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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】メモリデバイスのラッチ回路
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/419 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
G11C11/419
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513053
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020040364
(87)【国際公開番号】W WO2021040883
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】16/551,432
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】赤松 宏
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェット サイモン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5B015
【Fターム(参考)】
5B015HH03
5B015JJ11
5B015KB62
(57)【要約】
メモリデバイス(10)で使用するためのデータをラッチするように構成されたラッチ回路(13)。ラッチ回路(13)は、それぞれがデータのビットを格納するように構成されたラッチセル(52)を含む。ラッチ回路(13)はまた、ラッチセル(52)の第1の側に結合されたデータライン(72)、及びラッチセル(52)の第2の側に結合されたデータ偽ライン(68)を含む。ラッチ回路(13)はまた、ラッチセル(52)に格納されるデータを受信するように構成された入力(67)を含む書き込みドライバ(55)と、入力(67)に結合され、ラッチセル(52)の第1の側にデータ信号を出力するように構成されたインバータのペア(66、70)とを含む。ラッチ回路(13)はまた、入力に結合され、ラッチセル(52)の第2の側にデータ偽信号を生成するように構成されたインバータ(112)を含む。データ偽信号を生成するために使用されるデータは、インバータのペア(66、70)を通過しない。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
前記メモリデバイスで使用するためのデータをラッチするように構成されたラッチ回路を備え、
前記ラッチ回路は、
それぞれが前記データのビットを格納するように構成された複数のラッチセルと、
書き込みドライバであって、
前記複数のラッチセルに格納される前記データを受信するように構成された入力と、
前記入力に結合され、データ信号を前記複数のラッチセルの第1の側に出力するように構成されたインバータのペアと、
前記入力に結合され、前記複数のラッチセルの第2の側にデータ偽信号を生成するように構成されたインバータであって、前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが、前記インバータのペアを通過しない、前記インバータと
を備える、前記書き込みドライバと
を備える、前記メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1の側が、前記複数のラッチセルの左側を含み、前記第2の側が、前記複数のラッチセルの右側を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記ラッチセルに供給される動的電圧を生成するように構成された生成回路を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記生成回路が、それぞれが前記複数のラッチセルのうちのラッチセルに対応する複数のサブ回路を備える、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
各サブ回路が、対応する前記ラッチセルのために高に遷移するワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて、供給電圧からそれぞれの動的電圧を選択的に切り離すように構成されたPMOSトランジスタを備える、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
各サブ回路が、
供給電圧からそれぞれの動的電圧を選択的に切り離すように構成されたPMOSトランジスタと、
前記それぞれの動的電圧を第2の電圧に選択的に結合するように構成されたNMOSトランジスタと、
前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのゲートに結合され、第1の極に選択的に接続して前記それぞれの動的電圧を前記供給電圧に駆動するか、または第2の極に選択的に接続して前記それぞれの動的電圧を前記第2の電圧に駆動するスイッチと
を備える、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
各ラッチセルが、
前記複数のラッチセルの前記第1の側を介して前記ラッチセルへのアクセスを選択的に提供する第1のアクセストランジスタと、
前記複数のラッチセルの前記第2の側を介して前記ラッチセルへのアクセスを選択的に提供する第2のアクセストランジスタと
を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
各ラッチセルが、
前記第1のアクセストランジスタと前記第2のアクセストランジスタとの間に結合された第1のインバータと、
前記第1のアクセストランジスタと前記第2のアクセストランジスタとの間に結合された第2のインバータと
を備え、
前記第1及び第2のインバータが、前記第1のアクセストランジスタ及び前記第2のアクセストランジスタに対して逆向きに配置されている、
請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記第1のインバータが、
第1のNMOSトランジスタと、
第1のPMOSトランジスタであって、前記第1のNMOSトランジスタ及び前記第1のPMOSトランジスタのゲートが前記第1のアクセストランジスタに結合され、前記第1のNMOSトランジスタ及び前記第1のPMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のアクセストランジスタに結合される、前記第1のPMOSトランジスタと
を備え、
前記第2のインバータが、
第2のNMOSトランジスタと、
第2のPMOSトランジスタであって、前記第2のNMOSトランジスタ及び前記第2のPMOSトランジスタのゲートが前記第2のアクセストランジスタに結合され、前記第2のNMOSトランジスタ及び前記第2のPMOSトランジスタのドレイン端子が前記第1のアクセストランジスタに結合される、前記第2のPMOSトランジスタと
