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特表2022-536232容器中のガスの濃度を求めるためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】容器中のガスの濃度を求めるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/39 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
G01N21/39
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542274
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2019076665
(87)【国際公開番号】W WO2020070173
(87)【国際公開日】2020-04-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521127789
【氏名又は名称】ガスポロックス エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】レワンダー シュー,メルタ
(72)【発明者】
【氏名】ランディン,パトリック
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059EE01
2G059GG01
2G059KK04
2G059MM01
2G059PP10
(57)【要約】
容器中の少なくとも1つのガスの濃度を求めるためのシステムと方法が開示される。このシステムと方法は、容器内部または背後の表面によって反射された光、または、容器によって屈折または散乱された光を、検知器を用いて検知することを含み、ここで、前記検知器は、反射光の強度に関する第1の信号と検知された反射光の位置に関する第2の信号を提供する。第1および第2の信号は、容器内部の少なくとも1つのガスの濃度を推定するために使用される。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器中の少なくとも1つのガスの濃度を求める方法であって、該方法は:
光源から光を、容器内部にある少なくとも1つのガスの体積に透過させる工程と、
容器内部または背後の表面によって反射された光、または、容器によって屈折または散乱された光を、検知器を用いて検知する工程であって、ここで、前記検知器は、反射光の強度に関する第1の信号と反射光の位置に関する第2の信号を提供する、工程と、
第1の信号に基づいて容器内部の少なくとも1つのガスの吸収を求める工程と、
第2の信号に基づいて光が前記容器を通過する距離を求める工程と、
前記吸収と前記距離に基づいて、容器内部の少なくとも1つのガスの濃度を推定する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
光を反射する表面上の点からの、または光を反射する点の分布からの、距離を求める工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのレンズ、または凹面鏡によって、反射光を検知器上の照明スポットへと変換する工程を含み、前記少なくとも1つのレンズまたは凹面鏡は、前記検知器の前に置かれることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
三角測量、焦点効果、または鏡面反射に基づいて距離を求めることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
検知器は、少なくとも1つのレンズまたは凹面鏡の光学軸に対比してある角度で置かれることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのレンズまたは凹面鏡の光学軸に対比してある角度で検知器を置くことによって、一定範囲の反射距離にわたって検知器上に光を集束させる工程を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
検知器は、位置敏感検知器(PSD)、アレイ型検知器、またはピクセル型検知器であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
第2の信号は、検知器上での反射光の分布を表わし、および、1つ以上の距離は、トップフィルムおよび内容物表面までの距離または距離の分布などの、光の分布を使用して求められることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
光源はレーザービームを放射するレーザーであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
レーザービームと検知器との間の方向に垂直な方向においてレーザービームを拡張する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
波長可変ダイオードレーザー吸収分光法によって第1の信号を得る工程を含む、請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
容器中の少なくとも1つのガスの濃度を求めるためのシステムであって、該システムは:
容器内部にある少なくとも1つのガスの体積に光を透過させるための光源と、
容器内部または背後の表面によって反射された光、または、容器によって屈折もしくは散乱された光を検知するための検知器であって、ここで、前記検知器は、反射光の強度に関する第1の信号と、検知された反射光の位置に関する第2の信号を提供する、検知器と、
