(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】ヒンジ機構及び折り畳み型モバイル端末
(51)【国際特許分類】
F16C 11/04 20060101AFI20220804BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20220804BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
F16C11/04 F
G06F1/16 312F
G06F1/16 312G
H04M1/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573772
(86)(22)【出願日】2020-06-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2020098340
(87)【国際公開番号】W WO2020259646
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910569376.7
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】592245432
【氏名又は名称】スタッフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】長井 賢次
(72)【発明者】
【氏名】小荒田 新一
(72)【発明者】
【氏名】▲鄒▼ ▲亜▼科
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 知明
【テーマコード(参考)】
3J105
5K023
【Fターム(参考)】
3J105AA05
3J105AA42
3J105AB16
3J105AC07
3J105AC10
3J105BC25
3J105DA34
5K023AA07
5K023BB26
5K023DD08
5K023RR09
(57)【要約】
本願の実施形態は、ヒンジ機構及び折り畳み型のモバイル端末を提供する。スイングアームコンポーネント及び同期コンポーネントは、ヒンジ機構の主軸コンポーネントの両側に配置されるため、スイングアームが主軸コンポーネントを中心に回転すると、それに対応してスイングアームと同じ側の同期アームが回転し、反対側の同期アーム及びスイングアームを駆動して回転させ、また、主軸コンポーネントを含む折り畳み型のモバイル端末の両側のハウジングが同期的に動くことができ、フレキシブルスクリーンの力が比較的均等になる。加えて、主軸コンポーネントの両側のスイングアームは異なる軸を中心に回転するため、そのような設計を介して、スイングアームの回転の間にフレキシブルスクリーンを収容できる収容空間が形成でき、フレキシブルスクリーンの損傷が軽減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み型のモバイル端末に適用されるヒンジ機構であって、当該ヒンジ機構は、
主軸コンポーネントと、
少なくとも1つのスイングアーム群を含むスイングアームコンポーネントであって、各スイングアーム群は、前記主軸コンポーネントの両側に対応して配置されるスイングアームを含み、該スイングアームは前記主軸コンポーネントに回転可能に接続され、前記主軸コンポーネントの両側にある該スイングアームが中心として回転する軸は異なるとともに、独立して前記主軸コンポーネントの延在方向と平行である、スイングアームコンポーネントと、
同期コンポーネントであって、該同期コンポーネント及び前記スイングアームコンポーネントは対応して配置され、前記同期コンポーネントは、前記主軸コンポーネントの両側に別々に配置される同期アームを含み、2つの同期アームはギアが設けられ、各同期アームは、前記同期アームと同じ側のスイングアームに摺動可能に接続され、前記対応する側のスイングアームと共に回転し得る、同期コンポーネントと、
を含む、ヒンジ機構。
【請求項2】
同じ側に配置されるスイングアーム及び同期アームが中心として回転する軸は一致する、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項3】
前記主軸コンポーネントの延在方向において、スイングアームは同期アームと1対1の対応関係で配置されるか又は1つの同期アームが前記スイングアームの各端に配置され、
前記同期アームにストリップ状の孔が配置され、該ストリップ状の孔の延在方向は前記同期アームの延在方向と同じであり、該ストリップ状の孔に沿って摺動可能な摺動部が前記スイングアームに配置されている、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項4】
前記摺動部は、前記スイングアームに配置される締結ロッドである、請求項3に記載のヒンジ機構。
【請求項5】
前記主軸コンポーネントにスイングアーム取り付け溝が配置され、該スイングアーム取り付け溝の壁に突起が配置され、該突起は円弧状の支持面を有し、
前記スイングアームの、前記主軸コンポーネントに接続される端部に支持軸が配置され、該支持軸は前記円弧状の支持面に接触し、前記円弧状の支持面に沿って回転し得る、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項6】
前記ヒンジ機構は、前記主軸コンポーネントの両側に別々に配置されるバッフルをさらに含み、前記同期アームにV字状の孔がさらに配置され、
前記バッフルは、本体と、該本体に接続される接続部とを含み、前記バッフルの延在方向は前記主軸コンポーネントの延在方向と平行であり、該接続部の延在方向は、該本体の延在方向と垂直であり、前記接続部の、前記本体から離れた方の端部は、回転ピン軸を用いて前記スイングアームに回転可能に接続され、前記接続部の、前記本体に近い方の端部は、駆動ピン軸を用いて前記スイングアームに接続され、前記スイングアームは、該駆動ピン軸が前記V字状の孔に沿って移動して前記接続部を駆動し、前記回転ピン軸を中心にさせることにより、前記主軸コンポーネントと両側の本体とによりフレキシブルスクリーンを収容するための収容空間を形成できるように回転する、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項7】
前記同期アームの、前記スイングアームに面する側壁に複数の制限溝が配置され、
前記ヒンジ機構は弾性コンポーネントをさら含み、該弾性コンポーネントは、該弾性コンポーネントと同じ側のスイングアームと同期アームとの間に配置され、互いに当接するボールと弾性機械部品とを含み、該弾性機械部品の一端は前記スイングアームに当接し、他端は該ボールに当接し、該ボールは、前記同期アームの、前記スイングアームに近い方の側壁に沿って転がり得る、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヒンジ機構。