を備える、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソース端子が、電圧源に結合される、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1及び第2のアクセストランジスタを介してアクセスを制御するように構成されたワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソース端子を電圧源に選択的に結合するように構成された電圧トランジスタを備える、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記電圧トランジスタが、前記ワードライン信号のアサーションに少なくとも部分的に基づいて、前記電圧源から前記第1及び第2のPMOSトランジスタの前記ソース端子を切り離すように構成されたPMOSトランジスタを備える、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
方法であって、
複数のラッチセルに格納されるデータを受信することと、
前記データを反転させるためにデータ偽インバータを使用してデータ偽信号を生成することと、
インバータペアを使用してデータ信号を生成することであって、前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが、前記データ信号を生成するために使用される前記インバータペアを通過しない、前記生成することと、
前記データ偽信号を使用して前記複数のラッチセルの第1の側を駆動することと、
前記データ信号を使用して前記複数のラッチセルの第2の側を駆動することと
を含む、前記方法。
【請求項14】
ラッチセルに記憶された電圧をプルダウンするときに、前記複数のラッチセルのうちのラッチセルのインバータのpチャネルを電圧源から切り離すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ラッチセルの前記インバータの前記pチャネルを切り離すことが、ワードライン信号に少なくとも部分的に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ラッチセルの前記第1及び第2の側を駆動することが、前記ワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて前記ラッチセルに書き込み、第1のアクセストランジスタを介した前記ラッチセルの前記第1の側から、及び第2のアクセストランジスタを介した前記ラッチセルの前記第2の側から前記ラッチセルへのアクセスを可能にすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ラッチ回路装置であって、
それぞれがデータのビットを格納するように構成された複数のラッチセルと、
前記複数のラッチセルの第1の側に結合されたデータラインと、
前記複数のラッチセルの第2の側に結合されたデータ偽ラインと、
書き込みドライバであって、
前記データを受信するように構成された入力と、
前記入力に結合され、前記データを反転させることによって前記データ偽ライン上にデータ偽信号を生成するように構成されたデータ偽インバータと、
前記入力に結合され、前記データライン上にデータ信号を生成するように構成されたインバータのペアであって、前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが前記インバータのペアを通過しない、前記インバータのペアと
を備える、前記書き込みドライバと
を備える、前記ラッチ回路装置。
【請求項18】
前記データが、前記ラッチ回路を含むメモリデバイスのためのメモリ冗長性スキームでメモリデータをルーティングする際に使用されるように構成されたヒューズデータを含む、請求項17に記載のラッチ回路装置。
【請求項19】
前記データ信号及び前記データ偽信号を介して前記書き込みドライバによるそれぞれのラッチセルへのアクセスを制御するために使用されるワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて電圧源から前記それぞれのラッチセルのラッチインバータを切り離すことによって、前記書き込みドライバが前記複数のラッチセルのうちの対応するラッチセルで電圧をプルダウンするのを支援するようにそれぞれ構成された複数の書き込み支援トランジスタを備える、請求項17に記載のラッチ回路装置。
【請求項20】
前記データ信号及び前記データ偽信号が、前記ワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて前記データを前記ラッチセルに格納するために使用される差動信号である、請求項19に記載のラッチ回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、半導体デバイスの分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、メモリデバイスのためのラッチ回路の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス(例えば、メモリデバイス)は、データを格納するためにセルをラッチし得る。例えば、6トランジスタ(6T)スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)をラッチセルとして使用し得る。6T SRAM及び/または他の適切な回路は、ラッチ領域のフットプリントとダイサイズを削減する方法として、ローカル冗長性ヒューズラッチに使用し得る。ただし、これらのコンパクトなラッチセルは、複数のセルの書き込み中に発生するノイズ(例えば、メモリデバイスの電源投入時のリセット)の影響を受けやすく、1つまたは複数のセルでデータが破損する可能性がある。
【0003】
本開示の実施形態は、上記の問題の1つまたは複数を対象とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施形態による、1つまたは複数のラッチセルを有するラッチ回路を含むメモリデバイスの特定の特徴を示す簡略化されたブロック図である。
図2】本開示の一実施形態による、各ラッチセルが2つのインバータを有する、図1のラッチ回路の概略図である。
図3】本開示の一実施形態による、それぞれがトランジスタペアを使用して実装されたインバータを備えた図2のラッチセルの概略図である。
図4】本開示の一実施形態による、図2のラッチ回路で使用される信号のグラフである。
図5】本開示の一実施形態による、図1のラッチ回路の概略図である。
図6】本開示の一実施形態による、ラッチ回路への書き込みを支援するために生成回路を使用する書き込み電力支援を備えた図4のラッチ回路の概略図である。
図7】本開示の一実施形態による、図6の生成回路の概略図である。
図8】本開示の一実施形態による、図6の生成回路の一部分の概略図である。
図9】本開示の一実施形態による、図6のラッチ回路での信号のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
1つまたは複数の特定の実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装の全ての特徴が本明細書に記載されているわけではない。任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様に、このような実際の実装の開発では、実装ごとに異なる場合がある、システム関連の制約及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者固有の目標を達成するために、実装固有の多数の決定を行う必要があることを理解されたい。さらに、そのような開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとって、設計、製作、及び製造の日常的な作業であるであろうことを理解されたい。
