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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】ピリミジン誘導体含有組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/675 20060101AFI20220805BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220805BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220805BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20220805BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20220805BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220805BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/655 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/52 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/63 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/536 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/7072 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 31/13 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220805BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220805BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20220805BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A61K31/675
A61P17/00 101
A61P43/00 121
A61P31/22
A61P31/10
A61P35/00
A61P17/00
A61P31/20
A61K31/519
A61K31/655
A61K31/513
A61K31/505
A61K45/00
A61K31/52
A61K31/522
A61K31/63
A61K31/7068
A61K31/496
A61K31/536
A61K31/7072
A61K31/13
A61K9/127
A61K47/06
A61K47/44
A61K47/28
A61K47/14
A61K47/24
A61K47/10
A61K47/34
A61K47/32
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/46
A61K47/22
A61K47/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546301
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(85)【翻訳文提出日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 US2020019402
(87)【国際公開番号】W WO2020168358
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/928,396
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/797,186
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520476606
【氏名又は名称】ケミストリーアールエックス.
【氏名又は名称原語表記】CHEMISTRYRX.
【住所又は居所原語表記】829 Spruce Street,Suite 100,Philadelphia,PA 19107(US)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリヒタ,ラース
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA17
4C076AA19
4C076BB31
4C076CC18
4C076CC35
4C076DD27
4C076DD27A
4C076DD34
4C076DD34A
4C076DD37
4C076DD37A
4C076DD38
4C076DD38A
4C076DD39
4C076DD39A
4C076DD45
4C076DD45A
4C076DD46
4C076DD46A
4C076DD49
4C076DD49A
4C076DD51
4C076DD51A
4C076DD59
4C076DD59A
4C076DD63
4C076DD63A
4C076DD69
4C076DD69A
4C076DD70
4C076DD70A
4C076EE13
4C076EE13A
4C076EE27
4C076EE27A
4C076EE30
4C076EE30A
4C076EE51
4C076EE51A
4C076EE53
4C076EE53A
4C076EE55
4C076EE55A
4C076EE58
4C076EE58A
4C076FF01
4C076FF11
4C084AA19
4C084MA24
4C084MA28
4C084MA63
4C084NA05
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA901
4C084ZA902
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086BC43
4C086BC50
4C086BC74
4C086CB05
4C086CB07
4C086DA20
4C086DA30
4C086DA38
4C086EA17
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA24
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA05
4C086NA10
4C086ZA89
4C086ZA90
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA29
4C206KA09
4C206KA14
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA44
4C206MA48
4C206MA83
4C206NA05
4C206ZA89
4C206ZA90
4C206ZB26
4C206ZB33
4C206ZB35
4C206ZC75
(57)【要約】
シドフォビル等の局所投与されるピリミジン誘導体を使用して皮膚病変および皮膚感染症を治療するための組成物および方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚病変およびその皮膚感染症を治療するための方法であって、治療を必要とする対象に、最大約10%(w/w)のピリミジン誘導体と、基剤と、を含む、組成物を、局所投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記ピリミジン誘導体が、シドフォビル、HEPT(6-(フェニルセレネニル)ピリミジンヌクレオシド類似体)、チミラル、サキシトキシン、3’-アジドチミジン(AZT)、2’,3’-ジデオキシシチジン(DDC)、2’,3’-ジデヒドロ-3’-デオキシチミジン(d4T)、バシメトリン(5-ヒドロキシメチル-2-メトキシピリミジン-4-アミン)、グルギチン、フラン-2-イル(-2-オキソピリミジン-4-イル)-4-メトキシベンズアミド、6-アリールチオおよび6-アリールセレノアシクロヌクレオシド、フルシトシン、ヘキシチジン、オロチン酸(1,2,3,6-テトラヒドロ-2,6-ジオキソピリミジン-4-カルボン酸)、タジフィリン、テメラスチン、メピラミン、ペミロラスト、ウラムスチン(5-ビス(2-クロロエチルアミノ)ウラシル)、ピリトレキシムルセチオネート(2,4-ジアミノ-6-(2,5-ジメトキシベンジル)-5-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-モノ(2-ヒドロキシエタンスルホネート))、テガフル(5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2-フリル)ウラシル)、フロクスウリジン(5-フルオロ-2’-デオキシウリジン)、フルオロウラシル(5-フルオロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)、シタラビン(4-ドミノ(dmino)-1-β-d-アラビノフラノシルピリミジン-2(1H)-オン)、メトトレキサート(N-{4-[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニルメチル)メチルアミノ]ベンゾイル}4-グルタミン酸)、トリメトプリム(5-(3,4,5-トリメトキシベンジル)ピリミジン-2,4-ジアミン)、ピロミド酸(8-エチル-5,8-ジヒドロ-5-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸)、テトロキソプリム(5-[3,5-ジメトキシ-4-(2-メトキシエトキシ)ベンジル]ピリミジン-2,4-ジイル-ジアミン)、メチオプリム(5-(3,5-ジメトキシ-4-メチルチオベンジル-2,4,ジイルジアミン)、フルシトシン(5-フルオロシトシン)、ブロクスウリジン(5-ブロモ-2’-デオキシウリジン)、イドクスウリジン(2’-デオキシ-5-ヨードウリジン)、ピランテルエンボネート(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-メチル-2[(E)-2-(2-チエニル)ビニル]ピリミジン4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエート)、ジピリダモール(2,2’,2’