【請求項8】
前記弾性機械部品を収容するための収容溝が前記スイングアームに配置され、前記弾性機械部品は該収容溝に収容され、該収容溝の底部に当接する、請求項7に記載のヒンジ機構。
【請求項9】
前記弾性機械部品は、平行に配置される複数のバネを含み、該複数のバネの端部の、前記同期アームに接続される端部は接続されている、請求項8に記載のヒンジ機構。
【請求項10】
前記収容溝内に制限ピラーが配置され、前記複数のバネのそれぞれは該制限ピラーをスリーブし、
前記複数のバネの、前記同期アームに近い方の端部は、U字コネクタを用いることにより接続され、前記ロールは該U字コネクタの端面に当接する、請求項9に記載のヒンジ機構。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のヒンジ機構と、2つのハウジングと、該2つのハウジングに固定されるフレキシブルスクリーンとを含み、該2つのハウジングは、前記ヒンジ機構の両側に別々に配置され、各ハウジングは、前記ハウジングと同じ側の前記スイングアームに固定されている、折り畳み型のモバイル端末。
【請求項12】
前記主軸コンポーネントの両側に別々に配置されるブラケットをさらに含み、該ブラケットは、対応する側のスイングアームとハウジングとを接続するように構成されている、請求項11に記載のモバイル端末。
【請求項13】
外観保護部をさらに含み、該外観保護部は、前記モバイル端末の折り畳み外側に配置され、弾性機構を用いて前記主軸コンポーネントの両側のブラケットに別々に接続されている、請求項12に記載のモバイル端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年6月27日に中国国家知識産権局に出願された「ヒンジ機構及び折り畳み型モバイル端末」と題する中国特許出願第201910569376.7号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は端末技術の分野に関し、とりわけヒンジ機構及び折り畳み型モバイル端末に関する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブルディスプレイスクリーン技術が徐々に成熟するにつれ,端末装置の表示方式が大きく変化し、折り畳み型のフレキシブルスクリーン携帯電話は将来、携帯電話の差別化の重要な進化方向である。折り畳み型のフレキシブルスクリーン携帯電話のディスプレイスクリーンは、様々な使用シナリオに基づいて柔軟に切り替え可能な表示モードを特徴としているため、折り畳み型のフレキシブルスクリーン携帯電話は、主流の機器メーカーの次世代の携帯電話開発の主流となることは間違いない。将来、折り畳み型のフレキシブルスクリーン携帯電話は端末製品の主要なセールスポイントとなる。
【0004】
フレキシブルスクリーン及び折り畳みヒンジは、折り畳み型のフレキシブルスクリーン携帯電話技術の鍵であり、フレキシブルスクリーンは比較的脆弱なコンポーネントであるため、フレキシブルスクリーンの一部に加えられる圧力又は張力が折り畳みプロセスで不均等な場合、フレキシブルスクリーンは変形及び損傷を受ける可能性が非常に高い。この場合、折り畳めヒンジは、極薄の収容空間で180°回転できる必要があるだけでなく、フレキシブルスクリーンの力を均等になるようにフレキシブルスクリーンの特徴と協調する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施形態は、フレキシブルスクリーンの力が均等になり、フレキシブルスクリーンの寿命を延ばすことができるように、ヒンジ機構及び折り畳み型のモバイル端末を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、ヒンジ機構が提供される。ヒンジ機構は、折り畳み型のモバイル端末に適用され、モバイル端末の折りたたみ機構として用いられる。ヒンジ機構はモバイル端末の2つのハウジングに別々に固定され、モバイル端末が折り畳まれる場合に、2つのハウジングはヒンジ機構を中心に回転して折り畳みを実施する。ヒンジ機構は、主軸コンポーネント、スイングアームコンポーネント及び同期コンポーネントという3つの部品を主に含む。主軸コンポーネントはヒンジとして機能する。スイングアームコンポーネントは少なくとも1つのスイングアーム群を含む。各スイングアーム群は主軸コンポーネントの両側に対応して配置されるスイングアームを含み、スイングアームは主軸コンポーネントに回転可能に接続され、主軸コンポーネントの両側のスイングアームが中心として回転する軸は異なり、独立して主軸コンポーネントの延在方向と平行である。同期コンポーネント及びスイングアームコンポーネントは対応して配置され、同期コンポーネントは主軸コンポーネントの両側に別々に配置される同期アームを含み、2つの同期アームはギア接続され、各同期アームは同期アームと同じ側のスイングアームに摺動可能に接続され、対応する側でスイングアームと共に回転し得る。主軸コンポーネントの両側にある同期アームはギア接続されているため、一方側の同期アームの回転により、反対側の同期アームが駆動されて同時に回転する。加えて、同じ側にある同期アーム及びスイングアームは摺動可能に接続されている。したがって、一方の側のスイングアームが主軸コンポーネントに対して回転すると、それに対応して同じ側の同期アームが回転し、他方の側の同期アーム及びスイングアームを駆動して回転させるため、主軸コンポーネントを含む折り畳み型のモバイル端末の両側のハウジングが同期的に動くことができる。したがって、フレキシブルスクリーンの両側が同期的に動き、フレキシブルスクリーンの力は比較的均等になる。加えて、主軸コンポーネントの両側のスイングアームは異なる軸を中心に回転するため、そのような設計を介して、フレキシブルスクリーンを収容できる収容空間をスイングアームの回転の間に形成できるため、フレキシブルスクリーンの損傷を低減できる。
【0007】
スイングアーム及び同期アームの回転軸が具体的に配置される場合、同側に配置されるスイングアーム及び同期アームが中心として回転する軸が一致するため、回転機構の構造が簡素化される。
【0008】
具体的な実施では、主軸コンポーネントの延在方向において、スイングアームは同期アームと1対1の対応関係で配置されるか又はスイングアームの各端部に1つの同期アームが配置され、スイングアームがスイングアームと同じ側の同期アームに摺動可能に接続されている場合、同期アームにストリップ状の孔が配置され、ストリップ状の孔の延在方向は同期アームの延在方向と同じであり、ストリップ状の孔に沿って摺動可能な摺動部がスイングアームに配置される。摺動部が具体的に配置される場合、摺動部はスイングアームに配置される締結ロッドであり得る。この場合、スイングアームが回転すると、摺動部はストリップ状の孔に沿って摺動し、スイングアームと同じ側の同期アームを駆動して回転させる。