【0006】
半導体デバイスのヒューズラッチセルは、コンパクトであるが、セル内でデータを反転させるために駆動回路を使用すると、ノイズの影響を受けやすい場合があるアーキテクチャ(例えば、6T SRAM)を使用する場合がある。セルは、メモリセルに定期的に圧力を加え、圧力を緩和して負のバイアス温度不安定性(NBTI)の低下を緩和するために、定期的に反転させ得る。ただし、これらのメモリセルの書き込みドライバを使用して定期的なデータ反転でデータを反転させると、ラッチされたデータが、意図しない動作を引き起こす可能性があるエラーをキャプチャする場合がある。具体的には、データの反転により、Dfラインに外乱が発生する場合がある。セルのデータ(D)側がDfラインから派生したDラインを使用して書き込まれると、Dfラインの外乱により、Dラインのデータが破損する場合がある。代わりに、独立した書き込みドライバを使用して、DラインとDfラインを分離し得る。さらに、pチャネルソース端子がDプルダウンとDfプルダウンと戦っているために、書き込みドライバが様々な電力状態(例えば、低電圧プロセスコーナー)でプルダウンするのに十分な強度がない場合がある。この状況を支援するために、生成回路を使用して、pチャネルソース端子にカットオフ電力を印加して、pチャネルソース端子がプルダウンと戦うのをブロックし得る。
【0007】
ここで図に目を向けると、図1は、メモリデバイス10の特定の特徴を示す簡略化されたブロック図である。具体的には、図1のブロック図は、メモリデバイス10の特定の機能を示す機能ブロック図である。一実施形態によれば、メモリデバイス10は、ダブルデータレートタイプ5の同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR5 SDRAM)デバイスであり得る。DDR5 SDRAMの様々な機能により、前世代のDDR SDRAMと比較して、消費電力の削減、帯域幅の拡大、及びストレージ容量の拡大が可能になる。
【0008】
メモリデバイス10は、いくつかのメモリバンク12を含み得る。メモリバンク12は、例えば、DDR5 SDRAMメモリバンクであり得る。メモリバンク12は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に配置された1つまたは複数のチップ(例えば、SDRAMチップ)上に設け得る。各DIMMは、理解されるように、いくつかのSDRAMメモリチップ(例えば、x8またはx16メモリチップ)を含み得る。各SDRAMメモリチップは、1つまたは複数のメモリバンク12を含み得る。メモリデバイス10は、いくつかのメモリバンク12を有する単一のメモリチップ(例えば、SDRAMチップ)の一部分を表す。DDR5の場合、メモリバンク12は、バンクグループを形成するようにさらに配置され得る。例えば、8ギガバイト(Gb)のDDR5 SDRAMの場合、メモリチップは、各バンクグループが2つのメモリバンクを含む、8つのバンクグループに配置された16のメモリバンク12を含み得る。16ギガバイト(Gb)のDDR5 SDRAMの場合、メモリチップは、例えば、各バンクグループが4つのメモリバンクを含む、8つのバンクグループに配置された32のメモリバンク12を含み得る。システム全体の用途及び設計に応じて、メモリデバイス10上のメモリバンク12の様々な他の構成、編成、及びサイズを利用し得る。メモリバンク12は、情報(例えば、ヒューズデータ)を格納するためにラッチ回路13を利用し得る。前述のように、及び以下でより詳細に説明されるように、ラッチ回路13は、ラッチ回路13のセルへの書き込みを制御するために使用される書き込みドライバ及び電力支援生成回路を含み得る。図示のラッチ回路13は、メモリバンク12に配置されるとして図示し得るが、いくつかの実施形態では、ラッチ回路13は、メモリデバイス10内の任意の適切な位置に配置され得る(例えば、メモリバンク12を制御するために使用されるバンク制御部22)。
【0009】
メモリデバイス10は、コマンドインターフェース14及び入力/出力(I/O)インターフェース16を含み得る。コマンドインターフェース14は、プロセッサまたはコントローラなどの外部デバイス(図示せず)からのいくつかの信号(例えば、信号15)を提供するように構成される。プロセッサまたはコントローラは、メモリデバイス10に書き込まれるか、またはメモリデバイス10から読み取られるデータの送受信を容易にするために、メモリデバイス10に様々な信号15を提供し得る。
【0010】
理解されるように、コマンドインターフェース14は、例えば、信号15の適切な処理を確実にするために、クロック入力回路18及びコマンドアドレス入力回路20などのいくつかの回路を含み得る。コマンドインターフェース14は、外部デバイスから1つまたは複数のクロック信号を受信し得る。一般に、ダブルデータレート(DDR)メモリは、本明細書では真のクロック信号(Clk_t/)及びバークロック信号(Clk_b)と呼ばれるシステムクロック信号の差動ペアを利用する。DDRの正のクロックエッジは、立ち上がりの真のクロック信号Clk_t/が立ち下がりのバークロック信号Clk_bと交差するポイントを指し、負のクロックエッジは、立ち下がりの真のクロック信号Clk_t及びバークロック信号Clk_bの立ち上がりの遷移を示す。コマンド(例えば、読み取りコマンド、書き込みコマンドなど)は通常、クロック信号の正のエッジで入力され、データは正と負の両方のクロックエッジで送信または受信される。
【0011】
クロック入力回路18は、真のクロック信号(Clk_t/)とバークロック信号(Clk_b)を受信し、内部クロック信号CLKを生成する。内部クロック信号CLKは、遅延ロックループ(DLL)回路30などの内部クロックジェネレータに供給される。DLL回路30は、受信した内部クロック信号CLKに基づいて位相制御された内部クロック信号LCLKを生成する。位相制御された内部クロック信号LCLKは、例えば、I/Oインターフェース16に供給され、読み取られたデータの出力タイミングを決定するためのタイミング信号として使用される。内部クロック信号(複数可)/位相CLKはまた、メモリデバイス10内の他の様々な構成要素に提供され得、様々な追加の内部クロック信号を生成するために使用され得る。例えば、内部クロック信号CLKは、コマンドデコーダ32に提供され得る。コマンドデコーダ32は、コマンドバス34からコマンド信号を受信し得、コマンド信号をデコードして、様々な内部コマンドを提供し得る。例えば、コマンドデコーダ32は、バス36を介してDLL回路30にコマンド信号を提供して、位相制御された内部クロック信号LCLKの生成を調整し得る。位相制御された内部クロック信号LCLKは、例えば、IOインターフェース16を介してデータを計時するために使用され得る。
【0012】
さらに、コマンドデコーダ32は、読み取りコマンド、書き込みコマンド、モードレジスタ設定コマンド、アクティベートコマンドなどのコマンドをデコードし、バスパス40を介して、コマンドに対応する特定のメモリバンク12へのアクセスを提供し得る。理解されるように、メモリデバイス10は、メモリバンク12へのアクセスを容易にするために、行デコーダ及び列デコーダなどの様々な他のデコーダを含み得る。一実施形態では、各メモリバンク12は、メモリバンク12との間でのコマンドの実行を容易にするために、必要なデコード(例えば、行デコーダ及び列デコーダ)、ならびにタイミング制御及びデータ制御などの他の機能を提供するバンク制御部22を含む。例えば、バンク制御部22は、メモリ冗長性(例えば、行冗長性及び/または列冗長性)のためにラッチ回路13に格納されたデータを使用して、メモリバンク12の格納及び/またはメモリバンク12のストレージセルからの取り出しのためのデータのルーティングを制御し得る。