’,2’’’-[(4,8-ジピペリジノピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,6-ジイル)ジニトリロ]テトラエタノール)、トラピジル(7-ジエチルアミノ-5-メチル-1,2,4-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン)、ブロジンプリム(2,4-ジアミノ-5-(4-ブロモ-3,5-ジメトキシベンジルピリミジン)、モランテルシトレート(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-メチル-2-[2-(3-メチル-2-チエニル)ビニル]ピリミジンシトレート)、イサキソニンホスフェート(2-(イソプロピルアミノ)ピリミジンホスフェート)、チソプリン(1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオール)、タスルジン(2[(3ピリジルメチル)チオ]ピリミジン)、ピペミド酸(8-エチル-5,8-ジヒドロ-5-オキソ-2-(ピペラジン-1-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸)、ピリベジル(2-(4-ピペロニルピペラジン-1-イル)ピリミジン)等、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ピリミジン誘導体が、シドフォビルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基剤が、白色ワセリン、白色ワセリンUSP、ミネラルゼリー、石油ゼリー、黄色ワセリン、黄色軟質パラフィン、白色軟質パラフィン、脂肪、ワックス、ステロール、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、PCCA可塑化基剤、リポソーム基剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基剤が、リポソーム基剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基剤が、PCCA Lipoderm(登録商標)、Lipoderm ActiveMax(商標)、Anhydrous Lipoderm、およびLipoderm High Molecular Weight(商標)PCCAからなる群から選択されるリポソーム基剤である、請求項1に記載の方法。そのようなリポソーム基剤製剤は、例えば、グリセリン、C12~15アルキルベンゾエート、ステアリン酸グリセリル、ジメチコン、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、ポリアクリルアミド、セチルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、キサンタンガム、アロエベラ(aloe barbadensis)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、prunus amygadalus amara(ビターアーモンド)核油、vitis vinifera(グレープ)種子エキス、triticum vulgare(小麦)胚芽油、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミタート)、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミタート)、プロリポマルチエマルションリポソーム系、EDTA四ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせと組み合わされた、約60~80%(wt/wt)の水を含むことができる。
【請求項7】
前記基剤が、総組成物の約45%(w/w)~約99.75%(w/w)を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、抗ウイルス剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、アバカビル硫酸塩、アシクロビル、アマンタジン塩酸塩、アンプレナビル、シタラビン、デラビルジンメシレート、ジダノシン、エドキシウジン、エファビレンツ、ファムシクロビル、フロクスウリジン、フォミビルセン、ホスカルネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、インジナビル、ラミブジン、ラミブジン/ジドブジン、ネルフィナビルメシレート、ネビラピン、オセルタミビルホスフェート、ペンシクロビル、リバビリン、リマンタジン塩酸塩、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシレート、スタブジン、ソリブジン、トリフルリジン、バラシクロビル、ビタラビン、ケトキサル、メチサゾン、モロキシジン、ポドフィロトキシン、リバビリン、リマンタジン、スタリオマイシン、スタトロン、トロマンタジン、ゼナゾイック酸、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される抗ウイルス剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記皮膚病変または皮膚感染症が、真菌症、ヒトパピローマウイルス(HPV)、エプスタイン-バールウイルス、ヘルペスウイルス、扁平上皮癌、カポジ肉腫、移植後リンパ増殖性疾患、疣、黒皮症、ポックスウイルス、軟腫症、天然痘、ポリオーマウイルス、三胞体形成、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ヘルペスウイルス関連病変を治療するための方法であって、治療を必要とする対象に、組成物の総重量に基づいて約1%(w/w)~約20%(w/w)のピリミジン誘導体と、リポソーム基剤と、を含む、前記組成物を、局所投与することを含む、方法。
【請求項12】
ヘルペスウイルスが、ヒトヘルペスウイルス-1(HHV-1、HSV-1)、ヒトヘルペスウイルス-2(HHV-2、HSV-2)、ヒトヘルペスウイルス-3(HHV-3)、水痘-帯状疱疹ウイルス、水疱瘡、帯状疱疹(herpes zoster)、帯状疱疹(shingles)、ポックスウイルス誘発病変、伝染性軟腫症、羊痘、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ピリミジン誘導体が、シドフォビルである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記リポソーム基剤が、PCCA Lipoderm(登録商標)、Lipoderm Activemax(商標)、Anhydrous Lipoderm、およびLipoderm High Molecular Weight(商標)PCCAからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。そのようなリポソーム基剤製剤は、例えば、グリセリン、C12~15アルキルベンゾエート、ステアリン酸グリセリル、ジメチコン、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、ポリアクリルアミド、セチルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、キサンタンガム、アロエベラ(aloe barbadensis)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、prunus amygadalus amara(ビターアーモンド)核油、vitis vinifera(グレープ)種子エキス、triticum vulgare(小麦)胚芽油、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミタート)、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミタート)、プロリポマルチエマルションリポソーム系、EDTA四ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム等、およびこれらの組み合わせと組み合わされた、約60~80%(wt/wt)の水を含むことができる。
【請求項15】
前記リポソーム基剤が、総組成物の約45%(w/w)~約99.75%(w/w)を構成する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、抗ウイルス剤をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
組成物の総重量に基づいて、約1%(w/w)~約20%(w/w)のシドフォビルと、リポソーム基剤と、を含む、組成物。
【請求項18】
前記リポソーム基剤が、PCCA Lipoderm(登録商標)、Lipoderm Activemax(商標)、Anhydrous Lipoderm、およびLipoderm High Molecular Weight(商標)PCCAからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。そのようなリポソーム基剤製剤は、例えば、グリセリン、C12~15アルキルベンゾエート、ステアリン酸グリセリル、ジメチコン、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、ポリアクリルアミド、セチルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、キサンタンガム、アロエベラ(aloe barbadensis)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、prunus amygadalus amara(ビターアーモンド)核油、vitis vinifera(グレープ)種子エキス、triticum vulgare(小麦)胚芽油、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミタート)、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミタート)、プロリポマルチエマルションリポソーム系、EDTA四ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム等、およびこれらの組み合わせと組み合わされた、約60~80%(wt/wt)の水を含むことができる。
【請求項19】
