辺環境モデルおよび/または第2のセンサセットの周辺環境モデルが、完了、修正、および/または拡張される。これにより、個々の周辺環境モデルの誤りが確定され、修正、補正、または最適化が実施され得る。このために、例えば周辺環境モデルのパラメータが適合され得るかまたはそれぞれの周辺環境モデルの作成の基礎となる測定データが修正され得る。
【0028】
より好ましくは、異なるセンサセットの測定データおよび/または周辺環境モデルが、同じタイムベースを有し得ることである。共通のタイムベースは、例えばGPS信号または共通のクロックによって調整され得る。
【0029】
以下では、非常に簡略化した概略図に基づいて本発明の好ましい例示的な実施形態をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による方法を図解するための一構成の概略的な平面図である。
図2】1つの例示的な実施形態に基づく方法を図解するための概略的なダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明による方法2を図解するための一構成1の概略的な平面図を示している。この構成1は、第1の車両4および第2の車両6を有している。両方の車両4、6は、行動の計画および実行のために周辺環境モデルを作成する自動動作可能な車両として実行され得る。図解のために2つの車両4、6が図示されているが、構成1は任意の数の車両を有し得る。
【0032】
第1の車両4は第1の制御機器8を有している。第1の制御機器8は第1のセンサセット10と接続している。第1のセンサセット10は、例えばLIDARセンサおよび1つまたは複数のレーダセンサを有し得る。制御機器8は、とりわけ第1のセンサセット10の測定データを受信および評価し得る。
【0033】
それだけでなく第1の制御機器8は機械可読のメモリ媒体12と接続されており、メモリ媒体12はデータの保存に用いられ、メモリ媒体12上では、例えば、方法2を実施するために、第1の制御機器8によって実行可能なコンピュータプログラムが格納され得る。
【0034】
第2の車両6は第2の制御機器14を有しており、第2の制御機器14は第2のセンサセット16とデータ伝送式に接続されている。これにより、第2の制御機器14は第2のセンサセット16の測定データを受信し得る。
【0035】
この例示的な実施形態によれば、第2のセンサセット16は第2の車両6のリア側に配置されている。さらに、第2の制御機器14によって可読の第2の機械可読のメモリ媒体18が設けられている。
【0036】
第2の機械可読のメモリ媒体18は、第1の機械可読のメモリ媒体12に倣って形成され得る。第2のセンサセット16は、例えばLIDARセンサおよびカメラセンサを有し得る。
【0037】
両方の制御機器8、14は、ワイヤレス通信接続20を介し、データおよび情報を相互に交換し得る。それだけでなく制御機器8、14は、ワイヤレス通信接続20を介し、車両外の制御ユニット22と通信でき、同様にデータおよび情報を交換し得る。
【0038】
第1のセンサセット10は、第1の走査領域24を走査するように備えられている。第2の走査領域26は第2のセンサセット16によって走査される。第1の走査領域24および第2の走査領域26は、それらが重なり合っている重畳領域28を有している。したがって重畳領域28内では、センサセット10、16の測定データが重複して存在する。
【0039】
走査領域24、26は、隣接する車両30によって一部が遮られているかまたは陰になっている。走査領域24、26と、車両30の影響とが概略的に図解されている。
【0040】
図2では、1つの例示的な実施形態に基づく方法2を図解するための概略的なダイアグラムが示されている。方法2は、少なくとも1つの制御機器8、14、22による周辺環境モデルの最適化に用いられる。
【0041】
1つのステップで、第1のセンサセット10の測定データ31および少なくとも1つの第2のセンサセット16の測定データ32、33が受信される。この例示的な実施形態によれば、測定データは通信接続20を介して制御機器8、14、22の間で交換される。通信接続20は、例えばWLAN、GSM、LTE、または類似のワイヤレス接続であり得る。測定データは、好ましくは共通のタイムベースを有しており、または同期化されて確定される。
【0042】
センサセット10、16はそれぞれ、重畳領域28内で重なり合っている走査領域24、26を有している。
【0043】
さらなるステップでは、各センサセット10、16に対し、それぞれのセンサセット10、16の受信された測定データ31、32、33に基づいて1つの周辺環境モデル34、35、36が作成される。これは、車両側の制御機器8、14によって行われ得る。
【0044】
少なくとも2つの周辺環境モデル34、35、36が、例えば重畳領域28に基づいて相互に比較および検証される。比較および検証のために、とりわけ、最初の2つの周辺環境モデル34、35の間の重畳領域と、さらなる周辺環境モデル35、36のペア間の重畳領域とが利用され得る。
【0045】
この場合、少なくとも2つの周辺環境モデル34、35、36の比較、検証、および/または統合が、1つの最適化された周辺環境モデル37をもたらす。このステップは、車両側の制御機器8、14によってまたは車両外の制御機器22によって実施され得る。これにより、少なくとも2つの周辺環境モデル34、35、36が1つの最適化された周辺環境モデル37へと統合され得る。
【0046】
矢印は、センサセット10、16のそれぞれの周辺環境モデル34、35、36を改善するために、最適化された周辺環境モデル37のフィードバックが可能であることを図解している。
図1
図2
【国際調査報告】