【0013】
メモリデバイス10は、プロセッサなどの外部デバイスから受信したコマンド/アドレス信号に基づいて、読み取りコマンドや書き込みコマンドなどの動作を実行する。一実施形態では、コマンド/アドレスバスは、コマンド/アドレス信号(CA<13:0>)を収容するための14ビットバスであり得る。コマンド/アドレス信号は、クロック信号(Clk_t/及びClk_b)を使用してコマンドインターフェース14に合わせて計時される。コマンドインターフェースは、例えば、コマンドデコーダ32を通してメモリバンク12にアクセスを提供するためにコマンドを送受信するように構成されたコマンドアドレス入力回路20を含み得る。さらに、コマンドインターフェース14は、チップセレクト信号(CS_n)を受信し得る。CS_n信号は、メモリデバイス10が着信CA<13:0>バス上でコマンドを処理することを可能にする。メモリデバイス10内の特定のバンク12へのアクセスは、コマンドを用いてCA<13:0>バス上でエンコードされる。
【0014】
さらに、コマンドインターフェース14は、他のいくつかのコマンド信号を受信するように構成され得る。例えば、ダイターミネーション信号でのコマンド/アドレス(CA_ODT)は、メモリデバイス10内の適切なインピーダンス整合を容易にするために提供され得る。リセットコマンド(RESET_n)は、例えば、電源投入時にコマンドインターフェース14、ステータスレジスタ、状態機械などをリセットするために使用され得る。コマンドインターフェース14はまた、例えば、特定のメモリデバイス10のコマンド/アドレスのルーティングに応じて、コマンド/アドレスバス上のコマンド/アドレス信号CA<13:0>の状態を反転させるために提供され得るコマンド/アドレス反転(CAI)信号を受信し得る。ミラー機能を容易にするために、ミラー(MIR)信号も提供し得る。MIR信号は、信号を多重化するために使用され得、その結果、特定のアプリケーションでの複数のメモリデバイスの構成に基づいて、メモリデバイス10への信号の特定のルーティングを可能にするために信号をスワップすることができる。テストイネーブル(TEN)信号などのメモリデバイス10のテストを容易にするための様々な信号も提供され得る。例えば、TEN信号は、接続性テストのためにメモリデバイス10をテストモードにするために使用され得る。
【0015】
コマンドインターフェース14はまた、検出され得る特定のエラーについてシステムプロセッサまたはコントローラにアラート信号(ALERT_n)を提供するために使用され得る。例えば、巡回冗長検査(CRC)エラーが検出された場合、アラート信号(ALERT_n)がメモリデバイス10から送信され得る。他のアラート信号も生成される場合がある。さらに、メモリデバイス10からアラート信号(ALERT_n)を送信するためのバス及びピンは、上記のように、TEN信号を使用して実行される接続性テストモードなどの特定の動作中に入力ピンとして使用され得る。
【0016】
データは、IOインターフェース16を介してデータ信号44を送受信することによって、上記のコマンド及びクロック信号を利用して、メモリデバイス10との間で送受信され得る。より具体的には、データは、複数の双方向データバスを含むデータパス46を介してメモリバンク12に送信またはメモリバンク12から取り出し得る。一般にDQ信号と呼ばれるデータIO信号は、通常、1つまたは複数の双方向データバスで送受信される。DDR5 SDRAMメモリデバイスなどの特定のメモリデバイスの場合、IO信号は上位バイトと下位バイトに分割される場合がある。例えば、x16メモリデバイスの場合、IO信号は、例えば、データ信号の上位バイトと下位バイトに対応する上位IO信号と下位IO信号(例えば、DQ<15:8>とDQ<7:0>)に分割される場合がある。
【0017】
メモリデバイス10内でより高いデータレートを可能にするために、DDRメモリデバイスなどの特定のメモリデバイスは、一般にDQS信号と呼ばれるデータストローブ信号を利用し得る。DQS信号は、データを送信する外部プロセッサまたはコントローラ(例えば、書き込みコマンドの場合)によって、またはメモリデバイス10(例えば、読み取りコマンドの場合)によって駆動される。読み取りコマンドの場合、DQS信号は、事実上、所定のパターンを持つ追加のデータ出力(DQ)信号である。書き込みコマンドの場合、DQS信号は、対応する入力データをキャプチャするためにクロック信号として使用される。クロック信号(Clk_t/及びClk_b)と同様に、DQS信号はデータストローブ信号の差動ペア(DQS_t/及びDQS_b)として提供されて、読み取り及び書き込み中に差動ペア信号を提供する。DDR5 SDRAMメモリデバイスなどの特定のメモリデバイスの場合、DQS信号の差動ペアは、例えばメモリデバイス10との間で送信されるデータの上位バイトと下位バイトに対応する上位データストローブ信号と下位データストローブ信号(例えば、UDQS_t/とUDQS_b、LDQS_t/とLDQS_b)に分割され得る。
【0018】
インピーダンス(ZQ)較正信号はまた、IOインターフェース16を介してメモリデバイス10に提供され得る。ZQ較正信号は基準ピンに提供され得、プロセス、電圧、及び温度(PVT)値の変化にわたってメモリデバイス10のプルアップ及びプルダウン抵抗を調整することによって、出力ドライバ及びODT値を調整するために使用され得る。PVT特性はZQ抵抗値に影響を与える可能性があるため、ZQ較正信号は、抵抗を調整して入力インピーダンスを既知の値に較正するために使用されるZQ基準ピンに提供され得る。理解されるように、精密抵抗は、一般に、メモリデバイス10上のZQピンとメモリデバイス10の外部のGND/VSSとの間に結合される。この抵抗は、内部ODTとIOピンの駆動強度を調整するための基準として機能する。
【0019】
さらに、ループバック信号(LOOPBACK)は、IOインターフェース16を介してメモリデバイス10に提供され得る。ループバック信号は、メモリデバイス10を、信号が同じピンを介してメモリデバイス10を通ってループバックされるモードに設定するためにテスト段階またはデバッグ段階で使用され得る。例えば、ループバック信号は、メモリデバイス10のデータ出力(DQ)をテストするようにメモリデバイス10を設定するために使用され得る。ループバックには、データとストローブの両方、または場合によってはデータピンのみが含まれる場合がある。これは一般に、IOインターフェース16でメモリデバイス10によってキャプチャされたデータを監視するために使用されることを目的とする。
【0020】
理解されるように、電源回路(外部VDD及びVSS信号を受信するため)、モードレジスタ(プログラム可能な動作及び構成の様々なモードを定義するため)、読み取り/書き込み増幅器(読み取り/書き込み動作中に信号を増幅するため)、温度センサ(メモリデバイス10の温度を感知するため)などの他の様々なコンポーネントもまた、メモリデバイス10に組み込まれ得る。したがって、図1のブロック図は、後続の詳細な説明を支援するために、メモリデバイス10の特定の機能的特徴を強調するためにのみ提供されることを理解されたい。
【0021】