【0009】
特定の実施では、スイングアームと同期アームとの間に弾性コンポーネントがさらに配置され、スイングアームと同期アームとの間に展開/折り畳みトルクを形成する。この場合、同期アームの、スイングアームに面する側壁に複数の制限溝が配置される。弾性コンポーネントは、弾性コンポーネントと同じ側のスイングアームと同期アームとの間に配置され、互いに当接する2つの部品を含み、これら2つの部品はボール及び弾性機械部品である。弾性機械部品の一端がスイングアームに当接し、他端がボールに当接し、ボールは、同期アームの、スイングアームに近い方の側壁に沿って転がり得る。ヒンジ機構を含む折り畳み型のモバイル端末の折り畳み状態が変化すると、スイングアームが主軸コンポーネントを中心に回転し、それに対応して同期アームが回転する。加えて、ボールは、弾性力の作用下で同期アームの側壁に沿って転がり、ボールと同期アームの側壁との間で摩擦が生じるため、スイングアームと同期アームとの間に減衰力が生じ、それによりユーザ体験が向上する。加えて、同期アームの、スイングアームに近い方の側壁に複数の制限溝があることから、ボールは転がる過程で弾性機械部品の作用下で制限溝に落下するため、ホバー体験を得ることができる。
【0010】
スイングアームが弾性コンポーネントに具体的に接続される場合、弾性機械部品を収容する収容溝がスイングアーム内に配置され得る。この場合、弾性機械部品は収容溝に収容され、収容溝の底部と当接し得る。
【0011】
弾性機械部品は限定されないがバネであり得る。弾性機械部品がばねである場合、バネを制限してバネが移動プロセスで曲がるのを防止するために、制限ピラーが収容溝に配置されるため、バネは制限ピラーをスリーブする。加えて、1つのスプリングがあってもいいし、複数のスプリングが平行に配置されてもよい。複数のスプリングが平行に配置される場合、複数のスプリングの、同期アームに近い方の端部は、U字状コネクタを用いて接続されている。この場合、ボールはU字形状コネクタの端面に当接し、U字状コネクタの端面に沿って移動する。このように、弾性機械部品とボールとの間の摩擦を低減できるため、ボールがより柔軟に移動する。
【0012】
スイングアームが主軸コンポーネントに具体的に接続されている場合、主軸コンポーネントにスイングアーム取り付け溝が配置され、スイングアーム取り付け溝の壁に突起が配置され、突起は円弧状の支持面を有する。スイングアームの、主軸コンポーネントに接続される端部に支持軸が配置され、支持軸は円弧状の支持面に接触し、円弧状の支持面に沿って回転し得る。このように、スイングアームは主軸コンポーネントに回転可能に接続される。加えて、スイングアームは、ヒンジ、ピボット等を介して主軸コンポーネントに回転可能に接続され得る。
【0013】
平坦な面を有し、フレキシブルスクリーンを収容するために用いられる収容空間を形成するために、可能な実施では、ヒンジ機構は主軸コンポーネントの両側に別々に配置されるバッフルをさらに含み、V字状の孔も同期アームに配置される。バッフルは、本体と、本体に接続される接続部とを有し、バッフルの延在方向は主軸コンポーネントの延在方向と平行であり、接続部の延在方向は本体の延在方向に対して垂直である。接続部の、本体から離れた端部は回転ピン軸を用いてスイングアームに回転可能に接続され、接続部の、本体に近い方の端部は、駆動ピン軸を用いてスイングアームに接続されている。スイングアームは、駆動ピン軸がV字状の孔に沿って動いて、接続部を駆動し、回転ピン軸を中心に回転させるように回転するため、それに対応して本体が上昇又は下降し、また、折り畳み型のモバイル端末の折り畳みプロセスで、主軸コンポーネント及び両側の本体によりフレキシブルスクリーンを収容する収容空間を形成でき、収容空間は比較的平坦な面を有し、フレキシブルスクリーンの損傷を軽減する。
【0014】
第2の態様によれば、折り畳み型のモバイル端末が提供される。モバイル端末は、第1の態様における任意の可能なヒンジ機構、2つのハウジング及び2つのハウジングに固定されるフレキシブルスクリーンを含み、2つのハウジングはヒンジ機構の両側に別々に配置され、各ハウジングはハウジングと同じ側のスイングアームに固定されている。モバイル端末の使用の間に、一方の側のハウジングの回転により、スイングアームが駆動されて主軸コンポーネントを中心に回転すると、それに対応して同側の同期アームが回転するため、他方の側の同期アーム及びスイングアームも駆動されて回転し、また、折り畳み型のモバイル端末の両側のハウジングが同期的に動くことができるため、フレキシブルスクリーンの両側が同期的に動き、フレキシブルスクリーンの力は比較的均等になる。加えて、主軸コンポーネントの両側のスイングアームは異なる軸を中心に回転するため、そのような設計を介して、スイングアームの回転の間にフレキシブルスクリーンを収容できる収容空間を形成でき、フレキシブルスクリーンの損傷の可能性を軽減できる。
【0015】
ハウジングが具体的にスイングアームに接続される場合、ハウジングとスイングアームとの間にブラケットが配置され、ブラケットはスイングアームに固定され、ハウジングとブラケットとが固定されるため、ハウジングがスイングアームに接続される。
【0016】
可能な実施では、モバイル端末は外観保護部をさらに含み、外観保護部はモバイル端末の折り畳み外側に配置され、弾性機構を用いて主軸コンポーネントの両側のブラケットに固定される。折り畳み型のモバイル端末の折り畳みプロセスでは、外観保護部及び2つのハウジングがヒンジ機構に一致するため、ヒンジ機構が保護されながら折り畳み型のモバイル端末の外観がシンプルで美しいものになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本願の一実施形態に係る折り畳み型のモバイル端末の分解構造の概略図である。
【
図2】
図2は、本願の一実施形態に係る、折り畳み型のモバイル端末が180°の角度で広げられた構造の概略図である。
【
図3】
図3は、本願の一実施形態に係る、折り畳み型のモバイル端末が90°の角度で広げられた構造の概略図である。
【
図4】
図4は、本願の別の実施形態に係る、折り畳み型のモバイル端末が90°の角度で広げられた構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本願の一実施形態に係る、折り畳み型のモバイル端末が折り畳まれた状態の概略図である。
【
図6】