第1の信号に基づいて容器内部の少なくとも1つのガスの吸収を求め、第2の信号に基づいて光が容器中を通過する距離を求め、および、前記吸収と前記距離に基づいて、容器内部の少なくとも1つのガスの濃度を推定するための、制御装置と、を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体積中の少なくとも1つのガスの濃度を求めるために光吸収の測定を実行する方法およびシステムに関する。特に、本開示は、ガスを通る距離を求めることに関する。
【背景技術】
【0002】
光吸収測定を実行する強力な1つの方法は波長可変ダイオードレーザー吸収分光法(TDLAS)である。TDLASでは、波長可変ダイオードレーザーが使用される。レーザーは非常に狭い帯域の出力を有し、光線が光線出力において非常に狭い波長分布を有するということを意味し、あらゆる段階において、単一波長だけが放射されることを事実上意味している。一方で、波長可変ダイオードレーザーからの光線は、例えば、酸素などの所望のガス種の吸収ピークにわたってスキャンすることができるような波長で調整することができる。従って、波長が吸収線と一致する時間段階において、ガス吸収ピークにわたって波長を非常にはやく調整すること、およびガス体積を通過した、減少した強さを検知することによって、ガス吸収測定が可能になる。
【0003】
TDLAS測定では、ガスを通過する経路の長さを知ることが必要である。いくつかの実施形態では、このことは、例えば、単純に、光が透過される容器の幅を知ることで、達成される。いくつかの応用では、代わりに、ある体積へ光を放射することが選好され、ここで、光は、試料上でレーザーと同じ側に置かれる検知器に向かって後方に反射される。この反射が既知の距離で起こる場合、光の経路長を知ることができ、また、ガス種濃度を計算することができる。その反射は、例えば、容器の側壁/底部、その内容物において、または鏡の上もしくは他の物体上で、起こる。
【0004】
いくつかの応用では、前もって反射点または屈折点への距離を知ることは可能ではない。一例は、光反射が容器中の内容物の表面、例えば、トレー中の食品生産物の表面で起こる場合であり得る。その後、光吸収はTDLASにより測定することができるが、経路の長さが未知であるため、ガス種濃度を計算することは可能ではない。多くの応用において、定規またはノギスで距離を測定するために容器を開くことはできず、その代りに、例えば、レーダー、超音波測距、立体視、ライダー(光検出およびレンジング)、またはレーザー三角測量といった、非侵入的な、中立の方法を使用する必要がある。
【0005】
状況における経路長が測定するには小さすぎるのではない場合、経路長を得る1つの可能性は、既知の濃度の基準気体を使用して、正規化を行うことである。既知の吸収を通じて、基準ガスについての経路長を引き出すことができ、および、同じ経路長を有する基準ガスと未知の濃度をもったガスを調べる光を仮定することによって、主要なガスの濃度が得られる。基準ガスは、自然由来でもよく(相対湿度および温度が既知である場合の、既知の濃度をもつ水蒸気のように)、または、それは故意に加えられてもよい。
【0006】
TDLASは、例えば、US8.994.948、およびEP3004820において、濃度を計算するために、従来的に距離センサーと組み合わされている。これらの記載されたシステムは、別々の測定を得るために、追加の部品と、オーバーラップしている位置を必要としており、そのことは、測定が同じ幾何学配置上で実行されないかもしれないことを意味し、その結果として、正確ではない距離が求められる恐れがあることを意味する。
【0007】
従って、容器中のガスを通過する経路長を求めるための新しい改善された装置および方法は、有利であり得る。
【発明の概要】
【0008】
従って、本開示の実施形態は、容器の少なくとも1つの側面の外表面上に光を透過させることにより密閉容器の完全な状態を非破壊的に求めることを目的とする特許請求の範囲に記載のシステムまたは方法を単独またはあらゆる組合で提供することより、上記で特定したものなどの、当該技術における1つ以上の欠陥、不利益、または問題点を軽減、緩和、または排除することに努めるのが好ましい。
【0009】
本開示のいくつかの態様では、容器中の少なくとも1つのガスの濃度を求める方法が記載される。前記方法は、光源から光を、容器内部にある少なくとも1つのガスの体積に透過させる工程を含み得る。前記方法は、容器内部または背後の表面によって反射された光、または、容器によって屈折または散乱された光を、検知器を用いて検知する工程をさらに含み得る。検知器は、反射光の強度に関する第1の信号と検知された反射光の位置に関する第2の信号を提供する場合がある。前記方法は、第1の信号に基づいて容器内部の少なくとも1つのガスによる吸収を求める工程をさらに含み得る。前記方法は、第2の信号に基づいて、光が容器を通過する距離を求める工程もさらに含み得る。さらに、前記方法は、前記吸収および前記距離に基づいて、容器内部の少なくとも1つのガスの濃度を推定する工程を含み得る。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は光線を反射する表面上のある点からの距離を求めることをさらに含む。別の実施形態では、前記方法は、光を反射する点の分布からの距離を求めることを含む。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、少なくとも1つのレンズ、または凹面鏡によって、反射光を検知器上の照明スポットへと変換する工程を含む。少なくとも1つのレンズ、または凹面鏡は、検知器の前に置かれる場合がある。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、三角測量、焦点効果、または鏡面反射に基づいて距離を求める工程を含む。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、検知器は、少なくとも1つのレンズまたは凹面鏡の光学軸に対比してある角度で置かれ得ることを含む。