前記リポソーム基剤が、総組成物の約45%(w/w)~約99.75%(w/w)を構成する、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
抗ウイルス剤をさらに含む、請求項17に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
A.発明の名称:ピリミジン誘導体含有組成物
B.関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月31日に出願された「Pyrimidine Derivative Containing Compositions」と題された米国仮特許出願第62/928,396号からの優先権を主張し、2019年2月11日に出願された「Pyrimidine Derivative Containing Compositions」と題された米国仮特許出願第62/803,657号からの優先権を主張する。
C.政府の利益:該当せず
D.共同研究契約の当事者:該当せず
E.コンパクトディスクへの材料の組み込み:該当せず
【背景技術】
【0002】
F.背景技術
長期免疫抑制療法を受ける臓器移植レシピエントは、皮膚疾患、特に皮膚感染症および悪性腫瘍を頻繁に発症する。かかる皮膚病変および皮膚感染症を治療する組成物は、移植レシピエントおよび長期免疫抑制剤を必要とする他の患者の生活を改善するために必要である。これらの患者のケアには、これらの疾患の治療に有用な局所組成物が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
G.発明の概要
様々な実施形態は、皮膚疾患、状態、または障害もしくはそれらの症状を治療するための方法であって、治療を必要とする対象に、最大約10%(w/w)のピリミジン誘導体と、基剤とを含む組成物を局所投与するステップを含む、方法を対象とする。いくつかの実施形態では、ピリミジン誘導体は、シドフォビル、HEPT(6-(フェニルセレネニル)ピリミジンヌクレオシド類似体)、チミラル、サキシトキシン、3’-アジドチミジン(AZT)、2’,3’-ジデオキシシチジン(DDC)、2’、3’-ジデヒドロ-3’-デオキシチミジン(d4T)、バシメトリン(5-ヒドロキシメチル-2-メトキシピリミジン-4-アミン)、グルギチン、フラン-2-イル(-2-オキソピリミジン-4-イル)-4-メトキシベンズアミド、6-アリールチオおよび6-アリールセレノアシクロヌクレオシド、フルシトシン、ヘキシチジン、オロチン酸(1,2,3,6-テトラヒドロ-2,6-ジオキソピリミジン-4-カルボン酸)、タジフィリン、テメラスチン、メピラミン、ペミロラスト、ウラムスチン(5-ビス(2-クロロエチルアミノ)ウラシル)、ピリトレキシムルセチオネート(2,4-ジアミノ-6-(2,5-ジメトキシベンジル)-5-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-モノ(2-ヒドロキシエタンスルホネート))、テガフル(5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2-フリル)ウラシル)、フロクスウリジン(5-フルオロ-2’-デオキシウリジン)、フルオロウラシル(5-フルオロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)、シタラビン(4-ドミノ(dmino)-1-β-d-アラビノフラノシルピリミジン-2(1H)-オン)、メトトレキサート(N-{4-[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニルメチル)メチルアミノ]ベンゾイル}4-グルタミン酸)、トリメトプリム(5-(3,4,5-トリメトキシベンジル)ピリミジン-2,4-ジアミン)、ピロミド酸(8-エチル-5,8-ジヒドロ-5-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸)、テトロキソプリム(5-[3,5-ジメトキシ-4-(2-メトキシエトキシ)ベンジル]ピリミジン-2,4-ジイル-ジアミン)、メチオプリム(5-(3,5-ジメトキシ-4-メチルチオベンジル-2,4,ジイルジアミン)、フルシトシン(5-フルオロシトシン)、ブロクスウリジン(5-ブロモ-2’-デオキシウリジン)、イドクスウリジン(2’-デオキシ-5-ヨードウリジン)、ピランテルエンボネート(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-メチル-2[(E)-2-(2-チエニル)ビニル]ピリミジン4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエート)、ジピリダモール((2,2’,2’’,2’’’-[(4,8-ジピペリジノピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,6-ジイル)ジニトリロ]テトラエタノール)、トラピジル(7-ジエチルアミノ-5-メチル-1,2,4-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン)、ブロジンプリム(2,4-ジアミノ-5-(4-ブロモ-3,5-ジメトキシベンジルピリミジン)、モランテルシトレート(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-メチル-2-[2-(3-メチル-2-チエニル)ビニル]ピリミジンシトレート)、イサキソニンホスフェート(2-(イソプロピルアミノ)ピリミジンホスフェート)、チソプリン(1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオール)、タスルジン(2[(3ピリジルメチル)チオ]ピリミジン)、ピペミド酸(8-エチル-5,8-ジヒドロ-5-オキソ-2-(ピペラジン-1-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸)、ピリベジル(2-(4-ピペロニルピペラジン-1-イル)ピリミジン)等、ならびにこれらの組み合わせであり得る。ある特定の実施形態では、ピリミジン誘導体は、シドフォビルであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、皮膚病変または皮膚感染症は、真菌症、ヒトパピローマウイルス(HPV)、エプスタイン-バールウイルス、ヘルペスウイルス、扁平上皮癌、カポジ肉腫、移植後リンパ増殖性障害、疣、黒皮症、ポックスウイルス、軟腫症、天然痘、ポリオーマウイルス、三胞体形成、およびこれらの組み合わせであり得る。
【0005】
さらなる実施形態は、ヘルペスウイルス関連病変を治療するための方法であって、治療を必要とする対象に、組成物の総重量に基づいて、約1%(w/w)~約20%(w/w)のピリミジン誘導体と、リポソーム基剤とを含有する組成物を局所投与することを含む、方法を対象とする。そのような実施形態では、ヘルペスウイルスは、ヒトヘルペスウイルス-1(HHV-1またはHSV-1)、ヒトヘルペスウイルス-2(HHV-2またはHSV-2)、ヒトヘルペスウイルス-3(HHV-3)、水痘-帯状疱疹ウイルス、水疱瘡、帯状疱疹(herpes zoster)、帯状疱疹(shingles)、ポックスウイルス誘発病変、伝染性軟腫症、羊痘、およびこれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、ピリミジン誘導体は、シドフォビルであり得、いくつかの実施形態では、リポソーム基剤は、PCCA Lipoderm(登録商標)、Lipoderm ActiveMax(商標)、Anhydrous Lipoderm、およびLipoderm High Molecular Weight(商標)PCCAであり得る。そのようなリポソーム基剤製剤は、例えば、グリセリン、C12~15アルキルベンゾエート、ステアリン酸グリセリル、ジメチコン、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、ポリアクリルアミド、セチルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、キサンタンガム、アロエベラ(aloe barbadensis)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、prunus amygadalus amara(ビターアーモンド)核油、vitis vinifera(グレープ)種子エキス、triticum vulgare(小麦)胚芽油、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミタート)、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミタート)、プロリポマルチエマルションリポソーム系、EDTA四ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせと組み合わされた、約60~80%(wt/wt)の水を含むことができる。リポソーム基剤は、総組成物の約45%(w/w)~約99.75%(w/w)であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は抗ウイルス剤をさらに含み得る。
【0006】
他の実施形態は、組成物の総重量に基づいて約1%(w/w)~約20%(w/w)のシドフォビル、およびリポソーム基剤を含有する組成物を対象とする。いくつかの実施形態では、リポソーム基剤は、PCCA Lipoderm(登録商標)、Lipoderm ActiveMax(商標)、Anhydrous Lipoderm、およびLipoderm High Molecular Weight(商標)PCCAであり得る。そのようなリポソーム基剤製剤は、例えば、グリセリン、C12~15アルキルベンゾエート、ステアリン酸グリセリル、ジメチコン、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、ポリアクリルアミド、セチルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、キサンタンガム、アロエベラ(aloe barbadensis)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、prunus amygadalus amara(ビターアーモンド)核油、vitis vinifera(グレープ)種子エキス、triticum vulgare(小麦)胚芽油、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミタート)、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミタート)、プロリポマルチエマルションリポソーム系、EDTA四ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせと組み合わされた、約60~80%(wt/wt)の水を含むことができる。リポソーム基剤は、総組成物の約45%(w/w)~約99.75%(w/w)であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は抗ウイルス剤をさらに含み得る。