図6は、本願の一実施形態に係るヒンジ機構の分解構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本願の一実施形態に係る、ヒンジ機構が折り畳まれた状態の概略図である。
【
図8】
図8は、本願の一実施形態に係る、スイングアームが主軸コンポーネントに接続された爆発構造体の概略図である;
【
図9】
図9は、本願の一実施形態に係る、スイングアームが主軸コンポーネントに接続された構造の概略図である。
【
図10】
図10は、本願の一実施形態に係る、同期アームが主軸コンポーネントに接続された構造の概略図である。
【
図11】
図11は、本願の一実施形態に係る、弾性コンポーネント、スイングアーム及び同期アームが互いに協働する構造の概略図である。
【
図12】
図12は、弾性コンポーネントが同期アームと協働する部分的構造の概略図である。
【
図13】
図13は、本願の一実施形態に係る、折り畳まれた状態のヒンジ機構の側面図である。
【
図14】
図14は、本願の別の実施形態に係る、半分折り畳まれた状態のヒンジ機構の側面図である。
【
図15】
図15は、本願の別の実施形態に係るヒンジ機構の分解構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、添付の図面を参照しながら本願を以下でさらに詳細に説明する。
【0019】
本願の実施形態で提供されるヒンジ機構の理解を容易にするために、以下では、先ずヒンジ機構の適用シナリオを説明する。ヒンジ機構はモバイル端末、とりわけ、折り畳み型スクリーンを備えるモバイル端末、例えば、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、ノートブックコンピュータ又はタブレットコンピュータに適用され得る。本願の実施形態が適用される各モバイル端末は
図1に示す構造を含み、左側ハウジング20、ヒンジ機構10、右側ハウジング30及びフレキシブルスクリーン40を含む。使用される場合、モバイル端末は異なる使用シナリオに基づいて折り畳まれたり、展開されたりし得る。
図2は、モバイル端末の左側ハウジングと右側ハウジングとの間の内角が180°の状態を示す。
図3及び
図4は、モバイル端末の左側ハウジング20と右側ハウジング30とが90°の内角で折り畳まれた状態を示す。
図5は、モバイル端末の左側ハウジング20及び右側ハウジング30が0°の内角で折り畳まれた状態を示す。モバイル端末の展開及び折り畳みプロセスは、左側ハウジング20及び右側ハウジング30がヒンジ機構10の周りを回転するプロセスである。本願の実施形態で提供されるヒンジ機構10の理解を容易にするために、添付の図面を参照しながらヒンジ機構10の構造を以下で詳細に説明する。
【0020】
先ず、
図1及び
図6を参照して、本願の実施形態で提供されるヒンジ機構10は、主軸コンポーネント11、スイングアームコンポーネント及び同期コンポーネントを主に含む。主軸コンポーネント11は支持部であり、回転軸としても機能する。スイングアームコンポーネントは主軸コンポーネント11に回転可能に接続され、スイングアームコンポーネントは折り畳み型のモバイル端末のハウジングに接続される。スイングアームコンポーネントは、同期コンポーネントを駆動して回転させるためのヒンジ機構10の能動的回転部として用いられ得る。添付の図面を参照しながら、ヒンジ機構10のコンポーネントを以下で詳細に説明する。
【0021】
主軸コンポーネント11が具体的に配置されている場合、主軸コンポーネント11は異なる構造を有し得る。
図6を参照して、本願の実施形態で提供される主軸コンポーネント11の全体構造は半円筒の形状であり得る。しかしながら、主軸コンポーネント11の形状は特定の例にすぎず、本願の実施形態で提供される主軸コンポーネント11は別の構造形態を有していてもよいことが理解されよう。説明を容易にするために、主軸コンポーネント11の延在方向が定義される。
図6に示すように、主軸コンポーネント11の延在方向は、
図1の左側ハウジング20及び右側ハウジング30が中心として回転する軸の方向である。加えて、主軸コンポーネント11がスイングアームコンポーネントを支持する場合、スイングアームコンポーネントに対応する構造が主軸コンポーネント11に配置される。主軸コンポーネント11の内部構造の理解を容易にするために、スイングアームコンポーネントを参照しながら主軸コンポーネント11の構造を以下で説明する。
【0022】
図1を参照して、スイングアームコンポーネントが具体的に配置される場合、スイングアームコンポーネントはスイングアーム群を含み、スイングアーム群は左側ハウジング20及び右側ハウジング30を接続するように構成されている。スイングアーム群の数は要件に基づいて決定され得る。例えば、1つのスイングアーム群が主軸コンポーネント11の両端に配置されるか又は
図6及び
図7に示すように、2つのスイングアーム群が主軸コンポーネント11の両端に配置されるか又はこれよりも多いスイングアーム群が特定の要件に基づいて配置され得る。
【0023】
スイングアーム群が具体的に配置されている場合、
図6を参照して、各スイングアーム群は、主軸コンポーネント11の両側に対応して配置されるスイングアームを含む。説明を容易にするために、2つのスイングアームを左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bと呼び、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bは、
図1に示すモバイル端末の左側ハウジング20及び右側ハウジング30にそれぞれ固定されるように構成されている。
図1及び
図6を共に参照して、左側スイングアーム12aは左側ハウジング20に固定され、右側スイングアーム12bは右側ハウジング30に固定される。締結が具体的に実施される場合、例えば、ボルト又はネジ等の締結具が締結のために用いられ得る。この場合、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bはそれぞれ、左側ハウジング20及び右側ハウジング30と同期的に動く。左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bが具体的に配置される場合、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bは主軸コンポーネント11の両側に配置される。より具体的には、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bは、主軸コンポーネント11の延在方向において、主軸コンポーネント11の両側に別々に配置され得る。左側スイングアーム12aを主軸コンポーネント11、ハウジング及び他の可能な構造に接続する方法は、右側スイングアーム12bを主軸コンポーネント11、ハウジング及び他の可能な構造に接続する方法と同じである。したがって、以下では、説明のための一例として左側スイングアーム12aを用いる。