図2は、ラッチ回路13の一実施形態の概略図を示している。図示のように、ラッチ回路13は、行冗長性ヒューズラッチセット54として機能する複数のラッチセル52を含む。ラッチ回路13は、書き込みドライバ55からのヒューズデータを共有する任意の数のラッチセル52を含み得る。例えば、16の行冗長性ヒューズラッチセット54は、16の行アドレスごとに各ラッチ回路13に含まれ得る。追加的または代替的に、ラッチセル52は、列冗長性スキームなどの他のタイプの冗長性スキームに使用され得る。前述のように、ラッチセル52は、6T SRAMセルであり得る。具体的には、ラッチセル52は、図3に関して以下に説明されるように、それぞれがデュアルトランジスタを使用して実装され得るインバータ56及び58を含み得る。各ラッチセル52はまた、対応するワードライン(WL)信号64に基づいてインバータ56及び58をデータ偽(Df)ライン68及びデータライン(D)72に選択的に結合する左アクセストランジスタ60及び右アクセストランジスタ62を含む。インバータ56及び58は、左アクセストランジスタ60及び右アクセストランジスタ62に対して互いに逆向きに結合されている。Dfライン68及びDライン72は、インバータ56及び58にデータを書き込む、及び/またはインバータ56及び58からデータを読み取るために使用される。インバータ56及び58にデータを書き込むために、書き込みドライバ55は、インバータ56及び58に電圧をアサートする。
【0022】
図3は、インバータ56及び58を備えた6T SRAM構成を有するラッチセル52の一実施形態の概略図である。図示のように、インバータ56は、それぞれそれらのゲートが左アクセストランジスタ60(ここでは、NMOSトランジスタとして示されている)に結合され、それらの間の出力が右アクセストランジスタ62(ここでは、NMOSトランジスタとして示されている)に結合されるNMOSトランジスタ100及びPMOSトランジスタ102を含む。出力は、NMOSトランジスタ100とPMOSトランジスタ102の両方のドレイン端子が一緒に結合されている場所に配置されている。換言すれば、NMOSトランジスタ100及びPMOSトランジスタ102のドレイン端子は、一緒に、そして右アクセストランジスタ62に結合されている。インバータ58は、それぞれそれらのゲートが右アクセストランジスタ62に結合され、それらの間の出力が左アクセストランジスタ60に結合されている、NMOSトランジスタ104及びPMOSトランジスタ106を含む。出力は、NMOSトランジスタ104とPMOSトランジスタ106の両方のドレイン端子が一緒に結合されている場所に配置されている。換言すれば、NMOSトランジスタ104及びPMOSトランジスタ106のドレイン端子は、一緒に、そして右アクセストランジスタ62に結合されている。電圧108は、PMOSトランジスタ102及び106のソースを介して、PMOSトランジスタ102及び106に電力を供給する。NMOSトランジスタ100及び104のソース端子は、接地に結合し得る。
【0023】
図2に戻ると、書き込みドライバ55は、ヒューズデータ入力(Din)67を反転させてDfライン68を生成するDin67を受信するインバータ66を含む。同様に、インバータ70は、Dfライン68を反転させてDライン72を生成するために使用される。しかしながら、書き込みドライバが複数のラッチセル52間で共有され、いくつかの状況(例えば、データ反転)で複数のラッチセル52を同時に駆動するために書き込みドライバ55が使用されると、書き込みドライバ55は、Dライン72を通して正しい値を書き込むことができない場合がある。
【0024】
具体的には、図4は、複数のラッチセル52に同時に書き込みを試みるときに、書き込みエラー82を引き起こすラッチセル52の電圧を反映するグラフ80を示している。グラフ80は、Din67に対応する書き込みデータライン84を含む。グラフ80はまた、それぞれのWL信号64に対応するWLライン86を含む。さらに、グラフ80は、Dライン72に対応するドライバ出力ライン88を含む。さらに、グラフ80は、Dfライン68に対応するドライバ出力偽ライン90を含む。さらに、グラフ80は、インバータ56及び58に記憶された電圧にそれぞれ対応するラッチノードライン92を含む。時間94において、それぞれのWL信号64が高に遷移するとき、左右のアクセストランジスタ60及び62は、ラッチセル52を書き込みドライバ55に結合する。Dfライン68が複数のラッチセル52に同時に駆動されるとき、駆動によりDfライン68上にノイズが生成される。このノイズは、次に、インバータ70を介してDfライン68からDライン72に伝播され、Dライン72上のデータが不正確になる。
【0025】
この書き込みエラーに対処するために、図5は、Dライン72とは独立してDfライン68を生成する書き込みドライバ111を使用するラッチ回路13の一実施形態を示している。具体的には、書き込みドライバ111は、Dfライン68の生成がDライン72の生成から分割されるノード110を含む。Dライン72の生成は、書き込みドライバ55におけるDライン72の生成と同様に、インバータ66及び70を通って進行する。Dfライン68の生成は、インバータ66を使用するのではなく、書き込みドライバ111内の別個のインバータ112を通って流れる。Dfライン68とDライン72の生成を分離することにより、Dfライン68及び/またはDライン72で生じるいかなるノイズも他のラインに伝播されず、それにより、エラー82などのそのような伝播ベースの書き込みエラーをブロックする。
【0026】
Dfライン68とDライン72との間のフィードバック伝播に基づく書き込みエラーに加えて、書き込みドライバ55及び/または書き込みドライバ111は、特定の状態(例えば、低電圧及び/またはプロセスコーナー)で複数のラッチセル52のインバータ56及び58をプルダウンする問題を経験する場合がある。プルダウンを完了する上でこの難題は、PMOSトランジスタ102及び106がプルダウンと戦うことに起因する。換言すれば、書き込みドライバ55及び/または111は、ラッチセル52の電圧108から書き込みドライバ111のVSSへの比較的に大きい電流の流れのために、特定の状態ではインバータ56及び58をプルダウンするのに十分な強度ではない場合がある。このバス競合は、ラッチセル52の書き込み速度を損なう。
【0027】
この潜在的な問題に対処するために、ラッチ回路13は、インバータ56及び58への電圧108の接続を動的電圧142とインバータ56及び58との間の接続に置き換えることによって、書き込み支援パワーゲーティングを提供し得る。動的電圧142は、WL信号64が高であるセル書き込み期間中に遮断され得る。そのような書き込み支援を提供するために、メモリデバイス10の少なくともいくつかの実施形態は、PMOSトランジスタ102及び106からの電圧を遮断する1つまたは複数のラッチセル52を含み得る。例えば、図6は、書き込みドライバ111を支援するために、生成回路140を使用してラッチセル52のために動的電圧を生成して、電圧108からそれぞれのPMOSトランジスタ102及び106を遮断する書き込みドライバ111を備えたラッチ回路13の一実施形態を示す。図6のラッチ回路13が、ラッチセル52のために動的電圧142を生成する生成回路140を含む点を除き、図6のラッチ回路13は図5のラッチ回路13と同じである。
【0028】