H.図面の簡単な説明:該当せず
【発明を実施するための形態】
【0007】
I.詳細な説明
ここで、様々な態様についてより詳細に説明する。しかしながら、そのような態様は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、その範囲を当業者に完全に伝達するように提供される。
【0008】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限と、その記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在値との間の各介在値が本開示の範囲内に包含されることが意図される。例えば、1ml~8mlの範囲が記載されている場合、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、および7ml、ならびに1ml以上の値の範囲および8ml以下の値の範囲も明示的に開示することが意図される。
【0009】
すべてのパーセンテージ、部、および比は、別段の指定がない限り、局所組成物の総重量に基づき、作製されたすべての測定値は、約25℃におけるものである。
【0010】
「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈が明示的に別段に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリマー」への言及は、単一のポリマー、ならびに同じまたは異なるポリマーのうちの2つ以上を含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤、ならびに同じまたは異なる賦形剤のうちの2つ以上等を含む。
【0011】
単語「約」は、数値の直前の場合、その値のプラスまたはマイナス10%の範囲を意味し、例えば、「約50」は45~55を意味し、「約25,000」は22,500~27,500等を意味するが、本開示の文脈がそうでないことを示すか、またはそのような解釈と矛盾しない場合を除く。例えば、「約49、約50、約55」等の数値のリストでは、「約50」は、前述の値と後続の値との間の間隔(複数可)の半分未満、例えば、49.5超~52.5未満に及ぶ範囲を意味する。さらに、「約」値「未満」または「約」値「超」という語句は、本明細書に提供される「約」という用語の定義を考慮して理解されるべきである。
【0012】
「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、化合物(目的の薬剤とも称される)もしくはその化合物(目的の薬剤)の薬学的に許容される塩または組成物のいずれかを対象に直接投与することを指す。
【0013】
本明細書で使用される「担体」という用語は、担体、賦形剤、および希釈剤を包含し、これは、材料、組成物、またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒もしくは、角質層または棘層等の組織層を横切る医薬、化粧剤もしくは他の薬剤の担持もしくは輸送に関わる、カプセル化材料を意味する。
【0014】
「障害」という用語は、別段の指示がない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味するように本開示で使用され、これらの用語と互換的に使用される。
【0015】
用語「有効量」および「治療有効量」は、本開示において互換的に使用され、対象に投与されると、対象における障害の症状を軽減するか、または意図される組織治療領域の成長、質感、外観、色、感覚、または水和を増強、減少、正規化、または調節することができる化合物の量を指す。「有効量」または「治療有効量」を含む実際の量は、障害の重症度、患者の体格および健康状態、ならびに投与経路を含むが、これらに限定されない、複数の状態に応じて変化するであろう。熟練した医師は、医療技術分野で既知の方法を使用して適切な量を容易に決定することができる。
【0016】
「薬学的に許容される」または「美容的に許容される」という語句は、妥当な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしに、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび/または他の哺乳動物の組織と接触して使用するのに好適である、目的の薬剤/化合物、塩、組成物、剤形等を指すために本明細書で使用される。いくつかの態様では、薬学的に許容される手段は、連邦または州政府の規制機関によって承認されるか、または哺乳動物(例えば動物)、特にヒトにおいて使用するために米国薬局方または他の一般に認められた薬局方に記載されることを意味する。
【0017】
本明細書で使用される「塩」という用語は、遊離酸のアルカリ金属塩を形成し、遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される薬学的に許容される塩を包含する。塩の性質は、薬学的に許容可能である限り、重要ではない。「塩」という用語は、水和物等の付加塩の溶媒和物、ならびに付加塩の多形体も含む。好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製されることができる。かかる無機酸の非限定的な例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、ならびにカルボン酸およびスルホン酸を含有するヘテロシクリル、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン酸、3-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、およびガラクツロン酸、から選択されることができる。
【0018】
用語「患者」および「対象」は交換可能であり、本発明の化合物で治療され得る任意の生体を意味するとみなされ得る。したがって、「患者」および「対象」という用語は、任意の非ヒト哺乳動物、霊長類またはヒトを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、「患者」または「対象」は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、またはヒト等の哺乳動物である。いくつかの実施形態では、患者または対象は、成人、小児または乳児である。いくつかの実施形態では、患者または対象は、成人または小児ヒトである。
【0019】
「治療すること」という用語は、例えば、障害または状態を治療する方法に関して本明細書で使用され、一般に、医学的状態の症状の頻度を低減させるか、または発症を遅延させるか、または化合物もしくは組成物を受けていない対象と比較して、対象における組織表面の意図される組織治療領域の成長、質感、外観、色、感覚、もしくは水和を増強、減少、正規化、または調節させる化合物もしくは組成物の投与を含む。これには、対象の状態を改善または安定させる方法で、症状、臨床徴候、および状態の基礎病理を逆転させる、軽減させる、または停止させることが含まれることができる。例えば、細菌、微生物、真菌、または原虫感染の文脈において、「治療すること」は、細菌、微生物、真菌、または原虫の負荷の低減および/または感染に関連する症状の改善を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「治療的」という用語は、対象の望ましくない状態または疾患を治療、駆除、改善、予防または改善するために利用される薬剤を意味する。部分的には、本明細書に記載の実施形態は、良性増殖、腫瘍、表在性血管異常(腫瘍および奇形)、表皮溶解水疱症、創傷およびただれ、ランゲルハンス細胞組織球症、結核性硬化症、前悪性腫瘍、または皮膚の悪性腫瘍、ならびに皮膚における免疫細胞の濃縮を含むがこれらに限定されない、種々の皮膚疾患、状態、または障害、もしくはそれらの症状の治療を対象とし得る。皮膚状態は、ウイルス誘発性または非ウイルス誘発性の皮膚成長または増殖であり得る。皮膚状態は、炎症状態であり得る。皮膚状態は、過剰増殖性状態であり得る。皮膚状態は、遺伝的に決定された状態であり得る。皮膚状態は、内因性および外因性の変化(例えば、光老化(紫外線誘発性変化))、色素変化、微細線および潮汐を含む老化であり得る。いくつかの実施形態では、皮膚状態は、ヒトパピローマウイルス誘発性病変、例えば、疣、一般的疣贅、掌蹠疣贅、平坦疣贅、再発性疣贅、難治性疣贅、治療未経験疣贅、疣贅性表皮異形成症関連疣贅、肛門性器疣贅、尖圭コンジローマ、頸部異形成または新生物、例えば、頸部上皮内新生物(CIN);HHV-1(HSV-1)、HHV-2(HSV-2)、HHV-3(水痘帯状疱疹ウイルス)によって誘発される病変を含むヘルペスウイルス関連病変、例えば、水疱瘡、帯状疱疹(herpes zoster)、帯状疱疹(shingles)等;ポックスウイルス誘発性病変、例えば伝染性軟腫症、羊痘;カルス、皮膚角、魚の目(cor ns)、アクロコードン、線維上皮性ポリープ、結節性母斑、化学線角化症、扁平上皮癌、上皮内扁平上皮癌、角膜癌、基底細胞癌、皮膚リンパ腫および良性リンパ球浸潤および皮膚の過形成、透明細胞母斑、大細胞母斑、表皮溶解性母斑、ポロケラトーシス、角質増殖症、毛様体角化症、苔癬様角化症、表皮肥厚(acanthosis)、黒色表皮腫(acanthosis nigricans)、コンフルエントおよび網状乳頭腫症、母斑、例えば、皮膚母斑、表皮母斑、複合母斑、ILVEN(炎症性線状母斑)、脂腺母斑(nevus sebaceous)、面飽母斑(nevus comedonicus)等;にきび、例えば、面痰にきび、炎症性にきび、丘疹性にきび、膿疱性にきび、嚢胞性にきび;嚢胞、例えば、類表皮嚢胞、ミリア、毛包嚢胞、濾胞性嚢胞、増殖性嚢胞、皮膚様嚢胞、毛包嚢胞、アポクリン嚢胞、エクリン嚢胞、脂腺嚢胞、粘液嚢胞、粘液性嚢胞、神経節嚢胞、滑膜嚢胞、軟毛嚢胞、脂腺嚢腫、汗嚢腫;付属器新生物、例えば、毛包上皮腫、線維濾胞腫、毛包周囲線維腫、毛包上皮腫、脂腺母斑、軟骨性汗管腫(chondroid