【0024】
図6を依然参照して、左側スイングアーム12aが主軸コンポーネント11に具体的に接続されている場合、左側スイングアーム12aは主軸コンポーネント11に回転可能に接続されている。加えて、左側スイングアーム12aが中心として回転する軸と右側スイングアーム12bが中心として回転する軸とは異なる。しかしながら、左側スイングアーム12aが中心として回転する軸及び対応する右側スイングアーム12bが中心として回転する軸の双方は、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bの回転の間に、
図1に示すフレキシブルスクリーン40を収容可能な水滴様の収容空間22(
図13参照)を形成できるように、主軸コンポーネント11の延在方向と平行である。
【0025】
図8は、左側スイングアーム12aが主軸コンポーネント11に回転可能に接続される特定の構造を示す。主軸コンポーネント11にスイングアーム取り付け溝111が配置され、スイングアーム取り付け溝111の壁に突起111aが配置され、突起111aは円弧状の支持面112aを有する。左側スイングアーム12aの、主軸コンポーネント11に接続される端部に支持軸121が配置され、支持軸121は円弧状の支持面112aと接触し、状の支持面112aに沿って回転し得る。このように、左側スイングアーム12aは主軸コンポーネント11に回転可能に接続されている。なお、左側スイングアーム12aと主軸コンポーネント11との接続構造は一例にすぎず、スイングアームコンポーネントは、代替的に、ヒンジ等を介して主軸コンポーネント11に接続され得る。
【0026】
図8を依然参照して、右側スイングアーム12bが具体的に配置されている場合、右側スイングアーム12bは、左側スイングアーム12aと同じ方法で主軸コンポーネント11に接続されている。したがって、詳細についてはここでは再度説明しない。しかしながら、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bが主軸コンポーネント11に別々に接続されている場合、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bが異なる軸を中心に回転できることを条件に、
図9に示すように、2つのスイングアームに対応する主軸コンポーネント11のスイングアーム取り付け溝111は互いに反対に配置され得るか又は交互に配置され得る。
【0027】
図10を参照して、同期コンポーネントが具体的に配置される場合、同期コンポーネント及びスイングアームコンポーネントは対応して配置されてもよく、同期コンポーネントは、主軸コンポーネント11の両側に別々に配置される同期アームを含む。本明細書において「対応して配置される」とは、1つのスイングアーム群に対して1つの同期アーム群が対応して配置されるか又は1つのスイングアーム群に対して2つの同期アーム群が対応して配置されることを意味し得る。2つの同期アーム群は、主軸コンポーネントの延在方向において、スイングアームの両端に別々に配置され、スイングアームの両端に配置される2つの同期アーム群は同じであっても、異なっていてもよい。例えば、
図10に示す1つの同期アーム群がスイングアームの一端に配置され、
図14に示す1つの同期アーム群が他端に配置される。2つの同期アームはギア接続され、各同期アームは、同期アームと同じ側のスイングアームに摺動可能に接続され、対応する側でスイングアームと共に回転し得る。同様に、説明を容易にするために、左側スイングアーム12aと同じ側に配置される同期アームを左側同期アーム13aと呼び、右側スイングアーム12bと同じ側に配置される同期アームを右側同期アーム13bと呼ぶ。左側同期アーム13aを主軸コンポーネント11、左側同期アーム13aと同じ側にあるスイングアーム及び別の可能な構造に接続する方法は、右側同期アーム13bを主軸コンポーネント11、右側同期アーム13bと同じ側にあるスイングアーム及び別の可能な構造に接続する方法と同じである。したがって、以下では、説明のための一例として左側同期アーム13aのみを用いる。
【0028】
図10を依然参照して、左側同期アーム13aが具体的に配置されている場合、左側同期アーム13aが中心として回転する主軸コンポーネント11の軸は要件に基づいて配置され得る。
図10に示す実施形態では、左側同期アーム13aが中心として回転する軸は、左側スイングアーム12aが中心として回転する軸と一致するため、
図6に示す回転機構10の構造を簡略化できる。左側同期アーム13aが中心として回転する軸は、左側同期アーム13aが
図1に示すフレキシブルスクリーン40を効果的に避けることにより、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bの回転を介して形成される、フレキシブルスクリーンを収容可能な収容空間22(
図13参照)にフレキシブルスクリーン40を収容することができる。
【0029】
図10を依然参照して、右側同期アーム13bが具体的に配置されている場合、右側同期アーム13bは左側同期アーム13aと同じ方法で主軸コンポーネント11に接続される。したがって、詳細についてはここでは再度説明しない。同期アームは、同期アームと同じ側のスイングアームに摺動可能に接続されており、同期アームはスイングアームと共に回転し得るため、同期アームが回転した場合、スイングアームも同期アームと共に回転し得ることが理解され得る。この場合、例えば、左側スイングアーム12aは能動回転部として用いられる。左側スイングアーム12aが主軸コンポーネント11に対して回転すると、左側同期アーム13aはそれに対応して回転する。左側同期アーム13aは右側同期アーム13bにギア接続されているため、左側同期アーム13aの回転により右側同期アーム13b及び右側スイングアーム12bが駆動されて回転し、
図1を参照して、ヒンジ機構10を含む折り畳み型のモバイル端末の左側ハウジング20及び右側ハウジング30が同期的に動くため、フレキシブルスクリーン40の両側が同期して動き、フレキシブルスクリーン40の力が比較的均等になる。
【0030】
図10を依然参照して、左側スイングアーム12aが具体的に左側同期アーム13aに摺動可能に接続されている場合、左側同期アーム13aにストリップ状の孔131が配置され、ストリップ状の孔131の延在方向は、左側同期アーム13aの延在方向と同じである。加えて、