図7は、生成回路140の一実施形態の概略図である。図示のように、各ラッチセル52についてサブ回路143を含む生成回路140は、それぞれのラッチセル52に対応するWL信号64がアサートされない限り、対応するラッチセル52の動的電圧142に電圧108を結合するPMOSトランジスタ144を含む。それぞれのラッチセル52に対応するWL信号64がアサートされると、PMOSトランジスタ144は、電圧108と動的電圧142との間の接続を遮断する。電圧108と動的電圧142との間の接続を遮断すると、インバータ56及び58のPMOSトランジスタ102及び106から電力が除去される。インバータ56及び58のPMOSトランジスタ102及び106から電力を除去することにより、それぞれのサイクルでインバータ56及び58をプルダウンするために書き込みドライバ111によってアサートされる必要がある強度の量が緩和される。
【0029】
図8は、生成回路140の一部分の代替の実施形態を示している。図8の生成回路の部分では、NMOSトランジスタ145は、対応する動的電圧142を結合し、VSS148から分離するために使用される。スイッチは、駆動電圧147及びVSS148の接続を選択的に切り替えるために使用される。NMOSトランジスタ145及びPMOSトランジスタ144は、それらのゲートがスイッチ146に結合されているためである。スイッチ146が駆動電圧147をNMOSトランジスタ145及びPMOSトランジスタ144のゲートに結合するとき、PMOSトランジスタ144は、動的電圧142をVSS148に結合しながら、電圧108と動的電圧142との間の接続を遮断する。換言すれば、スイッチ146が駆動電圧147を通過させるとき、スイッチ146は動的電圧142をVSS148に結び付けるようにする。そうでなければ、動的電圧142は電圧108に結び付けられる。
【0030】
図9は、図6のラッチ回路13内の信号の一実施形態のグラフ150を示している。図示のように、グラフ150は、それぞれのラッチセル52について、Din67に対応する書き込みデータライン152と、WL信号64に対応するWLライン154とを含む。グラフ150はまた、Dfライン68及びDライン72に対応する書き込みドライバ出力ライン156を含む。グラフ150はまた、ラッチセル52に格納されたデータに対応するラッチライン158を含む。さらに、グラフ150は、ラッチセル52の動的電圧142に対応する動的電圧ライン160を含む。別々に生成されたDfライン68及びDライン72の使用に少なくとも部分的に基づいて、ノイズは、書き込みドライバ出力ライン156に示されるように、Dfライン68とDライン72との間で伝播されない。具体的には、データ反転で複数のラッチセル52に同時に書き込むとき、時間94で、ラッチライン158に伝播ベースのエラーは発生しない。さらに、生成回路140からの書き込み支援を使用して、ラッチセル52の(動的電圧ライン160で示されるような)動的電圧142は、時間94で遮断される。動的電圧142はまた、時間162、164、及び166でWLライン154の後続の各パルスで遮断される。インバータ56または58の1つが書き込みのたびにプルダウンされるので、WLライン154の各パルスは、PMOSトランジスタ102及び106への電力を遮断して、時間94、162、164、及び166でラッチセル52に記憶された対応する電圧のプルダウンを支援する動的電圧ライン160の対応する変化を引き起こす。前述のように、PMOSトランジスタ102及び106への供給電圧のこの遮断により、書き込みドライバ111は、インバータ56及び58のプルダウンが、書き込みドライバが書き込み支援パワーゲーティングなしで印加可能であるよりも多くのプルダウン力を利用するであろう状態でも、インバータ56及び58をプルダウンできる。図示された動的電圧142のターンオフタイミングは、WLライン154に基づいて特定の時間に発生するが、いくつかの実施形態では、動的電圧142のターンオフタイミングは特定の時間よりも柔軟であり得る。例えば、WLライン154のアサートと動的電圧142との間の遅延が発生する場合がある。追加的または代替的に、スイッチ147は、SRAMが変化している間であっても、任意の適切な時間に切り替え得る。例えば、SRAMが変化している期間を含めた、動的電圧ターンオフ期間168内の任意の期間を使用することができる。
【0031】
前述は、様々な論理低及び/または論理高のアサーション極性について説明しているが、これらの極性の少なくともいくつかは、いくつかの実施形態では反転する場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される論理ゲートは、単一のNANDゲート及び/または増幅器または他の類似する変更で置き換えられたインバータ(例えば、インバータ66)などの同様の論理関数で置き換えられ得る。同様に、前述では、様々なタイプの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の使用について説明しているが、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのMOSFETを、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)などの別の適切なタイプのトランジスタに置き換え得る。
【0032】
本開示は、様々な修正及び代替の形態の影響を受ける場合があるが、特定の実施形態を、例として図面に示し、本明細書に詳細に記載してきた。しかしながら、本開示は、開示される特定の形態に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、本開示は、以下に添付される特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物、及び代替物を包含することを意図する。
【0033】
本明細書で提示及び特許請求される技術は、現在の技術分野を明らかに改善し、したがって、抽象的、無形、または純粋に理論的ではない、実用的な性質の物質的対象及び具体的な例に参照及び適用される。さらに、本明細書の末尾に追加された請求項に、「・・・の[機能]を[実行する]ための手段」または「・・・の[機能]を[実行する]ためのステップ」として指定された1つまたは複数の要素が含まれている場合、そのような要素は米国特許法第112条(f)の下で解釈されることが意図される。ただし、他の方法で指定された要素を含むいずれの請求項については、そのような要素が米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
前記メモリデバイスで使用するためのデータをラッチするように構成されたラッチ回路を備え、
前記ラッチ回路は、
それぞれが前記データのビットを格納するように構成された複数のラッチセルと、
書き込みドライバであって、
前記複数のラッチセルに格納される前記データを受信するように構成された入力と、
前記入力に結合され、データ信号を前記複数のラッチセルの第1の側に出力するように構成されたインバータのペアと、
前記入力に結合され、前記複数のラッチセルの第2の側にデータ偽信号を生成するように構成されたインバータであって、前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが、前記インバータのペアを通過しない、前記インバータと
を備える、前記書き込みドライバと
を備える、前記メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1の側が、前記複数のラッチセルの左側を含み、前記第2の側が、前記複数のラッチセルの右側を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記ラッチセルに供給される動的電圧を生成するように構成された生成回路を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記生成回路が、それぞれが前記複数のラッチセルのうちのラッチセルに対応する複数のサブ回路を備える、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