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、少なくとも1つのレンズまたは凹面鏡の光学軸に対比してある角度に検知器を置くことによって、一定範囲の反射距離にわたって検知器上に光を集束させることを含む。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、検知器は、位置敏感検知器(position sensitive detector)(PSD)、アレイ型検知器、またはピクセル型検知器であり得ることを含む。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、第2の信号が、検知器上の反射光の分布を表わす場合があり、および、ここで1つ以上の距離はトップフィルムおよび内容物表面までの距離または距離の分布などの、光の分布を使用して求められることを含む。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、光源がレーザービームを放射するレーザーであり得ることを含む。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、レーザービームと検知器との間の方向に垂直な方向においてレーザービームを拡張する工程を含む。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態では、前記方法は、波長可変ダイオードレーザー吸収分光法によって第1の信号を得る工程を含む。
【0020】
本開示の別の態様では、容器中の少なくとも1つのガスの濃度を求めるシステムが記載される。前記システムは、容器内部にある少なくとも1つのガスの体積に光を透過させるための光源を含み得る。前記システムは、容器内部または背後の表面によって反射された光、または、容器によって屈折または散乱された光を検知するための検知器をさらに含み得る。検知器は、反射光の強度に関する第1の信号、および、検知された反射光の位置に関する第2の信号を提供する場合がある。前記システムは、第1の信号に基づいて容器内部の少なくとも1つのガスの吸収を求めるための制御装置を含み得る。前記制御装置は、第2の信号上に基づいて光が容器を通過する距離も求め得る。前記制御装置は、前記吸収および前記距離に基づいて、容器内部の少なくとも1つのガスの濃度をさらに推定し得る。
【0021】
用語「含む(comprise/comprises/comprising)」は、本明細書で使用される際には、指定された特徴、整数、工程、または構成要素の存在を特定するように解釈されるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、構成要素、またはそれらの群の存在や追加を妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の実施形態のこれらの及び他の態様、特徴、および利点は、本開示の実施形態の以下の記載、添付の図面への参照から、明らかとなり、解明されるであろうが、ここで:
図1A】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための典型的な配置を例示する;
図1B】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための典型的な配置を例示する;
図1C】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための典型的な配置を例示する;
図2A】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための、別の典型的な配置を例示する;
図2B】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための、別の典型的な配置を例示する;
図3A】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための、さらなる典型的な配置を例示する;
図3B】少なくとも1つのガス種を通る距離を測定するための、さらなる典型的な配置を例示する;
図4A】円筒形容器における少なくとも1つのガス種を通る距離を求めるために透過装置が使用され得る例を例示する;
図4B】円筒形容器における少なくとも1つのガス種を通る距離を求めるために透過装置が使用され得る例を例示する;および、
図5】本開示による概略的な方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の具体的な例は、ここで、添付の図面を参照して記載される。しかしながら、本開示は、多くの様々な形態で具体化されてもよく、本明細書で説明される例に限定されると見なされてはならず;むしろ、これらの例は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供され、および当業者に本開示の範囲を完全に伝えるものである。
【0024】
以下の開示は、検知器と、少なくとも、光が反射されるか、屈折されるか、または散乱される、表面との間の、少なくとも1つの距離を、反射光の強度を検知するために使用するのと同じ検知器を使用して得ることによって、ガス濃度を計算するためにガスを通る距離を求めることに適用可能な本開示の実施形態に焦点を当てる。本開示は、全般的に容器における測定に関する。
【0025】
容器は、少なくとも1つの可撓性の壁面を持っているか、または、例えば、容器中の内容の配置のために予測不能な経路長を備えた容器であり得る。そのような容器の例は、限定されないが、例えば、プラスチック製バッグなどの可撓性バッグ、または、例えば、クリングフィルムあるいはプラスチックラップのようなカバー用フォイルにより閉じられたトレーなどである。トレーは、さらに蓋で閉じられている場合があり、前記蓋は、弾性であるか、または半剛性あるいは剛性のような剛性の様々な程度を有する場合がある。トレーは、通常、半強剛または剛性のプラスチックで作られており、一般に食料品のために使用される。代替的に、いくつかの実施形態において、容器は、ボトル、缶、バイアル、カートンで作られた容器であり得る。測定は非破壊的であり得る。