図11を参照して、ストリップ状の孔131に沿って摺動可能な摺動部122が左側スイングアーム12aに配置されている。
図11及び
図13を参照して、摺動部122が具体的に配置されている場合、摺動部122は、限定されないが、左側スイングアーム12aに配置される締結ロッドであり得る。この場合、左側スイングアーム12aが回転すると、摺動部122はストリップ状の孔131に沿って摺動し、左側同期アーム13aを駆動して回転させる。右側スイングアーム12bと右側同期アーム13bとの摺動接続方法は、左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの滑動接続方法と同じであることが理解され得る。
【0031】
左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの接続方法は、右側スイングアーム12bと右側同期アーム13bとの接続方法と同じであるため、以下の実施形態では、左側スイングアーム12a及び左側同期アーム13aを一例として用いて、左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの特定の接続方法を説明する。
図11を参照して、左側スイングアーム12aが左側同期アーム13aに具体的に接続されている場合、左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの間に弾性コンポーネントがさらに配置される。この場合、左側同期アーム13aの、左側スイングアーム12aに面する側壁に複数の制限溝(図示せず)が配置されている。弾性コンポーネントは、左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの間に配置され、互いに当接するボール141と弾性機械部品142とを含む。弾性機械部品142の一端は左側スイングアーム12aに当接し、他端はボール141に当接し、ボール141は、左側同期アーム13aの、左側スイングアーム12aに近い方の側壁に沿って回転し得る。ヒンジ機構を含む折り畳み型のモバイル端末の折り畳み状態が変化すると、左側スイングアーム12aが主軸コンポーネント11を中心に回転し、それに対応して左側同期アーム13aが回転する。加えて、ボール141は、弾性機械部品142の弾性力の作用下で左側同期アーム13aの側壁に沿って転がり、ボール141と左側同期アーム13aの側壁との間に摩擦が生じるため、左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの間に減衰力が生じ、ユーザの感覚が最適化され、ユーザ体験を改善できる。加えて、左側同期アーム13aの、左側スイングアーム12aに近い方の側壁には複数の制限溝があるため、ボール141は、転がる過程において、弾性機械部品142の作用の下で制限溝に落下するため、ホバー経験を得ることができる。
【0032】
図11を参照して、左側スイングアーム12aが弾性コンポーネントに具体的に接続されている場合、
図8及び
図9を共に参照して、弾性機械部品142を収容するための収容溝123が左側スイングアーム12a内に配置され得る。この場合、弾性機械部品142は収容溝123内に収容され、収容溝123の底部に当接し得る。
【0033】
図11及び
図12を参照して、弾性機械部品142は限定されないがバネであり得る。弾性機械部品142がバネの場合、バネを制限して、動作プロセスでバネが曲がるのを防止するために、制限ピラー(図示せず)を収容溝に配置してもよく、これによりバネが制限ピラーをスリーブする。加えて、1つのバネがあってもいいし又は
図12に示すように、複数のバネが平行に配置されてもよい。複数のバネが平行に配置される場合、複数のバネの、左側同期アーム13aに近い方の端部は、U字状コネクタ143を用いることにより接続されている。この場合、ボール141がU字状コネクタ143の端面に当接し、U字状コネクタ143の端面に沿って移動する。このように、弾性機械部品142とボール141との間の摩擦を低減できるため、ボール141がより柔軟に移動する。
【0034】
スイングアームコンポーネントを含む折り畳み型のモバイル端末の折りたたみプロセスをより分かりやすく説明するために、
図2~
図5を共に参照する。
図2において、モバイル端末の左側ハウジング20と右ハウジング30との間の内角は180°である。
図11を参照して、この場合、ボール141は対応する制限溝に落下している。
図2、
図5、及び
図11を参照して、モバイル端末の左側ハウジング20と右側ハウジング30との間の内角を180°から0°に変更する必要がある場合、左側スイングアーム12aは主軸コンポーネント11を中心に回転し、それに対応して左側同期アーム13aが回転する。加えて、右側同期アーム13b及び右側スイングアーム12bは、左側同期アーム13a及び左側スイングアーム12aの方に移動し、ボール141は左側同期アーム13aの側壁に沿って転がる。
図5及び
図11を参照して、左側ハウジング20と右側ハウジング30との間の内角が0°の場合に、ボール141が対応する制限溝に落下した場合、制限溝の壁は、ボール141が左側同期アーム13a上で移動を続けるのを防止するため、左側スイングアーム12aは回転を停止し、モバイル端末の左側ハウジング20及び右側ハウジング30は0°の内角でホバーされる。
【0035】
図11を参照して、左側同期アーム13aの、左側スイングアーム12aに近い方の側壁には複数の制限溝があるため、ボール141は対応する制限溝に落下して、対応する回転位置で左側スイングアーム12aのホバリングが実施される。例えば、
図3、
図4及び
図11を共に参照して、モバイル端末の左側ハウジング20と右側ハウジング30との間の内角は、適切な配置により90°に維持され得る。加えて、
図11を依然参照して、本願の実施では、ボール141が2つの隣接する制限溝の間を移動すると、ボール141と左側同期アーム13aとの間に一定の摩擦力が生じるため、左側スイングアーム12aと左側同期アーム13aとの間の減衰が一定になる。この場合、感触が一定になり得る。加えて、
図2、
図5及び
図11を参照して、モバイル端末の左側ハウジング20と右側ハウジング30との間の0°及び180°の内角に対応する左側同期アーム13aの位置にのみ制限溝が配置される場合は、
図11及び
図13を参照して、モバイル端末を折り畳む際に、ユーザは、2つのハウジング間に比較的小さい内角(例えば、30°)を手動で設定するだけでいいため、ボール141は弾性機械部品142の作用下で0°に対応する制限溝に入り、モバイル端末の自動折り畳みを実施できる点に留意されたい。
図10及び