各サブ回路が、対応する前記ラッチセルのために高に遷移するワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて、供給電圧からそれぞれの動的電圧を選択的に切り離すように構成されたPMOSトランジスタを備える、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
各サブ回路が、
供給電圧からそれぞれの動的電圧を選択的に切り離すように構成されたPMOSトランジスタと、
前記それぞれの動的電圧を第2の電圧に選択的に結合するように構成されたNMOSトランジスタと、
前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのゲートに結合され、第1の極に選択的に接続して前記それぞれの動的電圧を前記供給電圧に駆動するか、または第2の極に選択的に接続して前記それぞれの動的電圧を前記第2の電圧に駆動するスイッチと
を備える、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
各ラッチセルが、
前記複数のラッチセルの前記第1の側を介して前記ラッチセルへのアクセスを選択的に提供する第1のアクセストランジスタと、
前記複数のラッチセルの前記第2の側を介して前記ラッチセルへのアクセスを選択的に提供する第2のアクセストランジスタと
を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
各ラッチセルが、
前記第1のアクセストランジスタと前記第2のアクセストランジスタとの間に結合された第1のインバータと、
前記第1のアクセストランジスタと前記第2のアクセストランジスタとの間に結合された第2のインバータと
を備え、
前記第1及び第2のインバータが、前記第1のアクセストランジスタ及び前記第2のアクセストランジスタに対して逆向きに配置されている、
請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記第1のインバータが、
第1のNMOSトランジスタと、
第1のPMOSトランジスタであって、前記第1のNMOSトランジスタ及び前記第1のPMOSトランジスタのゲートが前記第1のアクセストランジスタに結合され、前記第1のNMOSトランジスタ及び前記第1のPMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のアクセストランジスタに結合される、前記第1のPMOSトランジスタと
を備え、
前記第2のインバータが、
第2のNMOSトランジスタと、
第2のPMOSトランジスタであって、前記第2のNMOSトランジスタ及び前記第2のPMOSトランジスタのゲートが前記第2のアクセストランジスタに結合され、前記第2のNMOSトランジスタ及び前記第2のPMOSトランジスタのドレイン端子が前記第1のアクセストランジスタに結合される、前記第2のPMOSトランジスタと
を備える、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソース端子が、電圧源に結合される、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1及び第2のアクセストランジスタを介してアクセスを制御するように構成されたワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソース端子を電圧源に選択的に結合するように構成された電圧トランジスタを備える、請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記電圧トランジスタが、前記ワードライン信号のアサーションに少なくとも部分的に基づいて、前記電圧源から前記第1及び第2のPMOSトランジスタの前記ソース端子を切り離すように構成されたPMOSトランジスタを備える、請求項11に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
方法であって、
複数のラッチセルに格納されるデータを受信することと、
前記データを反転させるためにデータ偽インバータを使用してデータ偽信号を生成することと、
インバータペアを使用してデータ信号を生成することであって、前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが、前記データ信号を生成するために使用される前記インバータペアを通過しない、前記生成することと、
前記データ偽信号を使用して前記複数のラッチセルの第1の側を駆動することと、
前記データ信号を使用して前記複数のラッチセルの第2の側を駆動することと
を含む、前記方法。
【請求項14】
ラッチセルに記憶された電圧をプルダウンするときに、前記複数のラッチセルのうちのラッチセルのインバータのpチャネルを電圧源から切り離すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ラッチセルの前記インバータの前記pチャネルを切り離すことが、ワードライン信号に少なくとも部分的に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ラッチセルの前記第1及び第2の側を駆動することが、前記ワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて前記ラッチセルに書き込み、第1のアクセストランジスタを介した前記ラッチセルの前記第1の側から、及び第2のアクセストランジスタを介した前記ラッチセルの前記第2の側から前記ラッチセルへのアクセスを可能にすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ラッチ回路装置であって、
それぞれがデータのビットを格納するように構成された複数のラッチセルと、
前記複数のラッチセルの第1の側に結合されたデータラインと、
前記複数のラッチセルの第2の側に結合されたデータ偽ラインと、
書き込みドライバであって、
前記データを受信するように構成された入力と、
前記入力に結合され、前記データを反転させることによって前記データ偽ライン上にデータ偽信号を生成するように構成されたデータ偽インバータと、
前記入力に結合され、前記データライン上にデータ信号を生成するように構成されたインバータのペアであって、前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが前記インバータのペアを通過しない、前記インバータのペアと
を備える、前記書き込みドライバと
を備える、前記ラッチ回路装置。
【請求項18】
前記データが、前記ラッチ回路を含むメモリデバイスのためのメモリ冗長性スキームでメモリデータをルーティングする際に使用されるように構成されたヒューズデータを含む、請求項17に記載のラッチ回路装置。
【請求項19】
前記データ信号及び前記データ偽信号を介して前記書き込みドライバによるそれぞれのラッチセルへのアクセスを制御するために使用されるワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて電圧源から前記それぞれのラッチセルのラッチインバータを切り離すことによって、前記書き込みドライバが前記複数のラッチセルのうちの対応するラッチセルで電圧をプルダウンするのを支援するようにそれぞれ構成された複数の書き込み支援トランジスタを備える、請求項17に記載のラッチ回路装置。