【0026】
開示された方法およびシステムはすべて、例えば、動かない試料についての、オフラインの測定に、および、インラインの態様に、実装可能である。インラインの態様は、例えば、生産ライン、包装ラインなどにおける移動する容器についての測定であり得る。インラインの態様は、容器が測定中に一時的に静止する実施例をさらに含み得る。
【0027】
ガスを通過する経路長などの距離と、ガスによる吸収を示す反射光の強度との両方を求めるために同じ検知器を使用することの利点は、完全なシステムにおける構成要素の数が低減され得ること、および、完全なシステムの複雑さが軽減され得ることにある。2つの別々の測定のために位置をオーバーラップさせる必要もなくなり得る。別の利点は、厳密に同じ幾何学的配置、および、厳密に同じ個別の光子が、距離、およびTDLAS測定のような吸収測定の両方のために使用され得ることである。そのことは、試料が、例えば、測定の集積時間中に動かされる場合でさえ、厳密に正確な距離が求められ得ることを意味する。表面が非常に凹凸を有し、その結果、反射が照明領域内における高さの分布から起こる場合でもなお、正確な平均距離が測定され得る。
【0028】
追加の利点は、別個の光子を検知して経路長を推定する並列システムと比較したとき、光の経路長と吸収信号を測定するために同じ光子を使用することが、各々の検知された信号が正確に重み付けされ、および、実効距離が厳密に測定されることを意味する、ということである。
【0029】
容器は、ガスの少なくとも1つの種を含む、閉じたバッグまたは閉じたトレーであり得る。実施例は、置換ガス(modified atmosphere)を有する(MAP)容器であり得る。置換ガスは、貯蔵寿命を改善するために、例えば、食物包装、医薬品など、包装において一般に使用され、酸素(O2)の量を低下させるために一般に使用されるガスは、二酸化炭素(CO2)または窒素(N2)である。このことは、好気性生物の成長を遅くし、かつ酸化反応を予防するために行われる。従って、これらの包装をモニターし、例えば、包装工程中に、漏れがないことを確かめることは重要である。二酸化炭素(CO2)および酸素(O2)とは別に、容器と製造物に応じて、他のガスも同様にモニターすることができ、例えば、水蒸気(H2O)は、ある製造物について関心事であり得る。
【0030】
しかし、記載は、この応用に制限されないが、ガス濃度の測定が必要であろう他の多くのシステムに適用され得ることが、当業者には理解されよう。
【0031】
光吸収測定を使用してガス濃度を測定することは、多くの応用において、特に非侵入的な測定が求められる場合に、一般的である。光は、少なくとも1つのガス種の未知の濃度の体積を透過され、および、検知器は、体積を通り抜けた光を検知する。体積中の少なくとも1つのガス種による光吸収は、その少なくとも1つのガス種が光を吸収する特定の波長、または一組の波長において光の強度を減少させる。吸収の量は、ガスの濃度および体積を通る光路長に依存する。この関係は、ランベルト・ベールの法則(Beer-Lambert Law)によって一般に記載される。
I(λ)/I0(λ)=exp(-σ(λ)×c×L)
【0032】
λが波長であるとき、Iは、検知された強度であり、I0は吸収のない強度であり、σは吸収係数であり、cは濃度であり、また、Lは光路長である。
【0033】
このように、吸収の測定によって少なくとも1つのガス種の濃度が計算可能であるために、経路の長さ(L)が必要とされる。
【0034】
ランベルト・ベールの法則は、主としてTDLAS測定で測られる量であるガス吸収は、経路長と濃度の積に関する、ということを述べている。従って、正確なガス濃度を計算するために経路長が求められる必要がある。
【0035】
ある体積、例えば、容器中の、少なくとも1つのガス種のガス濃度を測定する時、反射した光、または、後ろに散乱した光は、利用され得る。光は光源によって放射される。光源は、白色光源、またはダイオードレーザー(半導体レーザー)のような少なくとも1つのレーザー源であってよい。好ましい実施形態では、光源は波長可変ダイオードレーザーである。光源からの光は、少なくとも1つのガス種の未知の濃度を包含している体積に向かって放射され、および、ガスの体積を透過され得る。その後、透過された光は、前記体積内の内容物または前記体積を保持している容器の表面のいずれかにおいて反射されるか、または後方散乱される。体積はヘッドスペースであり得る。
【0036】
表面が凹凸を有する場合、正確な距離を得るために、厳密にTDLAS測定のレーザー光等の光が反射される同じスポットへの距離を測定することは重要であり得る。よって、体積中の少なくとも1つのガス種の濃度の計算精度を改善する。
【0037】
従って、TDLAS測定のように、距離測定と吸収測定の両方を実行するために同じ光源および同じ検知器を使用することは有利であり得る。同じ光源を使用することの別の利点は、完全なシステムでの構成要素の数が低減され、および、全システムの複雑さが低減され得ることである。さらに、2つの別々の測定のために場所をオーバーラップさせる必要はなくなるであろう。本明細書に記載されるように、同じ光源を使用することのさらに重要な利点は、TDLAS測定のように、厳密に同じ幾何学的配置、および、つまり厳密に同じ個別の光子が、距離測定と吸収測定の両方のために使用されるであろうことは、試料が測定の集積時間中に、例えば、動かされる場合でさえ、厳密に正確な距離が感知されるであろうことを意味する、ということである。ように、表面が非常に凹凸を有し、その結果、反射が照明領域内の高さの分布から起こる場合でもなお、本明細書に記載されたシステムと方法を使用することによって正確な平均距離が測定され得る。