syringoma)、毛包上皮腫、毛包上皮腫、線維形成性毛包上皮腫、毛母腫(pilomatricoma)、毛母癌(pilomatrical carcinoma)、外毛根鞘腫(tricholemmoma)、外毛根鞘癌(trichelemmal carcinoma)、濾胞性卵管漏斗の腫瘍、毛包腺腫(tricoadenoma)、増殖性の毛の腫瘍、線維腫性腫瘍、脂腺過形成、脂腺腫、脂腺上皮腫、脂腺癌、汗管腫(syringoma)、炎症性硬結、汗腺腫、アポクリン汗嚢腫、汗腺腫、円柱腫、エクリン母斑(エクリン過誤腫(eccrine hamartoma))、乳頭状腺腫、乳頭状腺癌;良性のメラニン細胞増殖または新生物、例えば、エフィリド、カフェオーレイ斑点、ベッカーメラノーシス、レンチギン、太陽レンチギン、単純レンチゴ、粘膜メラニン細胞病変、モンゴル斑点、太田母斑、青色母斑、一般的な後天性メラニン細胞母斑(母斑細胞母斑、ほくろ」)、先天性母斑、母斑スピラス、再発性母斑;血管および血管周囲の新生物および反応性過形成、例えば、血管腫、老人性血管腫、ホブネイル血管腫(標的ヘモシデローシス血管腫)、房状血管腫、血管内皮腫、好酸球性血管腫(ALHE)、グロムス腫瘍(グロマンギオーマ)、血管腫;皮膚神経および神経内分泌腫瘍、例えば、神経腫、神経鞘腫、神経線維腫、神経鞘腫瘍、神経鞘粘液腫、神経莢腫、顆粒細胞腫瘍;線維性および線維組織球性増殖、例えば、アクロコルドン、線維上皮性ポリープ、線維腫、線維性丘疹、血管線維腫、真珠様陰茎丘疹、爪周囲線維腫、皮膚線維腫、線維角化症、硬化性または多形性線維腫、結合組織母斑;皮膚瘢痕、過形成、ケロイド、ロザセア、皮膚真菌、皮膚糸状菌およびカビ感染症、爪真菌症、色素沈着過剰、リチド、乾癬、悪性黒色腫、脂漏性角化症、脂漏性角化症、反転性毛包角化症/反転性毛包角化症、ジスケラトーマ、肬贅状肢端角化症、スタッコ角化症、またはこれらの組み合わせから選択され得る。
【0021】
ある範囲に従ってまたは任意の同様の方法において特許請求することができる、グループ内の任意のサブ範囲またはサブ範囲の組み合わせを含む任意のそのようなグループの任意の個々のメンバーを提供または除外する権利をここに留保することにより、本開示の最大限未満を任意の理由で特許請求することができる。さらに、任意の個々の置換基、類似体、化合物、リガンド、構造、もしくはそれらの基、または特許請求される基の任意のメンバーを提供または除外する権利をここに留保することにより、本開示の最大限未満を任意の理由で特許請求することができる。本開示全体を通して、様々な特許、特許出願および刊行物が参照される。それらの特許、特許出願および刊行物の開示は、本開示の日付における当業者に既知の当該技術分野の状況をより完全に説明するために、それらの全体が参照により本開示に組み込まれる。本開示は、引用される特許、特許出願および刊行物と本開示との間に矛盾がある場合に適用される。
【0022】
便宜上、本明細書、実施例および特許請求の範囲で使用される特定の用語は、ここに収集される。別段定義されない限り、本開示で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0023】
長期免疫抑制療法を受ける臓器移植レシピエントは、皮膚疾患、特に皮膚感染症および悪性腫瘍を頻繁に発症する。かかる皮膚病変および皮膚感染症を治療する組成物は、移植レシピエントおよび長期免疫抑制剤を必要とする他の患者の生活を改善するために必要である。
【0024】
様々な実施形態は、皮膚病変および皮膚感染症を治療するための1つ以上のピリミジン誘導体を含有する局所組成物を対象とする。ある特定の実施形態では、ピリミジン誘導体は、ピリミジン誘導体であり得る。他の実施形態は、1つ以上のピリミジン誘導体を含有する局所組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含む、皮膚病変を治療するための方法を対象とする。そのような実施形態の組成物は、局所組成物として製剤化され得、皮膚病変の治癒、皮膚病変および皮膚感染症に関連する変色の低減、および皮膚病変および皮膚感染症に関連する症状の緩和を提供し得る。
【0025】
様々な実施形態のピリミジン誘導体は、当該技術分野で既知の任意のピリミジン誘導体であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ピリミジン誘導体は、シドフォビル、HEPT(6-(フェニルセレネニル)ピリミジンヌクレオシド類似体)、チミラル、サキシトキシン、3’-アジドチミジン(AZT)、2’,3’-ジデオキシシチジン(DDC)、2’,3’-ジデヒドロ-3’-デオキシチミジン(d4T)、バシメトリン(5-ヒドロキシメチル-2-メトキシピリミジン-4-アミン)、グルギチン、フラン-2-イル(-2-オキソピリミジン-4-イル)-4-メトキシベンズアミド、6-アリールチオおよび6-アリールセレノアシクロヌクレオシド、フルシトシン、ヘキシチジン、オロチン酸(1,2,3,6-テトラヒドロ-2,6-ジオキソピリミジン-4-カルボン酸)、タジフィリン、テメラスチン、メピラミン、ペミロラスト、ウラムスチン(5-ビス(2-クロロエチルアミノ)ウラシル)、ピリトレキシムルセチオネート(2,4-ジアミノ-6-(2,5-ジメトキシベンジル)-5-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-モノ(2-ヒドロキシエタンスルホネート))、テガフル(5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2-フリル)ウラシル)、フロクスウリジン(5-フルオロ-2’-デオキシウリジン)、フルオロウラシル(5-フルオロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)、シタラビン(4-ドミノ(dmino)-1-β-d-アラビノフラノシルピリミジン-2(1H)-オン)、メトトレキサート(N-{4-[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニルメチル)メチルアミノ]ベンゾイル}4-グルタミン酸)、トリメトプリム(5-(3,4,5-トリメトキシベンジル)ピリミジン-2,4-ジアミン)、ピロミド酸(8-エチル-5,8-ジヒドロ-5-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸)、テトロキソプリム(5-[3,5-ジメトキシ-4-(2-メトキシエトキシ)ベンジル]ピリミジン-2,4-ジイル-ジアミン)、メチオプリム(5-(3,5-ジメトキシ-4-メチルチオベンジル-2,4,ジイルジアミン)、フルシトシン(5-フルオロシトシン)、ブロクスウリジン(5-ブロモ-2’-デオキシウリジン)、イドクスウリジン(2’-デオキシ-5-ヨードウリジン)、ピランテルエンボネート(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-メチル-2[(E)-2-(2-チエニル)ビニル]ピリミジン4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエート)、ジピリダモール(2,2’,2’’,2’’’-[(4,8-ジピペリジノピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,6-ジイル)ジニトリロ]テトラエタノール)、トラピジル(7-ジエチルアミノ-5-メチル-1,2,4-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン)、ブロジンプリム(2,4-ジアミノ-5-(4-ブロモ-3,5-ジメトキシベンジルピリミジン))、モランテルシトレート(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-メチル-2-[2-(3-メチル-2-チエニル)ビニル]ピリミジンシトレート)、イサキソニンホスフェート(2-(イソプロピルアミノ)ピリミジンホスフェート)、チソプリン(1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオール)、タスルジン(2[(3ピリジルメチル)チオ]ピリミジン)、ピペミド酸(8-エチル-5,8-ジヒドロ-5-オキソ-2-(ピペラジン-1-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸)、ピリベジル(2-(4-ピペロニルピペラジン-1-イル)ピリミジン)等、ならびにこれらの組み合わせであり得る。ある特定の実施形態では、ピリミジン誘導体は、シドフォビルであり得る。
【0026】
かかるピリミジン誘導体は、治療を提供することができる任意の量で提供されることができる。そのような実施形態の組成物中のピリミジン誘導体の濃度は、例えば、最大約30%(w/w)であり得、いくつかの実施形態では、ピリミジン誘導体の濃度は、最大約20%(w/w)であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.1%(w/w)~約30%(w/w)、約0.25%(w/w)~約20%(w/w)、約0.5%(w/w)~約15%(w/w)、約1%(w/w)~約15%(w/w)、約1%(w/w)~約10%(w/w)、またはこれらの例の範囲によって包含されるピリミジン誘導体の任意の範囲もしくは個々の濃度を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、約0.25%(w/w)~約15%(w/w)、約0.5%(w/w)~約10%(w/w)、約0.75%(w/w)~約7.5%(w/w)、約1%(w/w)~約5%(w/w)、約1%(w/w)~約3%(w/w)、またはこれらの例の範囲によって包含される任意の範囲もしくは個々の濃度を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、抗ウイルス剤等の1つ以上の追加の活性剤を含有し得る。抗ウイルス剤としては、例えば、アバカビル硫酸塩、アシクロビル、アマンタジン塩酸塩、アンプレナビル、シタラビン、デラビルジンメシレート、ジダノシン、エドクスジン、エファビレンツ、ファムシクロビル、フロクスウリジン、フォミビルセン、ホスカルネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、インジナビル、ラミブジン、ラミブジン/ジドブジン、ネルフィナビルメシレート、ネビラピン、オセルタミビルホスフェート、ペンシクロビル、リバビリン、リマンタジン塩酸塩、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシレート、スタブジン、ソリブジン、トリフルリジン、バラシクロビル、ビダラビン、ケトキサル、メチサゾン、モロキシジン、ポドフィロトキシン、リバビリン、リマンタジン、スタリマイシン、スタトロン、トロマンタジン、ゼナゾイック酸、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン等、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