図11を参照して、モバイル端末を開く際、ユーザは、2つのハウジングの間に比較的大きな内角(例えば、150°)を手動で設定するだけでいいため、ボール141は、弾性機械部品142の作用の下で180°に対応する制限溝に入り、モバイル端末の自動展開を実施できる。
図6に示すヒンジ機構10を用いることにより、折り畳み型のモバイル端末の自動折り畳み及び自動展開を実施できるため、ユーザ体験が向上することが分かる。
【0036】
平坦な面を有し、
図1のフレキシブルスクリーン40を収容するために用いられる収容空間22(
図13を参照)を形成するために、
図6を参照して、ヒンジ機構10は、主軸コンポーネント11の両側に別々に配置される左側バッフル15a及び右側バッフル15bをさらに含み、左側バッフル15aは左側スイングアーム12aに接続され、右側バッフル15bは右側スイングアーム12bに接続されている。左側バッフル15a及び右側バッフル15bは同じように配置されているため、ここでは左側バッフル15aを一例として用いて、左側バッフル15aの構造及び左側バッフル15aとスイングアームとの接続を説明する。
図6を参照して、左側バッフル15aは、本体151と、本体151に接続される接続部152とを主に含み、本体151の延在方向は、主軸コンポーネント11の延在方向と平行であり、接続部152の延在方向は本体151の延在方向に対して垂直であり、2つの接続部152があってもよく、2つの接続部152は、本体151の延在方向の両端に別々に配置される。
図7及び
図13を参照して、接続部152の、本体151から離れた端部は、例えば回転ピン軸16を用いることにより左側スイングアーム12aに回転可能に接続され、接続部152の、本体151に近い方の端部は、例えば駆動ピン軸17を用いることにより左側スイングアーム12aに接続され得る。加えて、スイングアームに対応して配置される同期アームの構成については、
図14を参照されたい。
図14の左側同期アーム13cにはV字状の孔24が配置されている。この場合、左側スイングアーム12aが回転すると、駆動ピン軸17がV字状の孔24に沿って移動して、接続部152を駆動し、回転中心として回転ピン軸16を用いて回転させるため、本体151がそれに対応して上昇又は下降し、また、
図1に示すフレキシブルスクリーン40を収容する収容空間22は、折り畳み型のモバイル端末の折り畳みプロセスで、主軸コンポーネント11及び両側の本体151により形成され、収容空間22は比較的平坦な面を有するため、フレキシブルスクリーン40への損傷が軽減される。
【0037】
なお、1つのスイングアームの各端部に1つの同期アームが配置されている場合、
図14を参照して、左側同期アーム13c及び右側同期アーム13dの一端にV字状の孔24が配置され、
図10を参照して、左側同期アーム13a及び右側同期アーム13bの他端にはV字状の孔は配置されていない。この場合、複数の制限溝は、
図10の左側同期アーム13a及び右側同期アーム13bの、スイングアームに近い方の側に配置され得るが、
図14の左側同期アーム13c及び右側同期アーム13dの、スイングアームに近い方の側には配置されていないため、弾性コンポーネントは、
図10に示す左側同期アーム13a及び右側同期アーム13bのそれぞれと、対応する側のスイングアームとの間のみに配置され、
図14に示す左側同期アーム13c又は右側同期アーム13dと、対応する側のスイングアームとの間には弾性コンポーネントは配置されていない。前述の実施は同期アームの配置の一例に過ぎず、代替的に、スイングアームと同期アームとの間の減衰機能が高まるように、スイングアームの両端において同期アームに制限溝を配置し、スイングアームと同期アームとの間に弾性コンポーネントを配置してもよい。
【0038】
第2の態様によれば、折り畳み型のモバイル端末が提供される。
図1を参照して、モバイル端末は、ヒンジ機構10と、左側ハウジング20と、右側ハウジング30と、左側ハウジング20及び右側ハウジング30に接続されたフレキシブルスクリーン40とを含む。フレキシブルスクリーン40は、例えば、接着剤を用いることにより左側ハウジング20及び右側ハウジング30に接続され得る。
図1及び
図6を共に参照して、左側ハウジング20及び右側ハウジング30はヒンジ機構10の両側に別々に配置され、左側ハウジング20は左側に位置する左側スイングアーム12aに固定され、右側ハウジング30は、右側に位置する右側スイングアーム12bに固定されている。特定の締結方法は、限定されないが、ボルト又はネジ等の締結具を用いた接続であり得る。モバイル端末の使用の間に、左側ハウジング20の回転により左側スイングアーム12aが駆動され、主軸コンポーネント11を中心に回転されると、それに応じて左側同期アーム13aが回転するため、右側同期アーム13b及び右側スイングアーム12bが駆動されて回転し、さらに、折り畳み型のモバイル端末の左側ハウジング20及び右側ハウジング30が同期的に動くことができるため、フレキシブルスクリーン40の両側が同期的に動き、フレキシブルスクリーン40の力が比較的均等になる。加えて、主軸コンポーネント11の両側の左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bは異なる軸を中心に回転するため、そのような設計により、左側スイングアーム12a及び右側スイングアーム12bの回転の間にフレキシブルスクリーン40を収容可能な収容空間22を形成でき、フレキシブルスクリーン40が損傷する可能性を低減できる。
【0039】
なお、
図1及び
図6を参照して、左側ハウジング20が左側スイングアーム12aに具体的に接続されている場合、左側ブラケット18aは左側ハウジング20と左側スイングアーム12aとの間に配置され得る。この場合、先ず、左側ブラケット18aがボルト又はネジ等の締結具を用いて左側スイングアーム12aに固定され、次に、左側ハウジング20及び左側ブラケット18aが締結具を用いて固定されるため、左側ハウジング20が左側スイングアーム12aに接続される。前述の実施形態は、左側ハウジング20を左側スイングアーム12aに接続する一例を提供するに過ぎず、左側ハウジング20は別の方法で左側スイングアーム12aに接続されてもよいことを理解されたい。加えて、右側ブラケット18bを用いることにより右側ハウジング30を右側スイングアーム12bに接続する方法は、左側と同じであり、詳細についてはここでは再度説明しない。
【0040】
図1を参照して、折り畳み型のモバイル端末の構造の説明を容易にするために、本願では、折り畳み型のモバイル端末の、フレキシブルスクリーン40が配置される側をモバイル端末の折り畳み内側と定義し、この側の反対をモバイル端末の折り畳み外側と定義する。モバイル端末が具体的に配置される場合、
図6及び