【0038】
図3A図3Bは、距離測定とTDLAS測定などの吸収測定が、同じレーザー(30)と検知器(32)を使用して、どのように組み合わせられ、および同時に実行され得るかの一例を図解している。図3A図3Bは、反射が、容器(31)内部にある、はっきり定義された、平らな表面(36)において起こる場合の例を図解している。表面(36)は、容器(31)の内壁であり得るが、いくつかの実施形態では、容器内の内容物の表面、または容器内に配置された反射材料の表面であり得る。
【0039】
いくつかのさらなる実施形態では、表面は、容器(31)が配置される反射面であり得る。反射面は、鏡、または、研磨された金属表面、または任意の他の種類の反射材料であり得る。この実施形態では、反射面の位置は既知であって、および、体積を通過する距離は、光が透過された壁面、蓋、またはフォイル(37)の場所を求めることによって求められてもよい。
【0040】
あるいは、容器(31)の表面(36)と、この表面(36)の背後にある表面との間の距離は、未知であり得る。その時、この距離は、本明細書に記載された方法に関する、同様の方法を使用して求められ得る。
【0041】
図3Aおよび図3Bで例示された実施形態では、容器(31)は、内部のガスと周辺環境との間の圧力差のために、少なくとも1つの壁面がわずかに湾曲した、つまり、上面壁(37)がある、容器(31)として、ここで例示される。上面壁(37)は、いくつかの実施形態では、圧力差によってたわむことも湾曲することもない、より剛性の材料で作られ得る。システムは、容器(31)の任意の他の壁面に光を透過させるように配置される場合もある。
【0042】
光源(30)は光(34)を放射する。放射光線は、少なくとも1つの個別の波長を持っているか、または、波長の一定範囲における光を放射する。使用された波長は、容器(31)内部の少なくとも1つのガス種の吸収スペクトルに一致するように選択される。
【0043】
検知器(32)は、表面(36)から反射した光(35)の強度に関する第1の信号、および、検知された反射光の位置に関する第2の信号を提供するように構成される。
【0044】
放射された光線は、容器(31)の壁面、蓋、またはフォイル(37)を透過され、そして、容器(31)内の少なくとも1つのガス種の体積を透過される。平らな表面(36)がレーザービーム(34)によって角度αで照らされる場合、反射光(35)は、反射への距離に依存して、検知器(32)の位置において、横にシフトし得る。前記シフトは、図3A図3Bにおいて、反射光(35)が検知器(32)によって検知されるところの差として、例示される。図3Aでは、光は、一例として、検知器(32)上で、図3Bにおけるよりも、さらに右に検知されているように例示される。このシフトは、図3A図3Bの間における距離Dの差による。距離Dは、放射光線(34)が透過される、表面(36)と、壁面、蓋、またはフォイル(37)との間の距離として求められ得る。
【0045】
一例では、レーザービーム(34)が、反射面(36)の表面に対する垂線から角度αで透過される場合、検知器(32)上のスポットは、レーザービーム(34)から、距離d=2*tan(α)*Dであってもよく、距離Dが、D=d/(2*tan(α))として計算され得ることを意味する。その時、未知の濃度のガスを通る経路の合計は2*D/cos(α)として与えられる。
【0046】
光源(30)と検知器(32)は、2つの別々の装置として配置される場合がある。代替的に、光源(30)と検知器(32)は、共通のハウジングにおいて開口部、または光源(30)によって放射された少なくとも1つの波長にとって透明もしくは半透明であり得る窓を有する共通のハウジング(例示されない)において配置される場合がある。開口部または窓と光源(30)、および検知器(32)との間の距離は、既知であり得る。光源(30)と検知器(32)は、光が透過する壁面、蓋、またはフォイル(37)から距離をとって、または近隣に配置され得る。いくつかの実施形態では、光源(30)と検知器(32)は、壁面、蓋、またはフォイル(37)に当接するように配置される。
【0047】
別の実施形態において、光が透過する共通ハウジングの窓は、壁面、蓋、またはフォイル(37)に当接するように配置される。
【0048】
壁面、蓋、またはフォイル(37)に当接するように光源(30)、検知器(32)、または共通ハウジングを配置する場合、距離Dを求めるときに、壁面、蓋、またはフォイル(37)に当接する部分は、基準点として定義される場合がある。従って、距離Dは、内部表面(36)と基準点の間の距離として求められ得るが、それはこの距離が内部表面と、当接された壁面、蓋、またはフォイル(37)との間の距離と同じであり得るためである。
【0049】
共通ハウジングが使用される場合、距離Dは、表面(36)と検知器(32)との間の定義された距離から、検知器(32)と壁面、蓋、またはフォイル(37)に接する開口部もしくは窓との間の既知の距離を引くことによって計算され得る。
【0050】
別の代替では、光源(30)と検知器(32)は、梁またはフレームなどの機械的な固定具に接続され、壁面、蓋、またはフォイル(37)に当接するように配置可能である。距離Dを求めるとき、機械的な固定具の使用は、基準点を提供する場合もある。光源(30)と検知器(32)は、機械的な固定具に直接取り付けられる場合がある、従って、表面(36)と壁面、蓋、またはフォイル(37)との間の距離Dは、表面(36)と検知器(32)との間の距離とほぼ同じになる。
【0051】
壁面、蓋、またはフォイル(37)が可撓性の場合、それは、例えば、容器(31)の内部体積と容器(31)の外側の圧力との間の圧力差のために、膨れるか、凹面になるか、しわが寄る場合がある。それらの場合、壁面、蓋、フォイル(37)を水平または平にして、内部表面(36)と壁面、蓋、またはフォイル(37)との間の距離Dをよりよく求めるために、光が透過される壁面、蓋、またはフォイル(37)に当接する配置を使用することには利点があり得る。