【請求項20】
前記データ信号及び前記データ偽信号が、前記ワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて前記データを前記ラッチセルに格納するために使用される差動信号である、請求項19に記載のラッチ回路装置。
【請求項21】
ラッチ回路であって、
それぞれが前記ラッチ回路で受信したデータのビットを格納するように構成された複数のラッチセルと、
書き込みドライバであって、
前記複数のラッチセルに格納される前記データを受信するように構成された入力と、
前記入力に結合され、データ信号を生成し、前記複数のラッチセルの第1の側に出力するように構成された前記書き込みドライバの第1の部分と、
前記入力に結合され、データ偽信号を生成し、前記複数のラッチセルの第2の側に出力するように構成された前記書き込みドライバの第2の部分であって、前記データ信号及び前記データ偽信号の前記生成が並行して実行される、前記第2の部分と
を備える、前記書き込みドライバと
を備える、前記ラッチ回路。
【請求項22】
前記書き込みドライバの前記第1の部分が、直列で接続されたインバータのペアを備える、請求項21に記載のラッチ回路。
【請求項23】
前記書き込みドライバの前記第2の部分が、単一のインバータを備える、請求項21に記載のラッチ回路。
【請求項24】
前記データ偽信号を生成するために使用される前記データが、前記書き込みドライバの前記第1の部分を通過しない、請求項21に記載のラッチ回路。
【請求項25】
前記第1の側が、前記複数のラッチセルの左側を含み、前記第2の側が、前記複数のラッチセルの右側を含む、請求項21に記載のラッチ回路。
【請求項26】
前記ラッチセルに供給される動的電圧を生成するように構成された生成回路を備え、前記生成回路が、それぞれが前記複数のラッチセルのそれぞれのラッチセルに対応する複数のサブ回路を備える、請求項21に記載のラッチ回路。
【請求項27】
各サブ回路が、対応する前記ラッチセルのためのワードライン信号に少なくとも部分的に基づいてそれぞれの動的電圧を供給電圧から選択的に切り離すためにトランジスタを備える、請求項26に記載のラッチ回路。
【請求項28】
各ラッチセルが、
前記複数のラッチセルの前記第1の側を介して前記ラッチセルへのアクセスを選択的に提供する第1のアクセストランジスタと、
前記複数のラッチセルの前記第2の側を介して前記ラッチセルへのアクセスを選択的に提供する第2のアクセストランジスタと
を備える、請求項21に記載のラッチ回路。
【請求項29】
各ラッチセルが、
前記第1のアクセストランジスタと前記第2のアクセストランジスタとの間に結合された第1のインバータと、
前記第1のアクセストランジスタと前記第2のアクセストランジスタとの間に結合された第2のインバータと
を備え、
前記第1及び第2のインバータが、前記第1のアクセストランジスタ及び前記第2のアクセストランジスタに対して逆向きに配置されている、
請求項28に記載のラッチ回路。
【請求項30】
前記第1のインバータが、
第1のNMOSトランジスタと、
第1のPMOSトランジスタであって、前記第1のNMOSトランジスタ及び前記第1のPMOSトランジスタのゲートが前記第1のアクセストランジスタに結合され、前記第1のNMOSトランジスタ及び前記第1のPMOSトランジスタのドレイン端子が前記第2のアクセストランジスタに結合される、前記第1のPMOSトランジスタと
を備え、
前記第2のインバータが、
第2のNMOSトランジスタと、
第2のPMOSトランジスタであって、前記第2のNMOSトランジスタ及び前記第2のPMOSトランジスタのゲートが前記第2のアクセストランジスタに結合され、前記第2のNMOSトランジスタ及び前記第2のPMOSトランジスタのドレイン端子が前記第1のアクセストランジスタに結合される、前記第2のPMOSトランジスタと
を備える、
請求項29に記載のラッチ回路。
【請求項31】
前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソース端子が、電圧源に結合される、請求項30に記載のラッチ回路。
【請求項32】
前記第1及び第2のアクセストランジスタを介してアクセスを制御するように構成されたワードライン信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1及び第2のPMOSトランジスタのソース端子を電圧源に選択的に結合するように構成された電圧トランジスタを備える、請求項30に記載のラッチ回路。
【請求項33】
前記電圧トランジスタが、前記ワードライン信号のアサーションに少なくとも部分的に基づいて、前記電圧源から前記第1及び第2のPMOSトランジスタの前記ソース端子を切り離すように構成されたPMOSトランジスタを備える、請求項32に記載のラッチ回路。
【請求項34】
方法であって、
入力で複数のラッチセルに格納されるデータを受信することと、
書き込みドライバの第1の部分でデータ信号を生成することと、
前記書き込みドライバの第2の部分を使用してデータ偽信号を生成することであって、前記データ信号及び前記データ偽信号を生成することが、前記入力と前記複数のラッチセルとの間で並行して生成される、前記生成することと、
前記データ偽信号を使用して前記複数のラッチセルの第1の側を駆動することと、
前記データ信号を使用して前記複数のラッチセルの第2の側を駆動することと
を含む、前記方法。
【請求項35】
前記データ信号を生成することが、第1及び第2のインバータを使用して前記データを2回反転させることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記データ偽信号を生成することが、第3のインバータを使用して前記データを単回反転させることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記データ信号及び前記データ偽信号を並行して生成することが、前記入力と前記複数のラッチセルとの間で前記書き込みドライバの前記第1の部分と前記第2の部分との間の重複なく、前記入力で前記データを分割することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
ラッチ回路装置であって、
それぞれがデータのビットを格納するように構成された複数のラッチセルと、
前記複数のラッチセルの第1の側に結合されたデータラインと、
前記複数のラッチセルの第2の側に結合されたデータ偽ラインと、
書き込みドライバであって、
前記データを受信するように構成された入力と、
前記入力に結合され、データ信号を生成し、前記データライン上に出力するように構成された回路の第1の部分と、
前記入力に結合され、データ偽信号を生成し、前記データ偽ラインに出力するように構成された回路の第2の部分であって、前記データ信号及び前記データ偽信号を生成することが、前記入力と前記複数のラッチセルの間で前記回路の前記第1の部分と前記回路の前記第2の部分との間の重複なく並行して実行される、前記第2の部分と
を備える、前記書き込みドライバと
を備える、前記ラッチ回路装置。
【請求項39】
前記回路の前記第1の部分が、直列で接続された第1及び第2のインバータを備える、請求項38に記載のラッチ回路装置。
【請求項40】
前記第1の側が、前記複数のラッチセルの左側を含み、前記第2の側が、前記複数のラッチセルの右側を含む、請求項38に記載のラッチ回路装置。
【国際調査報告】