図15を共に参照して、モバイル端末は折り畳み外側に配置される外観保護部19をさらに含む。外観保護部19は、弾性機構21を用いることにより主軸コンポーネント11の両側のブラケットに固定される。弾性機構21は限定されないがバネであり得る。外観保護部19がブラケットに具体的に接続されている場合、外観保護部19及びブラケットに取り付け孔23が対応して配置され、弾性機構21の両端にフックが設けられ得る。この場合、外観保護部19は、対応する取り付け孔23にフックを別々に配置することによりブラケットに接続され得る。
図4及び
図5を参照して、折り畳み型のモバイル端末の折り畳みプロセスにおいて、外観保護部19及び2つのハウジングはヒンジ機構10に一致するため、ヒンジ機構10がモバイル端末の折り畳み外側に露出することを妨げられることによりヒンジ機構10が妨げられる一方で、折り畳み型のモバイル端末の外観をシンプルで美しいものとすることができる。
【0041】
前述の説明は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本願に開示された技術的範囲内で当業者が容易に理解できる変更又は代替は、本願の保護範囲に含まれる。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式モバイル端末に適用されるヒンジ機構であって、当該ヒンジ機構は、
主軸コンポーネントと、
少なくとも1つのスイングアーム群を含むスイングアームコンポーネントであって、各スイングアーム群は、前記主軸コンポーネントの両側に対応して配置されるスイングアームを含み、該スイングアームは前記主軸コンポーネントに回転可能に接続され、前記主軸コンポーネントの両側にある該スイングアームが中心として回転する軸は異なるとともに、独立して前記主軸コンポーネントの延在方向と平行である、スイングアームコンポーネントと、
同期コンポーネントであって、該同期コンポーネント及び前記スイングアームコンポーネントは対応して配置され、前記同期コンポーネントは、前記主軸コンポーネントの両側に別々に配置される同期アームを含み、2つの同期アームはギアが設けられ、各同期アームは、前記同期アームと同じ側のスイングアームに摺動可能に接続され、前記対応する側のスイングアームと共に回転
する、同期コンポーネントと、
を含む、ヒンジ機構。
【請求項2】
同じ側に配置されるスイングアーム及び同期アームが中心として回転する軸は一致する、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項3】
前記主軸コンポーネントの延在方向において、スイングアームは同期アームと1対1の対応関係で配置されるか又は1つの同期アームが前記スイングアームの各端に配置され、
前記同期アームにストリップ状の孔が配置され、該ストリップ状の孔の延在方向は前記同期アームの延在方向と同じであり、該ストリップ状の孔に沿って摺動可能な摺動部が前記スイングアームに配置されている、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項4】
前記摺動部は、前記スイングアームに配置される締結ロッドである、請求項3に記載のヒンジ機構。
【請求項5】
前記主軸コンポーネントにスイングアーム取り付け溝が配置され、該スイングアーム取り付け溝の壁に突起が配置され、該突起は円弧状の支持面を有し、
前記スイングアームの、前記主軸コンポーネントに接続される端部に支持軸が配置され、該支持軸は前記円弧状の支持面に接触し、前記円弧状の支持面に沿って回転し得る、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項6】
前記ヒンジ機構は、前記主軸コンポーネントの両側に別々に配置されるバッフルをさらに含み、前記同期アームにV字状の孔がさらに配置され、
前記バッフルは、本体と、該本体に接続される接続部とを含み、前記バッフルの延在方向は前記主軸コンポーネントの延在方向と平行であり、該接続部の延在方向は、該本体の延在方向と垂直であり、前記接続部の、前記本体から離れた方の端部は、回転ピン軸を用いて前記スイングアームに回転可能に接続され、前記接続部の、前記本体に近い方の端部は、駆動ピン軸を用いて前記スイングアームに接続され、前記スイングアームは、該駆動ピン軸が前記V字状の孔に沿って移動して前記接続部を駆動し、前記回転ピン軸を中心にさせることにより、前記主軸コンポーネントと両側の本体とによりフレキシブルスクリーンを収容するための収容空間を形成できるように回転する、請求項1に記載のヒンジ機構。
【請求項7】
前記同期アームの、前記スイングアームに面する側壁に複数の制限溝が配置され、
前記ヒンジ機構は弾性コンポーネントをさら含み、該弾性コンポーネントは、該弾性コンポーネントと同じ側のスイングアームと同期アームとの間に配置され、互いに当接するボールと弾性機械部品とを含み、該弾性機械部品の一端は前記スイングアームに当接し、他端は該ボールに当接し、該ボールは、前記同期アームの、前記スイングアームに近い方の側壁に沿って転
がる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヒンジ機構。
【請求項8】
前記弾性機械部品を収容するための収容溝が前記スイングアームに配置され、前記弾性機械部品は該収容溝に収容され、該収容溝の底部に当接する、請求項7に記載のヒンジ機構。
【請求項9】
前記弾性機械部品は、平行に配置される複数のバネを含み、該複数のバネの端部の、前記同期アームに接続される端部は接続されている、請求項8に記載のヒンジ機構。
【請求項10】
前記収容溝内に制限ピラーが配置され、前記複数のバネのそれぞれは該制限ピラーをスリーブし、
前記複数のバネの、前記同期アームに近い方の端部は、U字コネクタを用いることにより接続され、前記
ボールは該U字コネクタの端面に当接する、請求項9に記載のヒンジ機構。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のヒンジ機構と、2つのハウジングと、該2つのハウジングに固定されるフレキシブルスクリーンとを含み、該2つのハウジングは、前記ヒンジ機構の両側に別々に配置され、各ハウジングは、前記ハウジングと同じ側の前記スイングアームに固定されている、折り畳み式モバイル端末。
【請求項12】
前記主軸コンポーネントの両側に別々に配置されるブラケットをさらに含み、該ブラケットは、対応する側のスイングアームとハウジングとを接続するように構成されている、請求項11に記載のモバイル端末。
【請求項13】
外観保護部をさらに含み、該外観保護部は、前記モバイル端末の折り畳み外側に配置され、弾性機構を用いて前記主軸コンポーネントの両側のブラケットに別々に接続されている、請求項12に記載のモバイル端末。
【国際調査報告】