【0052】
別の実施形態では、2つの距離が求められ、1つは、壁面、蓋、またはフォイル(37)における反射を検知することによって検知器(32)と壁面、蓋、またはフォイル(37)との距離が求められ、もう1つは、内表面(36)と検知器(32)との間の距離が求められる。さらに、見た目には透明のフォイルから、断片的な反射が常にあり;通常、光は数パーセントのオーダーで反射される。これらの2つの距離を計算することによって、表面(36)と、放射光線(34)が透過される壁面、蓋、またはフォイル(37)との間の距離Dは求められ得る。
【0053】
検知器における第2の信号を使用して2つ以上の反射距離が求められる場合がある。部分反射がいくつかの様々な距離で起こる場合、検知器表面にわたる強度分布において、いくつかの局所的な最大値があり得る。検知器表面上のこれらの局所的な最大値の位置は、例えば、壁面、蓋、またはフォイル(37)への距離、および、容器中の内部表面上の反射などの、いくつかの反射距離を得るために使用され得る。
【0054】
あるいは、検知器から壁面、蓋、またはフォイル(37)までの距離は、他の手段またはデバイスによって求められる場合がある。いくつかの実施形態では、壁面、蓋、またはフォイル(37)の位置は、例えば、剛性容器にあることで、常に同じ位置を有するため、既知であり得る。いくつかの実施形態では、壁面、蓋、またはフォイル(37)の位置は、例えば、超音波、レーダー、レーザー三角測量、ビジョンシステムなどに基づいた距離センサーを使用することなどの、別の測定によって知られ得る。他の実施形態では、壁面、蓋、またはフォイル(37)は、例えば、吸盤のような、他の手段によって位置に固定される場合がある。
【0055】
別の実施形態は、レーザービームのような発散光線が平面を照らしているというものである。その時、反射された光線の幅は、検知器の位置において、反射点への距離に依存するだろう。
【0056】
図1Aから図1Cは、さらなる実施形態を例示しており、ここで、いくつかの実施形態においてレンズシステムの部分であってもよいレンズ(13)は、検知器(12)の前に置かれ、および、表面(16)と放射光線(14)が透過される少なくとも1つのガス種の体積を保持する容器(11)の壁面、蓋、フォイル(17)との間の距離を得るために、いわゆる三角測量が使用されてもよい。三角測量の背景にあるこの原理は、多くの産業用距離センサーで使用されているが、位置と反射光の強度に関するここでの情報は、単一のセンサーから得られ、図3Aと3Bに関して記載されたものと類似している。図1Aから図1Cまでにおけるシステムは、図3Aおよび図3Bのための記載されたのと同様の方法で容器に対して配置され得る。
【0057】
あるいは、レンズの代わりに、凹面鏡が使用されてもよい。
【0058】
レンズ(13)および検知器(12)は、レーザービームなどのビーム(14)の光学軸からある距離で離れて置かれ得る。表面(16)上の反射点からの反射光(15)の、検知器(12)上での、レンズ(13)による、焦点の位置は、反射点への距離に依存する場合があり、図1Aから図1Cにおいて、内部表面(16)と容器(11)の壁面、蓋、またはフォイル(17)との間の距離を減少させながら、検知器上で右に向かうシフトによって例示されている。この場合、その反射が拡散面で起こる場合もある。図1Aから図1Cにおいて、検知器(12)とレンズ(13)は、三角測量効果を得るだけでなく、すべての反射距離において検知器(12)のためのよい焦点が得られるように配置される(検出範囲内で)。
【0059】
ある実施形態では、距離測定の精度を改善するために、すなわち、改善された分解能を有するために、検知器(12)に向かう方向に狭い広がりを有する、レーザービームなどの放射光線ビーム(14)を持つことは有利であり得る。いくつかの実施形態において、光線が反射される表面(16)の大きな照明スポットは、望ましい場合がある。このことは、入射光ビーム(14)にライトシートを形成させることによって提供され得る。ライトシートは、ビームの広がりが、検知器(12)に向かう方向において狭くなり、同時に、垂線方向において拡張されることによって提供され得る。
【0060】
ライトシートは、光源(10)の前に配置されたシリンドリカルレンズ、または所望の光の広がりのプロファイルを与えるように設計された特別なディフューザーなどの、他の光学的構成要素によって達成されてもよい。別のオプションは、狭い光ビーム(14)によって、例えば、走査レンズまたは対物レンズを含むレンズシステムと組み合わされた移動する鏡によって、表面(16)をライトシートの広がりの方向に走査することである。
【0061】
レーザービームなどのビーム(14)、レンズ(13)、および検知器(12)の配置を与えられたとき、検知器(12)の表面上の平均光スポット位置からの表面(16)上の反射点への距離を分析的に計算することは可能である。しかしながら、実際上、検知器上の平均光スポット位置(または位置に関するあらゆる出力信号)が多くの既知の反射距離に関して明記され、および、これらのデータを関連づけるために数値適合が使用される、キャリブレーション測定系列を作成することは、もっとも効率的である。このように、構成要素の配置などの欠陥は補われる。
【0062】
図2Aと2Bは、集光レンズ(23)がレーザービームなどの照明光(24)と同じ光学軸上に置かれる実施形態を例示している。集光レンズ(23)はレンズシステムの部分であり得る。光は光源(20)から放射され、半透明の鏡(28)によって反射され、および、容器(21)の壁面、蓋、またはフォイル(27)を、さらに未知の濃度の少なくとも1つのガスの体積を、透過される。光は容器(26)の内部の表面において反射され、および後方に反射される。反射光(25)は半透明鏡(28)を透過され、集光レンズ(23)によって検知器(22)上で集束される。集光レンズ(23)は、ある反射距離において反射光(25)の完全な焦点をもたらし得る。反射が別の距離で起こる時、その反射が起こるこの距離から遠ざかるほど、焦点はますます「ぼやけて」/外に広がるであろう。