様々な実施形態の組成物は、局所組成物として製剤化され、一般に、基剤を含み得る。かかる基剤としては、例えば、白色ワセリン、白色ワセリンUSP、ミネラルゼリー、石油ゼリー、黄色ワセリン、黄色軟質パラフィン、白色軟質パラフィン、脂肪、ワックス、ステロール、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、PCCA可塑化基剤等、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
いくつかの実施形態では、基剤は、リポソーム基剤であり得る。リポソーム基剤は、親油性成分、およびローション、クリーム、ゲル、またはペーストの形態であることができる水性成分を含むエマルションである。好適なリポソーム基剤の例としては、PCCA Lipoderm(登録商標)、Lipoderm ActiveMax(商標)、Anhydrous Lipoderm、およびLipoderm High Molecular Weight(商標)PCCAが挙げられる。そのようなリポソーム基剤製剤は、例えば、グリセリン、C12~15アルキルベンゾエート、ステアリン酸グリセリル、ジメチコン、セテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、ポリアクリルアミド、セチルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、キサンタンガム、アロエベラ(aloe barbadensis)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、prunus amygadalus amara(ビターアーモンド)核油、vitis vinifera(グレープ)種子エキス、triticum vulgare(小麦)胚芽油、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミタート)、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミタート)、プロリポマルチエマルションリポソーム系、EDTA四ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム等、およびこれらの組み合わせと組み合わされた、約60~80%(wt/wt)の水を含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、基剤は、クリーム基剤であり得る。クリーム基剤は、油および水の半固体エマルションである。これらは、連続水相に分散した小さな油滴で構成された水中油型(O/W)クリームと、連続油相に分散した小さな水滴で構成された油中水型(O/W)クリームの2種類に分類される。水中油型クリームは、脂肪分が少なく、水を使用して簡単に洗い流すことができるため、より快適で、美容的に許容される。油中水型クリームはより扱いにくいが、クリームに組み込まれる多くの薬剤は疎水性であり、水中油型クリームよりも油中水型クリームから容易に放出される。また、油中水型クリームは、皮膚の最外層である角質層からの水分損失を低減する油性バリアを提供するため、より保湿性が高い。クリーム基剤としては、典型的には、水、油、乳化剤、および増粘剤、例えば、以下で考察されるものが挙げられる。
【0031】
いくつかの実施形態では、基剤は、保湿クリーム基剤であり得る。保湿クリーム基剤は、皮膚の最外層である角質層からの水の損失を低減するバリアを提供し得る、軟化剤または湿潤剤を添加して、上述のクリーム基剤と同じ構成要素で構成される。保湿クリーム基剤中の軟化剤または湿潤剤は、セチルエステルワックス、ステアリルアルコール、セチルアルコール、およびグリセリン、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0032】
クリーム基剤および保湿クリーム基剤の例としては、VersaBase(PCCA);軟化剤クリーム、Vanishingクリーム、CeraVe、Vanicream、ビタミンE;cliniderm;Dermabase(精製水、ワセリン、鉱油、セトステアリルアルコール);Eucerin(水、ワセリン、鉱油、セレジン、ラノリンアルコール、メチルクロロイソチオゾリノン、メチルイソチアゾリノン);Glaxal(WellSpring Pharmaceutical Corp.,Sarasota,Fla.);ステアリン酸クリーム、または当業者に知られている局所製剤に使用される任意の他の薬学的クリーム基剤が挙げられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、基剤は、軟膏基剤であり得る。軟膏は、油および水が、7:1~2:1、5:1~3:1、または4:1の比で提供される組成物であり、いくつかの実施形態では、軟膏は、Aquaphor、Pracasil、および可塑化基剤等の水を含み得、または含み得ない。軟膏は、一般に、油、ワックス、アルコール、石油生成物、および他の薬剤を使用して製剤化され、様々な粘度および溶媒特性を有する製剤を調製する。一般に使用される製剤としては、油性基剤(白色軟膏)、吸収性基剤、W/Oエマルション基剤(コールドクリーム型基剤)、W/Oエマルション基剤(親水性軟膏)、水溶性基剤等が挙げられる。これらの調剤は、薬学的または美容的価値のある物質または生成物を溶解または懸濁させるために使用される。
【0034】
実施形態の組成物中の基剤の量は変化することができ、他の成分の量に依存する。より多くの基剤を添加して、所望の局所医薬製剤中のより少量の他の成分を補償することができる。いくつかの実施形態では、基剤は、総組成物の約45%(w/w)~約99.75%(w/w)の濃度、または当該技術分野において既知の任意の範囲または個々の濃度で存在し得る。
【0035】
本発明の組成物を使用して治療することができる一般的な皮膚病変および皮膚感染症の例としては、限定されないが、皮膚疼痛、皮膚炎症、にきび、尋常性にきび、炎症性にきび、非炎症性にきび、閃光状アクネ、結節性丘疹にきび、複合丘疹、にきび酒胞、酒胞、にきび外傷、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)またはStein-Leventhal症候群等の内分泌障害に関連するにきび、皮膚炎、細菌性皮膚感染症、真菌性皮膚感染症、ウイルス性皮膚感染症、寄生虫性皮膚感染症、皮膚腫瘍(skin neoplasia)、皮膚腫瘍(skin neoplasms)、痒み、細胞炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚膿瘍、壊死性皮膚下感染症、硬化性皮膚症候群、卵胞炎、癰(furuncles)、膿瘍性ヒドレードン炎、癰(carbuncles)、爪傍感染、発疹、紅斑、膿痂疹、膿瘡、酵母皮膚感染症、疣、伝染性軟腫症、皮膚の外傷や損傷、術後や手術後の皮膚症状、疥癬、脚気、匍匐性発疹、湿疹、乾癬、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、毛孔性紅色粃糠疹、浮腫、多形紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫、表皮壊死症、日焼け、光線過敏症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、毛孔性角化症、タコ、魚の目(corns)、魚鱗癬、皮膚潰瘍、虚血性壊死、稗粒腫、多汗症、ほくろ、カポジ肉腫、黒色腫、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、ツタウルシ、ウルシ、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、紫斑病、モニリア症、カンジダ症、脱毛症、男性型脱毛症、ベーチェット症候群、コレス腱腫、デルカム病、外胚葉異形成、味覚性発汗、爪パテラ症候群、狼瘡、じんましん、毛細血管拡張、ハイリーハイリー病、皮膚の化学的または熱的な火傷、強皮症、皮膚の老化、しわ、日焼けによるシミ、壊死性筋膜炎、壊死性筋炎、壊疽、瘢痕、および白斑が挙げられる。ある特定の実施形態では、皮膚病変および皮膚感染症は、例えば、真菌症およびヒトパピローマウイルス(HPV)関連感染等の移植に関連付けられ得、いくつかの実施形態では、皮膚感染症または皮膚病変は、エプスタイン-バールウイルス、ヘルペスウイルス、または扁平上皮癌、カポジ肉腫、および移植後リンパ増殖性障害等の特定の皮膚癌等、およびこれらの組み合わせに関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、皮膚病変または皮膚感染症は、疣または黒皮症であり得る。
【0036】
様々な実施形態の組成物は、局所製剤を含む任意の形態であることができる。実施形態としては、例えば、1つ以上の抗生物質含有ローション、フォーム、塗布薬、バーム、軟膏、石鹸、シャンプー等が挙げられる。
【0037】
いくつかの実施形態では、局所製剤は、ローションの形態であることができる。ローションは低粘度から中粘度の局所調剤である。ほとんどのローションは、これらの2つの相の分離を防止するために、セチルアルコール等の乳化剤を含有する水中油型エマルションである。ローションには、香料、グリセロール、ワセリン、染料、防腐剤、タンパク質、および安定化剤が含まれることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、局所製剤は、フォームの形態であることができる。薬学的フォームは、バルブ作動時に、気体媒体中の液体および/または固体材料の微細分散を放出する1つ以上の活性成分を含有する加圧剤形である。フォーム製剤は、一般に、他の局所剤形よりも適用し易く、密度が低く、広がり易い。フォームは、配合成分に応じて、皮膚に軟化剤または乾燥機能を提供する様々な方式で配合されてもよい。したがって、この送達技術は、局所使用に利用可能な製剤の範囲への有用な追加である。
【0039】