【0063】
このことは、図2A図2Bにおいて、検知器(22)によって集められる光の広がりとして例示され、検知器(22)において、図1Aが小さな集束されたスポットを持つ一方、図2Bはより広い、より集束していないスポットを持っている。検知器上の光スポットのサイズ、または全体の形を測定することによって、反射距離に関する情報を得ることは、従って、可能である。この実施形態は、集光レンズが特定の反射距離からの集光を支援するために動かされる、共焦点分光法に関する。
【0064】
検知器(22)上の光スポットのサイズを表面(26)上の反射点への距離に関連づけるために、キャリブレーション測定系列を実行することは、もっとも効率的であり得る。例えば、強さの半値全幅(FWHM)など、光スポットのサイズに関連する選択された出力信号は、その時、多くの既知の反射距離について明記される。その後、数値適合はこれらのデータを関連づけるために使用される。キャリブレーション測定では、意図した応用として、類似する光学特性(拡散率、色、反射率に関して)を備えた表面を使用することは時に好ましい。集光レンズ(23)は、角度をつけた凹面鏡と置き換えられる場合がある。その時、半透明の鏡(28)は取り除かれてもよく、および、光ビーム(24)は鏡の孔を透過されてもよい。
【0065】
図2Aおよび図2Bにおけるシステムが直接鏡面反射光の代わりに焦点効果に依存することを除いて、図2Aおよび図2Bに関して記載されたシステムは、図3Aおよび図3Bに関して記載されたシステムに類似している。図2Aおよび図2Bのシステムは、容器との関係において、図3Aおよび図3Bについて記載されたのと同様に配置される場合がある。
【0066】
光が検知器に向かって後方に反射されないが、代わりに、検知器上へと容器を透過される状況においても、経路長は、開示された方法またはシステムによって求められ得る。いくつかの実施形態では、例えば、ボトル缶、またはバイアルなどの円筒形容器における測定の場合、光ビームは、容器の壁面の光屈折によって横に変位され得る。
【0067】
この実施形態では、変位の量は、円筒形容器においては、容器の中央に比較して、光ビームがどの場所を透過するかに、厳密に依存する。光ビームの変位が検知器からの第2の信号を使用して測定され、それにより、容器の位置に対する光ビームの位置に関する情報が得られる場合がある。透過においても、容器を通る光路はこの関係に依存し、従って、光路長は検知器の第2の信号を使用して測定され得る。検知器からの第2の信号が透過の幾可学形態中のガスを通る光路長についての情報を与えるような他の実施形態もまた、適切であり得る。これらの他の実施形態は、光散乱を含む場合があり、または、他の実施形態は、光屈折を含む場合がある。
【0068】
図4Aおよび図4Bは、検知器(42)からの第2の信号が、透射光ビーム(44)の変位を測定することによって、例えばボトル・ネックまたはバイアルなどの円筒形容器(41)中のガスを通る距離を求めるために使用される、実施形態を例示する。光源(40)はコリメート光ビーム(44)を放射する場合がある。図4Aのように、光ビーム(44)が、容器(41)の中央を通り抜ける場合、光ビーム(44)は曲げられない場合がある。図4Bは、光ビーム(44)が容器(41)の端を通過する例を示す。その時、光ビーム(44)は容器(41)の壁面における屈折によって変位される場合があり、従って、別の位置において検知器(42)に到達し得る。
【0069】
容器上の別の位置に対して、検知器上の位置を分析的に計算することは可能である。しかしながら、多くのケースでは、例えば、ガスを通過する経路長が検知器上の多くの光の位置に関して明記されるところで、測定のキャリブレーション系列を作成することは、もっとも効率的である。その時、数値適合は、これらのデータを関連づけるために使用され得る。
【0070】
容器を透過された光ビームの屈折が位置敏感検知器を使用して特徴づけられる他の実施形態もある。例は、円筒形状以外の形状をもつ容器を含み得る。
【0071】
TDLAS測定では、例えば、PINフォトダイオードなどの、フォトダイオードを検知器として使用することは一般的である。典型的な材料は、SiおよびInGaAsである。検知器は、一般に、検知器の表面を照らす光パワーに比例する出力電流を与える。これらの検知器は、TDLAS測定のために適切であるが、それらは、光が検知される検知器上の位置に関する情報は、何ももたらさない。
【0072】
普通のTDLASフォトダイオードに非常に似ている検知器の種類は、いわゆる、位置敏感検知器(PSD)である。これらの検知器は、電流のための1つ以上の出力(アノード)を有し、1D PSDは、通常、2つの電流出力を有し、および、2D PSDは、通常、4つの電流出力を有する。これらのアノードからの総電流は、ちょうど普通のフォトダイオードについてと同様に、光パワーの合計に比例し、一方、異なるアノード間の電流の分布は、検知器における光の位置に関する情報をもたらす。従って、TDLAS測定のためにPSDを使用することは、TDLAS測定を実行することを可能にし(総電流を使用して)、一方で、同時に、位置情報データをもたらす。
【0073】
この種の組み合わせによる測定において使用可能な別の検知器の種類は、CCD検知器またはCMOS検知器などの、ピクセルに基づく検知器である。PSDと比較したときのこれらの利点は、検知器の表面一帯に全面的な分布を提供することができるということである。PSDは、表面における光の平均位置を示すのみである。
【0074】
別のオプションは、集積回路チップ上の個別の検知器の少なくとも1つのカラムから構成され得るアレイ検知器などの、アレイ検知器を使用することである。例として、線形フォトダイオードアレイ検知器(Photodiode Array Detectors )(PDA)が挙げられる。線形PDAは、1Dアレイとして、または2Dアレイとして、の両方で供給され得る。
【0075】
ここに記載された測定または推定はすべて、検知器に接続された制御装置またはデータ処理デバイス(例示せず)によって実行される場合がある。
【0076】
1つ以上の汎用コンピューティング・デバイスまたは特殊目的計算デバイス上で実行される特殊目的ソフトウェア(またはファームウェア)が、制御装置またはデータ処理デバイスに実装され得る。この文脈では、そのようなコンピューティング・デバイスの各々の「要素」または「手段」は、方法の工程の概念的な同等物に当てはまることは理解されよう;要素/手段と特定のハードウェアまたはソフトウェア・ルーチンとの間の一対一対応は、必ずしもあるとは限らない。1つのハードウェアは、時として様々な種類の手段/要素を含む。例えば、1つのインストラクションを実行する場合、処理装置は1つの要素/手段として役立つが、しかし、別のインストラクションを実行する場合、別の要素/手段として役立つ。加えて、場合によっては、1つの要素/手段は、1つのインストラクションを実装され得るが、他の場合では、複数のインストラクションを実装され得る。そのようなソフトウェアにコントロールされるコンピューティング・デバイスは1つ以上の処理装置を含む場合があり、例えば、CPU(「中央処理装置」)、DSP(「デジタル・シグナル・プロセッサー」)、ASIC(「特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit)」)、個別のアナログ・コンポーネントおよび/またはデジタル・コンポーネント、またはFPGA(「フィールド・プログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array)」)などの、他の何らかのプログラム可能な論理デバイス、を含む場合がある。データ処理装置(10)は、システムメモリ、および、システムメモリから処理装置までを含む様々なシステム・コンポーネントを結合するシステムバスをさらに含む場合がある。システムバスは、様々なバス構造のうちのどれでも使用して、メモリバスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、およびローカルバスを含むいくつかの種類のバス構造のいずれであってもよい。システムメモリは、揮発性メモリの、および/または、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリの形態である、コンピュータ記憶メディアを含み得る。特殊目的ソフトウェアは、システムメモリ上に、または他の、リムーバブルの/非リムーバブルの、揮発性の/不揮発性の、コンピュータ記憶メディアであって、コンピューティング・デバイスに含まれるか、またはコンピューティング・デバイスからアクセス可能な、例えば、磁気メディア、光学メディア、フラッシュメモリカード、デジタル・テープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどの、コンピュータ記憶メディア上に記憶され得る。データ処理デバイス(10)は、シリアルインタフェース、パラレルインターフェース、USBインタフェース、無線インタフェース、ネットワーク・アダプタなどの、1つ以上のコミュニケーション・インタフェースを、含む場合があり、また同様に、A/Dコンバーターなどの1つ以上のデータ取得デバイスも、含み得る。特殊目的ソフトウェアは、記録メディアとリードオンリーメモリを含む任意の適切なコンピュータ可読媒体において、制御装置またはデータ処理デバイスに提供され得る。
【0077】
図5は、本明細書に記載されたシステムに関する、容器における少なくとも1つのガスの濃度を求める方法(100)の一例についての概略的なワークフローを例示している。前記方法は、光源から光(101)を、容器内部にある少なくとも1つのガスの体積に透過させる工程と、容器内部または背後の表面によって反射された光(102)、または、容器によって屈折または散乱された光を、検知器を用いて検知する工程であって、ここで、検知する前記検知器は、反射光の強度に関する第1の信号と検知された反射光の位置に関する第2の信号を提供する、工程とを含み得る。
【0078】
前記方法は、第1の信号に基づいて、容器内部の少なくとも1つのガスの吸収(103)を求める工程と、第2の信号に基づいて、光が反射されるか、屈折されるか、または散乱される表面と検知器と間の距離(104)を求める工程と、を含み得る。
【0079】
前記方法は、前記吸収と前記距離に基づいて、容器内部の少なくとも1つのガスの濃度(105)を推定する工程をさらに含み得る。
【0080】
本発明は、具体的な実施形態関して上で説明されてきた。しかし、上述のもの以外の他の実施形態は、本開示の範囲内で等しく可能なものである。上述のものと異なる方法の工程、前記方法をハードウェアまたはソフトウェアによって実行することは、本発明の範囲内で提供される場合がある。本発明の異なる特徴および工程は、記載されるもの以外の組み合わせで、組み合わせられる場合がある。本開示の範囲は、添付の特許請求項によってのみ限定される。
【0081】
本明細書および請求項において使用されるような不定冠詞「ひとつの(“a”と“an”)」は、明白に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると了解されるべきである。本明細書および請求項において使用されるような句「および/または」は、要素の「どちらか、または両方」を意味し、つまり、ある場合は連結して存在し、他の場合は分離して存在するように連結される要素を意味すると了解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】