いくつかの実施形態では、局所製剤は、塗布薬の形態であり得る。塗布薬またはバームは、ローションと同様の粘度であり、軟膏またはクリームよりも粘度が低い局所製剤である。塗布薬は、一般に、塗布薬を皮膚に擦り込むことによって摩擦で塗布される。塗布薬は、通常、アルコール、アセトン、または同様の迅速に蒸発する溶媒から製剤化され、サリチル酸メチル、ベンゾイン樹脂、またはカプサイシン等の抗刺激性芳香族化学化合物を含有し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、製剤は、脂肪酸の塩を含む製剤である石鹸の形態であることができる。石鹸は主に、洗浄、入浴、清浄化のための界面活性剤として使用されるが、織物の紡績にも使用され、潤滑剤の重要な成分でもある。クレンジング用石鹸は、通常、植物油または動物油および脂肪を強アルカリ性溶液で処理することによって得られる。脂肪および油は、トリグリセリドから構成され、脂肪酸の3つの分子は、単一のグリセロール分子に結合する。アルカリ溶液は、あくと呼ばれることが多く(ただし、「あくから作る石鹸」という用語は、水酸化ナトリウムで作られた石鹸をほぼ独占的に指す)、サポニン化として知られる化学反応を促進すると考えられる。サポニン化では、先ず、脂肪を遊離脂肪酸に加水分解し、次いで、アルカリと結合して粗製石鹸を形成する。グリセロール(グリセリン)は、通常、遊離され、使用されるプロセスに応じて、有用な副生成物として放置または洗浄され、回収される。
【0041】
いくつかの実施形態では、局所製剤は、シャンプーの形態であることができ、シャンプーは、油、汚れ、皮膚粒子、フケ、環境汚染物質、および徐々に髪に蓄積される他の汚染物質粒子の除去に使用されるヘアケア製品である。目標は、毛髪を扱いにくいほど多くの皮脂を除去することなく、不要な蓄積を除去することであり得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、局所製剤は、座薬の形態であることができる。座薬製剤は、上記の治療有効量の抗生物質を座薬基剤と混合し、任意の技術分野で認識された座薬の作製方法によって混合剤から座薬を形成することによって、調製されることができる。座薬基剤は、通常、親油性であり、いくつかの実施形態では、トリグリセリド親油性基剤または炭化水素の混合物を含むパラフィン系基材等の非プロトン性親油性基剤であることができる。座薬基剤は、約32℃~36℃の溶融温度、または約32℃~36℃の融点範囲を有する脂肪酸のトリグリセリド混合物を有し得る。炭化水素の混合物は、好ましくは、約32℃~36℃の融点範囲を有する硬質パラフィン(約50~60%)および液体パラフィン(約40~50%)の混合物であり得る。
【0043】
ある特定の実施形態では、座薬基剤は、約80重量%~約90重量%の水溶性の固体アジュバント混合物であり得、いくつかの実施形態では、座薬基剤は、固体ポリエチレングリコール、固体ポリエチレングリコールに可溶性の液体ポリエチレンギルコール、固体油溶性界面活性剤、水溶性界面活性剤、および鯨蝋を含み得る。様々な個々の成分の物理的特性は、相互作用によって、押出性、水分散性、および貯蔵安定性を保証する特徴を製剤化組成物の特性に与える。基剤の様々な成分の量および割合は、その中に組み込まれる薬効成分の量によって変化する。いくつかの実施形態では、固体ポリエチレングリコールは、総組成物の約23重量%~約35重量%であり得、液体ポリエチレングリコールは、総組成物の約10重量%~約13重量%であり得る。固体ポリエチレングリコールは、約4000~約6000の分子量を有してもよく、液体ポリエチレングリコールは、約200~約600の分子量を有し得る。固体油溶性界面活性剤は、総組成物の約9重量%~約11重量%であり得、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(Tween61)またはポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(Tween65)であり得る。水溶性界面活性剤は、総組成物の約4重量%~約12重量%であり得、エチレンオキシド-ポリプロピレンギルコール縮合生成物であることができる。げいろうは、総組成物の約26%~約40重量%であることができる。固体アジュバントは、βラクトース、スクロース、デキストロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等、およびこれらの組み合わせであることができ、いくつかの実施形態では、座薬製剤は、少量のメチルセルロース、グアーガム、または精製された木材セルロースと混合され得るコーンスターチ等のデンプンを含むことができる。
【0044】
例示的な組成物は、様々な既知の成分を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ブチル化ヒドロキシトルエンジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1-メトキシ2-プロパノール(グリソルブPM/ルシノールPM)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルグリキソルブ/ブチルイシノール)、ブチルジグリソルブ(ブチルイシノール)、トランスカトール、プロピレングリコール(PG)、N-メチル-2ピロリドン(NMP)、塩化メチレン、ジエチルエーテル、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、天然油の組み合わせ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン(DMPX)、オレイン酸、カプリル酸、1-オクタノール、エタノール(変性または無水)、リポソーム組成物、好適な植物油、例えばアロエベラ誘導体またはゴマ油もしくはそれらの誘導体、アクリルポリマー、ゴム系ポリマー、ポリシロキサン系ポリマー、ポリビニルピロリドン系ポリマー、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ヘキサメチルリン酸アミド(HMPA)、レシチン、Transfersomes(登録商標)(二成分小胞凝集体)、エトソーム、アゾン、ヒマシ油誘導体、例えばエトキシル化ヒマシ油、ホホバ油誘導体、トウモロコシ油誘導体、エミュー油誘導体等、およびこれらの組み合わせ等の溶媒を含み得る。溶媒は、約5.0%(w/w)~約15.0%(w/w)、約6.0%(w/w)~約10.0%(w/w)、約7.5%(w/w)~約10.5%(w/w)、約8.0%(w/w)~約10.0%(w/w)の濃度、またはこれらの例の範囲によって包含される溶媒の任意の範囲もしくは個々の濃度で存在することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、組成物は抗酸化剤を含み得る。かかる酸化防止剤は、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤク脂、没食子酸プロピル、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert-ブチルヒドロキノン、トコフェロール等、およびそれらの薬学的に許容される塩もしくはエステル、またはこれらの組み合わせであり得る。酸化防止剤は、総組成物またはこの例の範囲によって包含される任意の個々の濃度の約0.01%(w/w)~約1%(w/w)の濃度で存在することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、組成物全体の約3%(w/w)~約10%(w/w)の濃度で、様々なモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、およびそれらの混合物を含む乳化剤を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚を鎮静、平滑化、保湿、または保護する湿潤剤をさらに含み得る。湿潤剤は、限定されず、例えば、カラミン、ドデシル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ポリソルビタンのポリオキシエチレンエステル、例えば、モノオレイン酸、モノラウレート、モノパルミチン酸、モノステアリン酸エステル、ソルビタンのエステル、ポリオキシエチレンエーテル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DOSS)、レシチン、およびドクサートナトリウムであることができる。そのような組成物中の湿潤剤の量は、総組成物の約0.01%(w/w)~5%(w/w)であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、サリチル酸メチル、コデイン、モルヒネ、メタドン、ペチジン、ブプレノルフィン、ヒドロモルヒネ、レボルファノール、オキシコドン、フェンタニル、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)等、およびこれらの組み合わせ等の、鎮痛剤をさらに含み得る。そのような組成物の鎮痛剤の量は、総組成物の約0.01%(w/w)~5%(w/w)であり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、パパイン/尿素、バルサムペルー/ヒマシ油/トリプシン、クロロフィリン銅複合体/パパイン/尿素、コラゲナーゼ等、およびこれらの組み合わせ等の局所清拭剤をさらに含み得る。そのような組成物の清拭剤は、総組成物の約0.01%(w/w)~5%(w/w)であり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、尿素、乳酸アンモニウム、サリチル酸/尿素、ビタミンA、D、およびE、乳酸アンモニウム/プラモキシン、ビタミンA&ビタミンD、デクサパラノール、乳酸アンモニウム/尿素、サリチル酸/尿素、サリチル酸/尿素、アロエベラ、ラノリン等、ならびにこれらの組み合わせ等の、局所軟化剤をさらに含み得る。そのような組成物である軟化剤の量は、総組成物の約0.01%(w/w)~5%(w/w)であり得る。
【0051】
クリーム基剤は、当業者に周知の従来の技法によって調製し得る。一般に、好適なプロセスは、クリームの様々な成分を、好都合な任意の順序で適切な相対量で混合し、その後、必要に応じて、pHを最終的な所望の値に調整することを含む。例えば、基剤の成分は、エマルションが形成されるまで、約65℃~約75℃の温度で一緒に混合され得、治療剤は、乳化クリーム基剤を冷却した後、または混合中に添加され得る。
【0052】
ある特定の実施形態は、シドフォビル等のピリミジン誘導体を含有するフィルム形成組成物を対象とする。このようなフィルム形成組成物は、乾燥させると、適用部位にわたって保護フィルムを形成する。フィルムは活性成分の除去を阻害し、それを治療されている部位と接触したままとする。本発明で使用するのに好適なフィルム前駆体の例は、Flexible Collodion,USP.である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Ed.(Easton,Pa.:Mack Publishing Co.,1995)に記載されているように、コロジオンは、ピロキシリン(ニトロセルロース)を含有するエチルエーテル/エタノール溶液であり、蒸発して、ピロキシリンのフィルムを残す。前者のフィルムは、さらに担体として作用し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、フィルム形成組成物は、皮膚に塗布されたときに、典型的なコロジオン組成物よりも弾性のあるバリアを形成するポリマーまたはポリマーの混合物を含み得る。そのような実施形態で使用されることができるポリマーとしては、例えば、アクリル酸(PAA)のポリマーもしくはコポリマー、メタクリル酸(PMA)のポリマーもしくはコポリマー、イタコン酸(PIA)のポリマーもしくはコポリマー、マレイン酸(PLA)のポリマーもしくはコポリマー、ポリアルキレン、および3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸(PBA)のポリマーもしくはコポリマー、またはこれらの組み合わせが挙げられる。ポリアルキレンとしては、例えば、ポリブチレンおよびポリイソプレンが挙げられる。実施形態のポリマーは、約300kD~約2000kDの平均分子量を有することができ、約70mm2/s~約122mm2/s(ASTM D2270)の粘度指数を有し得る。
【0054】
ポリアクリル酸ホモポリマーおよびポリアクリレートは、多種多様な周知の化合物を包含する。例えば、ポリアクリレートホモポリマーには、アクリル酸およびアルキルアクリレートのポリマー、アクリルアミドおよびアクリル酸のポリマー、アクリルアミドおよびアルキルアクリレートのポリマー、アルキルアクリレートおよびメタクリル酸のポリマー、エチルメタクリレート、アビエチルメタクリレート、およびジエチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(これらは、ジメチルサルフェートで四級化され得る)、エチルメタクリレート、オレイルメタクリレート、およびジエチルアミノエチルメタクリレートのポリマー(これらは、ジメチルサルフェートで四級化されることができる)等、およびこれらの塩が含まれる。ポリアクリレートコポリマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびエチレンのコポリマー、アクリル酸およびビニルアルコールのコポリマー等およびこれらの塩が挙げられる。ポリアクリレートコポリマーの特定の例としては、ポリ(メチルメタクリレート)が挙げられる。
【0055】
そのような実施形態では、ポリマーの量は、総組成物の約0.05重量%~約30重量%であり得、いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの濃度は、約0.5重量%~約10重量%、約1.0重量%~約7.5重量%、約5重量%~約10重量%、またはこれらの例の範囲によって包含される範囲もしくは個々の濃度であり得る。架橋剤の濃度は、約0.5重量%~約10重量%、約2重量%~約8重量%、またはこれらの例の範囲によって包含される任意の範囲もしくは個々の濃度であり得る。特定の実施形態では、ポリマーは、総組成物の約0.05重量%~約5重量%、約0.1重量%~約1重量%、またはこれらの例の範囲によって包含される任意の個々の濃度または範囲の量で提供されることができるポリアルキレンであり得る。ポリマーがポリアクリレートホモポリマーまたはポリアクリレートコポリマーである実施形態では、ポリマーは、総組成物の約0.05重量%~約10重量%、約0.1重量%~約1重量%、またはこれらの例の範囲によって包含される任意の個々の濃度または範囲であり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、フィルム形成組成物は、架橋剤、可塑剤等およびこれらの組み合わせをさらに含み得る。架橋剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとのコポリマーの組み合わせ[P(EO/PO)]、およびゼラチンが挙げられる。任意の可塑剤は、本発明の組成物中で使用され得る。可塑剤の例としては、例えば、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、グルコノラクトン、グルコン酸、尿素、またはこれらの組み合わせを含む低分子量のポリヒドロキシ化合物が挙げられる。
【0057】
実施形態は、例えば、水、プルラン、グリセリン、グリセリル、ポリアクリレート、PEG-90M二ナトリウムEDTA、ジヒドロ酢酸ナトリウム、およびメチルイソチアゾリノンからなるOcclusaderm等の市販のフィルム形成剤を含む。
【0058】
本発明の他の実施形態は、上述の組成物を投与することによって皮膚疾患および皮膚病変を治療するための方法を含む。様々な実施形態の方法は、上述の組成物を、治療を必要とする対象の皮膚病変および皮膚感染の場所に投与するステップを含み得る。例えば、投与するステップは、実施形態の組成物を、治療を必要とする患者の皮膚に塗布することを含むことができる。投与するステップは、様々な手段によって実行されることができる。例えば、投与は、組成物を感染した対象の皮膚に塗布することによって達成されることができ、いくつかの実施形態では、皮膚は、影響を受けた領域との接触を促進するためにマッサージされまたは擦り付けられ得る。いくつかの実施形態では、投与するステップは、1日に1回、2回、3回、4回、またはそれ超の回行われることができ、投与は、1週間~6ヶ月間、または症状が解決するまで、1日に所定の回数で行われることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の症状の改善は、処置の約7日以内に観察され得、特定の実施形態では、1つ以上の症状の改善は、初期治療の約1、約2、約3、約4、約5、または約6日後に観察され得る。
【0059】
ある特定の実施形態では、上述の方法は、ヘルペスウイルスおよびパピローマウイルスを治療するために使用することができる。したがって、方法は、本発明の組成物を生殖器に局所的に、またはそのような疾患に罹患している患者に直腸に適用することを含む。ヒトパピローマウイルスは、例えば、疣、一般的疣贅、性器疣贅、掌蹠疣贅、平坦疣贅、再発性疣贅、難治性疣贅、治療未経験疣贅、疣贅性表皮異形成症関連疣贅、肛門性器疣贅、尖圭コンジローマ、頸部異形成または新生物、例えば、頸部上皮内新生物(CIN)等を含む、様々な病変を産生することができる。すべてのかかる病変は、本発明の方法を使用して治療されることができる。同様に、本発明の方法は、HHV-1(HSV-1)、HHV-2(HSV-2)、HHV-3(水痘-帯状疱疹ウイルス)、水疱瘡、帯状疱疹(herpes zoster)、帯状疱疹(shingles)等によって誘発されるそれらの病変を含む種々のヘルペスウイルス関連病変を治療するために使用することができる。
【0060】
当該技術分野で既知であるように、投与するための特定の手段は、製剤の特定の成分の使用を必要とし得る。そのような成分は上記に記載され、組成物に適切に組み込まれることができる。
【実施例
【0061】
本発明は、その特定の好ましい実施形態を参照してかなり詳細に説明されているが、他の変形例が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に含まれる説明および好ましい変形例に限定されるべきではない。本発明の様々な態様は、以下の非限定的な実施例を参照して例示される。
【0062】
実施例1
可塑化基剤またはワセリン中に0.5%~5%のシドボフィル(cidovofir)を含有する軟膏、および軟化剤クリーム中に0.5%~5%のシドフォビルを含有するクリーム、またはversabaseクリーム中に1~5%のシドフォビルを含有するクリームを作成した。処方は、閉塞性特徴を有する。基剤は病変内の水分を導き、成長組織を柔らかくして、シドフォビルの成長組織への浸透を助ける。軟化剤およびversabaseクリームは脂肪分が少ない。可塑化基剤およびワセリンまたは脂肪分がより多いが刺激のより低い可能性を有し、それらを非常に敏感な皮膚または非常に乾燥した皮膚に適合させ、HSV病変等の創傷に適する。
【0063】
実施例2
3%のシドフィビル(cidofivir)を含有する軟膏(可塑化基剤、ワセリン、またはaquaphorで作製した)、または親油性成分(軟化剤クリーム)の割合が高い濃厚な保湿クリームを調製した。両方のビヒクルは、病変の内部で閉塞性であり、直接的な水分であり、疣組織を軟化させ、したがって薬物浸透を促進する。軟膏は軟化剤クリームよりも閉塞性が高いが、どちらもうまく機能した。軟化剤クリームは脂肪分がより少なく、肌に良い感触がある。軟膏はより脂肪分が多く、皮膚に快適な感触はより少ないが、敏感な皮膚領域(性器疣)または刺激のある皮膚領域に適する。具体的な組成としては、以下を含む:
軟膏
3%シドフォビル
97%可塑化基剤(またはワセリンもしくはaquaphor)

クリーム
3%シドフォビル
97%軟化剤クリーム
【0064】
実施例3
HSVは、異なるビヒクルを有する組成物で治療することができる。HSV病変が非常に刺激的である場合および/または洗浄またはフラッシュを必要としない開放創を含む場合、軟膏または軟化クリームを使用して刺激の可能性を低下させることができる。創傷がじくじくしている場合、軟化剤クリームは水を取り込むことができる。軟膏または柔軟剤クリームはまた、皮膚をしっとりと保ち、創傷の治癒を促進する。HSV病変が深く、毎日または頻繁に洗浄を必要とする場合、ゲルは容易に洗い流す/すすぎ落とすことができるため、水溶性ゲルを使用し得る。病変が開いていない、刺激がある場合、versabaseクリームを有するクリームは、皮膚により良い感触を提供し、創傷を保湿することができる。特定の組成物の例としては、以下を含む:
軟膏
1%シドフォビル
99%可塑化基剤(またはワセリンまたはaquaphor)

クリーム
1%シドフォビル
99%軟化剤クリーム

水溶性ゲル
1%シドフォビル
99%ポロキサマーゲル

クリーム
1%シドフォビル
99%versabaseクリーム
【国際調査報告】